(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】カメラデバイスのレンズ配置構成のためのレンズ部材
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20230713BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20230713BHJP
G03B 15/03 20210101ALI20230713BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20230713BHJP
G02B 23/26 20060101ALI20230713BHJP
H04N 23/57 20230101ALI20230713BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G02B7/02 B
G03B17/02
G03B15/03 P
G02B7/02 A
G02B23/24 B
G02B23/26 C
H04N23/57
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020152514
(22)【出願日】2020-09-11
【審査請求日】2022-06-14
(32)【優先日】2019-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】502208205
【氏名又は名称】アクシス アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ボクヴィスト, マルテ
(72)【発明者】
【氏名】ダネリウス, ヨンス
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-128128(JP,A)
【文献】中国実用新案第208386751(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02-7/16
G03B 17/02
G03B 15/03
G02B 23/24
G02B 23/26
H04N 23/57
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラデバイスのためのレンズ配置構成(200)であって、当該レンズ配置構成が、
レンズユニット(106)を閉囲し、長手方向レンズ部材軸(A)に沿って延在するバレル(104)を備えるレンズ部材(100)と、
キャビティを囲む壁を備えるレンズホルダ(202)と、
前記キャビティの底部に配置された画像センサと
を備え、
前記画像センサは前記レンズユニットの方を向き、
前記レンズ部材は、前記キャビティ内に少なくとも部分的に挿入され、
前記レンズ部材(100)の前記バレル(104)はチャネル(102)を画定し、前記チャネル(102)は、前記レンズ部材(100)の前記バレル(104)の壁セクションの内部で前記長手方向レンズ部材軸(A)に平行に延在し、前記レンズ配置構成(200)の視野に向く第1の端開口を有し、
前記レンズ配置構成(200)は、前記チャネル(102)および前記第1の端開口を介して前記レンズ配置構成(200)の前記視野に位置するエリアに電磁放射を放出するように配置されたエミッタ(110)を備え、
前記レンズ部材(100)は、前記レンズホルダ(202)にスライドして挿入可能であり、
前記バレル(104)は、半径方
向外方に延在するレンズ部材突出部
(206)の形態の壁セクションを備え、前記チャネル(102)は前記レンズ部材突出部
(206)の内部に延在する、
レンズ配置構成(200)。
【請求項2】
前記チャネル(102)は、前記チャネル(102)内に配置されたライトガイドを備える、請求項1に記載のレンズ配置構成(200)。
【請求項3】
前記エミッタ(110)は、UV光、IR光、レーダ無線波、可視光、またはレーザ光のうちの少なくとも1つの形態の電磁放射を放出するように配置される、請求項1または2に記載のレンズ配置構成(200)。
【請求項4】
前記チャネル(102)は第2の端開口をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のレンズ配置構成(200)。
【請求項5】
前記第2の端開口は点状であり、前記第1の端開口は半環状または環状形状を有する、請求項4に記載のレンズ配置構成(200)。
【請求項6】
前記エミッタ(110)と前記チャネル(102)の前記第2の端開口との間の連通を提供するコネクタをさらに備える、請求項4または5に記載のレンズ配置構成(200)。
【請求項7】
前記第2の端開口は前記エミッタ(110)の方に向く、請求項4~6のいずれか一項に記載のレンズ配置構成(200)。
【請求項8】
前記エミッタ(110)は、前記キャビティの底部に配置された画像センサ上にまたは前記画像センサに隣接して配置される、請求項7に記載のレンズ配置構成(200)。
【請求項9】
前記レンズ部材(100)は前記レンズホルダ(202)に着脱可能に取り付けられる、請求項1~8のいずれか一項に記載のレンズ配置構成(200)。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のレンズ配置構成(200)を備えるカメラデバイス。
【請求項11】
カメラデバイスのためのレンズ配置構成
(200)であって、当該レンズ配置構成
(200)が、
レンズユニット
(106)を閉囲し、長手方向レンズ部材軸
(A)に沿って延在するバレル
(104)を備えるレンズ部材
(100)と、
キャビティを囲む壁を備えるレンズホルダ
(202)と、
を備え、
前記レンズ部材は、前記キャビティ内に少なくとも部分的に挿入され、
前記レンズ部材
(100)の前記バレル
(104)はチャネル
(102)を画定し、前記チャネル
(102)は、前記レンズ部材
(100)の前記バレル
(104)の壁セクションの内部で前記長手方向レンズ部材軸
(A)に平行に延在し、前記レンズ配置構成
(200)の視野に向く第1の端開口を有し、
前記レンズ配置構成
(200)は、前記チャネル
(102)および前記第1の端開口を介して前記レンズ配置構成
(200)の前記視野に位置するエリアに電磁放射を放出するように配置されたエミッタ
(110)を備え、
前記チャネル
(102)は第2の端開口をさらに備え、
前記レンズ配置構成
(200)は、前記エミッタ
(110)と前記チャネル
(102)の前記第2の端開口との間の連通を提供するコネクタをさらに備え、
前記レンズ部材
(100)は、前記レンズホルダ
(202)にスライドして挿入可能であり、
前記バレル
(104)は、半径方
向外方に延在するレンズ部材突出部
(206)の形態の壁セクションを備え、前記チャネル
(102)は前記レンズ部材突出部
(206)の内部に延在する、
レンズ配置構成
(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラデバイスのためのレンズ配置構成に関する。
【背景技術】
【0002】
ネットワークカメラなどのモジュール式カメラは、多くの異なる状況で、室内と室外の両方で使用することができる。モジュール式カメラの多用途性は、モジュール式カメラの費用効果的な生産についての需要の増加をもたらした。この需要を満たすために、モジュール式カメラの構成要素のコストだけでなく、モジュール式カメラの組み立てに関連するコストも低減することが望ましい。これらのモジュール式カメラの機能を改善することがさらに望ましい。
【0003】
モジュール式カメラは、普通、2つの別個の部分;センサユニットおよびケーブルを介してセンサユニットに接続された主ユニットを備える。
【0004】
センサユニットは、レンズホルダ、および、レンズホルダによって着脱可能に支持されたレンズ部材を備えることができる。画像センサはレンズホルダ内に配置することができる。センサユニットは非常に小さく、1~10mmの範囲内の長さおよび1~10mmの範囲内の直径を有することができる。
【0005】
主ユニットは、画像処理およびネットワーク通信のために配置することができ、センサユニットと別個に配置することもできる。
【0006】
そのため、モジュール式カメラのセンサユニットは幾つかの構成要素を備え、センサユニットの組み立ては、複雑で時間がかかり費用がかかる複数のステップを必要とする。さらに、組み立て体は、高い精度を必要とする。モジュール式カメラのセンサユニット内での構成要素の相対的位置のわずかの偏位は、例えば、ミスアライメントをもたらし、モジュール式カメラの性能を低下させる場合がある。特に、レンズホルダ内でのレンズ部材の適切なアライメントは特に重要であり、なぜならば、わずかな偏位が、モジュール式カメラによって達成される画像品質を著しく低下させる場合があるからである。
【0007】
典型的なモニタリングカメラにおいて、音記録部(recording)または照明部(illumination)などの能動的アクセサリは、レンズから或る距離に配置され、カメラのサイズを増加させる。
【0008】
さらに、モジュール式カメラは、異なる環境でまた異なる目的で使用することができる。高品質画像または画像からの他の付加情報を得るために、アクセサリは、モジュール式カメラのセンサユニットに付加され、それにより、センサユニットのサイズを増加させる場合がある。
【0009】
US6476851B1 D1は、電子内視鏡であって、歪みが補正され、シェーディングが防止される、電子内視鏡を開示する。内視鏡は、内視鏡の端に配置された撮像ユニットを備える。一対のライトガイド48が、撮像ユニットの外側に配置され、撮像ユニットの光学軸の方向に延在する。
【発明の概要】
【0010】
上記で述べたことを考慮して、本発明の目的は、カメラデバイスのための改良された機能およびコンパクトさを有するレンズ配置構成を提供することである。
【0011】
上記目的また同様に以下の説明から明らかになるであろう他の目的の少なくとも1つを達成するために、本発明によるレンズ配置構成およびカメラデバイスが提供される。好ましい実施形態は説明から明らかになるであろう。
【0012】
一例によれば、カメラデバイスのレンズ配置構成のためのレンズ部材は、レンズユニットを閉囲し、長手方向レンズ部材軸に沿って延在するバレルを備えることができる。バレルは、長手方向レンズ部材軸に平行に延在し、レンズ部材の前端に設けられた第1の端開口を有するチャネルを画定する。チャネルは、第1の端開口を介して、レンズ部材に連結したエミッタからレンズ部材の前部のエリアに音および/または電磁放射を誘導するように構成される、および/または、チャネルは、第1の端開口を介して、レンズ部材の前部のエリアからレンズ部材に連結したレシーバに音および/または電磁放射を誘導するように構成される。
【0013】
提供されるレンズ部材は、従来のレンズ部材と比較して改善された機能を有することができる。例えば、レンズ部材は、音を送受信するための外部デバイスの必要性なしで上記チャネルを通して音を収集することができる。これは、モジュール式モニタリングカメラにとって有利である場合があり、従来のモジュール式モニタリングカメラは、組み込み機能として音取り込み部(sound capture)を持たない。本レンズ部材は、種々の異なる機能を保有することができる。提供されるレンズ部材は、モニタリングカメラとして使用されるモジュール式カメラを生産するときにしばしば望ましい小さいサイズで製造することができる。提供されるレンズ部材は、機能を失うことなくコンパクトなレンズ配置構成の製造を可能にする。
【0014】
エミッタおよび/またはレシーバはチャネル内に配置することができる。これによって、費用効果的なレンズ部材およびレンズ配置構成を提供することができる。
【0015】
レンズ部材はライトガイドを備えることができる。ライトガイドはチャネル内に配置することができる。これは、チャネルが、まっすぐな拡張部(extension)を持たないが、依然として光の形態の電磁放射を誘導するために構成されることを可能にすることができる。
【0016】
第1の態様によれば、カメラデバイスのためのレンズ配置構成が提供され、レンズ配置構成は、レンズユニットを閉囲し、長手方向レンズ部材軸に沿って延在するバレルを備えるレンズ部材を備える。レンズ部材は、キャビティに少なくとも部分的に挿入される。レンズ部材のバレルはチャネルを画定し、チャネルは、レンズ部材のバレルの壁セクションの内部で長手方向レンズ部材軸に平行に延在し、また、レンズ配置構成の視野に向く第1の端開口を有する。レンズ配置構成は、チャネルおよび第1の端開口を介してレンズ配置構成の視野に位置するエリアに電磁放射を放出するように配置されたエミッタを備える。
【0017】
チャネルは、レンズ部材のバレルの壁セクションの内部に延在する。これによって、改善された機能を有するコンパクトなレンズ配置構成を達成することができる。チャネルがバレルの壁の内部に延在することによって、チャネルとエミッタのアライメントを容易にすることができる。
【0018】
チャネルはライトガイドを備えることができる。ライトガイドはチャネル内に配置することができる。
【0019】
エミッタは、UV光、IR光、レーダ無線波、可視光、またはレーザ光のうちの少なくとも1つの形態の電磁放射を送受信するように配置することができる。エミッタが異なる電磁放射を放出することができることが留意される。例えばIR光を使用することによって、レンズ配置構成を備えるカメラデバイスは、より暗い環境で使用するのに適するとすることができる。レーダまたはレーザは、レンズ配置構成が、視野内に存在するものの距離を決定することを可能にすることができる。
【0020】
レンズ配置構成はキャビティの底部に配置された画像センサをさらに備えることができる。画像センサはレンズユニットの方に向く。
【0021】
チャネルは第2の端開口をさらに備えることができる。チャネルが第2の端開口を備えることによって、エミッタは、チャネルの外側に位置決めされ、第2の端開口を介してチャネルに入る電磁放射を放出するように配置することができる。
【0022】
第2の端開口は点状とすることができる。第1の端開口は半環状または環状形状を有することができる。第1の端開口の半環状または環状形状は、レンズ配置構成の電磁放射の放出の機能または有効性を改善することができる。電磁放射が任意の種類の光である場合、上記光のより均一な分布を達成することができる。
【0023】
レンズ配置構成は、エミッタとチャネルの第2の端開口との間の連通を提供するコネクタをさらに備えることができる。こうして、エミッタを、例えばカメラデバイスの一部上に配置し、コネクタを通してレンズ配置構成に接続することができる。これは、レンズ配置構成を製造するときに、製造プロセスの柔軟性を提供することができる。これは、費用効果的でかつコンパクトなレンズ配置構成を提供することができる。
【0024】
第2の端開口はエミッタの方に向くことができる。それにより、エミッタは、コネクタの備えなしで、チャネルと直接連通することができ、それは、レンズ配置構成の組み立てを容易にすることができる。
【0025】
エミッタは、キャビティの底部に配置された画像センサに近接して配置することができる。それにより、レンズ配置構成の改善された機能の提供を容易にすることができる。
【0026】
モジュール式カメラにおいて、エミッタは、画像センサに、主ユニットに、あるいは画像センサまたは主ユニットに連結した制御ユニットに接続することができる。
【0027】
レンズ部材は、レンズホルダに摺動的に挿入可能とすることができる。レンズホルダに摺動的に挿入可能であるレンズ部材の構成は、レンズ配置構成の容易にされた組み立てを提供することができる。これは、費用効果的なレンズ配置構成を提供することができる。この構成によって、チャネルのアライメントを容易にすることができる。
【0028】
バレルは、半径方向に外方に延在するレンズ部材突出部の形態の壁セクションを備えることができる。チャネルはレンズ部材突出部の内部に延在し、したがって、レンズ部材のコンパクトさを維持することを可能にすることができる。同様に、レンズ部材突出部の備えは、ねじ継手の必要性なしで、レンズホルダ内にレンズ部材を搭載することを可能にすることができる。したがって、画像センサによって取り込まれる画像の損傷(blemishing)のリスクを減らすことができる。
【0029】
レンズ配置構成のレンズホルダは、レンズ部材突出部に対して対応する突出部を備えることができ、それにより、レンズ部材は、ねじ込み式配置構成についての必要性なしでレンズホルダに摺動的に挿入可能である。
【0030】
レンズホルダは、レンズ配置構成の組み立てを容易にするためにレンズ部材突出部に対応する溝を備えることができる。
【0031】
レンズ部材突出部は、レンズホルダ突出部上のねじ山に対応するねじ山を備えることができ、それにより、レンズ部材はねじ込み式嵌合(threaded fitting)によってレンズホルダに挿入可能である。
【0032】
第2の態様によれば、上述したレンズ配置構成を備えるカメラデバイスが提供される。カメラデバイスはモジュール式カメラとすることができる。
【0033】
概して、第2の態様の異なる特徴および利点は、第1の態様に関連して詳細に論じられた。その議論は、第2の態様に関連して同様に有効であり、したがって、上記議論に対して参照が行われる。種々の実施形態またはオプションの特徴が第2の態様に同様に適用可能であることを留意することができる。
【0034】
概して、特許請求項で使用される全ての用語は、本明細書で別段に明示的に規定されない限り、技術分野におけるその普通の意味に従って解釈される。1つの(a)/1つの(an)/その(the)[要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップなど]に対する全ての参照は、別段に明示的に述べられない限り、上記要素、デバイス、コンポーネント、手段、ステップなどの少なくとも1つのインスタンスを参照していると公然と解釈される。本明細書で開示される任意の方法のステップは、明示的に述べられない限り、開示される厳密な順序で実施される必要はない。
【0035】
本発明の上記のならびにさらなる目的、特徴、および利点は、同じ参照符号が同様の要素のために使用されることになる添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の例証的でかつ非制限的な以下の詳細な説明を通してよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図4a】レンズ配置構成の一実施形態の分解形態の斜視図である。
【
図4b】
図4aに示すレンズ配置構成のレンズ部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明は、ここで、現在のところ好ましい本発明の実施形態が示される添付図面を参照して以降でより完全に述べられるであろう。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化することができ、本明細書で述べる実施形態に限定されるものと解釈されるべきでない;むしろ、これらの実施形態は、徹底さおよび完全さ(thoroughness and completeness)のために提供され、本発明の範囲を当業者に完全に伝える。
【0038】
カメラデバイスのレンズ配置構成は、以下で、
図1~3を参照して述べられるであろう。
【0039】
図1は、レンズ配置構成200の一実施形態を示す。レンズ配置構成は、レンズホルダ202およびレンズホルダ202に着脱可能に取り付けられたレンズ部材100を備える。レンズホルダ202およびレンズ部材100は、レンズ配置構成200の光学軸OAに沿って整列する。組み立てられた状態で、光学軸OAは長手方向レンズ部材軸Aに一致する。
【0040】
レンズ配置構成200を、カメラデバイスに含むことができる。カメラデバイスは、センサユニット、および、ケーブルを介してセンサユニットに接続された主ユニットを備えるモジュール式カメラとすることができる。レンズ配置構成200を、センサユニットに含むことができる。主ユニットは、画像処理およびネットワーク通信のために配置することができる。主ユニットは、センサユニットと別個に配置することができる。主ユニットは、代替的に、センサユニットと共に配置することができる。
【0041】
カメラデバイスがモジュール式カメラである必要がなく、したがって、本発明が他のタイプのカメラデバイスにも適用可能であることが留意されるべきである。
【0042】
レンズ配置構成200を備えるカメラデバイスは、ビデオシーケンスを提供するモニタリングカメラとすることができる。
【0043】
図2から明らかであるように、レンズ部材100は、レンズユニットを閉囲するバレル104を備える。バレルは、上記バレル104によって画定される少なくとも1つのチャネル102を備える。バレルは、長手方向レンズ部材軸Aに沿う拡張部(extension)を有する。各チャネル102は長手方向レンズ部材軸Aに平行に延在する。各チャネル102は、レンズ部材100の前端に設けられた第1の端開口を備える。組み立てられた状態で、レンズ部材100の前端は、レンズ配置構成200の視野の方に方向付けられる。
【0044】
示す実施形態は、バレルの壁の内部に延在する3つのチャネル102を備える。
【0045】
レンズ部材100は、エミッタおよび/またはレシーバに連結される。こうして、レンズ部材100は、音および/または電磁放射を放出または受信するように配置することができる。
【0046】
幾つかの実施形態において、チャネル102は、第1の端開口108を介して、レンズ部材100に連結されたエミッタからレンズ部材100の前部のエリアに音および/または電磁放射を誘導するように構成することができる。こうして、組み立てられた状態で、レンズ配置構成200は、レンズ配置構成200の視野内に位置するエリアに音および/または電磁放射を放出することができる。
【0047】
幾つかの実施形態において、チャネル102は、第1の端開口108を介して、レンズ部材100の前部のエリアからレンズ部材100に連結されたレシーバに音および/または電磁放射を誘導するように構成することができる。こうして、組み立てられた状態で、レンズ配置構成200は、レンズ配置構成200の視野内に位置するエリアから音および/または電磁放射を受信することができる。
【0048】
レンズユニット106は、視野の画像以上のもの、例えば動きまたは音を取り込むために、エミッタおよび/またはレシーバ110と共に機能することができる。こうして、改善された機能を有するカメラデバイスを提供することができる。
【0049】
一例において、チャネルは、チャネル内に配置されたライトガイドを備えることができる。ライトガイドは、チャネル102が曲がりくねる(crook)または湾曲することを可能にし、チャネル102を通して光を誘導することができる。ライトガイドは、高品質画像を取り込むレンズユニット106の能力を改善することができ、一方、レンズユニット106はそれ自体では、高品質画像を取り込むことができない場合があり、レンズ部材の前端にライトガイドによって誘導される付加光が、取り込まれる画像の品質を改善することができる。
【0050】
レンズ配置構成200の断面図である
図3において、レンズ配置構成200は組み立てられた状態で示される、すなわち、レンズ部材100はレンズホルダ202に挿入されている。レンズホルダ202は、キャビティを囲む壁を備える。組み立てられた状態で、レンズ部材100またはレンズ部材100の少なくとも一部は、レンズホルダ202のキャビティに挿入される。
【0051】
レンズ部材100のバレル104は、長手方向レンズ部材軸Aに平行に延在するチャネルを画定する。レンズ部材100のチャネル102は、レンズ配置構成200の視野に向く第1の端開口を有する。その視野は、レンズ部材100の前端にあるとすることができる。レンズホルダ202のキャビティは、レンズ部材100を収納するように配置される。
【0052】
レンズ部材100は、ねじ込みによってレンズホルダ202のキャビティに挿入可能であるように配置することができる。レンズ部材100がねじ込みによってレンズホルダ202に挿入されると、レンズ配置構成は、レンズ部材100の端位置が存在するように構成することができる。レンズ部材100が端位置にあるとき、チャネル102はエミッタおよび/またはレシーバ110に整列する。
【0053】
レンズ部材100は、レンズホルダ202のキャビティに摺動的に挿入可能であるように配置することができる。レンズ部材100がレンズホルダ202に摺動的に挿入可能であるようにレンズ配置構成を構成することによって、それは、チャネルとレシーバおよび/またはエミッタ110とのミスアライメントのリスクが低減したレンズ配置構成の組み立てを容易にすることができる。
【0054】
レンズ配置構成200は、チャネル102および第1の端開口を介してレンズ配置構成200の視野内に位置するエリアに音および/または電磁放射を放出するように配置されたエミッタ110を備えることができる。レンズ配置構成200は、第1の端開口およびチャネル102を介してレンズ配置構成200の視野内に位置するエリアから音および/または電磁放射を受信するように配置されたレシーバ110を備えることができる。レンズ配置構成200のチャネル102は、チャネル102内に配置されたライトガイドを備えることができる。
【0055】
エミッタ110は、UV光、IR光、レーダ無線波、可視光、またはレーザ光のうちの少なくとも1つの形態の電磁放射を放出するように配置することができる。
【0056】
レシーバ110は、UV光、IR光、レーダ無線波、可視光、またはレーザ光のうちの少なくとも1つの形態で電磁放射を受信するように配置することができる。
【0057】
チャネル102は、エミッタおよび/またはレシーバ110とレンズ配置構成の視野内に位置するエリアとの間にまっすぐな視線を規定することができる。これは、電磁放射がレーザ光であるときに有益とすることができる。
【0058】
例として、カメラデバイスのレンズ配置構成200は、IRを放出するためのエミッタを備えることができる。エミッタ110は、IR光を放出でき、それにより、カメラデバイスは、夜の間など不良な視界条件中に、高品質画像を取り込むことができる。レンズ配置構成のチャネル102の構成は、IR光がレンズ配置構成200の外側に配置される必要性が存在しないため、コンパクトなカメラデバイスを製造し使用することができることを保証することができる。
【0059】
第1の端開口は半環状または環状とすることができる。第1の端開口が環状形状である例において、エミッタ110は光を放出するように構成することができる。その例において、環状の第1の端開口は、放出光が、レンズ配置構成200の視野の外方に拡散するように配置することができる。光の均等に分配された放出を達成することができる。これは、レンズ配置構成200の機能および高品質画像またはビデオシーケンスを取り込む能力を改善することができる。環状の第1の端開口は、レンズ配置構成200の視野に対して光をより均等に拡散させるためにライトガイドを備えることができる。
【0060】
チャネルから出る光の配光は、上述したようにライドガイドを備えることができるチャネルの端に配置されたレンズによって制御することができる。
【0061】
代替的に、第1の端開口は、特定の方向にまたは特定の構成(composition)で光を方向付けるように配置することができる。光は、レンズ配置構成の特定のズーム位置に入るように放出することができる。例として、エミッタは、或る距離および方向でかつ或るオブジェクトを狙ったズームされた光を放出するように配置することができる。特定のオブジェクトに向かって光をズームすることは、取り込まれる画像の所望の品質を得るためにレンズを選択することに関連して実施することができる。
【0062】
チャネル102は、第1の端開口に対向する閉鎖した端を有することができる。こうした場合、エミッタおよび/またはレシーバ110は、チャネル102の内部に配置することができる。
【0063】
チャネル102は、代替的に、図に示すように、第1の端開口に対向する端に第2の端開口を備えることができる。第2の端開口は、エミッタおよび/またはレシーバ110の方を向くことができる。第2の端開口は点状とすることができる。代替的に、第2の端開口は円周拡張部を有することができる。
【0064】
第1の端開口と第2の端開口との間に延在するチャネル102は、一定のまたは変動する断面を有することができる。
【0065】
チャネル102は、円周方向に拡張部を有し、レンズユニット104を少なくとも部分的に閉囲することができる、すなわち、チャネル102は、環状または半環状断面を有することができる。
【0066】
こうして、チャネル102は、第1の端開口と第2の端開口との間で一定断面を持って延在することができ、一定断面は、例えば、
図3に示す円とすることができる。しかしながら、他の一定断面が実現可能である。
【0067】
別の例において、チャネルは、レンズユニット104を部分的に閉囲する半環状の第1の端開口と円形の第1の端開口との間で変動する断面を持って延在することができる。
【0068】
さらに別の例において、チャネルは、一定の断面を有し、レンズユニット104を部分的に閉囲する半環状の第1の端開口と相応して半環状の第2の端開口との間に延在することができる。
【0069】
エミッタおよび/またはレシーバ110は第2の端開口に配置することができる。
【0070】
エミッタおよび/またはレシーバ110は、レンズ配置構成200の内部に配置することができる、または、レンズ配置構成200と別個に配置することができる。
【0071】
レンズ配置構成200は、エミッタおよび/またはレシーバ110とチャネル102の第2の端開口との間に連通を提供するコネクタを備えることができる。その接続は、エミッタおよび/またはレシーバ110がどこに配置されるかについて柔軟性を可能にすることができる。エミッタおよび/またはレシーバ110をチャネル102の外側に配置することによって、製造するのが簡単な(simple to manufacture)レンズ部材100およびレンズ配置構成200を提供することができる。
【0072】
レンズ配置構成200は画像センサを備えることができる。画像センサはキャビティの底部に配置することができる。画像センサを、プリント回路基板内に含むことができる。画像センサは主ユニットに接続することができる。画像センサはレンズユニット106の方に向くことができる。エミッタおよび/またはレシーバ110は画像センサプリント回路基板上にまたはそれに隣接して配置することができる。これによって、エミッタおよび/またはレシーバ110を画像センサに容易に接続することができる。レンズ配置構成200はヒートシンクを備えることができる。ヒートシンクは、レンズ配置構成200の寿命を延ばすことができ、なぜならば、画像センサが、エミッタおよび/またはセンサが発生する熱に敏感である場合があるからである。
【0073】
レンズ配置構成200の第2の実施形態は、ここで、
図4a、
図4bを参照して述べられるであろう。レンズ配置構成200の示す実施形態は、レンズホルダ202、および、レンズホルダ202のキャビティに摺動的に挿入可能であるレンズ部材100を備える。
【0074】
レンズ部材100は、レンズユニット106を閉囲し、レンズ部材軸Aに沿って延在するバレル104を備える。
【0075】
バレル104は、それぞれが、半径方向に外方に延在するレンズ部材突出部206の形態の2つ壁セクションを備える。各レンズ部材突出部は第1および第2のレンズ部材表面セクション208a、208bを備える。第1および第2のレンズ部材表面セクション208a、208bのそれぞれは、長手方向レンズ部材軸Aおよび長手方向レンズ部材軸Aに対する垂線(normal)によって規定される平面内に延在する。
【0076】
チャネル102はバレルの壁内に設けられ、両方のレンズ部材突出部の内部に拡張部を有する。レンズ部材は、2つの別個のチャネル102を備えることができ、1つのチャネルはレンズ部材突出部206のそれぞれのレンズ部材突出部206の内部に延在する。
【0077】
チャネル102は、レンズ部材100の前端の環状の第1の端開口で終端する第1の環状セクションを備える。チャネル102の第1の環状セクションは、後ろ側からのレンズ部材100を示す
図4bから明らかであるように、それぞれが、2つのレンズ部材突出部206のそれぞれのレンズ部材突出部の内部に延在し、円周拡張部を有する第1の端開口で終端する、2つのチャネルセグメントにチャネルが分岐する第2のセクションに隣接する。
【0078】
レンズホルダ202のキャビティは、レンズ部材100がキャビティに摺動的に挿入可能であるようにレンズ部材100に対して相補的に形成される。より具体的には、レンズホルダは、それぞれが第1および第2のレンズホルダ表面セクション212a、212bを有するレンズホルダ突出部210を備える。第1および第2のレンズホルダ表面セクション212a、212bのそれぞれは、光学軸Aおよび光学軸Aに対する垂線によって規定される平面内に延在する。
【0079】
レンズ部材突出部206をレンズホルダ突出部210の間に形成された溝と整列させることによって、レンズ部材はレンズホルダのキャビティに摺動的に挿入可能である。
【0080】
レンズ部材100は、ロック力を加えるロック部材によってキャビティ内でロックすることができる。
【0081】
本発明が、示す実施形態に限定されないことが認識されるであろう。したがって、幾つかの修正形態および変形形態が本発明の範囲内で考えられ、その範囲は、添付特許請求の範囲によってこうして排他的に規定される。