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特許7312734残高管理システム、残高管理方法、及び残高管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】残高管理システム、残高管理方法、及び残高管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230713BHJP
   G06Q 50/34 20120101ALI20230713BHJP
【FI】
G06Q40/02
G06Q50/34
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020180449
(22)【出願日】2020-10-28
(65)【公開番号】P2022071466
(43)【公開日】2022-05-16
【審査請求日】2022-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135518
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 隆
(72)【発明者】
【氏名】肥田 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】柴 弘二
(72)【発明者】
【氏名】大貝 滝あ
(72)【発明者】
【氏名】ダワースレン エンクバト
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-165933(JP,A)
【文献】特開2008-027117(JP,A)
【文献】クレジットカードの使える公営ギャンブル~その2「競輪その1」[オンライン],2020年07月11日,[2023年4月19日検索],インターネット:<URL: https://keiba.blue/クレジットカードの使える公営ギャンブル~その2/>
【文献】[再掲][お知らせ]投票資金の繰越と精算について ,楽天競馬ブログ[オンライン],2013年03月03日,[2023年4月19日検索],インターネット:<URL: https://plaza.rakuten.co.jp/keibainfo/diary/201303030006/>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが投票するための投票資金の残高が記録される投票用口座への入金であって、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な互いに異なる第1支払手段及び第2支払手段の少なくとも何れか一方を用いた入金の要求を取得する入金要求取得手段と、
前記取得された要求が、前記第1支払手段を用いた入金の要求である場合、前記投票用口座の残高うち出金不可能な残高を記憶する記憶手段に記憶された前記出金不可能な残高を増加させず、前記取得された要求が、前記第2支払手段を用いた入金の要求である場合、前記記憶された出金不可能な残高を、入金額に応じて増加させる入金処理手段と、
前記投票用口座の残高うち出金可能な残高の資金が出金される場合、前記投票用口座の残高から、前記記憶された出金不可能な残高を減算することにより、前記出金可能な残高を計算し、該計算された出金可能な残高の資金を、前記ユーザへ送金させる出金処理手段と、
を備え、
前記第1支払手段及び前記第2支払手段の何れを用いても同一の前記投票用口座に対して入金可能であることを特徴とする残高管理システム。
【請求項2】
前記投票用口座は、前記残高管理システムと異なる所定システムにより管理され、
前記所定システムから前記投票用口座の残高を示す残高情報を取得する残高情報取得手段を更に備え、
前記出金処理手段は、前記取得された残高情報により示される前記投票用口座の残高から、前記記憶された出金不可能な残高を減算することにより、前記出金可能な残高を計算することを特徴とする請求項1に記載の残高管理システム。
【請求項3】
前記所定システムは、前記投票用口座にある全投票資金一括での出金に応じて、前記投票用口座の残高をゼロに更新可能であり、
前記所定システムにより、前記投票用口座の残高をゼロに更新させた後、前記所定システムにより、前記投票用口座の残高に、前記記憶された出金不可能な残高を加算させる出金用更新制御手段を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の残高管理システム。
【請求項4】
前記所定システムは、指定された出金額での投票資金の出金に応じて、前記投票用口座の残高を更新可能であり、
前記所定システムにより、前記投票用口座の残高から、前記計算された出金可能な残高に相当する出金額を減算させる出金用更新制御手段を更に備えることを特徴とする請求項3に記載の残高管理システム。
【請求項5】
投票可能なイベントの開催日の翌日に、前記投票口座にある前記投票資金を繰り越すか否かが、前記ユーザにより予め選択可能であり、
前記出金処理手段は、前記投票資金を翌日に繰り越さないことが選択されている場合、前記イベントが終了して前記出金可能な残高がある状態で所定時刻が経過することに応じて、前記ユーザへの送金を実行させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の残高管理システム。
【請求項6】
前記第2支払手段は、前記支払いに利用可能な有効期限が定められていることがある交換媒体を含み、
有効期限が定められた前記交換媒体を用いた入金に基づく出金不可能な資金を投票に利用することを制限する制限手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の残高管理システム。
【請求項7】
前記入金処理手段は、有効期限が定められた前記交換媒体を用いて前記投票用口座に投票資金が入金される場合、前記記憶手段に、入金に用いられた前記交換媒体の額と、前記有効期限と、を関連付けて記憶させ、
前記制限手段は、前記記憶された有効期限が経過することに応じて、前記記憶された出金不可能な残高を、前記記憶された交換媒体の額に応じて減少させることを特徴とする請求項6に記載の残高管理システム。
【請求項8】
前記制限手段は、有効期限が定められた前記交換媒体を用いた前記投票用口座への投票資金の入金を禁止することを特徴とする請求項6に記載の残高管理システム。
【請求項9】
前記第1支払手段を用いて入金される第1入金額と、前記第2支払手段を用いて入金される第2入金額と、の両方の入力が可能な画面を、前記ユーザが利用する端末装置に表示させる入金画面表示制御手段を更に備え、
前記入金要求取得手段は、前記表示された画面に入力された前記第1入金額及び前記第2入金額を示す前記要求を、前記端末装置から取得し、
前記入金処理手段は、前記記憶された出金不可能な残高を、前記取得された要求により示される前記第1入金額及び前記第2入金額のうち、前記第2入金額に応じて増加させ、
前記投票用口座の残高を、前記取得された要求により示される前記第1入金額と前記第2入金額との合計額に応じて増加させる入金用更新制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の残高管理システム。
【請求項10】
前記第1支払手段は、法定通貨を含むことを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の残高管理システム。
【請求項11】
前記第2支払手段は、法定通貨への交換が制限された交換媒体を含むことを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の残高管理システム。
【請求項12】
コンピュータにより実行される残高管理方法において、
ユーザが投票するための投票資金の残高が記録される投票用口座への入金であって、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な互いに異なる第1支払手段及び第2支払手段の少なくとも何れか一方を用いた入金の要求を取得する入金要求取得ステップと、
前記取得された要求が、前記第1支払手段を用いた入金の要求である場合、前記投票用口座の残高うち出金不可能な残高を記憶する記憶手段に記憶された前記出金不可能な残高を増加させず、前記取得された要求が、前記第2支払手段を用いた入金の要求である場合、前記記憶された出金不可能な残高を、入金額に応じて増加させる入金処理ステップと、
前記投票用口座の残高うち出金可能な残高の資金が出金される場合、前記投票用口座の残高から、前記記憶された出金不可能な残高を減算することにより、前記出金可能な残高を計算し、該計算された出金可能な残高の資金を、前記ユーザへ送金させる出金処理ステップと、
を含み、
前記第1支払手段及び前記第2支払手段の何れを用いても同一の前記投票用口座に対して入金可能であることを特徴とする残高管理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザが投票するための投票資金の残高が記録される投票用口座への入金であって、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な互いに異なる第1支払手段及び第2支払手段の少なくとも何れか一方を用いた入金の要求を取得することに応じ、前記取得された要求が、前記第1支払手段を用いた入金の要求である場合、前記投票用口座の残高うち出金不可能な残高を記憶する記憶手段に記憶された前記出金不可能な残高を増加させず、前記取得された要求が、前記第2支払手段を用いた入金の要求である場合、前記記憶された出金不可能な残高を、入金額に応じて増加させる入金処理手段と、
前記投票用口座の残高うち出金可能な残高の資金が出金される場合、前記投票用口座の残高から、前記記憶された出金不可能な残高を減算することにより、前記出金可能な残高を計算し、該計算された出金可能な残高の資金を、前記ユーザへ送金させる出金処理手段、
として機能させ
前記第1支払手段及び前記第2支払手段の何れを用いても同一の前記投票用口座に対して入金可能であることを特徴とする残高管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば公営競技等において投票するための資金を管理する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば競馬や競輪等の公営競技においては、競技場や投票券販売所で投票を行うことが可能となっている。具体的に、窓口で現金を差し出し又は券売機に現金を投入することで、投票券を購入することができる。また、ウェブサイトにアクセスして投票を行う、所謂インターネット投票も可能になった。インターネット投票の場合、キャッシュレスで投票を行うために、ユーザごとに投票用の口座が開設される。ユーザは、そのユーザの銀行預金から振り替え等を行うことで、投票用口座に、投票資金を入金することができる。一般的に、入金された資金や払い戻しされた資金は、投票用口座からユーザの預金口座へ出金することができる。
【0003】
近年においては、キャッシュレス化が急速に進んでいることから、銀行預金等の法定通貨に加えて、例えば電子マネーやポイント等の支払手段でインターネット投票を行いたいというニーズが増大してきてもおかしくない状況にあると考えられる。しかしながら、法定通貨以外での投票資金の入金を単純に許容した場合、電子マネーやポイント等を投票用口座に入金した後で、直ぐに投票用口座から預金口座に出金するというマネーロンダリングを誘引する可能性がある。そこで、特許文献1においては、このような不正行為を防止するための管理方法が提案されている。具体的に、この管理方法では、換金可能な電子バリューを示す換金可能バリューの残高と、換金不可能な前記電子バリューを示す換金不可バリューの残高と、が対応付けられた電子バリュー情報が記憶される。ユーザによって入金された入金金額は、換金不可バリューの残高に加算される。ユーザが投票を行う場合、換金不可バリューの残高から投票金額が減算される。払い戻しがあった場合、払戻金額が、換金可能バリューの残高及び換金不可バリューの残高のうち少なくとも一方に加算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-165933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、実際に、投票用の口座において、投票資金を、出金可能な資金と出金不可能な資金とに分けて管理することには困難を伴う場合がある。投票用の口座の管理を含む中心的なシステムは、競技の運営者等により運営されている場合がある。その一方で、投票用の口座と預金口座との間の入出金や投票の操作を行うためのウェブインターフェース等を提供するシステムは、別の事業者により運営されている場合がある。また、電子マネーやポイント等の支払手段の発行や管理を行うシステムも、競技の運営者とは異なる事業者によって運営される場合がある。こうした状況においては、入金に用いる支払手段の追加を理由として、そのシステムによる投票用の口座の管理を改変しようとすると、様々な影響が出る可能性がある。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みて成されたものであり、その課題の一例は、投票用口座を管理するシステムの改変を抑えながら、不正を抑止して法定通貨以外の支払手段を利用した投票を可能とする残高管理システム、残高管理方法、及び残高管理プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、ユーザが投票するための投票資金の残高が記録される投票用口座への入金であって、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な互いに異なる第1支払手段及び第2支払手段の少なくとも何れか一方を用いた入金の要求を取得する入金要求取得手段と、前記取得された要求が、前記第1支払手段を用いた入金の要求である場合、前記投票用口座の残高うち出金不可能な残高を記憶する記憶手段に記憶された前記出金不可能な残高を増加させず、前記取得された要求が、前記第2支払手段を用いた入金の要求である場合、前記記憶された出金不可能な残高を、入金額に応じて増加させる入金処理手段と、前記投票用口座の残高うち出金可能な残高の資金が出金される場合、前記投票用口座の残高から、前記記憶された出金不可能な残高を減算することにより、前記出金可能な残高を計算し、該計算された出金可能な残高の資金を、前記ユーザへ送金させる出金処理手段と、を備え、前記第1支払手段及び前記第2支払手段の何れを用いても同一の前記投票用口座に対して入金可能であることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、出金不可能な残高が記憶されることにより、第2支払手段を用いて入金された投票資金が、出金不可能な資金として管理される。投票用口座を管理するシステムは、投票用口座にある投票資金の残高を区別して管理しないことから、第1支払手段及び第2支払手段の何れを用いて投票資金が入金されても、投票用口座の残高は増加する。第1支払手段を用いた場合、入金額は、出金不可能な残高に加算されない。従って、この入金額は、実質的に出金可能な残高に加算される。一方、第2支払手段を用いた場合、入金額は、出金不可能な残高に加算される。出金の場合、投票用口座にある投票資金のうち、出金不可能な資金が出金されることは抑止したい。この場合、投票用口座の残高から、記憶されている出金不可能な残高を減算することにより、出金可能な残高を、出金額として計算すればよい。こうして計算された額の投票資金が、ユーザへ送金される。従って、投票用口座を管理するシステムの改変を抑えながら、不正を抑止して法定通貨以外の支払手段を利用した投票が可能になる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、前記投票用口座は、前記残高管理システムと異なる所定システムにより管理され、前記所定システムから前記投票用口座の残高を示す残高情報を取得する残高情報取得手段を更に備え、前記出金処理手段は、前記取得された残高情報により示される前記投票用口座の残高から、前記記憶された出金不可能な残高を減算することにより、前記出金可能な残高を計算することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、所定システムから投票用口座の残高を示す残高情報が取得される。そして、残高情報に基づいて、出金可能な残高が計算される。従って、投票用口座を管理するシステムの改変を抑えながら、不正を抑止して法定通貨以外の支払手段を利用した投票が可能になる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、前記所定システムは、前記投票用口座にある全投票資金一括での出金に応じて、前記投票用口座の残高をゼロに更新可能であり、前記所定システムにより、前記投票用口座の残高をゼロに更新させた後、前記所定システムにより、前記投票用口座の残高に、前記記憶された出金不可能な残高を加算させる出金用更新制御手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、出金時、一度投票用口座にある全投票資金が一括で出金され、出金可能な残高の資金がユーザへ送信され、出金不可能な残高の資金は再度投票用口座に入金される。従って、所定システムが、出金額を指定した投票用口座からの投票資金の出金に対応していなくても、出金不可能な残高の資金を投票用口座に残して、出金不可能な残高に相当する資金をユーザへ送金することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記所定システムは、指定された出金額での投票資金の出金に応じて、前記投票用口座の残高を更新可能であり、前記所定システムにより、前記投票用口座の残高から、前記計算された出金可能な残高に相当する出金額を減算させる出金用更新制御手段を更に備えることを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、出金時、所定システムが、出金額を指定した投票用口座からの投票資金の出金に対応しているので、出金不可能な残高の資金を投票用口座に残して、出金可能な残高に相当する資金をユーザへ送金することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、投票可能なイベントの開催日の翌日に、前記投票口座にある前記投票資金を繰り越すか否かが、前記ユーザにより予め選択可能であり、前記出金処理手段は、前記投票資金を翌日に繰り越さないことが選択されている場合、前記イベントが終了して前記出金可能な残高がある状態で所定時刻が経過することに応じて、前記ユーザへの送金を実行させることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、選択に応じて、投票が終わった後に投票用口座に出金可能な資金が残っている場合、その日に自動的にその資金の送金を自動的に受けることも、その資金を翌日以降の投票の機会のために繰り越すことも可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、前記第2支払手段は、前記支払いに利用可能な有効期限が定められていることがある交換媒体を含み、有効期限が定められた前記交換媒体を用いた入金に基づく出金不可能な資金を投票に利用することを制限する制限手段を更に備えることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な有効期限が定められた交換媒体に基づく出金不可能な資金の利用が制限される。従って、取引代金の支払いに期間的な制限がある交換媒体と制限がない交換媒体との間で、投票資金の利用可能性に差を持たせることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、前記入金処理手段は、有効期限が定められた前記交換媒体を用いて前記投票用口座に投票資金が入金される場合、前記記憶手段に、入金に用いられた前記交換媒体の額と、前記有効期限と、を関連付けて記憶させ、前記制限手段は、前記記憶された有効期限が経過することに応じて、前記記憶された出金不可能な残高を、前記記憶された交換媒体の額に応じて減少させることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、入金に用いられた交換媒体に対して定められた有効期限と同じ有効期限が、入金された投票資金に対して定められる。従って、入金された投票資金に、入金に用いられた交換媒体と同じ制限を加えることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、前記制限手段は、有効期限が定められた前記交換媒体を用いた前記投票用口座への投票資金の入金を禁止することを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、有効期限が定められた交換媒体を用いて投票資金を入金することを不可能にすることができる。
【0023】
請求項9に記載の発明は、前記第1支払手段を用いて入金される第1入金額と、前記第2支払手段を用いて入金される第2入金額と、の両方の入力が可能な画面を、前記ユーザが利用する端末装置に表示させる入金画面表示制御手段を更に備え、前記入金要求取得手段は、前記表示された画面に入力された前記第1入金額及び前記第2入金額を示す前記要求を、前記端末装置から取得し、前記入金処理手段は、前記記憶された出金不可能な残高を、前記取得された要求により示される前記第1入金額及び前記第2入金額のうち、前記第2入金額に応じて増加させ、前記投票用口座の残高を、前記取得された要求により示される前記第1入金額と前記第2入金額との合計額に応じて増加させる入金用更新制御手段を更に備えることを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、入金画面において、ユーザは、第1支払手段を用いた入金額と、第2支払手段を用いた入金額と、の両方を入力可能である。第2支払手段を用いた入金額は、出金不可能な残高に加算され、第1支払手段を用いた入金額と第2支払手段を用いた入金額との合計額が、投票用口座の残高に加算される。従って、ユーザは第1支払手段と第2支払手段とを一度に併用して、投票資金を入金することができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、前記第1支払手段は、法定通貨を含むことを特徴とする。
【0026】
請求項11に記載の発明は、前記第2支払手段は、法定通貨への交換が制限された交換媒体を含むことを特徴とする。
【0027】
請求項12に記載の発明は、コンピュータにより実行される残高管理方法において、ユーザが投票するための投票資金の残高が記録される投票用口座への入金であって、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な互いに異なる第1支払手段及び第2支払手段の少なくとも何れか一方を用いた入金の要求を取得する入金要求取得ステップと、前記取得された要求が、前記第1支払手段を用いた入金の要求である場合、前記投票用口座の残高うち出金不可能な残高を記憶する記憶手段に記憶された前記出金不可能な残高を増加させず、前記取得された要求が、前記第2支払手段を用いた入金の要求である場合、前記記憶された出金不可能な残高を、入金額に応じて増加させる入金処理ステップと、前記投票用口座の残高うち出金可能な残高の資金が出金される場合、前記投票用口座の残高から、前記記憶された出金不可能な残高を減算することにより、前記出金可能な残高を計算し、該計算された出金可能な残高の資金を、前記ユーザへ送金させる出金処理ステップと、を含み、前記第1支払手段及び前記第2支払手段の何れを用いても同一の前記投票用口座に対して入金可能であることを特徴とする。
【0028】
請求項13に記載の発明は、コンピュータに、ユーザが投票するための投票資金の残高が記録される投票用口座への入金であって、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な互いに異なる第1支払手段及び第2支払手段の少なくとも何れか一方を用いた入金の要求を取得することに応じ、前記取得された要求が、前記第1支払手段を用いた入金の要求である場合、前記投票用口座の残高うち出金不可能な残高を記憶する記憶手段に記憶された前記出金不可能な残高を増加させず、前記取得された要求が、前記第2支払手段を用いた入金の要求である場合、前記記憶された出金不可能な残高を、入金額に応じて増加させる入金処理手段と、前記投票用口座の残高うち出金可能な残高の資金が出金される場合、前記投票用口座の残高から、前記記憶された出金不可能な残高を減算することにより、前記出金可能な残高を計算し、該計算された出金可能な残高の資金を、前記ユーザへ送金させる出金処理手段、として機能させ、前記第1支払手段及び前記第2支払手段の何れを用いても同一の前記投票用口座に対して入金可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、投票用口座を管理するシステムの改変を抑えながら、不正を抑止して法定通貨以外の支払手段を利用した投票が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】一実施形態に係る情報処理システムSの概要構成の一例を示す図である。
図2】投票資金の流れの一例を示す図である。
図3】一実施形態に係る投票サイトサーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。
図4】会員DB14aに記憶される情報の例を示す図である。
図5】一実施形態に係るゲートウェイサーバ2の概要構成の一例を示すブロック図である。
図6】出金不可能残高DB24aに記憶される情報の例を示す図である。
図7】一実施形態に係る投票サイトサーバ1のシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。
図8】一実施形態に係るゲートウェイサーバ2のシステム制御部21の機能ブロックの一例を示す図である。
図9】或るユーザの投票用口座にある資金の履歴の一例を示す図である。
図10】投票資金の入金時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。
図11】ゲートウェイサーバ2のシステム制御部21による入金制御処理の一例を示す図である。
図12】随時精算時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。
図13】当日一括精算時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。
図14】投票時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。
図15】随時精算時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。
図16】当日一括精算時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。
図17】出金不可能残高DB24aに記憶される情報の例を示す図である。
図18】一実施形態に係るゲートウェイサーバ2のシステム制御部21それぞれの機能ブロックの一例を示す図である。
図19】ゲートウェイサーバ2のシステム制御部21による期間限定資金無効化処理の一例を示す図である。
図20】入金画面800の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。以下に説明する実施形態においては、本発明が、オンラインでの投票を可能とするシステムに適用される。投票は、例えば投票券を購入することであってもよい。投票内容が的中すると、投票したユーザは払い戻しを受けることができる。投票可能なイベント等としては、当該国の法律等において許可されているものであれば特に限定されない。投票の対象となるものの例として、所定の競技がある。所定の競技は、例えば公営競技であってもよい。公営競技の例として、競馬、競輪、競艇、オートレース等が挙げられる。また、所定の競技はスポーツであってもよい。例えば、スポーツくじとして投票券の購入が可能なスポーツが存在する。以下の実施形態においては、競馬の投票を可能とするシステムについて説明する。
【0032】
投票を行う場合、ユーザは、予め投票資金を投票用の口座に入金する必要がある。投票用口座への入金に、所定の支払手段を利用することが可能である。支払手段は、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な手段である。取引対象は、商取引可能な対象である。取引対象の例として、商品及びサービスが挙げられる。支払手段は、取引対象と交換することが可能な媒体であってもよい。また、支払手段は、取引代金の支払いに利用可能な決済方法であってもよい。本実施形態においては、第1支払手段及び第2支払手段という少なくとも2つの支払手段を用いて投票用口座への投票資金の入金が可能である。第1支払手段は、例えば法定通貨であってもよい。法定通貨は、預金であっても現金であってもよい。また、第1支払手段は、法定通貨への交換が容易な交換媒体を含んでもよい。このような支払手段の例として、金券、仮想通貨等が挙げられる。第2支払手段は、法定通貨への交換が制限された交換媒体を含んでもよい。法定通貨への交換が制限されているとは、法定通貨への交換が全面的に又は原則的に禁止されていることであってもよい。こうした支払手段の例として、ポイント、電子マネー、プリペイドカード等が挙げられる。第2支払手段は、ポストペイ型の決済手段を含んでもよい。こうした決済手段の例として、クレジットカードが挙げられる。実施形態においては、第2支払手段としてポイントの利用が可能である場合について説明する。
【0033】
[1.第1実施形態]
[1-1.情報処理システムの構成]
先ず、本実施形態に係る情報処理システムSの構成及び機能概要について、図1及び図2を用いて説明する。
【0034】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムSの概要構成の一例を示す図である。図1に示すように、情報処理システムSは、投票サービスシステムSAと、投票コアシステムSBと、一又は複数の銀行サーバ5と、ポイント管理サーバ6と、複数のユーザ端末7とを備える。投票サービスシステムSA、投票コアシステムSB、各銀行サーバ5、ポイント管理サーバ6、及び各ユーザ端末7は、ネットワークNWに接続可能である。ネットワークNWは、例えばインターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、及びゲートウェイ等により構築されている。
【0035】
投票サービスシステムSAは、投票コアシステムSBを利用して、投票を可能とする投票サービスをユーザに提供するシステムである。投票サービスシステムSAは、例えば競馬の運営者とは異なる事業者により運営されてもよい。投票サービスシステムSAは、投票サイトサーバ1と、ゲートウェイサーバ2と、を備えてもよい。
【0036】
投票サイトサーバ1は、競馬に投票するためのウェブサイトである投票サイトを管理するサーバ装置である。投票サイトサーバ1は、各ユーザ端末7からの要求に応じて、投票サイト内のウェブページ等の情報を配信する。投票サイトサーバ1は、投票サイトを通じて、ユーザからの投票資金の入金、出金、投票等を受け付ける。
【0037】
ゲートウェイサーバ2は、投票サイトサーバ1による制御等により、銀行サーバ5及びポイント管理サーバ6と協働して、投票資金の入出金処理を実行する。
【0038】
投票コアシステムSBは、インターネット投票を可能とする中心的なシステムである。このシステムは、投票用口座に対する入出金や投票を行うためのAPI(Application Programming Interface)を、投票サービスシステムSA等に提供している。投票コアシステムSBは、例えば投票の対象となる所定競馬の運営者により運営されてもよい。投票コアシステムSBは、投票用口座管理サーバ3と、投票管理サーバ4と、を備えてもよい。
【0039】
投票用口座管理サーバ3は、投票用口座を管理するサーバ装置である。投票用口座管理サーバ3は、例えば投票用口座DB31を備える。「DB」は、データベースの略語である。投票用口座DB31には、投票用口座にある投票資金に関する情報が記憶されている。例えば、投票用口座DB31には、インターネット投票を利用可能なユーザごとに、口座IDと、投票用残高と、が関連付けて記憶されてもよい。口座IDは、投票用口座を識別する識別情報である。投票用残高は、投票用口座にある資金の残高である。
【0040】
投票管理サーバ4は、投票サイトサーバ1からの要求に応じて、各ユーザの投票用口座にある投票資金を用いた投票を処理するサーバ装置である。
【0041】
一又は複数の各銀行サーバ5は、それぞれ所定の銀行における預金を管理するサーバ装置である。また、各銀行サーバ5は、銀行のオンラインシステムにより、預金口座間における送金処理(口座振り替え)を実行する。投票用口座への入金に利用可能な銀行は、特定の一又は複数の銀行に限定されていてもよい。
【0042】
ポイント管理サーバ6は、所定のポイントプログラムを利用可能な各ユーザが有するポイントを管理するサーバ装置である。ポイント管理サーバ6は、例えば、ユーザごとに、ユーザを識別する情報と、ユーザが有するポイント数と、を関連付けて記憶してもよい。ユーザを識別する情報は、例えばユーザが所有するポイントカードのカード番号であってもよい。ポイントカードの発行が必須ではないポイントプログラムの場合、カード番号ではなく、ユーザを識別する何らかの情報、例えば投票サイトにおいてユーザを識別するためのユーザIDとポイント数とを、ポイント管理サーバ6が関連付けて記憶してもよい。ポイント管理サーバ6は、ポイントの付与や利用に応じて、ポイント数を更新する。このポイントプログラムでは、例えば、商品若しくはサービスの購入、サービスの予約、サービスの利用、又はその他ユーザによる所定行為に応じて、ポイントがユーザに付与されてもよい。ユーザは、所有するポイントを商品やサービスの購入代金の少なくとも一部に利用することができてもよい。ポイントは、例えば電子商取引で利用可能であってよいし、実店舗で利用可能であってもよい。ポイントプログラムを運営する事業者と、投票サービスシステムSAを運営する事業者とは、同一であってもよいし異なっていてもよい。
【0043】
各ユーザ端末7は、投票サービスシステムSAを利用可能なユーザにより利用される端末装置である。ユーザ端末7の例として、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット式コンピュータ等の携帯情報端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)、セットトップボックス等が挙げられる。少なくとも一のユーザ端末7には、ウェブブラウザがインストールされてもよい。また、少なくとも一のユーザ端末7には、投票サービスシステムSAを利用するための専用のアプリケーションがインストールされてもよい。各ユーザ端末7は、ウェブブラウザ又は専用アプリケーションに従って、投票サイト内の情報を投票サイトサーバ1から受信して表示してもよい。
【0044】
図2は、投票資金の流れの一例を示す図である。図2において、引落口座は、投票用口座への投票資金の入金元となる預金口座である。払戻口座は、投票用口座にある投票資金の出金先となる預金口座である。引落口座及び払戻口座は、ユーザにより指定可能であってもよい。引落口座と払戻口座とは、同一であってもよいし、異なっていてもよい。図2に示すように、引落口座の預金から投票用口座への入金が可能であり、投票用口座から払戻口座への出金が可能である。
【0045】
投票サービスシステムSAは、所定のポイントプログラムでユーザが有するポイントでの投票資金の入金も可能とする。ポイントで投票用口座に入金された投票資金を、直接払戻口座に出金可能とすると、資金洗浄などの不正に、システムが利用される可能性がある。そこで、図2に示すように、投票用口座にある資金の残高を、出金可能残高と出金不可能残高に分けて管理することが望ましい。出金可能残高とは、投票用口座にある投票資金のうち、法定通貨に替えられる出金可能資金の残高である。具体的には、出金可能残高は、払戻口座に出金可能な資金の残高である。出金不可能残高は、投票用口座にある投票資金のうち、法定通貨に替えられない出金不可能資金の残高である。引落口座から入金された資金は、出金可能資金に加えられる。ポイントで入金された資金の額は、出金不可能資金に加えられる。投票が行われるとき、その購入資金は、出金可能資金及び出金不可能資金の少なくとも何れか一方から充当される。例えば、出金不可能資金の方が優先的に用いられてもよい。投票が的中することによる払い戻しがあるとき、払戻金は、出金可能資金に加えられる。本実施形態においては、全出金可能資金を一括で出金することが可能であり、出金可能資金の一部のみを出金することができないため、出金を、精算ともいう。
【0046】
投票コアシステムSBは、投票用口座にある投票資金を、出金可能資金と出金不可能資金との区別なく管理している。ここで、例えば投票コアシステムSBの運営者と投票サービスシステムSA若しくはポイントプログラムの運営者とが異なる場合において、ポイントでの入金を可能とするために、投票サービスシステムSAによる投票資金の管理方法を改変することは、困難が伴う場合がある。例えば、投票サービスシステムSAと投票コアシステムSBの両方の改変が必要になるが、システム間で齟齬が生じる可能性がある。また、投票コアシステムSBが提供するAPIの仕様が変更される可能性がある。投票コアシステムSBが、投票サービスシステムSA以外のシステムに対してもAPIを提供している場合、他のシステムにも影響が及ぶ。そこで、ゲートウェイサーバ2が、出金不可能残高を記憶する。投票サービスシステムSAは、投票コアシステムSBに対して問い合わせることにより、投票用残高を取得する。投票サービスシステムSAは、投票用残高から出金不可能残高を減算することにより、出金可能残高を計算する。このようにすることで、投票コアシステムSBの改変を抑えて、投票用残高を、出金可能残高と出金不可能残高に分けて管理することができる。
【0047】
[1-2.投票サイトサーバの構成]
次に、投票サイトサーバ1の構成について、図3及び図4を用いて説明する。図3は、本実施形態に係る投票サイトサーバ1の概要構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、投票サイトサーバ1は、システム制御部11と、システムバス12と、入出力インターフェース13と、記憶部14と、通信部15と、を備えている。システム制御部11と入出力インターフェース13とは、システムバス12を介して接続されている。
【0048】
システム制御部11は、CPU(Central Processing Unit)11a、ROM(Read Only Memory)11b、RAM(Random Access Memory)11c等により構成されている。
【0049】
入出力インターフェース13は、記憶部14及び通信部15とシステム制御部11との間のインターフェース処理を行う。
【0050】
記憶部14は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部14には、会員DB14a等のデータベースが記憶されている。
【0051】
図4は、会員DB14aに記憶される情報の例を示す図である。会員DB14aには、投票サービスシステムSAを利用可能なユーザに関する会員情報が、ユーザごとに記憶されている。具体的に、会員DB14aには、会員情報として、ユーザID、口座ID、ポイントカード番号、引落口座情報、払戻口座情報、繰越設定等の情報が、互いに関連付けて記憶される。ユーザIDは、投票サービスシステムSAでユーザを識別するための識別情報である。口座IDは、ユーザが有する投票用口座の識別情報である。ポイントカード番号は、ユーザが所有するポイントカードの番号である。投票資金の入金にポイントを利用しないユーザについては、会員DB14aにはポイントカード番号は記憶されていなくてもよい。また、ポイントカードの発行が必須ではなく、ユーザIDでポイントの保有者を識別するポイントプログラムの場合、会員DB14aにはポイントカード番号は記憶されていなくてもよい。引落口座情報は、引落口座に関する情報である。払戻口座情報は、払戻口座に関する情報である。各口座情報は、例えば金融機関名、支店名、口座種別、口座番号等を含んでもよい。預金から投票資金を入金しないユーザについては、会員DB14aには引落口座情報は記憶されていなくてもよい。繰越設定は、競馬のレースの開催日の翌日に、投票用口座にある投票資金を繰り越すか否かを示す。繰越設定として、自動繰越及び当日一括精算の何れかをユーザが選択可能である。例えば、投票サイトにおける設定画面において、ユーザは、自動繰越及び当日一括精算の何れかを選択する。ユーザ端末7は、ユーザにより選択された繰越設定を投票サイトサーバ1へ送信する。投票サイトサーバ1は、ユーザ端末7から受信した繰越設定を、そのユーザのユーザIDに関連付けて会員DB14aに記憶させる。自動繰越は、投票用口座にある投票資金が、投票可能なイベントの開催日の翌日に自動的に繰り越すことを示す。投票可能なイベントとは、そのイベントに出場する人、動物、グループ又はその他の物事に対して投票可能であるイベントである。本実施形態において、そのようなイベントは、競馬のレースである。当日一括精算は、投票可能なイベントが終了して出金可能残高がある状態で所定時刻が経過することに応じて、その出金可能残高の資金を自動的に精算することである。本実施形態において、投票可能なイベントが終了するとは、例えばその日の全レースが終了することであってもよい。イベントが実際に終了する時刻は、予定された時刻から前後する可能性があるので、自動精算が開始される時刻は、イベント終了予定時刻から或る程度余裕がある時刻に予め設定されていてもよい。条件に該当する全ユーザについて一括で資金が自動精算される。精算方法としては、当日一括精算以外に、随時精算がある。随時精算は、ユーザからの要求があった場合に投票資金を精算することである。繰越設定が当日一括精算に設定されていても、ユーザは随時精算が可能である。
【0052】
記憶部14には、更に、オペレーティングシステム、DBMS(Database Management System)、投票サイトサーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。投票サイトサーバプログラムは、投票サイトに関する各種処理をシステム制御部11に実行させるプログラムである。投票サイトサーバプログラムは、例えば、他の装置からネットワークNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0053】
通信部15は、例えばネットワークアダプタ等により構成されている。通信部15は、ネットワークNWを介して、ゲートウェイサーバ2、投票用口座管理サーバ3、ユーザ端末7等と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
【0054】
[1-3.ゲートウェイサーバの構成]
次に、ゲートウェイサーバ2の構成について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、本実施形態に係るゲートウェイサーバ2の概要構成の一例を示すブロック図である。図5に示すように、ゲートウェイサーバ2は、システム制御部21と、システムバス22と、入出力インターフェース23と、記憶部24と、通信部25と、を備えている。システム制御部21と入出力インターフェース23とは、システムバス22を介して接続されている。
【0055】
システム制御部21は、CPU21a、ROM21b、RAM21c等により構成されている。
【0056】
入出力インターフェース23は、記憶部24及び通信部25とシステム制御部21との間のインターフェース処理を行う。
【0057】
記憶部24は、例えば、ハードディスクドライブ等により構成されている。この記憶部24には、出金不可能残高DB24a等のデータベースが記憶されている。
【0058】
図6は、出金不可能残高DB24aに記憶される情報の例を示す図である。出金不可能残高DB24aには、投票サービスシステムSAを利用可能なユーザの投票用口座にある投票資金のうち、出金不可能資金の残高が、ユーザごとに記憶される。具体的に、出金不可能残高DB24aには口座IDと出金不可能残高とが互いに関連付けて記憶される。
【0059】
記憶部24には、更に、オペレーティングシステム、DBMS、ゲートウェイサーバプログラム等の各種プログラムが記憶されている。ゲートウェイサーバプログラムは、投票用資金の入出金や各種残高を管理するための各種処理をシステム制御部21に実行させるプログラムである。ゲートウェイサーバプログラムは、例えば、他の装置からネットワークNWを介して取得されるようにしてもよいし、磁気テープ、光ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0060】
通信部25は、例えばネットワークアダプタ等により構成されている。通信部25は、ネットワークNWを介して、投票サイトサーバ1、銀行サーバ5、ポイントサーバ6等と接続し、これらの装置との通信状態を制御する。
【0061】
[1-3.投票サイトサーバのシステム制御部の機能概要]
次に、図7を用いて、投票サイトサーバ1のシステム制御部11の機能概要について説明する。図7は、本実施形態に係る投票サイトサーバ1のシステム制御部11の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部11は、CPU11aが、投票サイトサーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図7に示すように、入金画面表示制御部111、入金要求取得部112、入金通知部113、残高情報取得部114、投票用残高更新制御部115等として機能する。
【0062】
入金画面表示制御部111は、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な互いに異なる第1支払手段及び第2支払手段の少なくとも何れか一方により入金される入金額の入力が可能な画面を、ユーザ端末7に表示させる。本実施形態において、第1支払手段は、預金を含む。本実施形態において、第2支払手段は、ポイントを含む。入金画面表示制御部111は、例えば、ユーザ端末7からの要求に応じて、入金画面のウェブページを送信してもよい。入金画面のウェブページは、例えば、預金及びポイントのから入金手段を選択するためのラジオボタン、入金額を入力するための入力領域を含んでもよい。
【0063】
入金要求取得部112は、預金及びポイントの少なくとも何れか一方を用いた投票用口座への投票資金の入金の要求を取得する。例えば、入金画面のウェブページにおいて、ユーザが入金手段の選択及び入金額の入力を行うことに応じて、ユーザ端末7は、入金要求を投票サイトサーバ1へ送信してもよい。入金要求取得部112は、入金要求取得部112から送信されてきた入金額を取得してもよい。入金要求は、例えば入金手段、入金額及び入金を要求するユーザのユーザIDを含んでもよい。
【0064】
入金通知部113は、投票用残高を、入金要求取得部112により取得された入金要求により示される入金額に応じて増加させる。例えば、入金通知部113は、入金通知を投票用口座管理サーバ3へ送信してもよい。入金通知は、入金額、及び入金を要求するユーザの口座IDを含んでもよい。入金通知に応じて、投票用口座管理サーバ3は、投票用残高に入金額を加算することにより、投票用残高を更新する。
【0065】
残高情報取得部114は、投票コアシステムSBから投票用残高を示す残高情報を取得する。残高情報取得部114は、必要に応じて残高情報を取得する。例えば、投票資金の出金の際に、残高情報取得部114は残高情報を取得してもよい。取得された残高情報に基づいて、ゲートウェイサーバ2により出金可能残高が計算され、出金可能残高に相当する額の資金が出金されてもよい。
【0066】
投票用残高更新制御部115は、投票用口座にある投票資金のうち、出金可能資金が出金される場合、投票コアシステムSBにより、投票用残高を、出金不可能残高に相当する投票用残高に更新させる。本実施形態において、投票コアシステムSBは、投票資金の出金の際、該当するユーザの投票用口座にある全投票資金の一括での出金のみが可能である。従って、投票コアシステムSBは、投票資金の精算に応じて、投票用口座をゼロに更新する。一方、投票コアシステムSBは、指定された出金額での投票資金の出金に応じて、投票用残高を更新することには対応していない。そこで、投票用残高更新制御部115は、先ず投票コアシステムSBにより、投票用残高をゼロに更新させる。また、投票用残高更新制御部115は、ゲートウェイサーバ2から、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を取得する。そして、投票用残高更新制御部115は、投票コアシステムSBにより、投票用残高に、取得された出金不可能残高を加算させる。すなわち、一旦投票用口座から投票資金が全額出金された後、出金不可能残高の資金が再入金される。投票用残高更新制御部115は、例えば出金不可能残高を入金額として含む入金通知を、投票コアシステムSBへ送信してもよい。
【0067】
[1-4.ゲートウェイサーバのシステム制御部の機能概要]
次に、図8及び図9を用いて、ゲートウェイサーバ2のシステム制御部21の機能概要について説明する。図8は、本実施形態に係るゲートウェイサーバ2のシステム制御部21の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部21は、CPU21aが、ゲートウェイサーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図7に示すように、入金処理部211、出金処理部212、購入資金差引部213等として機能する。
【0068】
入金処理部211は、投票資金の入金に関する処理を実行する。具体的に、入金処理部211は、入金要求取得部112により取得された入金要求に応じて、投票資金を入金するための処理を実行する。例えば、入金要求が、預金を用いた入金の要求である場合、入金処理部211は、入金元の預金口座がある銀行の銀行サーバ5に、口座振替を要求する。この要求に応じて、入金元の銀行サーバ5は、例えばゲートウェイサーバ2を介して、投票サービスシステムSAを運営する事業者の預金口座がある銀行の銀行サーバ5へ、入金元の預金口座から事業者の預金口座への口座振替の処理を実行してもよい。入金要求が、ポイントを用いた入金の要求である場合、入金処理部211は、ポイント管理サーバ6に、口座振替を要求する。この要求に応じて、ポイント管理サーバ6は、ゲートウェイサーバ2に対して、ユーザのポイントを送付する処理を実行してもよい。
【0069】
入金処理部211は、入金要求取得部112により取得された入金要求が、預金を用いた入金の要求である場合、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能高を増加させない。一方、入金処理部211は、入金要求取得部112により取得された入金要求が、ポイントを用いた入金の要求である場合、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能高を、入金額に応じて増加させる。前述したように、入金通知部113の処理により、投票用口座管理サーバ3が、該当する投票用口座の投票用残高を、入金額に応じて増加させる。こうして、投票用口座への入金が完了し、出金可能残高及び出金不可能残高の少なくとも何れか一方が増加する。投票用残高と出金不可能残高との差が出金可能残高であるので、出金不可能高が増加しない預金からの入金では、出金可能残高が増加することになる。
【0070】
出金処理部212は、投票資金の出金に関する処理を実行する。具体的に、出金処理部212は、投票用残高うち出金可能残高の資金が出金される場合、投票用残高から、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を減算することにより計算された出金可能残高の資金を、ユーザへ送金させる。前述したように、残高情報取得部114により残高情報が取得される。出金処理部212は、投票サイトサーバ1から残高情報を取得し、取得された残高情報により示される投票用残高から、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を減算することにより、出金可能残高を計算してもよい。本実施形態において、ユーザへの送金は、口座振替によって行われる。
【0071】
前述したように、出金方法として、随時精算と当日一括精算とがある。随時精算の場合、出金処理部212は、ユーザ端末7から精算要求があったことに応じて、ユーザへの送金を実行させる。当日一括精算は、ユーザによる繰越設定に応じて実行される。出金処理部212は、自動繰越と当日一括精算とのうち、当日一括精算が選択されている場合、投票可能なイベントが終了して出金可能残高がある状態で所定時刻が経過することに応じて、そのユーザへの送金を実行させてもよい。前述したように、投票可能なイベントはレースであり、イベントの終了は、その日の全レースが終了することであってもよい。
【0072】
購入資金差引部213は、投票が行われるときに出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高がゼロよりも大きい場合、その出金不可能残高を、投票券の購入金額に応じて減少させてもよい。但し、出金不可能残高はゼロよりも小さくはならない。従って、出金可能資金及び出金不可能資金の両方がある場合、出金不可能資金の方が優先的に投票に用いられる。出金不可能資金がない場合又は出金不可能資金のみでは不足する場合、出金可能資金が投票に用いられる。なお、出金可能資金及び出金不可能資金の何れを投票に用いるかを、ユーザが選択可能なように、投票サービスシステムSAが構成されてもよい。
【0073】
払い戻しがあるとき、投票コアシステムSBにおいて、投票用残高が更新される。このとき、投票サービスシステムSAの方は特段の処理を行わなくてもよい。払戻金は出金可能資金の方に追加される。そのため、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を更新する必要がない。更新された投票用残高は、必要なときに残高情報取得部114が投票コアシステムSBから取得すればよい。
【0074】
図9は、或るユーザの投票用口座にある資金の履歴の一例を示す図である。図9に示すように、先ず投票用残高がゼロの状態で、ユーザの預金から10000円入金される。すると、投票用残高及び出金可能残高がそれぞれ10000円に更新される。その後、ポイントで10000円入金される。すると、投票用残高は20000円に更新される。一方、出金可能残高は10000円のままで、出金不可能残高が10000円に更新される。その後、3000円分の投票が行われる。すると、投票用残高は17000円に更新される。出金不可能残高があるので、3000円分減算され、出金不可能残高は7000円に更新される。その後、投票が的中して、4500円の払い戻しを受ける。すると、投票用残高は21500円に更新される。払戻金は、出金可能資金に追加されるので、出金可能残高は、14500円に更新される。その後、5000円分の投票が行われる。すると、投票用残高は16500円に更新される。出金不可能残高がまだあるので、5000円分減算され、出金不可能残高は2000円に更新される。その後、ポイントで1000円入金される。すると、投票用残高は17500円に更新される。一方、出金不可能残高が3000円に更新される。その後、3000円分の投票が行われる。すると、投票用残高は14500円に更新される。出金不可能残高がまだあるので、3000円分減算され、出金不可能残高はゼロに更新される。その後、1000円分の投票が行われる。すると、投票用残高は13500円に更新される。出金不可能残高がゼロであるので、出金可能残高から1000円減算されて、出金可能残高は13500円に更新される。
【0075】
[1-5.情報処理システムの動作]
次に、情報処理システムSの動作について、図10乃至図14を用いて説明する。
【0076】
図10は、投票資金の入金時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。図10に示すように、ユーザ端末7からの要求に応じて、投票サイトサーバ1の入金画面表示制御部111は、入金画面のウェブページをユーザ端末7へ送信する(ステップS1)。ユーザ端末7は、受信した入金画面のウェブページをディスプレイに表示する。入金画面に対して、ユーザが入金手段及び入金額を入力することに応じて、ユーザ端末7は、入金要求を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS2)。なお、入金画面表示制御部111は、銀行サーバ5から、ユーザの銀行口座の残高を取得し、ポイント管理サーバ6から、ユーザが保有するポイント数の残高を取得してもよい。入金画面表示制御部111は、取得されたそれぞれの残高が入金画面に表示されるように、ウェブページを生成してもよい。また、入金画面表示制御部111は、取得された残高を超える入金額の入力が不可能なように、入金画面のウェブページを生成してもよい。
【0077】
入金要求を受信すると、投票サイトサーバ1は、入金を要求したユーザのユーザIDに関連付けて会員DB14aに記憶されている口座ID、ポイントカード番号及び引落口座情報を取得する。投票サイトサーバ1は、ユーザID、口座ID、入金手段、入金額、引落口座情報、及びポイントカード番号を含む口座振替指示を、ゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS3)。
【0078】
口座振替指示を受信すると、ゲートウェイサーバ2の入金処理部211は、入金制御処理を実行する。図11は、ゲートウェイサーバ2のシステム制御部21による入金制御処理の一例を示す図である。図11に示すように、入金処理部211は、口座振替指示に含まれる入金手段が、ポイントであるか否かを判定する(ステップS101)。入金手段がポイントではない場合(ステップS101:NO)、入金処理部211は、引落口座情報により示される銀行の銀行サーバ5へ口座振替要求を送信する(ステップS102、ステップS5)。この場合の口座振替要求は、例えば引落口座情報、及び入金額を含んでもよい。口座振替要求を受信した銀行サーバ5は、口座振替応答をゲートウェイサーバ2に送信し(ステップS6)、入金処理部211は、この口座振替応答を受信して(ステップS103)、入金制御処理は終了する。
【0079】
一方、入金手段がポイントである場合(ステップS101:YES)、入金処理部211は、ポイント管理サーバ6へ口座振替要求を送信する(ステップS104、ステップS5)。この場合の口座振替要求は、例えばポイントカード番号、及び入金額を含んでもよい。口座振替要求を受信したポイント管理サーバ6は、口座振替応答をゲートウェイサーバ2に送信し(ステップS6)、入金処理部211は、この口座振替応答を受信する(ステップS105)。次いで、入金処理部211は、口座振替要求に含まれるユーザIDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を、入金額分増加させて(ステップS106)、入金制御処理は終了する。なお、出金不可能残高は、口座振替要求の送信前に更新されてもよいし、後述する口座振替処理後に更新されてもよい。
【0080】
入金制御処理の後、図11に示すように、入金処理部211は、口座振替指示応答を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS7)。口座振替指示応答を受信すると、投票サイトサーバ1は、入金完了応答をユーザ端末7へ送信する(ステップS8)。入金完了応答に応じて、ユーザ端末7は、入金が完了したことを示すメッセージをディスプレイに表示する。
【0081】
口座振替応答を送信した銀行サーバ5又はポイント管理サーバ6は、口座振替処理を実行する(ステップS9)。入金手段が預金の場合、入金元の銀行の銀行サーバ5は、例えば口座振替要求に含まれる引落口座情報により示される預金口座から、入金額分の預金を、投票サービスシステムSAを運営する事業者の預金口座への口座振替の処理を実行してもよい。入金手段がポイントの場合、ポイント管理サーバ6は、例えば口座振替要求に含まれるポイントカード番号に関連付けてポイント管理サーバ6が記憶しているポイント数を、入金額分減少させてもよい。ポイント管理サーバ6は、ポイント数を減少させたことをゲートウェイサーバ2へ通知してもよい。
【0082】
入金完了応答を送信した投票サイトサーバ1は、口座振替完了確認要求をゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS10)。口座振替完了確認要求を受信したゲートウェイサーバ2は、銀行サーバ5又はポイント管理サーバ6による口座振替処理が完了したことを確認して、口座振替完了確認応答を、投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS11)。
【0083】
口座振替完了確認応答を受信すると、投票サイトサーバ1の入金通知部113は、入金を要求したユーザのユーザIDに関連付けて会員DB14aに記憶されている口座IDを取得する。入金通知部113は、口座ID及び入金額を含む入金通知を、投票用口座管理サーバ3へ送信する(ステップS12)。投票用口座管理サーバ3は、入金通知に含まれる口座IDに関連付けて投票用口座DB31に記憶された投票用残高に入金額を加算することにより、投票用残高を更新する(ステップS13)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、入金通知応答を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS14)。
【0084】
図12は、随時精算時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。ユーザは、投票サイトの画面において、即時の出金を選択する。この選択に応じて、ユーザ端末7は、出金を要求するユーザのユーザIDを含む精算要求を、投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS201)。
【0085】
精算要求を受信すると、投票サイトサーバ1の精算情報取得部114は、出金要求に含まれるユーザIDに関連付けて会員DB14aに記憶されている口座IDを取得する。精算情報取得部114は、口座IDを含む精算要求を、投票用口座管理サーバ3へ送信する(ステップS202)。精算要求を受信すると、投票用口座管理サーバ3は、精算要求に含まれる口座IDに関連付けて投票用口座DB31に記憶された投票用残高を、精算残高として取得する。また、投票用口座管理サーバ3は、投票用口座DB31におけるこの投票用残高をゼロに更新する(ステップS203)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、取得された精算残高を含む精算応答を、残高情報として投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS204)。精算応答を受信すると、投票サイトサーバ1は、精算応答をユーザ端末7へ送信する(ステップS205)。精算応答を受信すると、ユーザ端末7は、精算が完了したことを示すメッセージをディスプレイに表示する。
【0086】
精算応答の送信後、投票サイトサーバ1は、出金を要求したユーザのユーザIDに関連付けて会員DB14aに記憶された口座ID、及び払戻口座情報を取得する。投票サイトサーバ1は、口座ID及び払戻口座情報と、投票用口座管理サーバ3から取得された精算残高と、を含む精算指示を、ゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS206)。精算指示を受信すると、ゲートウェイサーバ2の出金処理部212は、精算指示に含まれる精算残高から、精算指示に含まれる口座IDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を減算することにより、出金可能残高を計算する(ステップS207)。次いで、出金処理部212は、振込処理を実行する(ステップS208)。例えば、出金処理部212は、投票サービスシステムSAを運営する事業者の預金口座がある銀行の銀行サーバ5から、引落口座情報により示される銀行の銀行サーバ5へ、事業者の預金口座から引落口座へ、出金可能残高に相当する資金の口座振替を実行させる。
【0087】
精算指示を送信した投票サイトサーバ1は、振込完了確認要求をゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS209)。振込完了確認要求を受信すると、ゲートウェイサーバ2は、振込処理が完了した後で、出金不可能残高を含む振込完了確認応答を、投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS210)。振込完了確認応答を受信すると、投票サイトサーバ1の投票用残高更新制御部115は、出金を要求したユーザの口座ID及び出金不可能残高を含む入金通知を、投票用口座管理サーバ3へ送信する(ステップS211)。入金通知を受信すると、投票用口座管理サーバ3は、入金通知に含まれる口座IDに関連付けて投票用口座DB31に記憶された投票用残高に、入金通知に含まれる投票用残高を加算することにより、投票用残高を更新する(ステップS212)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、入金通知応答を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS213)。
【0088】
図13は、当日一括精算時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。例えば、レースの開催日において、所定時刻が経過すると、投票用口座管理サーバ3は、投票用口座DB31に記憶されていた各投票用残高を、精算残高として取得して保持し、投票用口座DB31内の各投票用残高をゼロに更新する(ステップS301)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、投票サービスシステムSAの各ユーザについて、口座ID及び保持しておいた精算残高を含む精算情報を、投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS302)。
【0089】
精算情報を受信すると、投票サイトサーバ1は、会員DB14aを参照し、繰越設定を当日一括精算に設定しているユーザの口座IDを特定する(ステップS303)。次いで、投票サイトサーバ1は、精算情報に含まれる精算残高のうち、繰越設定を当日一括精算に設定しているユーザの口座IDに関連付けられた精算残高を抽出する。投票サイトサーバ1は、抽出された各精算残高と、その精算残高に関連付けられた口座IDと、を含む一括精算指示を、ゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS304)。
【0090】
一括精算指示を受信すると、ゲートウェイサーバ2の出金処理部212は、一括精算指示に含まれる各口座IDについて、その口座IDに関連付けられた精算残高から、その口座IDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を減算することにより、出金可能残高を計算する(ステップS305)。次いで、出金処理部212は、一括精算指示に含まれる口座IDのうち、出金可能残高がゼロよりも大きい各口座IDについて、振込処理を実行する(ステップS306)。ステップS306は、図12に示すステップS208と同様であってもよい。次いで、出金処理部212は、一括精算指示に含まれる各口座IDについて、その口座IDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を取得する。出金処理部212は、一括精算指示に含まれる各口座IDについて、その口座IDと、その口座IDに関連付けられた出金不可能残高と、を含む精算不可能情報を、投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS307)。
【0091】
精算不可能情報を受信すると、投票サイトサーバ1の投票用残高更新制御部115は、精算不可能情報から、口座IDと出金不可能残高とのリストを取得する。投票用残高更新制御部115は、会員DB14aを参照し、繰越設定を自動繰越に設定しているユーザの口座IDを特定する。投票用残高更新制御部115は、繰越設定を自動繰越に設定している各ユーザの口座IDについて、その口座IDと、ステップS303で取得されたその精算残高と、を含むリストを生成する。投票用残高更新制御部115は、当日一括精算を設定したユーザの出金不可能残高のリストと、自動繰越を設定したユーザの精算残高とのリストと、を結合する。投票用残高更新制御部115は、結合されたリストを含む一括入金通知を、投票用口座管理サーバ3へ送信する(ステップS308)。
【0092】
一括入金通知を受信すると、投票用口座管理サーバ3は、一括入金通知に含まれる各口座IDについて、その口座IDに関連付けて投票用口座DB31に記憶された投票用残高に、その口座IDに関連付けられた出金不可能残高又は精算残高を加算することにより、投票用残高を更新する(ステップS309)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、入金通知応答を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS310)。
【0093】
図14は、投票時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。例えば、ユーザは、投票券を購入するための画面において、投票の種類を示す式別、投票する一又は複数の出走馬若しくは枠を示す選択情報、及び購入金額等を入力する。この入力に応じて、図14に示すように、ユーザ端末7は、式別、選択情報、購入金額、及び投票するユーザのユーザIDを含む投票要求を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS401)。投票要求を受信すると、投票サイトサーバ1は、投票要求に含まれるユーザIDに関連付けて会員DB14aに記憶された口座IDを取得する。投票サイトサーバ1は、口座ID、式別、選択情報及び購入金額を含む投票要求を、投票用口座管理サーバ3へ送信する(ステップS402)。
【0094】
投票要求を受信すると、投票用口座管理サーバ3は、投票要求に含まれる口座IDに関連付けて投票用口座DB31に記憶された投票用残高から、購入金額を減算することにより、投票用残高を更新する(ステップS403)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、投票応答を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS404)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、式別、選択情報、購入金額等を、投票管理サーバ4へ送信する(ステップS405)。投票管理サーバ4は、投票用口座管理サーバ3から受信した情報に基づいて、投票を行う処理を実行する。
【0095】
投票応答を受信した投票サイトサーバ1は、投票応答をユーザ端末7へ送信する(ステップS406)。投票応答を受信すると、ユーザ端末7は、投票が完了したことを示すメッセージをディスプレイに表示する。また、投票サイトサーバ1は、口座ID及び購入金額を含む購入情報を、ゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS407)。
【0096】
購入情報を受信すると、ゲートウェイサーバ2の購入資金差引部213は、購入情報に含まれる口座IDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高が、購入金額よりも大きいか否かを判定する(ステップS408)。出金不可能残高が購入金額よりも大きい場合(ステップS408:YES)、購入資金差引部213は、出金不可能残高から購入金額を減算することにより、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を更新する(ステップS409)。一方、出金不可能残高が購入金額よりも大きくはない場合(ステップS408:NO)、購入資金差引部213は、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を、ゼロで更新する(ステップS410)。
【0097】
以上説明したように、本実施形態によれば、投票サービスシステムSAが、互いに異なる第1支払手段及び第2支払手段の少なくとも何れか一方を用いた入金の要求を取得する。また、投票サービスシステムSAが、取得された入金要求が、第1支払手段を用いた入金の指示である場合、記憶部24に記憶された出金不可能残高を増加させない。また、投票サービスシステムSAが、取得された入金要求が、第2支払手段を用いた入金の指示である場合、記憶部24に記憶された出金不可能残高を、入金額に応じて増加させる。また、投票サービスシステムSAが、投票用残高うち出金可能残高の資金が出金される場合、投票用残高から、記憶部24に記憶された出金不可能残高を減算することにより計算された出金可能残高の資金を、ユーザへ送金させる。
【0098】
この構成により、出金不可能残高が記憶されることにより、第2支払手段を用いて入金された投票資金が、出金不可能な資金として管理される。投票コアシステムSBは、投票用口座にある投票資金の残高を区別して管理しないことから、第1支払手段及び第2支払手段の何れを用いて投票資金が入金されても、投票用残高は増加する。第1支払手段を用いた場合、入金額は、出金不可能残高に加算されない。従って、この入金額は、実質的に出金可能残高に加算される。一方、第2支払手段を用いた場合、入金額は、出金不可能残高に加算される。出金の場合、投票用口座にある投票資金のうち、出金不可能な資金が出金されることは抑止したい。この場合、投票用残高から、記憶部24に記憶されている出金不可能残高を減算することにより、出金可能残高を、出金額として計算すればよい。こうして計算された額の投票資金が、ユーザへ送金される。従って、投票コアシステムSBの改変を抑えながら、不正を抑止して法定通貨以外の支払手段を利用した投票が可能になる。
【0099】
投票サービスシステムSAが、投票コアシステムSBから投票用残高を示す残高情報を取得してもよい。また、投票サービスシステムSAが、取得された残高情報により示される投票用残高から、記憶部24に記憶された出金不可能残高を減算することにより、出金可能残高を計算してもよい。
【0100】
この場合、投票コアシステムSBから投票用残高を示す残高情報が取得される。そして、残高情報に基づいて、出金可能残高が計算される。従って、投票コアシステムSBの改変を抑えながら、不正を抑止して法定通貨以外の支払手段を利用した投票が可能になる。
【0101】
投票コアシステムSBが、投票用口座にある全投票資金一括での出金に応じて、投票用残高をゼロに更新可能であってもよい。また、投票サービスシステムSAが、投票コアシステムSBにより、投票用残高をゼロに更新させた後、投票コアシステムSBにより、投票用残高に、記憶部24に記憶された出金不可能残高を加算させてもよい。
【0102】
この場合、出金時、一度投票用口座にある全投票資金が一括で出金され、出金可能残高の資金がユーザへ送信され、出金不可能残高の資金は再度投票用口座に入金される。従って、投票コアシステムSBが、出金額を指定した投票用口座からの投票資金の出金に対応していなくても、出金不可能残高の資金を投票用口座に残して、出金不可能残高に相当する資金をユーザへ送金することができる。
【0103】
投票サービスシステムSAが、ユーザ端末7から出金要求があったことに応じて、ユーザへの送金を実行させてもよい。また、自動繰越と当日一括精算との何れかを、ユーザにより予め選択可能であってもよい。投票サービスシステムSAが、投票可能なイベントの開催日の翌日に、投票用口座にある投票資金を繰り越さない当日一括精算が選択されている場合、イベントが終了して出金可能残高がある状態で所定時刻が経過することに応じて、ユーザへの送金を実行させてもよい。
【0104】
この場合、ユーザは、随時投票資金を出金可能である。更にユーザは、選択に応じて、投票が終わった後に投票用口座に出金可能な資金が残っている場合、その日に自動的にその資金の送金を自動的に受けることも、その資金を翌日以降の投票の機会のために繰り越すことも可能となる。
【0105】
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態について、図15及び図16を用いて説明する。以下に説明する点を除き、第2実施形態は第1実施形態と同様であってもよい。第1実施形態においては、投票資金の出金の際、投票コアシステムSBは、該当するユーザの投票用口座にある全投票資金の一括での出金のみが可能であった。本実施形態においては、投票コアシステムSBは、投票用口座にある投票資金の一部のみの出金が可能である。具体的に、投票コアシステムSBは、出金する投票資金の額を指定して、投票用口座から出金が可能である。この場合、投票資金の出金時に、投票コアシステムSBは、投票用口座にある全投票資金を一度精算しなくてもよい。
【0106】
具体的に、残高情報取得部114は、現在の投票用残高を示す残高情報を投票コアシステムSBから取得する。
【0107】
出金処理部212は、取得された残高情報に基づいて、出金可能残高を計算して、出金可能残高に相当する資金のユーザへの送金を実行させる。
【0108】
投票用残高更新制御部115は、投票コアシステムS2により、投票用残高から、出金処理部212により計算された出金可能残高に相当する出金額を減算させる。例えば、投票用残高更新制御部115は、口座ID及び出金可能残高を含む出金通知を、投票コアシステムS2へ送信してもよい。
【0109】
出金通知を受信した投票用残高更新制御部115は、投票用残高を出金可能残高に応じて減少させる。こうして、投票用口座DB31における投票用残高の更新回数を削減することができる。
【0110】
図15は、随時精算時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。図15において、図12と同一のステップについては同一の符号が付されている。
【0111】
図15に示すように、ユーザ端末7は精算要求を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS201)。
【0112】
精算要求を受信すると、投票サイトサーバ1の精算情報取得部114は、出金要求に含まれるユーザIDに関連付けて会員DB14aに記憶されている口座IDを取得する。精算情報取得部114は、口座IDを含む残高照会を、投票用口座管理サーバ3へ送信する(ステップS501)。ここで、精算情報取得部114は、投票用口座管理サーバ3により投票用口座DB31をロックさせた上で、残高照会を送信してもよい。これにより、入金処理途中で、ユーザが新たに入金、精算又は投票の操作を行ってしまうことにより、投票用口座DB31内の投票用残高に齟齬が生じることが防止される。残高照会を受信すると、投票用口座管理サーバ3は、残高照会に含まれる口座IDに関連付けて投票用口座DB31に記憶された投票用残高を取得する(ステップS502)。投票用口座管理サーバ3は、投票用残高を含む残高情報を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS503)。
【0113】
残高情報を受信すると、投票サイトサーバ1は、出金を要求したユーザのユーザIDに関連付けて会員DB14aに記憶された口座ID及び払戻口座情報を取得する。投票サイトサーバ1は、口座ID及び払戻口座情報と、投票用口座管理サーバ3から取得された投票用残高と、を含む精算指示を、ゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS504)。精算指示を受信すると、ゲートウェイサーバ2の出金処理部212は、精算指示に含まれる投票用残高から、精算指示に含まれる口座IDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を減算することにより、出金可能残高を計算する(ステップS505)。次いで、出金処理部212は、振込処理を実行する(ステップS208)。
【0114】
精算指示を送信した投票サイトサーバ1は、振込完了確認要求をゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS209)。振込完了確認要求を受信すると、ゲートウェイサーバ2は、振り込み処理が完了した後で、出金可能残高を含む振込完了確認応答を、投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS506)。振込完了確認応答を受信すると、投票サイトサーバ1の投票用残高更新制御部115は、出金を要求したユーザの口座ID及び出金可能残高を含む出金通知を、投票用口座管理サーバ3へ送信する(ステップS507)。出金通知を受信すると、投票用口座管理サーバ3は、出金通知に含まれる口座IDに関連付けて投票用口座DB31に記憶された投票用残高から、出金通知に含まれる出金可能残高を減算することにより、投票用残高を更新する(ステップS508)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、出金通知応答を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS509)。ここで、投票用口座管理サーバ3は、投票用口座DB31のロックを解除してもよい。出金通知応答を受信すると、投票サイトサーバ1は、精算応答をユーザ端末7へ送信する(ステップS205)。
【0115】
図16は、当日一括精算時における情報処理システムSによる動作の一例を示すシーケンス図である。図16において、図13と同一のステップについては同一の符号が付されている。例えば、レースの開催日において、処理時刻が経過すると、投票用口座管理サーバ3は、投票用口座DB31に記憶されている各投票用残高を取得する(ステップS601)。投票用口座管理サーバ3は、投票用口座管理サーバ3により投票用口座DB31をロックさせた上で、投票用残高を取得してもよい。次いで、投票用口座管理サーバ3は、投票サービスシステムSAの各ユーザについて、口座IDと、取得した各投票用残高と、を含む残高情報を、投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS602)。
【0116】
精算情報を受信すると、投票サイトサーバ1は、繰越設定を当日一括精算に設定しているユーザの口座IDを特定する(ステップS303)。次いで、投票サイトサーバ1は、残高情報に含まれる投票用残高のうち、繰越設定を当日一括精算に設定しているユーザの口座IDに関連付けられた投票用残高を抽出する。投票サイトサーバ1は、抽出された各投票用残高と、その投票用残高に関連付けられた口座IDと、を含む一括精算指示を、ゲートウェイサーバ2へ送信する(ステップS603)。
【0117】
一括精算指示を受信すると、ゲートウェイサーバ2の出金処理部212は、一括精算指示に含まれる各口座IDについて、その口座IDに関連付けられた投票用残高から、その口座IDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を減算することにより、出金可能残高を計算する(ステップS604)。次いで、出金処理部212は、一括精算指示に含まれる各口座IDについて、振込処理を実行する(ステップS306)。次いで、出金処理部212は、一括精算指示に含まれる各口座IDについて、その口座IDと、計算された出金可能残高と、を含む振込情報を、投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS605)。
【0118】
振込情報を受信すると、投票サイトサーバ1の投票用残高更新制御部115は、振込情報を含む一括出金通知を、投票用口座管理サーバ3へ送信する(ステップS606)。
【0119】
一括出金通知を受信すると、投票用口座管理サーバ3は、一括出金通知に含まれる各口座IDについて、その口座IDに関連付けて投票用口座DB31に記憶された投票用残高から、その口座IDに関連付けられた出金可能残高を減算することにより、投票用残高を更新する(ステップS607)。次いで、投票用口座管理サーバ3は、出金通知応答を投票サイトサーバ1へ送信する(ステップS608)。ここで、投票用口座管理サーバ3は、投票用口座DB31のロックを解除してもよい。
【0120】
以上説明したように、本実施形態によれば、投票サービスシステムSAが、投票コアシステムSBにより、投票用残高から、計算された出金可能残高に相当する出金額を減算させる。
【0121】
従って、出金時、投票コアシステムSBが、出金額を指定した投票用口座からの投票資金の出金に対応しているので、出金不可能残高の資金を投票用口座に残して、出金不可能残高に相当する資金をユーザへ送金することができる。
【0122】
[3.第3実施形態]
次に、第3実施形態について、図17乃至図19を用いて説明する。以下に説明する点を除き、第3実施形態は、第1実施形態又は第2実施形態と同様であってもよい。第2支払手段は、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な有効期限が定められていることがある交換媒体を含んでもよい。すなわち、この交換媒体は、有効期限が定められていない交換媒体と、有効期限が定められた交換媒体と、を含んでもよい。本実施形態においては、有効期限が定められた交換媒体に基づく投票金を投票に利用することが制限される。例えば、有効期限が定められた交換媒体を用いた投票資金の入金は可能であってもよい。但し、入金により追加された出金不可能資金は、その交換媒体に設定された有効期限と同じ有効期限まで、投票に利用可能であってもよい。このような出金不可能資金を、期間限定資金という。期間限定資金の額を、期間限定額という。本実施形態においては、有効期限が定められた交換媒体が、期間限定ポイントであるとして説明する。有効期限が定められていないポイントを、通常ポイントという。
【0123】
図17は、出金不可能残高DB24aに記憶される情報の例を示す図である。図17に示す出金不可能残高DB24aと、図6に示す出金不可能残高DB24aとの相違点は、図17に示す出金不可能残高DB24aにおいて、口座IDに関連付けて、一又は複数の期間限定額情報が記憶される場合があることである。期間限定額情報は、期間限定資金に関する情報である。期間限定額情報は、期間限定額及び有効期限を含んでもよい。
【0124】
図18は、本実施形態に係るゲートウェイサーバ2のシステム制御部21の機能ブロックの一例を示す図である。システム制御部21は、CPU21aが、ゲートウェイサーバプログラムに含まれる各種プログラムコードを読み出し実行することにより、図18に示すように、入金処理部211、出金処理部212、購入資金差引部213、制限部215等として機能する。
【0125】
ユーザが期間限定ポイントを有している場合、入金手段として、有効期限が定められていない通常ポイントと、期間限定ポイントと、の少なくとも何れか一方が選択可能なように、入金画面が構成されてもよい。例えば、入金画面表示制御部111は、ユーザIDを用いてポイント管理サーバ6に問い合わせることにより、ユーザが有するポイントの総数、期間限定ポイントの有無、及び各期間限定ポイントのポイント数を取得してもよい。入金画面表示制御部111は、入金画面に、通常ポイント及び期間限定ポイントのそれぞれについて、ユーザが有するポイント数を表示させるともに、入金額を入力するための入力領域を表示させてもよい。ユーザが、互いに異なる有効期限を設定された期間限定ポイントを有している場合、それらのポイントの中で、有効期限がより短い有効期限ポイントが優先的に選択されるように、投票サイトサーバ1又はポイント管理サーバ6が構成されてもよい。或いは、入金に用いられる期間限定ポイントを選択可能なように、入金画面が構成されてもよい。
【0126】
入金処理部211は、期間限定ポイントを用いて投票用口座に投票資金が入金される場合、出金不可能残高DB24aに、入金に用いられた期間限定ポイントの額に相当する期間限定額と、その期間限定ポイントの有効期限と、を関連付けて、期間限定額情報として記憶させる。例えば、ポイントを用いた入金の場合、ユーザ端末7から送信される入金要求は、入金に用いられるポイントが、期間限定ポイントであるか否かを示すポイント種別を含んでもよい。ポイント種別が通常のポイントを示す場合、入金処理部211は、第1実施形態と同様に、出金不可能残高DB24aの出金不可能残高を更新してもよい。ポイント種別が期間限定ポイントを示す場合、入金処理部211は、第1実施形態と同様に出金不可能残高DB24aの出金不可能残高を更新するとともに、期間限定額情報を出金不可能残高DB24aに記憶させてもよい。通常ポイントと期間限定ポイントとを併せて投票資金に入金に利用可能である場合、入金処理部211は、それぞれのポイントに応じて処理を実行する。
【0127】
入金処理部211は、ポイント管理サーバ6に口座振替処理を実行させるとき、入金に用いられるポイントのポイント種別及び有効期限を、入金額及びユーザIDとともにポイント管理サーバ6へ送信してもよい。ポイント管理サーバ6は、ポイント種別及び有効期限に基づいて、該当するポイントを用いた口座振替処理を実行する。
【0128】
購入資金差引部213は、投票を要求したユーザの投票資金に期間限定資金がある場合、出金不可能資金のうち、期間限定資金を優先して、投票に利用してもよい。
【0129】
制限部215は、期間限定ポイントを用いた投票用口座への入金に基づく出金不可能資金を投票に利用することを制限する。具体的に、制限部215は、出金不可能残高DB24aに記憶された有効期限が経過することに応じて、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能な残高を、出金不可能残高DB24aに記憶された期間限定額に応じて減少させる。これにより、期間限定ポイントを用いて入金された投票資金は、有効期限が経過することに応じて無効になる。
【0130】
図19は、ゲートウェイサーバ2のシステム制御部21による期間限定資金無効化処理の一例を示す図である。例えば、ゲートウェイサーバ2は、毎日所定の時刻に、投票サービスシステムSAを利用する各ユーザについて、期間限定資金無効化処理を実行してもよい。
【0131】
図19に示すように、制限部215は、対象のユーザの口座IDに関連付けて、出金不可能残高DB24aに、期間限定額情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS701)。期間限定額情報が記憶されていない場合(ステップS701:NO)、期間限定資金無効化処理は終了する。期間限定額情報が記憶されている場合(ステップS701:YES)、制限部215は、無効額をゼロに設定する(ステップS702)。
【0132】
次いで、制限部215は、出金不可能残高DB24aから、対象のユーザの口座IDに関連付けられた期間限定額情報を一つ選択する(ステップS703)。次いで、制限部215は、現在日時に基づいて、期間限定額情報に含まれる有効期限が経過しているか否かを判定する(ステップS704)。有効期限が経過している場合(ステップS704:YES)、制限部215は、対象のユーザの口座IDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高から、期間限定額情報に含まれる期間限定額を減算することにより、出金不可能残高を更新する(ステップS705)。次いで、制限部215は、無効額に期間限定額を加算することにより、無効額を更新する(ステップS706)。次いで、制限部215は、選択された期間限定額情報を、出金不可能残高DB24aから削除する(ステップS707)。
【0133】
有効期限が経過していない場合(ステップS704:NO)、又はステップ707の後、制限部215は、対象のユーザの口座IDに関連付けて出金不可能残高DB24aに記憶された期間限定額情報の中に、まだ選択されていない期間限定額情報があるか否かを判定する(ステップS708)。まだ選択されていない期間限定額情報がある場合(ステップS708:YES)、処理はステップS703に進み、制限部215は、まだ選択されていない期間限定額情報の一つを選択する。一方、まだ選択されていない期間限定額情報がない場合(ステップS708:NO)、制限部215は、対象のユーザの口座ID及び無効額を含む無効額情報を、投票サイトサーバ1へ送信して、期間限定資金無効化処理は終了する。
【0134】
無効額情報を受信すると、投票サイトサーバ1の残高情報取得部114は、無効額情報から口座IDを取得する。残高情報取得部114は、口座IDを含む残高照会を投票用口座管理サーバ3へ送信して、残高情報を取得する。投票用残高更新制御部115は、残高情報に含まれる投票用残高から無効額を減算することにより、新しい投票用残高を計算する。投票用残高更新制御部115は、精算要求を投票用口座管理サーバ3へ送信し、次いで、新しい投票用残高を含む入金通知を投票用口座管理サーバ3へ送信することにより、対象のユーザについて投票用口座DB31に記憶された投票用残高を更新させる。
【0135】
以上説明したように、本実施形態によれば、投票サービスシステムSAが、有効期限が定められた交換媒体を用いた入金に基づく出金不可能な資金を投票に利用することを制限する。
【0136】
この構成により、取引対象の取引代金の支払いに利用可能な有効期限が定められた交換媒体に基づく出金不可能な資金の利用が制限される。従って、取引代金の支払いに期間的な制限がある交換媒体と制限がない交換媒体との間で、投票資金の利用可能性に差を持たせることができる。
【0137】
投票サービスシステムSAが、有効期限が定められた交換媒体を用いて投票用口座に投票資金が入金される場合、記憶部24に、入金に用いられた交換媒体の額に相当する期間限定額と、有効期限と、を関連付けて記憶させてもよい。また、投票サービスシステムSAが、記憶部24に記憶された有効期限が経過することに応じて、記憶部24に記憶された出金不可能残高を、記憶された期間限定額に応じて減少させてもよい。
【0138】
この場合、入金に用いられた交換媒体に対して定められた有効期限と同じ有効期限が、入金された投票資金に対して定められる。従って、入金された投票資金に、入金に用いられた交換媒体と同じ制限を加えることができる。
【0139】
[4.第4実施形態]
次に、第4実施形態について説明する。以下に説明する点を除き、第4実施形態は、第1実施形態~第3実施形態の何れかと同様であってもよい。本実施形態においても、有効期限が定められた交換媒体に基づく投票金を投票に利用することが制限される。
【0140】
特に、制限部215は、有効期限が定められた交換媒体を用いた投票資金の入金を禁止する。例えば、制限部215は、ユーザIDを用いてポイント管理サーバ6に問い合わせることにより、ユーザが有するポイントのうち、通常ポイントのポイント数を取得してもよい。制限部215は、通常ポイントのポイント数を入金画面表示制御部111へ出力することにより、入金画面において、最大でも通常ポイントのポイント数に相当する入金額を入力可能にしてもよい。
【0141】
制限部215は、通常ポイントを示すポイント種別を入金処理部211へ出力することにより、入金処理部211により、その通常ポイントを示すポイント種別を、入金額及びポイントカード番号とともにポイント管理サーバ6へ送信させてもよい。ポイント管理サーバ6は、ポイント種別及び有効期限に基づいて、通常ポイントを用いた口座振替処理を実行する。
【0142】
以上説明したように、本実施形態によれば、有効期限が定められた交換媒体を用いて投票資金を入金することを不可能にすることができる。
【0143】
[5.第5実施形態]
次に、第5実施形態について説明する。以下に説明する点を除き、第5実施形態は、第1実施形態~第4実施形態の何れかと同様であってもよい。本実施形態において、第1支払手段と第2支払手段とを併用した投票資金の入金が可能である。
【0144】
入金画面表示制御部111は、預金を用いて入金される入金額と、ポイントを用いて入金される入金額と、の両方の入力が可能な入金画面を、ユーザ端末7に表示させる。図20は、入金画面800の一例を示す図である。図20に示すように、入金画面800は、チェックボックス801、入力領域802、チェックボックス803、入力領域804、確認ボタン805等を含んでもよい。チェックボックス801は、投票資金の入金に預金を用いることを選択するためのチェックボックスである。入力領域802は、預金を用いた入金額を入力するための入力領域である。チェックボックス803は、投票資金の入金にポイントを用いることを選択するためのチェックボックスである。入力領域804は、ポイントを用いた入金額を入力するための入力領域である。確認ボタン805は、入金画面800における入力内容を確認するためのボタンである。チェックボックス801及び803の両方にチェックマークが表示されるように、これらを操作することにより、ユーザは、預金とポイントとを併用することができる。
【0145】
入金要求取得部112は、預金とポイントとの両方が選択された場合、入金画面に入力された預金による入金額及びポイントによる入金額を含む入金要求を、ユーザ端末7から取得する。
【0146】
入金処理部211は、出金不可能残高DB24aに記憶された出金不可能残高を、入金要求取得部112により取得された入金要求により示される預金による入金及びポイントによる入金額のうち、ポイントによる入金額に応じて増加させる。入金処理部211は、銀行サーバ5及びポイント管理サーバ6のそれぞれに、口座振替処理を実行させる。
【0147】
投票用残高更新制御部115は、投票用残高を、入金要求取得部112により取得された入金要求により示される預金による入金とポイントによる入金額との合計額に応じて、増加させる。例えば、入金要求取得部112は、銀行サーバ5及びポイント管理サーバ6両方の口座振替処理が終わると、預金による入金とポイントによる入金額との合計額を計算し、この合計額を含む口座振替完了応答を、投票サイトサーバ1へ送信してもよい。口座振替完了応答を受信すると、投票用残高更新制御部115は、計算された合計額を含む入金通知を、投票用口座管理サーバ3へ送信する。これにより、投票用残高が更新される。
【0148】
以上説明したように、本実施形態によれば、投票サービスシステムSAが、第1支払手段を用いて入金される入金額と、第2支払手段を用いて入金される入金額と、の両方の入力が可能な入金画面を、ユーザ端末7に表示させてもよい。また、投票サービスシステムSAが、入金画面に入力された第1入金額及び第2入金額を示す入力要求を、ユーザ端末7から取得してもよい。また、投票サービスシステムSAが、記憶部24に記憶された出金不可能残高を、入力要求により示される入金額のうち、第2支払手段を用いて入金される入金額に応じて増加させてもよい。また、投票サービスシステムSAが、投票用残高を、入金要求により示される両方の入金額の合計額に応じて増加させてもよい。
【0149】
この構成によれば、入金画面において、ユーザは、第1支払手段を用いた入金額と、第2支払手段を用いた入金額と、の両方を入力可能である。第2支払手段を用いた入金額は、出金不可能残高に加算され、第1支払手段を用いた入金額と第2支払手段を用いた入金額との合計額が、投票用残高に加算される。従って、ユーザは第1支払手段と第2支払手段とを一度に併用して、投票資金を入金することができる。
【符号の説明】
【0150】
1 投票サイトサーバ
2 ゲートウェイサーバ
3 投票用口座管理サーバ
4 投票管理サーバ
5 銀行サーバ
6 ポイント管理サーバ
7 ユーザ端末
11 システム制御部
12 システムバス
13 入出力インターフェース
14 記憶部
14a 会員DB
15 通信部
21 システム制御部
22 システムバス
23 入出力インターフェース
24 記憶部
24a 出金不可能残高DB
25 通信部
111 入金画面表示制御部
112 入金要求取得部
113 入金通知部
114 残高情報取得部
115 投票用残高更新制御部
211 入金処理部
212 出金処理部
213 購入資金差引部
214 制限部
NW ネットワーク
S 情報処理システム
SA 投票サービスシステム
SB 投票コアシステム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20