(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】添加剤組成物および方法
(51)【国際特許分類】
B01J 13/16 20060101AFI20230713BHJP
C08G 18/00 20060101ALI20230713BHJP
C08G 18/32 20060101ALI20230713BHJP
C08G 18/76 20060101ALI20230713BHJP
C11D 17/00 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
B01J13/16
C08G18/00 A
C08G18/32 028
C08G18/76 057
C11D17/00
(21)【出願番号】P 2020501796
(86)(22)【出願日】2018-07-10
(86)【国際出願番号】 US2018041373
(87)【国際公開番号】W WO2019027634
(87)【国際公開日】2019-02-07
【審査請求日】2021-06-29
(32)【優先日】2017-07-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】チャオ、ミン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、リャン
(72)【発明者】
【氏名】チェン、シュエ
【審査官】岩田 行剛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第98/016621(WO,A1)
【文献】特開平08-224463(JP,A)
【文献】特表2005-528200(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0148280(US,A1)
【文献】特表平10-500433(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01J 13/16
C08G 18/00-18/87
C08G 18/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面重合反応生成物中に少なくとも部分的にカプセル化された活性物質を含む添加剤であって、
前記活性物質がテトラアセチルエチレンジアミンまたはトリアセチルエチレンジアミンの一方または両方からなり、
前記界面重合反応生成物が(ポリ)イソシアネートとポリアミンとから生成され、
前記ポリアミンは、エチレンジアミンであり、前記(ポリ)イソシアネートは、ポリイソシアネート(PAPI 27)である、添加剤。
【請求項2】
前記添加剤が洗剤添加剤として使用されるものであり、洗濯機において使用される場合、前記活性物質は前記添加剤から放出され、洗浄システム内で該活性物質が利用可能となり、その洗浄性強化機能を果たす、請求項1に記載の添加剤。
【請求項3】
前記活性物質は、テトラアセチルエチレンジアミンである、請求項1または2に記載の添加剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の添加剤の調製方法であって、
前記活性物質、溶媒、前記(ポリ)イソシアネートを含む油相を提供することと、
水および乳化剤を含む水相を提供することと、
前記油相と前記水相とを混合してエマルジョンを提供することと、
前記エマルジョンに前記ポリアミンを提供することと、を含む、方法。
【請求項5】
前記溶媒は、100ミリリットル当たり10グラム以下の水溶性を有する、請求項4に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
活性物質をカプセル化することが望ましい多くの用途が存在する。例えば、衣服等の織物は、典型的には、織物を、洗剤成分と漂白剤等の他の任意選択的な活性物質との組み合わせである洗剤配合物と接触させることにより洗浄される。使いやすさのために、多くの洗剤配合物のユーザーは、洗剤と任意選択的な活性物質とが単一の製品に組み込まれたオールインワン製品を好む。さらに、多くのユーザーは、固形または粒状の製品と比較して、この製品が液体であることを好む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
一般的な洗剤活性物質の1つは、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)である。TAEDは、ペルオキシ漂白活性化剤および微生物防除剤として機能する。TAEDは、固形洗剤製品に広く使用されている。TAEDは、ある程度水を含有する液体洗剤配合物中では、加水分解を受け、洗剤活性物質としての効果を喪失する。TAEDは、反応してN,N’ジアセチルエチレンジアミン(DAED)を形成するため、洗剤活性物質として効果的ではない。そのため、改変せずに使用した場合、TAEDは水性洗剤配合物の活性物質として理想的ではない。トリアセチルエチレンジアミン(TriAED)は、別の洗剤活性物質である。水を含有する配合物における使用に適した活性物質を含有する添加剤が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0003】
テトラアセチルエチレンジアミンまたはトリアセチルエチレンジアミンの一方または両方からなる活性物質と、(ポリ)イソシアネートとポリアミンとの界面重合反応生成物と、からなる添加剤。
【0004】
活性物質、溶媒、(ポリ)イソシアネートを含む油相を提供することと、水および乳化剤を含む水相を提供することと、油相と水相とを混合してエマルジョンを提供することと、エマルジョンにポリアミンを提供することと、を含む、水希釈応答性添加剤の調製方法。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示は、活性物質をカプセル化するための改善された添加剤を記載する。一態様において、本開示は、活性物質、例えば、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)またはトリアセチルエチレンジアミンと、(ポリ)イソシアネートとポリアミンとの界面重合反応生成物とを含む添加剤エマルジョンを記載する。本明細書に記載の添加剤の改善は、活性物質の加水分解安定性の向上であり、これにより水性配合物の長期安定性が強化される。本明細書で使用される場合、「(ポリ)」イソシアネートは、ポリマーイソシアネートまたはモノマーイソシアネートのいずれかまたは両方を指す。
【0006】
(ポリ)イソシアネートは、トルエンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-ジイソシアナトブタン、1,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,8-ジイソシアナトオクタン、4-4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、および4,4’メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)からなる群から選択される。
【0007】
ポリアミンは、水溶性ポリアミンである。水溶性ポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、およびペンタエチレンヘキサミンからなる群から選択される。
【0008】
(ポリ)イソシアネートとポリアミンは、界面重合反応において一緒に反応する。界面重合反応は、2つの相、この場合、油相と水相の間の界面における重合反応を伴う。油相は、活性物質、(ポリ)イソシアネート、および溶媒を含む。水相は、水および乳化剤を含む。乳化剤は、非イオン性界面活性剤である。非イオン性界面活性剤は、ブロックまたはランダムコポリマーの高分子界面活性剤であり得る。非イオン性界面活性剤は、エトキシ化脂肪族または芳香族アルコール、ヒマシ油ベースのエトキシレート、脂肪酸エトキシレート、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンブロックまたはランダムコポリマー、ソルビタンエステルエトキシレート、ポリエチレングリコールエステル、およびポリオキシエチレン脂肪酸アミドを含む。ある場合において、乳化剤はポリビニルアルコールである。好ましい界面活性剤は、AtlasおよびAtloxの商品名で入手可能なCrodaの高分子界面活性剤および分散剤である。最も好ましいのは、アルキッドPEG樹脂のランダムコポリマーAtlox 4914である。油相と水相とを混合してエマルジョンを形成する。ポリアミンがエマルジョンに添加され、ポリアミンと(ポリ)イソシアネートが界面重合によって反応する。
【0009】
溶媒は、鉱油、芳香族溶媒、キシレン、トルエン、パラフィン油等の石油留分または炭化水素;ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、落花生油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油等の植物油;上記植物油のエステル;ステアリン酸2-エチルヘキシル、安息香酸エチルヘキシル、安息香酸イソプロピル、オレイン酸n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオレイン酸プロピレングリコール、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、リン酸トリエチル等のモノアルコールまたは二価、三価、もしくは他の低級ポリアルコール(4-6ヒドロキシ含有)のエステル;酢酸ベンジル、酢酸エチル等のモノ、ジおよびポリカルボン酸のエステル;シクロヘキサノン、アセトフェノン、2-ヘプタノン、γ-ブチロラクトン、イソホロン等のケトン;N-エチルピロリドン、N-オクチルピロリドン等のアミド;C8およびC10酸のジメチルアミド、ジメチルアセトアミド等のアルキルジメチルアミド;ベンジルアルコール、クレゾール、テルピネオール、テトラヒドロフルフリルアルコール、2-イソプロピルフェノール、シクロヘキサノール、n-ヘキサノール等の群から選択される。本出願において有用な溶媒の例は、ExxonMobilから入手可能なSolvesso(商標)芳香族流体である。
【0010】
本明細書に記載されるように、添加剤は、活性物質をカプセル化するか、または部分的にカプセル化する。本明細書で使用される場合、「カプセル化された」とは、コポリマーネットワーク内に結合または保持されている活性物質を指す。本明細書で使用される場合、「コポリマーネットワーク」は、界面重合反応の生成物を指す。本明細書に記載の添加剤は、トリガーイベント中に活性物質を放出するように設計される(本開示の文脈では、トリガーイベントは洗濯機における使用であり得る)。カプセル化されている活性物質に言及する場合、それは、トリガーイベントの前にコポリマーネットワーク内に保持されている活性物質を指す。本開示の方法に従って調製される添加剤は、30~100パーセントのカプセル化効率を有する。好ましくは、本開示の方法に従って調製される添加剤は、60~100パーセントのカプセル化効率を有する。より好ましくは、本開示の方法に従って調製される添加剤は、90~100パーセントのカプセル化効率を有する。本明細書で使用される場合、「カプセル化効率」は、添加剤のコポリマーネットワークにおいてカプセル化される見込みのある活性物質の割合を指す。
【0011】
本明細書に記載される添加剤は、TAED等の活性物質のみよりも、水性系においてより良好な長期安定性を有する。例えば、添加剤が洗剤添加剤であり、洗濯機において使用される場合、活性物質はコポリマーから放出され、洗浄システム内で該活性物質が利用可能となり、その洗浄性強化機能を果たす。
【0012】
本明細書に記載の方法は、他の種類の添加剤系の調製にも適している。例えば、本明細書に記載の方法は、限定されないが、布地柔軟剤、洗剤活性物質、漂白剤活性物質、肥料、微量栄養素、殺虫剤(殺真菌剤、殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、殺線虫剤等)、殺生物剤、微生物防除剤、高分子潤滑剤、難燃剤、顔料、染料、尿素阻害剤、食品添加剤、香味料、医薬品、組織、抗酸化剤、化粧品成分(香料、香水等)、土壌改良剤(土壌忌避剤、土壌放出剤等)、触媒、診断薬、および光保護剤(UVブロッカー等)をカプセル化することを含み得る。
【0013】
本明細書に記載の添加剤は、希釈応答トリガーを有する。この場合、添加剤内にカプセル化された活性物質は、過剰な水の導入により放出される。理論に制限されることなく、導入水が添加剤の壁状構造を膨張させ、それによって壁が破裂するか、または添加剤から活性物質が放出され得るチャネルが形成されることが予想される。
本発明は、次の態様にも関する。
(1)添加剤であって、テトラアセチルエチレンジアミンまたはトリアセチルエチレンジアミンの一方または両方からなる活性物質と、(ポリ)イソシアネートとポリアミンとの界面重合反応生成物と、からなる、添加剤。
(2)前記(ポリ)イソシアネートは、トルエンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-ジイソシアナトブタン、1,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,8-ジイソシアナトオクタン、4-4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、および4,4’メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)からなる群から選択される、上記(1)に記載の添加剤。
(3)前記ポリアミンは、水溶性ポリアミンである、上記(1)に記載の添加剤。
(4)前記水溶性ポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、およびペンタエチレンヘキサミンからなる群から選択される、上記(3)に記載の添加剤。
(5)前記添加剤中の前記活性物質のカプセル化効率は、60~100パーセントである、上記(1)~(4)のいずれか一項に記載の添加剤。
(6)水希釈応答性添加剤の調製方法であって、活性物質、溶媒、(ポリ)イソシアネートを含む油相を提供することと、水および乳化剤を含む水相を提供することと、前記油相と前記水相とを混合してエマルジョンを提供することと、前記エマルジョンにポリアミンを提供することと、を含む、方法。
(7)前記ポリイソシアネートは、トルエンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,4-ジイソシアナトブタン、1,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-フェニレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-ビス(イソシアナトメチル)ベンゼン、1,8-ジイソシアナトオクタン、4-4’-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、および4,4’メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)からなる群から選択される、上記(6)に記載の方法。
(8)前記ポリアミンは、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、およびペンタエチレンヘキサミンからなる群から選択される、上記(6)に記載の方法。
(9)前記溶媒は、100ミリリットル当たり10グラム以下の水溶性を有する、上記(6)に記載の方法。
(10)前記溶媒は、鉱油、芳香族溶媒、キシレン、トルエン、パラフィン油等の石油留分または炭化水素;ダイズ油、ナタネ油、オリーブ油、ヒマシ油、ヒマワリ種子油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻仁油、パーム油、落花生油、ベニバナ油、ゴマ油、キリ油等の植物油;上記植物油のエステル;ステアリン酸2-エチルヘキシル、安息香酸エチルヘキシル、安息香酸イソプロピル、オレイン酸n-ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ジオレイン酸プロピレングリコール、コハク酸ジオクチル、アジピン酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリエチル、リン酸トリエチル等のモノアルコールまたは二価、三価、もしくは他の低級ポリアルコール(4-6ヒドロキシ含有)のエステル;酢酸ベンジル、酢酸エチル等のモノ、ジおよびポリカルボン酸のエステル;シクロヘキサノン、アセトフェノン、2-ヘプタノン、γ-ブチロラクトン、イソホロン、N-エチルピロリドン、N-オクチルピロリドン等のケトン;C8およびC10のジメチルアミド、ジメチルアセトアミド等のアルキルジメチルアミド;ベンジルアルコール、クレゾール、テルピネオール、テトラヒドロフルフリルアルコール、2-イソプロピルフェノール、シクロヘキサノール、n-ヘキサノールの水溶性の低いアルコール等の群から選択される、上記(6)に記載の方法。
(11)前記活性物質は、テトラアセチルエチレンジアミンまたはトリアセチルエチレンジアミンの一方または両方からなる、上記(6)~(10)のいずれか一項に記載の方法。
【実施例】
【0014】
材料およびカプセル化の例
●Exxon Mobilから市販されているSolvesso(商標)200流体は、原油に由来する芳香族ストリームの蒸留から得られる芳香族炭化水素の複雑な混合物として特徴付けられる。
●Crodaから市販されているAtlox(商標)4914は、HLB値が6の非イオン性高分子界面活性剤である。
●The Dow Chemical Companyから市販されているPAPI 27は、MDIを含有するポリメチレンポリフェニルイソシアネートである。それは340の平均分子量および134.0のイソシアネート当量、ならびに31.4重量%のNCO含有量を有する。
●ポリビニルアルコール:KurarayのCelvol 205。
●TAED:Sigma-Aldrichから市販されている
●エチレンジアミンは、The Dow Chemical Companyから入手する。
【0015】
実験手順
界面重合によるカプセル化
表1の配合に従って、標的とする界面活性剤Atlox 4914および10%TAED粉末を溶媒Solvesso 200に添加した。混合物をボルテックスミキサーにより激しく混合してTAEDの懸濁液を形成した。次いで、ポリイソシアネート(PAPI 27)を添加し、十分に混合した。上記の混合物を油相として使用した。水相は、ポリビニルアルコールを水に添加して4.5%溶液を作製することにより調製した。
【0016】
水相を油相の上に注ぎ、混合物をSilverson L5高せん断ミキサーにより乳化してエマルジョンを形成した。
【0017】
次いで、水溶液中のエチレンジアミン(30%)を添加し、混合物を周囲温度で少なくとも30分間撹拌させた。
【表1】
【0018】
顕微鏡による評価
活性物質の放出機構のために、カプセル化された材料を水に入れた。Zeiss Axio Imager顕微鏡を使用している間に、水で希釈するとポリ尿素シェルが膨張し始め、その結果、外側のシェルが破壊して活性物質(TAED)を含有する油相を放出した。
【0019】
HPLC法による評価
1滴(約0.1g)の例示的配合物を10gのH
2O溶媒に添加し、1分間混合し、HPLCを用いて分析した。この分析は試験1と称される。希釈トリガーを調べるために、比較のために1滴(約0.1g)の例示的配合物を10gのH
2Oに20分間混合しながら添加し、HPLCを用いて分析した。この分析は試験2と称される。調製した試料のTAEDおよびDAEDの濃度を、クォータナリポンプおよびダイオードアレイ検出器を備えたAgilent 1100高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて測定した。HPLC法の条件を下の表に要約する。
【表2】
【0020】
結果を表3に示す。水希釈プロセスを含まない試験1に基づくと、DAED濃度は0%であり、良好なカプセル化が示唆される一方で、試験2はカプセル化された材料を水中で20分間混合することを含み、DAED濃度は0.0244%である。DAEDは、カプセル化された材料から放出されたTAEDの加水分解の結果として形成される。これらの材料のHPLC分析は、顕微鏡によって検出されたシェル破壊現象と一致している。
【表3】