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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】階層データ交換管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/21 20190101AFI20230713BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230713BHJP
   G06F 16/28 20190101ALI20230713BHJP
   G16Y 10/60 20200101ALI20230713BHJP
   G16Y 20/40 20200101ALI20230713BHJP
   G16Y 40/20 20200101ALI20230713BHJP
   G16Y 30/00 20200101ALI20230713BHJP
【FI】
G06F16/21
G06Q50/10
G06F16/28
G16Y10/60
G16Y20/40
G16Y40/20
G16Y30/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020526118
(86)(22)【出願日】2018-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-02-04
(86)【国際出願番号】 US2018060589
(87)【国際公開番号】W WO2019099335
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-10-12
(31)【優先権主張番号】15/812,003
(32)【優先日】2017-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】エバンス, スコット チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ベックマン, ベンジャミン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】カルボーン,ジョン ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】パトノード,パトリック ケネディ
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-103111(JP,A)
【文献】特開2005-031965(JP,A)
【文献】国際公開第2017/090329(WO,A1)
【文献】特開2013-003763(JP,A)
【文献】特開2002-329126(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0032401(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
G16Y 10/60-40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
階層データ交換を促進するシステムであって、
電子記録を含む集約プラットフォームデータストアと、
前記集約プラットフォームデータストアに結合されたデータ集約プラットフォームと
を備え、前記データ集約プラットフォームは、
複数のデータソースデバイスから、複数のデータソースと関連付けられる情報を収集するための通信ポートと、
前記通信ポートおよび前記集約プラットフォームデータストアに結合された、データ集約コンピュータプロセッサと
を含み、前記データ集約コンピュータプロセッサは、
前記収集されている情報を前記集約プラットフォームデータストアに格納することと、
データ消費者デバイスからデータ要求を受信することと、
前記受信されているデータ要求に応答して、前記データ要求と関連付けられる精度階層を決定することであって、前記精度階層は複数の精度階層のうちの1つであり、前記複数のデータソースからの前記情報のレベルと関連付けられ、前記精度階層は複数のデータ項目と関連付けられるエントリを含む、決定することと、
前記受信されているデータ要求に応答して、前記データ要求と関連付けられるプライバシー階層を決定することであって、前記プライバシー階層は前記複数のデータソースのうちの1つのアイデンティティに関連する個人データに関連付けられる、決定することと、
前記精度階層に基づいて、前記データ要求のリソース値を自動的に計算することと、
前記集約プラットフォームデータストアからの情報が、修正されて前記データ消費者デバイスに送信されるように手配することと
を行うように適合されている、システム。
【請求項2】
前記自動的に計算されるリソース値は、前記プライバシー階層にさらに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記データ集約コンピュータプロセッサは、
前記リソース値の少なくとも一部が少なくとも1つのデータソースに提供されるように手配するようにさらに適合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記データ集約コンピュータプロセッサは、
安全な分散型取引台帳を介して、前記データ要求と関連付けられる情報を記録するようにさらに適合されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記安全な分散型取引台帳がブロックチェーン技術を含む、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
前記データソースが個人を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記収集されている情報が健康データに関連し、(i)心拍数データ、(ii)活動データ、(iii)睡眠データ、(iv)血圧データ、(v)グルコース監視データ、および(vi)インスリンデータの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記収集されている情報が、メディア消費データに関連し、(i)テレビデータ、(ii)オンラインデータ、(iii)アプリケーションデータ、(iv)ストリーミングデータ、および(v))広告データの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記収集されている情報が通信データに関連し、(i)電話通信データ、(ii)電子メール通信データ、(iii)ソーシャルネットワーク通信データ、および(iv)実世界近接データの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記収集されている情報が、(i)人口統計データ、(ii)心理データ、(iii)位置データ、(iv)テレマティックデータ、(v)調査データ、(vi)遺伝データ、(vii)信用度スコアデータ、(viii)支出データ、(ix)クレジットカードデータ、(x)銀行口座データの少なくとも1つを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
データソースが事業体を含み、前記収集されている情報が、(i)販売データ、(ii)利益データ、(iii)従業員データ、(iv)債務データ、(v)産業資産品目に関する情報、(vi)デジタルツインに関する情報、および(vii)積層造形工程の少なくとも1つと関連付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
精度階層は、(i)完全なデータセット、(ii)データソースと関連付けられる複数のデータ項目の平均、(iii)複数のデータソースと関連付けられる複数のデータ項目の平均、および(iv)前記データ要求において指定される少なくとも1つの特性を共有するデータ項目のうちの少なくとも1つと関連付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記データ集約プラットフォームからの情報の前記修正は、(i)データ集約、(ii)単一のデータソースと関連付けられる複数のデータ項目の平均化、(iii)複数のデータソースと関連付けられる複数のデータ項目の平均化、(iv)各々が単一のデータソースと関連付けられる複数のデータソースデバイスからの情報の結合、(v)情報の削除、(vi)サードパーティのデータによる情報の補足、および(vii)データ変換に少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
階層データ交換を促進するコンピュータ実装方法であって、
複数のデータソースデバイスから、複数のデータソースと関連付けられる情報を収集することと、
集約プラットフォームデータストアにおいて、前記収集されている情報を表す電子記録を格納することと、
データ集約コンピュータプロセッサにおいて、データ消費者デバイスからのデータ要求を受信することと、
前記受信されているデータ要求に応答して、前記データ要求と関連付けられる精度階層を決定することであって、前記精度階層は複数の精度階層のうちの1つであり、前記複数のデータソースからの前記情報のレベルと関連付けられ、前記精度階層は複数のデータ項目と関連付けられるエントリを含む、決定することと、
前記受信されているデータ要求に応答して、前記データ要求と関連付けられるプライバシー階層を決定することであって、前記プライバシー階層は前記複数のデータソースのうちの1つのアイデンティティに関連する個人データに関連付けられる、決定することと、
前記精度階層および前記プライバシー階層に基づいて、前記データ要求のリソース値を自動的に計算することと、
前記集約プラットフォームデータストアからの情報が、修正されて前記データ消費者デバイスに送信されるようにするように手配することと、
前記リソース値の少なくとも一部が少なくとも1つのデータソースに提供されるように手配することと、
安全な分散型取引台帳を介して前記データ要求と関連付けられる情報を記録することと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記収集されている情報が健康データに関連し、(i)心拍数データ、(ii)活動データ、(iii)睡眠データ、(iv)血圧データ、(v)グルコース監視データ、および(vi)インスリンデータの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記収集されている情報が、メディア消費データに関連し、(i)テレビデータ、(ii)オンラインデータ、(iii)アプリケーションデータ、(iv)ストリーミングデータ、および(v))広告データの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記収集されている情報が通信データに関連し、(i)電話通信データ、(ii)電子メール通信データ、(iii)ソーシャルネットワーク通信データ、および(iv)実世界近接データの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
前記収集されている情報が、(i)人口統計データ、(ii)心理データ、(iii)位置データ、(iv)テレマティックデータ、(v)調査データ、(vi)遺伝データ、(vii)信用度スコアデータ、(viii)支出データ、(ix)クレジットカードデータ、(x)銀行口座データの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
データソースが事業体を含み、前記収集されている情報が、(i)販売データ、(ii)利益データ、(iii)従業員データ、(iv)債務データ、(v)産業資産品目に関する情報、(vi)デジタルツインに関する情報、および(vii)積層造形工程の少なくとも1つと関連付けられる、請求項14に記載の方法。
【請求項20】
前記安全な分散型取引台帳がブロックチェーン技術を含む、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示されるいくつかの実施形態は、データ管理システムに関し、より詳細には、階層データ交換管理システムを実装または使用するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
1人以上のデータ消費者が、データソースから情報を取得することに関心を持つ場合がある。たとえば、フィットネス活動モニタを装着している人は、毎時心拍数など、研究者が関心を持つ可能性のある医療情報を生成する場合がある。さらに、人によって、この種類の情報を共有する嗜好および/または意欲が異なる場合がある。さらに、一部の種類の情報は、他の種類の情報と比較して、データ消費者にとってより価値がある場合があることに留意されたい。たとえば、人に特定の心臓の症状があることを知ることは、研究者にとって関心事である場合がある。一般的に、人々はより高いレベルの報酬と引き換えに、より具体的および/またはより個人的な情報を共有することをいとわない場合がある。しかしながら、特に相当数の人および/または多数の取引(たとえば、数万の取引)によって、種々の当事者を、種々の種類の利益と引き換えに種々の種類の情報を提供し、および/または受け取るように公平かつ正確に調整することは困難であり、プロセスには時間がかかり、コストもかかる可能性がある。したがって、階層データ交換の管理を効率的かつ正確に促進するための改善されたコンピュータ化方法を実現することが望ましい場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実施形態によれば、階層データ交換を促進するためのシステムは、電子記録を含む集約プラットフォームデータストアを含むことができる。データ集約プラットフォームは、複数のデータソースデバイスから、複数のデータソースと関連付けられる情報を収集し、収集された情報を集約プラットフォームデータストアに格納することができる。データ集約プラットフォームは、データ消費者デバイスからデータ要求を受信し、受信したデータ要求に応答して、データ要求と関連付けられる精度階層を決定することもできる。次に、データ集約プラットフォームは、精度階層に基づいて、データ要求のリソース値を自動的に計算することができる。データ集約プラットフォームは、次に、集約プラットフォームデータストアからの情報が、修正されてデータ消費者デバイスに送信されるようにするように構成することができる。
【0004】
いくつかの実施形態は、複数のデータソースデバイスから、複数のデータソースと関連付けられる情報を収集する手段と、集約プラットフォームデータストアにおいて、収集された情報を表す電子記録を格納する手段と、データ集約コンピュータプロセッサにおいて、データ消費者デバイスからのデータ要求を受信する手段と、受信したデータ要求に応答して、データ要求と関連付けられる精度階層を決定する手段と、受信したデータ要求に応答して、データ要求と関連付けられるプライバシー階層を決定する手段と、精度階層およびプライバシー階層に基づいて、データ要求のリソース値を自動的に計算する手段と、集約プラットフォームデータストアからの情報が、修正されてデータ消費者デバイスに送信されるようにするように手配する手段と、リソース値の少なくとも一部が少なくとも1つのデータソースに提供されるように手配する手段と、安全な分散型取引台帳を介してデータ要求と関連付けられる情報を記録する手段とを備える。
【0005】
本発明のいくつかの実施形態の技術的効果は、階層データ交換の管理を効率的かつ正確に促進する改善されたコンピュータ化された方法である。以下に明らかになるこれらおよび他の利点および特徴により、以下の詳細な説明および添付の図面を参照することによって、本発明の性質のより完全な理解を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】いくつかの実施形態によるシステムの高レベルの図である。
図2】いくつかの実施形態による方法を示す図である。
図3A】いくつかの実施形態による階層データ収益化の例を示す図である。
図3B】いくつかの実施形態による階層データ収益化の例を示す図である。
図4】いくつかの実施形態によるシステムのより詳細な図である。
図5】いくつかの実施形態によるプラットフォームを示す図である。
図6】いくつかの実施形態による精度階層データベースの一部分の図である。
図7】いくつかの実施形態によるプライバシー階層データベースの一部分の図である。
図8】いくつかの実施形態によるリソース値データベースの一部分の図である。
図9】いくつかの実施形態による対話型ユーザインターフェースディスプレイを示す図である。
図10】いくつかの実施形態によるブロックチェーン検証を伴う階層データ収益化取引を実装するシステムの図である。
図11】いくつかの実施形態による、複数のデータ集約プラットフォームを用いた階層データ収益化取引を実装するシステムの図である。
図12】いくつかの実施形態によるデータ市場のデータサプライチェーンの図である。
図13】いくつかの実施形態による分散型台帳参照アーキテクチャの図である。
図14】いくつかの実施形態によるディスプレイを提供するタブレットコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下の詳細な説明では、実施形態の完全な理解を提供するために、多くの特定の詳細が示されている。しかしながら、これらの特定の詳細なしで実施形態が実施され得ることが、当業者には理解されるであろう。他の事例では、実施形態を不明瞭にしないために、周知の方法、手順、構成要素、および回路は詳細には説明されていない。
【0008】
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実装態様のすべての特徴が本明細書に記載されていない場合がある。任意のそのような実際の実装態様の開発においては、任意のエンジニアリングまたは設計プロジェクトにおけるように、実装態様ごとに変化する可能性がある、システム関連およびビジネス関連の制約の遵守などの開発者固有の目標を達成するために、実装態様固有の多数の決定がなされなければならないことが諒解されるべきである。さらに、そのような開発試行は複雑で時間がかかるかもしれないが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって設計、作製、および製造を引き受ける日常業務であることを理解されたい。
【0009】
したがって、階層データ交換を効率的かつ正確に促進するための改善されたコンピュータ化方法を実現することが望ましい場合がある。たとえば、図1は、いくつかの実施形態によるシステム100の高レベルの図である。システム100は、1つまたは複数のデータソース110および1つまたは複数のデータ消費者160と通信する自動データ集約プラットフォーム150を含む。ほんの一例として、データソース110は、健康監視デバイスを着用する消費者を含み得、データ消費者160は、健康監視デバイスによって生成されるデータに関心のある医学研究者または保険会社と関連付けられるデバイスを含み得る。いくつかの実施形態によれば、自動データ集約プラットフォーム150は、データソース110によって提供される情報を反映する電子記録を含む集約プラットフォームデータストア120にアクセスすることができる。自動データ集約プラットフォーム150は、完全に分散化することができ、および/または企業向けのサービスを実行するベンダなどのサードパーティと関連付けることができることに留意されたい。また、データ集約プラットフォームデータストア120が図1に示されているが、本明細書で説明する実施形態のいずれも、データソース110が代わりに情報をデータ消費者160に直接送信するように構成され得ることにも留意されたい。
【0010】
自動データ集約プラットフォーム150および/またはシステム100の他の要素は、たとえば、パーソナルコンピュータ(「PC」)、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、企業サーバ、サーバファーム、および/またはデータベースもしくは同様の記憶デバイスと関連付けられてもよい。いくつかの実施形態によれば、「自動」データ集約プラットフォーム150は、階層データ交換を自動的に管理することができる。本明細書において使用される場合、「自動」という用語は、たとえば、人間がほとんど(またはまったく)介入せずに実行することができるアクションを指し得る。
【0011】
本明細書において使用される場合、自動データ集約プラットフォーム150と関連付けられるものを含むデバイス、および、本明細書において説明される任意の他のデバイスは、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、メトロポリタンエリアネットワーク(「MAN」)、広域ネットワーク(「WAN」)、専用ネットワーク、公衆交換電話網(「PSTN」)、ワイヤレスアプリケーションプロトコル(「WAP」)ネットワーク、Bluetoothネットワーク、ワイヤレスLANネットワーク、および/または、インターネット、イントラネットもしくはエクストラネットなどのインターネットプロトコル(「IP」)ネットワークのうちの1つまたは複数であってもよい任意の通信ネットワークを介して情報を交換することができる。本明細書において説明される任意のデバイスは、1つまたは複数のそのような通信ネットワークを介して通信することができることに留意されたい。
【0012】
自動データ集約プラットフォーム150は、集約プラットフォームデータストア120を含むデータストアに情報を格納し、および/またはデータストアから情報を検索することができる。データストアは、たとえば、消費者健康データ、人口統計情報などを表す電子記録を格納する。データストアは、ローカルに記憶するか、または、自動データ集約プラットフォーム150から遠隔して存在することができる。単一の自動データ集約プラットフォーム150が図1に示されているが、任意の数のそのようなデバイスが含まれてもよい。さらに、本明細書において説明される様々なデバイスは、本発明の実施形態に従って組み合わされてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、自動データ集約プラットフォーム150、集約プラットフォームデータストア120、および/または他のデバイスは、同じ場所に配置されてもよく、かつ/または単一の装置を含んでもよい。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、データ集約プラットフォーム150は、データソース110からの情報が、集約プラットフォームデータストア120に格納されるように構成することができる。次に、データ集約プラットフォーム150は、データ消費者160からデータ要求を受信することができる。いくつかの実施形態によれば、データ集約プラットフォーム150は、要求に応答するときに、精度階層152およびリソース値156にアクセスすることができる。たとえば、データ消費者160は、より精度の低い情報と比較して、データソース110についてのより精度の高い情報へのアクセスと引き換えに、より高い価値(たとえば、より高い利益またはより高い金銭的価値または他の価値のストア)をデータ集約プラットフォーム1500に提供するように手配することができる。次に、データ集約プラットフォーム150は、集約プラットフォームデータストア120内の情報を(たとえば、データをフィルタリングし、平均値をとることなどにより)修正し、修正された情報をデータ消費者160に提供することができる。
【0014】
このようにして、システム100は、階層データ交換の管理を効率的かつ正確に促進することができる。図1のシステム100は一例としてのみ提供され、実施形態は追加の要素または構成要素と関連付けられ得ることに留意されたい。たとえば、図2は、本発明のいくつかの実施形態に従って実行され得る方法200を示している。本明細書において説明する流れ図は、ステップに対して固定された順序を暗示するものではなく、本発明の実施形態は、実行可能な任意の順序で実施することができる。本明細書において説明される方法のいずれかは、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらのアプローチの任意の組み合わせによって実行され得ることに留意されたい。たとえば、コンピュータ可読記憶媒体は、機械によって実行されると、本明細書において説明される実施形態のいずれかに従って実行に移される命令を記憶することができる。
【0015】
210において、システムは、複数のデータソースデバイスから、複数のデータソースと関連付けられる情報を収集することができる。本明細書において使用される場合、「データソース」という語句は、個人、家族、企業、事業体、またはデータを提供できる任意の他のエンティティを指す場合がある。220において、システムは、集約プラットフォームデータストアにおいて、収集された情報を表す電子記録を格納することができる。例として、収集される情報は、心拍数データ、活動データ、睡眠データ、血圧データ、グルコース監視データ、インスリンデータなどの健康データに関連付けられ得る。
【0016】
実施形態は、健康データと関連付けられる必要はないことに留意されたい。たとえば、データソース(個人など)から収集される情報は、テレビデータ(たとえば、個人がどのチャンネルまたは番組を視聴するか)、オンラインデータ(たとえば、個人がどのウェブサイトにアクセスするか)、アプリケーションデータ(たとえば、個人がどのスマートフォンアプリまたはビデオゲームにアクセスするか)、ストリーミングデータ(たとえば、個人がどの映画またはテレビ番組を視聴するか)、広告データなどのようなメディア消費データを含んでもよい。収集される情報はまた、電話通信データ(たとえば、誰が指名通話をしたか、および頻度)、電子メール通信データ、ソーシャルネットワーク通信データ、現実世界の近接データ(たとえば、個人が現実世界においてどの人またはグループとの対話に時間を費やすか)などの通信データも含んでもよい。さらに他の例として、収集される情報は、人口統計データ(たとえば、年齢、性別、住所など)、心理データ(たとえば、趣味、気分、収入など)、位置データ、運転習慣と関連付けられるテレマティックデータ、調査データ、遺伝データ、信用度スコアデータ、支出データ、クレジットカードデータ、銀行口座データなどを含んでもよい。データソースが事業体または類似のエンティティである場合、収集される情報は、売上データ、利益データ、従業員データ、債務データなどを含んでもよい。いくつかの実施形態によれば、ビジネスに関連して収集されるデータは、産業資産品目(たとえば、風力タービン、ガスタービンなど)、物理的な産業資産品目の動作をモデル化する「デジタルツイン」、積層造形工程などに関する情報を含んでもよい。
【0017】
230において、データ集約コンピュータプロセッサは、データ消費者デバイスからデータ要求を受信することができる。本明細書において使用される「データ消費者」という語句は、企業、事業体、個人、または、データソースによって生成されるデータの受信に関心のある任意の他のエンティティを指す場合がある。データ消費者の例は、研究者、保険業者、広告主、政府機関、教育機関などを含んでもよい。データ集約プラットフォームは、単一ネットワーククラウドホストトポロジ、複数ネットワーククラウドホストトポロジ、参加者ホストイントラネット環境などを介して実装されてもよいことに留意されたい。
【0018】
240において、受信されたデータ要求に応答して、システムは、データ要求と関連付けられる「精度階層」を決定することができる。本明細書において使用される場合、「精度階層」という語句は、データと関連付けられる様々なレベルの精度を指すことができる。たとえば、精度階層と関連付けられるいくつかの種類の粒度は、完全なデータセット(たとえば、活動追跡デバイスによって1時間に1回測定されるものとしての人の心拍数)、データソースと関連付けられる複数のデータ項目の平均(たとえば、特定の週の間の人の平均心拍数)、複数のデータソースと関連付けられる複数のデータ項目の平均(たとえば、40歳から45歳までのすべての女性の平均心拍数な)、データ要求において指定される少なくとも1つの特性を共有するデータ項目(たとえば、ペースメーカを有するすべての人の平均心拍数)などと関連付けられてもよい。
【0019】
250において、受信されたデータ要求に応答して、システムは、データ要求と関連付けられる「プライバシー階層」を決定することができる。本明細書で使用される場合、「プライバシー階層」という語句は、特定の個人またはエンティティをデータソースであるとして識別することと関連付けられる様々なレベルの特異性を指すことができる。この種類の情報の例は、個人識別子(たとえば、社会保障番号(「SSN」))、名前、健康状態、年齢層(たとえば、25~35歳)、誕生日、場所、アドレス(たとえば、自宅住所、電子メールなどの通信アドレス)、性別などを含む。場合によっては、プライバシー階層は、完全な匿名性と関連付けられる場合がある(すなわち、個人データがまったく提供されない場合がある)。図2に示されるすべてのステップが、必ずしも本発明のいくつかの実施形態に従って実行されなくてもよいことに留意されたい(たとえば、いくつかのステップの周りの破線によって示されるように)。
【0020】
次に260において、システムは、精度階層、および、プライバシー階層を有する実施形態ではプライバシー階層に基づいて、データ要求の「リソース値」を自動的に計算することができる。本明細書において使用される場合、「リソース値」という語句は、情報を共有するのと引き換えにデータソースに提供される任意の種類の利益を指すことができる。データソースは、より具体的および/またはよりプライベートなデータを共有するのと引き換えに、より高い補償を受け得ることに留意されたい。たとえば、人の1時間あたりの心拍数が名前とともに研究者に送信された場合、その同じ情報が25歳男性すべての平均心拍数を決定するために使用される場合(この場合、25歳男性すべてが受ける補償ははるかに少ない場合がある)と比較して、補償の量ははるかに大きくなる可能性がある。種々の種類のリソース値の例は、オンライン支払い、マイクロペイメント、クレジットアカウント支払い、デビットアカウント支払い、銀行振込、暗号通貨およびデジタル支払いシステムなどを含む。いくつかの実施形態によれば、データへのアクセス(たとえば、映画を視聴することができる)またはデータソースによって後で引き換えられるポイントの量(たとえば、マイレージサービスを受けるためのマイル数)のような非金銭的利益がデータソースに提供され得る。
【0021】
270において、システムは、次に、集約プラットフォームデータストアからの情報が、修正されてデータ消費者デバイスに送信されるようにするように構成することができる。集約プラットフォームデータストアからの情報に対して実行される可能性のある修正の種類は、データ集約、単一のデータソースと関連付けられる複数のデータ項目の平均化、複数のデータソースと関連付けられる複数のデータ項目の平均化、各々が単一のデータソースと関連付けられる複数のデータソースデバイスからの情報の結合、情報の削除(非人格化など)、サードパーティのデータによる情報の補足(たとえば、個人の信用度スコアをデータファイルに追加する)、データ変換(たとえば、ある形式またはプロトコルから別の形式またはプロトコルへの変換)などを含む。次に、280において、システムは、リソース値の少なくとも一部が少なくとも1つのデータソースに提供されるように構成することができる。すなわち、データ集約プラットフォームを介してデータ消費者に自身の情報を受信させるのと引き換えに、データソースを補償することができる。
【0022】
290において、システムは、安全な分散型取引台帳を介してデータ要求と関連付けられる情報を記録することができる。たとえば、取引に関する詳細は、ブロックチェーン技術と関連付けられる取引台帳に記録され得る。記録される情報は、たとえば、データ要求情報、データソース情報、支払い情報、データ整合性情報、精度情報、プライバシー情報、リソース値情報、データ可用性の指示などを含んでもよい。
【0023】
このようにして、データ集約プラットフォームによって、情報の階層が利用可能にされおよび/または収益化され得る。たとえば、図3Aは、いくつかの実施形態による階層データ収益化を示す300。特に、(たとえば、データ集約プラットフォームまたはウェブサイトアグリゲータと関連付けられる)クラウドプラットフォーム310は、様々な人々320と関連付けられる相当量の情報(たとえば、統計データを含む)にアクセスすることが可能であり得る。各人320について、様々な種類の詳細情報が利用可能であり得る。図3Aに示されるように、生の心臓データ332および活動データ334が、人1および人2について利用可能であり得る。異なる人々320は、(たとえば、個人的な嗜好または異なるデータ収集デバイスの使用のために)異なるレベルまたは種類のデータと関連付けられる場合があることに留意されたい。たとえば、人3は、生の心臓データ332および活動データ334に加えて、自身の位置データ336を利用可能にすることを決定している場合がある。別の例として、図3Bは、いくつかの実施形態による階層データ収益化を示す350。特に、(たとえば、ウェブサイトアグリゲータと関連付けられる)クラウドプラットフォーム360は、様々なガスまたは風力タービン370と関連付けられる相当量の情報(たとえば、統計データを含む)にアクセスすることが可能であり得る。各タービン370について、様々な種類の詳細情報が利用可能であり得る。図3Bに示すように、キロワット時(kWh)出力382およびタービン速度384が、タービン1およびタービン2について利用可能であり得る。異なるタービン370は、(たとえば、嗜好またはタービン370を運転する事業体または異なるセンサノードの使用のために)異なるレベルまたは種類のデータと関連付けられる場合があることに留意されたい。たとえば、タービン3は、kWh出力382およびタービン速度データ384に加えて、温度データ386が利用可能である可能性がある。
【0024】
図4は、いくつかの実施形態によるシステム400のより詳細な図である。前出のように、システム400は、1つまたは複数のデータソース410(たとえば、データソース1~n)および1つまたは複数のデータ消費者460と通信する自動データ集約プラットフォーム450を含む。ほんの一例として、データソース410は、健康監視デバイスを着用する消費者を含み得、データ消費者460は、健康監視デバイスによって生成されるデータに関心のある医学研究者または保険会社と関連付けられるデバイスを含み得る。(A)において、自動データ集約プラットフォーム450は、データソース410からの情報が、集約プラットフォームデータストア420に格納されるように構成することができる。
【0025】
(B)において、データ集約プラットフォーム450は、データ消費者460からデータ要求を受信する。いくつかの実施形態によれば、データ集約プラットフォーム450は、要求に応答するときに、精度階層452、プライバシー階層454、およびリソース値456にアクセスすることができる。たとえば、データ消費者460は、より精度の低い(かつ、あまり個人的でない)情報と比較して、データソース410についてのより精度の高い情報(個人情報とともに)へのアクセスと引き換えに、より高い価値をデータ集約プラットフォーム450に提供するように手配することができる。次に、データ集約プラットフォーム450は、集約プラットフォームデータストア420内の情報を(たとえば、データをフィルタリングし、平均値をとることなどにより)修正し、(C)において、修正された情報をデータ消費者460に提供することができる。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、サードパーティプラットフォーム470からの情報を使用して、データ消費者460に提供される前に、情報を補完または修正することができる。たとえば、サードパーティプラットフォーム470は、個人の収入に関する情報を、集約プラットフォームデータストア420の記録に追加することができる。情報がデータ消費者460に提供された後、データ集約プラットフォーム450は、支払いプラットフォーム480(たとえば、クレジットカードまたは銀行取引アプリケーション)を利用して、データ消費者460が支払いを提供するように、および/または、1つもしくは複数のデータソース410が情報を共有することと引き換えに支払いを受けるように調整することができる。さらに、取引に関する情報は、安全な分散型台帳に記録され得る(たとえば、ブロックチェーン技術を介して)。たとえば、安全な分散型台帳に記録される可能性のある取引に関する情報は、任意選択的に精度階層および/またはプライバシー階層によって修正されている、データ消費者からのデータ要求に関する情報、支払い情報、データ整合性情報などを含む。
【0027】
したがって、データ集約プラットフォーム450は、異なるレベルの忠実度および/または抽象化によって記述することができるデータに関連付けることができる。データソース410は、たとえば、高いサンプルレートにおける心拍数など、忠実度の高いデータを販売することを選択することができる。このデータから、その人の心拍数が不規則であることが認識できる可能性があり、これを、保険業者は「高リスク」の個人として分類するために使用することができる。その結果、この忠実度の高いデータは保険業者にとって非常に価値がある場合がある。別のデータ消費者460は、高いサンプルレートのデータに興味がない場合があるが、代わりに、たとえば、一般的なレベルの健康を決定するために、人々のグループの平均心拍数に関心がある場合がある。この忠実度レベルにおけるデータに寄与するデータソース410を補償することもできるが、より忠実度の高いデータに寄与しているデータソースと比較して、レートが低下している場合がある。データ集約プラットフォーム450および/または分散型台帳490は、ブロックチェーン技術を使用して、階層データの来歴、整合性、および/または機密性を考慮できることに留意されたい)。
【0028】
データ集約プラットフォーム450は、より詳細な情報に対してデータソース410が補償を受けるための手段を提供することができる。すなわち、より忠実度が高い(かつよりプライベートな)情報が、より低い粒度(たとえば、平均または集約されたデータセット)よりも高い値で評価される。いくつかの実施形態によれば、分散型台帳490は、
データソース410とデータ消費者460との間の支払い取引を促進すること、
データの可用性ならびに/または粒度およびデータ品質の関連オプションを公開すること、
データの階層化された価格モデルを確立すること、
合意された粒度におけるデータへのアクセスを制御すること、
データの信憑性および/または来歴を確立すること、および
データを統合し、集約プラットフォームデータストア420にリンクすること
を行うために使用することができる。
【0029】
このように、本明細書において説明される実施形態は、階層データ収益化を促進するツールを備えることができ、任意の数の異なるハードウェア構成を使用して実装することができる。たとえば、図5は、たとえば、それぞれ図1および図4のシステム100、400(ならびに本明細書において説明する他のシステム)と関連付けることができるプラットフォーム500を示している。プラットフォーム500は、通信ネットワーク(図5には示さず)を介して通信するように構成された通信デバイス520に結合された、ワンチップマイクロプロセッサの形態の1つまたは複数の市販の中央処理装置(「CPU」)などのプロセッサ510を備える。通信デバイス520は、たとえば、1つまたは複数の遠隔データソースおよび/またはデータ消費者と通信するために使用することができる。通信デバイス520を介して交換される通信は、公衆インターネットユーザと保険会社の内部ネットワークとの間のセキュリティ機能などのセキュリティ機能を利用し得ることに留意されたい。セキュリティ機能は、たとえば、ウェブサーバ、ファイアウォール、PCIインフラストラクチャと関連付けられ得る。プラットフォーム500は、入力デバイス540(たとえば、データソース、データ階層、価格情報などに関する情報を入力するためのマウスおよび/またはキーボード)および出力デバイス550(たとえば、システムレポートを出力し、データ収益化ダッシュボードを生成するなどのための)をさらに含む。
【0030】
プロセッサ510は、記憶デバイス530とも通信する。記憶デバイス530は、磁気記憶デバイス(たとえば、ハードディスクドライブ)、光学記憶デバイス、携帯電話、および/または半導体メモリデバイスの組み合わせを含む、任意の適切な情報記憶デバイスを含んでもよい。記憶デバイス530は、プロセッサ510を制御するためのプログラム512および/またはネットワークセキュリティサービスツールもしくはアプリケーションを記憶する。プロセッサ510は、プログラム512の命令を実行し、それにより、本明細書において説明される実施形態のいずれかに従って動作する。たとえば、プロセッサ510は、複数のデータソースデバイスから、複数のデータソースと関連付けられる情報を収集することにより、階層データ交換を促進することができる。プロセッサ510は、データ消費者デバイスからデータ要求を受信し、受信したデータ要求に応答して、データ要求と関連付けられる精度階層を決定することもできる。次に、プロセッサ510は、精度階層に基づいて、データ要求のリソース値を自動的に計算することができる。データ集約プラットフォームは、次に、プロセッサ510によって、集約プラットフォームデータストアからの情報が、修正されてデータ消費者デバイスに送信されるようにするように構成することができる。
【0031】
プログラム512は、圧縮された、コンパイルされていない、および/または暗号化された形式で記憶されてもよい。プログラム512は、オペレーティングシステム、データベース管理システム、および/または周辺機器とインターフェースするためにプロセッサ510によって使用されるデバイスドライバなどの他のプログラム要素をさらに含むことができる。
【0032】
本明細書において使用される場合、情報は、たとえば、(i)別のデバイスからプラットフォーム500、または(ii)別のソフトウェアアプリケーション、モジュール、もしくは任意の他のソースからのプラットフォーム500内のソフトウェアアプリケーションもしくはモジュールによって「受信」することができ、またはそれらに「送信」することができる。
【0033】
いくつかの実施形態(図5に示されるような)において、記憶デバイス530は、精度階層データベース600、プライバシー階層データベース700、およびリソース値データベース800をさらに格納する。ここで、プラットフォーム500に関連して使用され得るデータベースの例を、図6図8に関して詳細に説明する。本明細書において説明されるデータベースは例にすぎず、追加のおよび/または異なる情報がそこに記憶され得ることに留意されたい。さらに、本明細書において説明する実施形態のいずれかに従って、様々なデータベースを分割または結合することができる。たとえば、精度階層データベース600およびプライバシー階層データベース700は、プログラム512内で組み合わされ、および/または互いにリンクされてもよい。
【0034】
図6を参照すると、いくつかの実施形態に従ってプラットフォーム500に格納され得る精度階層データベース600を表す表が示されている。この表は、たとえば、種々のレベルのデータ粒度または特異性を識別するエントリを含むことができる。この表はまた、各エントリに対するフィールド602、604、606を定義することもできる。フィールド602、604、606は、いくつかの実施形態によれば、精度階層識別子602、精度階層記述604、およびリソース値606を指定することができる。精度階層データベース600は、たとえば、データソース、データ集約プラットフォーム管理者などから電気的に受信される情報に基づいて作成および更新されてもよい。
【0035】
精度階層識別子602は、たとえば、データ粒度または特異性のレベルを識別する一意の英数字コードであり得る。精度階層記述604は、その階層内のデータと関連付けられるデータの粒度または特異性のレベルを記述し得る(たとえば、最も特異的な「毎時心拍数」から最も特異性の低い「全生涯平均心拍数」まで)。リソース値606は、たとえば、金銭的価値、または、データ消費者によって提供されおよび/もしくはデータソースに提供され得る他の何らかの利益を表し得る。より特異的なデータは、より高いリソース値606と関連付けられる可能性があることに留意されたい。
【0036】
図7を参照すると、いくつかの実施形態に従ってプラットフォーム500に記憶され得るプライバシー階層データベース700を表す表が示されている。この表は、たとえば、データと関連付けられる個人情報のレベルを識別するエントリを含むことができる。この表はまた、各エントリに対するフィールド702、704、706を定義することもできる。フィールド702、704、706は、いくつかの実施形態によれば、プライバシー階層識別子702、プライバシー階層記述704、およびリソース値706を指定することができる。プライバシー階層データベース700は、たとえば、データソース、データ集約プラットフォーム管理者などから電気的に受信される情報に基づいて作成および更新されてもよい。
【0037】
プライバシー階層識別子702は、たとえば、個人情報のレベルを識別する一意の英数字コードであり得、リソース値データベース800内のプライバシー階層識別子802に基づくか、またはそれに関連付けられ得る。プライバシー階層記述704は、その階層のデータと関連付けられる個人情報のレベルを記述することができる(たとえば、最も個人的な「正確な名前/SSN」から最も個人的でない「情報なし」まで)。リソース値706は、たとえば、データ消費者によって提供されおよび/もしくはデータソースに提供され得る金銭的価値、または他の何らかの利益を表し得る。より個人的なデータは、より高いリソース値706と関連付けられる可能性があることに留意されたい。
【0038】
図8を参照すると、いくつかの実施形態に従ってプラットフォーム500に記憶され得るリソース値データベース800を表す表が示されている。この表は、たとえば、様々なレベルの精度および/またはプライバシーに割り当てられる異なるリソース値を識別するエントリを含むことができる。この表はまた、各エントリに対するフィールド802、804、806を定義することもできる。フィールド802、804、806は、いくつかの実施形態によれば、プライバシー階層識別子802、プライバシー階層記述804、および様々な精度レベルのリソース値806を指定することができる。リソース値データベース800は、たとえば、データソース、データ提供者、データ集約プラットフォーム管理者などから電気的に受信される情報に基づいて作成および更新されてもよい。
【0039】
プライバシー階層識別子802は、たとえば、個人情報のレベルを識別する一意の英数字コードであり得、プライバシー階層データベース700内のプライバシー階層識別子に基づくか、またはそれに関連付けられ得る。プライバシー階層記述804は、その層のデータと関連付けられる個人情報のレベルを記述することができる(たとえば、より低いレベルの個人情報「年齢層または誕生日」および比較的高いレベルの個人情報「性別」を含む)。リソース値808は、複数の異なるレベルのデータ精度の各々に対して指定され得る。すなわち、リソース値808は、より精密でないおよび/またはより個人的でないデータと比較して、より高い利益に関連付けられているより精密なおよび/またはより個人的なデータが提供され得る利益のマトリックスを表すことができる。
【0040】
精度階層データベース600、プライバシー階層データベース700、および/またはリソース値データベース800内の情報は、データ集約プラットフォーム管理者によって監視および/または更新され得る。たとえば、図9は、いくつかの実施形態による対話型ユーザインターフェースディスプレイ900を示す。ディスプレイ900は、クラウドプラットフォーム(たとえば、ウェブサイトアグリゲータ)、様々な人々の統計データ、および特定の種類のデータ要素を含むデータ階層グラフィカルユーザインターフェース910を含む。いくつかの実施形態によれば、(たとえば、コンピュータマウスポインタ920またはタッチスクリーンを介して)インターフェース910内の要素を選択する結果として、その要素に関するさらなる情報が表示される(たとえば、関連付けられたリソース値がポップアップウィンドウに表示され得、かつ/または、管理者によって調整され得る)。「データのエクスポート」アイコンを選択する結果として、いくつかの実施形態によれば、データソースからデータ消費者へデータが転送され得る。
【0041】
データ集約プラットフォームおよび/またはデータ階層収益化システムの他の要素は、安全な分散型取引台帳を使用して(たとえば、ブロックチェーン検証プロセスを介して)取引に関する情報を記録することができる。たとえば、データ集約プラットフォームは、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って、安全な分散型取引台帳を介して、要求日時、データ記述、データソース識別子、価格、入札などを記録することができる。いくつかの実施形態によれば、分散型台帳は、HYPERLEDGER(登録商標)ブロックチェーン検証システムと関連付けられ得る。図10は、いくつかの実施形態によるブロックチェーン検証を組み込んで、階層データ収益化取引を実装するシステム1000である。クラウドベースの完全性モニタ1010は、ウェブブラウザを介して取引完全性データを提供し、表現状態転送(「REST」)ウェブサービスまたは他の同様のウェブサービスを介してブロックチェーン1020(または他の安全な分散型取引台帳)およびデータ集約プラットフォーム1050と情報を交換することができる。RESTウェブサービスは、たとえば、インターネット上のコンピュータシステム間の相互運用性を提供することができる(たとえば、要求側システムが、統一された所定のステートレス操作のセットを使用してウェブリソースのテキスト表現にアクセスして操作することを可能にすることによって)。いくつかの実施形態によれば、データ集約プラットフォーム1050の部分は、MySQLデータベースのようなデータベースと関連付けることができる。このようにして、データ集約プラットフォーム1050およびブロックチェーン1020を使用して、クライアント1040に取引レベル検証(たとえば、1つまたは複数の階層データ取引に関する情報を含む)を提供することができる。図10は、単一のブロックチェーン1020およびデータ集約プラットフォーム1050を備えたシステム1000を示しているが、実施形態は他のトポロジを利用してもよいことに留意されたい。たとえば、図11は、いくつかの実施形態による、複数のデータ集約プラットフォーム1150、1152を組み込んだ階層データ収益化取引を実装するシステム1100である。特に、追加のブロックチェーン1122およびデータ集約プラットフォーム1152が、追加のクライアント1142の保護を提供することができる。図11に示すように、各データ集約プラットフォーム1150、1152は、(たとえば、攻撃を非現実的にする地理的に分散した複数のノードに情報を記憶することにより)システム1100に追加の保護を提供する複数のブロックチェーン1120、1122と関連付けることができる。すなわち、各検証者(たとえば、データ集約プラットフォーム1150、1152)は、簡潔な要約を独立したデータストア(たとえば、階層データ取引に関する情報を含む)に収容し、この情報は、記録されると、記録改ざん防止システム(「SoR」)を提供するために検出することなく変更することはできない。
【0042】
図12は、いくつかの実施形態によるデータ市場のデータサプライチェーン1200の図である。様々なデータソース1210(データソース1~n)からの情報は、分析1220を介して集約および/または正規化され得る。インサイト分析1230を適用する結果として、作動および制御プロセス1250(たとえば、デジタルおよび物理的実装の両方を含む)を介して実装され得るアクショナブル分析1240をもたらすことができる。たとえば、データサプライチェーン1200の1つまたは複数の構成要素が、データソース1210によって生成された情報を要求する場合がある(たとえば、アクショナブル分析1240を探す構成要素は、特定の精度および価格レベルと関連付けられるデータを要求するデータ消費者として機能し得る)。そのような取引は、取引および認証サービス1260(たとえば、ブロックチェーンを利用する)を介して記録され、および/またはストレージサービス1270に保持されてもよい。データソース1210からデータ消費者に情報を提供する取引は、たとえば、使用ごとのライセンスまたは使用制限付きライセンス(たとえば、1つまたは複数のデータソース1210によって生成されるデータの)、売り切りライセンス、二次ライセンス権などを含む、いくつかの様々な方法で実装することができることに留意されたい。さらに、実施形態は、サプライチェーンファクタリング、増分アップグレード、ならびに/または匿名化データおよび取引を利用し得る。情報は、元のソース(データソース1210など)まで追跡および/または監査可能であり、一部の実施形態では、取引と関連付けられるチェーン、ツリー、またはメッシュ全体を通じてタグ付けされ得る。事前にプログラムされたボットを含む自動ルールおよび/またはプロセスを使用して、データソース1210とデータ消費者との間で価格(たとえば、様々な精度およびプライバシーレベルと関連付けられる価格)を交渉することができる。場合によっては、パラメータ化および/または機械学習がそのような交渉を促進する可能性がある。データ値(たとえば、無償提供から実質的な収益化までに及ぶ)は、データ圧縮、データソース1210からの距離、サービスとしての著作権などを含む様々な要因に基づく可能性があることに留意されたい。
【0043】
サプライチェーン1200における取引と関連付けられる情報は、たとえば、3次元印刷ファイル(たとえば、積層造形のための)、光学ディスプレイ、オーディオストリームなどを表す場合がある。さらに、サプライチェーン120の様々な構成要素は、認定、認証(ブロックチェーンは多くのオプションの1つにすぎない)、ライセンス権サービス、品質管理、使用管理および制限、偽造防止対策などの追加のサービスを提供することができる。
【0044】
取引および認証サービス1260は、いくつかの実施形態に従って、スマートコントラクト、デジタル資産、レコードリポジトリ、および/または暗号化セキュリティをサポートする分散型コンセンサスベースのネットワークを有する任意のタイプの分散型台帳と関連付けることができる。たとえば、図13は、いくつかの実施形態による分散型台帳参照アーキテクチャ1300である。アーキテクチャ1300は、台帳サービスと、(たとえば、データ集約プラットフォームからの)階層データ取引情報を含むことができるイベントストリーム1310とを含む。メンバーシップサービス1320(たとえば、登録、アイデンティティ管理、および/または監査性プロセスを含む)は、ネットワークセキュリティサービスのメンバーシップ1350のアイデンティティ、プライバシー、および機密を管理することができる。ブロックチェーンサービス(コンセンサスマネージャ、ピアツーピア(「P2P」)プロトコル、分散型台帳、および/または台帳ストレージを含む)は、たとえば、ブロックチェーン1360および取引1370をサポートするために多くのノードにおいて複製される単一の状態を維持するためにP2Pプロトコルを通じて分散型台帳を管理することができる。チェーンコードサービス1340(たとえば、スマートコントラクトと関連付けられる安全なコンテナおよび/または安全なレジストリ)は、検証ノードでのスマートコントラクト(またはチェーンコード1380)の実行を区分化するのに役立つ。この環境は、安全なOSを含む署名されたベースイメージおよびプログラミング言語のセットを備えた、「ロックダウン」され、安全確保されたコンテナとすることができることに留意されたい。最後に、API、ソフトウェア開発キット(「SDK」)、および/またはコマンドラインインターフェース(「CLI」)を利用して、参照アーキテクチャ1300を介したネットワークセキュリティサービスをサポートすることができる。アーキテクチャ1300を介して記録される情報は、たとえば、データ要求情報、データソース情報、支払い情報、データ整合性情報、精度情報、プライバシー情報、リソース値情報、データ可用性の指示などを含んでもよい。
【0045】
したがって、本明細書において説明する一部の実施形態は、技術的利点を提供し、データが完全に共有されるかまたはまったく共有されない(これにより、データを共有しようとする個人の意欲が制限され、また、異なるレベルの開示に対して異なるプライスポイントが要求または所望されるデータ市場の発展が制限される可能性がある)「オールオアナッシング」問題の解決に役立つことができる。さらに、実施形態は、データ市場を民主化することができ、現在市場を独占しているデータ集約業者の仲介を排除することができる。多階層価格モデル、および、忠実度が増大するデータへのアクセスを管理する技術の作成を通じて、データの購入者および販売者、データソース、データ消費者などの複数の関係者に相互に利益をもたらす支払いメカニズムを確立することができる。
【0046】
以下は、本発明の様々な追加の実施形態を示している。これらはすべての可能な実施形態の定義を構成するものではなく、当業者は、本発明が他の多くの実施形態に適用可能であることを理解するであろう。さらに、以下の実施形態は明確にするために簡潔に説明するが、当業者は、必要に応じて、これらおよび他の実施形態および用途に対応するために上記の装置および方法に任意の変更を加える方法を理解するであろう。
【0047】
本明細書においては特定のハードウェアおよびデータ構成について説明したが、本発明の実施形態に従って任意の他の構成を提供することができることに留意されたい(たとえば、本明細書において説明した情報の一部は外部システムに結合または記憶されてもよい)。さらに、実施形態は特定の種類のデータに関して説明されたが、実施形態は、ストリーミングエンターテインメント、三次元モデルなどを含む他の種類のデータに関連付けられ得ることに留意されたい。同様に、本明細書に示され説明されるディスプレイは、例としてのみ提供され、他の種類のディスプレイおよびディスプレイデバイスは、実施形態のいずれかをサポートすることができる。たとえば、図14は、グラフィカルユーザインターフェースを利用し得る対話型リソース値ディスプレイ1410を備えたタブレットコンピュータ1400を示す。ディスプレイ1410は、様々なレベルの精度および/またはプライバシーと関連付けられる価格のマトリックスを含み得る。ディスプレイ1410上の要素を選択する結果として、その要素に関するさらなる情報を表示することができることに留意されたい。さらに、ディスプレイ1410は、(たとえば、タッチスクリーンを介した)対話型ユーザインターフェースを含むことができ、本明細書に記載の実施形態のいずれかに従って、オペレータまたは管理者が様々な階層および/またはプライスポイントを変更できるようにするための「調整」1420アイコンを含むことができる。
【0048】
本発明は、単に例示の目的のために、いくつかの実施形態に関して説明されてきた。当業者は、本明細書から、本発明が説明された実施形態に限定されず、添付の特許請求項の精神および範囲によってのみ限定される修正および変更を伴って実施され得ることを認識するであろう。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14