(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】メモリゲート及びソース線スクランブリングを有する不揮発性メモリアレイ
(51)【国際特許分類】
G11C 16/34 20060101AFI20230713BHJP
G11C 16/10 20060101ALI20230713BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230713BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20230713BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20230713BHJP
H10B 41/30 20230101ALI20230713BHJP
H10B 43/30 20230101ALI20230713BHJP
【FI】
G11C16/34 116
G11C16/10 143
H01L29/78 371
H10B41/30
H10B43/30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021072059
(22)【出願日】2021-04-21
(62)【分割の表示】P 2019527491の分割
【原出願日】2017-08-14
【審査請求日】2021-05-20
(32)【優先日】2016-12-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2017-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507364997
【氏名又は名称】サイプレス セミコンダクター コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Cypress Semiconductor Corporation
【住所又は居所原語表記】198 Champion Court, San Jose, CA 95134, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100195534
【氏名又は名称】内海 一成
(72)【発明者】
【氏名】チュン チェン
(72)【発明者】
【氏名】ヨラム ベッツァー
(72)【発明者】
【氏名】クオ ツン チャン
(72)【発明者】
【氏名】アミチャイ ギヴァント
(72)【発明者】
【氏名】シヴァナンダ シェッティ
(72)【発明者】
【氏名】シェンチーン ファーン
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2007/0070703(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0190343(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0068887(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0223148(US,A1)
【文献】特開2002-133881(JP,A)
【文献】特開2004-221554(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/34
G11C 16/10
H01L 21/336
H10B 41/30
H10B 43/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
行及び列に配列されたメモリアレイを備え、前記メモリアレイは、
前記メモリアレイの同じ列に結合された少なくとも4つの不揮発性メモリ(NVM)セルを含み、前記少なくとも4つのNVMセルは、同一のセクタ内に位置し、各NVMセルはメモリゲートを含み、前記少なくとも4つのNVMセルの第1及び第2のNVMセルは第1のソース線を共有し、第3及び第4のNVMセルは第2のソース線を共有し、前記第1及び第2のソース線は互いに隣接し、前記第2のNVMセルと前記第3のNVMセルとは互いに隣接し、
前記第1及び第2のNVMセルのメモリゲートは互いに電気的に結合されず、前記第1及び第2のソース線は互いに電気的に結合されず、前記第1及び第2のソース線の各々は同じ列の前記第1及び第2のソース線ではない少なくとも1つのソース線と物理的に接続されており、
前記第1のNVMセルがプログラム動作のために選択され、前記第2のNVMセルがプログラム動作のために選択されないとき、前記第1及び第2のNVMセルのメモリゲートはそれぞれ2つの異なるゲート線ドライバ回路から高電圧及び低電圧を受信するように構成されており、
前記第2のNVMセルがプログラム動作のために選択され、前記第3のNVMセルがプログラム動作のために選択されないとき、前記第2及び第3のNVMセルのメモリゲートはそれぞれ高電圧を受信するように構成され、前記第1及び第2のソース線がそれぞれ2つの異なるソース線ドライバ回路から高ソース電圧及び低ソース電圧を受信するように構成されている、
メモリ装置。
【請求項2】
前記メモリアレイは少なくとも一部において複数の前記少なくとも4つのNVMセルを結合することによって形成され、第1の複数の前記少なくとも4つのNVMセルは前記メモリアレイの第1の列を形成するように結合され、前記第1の列のパターンが前記メモリアレイの少なくとも1つの残りの列で反復されている、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項3】
前記メモリアレイの前記行及び前記列の配置は逆である、請求項2に記載のメモリ装置。
【請求項4】
前記第1及び第2のNVMセルは鏡像配置であり、前記第1及び第2のNVMセルのメモリゲートは互いに対面し、前記第1のソース線は前記第1及び第2のNVMセルの間に配置され、前記第3及び第4のNVMセルは鏡像配置であり、前記第3及び第4のNVMセルのメモリゲートは互いに対面し、前記第2のソース線は前記第3及び第4のNVMセルの間に配置されている、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項5】
前記少なくとも4つのNVMセルはスプリットゲートメモリセル構造を含む、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項6】
前記少なくとも4つのNVMセルは2トランジスタメモリセルの構造を含み、前記2トランジスタメモリセルは1つの電界効果トランジスタ及び1つのシリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコントランジスタ又は1つのフローティングゲートトランジスタを含む、請求項1に記載のメモリ装置。
【請求項7】
前記高電圧は5V~10Vの近似範囲内であり、前記低電圧は0V~5Vの近似範囲内である、請求項1から6までのいずれか一項に記載のメモリ装置。
【請求項8】
行及び列に配列された、各々がメモリゲートを含む、複数の不揮発性メモリ(NVM)セルを備え、前記複数のNVMセルは、同一のセクタ内に位置し、第1の列の第1及び第2のNVMセルのメモリゲートは互いに電気的に絶縁され、且つ第1の列の第3及び第4のNVMセルのメモリゲートは互いに電気的に絶縁され、前記第2のNVMセルと前記第3のNVMセルとは互いに隣接し、
前記第1の列の前記第1及び第2のNVMセルに結合された第1のソース線及び前記第3及び第4のNVMセルに結合された第2のソース線を備え、前記第1及び第2のソース線は互いに隣接するが電気的に絶縁され、且つ前記第1及び第2のソース線の各々はそれぞれ前記第1の列の前記第1及び第2のソース線以外の少なくとも1つのソース線と共通電気ノードを共有し同じ電圧信号を受信し、
前記第1のNVMセルがプログラム動作のために選択され、前記第2のNVMセルがプログラム動作のために選択されないとき、前記第1及び第2のNVMセルのメモリゲートはそれぞれ2つの異なるゲート線ドライバ回路から高電圧及び低電圧を受信するように構成されており、
前記第2のNVMセルがプログラム動作のために選択され、前記第3のNVMセルがプログラム動作のために選択されないとき、前記第2及び第3のNVMセルのメモリゲートはそれぞれ高電圧を受信するように構成され、前記第1及び第2のソース線がそれぞれ2つの異なるソース線ドライバ回路から高ソース電圧及び低ソース電圧を受信するように構成されている、
メモリ装置。
【請求項9】
前記メモリ装置のメモリアレイは少なくとも一部において複数の前記第1、第2、第3及び第4のNVMセルを結合することによって形成され、第1の複数の前記少なくとも第1、第2、第3及び第4のNVMセルは前記メモリアレイの第1の列を形成するように結合され、前記第1の列のパターンが前記メモリアレイの少なくとも1つの残りの列で反復されている、請求項
8に記載のメモリ装置。
【請求項10】
前記メモリアレイの前記行及び前記列の配置は逆である、請求項
9に記載のメモリ装置。
【請求項11】
前記第1及び第2のNVMセルは鏡像配置であり、前記第1及び第2のNVMセルのメモリゲートは互いに対面し、前記第1のNVMセルのソース線は前記第1及び第2のNVMセルの間に配置され、前記第3及び第4のNVMセルは鏡像配置であり、前記第3及び第4のNVMセルのメモリゲートは互いに対面し、前記第2のソース線は前記第3及び第4のNVMセルの間に配置されている、請求項
8に記載のメモリ装置。
【請求項12】
前記少なくとも第1、第2、第3及び第4のNVMセルはスプリットゲートメモリセル構造を含む、請求項
8に記載のメモリ装置。
【請求項13】
前記少なくとも第1、第2、第3及び第4のNVMセルは2トランジスタメモリセルの構造を含み、前記2トランジスタメモリセルは1つの電界効果トランジスタ及び1つのシリコン-酸化物-窒化物-酸化物-シリコントランジスタ又は1つのフローティングゲートトランジスタを含む、請求項
8に記載のメモリ装置。
【請求項14】
前記高電圧は5V~10Vの近似範囲内であり、前記低電圧は0V~5Vの近似範囲内である、請求項
8から
13までのいずれか一項に記載のメモリ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、35U.S.C.119(e)に基づいて2016年12月8日に出願され
た米国仮出願第62/431,582号の優先権及びその利益を主張して2017年3月
28日に出願された米国非仮出願第15/471,418号の国際出願であり、その両出
願とも参照することにより本明細書に組み込まれるものとする。
【0002】
技術分野
本開示は、概して、不揮発性メモリ(NVM)デバイスに関し、特に、プログラム妨害
の影響を低減するためにソース線及びメモリゲート線をグループ化し接続する方法及び実
施形態に関する。
【背景技術】
【0003】
動作電力が利用できないときでもそのデータを保持するメモリは不揮発性メモリとして
分類される。不揮発性メモリの例には、NVSRAM、強誘電体RAM(F-RAM)、
プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、消去可能なプログラマブルリードオン
リメモリ(EPROM)、電気的に消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EE
PROM)、及びフラッシュメモリがある。一部のメモリアレイはトランジスタ及び電荷
トラップ層を含むゲート構造を使用する。電荷トラップ層はメモリアレイに供給される又
は受信される電圧に基づいてデータを記憶するようにプログラムすることができる。この
クラスのメモリは、電力の除去後又は動作中の電力の中断時に臨界データを保存しなけれ
ばならない。
【0004】
本発明は、添付図面のいくつかの図に、限定としてではなく、一例として示され説明さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の一実施形態によるNVMシステムを示す概略図である。
【
図2A】本発明の一実施形態によるNVMセル(2トランジスタメモリセル)を示す概略図である。
【
図2B】本発明の別の実施形態によるNVMセル(スプリットゲートメモリセル)を示す概略図である。
【
図3A】本発明の一実施形態によるNVMペア(2トランジスタメモリセル)を示す概略図である。
【
図3B】本発明の別の実施形態によるNVMペア(スプリットゲートメモリセル)を示す概略図である。
【
図4】NVMペアにおけるプログラム妨害を説明する概略図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるNVMアレイを示す概略図である。
【
図6】メモリゲート(MG)線スクランブリングを含む一実施形態によるNVMアレイの一部分を示す概略図である。
【
図7】ソース線(SL)スクランブリングを含む一実施形態によるNVMアレイの一部分を示す概略図である。
【
図8A】MG線及びSLスクランブリングを含む一実施形態によるNVMアレイの一部分を示す概略図である。
【
図8B】本発明の一実施形態によるNVMセルの1つの列の一部分を示す概略図である。
【
図8C】MG線接続通路の一実施形態を示す概略図である。
【
図9】MG線及びSLスクランブリングを含む一実施形態によるNVMアレイの一部分を示す概略図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるNVMシステムを示す概略図である。
【
図11】本発明の一実施形態によるNVMアレイ又はシステムのプログラム動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0006】
詳細な説明
以下の説明では、本発明はいくつかの実施形態の良い理解を提供するために、多くの特
定の詳細、例えば特定のシステム、構成要素、方法などの例について述べる。しかしなが
ら、少なくともいくつかの実施形態はこれらの特定の詳細なしで実施可能であることは当
業者に明らかであろう。更に、本明細書で説明する技術を不必要に不明瞭にしないように
、周知の構成要素又は方法は詳細に記載しないか、或いは簡単なブロック図で提示する。
従って、以下で説明する具体的な説明は単なる例示である。特定の実施形態はこれらの例
示的な詳細から異なってもよく、それらも本発明の精神及び範囲に含まれることが意図さ
れる。
【0007】
特に断りのない限り、以下の考察から明らかなように、本明細書を通して、「処理する
」、「コンピューティング」、「計算する」、「決定する」などの用語を使用する考察は
、コンピュータシステムのレジスタ内の電子量のような物理量として表されるデータをコ
ンピュータシステムのメモリ、レジスタ又は他の情報記憶、送信又表示デバイス内の、同
様に物理量として表される他のデータに操作及び/又は変換するコンピュータ、又はコン
ピューティングシステム、又は類似の電子コンピューティング装置のアクション及び/又
はプロセスと関連すると理解されたい。
【0008】
発明の概要
一実施形態によれば、本発明のメモリ装置は、行及び列に配列されたメモリアレイを含
むことができる。前記メモリアレイは前記メモリアレイの同じ列に結合又は接続された少
なくとも4つの不揮発性メモリ(NVM)セルを含むことができ、各NVMセルはメモリ
ゲートを含むことができる。一実施形態では、前記接続は前記NVMセルのソース/ドレ
インパスに平行にすることができる。前記少なくとも4つのNVMセルの第1及び第2の
NVMセルは第1のソース領域を共有することができ、第3及び第4のNVMセルは第2
のソース領域を共有することができる。一実施形態では、前記第1及び第2のNVMセル
のメモリゲートは互いに電気的に結合しないことができ、前記第3及び第4のNVMセル
のメモリゲートは互いに電気的に結合しないことができる。前記第1及び第2のソース領
域の各々は前記メモリアレイの同じ列の少なくとも別のソース領域と電気的に結合するこ
とができる。
【0009】
一実施形態では、前記メモリアレイは、少なくとも部分的に、前記少なくとも4つのN
VMセルのような複数のNVMセルを結合して第1の列を形成することによって形成する
ことができる。一実施形態では、第1列のパターンをメモリアレイの他の列に複製するこ
とができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、前記メモリアレイの前記行及び前記列の配置及び接続は逆に
してもよい。
【0011】
一実施形態では、前記第1及び第2のNVMセルは、前記第1及び第2のメモリゲート
が互いに対面し且つ互いに隣接して配置されるように鏡像配置することができ、前記第1
のソース領域は前記第1及び第2のメモリセルの間に配置することができる。
【0012】
一実施形態では、前記少なくとも4つのNVMセルのいくつかはスプリットゲートメモ
リセルとすることができる。別の実施形態では、前記NVMセルはMOSFET及びSO
NOSトランジスタを有する2Tメモリセルとすることができる。別の実施形態では、前
記NVMセルはフローティングゲート型トランジスタを含むことができる。
【0013】
一実施形態では、前記第1のメモリセルがプログラム動作のために選択されるが、前記
第2のメモリセルが選択されないとき、前記第1及び第2のメモリゲートはそれぞれ2つ
の異なるメモリゲートドライバ回路から高電圧及び低電圧を受信するように構成すること
ができる。
【0014】
一実施形態では、前記第2のメモリセルがプログラム動作のために選択されるが、前記第
3のメモリセルが選択されないとき、前記第2及び第3のメモリゲートは1つのメモリゲ
ート線ドライバにより供給される高電圧を受信するように構成することができる。前記第
1のソース及び第2のソース領域はそれぞれ2つの異なるソースラインドライバ回路から
高及び低ソース電圧を受信するように構成することができる。一実施形態では、前記メモ
リゲートに供給される前記高電圧は5V~10Vの近似範囲内としてよく、前記低電圧は
0V~5Vの近似範囲内としてよい。
【0015】
一実施形態によれば、本発明のメモリアレイは行及び列に配列された不揮発性メモリ(
NVM)セルを含むことができ、各NVMはメモリゲート及び選択ゲートを含むことがで
きる。一実施形態では、2つのメモリゲートの間に配置された1つのソース領域を共有す
る同じ列の2つの隣接するNVMセルが1つのNVMペアを形成することができ、同じ列
の複数のNVMペアを互いに結合することができる。一実施形態では、この結合は同じ列
のNVMセルのソース/ドレインパスに平行にすることができる。一実施形態では、同じ
行のNVMセルの少なくとも2つのメモリゲートは1つのメモリゲート線を共有すること
ができ、同じ行のNVMセルの少なくとも2つのソース領域は1つのソース線を共有する
ことができる。一実施形態では、メモリアレイは、複数のソース線を複数のソース線グル
ープを形成するように電気的に接続するよう構成されたソース線接続通路を更に含むこと
ができ、同じソース線グループ内の前記複数のソース線が互いに物理的に隣接しない。
【0016】
一実施形態では、同じ行のNVMセルの少なくとも2つの選択ゲートは1つの選択ゲー
ト線を共有することができ、同じ列のNVMセルの少なくとも2つのドレイン領域は1つ
のビット線を共有することができ、各NVMセルのドレイン領域がその対応する選択ゲー
トに隣接する。
【0017】
一実施形態では、前記複数のソース線グループの各々は別個のソース線ドライバ回路に
結合することができ、別個のソース電圧を受信するように構成することができる。
【0018】
一実施形態では、複数のメモリゲート線を複数のメモリゲート線グループを形成するよ
うに電気的に接続するよう構成することができるメモリゲート接続通路を更に含むことが
でき、同じメモリゲート線グループ内の前記複数のメモリゲート線はどのソース線も又は
どの同じソース線グループも共有しない。一実施形態では、前記複数のメモリゲート線の
各々は別個のゲート線ドライバ回路と結合することができ、且つ別個のメモリゲート電圧
を受信するように構成することができる。一実施形態では、同じソース線グループのNV
Mセルは同じメモリゲート線グループに属するメモリゲート線を含まない。
【0019】
一実施形態では、2N行のNVMセルを備える(Nは自然数)。一実施形態では、1番
から(N-1)番のソース線を含む複数の奇数ソース線は第1のソース線接続通路により
電気的に接続することができ、0番から(N-2)番のソース線を含む複数の偶数ソース
線は第2のソース線接続通路により電気的に接続することができる。一実施形態では、前
記第1及び第2のソース線接続通路は2つの異なるソースドライバ回路に結合することが
できる。
【0020】
別の実施形態では、0番及び(2N-1)番のメモリゲート線は第1のメモリゲート線
接続通路により電気的に接続することができ、少なくとも1つの残りの奇数のメモリゲー
ト線はその隣接する偶数メモリゲート線に少なくとも1つの第2のメモリゲート線接続通
路により電気的に接続することができる。一実施形態では、前記第1のメモリゲート線接
続通路及び前記少なくとも1つの第2のメモリゲート線接続通路はそれぞれ別個のメモリ
ゲートドライバ回路に結合することができる。
【0021】
一実施形態では、前記メモリゲート接続通路は前記メモリゲートドライバ回路へのメタ
ル1(M1)接続を含んでよい。
【0022】
一実施形態によれば、本発明のNVMアレイを動作させる方法は、NVMアレイを提供
又は取得する以下のステップを含むことができ、前記NVMアレイは前記NVMアレイの
同じ列に接続された少なくとも4つのNVMセルを含むことができる。一実施形態では、
各NVMセルはメモリゲートと選択ゲートを含むことができる。前記少なくとも4つのN
VMセルの第1及び第2のNVMセルは第1のソース線を共有し、第3及び第4のNVM
セルは第2のソース線を共有することができる。前記第1及び第2のソース線はそれぞれ
前記第1及び第2のソース線に物理的に隣接しない少なくとも1つの別のソース線と電気
的に結合することができる。
【0023】
一実施形態では、前記第1のメモリセルをプログラム動作に対して選択するために第1
の選択ゲートに高い選択電圧を結合するステップを含むことができる。
【0024】
一実施形態では、前記第2のメモリセルを前記プログラム動作に対して選択しないため
に第2の選択ゲートに低い選択電圧を結合するステップを含むことができる。
【0025】
一実施形態では、前記第1のメモリゲートに高いプログラム電圧を結合し、前記第2の
メモリゲートに低い抑制電圧を結合するステップを含むことができる。
【0026】
一実施形態では、前記第1のソース線及び前記第2のソース線に2つの異なるソースド
ライバ回路から2つの異なるソース電圧をそれぞれ結合するステップを含むことができる
。
【0027】
一実施形態では、前記第2及び第3のNVMセルのメモリゲートは電気的に接続され、
前記第1及び第2のソース線は互いに物理的に隣接してよい。
【0028】
コンピュータ及びその他の処理装置は情報又はプログラムを記憶することができ、その
情報又はプログラムはNAND及びNORを含むフラッシュメモリ、EEPROM、F-
RAMなどのNVM内で開発又は更新される。パワーダウン、停電又は間違いが起こった
場合には、データを回復することができる。
図1は一実施形態によるNVMシステムを示
すブロック図である。NVMシステム100はアドレスバス106、データバス108及
び制御バス110を介してNVM装置102に結合された処理装置104を含み得る。当
業者であれば、NVMシステム100は説明のために簡略化されており、完全な記述を意
図していないことは理解されよう。特に、処理装置104、行デコーダ114、列デコー
ダ118、センス増幅器122、及びコマンド及び制御回路124の詳細はここでは詳細
に記載されていない。NVMシステム100は
図1の実施形態のすべてのコンポーネント
、その一部又はそれより多くのコンポーネントを含んでもよいことを理解されたい。
【0029】
外部電源150(電源とも称する)がNVMデバイス102に結合される。外部電源1
50はNVM装置102の外部電源とすることができ、この電源150は外部電源150
の最高電圧より高い高電圧(HV)信号又は外部電源150の最低電圧(例えば、接地電
圧)より低い低定電圧(LV)信号のような電圧信号を発生するためにNVM装置102
で使用することができる。
【0030】
処理装置104は、例えば集積回路(IC)ダイ基板、マルチチップモジュール基板な
どのような共通のキャリア基板上に存在させてよい。また、処理装置104のコンポーネ
ントは1つ以上の個別の集積回路及び/又は個別のコンポーネントとしてよい。一つの例
示的な実施形態では、処理装置104はサイプレスセミコンダクタ社(カリフォルニア、
サンノゼ)により開発されたプログラマブルシステムオンチップ(PSoC(登録商標)
)処理装置としてよい。また、処理装置104は当業者に知られている1つ以上の他の処
理装置、例えば、マイクロプロセッサ又は中央処理装置(CPU)、コントローラ、専用
プロセッサ、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)
、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、としてよい。
【0031】
NVM装置102は、以下に記載するように行及び列の不揮発性メモリセル(
図1には
示されていない)として編成されたNVMアレイのようなメモリアレイ112を含む。メ
モリアレイ112は、複数の選択線及び読み出し線(メモリアレイの各行に対して少なく
とも1つの選択線及び1つの読み出し線)を介して行デコーダ114に直接又はコマンド
及び制御回路124を通して結合される。メモリアレイ112は更に複数のビット線(メ
モリアレイ112の各列につき1つ)を介して列デコーダ118に結合される。共通ソー
ス線(CSL)は複数の選択線及び読み出し線及び/又は複数のビット線の一部として実
装することができる。メモリアレイ112はそこからマルチビットワードを読み出すため
に列デコーダ118を介して複数のセンス増幅器122に結合することができる。NVM
装置102は更にコマンド及び制御回路124を含み、該回路は処理装置104からの信
号を受信し、行デコーダ114に信号を送信し、列デコーダ118、センス増幅器122
、セクタ選択回路140を制御し、メモリアレイ112に供給される電圧信号を制御する
。コマンド及び制御回路124は、NVM装置102の動作のための電圧信号を生成し制
御するために、パストランジスタ又は選択ゲートを有するメモリアレイ112のための電
圧制御回路を含む。一実施形態では、電圧信号は電圧制御回路126を経由して列デコー
ダ118、センス増幅器122、及び/又はセクタ選択回路140に送ることができる。
電圧制御回路126は、プリプログラム動作、消去動作、プログラム動作、読み出し動作
、及び/又はその他の動作時に高電圧(HV)信号及び低電圧(LV)信号などの適切な
電圧を供給するように動作する。
【0032】
コマンド及び制御回路124は、プログラム動作に対して、第1の行の第1の選択線に
電圧を供給することによってメモリアレイ112の第1の行を選択するとともに第2の行
の第2の選択線に別の電圧を供給することによってメモリアレイの第2の行を非選択にす
るように構成することができる。コマンド及び制御回路124は更に、列デコーダ118
を、第1の列の第1のビット線に電圧を供給することによって第1の行のメモリセルをプ
ログラミングのために選択するとともに、第2の列の第2のビット線に別の電圧を供給す
ることによって第1の行の非選択メモリセルのプログラミングを抑制するように構成する
ことができる。コマンド及び制御回路124、特に電圧制御回路126は更に、以下で説
明するように、メモリセルアレイ112に含まれるメモリセルに結合し得る1つ以上の共
通ソース線に電圧を供給するように構成することができる。
【0033】
一実施形態ではは、以下で詳細に説明されるように、NVM装置102はデータ値を記
憶するように構成された様々なメモリセル(図示せず)を含むことができる。これらのメ
モリセルは各メモリセルの全フットプリントを減少させるために共通のソース線で実装す
ることができる。各メモリセルはファウラー-ノドハイムプログラミング技術に適合して
もよい。
【0034】
メモリアレイ112は1つ以上のNVMセクタ、例えばセクタA131~セクタN13
2を含んでよい。各セクタは任意の数のNVMセルの行及び列、例えば4096の列及び
256の行を含んでよい。行は水平方向に配列された複数のNVMセルを含んでよい。列
は垂直方向に配列された複数のNVMセルを含んでよい。メモリアレイ112はメモリア
レイ112のすべてのセクタにより共有されるグローバルビット線(GBL)を使用して
よい。メモリアレイ112の各列は1つのGBLを有してよい。例えば、すべてのセクタ
(例えば、セクタA131~セクタN132)により共有される列0に対する特定のGB
Lはすべてのセクタの列0においてメモリアレイ112の各行に結合される。GBLは、
プログラム動作及び消去動作時に電圧信号をメモリアレイのセクタに供給するが、読み出
し動作時には供給しないように構成される。
【0035】
メモリアレイ112は、GBLを特定のセクタの列の関連するビット線(BL)に結合
するセクタ選択回路140を使用してよい。セクタ内の各列は、他のセクタと共有されな
い、当該セクタに固有の関連BLを有してよい。セクタ内の各列はGBLを関連BLに選
択的に結合するセクタ選択回路140を有してよい。例えば、セクタA131の列0に対
するセクタ選択回路140は、消去動作及びプログラム動作時にメモリアレイ112の列
0のGBL上の電圧信号をセクタA131の列0のBLに結合するスイッチとして使用し
てよい。
【0036】
メモリアレイ112は、読み出し動作時にセクタ内のNVMセルの列をセンス増幅器1
22に結合するためにセクタ選択回路140を使用してよい。例えば、セクタA131の
列0に対するセクタ選択回路140は読み出し動作時にセクタAの列0のNVMセルをセ
ンス増幅器122に結合するスイッチとして使用してよい。
【0037】
メモリアレイの「行」及び「列」は説明のためであって、限定のためではない。一実施
形態では、行は水平方向に配列され、列は垂直方向に配列される。別の実施形態では、メ
モリアレイ112の行及び列は反対にしても又は反対方向で使用しても、また任意の方向
にしてもよい。
【0038】
図2Aに示すように、一実施形態では、NVMセルは2トランジスタ(2T)メモリセ
ル80であってよい。2Tメモリセル80において、1つのトランジスタはメモリゲート
(MG)82を有するメモリトランジスタであってよく、もう1つのトランジスタは選択
ゲート(SG)88を有するパストランジスタ又は選択トランジスタであってよい。2T
メモリセル80は、ソース又はソース領域86、ドレイン又はドレイン領域83及びSG
誘電体層81、及び必要に応じMG82とTOSG88との間のドレイン領域85も含ん
でよい。パストランジスタは、NVMセルのノード(例えば、パストランジスタのソース
及び/又はドレイン)の電圧レベル又は電流レベルを制御するスイッチとして使用される
電界効果トランジスタ(FET)、例えば金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(
MOSFET)であってよい。メモリトランジスタは、例えばメモリトランジスタの電荷
トラップ層84に蓄積される電荷を変化させることによってバイナリ情報のビットを保存
するトランジスタであってよい。他の実施形態では、NVMセルは他の数のトランジスタ
を含むセル、例えば単一メモリトランジスタ(1T)メモリセル、3トランジスタメモリ
セル、又はその他、としてもよい。
【0039】
図2Bは本発明の別の実施形態によるスプリットゲートメモリセルを示す。
図2Bに示
すように、スプリットゲートメモリセル90は選択ゲート(SG)98に隣接して配置さ
れたメモリゲート(MG)92を含み、MG92及びSG98は基板97に形成された共
通チャネル99、ソース又はソース領域96、ドレイン又はドレイン領域93、及びSG
誘電体層91を有することができる。MG92とSG98を分離する誘電体層95が存在
してもよい。スプリットゲートメモリセル90は1.5トランジスタ(1.5T)メモリ
セルと呼ばれることもある。
【0040】
様々な実施形態では、メモリアレイ112は、2Tメモリセル80、スプリットゲート
メモリセル90、それらの組み合わせ、又は他のタイプのNVMセルを含んでよい。後記
の段落で議論されるメモリアレイの構成の詳細及び動作の詳細は少なくとも2Tメモリセ
ルアレイ、スプリットゲートメモリセルアレイ、及び他の組み合わせのメモリセルを有す
るアレイに適用可能であることは理解されよう。
【0041】
一実施形態では、メモリアレイ112は電荷トラップメモリトランジスタを用いて実装
することができる。電荷トラップメモリトランジスタは、例えば2Tメモリセル80の電
荷トラップ層84又はスプリットゲートメモリセル90の電荷トラップ層94のような電
荷トラップ層を含むトランジスタ及びゲート構造を用いて実装することができる。電荷ト
ラップ層は電荷をトラップするために使用される絶縁体としてよい。電荷トラップ層はメ
モリアレイ112に供給される又は受信される電圧に基づいてデータを蓄積するようにプ
ログラムすることができる。一実施形態では、メモリアレイ112は行及び列に配列され
た様々な異なるNVMセルを含んでよく、各NVMセルは少なくとも1つのデータ値(例
えば、ビット)を蓄積することができる。NVMセルをプリプログラムするため、NVM
セルをプログラムする(例えばプログラム動作:論理“0”又は“1”を記憶する)ため
に、又はNVMセルを消去する(例えば消去動作:論理“1”又は“0”を記憶する)た
めに、又はNVMセルを読み出す(例えば、読み出し動作)ために、NVMセルの各々に
電圧を供給することができる。メモリアレイ112はフローティングゲートメモリトラン
ジスタなどの様々なタイプのメモリトランジスタを用いて実装できることは理解されよう
。
【0042】
一実施形態では、電荷トラップメモリトランジスタは種々の材料を用いて実装すること
ができる。電荷トラップメモリトランジスタの一例はシリコン-酸化物-窒化物-酸化物
-シリコン(SONOS)型トランジスタである。SONOS型トランジスタにおいて、
該メモリトランジスタの電荷トラップ層は窒化物層、例えば窒化シリコンの層とすること
ができる。更に、電荷トラップ層は、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム
、酸化ハフニウムアルミニウム、酸化ジルコニウム、ハフニウムケイ酸塩、ジルコニウム
ケイ酸塩、酸窒化ハフニウム、酸化ハフニウムジルコニウム、酸化ランタン、又は高K層
などの他の電荷トラップ材料を含むものとしてもよい。電荷トラップ層は、メモリトラン
ジスタのチャネルから注入されるキャリア又は正孔を可逆的にトラップ又は保持するよう
に構成することができ、NVMセルに供給される電圧に基づいて可逆的に変化、修正、又
は変更される1つ以上の電気的特性を有するものとすることができる。別の実施形態では
、異なるタイプの電荷トラップメモリトランジスタを使用することができる。限定ではな
く例示の目的のために、本開示中のNVMセルの動作はSONOS型トランジスタに関し
て説明する。本開示によれば、フローティングゲート型トランジスタのような他のタイプ
のNVMトランジスタを実装することもできることは理解されよい。
【0043】
フラッシュメモリ又は相変化メモリなどの不揮発性メモリ(NVM)装置の動作には電
圧信号が使用される。NVM装置は1つ以上のNVMセルを含み得る。2Tメモリセル8
0又はスプリットゲートメモリセル90等のNVMセルは、単データ値(例えば、単ビッ
ト、例えば論理値“0”又は論理値“1”)を記憶し得るメモリの単位とすることができ
る。
【0044】
一実施形態では、2Tメモリセル80又はスプリットゲートメモリセル90等のNVM
セルのプログラム動作は、ソース又はドレイン領域からチャネルホットエレクトロンを注
入することによって達成される。分割ゲートメモリセルのプログラミングの一例が
図2B
に最もよく示されている。プログラム動作中、チャネルホットエレクトロンを生成するた
めにMG92及びソース(S)96が両方とも高電圧(HV)に結合される(例えば、M
G=9V,SV=5V)。選択ゲート(SG)はSGトランジスタの閾値電圧より高い電
圧にバイアスされる(例えば、SG=0.9V)。その結果、チャネルがターンオンされ
、電子がメモリトランジスタの電荷トラップ層94内に注入され、トラップされ得る。
【0045】
いくつかのNVMアレイは専用ソース線(DSL)構造を採用することができる。DS
L構造は、NVMアレイ内のNVMセルの列及び行(又はNVMアレイのNVMセクタ内
のNVMセルの各列又は行)の各NVMセルに対して専用のソース線(SL)及び/又は
SLドライバを含むことができる。同様に、幾つかの実施形態では、各メモリゲート(M
G)線は専用のMGドライバを有することができる。DSLドライバ及び/又は専用のM
Gドライバを有する主な利点の1つは(プログラミングに対して)非選択のメモリセルへ
のプログラム妨害を最小限にすることにあり、この点については後段落で説明される。し
かしながら、DSL構造又は専用MGドライバは多数の追加のドライバ及び接続を必要と
し、より大きなメモリアレイサイズ及びより高いチップコストを生じ得る。
【0046】
共通ソース線(CSL)構造は少なくとも2つの隣接するNVMセル間でソース線の共
有を可能にし、NVMセルの多数の行及び/又は列のソース線を結合するように延長する
ことができる。
図3A及び
図3Bは、それぞれ共有SL又はCSLを有する2つの隣接す
る2Tメモリセル及びスプリットゲートメモリセルを示す。
図3Bに最もよく示されるよ
うに、2つのスプリットゲートメモリセル90a及び90bは並置され、互いに鏡像配置
される。それぞれ各自のソース又はSL(例えばDSL)を有する代わりに、2つの隣接
するMG302a及び302bの間にCSL306を形成し、スプリットゲートメモリペ
ア300を形成することができる。スプリットゲートメモリセル90a及び90bの各々
は各自のドレイン303a及び303bをそれぞれ有し得る。ドレイン303a及び30
3bはメモリアレイのレイアウトに基づいて同じ又は異なるビット線(BL)に結合する
ことができる。幾つかの実施形態では、MG302a及びMG302bは同じMG線ドラ
イバ回路に結合し、同じ電圧を受信するように構成することができる。
図3Aを参照する
と、2Tメモリペア200は2Tメモリセル80a及び80bによって形成され、スプリ
ットゲートメモリペア300に類似する構成及び接続を有するものとすることができる。
一実施形態では、2Tメモリセル80a及び80bはそれぞれ各自のドレイン203a及
び203bを有することができる。ドレイン203a及び203bはメモリアレイのレイ
アウトに基づいて同じ又は2つの異なるビット線(BL)に結合することができる。それ
ぞれ各自のソース又はSL(例えばDSL)の代わりに、CSL206を隣接するMG2
02a及び202bの間に形成することができる。
【0047】
図4はスプリットゲートメモリペア300におけるプログラム妨害効果を例示する。限
定ではなく例示のための一例として、左側のスプリットゲートメモリセル90bがプログ
ラミングのために選択され、右側のスプリットゲートメモリセル90aはプログラミング
のために選択されていない(禁止)。一実施形態では、MG302a及び302bは同じ
MGドライバ回路に結合され、同じ電圧を受信するように構成されている。
【0048】
異なる動作(例えば、プリプログラム、消去、プログラム、及び/又は読み出し)を実
行するために、メモリ装置(NVM装置)のNVMセルのトランジスタの異なるノードと
端子の間(例えば、ゲート-ドレイン間、ゲート-ソース間、ゲート-ウェル間、又はソ
ース-ドレイン間)に一組の電圧差を供給することができる。スプリットゲートセル90
bがプログラム動作に選択され、スプリットゲートセル90aがプログラム動作に選択さ
れていないスプリットゲートメモリペア300の様々な端子の動作電圧が表1に示されて
いる。表1で与えられる電圧及び以下の数字は限定ではなく例示のための単なる一例であ
り、システム要求に応じて変更してよい。他の実施形態では、パストランジスタ及び/又
はメモリトランジスタの幾つか又はすべてはp型トランジスタとしてもよい。加えて、p
型トランジスタは表1とは異なるバイアス電圧及び電圧極性を有し得ることは理解されよ
う。
【0049】
【0050】
図4を参照すると、MG302bもSG308bも高電圧と結合されるため、スプリッ
トゲートメモリセル90bのチャネルはターンオンされる。他方、MG302aは正にバ
イアスされるが、SG308aは低電圧(その閾値電圧V
Tより低い)と結合されるため
にスプリットゲートメモリセル90aのチャネルはターンオンされない。一実施形態では
、CSL306はプログラミングのために高電圧に結合される。その結果、ホットチャネ
ル電荷が電荷トラップ層304bに注入されてスプリットゲートメモリセル90bをプロ
グラムすることができる。一実施形態では、スプリットゲートメモリセル90aは、MG
302aの下のチャネルがターンオンされないために消去(禁止)されたままである。一
実施形態では、BL303aもBL303bもプログラミング電圧又は電流と結合され、
これはスプリットゲートメモリセル90a又は90bをプログラムする電圧又は電流の供
給源である。一実施形態では、この電圧及び/又は電流の大きさは典型的には各NVMア
レイに対して予め決定され、Vpgm、又はV@Ipgm、又はIpgmで示される。別の実施形態
では、2Tメモリセル80aを消去(禁止)されたままにしながら、2Tメモリセル80
bの同様の結果を達成するために、同様の電圧を2Tメモリペア200の様々な端子及び
ノードに供給することができる。
【0051】
図4を再び参照すると、図示の実施形態は2つのタイプのプログラム妨害、即ちトラン
ジェントプログラム妨害(TPD)及びプログラム妨害タイプB(PDB)、を受ける可
能性がある。前述したように、スプリットゲートメモリセル90aは、SG308aがオ
フ状態にあるため、プログラムされることは予定されていない。しかしながら、MG30
2a及びCSL306がともに高電圧と結合されるために、SG308aのサブスレッシ
ョルドリークに起因するPDBが起こり得る。サブスレッショルドリーク電流は、トラン
ジスタがオフである(例えば、選択ゲートの電圧がトランジスタの閾値電圧(V
T)より
低い)ときに、トランジスタのチャネル(例えば、ソース及びドレイン間)横切る電流で
ある。一実施形態では、スプリットゲートセル90aの比較的高いMG-BL電圧差(例
えば、9-0.4=8.6V)及び/又はCSL-BL電圧差(例えば、5.5-0.4
=5.1V)はホットエレクトロンをBL303aからMG302aに向けて加速する可
能性がある。一実施形態では、該ホットエレクトロンが電荷トラップ層304aにトラッ
プされてスプリットゲートメモリセル90aを意図せずに少なくとも部分的にプログラム
する可能性がある(プログラム妨害)。
【0052】
TPDメカニズムは、プログラム時のスプリットゲートメモリセル90bに起因するプ
ログラム妨害と言うことができる。チャネルの注入領域の近くのホットエレクトロンはM
G302bの近くでの電子-正孔対を生成する第1の衝撃イオン化を含み得る。生成され
た正孔は高いMG電圧(9V)又は正バイアスされたCSL306(5.5V)に起因す
る強い正の垂直電界により加速され得る。加速された正孔は熱くなり、MG302b(プ
ログラムされるセルのMG)から比較的遠くで第2の衝撃イオン化を誘起し得る。第2の
衝撃イオン化により生成された二次電子はその後スプリットゲートメモリセル90aのM
G302aにその強い正バイアス(9V)によって加速され得る。従って、二次電子が加
速され、スプリットゲートメモリセル90aの電荷トラップ層304aに注入され得る。
一実施形態では、意図しない二次電子の注入がスプリットゲートメモリセル90aを部分
的にプログラムし得る。説明のため及び明瞭のために、特定の電圧レベルを例示した。し
かし、TPD及びPDBは異なる動作電圧でも発生し得ることは理解されよう。一実施形
態では、TPD及びPDB効果は高い温度で促進される可能性もある。同様のTPDおよ
びPDB効果が
図3Aの2Tメモリペア200のような2Tメモリセル構成においても起
こり得ることは理解されよい。
【0053】
TPD及びPDB効果は、非選択スプリットゲートメモリセル90aのMG302aを
もっと低い電圧、例えば8.5Vの代わりに4Vと結合すると低減することができる。前
述したように、TPDメカニズムは基板87内の2つの異なる場所における2つの連続す
る衝撃イオン化を必要とし得る。TPDが発生する可能性は隣接するメモリセル間の幾何
学的通路に極めて敏感であり得る。TPD及びPDB効果は、メモリセルが小さくなり、
実装密度が高くなるほどより優勢になり得る。従って、メモリアレイ内の多数のMG及び
/又はSLをTPD及びPDB効果が最小になるように結合/短絡させる特定の方法が存
在し得る。MG及び/又はSLをスクランブルする様々な方法が以下で検討される。
【0054】
前述したように、CSL構造はNVMセルの1つのセクタ内のほぼすべてのNVMセル
の間で1つのCSLを共有することができる。他の実施形態では、CSL構造は1つのN
VMアレイ内のほぼすべてのNVMセルの間で1つのCSLを共有することができる。別
の実施形態では、CSL構造は1つのNVMセクタ又はアレイ内の2つ以上の行の間又は
2つ以上の列の間で1つのCSLを共有することができる。CSL構造の実装は各メモリ
セルに使用されるシリコン面積の縮小を可能にする。
図5は本発明の一実施形態によるメ
モリアレイ400を示す。一実施形態では、メモリアレイ400は、
図1に最もよく示さ
れる、NVM装置102のメモリアレイ112の一部分/セクタとし得る。いくつかの実
施形態では、メモリアレイ400はNANDフラッシュ又はNORフラッシュメモリセク
タになるように構成することができる。
図5に最もよく示されるように、メモリアレイ4
00はM列及び2N行のメモリセル450に分割され、各メモリセル450はメモリトラ
ンジスタ及びパス又は選択トランジスタを備える。一実施形態では各メモリセル450は
1ビットのデータを保持し得る。別の実施形態では、各セルは2ビットのデータを保持し
得る。各列内でメモリセル450は互いに結合され又は接続される。一実施形態では、2
つの隣接するメモリセル450はSL(CSL)を共有してメモリペア460を形成する
ことができ、このメモリペア460は2Tメモリペア200又は
図3A及び3Bに最もよ
く示されるスプリットゲートメモリペア300に類似するものとしてよい。一実施形態で
は、同じ2行のメモリペア460は同じSLを共有することができる。いくつかの実施形
態では、SL0~SL(N-1)の各々は個別のSLドライバに結合され、異なる動作電
圧を受信し得るように構成することができる。一実施形態では、同じ列、例えば列2、の
メモリセル450はビット線465を共有する。様々な実施形態では、メモリセルの多数
の列及び/又は行は同じビット線を共有することができ、或いはそれらは個別のビット線
465を有することができる。
図5に示すビット線465は例示のためであって、限定の
ためではない。
【0055】
図6は本発明の一実施形態によるNVMアレイ500の一部分を示す。一実施形態では
、NVMアレイ500はメモリアレイ400に類似し、行及び列に編成することができる
。同じ行のメモリセルは1つのSLを共有することができ、同じ列の隣接する行のメモリ
セルは、スプリットゲートメモリペア200又は2Tメモリペア300と同様に、2つの
MGの間に配置された共通ソース(例えば、SL1)を有することができる。一実施形態
では、同じ行のメモリセルは共通選択ゲート(SG)線及びMG線を共有することができ
る。一実施形態では、同じ列のメモリセルは共通のBLを共有することができ、2つ以上
のBLを互いに結合することができる。別の実施形態では、同じ列のメモリセルは異なる
複数のBLに結合することができる。NVMアレイ500はフラッシュメモリアレイに構
成することができ、各メモリセルは
図1の行及び列デコーダ112及び114のような行
及び列ドライバ回路によって行及び列アドレスによりランダムにアクセス可能にすること
ができる。いくつかの実施形態では、NVMアレイ500はNVMアレイ500の外周近
くに様々な目的のためのいくつかのダミーSG線、MG線、基準MG線、又は基準SL線
(図示されてない)を含むことができる。
【0056】
NVMアレイ500のMGは様々な動作時に比較的高い電圧(>4V)に結合すること
ができる。いくつかの実施形態では、高電圧に耐えるために厚いゲート酸化層を有するト
ランジスタのような高電圧(HV)半導体装置がMGドライバ回路に必要とされ得る。チ
ップ面積を節約するために、複数のMG線を1つのMGドライバ回路に接続(短絡)する
ことができる。
図6を参照すると、一実施形態では、MGグループ2~4のように、2つ
の隣接するMG線をグループ化し、同じMGドライバに結合することができる。一実施形
態では、例えばMGグループ2のように、同じSL(それぞれSL0及びSL1)を共有
しない2つのNVMセルのMG線を一緒に結合し、同じMGドライバから同じ電圧信号を
受信するように構成することができる。いくつかの実施形態では、MGグループ3のよう
に、同じBL接点502を共有するMG線を一緒に同じMGドライバ回路に結合すること
ができる。他の実施形態では、異なるMGグループ、例えばMGグループ2及び4、を一
緒に結合して必要とされるMGドライバ回路の数を更に減少させることができる。別の実
施形態では、NVMアレイ500の両端のMG線、例えばMGグループ1、を一緒に同じ
MGドライバ回路に結合することができる。MG接続504は導電性材料を含み、例えば
ポリシリコン線及び金属線とすることができる。
【0057】
上述したようにMG線をグループ化又はスクランブリングする利点の1つは、同じSL
(例えばSL2)を共有するMG線が異なるMGグループ(それぞれMGグループ3及び
4)と結合されることにある。一実施形態では、MGグループ3及び4は異なるMGドラ
イバに結合され、例えば一方がHVに、他方がLVに、異なってバイアスされるように構
成することができる。例えば、1つの特定のNVMセルのプログラム動作時に、選択され
たNVMセルのMGはHVにバイアスすることができる。一実施形態では、同じNVMペ
アの非選択NVMセルのMGは、選択NVMセル及び非選択NVMセルがSL(例えばS
L2)を共有し、HVにバイアスされるかもしれないにもかかわらず、低電圧にバイアス
することができる。
図4に最もよく示され、先に説明したように、TPD及びPDBに起
因する非選択NVMセルのプログラム妨害は、非選択NVMセルのMGがLV信号を受信
するように構成されている場合には抑制又は最小化することができる。
【0058】
図7は本明細書の一実施形態によるNVMアレイ600の一部分を示す。一実施形態で
は、NVMアレイ600はメモリアレイ400に類似し、NVMセルは行及び列に編成す
ることができる。同じ行のNVMセルは1つのSLを共有することができ、同じ列の隣接
する行のNVMセルは、スプリットゲートメモリペア200又は2Tメモリペア300と
同様に、2つのMGの間に配置された共通ソース(例えば、SL1)を有することができ
る。一実施形態では、同じ列のメモリセルは共通BLを共有することができ、2つ以上の
BLを互いに結合することができる。別の実施形態では、同じ列のNVMセルは異なる複
数のBLに結合することができる。NVMアレイ500はフラッシュメモリアレイに構成
することができ、各メモリセルは
図1の行及び列デコーダ112及び114のような行及
び列ドライバ回路によって行及び列アドレスによりランダムにアクセス可能にすることが
できる。いくつかの実施形態では、NVMアレイ600はNVMアレイ600の外周近く
に様々な目的のためのいくつかのダミーSG線、MG線、基準MG線、又は基準SL線(
図示されてない)を含むことができる。
【0059】
NVMアレイ600のSLは様々な動作時に比較的高い電圧(>4V)に結合すること
ができる。いくつかの実施形態では、高電圧に耐えるために厚いゲート酸化層を有するト
ランジスタのような高電圧(HV)半導体装置がSLドライバ回路に必要とされ得る。チ
ップ面積を節約するために、複数のSLを1つのSLドライバ回路に接続(短絡)するこ
とができる。一実施形態では、NVMアレイ600のSLは2つのグループ、即ち奇数グ
ループと偶数グループ、に分けることができる。奇数グループはSL1,SL3,SL5
…を含むことができ、偶数グループはSL0,SL2,SL4,SL6…を含むことがで
きる。一実施形態では、2つのグループの一般的な概念は隣接するSLをグループ化しな
いことにある。SLの偶数グループ又はSLグループ1及び奇数グループ又はSLグルー
プ2はSL接続604により連結することができる。SLグループ1及び2は2つの異な
るSLドライバに結合することができ、NVMセルの様々な動作に対して異なる電圧信号
を受信するように構成することができる。一実施形態では、SL接続又は通路604は導
電性材料を含み、例えばポリシリコン線及び金属線とすることができる。他の実施形態で
は、各SLグループが隣接するSLを含まない限り、NVMアレイ600のSLは3つ以
上のSLグループを含んでもよい。各SLグループは同じSLドライバ又は別のものに結
合してもよい。
【0060】
上述のMG線のスクランブリングと同様に、SLのスクランブリングもSLドライバ回
路の数の減少、よって所要面積の縮小に役立ち得る。一実施形態では、SLスクランブリ
ングは、NVMセルのプログラム時に隣接する非選択NVMセルのSL及びMGの両方が
HV信号を有することを回避するに役立ち得る。従って、TPD及びPDBに由来する非
選択NVMセルへのプログラム妨害を抑制又は最小化することができる。
【0061】
図8Aは本明細書の一実施形態によるNVMアレイ700の一部分を示す。一実施形態
では、NVMアレイ700は
図6に開示したMG線のスクランブリング及び
図7に開示し
たSLのスクランブリングを同時に実行する。
【0062】
図8Bは
図8AのNVMアレイ700の一部分750の典型的な概略図を示し、該部分
は同じ列に6つの隣接するNVMセルを含む。
図8Bに示すように、NVM2及びNVM
3はソース(SL1)を共有し、NVM4及びNVM5はソース(SL2)を共有する。
SL1及びSL2は互いに隣接する。例示のためのみの一例として、NVM4がプログラ
ミングのために選択され、NVM3及びNVM5が非選択(禁止)される。SG4はプロ
グラミングのためにターンオンされ(V
Tより高)、SG5はターンオフされる(V
Tより
低)。一実施形態では、MGグループ3(MG4)もSLグループ1(SL2)もMG4
をプログラムするためにそれらのそれぞれのHVにバイアスされる。前述したように、非
選択MGのHVバイアスはTPD及びPDBにより生じるプログラム妨害の可能性及び程
度を高めることに寄与し得る。一実施形態では、MG5(非選択)は異なるMGグループ
(即ちMGグループ4)に結合され、該MGグループ4はMGグループ3とは異なるMG
ドライバ回路に結合し得るため、MG5はLVにバイアスすることができる。
図8Bにも
示されるように、NVM3もプログラミングのために非選択である。一実施形態では、S
G3はNVM3のチャネルを遮断するためにそのV
Tより低い電圧にバイアスすることが
できる。しかしながら、MG3はMGグループ3に属するために依然としてHVにバイア
スすることができる。これらの実施形態では、SLグループ2はLVに結合することがで
きるため、非選択セルNVM3のソース(SL1)をLVにバイアスしてプログラム妨害
を抑制することができる。一実施形態では、SL及びMGスクランブリングは、任意の非
選択NVM、例えばNVM5及びNVM3がそれらのそれぞれのHVに同時にバイアスさ
れないような形で実装することができる。これらの特定の実施形態の電圧レベルは限定の
ためでなく例示のためであることは理解されよう。
【0063】
図8CはMGドライバ回路への接続通路の一実施形態を示す。一実施形態では、MG線
はメタル1(M1)及び/又はポリシリコンのみを用いてMGドライバトランジスタのド
レイン接合に接続される。この構造はアレイ内のNVMセルを充電するプロセスを回避す
るのに役立ち得る。この接続構造によれば、NVMセルのMGはVIA1及びそれより上
のラインプロセスステップの最終段階の充填プロセスをなしにすることができる。
【0064】
図9は本発明によるNVMアレイ800の別の実施形態を示す。一実施形態では、1つ
の列に64のNVMセルが存在し、2つの隣接するMGは1つのSLを共有することがで
きる。同じSLを共有しない同じ列内の2つの隣接するMGは連結してよく、NVMアレ
イ800の両側の2つのMG線グループ、例えばMG1,MG2等、は更に互いに連結さ
れる。一実施形態では、各MG線グループは4つのMG線を含むことができる。MG線グ
ループMG1-MG15の接続通路(それらはすべてM1接続を含み得る)は互いに交差
しない。
図9に最もよく示されるように、NVMアレイ800のエッジ(エッジペア)に
あるMG線は1つのMG線グループ(MG0)に結合され、更にNVMアレイ800の中
央の2つのMG線、例えばMG線グループMG15の間の2つのMG線に結合される。一
実施形態では、エッジペアは導電線ブリッジ850を介して任意の規則的な中央MG線に
接続することができる。一実施形態では、エッジペアは導電線ブリッジ850により任意
の正規の中央MG線ペアに接続することができる。導電線ブリッジ850は、MG1,M
G2等の他のMG線を短絡又は切断することなく、グループエッジペアをNVMアレイ8
00の中央の他のMGペアに結合することを可能にする。一実施形態では、導電線ブリッ
ジ850はポリシリコン又は金属線により形成することができる。システム要件に従って
、各MG線グループ(MG0-MG15)は異なるMGドライバ回路に接続することがで
きる。また、チップ面積を更に節約するために、いくつかのMG線グループを更に一緒に
結合し、1つのMGドライバ回路に接続することもできる。
【0065】
図9を参照すると、SLは
図7で述べたと同様の構成でスクランブルされ、奇数のSL
及び偶数のSLがそれぞれ一緒に結合される。一実施形態では、NVMアレイ800の上
半部内の8個の奇数のSL(SL1,SL3,...SL15)がSL接続通路806に
より相互結合されてSLグループSL1を形成する。同様に、上半部の8個の偶数のSL
(S0,SL2,...SL14)が相互結合されてSLグループSL0を形成する。一
つの類似の実施形態では、SLグループSL2及びSL3がNVMアレイ800の下半部
に形成される。SLグループSL0~SL3の各々は奇数及び偶数SLが異なる電圧信号
を受信するようにそれぞれのSLドライバ回路に接続することができる。別の実施形態で
は、チップ面積を節約するため又は他のシステム要件に従って、SLグループのいくつか
を同じドライバ回路に結合することができる。
【0066】
図9に示す実施形態は、MG線及び/又はSLのスクランブル化又はグループ化は非選択
NVMセルへのプログラム妨害を抑制又は最小化するのに役立ち得ることを証明している
。非選択NVMセルのMG及び/又はSLは同時にHVにバイアスされ得ないため、非選
択NVMセルへのTPD及びPDB効果は大きく低減され得る。明瞭のためにアレイの特
定のサイズ及び構成を示したが、当技術分野で周知なように、多種多様のサイズ及び構成
を実装することができることは理解されよう。
【0067】
図10は別の実施形態による不揮発性メモリシステムを示すブロック図である。回路1
000は本開示が動作し得る別のNVMシステムである。回路1000はメモリゲート線
及び/又は共通ソース線をスクランブル化又はグループ化したメモリアレイを含んでいる
。
【0068】
図11は本発明の一実施形態による2つ以上のNVMセルをプログラムする方法を示す
例示的なフローチャートである。
図11を参照すると、NVMアレイ、例えばNVMアレ
イ700又は800等の、第1のNVMセルがプログラム動作のために選択される。一実
施形態では、第1のNVMセルはNVMアレイの任意のセルとし得る。前述したように、
第1のNVMセルは同じNVMペア、例えば200又は300等、の第2のNVMセルと
SLを共有し得る。しかしながら、それらのそれぞれのMGは別々にグループ化し、2つ
の異なるドライバ回路に接続することができる。第1及び第2のMGにより共有されるS
L(第1のSL)は2つの隣接するSLから電気的に絶縁することもできる。一実施形態
では、第1のNVMセルがプログラムのために選択され、第2のNVMセルが非選択であ
るとき、第1のSGはそのV
Tより上にバイアスされ、第2のSGはV
Tより下にバイアス
され得る。第1のNVMセルをプログラムするために、このとき第1のMGにHVプログ
ラム信号が供給され得る。第2のMGにはそれ自身のMGドライバ回路からLV禁止信号
が供給され得るため、TPD及びPDBによるプログラム妨害は抑制又は最小化され得る
。一実施形態では、第1及び第2のMGにより共有されるSLは第1のNVMセルをプロ
グラムするためにHV信号に結合され得る。第2のNVMセルへのプログラム妨害は、第
1のSLに高電圧が供給されるにもかかわらず、最小化することができる。それは、第2
のMGが低い禁止電圧にバイアスされるためである。同様に、第1のMGと同じMGドラ
イバ回路を共有するMGにも同じHVプログラム信号が供給される。一実施形態では、非
選択MGのSLは第1のSLとグループ化されないため、別のSLドライバ回路からの低
禁止電圧をそれらのSLに供給して潜在的なプログラム妨害効果を低減することができる
。一実施形態では、同じMGドライバを共有する複数のMG線は、複数のNVMセルの1
つがプログラムのために選択される場合に、同じHVにバイアスされ得る。これらの実施
形態では、同じMGドライバ回路を共有する異なるMG線のNVMセルは異なるソース線
グループにグループ化することによって異なるSLドライバ回路に結合することができる
。プログラム動作時に、選択されたNVMセルはそのMGもソース領域もHVにバイアス
することができる。非選択NVMセルは選択NVMセルと同じMGドライバを共有するた
めに非選択NVMセルにもHV信号が供給され得るが、非選択NVMセルのSLはプログ
ラム妨害の効果を最小限にするためにLVにバイアスされ得る。
【0069】
本発明の実施形態は本明細書に記載した様々な動作を含み得る。これらの動作はハード
ウェアコンポーネント、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせで実行
することができる。
【0070】
本発明は特定の例示的実施形態について記載したが、これらの実施形態は本明細書の広
い精神及び範囲から逸脱することなく様々な修正及び変更をない得ることは明かであろう
。従って、明細書及び図面は限定のためでなく例示のためであるとみなされたい。
【0071】
本開示の要約は、読者が技術的開示の1つまたは複数の実施形態の本質を即座に把握する
ことができるような要約を求める37C.F.R.§1.72(b)に準拠して提供されて
いる。それは、請求項の範囲または意味を解釈または限定するためには用いられないとい
う理解で提出されている。加えて、上記の詳細な説明において、開示を効率化する目的で
、種々の特徴が一緒に単一の実施形態にまとめられているのが見受けられる。この開示の
方法は、特許請求されている実施形態が、各請求項に明確に述べられているよりも多くの
特徴を必要とするという意図を反映していると解釈すべきではない。むしろ、以下の特許
請求の範囲が反映するように、発明の主題は、開示されている単一の実施形態の全特徴よ
りも少ないものの中に存在する。このように、以下の特許請求の範囲は、この結果、詳細
な説明に組み込まれ、各請求項はそれ自体で別個の実施形態である。
【0072】
本明細書における一実施形態またはある実施形態への言及は、実施形態に関連して記載
した特定の特徴、構造、または特性が、回路または方法の少なくとも1つの実施形態に含
まれることを意味する。明細書の種々の箇所における一実施形態という句の登場は、すべ
て同一の実施形態を指すとは限らない。
【0073】
上記の明細書において、主題は、その具体的な例示的実施形態を参照しながら記載され
ている。しかしながら、添付の特許請求の範囲に記載される主題のより広い趣旨および範
囲から離れることなく、種々の修正および変更を加えられることが明らかであろう。した
がって、本明細書および図面は、限定的な意味というよりも例示的な意味でとらえるべき
である。