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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】色混合のための多層PCBスタック
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230713BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20230713BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20230713BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20230713BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20230713BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
F21S2/00 311
F21S2/00 482
F21V23/00 140
H01L33/50
H01L33/54
H01L33/62
F21V19/00 100
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021557491
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-12
(86)【国際出願番号】 EP2020058204
(87)【国際公開番号】W WO2020193572
(87)【国際公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】19165682.6
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン デァ ルッベ マーセルス ヤコブス ヨハンネス
(72)【発明者】
【氏名】テル ヴェーメ ベレント ヤン ヴィレム
【審査官】河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-038953(JP,A)
【文献】特表2012-514347(JP,A)
【文献】特開2017-117548(JP,A)
【文献】特開2016-092263(JP,A)
【文献】特開2009-032590(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
H01L 33/62
H01L 33/50
H01L 33/54
F21V 19/00
F21V 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
n個の積み重ねられた層を含む多層PCBスタックを備える照明デバイスであって、n≧2であり、前記n個の積み重ねられた層のうちのk個の層が、各々、固体光源を有するPCBを含み、2≦k≦nであり、前記固体光源が、光源光を生成するように構成されており、前記固体光源を含む前記層上の前記層により小さな外形寸法のPCBを適用することにより、前記PCBのうちのいずれかの前記固体光源の前記光源光が、他のPCBのいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されないように、前記層が成形され積み重ねられており、
前記k個の層の各々が、複数の光源を含み、
前記k個の層のうちの少なくとも2つが、各々、それぞれの前記複数の光源のうちの光源のサブセットを含み、それぞれの各サブセット内の前記光源が、同じビンから選択され、異なる層の異なるサブセットの前記光源が、異なるビンから選択される、照明デバイス。
【請求項2】
第1の光源の下流に構成された1つ以上の層が、1つ以上の層孔を含み、前記1つ以上の層孔が、前記第1の光源の下流に構成されている、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
第1の光源の下流に構成された1つ以上の層が、1つ以上のPCB孔を有する1つ以上のPCBを含み、前記1つ以上のPCB孔が、前記第1の光源の下流に構成されている、請求項1又は2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
ドライバ電子機器を更に備え、前記ドライバ電子機器が、全ての固体光源を制御するように構成されている、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
前記ドライバ電子機器が、前記n個の積み重ねられた層のうちの1つによって含まれるか、又は前記n個の積み重ねられた層のうちの1つに物理的に結合されている、請求項4に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記光源と前記ドライバ電子機器とを機能的に結合するための1つ以上のビアを更に備える、請求項4又は5に記載の照明デバイス。
【請求項7】
前記固体光源が、最大で1mmのダイ面積を有するダイを含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記固体光源の総数のうちの1つ以上の下流に構成されたルミネッセンス材料を更に備え、前記ルミネッセンス材料が、前記ルミネッセンス材料の上流に構成された前記固体光源の前記光源光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するように構成されている、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
前記ルミネッセンス材料が、前記固体光源の総数のうちの1つ以上の下流にある、請求項3に記載のPCB孔によって含まれる、請求項8に記載の照明デバイス。
【請求項10】
n個の積み重ねられた層を含む多層PCBスタックを備える照明デバイスであって、n≧2であり、前記n個の積み重ねられた層のうちのk個の層が、各々、固体光源を有するPCBを含み、2≦k≦nであり、前記固体光源が、光源光を生成するように構成されており、前記固体光源を含む前記層上の前記層により小さな外形寸法のPCBを適用することにより、前記PCBのうちのいずれかの前記固体光源の前記光源光が、他のPCBのいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されないように、前記層が成形され積み重ねられており、
前記固体光源の総数のうちの1つ以上の下流に構成されたルミネッセンス材料を更に備え、前記ルミネッセンス材料が、前記ルミネッセンス材料の上流に構成された前記固体光源の前記光源光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するように構成されており、
n>2であり、前記層のうちの1つ以上が、PCBを含まず、前記ルミネッセンス材料を含むルミネッセンス層である、照明デバイス。
【請求項11】
前記照明デバイスが、(i)前記光源のうちの1つ以上の前記光源光、及び(ii)請求項8、9又は10に記載のルミネッセンス材料光のうちの1つ以上を含む、照明デバイス光を生成するように構成されている、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明デバイスを備える、照明器具。
【請求項13】
(i)請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明デバイスと、(ii)請求項4乃至6のいずれか一項に記載のドライバ電子機器を制御するように構成された制御システムと、を備え、前記制御システムが、(a)第1の制御モードにおける白色照明システム光、及び(b)第2の制御モードにおける着色システム光のうちの1つ以上を前記照明デバイスに生成させるように構成されている、照明システム。
【請求項14】
請求項1乃至11のいずれか一項に記載の照明デバイスを提供する方法であって、n個の層を積み重ねるステップを含み、n≧2であり、積み重ねられる前記n個の層のうちのk個の層が、各々、固体光源を有するPCBを含み、2≦k≦nであり、前記固体光源が、光源光を生成するように構成されており、
(i)前記k個の層のうちの1つ以上が、1つ以上の層孔を含むこと、及び(ii)前記積み重ねるステップの後に、孔形成段階で、積み重ねられた前記n個の層のうちの前記k個の層のうちの1つ以上に1つ以上の層孔を形成すること、のうちの1つ以上が適用され、
(iii)前記n個の層の積み重ね、及び(iv)前記孔形成段階での前記層孔の随意の層孔形成が、前記光源と前記層孔との位置合わせにより、前記PCBのうちのいずれかの光源の前記光源光が、他のPCBのいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されないようなものであることが適用され、
前記固体光源を含む前記層上の前記層に、より小さなPCBが適用される、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明デバイス、そのような照明デバイスを備える照明器具、及びそのような照明デバイスを備える照明システムに関する。本発明は、そのような照明デバイスを提供する方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
RGBスタック発光ダイオードモジュールが、当該技術分野において知られている。Ying-Chang Li等による、RGB-Stack Light Emitting Diode Modules with Transparent Glass Circuit Board and Oil Encapsulation,Materials 2018,vol.11,65(2018 Materials (Basel).Mar 1;11(3).pii:E365.doi:10.3390/ma11030365)と題する論文は、「発光ダイオード(LED)が、最新の固体照明用途で広く使用されており、その出力効率が、サブマウントの材料特性に密接に関連する。低出力のプリント回路基板(PCB;printed circuit board)又は高出力の金属コアプリント回路基板(MCPCB;metal core printed circuit board)など、今日使用されている大半のサブマウントが、透明ではなく、出力光抽出を酷く減少させる。高い光出力及びより良好な色混合の要件を満たすために、3次元(3D)積み重ねフリップチップ(FC;flip-chip)LEDモジュールが提案され実証されている。光の浸透及び混合を実現するために、上述された3D垂直積み重ね型RGB LEDは、ガラス回路基板(GCB)と呼ばれるFCパッケージサブマウントとして透明ガラスを使用する。各GCB積み重ね型LEDから放出された光が、互いに通過し、よって、良好な出力効率及び均質な光混合特性を示す。」ことを示している。
【0003】
米国特許出願公開第2010/0164346(A1)号は、熱伝導性基材と、基材の表面と熱的に連通するように取り付けられた少なくとも1つのLEDと、基材に取り付けられた筐体であって、筐体と基材とが一緒になって少なくとも1つのLEDを完全に包囲する容積部を画定するように構成された筐体と、を備える発光デバイスを開示している。筐体は、光透過性窓である少なくとも一部と、筐体の内面に設けられ、少なくとも1つの発光ダイオードによって放出された励起光の少なくとも一部を吸収し、第2の波長範囲の光を放出するように動作可能である、少なくとも1つの蛍光体材料と、を備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スポットランプは、回路PCB基板で構成され得、基板上の利用可能な空間は、ドライバ電子機器、発光ダイオード(LED)、及び回路を閉じ電力を印加するための経路トラックによって占有され得る。LEDは、可能な限り小さな発光面(LES;light emitting surface)を有するように、このPCB基板の中心に配置される。このLESは、スポットランプの光ビームを形成するのに必要とされる光区域のサイズを決定する。電子的及び熱的な規則によれば、これらの部品、LED及び経路は、例えば、部品及びLEDの放電又は過熱を防止するために、互いに対して特定の距離を特に有し得る。このことは、LESの利用可能な空間の一部が、照明要素のために使用できないことを意味し得る。単純な光アーキテクチャでのみ、経路は、密集し込み入ったレイアウトを可能にする。例えば、赤色、緑色、青色、及び白色のLEDを有する多色アーキテクチャが構成される場合、関連する経路は、より複雑になり、異なる全ての色を個々に接続するために、利用可能な空間の大部分を占有し得る。経路が、隣接するLED間に配置されなければならない場合があり、このことが、LED間の距離を実質的に拡大し得、これにより、完成したアーキテクチャのLESを拡大し得ることは不可避となり得る。これにより、望ましくないことに、エタンデュが増加され得る。特に、より小さなサイズのLEDが使用され得る場合、総占有面積に対する有用な発光面積の比が増加する。長さ×幅=200μm×100μmの典型的なサイズを有するミニLEDを使用する場合、経路ワイヤの幅は、ミニLEDとほぼ同じサイズとなり得、ミニLEDの幅サイズを超えさえし得る。この場合、経路は、LED自体に必要とされるよりも多くの空間を占有し得、そのため、例えばミニLEDを使用することの大きな利益が失われ得る。
【0005】
それゆえ、本発明の一態様は、好ましくは、上述の欠点の1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く、代替的な照明デバイスを提供することである。本発明は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを、目的として有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態では、本発明は特に、個々のPCB基板が、各基板が光アーキテクチャ全体の一部を構成する状態で、互いに積み重ねられ、組み合わされた基板が、スポットランプの意図されるアーキテクチャ全体を有し得る、方法を提供する。従来の方法では、PCBは、個々のLEDを接続してアドレス指定するための経路がいくつかの層を占める、多層PCBからなることができる。このことは、全ての層を電気的に接続するために相当数のビアを必要とし得る。広範囲の経路は、LEDによって生成された熱の放熱に必要とされる多くの空間を消費し得る。しかし、提案される方法によって、特定の実施形態では、単一の色のみ又はアドレス指定可能な単純な色の組み合わせが、1つの個別のPCBに配置され得る。このPCBは特に、上面及び底面を有する1つの層からなってもよい。第2又は複数のPCB基板には、他のLED、光アーキテクチャ全体の一部が、実施形態では取り付けられてもよい。異なるPCB基板を、実施形態では、上下に積み重ねることによって組み合わせることで、ランプのアーキテクチャ全体が利用可能となる。実施形態では、異なるPCBの位置合わせは、ピン及び/若しくは位置合わせマークなどを用いて、かつ/又は経路を接続するビア及びPCB同士の積み重ねとを組み合わせて行うことができる。特定の実施形態では、LEDは、異なるレベルに配置され得るので、実施形態では、LEDを蛍光体によって部分的に覆う機会を残す。実施形態では、このことは、蛍光体の箔によって、かつ/又は、実施形態では、蛍光体の堆積によって、更に特定の実施形態では、スタックの最深層に、行うことができる。
【0007】
それゆえ、ある態様では、本発明は、n個の積み重ねられた層を含む多層PCBスタックを備える照明デバイスを提供し、n≧2である。n個の積み重ねられた層のうちの複数の層、すなわちk個の層が、各々、特に固体光源、特に(各PCBに対して)複数の固体光源を有する、PCBを含み得る。特に、2≦k≦nである。更に、特に、この(これらの)固体光源は、光源光を生成するように構成される。特定の実施形態では、層は、PCBのうちの1つの光源光が、1つ以上の他のPCBによって少なくとも部分的に物理的に遮断されないように、形成され積み重ねられる。したがって、特に本発明は、n個の積み重ねられた層を含む多層PCBスタックを備える照明デバイスであって、n≧2であり、n個の積み重ねられた層のうちのk個の層が、各々、固体光源、特に(各PCBに対して)複数の固体光源を有するPCBを含み、2≦k≦nであり、固体光源が、光源光を生成するように構成され、固体光源(10)を含む層(110)上の層(110)により小さなPCBを適用することにより、PCBのうちのいずれかの光源の光源光が、他のPCBのいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されないように、層が成形され積み重ねられる、照明デバイスを提供する。
【0008】
そのような照明デバイスは、比較的単純な製造を可能にし得る。更に、そのような照明デバイスでは、(PCBのそれぞれでの)経路が単純となり得るので、PCBのそれぞれで高密度の光源を使用することが可能となり得る。それゆえ、LESは、既知の解決策若しくは代替的な解決策に対して低減され得、かつ/又は製造及び/若しくは構造は、比較的単純となり得る。例えば、製造及び/又は構造を複雑にし得る透明材料を使用する必要がない。更に、カラーポイント、色温度、演色評価数などのうちの1つ以上のような、生成される光の光学特性を制御することが可能となり得る。
【0009】
上記されたように、本発明は、n個の積み重ねられた層を含む多層PCBスタックを備える照明デバイスを提供する。それゆえ、実施形態では、2つ以上の層が積み重ねられてもよい。より特定の実施形態では、例えば、2つ以上のPCBが積み重ねられてもよい。しかし、スタックは、非PCB層も含んでもよい。
【0010】
層がPCBを含む場合、層は単一のPCBを含んでもよい。層が、複数のPCB、特に全て同じ平面にある(すなわち、層内に積み重ねられていない)PCBを含むことも可能となり得る。そのような複数のPCB、特に全て同じ平面にあるPCBは、機能的に結合されてもよい。本発明は特に、PCBのスタックなどの、異なる層にある複数のPCBによって更に解明される。
【0011】
n個の層のうちの2つ以上が(それぞれ)、PCBを含んでもよい。それゆえ、n個の積み重ねられた層のうちのk個の層がそれぞれ、PCBを含んでもよい。それゆえ、照明デバイスは、異なる層に少なくとも2つのPCBを備える。PCBのそれぞれが、固体光源、特に複数の固体光源を含む。n個の層のうちの2つ以上(特に2≦k≦n)が、PCBを含んでもよい。
【0012】
以下では、PCBに関するいくつかの実施形態が説明される。異なる層が、PCBの異なる実施形態を含んでもよい。基本的なPCBの態様が、層スタックの各PCBに関連し得る。
【0013】
実施形態では、PCBが、基材と導電層との間に配置された絶縁層を含んでもよい。当該技術分野で知られているように、プリント回路基板は、導電性のトラック、パッド、及び、非導電性基材のシート層にラミネートされた、かつ/又はシート間にラミネートされた、1つ以上の銅製シート層からエッチングされた他の特徴を使用して、電子部品又は電気部品を機械的に支持し、電気的に接続し得る。固体光源などの(電子)部品は一般に、PCBに電気的に接続し、PCBに機械的に固定するために、PCBにはんだ付けされ得る。例えば、基本的なPCBは、基材にラミネートされた、絶縁材料の平坦なシート及び銅箔の層からなってもよい。化学エッチングが、銅を(トラック、回路トレース、経路、又は経路トラックと呼ばれる)別個の導電線、接続用のパッド、銅層間の接続部を通過するビア、及びEM遮蔽又は他の目的のための中実な導電性領域などの特徴に分割する。トラックは、所定位置に固定されたワイヤとして機能し、空気及び基板の基材材料によって互いに絶縁される。PCBの表面は、銅を腐食から保護し、トレース間のはんだ短絡又ははみ出た裸ワイヤとの望ましくない電気的接触の機会を低減する、コーティングを有してもよい。はんだ短絡を防止するのに役立つその機能のために、コーティングは、ソルダーレジストと呼ばれる。
【0014】
それゆえ、PCBの形状は一般に、板状であってもよい。特に、実施形態では、PCBは、長さ、幅、及び高さを有してもよく、長さと高さのアスペクト比が、少なくとも5であり、例えば、5~5000、10~2500の範囲などであるが、より大きな(5000よりも大きな)アスペクト比も可能であり得、幅と高さのアスペクト比が、少なくとも2であり、例えば、少なくとも5、5~5000、10~2500の範囲などのアスペクト比であるが、より大きな(5000よりも大きな)アスペクト比も可能であり得る。用語「長さ」、「幅」、及び「高さ」はそれぞれ、「最大長さ」、「最大幅」、及び「最大高さ」を指す場合もある。PCBは、矩形断面(正方形断面など)を特に有してもよい。また、PCBは、円形形状を有してもよい。それゆえ、実施形態では、PCBは、直径及び高さを有してもよく、直径と高さのアスペクト比が、少なくとも5であり、例えば、5~5000、10~2500の範囲などであるが、より大きな(5000よりも大きな)アスペクト比も可能であり得る。
【0015】
PCBの高さ(又は厚さ)は、実施形態では、0.2~10mm、例えば、0.5~5mm、1~2mmなどの範囲から選択されてもよいが、より小さな高さ又はより大きな高さも可能であり得る。高さ(又は厚さ)が、1mm未満、又は0.1mm未満でさえあってもよい。PCBの幅は、実施形態では、5~200mm、例えば、5~50mmの範囲から選択されてもよいが、他の寸法も可能であり得る。単一のプリント回路基板領域の長さは、実施形態では、例えば、15~40mmなどの10~50mmの範囲から選択されてもよいが、他の寸法も可能であり得る。(接続された)複数のPCB領域を含むPCBの長さは、実施形態では、例えば、20~1500mmなどの20~2000mmの範囲から選択されてもよい。単一のプリント回路基板領域の直径が、実施形態では、例えば、15~40mmなどの10~50mmの範囲から選択されてもよいが、他の寸法も可能であり得る。それゆえ、上述以外の寸法も可能であり得る。
【0016】
PCBは、CEM-1 PCE、CEM-3 PCE、FR-1 PCE、FR-2 PCB、FR-3 PCB、FR-4 PCB、及びアルミニウム金属コアPCBのうちの1つ以上、特に、CEM-1 PCB、CEM-3 PCB、FR-1 PCB、FR4 PCB及びアルミニウム金属コアPCBのうちの1つ以上、更に特に、CEM-1 PCB、CEM-3 PCB、FR-1 PCBのうちの1つ以上を含んでもよい。
【0017】
特定の実施形態では、PCBは、フレキシブルであってもよい。例えば、実施形態では、照明デバイスは、フレキシブルPCB箔のスタックを含んでもよい。しかし、他の実施形態では、PCBは、(本質的に)剛性であってもよい。
【0018】
特定の実施形態では、PCBは、両面式、すなわち、PCBの両面に電気部品が配置され得るものであってもよい。
【0019】
上記されたもののうち、特に、PCBは、本質的に可視光を透過させない。このことは、PCBの材料が光透過性でないことを特に示し得る。それゆえ、本明細書では、光源の光源光も、光透過性PCBによって特に遮断されない。それゆえ、特に、PCBは、実施形態では、光透過性材料を含まない。それゆえ、PCBを垂直に照射するであろう光源光は、PCBの(高さ)にわたって透過されない。PCB孔が勿論、可視光を透過させることに留意されたい。
【0020】
PCBは、基板に機能的に結合された機能部品を含んでもよい。また更なる実施形態では、機能部品は、固体光源を含んでもよい。用語「機能部品」は、複数の(異なる)機能部品を指す場合もある。更なる実施形態では、機能部品は、電子部品(又は「電気部品」)、特に、固体光源、ドライバ、電子モジュール、及びセンサを含む群から選択される電子部品を含んでもよい。特に、電子部品は、固体光源を含んでもよい。
【0021】
用語「光源」は、発光ダイオード(light emitting diode;LED)、共振空洞発光ダイオード(resonant cavity light emitting diode;RCLED)、垂直共振器レーザダイオード(vertical cavity laser diode;VCSEL)、端面発光レーザなどの、半導体発光デバイスを指す場合がある。用語「光源」はまた、パッシブマトリックス(passive-matrix organic light-emitting diode;PMOLED)又はアクティブマトリックス(active-matrix organic light-emitting diode;AMOLED)などの、有機発光ダイオードを指す場合もある。特定の実施形態では、光源は、固体光源(LED又はレーザダイオードなど)を含む。一実施形態では、光源は、LED(発光ダイオード)を含む。用語LEDはまた、複数のLEDを指す場合もある。用語「光源」はまた、2~2000個の固体光源などの、複数の(本質的に同一の(又は異なる))光源に関する場合もある。
【0022】
語句「異なる光源」又は「複数の異なる光源」及び同様の語句は、実施形態では、少なくとも2つの異なるビンから選択された複数の固体光源を指す場合がある。同様に、語句「同一の光源」又は「複数の同じ光源」及び同様の語句は、実施形態では、同じビンから選択された複数の固体光源を指す場合がある。
【0023】
各PCBは、少なくとも単一の固体光源を含んでもよく、又はそれに機能的に結合されてもよい。語句「固体光源を含むPCB」及び同様の語句は、PCBが固体光源を含むか、又は固体光源がPCBに機能的に結合される、実施形態を指す場合がある。両方の実施形態では、機能的な結合は、PCBによって含まれる経路が、固体光源に電力を供給し得るという事実を指す場合がある。
【0024】
しかし、一般に、各PCBは、例えば、少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも8個、少なくとも16個、少なくとも32個、少なくとも64個などの、複数の固体光源を含んでもよく、又はそれらに機能的に結合されてもよい。固体光源の数は、(k個の)異なる層のPCBのそれぞれについて独立して選択され得ることに留意されたい。
【0025】
それゆえ、語句「固体光源を有するPCB」及び同様の語句は、1つ以上の光源を有するPCB、実施形態では、特に複数の光源を有するPCBを指す場合がある。
【0026】
本明細書では、用語「光源」は、固体光源、特に、ミニサイズ又はマイクロサイズを有するような、小型の固体光源を特に指す。例えば、光源は、ミニLED(又は「miniLED」)及びマイクロLED(又は「microLED」、「μLED」)のうちの1つ以上を含んでもよい。特に、実施形態では、光源はミニLEDを含む。本明細書では、ミニサイズ又はミニLEDという用語は、寸法、例えば、ダイ寸法、特に、約1mm以下の範囲から選択される、例えば、100μm~1mmの範囲から選択される、長さ及び幅を有する固体光源を特に示す。本明細書では、μサイズ又はマイクロLEDという用語は、寸法、例えば、ダイ寸法、特に、100μm以下の範囲から選択される、長さ及び幅を有する固体光源を特に示す。更に、実施形態では、固体光源は、最大で1mmのダイ面積(A)を有するダイを含んでもよい。例えば、実施形態では、固体光源は、最大0.01mm(例えば100μm100μm)などの、最大で0.04mm(例えば、200μm200μm)のダイ面積(A)を有するダイを含む。
【0027】
特に、固体光源は、光源光を生成するように構成される。特定の実施形態では、光源によって生成される光源光は、固体光源の一次光である。それゆえ、用語「光源光」は、LEDダイなどのダイから(直接)発する光を指す場合がある。(半導体)固体光源内の電子が、電子孔と再結合し、光子の形態でエネルギーを放出し得る。この効果は、エレクトロルミネッセンスと呼ばれる。それゆえ、用語「光源光」は、固体光源によるエレクトロルミネッセンスを特に指し得、この光は、本明細書では、「一次光」としても示される。一次光は、実施形態では、ルミネッセンス材料によって少なくとも部分的に二次光に変換され得る(以下も参照されたい)。特に固体光源が適用される場合、それぞれの固体光源の光源光は、本質的に単色であってもよい。同じビン内の光源は、(10nm以内の変動を伴うような)同じピーク波長を本質的に有し得る。更に、同じビン内の光源は、(10nm以内の変動を伴うような)同じ主要波長を本質的に有し得る。異なるビンからの光源は、例えば、異なる色を有し得る(更に以下も参照されたい)。
【0028】
光源を有する同一のPCBの単純な積み重ねは、下流に構成された光源によって、上流に構成された光源の遮断をもたらし得るので、この問題について解決策が見出されなければならない場合がある。それゆえ、本発明では特に、層は、PCBのうちの1つの光源光が、1つ以上の他のPCBによって少なくとも部分的に物理的に遮断されないように、形成され積み重ねられる。
【0029】
用語「上流」及び「下流」は、光生成手段(本明細書では特に、光源)からの光の伝搬に対する、物品又は特徴部の配置に関するものであり、光生成手段からの光ビーム内での第1の位置に対して、光ビーム内の、光生成手段により近い第2の位置が「上流」であり、光ビーム内の、光生成手段からより遠く離れた第3の位置が「下流」である。
【0030】
上記されたように、光源は、PCBが光源(光)を遮断しないか又は少なくとも部分的に遮断しないように、固体光源を含む層上の(すなわち、固体光源を含む層の下流にある)層に(より)小さなPCBを適用することにより、およびオプションとして、PCBが光源(光)を遮断しないか又は少なくとも部分的に遮断しないように、(固体光源を含む層に層の)PCB孔を含むPCBを適用することにより(PCB孔が光源の下流に構成されるため、下流に構成されたPCBによって物理的に遮断されなくてもよい。それゆえ、実施形態では、第1の光源の下流に構成された1つ以上の層が、1つ以上のPCB孔を有する1つ以上のPCBを含み、1つ以上のPCB孔は、第1の光源の下流に構成される。それゆえ、実施形態では、第1の固体光源の下流に構成された1つ以上の層が、第1の固体光源を含むPCBよりも小さなサイズを長手方向に有する1つ以上のPCBを含む。
【0031】
特定の実施形態では、光源は、層が光源(光)を遮断しないか又は少なくとも部分的に遮断しないように、固体光源を含む層よりも(より)小さな層を適用することにより、およびオプションとして、層が光源(光)を遮断しないか又は少なくとも部分的に遮断しないように、層孔を含む層を適用することにより、層孔が光源の下流に構成されるため下流に構成された層によって物理的に遮断されなくてもよい。それゆえ、実施形態では、第1の光源の下流に構成された1つ以上の層が、1つ以上の層孔を含み、1つ以上の層孔は、第1の光源の下流に構成される。しかし、他の特定の実施形態では、PCB孔が適用されてもよいが、ルミネッセンス層も適用されてもよい。前者は、光源光を(本質的に)遮断しなくてもよく、後者は、光を物理的に遮断し、光源光の一部を変換してもよい。
【0032】
それゆえ、用語「遮断する」及び同様の用語は、光源の下流に中実材料が存在することを特に指し得る。そのような中実材料は、(例えば、PCB孔を設けることによって)PCBの形態では特に利用できない。よって、そのような中実材料は特に、光透過性のPCB材料の形態でも利用できない。しかし、特定の実施形態では、例えば、(ルミネッセンス)層の形態のルミネッセンス材料が利用可能であり得る。それゆえ、特にPCBが、光源を(本質的に)遮断しなくてもよいが、PCBではない層又は層部分が、特定の実施形態では、ルミネッセンス材料を含むか又は光源光を透過させる場合に、光源を遮断してもよい。
【0033】
それゆえ、層は、PCBのうちのいずれかの光源の光源光が、他のPCBのいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されないように、形成され積み重ねられる。語句「PCBのうちのいずれかの光源の光源光が、他のPCBのいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されない」及び同様の語句は、実施形態では、光源の光軸が、下流に構成されたPCBと部分的に重ならないことを示し得る。
【0034】
それゆえ、このようにして、1つ以上の階段状プロファイルを有し得るPCBスタックが提供され得る。そのような階段状プロファイルは、(i)一般に、より大きなもの(それぞれ、層又はPCB)の上に構成されたより小さなもの(それぞれ、層又はPCB)を有する、異なるサイズのPCBなどの異なるサイズの層を使用すること、及び(ii)1つ以上のPCB孔を有する1つ以上のPCBなどの、1つ以上の層孔を有する1つ以上の層を使用すること、のうちの1つ以上によって得られ得る。後者の実施形態では、(それぞれ)層(又はPCB)は、(層に平行な平面で)本質的に同じ外形寸法を有してもよいが、他の実施形態では、(2つの実施形態が組み合わされてもよいので)それらも異なっていてもよい。
【0035】
実施形態では、層のうちの1つ以上は、本質的にPCBであってもよい。そのような実施形態では、層孔は、本質的にPCB孔であってもよい。
【0036】
層は、実施形態では、L1~Ln(n≧2)と附番され得る。それゆえ、n=2の場合、第1の層L1及び第2の層L2が存在する。n=3の場合、第1の層L1、第2の層L2、及び第3の層L3が存在する等である。したがって、実施形態では、PCBは、より大きな番号のPCBが、より小さな番号のPCBの光源の光源光の少なくとも一部を物理的に遮断しないように、形成され積み重ねられてもよい。
【0037】
本照明デバイスでは、単一のPCBなどの単一の層にドライバ電子機器を有することも可能である。これらのドライバ電子機器は、照明デバイスの全ての光源を駆動してもよい。したがって、実施形態では、照明デバイスは、ドライバ電子機器を更に備えてもよく、ドライバ電子機器は、1つ以上の、特に全ての固体光源を制御するように構成される。「ドライバ」又は「ドライバ電子機器」は特に、固体光源などの別の回路若しくは電気部品、又は高出力トランジスタなどの他の電気部品を制御するために使用される、電気回路又は他の電子部品であってもよい。それらは通常、回路を流れる電流を調節するために、又は他の部品、回路内のいくつかのデバイスなどの他の要素を制御するために使用される。この用語は、例えば、固体光源などの電気部品を制御する特殊な集積回路について使用されることが多い。特定の実施形態では、ドライバ電子機器は、n個の積み重ねられた層のうちの1つ、特にPCBのうちの1つによって含まれるか、又はそれに物理的に結合される。
【0038】
したがって、実施形態では、照明デバイスは、光源とドライバ電子機器を機能的に結合するための1つ以上のビアを更に備えてもよい。実施形態では、ビアが、隣接するPCBの経路を電気的に接続するために使用されてもよい。用語「経路」は、例えば、固体光源及び/又は他の電気部品に電力を供給するための、導電性トラックを特に指す。PCBのうちの1つ以上が、他の電気部品も含んでもよいことに留意されたい。用語「電気部品」の代わりに、用語「電子部品」が適用されてもよい。
【0039】
電子部品は、能動電子部品又は受動電子部品を含んでもよい。能動電子部品は、電子の流れを電気的に制御する能力(電気の通電制御)を有する任意の種類の回路部品であってもよい。その例としては、ダイオード、特に発光ダイオード(LED)が挙げられる。LEDはまた、本明細書では、より一般的な用語で、固体照明デバイス又は固体光源とも記載される。したがって、実施例において、電子部品は能動電子部品を備える。特に、電子部品は、固体光源を含む(上記も参照されたい)。能動電子部品の他の例としては、電池などの電源、圧電デバイス、集積回路(IC)、及びトランジスタが挙げられてもよい。更に他の実施例において、電子部品は、受動電子部品を含んでもよい。別の電気信号によって電流を制御できない部品は、受動デバイスと呼ばれる。抵抗器、コンデンサ、インダクタ、トランスなどは、受動デバイスとみなすことができる。一実施例において、電子部品は、RFID(無線周波数認識)チップを含んでもよい。RFIDチップは、受動式であってもよく、又は能動式であってもよい。特に、電子部品は、固体光源(LEDなど)、RFIDチップ、及びICのうちの1つ以上を含んでもよい。用語「電子部品」はまた、複数の同様の電子部品又は複数の異なる電子部品を指す場合がある。
【0040】
本発明は、小型の固体光源、更により具体的には複数の小型の固体光源を適用する場合に特に有用であり得る。上記されたように、各PCBは、例えば、少なくとも2個、少なくとも4個、少なくとも8個、少なくとも16個、少なくとも32個、少なくとも64個などの、複数の固体光源を含んでもよく、又はそれらに機能的に結合されてもよい。それゆえ、実施形態では、k個の層のそれぞれが、複数の光源を含む。
【0041】
更に、本発明は、複数の異なる種類の固体光源を適用する際にも特に有用であり得る。用語「異なる種類」は、異なるビンを特に指し得る。それゆえ、実施形態では、複数の光源、一般には光源の複数のサブセットが存在してもよく、異なるサブセットの光源は、ピーク波長が互いに異なる。
【0042】
例えば、異なるサブセットのピーク波長間の差は、少なくとも20nmであってもよい。例えば、異なるサブセットが、青色、緑色、黄色、橙色、及び赤色などの異なる色の光を提供してもよい。実施形態では、1つ以上のサブセットが、紫色又はシアン色の光を提供してもよい。更に、それらの色には、紅色及び遠赤色のような部分範囲が存在してもよい。用語「紫色光」又は「紫色発光」は、特に、約380~440nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「青色光」又は「青色発光」は、特に、約440~495nmの範囲の波長を有する(ある程度の紫色及びシアンの色相を含む)光に関連する。用語「緑色光」又は「緑色発光」は、特に、約495~570nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「黄色光」又は「黄色発光」は、特に、約570~590nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「橙色光」又は「橙色発光」は、特に、約590~620nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「赤色光」又は「赤色発光」は、特に、約620~780nmの範囲の波長を有する光に関連する。紅色は、640~700nmのスペクトル範囲から選択される1つ以上の波長として定義されてもよく、遠赤色は、700~800nmのスペクトル範囲から選択される1つ以上の波長として定義されてもよい。よって、紅色は、赤色の部分選択領域である。光源は、可視光を生成するように特に構成されるが、実施形態では(追加の)UV光及び/又は追加のIR光も生成されてもよい。用語「可視」、「可視光」、又は「可視発光」、及び同様の用語は、約380~780nmの範囲の1つ以上の波長を有する光を指す。本明細書における「白色光」という用語は、当業者には知られている。白色光は特に、約2000~20000K、特に2700~20000K、一般的な照明に対しては特に約2700K~6500Kの範囲の相関色温度(CCT:correlated color temperature)を有し、特にBBL(黒体軌跡:black body locus)から約15SDCM(カラーマッチングの標準偏差:standard deviation of color matching)内、特にBBLから約10SDCM内、更に特にBBLから約5SDCM内である光に関する。
【0043】
それゆえ、実施形態では、複数の光源、一般には複数のサブセット光源が存在してもよく、異なるサブセットの光源は、特にピーク波長が互いに異なる。実施形態では、k個の層のうちの少なくとも2つ(特にそれぞれ)がそれぞれ、対応する複数の光源のうちの光源のサブセットを含み、対応する各サブセット内の光源は、同じビンから選択され、異なる層の異なるサブセットの光源は、異なるビンから選択される。
【0044】
それゆえ、実施形態では、異なる層のPCBが、3つの異なる層で生成されるRGBなどの異なるピーク波長を有する光源光を生成してもよい。本明細書では、単一の層が、例えば2種類の異なる固体光源も含み得ることは除外されないことに留意されたい。しかし、一般に、各PCBは、最大で2つの異なる種類の異なる固体光源を含む。またより特定の実施形態では、1つ以上のPCBがそれぞれ、同じビンの固体光源を含む(ただし、異なるPCBが、異なるビンの光源を含む)。特に、本発明の最大の利益は、各PCBが最大で2つの異なる種類の固体光源(すなわち、実施形態では、異なるビンの固体光源)を含む場合に達成され得る。例えば、異なるサブセット間のピーク波長が、少なくとも10nm、例えば、少なくとも20nm、少なくとも25nmで異なってもよい。
【0045】
上記されたように、固体光源は、一般に一次波長のみを提供し、ルミネッセンス材料を含まない。しかし、固体光源の1つ以上が、ルミネッセンス材料と組み合わせて適用されてもよい。それゆえ、実施形態では、照明デバイスは、固体光源の総数のうちの1つ以上の下流に構成されたルミネッセンス材料を更に備えてもよく、ルミネッセンス材料は、ルミネッセンス材料の上流に構成された固体光源の光源光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するように構成される。用語「ルミネッセンス材料」はまた、複数の異なるルミネッセンス材料を指してもよい。同じか又は異なるルミネッセンス材料が、実施形態では、照明デバイス内の異なる位置に適用されてもよい。
【0046】
語句「ルミネッセンス材料は、ルミネッセンス材料の上流に構成された固体光源の光源光の少なくとも一部をルミネッセンス材料光に変換するように構成される」及び同様の語句は、実施形態では、単一の固体光源の下流に、又は実施形態では、光源の総数よりも少ないサブセットの下流に、又は更に特定の実施形態では、全ての固体光源の下流に、ルミネッセンス材料が構成されてもよいことを示し得る。更に、そのような語句及び同様の語句は、光源光の一部が変換されてもよく、よって光源光の一部が変換されなくてもよいことを示し得る。このことは、ルミネッセンス材料の下流での光源光とルミネッセンス材料光との組み合わせをもたらし得る。また他の実施形態では、(例えば熱エネルギーへの変換による潜在的な損失を考慮せずに)本質的に全ての光源光が変換されてもよい。特に、ルミネッセンス材料は、固体光源が上流に構成される層に設けられ、ルミネッセンス材料は、ルミネッセンス材料の下流側でルミネッセンス材料から(離れるように)光を発してもよい。更なる特定の実施形態では、ルミネッセンス材料は、また固体光源光を透過させ、それによって一部が透過され、一部が変換される、層として設けられてもよい。
【0047】
ルミネッセンス材料は、(孔の上流の1つ以上の光源の上で)孔内に構成されてもよい。ルミネッセンス材料は、(ルミネッセンス材料を含む)層としても利用可能であってもよい。それゆえ、実施形態では、(i)ルミネッセンス材料が、固体光源の総数のうちの1つ以上の下流の(本明細書に定義されるような)PCB孔によって含まれること、及び(ii)n>2であり、層の1つ以上が、ルミネッセンス材料を含むこと、のうちの1つ以上に該当する。ルミネッセンス材料は、(板状の)セラミック層又はポリマー層のような層で利用可能であってもよい。
【0048】
したがって、特定の実施形態では、照明デバイスは、(i)光源のうちの1つ以上の光源光、及び(ii)本明細書に定義されるようなルミネッセンス材料光のうちの1つ以上を含む、照明デバイス光を生成するように構成される。
【0049】
それゆえ、実施形態では、n個の層は、(固体光源を有する)2つ以上のPCBと、(オプションとしての)1つ以上のルミネッセンス層とを含み、2つ以上のPCBと(オプションの)1つのルミネッセンス層が積み重ねられる。特定の実施形態では、n個の層は、(固体光源を有する)2つ以上のPCBと、オプションとしての1つ以上のルミネッセンス層とから本質的になり、2つ以上のPCBとオプションの1つのルミネッセンス層が積み重ねられる。特に、k=n、k=n-1、又はk=n-1(kは特に少なくとも2である)である。後者の実施形態は、例えば、PCBと1つ又は2つのルミネッセンス層を積み重ねることを指す場合がある。特に、k=n又はk=n-1(kは特に少なくとも2である)である。
【0050】
基本的に、2種類の実施形態、すなわち、照明デバイス光のスペクトル特性が調整可能でなくてもよい実施形態と、照明デバイス光のスペクトル特性が調整可能である実施形態とが存在することができる。前者の実施形態では、照明デバイス光は、白色であってもよいが、着色光が除外されるものではない。後者の実施形態では、照明デバイスは、第1の制御モードにおける白色光、第2の制御モードにおける着色光など、異なる制御モードで異なる種類の光を提供するように構成されてもよい(以下も参照されたい)。代わりに又は加えて、カラーポイント及び/又は演色評価数が、(更なる)制御モードで制御されてもよい。
【0051】
また更なる態様では、本発明は、本明細書に定義されるような照明デバイスを備える照明器具も提供する。照明器具は、筐体、光学要素、空気取り入れ口等を更に備えてもよい。
【0052】
当該照明デバイスは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己照明ディスプレイシステム、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータ標識システム、装飾用照明システム、ポータブルシステム、自動車用アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸用照明などの一部であってもよく、又は、それらに適用されてもよい。
【0053】
ある態様では、本発明は、本明細書に定義されるような照明デバイスを備えるスポットライトを提供する。特に、そのような実施形態では、PCBの1つ以上が円形であってもよい。
【0054】
また更なる態様では、本発明は、(i)本明細書に定義されるような照明デバイスと、(ii)制御システムと、を備える照明システムであって、制御システムが、照明デバイス光、特に少なくともそのスペクトル特性を制御するように構成される、照明システムも提供する。それゆえ、特定の実施形態では、制御システムは、(a)第1の制御モードにおける白色照明システム光、及び(b)第2の制御モードにおける着色システム光のうちの1つ以上を照明デバイスに生成させるように構成されてもよい。
【0055】
本明細書に記載される白色光は、RGBなどの異なる色、又は他の加色的な色混合の可能性に基づいてもよいことに留意されたい。
【0056】
したがって、また更なる態様では、本発明は、(i)本明細書に定義されるような照明デバイスと、(ii)本明細書に定義されるようなドライバ電子機器を制御するように構成された制御システムと、を備える照明システムであって、制御システムが、(a)第1の制御モードにおける白色照明システム光、及び(b)第2の制御モードにおける着色システム光のうちの1つ以上を照明デバイスに生成させるように構成される、照明システムも提供する。
【0057】
語句「(a)第1の制御モードにおける白色照明システム光、及び(b)第2の制御モードにおける着色システム光のうちの1つ以上」は特に、照明システムが、実施形態では、白色光を生成するように構成され得、他の実施形態では照明システムが、着色光を生成するように構成され得ることを指し得、実施形態では、システムが、異なる制御モードで両方の種類の光を提供するように構成され得ることを示し得る。
【0058】
用語「制御する」及び同様の用語は、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理することを特に指す。それゆえ、本明細書では、「制御する」及び同様の用語は、例えば、測定、表示、作動、開放、シフト、温度変更などのような、動作を要素に課すこと(要素の動作を決定する、又は要素の作動を監視すること)などを指し得る。そのほか、用語「制御する」及び同様の用語は加えて、モニタリングを含んでもよい。それゆえ、用語「制御する」及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、また、要素に挙動を課して、当該要素を監視することも含んでもよい。要素を制御することは、「コントローラ」としてもまた示され得る、制御システムによりなされ得る。それゆえ、制御システムと要素とは、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい。実施形態では、制御システムと要素とは、物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線制御及び/又は無線制御を介して行われることができる。用語「制御システム」はまた、特に機能的に結合されている複数の異なる制御システムを指す場合もあり、複数の異なる制御システムのうちの、例えば1つの制御システムが、マスター制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい。制御システムは、ユーザインタフェースを含んでもよく、又はユーザインタフェースに機能的に結合されてもよい。
【0059】
制御システムはまた、命令を受信して実行し、遠隔制御装置を形成するように構成されていてもよい。実施形態では、制御システムは、スマートフォン又はI-phone、タブレット等のような、ポータブルデバイスなどの、デバイス上のアプリを介して制御されてもよい。よって、デバイスは必ずしも照明システムに結合されず、照明システムに(一時的に)機能的に結合されてもよい。
【0060】
それゆえ、実施形態では、制御システムは(また)、リモートデバイス上のアプリによって制御されるように構成されていてもよい。そのような実施形態では、照明システムの制御システムは、スレーブ制御システムであってもよく、又はスレーブモードで制御してもよい。例えば、照明システムは、コード、特に、それぞれの照明システムのためのユニークコードを用いて識別可能であってもよい。照明システムの制御システムは、((ユニーク)コードの光センサ(例えば、QRコードリーダ)とのユーザインタフェースによって入力された知識に基づく照明システムへのアクセスを有する外部制御システムによって制御されるように構成されていてもよい。照明システムはまた、Bluetooth、Wi-Fi、ZigBee、BLE、若しくはWiMax、又は別の無線技術などに基づく、他のシステム又はデバイスと通信するための手段を備えてもよい。
【0061】
システム、又は装置、又はデバイスは、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」で、アクションを実行してもよい。同様に、方法において、アクション、又は段階、又はステップが、或る「モード」又は「動作モード」又は「動作のモード」で実行されてもよい。用語「モード」はまた、「制御モード」として示される場合もある。このことは、システム、又は装置、又はデバイスがまた、別の制御モード、又は複数の他の制御モードを提供するよう構成されてもよいことを排除するものではない。同様に、このことは、モードを実行する前に、及び/又はモードを実行した後に、1つ以上の他のモードが実行されてもよいことを排除し得ない。
【0062】
しかしながら、実施形態では、少なくとも制御モードを提供するよう構成されている、制御システムが利用可能であってもよい。他のモードが利用可能である場合には、このようなモードの選択は、特に、ユーザインタフェースを介して実行されてもよいが、センサ信号又は(時間)スキームに応じてモードを実行することのような、他のオプションもまた可能であってもよい。動作モードは、実施形態ではまた、単一の動作モード(すなわち、更なる調整可能性を有さない、「オン」)でのみ動作することが可能な、システム、又は装置、又はデバイスを指す場合もある。
【0063】
それゆえ、実施形態では、制御システムは、ユーザインタフェースの入力信号、(センサの)センサ信号、及びタイマーのうちの1つ以上に応じて制御してもよい。用語「タイマー」とは、クロック及び/又は所定の時間スキームを指す場合がある。
【0064】
制御システムは、実施形態では、光源のサブセットを独立して制御してもよい。このようにして、照明デバイス光の強度、カラーポイント、色温度、演色のうちの1つ以上が制御されてもよい。
【0065】
実施形態では、異なるサブセットが、異なるスペクトル分布を有する光源光を提供するように構成されてもよい。それゆえ、実施形態では、2つ以上の異なるサブセットが、2つ以上のそれぞれ異なるビンからの光源を含む。例えば、実施形態では、2つ以上の異なるサブセットが、例えば、青色、シアン色、緑色、黄色、橙色、及び赤色(及びオプションとして他の色)からなる群から選択される異なる種類の着色光を提供するように構成された光源を含む。このようにして、例えば、(サブセットを制御する制御システムを用いて)照明デバイス光のカラーポイント、色温度、演色が制御されてもよい。
【0066】
照明デバイスは、PCBを積み重ねるなど、層を積み重ねることによって提供されてもよい。層は、積み重ねる前に孔が設けられてもよく、又は孔を有する層として設けられてもよい。より大きなPCBにより小さなPCBを積み重ねるなど、より大きな層により小さな層を積み重ねることにより、孔が効果的に形成されてもよい。
【0067】
また更なる態様では、本発明は、特に本明細書に定義されるような照明デバイスなどの照明デバイスを提供する方法であって、n(n≧2)個の層を積み重ねるステップを含み、n個の積み重ねられた層のうちのk(2≦k≦n)個の層がそれぞれ、固体光源を有するPCBを含み、固体光源が、光源光を生成するように構成される、方法も提供する。特に、実施形態では、(A)(i)k個の層のうちの1つ以上が、1つ以上の層孔を含むこと、及び(ii)積み重ねるステップの後に、孔形成段階でn個の積み重ねられた層のうちのk個の層のうちの1つ以上に1つ以上の層孔を形成すること、のうちの1つ以上に該当する。更に、特に実施形態では、(B)(iii)n個の層を積み重ねること、及び(iv)孔形成段階での層孔のオプションの層孔形成が、光源と層孔の位置合わせにより、PCBのうちのいずれかの光源の光源光が、他のPCBのいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されないようなものであることに該当する。本発明は、ある態様では、本明細書に記載される方法に従って得ることができる照明デバイスも提供する。
【0068】
また更なる実施形態では、固体光源を有していないPCBが、PCBスタックを提供するために積み重ねられてもよく、次いで(よって積み重ねた後に)、固体光源は、対応するPCBと機能的に結合されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0069】
ここで、本発明の実施形態が、添付の概略図面を参照して例としてのみ説明され、図面中、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
図1a】本発明のいくつかの態様を概略的に示す。
図1b】本発明のいくつかの態様を概略的に示す。
図2a】本発明のいくつかの(更なる)態様を概略的に示す。
図2b】本発明のいくつかの(更なる)態様を概略的に示す。
図2c】本発明のいくつかの(更なる)態様を概略的に示す。
図2d】本発明のいくつかの(更なる)態様を概略的に示す。
図2e】本発明のいくつかの(更なる)態様を概略的に示す。
図3】照明システム及び他の態様を概略的に示す。 当該概略図面は、必ずしも正しい縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0070】
図1aは、n(n≧2)個の積み重ねられた層110を含む多層PCBスタック100を備える照明デバイス1000のある実施形態を断面図に概略的に示す。ここでは、例としてn=3である。更に、n個の積み重ねられた層110のうちのk(2≦k≦n)個の層110がそれぞれ、固体光源10を有するPCB200を含む。ここでは、kも3である。kは、必ずしもnではないが、特に少なくとも2であることに留意されたい。3つの層110(又はレベル)が、参照符号L1、L2、及びL3で示されている。固体光源10は、光源光11を生成するように構成される。
【0071】
層110は、PCB200のうちのいずれかの光源10の光源光11が、他のPCB200のいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されないように、形成され積み重ねられる。それゆえ、ある種のピラミッド様構造が、実施形態では、固体光源を階段状に伴って提供される。
【0072】
概略的に示されるように、より大きな番号の1つ以上の層110における1つ以上の層孔120と層における固体光源10との位置合わせにより、より大きな番号の層110のPCB200が、別のPCB200の光源10の光源光11の少なくとも一部を物理的に遮断しない。それゆえ、実施形態では、PCB200のうちのいずれかの光源10の光源光11は、他のPCB200のいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されない。特に、実施形態では、層110は、より大きな番号の層110が、より小さな番号の層110の光源10の光源光11の少なくとも一部を物理的に遮断しないように、形成され積み重ねられてもよい。
【0073】
層スタック100は、高さHを有してもよい。特に、第1の層L1が、第1の面101を有してもよく、n番目の層nが、第2の面102を提供してもよい。第1の面101と第2の面は、多層PCBスタック100の高さHを規定してもよい。光源10は、PCBによって(ひいては層110によって)含まれると見なされてもよい。
【0074】
図示されるように、第1の光源10の下流に構成された1つ以上の層110が、1つ以上の層孔120を含み、1つ以上の層孔120は、第1の光源10の下流に構成される(第1の層110/L1の光源について参照符号10'で示され、第2の層100/L2では参照符号10''で示されている(第3の層110の光源は、参照符号10'''で示されてもよい。しかし、これらの光源は、層及び/又はPCBによって遮断されない)。更に、図示されるように、第1の光源10の下流に構成された1つ以上の層110が、1つ以上のPCB孔220を有する1つ以上のPCB200を含み、1つ以上のPCB孔220は、対応する第1の光源10の下流に構成される。ここで、この概略的に示される実施形態では、層孔120は、PCB孔220と(本質的に)同じである。それゆえ、例えば、参照符号10'で示される光源10又は参照符号10''で示される光源10の光軸が、1つ以上の他のPCBによって少なくとも部分的に物理的に「遮断」されない。これらの軸は、PCB孔220(又は層孔)が存在するため、PCBと部分的に重ならない。
【0075】
照明デバイス1000は、ドライバ電子機器30を更に備えてもよい。実施形態では、ドライバ電子機器30は、全ての固体光源10を制御するように特に構成される。ここでは、ドライバ電子機器30がn個の積み重ねられた層110のうちの1つによって含まれるか、又はそれに物理的に結合される、ある実施形態が概略的に示されている。
【0076】
概略的に示されるように、ここでは、k個の層110がそれぞれ複数の光源10を含む。
【0077】
特定の実施形態では、k個の層110のうちの少なくとも2つ(特に、それぞれ)が、対応する複数の光源10のうちの光源10のサブセットを含む。対応する各サブセット内の光源10は、同じビンから選択されてもよい。特に、異なる層110の異なるサブセットの光源10は、異なるビンから選択されてもよい。
【0078】
図1aは、照明デバイス1000及び制御システム60を備える照明システム1200のある実施形態も事実上また概略的に示す。実施形態では、制御システム60は、ドライバ電子機器30を制御するように構成されてもよい。特に、実施形態では、制御システム60は、(a)第1の制御モードにおける白色照明システム光1201、及び(b)第2の制御モードにおける着色システム光1201のうちの1つ以上を照明デバイス1000に生成させるように構成されてもよい。
【0079】
図1bは、照明デバイス1000のある実施形態を上面図に概略的に示す。3つの層110(又はレベル)が、参照符号L1、L2、及びL3で示されている。各層110は、光源10を有するPCBを含む。異なるレベルの光源10が、異なるハッチングを掛けられている。層の光源は、括弧内のレベルで示されており、すなわち、10''は、第2の層110又はL2(第2の層110のPCB)の光源を示す。実施形態では、ある種の(逆)ピラミッド形状が提供されてもよいことに留意されたい。第2の層110又はL2及び第3の層110又はL3は、第1の層110(L1)の光源10(10')、及び第1の層110(L1)(10')と第2の層110(L2)(10'')の光源10のための孔120(又は220)をそれぞれ提供する。異なる層110の光源10が、異なるスペクトル分布を有する光源光を生成するように構成されてもよいことに留意されたい。例えば、これら3つの層はRGBを生成してもよい。しかし、他の実施形態も可能であり得る(以下も参照されたい)。
【0080】
図1bは、固体光源10、すなわちダイの上面も概略的に示す。よって、固体光源10は、例えば、最大で1mmのダイ面積Aを有するダイ12を含んでもよい。
【0081】
そのような照明デバイスは、例えば、n(n≧2)個の層110を積み重ねるステップを含む方法であって、n個の積み重ねられた層110のうちのk(2≦k≦n)個の層110がそれぞれ、固体光源10を有するPCB200を含み、固体光源10が、光源光11を生成するように構成されており、(I)(i)k個の層110のうちの1つ以上が、1つ以上の層孔120を含むこと、及び(ii)積み重ねるステップの後に、孔形成段階でn個の積み重ねられた層110のうちのk個の層110のうちの1つ以上に1つ以上の層孔120を形成すること、のうちの1つ以上に該当し、(II)(a)n個の層110を積み重ねること、及び(b)孔形成段階での層孔120のオプションの層孔120形成が、光源10と層孔120の位置合わせにより、PCB200のうちのいずれかの光源10の光源光11が、他のPCB200のいずれによっても少なくとも部分的に物理的に遮断されないようなものであることに該当する、方法によって入手可能となり得る。
【0082】
特定の実施形態では、k個の層110のうちの少なくとも2つ(特に、それぞれ)がそれぞれ、対応する複数の光源10のうちの光源10のサブセット210を含む。対応する各サブセット210内の光源10は、同じビンから選択されてもよい。特に、異なる層110の異なるサブセット210の光源10は、異なるビンから選択されてもよく、例えば、青色、緑色、黄色、橙色、及び赤色から選択されるような異なる色を提供してもよい。ここでは、例として、各層は、サブセット210'、210''、及び210'''でそれぞれ示される単一のサブセットを含む。しかし、層110が2つ以上のサブセットを含んでもよいことに留意されたい。一般に、層110、より正確にはPCB200が、本質的に異なる3つ以上のスペクトル分布を有する光源光11を提供する3つ以上の異なるサブセットを一般に含まない。それゆえ、一般に、PCBが、1種類のみなど、3種類以上の光源10を含まなくてもよい(すなわち、全てが2つ又は1つのビンから)。制御システム(図示せず)が、異なるサブセットを独立して制御してもよい。
【0083】
提案される方法では、単一の色のみ又はアドレス指定可能な単純な色の組み合わせが、(特定の)実施形態では、1つの個別のPCBに配置されてもよい。第2又は複数のPCB基板に、光アーキテクチャ全体の一部である他のLEDが、取り付けられ得る。異なるPCB基板を上下に積み重ねることにより、ランプのアーキテクチャ全体が利用可能となる。異なるPCBの位置合わせは、実施形態では、経路を接続するビア及びPCB同士の積み重ねと組み合わせて、ピン又は位置合わせマークによって行うことができる(以下も参照されたい)。
【0084】
表示10'、10''及び10'''などは、例えば、図1a及び図1b、また他の図でも、これらの光源が異なるサブセットに属することを必ずしも示していない。そのような場合もあるが、必ずしもそうではない。更に、表示10'、表示10''、又は表示10'''はそれぞれ、そのような参照符号で示された全ての光源が同じサブセットに属することを意味しない。そのような場合もあるが、必ずしもそうではない。
【0085】
異なるサブセットが、(本質的に)異なるカラーポイントを有する(特に、(本質的に)異なるスペクトル分布を有する)光源光を提供してもよいが、他の実施形態では、異なるサブセットが、(本質的に)同じカラーポイントを有する(特に、同じスペクトル分布を有する)光源光を提供してもよい。
【0086】
更なる例が、図2aに示されている。参照符号207は、位置合わせピンを指す。しかし、接着剤を含む他の位置合わせオプションも適用されてもよい。参照符号208は、例えば、ドライバ電子機器への接続のための、潜在的な接点を指す。参照符号221は支持体(基材など)を示す。
【0087】
LEDは、異なるレベルに配置されるため、LEDを蛍光体で部分的に覆う機会を残す。このことは、実施形態では、蛍光体の箔又は蛍光体の堆積によって、特にスタックの最深層で行われてもよい。図2bには、第3の層110又はL3が、層を構成するルミネッセンス材料を本質的に含む例が示されている。
【0088】
蛍光体を適用する別の方法が、図2cに概略的に示されている、PCB層の積み重ねによって形成される孔への蛍光体の堆積である。
【0089】
よって、図2b及び図2cを参照すると、照明デバイス1000は、固体光源10の総数のうちの1つ以上の下流に構成されたルミネッセンス材料50を更に備えてもよい。ルミネッセンス材料50は、ルミネッセンス材料50の上流に構成された固体光源10の光源光11の少なくとも一部をルミネッセンス材料光51に変換するように特に構成される。ルミネッセンス材料50は、(固体光源10の総数のうちの1つ以上の下流にある)PCB孔220によって含まれてもよい。図2bは、n>2であり、層110のうちの1つがルミネッセンス材料50を含む、実施形態を示す。
【0090】
特に、このようにして、照明デバイス1000は、実施形態では、光源10のうちの1つ以上の光源光11及びルミネッセンス材料光51のうちの1つ以上を含む、照明デバイス光1001を生成するように構成されてもよい。
【0091】
図2dは、例えば図2aの実施形態の上面図を概略的に示す。
【0092】
経路が個々のLEDを接続するために相当な空間をLED付近に取ることが避けられない多層PCBを用いるのとは別の方法で、単一のPCBを1つのモジュールに積み重ねる提案される方法は、異なる色を有するLEDを小さな発光面内に配置するためのより多くの場所を与え得る。異なる色を有するLEDをいくつかのPCBに分配することは、小さな発光面(LES)の使用を可能にする。各個々のPCBには、1種類又は2種類の色のLEDを適用することができ、このことは、ビアなしで又は限られた数のビアによって経路を単純にし、放熱のためにPCB上に比較的大きな空間を提供し得る。間違いなく、ミニLED、又は標準的なLEDとミニLEDの組み合わせが使用される場合、アーキテクチャは、この方法の恩恵を受ける。LEDの配置に異なる高さを使用することは、LED全体のサブセットに蛍光体を適用することを可能にする。上層のLEDに影響を及ぼさずに、PCBのより深い層のLEDを覆うことができる。実施形態では、PCBのスタック全体のPCB部品が全て、単層のPCBとして取り扱われ得る。このことは、ピックアンドプレース機器が従来の方法で作業することを可能にし得る。はんだ又は接着剤の適用も、従来のスクリーン印刷技術を用いて行うことができる。集積の後に、ここでは光アーキテクチャ全体の一部を構成する個々のPCBは、積み重ねられる。LED及びドライバ電子部品を含むことができるベースPCBは、位置合わせピンを使用してスポットランプのヒートシンクに取り付けられる。次の層のPCBが全て、ベースPCBの上に配置され、前者はPCBに取り付けられる。個々のPCBの接続は、接続パッド上のワイヤボンド接続、又はクリップを使用するなどの任意の他の技術で行うことができる。個々のPCBを接続する別の方法が、電気経路の一部であるビアの使用である。ここで、例えば、はんだボールプリフォームが、スタックアセンブリプロセス中に配置され、リフローはんだを用いてPCB層が接続される。
【0093】
また更なる実施形態では、固体光源を有していないPCBが、積み重ねられてもよく、次いで、固体光源は、対応するPCBと機能的に結合されてもよい。
【0094】
図2eは、光源10とドライバ電子機器30を機能的に結合するための1つ以上のビア40を更に備える、ある実施形態を概略的に示す。
【0095】
図3は、照明デバイス1000を備える照明器具1100のある実施形態を概略的に示す。更に、図3は、照明デバイス1000を備える照明システム1200のある実施形態も概略的に示す。照明システム1200は、制御システム60を更に備えてもよい。制御システム30は、照明デバイス光1001(又は照明器具光1101又は照明システム光1201、それらは全て本質的に同一であり得、照明システム光1201は、照明デバイス光1001であってもよい。)のスペクトル分布を制御するように構成されてもよい。照明システム1200は、複数の照明デバイス1000を備えてもよい。また更に、照明システム1000は、ユーザインタフェース65を備えてもよく、ユーザインタフェース65は、制御システム60に機能的に接続されるか又は接続可能である。接続は、無線であっても、有線であってもよい。
【0096】
用語「複数」は、2つ以上を指す。
【0097】
本明細書の用語「実質的に(substantially)」若しくは「本質的に(essentially)」、及び同様の用語は、当業者には理解されるであろう。用語「実質的に」又は「本質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、実質的に又は本質的にという形容詞はまた、削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」又は用語「本質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、更に特に99.5%以上などの、100%を含めた90%以上にも関連し得る。
【0098】
用語「備える(comprise)」は、用語「備える(comprises)」が「から成る(consists of)」を意味する実施形態もまた含む。
【0099】
用語「及び/又は」は、特に、その「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関する場合もある。用語「含む(comprising)」は、一実施形態では、「から成る(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0100】
更には、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0101】
本明細書では、デバイス、装置、又はシステムは、とりわけ、動作中について説明されてもよい。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法、又は動作中のデバイス、装置、若しくはシステムに限定されるものではない。
【0102】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。
【0103】
請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0104】
動詞「備える、含む(to comprise)」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈が明らかにそうではないことを必要としない限り、明細書本文及び請求項の全体を通して、単語「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」という意味で解釈されたい。
【0105】
要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。
【0106】
本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙する、デバイスの請求項、又は装置の請求項、又はシステムの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0107】
本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムを制御し得るか、又は、本明細書で説明される方法若しくはプロセスを実行し得る、制御システムも提供する。また更には、本発明はまた、デバイス、装置、若しくはシステムに機能的に結合されているか、又は、デバイス、装置、若しくはシステムによって含まれている、コンピュータ上で実行されると、そのようなデバイス、装置、若しくはシステムの1つ以上の制御可能要素を制御する、コンピュータプログラム製品も提供する。
【0108】
本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイス、装置、若しくはシステムに適用される。本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0109】
本特許で論じられている様々な態様は、更なる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。更には、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。更には、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3