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特許7312851ヒアルロン酸系の可溶性フィルム、この製造方法及びこれに用いられる離型紙
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】ヒアルロン酸系の可溶性フィルム、この製造方法及びこれに用いられる離型紙
(51)【国際特許分類】
   B29C 41/36 20060101AFI20230713BHJP
   B29C 41/24 20060101ALI20230713BHJP
   B32B 9/02 20060101ALI20230713BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
B29C41/36
B29C41/24
B32B9/02
B32B27/12
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021559437
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(86)【国際出願番号】 KR2020004866
(87)【国際公開番号】W WO2020209654
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-10-07
(31)【優先権主張番号】10-2019-0041700
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517016163
【氏名又は名称】ジェネウェル シーオー.,エルティーディー.
(74)【代理人】
【識別番号】100088904
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100124453
【弁理士】
【氏名又は名称】資延 由利子
(74)【代理人】
【識別番号】100135208
【弁理士】
【氏名又は名称】大杉 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100183656
【弁理士】
【氏名又は名称】庄司 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100224786
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 卓之
(74)【代理人】
【識別番号】100225015
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 彩夏
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュン ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ,ミ ラン
(72)【発明者】
【氏名】リー,ヘ リ
【審査官】北澤 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-114355(JP,A)
【文献】特開2011-036622(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0024543(KR,A)
【文献】特開2005-185391(JP,A)
【文献】特開2000-271207(JP,A)
【文献】国際公開第2017/154822(WO,A1)
【文献】特表2018-518500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 41/00-41/52
C08J 5/00- 5/02
C08J 5/12- 5/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続ラインに載置可能なヒアルロン酸系の溶液を製造するステップと、
離型紙の上側にコーティング溶液を塗布し、その後、前記離型紙を連続ラインに供給する前または後に、塗布されたコーティング溶液を乾燥させるステップであって、前記コーティング溶液は、ポリビニールアセテート10~45重量%、水0~20重量%、エタノール20~70重量%、ポリビニールピロリドン1~15重量%及びエチルアセテート0~40重量%を含む、ステップと、
連続ラインに繰り出された離型紙の上部に前記ヒアルロン酸系の溶液を連続して塗布するステップと、
前記塗布されたヒアルロン酸系の溶液を連続ライン上において乾燥させてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを形成するステップと、
前記ヒアルロン酸系の溶液は、ヒアルロン酸系の化合物18~26重量%、セルロースエーテル0.2~0.6重量%、ポリビニールアルコール0.5~1.5重量%、ポリエチレングリコール0.2~0.6重量%、ポリビニールピロリドン1~7重量%及び残量の精製水を含み、
前記ヒアルロン酸系の化合物は、10,000~50,000g/molの重量平均分子量を有する、
を含むことを特徴とするヒアルロン酸系の可溶性フィルムの連続製造方法。
【請求項2】
前記離型紙はフィルム層と、前記フィルム層の片面または両面にコーティングされた接合層と、を備え、
前記離型紙の鉛の含量が50ppm以下であり、細胞生存率(ISO 10993-5,陰性対照基準)が90%以上であり、
前記フィルムは、PET、コロナ処理の施されたPET、アクリルコーティングPET、シリコンコーティングPET及びウレタンコーティングPETのうちから選ばれ、並びに
前記接合層は、ポリビニールアセテート70~85重量%及びポリビニールピロリドン15~30重量%を含む、
請求項1に記載のヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法。
【請求項3】
前記ヒアルロン酸系の可溶性フィルムを形成した後、ハーフカット(kiss cutting)処理を施すステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法。
【請求項4】
前記塗布されたヒアルロン酸系の溶液を乾燥させる前に、その上にメッシュまたは不織布を繰り出して連続して貼り合わせるステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法。
【請求項5】
前記ヒアルロン酸系の可溶性フィルムを形成した後、離型紙を除去するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法。
【請求項6】
前記形成されたヒアルロン酸系の可溶性フィルムをワインディング(winding)するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法。
【請求項7】
前記ヒアルロン酸系の溶液は、80~180μmの厚さに塗布され、乾燥は、40~90℃において1分から2時間かけて行われることを特徴とする請求項1に記載のヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒアルロン酸系の可溶性フィルム、この製造方法及びこれに用いられる離型紙に係り、さらに詳しくは、性能に優れたヒアルロン酸系の可溶性フィルムを連続製造工程を通して生産性よく提供して量産を可能にするヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法、これから製造されたヒアルロン酸系の可溶性フィルム及びこれに適した離型紙に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロン酸は、肌の補湿力を増進させ、肌のハリを保ち、しかも、肌にダメージが与えられたときに肌の下層部のダメージを減らし、肌の主な構成成分であるコラーゲンの細胞の間への動きを円滑にするように潤滑油のような役割を果たすだけではなく、天然補湿剤と呼ばれるほどに親水性に非常に優れた物質であって、肌に大切な働きをする。なお、分子内の数々の水酸基(-OH)により高い保水力を有することにより、保湿因子としての機能を有しており、バクテリアといった外部物質の浸透を予防して肌の感染などの疾病を予防する生体適合性材料である。
【0003】
従来、粉末状のヒアルロン酸は、飛び散りのため使い勝手が悪いと言われており、液状のヒアルロン酸は、高い吸湿性のため微生物の汚染などによる変質の問題があり、産業的に生産することが困難であった。これを解消するために、ヒアルロン酸をフィルム状に製造する方法が提案されている。しかしながら、従来のヒアルロン酸フィルムは、ヒアルロン酸溶液をトレイに鋳込んだ後、オーブンまたは恒温・恒湿器において長い時間にわたって乾燥させるような方式により製造されるが故に、生産性に劣っており、その結果、量産に難点があった。なお、従来のヒアルロン酸フィルムは、製造、運搬または使用の直前までひきちぎられたり壊れたりすることが頻繁に起こり、たとえ離型紙を用いてこのような欠点を補おうとしても、離型紙との接着力、すなわち、粘着性が低いため、補完効果がほとんど得られず、その結果、ヒアルロン酸フィルムが飛び散ってしまい、生産者や消費者は、両方とも不便さを感じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】大韓民国公開特許第2018-0102735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来の技術の問題を解決するために、本発明は、連続ラインに載置可能な特定の組成のヒアルロン酸溶液を製造し、これを用いて、連続製造工程を通してヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造することにより、性能に優れたヒアルロン酸系の可溶性フィルムを生産性よく提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明は、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムとの粘着性及び着脱性の両方に優れていることから、この開示におけるヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造に適した離型紙を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の前記目的及びその他の目的は、後述する本発明によっていずれも達成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、本発明は、連続ラインに載置可能なヒアルロン酸系の溶液を製造するステップと、離型紙を連続ラインに繰り出すステップと、連続ラインに繰り出された離型紙の上部に前記ヒアルロン酸系の溶液を連続して塗布するステップと、前記塗布されたヒアルロン酸系の溶液を連続ライン上において乾燥させてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを形成するステップと、を含むヒアルロン酸系の可溶性フィルムの連続製造方法を提供する。
【0009】
この開示において、連続ラインとは、本発明が属する技術分野において一般的に意味する連続ラインである場合に特に制限がなく、一例を挙げると、離型紙の繰り出しから最終品が作り出されるまでに稼働の中断なしに行われ続ける工程のことを意味するか、あるいは、離型紙が繰り出されて連続して移動しながら最終品まで作り出されることを意味する。
【0010】
この開示において、可溶性フィルムとは、水、化粧水(水性及び/又は油性)、エタノールなどの溶媒に接触したときにフィルムの形状が溶けて去り消え、溶液やエマルジョンの状態に変わるフィルムのことを意味する。
【0011】
この開示において、離型紙は、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムの片面または両面に接着してヒアルロン酸系の可溶性フィルムを支持(support)、保護または運搬し、使用前または使用後に除去される手段であると定義可能であり、離型フィルム、離型シート、剥離紙、剥離シート、剥離フィルムなどを網羅する。
【0012】
前記離型紙を連続ラインに繰り出す前に、または繰り出した直後に、一例を挙げると、ポリビニールアルコール(Poly vinyl alcohol)、ポリビニールアセテート(Poly vinyl acetate)及びポリビニールピロリドン(Poly vinyl pyrrolidone)よりなる群から選ばれた1種以上を含むコーティング溶液を離型紙の上部に塗布した後に乾燥させるステップをさらに含んでいてもよく、この場合、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムが離型紙に安定して粘り付いているため、飛び散りといった従来の使い勝手の悪さを払拭することができるという効果がある。
【0013】
前記コーティング溶液は、好ましくは、ポリビニールアセテート10~45重量%、水0~20重量%、エタノール20~70重量%、ポリビニールピロリドン1~15重量%及びエチルアセテート0~40重量%を含んでいてもよく、より好ましくは、ポリビニールアセテート15~45重量%、水0~20重量%、エタノール25~65重量%、ポリビニールピロリドン3~10重量%及びエチルアセテート0~35重量%を含んでいてもよく、この範囲内において、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムとの粘着性に優れていることから、フィルムの製造の最中または製造後までしっかりと粘り付いており、なお、カットに際しては、手で手軽に引き剥がせるくらい着脱性に優れているという効果がある。
【0014】
また、他の例を挙げると、前記コーティング溶液は、好ましくは、ポリビニールアセテート10~20重量%、水10~20重量%、エタノール50~70重量%及びポリビニールピロリドン1~10重量%を含んでいてもよく、より好ましくは、ポリビニールアセテート15~20重量%、水14~20重量%、エタノール60~70重量%、ポリビニールピロリドン1~5重量%を含んでいてもよく、この範囲内において、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムとの粘着性に優れていることから、フィルムの製造の最中または製造後までしっかりと粘り付いており、なお、カットに際しては、手で手軽に引き剥がせるくらい着脱性に優れているという効果がある。
【0015】
さらに他の一例を挙げると、前記コーティング溶液は、好ましくは、ポリビニールアセテート20~40重量%、エタノール20~45重量%、ポリビニールピロリドン5~15重量%及びエチルアセテート20~40重量%を含んでいてもよく、より好ましくは、ポリビニールアセテート25~35重量%、エタノール25~40重量%、ポリビニールピロリドン5~10重量%及びエチルアセテート25~35重量%を含んでいてもよく、この範囲内において、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムとの粘着性に優れていることから、フィルムの製造の最中または製造後までしっかりと粘り付いており、なお、カットに際しては、手で手軽に引き剥がせるくらい着脱性に優れているという効果がある。
【0016】
さらに他の一例を挙げると、前記コーティング溶液は、好ましくは、ポリビニールアセテート25~50重量%、エタノール45~70重量%及びポリビニールピロリドン1~15重量%を含んでいてもよく、より好ましくは、ポリビニールアセテート25~45重量%、エタノール50~70重量%及びポリビニールピロリドン5~10重量%を含んでいてもよく、この範囲内において、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムとの粘着性に優れていることから、フィルムの製造の最中または製造後までしっかりと粘り付いており、なお、カットに際しては、手で手軽に引き剥がせるくらい着脱性に優れているという効果がある。この場合、エチルアセテートを含んでいない方がさらに好ましいといえるが、粘着性及び着脱性にさらに優れているというメリットがある。
【0017】
前記コーティング溶液は、一例を挙げると、ジメチルホルムアミド(Dimethylform amide;DMF)、メチルエチルケトン(Methyl ethyl ketone;MEK)、及びポリビニールアルコールよりなる群から選ばれた1種以上をさらに含んでいてもよい。
【0018】
前記コーティング溶液は、一例を挙げると、離型紙の上部に10~100μmの厚さに、好ましくは、0~80μm、より好ましくは、20~60μmの厚さに塗布され、一例を挙げると、40~120℃、好ましくは、70~100℃において乾燥されてもよく、この範囲内において、製造されるヒアルロン酸系の可溶性フィルムの機械的な物性に優れているという効果がある。
【0019】
前記ヒアルロン酸系の可溶性フィルムを形成した後、一例を挙げると、ハーフカット(kiss cutting)処理を施すステップを含んでいてもよく、この場合、製品の操作や使用を行い易く、使用に際して無駄使いがないので、経済性に富んでいるという効果がある。
【0020】
この開示において、ハーフカット処理とは、本発明が属する技術分野において一般的に認められるハーフカット処理である場合に特に制限がなく、一例を挙げると、離型紙からヒアルロン酸系のフィルムを適量または適当な形状に引き剥がし易いように、予めフィルムの一部に切り込みを入れておくことを意味する。
【0021】
前記塗布されたヒアルロン酸系の溶液を乾燥させる前に、一例を挙げると、その上にメッシュまたは不織布を繰り出して連続して貼り合わせるステップをさらに含んでいてもよく、この場合、乾燥に際して溶媒を除去し易く、これにより、ヒアルロン酸系のフィルムの概観特性に優れており、製造される製品の特性の面からも、ヒアルロン酸系の可溶性フィルム製品を所望の位置に接触させてヒアルロン酸系のフィルムを溶かして塗り付けた後、メッシュフィルムを除去することができるので、使い勝手がよく、目的とする効果が極大化されるというメリットがある。
【0022】
前記ヒアルロン酸系の可溶性フィルムを形成した後、一例を挙げると、離型紙を除去するステップを含んでいてもよく、好ましくは、前記メッシュまたは不織布を繰り出して連続して貼り合わせるステップを含む場合に限って、離型紙を除去するステップを含んでいてもよく、この場合、製造されるヒアルロン酸系の可溶性フィルムの裁断や保管または運搬などを行い易いという効果がある。
【0023】
前記形成されたヒアルロン酸系の可溶性フィルムを、一例を挙げると、ワインディング(winding)するステップを含んでいてもよく、この場合、製造されるヒアルロン酸系の可溶性フィルムの処理や保管または運搬などを行い易いという効果がある。
【0024】
この開示において、ワインディング(winding)は、ローリング(rolling)、巻き取りなどのように巻き物状に巻くという意味として用いられた言葉である場合に、その名称により特に制限されない。
【0025】
前記ヒアルロン酸系の溶液は、好ましくは、ヒアルロン酸系の化合物10~33重量%、精製水50~90重量%、セルロースエーテル0~3重量%、ポリビニールアルコール0~3重量%、ポリエチレングリコール0~1重量%及びポリビニールピロリドン0~10重量%を含んでいてもよく、より好ましくは、ヒアルロン酸系の化合物15~28重量%、精製水62~84重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.1~1重量%、ポリビニールアルコール0~2重量%、ポリエチレングリコール0~1重量%及びポリビニールピロリドン0~7重量%を含んでいてもよく、この範囲内において、連続ラインの離型紙の上に安定して載置することができて、安定して塗布可能であることから、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムの連続製造を行うことが可能であるというメリットがある。
【0026】
前記セルロースエーテルは、好ましくは、金属カルボキシメチルセルロースであり、より好ましくは、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)であり、この場合、安定して塗布可能であることから、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムの連続製造を行うことが可能であるというメリットがある。
【0027】
さらに他の一例を挙げると、前記ヒアルロン酸系の溶液は、好ましくは、ヒアルロン酸系の化合物15~30重量%、セルロースエーテル0.1~1重量%、ポリビニールアルコール0~2重量%、ポリエチレングリコール0.1~1重量%、ポリビニールピロリドン0~10重量%及び残量の精製水を含んでいてもよく、より好ましくは、ヒアルロン酸系の化合物18~26重量%、セルロースエーテル0.2~0.6重量%、ポリビニールアルコール0.5~1.5重量%、ポリエチレングリコール0.2~0.6重量%、ポリビニールピロリドン1~7重量%及び残量の精製水を含んでいてもよく、この範囲内において、連続ラインの離型紙の上に安定して載置することができて、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムの量産を可能にし、かつ、離型紙との粘着性及び着脱性の両方に優れているという効果がある。
【0028】
前記ポリエチレングリコールは、好ましくは、PEG-40水素化キャスターオイル及びPEG-60水素化キャスターオイルのうちの一方以上を含み、この場合、連続ラインの離型紙の上に安定して載置することができ、離型紙との粘着性及び着脱性の両方に優れており、気泡が生じないことから、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムの概観特性に優れており、しかも、物理的な特性に優れているという効果がある。
【0029】
この開示において、精製水とは、蒸留水やイオン交換樹脂を用いて精製した水などのことをいい、たとえこのような処理が施されていないとしても、本発明が属する技術分野において通常的に製品に使用可能な水である場合、特に制限はない。
【0030】
前記ヒアルロン酸系の溶液は、一例を挙げると、80~180μmの厚さに塗布され、乾燥は、40~90℃において1分から2時間かけて行われてもよく、好ましくは、80~120μmの厚さに塗布され、乾燥は、40~60℃において1分~10分間行われてもよく、この範囲内において、物性に優れたヒアルロン酸系の可溶性フィルムを経済的に量産することができるという効果がある。
【0031】
本発明は、メッシュ、不織布及び離型紙のうちから選ばれるシート層と、前記シート層の上に接着されたヒアルロン酸系の可溶性フィルム層と、を備えるが、前記メッシュは、ナイロンメッシュ、PP(ポリプロピレン)メッシュ及びPET(ポリエチレンテレフタレート)メッシュのうちから選ばれ、前記不織布は、ナイロン不織布、PP不織布及びPET不織布のうちから選ばれ、前記離型紙は、PET、コロナ処理の施されたPET、アクリルコーティングPET、シリコンコーティングPET及びウレタンコーティングPETのうちから選ばれたフィルムの片面または両面に、ポリビニールアルコール、ポリビニールアセテート及びポリビニールピロリドンよりなる群から選ばれた1種以上を含むコーティング層が形成されたことを特徴とするヒアルロン酸系の可溶性フィルムを提供する。
【0032】
この開示において、ナイロン、PP及びPETは、それぞれ本発明が属する技術分野において通称されるナイロン、ポリプロピレン樹脂及びポリエチレンテレフタレート樹脂である場合、特に制限がなく、共重合可能なコモノマーをさらに含んでなる共重合体をも含んでいてもよい。
【0033】
前記フィルム層は、一例を挙げると、ハーフカット(kiss cutting)処理が施されてもよく、この場合、製品の操作や使用を行い易く、無駄使いがないので、経済性に富んでいるという効果がある。
【0034】
前記コーティング層は、好ましくは、ポリビニールアセテート70~95重量%及びポリビニールピロリドン5~30重量%を含んでいてもよく、より好ましくは、ポリビニールアセテート70~90重量%及びポリビニールピロリドン10~30重量%を含んでいてもよく、最も好ましくは、ポリビニールアセテート75~90重量%及びポリビニールピロリドン10~25重量%を含んでいてもよく、この範囲内において、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムが離型紙に安定して粘り付いているため、飛び散りといった使い勝手の悪さがなく、カットに際して手で手軽に引き剥がすことができるというメリットがある。
【0035】
前記フィルム層は、好ましくは、ヒアルロン酸系の化合物、セルロースエーテル及びポリエチレングリコールを含んでいてもよく、この場合、水、化粧水、エタノールなどの溶媒や肌への接触時に溶けやすく、一緒に混合可能な抗菌剤、ハーブエキス、傷治癒補助剤といった活性成分の効果を阻害しないという効果がある。
【0036】
より好ましくは、前記フィルム層は、ヒアルロン酸系の化合物90~98.5重量%、セルロースエーテル1~5重量%及びポリエチレングリコール0.5~5重量%を含んでいてもよく、この場合、水、化粧水、エタノールといった溶媒や肌への接触時に溶けやすく、一緒に混合可能な抗菌剤、ハーブエキス、傷治癒補助剤といった活性成分の効果を阻害しないという効果がある。
【0037】
前記フィルム層は、一例を挙げると、補湿剤、抗菌剤、傷治癒補助剤、吸収補助剤、植物由来の油、ハーブエキス、乳化安定剤、被膜形成剤、香料、粘増剤、スキンコンディショニング剤、結合剤及び酸化防止剤よりなる群から選ばれた1種以上の添加剤をフィルム層の総重量に対して0重量%超え~10重量%、好ましくは、0.5~5重量%でさらに含んでいてもよく、この場合、添加剤がヒアルロン酸系の化合物の機能を阻害しないつつも、それぞれの効果がきちんと発揮されるというメリットがある。
【0038】
具体例を挙げると、前記フィルム層は、ヒアルロン酸系の化合物85~98.4重量%、セルロースエーテル1~5重量%、ポリエチレングリコール0.5~5重量%及び添加剤0.1~5重量%を含んでいてもよく、好ましくは、ヒアルロン酸系の化合物91~97.5重量%、セルロースエーテル1~3重量%、ポリエチレングリコール0.5~3重量%及び添加剤1~3重量%を含んでいてもよく、この場合、水、化粧水、エタノールなどの溶媒や肌への接触時に溶けやすく、抗菌剤、傷治癒補助剤などの添加剤の本然の効果が阻害されないというメリットがある。
【0039】
前記フィルム層は、一例を挙げると、粘度(Brookfield回転型粘度計、常温、50%トルクの条件)が3,000~7,000cpsであり、好ましくは、4,000~6,000cpsであり、最も好ましくは、4,400~5,600cpsであり、この範囲内において、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムが離型紙に安定して粘り付いているため、飛び散りといった使い勝手の悪さがなく、カットに際しては、手で手軽に引き剥がすことができるというメリットがある。
【0040】
前記フィルム層は、一例を挙げると、強度(ASTM D638規格、5mm/min条件)が50~59N/mmであり、好ましくは、53~58N/mmであり、この範囲内において、ヒアルロン酸系のフィルムとの粘着性及び着脱性の両方に優れているという効果がある。
【0041】
前記メッシュは、一例を挙げると、目開きが10~150μm、好ましくは、40~100μmであってもよく、この範囲内において、メッシュに接着されたヒアルロン酸系の可溶性フィルムを肌などに適用した後、メッシュを除去するときにメッシュの穴に残っているヒアルロン酸系のフィルムがなく、ヒアルロン酸系のフィルムが肌などにくっついたことを目視で確認することができて、消費者の満足度が高く、連続生産ラインへの適用に際してさらなる工程が不要になることから、効率性に優れているというメリットがある。
【0042】
この開示において、メッシュとは、本発明が属する技術分野において通常的に定義される網状の生地(fabric)、フィルム、シートなどである場合に特に制限がなく、具体例を挙げると、まるで網のように穴が稠密に開いている生地(fabric)、フィルム、シートなどであってもよい。
【0043】
この開示において、メッシュの目開きは、通常、ポア(pore)寸法とも呼ばれ、テンションを加えていない状態で線と線との内部の直線距離であると定義されてもよく、具体例を挙げると、走査電子顕微鏡または光学顕微鏡を用いて直線距離を測定することができる。
【0044】
前記メッシュは、一例を挙げると、厚さが100~500μm、好ましくは、00~300μmであってもよく、この範囲内において、メッシュに接着されたヒアルロン酸系の可溶性フィルムを肌などに適用した後、メッシュを除去するとき、メッシュの穴に残っているヒアルロン酸系のフィルムがなく、連続生産ラインへの適用に際してさらなる工程が不要になることから、効率性に優れているというメリットがある。
【0045】
この開示において、厚さは、具体例を挙げると、走査電子顕微鏡、光学顕微鏡またはノギスを用いて測定することができる。
【0046】
前記ヒアルロン酸系の化合物は、一例を挙げると、重量平均分子量が4,000~1,500,000g/molであってもよく、好ましくは、10,000~50,000g/molであってもよく、この範囲内において、溶液、エマルジョン、肌などに触れたときに溶けやすく、一緒に混合可能な抗菌剤、ハーブエキス、傷治癒補助剤といった活性成分の効果を阻害しないという効果がある。
【0047】
前記ヒアルロン酸系の可溶性フィルムは、一例を挙げると、離型紙やメッシュまたは不織布とともに巻き物状に巻かれた製品であってもよい。
【0048】
本発明は、フィルム層と、前記フィルム層の片面または両面にコーティングされた接合層と、を備えるが、鉛の含量が50ppm以下であり、細胞生存率(ISO 10993-5、陰性対照基準)が90%以上であり、前記シートは、PET、コロナ処理の施されたPET、アクリルコーティングPET、シリコンコーティングPET及びウレタンコーティングPETのうちから選ばれ、前記接合層は、ポリビニールアセテート70~95重量%及びポリビニールピロリドン5~30重量%を含むことを特徴とする離型紙を提供する。このような離型紙は、特に、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムに適用される場合にヒアルロン酸系の可溶性フィルムとの粘着性に優れていることから、フィルムの製造の最中または製造後までしっかりと粘り付いており、かつ、カットに際しては、手で手軽に引き剥がせるくらい着脱性に優れているという効果がある。
【0049】
前記離型紙は、好ましくは、鉛の含量が20ppm以下であり、細胞生存率(ISO 10993-5、陰性対照基準)が95%以上であってもよく、この場合、人体に無害であり、環境にやさしいながらも、ヒアルロン酸系のフィルムとの接着力に優れているという効果がある。
【0050】
前記シートのコーティングは、本発明が属する技術分野において通常的に用いられるコーティング方法による場合、特に制限がない。
【発明の効果】
【0051】
本発明によれば、連続フィルムの製造工程に適したヒアルロン酸系の溶液と離型紙を開発して、従来の溶液鋳込み、オーブン乾燥などの製造工程に比べて迅速かつ効率的であり、性能にもまた優れたヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造することができ、量産可能であり、このようにして製造されたヒアルロン酸系の可溶性フィルムは、使い勝手がよいというメリットなどを提供するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明のヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造する上で用いられる装置の模式図である。
図2】本発明の離型紙を製造する上で用いられる装置の模式図である。
図3】本発明の可溶性フィルムが連続ライン工程後に巻き物状に巻かれている実際の写真である。
図4】本発明のヒアルロン酸系の可溶性フィルムにハーフカット処理が施された実際の写真である。
図5】実施例においてそれぞれ使用し且つ製造した本発明に係る離型紙溶出物検液と注射用水、鉛標準液(比較液)を同時に撮影した実際の写真である。
図6】前記検液と比較液(ISO 10993-5、陰性対照)に対する細胞毒性実験結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下、この開示におけるヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法などについて詳しく説明する。
【0054】
本発明のヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法は、連続ラインに載置可能なヒアルロン酸系の溶液を製造するステップと、前記ヒアルロン酸系の溶液を第1の離型紙の上部に連続して塗布するステップと、前記塗布されたヒアルロン酸系の溶液を貼り合わせ且つ乾燥させるステップと、を含んで、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムを生産性よく提供することを特徴とする。
【0055】
前記ヒアルロン酸系の溶液は、一例を挙げると、ヒアルロン酸系の化合物15~28重量%、精製水62~84重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.1~1重量%、ポリビニールアセテート(PVA)1~2重量%、ポリエチレングリコール(PEG)0.1~1重量%及びポリビニールピロリドン(PVP)1~7重量%を含むことを特徴としてもよく、この範囲内において、連続フィルムの製造工程を行うことが可能であるので、ヒアルロン酸フィルムを生産性よく提供することができる。
【0056】
他の一例を挙げると、前記ヒアルロン酸系の溶液は、ヒアルロン酸系の化合物20~25重量%、精製水68~79重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.4~0.6重量%、PVA 1~2重量%、PEG 0.3~0.6重量%及びPVP 1~7重量%を含むことを特徴としてもよく、この範囲内において、連続フィルムの製造工程を行うことが可能であるので、ヒアルロン酸フィルムを生産性よく提供することができる。
【0057】
さらに他の一例を挙げると、前記ヒアルロン酸系の溶液は、ヒアルロン酸系の化合物20~25重量%、精製水65~80重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.3~0.5重量%、PVA 0~1重量%、PEG 0.2~0.4重量%及びPVP 0~5重量%を含むことを特徴としてもよく、この範囲内において、連続フィルムの製造工程を行うことが可能であるので、ヒアルロン酸フィルムを生産性よく提供することができる。
【0058】
前記ヒアルロン酸系の溶液は、フィルム製品の使用目的に応じて、肌の美容成分や傷治癒成分などの添加剤をさらに含んでいてもよい。一例を挙げると、前記ヒアルロン酸系の溶液は、補湿剤、抗菌剤、傷治癒補助剤、吸収補助剤、植物由来の油、ハーブエキス、乳化安定剤、被膜形成剤、香料、粘増剤、スキンコンディショニング剤、結合剤及び酸化防止剤よりなる群から選ばれた1種以上の添加剤をさらに含んでいてもよい。
【0059】
前記添加剤は、前記ヒアルロン酸系の溶液の総重量に対して0重量%超え~10重量%未満の濃度で含まれていてもよいく、好ましくは、0.1~5重量%で、より好ましくは、0.3~1重量%で含まれていてもよい。この範囲内において、フィルムの連続製造を行うことが可能でありながらも、機能性物質による効果が十分に発現可能である。
【0060】
前記ヒアルロン酸系の化合物は、一例を挙げると、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸塩、またはこれらの混合物であってもよい。
【0061】
前記ヒアルロン酸塩は、一例を挙げると、ヒアルロン酸ナトリウム、ヒアルロン酸カリウム、ヒアルロン酸カルシウム、ヒアルロン酸マグネシウム、ヒアルロン酸亜鉛、ヒアルロン酸コバルト及びヒアルロン酸テトラブチルアンモニウムのうちから選ばれた1種以上であってもよい。
【0062】
前記ヒアルロン酸系の化合物は、重量平均分子量が、一例を挙げると、4,000~1,500,000g/mol、10,000~1,000,000g/mol、10,000~500,000g/molまたは10,000~15,000g/molであってもよく、この範囲内において、ヒアルロン酸が溶媒に溶解され易く、べたつきや残渣がないことから、製品の品質がよく、フィルムを製造し易いというメリットがある。
【0063】
この開示において、ヒアルロン酸系の化合物の重量平均分子量は、pHが調節された精製水にヒアルロン酸系の化合物を溶解させて製造した後、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した値であり、このとき、標準物質としてはポリエチレンオキシド(PEO)を用いた。
【0064】
前記ヒアルロン酸系の溶液は、第1の離型紙の上部に塗布され、前記第1の離型紙は、一例を挙げると、PET単独、コロナ処理の施されたPET、アクリルコーティングPET、シリコンコーティングPET及びウレタンコーティングPETのうちから選ばれ、好ましくは、PET単独、コロナ処理の施されたPET、PETとポリ酢酸ビニル(PVAc)とが貼り合わせられた離型紙、PETとPVPとが貼り合わせられた離型紙及びPETとPVAcとPVPとが貼り合わせられた離型紙のうちから選ばれることができ、値段及び取り扱いのしやすさのみを考慮すると、これらのうち、PETを含む離型紙が最も好ましい。
【0065】
前記第1の離型紙は、厚さが、一例を挙げると、70~200μmまたは75~200μmであってもよく、この場合、連続工程及び取り扱いを行い易い。
【0066】
前記ヒアルロン酸系の溶液は、一例を挙げると、80~180μmの厚さに塗布され、乾燥は、40~90℃において1分から2時間かけて行われてもよい。
【0067】
他の一例を挙げると、前記ヒアルロン酸系の溶液は、100~150μmの厚さに塗布され、乾燥は、50~80℃において5分以内または1分~30分間行われても良く、この範囲内において、生産時間が適切でありまがらも、フィルムの歪みを引き起こさないというメリットがある。
【0068】
前記乾燥されたフィルムは、一例を挙げると、巻き取り部においてロール状に巻いて得ることができる。
【0069】
この開示において、乾燥は、本発明が属する技術分野において用いられる方法及び/又は装置による場合に特に制限がなく、例えば、加熱ローラー、加熱コンベヤーベルト、熱風乾燥、オーブン乾燥などであってもよく、好ましくは、オーブン乾燥または加熱コンベヤ―ベルトを用いることであり、この場合、乾燥均一性、生産性などに優れている。
【0070】
前記ヒアルロン酸系の可溶性フィルムは、最終的な厚さが、一例を挙げると、10~100μmであってもよく、この範囲内において、フィルムが引きちぎられにくく、肌への密着力に優れているというメリットがある。
【0071】
より具体的な一例を挙げると、この開示におけるヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法は、ヒアルロン酸系の溶液を製造するステップと、第1の離型紙の上部に1次コーティング溶液を塗布した後に乾燥させるステップと、前記ヒアルロン酸系の溶液を1次コーティングされた第1の離型紙の上部に連続して塗布するステップと、前記塗布されたヒアルロン酸系の溶液を乾燥させるステップ及び乾燥されたフィルムをハーフカット加工するハーフカット(kiss cutting)工程を行うステップを含むことを特徴とし、この場合、ヒアルロン酸系のフィルムの連続製造を行うことが可能であるので、生産性よく提供することができ、製造コストの節減に寄与し、製品を取り扱いやすく、しかも、使い勝手がよいというメリットを提供する。
【0072】
前記1次コーティング溶液は、一例を挙げると、ポリビニールアセテート10~30重量%、エタノール20~40重量%、ポリビニールピロリドン5~10重量%及びエチルアセテート0~30重量%を含み、この場合、ヒアルロン酸溶液の接着及び離脱を行い易いというメリットがある。
【0073】
前記1次コーティング溶液は、他の一例を挙げると、ポリビニールアセテート20~40重量%、精製水20~30重量%、エタノール30~50重量%、及びポリビニールピロリドン1~5重量%を含み、この場合、加工に際しては、ヒアルロン酸溶液が離型紙にしっかりと接着し、且つ、完製品を用いるときには、ヒアルロン酸フィルムが剥がれやすいので、使い勝手がよいというメリットがある。
【0074】
前記1次コーティング溶液は、第1の離型紙の上部に、一例を挙げると、10~100μmの厚さに塗布され、40~120℃において乾燥される。
【0075】
他の一例を挙げると、前記1次コーティング溶液は、第1の離型紙の上部に20~80μmの厚さに塗布され、50~110℃において乾燥される。
【0076】
前記1次コーティング溶液の乾燥は、一例を挙げると、5分以内、好ましくは、3分以内に完了し、この場合、生産性に優れている。
【0077】
このため、本発明は、フィルム層と、前記フィルム層の片面または両面にコーティングされた接合層と、を備え、前記シートは、PET、コロナ処理の施されたPET、アクリルコーティングPET、シリコンコーティングPET及びウレタンコーティングPETのうちから選ばれ、前記接合層は、ポリビニールアセテート70~95重量%及びポリビニールピロリドン5~30重量%を含む離型紙を提供し、このような離型紙は、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムとの粘着性に優れていることから、フィルムの製造の最中または製造後までしっかりと粘り付いており、かつ、カットに際しては、手で手軽に引き剥がせるくらい着脱性に優れている。
【0078】
具体的な他の一例を挙げると、この開示におけるヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法は、ヒアルロン酸系の溶液を製造するステップと、前記ヒアルロン酸系の溶液を第1の離型紙の上部に連続して塗布するステップと、前記塗布されたヒアルロン酸系の溶液の上部に第2の離型紙を連続して貼り合わせるステップと、貼り合わせられたフィルムを乾燥させるステップ及びフィルムから第1の離型紙を除去した後、フィルムを巻き取るステップを含むことを特徴とし、この場合、ヒアルロン酸系のフィルムの連続製造を行うことが可能であるので、製品を生産性よく提供することができ、製造コストの節減に寄与し、製品を取り扱いやすく、しかも、使い勝手がよいというメリットを提供する。
【0079】
前記第2の離型紙は、一例を挙げると、PET、PP、ポリエチレン(PE)などの色々な材質の生地のメッシュや不織布から選ぶことができ、好ましくは、ナイロンメッシュ、PPメッシュ及びPETメッシュのうちから選ばれることができ、連続ラインにおける製造や取扱のしやすさの面からは、PETメッシュが好ましく、値段や柔らかな肌触りによる使い勝手の良さの面からは、ナイロンメッシュが好ましい。
【0080】
前記メッシュは、好ましくは、厚さが200~300μmであり、目開きが10~100μmであることを特徴としてもよく、この場合、製品の生産性に優れており、しかも、使い勝手がよいというメリットを提供する。
【0081】
以下、添付図面に基づいて、この開示におけるヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造方法について説明する。図1は、この開示におけるヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造するための装置の模式図である。図1を参照すると、この開示におけるヒアルロン酸系の可溶性フィルムは、ヒアルロン酸系の溶液を製造した後、固定式塗布部を介して第1の離型紙の上部にヒアルロン酸系の溶液を塗布し、必要に応じて、選択的に塗布されたヒアルロン酸系の溶液の上部に第2の離型紙を覆った後、乾燥チャンバーを通過させて貼り合わせ且つ乾燥させるステップを含む。
【0082】
前記ヒアルロン酸系の溶液は、塗布された後に、カッターを用いて所要の厚さに調節され得る。
【0083】
また、最初の乾燥チャンバーにおいて貼り合わせ及び乾燥が行われ、このとき、乾燥チャンバーは、複数、好ましくは、5~10個の乾燥チャンバーが並ぶように配置されたものであってもよく、それぞれの乾燥チャンバーは、温度が異なっていてもよい。この場合、乾燥温度を徐々に上げることができて、ヒアルロン酸系の可溶性フィルムの熱による歪みや破壊を極力抑えることができるというメリットがある。
【0084】
前記乾燥チャンバーを通過した後、フィルムは、第1の離型紙を除去した後、巻き取り部(図示せず)を介して得られてもよく、巻き取り部は、当業界において通常的に用いられる巻き取り手段であれば、特に制限がなく、一例を挙げると、フィルムをロール状に巻き取る装置であってもよい。
【0085】
図1のヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造するための装置は、図2に示すように、本発明に係る離型紙を製造するための装置として活用されてもよい。この場合、第1の離型紙の代わりに、上述したフィルムを入れ、溶液の分注に際して上述したコーティング溶液を適用した後、第2の離型紙との貼り合わせを省略すれば、手軽に本発明に係る離型紙を製造することができる。
【0086】
さらに図示はしなかったが、図1のヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造するための装置と図2の離型紙を製造するための装置を直列につなぐと、フィルム→溶液分注(コーティング溶液)→カッター→乾燥チャンバー→溶液分注(ヒアルロン酸系の溶液)→カッター→(必要に応じて、第2の離型紙の貼り合わせ)→乾燥チャンバー→完製品の工程といったように、本発明に係る離型紙の製造から本発明に係るヒアルロン酸系の可溶性フィルムの製造まで連続して行うことが可能である。
【0087】
図3は、本発明の可溶性フィルムが連続ライン工程後に巻き物状に巻かれている実際の写真であるが、最終品にヒアルロン酸系の可溶性フィルムが製品に安定してしっかりと粘り付いているため、優れた粘着性を目視で確認することができ、かつ、実際にフィルムから離型紙を手軽に引き剥がすことができて、優れた着脱性を確認することができ、最後に、着脱されたヒアルロン酸系の可溶性フィルムの形状が、歪みなどがなくそのまま保存されており、かつ、透明であることから、製造されたヒアルロン酸系の可溶性フィルムの物理的な特性や外観特性に優れているということを明らかに確認することができる。
【0088】
図4は、本発明のヒアルロン酸系の可溶性フィルムにハーフカット処理が施された実際の写真であって、離型紙の上にヒアルロン酸系の可溶性フィルムが半月状にハーフカット処理されて半月状のヒアルロン酸可溶性フィルムを離型紙から引き剥がして適宜に用いることができる。
【0089】
以下、本発明についての理解への一助となるために好適な実施例を提示するが、下記の実施例は、単に本発明を例示するものに過ぎず、本発明の範疇及び技術的な思想の範囲内において種々の変更及び修正を食わることができるということは当業者にとって自明であり、このような変形及び修正が特許請求の範囲に属するということも当然のことである。
【0090】
[実施例]
実施例1
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量11,000g/molのヒアルロン酸20重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.4重量%、ポリエチレングリコール0.25重量%、ハーブエキス0.1重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
可溶性フィルムの製造
【0091】
離型紙として厚さ100μmのPETフィルムを用意した後、これを下記の図2に示すような連続ラインに繰り出し、これの上部にエタノール40重量%、精製水22重量%、ポリビニールアセテート30重量%、ポリビニールピロリドン8重量%を含むコーティング溶液を40μmの厚さに塗布した後、乾燥チャンバーにおいて90℃において2分間乾燥させてコーティングを施した。次いで、前記コーティングされた離型紙を下記の図1に示すような連続ラインに繰り出し、この上部に上記において製造したヒアルロン酸系の溶液を100μmの厚さに塗布した後、乾燥チャンバーにおいて50℃において3分間乾燥させた後に巻き取ってヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。ここで、第2の離型紙との貼り合わせは行わなかった。
【0092】
実施例2
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量11,000g/molのヒアルロン酸25重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.5重量%、ポリビニールアルコール1重量%、ポリビニールピロリドン5重量%、ポリエチレングリコール0.5重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
【0093】
可溶性フィルムの製造
上記のような組成のヒアルロン酸溶液を用いた以外は、前記実施例1の方法と同様にしてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0094】
実施例3
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量11,000g/molのヒアルロン酸19重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.37重量%、ポリビニールアルコール0.75重量%、ポリビニールピロリドン3.7重量%、ポリエチレングリコール0.37重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
【0095】
可溶性フィルムの製造
上記のような組成のヒアルロン酸溶液を用いた以外は、前記実施例1の方法と同様にしてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0096】
実施例4
ヒアルロン酸溶液の製造
前記実施例1と同じ組成でヒアルロン酸溶液を製造した。
【0097】
可溶性フィルムの製造
前記実施例1の方法と同様にしてコーティングされた離型紙の上部に上記において製造したヒアルロン酸溶液を100μmの厚さに塗布した後、下記の図1の第2の離型紙貼り合わせ区間において第2の離型紙でナイロンメッシュを上から下へと覆って貼り合わせた後、乾燥チャンバーにおいて50℃において3分間乾燥させた後、前記コーティングされた離型紙を除去してまたは除去せずに巻き取ってヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0098】
実施例5
前記実施例1において、コーティング溶液で離型紙をコーティングするステップを省略した以外は、前記実施例1の方法と同様にしてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0099】
実施例6
前記実施例4において、コーティング溶液で離型紙をコーティングするステップを省略した以外は、前記実施例4の方法と同様にしてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0100】
実施例7
前記実施例1において、コーティング溶液の組成にエタノール40重量%、エチルアセテート22重量%、ポリビニールアセテート30重量%、ポリビニールピロリドン8重量%を含めたことを除いては、前記実施例1の方法と同様にしてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0101】
参照例1
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量11,000g/molのヒアルロン酸20重量%、ポリビニールアルコール2重量%、ポリエチレングリコール1重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
【0102】
可溶性フィルムの製造
上記のような組成のヒアルロン酸溶液を用いた以外は、前記実施例1の方法と同様にしてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0103】
参照例2
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量11,000g/molのヒアルロン酸30重量%、プルラン2重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.5重量%、ポリビニールアルコール1重量%、ポリビニールピロリドン5重量%、ポリエチレングリコール0.5重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
【0104】
可溶性フィルムの製造
上記のような組成のヒアルロン酸溶液を用いた以外は、前記実施例1の方法と同様にしてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0105】
参照例3
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量11,000g/molのヒアルロン酸25重量%、重量平均分子量1、350,000g/molのヒアルロン酸0.5重量%、ナトリウムカルボキシメチルセルロース0.5重量%、ポリビニールアルコール1重量%、ポリビニールピロリドン5重量%、ポリエチレングリコール0.5重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
【0106】
可溶性フィルムの製造
上記のような組成のヒアルロン酸溶液を用いた以外は、前記実施例1の方法と同様にしてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0107】
参照例4
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量11,000g/molのヒアルロン酸0.9重量%、重量平均分子量1,350,000g/molのヒアルロン酸0.1重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
【0108】
可溶性フィルムの製造
ポリスチレン四角ディッシュ(dish)に上記において製造したヒアルロン酸溶液を分注した後、50℃のオーブンにおいて12時間かけて乾燥させてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0109】
比較例1
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量11,000g/molのヒアルロン酸1.6重量%、ポリビニールアルコール0.4重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
【0110】
可溶性フィルムの製造
ポリスチレン四角ディッシュに上記において製造したヒアルロン酸溶液を分注した後、50℃のオーブンにおいて12時間かけて乾燥させてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0111】
比較例2
ヒアルロン酸溶液の製造
重量平均分子量1,350,000g/molのヒアルロン酸1.6重量%、ポリビニールアルコール0.4重量%及び残量の精製水を含むヒアルロン酸溶液を製造した。
【0112】
可溶性フィルムの製造
ポリスチレン四角ディッシュに上記において製造したヒアルロン酸溶液を分注した後、50℃のオーブンにおいて12時間かけて乾燥させてヒアルロン酸系の可溶性フィルムを製造した。
【0113】
参照例5
前記実施例1において、コーティング溶液の組成に精製水45重量%、ポリビニールアセテート55重量%を含めたことを除いては、前記実施例1の方法と同様にして可溶性フィルムを製造した。
【0114】
[試験例1]
前記実施例、比較例及び参照例において使用またはコーティングされた離型紙から溶出される物質の毒性を下記の方法で測定し、その結果を下記の図5及び図6に示す。
【0115】
*重金属試験:検液(離型紙放出物)10mlを取った後、薄い酢酸2ml及び水を入れて50mlにして試験液を作り、比較液は、鉛標準液2mlを取った後、薄い酢酸2ml及び水を入れて50mlにした(鉛20ppm)。検液及び比較液に硫化ナトリウム試液1滴ずつ入れ、5分間放置した後、検液と比較液を目視で評価した。(大韓民国薬典一般試験法重金属試験法の第1の法に従って試験した。)
【0116】
*細胞毒性試験:L-929線維芽細胞1x10cells/mlの割合にて細胞懸濁液をそれぞれ6ウェルプレートに2ml/wellで分注し、24時間培養した。次いで、検液及び比較液を処理して24時間培養した後、生存細胞数を測定して毒性を評価した。(ISO 10993-5 Biological evaluation of medical devices ―Part 5:Tests for in vitro cytotoxicity規格に準拠して評価した。)
【0117】
[試験例2]
前記実施例1~7、比較例1~2及び参照例1~5において製造されたヒアルロン酸系の可溶性フィルムの特性を下記の方法で測定し、その結果を下記の表1、表2に示す。
【0118】
*溶解有無:上記において製造した溶液に残存原料、集塊化現象または相分離などを目視で確認して溶解有無をO/Xで評価した。
【0119】
*粘度:Brookfield回転型粘度計を用いて常温で50%トルクのときの粘度を測定して評価した。
【0120】
*フィルム化有無:上記において製造したヒアルロン酸溶液を離型紙に塗布し、すっかり乾燥させた後、目視でフィルム化有無をO/Xで評価した。
【0121】
*乾燥時間:上記において製造したヒアルロン酸溶液を離型紙に塗布し、50℃において溶液がすべて乾燥できている(重さの変化がそれ以上ない時点であるとき)の時間を測定して評価した。
【0122】
*離型紙との粘着性:上記において製造した可溶性フィルムの巻き取り前に、離型紙と可溶性フィルムとの貼着有無を目視でO/Xで評価した。
【0123】
*加工後の可溶性フィルムの着脱性:上記において製造した可溶性フィルムの巻き取り前に、離型紙に貼着した可溶性フィルムを手で剥がして着脱性を測定した。
【0124】
*可溶性フィルムの溶解性:上記において製造した可溶性フィルムに対し、一定の量の水を適用して1秒以内に溶解されるかどうかを目視でO/Xで評価した。
【0125】
*強度:ASTM D638規格を参考にして、上記において製造した可溶性フィルムをドッグボーン(dog bone)状の試片として製作した後、5mm/minの速度で引っ張り試験を行って強度を評価した。
【0126】
*前記試験方法のうち、目視で評価した試験の場合、その結果を下記の表1、表2に、満たしていたりパスしたりした場合、そうでない場合、測定不可の場合をそれぞれ○、X、-の記号で印を付けた。
【0127】
【表1】
【0128】
【表2】
【0129】
下記の図5に示すように、重金属試験結果において、鉛、注射用水、離型紙及びコーティング溶液でコーティングされた離型紙(以下、「コーティング離型紙」と称する。)の結果は、それぞれ鉛20ppm水溶液、注射用水、コーティング工程前の離型紙の溶出物及びコーティング離型紙の溶出物の重金属の検出結果であり、本発明に係る離型紙及びコーティング離型紙溶出物質の重金属の検出が比較液よりも濃くない、すなわち、20ppm以下として検出されることにより、本発明に係るコーティングフィルムの溶出物質が安全であるということを確認した。これはまた、大韓民国薬典一般試験法重金属試験法の第1の法により比較液(鉛20ppm)よりも濃くないことを満たしている。
【0130】
また、下記の図6に示すように、細胞毒性試験結果は、ISO 10993-5において提示した陰性対照を基準としてコーティング工程前の離型紙の溶出物及びコーティング離型紙の溶出物の細胞生存率がそれぞれ97.79±0.76%及び96.24±1.09%として測定されて、本発明に係る離型紙及びコーティング離型紙の溶出物質の細胞毒性は、Qualitative morphological grading of cytotoxicity of extracts(ISO 10993-5)表に従ってgrade 0であって、安全性を確認した。
【0131】
上記の表1に示すように、本発明に係るヒアルロン酸系の可溶性フィルムの場合(実施例1~4)、比較例に比べてあらゆる物性に優れた効率よいヒアルロン酸系の可溶性フィルムを連続して製造することができ、離型紙などに安定して粘り付いているため、使用に際して飛び散りなどや予期しない切断などが生じないことから、使い勝手がよく、しかも、経済性に富んでおり、加工後の着脱性と溶解性にも優れているということを確認することができた。
【0132】
上記の表2に示すように、本発明に係るヒアルロン酸系の可溶性フィルムの場合(実施例4~7)、コーティング離型紙を用いてより優れた粘着性及び加工後の着脱性を与えて量産可能であるということを確認した。特に、本発明に係る第2の離型紙付きヒアルロン酸系の可溶性フィルムの場合(実施例4)、卓越した性能のヒアルロン酸系の可溶性フィルムを速やかに製造することができ、粘着性及び着脱性の両方に優れており、しかも、上述したように、第2の離型紙により使い勝手の良さというメリットを提供することができるということを確認することができた。

図1
図2
図3
図4
図5
図6