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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】加湿器
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20230713BHJP
   C02F 1/461 20230101ALI20230713BHJP
【FI】
F24F6/00 C
F24F6/00 D
C02F1/461 Z
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022201839
(22)【出願日】2022-12-19
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】202211409289.3
(32)【優先日】2022-11-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520066924
【氏名又は名称】▲蘇▼州▲貝▼昂智能科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 俊▲義▼
(72)【発明者】
【氏名】路 ▲堯▼▲遠▼
(72)【発明者】
【氏名】向 冰
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ ▲義▼▲剛▼
(72)【発明者】
【氏名】章 ▲海▼芸
【審査官】伊藤 紀史
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第212640180(CN,U)
【文献】特開平08-051973(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1149377(KR,B1)
【文献】中国実用新案第211177222(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0087350(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1515153(KR,B1)
【文献】中国実用新案第205442733(CN,U)
【文献】中国実用新案第213237820(CN,U)
【文献】中国実用新案第215490121(CN,U)
【文献】中国実用新案第216203980(CN,U)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0087970(KR,A)
【文献】中国実用新案第216550752(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第105525658(CN,A)
【文献】中国実用新案第214629715(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 6/00
C02F 1/461
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿器において、水タンク機構と、電解機構と、を備え、
前記水タンク機構内には水室が形成され、前記電解機構は前記水室内に設置され、
前記水タンク機構は、水タンク本体と、絶縁蓋と、を有し、
前記水タンク本体の底壁には、収納部が形成され、
前記絶縁蓋には、複数の第2の穿孔が形成され、
前記電解機構は、前記収納部内に設置され、且つ取付けベースと、第1の電極板と、第2の電極板と、を有し、
前記取付けベースは、前記水タンク機構に接続され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板は、いずれも前記取付けベースに接続され、且つ前記第1の電極板と前記第2の電極板とは、垂直方向に間隔をあけて設置され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板のいずれにも複数の第1の穿孔が形成され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板の通電後に、電解水が形成する気泡が前記第1の穿孔を経由して前記水室に入り、
前記絶縁蓋は、前記電解機構の上端面に係止して設けられ、且つ前記絶縁蓋の上端面は、前記水タンク本体の底壁と面一となることを特徴とする、加湿器。
【請求項2】
前記第1の電極板の前記取付けベースに対向する側に第1の位置決め部材が設けられ、
前記第2の電極板の前記第1の電極板に対向する側に第2の位置決め部材が設けられ、
前記取付けベースは、前記第1の位置決め部材および前記第2の位置決め部材に対応した位置のいずれにも位置決め穴が形成され、
前記第1の位置決め部材の一端が、位置決め穴のうちの1つを通って第1のロック部材に接続され、
前記第2の位置決め部材の一端が、別の前記位置決め穴を通って第2のロック部材に接続され、
前記第1の電極板の軸線と前記第2の電極板の軸線とが、同一線になることを特徴とする、請求項1に記載の加湿器。
【請求項3】
前記第1の電極板と前記第2の電極板との間に、絶縁部材が設置され、
前記絶縁部材は、前記第1の電極板および前記第2の電極板の辺縁に接触し、前記第1の電極板および前記第2の電極板上の前記第1の穿孔を避けるようにして設置されることを特徴とする、請求項1に記載の加湿器。
【請求項4】
締付け部材をさらに備え、
前記収納部の中心の位置に開口部が形成され、
前記取付けベースは、T字形構造で、
前記取付けベースの垂直セグメントは、前記開口部を通って前記締付け部材に接続され、
前記取付けベースの水平セグメントは、前記開口部の辺縁に当接することを特徴とする、請求項1に記載の加湿器。
【請求項5】
前記垂直セグメントに第1のねじ山部が形成され、
前記締付け部材は、環形構造であるとともに、前記締付け部材の内側壁面に第2のねじ山部が形成され、
前記締付け部材と前記取付けベースとがねじ接続されることを特徴とする、請求項4に記載の加湿器。
【請求項6】
密封部材をさらに含み、密封部材をさらに備え、
前記密封部材は、前記垂直セグメントに外嵌され、
前記締付け部材を回すと、前記密封部材を前記水平セグメントと前記開口部辺縁との間に押し付けることができることを特徴とする、請求項5に記載の加湿器。
【請求項7】
前記締付け部材の外側輪郭の断面は、多辺形であり、
前記締付け部材の内側輪郭の断面は、円形であることを特徴とする、請求項4に記載の加湿器。
【請求項8】
前記取付けベース内に仕切り板が形成され、
前記仕切り板によって前記取付けベースが第1の収納室と第2の収納室とに分けられ、
前記第1の収納室内に前記第1の電極板と前記第2の電極板が設置され、
前記位置決め穴は、前記仕切り板を貫通して設置され、
前記第2の収納室内の前記位置決め穴に対応した位置に、注入室が形成され、
前記注入室内には、前記注入室を密封するために絶縁密封材が充填されることを特徴とする、請求項2に記載の加湿器。
【請求項9】
前記第1の収納室内に複数の支持部が設けられ、
前記支持部は、前記第1の収納室の周方向に沿って間隔をあけて設置され、
前記第1の電極板は、前記支持部の上に乗ることを特徴とする、請求項8に記載の加湿器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は日用品技術分野に関し、特に加湿器に関する。
【背景技術】
【0002】
加湿器は、水を急速に蒸発させて、または水を霧化してミストにし空間に発散することにより室内の湿度を高めることができ、暑く乾燥した季節や空間において、流失する水分を一定程度人体に補うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、多くの場合、加湿器に入れる水は普通の水道水であり、水道水には細菌が存在するため、加湿器を長時間使用すると内部に細菌がきわめて繁殖しやすくなり、次の使用時に水の蒸発やミストの形成とともに細菌が室内へ拡散し、人体に一定程度の影響を与える。
【0004】
このため、従来技術に存在する問題を一定程度解決できるような加湿器を提供することが急務となっている。
【0005】
本発明は、従来の加湿器が殺菌消毒機能を有せず加湿器内および加湿過程に細菌が存在しやすく、人体に影響を及ぼしている問題を一定程度解決するための加湿器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供する加湿器は、水タンク機構と、電解機構と、を備え、
前記水タンク機構内には水室が形成され、前記電解機構は前記水室内に設置され、
前記電解機構は、取付けベースと、第1の電極板と、第2の電極板と、を有し、
前記取付けベースは、前記水タンク機構に接続され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板は、いずれも前記取付けベースに接続され、且つ前記第1の電極板と前記第2の電極板とは、垂直方向に間隔をあけて設置され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板のいずれにも複数の第1の穿孔が形成され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板の通電後に、電解水が形成する気泡が前記第1の穿孔を経由して前記水室に入る。
【0007】
また、本発明が提供する加湿器は、前記水タンク機構は、水タンク本体と、絶縁蓋と、を有し、
前記水タンク本体の底壁には、収納部が形成され、
前記電解機構が、前記収納部内に設置され、
前記絶縁蓋には、複数の第2の穿孔が形成され、
前記絶縁蓋は、前記電解機構の上端面に係止して設けられ、且つ前記絶縁蓋の上端面は、前記水タンク本体の底壁と面一となる。
【0008】
また、本発明が提供する加湿器は、前記第1の電極板の前記取付けベースに対向する側に第1の位置決め部材が設けられ、
前記第2の電極板の前記第1の電極板に対向する側に第2の位置決め部材が設けられ、
前記取付けベースは、前記第1の位置決め部材および前記第2の位置決め部材に対応した位置のいずれにも位置決め穴が形成され、
前記第1の位置決め部材の一端が、位置決め穴のうちの1つを通って第1のロック部材に接続され、
前記第2の位置決め部材の一端が、別の前記位置決め穴を通って第2のロック部材に接続され、
前記第1の電極板の軸線と前記第2の電極板の軸線とが、同一線になる。
【0009】
また、本発明が提供する加湿器は、前記第1の電極板と前記第2の電極板との間に、絶縁部材が設置され、
前記絶縁部材は、前記第1の電極板および前記第2の電極板の辺縁に接触し、前記第1の電極板および前記第2の電極板上の前記第1の穿孔を避けるようにして設置される。
【0010】
また、本発明が提供する加湿器は、締付け部材をさらに備え、
前記収納部の中心の位置に開口部が形成され、
前記取付けベースは、T字形構造で、
前記取付けベースの垂直セグメントは、前記開口部を通って前記締付け部材に接続され、
前記取付けベースの水平セグメントは、前記開口部の辺縁に当接する。
【0011】
また、本発明が提供する加湿器は、前記垂直セグメントに第1のねじ山部が形成され、
前記締付け部材は、環形構造であるとともに、前記締付け部材の内側壁面に第2のねじ山部が形成され、
前記締付け部材と前記取付けベースとがねじ接続されるようになっている。
【0012】
また、本発明が提供する加湿器は、密封部材をさらに備え、
前記密封部材は、前記垂直セグメントに外嵌され、
前記締付け部材を回すと、前記密封部材を前記水平セグメントと前記開口部辺縁との間に押し付けることができる。
【0013】
また、本発明が提供する加湿器は、前記締付け部材の外側輪郭の断面が多辺形であり、
前記締付け部材の内側輪郭の断面が円形である。
【0014】
また、本発明が提供する加湿器は、前記取付けベース内に仕切り板が形成され、
前記仕切り板によって前記取付けベースが第1の収納室と第2の収納室とに分けられ、
前記第1の収納室内に前記第1の電極板と前記第2の電極板が設置され、
前記位置決め穴は、前記仕切り板を貫通して設置され、
前記第2の収納室内の前記位置決め穴に対応した位置に、注入室が形成され、
前記注入室内には、前記注入室を密封するために絶縁密封材が充填される。
【0015】
また、本発明が提供する加湿器は、前記第1の収納室内に複数の支持部が設けられ、
前記支持部は、前記第1の収納室の周方向に沿って間隔をあけて設置され、
前記第1の電極板は、前記支持部の上に乗る。
【0016】
従来技術と比べて、本発明が提供する加湿器は、以下の優位性を有する。
【0017】
本発明が提供する加湿器は、水タンク機構と、電解機構と、を備え、
前記水タンク機構内には水室が形成され、前記電解機構は前記水室内に設置され、
前記電解機構は、取付けベースと、第1の電極板と、第2の電極板と、を有し、
前記取付けベースは、前記水タンク機構に接続され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板は、いずれも前記取付けベースに接続され、且つ前記第1の電極板と前記第2の電極板とは、垂直方向に間隔をあけて設置され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板のいずれにも複数の第1の穿孔が形成され、
前記第1の電極板および前記第2の電極板の通電後に、電解水が形成する気泡が前記第1の穿孔を経由して前記水室に入る。
【0018】
ここから分析するとわかるとおり、取付けベースがあることで、第1の電極板と第2の電極板に安定した取付け位置を提供でき、且つ水タンク機構に安定的に接続することができる。
水室に水を入れると、第1の電極板および第2の電極板はいずれも水没するため、電解の際は、第1の電極板および第2の電極板に通電するだけで水の電解が実現できる。
【0019】
電解水は殺菌機能を有し、且つ電解の過程で気泡が生ずる。
このため本願では、第1の電極板および第2の電極板のいずれにも第1の穿孔を形成し、それによって電解水と気泡とを水室に入れることができ、水室内の水を除菌することができる。
また、本願における電解機構が水室内に設置されることによって、水室内の水につき常時一定程度の電解および殺菌ができるため水室内の細菌繁殖が一定程度抑制でき、加湿の過程で加湿器から空気中に放出される細菌も一定程度低減できるため、人体への影響が一定程度低減される。
【0020】
また、本願では、第1の電極板と第2の電極板とが垂直方向に間隔をあけて設置されており、このため、第1の電極板と第2の電極板が使用過程で接触してショートする問題が一定程度回避できる、という点は理解されるべきである。
【0021】
本発明の具体的な実施形態または従来技術における技術案をより明確に説明するため、以下、具体的な実施形態または従来技術を描写するにあたり使用する必要がある図面について簡単に紹介する。
以下の描写における図面は、本発明の実施形態の一部であり、当業者にとって、創造的な労働を伴わずにこれらの図面から他の図面を得ることができることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例が提供する加湿器の局部構造概略図である。
図2】本発明の実施例が提供する加湿器の分解概略図である。
図3】本発明の実施例が提供する加湿器中の電解機構の局部構造概略図である。
図4】本発明の実施例が提供する加湿器中の電解機構の分解概略図である。
図5】本発明の実施例が提供する加湿器中の電解機構の取付けベース底部の概略図である。
【0023】
図中、1-水タンク本体、101-水室、102-収納部、103-開口部、2-取付けベース、201-位置決め穴、202-水平セグメント、203-垂直セグメント、2031-第1のねじ山部、204-第1の収納室、205-第2の収納室、2051-注入室、206-支持部、207-仕切り板、3-第1の電極板、301-第1の位置決め部材、4-第2の電極板、401-第2の位置決め部材、5-絶縁部材、6-第1の穿孔、7-密封部材、8-第1のロック部材、9-締付け部材、901-第2のねじ山部、10-絶縁蓋、1001-第2の穿孔、11-第2のロック部材、である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本願実施例の目的、技術案、および利点をより明確にするために、以下では、本願実施例の技術案につき、本願実施例の図面を参照しつつ明確且つ完全に描写する。
当然のことながら、描写される実施例は本願の一部の実施例にすぎず、すべての実施例ではない。
通常、本願に添付された図面に描写され示される本願実施例の構成要素は、種々の異なる配置で構成され、設計されてもよい。
したがって、図面中で提供される本願実施例についての以下の詳細な説明は、保護を請求する本願の範囲を限定することを目的とするものではなく、本願の選択された実施例であることを示すにすぎない。
当業者が本願の実施例に基づき創造的労働なしに得たその他のあらゆる実施形態は、すべて本願の保護範囲内に属する。
【0025】
本願の実施例の描写において説明が必要なのは、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」などの用語が示す方向または位置関係は、図面が示す方向もしくは位置関係、または本発明の製品の使用時に一般的に配置される方向もしくは位置関係に基づくものであって、本発明の描写の便宜上および描写の簡略化のために用いられるにすぎず、ある装置または部品が特定の方向を有したり、特定の方向で構成・操作されたりしなければならないことを示す、または示唆するものではないため、これらを、本発明を限定するものと解釈することはできないという点である。
また、「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、区別して描写するためだけに使用され、相対的重要性を示す、または示唆するものと解釈することはできない。
【0026】
また、「水平」、「垂直」などの用語は、部材が絶対的な水平または鉛直であることを要求するという意味ではなく、多少の傾きがあってもよい。
例えば「水平」とは、単にその方向が「垂直」と比べれば水平に近いことを指すだけであり、当該構造が完全な水平でなければならないという意味ではなく、多少の傾きがあってもよい。
【0027】
本願実施例の描写において、さらに説明が必要なのは、別途明確な規定や限定がない限り、用語「設置」、「取り付け」、「連通」、「接続」は広義での解釈がなされるべきであるという点である。
例えば、固定接続でも、取外し可能な接続でも、または一体的に接続されていてもよく、機械的接続でも電気的接続でもよく、直接接続でも媒介物のある間接接続でもよく、2つの部品の内部の連通でもよい。
当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記の用語の具体的な意味を理解することができる。
【0028】
本明細書で使用される用語「および/または」は、列挙された関連項目のうちの任意の1つ、任意の2つ、またはより多くの項目の任意の組み合わせを含む。
【0029】
描写を容易にするために、本明細書では「……の上に」、「上部」、「……の下に」、「下部」などの空間的関係をあらわす用語を使用して、図面に示されるある部品と別の部品との関係を描写することができる。
このような空間的関係の用語は、図面に示された方向に加えて、装置が使用または操作されているときの様々な方向が含まれることを意図している。
【0030】
本明細書で使用される用語は、各種の例を描写するためにのみ使用され、本開示を限定するためのものではない。
前後の文で明確に示されていない限り、単数形であっても、複数形を含むことを意図している。
用語「含む」、「包含する」、および「有する」は、記載された特徴、数量、操作、構成部材、部品、および/またはそれらの組み合わせで存在し得るものを列挙するが、1つまたは複数の他の特徴、数量、操作、構成部材、部品、および/またはそれらの組み合わせの存在または追加を除外するものではない。
【0031】
製造技術および/または公差により、図面に示された形状の変化が生じることがある。
したがって、本明細書で描写される例は、図面に示された特定の形状に限定されるものではなく、製造期間に生じる形状の変更を含むものである。
【0032】
本明細書で描写される例の特徴は、本願の開示内容を理解した後に明白となる様々な方法で組み合わされてもよい。
また、本明細書で描写される例は、様々な構造を有するが、他の構造も可能であることは、本願の開示内容を理解すれば明白である。
さらに、各実施例間の技術案は互いに結合されてもよいが、当業者が実現可能であることを前提としなければならない。
技術案の結合で矛盾が生じる場合またはそれが実現不可能な場合、そのような技術案の結合は存在せず、また本願で要求される保護の範囲外であると見なすべきである。
【0033】
図1~4に示すとおり、本発明は、水タンク機構と、電解機構と、を備え、水タンク機構内には水室101が形成され、電解機構は水室101内に設置され、電解機構は取付けベース2と、第1の電極板3と、第2の電極板4とを含み、取付けベース2は水タンク機構に接続され、第1の電極板3および第2の電極板4はいずれも取付けベース2に接続され、且つ第1の電極板3と第2の電極板4とは垂直方向に間隔をあけて設置され、第1の電極板3および第2の電極板4のいずれにも複数の第1の穿孔6が形成されて、第1の電極板3および第2の電極板4の通電後に電解水が形成する気泡が第1の穿孔6を経由して水室101に入る、加湿器を提供する。
【0034】
従来技術と比べて、本発明が提供する加湿器は、以下の優位性を有する。
【0035】
本発明が提供する加湿器は、取付けベース2があることで、第1の電極板3と第2の電極板4に安定した取付け位置を提供でき、且つ水タンク機構に安定的に接続することができる。
水室101に水を入れると、第1の電極板3および第2の電極板4はいずれも水没するため、電解の際は第1の電極板3および第2の電極板4に通電するだけで水の電解が実現できる。
【0036】
電解水は殺菌機能を有し、且つ電解の過程で気泡が生ずる。このため本願では、第1の電極板3および第2の電極板4のいずれにも第1の穿孔6を形成することによって電解水と気泡とを水室101に入れることができ、水室101内の水を除菌することができる。
また、本願における電解機構が水室101内に設置されることによって、水室101内の水につき常時一定程度の電解および殺菌ができるため水室101内の細菌繁殖が一定程度抑制でき、加湿の過程で加湿器から空気中に放出される細菌も一定程度低減できるため人体への影響が一定程度低減される。
【0037】
ここで補足説明が必要なのは、目視可能なミストには細菌が多く、人体に吸入されると健康に影響があることから、本願における加湿器は、加湿過程で目視可能なミストを生成しない蒸発式加湿器とし、水室101内の水を蒸発することによって環境に対する加湿を実現するという点である。
本願が提供する電解機構は、水室101内の水に電解殺菌を行うことができ、このため、加湿器が噴霧式加湿器である場合でも水室101内の水を電解殺菌でき、噴出ミスト中の細菌数が低減され、人体の健康に対する影響が低減されるという点は理解されるべきである。
【0038】
本願では、第1の電極板3と第2の電極板4とが垂直方向に間隔をあけて設置されており、このため、第1の電極板3と第2の電極板4が使用過程で接触してショートする問題が一定程度回避できるという点は理解されるべきである。
【0039】
電解機構が水室101内の水を常時電解できることを保証するため、本願では電解機構が水室101の底部に位置する。
これによって、水位降下で水室101内の水が電解不能になる問題が一定程度回避される。
【0040】
ここで補足説明が必要なのは、本願では水室101内に水位検出器が設置され、水室101内の水位が過度に低くなると信号を発信できるという点である。
理解できるとおり、第1の電極板3と第2の電極板4との通電・遮断の制御および加湿器の起動・停止の制御が可能なコントローラが加湿器内に設置され、水位検出器は、水位が過度に低くなっていることを検出するとコントローラに信号を発信し、コントローラは、
第1の電極板3および第2の電極板4に対する給電を停止すると同時に加湿器を停止する。
これによって、加湿器の空焚きが電気の危険な使い方につながる問題が回避できる。
【0041】
好適には、図1に示すとおり、本願において水タンク機構は水タンク本体1と絶縁蓋10とを含み、水タンク本体1の底壁には収納部102が形成され、電解機構が収納部102内に設置され、絶縁蓋10には複数の第2の穿孔1001が形成され、絶縁蓋10は電解機構の上端面に係止して設けられ、且つ絶縁蓋10の上端面は水タンク本体1の底壁と面一となる。
【0042】
水タンク本体1の底壁に収納部102を形成して電解機構を収納部102内に設置することによって、仮に水室101内の水位が最低位置まで降下しても、電解機構は残った少量の水を電解することができる。
【0043】
前記方案において、第1の電極板3と第2の電極板4とは、垂直方向に間隔をあけて設置され、且つ、本願の実施形態では、上方の電極板が第2の電極板4、下方が第1の電極板3であると定義されるため、電解機構を収納部102内に装着すると、第2の電極板4の第1の電極板3と対向しない側が水室101中に露出する。
【0044】
第2の電極板4に通電する必要があるので、加湿器の使用上の安全を保証するため、図1図2とを結合して示すとおり、本願では第2の電極板4を上から覆うように絶縁蓋10が設置され、取付けベース2とともに支持室を形成して第2の電極板4を支持室の中に密閉することができ、加湿器の使用上の安全度も向上する。
【0045】
本願では、第1の電極板3および第2の電極板4のいずれにも複数の第1の穿孔6が設けられて、電解後の電解水、気泡およびイオンが水室101に入ることが保証できるようになっており、このため、絶縁蓋10が妨げにならないよう、本願における絶縁蓋10には第2の穿孔1001が形成され、これによって水室101内の水が支持室に入り、支持室内で電解された電解水、気泡およびイオンが水室101内に入ることができるという点は理解されるべきである。
【0046】
なお、補足説明が必要なのは、本願において第1の電極板3および第2の電極板4に通すのは直流電であり、これに応じて本願における加湿器は整流器を有し、外部の交流電を直流電に変換して加湿器および電解機構に直接給電できるという点である。
しかも、本願において、第1の電極板3を正極に連結したら第2の電極板4は負極に連結し、極性が逆であることだけを保証すればよい。
【0047】
選択可能な例として、図3図4とを結合して示すとおり、本願では、第1の電極板3の取付けベース2に対向する側に第1の位置決め部材301が設けられ、第2の電極板4の第1の電極板3に対向する側に第2の位置決め部材401が設けられており、取付けベース2は、第1の位置決め部材301および第2の位置決め部材401に対応した位置のいずれにも位置決め穴201が形成され、第1の位置決め部材301の一端が、位置決め穴201のうちの1つを通って第1のロック部材8に接続され、第2の位置決め部材401の一端が、別の位置決め穴201を通って第2のロック部材11に接続されて、第1の電極板3の軸線と第2の電極板4の軸線とが同一線になる。
【0048】
好適には、本願における第1の位置決め部材301および第2の位置決め部材401は、いずれもボルトであり、第1のロック部材8および第2のロック部材11はいずれもナットである。
このようにすることで、ねじ接続によって第1の電極板3および第2の電極板4を取付けベース2に安定的に接続するとともに、ねじの嵌め合いによって第1の電極板3および第2の電極板4を相応の水平高度で保持でき、これによって第1の電極板3と第2の電極板4とを垂直方向に間隔をあけて設置することが実現される。
【0049】
図3図4とを結合して示すとおり、本願において、第1の位置決め部材301は、第1の電極板3の一側に位置し、第2の位置決め部材401は、第2の電極板4の一側に位置し、且つ第1の位置決め部材301の一端は、第1の電極板3に固定接続され、第2の位置決め部材401の一端は、第2の電極板4に固定接続される。
【0050】
本願は、第1の位置決め部材301と第1の電極板3とを互いに垂直に設置し、第2の位置決め部材401と第2の電極板4とを互いに垂直に設置することによって、第1のロック部材8および第2のロック部材11で対応する第1の位置決め部材301および第2の位置決め部材401を締め付けたときに、第1の電極板3と第2の電極板4に反りが生じる問題を一定程度回避することができる。
【0051】
第1の電極板3および第2の電極板4に反りが生じないことを保証するために、本願における第1の電極板3と第1の位置決め部材301、および第2の電極板4と第2の位置決め部材401は、いずれも溶接または一体型構造によって、なおかつ金属材料で製造され、これによって変形が一定程度低減され、第1のロック部材8および第2のロック部材11の締め付けが原因で反りが生じる問題を回避できるという点は理解されるべきである。
【0052】
ここで補足説明が必要なのは、第1の電極板3の軸線と第2の電極板4の軸線とを同一線にすることによって、第1の電極板3上の第1の穿孔6と第2の電極板4上の第1の穿孔6とを1対1対応させることができ、これによって電解水、気泡および除菌イオンが第1の穿孔6をスムーズに通過して水室に入ることができ、第1の電極板3と第2の電極板4が邪魔をして電解除菌効果が低下する問題が回避されるという点である。
【0053】
ここで補足説明が必要なのは、電解水は金属材料を腐食させ、且つ金属は水に長時間浸けることで錆なども生じるため、本願では、第1の電極板3および第2の電極板4のいずれにもルテニウムイリジウムチタン合金材料を用いることが好適であり、さらにルテニウムイリジウムチタン合金の腐食防止のため、本願では、第1の電極板3および第2の電極板4のいずれも、塗装硬化または電気めっきなどの方法で第1の電極板3および第2の電極板4に防錆防食コーティングを施すことができ、好適には本願におけるコーティングはIrO+Taであり、これによって第1の電極板3と第2の電極板4の電解効果および使用寿命を一定程度保証できるという点である。
【0054】
選択可能な例として、図4に示すとおり、本願において第1の電極板3と第2の電極板4との間に絶縁部材5が設置され、絶縁部材5は第1の電極板3および第2の電極板4の辺縁に接触し、第1の電極板3および第2の電極板4上の第1の穿孔6を避けるようにして設置される。
【0055】
図4に示すとおり、好適には、本願における絶縁部材5は、環形構造であり、第1の電極板3と第2の電極板4と間に敷設される。
電解効率を保証するためには、第1の電極板3と第2の電極板4との間隔に応じて入力電圧を設定する必要があり、このため本願では、絶縁部材5を敷設することで第1の電極板3および第2の電極板4の各位置における間隔を一定にでき、相応の必要電圧を入力することで最適な電解効率を実現できる。
【0056】
ここで補足説明が必要なのは、好適には、本願は絶縁部材5のサイズと電圧とを対応させる実施形態を提供する。
つまり、本願では、絶縁部材5の厚さが1mmであり、第1の電極板3と第2の電極板4の間の電圧差が24Vであり、電流が300mAであるという点である。
これ以外に、絶縁部材5の具体的な厚さ寸法に応じた電圧差および電流を選択し、最適な電解効率を実現してもよい。
【0057】
ここで、図1図4とを結合して示すとおり、本発明が提供する加湿器は、締付け部材9をさらに備え、収納部102の中心の位置に開口部103が形成され、取付けベース2はT字形構造で、取付けベース2の垂直セグメント203は開口部103を通って締付け部材9に接続され、取付けベース2の水平セグメント202は開口部103の辺縁に当接する。
【0058】
本願は、収納部102の中心の位置に開口部103を形成することによって、T字形構造の取付けベース2の垂直セグメント203の一端が開口部103を通り、水平セグメント202が開口部103の辺縁と重なるようにでき、これにより取付けベース2と水タンク本体との間の安定的接続が実現でき、電解機構全体がぐらつく問題が回避される。
【0059】
また、本願において垂直セグメント203の水平セグメント202から離隔した一端は、開口部103を通過でき、このため締付け部材9に接続可能であり、締付け部材9によって水平セグメント202を開口部103の辺縁に押し付けることができる。
これによって、取付けベース2と水タンク本体1との接続の緊密度が向上でき、電解機構と水タンク機構との間の接続安定性が向上する。
【0060】
好適には、図4に示すとおり、本願における垂直セグメント203に第1のねじ山部2031が形成され、締付け部材9は、環形構造であるとともに締付け部材9の内側壁面に第2のねじ山部901が形成されて、締付け部材9と取付けベース2とがねじ接続されるようになっている。
【0061】
第1のねじ山部2031と第2のねじ山部901とのねじ接続によって、締付け部材9と取付けベース2との間の接続安定性が保証できる一方で、締付け部材9を回すことで取付けベース2を水タンク本体1に対して移動させることができる。
これによって、水平セグメント202を開口部103の辺縁に緊密に当接させることができ、取付けベース2と水タンク本体1との間の接続安定性がさらに高まる。
【0062】
さらに好適には、図4に示すとおり、本願における締付け部材9の外側輪郭の断面は多辺形であり、締付け部材9の内側輪郭の断面は円形である。
本願では、締付け部材9を回して取付けベース2への締め付けを実現する必要があるため、締付け部材9の外側輪郭を多角形にすることで、操作者が直接または相応の工具を用いて回すのに便利になり、締付け部材9を素早くねじり回すことが実現される。
【0063】
ここで補足説明が必要なのは、本願において締付け部材9の外側輪郭の断面を正六角形にすると、ねじり回す過程で締付け部材9全体の受力が均一になり、締付け部材9の使用寿命が保証されるという点である。
【0064】
選択可能な例として、図2図4とを結合して示すとおり、本発明が提供する加湿器は、密封部材7をさらに備え、密封部材7は垂直セグメント203に外嵌され、締付け部材9を回すと密封部材7を水平セグメント202と開口部103の辺縁との間に押し付けることができる。
【0065】
垂直セグメント203に外嵌された密封部材7があることで、締付け部材9を回したとき、水平セグメント202を開口部103の辺縁に近づく方向へ移動させることができ、密封部材7は、水平セグメント202と開口部103の辺縁との間に位置するため、締付け部材9を回し続けると、密封部材7を水平セグメント202と開口部103の辺縁との間に徐々に押し付けることができる。
【0066】
大部分の加湿器では、コントローラおよび回路構造は、いずれも装置全体の底部に設置されるので、密封部材7を設置することによって、水室内の水が取付けベース2の水平セグメント202と垂直セグメント203との間を通って加湿器のコントローラおよび回路構造などの部品を取付けるための空間に流入することを一定程度回避でき、装置および電気使用の安全度が向上する。
【0067】
選択可能な例として、図3図5とを結合して示すとおり、本願では、取付けベース2内に仕切り板207が形成され、仕切り板207によって取付けベース2が第1の収納室204と第2の収納室205とに分けられ、第1の収納室204内に第1の電極板3と第2の電極板4が設置され、位置決め穴201は仕切り板207を貫通して設置され、第2の収納室205内の位置決め穴201に対応した位置に注入室2051が形成され、注入室2051内には、注入室2051を密封するために絶縁密封材が充填される。
【0068】
装置全体の密封度を保証するために、本願では、取付けベース2内に、径方向に仕切り板207を配置し、仕切り板207によって取付けベース2を第1の収納室204と第2の収納室205とに分けるとともに、第1の収納室204と第2の収納室205との間を位置決め穴201のみによって連通させ、第1の収納室204を第1の電極板3、第2の電極板4および上述の絶縁部材5の構造を収納するのに用いる。
また、使用過程において水室101内の水は絶縁蓋10と第2の電極板4および第1の電極板3とにある第2の穿孔1001と第1の穿孔6とを通り第1の収納室204に入って電解されるので、水が位置決め穴201から第2の収納室205に進入して加湿器底部に配置された電気制御ユニットに影響を及ぼすことを回避するために、本願は、第2の収納室205の位置決め穴201に対応する位置に注入室2051を形成し注入室2051に絶縁密封材を充填することで位置決め穴201およびこれに対応する第1の位置決め部材301、第1のロック部材8、第2の位置決め部材401および第2のロック部材11を密封している。
これによって、電流が他の部位に侵入することによる電気使用の安全リスクを回避できるだけでなく、第1の収納室204内の水が第2の収納室205に入ることも回避でき、加湿器全体の電気使用の安全度がさらに向上する。
【0069】
本願において、第1の電極板3および第2の電極板4は、いずれも通電する必要があるため、本願における送電線は、注入室2051を通過して対応する第1の位置決め部材301および第2の位置決め部材401にそれぞれ接続している。
これによって、密封度が保証されると同時に、電解機構の正常動作が保証されるという点は理解されるべきである。
【0070】
好適には、図4に示すとおり、本願において第1の収納室204内に複数の支持部206が設けられ、支持部206は第1の収納室204の周方向に沿って間隔をあけて設置され、第1の電極板3は支持部206の上に乗る。
【0071】
第1の収納室204の周方向に沿って間隔をあけて設置される複数の支持部206があることで、第1の電極板3が支持部206上で安定し、図4に示すとおり、本願における支持部206は、階段状構造であるため、複数の支持部206により形成された支持空間に第1の電極板3を嵌設すると、径方向における第1の電極板3のぐらつき問題が回避される。
【0072】
以上は、本発明の好適な実施例にすぎず、本発明を限定するものではない。
本発明の趣旨および原則内で行われたあらゆる修正、等価の置換、改良などはすべて本発明の保護範囲に含まれるべきである。

【要約】
【課題】本発明が提供する加湿器は、日用品技術分野に関し、従来の加湿器が殺菌消毒機能を有せず加湿器内および加湿過程に細菌が存在しやすく、人体に影響を及ぼしている問題を一定程度解決する。
【解決手段】本発明が提供する加湿器は、水タンク機構と、電解機構と、を備え、水タンク機構内には水室が形成され、電解機構は水室内に設置され、電解機構は、取付けベースと、第1の電極板と、第2の電極板と、を有し、取付けベースは、水タンク機構に接続され、第1の電極板および第2の電極板は、いずれも取付けベースに接続され、且つ第1の電極板と第2の電極板とは垂直方向に間隔をあけて設置され、第1の電極板および第2の電極板のいずれにも複数の第1の穿孔が形成され、第1の電極板および第2の電極板の通電後に、電解水が形成する気泡が第1の穿孔を経由して水室に入る。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5