(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】部品倉庫
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20230713BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20230713BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
H05K13/02 Z
G05B19/418 Z
B65G1/00 535
(21)【出願番号】P 2022507033
(86)(22)【出願日】2020-03-10
(86)【国際出願番号】 JP2020010192
(87)【国際公開番号】W WO2021181504
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-06-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000604
【氏名又は名称】弁理士法人 共立特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川口 将宜
(72)【発明者】
【氏名】田中 克明
(72)【発明者】
【氏名】大木 秀晃
(72)【発明者】
【氏名】松本 聖誠
【審査官】内田 茉李
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-507558(JP,A)
【文献】国際公開第2019/142336(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
G05B 19/418
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
倉庫筐体と、
前記倉庫筐体に設けられ、複数の部品を収容するキャリアテープが巻回されたリール、および複数の前記リールを収納可能なキャリアケースを入出庫する入出庫口と、
前記倉庫筐体の内部に設けられ、前記リールおよび前記キャリアケースを保管する複数の保管位置をもつ保管部と、
前記入出庫口と前記保管位置との間で、前記リールおよび前記キャリアケースを搬送する搬送操作部と、
前記倉庫筐体の内部で、複数の前記リールを前記キャリアケースに収納する収納操作部と、を備え
、
前記倉庫筐体は、垂直な軸線をもつ回転対称形状であり、
前記保管部は、周方向に複数、かつ高さ方向に複数の前記保管位置をもち、
前記搬送操作部および前記収納操作部は、前記リールおよび前記キャリアケースを保持しつつ前記倉庫筐体の内部を移動する保持移動部によって兼用され、
前記保持移動部は、前記軸線に沿って昇降するとともに前記軸線の周りに回動する昇降回動部と、前記昇降回動部に径方向に移動可能または伸縮可能に設けられて前記リールおよび前記キャリアケースを把持および開放する把持部とを有する、
部品倉庫。
【請求項2】
前記リールを使用して前記部品の基板への装着作業を実施する部品装着機、または複数の前記部品装着機が並設された部品装着ラインで、前記装着作業の進捗に伴って必要となる複数の前記リールを前記キャリアケースに収納させるように前記収納操作部を制御する収納制御部をさらに備える、請求項1に記載の部品倉庫。
【請求項3】
前記収納制御部は、必要となる前記リールの順番に基づいて、複数の前記リールを前記キャリアケースにまとめて収納させる、請求項2に記載の部品倉庫。
【請求項4】
前記収納制御部は、必要となる前記リールを使用する前記部品装着機の配設位置に基づいて、複数の前記リールを前記キャリアケースにまとめて収納させる、請求項2に記載の部品倉庫。
【請求項5】
前記リールを使用して前記部品の基板への装着作業を実施する部品装着機の複数が並設された部品装着ラインで、前記基板の種類を変更するときに前記部品装着機の各々で必要となる複数の前記リールを同じ前記キャリアケースにまとめて収納させるように前記収納操作部を制御する収納制御部をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の部品倉庫。
【請求項6】
出庫予定が早い前記キャリアケースほど前記入出庫口に近い前記保管位置に保管するように前記搬送操作部を制御する保管位置制御部をさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の部品倉庫。
【請求項7】
倉庫筐体と、
前記倉庫筐体に設けられ、複数の部品を収容するキャリアテープが巻回されたリール、および複数の前記リールを収納可能なキャリアケースを入出庫する入出庫口と、
前記倉庫筐体の内部に設けられ、前記リールおよび前記キャリアケースを保管する複数の保管位置をもつ保管部と、
前記入出庫口と前記保管位置との間で、前記リールおよび前記キャリアケースを搬送する搬送操作部と、
前記倉庫筐体の内部で、複数の前記リールを前記キャリアケースに収納する収納操作部と、
前記リールを使用して前記部品の基板への装着作業を実施する部品装着機で前記基板の種類を変更するときに必要となる複数の前記リールを同じ前記キャリアケースにまとめて収納させるように前記収納操作部を制御する収納制御部と、を備え、
前記搬送操作部は、前記部品装着機で前記基板の種類を変更する場合に前記キャリアケースを出庫し、他の前記リールと必要時期がずれている前記リールまたは緊急に必要になった前記リールを単独で出庫させる、
部品倉庫。
【請求項8】
倉庫筐体と、
前記倉庫筐体に設けられ、複数の部品を収容するキャリアテープが巻回されたリール、および複数の前記リールを収納可能なキャリアケースを入出庫する入出庫口と、
前記倉庫筐体の内部に設けられ、前記リールおよび前記キャリアケースを保管する複数の保管位置をもつ保管部と、
前記入出庫口と前記保管位置との間で、前記リールおよび前記キャリアケースを搬送する搬送操作部と、
前記倉庫筐体の内部で、複数の前記リールを前記キャリアケースに収納する収納操作部と、
前記リールを使用して前記部品の基板への装着作業を実施する部品装着機で前記基板の種類を変更する場合に、必要となる複数の前記リールを同じ前記キャリアケースにまとめて収納させるように前記収納操作部を制御し、さらに当該の前記キャリアケースを出庫させるように前記搬送操作部を制御し、かつ、他の前記リールと必要時期がずれている前記リールまたは緊急に必要になった前記リールを単独で出庫させるように前記搬送操作部を制御する倉庫制御部と、
を備える部品倉庫。
【請求項9】
前記倉庫筐体は、垂直な軸線をもつ回転対称形状であり、
前記保管部は、周方向に複数、かつ高さ方向に複数の前記保管位置をもち、
前記入出庫口は、前記倉庫筐体の中間高さに配置される、
請求項1~8のいずれか一項に記載の部品倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、複数の部品を収容するキャリアテープが巻回されたリールを保管する部品倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント配線が施された基板に対基板作業を実施して、基板製品を量産する技術が普及している。さらに、対基板作業として部品の装着作業を実施する部品装着機を複数台並べて、部品装着ラインを構成することが一般的になっている。多くの部品装着機は、複数の部品を収容するキャリアテープを用いて部品を供給する。このキャリアテープは、リールに巻回された状態で調達され、部品倉庫に保管される。そして、装着作業の進捗状況や、基板の種類を変更するときの段取り替え作業に対応して、部品倉庫からリールが出庫される。この種の部品倉庫に関連する技術例が、特許文献1、2に開示されている。
【0003】
特許文献1は、出庫予定に基づいて、入出庫の空き時間を利用し、出庫予定の日時がより早い物品を出庫ステーションにより近い棚に移動する自動倉庫管理装置を開示している。これによれば、出庫要求から出庫完了までの時間を短縮することができる、とされている。
【0004】
また、特許文献2は、自動倉庫の棚を出庫ステーションに近接した短期ゾーンと、出庫ステーションから離れた中長期ゾーンとに区分けし、1日分の出庫予定数を安全在庫数として、夜間や昼休み等の指定時間帯に中長期ゾーンから短期ゾーンへ保管物品を移動させる自動倉庫を開示している。これによれば、安全在庫数からの不足分が負荷の少ない時間帯に短期ゾーンに補充されるので、出庫までの待ち時間を短縮できる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平6-239422号公報
【文献】特開2000-255719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1および特許文献2の技術例では、個々の物品の出庫に要する時間を短縮できる点は好ましい。しかしながら、部品倉庫において、個々のリールがばらばらに出庫されると出庫動作が頻繁になるため、作業者の対応も頻繁になって煩わしい。さらに、出庫の都度、リールを取り出して部品装着機や部品装着ラインまで搬送する手間が発生する。なお、リールは、部品装着機に直接的に搬送されるとは限らず、段取り作業エリアに搬送されてフィーダ装置に装填される場合もある。
【0007】
本明細書では、リールの出庫動作およびその後の搬送作業を効率化できる部品倉庫を提供することを解決すべき課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書は、倉庫筐体と、前記倉庫筐体に設けられ、複数の部品を収容するキャリアテープが巻回されたリール、および複数の前記リールを収納可能なキャリアケースを入出庫する入出庫口と、前記倉庫筐体の内部に設けられ、前記リールおよび前記キャリアケースを保管する複数の保管位置をもつ保管部と、前記入出庫口と前記保管位置との間で、前記リールおよび前記キャリアケースを搬送する搬送操作部と、前記倉庫筐体の内部で、複数の前記リールを前記キャリアケースに収納する収納操作部と、を備える部品倉庫を開示する。
【発明の効果】
【0009】
本明細書で開示する部品倉庫では、部品倉庫の内部で、複数のリールをキャリアケースに収納することができる。したがって、キャリアケースを出庫することにより複数のリールを同時に出庫でき、出庫動作を効率化することができる。さらに、キャリアケースを後工程の実施箇所に搬送することにより複数のリールを同時に搬送できるので、搬送作業を効率化することができる。加えて、リールをすばやく供給できるので、基板製品の生産効率の向上に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第1実施形態の部品倉庫を模式的に示す側面断面図である。
【
図3】
図1のIII-III断面を上から見た部品倉庫の下段の平面断面図である。
【
図5】部品倉庫の制御の構成を示すブロック図である。
【
図6】入出庫口にリールが搬入された状況を模式的に示す側面図である。
【
図7】リール識別ラベルを制作した状況を模式的に示す側面図である。
【
図8】把持部がリールに接近した状況を模式的に示す側面図である。
【
図9】把持部がリールを把持する動作を模式的に説明する側面図である。
【
図10】ラベル制作貼付機にリールを接近させた状況を模式的に示す側面図である。
【
図11】リール識別ラベルをリールに貼付する動作を模式的に説明する側面図である。
【
図12】入出庫口からリールを搬出する動作を模式的に示す側面図である。
【
図13】軸線から入出庫口およびケース保管庫を見た図であって、入出庫口に近い保管位置(保管棚)を模式的に説明する図である。
【
図16】第2実施形態の部品倉庫を模式的に示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1.第1実施形態の部品倉庫1の装置構成
第1実施形態の部品倉庫1の装置構成について、
図1~
図4を参考にして説明する。部品倉庫1は、複数の部品を収容するキャリアテープが巻回されたリール81、および複数のリール81を収納可能なキャリアケース85を入庫し、保管し、出庫する。リール81は、1台の部品装着機または複数台の第1~第4部品装着機(91~94)が並ぶ部品装着ライン9で使用される(
図5参照)。
【0012】
リール81は、
図2および
図3に示されるように、円板形状であり、その中心に貫通孔82をもつ。リール81は、調達された時点で、部品種ラベル83が貼付されている。部品種ラベル83は、例えば、キャリアテープに収容されている部品の種類や特性、使用期限、キャリアテープの幅寸法やリール81の大きさ、製造ロット番号などを表す。部品種ラベル83は、部品サプライヤによって制作され、貼付される。部品種ラベル83として、バーコードや二次元コード、数字列などが用いられる。
【0013】
基板製品の製造メーカは、調達したリール81に対し後からリール識別ラベル84を貼付して管理を行う。リール識別ラベル84は、リール81の個体を特定するものである。リール識別ラベル84は、製造メーカが所望する付帯情報と対応付けられてもよい。付帯情報として、部品種ラベル83がもつ情報を例示できる。これによれば、以降の諸動作や諸作業で、リール識別ラベル84を読み取れば、部品種ラベル83をその都度読み取ることが不要になる。
【0014】
キャリアケース85は、
図3および
図4に示されるように、上方に開口する箱型形状に形成される。キャリアケース85の深さは、収納すべきリール81の個数に合わせて適宜設定される。キャリアケース85の中央には、上下方向に延びる軸棒86が設けられる。軸棒86は、複数のリール81の貫通孔82に係入する。これにより、キャリアケース85は、複数のリール81を上下に重ねて収納する。キャリアケース85の上縁の鍔部にケース識別ラベル87が貼付されている。ケース識別ラベル87は、キャリアケース85の個体を識別するものである。なお、キャリアケース85は、上記と相違する形状でもよく、例えば、上方に開口する円筒形状で軸棒86が省略されてもよい。
【0015】
部品倉庫1は、倉庫筐体2、入出庫口3、リール保管部4R、ケース保管部4C、保持移動部5、および倉庫制御部7(
図5参照)などで構成される。倉庫筐体2は、垂直な軸線AXをもつ回転対称形状に形成される。本第1実施形態において、
図1~
図3に示されるように、倉庫筐体2は、縦型の円筒状に形成される。倉庫筐体2の内部は、上段、中段、および下段からなる三段構成になっている。
【0016】
倉庫筐体2の上段の周方向に並んで、7個のリール保管部4Rが設けられる。倉庫筐体2の中段の周方向に並んで、入出庫口3および6個のリール保管部4Rが設けられる。倉庫筐体2の下段の周方向に並んで、4個のリール保管部4Rおよび3個のケース保管部4Cが設けられる。3個のケース保管部4Cの位置は、入出庫口3の真下、およびその左右両側とされている。したがって、合計で17個のリール保管部4Rと、3個のケース保管部4Cが設けられる。なお、各保管部(4R、4C)の個数は、上記以外であってもよい。さらに、倉庫筐体2の内部の保管部(4R、4C)の配置や構造は、様々に変形可能である。
【0017】
入出庫口3は、倉庫筐体2の前面の中間高さに配置される。入出庫口3は、リール81やキャリアケース85の搬入および搬出を行う箇所である。入出庫口3が中間高さに位置することにより、全部の保管棚42への搬送距離の平均値が最小化される。したがって、入庫所要時間の平均値や、出庫所要時間の平均値も最小化される。なお、倉庫筐体2の前面の中間高さに入庫口を配置し、倉庫筐体2の後面の中間高さに出庫口を別に配置してもよい。入出庫口3は、開口部31、置き台32、カメラ34、およびラベル制作貼付機35などで構成される。
【0018】
開口部31は、倉庫筐体2の前面の中間高さの位置に、横長の矩形に形成される。開口部31の下縁の奥に、置き台32が設けられる。置き台32は、左右に離隔した2枚の板材を含んで構成される。2枚の板材は、開口部31に近い手前側が低く、奥側が高くなるように若干の傾斜角度をつけて配置される。2枚の板材の間には、後述する把持部56の下アーム562が進入可能となっている。置き台32の手前の上部に、左右方向に延びる位置決め部材33が設けられる。位置決め部材33は、置き台32に載置されるリール81やキャリアケース85の載置位置を安定化する。
【0019】
カメラ34は、開口部31の上縁の奥に配置され、下向きで撮像を行う。カメラ34は、照明用の光源をもち、撮像対象物に合わせて撮像条件を自動調整する機能を有する。カメラ34は、置き台32上のリール81を撮像して、部品種ラベル83およびリール識別ラベル84を読み取る。また、カメラ34は、置き台32上のキャリアケース85を撮像して、ケース識別ラベル87を読み取る。さらに、カメラ34は、リール81やキャリアケース85の複数種類の大きさを判別したり、載置された位置および向きを確認したりする機能を有してもよい。
【0020】
ラベル制作貼付機35は、開口部31の上縁のカメラ34よりもさらに奥に配置される。ラベル制作貼付機35は、指令にしたがってリール識別ラベル84を制作する。ラベル制作貼付機35は、さらに、制作したリール識別ラベル84を下側の貼付実施位置に移動させ、下方に位置するリール81に貼付する。
【0021】
17個のリール保管部4Rの内部構成は、概ね同じである。リール保管部4Rの各々は、保管容器41および5個の保管棚42で構成される。保管容器41は、軸線AXに向かって横向きに開口する箱形状に形成される。5個の保管棚42は、保管容器41の内部で上下方向に等間隔に配置される。保管棚42は、置き台32と同様に左右に分離した2枚の板材からなり、置き台32と同じ傾斜角度をもつ。保管棚42は、リール81を保管する保管位置の一形態である。保管棚42および置き台32が傾斜角度をもつことにより、振動などの影響によるリール81の滑落が防止されている。
【0022】
部品倉庫1は、17個のリール保管部4Rの合計85個の保管棚42に、それぞれリール81を保管する。実際の部品倉庫は、さらに多数のリール81を保管可能である。保管棚42の各々は、識別番号が付与されて管理される。識別番号は、例えば、保管容器41を特定する番号と、保管棚42の配置高さを表す番号の組み合わせにより付番される。
【0023】
3個のケース保管部4Cの内部構成は、概ね同じである。ケース保管部4Cの各々は、リール保管部4Rと同じ形状の保管容器41および2個の保管棚42で構成される。2個の保管棚42の高さ位置は、リール保管部4Rの一番下および下から三番目の保管棚42に相当する。したがって、保管棚42の上下方向の離間距離が大きくなり、保管棚42は、高さのあるキャリケース85を保管することができる。3個のケース保管部4Cには、最大で6個のキャリアケース85が保管される。保管棚42の各々は、リール保管部4Rと同様、識別番号が付与されて管理される。
【0024】
なお、保管棚42は、保管容器41に対して着脱可能となっている。保管棚42の着脱作業は、倉庫筐体2に設けられた開閉可能なハンドホール(図略)を介して行われる。したがって、リール保管部4Rをケース保管部4Cに変更したり、逆に変更したりできる。さらに、保管容器41の単位で、位置を移動したり、予備品と交換したりすることができる。
【0025】
保持移動部5は、リール81やキャリアケース85を保持しつつ、倉庫筐体2の内部を移動する。保持移動部5は、搬送操作部および収納操作部を兼ねる。搬送操作部は、入出庫口3と保管部(4R、4C)の保管棚42との間で、リール81およびキャリアケース85を搬送するものである。収納操作部は、倉庫筐体2の内部で、複数のリール81をキャリアケース85に収納するものである。
【0026】
保持移動部5は、2本の昇降軸51、軸受け部52、回転駆動部53、昇降回動部54、昇降駆動部55(
図5参照)、および把持部56などで構成される。2本の昇降軸51は、上下方向に延在し、軸線AXを挟んで対称に配置される。
図1において、2本の昇降軸51は、紙面表裏方向に重なっており、1本だけが表示されている。
【0027】
軸受け部52は、倉庫筐体2の底板21の上に配置される。軸受け部52は、2本の昇降軸51の下端を支持しており、かつ、2本の昇降軸51が軸線AXの周りに公転することを許容する。回転駆動部53は、倉庫筐体2の天板22の下に配置される。回転駆動部53は、2本の昇降軸51の上端を支持しており、かつ、2本の昇降軸51を軸線AXの周りに公転駆動する。
【0028】
昇降回動部54は、倉庫筐体2の中央の保管部(4R、4C)が存在しない領域に配置され、2本の昇降軸51に跨って取り付けられる。2本の昇降軸51の公転に伴い、昇降回動部54は、軸線AXの周りに自転する。また、昇降回動部54には、昇降駆動部55が付属されている。昇降回動部54は、昇降駆動部55に駆動され、2本の昇降軸51を伝って昇降する。昇降回動部54は、前後方向(
図1では左右の方向)に長く形成され、かつ、置き台32および保管棚42と同じ傾斜角度をもつ。
【0029】
把持部56は、昇降回動部54に径方向に移動可能に設けられる。把持部56は、把持本体部561、下アーム562、上アーム563、および把持駆動部564で構成される。把持本体部561は、昇降回動部54の上面を前後に移動可能である。これにより、把持部56の全体は、軸線AXを中心とする径方向の前後に移動する。下アーム562は、把持本体部561の下部に取り付けられており、前方に延在する。上アーム563は、把持本体部561の下アーム562よりも高い位置に取り付けられており、前方に延在する。上アーム563は、把持本体部561に対して昇降可能とされている。上アーム563の長さは、下アーム562よりも短い。下アーム562および上アーム563は、置き台32および保管棚42と同じ傾斜角度をもち、互いに平行する。
【0030】
図1に示されるように、把持本体部561が昇降回動部54の後端に位置するとき、下アーム562の先端は、昇降回動部54から突出しない。したがって、下アーム562は、昇降回動部54の自転動作および昇降動作を妨げない。把持本体部561が昇降回動部54の前方に移動するとき、下アーム562は、昇降回動部54から突出して、置き台32や保管棚42を構成する2枚の板材の間に進入する。
【0031】
把持駆動部564は、把持本体部561の上部に設けられる。把持駆動部564は、上アーム563を昇降駆動する。これにより、下アーム562と上アーム563の上下方向の離間距離が変化する。したがって、下アーム562および上アーム563は、置き台32や保管棚42に載置されたリール81やキャリアケース85を上下から挟んで把持でき、また開放することができる。なお、把持本体部561が移動せず、下アーム562および上アーム563が前後方向に伸縮する構成を採用することも可能である。
【0032】
2.部品倉庫1の制御に関する構成
次に、部品倉庫1の制御に関する構成について説明する。
図5に示されるように、部品倉庫1は、倉庫制御部7を備える。また、
図2に示されるように、倉庫筐体2の前面の入出庫口3の上側に、操作表示パネル79が設けられる。操作表示パネル79は、作業者が操作する操作部、および作業者に向けて情報を表示する表示部を備える。操作表示パネル79は、作業者と倉庫制御部7の間で情報交換を行うマンマシンインターフェースとして機能する。
【0033】
倉庫制御部7は、CPUや記憶部などを有してソフトウェアで動作するコンピュータ装置である。倉庫制御部7は、カメラ34およびラベル制作貼付機35を制御する。さらに、倉庫制御部7は、保持移動部5の回転駆動部53、昇降駆動部55、把持本体部561、および把持駆動部564を制御する。さらに、倉庫制御部7は、部品倉庫1の動作を総合的に制御する三つの制御機能部、すなわち、搬送制御部71、収納制御部72、および保管位置制御部73を備える。
【0034】
倉庫制御部7は、ライン制御部99に通信接続される。ライン制御部99は、部品装着ライン9を構成する第1~第4部品装着機(91~94)にそれぞれ通信接続される。部品装着ライン9は、基板に部品を装着して基板製品を量産する生産ラインの一部となっている。ライン制御部99は、第1~第4部品装着機(91~94)の装着作業の進捗を管理する。また、ライン制御部99は、生産する基板製品の種類、および元になる基板の種類の変更を管理する。
【0035】
搬送制御部71は、保持移動部5を制御して、入庫動作および出庫動作を実施させる。詳述すると、搬送制御部71は、まず、入出庫口3にリール81やキャリアケース85が搬入されたことを認識する。リール81やキャリアケース85の存在は、カメラ34の定期的な撮像動作によって自動認識され、または、作業者の操作表示パネル79への入力操作により認識される。
【0036】
搬送制御部71は、次に、保管棚42の識別番号を指定し、保持移動部5に対して搬送および保管を行うように指令する(入庫動作の指令)。保管棚42の識別番号の指定は、搬送制御部71が自律的に行い、または、作業者の操作表示パネル79への入力操作にしたがう。搬送制御部71は、三番目に、保管されたリール81のリール識別ラベル84またはキャリアケース85のケース識別ラベル87と、保管棚42の識別番号とを対応付けて記憶する。
【0037】
また、搬送制御部71は、ライン制御部99からの要求や、操作表示パネル79に入力操作された要求を受け付ける。搬送制御部71は、要求に応じて、必要となるリール81のリール識別ラベル84またはキャリアケース85のケース識別ラベル87を特定し、さらに保管棚42の識別番号を特定する。搬送制御部71は、次に、保管棚42の識別番号を指定し、保持移動部5に対してリール81またはキャリアケース85を入出庫口3へ搬送するように指令する(出庫動作の指令)。収納制御部72および保管位置制御部73の制御機能については、後で説明する。
【0038】
3.部品倉庫1の入庫動作の詳細
次に、部品倉庫1の入庫動作の詳細について、リール81を入庫する場合の
図6~
図12の時系列的な状況および動作を参考にして説明する。なお、入庫動作の前に、昇降回動部54は、入出庫口3に対向する位置まで駆動され、把持本体部561は昇降回動部54の後端に位置し、上アーム563は上昇駆動されて下アーム562との離間距離が拡げられている。
【0039】
入庫動作の始めに、
図6に示されるように、リール81が搬入されて置き台32に載置される。リール81の載置は、作業者によって行われる。または、リール81の載置は、搬送ロボットによって自動で行われてもよい。次に、カメラ34は、撮像動作を行い(
図6の符号TP参照)、リール81に貼付された部品種ラベル83およびリール識別ラベル84を読み取る。ここで、リール識別ラベル84が既に貼付されているリール81は、使いかけである。
【0040】
一方、リール識別ラベル84が貼付されていないリール81は、新品である。倉庫制御部7は、新品のリール81に識別コードを設定するとともに、識別コードに相当するリール識別ラベル84の制作をラベル制作貼付機35に指令する。倉庫制御部7は、さらに、新品のリール81の部品種ラベル83と、リール識別ラベル84とを対応付けて記憶する。指令を受けたラベル制作貼付機35は、リール識別ラベル84を作成して、下側の貼付実施位置に移動させる。これで、
図7の状況となる。
【0041】
次に、搬送制御部71は、
図8の矢印M1に示されるように、把持部56を前進させて、下アーム562をリール81の下側に進入させ、上アーム563をリール81の上方に進入させる。次に、搬送制御部71は、
図9の矢印M2に示されるように昇降回動部54を上昇させつつ、矢印M3に示されるように上アーム563を下降させる。これにより、下アーム562および上アーム563は、リール81を把持する。
【0042】
次に、搬送制御部71は、
図10の矢印M4に示されるように、昇降回動部54を上昇させつつ、把持部56を後退させる。これにより、リール81は、ラベル制作貼付機35に接近してゆき、貼付実施位置の真下の至近位置に移動する。次に、倉庫制御部7は、リール識別ラベル84の貼付をラベル制作貼付機35に指令する。指令を受けたラベル制作貼付機35は、
図11の矢印M5に示されるように、リール識別ラベル84をリール81に貼付する。なお、リール識別ラベル84の貼付位置は、部品種ラベル83の隣接位置でなくてもよい。
【0043】
次に、搬送制御部71は、
図12の矢印M6に示されるように、把持部56をさらに後退させる。これにより、昇降回動部54は、入出庫口3からリール81を搬出する。なお、搬送制御部71は、使いかけのリール81に対して、
図9の状況から
図10および
図11を経由せず、直接的に
図12の状況に移行するように保持移動部5を制御する。
【0044】
この後、搬送制御部71は、識別番号が指定された保管棚42に対向する位置まで昇降回動部54を駆動させ、把持部56を前進させる。これにより、リール81は、保管棚42に到達する。搬送制御部71は、下アーム562および上アーム563の離間距離を拡げさせ、リール81を保管棚42に載置させ、保管させる。これにより、リール81の入庫動作が終了する。
【0045】
リール81の出庫動作では、保管棚42でリール81が把持され、入出庫口3でリール81が開放される。また、出庫動作では、ラベル制作貼付機35は用いられない。さらに、キャリアケース85についても、同様の入庫動作および出庫動作が行われる。ただし、ラベル制作貼付機35が用いられないこと、ならびに、下アーム562と上アーム563の離間距離が格段に大きくなることが相違する。
【0046】
4.収納制御部72および保管位置制御部73の制御機能
次に、収納制御部72および保管位置制御部73の制御機能について説明する。収納制御部72は、部品装着ライン9で装着作業の進捗に伴って必要となる複数のリール81をキャリアケース85に収納させるように保持移動部5を制御する。さらに、収納制御部72は、必要となるリール81の順番に基づいて、複数のリール81をキャリアケース85にまとめて収納させる。ここで、ライン制御部99は、必要となるリール81の順番を予測して、予測結果を倉庫制御部7に送信する。
【0047】
収納制御部72は、受信した予測結果に基づいて保持移動部5を制御し、複数のリール81を順番にキャリアケース85に収納させる。詳細には、保持移動部5は、リール保管部4Rの保管棚42でリール81を把持し、キャリアケース85の上方まで搬送し、開放して落下させる動作を繰り返す。ここで、キャリアケース85が例えば4個のリール81を収納可能である場合、必要となる1番目から4番目のリール81は、第1のキャリアケース851(
図13参照)に収納される。そして、必要となる5番目から8番目のリール81は、第2のキャリアケース852に収納され、必要となる9番目から12番目のリール81は、第3のキャリアケース853に収納される。
【0048】
そして、始めに第1のキャリアケース851が出庫され、次に第2のキャリアケース852が出庫され、三番目に第3のキャリアケース853が出庫される。出庫されたキャリアケース(851、852、853)は、作業者または搬送ロボットによって部品装着ライン9まで搬送され、それぞれリール81が取り出されて使用される。あるいは、出庫されたキャリアケース(851、852、853)は、段取り作業エリアに搬送され、それぞれリール81が取り出されてフィーダ装置に装填される。そして、このフィーダ装置が部品装着ライン9まで搬送されて使用される。
【0049】
このように、必要となるリール81の順番に基づく収納では、部品装着ライン9で必要となるリール81が確実に供給される。したがって、部品切れによる生産中断のおそれが低減される。なお、必要となるリール81がいずれの保管棚42にも存在しない場合、収納制御部72は、作業者に当該のリール81の入庫を依頼するメッセージを操作表示パネル79に表示する。また、キャリアケース(851、852、853)の出庫に伴い、ケース保管部4Cの保管棚42に空きが発生するので、新たなキャリアケース85を入庫することが可能となる。
【0050】
保管位置制御部73は、出庫予定が早いキャリアケース85ほど入出庫口3に近い保管棚42に保管するように、保持移動部5を制御する。詳述すると、入出庫口3に近い保管棚42の順序は、物理的な距離でなく、出庫所要時間の長短に基づいて予め定められる。出庫所要時間は、昇降回動部54の回動動作時間および昇降動作時間に依存する。本第1実施形態では、
図13に示されるように、入出庫口3の真下のケース保管部4C1の上側の保管棚421が最も入出庫口3に近く、下側の保管棚422が2番目に入出庫口3に近いと定められている。
【0051】
そして、入出庫口3の真下から外れた一方のケース保管部4C2の上側の保管棚423が3番目、真下から外れた他方のケース保管部4C3の上側の保管棚424が4番目に定められている。さらに、一方のケース保管部4C2の下側の保管棚425が5番目、他方のケース保管部4C3の下側の保管棚426が6番目に定められている。
【0052】
この場合、最も近い保管棚421に第1のキャリアケース851が保管され、2番目に近い保管棚422に第2のキャリアケース852が保管される。そして、3番目に近い保管棚423に、第3のキャリアケース853が保管される。以下、4~6番目に近い保管棚(424~426)に、それぞれ第4~第6のキャリアケース85が保管される。
【0053】
保管棚421から第1のキャリアケース85が出庫された後、保管位置制御部73は、入出庫動作を行わない空き時間に、保管棚422の第2のキャリアケース852を保管棚421に移動させる。また、保管位置制御部73は、保管棚423の第3のキャリアケース853を保管棚422へ順送りに移動させる。さらに、保管位置制御部73は、第4以降のキャリアケース85を入出庫口3に近い保管棚42へ順送りに移動させる。これにより、キャリアケース85の出庫動作は、常に入出庫口3に最も近い保管棚421から行われることになり、出庫所要時間が小さくなる。
【0054】
なお、収納制御部72は、必要となるリール81の順番でなく、第1~第4部品装着機(91~94)の配設位置に基づいて、複数のリール81をキャリアケース85にまとめて収納させてもよい。例えば、第1~第4部品装着機(91~94)の各々に1個ずつキャリアケース85を割り当て、各々で必要になる4個のリール81をまとめて収納させることができる。
【0055】
また例えば、第1部品装着機91および第2部品装着機92で必要になる4個のリール81を第1のキャリアケース85に収納させ、第3部品装着機93および第4部品装着機94で必要になる4個のリール81を第2のキャリアケース85に収納させることができる。このように、第1~第4部品装着機(91~94)の配設位置に基づく収納では、部品装着ライン9でキャリアケース85からリール81を取り出して使用するときに取り違えが発生しにくくなり、かつ作業が容易であるので、作業性が向上する。
【0056】
さらに、必ずしもキャリアケース85の単位で出庫動作を行う必要はない。つまり、或るリール81の必要時期が他のリール81の必要時期から大きくずれている場合、搬送制御部71は、当該のリール81を単独で出庫させるように保持移動部5を制御することができる。また、搬送制御部71は、トラブルの発生などで緊急に必要になったリール81を、すぐに出庫させることができる。つまり、キャリアケース85の出庫動作とリール81の出庫動作を組み合わせることにより、リール81を弾力的に、かつタイムリーに提供することができる。
【0057】
また、収納制御部72は、部品装着ライン9で基板の種類を変更するときに、第1~第4部品装着機(91~94)の各々で必要となる複数のリール81を同じキャリアケース85にまとめて収納させるように保持移動部5を制御する。部品装着ライン9で基板の種類を変更するときの段取り替え作業では、通常多数のリール81を入れ替える必要が生じる。収納制御部72は、ライン制御部99から段取り替え作業の実施時期、および、必要となるリール81の種類および個数の情報を取得することができる。
【0058】
そして、収納制御部72は、取得した情報に基づいて、保持移動部5によるリール81のキャリアケース85への収納動作を制御する。この場合に、第1~第4部品装着機(91~94)の各々にそれぞれキャリアケース85を割り当てることが好ましい。なお、割り当てるキャリアケース85の個数は、第1~第4部品装着機(91~94)の各々で相違してもよい。
【0059】
第1実施形態の部品倉庫1では、部品倉庫1の内部で、複数のリール81をキャリアケース85に収納することができる。したがって、キャリアケース85を出庫することにより複数のリール81を同時に出庫でき、出庫動作を効率化することができる。さらに、キャリアケース85を後工程の実施箇所に搬送することにより複数のリール81を同時に搬送できるので、搬送作業を効率化することができる。加えて、リール81をすばやく供給できるので、基板製品の生産効率の向上に寄与する。また、入出庫口3における作業者の待ち時間を減少させることも可能になる。
【0060】
5.キャリアケースの変形例
なお、キャリアケース85は、
図14および
図15に示されるものであってもよい。
図14に示される大型のキャリアケース8Aは、4本の軸棒86が設けられている。このため、キャリアケース8Aは、キャリアケース85の4倍の個数のリール81を収納できる。この場合、キャリアケース8Aの大きさに合わせて、倉庫筐体2、入出庫口3、およびケース保管部4Cなどの大きさや、保持移動部5の機械的強度および駆動パワーなどを設計変更することが好ましい。
【0061】
また、
図15に示される縦型のキャリアケース8Bは、5個のリール81を立てた姿勢で収納できる。この場合、リール保管部4Rはリール81を立てた姿勢で保管する構造とし、保持移動部5もリール81を立てた姿勢で搬送することが好ましい。さらに、
図14および
図15以外の形状のキャリアケースを用いることもできる。
【0062】
6.第2実施形態の部品倉庫1A
次に、第2実施形態の部品倉庫1Aについて、第1実施形態と異なる点を主に説明する。
図16に示されるように、第2実施形態の部品倉庫1Aは、保持移動部5に代えて、搬送操作部61および収納操作部62を別体で備える。搬送操作部61の装置構成および搬送動作は、第1実施形態の保持移動部5と実質的に同一であり、説明は省略する。
【0063】
収納操作部62は、少なくとも1個以上のケース保管部4Dに設けられる。ケース保管部4Dは、保管容器41および1個の保管棚42で構成される。保管棚42の高さ位置は、リール保管部4Rの一番下の保管棚42に相当する。収納操作部62は、ケース保管部4Dの内部の上部に設けられる。収納操作部62は、リール81を挟持可能な複数のフィンガ63を備える。収納操作部62は、倉庫制御部7から制御される。収納操作部62は、フィンガ63を用いて、搬送操作部61が搬送してきたリール81を受け取り、キャリアケース85に収納することができる。収納操作部62および搬送操作部61は、上記の動作を繰り返して、複数のリール81をキャリアケース85にまとめて収納する。
【0064】
さらに、第2実施形態では、使いかけまたは新品の複数のリール81を収納したキャリアケース85が入出庫口3に搬入される。このとき、搬送操作部61は、キャリアケース85をケース保管部4Dの保管棚42まで搬送して保管する。次に、収納操作部62は、キャリアケース85から使いかけのリール81を1個ずつ取り出して、搬送操作部61に受け渡す。搬送操作部61は、リール81を一旦入出庫口3まで搬送する。
【0065】
すると、カメラ34は、リール81を撮像して、部品種ラベル83やリール識別ラベル84を取得する。このとき、リール81が新品であれば、ラベル制作貼付機35によってリール識別ラベル84が貼付される。この後、第1実施形態と同様に、リール81は、リール保管部4Rの保管棚42に搬送され、保管される。
【0066】
上述した一連の動作が、キャリアケース85内の全てのリール81に対して順番に実施される。なお、キャリアケース85内の複数のリール81は、使いかけと新品が混在していてもよい。第2実施形態では、複数のリール81をキャリアケース85に収納し、まとめて入庫動作を行うことができる。したがって、リール81を1個ずつ入庫する場合と比較して、作業者の入庫作業の手間が軽減される。
【0067】
7.実施形態の応用および変形
なお、ラベル制作貼付機35は、リール識別ラベル84に相当する識別コードをリール81に直接的に印刷するコード印刷機に置き換えられてもよい。また、第2実施形態の収納操作部62は、リール81を吸着して保持する吸盤と、この吸盤を昇降させる昇降駆動部とを備える構成であってもよい。さらに、大きさの異なる複数種類のリール81に対応するために、部品倉庫(1、1A)は、複数種類の保管部(4R、4C)や、複数種類のキャリアケース85などを備えてもよい。その他にも、第1および第2実施形態は、様々な応用や変形が可能である。
【符号の説明】
【0068】
1、1A:部品倉庫 2:倉庫筐体 3:入出庫口 32:置き台 34:カメラ 35:ラベル制作貼付機 4R:リール保管部 4C、4C1、4C2、4C3、4D:ケース保管部 41:保管容器 42、421~426:保管棚 5:保持移動部 51:昇降軸 53:回転駆動部 54:昇降回動部 55:昇降駆動部 56:把持部 561:把持本体部 562:下アーム 563:上アーム 564:把持駆動部 7:倉庫制御部 71:搬送制御部 72:収納制御部 73:保管位置制御部 79:操作表示パネル 81:リール 85、851、852、853、8A、8B:キャリアケース 9:部品装着ライン 91~94:第1~第4部品装着機 99:ライン制御部