(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】バイト消去動作を有する4つのゲートのスプリットゲートフラッシュメモリアレイ
(51)【国際特許分類】
G11C 16/14 20060101AFI20230713BHJP
G11C 16/04 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
G11C16/14 110
G11C16/04 146
G11C16/04 120
(21)【出願番号】P 2022520796
(86)(22)【出願日】2020-03-12
(86)【国際出願番号】 US2020022450
(87)【国際公開番号】W WO2021076178
(87)【国際公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-06-03
(32)【優先日】2019-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】リャン、スアン
(72)【発明者】
【氏名】ウー、マン タン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、ジェン-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チャン、リーシン
(72)【発明者】
【氏名】トラン、ヒュー バン
(72)【発明者】
【氏名】ドー、ナン
【審査官】小林 紀和
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0223148(US,A1)
【文献】米国特許第06181607(US,B1)
【文献】特表2019-517140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/14
G11C 16/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メモリデバイスであって、
半導体基板上で行及び列に構成された複数のメモリセルであって、前記メモリセルの各々が、
前記基板内に形成されたソース領域及びドレイン領域であって、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に延在している、前記基板のチャネル領域を画定する、ソース領域及びドレイン領域と、
前記チャネル領域の第1の部分の上方に垂直に配設され、かつ前記チャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている、浮遊ゲートと、
前記チャネル領域の第2の部分の上方に垂直に配設され、かつ前記チャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている選択ゲートと、
前記浮遊ゲートの上方に垂直に配設され、前記浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートと、
前記ソース領域の上方に垂直に配設され、かつ前記ソース領域から絶縁されている消去ゲートと、を含む、複数のメモリセルと、
前記メモリセルの前記行のうちの1つについて前記選択ゲート全てを各々が電気的に一体に接続する複数のワード線と、
前記メモリセルの前記行のうちの1つについて前記制御ゲート全てを各々が電気的に一体に接続する複数の制御ゲート線と、
前記列のうちの1つについて前記ドレイン領域全てを電気的に一体に接続する複数のビット線と、
前記メモリセルの前記行のうちの1つにありかつ第1の複数の前記列内にある、前記メモリセルの前記ソース領域を各々が電気的に一体に接続する複数の第1のサブソース線と、
前記メモリセルの前記行のうちの1つにありかつ第2の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記ソース領域を、各々が電気的に一体に接続する複数の第2のサブソース線であって、前記第1の複数の前記列が、前記第2の複数の前記列とは異なる、複数の第2のサブソース線と、
前記第1の複数の前記列内の前記メモリセルの前記消去ゲート全てを電気的に一体に接続する第1の消去ゲート線と、
前記第2の複数の前記列内の前記メモリセルの前記消去ゲート全てを電気的に一体に接続する第2の消去ゲート線と、
複数のソース線と、
第1のサブソース線のうちの1つと前記ソース線のうちの1つとの間に各々が接続された複数の第1の選択トランジスタと、
第2のサブソース線のうちの1つとソース線のうちの1つとの間に各々が接続された複数の第2の選択トランジスタと、
前記第1の選択トランジスタのゲートに接続された第1の選択トランジスタ線と、
前記第2の選択トランジスタのゲートに接続された第2の選択トランジスタ線と、を備える、メモリデバイス。
【請求項2】
前記ソース線の各々について、前記ソース線の前記各々に接続された前記第1の選択トランジスタのうちの1つが、前記メモリセルの第1の行について前記第1のサブソース線のうちの1つに接続され、前記ソース線の前記各々に接続された前記第2の選択トランジスタのうちの1つが、前記メモリセルの前記第1の行について前記第2のサブソース線のうちの1つに接続されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項3】
コントローラであって、前記第1の複数の前記列内にあり、かつ前記制御ゲート線のうちの第1の制御ゲート線に接続されている前記メモリセルの標的グループに対して、
前記第1の消去ゲート線に正の電圧を印加することと、
前記第1の制御ゲート線にゼロ電圧又は負の電圧を印加することと、
前記第1の制御ゲート線を除く前記制御ゲート線全てに正の電圧を印加することと、によって消去動作を実行するように構成されているコントローラを更に備える、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記コントローラが、更に、ゼロ電圧、又は前記第1の選択トランジスタの閾値電圧を下回る電圧を前記第1の選択トランジスタ線に印加することによって、前記消去動作を実行するように構成されている、請求項3に記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記コントローラが、更に、ゼロ電圧を前記第2の選択トランジスタ線に印加することによって、前記消去動作を実行するように構成されている、請求項4に記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記第1の複数の前記列内の前記メモリセルのうちの1つに対してプログラム動作を実行するように構成されておいるコントローラを更に含み、前記1つのメモリセルが、
前記第1のワード線に正の電圧を印加することと、
前記第1の制御ゲート線に正の電圧を印加することと、
前記第1の消去ゲート線に正の電圧を印加することと、
前記第1の選択トランジスタ線に正の電圧印加することと、により、前記ワード線のうちの第1のワード線及び前記制御ゲート線のうちの第1の制御ゲート線に接続されている、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記コントローラが、更に、ゼロ電圧を前記第2の選択トランジスタ線に印加することによって前記プログラム動作を実行するように構成されている、請求項6に記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記第1のサブソース線の各々が、前記メモリセルの前記行のうちの1つの第2の行内にありかつ前記第1の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記ソース領域を、電気的に一体に接続し、
前記第2のサブソース線の各々が、前記メモリセルの前記行のうちの1つの第2の行内にありかつ前記第2の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記ソース領域を、電気的に一体に接続する、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記第1のサブソース線の各々について、前記1つの第1のサブソース線によって電気的に一体に接続された前記ソース領域全てが、前記メモリセルの前記行のうちの1つのみ内のメモリセルのためのものであり、
前記第2のサブソース線の各々について、前記1つの第2のサブソース線によって電気的に一体に接続された前記ソース領域全てが、前記メモリセルの前記行のうちの1つのみ内のメモリセルのためのものである、請求項1に記載のメモリデバイス。
【請求項10】
メモリデバイスであって、
半導体基板上で交互の偶数行及び奇数行と、列とに構成された複数のメモリセルであって、前記メモリセルの各々が、
前記基板内に形成されたソース領域及びドレイン領域であって、前記ソース領域と前記ドレイン領域との間に延在している、前記基板のチャネル領域を画定する、ソース領域及びドレイン領域と、
前記チャネル領域の第1の部分の上方に垂直に配設され、かつ前記チャネル領域の前記第1の部分から絶縁されている、浮遊ゲートと、
前記チャネル領域の第2の部分の上方に垂直に配設され、かつ前記チャネル領域の前記第2の部分から絶縁されている選択ゲートと、
前記浮遊ゲートの上方に垂直に配設され、前記浮遊ゲートから絶縁された制御ゲートと、
前記ソース領域の上方に垂直に配設され、かつ前記ソース領域から絶縁されている消去ゲートと、を含む、複数のメモリセルと、
前記メモリセルの前記行のうちの1つについて前記選択ゲート全てを各々が電気的に一体に接続する複数のワード線と、
前記メモリセルの前記行のうちの1つについて前記制御ゲート全てを各々が電気的に一体に接続する複数の制御ゲート線と、
前記列のうちの1つについて前記ドレイン領域全てを各々が電気的に一体に接続する複数のビット線と、
前記メモリセルの前記行のうちの1つにありかつ第1の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記ソース領域を、各々が電気的に一体に接続する複数の第1のサブソース線と、
前記メモリセルの前記行のうちの1つにありかつ第2の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記ソース領域を、各々が電気的に一体に接続する複数の第2のサブソース線であって、前記第1の複数の前記列が、前記第2の複数の前記列とは異なる、複数の第2のサブソース線と、
前記メモリセルの前記偶数行内にありかつ前記第1の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記消去ゲート全てを、電気的に一体に接続する第1の消去ゲート線と、
前記メモリセルの前記奇数行内にありかつ前記第1の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記消去ゲート全てを、電気的に一体に接続する第2の消去ゲート線と、
前記メモリセルの前記偶数行内にありかつ前記第2の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記消去ゲート全てを、電気的に一体に接続する第3の消去ゲート線と、
前記メモリセルの前記奇数行内にありかつ前記第2の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記消去ゲート全てを、電気的に一体に接続する第4の消去ゲート線と、
複数のソース線と、
第1のサブソース線のうちの1つと前記ソース線のうちの1つとの間に各々が接続された複数の第1の選択トランジスタと、
第2のサブソース線のうちの1つと前記ソース線のうちの1つとの間に各々が接続された複数の第2の選択トランジスタと、
前記第1の選択トランジスタのゲートに接続された第1の選択トランジスタ線と、
前記第2の選択トランジスタのゲートに接続された第2の選択トランジスタ線と、を備える、メモリデバイス。
【請求項11】
前記ソース線の各々について、前記ソース線の前記各々に接続されている前記第1の選択トランジスタのうちの1つが、前記メモリセルの前記行のうちの1つの第1の行について前記第1のサブソース線のうちの1つに接続され、前記ソース線の前記各々に接続されている前記第2の選択トランジスタのうちの1つが、前記メモリセルの行の前記第1の行について前記第2のサブソース線のうちの1つに接続されている、請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項12】
コントローラであって、
前記第2の消去ゲート線に正の電圧を印加することと、
前記第1の制御ゲート線にゼロ電圧又は負の電圧を印加することと、
前記第1の制御ゲート線を除く前記第2の消去ゲート線にも接続されている前記メモリセルに接続された前記制御ゲート線全てに正の電圧を印加することと、によって、前記第1の複数の前記列内にあり、前記制御ゲート線のうちの第1の制御ゲート線に接続され、かつ前記第2の消去ゲート線に接続されている前記メモリセルの標的グループに対して消去動作を実行するように構成されているコントローラを更に備える、請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記コントローラが、更に、前記第1の消去ゲート線にも接続されている前記メモリセルに接続されている前記全ての制御ゲート線にゼロ電圧を印加することによって、前記消去動作を実行するように構成されている、請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記コントローラが、更に、前記第1の消去ゲート線にも接続されている前記メモリセルに接続されている前記全ての制御ゲート線に低い正の電圧を印加することによって、前記消去動作を実行するように構成されており、前記低い正の電圧が、前記第1の制御ゲート線を除く前記第2の消去ゲート線にも接続されている前記メモリセルに接続されている前記制御ゲート線全てに印加される前記正の電圧より低い、請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項15】
前記コントローラが、更に、ゼロ電圧、又は前記第1の選択トランジスタの閾値電圧を下回る電圧を前記第1の選択トランジスタ線に印加することによって、前記消去動作を実行するように構成されている、請求項12に記載のメモリデバイス。
【請求項16】
前記コントローラが、更に、ゼロ電圧を前記第2の選択トランジスタ線に印加することによって、前記消去動作を実行するように構成されている、請求項
15に記載のメモリデバイス。
【請求項17】
前記第1の複数の前記列内の前記メモリセルのうちの1つに対してプログラム動作を実行するように構成されたコントローラを更に備え、前記1つのメモリセルが、
前記第1のワード線に正の電圧を印加することと、
前記第1の制御ゲート線に正の電圧を印加することと、
前記第2の消去ゲート線に正の電圧を印加することと、
前記第1の選択トランジスタ線に正の電圧印加することと、により、前記ワード線のうちの第1のワード線、前記第2の消去ゲート線及び前記制御ゲート線のうちの第1の制御ゲート線に接続されている、請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項18】
前記コントローラが、更に、ゼロ電圧を前記第2の選択トランジスタ線に印加することによって前記プログラム動作を実行するように構成されている、請求項17に記載のメモリデバイス。
【請求項19】
前記第1のサブソース線の各々が、前記メモリセルの前記行のうちの1つの第2の行内にあり、かつ前記第1の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記ソース領域を電気的に一体に接続し、
前記第2のサブソース線の各々が、前記メモリセルの前記行のうちの1つの第2の行内にあり、かつ前記第2の複数の前記列内にある前記メモリセルの前記ソース領域を電気的に一体に接続する、請求項10に記載のメモリデバイス。
【請求項20】
前記第1のサブソース線の各々について、前記1つの第1のサブソース線によって電気的に一体に接続された前記ソース領域全てが、前記メモリセルの前記行のうちの1つのみ内のメモリセルのためのものであり、
前記第2のサブソース線の各々について、前記1つの第2のサブソース線によって電気的に一体に接続された前記ソース領域全てが、前記メモリセルの前記行のうちの1つのみ内のメモリセルのためのものである、請求項10に記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本出願は、2019年10月14日出願の米国特許仮出願第62/914,799号及び2020年2月6日出願の米国特許出願第16/784,183号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、不揮発性メモリアレイに関する。
【背景技術】
【0003】
メモリセル毎に4つのゲートを有する分割ゲート不揮発性メモリセル、及びこのようなセルのアレイが既知である。例えば、米国特許第7,868,375号は、各メモリセルが4つのゲートを有する、スプリットゲート不揮発性メモリセルのアレイを開示し、これは、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。4ゲートメモリセルを
図1に示す。各メモリセル10は、半導体基板12に形成されたソース領域及びドレイン領域14/16を含み、それらの間にチャネル領域18を有する。浮遊ゲート20は、チャネル領域18の第1の部分の上方に垂直に形成され、かつチャネル領域18の第1の部分から絶縁されており(かつチャネル領域18の第1の部分の導電性を制御する)、かつソース領域14の一部分の上方にある。選択ゲート28は、チャネル領域18の第2の部分の上方に垂直に配設され、かつチャネル領域18の第2の部分から絶縁されている(並びに、チャネル領域18の第2の部分の導電性を制御する)。制御ゲート22は、浮遊ゲート20の上方に配設され、かつ浮遊ゲート20から絶縁されている。消去ゲート30は、ソース領域14の上方に垂直に配設され、好ましくは、浮遊ゲート20の縁に面するノッチを含む。
【0004】
高圧の正の電圧を消去ゲート30にかけることによって、(
図1に図示するように)メモリセルが消去され(ここで電子は、浮遊ゲート20から除去される)、これによって、浮遊ゲート20の電子が、中間絶縁物を通って浮遊ゲート20から消去ゲート22までファウラーノルデハイムトンネリングを介してトンネルする。
【0005】
メモリセルは、制御ゲート22、選択ゲート28、消去ゲート30及びソース領域14に正のプログラム電圧をかけることによってプログラムされる(ここで電子は、浮遊ゲート20にかけられる)。電子電流は、ドレイン領域16からソース領域14に向かって流れる。電子は、加速して、選択ゲート28と浮遊ゲート20との間の間隙に到達したときに加熱される。加熱された電子のいくらかは、(
図1に図示するように)浮遊ゲート20からの静電引力に起因して、中間絶縁物を通って浮遊ゲート20に注入される。
【0006】
ドレイン16、制御ゲート22、及び選択ゲート28に正の読み出し電圧をかける(これにより、選択ゲート28下のチャネル領域18がオンになる)ことによって、メモリセルが読み出される。浮遊ゲート20が正に帯電する(すなわち、電子が消去され、制御ゲート22に正に電圧がかけられる)場合、浮遊ゲート20下のチャネル領域18の部分は、次に同様にオンになり、電流は、チャネル領域18を流れ、これは、消去された状態つまり「1」の状態として検知される。浮遊ゲート20が負に帯電する(すなわち、電子でプログラムされる)と、制御ゲート22にかかる正の電圧結合にもかかわらず、浮遊ゲート20下のチャネル領域18の部分はほとんど又は完全にオフになり、電流はチャネル領域18を流れず(又はほとんど流れず)、これは、プログラムされた状態又は「0」の状態として検知される。
【0007】
図1はまた、単一のソース領域14及び消去ゲート30を共有するメモリセル10の対11がどのように形成され得るかを示す。メモリセル10の2つの隣接する対11は、端部同士が接するように配置され、単一のドレイン領域16を共有することができる。
【0008】
図2は、メモリセル10の従来のアレイ構成を示す。メモリセル10は、行及び列に配置される。各列は、端部同士が接するように配置されたメモリセル10の対11を含む。各列は一般的に活性領域と呼ばれ、隣接する活性領域は、一般に分離領域と呼ばれるものに形成された絶縁材料によって互いに絶縁される。メモリセルの各行は、メモリセルのその行について選択ゲート28全てを電気的に一体に接続するワード線WLを含む。好ましくは、選択ゲートは、その行全体にわたって連続的に形成され、ワード線WLを構成する(すなわち、各メモリセル10について選択ゲート28は、そのメモリセルのチャネル領域18の上方に配設されたワード線WLの部分である)。メモリセル10の各行は、メモリセル10のその行について制御ゲート22全てを電気的に一体に接続する制御ゲート線CGを含む。好ましくは、制御ゲート22は、その行全体にわたって連続的に形成され、制御ゲート線CGを構成する(すなわち、各メモリセル10について制御ゲート22は、そのメモリセルの浮遊ゲート20の上方に配設されている制御ゲート線CGの部分である)。
【0009】
メモリセル対11の各行は、メモリセル対11のその行についてソース領域14全てを電気的に一体に接続するソース線SLを含む。ソース線SLは、活性領域/分離領域にわたって延在する連続拡散領域であることができ、又はソース領域14への周期的接触を含む別個の導電性線を含むことができる。メモリセル対11の各行は、メモリセル対11のその行について消去ゲート30全てを電気的に一体に接続する消去ゲート線EGを含む。好ましくは、消去ゲート30は、メモリセル対11のその行全体にわたって連続的に形成され、消去ゲート線EGを構成する(すなわち、各メモリセル対11についての制御ゲート30は、そのメモリセル対のソース領域14の上方に配設された消去ゲート線EGの部分である)。メモリセルの列の各々は、メモリセルのその列についてドレイン領域16全てを電気的に一体に接続するビット線BLを含む。
【0010】
図2は、メモリセル対11の2行のみ、及びメモリセルの4つの列を示す。しかしながら、このようなアーキテクチャを有するメモリアレイが、数百又は数千の行及び列を含み得ることを理解されたい。
【0011】
上記で詳述したように、メモリセル10は、消去ゲート30に高電圧をかけることによって消去される。したがって、メモリセル対11の行全体(すなわち、メモリセル10の2つの行)は、行の消去ゲート線EGに高電圧を印加することによって、一度に消去される。このアーキテクチャの1つの制限は、情報の単一のバイトなどの、メモリセル対11行の一部分のみに格納された情報を変える必要がある場合、メモリセル対11の行全体が消去及び再プログラムされなければならないことである。メモリセル対11の1つの行の一部分のみを消去する能力はない。
【0012】
メモリセル対の行の一部分のみの選択的消去を許容するメモリアレイアーキテクチャが必要とされている。
【発明の概要】
【0013】
上記の問題及び必要性は、半導体基板上の行及び列に構成された複数のメモリセルを含むメモリデバイスによって対処される。メモリセルの各々は、基板内に形成されたソース領域及びドレイン領域であって、ソース領域とドレイン領域の間に延在する基板のチャネル領域を画定する、ソース領域及びドレイン領域と、チャネル領域の第1の部分の上方に垂直に配設され、チャネル領域の第1の部分から絶縁されている浮遊ゲートと、チャネル領域の第2の部分の上方に垂直に配設され、チャネル領域の第2の部分から絶縁されている選択ゲートと、浮遊ゲートの上方に垂直に配設され、浮遊ゲートから絶縁されている制御ゲートと、ソース領域の上方に垂直に配設され、ソース領域から絶縁されている消去ゲートと、を含む。複数のワード線は、各々がメモリセルの行のうちの1つについて選択ゲート全てを電気的に一体に接続している。複数の制御ゲート線は、各々がメモリセルの行のうちの1つについて制御ゲート全てを電気的に一体に接続している。複数のビット線は、各々が列のうちの1つについてドレイン領域全てを電気的に一体に接続している。複数の第1のサブソース線は、各々がメモリセルの行のうちの1つにありかつ第1の複数の列内にあるメモリセルのース領域を、電気的に一体に接続している。複数の第2のサブソース線は、各々がメモリセルの行のうちの1つにありかつメモリセルの第2の複数の列内にあるメモリセルのソース領域を、電気的に一体に接続しており、第1の複数の列は、第2の複数の列とは異なる。第1の消去ゲート線は、第1の複数の列内のメモリセルの消去ゲート全てを電気的に一体に接続している。第2の消去ゲート線は、第2の複数の列内のメモリセルの記消去ゲート全てを電気的に一体に接続している。複数の第1の選択トランジスタ各々は、第1のサブソース線のうちの1つと複数のソース線のうちの1つとの間に接続されている。複数の第2の選択トランジスタ各々は、第2のサブソース線のうちの1つとソース線のうちの1つとの間に接続されている。第1の選択トランジスタ線は、第1の選択トランジスタのゲートに接続されている。第2の選択トランジスタ線は、第2の選択トランジスタのゲートに接続されている。
【0014】
メモリデバイスは、半導体基板上で交互の偶数行及び奇数行、並びに列内で構成されている複数のメモリセルを含む。メモリセルの各々は、基板内に形成されたソース領域及びドレイン領域であって、ソース領域とドレイン領域との間に延在する基板のチャネル領域を画定する、ソース領域及びドレイン領域と、チャネル領域の第1の部分の上方に垂直に配設され、チャネル領域の第1の部分から絶縁されている浮遊ゲートと、チャネル領域の第2の部分の上方に垂直に配設され、チャネル領域の第2の部分から絶縁されている選択ゲートと、浮遊ゲートの上方に垂直に配設され、浮遊ゲートから絶縁されている制御ゲートと、ソース領域の上方に垂直に配設され、ソース領域から絶縁されている消去ゲートと、を含む。複数のワード線は、各々がメモリセルの行のうちの1つについて選択ゲート全てを電気的に一体に接続している。複数の制御ゲート線は、各々がメモリセルの行のうちの1つについて制御ゲート全てを電気的に一体に接続している。複数のビット線は、各々が列のうちの1つについてドレイン領域全てを電気的に一体に接続している。複数の第1のサブソース線は、各々がメモリセルの行のうちの1つにありかつ第1の複数の列内にあるメモリセルのース領域を、電気的に一体に接続している。複数の第2のサブソース線は、各々がメモリセルの行のうちの1つにありかつメモリセルの第2の複数の列内にあるメモリセルのソース領域を、電気的に一体に接続しており、第1の複数の列は、第2の複数の列とは異なる。第1の消去ゲート線は、メモリセルの偶数行内にありかつ第1の複数の列内にあるメモリセルの消去ゲート全てを、電気的に一体に接続している。第2の消去ゲート線は、メモリセルの奇数行内にありかつ第1の複数の列内にあるメモリセルの消去ゲート全てを、電気的に一体に接続している。第3の消去ゲート線は、メモリセルの偶数行内にありかつ第2の複数の列内にあるメモリセルの消去ゲート全てを、電気的に一体に接続している。第4の消去ゲート線は、メモリセルの奇数行内にありかつ第2の複数の列内にあるメモリセルの消去ゲート全てを、電気的に一体に接続している。複数の第1の選択トランジスタ各々は、第1のサブソース線のうちの1つと複数のソース線のうちの1つとの間に接続されている。複数の第2の選択トランジスタ各々は、第2のサブソース線のうちの1つとソース線のうちの1つとの間に接続されている。第1の選択トランジスタ線は、第1の選択トランジスタのゲートに接続されている。第2の選択トランジスタ線は、第2の選択トランジスタのゲートに接続されている。
【0015】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、特許請求の範囲、添付図面を精読することによって明らかになるであろう。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図2】従来のメモリアレイアーキテクチャを示す図である。
【
図3】メモリアレイアーキテクチャの第1の実施形態を示す図である。
【
図4】メモリアレイアーキテクチャの第1の実施形態の例示的な消去動作電圧を示す図である。
【
図5】メモリアレイアーキテクチャの第1の実施形態の例示的なプログラム動作電圧を示す図である。
【
図6】メモリアレイアーキテクチャの第1の実施形態の例示的なプログラム動作電圧を示す図である。
【
図7】メモリアレイアーキテクチャの第1の実施形態の例示的な読み出し動作電圧を示す図である。
【
図8】メモリセルの第2の実施形態の断面図である。
【
図9】メモリアレイアーキテクチャの第2の実施形態を示す図である。
【
図10】メモリアレイアーキテクチャの第2の実施形態の例示的な消去動作電圧を示す図である。
【
図11】メモリアレイアーキテクチャの第2の実施形態の例示的なプログラム動作電圧を示す図である。
【
図12】メモリアレイアーキテクチャの第2の実施形態の例示的なプログラム動作電圧を示す図である。
【
図13】メモリアレイアーキテクチャの第2の実施形態の例示的な読み出し動作電圧を示す図である。
【
図14】メモリセルの第3の実施形態の断面図である。
【
図15】メモリアレイアーキテクチャの第3の実施形態を示す図である。
【
図16】メモリアレイアーキテクチャの第3の実施形態の例示的な消去動作電圧を示す図である。
【
図17】メモリアレイアーキテクチャの第3の実施形態の例示的なプログラム動作電圧を示す図である。
【
図18】メモリアレイアーキテクチャの第3の実施形態の例示的なプログラム動作電圧を示す図である。
【
図19】メモリアレイアーキテクチャの第3の実施形態の例示的な読み出し動作電圧を示す図である。
【
図20】メモリセルの第4の実施形態の断面図である。
【
図21】メモリアレイアーキテクチャの第4の実施形態を示す図である。
【
図22】メモリアレイアーキテクチャの第4の実施形態の例示的な消去動作電圧を示す図である。
【
図23】メモリアレイアーキテクチャの第4の実施形態の例示的なプログラム動作電圧を示す図である。
【
図24】メモリアレイアーキテクチャの第4の実施形態の例示的なプログラム動作電圧を示す図である。
【
図25】メモリアレイアーキテクチャの第4の実施形態の例示的な読み出し動作電圧を示す図である。
【
図26】例示的なメモリデバイスのアーキテクチャを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は、メモリセル対11の行のセグメントのみを消去するだけでなく、そのセグメント内のメモリセル10の単一の行のみを消去する能力を提供するアレイアーキテクチャである。
図3は、
図1のメモリセル10のメモリセル対11の第1の実施形態を示す。
図3のアーキテクチャは、
図2のアーキテクチャと同様である。しかしながら、メモリセル対11の行の全長にわたって全てのソース領域14に沿って延び、全てのソース領域14を電気的に一体に接続する単一のソース線SLを有する代わりに、メモリセル対11の各行は、複数のサブソース線SSLを含み、各サブソース線SSLは、メモリセル対11の各行(すなわち、メモリセル対11のサブ行)についてソース領域のサブセットにわたってのみ延在し、メモリセル対11の各行を電気的に一体に接続する。具体的には、メモリセル対11の行は領域R(すなわち、メモリセルの別個の複数の列)に分割され、各サブソース線SSLは、1つの領域Rの内側のメモリセル対11の行のその部分についてソース領域にわたってのみ延在し、それらのソース領域を電気的に一体に接続する。
図3は、2つの領域R1及びR2を示し、各領域Rは2つのメモリセル10の幅である(すなわち、2列幅であり、メモリセルの各サブ行は2つのメモリセル10を含み、したがって、メモリセル対11の各サブ行は、4つのメモリセル10を含む)。しかしながら、領域Rの数及びそれらの幅(すなわち、領域R内のメモリセル10の列の数)は変えることができる。例えば、領域R内のメモリセル10の各サブ行は、1バイト(8ビット)のデータを格納するのに十分なメモリセルを含むことができる。或いは、領域R内のメモリセル10のサブ行は、1ワードのデータ(16又は32ビット)を格納するのに十分なメモリセルを含むことができる。メモリアレイ内のメモリセル対11の行の数は、必要に応じて変えることができる。
【0039】
任意の所与の領域R内のメモリセル対11の各サブ行は、それ自体のサブソース線SSLを有する。したがって、各領域Rは、それ自体のサブソース線SSLのセットを有する。メモリセル対11の各行はまた、行方向に延在し、全ての領域Rにわたって延在する独自のソース線SLを有する。メモリセル対11の任意の所与の行の各サブソース線SSLは、それぞれの選択トランジスタ34によってそのソース線SLに接続されている(すなわち、選択トランジスタ34のソース/ドレインチャネル経路は、サブソース線SSLとソース線SLとの間に接続されている)。選択トランジスタ34の各列は、選択トランジスタ線STLに接続された選択トランジスタ34の列を活性化(すなわち、SSLをSLに電気的に接続するためにソース/ドレインチャネル経路を導通化させる)又は非活性化(すなわち、SSLをSLから電気的に切り離すためにソース/ドレインチャネル経路を非導通化させる)するために用いられる選択トランジスタ線STL(すなわち、選択トランジスタ線STLはそれぞれの選択トランジスタ34のゲートに接続されている)により作動される。選択トランジスタ34は、トランジスタ34の閾値電圧を超える電圧を選択トランジスタ線STLに印加することによって活性化される。トランジスタ34は、無電圧又はゼロ電圧、或いはトランジスタ34の閾値電圧を下回る低電圧を印加することによって、非活性化される。したがって、メモリセル対11の任意の所与の行について、その行のサブソース線SSLは、その行の全ての選択トランジスタ34が非活性化されると、そのソース線SLから、かつその行の他のサブソース線SSLから電気的に分離される。
【0040】
図3のアレイアーキテクチャは、
図2に示されるように行方向に代えて主に列方向に延在するが、各消去ゲート線EGが領域Rの1つ、かつ1つのみにおける全ての消去ゲート30を電気的に一体に接続する行方向にも延在する消去ゲート線EGも含む。そのため、例えば、領域R1用についての消去ゲート線EGは、領域R1内の全ての消去ゲート30(すなわち、領域R1内のメモリセル対11全てのサブ行についての消去ゲート30)を電気的に一体に接続するが、他の領域R内のメモリセルについての消去ゲート30から電気的に分離されている。
【0041】
上述したアレイ構成により、メモリアレイ内の任意の他のメモリセル10(同じ行の他のメモリセル10、メモリセル対11の異なる行であるが同じサブ行の他のメモリセル10を含む)のプログラミング状態を乱すことなく、メモリセル10の単一のサブ行を消去することが許容される。
図4は、メモリセル10のサブ行のうちの1つのみを消去するために
図3のメモリアレイに印加され得る例示的な電圧を示す。具体的には、領域R1のワード線WL1及び制御ゲート線CG1のメモリセル10(すなわち、標的メモリセルTMC)を消去するために、全てのビット線BL、全てのワード線WL、及び全てのソース線SLに0Vが印加される。高い正の電圧HV(例えば、約7Vを超える)をEG0に印加し、0V又は低い正の電圧LV(例えば、3V未満)を全ての他の消去ゲート線EGに印加する。0VをCG1に印加し、他の全ての制御ゲート線CGに正の抑制電圧VCGinh(例えば、約5Vより大きい)を印加する。0V又は低い正の電圧LV(例えば、3V未満)がSTL0に印加され、0Vが他の選択トランジスタ線STLに印加される。これらの電圧により、WL1に対応する行の領域R1の標的メモリセルTMCが(EG0の高い正の電圧により)消去されることになる。標的メモリセルTMCと同じ行の他のメモリセル10は、その消去ゲートに高い電圧が印加されないため、消去されることはない。標的メモリセルTMCと同じ列の他のメモリセルは、コントロールゲートに印加される抑制電圧VCGinhが、消去ゲートへのいかなるトンネリングをも抑制するのに十分高いが、制御ゲートへのトンネリングを引き起こすには十分高くないので消去されない(浮遊ゲートには複数の側面で正の電圧がかかるので、1つの側面又は角の縁のみに消去が生じることはない)。消去を強化するために、0Vではなく、負の電圧(例えば、-HV)をCG1に印加することができる。
【0042】
図5は、TMCのうちの1つ(TMCの右側のメモリセル10)をプログラミングするための例示的な電圧を示す図である。STL0に印加される電圧MVは、選択トランジスタ34の閾値電圧よりも大きいため、MVをSL0に印加すると、領域R1内の選択トランジスタ34がオンになる(領域1の全てのサブソース線SSLが、それらのそれぞれのソース線SLに結合される)。ゼロ電圧がSTL1に印加されるため、領域R2内の選択トランジスタ34はオフになったままである。標的メモリセルのみが、そのワード線WL(例えば、LV)、制御ゲート線CG(例えば、HV)、消去ゲート線EG(例えば、MV)、サブソース線SSL(例えば、MV)、及び/又はビット線BL(例えば、Idp)で、上述したようなホット電子注入によるプログラミングに必要な電圧と電流の正しい組み合わせを受け取る。
【0043】
図6は、TMCのうちの1つ(TMCの右側のメモリセル10)をプログラミングするための例示的な電圧の代替組み合わせを示し、これは、高電圧(HV)がEG0に印加され、抑制正電圧VCGinhが非標的メモリセル用の制御ゲート線CGに印加される以外は
図5に示すものと同じである。
【0044】
図7は、TMCのうちの1つ(TMCの右側のメモリセル10)を読み込むための例示的な電圧を示す図である。標的メモリセルのみが、そのワード線WL(例えば、LV)、制御ゲート線CG(例えば、LV)、消去ゲート線EG(例えば、0V又はLV)、サブソース線SSL(例えば、0V)、及び/又はビット線BL(例えば、LV)で、上述したような必要な読み取り電圧の組み合わせを受け取る。以下の表1では、本明細書の全ての様々な実施形態について図に示されるような例示的な非限定的な電圧がまとめられている。
【表1】
【0045】
図8~
図13は第2の実施形態を示しており、
図8に示すように、メモリセル11の対における各メモリセル10に対して別個の消去ゲート30が形成されている(すなわち、共通のソース領域14を共有するメモリセル10の各々が独自の消去ゲート30を有する)こと以外は、
図3~
図7の実施形態と同様である。
図9は、
図8のメモリセル対構成のメモリセルアレイアーキテクチャを示しており、メモリセル10の各領域Rが、1つの代わりに2つの消去ゲート線EGを含むこと以外は、
図3に示すものと同様である。具体的には、各領域Rについて、1つの消去ゲート線EGは、メモリセル10の奇数行の消去ゲート30を全て電気的に一体に接続し、他方の消去ゲート線EGは、その領域Rについて、メモリセル10の偶数行の消去ゲート30を全て電気的に一体に接続する。これは、任意のメモリセル対11について、2つの消去ゲート30が、異なる消去ゲート線EGに接続されることを意味する。各領域R内で1つではなく2つの消去ゲート線を使用することにより、隣接する非標的セルへの外乱ストレスを低減することができる。
【0046】
図10は、領域R1内のワード線WL1上の全てのメモリセル10(すなわち、TMC、それらのセルのみが、対抗する正の制御ゲート線抑制電圧を伴わずに高い消去ゲート線電圧にさらされるためである)を消去するための例示的な電圧を図示する。消去を強化するために、0Vではなく、負の電圧(例えば、-HV)をCG1に印加することができる。
図11及び
図12は、メモリセル10のうちの1つ(TMCの右側のセル)をプログラミングするための2つの異なる例示的な電圧の組み合わせを示す。
図13は、メモリセル10のうちの1つ(TMCの右側のセル)を読み込むための例示的な電圧を示す。
【0047】
図14~
図19は第3の実施形態を示しており、
図14に示すように、各メモリセル対11について、2つのメモリセル10の各々に対して別個のソース領域14が形成されている(すなわち、共通の消去ゲート30を共有するメモリセル10の各々は、他のメモリセル10に対して他のソース領域14から分離している独自のソース領域14を有する)以外は、
図3~7の実施形態と同様のものである。好ましくは、ソース領域14は、STI36(酸化物などの浅いトレンチ分離)によって分離される。
図15は、
図14のメモリセル構成のメモリセルアレイアーキテクチャを示しており、(メモリセル10の2つの隣接する行間--メモリセル対11の1つの行-でサブソース線SSL、選択トランジスタ34、及びソース線SLを共有していることと比較して)各領域Rにおけるメモリセル10の各個々のサブ行が、独自のサブソース線SSL及び選択トランジスタ34を含み、全ての領域Rにわたって延在するメモリセル10の各行が、独自のソース線SLを含むこと以外は
図3に示すものと同じである。メモリセル対11の単一の行において、メモリセル10の2つの異なる隣接する行について2つの異なるサブソース線SSLとソース線SLを用いることで、隣接する非標的セルへの外乱ストレスを低減することができる。
【0048】
図16は、領域R1内のワード線WL1上の全てのメモリセル(すなわち、TMC、それらのメモリセルのみが、対抗する正の制御ゲート線抑制電圧を伴わずに高い消去ゲート線電圧にさらされるためである)を消去するための例示的な電圧を図示する。消去を強化するために、0Vではなく、負の電圧(例えば、-HV)をCG1に印加することができる。
図17及び
図18は、メモリセル10のうちの1つ(TMCの右側のセル)をプログラミングするための2つの異なる例示的な電圧の組み合わせを示す。
図19は、メモリセル10のうちの1つ(TMCの右側のセル)を読み込むための例示的な電圧を示す。
【0049】
図20~
図25は、第4の実施形態を示しており、
図20に示すように、各メモリセル対11について、2つのメモリセル10の各々に対して別個のソース領域14が形成され(すなわち、メモリセル10の各々は、他のメモリセル10に対する他のソース領域14から分離されている独自のソース領域14を有する)、かつメモリセル11の対におけるメモリセル10毎に別個の消去ゲート30が形成される(すなわち、メモリセル10の各々は、他のメモリセルに対する他の消去ゲート30から分離されている独自の消去ゲート30を有する)ことを除いて、
図3~
図7の実施形態と同様である。好ましくは、ソース領域14は、STI36(酸化物などの浅いトレンチ分離)によって分離される。
図21は、
図20のメモリセル構成のメモリセルアレイアーキテクチャを示す図であり、(1)(メモリセル10の2つの隣接する行間--メモリセル対11の1つの行--でサブソース線SSL、選択トランジスタ34、及びソース線SLを共有することと比較して、)各領域Rにおけるメモリセル10の各個々のサブ行が、独自のサブソース線SSL及び選択トランジスタ34を含み、全ての領域Rにわたって延在するメモリセル10の各行が、独自のソース線SLを含み、(2)メモリセル10の各領域Rが、1つではなく2つの消去ゲート線EGを含む(すなわち、各領域Rについて、1つの消去ゲート線EGは、メモリセル10の奇数行の消去ゲート30を全て電気的に一体に接続し、他方の消去ゲート線EGは、その領域Rについて、メモリセル10の偶数行の消去ゲート30を全て電気的に一体に接続する)ことを除いて、
図3に示すものと同じである。メモリセル対11の単一の行において、メモリセル10の2つの異なる隣接する行について2つの異なるサブソース線SSLとソース線SLを用いることで、かつ各領域Rにおいて1つではなく2つの消去ゲート線EGを用いることで、隣接する非標的セルへの外乱ストレスを低減することができる。
【0050】
図22は、領域R1内のワード線WL1上の全てのメモリセル(すなわち、TMC、それらのメモリセルのみが、対抗する正の制御ゲート線抑制電圧を伴わずに高い消去ゲート線電圧にさらされるためである)を消去するための例示的な電圧を図示する。消去を強化するために、0Vではなく、負の電圧(例えば、-HV)をCG1に印加することができる。
図23及び
図24は、メモリセル10のうちの1つ(TMCの右側のセル)をプログラミングするための2つの異なる例示的な電圧の組み合わせを示す。
図25は、メモリセル10のうちの1つ(TMCの右側のセル)を読み込むための例示的な電圧を示す。
【0051】
例示的なメモリデバイスのアーキテクチャを
図26に示す。メモリデバイスは、不揮発性メモリセル10のアレイ50を含み、アレイ50は、2つの分離したプレーン(プレーンA52a及びプレーンB52b)に隔離され得る。メモリセル10は、
図3~7、
図9~13、
図15~19、及び
図21~25に描かれているように、半導体基板12に複数の行と列に配置された単一のチップに形成された
図1、
図8、
図14、及び
図20に示すタイプであることができる。不揮発性メモリセルのアレイに隣接して、低電圧LV行デコーダ(例えば、XDEC54)、ソース線ドライバ(例えば、SLDRV56)、列デコーダ(例えば、YMUX58)、高電圧行デコーダ(例えばHVDEC60)、及びビット線コントローラ(BLINHCTL62)等のアドレスデコーダがあり、アドレスをデコードして、選択されたメモリセルに対する読み出し、プログラム又は消去動作中に様々なメモリセルゲート及び領域へ様々な電圧を供給するために使用されている。列デコーダ58は、読み出し動作中にビット線上の電流を測定するための回路を含むセンス増幅器を含む。コントローラ66(制御回路を含む)は、上記の周辺回路並びにメモリアレイ内部の選択トランジスタ34を含む、標的メモリセル上の各動作(プログラム、消去、読み出し)を実施し、選択トランジスタ線STLを含む様々な線に信号を提供するために、様々なデバイス要素を制御する。電荷ポンプCHRGPMP64は、コントローラ66の制御下にて、メモリセルの読み出し、プログラム、及び消去に使用される様々な電圧を提供する。コントローラ66は、メモリデバイスを動作させてメモリセル10をプログラムし、消去し、読み出すように構成されている。
【0052】
上述した全ての実施形態では、アレイの合計サイズは、(選択トランジスタ及び選択トランジスタ線に対して場所を作るために)適度に増加しているだけであり、性能を向上させるために任意の所与の時間にメモリセル10の単一のサブ行のみを消去し、動作中に特定のサブソース線SSLのみに電圧を選択的に印加するのを可能にすることに見合ったトレードオフである。更に、選択トランジスタは、メモリアレイの残りの部分及びそれを形成する際のプロセスフローを実質的に変更することなく、メモリアレイに追加することができる。
【0053】
本発明は、本明細書に図示された上記実施形態に限定されるものではなく、任意の特許請求の範囲の範疇に収まるあらゆる変形例を包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、特許請求の範囲又は特許請求項の用語の限定を意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。更に、特許請求の範囲及び本明細書から明らかであるように、全ての方法ステップが例示された、又は特許請求された正確な順序で実行される必要はなく、むしろ、本発明のメモリデバイスの適切な形成が可能になる任意の順序で実行される。単一の材料層は、かかる又は類似の材料から構成される多数の層として形成することができ、そして、逆もまた同様である。上記で説明した材料、プロセス、及び数値の実施例は、単に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものとみなされるべきではない。例えば、0Vを印加することは、電圧を印加しないか、又はその結果が特定の線の0Vである線を接地することと同じである。加えて、印加された電圧の多くは0Vとして示されているが、表示された線のうちの1つ以上について低い正の電圧又は負の電圧を印加することにより、メモリセルのプログラミング、読み出し、又は消去について、同じ所望の結果が得られる。最後に、上記及び図面に開示される数値は、製造されたメモリセルアレイの性能変動に応じて変化し得る。
【0054】
本明細書で使用される、「の上方に(over)」及び「に(on)」という用語は共に、「上に直接」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)及び「上に間接的に」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を包括的に含むことに留意されるべきである。同様に、「隣接した」という用語は、「直接隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「間接的に隣接した」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「に取り付けられた」は、「に直接取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されていない)、及び「に間接的に取り付けられた」(中間材料、要素、又は間隙がそれらの間に配設されている)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結していない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間材料又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結している)を含む。例えば、「基板の上方に」要素を形成することは、中間材料/要素が介在せずに直接基板にその要素を形成することも、1つ以上の中間材料/要素が介在して間接的に基板にその要素を形成することも含み得る。