(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-12
(45)【発行日】2023-07-21
(54)【発明の名称】帯鋸による切断方法
(51)【国際特許分類】
B27B 15/04 20060101AFI20230713BHJP
B23D 55/00 20060101ALI20230713BHJP
B26D 1/46 20060101ALI20230713BHJP
【FI】
B27B15/04
B23D55/00 Z
B23D55/00 C
B26D1/46 502E
(21)【出願番号】P 2022561533
(86)(22)【出願日】2021-04-08
(86)【国際出願番号】 US2021026356
(87)【国際公開番号】W WO2021207476
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-11-21
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521448053
【氏名又は名称】ザ エムケー モールス カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE M.K. MORSE COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラ セカール ラクルティ
(72)【発明者】
【氏名】ローン マーフィ カーウィン
【審査官】小川 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-226070(JP,A)
【文献】特開昭61-279422(JP,A)
【文献】実開平1-170522(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0126549(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B27B 13/00-15/08
B23D 53/00-55/08
B26D 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯鋸で被加工物を切断する方法であって、
帯鋸盤で刃を中央長
手軸の周りで回転させる段階と、
前記回転段階中に前記刃の後縁部を後部支持部材によって支持する段階と、
前記回転段階中に前記刃の第1側縁部を第1側部支持部材によって支持する段階と、
前記後部支持部材に抗するように及ぼされる第1レベルの力を第1センサで監視する段階と、
前記第1
側部支持部材に抗するように及ぼされる第2レベルの力を第2センサで監視する段階と、
前記帯鋸盤で、前記回転段階中に、前記刃を前記中央長
手軸に沿って移動させる段階と、
前記第1レベルの力及び前記第2レベルの力のうちの少なくとも1つに応答して、1つ以上のプロセッサを有する情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階と、
前記回転段階中に前記第1側縁部とは反対に位置する前記刃の第2側縁部を第2側部支持部材によって支持する段階と、
前記第2
側部支持部材に抗するように及ぼされる第3レベルの力を第3センサで監視する段階と、
を有し、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1レベルの力、前記第2レベルの力、及び前記第3レベルの力のすべてに応答して、1つ以上のプロセッサを有する前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力の増加に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の方向を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力の減少に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の方向を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力の増加に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力の減少に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力の増加に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の加速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項7】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力の減少に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の加速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項8】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力の増加に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の方向を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項9】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力の減少に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の方向を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項10】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力の増加に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力の減少に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力の増加に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の加速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力の減少に応答して前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の加速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力及び前記第3センサによって感知される前記第3レベルの力のうちの1つの増加に応答して、前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の方向、速度、及び加速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力、前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力、及び前記第3センサによって感知される前記第3レベルの力のうちの少なくとも2つの増加にのみ応答して、前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の方向、速度、及び加速度を変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【請求項16】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力及び前記第3センサによって感知される前記第3レベルの力のうちの少なくとも1つの減少に応答して、少なくとも前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力、前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力、及び前記第3センサによって感知される前記第3レベルの力の増加に関わらず前記情報処理装置の制御下で前記帯鋸盤によって、前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の方向、速度、及び加速度のうちの少なくとも1つを維持する段階によって定義される、
方法。
【請求項17】
請求項1に記載の方法であって、前記動的に制御する段階はさらに、
前記第1センサによって感知される前記第1レベルの力が増加しないにも関わらず、前記第2センサによって感知される前記第2レベルの力及び前記第3センサによって感知される前記第3レベルの力の増加にのみ応答して、前記中央長手軸に沿った前記刃の直線運動の方向、速度、及び加速度のうちの少なくとも1つを変化させるように、前記情報処理装置で前記帯鋸盤を動的に制御する段階によって定義される、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して切断手段に関する。
【背景技術】
【0002】
所与の刃物について、刃先の長さの歯数(TPI)は固定されている。TPIは、刃溝のサイズ、歯の間の空間の幅と深さと共に、一般に、刃物で切断できる材料の種類を規定する。刃のTPIはまた、刃で切断できる被加工物のサイズの範囲をも規定しがちである。TPIが低い刃は一般に、縁部が粗ければ粗いほど速く切断できるので、木材の切断に最適である。一般的な経験則では、歯の数が多い鋸刃では切断は滑らかとなり、歯の数が少ない鋸刃では切断は速くなる。切断品質に影響を与える他の考慮事項は、材料が鋸刃へ供給される速さと鋸刃が回転する速さである。
【0003】
帯鋸には刃が利用されている。帯鋸の刃は、2つ以上の輪の間に張られた歯付き金属の連続的な帯である。輪は、材料に刃を通すように回転される。帯鋸は、木工、金属加工、非金属加工、製材などの分野で使用される。帯鋸は、様々な材料を切断するために利用され得る。
【0004】
図1は、帯鋸による切断処理中の刃の側面図である。刃10は、少なくとも1つの歯12を含む。歯12は、先端部14と切断面16を画定している。刃10が被加工物8を貫通することで、被加工物18から材料が除去される。刃10の移動方向は20で表される。被加工物18の現在の外側表面は22で表され、切削深さは24で表される。切断動作の後に露出される表面は26で表される。
【0005】
本明細書で提供される背景技術の説明は概して、本開示の文脈を提示することを目的とするものである。本背景の項に記載されている範囲での本願発明者の仕事、及び出願時に先行技術として他に認められない可能性のある説明の側面は、本開示に対して先行技術として明示的又は黙示的に認められることはない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は概して切断手段に関する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
帯鋸で被加工物を切断する方法は、帯鋸盤で刃を中央長手方向軸の周りで回転させる段階を含む。当該方法はまた、前記回転段階中に前記刃の後縁部を第1後部支持部材によって入口位置で支持する段階をも含む。前記第1後部支持部材は、前記後縁部に抗して第1レベルの力を発生させるように動作可能であり得る。当該方法はまた、前記回転段階中に前記刃の前記後縁部を第2後支持部材によって出口位置で支持する段階をも含む。前記第2後部支持部材は、前記後縁部に抗して第2レベルの力を発生させるように動作可能であり得る。当該方法はまた、前記刃の前記後縁部によって前記入口位置で前記第1後部支持部材に抗するように及ぼされる第3のレベルの力を第1センサで監視する段階をも含む。当該方法はまた、前記刃の前記後縁部によって前記出口位置で前記第2後部支持部材に抗するように及ぼされる第4のレベルの力を第2センサで監視する段階をも含む。当該方法はまた、前記帯鋸盤で、前記回転段階中に、前記刃と被加工物を互いに近づけるように前記刃と被加工物のうちの一を前記中央長手方向軸に沿って移動させる段階をも含む。当該方法はまた、前記第1レベルの力及び前記第2レベルの力が前記移動段階中及び前記回転中に異なるように、1つ以上のプロセッサを有する情報処理装置で前記第1後部支持部材及び前記第2後部支持部材を動的に制御する段階も含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下に記載する詳細な説明は、以下の図面を参照する。
【
図1】先行技術による切断プロセス中の刃の側面図である。
【
図2】本開示による切断処理中の刃の側面図である。
【
図3】被加工物のサイズに対する先行技術による刃の適用可能性を比較する表である。
【
図4】被加工物のサイズに対する本開示による刃の適用可能性を比較した表である。
【
図5】例示的な刃が取り付けられて移動する帯鋸盤の概略的正面図である。
【
図8】本開示の別の実施形態による帯鋸の概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示によって、一定のTPIを有する刃は、従来技術によって定義されるその適用範囲を超えて利用することが可能となる。本開示は、刃の切断移動の経路を変更する段階を含む。刃の移動は、動力工具-たとえば帯鋸-によって制御することができる。従って刃が従う移動の経路は、刃が搭載される動力工具によって実装され得る。一の例示的な実施形態では、刃は、きこりが木を切るように、切り口で前後に揺動することができる。エンドユーザは、複数の範囲にわたって単一の刃の使用を享受でき、また、刃の寿命の延長をも享受できる。
【0010】
ここで図面を参照すると、
図2には、本開示による切断処理中の刃10の側面図が示されている。例示的な刃10は帯鋸刃である。刃10は、先端部14及び切断面16を画定する少なくとも1つの歯12を含む。1つの歯12しか示されていないが、刃10は数の歯を含み得る。刃10が被加工物18を通過することで、材料は被加工物18から除去される。被加工物18の現在の外側表面22は、表面26を露出させるように切削深さ24まで除去されることになる。
【0011】
先端部14の運動の例示的な経路27は、実線部分と破線部分とによって表される。例示的な実線部分は28で表される。実線部分によって表される経路27の部分に沿った運動の間、歯12は被加工物に係合して材料を除去する。例示的な破線部分は30で表される。破線部分によって表される経路27の部分に沿った移動の間、歯12は、被加工物との係合を解除され、材料を除去しない。従って例示的な経路27は、刃10の振動運動を規定し、その運動は周波数と振幅とを有する。
【0012】
経路27は例示的なものである。本開示の他の実施形態において刃10に適用される経路は、異なる形状であってよい。一例では、刃10は、
図2のような図において方形波として現れる経路に沿って移動され得る。そのような経路が選択される場合、歯12は、被加工物18の一部を通って(被加工物にわたって)直線的に移動し、被加工物18から離れて垂直に上昇し、被加工物18上を直線的に移動し得、その後被加工物18内に戻って垂直に下降され得る。
【0013】
帯鋸工具は、刃10を経路27に沿って移動させるように構成され得る。従来技術では、帯鋸は、刃10の速さと供給速さの選択に基づいて操作される。刃10の速さは、被加工物18を横切る方向への刃10の移動に対応する。供給速さは、刃10の被加工物18への移動に対応する。本開示では、帯鋸は、刃10の速さ、供給速さ、周波数、及び振幅の選択に基づいて動作するように構成され得る。
【0014】
図3及び
図4は、被加工物のサイズに対する、先行技術及び本開示による刃の適用可能性を比較する表である。表中の長さの値は、被加工物のサイズに対応する。長さの値の下の帯は、TPI値に対応する。
図3の表は、先行技術によれば、3/4のTPIを有する刃は、3~7インチの被加工物で利用可能であることを示している。
図4の表は、同じ刃が、本開示に従って切断中に動かされるとき、3
~12インチの被加工物に利用され得ることを示している。この表はまた、すべてのTPIの刃が、本開示に従って切断中に移動されることによって、より広く使用され得ることを示している。
【0015】
ここで
図5~7を参照すると、帯鋸盤32は、モータアセンブリ34、刃10、駆動ホイール36、アイドラホイール38、フレーム40(破線で表されている)、制御装置50、及び少なくとも1つの支持ブロック42を含む。例示的なモータアセンブリ34は、モータによって生成された動力を所望に応じて出力できるように、モータと1つ以上の伝達アセンブリとを含む。例示的な実施形態では、モータアセンブリ34は、駆動輪36を回転させるために駆動輪36に動力を伝達する第1伝達アセンブリと、フレーム40を直線的に移動させるために動力を伝達する第2伝達アセンブリとを含んでいる。駆動輪36及びアイドホイール38は、フレーム40に回転するように取り付けられている。刃10は、駆動ホイール36とアイドラホイール38の両方の周囲に延在している。支持ブロック42もフレーム40に取り付けることができ、後縁部44、第1側縁部46、第2側縁部48の3つの側面で刃10を囲んでいる。刃10の有歯縁部52は露出している。帯鋸盤32は、刃10が複数の位置で支持されるように、フレーム40の周囲に配置された複数の支持ブロックを含み得る。
【0016】
帯鋸盤32で被加工物54を切断する例示的な方法では、帯鋸盤32は、中央長手方向軸56の周りで刃10を回転させることができる。刃10の後縁部44は、支持ブロック42の後部支持部58で回転中に支持され得る。刃10の第1側縁部46は、支持ブロック42の第1側面支持部60によって回転中に支持され得る。第1側縁部46とは反対側の刃10の第2側縁部48は、支持ブロック42の第2側面支持部62で回転中に支持され得る。支持部58、60、62は、それぞれ、刃10が被加工物54から離れて側方に移動することを防止することができる。
【0017】
例示的な帯鋸盤32は、第1センサ64、第2センサ66、及び第3センサ68を含む。後部支持部58に抗して及ぼされる第1レベルの力は、第1センサ64で監視され得る。第1センサ64は、感知された状態を制御装置50に送信することができる。第1側面支持部60に抗して及ぼされる第2レベルの力は、第2センサ66で監視され得る。第2センサ66は、感知された状態を制御装置50に送信することができる。第2側面支持部62に抗して及ぼされる第3レベルの力は、第3センサ68で監視され得る。第3センサ68は、感知された状態を制御装置50に送信することができる。第1センサ64、第2センサ66、及び/又は第3センサ68は、圧力センサ、圧電センサ、又は力若しくは圧力に対応する条件を感知できる他の形態のセンサとすることができることに留意されたい。
【0018】
例示的な帯鋸盤32は、回転中に刃10を中心長手方向軸56に沿って移動させるように構成されている。上述のように本開示の1つ以上の実施形態において、帯鋸盤32のモータは、中央長手方向軸56を中心に刃10を回転させることと、中央長手方向軸56に沿って刃10を移動させることの両方に利用され得る。そのような実施形態において、帯鋸盤32は、回転及び並進するためにモータによって生成された電力を伝達するための適切な伝達装置を含み得る。例示的な制御装置50は、回転中及び移動中に帯鋸盤32を動的に制御するように構成された1つ以上のプロセッサを有する情報処理装置である。例示的な制御装置50は、第1レベルの力、第2レベルの力、及び第3レベルの力のうちの少なくとも1つに応答して、移動中に帯鋸盤32を動的に制御するように構成される。制御装置50は、第1レベルの力、第2レベルの力、及び第3レベルの力の全てに応答して、移動中に帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。
【0019】
例示的な制御装置50は、帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。それにより中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動の方向は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力の増加に応じて変更される。例えば制御装置50は、第1レベルの力の所定量の増加に応答して、刃10を被加工物54に向かって移動させるのを止め、代わりに刃10を被加工物54から遠ざけるように帯鋸盤32のモータを制御し得る。別の例では、中央長手方向軸56に沿った刃10の移動の直進方向の変化は、直進移動を停止することによって定義することができる。例えば制御装置50は、第1レベルの力の所定量の増加に応答して、刃10を被加工物54に向かって移動させるのを停止し、中心長手方向軸56に沿った移動を停止するように帯鋸盤32のモータを制御し得る。所定量は、ニュートン単位での力の公称値によって、又は力のレベルの変化率によって定義することができる。
【0020】
例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力の減少に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直進運動の方向を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第1レベルの力の所定量の減少に応答して、被加工物54から離れるように刃10を移動させるのを止め、代わりに被加工物54に向かって刃10を移動させるように帯鋸盤32のモータを制御することが可能である。別の例では、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動方向の変化もまた、直線的な移動を停止することによって定義することができる。例えば制御装置50は、帯鋸盤32のモータを制御して、第1レベルの力の所定量の減少に応答して、刃10を被加工物54から遠ざける移動を停止し、中心長手方向軸56に沿った移動を停止することが可能である。
【0021】
例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力の増加に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動の速度を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第1レベルの力の所定量の増加に応答して、被加工物54に向かう中心長手方向軸56に沿った刃10の動きを遅くするように、帯鋸盤32のモータを制御することができる。同様に例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力の減少に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動速度を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成することができる。例えば制御装置50は、第1レベルの力の所定量の減少に応答して、被加工物54に向かう中心長手方向軸56に沿った刃10の移動速さを増加させるように、帯鋸盤32のモータを制御することができる。
【0022】
例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力の増加に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動の加速度を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第1レベルの力の所定量の増加に応答して、被加工物54に向かう中心長手方向軸56に沿った刃10の移動を加速するように帯鋸盤32のモータを制御することができる。移動の速度及び移動の方向は必ずしも、加速度の増加に応答して変化する必要はない。加速度の増加は、中央長手方向軸56に沿った刃10の瞬間の直線的な速度を維持することを可能にし得る。同様に例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力の減少に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動の加速度を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するよう構成され得る。例えば制御装置50は、第1レベルの力の所定量の減少に応答して、被加工物54に向かう中心長手方向軸56に沿った刃10の移動を減速させるように帯鋸盤32のモータを制御することができる。移動の速度及び移動の方向は必ずしも、加速度の減少に応答して変化する必要はない。
【0023】
例示的な制御装置50は、第2センサ66によって感知される第2レベルの力の増加に応じて及び/又は第3センサ68によって感知される第3レベルの力の増加に応じて、中央長手軸56に沿った刃10の直進運動の方向を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第2レベルの力の所定量の増加に応答して、刃10を被加工物54に向かって動かすのを止め、代わりに刃10を被加工物54から遠ざけるように帯鋸盤32のモータを制御し得る。感知される第2レベルの力及び第3レベルの力の増加は、刃10に対する過度の応力を示すことができる。方向の変化をもたらす第2センサ66又は第3センサ68によって感知される力のレベルは、方向の変化をもたらす第1センサ64によって感知される力のレベルより大きくなり得ることに留意されたい。
【0024】
例示的な制御装置50は、第2センサ66によって感知される第2レベルの力の減少及び/又は第3センサ68によって感知された第3のレベルの力の減少に応答して中央長手方向軸56に沿った刃10の直進運動の方向を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するよう構成され得る。例えば制御装置50は、第2レベルの力の所定量の減少に応答して、刃10を被加工物54から遠ざけるのを止め、代わりに刃10を被加工物54に向かって動かすように帯鋸盤32のモータを制御することができる。別の例では、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動方向の変化も、直線的な移動を停止することによって定義することができる。例えば制御装置50は、第2レベルの力の所定量の減少に応答して、刃10を被加工物54から遠ざける移動を停止し、中心長手方向軸56に沿った移動を停止するように帯鋸盤32のモータを制御することができる。
【0025】
例示的な制御装置50は、第2センサ66によって感知される第2レベルの力の増加に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動の速度を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第2のレベルの力の所定量の増加に応答して、被加工物54に向かう中央長手方向軸56に沿った刃10の動きを遅くするように、帯鋸盤32のモータを制御することができる。同様に例示的な制御装置50は、第2センサ66によって感知される第2レベルの力の減少に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動の速度を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第2レベルの力の所定量の減少に応答して、被加工物54に向かう中央長手方向軸56に沿った刃10の速度移動を増加させるように帯鋸盤32のモータを制御することができる。
【0026】
例示的な制御装置50は、第2センサ66によって感知される第2レベルの力の増加に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動の加速度を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第2レベルの力の所定量の増加に応答して、被加工物54に向かう中央長手方向軸56に沿った刃10の動きを加速するように帯鋸盤32のモータを制御することができる。同様に例示的な制御装置50は、第2センサ66によって感知される第2レベルの力の減少に応答して、中央長手方向軸56に沿った刃10の直進運動の加速度を変更するように帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第2レベルの力の所定量の減少に応答して、被加工物54に向かう中央長手方向軸56に沿った刃10の移動を減速させるように、帯鋸盤32のモータを制御することができる。
【0027】
例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力、第2センサ66によって感知される第2レベルの力、及び第3センサ68によって感知される第3レベルの力のうちの少なくとも2つの増加に応答してのみ、中心長手方向軸56に沿った刃10の直進運動の方向、速度、及び加速度の少なくとも1つを変更するために帯鋸盤32を動的に制御するように構成され得る。例えば制御装置50は、第1、第2及び第3レベルの力のうちの少なくとも2つの所定量の増加に応答して、刃10を被加工物54に向かって動かすのを止め、代わりに刃10を被加工物54から遠ざけるように帯鋸盤32のモータを制御することが可能である。1つ以上の動作設定において、第1センサ64、第2センサ66、及び第3センサ68のうちの1つのみによって感知される力のレベルの上昇は、移動方向を変更することを支配しない場合がある。一例では、(後部支持体58に関連する)第1センサ64、及び、第2センサ66と第3センサ68のうちの1つ又は両方とによって感知される力の上昇は、方向転換が起こるべきであることを示唆し得る。速度及び加速度は、第1センサ64、第2センサ66、及び第3センサ68のうちの2つによって感知される力のレベルの増加の検出に応答して、追加的又は代替的に変更され得ることに留意されたい。
【0028】
例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力、第2センサ66によって感知される第2レベルの力、及び第3のセンサ68によって感知された第3の力のレベルのうちの1つが増加したにもかかわらず、中央長手方向軸56に沿った刃10の直線運動の方向、速度、又は加速度のうちの少なくとも1つを維持するよう構成され得る。例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1のレベルの力、第2センサ66によって感知される第2レベルの力、及び第3センサ68によって感知される第3レベルの力うちの少なくとも2つの減少に応答して、刃10の位置/移動の属性を維持するように構成され得る。例えば制御装置50は、他のレベルの2つの力のうちの1つについて減少が感知されるとき、第1、第2及び第3の力のレベルのうちの1つが増加したにもかかわらず、刃10の現在の動きを維持するように帯鋸盤32のモータを制御することが可能である。よって感知される様々な力のレベルは、刃10の動きを制御する際に累積的に適用され得る。
【0029】
例示的な制御装置50は、第1センサ64によって感知される第1レベルの力が増加していないにもかかわらず、第2センサ66によって感知される第2レベルの力および第3センサ68によって感知された第3レベルの力の増加のみに応答して、中心長手方向軸56に沿った刃10の直線的な移動の方向、速度、及び加速度の少なくとも1つを変更するために帯鋸盤32を動的に制御するよう構成され得る。例えば制御装置50は、第2レベル及び第3レベルの両方の力の所定量の増加に応答して、刃10を被加工物54に向かって移動させるのを止め、代わりに刃10を被加工物54から離れるように帯鋸盤32のモータを制御することが可能である。第1センサ64によって感知される状態は、刃10に対する応力を最もよく示しているかもしれないが、1つ以上の動作設定において、第1センサ64に対する力のレベルは、刃10に対する応力を示唆し得ないこともあり得る。
【0030】
一般的な動作では、制御装置50は、ユーザからの入力-たとえば被加工物54のサイズ、被加工物54の材料、被加工物54の形状、及び刃10のTPI-を受け取るように構成され得る。被加工物54のサイズは、刃10が貫通する被加工物54の最大寸法-例えば限定ではないが、刃10が被加工物54の中心長手軸に対して交差して通過するときの円筒形被加工物の外径-によって定義され得る。そのような入力の受け取りに応答して、制御装置50は、刃10が駆動輪36によって回転される速さ、及び刃10が被加工物54を貫通して移動する供給速さを決定するように構成され得る。
【0031】
制御装置50はまた、刃10の脈動運動を実施するように構成され得る。刃10の脈動運動は、刃10の送り運動を補足することができる。例えば刃の所望の送り運動は、所定の第1ベクトルによって定義され得て、所望の脈動運動は、所定の第2ベクトルによって定義され得る。任意の特定の瞬間における刃10の瞬間的又は正味の若しくは実際の運動は、第1ベクトルと第2ベクトルとの組み合わせとすることができる。第1ベクトル及び/又は第2ベクトルは、センサ64、66、68によって感知される力の関数とすることができる。
【0032】
図2を参照すると、第1ベクトルに関連する送り運動は、矢印70によって表される。例示的な運動70は、被加工物18に向かい、又は被加工物18の中に入りこむ。第2ベクトルに関連する脈動運動は、28によって表される実線の部分と30によって表される破線の部分とを含む半波形の形態によって表される。例示的な脈動運動の振幅は、72で表される。例示的な脈動運動の周波数は、距離変数又は時間変数によって定義され得る。例えば脈動の周波数(半波形)は、被加工物18のサイズ又はサイズの増分-例えば被加工物のサイズ1センチメートルあたり10個の脈動-によって定義され得る。再び
図2を参照すると、脈動運動は、74で表される距離によって定義される周波数を有することができる。別の例では、刃10は、切断時間の1秒ごとに脈動させることができる。
【0033】
さらに上述したように、脈動の周波数は、センサ64、66、68によって感知される力に基づき得る。一の例では、刃10の脈動の周波数は最初、1秒の切断時間ごとに1つの脈動とすることができる。センサ64、66、68の1つによって感知される力が所定のレベルに達した場合、刃10の脈動の周波数は、1秒の切断時間につき2つ以上の脈動に変更されてよい。同様に刃10の脈動の振幅は、最初は1ミリメートルであってよい。センサ64、66、68の1つによって感知される力が所定のレベルに達した場合、刃10の脈動の振幅は、2ミリメートルであるように変更され得る。
【0034】
ここで
図8を参照すると、本開示の1つ以上の実施形態において、帯鋸盤は、刃10の後縁44にそれぞれの力を加える後部支持部材76、78を含むことができる。後部支持部材76、78は、本開示の1つ以上の実施形態において、背部支持体-たとえば後部支持体58-はあってもなくても利用され得る。例示的な実施形態では、後部支持部材76は、各刃歯が被加工物54に入る被加工物54の位置に対応する入口位置に配置される。例示的な背面支持部材78は、各刃歯が被加工物54から出る被加工物54の位置に対応する出口位置に配置される。
図8の観点によれば、刃10は、被加工物54を横切って移動している(矢印80によって表される)。これは、駆動輪36によって駆動される。さらに、刃10及び被加工物54は、切断操作を完了するために互いに向かって移動している(例示的な実施形態における被加工物54を通る刃10の移動を示唆する矢印82によって表される)。
【0035】
例示的な実施形態では、背部支持部材76、78は同様に構成されており、後部支持部材76の説明は背部支持部材78に適用可能である。後部支持部材76は、刃10と接触し、被加工物54から離れる動きに抗して刃10を支持するベアリング部分84を含む。後部支持部材76はまた、刃10によってベアリング部分84に加えられる力のレベルを感知するように構成されたセンサ86を含む。センサ86は、感知される力に対応する信号を制御装置50に伝達するように配置されている。後部支持部材76はまた、軸受部84に作用する力のレベルを変化させるように伸縮可能な延長アーム88を含む。前記力はベアリング部分84を介して刃10に向けられる。後部支持部材76はまた、延長アーム88を選択的に伸縮させて、ベアリング部分84を介して刃10に向けられる力を選択的に変化させるように構成されたモータ90をも含む。
【0036】
後部支持部材76は、被加工物54に対する切断操作の間、刃10の背面44に選択的に力を加えることができる。印加される力は可変であり得る。例えば印加される力のレベルは、正弦波パターン、半正弦波パターン、方形波パターン、パルス波パターン、三角波パターン、又はランプアップ若しくはランプダウン波パターンによって規定され得る。波動パターンは、振幅及び周波数によって定義され得る。本開示の1つ以上の実施形態において、後部支持部材76、78は、力を非同期的に加えてよい。言い換えれば、それぞれの周波数及び/又は振幅は、切断プロセス中に異なってよい。制御装置50は、センサ86などの後部支持部材76、78のベアリング部分を位置決めしたセンサによって感知される力のレベルに応答して、後部支持部材76、78によって加えられる力のそれぞれのレベルを制御するように構成され得る。
【0037】
本開示は例示的な実施形態を参照して説明されてきたが、本開示の範囲から逸脱することなく、様々な変更がなされ、その要素に等価物が置換されてもよいことは当業者には理解されよう。 さらに、その本質的な範囲から逸脱することなく、特定の状況または材料を本開示の教示に適合させるために、多くの変更がなされ得る。 したがって、本開示を実施するために企図された最良の態様として開示された特定の実施形態に限定されるのではなく、本開示が添付の請求項の範囲内に入る全ての実施形態を含むことが意図される。 本明細書に開示される要素及び/又はサブコンビネーションにクレームする権利は、ここに無条件に留保される。 本書における「できる、し得る」という語の使用は、その語の前にある主題が、本書の他の何かに対して重要でない、不要である、または「重要でない」と主張するものでない。 本書では、「できる」という言葉は肯定的な意味で使用されており、他の動機が推定されるべきではありません。本開示では、複数の「発明」を開示することができる。「発明」は、特許請求の範囲の内容によって定義され、発明の実施形態の詳細な説明の内容によって定義されるものではない。