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特許7312937電解水散布装置及びそれを用いた送風装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】電解水散布装置及びそれを用いた送風装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/14 20060101AFI20230714BHJP
   C02F 1/461 20230101ALI20230714BHJP
   F24F 7/003 20210101ALI20230714BHJP
【FI】
A61L9/14
C02F1/461 Z
F24F7/003 100
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019167947
(22)【出願日】2019-09-17
(65)【公開番号】P2021045233
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2022-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106116
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100131495
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 健児
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 雄大
(72)【発明者】
【氏名】小原 弘士
【審査官】太田 一平
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-025465(JP,A)
【文献】国際公開第2018/190003(WO,A1)
【文献】特開2012-097955(JP,A)
【文献】特開平04-087612(JP,A)
【文献】特開2007-111165(JP,A)
【文献】特開2011-200787(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105012986(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61L 9/00 - 9/22
C02F 1/46 - 1/48
F24F 7/00 - 7/007
F24F 8/00 - 8/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯水部に貯められた塩化物イオンを含む水を一対の電極によって電気分解させ、次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成部と、
前記貯水部に電解促進錠剤を投入する電解促進錠剤投入部と、
筐体内に前記電解水生成部が生成した電解水を吸気口から吸い込んだ空気に接触させて吹出口から送風する送風部と、
前記電解水生成部の前記一対の電極に通電させる電力量前記送風部の風量、及び前記電解促進錠剤投入部による電解促進錠剤の投入を制御する制御部と、
明るさを検知する照度検知部を備えた電解水散布装置であって、
前記制御部は、所定の明るさより明るく、昼間や部屋の照明が付いているなど、周囲に人が集まるタイミングである場合は、前記電解促進錠剤を投入しないよう制御することを特徴とする電解水散布装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記照度検知部が検知した出力値と所定の閾値とを比較し、前記照度検知部が検知した明るさ情報が小さい場合、前記電解促進錠剤投入部から前記電解水生成部へ電解促進錠剤を投入するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の電解水散布装置。
【請求項3】
前記所定の閾値は、変更可能であることを特徴とする請求項に記載の電解水散布装置。
【請求項4】
請求項1~のいずれかに記載の電解水散布装置を備えたことを特徴とする送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解水を生成して散布する電解水散布装置に関する。
【背景技術】
【0002】
空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭い等の除去を行うために、電気分解により次亜塩素酸を含む電解水を生成して散布する電解水散布装置が知られている。
【0003】
従来、電解水散布装置の電解促進錠剤を投入するかどうかの判断は時間経過や特定の動作状態に基づいて判断していた(特許文献1)。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、時間や動作状態で判断するため、介護施設等で使用する際に、人が多く集まる昼間や部屋の照明が付けられている時間帯に電解促進錠剤の投入要求を行うおそれがある。周囲に人が多いタイミングでの電解促進錠剤の投入要求を音やLEDを用いてユーザに通知する場合や、電解促進錠剤投入部で電解促進錠剤を自動的に投入する場合の落下経路を通過する落下音など、周囲のユーザに不快感を与えるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-024984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、次亜塩素酸を含む電解水の生成において、昼間や部屋の照明が付けられているなど、周囲に人が集まる時間帯に電解促進錠剤の投入などの動作音によるユーザへの不快感を抑制した電解水散布装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の電解水散布装置は、以下を特徴とするものである
。即ち、本発明の電解水散布装置は、貯水部に貯められた塩化物イオンを含む水を一対の電極によって電気分解させ、次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成部と、貯水部に電解促進錠剤を投入する電解促進錠剤投入部と、筐体内に電解水生成部が生成した電解水を吸気口から吸い込んだ空気に接触させて吹出口から送風する送風部と、電解水生成部の前記一対の電極に通電させる電力量、送風部の風量、及び電解促進錠剤投入部による電解促進錠剤の投入を制御する制御部と、明るさを検知する照度検知部を備えた電解水散布装置であって、制御部は、所定の明るさより明るく、昼間や部屋の照明が付いているなど、周囲に人が集まるタイミングである場合は、電解促進錠剤を投入しないよう制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の電解水散布装置によれば、電解水生成部で電解水を生成するタイミングを照度検知部が検知した明るさ情報に基づいて判断することで、昼間など人が多く集まる時間帯での電解促進錠剤の投入や通知を抑制できるため、動作音によるユーザへの不快感を低減した動作を提供できるという効果を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第1実施形態に係る電解水散布装置の斜視図である。
図2】同電解水散布装置の斜視図である。
図3】同電解水散布装置の断面図である。
図4】同電解水散布装置の断面図である。
図5】同電解水散布装置の機能ブロック図である。
図6】制御部で照度検知部の判定結果に基づく電解促進錠剤の投入判断を行うフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係る電解水散布装置は、貯水部に貯められた水を一対の電極によって電気分解させ、電解水を生成する電解水生成部と、前記貯水部に電解促進錠剤を投入する電解促進錠剤投入部と、筐体内に前記電解水生成部が生成した電解水を吸気口から吸い込んだ空気に接触させて吹出口から送風する送風部と、前記電解水生成部の前記一対の電極に通電させる電力量及び前記送風部の風量を制御する制御部と、明るさを検知する照度検知部を備えた電解水散布装置であって、前記制御部は、前記照度検知部が検知した明るさ情報に基づいて前記電解促進錠剤投入部から前記電解水生成部へ電解促進錠剤の投入するよう制御する。さらに、前記制御部は、前記照度検知部が検知した出力値と所定の閾値とを比較し、前記照度検知部が検知した明るさ情報が小さい場合、前記制御部は、前記電解促進錠剤投入部から前記電解水生成部へ電解促進錠剤の投入するよう制御する。
【0010】
これにより、電解水の生成を行うために必要な電界促進錠剤の投入を明るさ情報に基づいて行うため、昼間などの明るいときには電解促進錠剤の投入要求や投入動作を行わず、夜間や人が存在しない部屋が暗いときに電解促進錠剤を投入する。電解促進錠剤の投入要求の通知や落下音などを抑制することができるため、人が多く集まる時間帯におけるユーザの不快感を抑えることができる。
【0011】
また、前記所定の閾値は、変更可能であるという構成にしてもよい。
【0012】
これにより、照度検知部の検知ばらつきや経年劣化、製品の使用環境などが異なる場合でも電解促進錠剤の投入判断が可能なため、ユーザの不快感を抑制することができる。
【0013】
また、本発明の電解水散布装置を送風装置に適用してもよい。
【0014】
これにより、送風装置においても本発明記載の効果を実現できる。
【0015】
以下、本発明を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。ただし、未満に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するために例示するものであって、本発明は未満のものに特定しない。特に実施の形態に記載されている数値、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる実施例に過ぎない。
【0016】
(第1実施形態)
まず、図1~6を参照して、本発明の第1実施形態である電解水散布装置Dについて説明する。図1は、電解水散布装置Dの斜視図であり、電解水散布装置Dを前面側から見た図である。図2は、電解水散布装置Dの斜視図であり、図1のパネル3を開いた状態で電解水散布装置Dを前面側から見た図である。
【0017】
図1、2に示す通り、電解水散布装置Dは、略箱形状の本体ケース1を備え、本体ケース1の両側面には略四角形状の吸気口2を有している。本体ケース1の天面には、開閉式の吹出口6が設けられている。図1、2では、吹出口6は閉じた状態である。
【0018】
本体ケース1の前面側から見て、右側の側面(本体ケース1の一方側の側面)である第1の本体側面1Aには、開閉可能なパネル3が設けられている。本体ケース1の一方側の側面の吸気口2は、パネル3に設けられている。パネル3を開くと、縦長四角形状の開口4が現れる。開口4から、後述する貯水部14、給水部15、錠剤投入ケース18a等が取り出し可能に構成されている。
【0019】
図3は、電解水散布装置Dの正面視中央部分を縦方向に切った断面図であり、電解水散布装置Dを右側から見た図である。電解水散布装置Dが作る風路構成などを示している。図4は、電解水散布装置Dの正面視右側を縦方向に切った断面図であり、電解水散布装置Dにおける右側から見た図である。タンク部材などの電解水生成に関する周辺構成などを示している。図5は、電解水散布装置Dの機能をブロックで示した機能ブロック図である。
【0020】
図2~5に示すように、本体ケース1内には、電解水生成部5と、給水部15と、散布部19と、風路8とが備えられている。電解水生成部5は、一対の電極17と、貯水部14を備えている。
【0021】
貯水部14は、天面を開口した箱形状をしており、水を貯水できる構造となっている。貯水部14は、本体ケース1の下部に配置され、本体ケース1から水平方向にスライドして着脱可能となっており、開口4から取り出すことができる。貯水部14は、給水部15から供給される水を貯水する。
【0022】
一対の電極17は、電極部材(図示せず)を備えており、この電極部材が貯水部14内の水に浸かるように設置される。一対の電極17は、この電極部材に通電することにより、貯水部14内の塩化物イオンを含む水を電気化学的に電気分解し、活性酸素種を含む電解水を生成させる。ここで、活性酸素種とは、通常の酸素よりも高い酸化活性を持つ酸素分子と、その関連物質のことである。例えば、スーパーオキシドアニオン、一重項酸素、ヒドロキシラジカル、或いは過酸化水素といった所謂狭義の活性酸素に、オゾン、次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)等といった所謂広義の活性酸素を含む。
【0023】
一対の電極17は、電極部材への電気分解するための通電を行う通電時間と、その通電停止後の時間、つまり通電を行っていない時間である非通電時間を一周期として、その一周期を複数回繰り返すことで、電解水を生成する。電極部材に対し、非通電時間を設けることで、電極部材の寿命を延ばすことができる。なお、非通電時間に対して通電時間を長くすれば、一周期当たりにおいてより多くの量の活性酸素種を含む電解水が生成される。また通電時間に対して非通電時間を長くすれば、一周期当たりの活性酸素種の生成が抑えられる。さらに、通電時間における電力量を大きくすれば、より多くの量の活性酸素種を含む電解水が生成される。
【0024】
電解促進錠剤投入部18は、錠剤投入ケース18aと、錠剤投入ケース18a内に設けた錠剤投入部材(図示せず)と、錠剤投入ケース18aの上部に着脱自在に設けられた錠剤投入カバー18bとを備えている。錠剤投入ケース18aは、開口4から取り出し可能に構成される。ユーザは、取り出した錠剤投入ケース18aから錠剤投入カバー18bを外すことで、ユーザが錠剤投入ケース18a内に電解促進錠剤を装填できる。
【0025】
電解促進錠剤投入部18は、電解促進錠剤を貯水部14へ投入する場合に、錠剤投入部材を回動させる。錠剤投入部材が回動すると、電解促進錠剤が錠剤投入ケース18aの底面の落下開口(図示せず)より貯水部14に落下する。電解促進錠剤投入部18は、錠剤投入ケース18aから貯水部14に落下された電解促進錠剤の個数をカウントし、錠剤投入ケース18aから貯水部14に電解促進錠剤が一錠落下したと判断すると、錠剤投入部材の回動を停止する。この電解促進錠剤が貯水部14内の水に溶け込むことにより、貯水部14の水が塩化物イオンを含む水が生成される。なお、電解促進錠剤の一例は、塩化ナトリウムである。
【0026】
なお、電解水散布装置Dは、電解促進錠剤投入部18を有していなくてもよい。この場合は、電解水散布装置Dが、ユーザに対して電解促進錠剤の投入を指示する報知を表示や発音によって行い、ユーザに電解促進錠剤を直接、貯水部14へ投入させるようにしてもよい。
【0027】
制御部30は、例えば、本体ケース1(図1参照)の天面に設けられた操作パネルの裏側に設けられ、電解水散布装置Dの制御を行う。制御部30は、一対の電極17による水の電気分解を制御し、また電解促進錠剤投入部18による電解促進錠剤の投入を制御するものである。特に、制御部30は、照度検知部20により検出された明るさ情報に基づき、電解促進錠剤投入部18による電解促進錠剤の投入判断を行うものである。この照度検知部20による明るさ情報の取得と制御内容の詳細については、図6を参照して後述する。
【0028】
給水部15は、本体ケース1内部の正面視右側の側面に設置され、貯水部14から着脱可能な構造となっており、開口4から取り出すことができる。給水部15は、貯水部14の底面に設けられたタンク保持部14aに装着されている。給水部15は、水を貯水するタンク15aと、タンク15aの開口(図示せず)に設けられた蓋15bとを備えている。蓋15bの中央には、開閉部(図示せず)が設けられており、この開閉部が開くと、タンク15a内の水が、貯水部14へ供給される。
【0029】
具体的には、タンク15aの開口を下向きにして、タンク15aを貯水部14のタンク保持部14aに取り付けると、タンク保持部14aによって開閉部が開く。つまり、タンク15aに水を入れてタンク保持部14aに取り付けると、開閉部が開いて貯水部14に給水され、貯水部14内に水が溜まる。貯水部14内の水位が上昇して蓋15bのところまで到達するとタンク15aの開口が水封されるので給水が停止し、タンク15aの内部には水が残り、貯水部14内の水位が下がった場合に都度、タンク15a内部の水が貯水部14に給水される。即ち、貯水部14内の水位は一定に保たれる。
【0030】
なお、電解水散布装置Dは、給水部15としてタンク15aを有していなくてもよい。この場合は、電解水散布装置Dに対して、水を供給するラインを水道水よりひき、貯水部14内の水位が下がった場合に、貯水部14内の水位が所定位置に上昇するまで、水道水を供給するようにしてもよい。
【0031】
散布部19は、送風部7と、フィルター部16とを備える。送風部7は、本体ケース1の中央部に設けられ、モータ部9と、モータ部9により回転するファン部10と、それらを囲むスクロール形状のケーシング部11とを備えている。モータ部9は、ケーシング部11に固定されている。
【0032】
ファン部10は、シロッコファンであり、モータ部9から水平方向に延びた回転軸9aに固定され、モータ部9は、ケーシング部11に固定されている。モータ部9の回転軸9aは、本体ケース1の前面側から背面側に延びている。ケーシング部11は、ケーシング部11の本体ケース1における上面側に吐出口12を備え、ケーシング部11の本体ケース1における背面側に吸込口13を有している。
【0033】
送風部7の風量は、ユーザの設定した風量に基づいて決定される。決定された風量に基づき、モータ部9の回転量が制御される。
【0034】
フィルター部16は、貯水部14に貯水された電解水と、送風部7によって本体ケース1内に流入した室内空気とを接触させる部材である。フィルター部16は、円筒状に構成され、円周部分に空気が流通可能な孔を備えたフィルター16aを配置し、その一端が貯水部14の水に浸漬され、保水されるように、フィルター16aの中心軸を回転中心として貯水部14に回転自在に内蔵されている。そして、フィルター部16は、駆動部(図示しない)により回転され、電解水と室内空気を連続的に接触させる構造となっている。
【0035】
風路8は、吸気口2と吹出口6とを連通し、吸気口2から順に、フィルター部16、送風部7、吹出口6を備えている。モータ部9によってファン部10が回転すると、吸気口2から吸い込まれ風路8内に入った外部の空気は、順に、フィルター16a、送風部7、吹出口6を介して、電解水散布装置Dの外部へ吹き出される。これにより、貯水部14にて生成された電解水が外部へ散布される。なお、電解水散布装置Dは、必ずしも電解水そのものを撒くものでなくてもよく、結果的に生成した電解水由来(揮発を含む)の活性酸素種を散布するものであっても電解水散布に含まれる。
【0036】
図6を用いて、照度検知部20で検知した明るさ情報に基づき、電解促進錠剤の投入判断を行う方法について説明を行う。
【0037】
図6は、電解促進錠剤投入部の投入判断を行うフローチャートである。制御部30は、例えば、時間情報や貯水部14への給水量などの実験的に決まる時間周期で電解促進錠剤投入部18の投入判断を実行する。
【0038】
電解促進錠剤投入部18の投入判断は、まず電解促進錠剤の投入処理のタイミングに、照度検知部20から出力される明るさ情報を取得する(S1)。出力値の取得は、例えばA/Dコンバータなどを用いて行う。照度検知部20は、明るさに応じて出力電圧値が変化する。この出力値を用いることで、電解水散布装置Dの周囲の明るさ情報を取得することができる。具体的な数値例では、周囲の明るさに応じて1Vの出力を得る。S1で取得した明るさ情報を所定の明るさに基づいて設定された閾値と比較することで、電解水散布装置Dの周辺の明るさを判断する(S2)。明るさに基づいて設定された閾値は、例えば実験的に取得した値であり、電解促進錠剤を投入するかどうかを判断する閾値である。具体的な数値例では、所定の明るさの閾値として0.5Vの電圧値とする。所定の明るさより暗い場合は、電解促進錠剤を投入して電解水散布装置Dを動作させる。また、所定の明るさより明るい場合は、昼間や部屋の照明が付いているなど、周囲に人が集まるタイミングである為、電解促進錠剤を投入せずに電解水散布装置Dを動作させる(S3)。具体的な数値例では、所定の明るさの閾値として設定した0.5Vに対し、周囲の明るさが0.1Vであるため、所定の明るさより暗いと判断し、電解促進錠剤を投入して電解水散布装置Dを動作させる。
【0039】
電解水散布装置Dは、生成した電解水を貯水部14に貯水して外部に散布する。明るさ情報が明るいときは、電解水生成部5に電解促進錠剤を投入せず、暗くなったことを判断すると電解促進錠剤を投入して電解水を生成する。電解水を貯水部14に貯水して散布するため、明るさ情報が明るい状態に電解水を生成しなくても製品機能としては問題がない。そのため、電解促進錠剤の投入要求や投入のタイミングを、ユーザが不快と感じないタイミングに調整することができる。
【0040】
なお、所定の明るさに基づいて設定された閾値は、実験的により決めた閾値でもよい。照度検知部20の取り付け位置や構造などにより同じ周囲環境の明るさ情報であっても、照度検知部20で取得される明るさ情報が変化するためである。また、ユーザが任意に設定できるようにしてもよい。この場合、本体ケース1の天面に設けられた操作パネルのスイッチなどを用いて設定する。
【0041】
以上の通り、電解水散布装置Dでは、照度検知部20により明るさ情報を取得し、所定の明るさに基づいて設定された閾値と比較することで、明るさを判断する。さらに、明るさ情報が小さい場合、電解促進錠剤を投入し、明るさ情報が大きい場合、電解促進錠剤を投入しない。明るさ情報に基づく電解促進錠剤の投入制御により、昼間や部屋の照明が付いており、周囲に人が集まるタイミングでの音や通知の発生を抑えることができる。
【0042】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。例えば、上記各実施形態で挙げた数値は一例であり、他の数値を採用することは当然可能である。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明に係る電解水散布装置は、空気中の細菌、真菌、ウイルス、臭い等の除去(不活性化を含む)を行う電解水散布装置として有用である。
【符号の説明】
【0044】
D 電解水散布装置
1 本体ケース
1A 第1の本体側面
2 吸気口
3 パネル
4 開口
5 電解水生成部
6 吹出口
7 送風部
8 風路
9 モータ部
9a 回転軸
10 ファン部
11 ケーシング部
12 吐出口
13 吸込口
14 貯水部
14a タンク保持部
15 給水部
15a タンク
15b 蓋
16 フィルター部
16a フィルター
17 一対の電極
18 電解促進錠剤投入部
18a 錠剤投入ケース
18b 錠剤投入カバー
19 散布部
20 照度検知部
30 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6