(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230714BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230714BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20230714BHJP
F21Y 115/30 20160101ALN20230714BHJP
【FI】
F21S2/00 434
F21Y115:10 300
F21Y115:15
F21Y115:30
(21)【出願番号】P 2019034779
(22)【出願日】2019-02-27
【審査請求日】2021-11-18
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山科 大悟
(72)【発明者】
【氏名】秋山 博紀
(72)【発明者】
【氏名】山江 和幸
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0104089(US,A1)
【文献】国際公開第2018/151030(WO,A1)
【文献】登録実用新案第3134432(JP,U)
【文献】特開2017-050276(JP,A)
【文献】特開2014-112487(JP,A)
【文献】特開2008-204874(JP,A)
【文献】特開2013-131353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源から発せられた光を導光する導光部材と、
前記光を前記導光部材から出射させるための、前記導光部材に設けられた光取り出し構造とを備え、
前記導光部材は、
可撓性及び透光性を有する樹脂基材と、
前記樹脂基材内に均一に分散された可視光吸収剤とを含み、
前記可視光吸収剤の極大吸収波長は、500nm以上750nm以下であ
り、
前記可視光吸収剤は、さらに、370nm以下の紫外光帯域に吸収ピークを有する
照明装置。
【請求項2】
前記樹脂基材には、さらに、紫外光吸収剤が均一に分散されている
請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記紫外光吸収剤の極大吸収波長は、260nm以上380nm以下である
請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記光取り出し構造は、前記樹脂基材の一面に設けられた複数のプリズムである
請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、導光板の端面から光を入射させて、導光板の所望の部分から光を取り出すエッジライト方式の照明器具が知られている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-312600号公報
【文献】特開2012-64441号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の照明器具では、導光板を光が導光される際に、導光板によって特定の波長成分の光が吸収されて色調が変化するという問題がある。例えば、白色光が導光板を導光された場合には、光が黄色みを帯びて所望の光学特性が得られない。また、近年、照明器具には、設置箇所及び発光面の形状などに制限されず、広範な用途に利用されることが求められている。
【0005】
そこで、本発明は、所望の光学特性を実現し、かつ、汎用性の高い照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る照明装置は、光源と、前記光源から発せられた光を導光する導光部材と、前記光を前記導光部材から出射させるための、前記導光部材に設けられた光取り出し構造とを備え、前記導光部材は、可撓性及び透光性を有する樹脂基材と、前記樹脂基材内に均一に分散された可視光吸収剤とを含み、前記可視光吸収剤の極大吸収波長は、500nm以上750nm以下である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望の光学特性を実現し、かつ、汎用性の高い照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明装置の可撓性を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る照明装置の導光部材の基材に分散された可視光吸収剤の吸収スペクトルを示す図である。
【
図4】
図4は、実施の形態の変形例に係る照明装置の概略構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下では、本発明の実施の形態に係る照明装置について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0010】
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0011】
また、本明細書において、均一などの要素間の関係性を示す用語、及び、円柱又は角柱などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る照明装置の構成について、
図1及び
図2を用いて説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る照明装置1の概略構成を示す断面図である。
図1に示されるように、照明装置1は、光源モジュール10と、導光部材20と、光取り出し構造30と、反射部材40とを備える。なお、照明装置1は、光源モジュール10と導光部材20とを所定の位置関係で支持する支持部材を備えてもよい。
【0014】
図1では、光源モジュール10の発光素子12が発する光の経路を、模式的に複数の矢印で表している。具体的には、光の経路は、発光素子12を起点として延びる矢印、導光部材20の内部に描かれた矢印、及び、導光部材20の第1主面21bから導光部材20の外側に向かって延びる矢印によって模式的に表されている。なお、当該光の経路を分かりやすくするため、導光部材20の基材21には断面を表す網掛けを付していない。これらは、後述する
図4においても同様である。
【0015】
図2は、本実施の形態に係る照明装置1の可撓性を模式的に示す斜視図である。
図2に示されるように、導光部材20の基材21が可撓性を有することで、照明装置1を容易に曲げることができる。例えば、
図2の(a)は、基材21を曲げる前の状態を示しており、
図2の(b)は、基材21を曲げた後の状態を示している。なお、
図2では、光取り出し構造30及び反射部材40の図示を省略している。
【0016】
光源モジュール10は、光源の一例であり、
図1に示されるように、基板11と、発光素子12とを備える。光源モジュール10は、導光部材20の基材21の端面21aに向けて光を出射する。
【0017】
基板11は、発光素子12の実装基板である。基板11は、例えばガラスエポキシ基板であるが、これに限らない。基板11は、セラミック基板、樹脂基板又はメタルベース基板などでもよい。基板11は、リジッド基板でもよく、フレキシブル基板でもよい。
【0018】
基板11は、基材21の端面21aに対向して平行な姿勢で配置されている。基板11は、端面21aの形状に応じた形状を有する。一例として、端面21aが所定方向に延びる長尺形状を有する場合、基板11は、端面21aが延びる方向に長尺な形状を有する。複数の発光素子12は、基板11が延びる方向に沿って一列又は複数列に並んで配置されている。
【0019】
複数の発光素子12の各々は、白色光を発する表面実装(Surface Mount Device:SMD)型のLED(Light Emitting Diode)素子である。SMD型のLED素子とは、樹脂成型されたキャビティの中にLEDチップが実装され、かつ、当該キャビティ内に蛍光体含有樹脂が封入されたパッケージ型のLED素子である。LEDチップは、例えば青色光を発する青色LEDチップである。蛍光体含有樹脂には、青色光を受けて黄色光を発する蛍光体が含まれている。LEDチップが発する青色光と、蛍光体が発する黄色光とが合成されることで、複数の発光素子12の各々は白色光を発する。
【0020】
なお、光源モジュール10は、基板11にLEDチップが直接実装された、いわゆるCOB(Chip On Board)型のLEDモジュールであってもよい。この場合、LEDチップが発光素子12の一例であり、蛍光体含有樹脂がLEDチップを覆うように基板11上に設けられている。
【0021】
また、光源モジュール10は、LED素子の代わりに、有機EL(Electroluminescence)素子、又は、半導体レーザ素子などを発光素子12として備えてもよい。光源モジュール10が備える発光素子12の個数は、1つのみであってもよい。例えば、基材21の端面21aが正方形又は円形である場合に、基板11の形状が正方形又は円形であってもよい。この場合に、光源モジュール10は、基板11の中央に実装された1つのみの発光素子12を備えてもよい。あるいは、光源モジュール10は、基板11及び発光素子12を備えなくてもよく、蛍光灯などの放電ランプであってもよい。
【0022】
導光部材20は、光源モジュール10から発せられた光を導光する。
図1に示されるように、導光部材20は、基材21と、基材21内に均一に分散された可視光吸収剤22とを含む。
【0023】
基材21は、可撓性及び透光性を有する樹脂基材の一例である。つまり、基材21は、可撓性及び透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。具体的には、基材21のヤング率は、1GPa以下であるが、これに限らない。例えば、基材21のヤング率は、0.8GPa以下であってもよく、0.5GPa以下であってもよい。
【0024】
基材21は、
図2の(a)に示されるように、例えば、厚みが均一のシート状の部材である。基材21は、
図1に示されるように、端面21aと、第1主面21bと、第2主面21cとを有する。端面21aは、光源モジュール10に対向しており、光源モジュール10が発する光が入射する光入射面である。第1主面21bは、基材21を導光された光が取り出される光取り出し面、すなわち、光出射面である。第2主面21cは、第1主面21bの反対側の面である。第2主面21cには、光取り出し構造30が設けられている。
【0025】
なお、基材21の形状は、特に限定されない。基材21は、湾曲板であってもよい。また、基材21は、円柱又は角柱状の所定方向に延びる長尺な棒(ロッド)状の部材であってもよい。この場合、基材21の端面21aは、例えば、円柱又は角柱の底面である。基材21の厚み又は径は、例えば、1mm以上50mm以下であるが、これに限らない。例えば、基材21の厚み又は径の上限値は、30mmであってもよく、20mm以下であってもよい。また、基材21の厚み又は径の下限値は、5mmであってもよく、10mmであってもよい。
【0026】
基材21は、例えば、樹脂材料を用いた押出成型によって形成される。当該樹脂材料と可視光吸収剤22とを混合し均一に分散させておくことで、可視光吸収剤22が均一に分散された基材21が形成される。
【0027】
図1には、基材21の内部において、光入射面である端面21aに近い領域Aと、端面21aとは反対側の端面に近い領域Cと、領域A及び領域Cの間に位置する領域Bとが点線で模式的に表されている。
図1はさらに、領域Bを拡大して可視光吸収剤22が基材21内に均一に分散されている様子を模式的に示している。
【0028】
図1には示されていないが、領域A及び領域Cにおいても、可視光吸収剤22が分散されている。領域A、領域B及び領域Cのいずれも同じ大きさである場合、各領域に含まれる可視光吸収剤22の含有量は実質的に等しい。つまり、均一に分散とは、基材21の任意の領域において、可視光吸収剤22の含有量が実質的に等しいことを意味する。例えば、任意の領域における可視光吸収剤22の含有量の差は±10%以内である。
【0029】
可視光吸収剤22は、可視光帯域に吸収端を有する。具体的には、可視光吸収剤22は、可視光帯域の所定の波長成分を選択的に吸収する。可視光吸収剤22は、吸収波長成分以外の光を吸収しない。
【0030】
図3は、本実施の形態に係る照明装置1の導光部材20に分散された可視光吸収剤22の吸収スペクトルの一例を示す図である。
図3において、横軸は光の波長(単位:nm)を表しており、縦軸は吸光度を表している。吸光度が高い程、対応する波長成分が多く吸収される。
【0031】
図3に示されるように、可視光吸収剤22の極大吸収波長は、500nm以上750nm以下である。一例として、可視光吸収剤22の極大吸収波長は、594nmである。具体的には、可視光吸収剤22としては、テトラアザポルフィリン銅錯体を用いることができる。
【0032】
本実施の形態では、可視光吸収剤22は、370nm以下の紫外光帯域にも吸収ピークを有する。これにより、基材21に入射する紫外光を吸収することができるので、基材21を形成する樹脂材料の劣化を抑制することができる。したがって、太陽光に曝される屋外環境においても照明装置1を利用することができる。
【0033】
光取り出し構造30は、導光部材20を導光された光を導光部材20から出射させるための構造である。光取り出し構造30は、導光部材20に設けられている。具体的には、光取り出し構造30は、基材21の第2主面21cに設けられた複数のプリズムである。
図1に示されるように、複数のプリズムは、第2主面21cから第1主面21bに向かって凹んだ凹部である。
【0034】
複数のプリズムは、例えば、レーザ加工により形成される。具体的には、基材21が成型された後、複数のレーザ光を第2主面21cに照射し、第2主面21cの一部を溶融させることで複数の凹状のプリズムを形成する。あるいは、複数のプリズムに対応した複数の凸部を有する金型を用いて、複数のプリズムと基材21とを一体的に形成してもよい。
【0035】
複数のプリズムは、第2主面21cから第1主面21bの反対側に向かって突出する凸部であってもよい。例えば、複数のプリズムは、コーティング加工によって形成されてもよい。具体的には、基材21が成型された後、インクジェット法により樹脂材料をドット状に塗布することにより、複数のプリズムを形成してもよい。
【0036】
また、複数のプリズムは、例えば、第2主面21cの全体に均一に分散配置されている。例えば、複数のプリズムは、第2主面21c内において行列状に規則的に配置されていてもよい。あるいは、複数のプリズムは、第2主面21c内においてランダムに配置されていてもよい。複数のプリズムは、導光部材20のうち、光を取り出したい部分の近傍にのみ設けられていてもよい。
【0037】
また、複数のプリズムは、光入射面である端面21aから離れる程、すなわち、導光距離が長くなる程、密に配置されていてもよい。言い換えると、複数のプリズムは、端面21aに近い領域では単位面積当たりの個数が少なく、端面21aから離れた領域である程、単位面積当たりの個数が多くてもよい。導光距離が長くなる程、基材21内を導光される光の光量が少なくなる。光量の減少の割合に応じてプリズムの個数を増やすことにより、第1主面21bの全体から光を均等に出射させることができる。
【0038】
反射部材40は、第2主面21cに沿って設けられた反射部材である。反射部材40は、例えば、白色の樹脂カバー、又は、金属製のカバーである。反射部材40が設けられることで、第2主面21cから漏れ出る光を抑えることができる。これにより、第1主面21bから出射される光の量を増やすことができるので、照明装置1の光の取り出し効率を高めることができる。なお、照明装置1は、反射部材40を備えなくてもよい。
【0039】
[導光部材の光学特性]
続いて、導光部材20の光学特性について説明する。
【0040】
図1に示されるように、端面21aから基材21内に入射した光は、第1主面21bと第2主面21cとで全反射を繰り返しながら、基材21の内部を導光される。基材21の内部を導光される光は、光取り出し構造30を構成する複数のプリズムの1つに入射した場合に、プリズムによって反射されて第1主面21bから出射される。
【0041】
このとき、基材21が樹脂材料を用いて形成されているので、基材21を導光された光のうち、短波長成分が吸収又は散乱されやすい。基材21を導光される距離が長い程、吸収及び散乱される光量が大きくなるので、端面21aから離れる程、第1主面21bから出射される光の色調が変化する。具体的には、400nm以上500nm以下の範囲の波長成分が減少するので、第1主面21bから出射される光は、端面21aから離れる程、青色成分を失って、黄色みを帯びた光になる。
【0042】
本実施の形態では、基材21内に、500nm以上750nm以下に極大吸収波長を有する可視光吸収剤22が均一に分散されている。これにより、基材21による短波長成分の減少に応じて、基材21を導光される光の長波長成分を吸収することができる。したがって、第1主面21bから出射される光の色調の変化を抑制することができる。
【0043】
また、上述したように、基材21は、可撓性及び透光性を有する樹脂材料を用いて形成されている。可撓性及び透光性を有する樹脂材料として、シリコーン樹脂が知られている。しかしながら、シリコーン樹脂は、短波長成分の吸収率が高い。したがって、シリコーン樹脂を用いて基材21を形成した場合、導光距離に対する短波長成分の減少率が高くなる。よって、可視光吸収剤22によって長波長成分を吸収した場合、取り出される光の量が少なくなる。このため、導光距離が長い基材21を形成する樹脂材料としては、シリコーン樹脂は適していない。
【0044】
そこで、本実施の形態では、基材21を形成する樹脂材料として、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物と、数平均分子量300~5000の炭化水素系重合体とを配合してなる樹脂組成物を用いることができる。当該樹脂組成物は、例えば、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物100重量部に対して、数平均分子量300~5000の炭化水素系重合体1~50重量部を配合してなる。
【0045】
ブロック共重合体水素化物は、ブロック共重合体の全不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物に、アルコキシシリル基が導入されてなるアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物である。ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック[A]と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック[B]とを含む。全重合体ブロック[A]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック[B]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70から65:35の範囲である。
【0046】
また、重合体ブロック[A]中の芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位以外の成分として、鎖状共役ジエン由来の繰返し単位及び/又はその他のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位が含まれてもよい。これらの含有量は、重合体ブロック[A]全体に対し、10重量%以下であるが、5重量%以下でもよく、1重量%以下でもよい。
【0047】
また、重合体ブロック[B]中の鎖状共役ジエン化合物由来の繰返し単位以外の成分としては、芳香族ビニル化合物由来の繰返し単位及び/またはその他のエチレン性不飽和化合物由来の繰返し単位が含まれてもよい。これらの含有量は、重合体ブロック[B]全体に対し、10重量%以下であるが、5重量%以下でもよく、1重量%以下でもよい。
【0048】
ブロック共重合体に用いる芳香族ビニル化合物としては、スチレン、又は、置換基としてアルキル基、ハロゲン原子若しくはアルコキシ基を有するスチレン類を用いることができる。置換基としてアルキル基を有するスチレン類としては、α-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、4-t-ブチルスチレン、5-t-ブチル-2-メチルスチレンなどを用いることができる。置換基としてハロゲン原子を有するスチレン類としては、4-クロロスチレン、2-フルオロスチレン、2,4-ジクロロスチレンなどを用いることができる。置換基としてアルコキシ基を有するスチレン類としては、3-メトキシスチレン、4-メトキシスチレン、3,5-ジメトキシスチレン、4-t-ブトキシスチレンなどを用いることができる。
【0049】
ブロック共重合体に用いる鎖状共役ジエン系化合物としては、1,3-ブタジエン、イソプレン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、1,3-ペンタジエンなどの、極性基を含有しないものを用いることができる。
【0050】
その他のエチレン性不飽和化合物としては、鎖状エチレン性不飽和化合物又は環状エチレン性不飽和化合物を用いることができる。これらのエチレン性不飽和化合物は、置換基として、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、酸無水物基又はハロゲン基を有してもよい。例えば、エチレン性不飽和化合物は、鎖状オレフィン又は環状オレフィンである。鎖状オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ドデセン、1-エイコセン、4-メチル-1-ペンテン、4,6-ジメチル-1-ヘプテンなどを用いることができる。環状オレフィンとしては、例えば、不飽和部が90%以上水素化されたビニルシクロヘキセンを用いることができる。
【0051】
ブロック共重合体に対するアルコキシシリル基の導入方法は、例えば、上記のブロック共重合体水素化物とエチレン性不飽和シラン化合物とを過酸化物の存在下で反応させる方法を用いることができる。アルコキシシリル基の導入量は、ブロック共重合体水素化物100重量部に対し、0.1~10重量部であるが、0.2~5重量部でもよく、0.3~3重量部でもよい。アルコキシシリル基の導入量は、得られたブロック共重合体水素化物の1H-NMR測定データから求めることができる。
【0052】
エチレン性不飽和シラン化合物としては、上記のブロック共重合体水素化物とグラフト重合し、ブロック共重合体水素化物にアルコキシシリル基を導入するものを用いることができる。具体的には、エチレン性不飽和シラン化合物として、ビニルトリアルコキシシラン、アリルトリアルコキシシラン、ジアルコキシアルキルビニルシラン、p-スチリルトリアルコキシシラン、(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシランなどを用いることができる。
【0053】
ビニルトリアルコキシシランとしては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどを用いることができる。アリルトリアルコキシシランとしては、例えば、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシランなどを用いることができる。ジアルコキシアルキルビニルシランとしては、例えば、ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシランなどを用いることができる。p-スチリルトリアルコキシシランとしては、例えば、p-スチリルトリメトキシシラン、p-スチリルトリエトキシシランなどを用いることができる。(メタ)アクリロキシアルキルトリアルコキシシランとしては、例えば、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを用いることができる。
【0054】
これらのエチレン性不飽和シラン化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。エチレン性不飽和シラン化合物の使用量は、ブロック共重合体水素化物100重量部に対して、0.1~10重量部であるが、0.2~5重量部であってもよく、0.3~3重量部であってもよい。
【0055】
過酸化物としては、1分間半減期温度が170~190℃のものを用いることができる。例えば、過酸化物としては、t-ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ヘキシルパーオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ-t-ブチルパーオキシドなどを用いることができる。これらの過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。過酸化物の使用量は、ブロック共重合体水素化物100重量部に対して、0.05~2重量部であるが、0.1~1重量部であってもよく、0.2~0.5重量であってもよい。
【0056】
炭化水素系重合体としては、例えば、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ-4-メチルペンテン、ポリ-1-オクテン、エチレン・α-オレフィン共重合体及びこれらの水素化物、脂肪族系炭化水素樹脂及びその水素化物、脂環族炭化水素樹脂及びその水素化物、並びに、ポリイソプレン及びその水素化物からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることができる。また、炭化水素系重合体は、アルコキシシリル基、エステル基、水酸基、アミド基、アミノ基、酸無水物基などの極性基を有してもよい。ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリイソブチレン水素化物、ポリイソプレン水素化物などを炭化水素系重合体として用いることで、基材21の透明性を高めることができる。
【0057】
本実施の形態では、基材21を形成する樹脂材料として、上述した樹脂組成物を用いることで、基材21の可撓性及び透光性を維持しながら、可視光吸収剤22を均一に分散させることができる。また、基材21による短波長成分の吸収量及び散乱量も低減することができるので、第1主面21bから出射される光量を一定以上に確保することができる。つまり、照明装置1の照明機能を十分に発揮させることができる。
【0058】
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る照明装置1は、光源モジュール10と、光源モジュール10から発せられた光を導光する導光部材20と、光を導光部材20から出射させるための、導光部材20に設けられた光取り出し構造30とを備える。導光部材20は、可撓性及び透光性を有する基材21と、基材21内に均一に分散された可視光吸収剤22とを含む。可視光吸収剤22の極大吸収波長は、500nm以上750nm以下である。
【0059】
これにより、導光部材20には可視光吸収剤22が分散されているので、導光部材20を導光される光は、導光部材20の基材21によって短波長成分が吸収又は散乱されることにより減少し、可視光吸収剤22によって長波長成分が吸収されることにより減少する。つまり、短波長成分及び長波長成分の両方が減少することにより、導光部材20を導光される光の色調の変化が抑制される。
【0060】
また、可視光吸収剤22が均一に分散されているので、導光距離によらず、基材21による短波長成分の減少分と、可視光吸収剤22による長波長成分の減少分とがバランスを取れた状態が維持される。したがって、導光部材20からの光の取り出し位置によらず、色調の変化が抑制された光を取り出すことができる。
【0061】
また、導光部材20が可撓性を有するので、導光部材20を容易に曲げることができる。したがって、照明装置1は、平坦な面に設置されるだけでなく、湾曲面に沿って容易に設置することができる。例えば、照明装置1は、階段の手すりの湾曲部分、部屋のコーナー部分などにも導光部材20を湾曲させて配置することができる。
【0062】
なお、基材21が剛性を有する場合でも、厚さ又は径を小さくすることで、基材21を曲げることは可能になる。しかしながら、この場合、光入射面である端面21aが小さくなるので、導光部材20は、十分な量の光を導光することができず、第1主面21bから出射される光量が少なくなる。これに対して、本実施の形態に係る照明装置1では、基材21が可撓性を有することで、基材21の厚み又は径を大きくすることができるので、十分な量の光を第1主面21bから出射させることができる。
【0063】
このように、本実施の形態によれば、所望の光学特性を実現し、かつ、汎用性の高い照明装置1を実現することができる。
【0064】
また、例えば、光取り出し構造30は、基材21の一面に設けられた複数のプリズムである。
【0065】
これにより、導光部材20から所望の方向に光を取り出すことができる。複数のプリズムは、レーザ加工又はコーティングなどにより均一な形状で容易に形成することができる。このため、光の取り出し量及び取り出し方向などの調整が容易になるので、所望の光学特性を実現することができる。
【0066】
(変形例)
以下では、実施の形態の変形例について、
図4を用いて説明する。
【0067】
図4は、本変形例に係る照明装置101の概略構成を示す模式図である。
図4に示されるように、照明装置101は、実施の形態に係る照明装置1と比較して、導光部材20の代わりに導光部材120を備える点が相違する。以下では、実施の形態との相違点を中心に説明し、共通点の説明を省略又は簡略化する。
【0068】
本変形例に係る導光部材120では、基材21内に、可視光吸収剤22だけでなく、紫外光吸収剤122が均一に分散されている。紫外光吸収剤122は、紫外光領域に吸収端を有する。具体的には、紫外光吸収剤122は、紫外光帯域の所定の波長成分を選択的に吸収する。紫外光吸収剤122は、吸収波長成分以外の光を吸収しない。例えば、紫外光吸収剤122の極大吸収波長は、260nm以上380nm以下である。紫外光吸収剤122としては、ベンゾフェノン系紫外光吸収剤、サリチル酸系紫外光吸収剤、及び、ベンゾトリアゾール系紫外光吸収剤の少なくとも1つを用いることができる。
【0069】
ベンゾフェノン系紫外光吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸3水和物、2-ヒドロキシ-4-オクチロキシベンゾフェノン、4-ドデカロキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、4-ベンジルオキシ-2-ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノンなどを用いることができる。
【0070】
サリチル酸系紫外光吸収剤としては、例えば、フェニルサルチレート、4-t-ブチルフェニル-2-ヒドロキシベンゾエート、フェニル-2-ヒドロキシベンゾエート、2,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンゾエートなどを用いることができる。
【0071】
ベンゾトリアゾール系紫外光吸収剤としては、例えば、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3-t-ブチル-2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、5-クロロ-2-(3,5-ジ-t-ブチル-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-4-オクチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-メチル-6-(3,4,5,6-テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2,2’-メチレンビス[4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-6-[(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェノール]]などを用いることができる。
【0072】
紫外光吸収剤122の配合量は、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物100重量部に対して、0.01~2重量部であるが、0.02~1.5重量部であってもよく、0.04~1.0重量部であってもよい。例えば、基材21内に含まれる紫外光吸収剤122の単位体積当たりの含有量は、可視光吸収剤22の単位体積当たりの含有量よりも少ない。あるいは、基材21内に含まれる紫外光吸収剤122の単位体積当たりの含有量は、可視光吸収剤22の単位体積当たりの含有量以上であってもよい。
【0073】
以上のように、本変形例に係る照明装置101では、基材21には、さらに、紫外光吸収剤122が均一に分散されている。
【0074】
これにより、導光部材120に外部から入射する紫外光を紫外光吸収剤122が吸収するので、導光部材120の基材21を形成する樹脂が紫外光によって劣化するのを抑制することができる。したがって、太陽光に曝される屋外においても照明装置101を利用することができ、汎用性を更に高めることができる。
【0075】
また、例えば、紫外光吸収剤122の極大吸収波長は、260nm以上380nm以下である。
【0076】
これにより、樹脂の劣化に影響を与える波長成分を効率良く紫外光吸収剤122が吸収することができる。
【0077】
(その他)
以上、本発明に係る照明装置について、上記の実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
【0078】
例えば、導光部材20又は120には、光安定剤又は酸化防止剤が均一に含まれていてもよい。これにより、導光部材20又は120の耐光性又は耐熱性を高めることができる。
【0079】
光安定剤としては、例えば、ヒンダ-ドアミン系光安定剤を用いることができる。具体的には、光安定剤としては、3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル基、2,2,6,6-テトラメチルピペリジル基、又は、1,2,2,6,6-ペンタメチル-4-ピペリジル基などを有する化合物を用いることができる。より具体的には、光安定剤としては、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-N-メチルピペリジル)-N,N’-ジホルミル-アルキレンジアミン類、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ジホルミルアルキレンジアミン類、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ビスアルキレン脂肪酸アミド類、ポリ〔{6-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)アミノ-1,3,5-トリアジン-2,4-ジイル}{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)イミノ}〕が用いられる。あるいは、光安定剤としては、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)-N,N’-ジホルミルアルキレンジアミン類、N,N’-ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジニル)-1,6-ヘキサンジアミンと2,4,6-トリクロロ-1,3,5-トリアジンとの重合体とN-ブチル-1-ブタンアミンとN-ブチル-2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジンアミンとの反応生成物などが用いられてもよい。
【0080】
ヒンダードアミン系耐光安定剤の配合量は、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物100重量部に対して、各々0.001~2重量部であるが、0.002~1重量部であってもよく、0.005~0.5重量部であってもよい。
【0081】
酸化防止剤としては、例えば、リン酸系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などを用いることができる。
【0082】
リン系酸化防止剤としては、例えば、モノホスファイト系化合物、ジホスファイト系化合物などを用いることができる。モノホスファイト系化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイト、10-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-9,10-ジヒドロ-9-オキサ-10-ホスファフェナントレン-10-オキサイドなどを用いることができる。ジホスファイト系化合物としては、例えば、4,4’-ブチリデン-ビス(3-メチル-6-t-ブチルフェニル-ジ-トリデシルホスファイト)、4,4’-イソプロピリデン-ビス(フェニル-ジ-アルキル(C12~C15)ホスファイト)などを用いることができる。また、リン系酸化防止剤としては、6-〔3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ〕-2,4,8,10-テトラキス-t-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン、6-〔3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロポキシ〕-2,4,8,10-テトラキス-t-ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンなどの化合物を用いることができる。
【0083】
フェノ-ル系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリチル・テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9-ビス{2-[3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロオニルオキシ]-1,1-ジメチルエチル}-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼンなどの化合物を用いることができる。
【0084】
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル-3,3’-チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’-チオジプロピピオネート、ジステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ラウリルステアリル-3,3’-チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール-テトラキス-(β-ラウリル-チオプロピオネート、3,9-ビス(2-ドデシルチオエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどの化合物を用いることができる。
【0085】
酸化防止剤の配合量は、アルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物100重量部に対して、各々0.01~2重量部であるが、0.05~1.5重量部であってもよく、0.1~1重量部であってもよい。
【0086】
また、例えば、導光距離が短くてよい場合、基材21としてシリコーン樹脂を用いてもよい。
【0087】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0088】
1、101 照明装置
10 光源モジュール(光源)
20、120 導光部材
21 基材(樹脂基材)
22 可視光吸収剤
30 光取り出し構造
122 紫外光吸収剤