(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】マッサージ装置およびその操作装置
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
A61H7/00 322Z
A61H7/00 322D
A61H7/00 322C
(21)【出願番号】P 2019121843
(22)【出願日】2019-06-28
【審査請求日】2022-01-06
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】弘田 利光
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 威
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 寛将
【審査官】小野田 達志
(56)【参考文献】
【文献】特表2000-506755(JP,A)
【文献】特開平09-327487(JP,A)
【文献】特開2008-017890(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マッサージ装置の動作を選択するために操作される操作部と、使用者の腰の側部に設けられる保持部に対して着脱可能な本体とを備え、
前記本体は第1面、第2面、および、第3面を含み、
前記第1面は前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において使用者の腰の側部を向き、かつ、前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において上下方向に延長する面を含み、
前記第3面は前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において使用者の腰の側部を向く前記第1面とは反対を向き、かつ、前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において上下方向に延長する面を含み、
前記第2面は前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において前記第1面および前記第3面よりも使用者の肩に近くなるように前記第1面と前記第3面との間に設けられ、かつ、前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において上方向を向き、かつ、前記本体が前記保持部に取り付けられ
、使用者が直立した状態において、使用者を側面から視た場合に使用者の前後方向に関する前方側から後方側に向かうにつれて使用者の肩に近くなるように傾斜
し、
前記操作部は前記第2面に設けられる
マッサージ装置の操作装置。
【請求項2】
前記第2面は第2面前方端部および第2面後方端部を含み、
前記第2面前方端部は前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において使用者の前後方向に関する前記第2面の中心に対して前方側に位置し、
前記第2面後方端部は前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において使用者の前後方向に関する前記第2面の中心に対して後方側に位置し、
前記第2面後方端部は前記本体が前記保持部に取り付けられた状態において前記第2面前方端部に対して上方に設けられる
請求項1に記載のマッサージ装置の操作装置。
【請求項3】
前記操作部は使用者の前後方向に関して前記第2面前方端部に対して後方側に離れた位置に設けられる
請求項2に記載のマッサージ装置の操作装置。
【請求項4】
前記操作部は使用者の指が前記第2面に対して上方に位置する状態において使用者の指により操作できるように前記第2面に設けられる
請求項1~3のいずれか一項に記載のマッサージ装置の操作装置。
【請求項5】
外部装置と前記操作装置とを接続する接続部が接続される被接続部を備え、
前記被接続部はエアノズルを接続可能であり、前記第1面に設けられる第1被接続部、および、電力線を接続可能であり、前記第3面以外の面に設けられる第2被接続部の少なくとも一方を含む
請求項1~4のいずれか一項に記載のマッサージ装置の操作装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のマッサージ装置の操作装置と、
使用者の腰に巻き付けられるベルトと、
前記操作装置を着脱できるように前記ベルトに設けられる
前記保持部とを備える
マッサージ装置。
【請求項7】
前記保持部は前記ベルトが使用者の腰に巻き付けられた状態において前記ベルトの切れ目に重ならないように前記ベルトに設けられる
請求項6に記載のマッサージ装置。
【請求項8】
前記ベルトは基部、前記基部から分岐する複数の分岐部、および、前記複数の分岐部の間に形成される前記切れ目を含み、
前記保持部は前記分岐部に設けられる
請求項7に記載のマッサージ装置。
【請求項9】
前記ベルトに設けられるマッサージ機構をさらに備え、
前記保持部は前記マッサージ機構に重畳するように前記ベルトに設けられる
請求項6~8のいずれか一項に記載のマッサージ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人体に対するマッサージを実行するマッサージ装置およびその操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人体をマッサージするエアバッグおよびそのエアバッグを膨張または収縮させるコントローラが搭載されたエアマッサージ装置が知られている。特許文献1は、従来のエアマッサージ装置の一例を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
マッサージ装置の使用時において、使用者が好適に操作装置を操作できることが好ましい。
本発明の目的は、使用者が好適に操作できる操作装置およびこれを備えるマッサージ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に関するマッサージ装置の操作装置は、マッサージ装置の動作を選択するために操作される操作部と、使用者の腰の側部に設けられる保持部に対して着脱可能な本体とを備え、前記本体は前記保持部に取り付けられた状態において、使用者の腰の側部を向く第1面、および、前記第1面よりも使用者の肩に近い第2面を含み、前記操作部は前記第2面に設けられている。
【発明の効果】
【0006】
本発明に関するマッサージ装置の操作装置によれば、使用者が好適に操作装置を操作できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】
図1のマッサージ装置の電気的な構成を示すブロック図。
【
図7】
図3の接続構造が接続した状態を示す模式図。
【
図8】
図1のマッサージ装置を起立状態で使用した状態の一例を示す側面図。
【
図9】
図1のマッサージ装置を着座状態で使用した状態の一例を示す側面図。
【
図10】
図3のマッサージ機構がマッサージを実行する前を示す模式図。
【
図11】
図3のマッサージ機構がマッサージを実行中の動作の一例を示す模式図。
【
図12】
図3のマッサージ機構がマッサージを実行する前を示す模式図。
【
図13】
図3のマッサージ機構がマッサージを実行中の動作の一例を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(マッサージ装置およびその操作装置が取り得る形態の例1)
本発明に関するマッサージ装置の操作装置は、マッサージ装置の動作を選択するために操作される操作部と、使用者の腰の側部に設けられる保持部に対して着脱可能な本体とを備え、前記本体は前記保持部に取り付けられた状態において、使用者の腰の側部を向く第1面、および、前記第1面よりも使用者の肩に近い第2面を含み、前記操作部は前記第2面に設けられている。
上記マッサージ装置の操作装置によれば、操作部の位置が使用者の肩に近い第2面に設けられるため、使用者が好適に操作装置を操作できる。
【0009】
前記マッサージ装置の操作装置の一例によれば、前記第2面は、使用者が直立した状態では使用者の上方かつ前方を向くように前記操作部の上下方向に対して傾斜している。
上記マッサージ装置の操作装置によれば、第2面が傾斜しているので、使用者が直立した状態において、第2面の視認性および操作性が向上する。
【0010】
前記マッサージ装置の操作装置の一例によれば、前記第2面は、使用者が着座した状態では使用者の上方かつ後方を向くように前記操作部の上下方向に対して傾斜している。
上記マッサージ装置の操作装置によれば、第2面が傾斜しているので、使用者が着座した状態において、第2面の視認性および操作性が向上する。
【0011】
前記マッサージ装置の操作装置の一例によれば、前記操作部は、前記第1面とは反対を向く、第3面をさらに含み、外部装置と前記操作装置とを接続する接続部が接続される被接続部とをさらに備え、前記被接続部は前記第3面を除く面に設けられている。
上記マッサージ装置の操作装置によれば、被接続部が第3面に設けられないため、被接続部に接続部を容易に接続できる。
【0012】
前記マッサージ装置の操作装置の一例によれば、前記被接続部はエアノズルを接続可能な第1被接続部、および、電力線を接続可能な第2被接続部の少なくとも一方を含む。
上記マッサージ装置の操作装置によれば、操作装置の操作性が向上する。
【0013】
本発明に関するマッサージ装置は、使用者の腰に巻き付けられるベルトと、前記ベルトが腰に巻き付けられた状態において腰の側部に位置し、マッサージ装置の動作を選択するために操作されるマッサージ装置の操作装置を着脱できるように構成される保持部とを備え、前記保持部は前記ベルトが腰に巻き付けられた状態において前記ベルトの切れ目と重ならないように前記ベルトに設けられている。
上記マッサージ装置によれば、操作装置がベルトの切れ目と重ならないため、ベルトを腰に巻き付けた状態において、使用者が様々な姿勢を取りやすい。
【0014】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記ベルトは基部、前記基部から分岐する複数の分岐部、および、前記複数の分岐部の間に形成される前記切れ目を含み、前記保持部は前記分岐部に設けられている。
上記マッサージ装置によれば、操作装置が分岐部に設けられるため、ベルトを腰に巻き付けた状態において、使用者が様々な姿勢を取りやすい。
【0015】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記ベルトに設けられるマッサージ機構をさらに備え、前記保持部は前記マッサージ機構に重畳するように前記ベルトに設けられている。
上記マッサージ装置によれば、操作装置を保持する保持部がマッサージ機構と重畳し、かつマッサージ機構の動作量が大きくない部分に設けられるため、操作性が向上する。
【0016】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記保持部は前記ベルトとの間に前記操作装置を挿入可能な挿入空間を形成するカバーを含む。
上記マッサージ装置によれば、使用者がベルトに対して操作装置を容易に固定できる。
【0017】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記マッサージ装置の操作装置をさらに備える。
上記マッサージ装置によれば、使用者が操作装置を好適に操作できる。
【0018】
(マッサージ装置が取り得る形態の例2)
本発明に関するマッサージ装置は、ベルトと、前記ベルトに設けられるマッサージ機構と、前記マッサージ機構を操作するための操作装置と、前記マッサージ機構と前記操作装置とを接続する接続構造とを備え、前記接続構造は、前記ベルトに設けられる第1接続構造、および、前記マッサージ機構に設けられる第2接続構造を含む。
上記マッサージ装置によれば、マッサージ機構と操作装置とを容易に接続できる。
【0019】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記第1接続構造は、孔が形成された被挿入部、および、前記孔に挿入可能な挿入部の一方を含み、前記第2接続構造は、前記被挿入部および前記挿入部の他方を含む。
上記マッサージ装置によれば、マッサージ機構と操作装置とを容易に接続できる。
【0020】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記被挿入部は、第1直径を有する第1孔、および、前記第1直径よりも大きい第2直径を有する第2孔を含み、前記挿入部の直径は、前記第1直径よりも大きく、前記第2直径よりも小さい。
上記マッサージ装置によれば、マッサージ機構と操作装置とを確実に接続できる。
【0021】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記第1接続構造は、前記被挿入部を含み、前記第2接続構造は、前記挿入部を含み、前記挿入部は、前記マッサージ機構を構成するエアノズルを含み、前記エアノズルは、前記マッサージ機構に接続される第1端部、および、前記被挿入部に挿入される第2端部を含み、前記第2端部の直径は、前記第1直径よりも大きく、前記第2直径よりも小さい。
上記マッサージ装置によれば、マッサージ機構と操作装置とをより確実に接続できる。
【0022】
(マッサージ装置が取り得る形態の例3)
本発明に関するマッサージ装置は、ベルトと、前記ベルトに設けられるマッサージ機構と、前記マッサージ機構に設けられる複数のエアバッグとを備え、前記複数のエアバッグは、使用者に与える力の方向が互いに異なる第1エアバッグおよび第2エアバッグを含む。
上記マッサージ装置によれば、使用者に多様なマッサージを提供できる。
【0023】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記第1エアバッグおよび前記第2エアバッグはそれぞれ、複数の取付部により前記ベルトに取り付けられる。
上記マッサージ装置によれば、使用者に多様なマッサージを提供できる。
【0024】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記複数のエアバッグは、使用者に与える力の方向が前記第1エアバッグおよび前記第2エアバッグとは異なる第3エアバッグをさらに含む。
上記マッサージ装置によれば、使用者により多様なマッサージを提供できる。
【0025】
前記マッサージ装置の一例によれば、前記第3エアバッグは、1つの取付部により前記ベルトに取り付けられる。
上記マッサージ装置によれば、第3エアバッグの動作が変わるので、使用者により多様なマッサージを提供できる。
【0026】
(実施の形態)
図1~
図3を参照して、マッサージ装置1の構成について説明する。
図1~
図3に記載されるマッサージ装置1は、人体の対象部位をマッサージする機能を備えている。対象部位は、例えば臀部および腰部である。マッサージ装置1は、例えば使用者100(
図8参照)がリラックス効果を感じるためまたは人体の不快感を取り除くために用いられる。マッサージ装置1は、使用者100の対象部位をマッサージするためのマッサージ機構20を備えている。マッサージ機構20は、人体の対象部位に対して所定の動作を実行することでマッサージを実行する。所定の動作の一例は、対象部位を加熱する、対象部位に振動を与える、対象部位を揉む、および、対象部位を圧迫することである。マッサージ機構20は、所定の動作を実行するのに適した構成を含む。
【0027】
マッサージ装置1を構成する主な要素は、ベルト10、ベルト10に設けられるマッサージ機構20、および、マッサージ機構20を操作するための操作装置30を含む。ベルト10は、マッサージ装置1を構成する各要素を保持することおよび人体の対象部位に取り付けることに適した材料が選択される。ベルト10を構成する材料の一例は、ポリエステルである。
【0028】
ベルト10は1つまたは複数のベルトにより構成される。図示される例では、ベルト10は複数のベルトにより構成される。複数のベルトは例えば外ベルト11および内ベルト12を含む。外ベルト11および内ベルト12は重ね合わせられている。外ベルト11および内ベルト12は結合手段により互いに結合されている。結合手段は例えば面ファスナおよびスナップボタンである。外ベルト11はベルト10の外側の部分を構成する。外ベルト11は内ベルト12に対して人体とは反対側に設けられる。内ベルト12はベルト10の内側の部分を構成する。内ベルト12は外ベルト11に対して人体側に設けられる。
【0029】
外ベルト11は、1つまたは複数のベルトから構成される。図示される例では、外ベルト11は、2つの第1外ベルト11aおよび第2外ベルト11bから構成される。第1外ベルト11aおよび第2外ベルト11bは、同一の形状である。外ベルト11は、基部11c、基部11cから分岐する複数の分岐部11d、および、複数の分岐部11dの間に形成される切れ目11eをさらに含む。
【0030】
内ベルト12は、1つまたは複数のベルトから構成される。図示される例では、内ベルト12は、2つの第1内ベルト12aおよび第2内ベルト12bから構成される。第1内ベルト12aおよび第2内ベルト12bは、同一の形状である。内ベルト12は、基部12c、基部12cから分岐する複数の分岐部12d、および、複数の分岐部12dの間に形成される切れ目12eをさらに含む。
【0031】
マッサージ機構20は、人体の対象部位をマッサージすることに適した構成を備えている。図示されるマッサージ装置1では、マッサージ機構20は、対象部位を圧迫するのに適した構成を含む。一例では、マッサージ機構20は、空気により膨張または収縮するエアバッグである。エアバッグは、第1エアバッグ21、第2エアバッグ22を含む。第1エアバッグ21および第2エアバッグは、外ベルト11および内ベルト12により保持される。
【0032】
第1エアバッグ21の形状は、例えば人体の腰部をマッサージすることに適した形状である。一例では、第1エアバッグ21の形状は、第1外ベルト11aの形状と略同様の形状である。第1エアバッグ21は、外ベルト11の分岐部11dの少なくとも1つで固定される。好ましくは、第1外ベルト11aの2つの分岐部11dで固定される。固定される方法は、任意である。一例では、面ファスナまたはボタンである。
【0033】
第2エアバッグ22の形状は、例えば人体の臀部をマッサージすることに適した形状である。一例では、第2エアバッグ22の形状は、第2外ベルト11bの形状と略同様の形状である。第2エアバッグ22は、第2外ベルト11bの分岐部11dの少なくとも1つで固定される。好ましくは、第2外ベルト11bの2つの分岐部11dで固定される。固定される方法は、任意である。一例では、面ファスナまたはスナップボタンである。
【0034】
マッサージ機構20は、第3エアバッグ23をさらに含む。第3エアバッグ23の形状は、例えば人体の腰部または臀部をマッサージすることに適した形状である。第3エアバッグ23は、外ベルト11の基部11cおよび内ベルト12の基部11cの一方で固定され、他方で固定されない。固定される方法は、任意である。一例では、面ファスナまたはスナップボタンである。
【0035】
各エアバッグは、空気の入っていない状態から空気が充填された状態を取り得る。空気の入っていない状態のエアバッグの面を基準に、空気が充填された状態のエアバッグの面の変化量を動作量と称する場合がある。動作量は、例えば、第1エアバッグ21において、基部11cと対応する部分において動作量が大きく、分岐部11dと対応する部分において動作量が小さくなる。マッサージ機構20が例えば、揉み玉を備える場合、動作量は、基準となる位置からマッサージ動作を実行したときの揉み玉の位置と対応する。
【0036】
マッサージ装置1は、人体の対象部位に対してベルト10の位置決めを行う位置決め構造40をさらに備えている。位置決め構造40は、例えば内ベルト12に設けられる。位置決め構造40と内ベルト12との構造的な関係は、任意に選択できる。第1例では、内ベルト12に対して、位置決め構造40を着脱可能に構成される。第2例では、内ベルト12と位置決め構造40とは、一体的に構成される。
【0037】
位置決め構造40は、複数の位置決め部を含む。一例では、位置決め構造40は、第1方向における位置を決定する第1位置決め部41および第2方向における位置を決定する第2位置決め部42を含む。第1位置決め部41および第2位置決め部42の材料および形状は、任意に選択できる。第1位置決め部41および第2位置決め部42の材料の一例は、不飽和ポリエステルである。第1位置決め部41および第2位置決め部42の形状の一例は、柱形状である。
【0038】
第1位置決め部41は、第1方向におけるマッサージ装置1の位置を決定する。第1方向は、一例では人体の左右方向である。第1位置決め部41の中心軸が第1方向と直交するように内ベルト12に設けられる。一例では、内ベルト12の第1内ベルト12aに設けられる。
【0039】
第2位置決め部42は、第2方向におけるマッサージ装置1の位置を決定する。第2方向は、一例では人体の上下方向である。第2位置決め部42の中心軸が第2方向と直交するように内ベルト12に設けられる。一例では、内ベルト12の第2内ベルト12bに設けられる。
【0040】
マッサージ装置1は、人体の対象部位に対してベルト10を固定する固定構造50をさらに備えている。固定構造50は、例えば外ベルト11および内ベルト12に設けられる。固定構造50は、任意の構成を選択できる。第1例では、固定構造50は面ファスナ51である。外ベルト11および内ベルト12の一方にフックが形成され、他方にループが形成される。第2例では、固定構造は、スナップボタンである。外ベルト11および内ベルト12の一方にスナップボタンの一方が設けられ、他方にスナップボタンの他方が設けられる。
【0041】
マッサージ装置1は、マッサージ機構20と操作装置30とを接続する接続構造60をさらに備えている。具体的には、各エアバッグに設けられ、操作装置30から各エアバッグに空気を供給するためのエアノズル61、エアノズル61を固定する固定板62を備える。接続構造60により、マッサージ機構20の各エアバッグと操作装置30の空気供給部36との間に、空気供給路が構成される。
【0042】
エアノズル61は、第1エアバッグ21、第2エアバッグ22、および第3エアバッグ23にそれぞれ設けられる。各エアノズル61は、同様の形状である。各エアノズルは、突起形状である。
【0043】
固定板62は、各エアノズル61を固定し、操作装置30がベルト10に取り付けられたときに、操作装置30と各エアノズル61とを接続することを補助する。固定板62の材料の一例は、不飽和ポリエステルである。固定板62の形状の一例は、四角形状である。固定板62は、各エアノズル61を固定するための孔部63を含む。
【0044】
ベルト10は、操作装置30を保持するための保持部70を備えている。保持部70は、外ベルト11に設けられる。好ましくは、保持部70は外ベルト11の分岐部11dに設けられる。保持部70は、使用者100の腰にベルト10を巻き付けたとき腰の側部に設けられる。保持部70の一例は、操作装置30を覆うカバー71である。カバー71は、外ベルト11との間に、操作装置30が挿入可能な挿入空間を備える。
【0045】
図4および
図5を参照して、操作装置30の構成について説明する。
操作装置30は、操作部32、制御部33、記憶部34、および、電源部35を備えている。操作部32、制御部33、記憶部34、および、電源部35は、本体31に設けられる。操作装置30を構成する各要素は、少なくとも1つの別の要素と電気的に接続される。図示される一例では、制御部33を介して、各要素が電気的に接続される。各要素は、接続線により電気的に接続されてもよく、制御部33が設けられる回路基板上に設けられていてもよい。接続線は、電力線搬送通信が可能に構成されていてもよい。
【0046】
操作部32は、使用者100からの操作入力が受け付け可能となるように構成される。一例では、操作部32は、ボタンおよびスイッチの少なくとも1つにより構成される。操作部32は、使用者100の操作入力に応じてマッサージ機構20の状態を切り替える。一例では、操作部32は、使用者100の操作入力に応じてオンの状態またはオフの状態を切り替える。操作部32がオフ状態の場合、電源部35の電力は制御部33に供給されない。操作部32がオン状態の場合、制御部33に電源部35の電力が供給される。別の例では、操作部32は、使用者100の操作入力に応じて、マッサージ機構20の動作状態を切り替える。操作部32は、マッサージ機構20の動作状態と対応した制御モードの切り替えに関する信号を制御部33に出力する。
【0047】
制御部33は、プログラムを実行する演算処理装置により構成される。演算処理装置は例えばCPU(Central Processing Unit)およびMPU(Micro Processing Unit)の一方または両方により構成される。制御部33は、操作部32からの操作信号に従ってマッサージ機構20を制御する。制御部33は、空気供給部36を介してマッサージ機構20の各エアバッグを制御する。制御部33は、記憶部34に記憶される制御モード情報に応じてマッサージ機構20を制御してもよい。制御モード情報は、適切なマッサージを実行するための各エアバッグの空気量およびマッサージを実行する時間に関する情報を含む。制御モード情報は、試験などによって得られた結果から予め設定される。記憶部34は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリの少なくとも1つを備える。
【0048】
電源部35は、商用電源の交流を直流に変換する電源回路、および、バッテリの直流を直流に変換する電源回路の一方または両方を備える。マッサージ装置1の電源は、商用電源およびバッテリの一方または両方である。
【0049】
操作装置30は、空気供給部36をさらに備える。空気供給部36は、マッサージ機構20の各エアバッグに空気を供給する。一例では、空気供給部36は、1つまたは複数で構成されるポンプである。
【0050】
操作装置30は、外部環境と操作装置30の各要素の少なくとも1つとを接続する接続部を接続する被接続部をさらに備える。接続部は、例えばエアノズル61および電力線Lを含む。被接続部は、マッサージ機構20と操作装置30とを接続する第1被接続部37aおよび外部電源Pと操作装置30とを接続する第2被接続部37bを含む。第1被接続部37aは、エアノズル61を挿通可能に構成される。第2被接続部37bは、外部電源Pと接続する電力線Lを挿通可能に構成される。
【0051】
本体31は、操作装置30を構成する各種要素を収容するのに適した構成を備えている。本体31は、第1面31a、第2面31b、および、第3面31cを含む。第1面31aは、ベルト10に操作装置30が取り付けられたマッサージ装置1が人体の対象部位に取り付けられたとき、人体の対象部位と対向する面である。対象部位の一例は、腰部および臀部である。なお、以下では、ベルト10に操作装置30が取り付けられたマッサージ装置1が使用者100の人体の対象部位に取り付けられたときを「人体装着時」と称する場合がある。第2面31bは、人体装着時において、使用者100の肩に近い場所に設けられる面である。第3面31cは、人体装着時において、第1面31aを挟んで人体の対象部位の反対側に存在する面である。
【0052】
第1面31aには、例えば第1被接続部37aが設けられる。第2面31bには、例えば操作部32が設けられる。第3面31cには、例えば電源部35を覆うための電源カバー35aが設けられる。第2被接続部37bは、第3面31c以外の面に設けられる。
【0053】
図6および
図7を参照して、接続構造60の詳細について説明する。
エアノズル61は、各エアバッグが接続される第1端部61aから孔部63に挿入される第2端部61bに向かうにつれて断面の直径または直径に相当する長さが大きくなるように構成される。直径に相当する長さとは、断面の図形の任意の点を結んで最大となる長さである。各孔部63は、大きさの異なる複数の孔を備える。一例では、各孔部63は、大きさの異なる2つの孔を備える。孔部63は、直径が第1直径である第1孔部63aおよび直径が第1直径よりも大きい第2直径である第2孔部63bを含む。第2端部61bの直径または直径に相当する長さは、第1直径以上である。第2端部61bの直径または直径に相当する長さは、第2直径未満である。
【0054】
接続構造60を用いたマッサージ機構20と操作装置30との接続手段について説明する。エアノズル61は、固定板62に設けられた孔部63のうち、第2孔部63bに挿入される。エアノズル61は、第2孔部63bに挿入された状態において、第2孔部63bから第1孔部63aに移動する。エアノズル61は、第1孔部63aにおいて固定され、操作装置30の第1被接続部37aと接続することにより、空気供給部36と各エアバッグとの間に空気供給路が構成される。
【0055】
図8~13を参照して、本発明の作用および効果について説明する。
使用者100は、例えば臀部および腰部をマッサージするとき、位置決め構造40を使用して使用者100の臀部および腰部にベルト10を巻き付ける。ベルト10は、固定構造50により使用者100に固定される。
図8に示されるように、使用者100が起立した状態では、操作部32が設けられる第2面31bは、使用者100の上方かつ前方を向くように構成される。
図9に示されるように使用者100が着座した状態では、使用者100の上方かつ後方を向くように構成される。操作装置30および保持部70は、ベルト10の切れ目11eと重畳しないようにベルト10に設けられる。
【0056】
第1エアバッグ21および第2エアバッグ22は、外ベルト11の2つの分岐部11dで固定されている。
図10および
図11に示されるように、第1エアバッグ21および第2エアバッグ22は、使用者100の中心Cに向かって膨張する。第1エアバッグ21および第2エアバッグ22は、人体の対象部位を使用者100の中心Cに向かって圧迫する。
【0057】
第3エアバッグ23は、外ベルト11の基部11cまたは内ベルト12の基部12cで固定されている。
図12および
図13に示されるように、第3エアバッグは、使用者100の中心Cからずれた方向に向けて膨張する。第3エアバッグ23は、人体の対象部位を人体の中心線CLに向かう方向に圧迫する。
【0058】
第1エアバッグ21または第2エアバッグ22と第3エアバッグ23とが人体の対象部位を圧迫するとき、圧迫する向きが異なる。このため、使用者100は多様なマッサージ感を1つのマッサージ装置1から得ることができる。一例では、第1エアバッグ21または第2エアバッグ22により、使用者100は人の手で人体の中心Cに向かって圧迫された感覚を感じることができる。第3エアバッグ23により、使用者100は対象部位を人の手で中心線CLに向けて寄せながら圧迫された感覚を感じることができる。
【0059】
(変形例)
実施の形態に関する説明は本発明に関するマッサージ装置およびその操作装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明は実施の形態以外に例えば以下に示される実施の形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。
【0060】
・操作装置30は、現在の操作装置30の状態を使用者100に報知する報知装置を備えていてもよい。報知装置は、振動、音、光、および、表示部の少なくとも1つにより使用者100に対して情報を報知する。表示部の一例は、ディスプレイである。報知装置は、例えば、第2面31bに設けられる。
【0061】
・マッサージ機構20は、エアバッグに代えてまたは加えて任意のマッサージ手段を備えていてもよい。一例では、マッサージ機構20は、加熱手段をさらに備え人体の対象部位を加熱する。加熱手段の一例は、ヒータである。動作量は、例えばヒータによる温度上昇量である。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、家庭用を始めとする各種マッサージ装置に利用できる。
【符号の説明】
【0063】
1 :マッサージ装置
10 :ベルト
11 :外ベルト
11a:第1外ベルト
11b:第2外ベルト
11c:基部
11d:分岐部
11e:切れ目
12 :内ベルト
12a:第1内ベルト
12b:第2内ベルト
12c:基部
12d:分岐部
12e:切れ目
20 :マッサージ機構
21 :第1エアバッグ
22 :第2エアバッグ
23 :第3エアバッグ
30 :操作装置
31 :本体
31a:第1面
31b:第2面
31c:第3面
32 :操作部
33 :制御部
34 :記憶部
35 :電源部
35a:電源カバー
36 :空気供給部
37a:第1被接続部
37b:第2被接続部
40 :位置決め構造
41 :第1位置決め部
42 :第2位置決め部
50 :固定構造
51 :面ファスナ
60 :接続構造
61 :エアノズル
61a:第1端部
61b:第2端部
62 :固定板
63 :孔部
63a:第1孔部
63b:第2孔部
70 :保持部
71 :カバー
100:使用者
C :中心
CL :中心線
L :電力線
P :外部電源