(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】位置推定装置、位置推定システム、及び、位置推定方法
(51)【国際特許分類】
G01S 5/14 20060101AFI20230714BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20230714BHJP
【FI】
G01S5/14
G01S5/02 Z
(21)【出願番号】P 2019143113
(22)【出願日】2019-08-02
【審査請求日】2022-01-26
(73)【特許権者】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森田 純一
(72)【発明者】
【氏名】白方 亨宗
【審査官】安井 英己
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/118761(WO,A1)
【文献】特表2014-509381(JP,A)
【文献】特開2009-047487(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0248773(US,A1)
【文献】特開2002-300652(JP,A)
【文献】特開2017-040507(JP,A)
【文献】特開2018-004458(JP,A)
【文献】特表2017-531169(JP,A)
【文献】特表2003-520519(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0019679(US,A1)
【文献】特表2016-538529(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14,
G01S 19/00-19/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
領域に配置された複数の無線電子機器からランダムに少なくとも2つを移動端末の位置推定に用いる初期アンカーに選定し、前記複数の無線電子機器の配置に関する第1情報と、前記領域における移動端末の位置を、前記選定された初期アンカーを用いて推定した第1の位置に関する第2情報と、に基づいて、再度アンカーの選定を行い、前記複数の無線電子機器から新たに選定されたアンカーを追加し、前記初期アンカーから選定されなかったアンカーを削除することで、更新されたアンカーを選定する選定回路と、
位置推定装置と前記移動端末との間の通信を前記選定された初期アンカーが傍受することによって得た
受信信号強度に関する第3情報と、前記選定された初期アンカーの前記第1情報と、に基づいて、前記移動端末の前記第1の位置を推定し、前記位置推定装置と前記移動端末との間の通信を前記更新されたアンカーが傍受することによって得た
受信信号強度に関する第4情報と、前記更新されたアンカーの前記第1情報と、に基づいて、前記移動端末の第2の位置を推定する推定回路と、
を備える位置推定装置。
【請求項2】
前記選定回路は、前記移動端末の前記第1の位置と距離の近い前記無線電子機器から順に前記アンカーを更新する、
請求項1に記載の位置推定装置。
【請求項3】
前記選定回路は、前記更新されたアンカーのうち、前記新たに選定されたアンカーに対して、前記移動端末から送信される無線信号の前記
受信信号強度の測定開始を指示する、
請求項1又は2に記載の位置推定装置。
【請求項4】
前記選定回路は、前記選定されたアンカーのうち、前記更新されたアンカーに含まれていないアンカーに対して、前記移動端末から送信される無線信号の前記
受信信号強度の測定終了を指示する、
請求項1から3の何れか1項に記載の位置推定装置。
【請求項5】
前記無線電子機器は、無線信号による操作が可能な照明器具である、
請求項1から4の何れか1項に記載の位置推定装置。
【請求項6】
領域に配置された複数の無線電子機器と、
前記複数の無線電子機器からランダムに少なくとも2つを移動端末の位置推定に用いる初期アンカーに選定し、前記複数の無線電子機器の配置に関する第1情報と、前記領域における移動端末の位置を前記選定された初期アンカーを用いて推定した第1の位置に関する第2情報と、に基づいて、再度アンカーの選定を行い、前記複数の無線電子機器から新たに選定されたアンカーを追加し、前記初期アンカーから選定されなかったアンカーを削除することで、更新されたアンカーを選定する処理と、位置推定装置と前記移動端末との間の通信を前記選定された初期アンカーが傍受することによって得た
受信信号強度に関する第3情報と、前記選定された初期アンカーの前記第1情報と、に基づいて、前記移動端末の前記第1の位置を推定し、前記位置推定装置と前記移動端末との間の通信を前記更新されたアンカーが傍受することによって得た
受信信号強度に関する第4情報と、前記更新されたアンカーの前記第1情報と、に基づいて、前記移動端末の第2の位置を推定する処理と、を実行する位置推定装置と、
を備える位置推定システム。
【請求項7】
位置推定装置は、
領域に配置された複数の無線電子機器からランダムに少なくとも2つを移動端末の位置推定に用いる初期アンカーに選定し、
前記複数の無線電子機器の配置に関する第1情報と、前記領域における移動端末の位置を前記選定された初期アンカーを用いて推定した第1の位置に関する第2情報と、に基づいて、再度アンカーの選定を行い、前記複数の無線電子機器から新たに選定されたアンカーを追加し、前記初期アンカーから選定されなかったアンカーを削除することで、更新されたアンカーを選定し、
前記位置推定装置と前記移動端末との間の通信を前記選定された初期アンカーが傍受することによって得た
受信信号強度に関する第3情報と、前記選定された初期アンカーの前記第1情報と、に基づいて、前記移動端末の前記第1の位置を推定し、
前記位置推定装置と前記移動端末との間の通信を前記更新されたアンカーが傍受することによって得た
受信信号強度に関する第4情報と、前記更新されたアンカーの前記第1情報と、に基づいて、前記移動端末の第2の位置を推定する、
位置推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置推定装置、位置推定システム、及び、位置推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
衛星測位システム(例えばGPS(Global Positioning System))からの測位信号が届きにくい建物内等において端末の位置を推定するために、設置位置が既知である無線ノードを利用する技術が知られている。例えば、特許文献1には、端末の位置推定に用いる無線ノード(以下「アンカー」という)の数を、アンカーの信頼度に基づいて選定することにより、端末の位置を高精度に推定する技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、複数のアンカーを用いて端末の位置を推定し、その推定した位置を用いて各アンカーの信頼度を算出し、信頼度の低いアンカーを除外した複数のアンカーを用いて再度端末の位置を推定する、という処理を繰り返すことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、上述した処理の繰り返しが発生するため、端末の位置推定に時間がかかる。
【0005】
本開示の非限定的な実施例は、無線を用いた端末の位置推定にかかる時間を短縮する技術の提供に資する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る位置推定装置は、領域に配置された複数の無線電子機器のうちの少なくとも2つを移動端末の位置推定に用いるアンカーに選定し、前記複数の無線電子機器の配置に関する第1情報と、前記領域における移動端末の位置を前記選定されたアンカーを用いて推定した第1の位置に関する第2情報と、に基づいて、前記選定されたアンカーを更新する選定回路と、前記選定されたアンカーと前記移動端末との間の無線通信品質に関する第3情報と、前記選定されたアンカーの前記第1情報と、に基づいて、前記移動端末の前記第1の位置を推定し、前記更新されたアンカーと前記移動端末との間の無線通信品質に関する第4情報と、前記更新されたアンカーの前記第1情報と、に基づいて、前記移動端末の第2の位置を推定する推定回路と、を備える。
【0007】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の非限定的な実施例によれば、無線を用いた端末の位置推定にかかる時間を短縮できる。
【0009】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施の形態に係る位置推定システムの構成例を示す図
【
図2】一実施の形態に係る位置推定装置の構成例を示す図
【
図3】一実施の形態に係る照明器具の構成例を示す図
【
図5】一実施の形態に係る器具位置情報の例を示す図
【
図6】一実施の形態に係るアンカー情報の例を示す図
【
図7】一実施の形態に係る端末位置情報の例を示す図
【
図8】一実施の形態に係るRSSI(Received Signal Strength Indicator)情報の例を示す図
【
図9】一実施の形態に係る照明器具の処理例を示すフローチャート
【
図10】一実施の形態に係る位置推定装置の処理例を示すフローチャート
【
図11】一実施の形態に係る位置推定処理の例を示すフローチャート
【
図12】一実施の形態に係るアンカー選定の第1例を説明するための図
【
図13】一実施の形態に係るアンカー選定の第2例を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は一例であり、本開示は以下の実施の形態により限定されるものではない。
【0012】
近年、無線通信に対応する照明器具の商業施設等への導入が増加している。無線通信に対応する照明器具のメリットの1つは、「簡単操作」である。例えば、手元の機器(例えばリモコン)から、無線通信を介して、指定の照明器具の点灯及び消灯、並びに、調光といった操作を手軽に行うことができる。
【0013】
照明器具は、例えば建物の施工時に、天井などに固定的に設置されるので、照明器具の設置位置が既知である。そこで、無線通信に対応する照明器具を、建物内の人物が所持する端末(或いは移動物体に備えられた端末)の位置推定のためのアンカーとして利用することが考えられる。これにより、新たな無線ノードを、端末の位置推定のためのアンカーとして設置する手間及びコストを削減できる。
【0014】
照明器具は、例えば天井に多数設置される。よって、全ての照明器具をアンカーとして利用する場合、端末の位置推定のために各照明器具との間で送受信される情報の量が膨大になってしまい、端末の位置推定にかかる時間が長くなってしまう。この場合、移動する端末の位置推定が難しい。本実施の形態は、無線通信に対応する照明器具を用いた端末の位置推定にかかる時間を短縮する。これにより、例えば、移動する端末の位置推定も可能となる。
【0015】
(一実施の形態)
<位置推定システム>
図1は、位置推定システム1の構成例を示す図である。位置推定システム1は、端末の位置を推定するためのシステムである。位置推定システム1は、例えば、コンビニエンスストア又はホームセンターといった商業施設に設置される。
【0016】
位置推定システム1は、位置推定装置10、アクセスポイント20、複数の照明器具30、及び、複数の端末40を有する。なお、複数の照明器具30の各々を区別する場合、照明器具30-1、…、30-N(Nは2以上の整数)と表記する場合がある。また、複数の端末40の各々を区別する場合、端末40-1、…、40-M(Mは2以上の整数)と表記する場合がある。
【0017】
位置推定装置10は、有線LAN又は無線LANを介して、アクセスポイント20に接続する。照明器具30は、無線LANを介して、アクセスポイント20に接続する。端末40は、無線LANを介して、アクセスポイント20に接続する。よって、位置推定装置10は、アクセスポイント20を介して、照明器具30及び端末40と、データを送受信できる。
【0018】
アクセスポイント20、照明器具30、及び、端末40は、920MHz帯を用いる無線通信に対応する。ただし、無線通信に920MHz帯を用いることは一例であり、本実施の形態の無線通信は、これに限定されない。例えば、アクセスポイント20、照明器具30、及び、端末40は、2.4GHz帯、5GHz帯、及び/又は、60GHz帯(WiGig(Wireless Gigabit))を用いる無線通信に対応してもよい。
【0019】
各照明器具30は、例えば、建物内の天井の予め定められた位置に設置される。つまり、各照明器具30の設置位置が既知である。また、照明器具30は、無線通信に対応している。例えば、手元の機器(例えばリモコン)から、無線通信を介して、照明器具30の点灯及び消灯、並びに、調光等の操作を行うことができる。なお、本実施の形態における照明器具30は、電気器具の一例である。すなわち、本実施の形態は、予め定められた位置に設置され、無線信号を受信可能な電気器具であればどのようなものであってもよい。電気器具の例は、照明器具30の他に、空調装置(例えば、エアコン、扇風機)、火災警報器、煙探知器、監視カメラ、非常誘導灯などである。電気器具は、無線電子機器と読み替えられてもよい。
【0020】
端末40は、無線通信に対応し、建物内の人物(例えば商業施設内の店員及び客)に所持される。端末40の例は、スマートフォンである。ただし、端末40は、スマートフォンに限定されず、例えば、店員が業務に使用する専用端末であってもよい。また、端末40は、人物に所持されるものに限らず、例えば、商業施設内を移動可能な移動物体(例えばカート又はロボット等)に備えられてもよい。端末40は、建物内において、アクセスポイント20に無線接続できる。
【0021】
位置推定装置10は、複数の照明器具30が設置された領域(以下「対象領域」という)における、端末40の位置を推定する。例えば、位置推定装置10は、対象領域における所定数の照明器具30によって測定された、端末40から送信される無線信号の受信信号強度と、当該照明器具30の設置位置とに基づいて、対象領域における端末40の位置を推定する。位置推定装置10の例は、PC又はサーバである。なお、位置推定装置10の詳細については後述する。
【0022】
<位置推定装置>
図2は、位置推定装置10の構成例を示す図である。位置推定装置10は、通信部11、記憶部12、及び、制御部13を有する。
【0023】
通信部11は、例えば、有線LAN又は無線LAN向けの通信インタフェースである。通信部11は、アクセスポイント20を介した、照明器具30及び端末40との間の信号の送受信を処理する。
【0024】
記憶部12は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及び/又は、フラッシュメモリである。記憶部12は、第1情報の一例である器具位置情報121、アンカー情報122、及び、第2情報の一例である端末位置情報123を格納する。なお、器具位置情報121、アンカー情報122、及び、端末位置情報123の詳細については後述する(
図5、
図6、
図7参照)。
【0025】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)又はコントローラである。制御部13は、位置推定装置10が有する機能として、端末制御部131、アンカー選定部132、器具制御部133、及び、位置推定部134を実現する。これらの機能は、制御部13がコンピュータプログラムを実行することにより実現されてもよい。
【0026】
端末制御部131は、通信部11及びアクセスポイント20を介した、端末40との間の通信を制御する。
【0027】
アンカー選定部132は、対象領域における複数の照明器具30の中から、端末40の位置推定に用いる照明器具30をアンカーとして選定する。例えば、アンカー選定部132は、器具位置情報121及び端末位置情報123に基づいてアンカーを選定し、その選定結果をアンカー情報122として記憶部12に格納する。なお、アンカー選定の詳細については後述する(
図10参照)。
【0028】
器具制御部133は、通信部11及びアクセスポイント20を介した、照明器具30との間の通信を制御する。
【0029】
位置推定部134は、端末40から送信される無線信号の無線通信品質に関する第3情報(例えば、受信信号強度(RSSI(Received Signal Strength Indicator)))の測定をアンカーに指示する。位置推定部134は、アンカーにおいて測定された無線信号の無線通信品質に関する第3情報と、アンカーの位置とに基づいて、端末40の位置を推定する。なお、端末40の位置推定の詳細については後述する(
図11参照)。
【0030】
<照明器具>
図3は、照明器具30の構成例を示す図である。照明器具30は、無線通信部31、記憶部32、及び、制御部33を有する。
【0031】
無線通信部31は、例えば、無線LAN向けの通信インタフェースである。無線通信部31は、アクセスポイント20を介して、位置推定装置10と無線信号を送受信する。また、無線通信部31は、端末40から送信される無線信号を受信する。
【0032】
記憶部32は、例えば、フラッシュメモリである。記憶部32は、RSSI情報321を格納する。なお、RSSI情報321の詳細については後述する(
図8参照)。
【0033】
制御部33は、例えばCPU又はコントローラである。制御部33は、照明器具30が有する機能として、通信制御部331、通信品質測定部332、及び、測定結果通知部333を実現する。これらの機能は、制御部33がコンピュータプログラムを実行することにより実現されてもよい。
【0034】
通信制御部331は、無線通信部31及びアクセスポイント20を介した、位置推定装置10との無線信号の送受信を制御する。また、通信制御部331は、無線通信部31を介した、端末40から送信される無線信号の受信を制御する。
【0035】
通信品質測定部332は、端末40から送信される無線信号の通信品質の1つとして受信信号強度(例えばRSSI)を測定する。通信品質測定部332は、測定した受信信号強度を、RSSI情報321として記憶部32に格納する。
【0036】
測定結果通知部333は、記憶部32内のRSSI情報321を、無線通信部31及びアクセスポイント20を介して、位置推定装置10へ送信する。
【0037】
<端末>
図4は、端末40の構成例を示す図である。端末40は、無線通信部41、及び、制御部42を有する。
【0038】
無線通信部41は、例えば、無線LAN向けの通信インタフェースである。無線通信部41は、アクセスポイント20を介して、位置推定装置10と無線信号を送受信する。
【0039】
制御部42は、例えば、CPU又はコントローラである。制御部42は、無線通信部41を介して位置推定装置10から確認要求(例えばKeep-Alive要求)を受信した場合、その確認要求に対する確認応答を、無線通信部41を介して送信する。アンカーに選定された照明器具30は、この確認応答の無線信号を受信(例えば傍受)し、受信信号強度を測定する。
【0040】
<器具位置情報>
図5は、器具位置情報121の例を示す図である。器具位置情報121は、対象領域において、照明器具30が実際に設置された位置を示す情報である。
【0041】
例えば、器具位置情報121は、器具識別子501及び設置位置502を対応付ける。
・器具識別子501は、照明器具30を一意に識別するための情報である。
・設置位置502は、器具識別子501の照明器具30が実際に設置された位置(例えば座標)を示す情報である。
【0042】
図5の例は、以下を示す。
・器具識別子501「30-1」の照明器具30の設置位置502は(Xa1,Ya1)である。
・器具識別子501「30-2」の照明器具30の設置位置502は(Xa2,Ya2)である。
【0043】
<アンカー情報>
図6は、アンカー情報122の例を示す図である。アンカー情報122は、対象領域において、各端末40の位置推定のためにアンカーに選定された照明器具30を示す情報である。
【0044】
例えば、アンカー情報122は、端末識別子601、及び、アンカーに選定された各照明器具30の識別子(以下「アンカー識別子」という)602を対応付ける。
【0045】
図6の例は、以下を示す。
・端末識別子601「40-1」の端末40の位置推定のためにアンカーに選定された各照明器具30の識別子(アンカー識別子)602は、「30-x1」、「30-x2」、「30-x3」、「30-x4」、「30-x5」、「30-x6」である。
・端末識別子601「40-2」の端末40の位置推定のためにアンカーに選定された各照明器具30の識別子(アンカー識別子)602は、「30-y1」、「30-y2」、「30-y3」、「30-y4」、「30-y5」、「30-y6」である。
【0046】
このように、アンカーに選定される照明器具30は、端末40毎に異なってよい。また、後述するように、アンカー情報122は、端末40の移動に伴って随時更新されてよい。
【0047】
<端末位置情報>
図7は、端末位置情報123の例を示す図である。端末位置情報123は、対象領域における端末40の位置を示す情報である。
【0048】
例えば、端末位置情報123は、端末識別子701及び端末位置702を対応付ける。
・端末識別子701は、端末40を一意に識別するための情報である。
・端末位置702は、端末識別子701の端末40の位置(例えば座標)を示す情報である。
【0049】
図7の例は、以下を示す。
・端末識別子701「40-2」の端末40の端末位置702は(X2,Y2)である。
・端末識別子701「40-1」の端末40の端末位置702は(X3,Y3)である。
【0050】
<RSSI情報>
図8は、RSSI情報321の例を示す図である。なお、
図8は、アンカー毎(照明器具30毎)に記憶される情報を示し、位置推定装置10に送信する場合は、送信元のアンカー識別子を付加して送信してもよい。RSSI情報321は、照明器具30が測定した、端末40から送信された無線信号の受信信号強度を示す情報である。
【0051】
例えば、RSSI情報321は、端末識別子901及びRSSI測定値902を対応付ける。
・端末識別子901は、端末40を一意に識別するための情報である。
・RSSI測定値902は、端末識別子901の端末40から送信された無線信号の受信信号強度を示す。
【0052】
図8の例は、以下を示す。
・端末識別子901「40-1」の端末40から送信された無線信号のRSSI測定値902は「A(dBm)」である。
・端末識別子901「40-2」の端末40から送信された無線信号のRSSI測定値902は「B(dBm)」である。
【0053】
<照明器具の処理>
次に、
図9に示すフローチャートを参照して、照明器具30の処理の一例を説明する。
【0054】
通信制御部331は、無線通信部31を介し、無線信号を受信する(S101)。
【0055】
通信制御部331は、S101で受信した無線信号が、位置推定装置10から送信されたアンカー開始要求、位置推定装置10から送信されたアンカー終了要求、位置推定対象の端末40から送信された無線信号、位置推定装置10から送信された測定結果要求、及び、位置推定装置10から送信された終了指示のうちの何れであるかを判定する(S102)。
【0056】
通信制御部331は、S101で受信した無線信号が、位置推定装置10から送信されたアンカー開始要求である場合(S102:アンカー開始要求)、位置推定の対象端末40から送信される無線信号の受信(例えば傍受)を開始する(S111)。なお、通信制御部331は、アンカー開始要求に含まれる情報(例えば、端末識別子)によって、傍受対象の位置推定の対象端末40が指示(特定)されてもよい。そして、通信制御部331は、位置推定装置10に対して、アンカー開始応答を送信し(S112)、S101の処理に戻る。
【0057】
通信制御部331は、S101で受信した無線信号が、位置推定装置10から送信されたアンカー終了要求である場合(S102:アンカー終了要求)、対象端末40から送信される無線信号の受信(例えば傍受)を終了する(S121)。そして、通信制御部331は、位置推定装置10に対して、アンカー終了応答を送信し(S122)、S101の処理に戻る。
【0058】
通信制御部331は、S101で受信した無線信号が、対象端末40から送信された無線信号である場合(S102:対象端末から送信された無線信号)、その無線信号の受信信号強度を測定し、その測定結果をRSSI情報321として記憶部32に格納する(S131)。そして、通信制御部331は、S101の処理に戻る。
【0059】
通信制御部331は、S101で受信した無線信号が、位置推定装置10から送信された測定結果要求である場合(S102:測定結果要求)、記憶部32内のRSSI情報321を位置推定装置10へ送信する(S141)。そして、制御部33は、S101の処理へ戻る。
【0060】
通信制御部331は、S101で受信した無線信号が、位置推定装置10から送信された終了指示である場合(S102:終了指示)、本処理を終了する。
【0061】
このように、アンカー開始要求を受信した照明器具30は、アンカー終了要求を受信するまで、位置推定の対象端末40のアンカーとして、対象端末40から送信された無線信号の受信信号強度を測定し、その測定結果を位置推定装置10へ送信する。
【0062】
<位置推定装置の処理>
次に、
図10に示すフローチャートを参照して、位置推定装置10の処理の一例を説明する。
【0063】
例えば、端末40は、対象領域に入った場合、アクセスポイント20に対して接続要求を送信する。端末制御部131は、アクセスポイント20を介して、端末40から接続要求を受信する(S201)。
【0064】
アンカー選定部132は、対象領域における複数の照明器具30の中から、アンカー選定数α個の照明器具30を、接続要求を送信した端末(つまり位置推定の対象端末)40の位置を推定するためのアンカーとして選定する(S202)。アンカー選定数αは、予め定められた数であってよく、例えば、対象領域の大きさ、または、求められる位置推定精度によって決定してもよい。また、S202におけるアンカーは、ランダムに選定されてよい。アンカー選定部132は、アンカーに選定した照明器具30の識別子を、アンカー情報122として記憶部12に格納する。
【0065】
器具制御部133は、S202でアンカーに選定した照明器具30に対して、アクセスポイント20を介して、アンカー開始要求を送信する(S203)。アンカー開始要求を受信した照明器具30の処理は、
図9にて説明した通りである。
【0066】
器具制御部133は、アンカー開始要求の送信先である照明器具30から、アクセスポイント20を介して、アンカー開始応答を受信する(S204)。
【0067】
器具制御部133は、アンカー開始要求の送信先である照明器具30の全てからアンカー開始応答を受信したか否かを判定する(S205)。
【0068】
アンカー開始要求の送信先である照明器具30のうち、少なくとも1つの照明器具30からアンカー開始応答を受信していない場合(S205:NO)、制御部13は、S204の処理に戻る。
【0069】
アンカー開始要求の送信先である照明器具30のうち、全ての照明器具30からアンカー開始応答を受信した場合(S205:YES)、位置推定部134は、対象端末40の位置推定処理を実行する(S206)。なお、当該位置推定処理の詳細については後述する(
図11参照)。
【0070】
アンカー選定部132は、S206で推定した対象端末40の位置の近傍に設置されたアンカー選定数α個の照明器具30を、アンカーに再選定する(S207)。つまり、S202で選択したアンカーは、対象端末40の位置を考慮して選定されていない。例えば、S207では、アンカー選定部132は、対象端末40の位置から距離の近い照明器具30を優先的に、アンカーに選定する。S207では、アンカー選定部132は、対象端末40の位置から距離の近い照明器具30から順に、アンカーに選定してもよい。或いは、S207では、アンカー選定部132は、対象端末40の位置から所定半径の範囲内に設置された照明器具30の中から、ランダムにアンカーを選定してもよい。
【0071】
アンカー選定部132は、S207で、対象端末40のアンカーに再選定された照明器具30に対して、再度、アンカー開始要求を送信する(S208)。例えば、アンカー選定部132は、S207で対象端末40のアンカーに選定された照明器具30のうち、S202において作成したアンカー情報に未登録の照明器具30に対して、アンカー開始要求を送信してもよい。
【0072】
アンカー選定部132は、前回対象端末40のアンカー(S202)に選定された照明器具30のうち、今回対象端末40のアンカー(S207)に選定されなかった照明器具30に対して、アンカー終了要求を送信する(S209)。例えば、アンカー選定部132は、アンカー情報において対象端末40のアンカーに登録されている照明器具30のうち、S207でアンカーに選定されなかった照明器具30に対して、アンカー終了要求を送信する。
【0073】
アンカー選定部132は、アンカー情報を更新する(S210)。例えば、アンカー選定部132は、今回新たに対象端末40のアンカー(S207)に選定された照明器具30の識別子をアンカー情報に登録し、前回対象端末40のアンカー(S202)に選定された照明器具30のうち、今回対象端末40のアンカーに選定されなかった照明器具30の識別子をアンカー情報から削除する。そして、制御部13は、S204の処理に戻る。
【0074】
<位置推定処理>
次に、
図11に示すフローチャートを参照して、位置推定処理の一例を説明する。本処理は、
図10のS206の処理に相当する。
【0075】
位置推定部134は、アクセスポイント20を介して、対象端末40に対して、確認要求を送信する(S401)。確認要求の例は、対象端末40の生存を確認するためのKeep-Alive信号である。確認要求を受信した対象端末40は、確認応答の無線信号を送信する。アンカーに選定された照明器具30は、この確認応答の無線信号を受信(例えば傍受)し、受信信号強度を測定する。
【0076】
位置推定部134は、アクセスポイント20を介して、対象端末40から送信された確認応答を受信する(S402)。
【0077】
位置推定部134は、対象端末40のアンカーに選定された照明器具30に対して、測定結果要求を送信する(S403)。
図9で説明したように、測定結果要求を受信した照明器具30は、RSSI情報321を位置推定装置10に送信する。
【0078】
位置推定部134は、対象端末40のアンカーに選定された照明器具30から、RSSI情報321を受信する(S404)。
【0079】
位置推定部134は、対象端末40のアンカーに選定された各照明器具30の設置位置と、S404にて各照明器具30から受信したRSSI情報321とに基づいて、対象端末40の位置を推定する(S405)。例えば、位置推定部134は、アンカーに選定された少なくとも3つの照明器具30の設置位置の各々から対象端末40までの距離を、受信信号強度を用いて算出し、三点測位によって対象端末40の位置を推定する。
【0080】
位置推定部134は、S405で推定した対象端末40の位置を、端末位置情報123として記憶部12に格納する(S406)。そして、位置推定処理は完了する。
【0081】
このように、位置推定装置10は、アンカーに選定された複数の照明器具30の設置位置と、当該複数の照明器具30によって測定された、対象端末40からの無線信号の受信信号強度とに基づいて、対象端末40の位置を推定する。
【0082】
<アンカー選定の例>
図12及び
図13を参照して、アンカー選定の例を説明する。
図12及び
図13は、例えば、コンビニエンスストア又はホームセンターの商業施設内の天井に、複数の照明器具30-1、…、30-17が設置された例を示す。
図12及び
図13では、X軸とY軸で構成される2次元座標によって位置を表現する。ただし、本実施の形態に係る位置の表現は、このような2次元座標に限定されない。
【0083】
図12及び
図13において、点(X0,Y0)、点(X1,Y0)、点(X1,Y2)、及び、点(X0,Y2)を頂点とする矩形領域は、対象端末40が移動可能な対象領域を示す。以下、アンカー選定数αが6の場合について説明する。
【0084】
図12に示すように、アンカー選定部132は、
図10のS202において、対象領域内の照明器具30の中から、ランダムに、6個の照明器具30-2、30-4、30-9、30-11、30-14、30-15を、アンカーに選定する(黒丸の照明器具30を参照)。
【0085】
アンカー選定部132は、
図10のS206において、アンカーに選定した6個の照明器具30-2、30-4、30-9、30-11、30-14、30-15が測定した、対象端末40から送信された無線信号の受信信号強度に基づいて、対象端末40の位置を推定する。この推定した対象端末40の位置は、端末位置情報123として記憶部12に格納される。
【0086】
アンカー選定部132は、端末位置情報123を参照して、対象端末40の位置を特定する。そして、
図13に示すように、アンカー選定部132は、
図10のS207において、その特定した対象端末40の位置の近傍に存在する6個の照明器具30-2、30-3、30-5、30-6、30-9、30-15を、対象端末40のアンカーに再選定する。例えば、アンカー選定部132は、対象端末40の位置から距離の近い順に6個の照明器具30を、対象端末40のアンカーに再選定する。これらアンカーに再選定された照明器具30は、次回のS206の位置推定処理において、対象端末40の位置推定に用いられる。
【0087】
このように、本実施の形態によれば、対象端末40の近傍の照明器具30がアンカーに再選定される。よって、対象端末40が移動した場合も、その移動に合わせて随時、対象端末40の近傍の照明器具30がアンカーに再選定される。
【0088】
コンビニエンスストア又はホームセンターといった商業施設内は、対象端末40と各照明器具30との間の見通しが必ずしも良いとは限らない。例えば、対象端末40と照明器具30との間に、背の高い棚といった遮蔽物が存在する場合がある。よって、アンカーがランダムに再選定される場合、対象端末40との間に遮蔽物の存在する照明器具30がアンカーに再選定される可能性がある。この照明器具30がアンカーとして機能しない場合、対象端末40の位置推定の精度が低下し得る。このような精度の低下は、例えば、人物が端末40を首からぶら下げている、つまり、端末40が遮蔽物よりも低い位置に存在する場合に、より顕著に発生し得る。
【0089】
これに対して、本実施の形態では、対象端末40の近傍の照明器具30がアンカーに再選定されるので、対象端末40との間に遮蔽物の存在する照明器具30がアンカーに再選定される可能性が低下する。よって、本実施の形態は、対象端末40の位置推定の精度を確保できる。
【0090】
また、対象端末40の近傍の照明器具30をアンカーに再選定することにより、対象端末40が何れの方向に移動しても、対象端末40の移動先の近くにアンカーが存在する可能性が高い。よって、対象端末40の移動先における位置推定の精度を確保できる。
【0091】
<本開示のまとめ>
本開示に係る位置推定装置10は、領域に配置された複数の無線電子機器(例えば照明器具30)のうちの少なくとも2つを移動端末(例えば端末40)の位置推定に用いるアンカーに選定し、無線電子機器30の配置に関する第1情報(例えば器具位置情報121)と、領域における移動端末40の位置を選定されたアンカーを用いて推定した第1の位置に関する第2情報と、に基づいて、選定されたアンカーを更新する選定回路(例えばアンカー選定部132)と、選定されたアンカーと移動端末との間の無線通信品質に関する第3情報(例えばRSSI情報321)と、選定されたアンカーの第1情報と、に基づいて、移動端末の第1の位置を推定し、更新されたアンカーと移動端末との間の無線通信品質に関する第4情報(例えばRSSI情報321)と、更新されたアンカーの前記第1情報と、に基づいて、移動端末の第2の位置を推定する推定回路(例えば位置推定部134)と、を備える。
【0092】
この構成によれば、端末40の第1の位置(例えば前回の位置)に基づいて選定したアンカーを用いて、端末40の第2の位置(例えば今回の位置)を推定するので、全ての照明器具30を用いて端末40の位置を推定する場合と比較して、位置推定にかかる時間を短縮できる。
【0093】
選定回路は、移動端末の第1の位置と距離の近い無線電子機器から順にアンカーを選定してよい。
【0094】
この構成によれば、移動端末の移動先の近くにアンカーが存在する可能性が高くなるので、移動端末の移動先における位置推定の精度の低下を抑制できる。
【0095】
選定回路は、更新されたアンカーのうち、前記選定されたアンカーに含まれていないアンカーがある場合、前記移動端末から送信される無線信号の前記無線通信品質の測定開始(例えばアンカー開始要求)を指示してよい。
【0096】
この構成によれば、第2の位置の推定用に新たに選定されたアンカーに対して測定開始が指示されるので、位置推定装置10と各無線電子機器との間の通信トラフィックを抑制できる。
【0097】
選定回路は、選定されたアンカーのうち、更新されたアンカーに含まれていないアンカーに対して、移動端末から送信される無線信号の無線通信品質の測定終了(例えばアンカー終了要求)を指示してよい。
【0098】
この構成によれば、第1の位置の推定用に選定され、かつ、第2の位置の推定用には選定されなかったアンカーに対して測定終了が指示されるので、位置推定装置10と各無線電子機器との間の通信トラフィックを抑制できる。
【0099】
無線電子機器は、無線信号による操作が可能な照明器具であってよい。また、無線通信品質は、移動端末から送信される無線信号の受信信号強度(例えばRSSI)であってよい。
【0100】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、開示の趣旨を逸脱しない範囲において、上記実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0101】
本開示はソフトウェア、ハードウェア、又は、ハードウェアと連携したソフトウェアで実現することが可能である。
【0102】
以上の説明において、各構成要素に用いる「・・・部」という表記は、「・・・回路(circuitry)」、「・・・デバイス」、「・・・ユニット」、又は、「・・・モジュール」といった他の表記に置換されてもよい。
【0103】
上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、部分的に又は全体的に、集積回路であるLSIとして実現され、上記実施の形態で説明した各プロセスは、部分的に又は全体的に、一つのLSI又はLSIの組み合わせによって制御されてもよい。LSIは個々のチップから構成されてもよいし、機能ブロックの一部または全てを含むように一つのチップから構成されてもよい。LSIはデータの入力と出力を備えてもよい。LSIは、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0104】
集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路、汎用プロセッサ又は専用プロセッサで実現してもよい。また、LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。本開示は、デジタル処理又はアナログ処理として実現されてもよい。
【0105】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0106】
本開示は、通信機能を持つあらゆる種類の装置、デバイス、システム(通信装置と総称)において実施可能である。通信装置の、非限定的な例としては、電話機(携帯電話、スマートフォン等)、タブレット、パーソナル・コンピューター(PC)(ラップトップ、デスクトップ、ノートブック等)、カメラ(デジタル・スチル/ビデオ・カメラ等)、デジタル・プレーヤー(デジタル・オーディオ/ビデオ・プレーヤー等)、着用可能なデバイス(ウェアラブル・カメラ、スマートウオッチ、トラッキングデバイス等)、ゲーム・コンソール、デジタル・ブック・リーダー、テレヘルス・テレメディシン(遠隔ヘルスケア・メディシン処方)デバイス、通信機能付きの乗り物又は移動輸送機関(自動車、飛行機、船等)、及び上述の各種装置の組み合わせがあげられる。
【0107】
通信装置は、持ち運び可能又は移動可能なものに限定されず、持ち運びできない又は固定されている、あらゆる種類の装置、デバイス、システム、例えば、スマート・ホーム・デバイス(家電機器、照明機器、スマートメーター又は計測機器、コントロール・パネル等)、自動販売機、その他IoT(Internet of Things)ネットワーク上に存在し得るあらゆる「モノ(Things)」をも含む。
【0108】
通信には、セルラーシステム、無線LANシステム、通信衛星システム等によるデータ通信に加え、これらの組み合わせによるデータ通信も含まれる。
【0109】
また、通信装置には、本開示に記載される通信機能を実行する通信デバイスに接続又は連結される、コントローラやセンサー等のデバイスも含まれる。例えば、通信装置の通信機能を実行する通信デバイスが使用する制御信号やデータ信号を生成するような、コントローラやセンサーが含まれる。
【0110】
また、通信装置には、上記の非限定的な各種装置と通信を行う、あるいはこれら各種装置を制御する、インフラストラクチャ設備、例えば、基地局、アクセスポイント、その他あらゆる装置、デバイス、システムが含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0111】
本開示は、建物内における端末の位置推定に有用である。
【符号の説明】
【0112】
1 位置推定システム
10 位置推定装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20 アクセスポイント
30 照明器具
31 無線通信部
32 記憶部
33 制御部
40 端末
41 無線通信部
42 制御部
121 器具位置情報
122 アンカー情報
123 端末位置情報
131 端末制御部
132 アンカー選定部
133 器具制御部
134 位置推定部
321 RSSI情報
331 通信制御部
332 通信品質測定部
333 測定結果通知部