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特許7313034情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20230714BHJP
   G09B 19/00 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
G06Q10/0639
G09B19/00 G
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019041247
(22)【出願日】2019-03-07
(65)【公開番号】P2020144645
(43)【公開日】2020-09-10
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】518452733
【氏名又は名称】ブライトン・コンサルティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】弁理士法人白坂
(72)【発明者】
【氏名】前川 明海
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-290920(JP,A)
【文献】特開2015-225211(JP,A)
【文献】特開2002-259440(JP,A)
【文献】特開2005-115850(JP,A)
【文献】特開2016-207165(JP,A)
【文献】特開2005-100004(JP,A)
【文献】特開2003-242307(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人の行動に係る質問に対する回答に基づき、人の行動特性を構成する複数の基本要素を評価する評価値を算出する評価値算出部と、
前記評価値算出部において算出された複数の評価値の偏りの強度を算出する偏強度算出部と、
前記偏強度算出部において算出された複数の基本要素における評価値の偏りの強度を集計することにより、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出する特性値算出部と、
前記偏強度算出部において算出された評価値の偏りの強度と、前記特性値算出部において算出された特性値とを含む算出結果を、前記偏強度算出部において算出された評価値の偏りの強度の大きさに基づき、複数の基本要素を並び替えて提供する結果提供部と
を備える、情報処理装置。
【請求項2】
前記偏強度算出部は、前記評価値算出部において算出された複数の評価値の中において、対極的な基本要素における評価値の差分に基づき評価値の偏りの強度を算出する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記特性値算出部は、モチベーションに係る複数の特性値を、人の内部から発生する内発的な動機付けと、人の外部で発生して受動する外発的な動機付けとに分類して算出する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記特性値算出部は、ストレスに係る複数の特性値を、周囲から感じるストレスと、自己に対して感じるストレスとに分類して算出する、請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記結果提供部は、算出結果の経時的な過程をさらに提供する、請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記結果提供部は、複数の人の算出結果を集計した集計結果をさらに提供する、請求項1からのいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記結果提供部は、算出結果が集計された複数の人によって構成されるチームとしての行動特性を集計結果として提供する、請求項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
人の行動に係る質問に対する回答に基づき、人の行動特性を構成する複数の基本要素を評価する評価値を算出する評価値算出ステップと、
前記評価値算出ステップにおいて算出された複数の評価値の偏りの強度を算出する偏強度算出ステップと、
前記偏強度算出ステップにおいて算出された複数の基本要素における評価値の偏りの強度を集計することにより、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出する特性値算出ステップと、
前記偏強度算出ステップにおいて算出された評価値の偏りの強度と、前記特性値算出ステップにおいて算出された特性値とを含む算出結果を、前記偏強度算出ステップにおいて算出された評価値の偏りの強度の大きさに基づき、複数の基本要素を並び替えて提供する結果提供ステップと
を含む、情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
人の行動に係る質問に対する回答に基づき、人の行動特性を構成する複数の基本要素を評価する評価値を算出する評価値算出機能と、
前記評価値算出機能において算出された複数の評価値の偏りの強度を算出する偏強度算出機能と、
前記偏強度算出機能において算出された複数の基本要素における評価値の偏りの強度を集計することにより、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出する特性値算出機能と、
前記偏強度算出機能において算出された評価値の偏りの強度と、前記特性値算出機能において算出された特性値とを含む算出結果を、前記偏強度算出機能において算出された評価値の偏りの強度の大きさに基づき、複数の基本要素を並び替えて提供する結果提供機能と
を実現させるための、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高業績者の行動特性として、コンピテンシー(competency)と呼ばれる分析指標が用いられることがあった。コンピテンシーにおいては、評価対象者の具体的な行動現象が分析されて評価される。
【0003】
また、特許文献1には、質問に対する回答から、回答者の行動、ストレス、モチベーション等の特性を数値化する技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-224256号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の技術においては、行動等の特性を数値化できるものの、数値化された特性に基づきコンピテンシーを向上させるための情報が得られない場合があった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、コンピテンシーを向上させるための情報を得ることができる、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記の課題を解決するため、情報処理装置は、人の行動に係る質問に対する回答に基づき、人の行動特性を構成する複数の基本要素を評価する評価値を算出する評価値算出部と、評価値算出部において算出された複数の評価値の偏りの強度を算出する偏強度算出部と、偏強度算出部において算出された評価値の偏りの強度に基づき、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出する特性値算出部と、偏強度算出部において算出された評価値の偏りの強度と、特性値算出部において算出された特性値とを含む算出結果を提供する結果提供部とを備える。
【0008】
(2)また、実施形態の情報処理装置において、偏強度算出部は、評価値算出部において算出された複数の評価値の中において、対極的な基本要素における評価値の差分に基づき評価値の偏りの強度を算出するものであってもよい。
【0009】
(3)また、実施形態の情報処理装置において、結果提供部は、偏強度算出部において算出された評価値の偏りの強度の大きさに基づき、複数の基本要素を並び替えて算出結果を提供するものであってもよい。
【0010】
(4)また、実施形態の情報処理装置において、特性値算出部は、偏強度算出部において算出された複数の基本要素における評価値の偏りの強度を集計することにより特性値を算出するものであってもよい。
【0011】
(5)また、実施形態の情報処理装置において、特性値算出部は、モチベーションに係る複数の特性値を、人の内部から発生する内発的な動機付けと、人の外部で発生して受動する外発的な動機付けとに分類して算出するものであってもよい。
【0012】
(6)また、実施形態の情報処理装置において、特性値算出部は、ストレスに係る複数の特性値を、周囲から感じるストレスと、自己に対して感じるストレスとに分類して算出するものであってもよい。
【0013】
(7)また、実施形態の情報処理装置において、結果提供部は、算出結果の経時的な過程をさらに提供するものであってもよい。
【0014】
(8)また、実施形態の情報処理装置において、結果提供部は、複数の人の算出結果を集計した集計結果をさらに提供するものであってもよい。
【0015】
(9)また、実施形態の情報処理装置において、結果提供部は、算出結果が集計された複数の人によって構成されるチームとしての行動特性を集計結果として提供するものであってもよい。
【0016】
(10)上記の課題を解決するため、情報処理方法は、情報処理装置において実行される情報処理方法であって、人の行動に係る質問に対する回答に基づき、人の行動特性を構成する複数の基本要素を評価する評価値を算出する評価値算出ステップと、評価値算出ステップにおいて算出された複数の評価値の偏りの強度を算出する偏強度算出ステップと、偏強度算出ステップにおいて算出された評価値の偏りの強度に基づき、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出する特性値算出ステップと、偏強度算出ステップにおいて算出された評価値の偏りの強度と、特性値算出ステップにおいて算出された特性値とを含む算出結果を提供する結果提供ステップとを含む。
【0017】
(11)上記の課題を解決するため、情報処理プログラムは、コンピュータに、人の行動に係る質問に対する回答に基づき、人の行動特性を構成する複数の基本要素を評価する評価値を算出する評価値算出機能と、評価値算出機能において算出された複数の評価値の偏りの強度を算出する偏強度算出機能と、偏強度算出機能において算出された評価値の偏りの強度に基づき、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出する特性値算出機能と、偏強度算出機能において算出された評価値の偏りの強度と特性値算出機能において算出された特性値とを含む算出結果を提供する結果提供機能とを実現させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一つの実施形態によれば、情報処理装置は、人の行動に係る質問に対する回答に基づき、人の行動特性を構成する複数の基本要素を評価する評価値を算出し、算出された複数の評価値の偏りの強度を算出し、算出された評価値の偏りの強度に基づき、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出し、算出された評価値の偏りの強度と、特性値算出部において算出された特性値とを含む算出結果を提供することにより、コンピテンシーを向上させるための情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態における情報処理装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施形態における情報処理装置から提供される算出結果の第1の例を示す図である。
図3】実施形態における情報処理装置から提供される算出結果の第2の例を示す図である。
図4】実施形態における情報処理装置から提供される算出結果の第3の例を示す図である。
図5】実施形態における情報処理装置から提供される算出結果の第4の例を示す図である。図5(A)は、モチベーションの種類毎の特性値である。図5(B)はモチベーションに係る特性値に応じたソート結果である。
図6】実施形態における情報処理装置から提供される算出結果の第5の例を示す図である。図6(A)は、ストレスの種類毎の特性値(耐性値)である。図6(B)は、ストレスに係る特性値に応じたソート結果である。
図7】実施形態における情報処理装置から提供される算出結果の第6の例を示す図である。図7(A)は、コンピテンシーに係る特性値をコンピテンシーとして数値化した結果である。図7(B)は、コンピテンシーに係る特性値を表形式で表示したものである。
図8】実施形態における情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図9】実施形態における情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態における情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムについて詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1を用いて、情報処理装置の機能を説明する。図1は、実施形態における情報処理装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0022】
図1において、情報処理装置1は、ネットワーク9を介して、利用者端末2と通信可能に接続されている。利用者端末2は、情報処理装置1に対して、人の行動に係る質問に対する回答を送信する端末であり、例えば、情報処理装置1によって提供されるWebページを表示して操作をすることができるWebブラウザを有する端末である。利用者端末2は、例えば、スーマートフォン、タブレット端末、ノートPCまたはデスクトップPC等である。また、利用者端末2は、紙に記録された回答を画像送信することができるスキャナまたはWebカメラ等であってもよい。図1は情報処理装置1の接続先を例示して示すものであり、情報処理装置1の接続先を限定するものではない。例えば、情報処理装置1は、利用者端末2が複数台接続されるものであってもよい。ネットワーク9は、有線または無線を介するネットワークであり、例えばインターネットである。以下の実施例においてネットワーク9はインターネットを例示して説明する。
【0023】
情報処理装置1は、通信制御部11、回答取得部12、評価値算出部13、偏強度算出部14、特性値算出部15、結果提供部16および記憶部17の各機能部を有する。本実施形態における情報処理装置1の上記各機能部は、本実施形態における情報処理プログラム(ソフトウェア)によって実現される機能モジュールであるものとして説明する。
【0024】
通信制御部11は、ネットワーク9を介して接続された一または複数の利用者端末2との通信を制御する。通信制御部11は、例えば、Webページを提供するためのWebサーバである。
【0025】
回答取得部12は、人の行動に係る質問に対する回答を利用者端末2から取得する。ここで、人の行動とは、例えば、会社、団体またはチーム等、複数の人が集まる組織における、その組織を構成する人の行動であり、例えば、当該組織の業績に対して影響を及ぼす行動である。コンピテンシーと呼ばれる分析指標においては、人の行動は行動特性として分析される。行動特性は表面(他人)から見えにくい特性から、表面から見えやすい特性を含んでいる場合がある。本実施形態においては、人の行動特性を、「心理情緒特性」、「意識習慣特性」、「意欲活力特性」および「対人社会特性」の4つの特性として分類する。「心理情緒特性」→「意識習慣特性」→「意欲活力特性」→「対人社会特性」の順に、表面から見えにくい特性から見えやすい特性となる。本実施形態の人の行動に係る質問、行動特性をこれら4つの分類の特性として把握するためのものであり、潜在的な行動特性から顕在的な行動特性まで幅広く把握することを可能としている。回答取得部12、それぞれの行動特性を把握するための質問に対する回答を取得する。4つの分類における行動特性の詳細は後述する。
【0026】
評価値算出部13は、回答取得部12において取得された回答に基づき、人の行動特性を構成する複数の基本要素を評価する評価値を算出する。本実施形態における人の行動特性を構成する複数の基本要素とは、行動特性を「心理情緒特性」、「意識習慣特性」、「意欲活力特性」および「対人社会特性」を4つの分類に分けた場合に、それぞれの分類における行動特性を構成する複数の基本要素である。基本要素は行動特性を評価した評価値として算出される。本実施形態では、1つの行動特性を複数の基本要素で評価する。評価値は基本要素の行動特性を評価するものであるため、コンピテンシー向上のための情報である。複数の基本要素で行動特性を評価することにより、行動特性を多面的に表現することが可能となるため、コンピテンシーを向上させるための情報を容易に得ることが可能となる。
【0027】
また、評価値算出部13は、1つの行動特性において複数の対極的な基本要素の評価値を算出するようにしてもよい。対極的な基本要素とは、例えば、「静」に対する「動」のように反対の意味を有する要素である。1つの行動特性を複数の対極的な基本要素で評価することにより、行動特性がいずれの基本要素に偏っているかの評価をすることが可能となる。例えば、1つの行動特性が静と動の対極した基本要素で評価される場合、その行動特性が静と動のいずれに偏っているかを容易に把握することが可能となる。例えば、静の基本要素の評価値と動の基本要素の評価値の差分を算出することにより、評価値が静と動のいずれに偏っているかを算出することができる。
【0028】
評価値算出部13は、回答取得部12において取得された回答に基づき、例えば、基本要素の評価値を1.00~10.00の間の数値として算出する。基本要素の評価値が低く算出された場合、その基本要素における行動特性の傾向が少ないと評価することができる。一方、基本要素の評価値が高く算出された場合、その基本要素における行動特性の傾向が高いと評価される。例えば、基本要素の評価値が2.00と算出された場合、その基本要素における行動特性の傾向が少ないと評価することができ、基本要素の評価値が8.00と算出された場合、その基本要素における行動特性の傾向が大きいと評価することができる。
【0029】
偏強度算出部14は、評価値算出部13において算出された複数の評価値の偏りの強度を算出する。複数の評価値の偏りの強度とは、1つの行動特性における複数の基本要素の評価値の偏りの強さを示す数値であり、例えば、複数の基本要素の評価値同士の差分によって算出される。評価値の差分は、例えば、評価値の数値同士の単純な減算であってもよく、またそれぞれの評価値の二乗値の減算値の平方根であってもよい。以下の実施例では、評価値の偏りの強度を、評価値の数値同士の減算において算出する場合を例示する。
【0030】
偏強度算出部14は、対極的な基本要素の評価値の偏りの強度を算出するようにしてもよい。例えば、評価値の偏りの強度が評価値の数値同士の減算で算出される場合、評価値算出部13において基本要素の評価値が1.00~10.00の間の数値として算出されると、評価値の偏りの強度は、-9.00~9.00(絶対値は0.00~9.00)として算出される。例えば、静の基本要素の評価値が2.00と算出され、動の基本要素の評価値が8.00と算出された場合、評価値の偏りの強度は、評価値の差分(動の基本要素側に8.00-2.00=6.00)として算出される。評価値の偏りの強度は行動特性に対する偏りを表すものであるため、コンピテンシーを向上させるための情報である。評価値の偏りの強度は動の基本要素側に6.00の偏りを有すると評価することができ、コンピテンシーを向上させるための情報を得ることが可能となる。
【0031】
特性値算出部15は、偏強度算出部14において算出された複数の基本要素における評価値の偏りの強度を集計することにより、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出する。
【0032】
モチベーションとは、人が行動を起こすときの契機または動機付け等であり、例えば、人が属する組織の中における業務または役割に対する行動を起こすための契機等である。モチベーションは人の意識に関する概念であり、経時的に変動する。特性値算出部15は、モチベーションの高さを特性値として数値化することにより、人のモチベーションを客観的に把握することを可能となり、コンピテンシーを向上させるための情報を得ることが可能となる。
【0033】
特性値算出部15は、偏強度算出部14において算出された複数の基本要素における評価値の偏りの強度を集計することにより、モチベーションに係る特性値を算出する。評価値の偏りの強度を集計とは、例えば、複数の評価値の偏りの強度の、単純加算、所定の重み付けをした加算、または二乗平均等の演算である。
【0034】
特性値算出部15は、モチベーションに係る特性値を複数の特性値として算出するようにしてもよい。モチベーションは、人の意識に係るものであるため、様々な種類のモチベーションが存在する。例えば、勝利や勝負に対するモチベーション、人間関係に対するモチベーション、またはチームワークに対するモチベーション等である。特性値算出部15は、偏強度算出部14において算出された複数種類の評価値の偏りの強度の組み合わせを変えることにより複数のモチベーションに係る特性値を算出するようにしてもよい。
【0035】
特性値算出部15は、モチベーションに係る特性値を、人の内部から発生する内発的な動機付けと、人の外部で発生して受動する外発的な動機付けとに分類して算出するようにしてもよい。人の内部から発生する内発的な動機付けとは、自分視点における自発的な動機付けである。一方、人の外部で発生して受動する外発的な動機付けとは、外部(他人)視点における受動的な動機付けである。特性値算出部15は、モチベーションに係る特性値を、内発的な動機付けと外発的な動機付けとに分類して算出することにより、モチベーションに係る特性を向上させるための対策を、内発的な動機付けに対する対策と外発的な動機付けに対策に分けて検討することが可能となる。
【0036】
また、ストレスとは、本実施形態においては心理的ストレスのことをいう。心理的ストレスは、例えば、悩み、緊張、疲労等の心理的な状態であり、本人によって知覚される。
【0037】
特性値算出部15は、ストレスに係る特性値としてストレスに対する耐性値を算出する。ストレスに対する耐性値が低い場合ストレスを感じやすいと判定され、ストレスに対する耐性値が高い場合ストレスを感じにくいと判定される。特性値算出部15は、ストレスに係る特性値を複数の特性値として算出するようにしてもよい。ストレスは、人の知覚に係るものであるため、様々な種類のストレスに対する耐性値が存在する。例えば、人に指示をするときのストレス、前例がない事への挑戦に対するストレス、または、人から指示を受けるときのストレス等に対する耐性値である。ストレスに係る特性値は、偏強度算出部14において算出された評価値の偏りの強度を、例えば、加算することにより算出される。偏りの強度の加算とは、例えば、複数の偏りの強度の単純な加算、または複数の偏りの強度の二乗平均等である。また、特性値算出部15は、偏強度算出部14において算出された複数種類の評価値の偏りの強度の組み合わせを変えることにより複数のストレスに係る特性値を算出するようにしてもよい。
【0038】
特性値算出部15は、ストレスに係る特性値(ストレスに対する耐性値)を、周囲から感じるストレスに対する耐性値と、自己に対して感じるストレスに対する耐性値とに分類して算出するようにしてもよい。周囲から感じるストレスとは、外発的な受動的ストレスである。自己に対して感じるストレスとは、内発的な自分自身に対するストレスである。特性値算出部15は、ストレスに係る特性値を、周囲から感じるストレスに対する耐性値と、自己に対して感じるストレスに対する耐性値とに分類して算出することにより、ストレスに対する耐性値を向上させるための対策を、周囲に対する対策と自己に対する対策に分けて検討することが可能となる。ストレスに対する耐性値を算出することにより、コンピテンシーを向上させるための情報を得ることが可能となる。
【0039】
結果提供部16は、偏強度算出部14において算出された評価値の偏りの強度と、特性値算出部15において算出された特性値とを含む算出結果を提供する。算出結果の提供は、例えば、利用者端末2のWebブラウザ21において表示可能なWebページを利用者端末2に対して提供することにより実施される。また、算出結果の提供は、算出結果を印字するための印字データを提供することにより実施されてもよい。算出結果の提供は、ネットワーク9を介して提供されてもよく、また、図示しないメディアインターフェイスを介して算出結果を記録媒体に出力することにより提供されてもよい。算出結果を提供することにより、コンピテンシーを向上させるための情報を提供することが可能となる。
【0040】
結果提供部16は、複数の人の算出結果を集計した集計結果をさらに提供してもよい。例えば、A、BおよびCの3名分の回答によって3名分の算出結果を有している場合、結果提供部16は、A、BおよびCの3名分の算出結果を合計した集計結果を提供する。これにより、複数の人の集合における算出結果を提供することが可能となる。
【0041】
また、結果提供部16は、算出結果が集計された複数の人によって構成されるチームとしての行動特性を集計結果として提供してもよい。例えば、A、BおよびCの3名分の回答によって3名分の算出結果を有している場合、結果提供部16は、AとBによるチーム、BとCによるチーム、AとCによるチーム、またはA、BおよびCによるチームのそれぞれによる行動特性の集計結果を提供する。これにより、どの人の組合せの算出結果の集計が高い数値を示すかを確認することができる。例えば、所定の業務を遂行する上で要求されるチームとしての行動特性が明確である場合、結果提供部16は、当該業務に最適な人の組合せを提供するようにしてもよい。また、結果提供部16は、チームとして改善すべき行動特性を提供するようにしてもよい。
【0042】
記憶部17は、回答取得部12において取得された回答、評価値算出部13において算出された評価値、偏強度算出部14において算出された複数の評価値の偏りの強度、特性値算出部15において算出された特性値、または結果提供部16において提供された算出結果等のデータを記憶する。例えば、記憶部17は、過去に取得等された同一人物に係るこれらのデータを記憶しておくことにより、この人物の経時的なデータを記録していくことが可能となる。例えば、行動特性を向上させることを目的とした研修の前後での経時的なデータを比較することにより、研修の成果を確認することが可能となる。
【0043】
なお、情報処理装置1が有する、通信制御部11、回答取得部12、評価値算出部13、偏強度算出部14、特性値算出部15、結果提供部16および記憶部17の各機能部は、情報処理装置1の機能部の一例を示したものであり、情報処理装置1が有する機能を限定したものではない。例えば、情報処理装置1は、上記全ての機能部を有している必要はなく、一部の機能部を有するものであってもよい。また、情報処理装置1は、上記以外の他の機能を有していてもよい。例えば、情報処理装置1は、情報を入力するために入力機能や、装置の稼働状態をLEDランプ等により報知する出力機能を有していてもよい。
【0044】
また、情報処理装置1が有する上記各機能部は、上述の通り、ソフトウェアによって実現されるものとして説明した。しかし、情報処理装置1が有する上記機能部の中で少なくとも1つ以上の機能部は、ハードウェアによって実現されるものであってもよい。
【0045】
また、情報処理装置1が有する上記何れかの機能部は、1つの機能部を複数の機能部に分割して実施してもよい。また、情報処理装置1が有する上記何れか2つ以上の機能部を1つの機能部に集約して実施してもよい。すなわち、図1は、情報処理装置1が有する機能を機能ブロックで表現したものであり、例えば、各機能部がそれぞれ別個のプログラムファイル等で構成されていることを示すものではない。
【0046】
また、情報処理装置1は、1つの筐体によって実現される装置であっても、ネットワーク等を介して接続された複数の装置から実現されるシステムであってもよい。例えば、情報処理装置1は、その機能の一部または全部をクラウドコンピューティングシステムによって提供されるクラウドサービス等、他の仮想的な装置によって実現するものであってもよい。すなわち、情報処理装置1は、上記各機能部のうち、少なくとも1以上の機能部を他の装置において実現するようにしてもよい。また、情報処理装置1は、デスクトップPC等の汎用的なコンピュータであってもよく、機能が限定された専用の装置であってもよい。
【0047】
次に、図2から図7を用いて、情報処理装置1の結果提供部16から提供される算出結果の例を説明する。図2は、算出結果の第1の例として、評価値算出部13において算出された評価値の一覧を示す評価表の一例を示す図である。
【0048】
図2において、評価表1000は、行動特性を構成する基本要素を、上述した「心理情緒特性」、「意識習慣特性」、「意欲活力特性」および「対人社会特性」の4つの特性として分類している。基本要素の評価値は、それぞれ1.00~10.00の間の数値として算出される。基本要素は、静の基本要素である静要素1001と、動の基本要素である動要素1002に分類されて算出される。基本要素のこれらの特性や分類は予め定められており、基本要素の評価値は回答から予め定められた算出式においてこれらの特性や分類において算出される。静要素1001と動要素1002は対極する2つの基本要素として算出される。例えば、心理情緒特性は、「繊細」、「自責」、「不感」、「冷静」、「群居性」および「謙虚」の静要素1001で構成される。また、心理情緒特性は、「大らか」、「楽観」、「気分変化」、「情熱」、「自己尊重」および「自信」の動要素1002で構成される。ここで、「繊細」と「大らか」は対極する基本要素である。同様に、「自責」は「楽観」と、「不感」は「気分変化」と、「冷静」は「情熱」と、「群居性」は「自己尊重」と、および「謙虚」は「自信」と対極する基本要素である。
【0049】
静要素1001および動要素1002の基本要素のそれぞれに対して評価値が算出され対比して表示される。例えば、「繊細」の基本要素の評価値は4.00であり、それに対局する「大らか」の基本要素の評価値は6.00である。「繊細」の評価値と対局する「大らか」の評価値は対比して表示される。例えば、「繊細」は、細やかで繊細なタイプである事を示す評価値である。また、「大らか」は、おおざっぱなタイプであることを示す評価値である。評価表1000は、28種類の基本要素を14軸の対局する基本要素として対比して表示される。対局する要素を対比して表示することにより、基本要素の各軸において、対局した基本要素の評価値の比較を容易に確認することが可能となり、コンピテンシーを向上させるための情報を容易に得ることが可能となる。
【0050】
図3は、算出結果の第2の例として、図2で示した評価値をグラフ化した一例を示す図である。グラフ1100は、上半分が静要素であり、下半分が動要素である。対局する基本要素は対向して配置されている。例えば、「繊細」と「大らか」は対極する基本要素であり、対向して(180度ずれて)配置される。同様に、「自責」は「楽観」と、「不感」は「気分変化」と、「冷静」は「情熱」と、「群居性」は「自己尊重」と、および「謙虚」は「自信」とそれぞれ対向して配置される。グラフで囲まれる上下の面積大きさで、静要素と動要素の偏りを容易に確認することが可能となり、コンピテンシーを向上させるための情報を容易に得ることが可能となる。
【0051】
図4は、算出結果の第3の例として、図2で示した基本要素を評価値の偏りの強度の大きさの順にソートした表の一例を示す図である。評価値の偏りの強度の大きさは、偏強度算出部14において算出される。図4において評価値の偏りの強度の大きさは、(静要素-動要素)の基本要素の差分として算出されている。評価表1200は、評価値の偏りの強度の大きさの大きい順に基本要素がソートされている。差分1201は、評価値の偏りの強度の大きさをグラフ化している。差分1201は、静要素における評価値の偏りの強度の大きさが大きいと右方向にグラフが大きくなり、一方、静要素における評価値の偏りの強度の大きさが小さい(動要素における評価値の偏りの強度の大きさが大きい)と左方向にグラフが大きくなる。
【0052】
また、評価表1200は、それぞれの基本要素が示す強みと弱みを示している。偏りの強度が大きな基本要素は強みおよび弱みの影響が大きく出る基本要素である。一方、偏りの強度が小さい基本要素はバランスの取れた行動ができている基本要素である。評価表1200は、評価値の偏りの強度の大きさの順に基本要素をソートすることにより、強みおよび弱みの大きい基本要素を容易に確認することを可能にし、コンピテンシーを向上させるための情報を容易に得ることを可能にしている。
【0053】
図5は、算出結果の第4の例として、モチベーションに係る特性値の算出結果を示した表の一例を示す図である。図5(A)は、モチベーションの種類毎の特性値(モチベーション値)を示し、図5(B)はモチベーションに係る特性値(モチベーション値)に応じたソート結果を示す。
【0054】
図5(A)において、特性値算出結果1300は、「勝利・勝負」、「人間関係」、「チームワーク」、「支配/服従」、「完璧さ」および「楽しさ」のそれぞれの種類のモチベーションにおいて、「内発的」および「外発的」の6つのモチベーションについて、内発的な動機付けと外発的動機付けに分類して算出されたモチベーション値を表示している。モチベーション値の数値の大きさはモチベーションの高さとして確認することができる。それぞれのモチベーションを高めるためには、長期的に有効な「快楽追求」型と、短期的に有効な「不快回避」型の2種類の動機付けが存在する。快楽追求型とは、「こうなりたいから頑張る」という人の特性に基づく動機付けである。一方、不快回避型は、「こうなりたくないから頑張る」という人の特性に基づく動機付けである。特性値算出結果1300に基づき、特性値が高いモチベーションについてはさらに向上させるための動機付けが確認可能になるとともに、特性値が低いモチベーションについては改善をするための動機付けを確認することが可能となり、コンピテンシーを向上させるための情報を容易に得ることが可能となる。
【0055】
図5(B)において、特性値算出結果1400は、特性値算出結果1300をモチベーション値の高い順にソートした結果である。モチベーション値は、上述した基本要素の少なくとも2以上の数値の組合から算出された結果である。例えば、「人間関係」のモチベーションは、「自己尊重」、「自信」、「多考」、「野心」および「攻撃」の基本要素から算出されている。したがって、モチベーション値を高めるための対策を行動特性の基本要素まで遡って検討することが可能となる。
【0056】
ここで、モチベーション値の最大値と最小値の差の大きさに応じてモチベーションに対するその人の特徴を分析できる場合がある。例えば、最大値と最小値の差(ギャップ)が大きい場合、モチベーションが上がりやすくまた下がりやすい、「気分屋」と分析される。一方、最大値と最小値の差が小さい場合、モチベーションの上げ下げがしにくい、「反応が薄い人」と分析される場合がある。特性値算出結果1400は、モチベーション値をソートして表示するため、コンピテンシーを向上させるための情報を容易に得ることが可能になる。
【0057】
図6は、算出結果の第5の例として、ストレスに係る特性値の算出結果を示した表の一例を示す図である。図6(A)は、ストレスの種類毎の特性値(耐性値)を示し、図6(B)はストレスに係る特性値(耐性値)に応じたソート結果を示す。
【0058】
図6(A)において、特性値算出結果1500は、ストレスに対する耐性値を、周囲から感じるストレス(対周囲ストレス)に対する耐性値と、自己に対して感じるストレス(対自己ストレス)に対する特性値とに分類して算出した結果を示している。特性値算出結果1500は、対周囲ストレス6種類、および対自己ストレス6種類の計12種類のストレスに対する耐性値を算出した結果を示している。耐性値の数値の大きさはストレスに対する耐性の高さとして確認することができる。すなわち、耐性値が大きいストレスは感じにくく、耐性値が低いストレスは感じやすいと確認することができる。特性値算出結果1500は、ストレスに対する耐性値を示すため、コンピテンシーを向上させるための情報を容易に得ることが可能になる。
【0059】
図6(B)において、特性値算出結果1600は、特性値算出結果1500を耐性値の高い順にソートした結果である。これにより、対周囲ストレスと対自己ストレスのいずれのストレスに対して感じやすいかの傾向を把握することが可能となる。耐性値は、上述した基本要素の少なくとも2以上の数値の組合から算出された結果である。例えば、「自分自身で判断をする」の耐性値は、「自己尊重」、「自信」、「多考」、「野心」および「攻撃」の基本要素から算出されている。したがって、耐性値を高めるための対策を行動特性の基本要素まで遡って検討することが可能となる。
【0060】
また、耐性値の最大値と最小値の差の大きさに応じてストレスに対するその人の特徴を分析できる場合がある。例えば、最大値と最小値の差(ギャップ)が大きい場合、特に耐性値の低いストレスに対するケアがストレスコントロールの要になる場合がある。特性値算出結果1600は、耐性値をソートして表示するため、コンピテンシーを向上させるための情報を容易に得ることが可能になる。
【0061】
図7は、算出結果の第6の例として、コンピテンシーに係る特性値の算出結果を示した表の一例を示す図である。図7(A)は、16種類のコンピテンシーに係る特性値をコンピテンシーとして数値化した結果を示す。図7(B)は、16種類のコンピテンシーに係る特性値を表形式で表示したものである。
【0062】
図7(A)において、特性値算出結果1700は、16種類のコンピテンシーを、経済産業省において社会人の基礎力として提言されている、「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」の3分野に加えて、「誠実さ」の4種類で分類して表示している。「誠実さ」は、業務をやり抜くための力を纏め真摯に仕事に向き合う力である。
【0063】
図7(B)において、特性値算出結果1800は、特性値算出結果1700において、各分野(「前に踏み出す力」、「考え抜く力」、「チームで働く力」、「誠実さ」)におけるコンピテンシーの平均値を算出して示している。これにより、平均値を上げているコンピテンシー、および下げているコンピテンシーを確認することができ、業務に必要な力の確認と力を伸ばすポイントを確認することができる。
【0064】
特性値算出結果1700は、上述した基本要素の少なくとも2以上の数値の組合から算出された結果である。例えば、「主体性」のコンピテンシーは、「自信」、「野心」、「率先」、「自己尊重」および「攻撃」の基本要素から算出されている。したがって、本実施形態においては、単にコンピテンシーを向上させるための特性値算出結果1700の特性値を確認できるのみではなく、行動特性を構成する基本要素にまで戻って行動特性を改善することが可能となる。これにより、コンピテンシーを向上させるためのより多くの情報を得ることが可能となる。
【0065】
次に、図8を用いて、情報処理装置1のハードウェア構成を説明する。図8は、実施形態における情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0066】
情報処理装置1は、CPU(Central Processing Unit)101、RAM(Random Access Memory)102、ROM(Read Only Memory)103、I/O機器104、および通信I/F(Interface)105を有する。情報処理装置1は、図1で説明した情報処理プログラムを実行する装置である。
【0067】
CPU101は、RAM102またはROM103に記憶された情報処理プログラムを実行することにより、利用者端末の制御を行う。情報処理プログラムは、例えば、プログラムを記録した記録媒体、又はネットワークを介したプログラム配信サーバ等から取得されて、ROM103にインストールされ、CPU101から読出されて実行される。
【0068】
I/O機器104は、操作入力機能と表示機能(操作表示機能)を有する。I/O機器104は、例えばタッチパネルである。タッチパネルは、情報処理装置1の利用者に対して指先又はタッチペン等を用いた操作入力を可能にする。本実施形態におけるI/O機器104は、操作表示機能を有するタッチパネルを用いる場合を説明するが、I/O機器104は、表示機能を有する表示装置と操作入力機能を有する操作入力装置とを別個有するものであってもよい。その場合、タッチパネルの表示画面は表示装置の表示画面、タッチパネルの操作は操作入力装置の操作として実施することができる。なお、I/O機器104は、ヘッドマウント型、メガネ型、腕時計型のディスプレイ等の種々の形態によって実現されてもよい。
【0069】
通信I/F105は、通信用のI/Fである。通信I/F105は、例えば、無線LAN、有線LAN、赤外線等の近距離無線通信を実行する。図は通信用のI/Fとして通信I/F105のみを図示するが、情報処理装置1は複数の通信方式においてそれぞれの通信用のI/Fを有するものであってもよい。
【0070】
次に、図9を用いて、情報処理装置1の動作を説明する。図9は、実施形態における情報処理装置1の動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下に示すフローチャートにおける動作の実行主体は情報処理装置1であるものとして説明するが、それぞれの動作は、上述した情報処理装置1の各機能部において実行することができる。
【0071】
図9において、情報処理装置1は、人の行動に係る質問を利用者端末2に提供する(ステップS11)。ステップS11の処理は、例えば、利用者端末2のWebブラウザ21から通信制御部11に対してアクセスがあったときに実行されてもよい。
【0072】
ステップS11の処理を実行した後、情報処理装置1は、質問に対する回答が取得できたか否かを判断する(ステップS12)。回答が取得できていないと判断した場合(ステップS12:NO)、情報処理装置1は、ステップS12の処理を繰り返し、回答が取得されるのを待機する。
【0073】
一方、回答が取得できたと判断した場合(ステップS12:YES)、情報処理装置1は、取得した回答を記憶部17に記憶するとともに、回答に基づき評価値を算出する(ステップS13)。
【0074】
ステップS13の処理を実行した後、情報処理装置1は、評価値の偏り強度を算出する(ステップS14)。
【0075】
ステップS14の処理を実行した後、情報処理装置1は、評価値の偏りの強度に基づき、モチベーションまたはストレスに係る特性値を算出する(ステップS15)。
【0076】
ステップS15の処理を実行した後、情報処理装置1は、評価値の偏りの強度と特性値とを含む算出結果を提供する(ステップS16)。ステップS16の処理を実行した後、情報処理装置1は、フローチャートに示す動作を終了する。
【0077】
なお、図示したフローチャートは、情報処理装置1の動作の一例を示したものであり、情報処理装置1における動作を限定するものではない。
【0078】
なお、本実施形態で説明した装置を構成する機能を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、当該記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、本実施形態の上述した種々の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0079】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0080】
以上、本発明の実施形態について、図面を参照して説明してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲においての種々の変更も含まれる。
【符号の説明】
【0081】
1 情報処理装置
11 通信制御部
12 回答取得部
13 評価値算出部
14 偏強度算出部
15 特性値算出部
16 結果提供部
17 記憶部
2 利用者端末
21 Webブラウザ
9 ネットワーク
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 I/O機器
105 通信I/F
1000 評価表
1001 静要素
1002 動要素
1100 グラフ
1200 評価表
1201 差分
1300 特性値算出結果
1400 特性値算出結果
1500 特性値算出結果
1600 特性値算出結果
1700 特性値算出結果
1800 特性値算出結果
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9