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  • 特許-即湯システム 図1
  • 特許-即湯システム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】即湯システム
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/156 20220101AFI20230714BHJP
   F24D 17/00 20220101ALI20230714BHJP
   F24H 15/172 20220101ALI20230714BHJP
   F24H 15/174 20220101ALI20230714BHJP
   F24H 15/238 20220101ALI20230714BHJP
   F24H 15/269 20220101ALI20230714BHJP
   F24H 15/335 20220101ALI20230714BHJP
   F24H 1/12 20220101ALI20230714BHJP
【FI】
F24H15/156
F24D17/00 P
F24H15/172
F24H15/174
F24H15/238
F24H15/269
F24H15/335
F24H1/12 B
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019091599
(22)【出願日】2019-05-14
(65)【公開番号】P2020186857
(43)【公開日】2020-11-19
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121142
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 恭一
(72)【発明者】
【氏名】森元 慎吾
【審査官】岩瀬 昌治
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-286397(JP,A)
【文献】特開平11-248248(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 15/00
F24D 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナ及び熱交換器と、
前記熱交換器に接続される給水管と、
前記熱交換器に接続される出湯管と、
前記バーナを制御する制御手段と、を備え、
前記出湯管と前記給水管との間を外部配管で接続することで、前記出湯管から出湯される湯水が前記外部配管を介して前記給水管に戻って前記熱交換器に至る循環経路が形成可能であると共に、前記循環経路に設けられた循環ポンプを前記制御手段が制御可能で、前記循環経路からの湯の使用を検知する出湯検知手段を備えた即湯機能付給湯器を含む即湯システムであって、
前記外部配管は、前記出湯管と、前記給水管に接続される外部の水道管との間に接続されて、前記循環ポンプは、前記外部配管又は前記水道管に設けられ、
前記制御手段は、前記循環ポンプの運転を伴わない前記出湯検知手段による湯の使用実績を、1日を所定の数の時間帯に分割し、分割した各前記時間帯での湯の使用の有無を所定の日数分だけ集計することで、各前記時間帯ごとの使用履歴として記憶すると共に、記憶した前記使用実績に応じて前記循環ポンプを運転させる保温スケジュールを作成可能で
前記制御手段は、作成した前記保温スケジュールに基づいて前記循環ポンプを運転することを特徴とする即湯システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部配管と器具内の配管との間で湯水を循環させて熱交換器で加熱することで保温し、外部配管の給湯栓から即時給湯可能とした即湯機能付給湯器用いた即湯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
給湯器には、熱交換器に接続される給水管に、循環ポンプを備えた戻り管を接続して即湯機能を備えたものが知られている(例えば特許文献1参照)。この即湯機能付給湯器では、出湯管と戻り管との間を外部配管で接続することで、出湯管と外部配管と戻り管と給水管とで循環経路を形成した即湯システムが構築できる。この循環経路に循環ポンプで湯水を循環させながら熱交換器で加熱することで保温運転が可能となり、外部配管に設けた給湯栓を開栓すると、即時給湯が行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-286397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この即湯機能付給湯器を用いた即湯システムでは、循環ポンプの運転を所定時間をおいて定期的に行ったりしており、実際に湯が使用されるタイミングが考慮されていないため、使用されていないにもかかわらず保温運転が行われてエネルギーが無駄になったり、使用されているのに保温運転が直ちに行われず使い勝手を損ねたりしていた。
【0005】
そこで、本発明は、保温に係るエネルギーを無駄にしたり使い勝手を損なったりすることがない即湯機能付給湯器及び即湯システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、バーナ及び熱交換器と、熱交換器に接続される給水管と、熱交換器に接続される出湯管と、バーナを制御する制御手段と、を備え、出湯管と給水管との間を外部配管で接続することで、出湯管から出湯される湯水が外部配管を介して給水管に戻って熱交換器に至る循環経路が形成可能であると共に、循環経路に設けられた循環ポンプを制御手段が制御可能で、循環経路からの湯の使用を検知する出湯検知手段を備えた即湯機能付給湯器を含む即湯システムであって、
外部配管は、出湯管と、給水管に接続される外部の水道管との間に接続されて、循環ポンプは、外部配管又は水道管に設けられ、
制御手段は、循環ポンプの運転を伴わない出湯検知手段による湯の使用実績を、1日を所定の数の時間帯に分割し、分割した各時間帯での湯の使用の有無を所定の日数分だけ集計することで、各時間帯ごとの使用履歴として記憶すると共に、記憶した使用実績に応じて循環ポンプを運転させる保温スケジュールを作成可能で
制御手段は、作成した保温スケジュールに基づいて循環ポンプを運転することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項に記載の発明によれば、使用実績に即した的確なタイミングで保温運転が実行可能となる。よって、保温に係るエネルギーを無駄にしたり使い勝手を損なったりすることがなくなる。
特に、使用実績は、1日を所定の数の時間帯に分割し、分割した各時間帯での湯の使用の有無を所定の日数分だけ集計したものであるので、適切な使用実績が把握でき、保温スケジュールの信頼性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】即湯システムの概略図である。
図2】保温スケジュール作成及び保温制御のフローチャートである。
図3】使用実績の説明図である。
図4】即湯システムの変更例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、即湯機能付給湯器(以下単に「給湯器」という。)1及び即湯システムSの一例を示す概略図である。この即湯システムSは、給湯器1と、給湯器1に接続される循環用の外部配管30とを備えてなる。
まず給湯器1において、筐体2内には、下方から、3つのバーナユニット4,4・・、熱交換器5、排気フード6を備えた燃焼室3が設置されている。筐体2の底面には、外部のガス配管が接続されるガス接続口7と、外部の給水配管が接続される給水接続口8と、外部の給湯配管が接続される給湯接続口9及び戻り接続口10とが設けられている。
バーナユニット4,4・・は、互いに本数が異なる複数のバーナからなり、ガス接続口7には、元電磁弁12及び比例制御弁13を備えたガス管11が接続されて、ガス管11から分岐された分岐管14,14・・にそれぞれバーナユニット4が、開閉弁15を介して接続されている。燃焼室3の下部には、バーナユニット4へ燃焼用空気を供給するためのファン16が設けられている。
【0010】
熱交換器5は、厚み方向に所定間隔をおいて並設された複数のフィンを蛇行状に貫通する伝熱管を備えたフィンチューブ式で、伝熱管の入側端部には、給水接続口8と接続される給水管18が接続され、伝熱管の出側端部には、給湯接続口9と接続される出湯管19が接続されている。給水管18と出湯管19との間には、熱交換器5をバイパスするバイパス管20が接続されている。
また、給水管18におけるバイパス管20の接続部より上流側には、水側開閉弁21と、入水温を検出するサーミスタ等の入水温センサ22と、水量を検出する水量センサ23とが設けられている。さらに、出湯管19におけるバイパス管20の接続部より上流側には、熱交換器5からの出口温度を検出するサーミスタ等の出口温センサ24が設けられ、当該接続部より下流側には、出湯温度を検出するサーミスタ等の出湯温センサ25が設けられている。
【0011】
そして、戻り接続口10と、水量センサ23より上流側の給水管18との間には、循環ポンプ27と、その吐出側に位置する逆止弁28とを備えた戻り管26が接続されている。
外部配管30は、給湯接続口9と戻り接続口10との間に接続されて、複数の給湯栓31,31・・を備えている。給湯栓31の1つは、浴槽32への給湯用となっている。
これにより、出湯管19から出湯される湯水が、外部配管30を通って戻り管26に戻り、給水管18を介して熱交換器5に至り、再び出湯管19から出湯される循環経路が形成される。
【0012】
以上の如く構成された即湯システムSにおいては、コントローラ35又はリモコン36に設けた運転スイッチを押し操作すると、コントローラ35は、循環ポンプ27を運転させて循環経路内で湯水を循環させる。これと同時に元電磁弁12及び開閉弁15を開弁させてバーナユニット4へ燃料ガスを供給させると共に、ファン16を駆動させて点火制御を行い、バーナユニット4を燃焼させる。そして、コントローラ35は、コントローラ35又はリモコン36で設定された設定温度となるように比例制御弁13の開度及びファン16の回転数を制御して保温運転を行う。よって、給湯栓31の何れかを開栓すると、設定温度での即時給湯が可能となる。
【0013】
一方、コントローラ35は、システムの設置後、給湯栓31の開栓による湯の使用履歴を1日ごとに記録して1週間で集計し、集計した使用実績に基づいて保温スケジュールを作成し、作成した保温スケジュールに基づいて循環ポンプ27による保温運転を行うようになっている。以下、この保温スケジュール作成及び保温制御を図2のフローチャートに基づいて説明する。
ステップ(以下単に「S」と表記する)1で、水量センサ23により循環経路内の通水が検知されると、S2で、循環ポンプ27の運転中か否かを判別する。ここで循環ポンプ27の運転中であれば、保温運転による通水であるとしてS1に戻る。
S2の判別で循環ポンプ27の運転中でなければ、給湯栓31の開栓による湯の使用であるとして、S3でコントローラ35は、図示しない記憶部に記憶する。この記憶は、図3に示すように、1日を例えば3時間ごとに分割し、分割した各ビットに使用の有無を記録することで時間帯ごとの使用履歴として保存される。
【0014】
次に、S4で24時間が経過したか否かを判別する。ここで24時間の経過前であれば、S1へ戻って再び時間帯ごとの使用履歴を保存し、S4で24時間の経過が確認されれば、S5で、1日の使用履歴が1週間分蓄積されたか否かを判別する。ここで1週間分の蓄積がなければ、S6で新たな24時間のビットにシフトしてS1からの処理が繰り返される。
一方、S5で、使用履歴の蓄積が1週間分になったことが確認されると、S7で、各時間帯での使用履歴を集計して1週間分の使用実績を算出し、その使用実績から循環ポンプ27を運転させる保温スケジュールを作成する。これは、例えば1週間分の使用実績が所定数以上の場合の時間帯(例えば図2では使用実績が3以上となる午前3時~6時、午前6時~9時、午後6時~9時、午後9時~12時)を循環ポンプ27を運転させる時間帯に設定する等のスケジュールとなる。
【0015】
そして、S8では、作成された保温スケジュールに基づいて循環ポンプ27を運転させる。これは、該当する時間帯の最初に循環ポンプ27を所定時間連続運転させたり、該当する時間帯内で循環ポンプ27を所定時間ごとに断続的に運転させたりすることで行われる。
なお、保温スケジュールに基づく保温運転の実行中も、S1以降の処理が繰り返されて、時間帯ごとの使用履歴の保存及び1週間分の使用実績の算出が行われ、使用実績が変わるとそれに応じて保温スケジュール(運転を実行する時間帯)は変更される。
【0016】
このように、上記形態の給湯器1及び即湯システムSによれば、循環経路からの湯の使用を検知する水量センサ23(出湯検知手段)を備え、コントローラ35(制御手段)は、循環ポンプ27の運転を伴わない水量センサ23による通水を湯の使用実績として記憶すると共に、記憶した使用実績に応じて循環ポンプ27を運転させる保温スケジュールを作成するので、使用実績に即した的確なタイミングで保温運転が実行可能となる。よって、保温に係るエネルギーを無駄にしたり使い勝手を損なったりすることがなくなる。
特にここでは、使用実績は、1日を所定の数の時間帯に分割し、分割した各時間帯での湯の使用履歴を所定の日数分だけ集計したものであるので、適切な使用実績が把握でき、保温スケジュールの信頼性が高まる。
また,給湯器1は、筐体2内に戻り管26と循環ポンプ27とを備えているので、即湯システムSの構築が容易に行える。
【0017】
なお、上記形態では、即湯システムの設置後に使用実績を算出することで保温スケジュールを作成するようにしているが、事前に予想した保温スケジュールで保温運転を行い、使用実績に応じて保温スケジュールを更新するようにしてもよい。
また、時間帯の分割は上記形態に限らず、時間帯を長くしたりより細かく分割したりしても差し支えない。日数の集計も1週間分に限らず、短い日数としたり、逆に長い日数としたりしてもよいし、季節ごとに分割する時間帯や集計する日数を変えてもよい。
その他、給湯器の構成は上記形態に限らず、バーナユニットの数の増減は可能であるし、副熱交換器を備えた潜熱回収型等であっても本発明は適用可能である。
【0018】
そして、上記形態では、筐体内に戻り管及び循環ポンプを設けて外部配管と接続しているが、図4に示すように、戻り管をなくして、給水管18に接続される水道管33に外部配管30を接続して循環経路を形成し、外部配管30に循環ポンプ27と逆止弁28とを設けてもよい。この場合、循環ポンプ27は水道管33に設けてもよいし、水量センサ23の上流側で給水管18に設けてもよい。
【符号の説明】
【0019】
1・・即湯機能付給湯器、2・・筐体、3・・燃焼室、4・・バーナユニット、5・・熱交換器、6・・排気フード、7・・ガス接続口、8・・給水接続口、9・・給湯接続口、10・・戻り接続口、11・・ガス管、16・・ファン、18・・給水管、19・・出湯管、21・・水側開閉弁、22・・入水温センサ、23・・水量センサ、24・・出口温センサ、25・・出湯温センサ、26・・戻り管、27・・循環ポンプ、30・・外部配管、31・・給湯栓、32・・浴槽、35・・コントローラ、36・・リモコン、S・・即湯システム。
図1
図2
図3
図4