(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】建物診断支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20120101AFI20230714BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2019119746
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】519234671
【氏名又は名称】朝日綜合株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100155882
【氏名又は名称】齋藤 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100154678
【氏名又は名称】齋藤 博子
(72)【発明者】
【氏名】熊谷 邦夫
【審査官】松野 広一
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-225467(JP,A)
【文献】特開2019-082933(JP,A)
【文献】特開2011-008764(JP,A)
【文献】特開2006-243979(JP,A)
【文献】特開2001-338018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラ及びタッチパネルを有する作業用端末と、ネットワークを介して前記作業用端末と接続されるサーバと、を備え、建物の定期的な巡回及び診断を支援する建物診断支援システムであって、
前記作業用端末は、
作業予定の建物の一覧を表示し、前記タッチパネルを介して、作業対象の建物の選択を受け付ける作業一覧表示手段と、
前記作業一覧表示手段が作業対象の建物の選択を受け付けると、チェック項目の一覧を表示し、前記タッチパネルを介して、作業対象のチェック項目の選択を受け付けるチェック項目一覧表示手段と、
前記チェック項目一覧表示手段が作業対象のチェック項目の選択を受け付けると、当該チェック項目の作業実施状況が未完了であれば、作業開始、対象なし及び点検不能の実施判定選択肢を表示し、前記タッチパネルを介して、実施判定選択肢の選択を受け付ける実施判定選択受付手段と、
前記実施判定選択受付手段が実施判定選択肢として作業開始の選択を受け付けると、前回の作業実施に関する画像及び判定結果と、今回の作業実施に関する画像撮影ボタン及び作業項目選択肢を表示し、前記タッチパネルを介して、前記カメラによって撮影される画像の登録及び作業項目選択肢の選択を受け付ける実施結果受付手段と、
を備えることを特徴とする建物診断支援システム。
【請求項2】
前記作業一覧表示手段は、作業ステータスが作業完了の建物についてのみ、前記タッチパネルを介して、今回の作業実施に関する作業データを前記サーバにアップロードするための指示を受け付ける
ことを特徴とする請求項1に記載の建物診断支援システム。
【請求項3】
前記実施結果受付手段は、過去の画像及び判定結果を含むテンプレートの選択を受け付け可能にし、前記タッチパネルを介して、前記テンプレートの選択を受け付けると、選択された前記テンプレートに関する判定結果を、今回の作業実施に関する判定結果として処理する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の建物診断支援システム。
【請求項4】
前記チェック項目一覧表示手段は、前回の実施判定選択肢の選択において対象なしが選択されたチェック項目の作業実施状況については対象なしとし、それ以外のチェック項目の作業実施状況については未完了として初期表示を行う
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の建物診断支援システム。
【請求項5】
前記チェック項目一覧表示手段は、全てのチェック項目の作業実施状況が未完了以外であれば、当該建物の作業ステータスを作業中から作業完了に変更して表示する
ことを特徴とする請求項4に記載の建物診断支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の定期的な巡回及び診断を支援する建物診断支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、一部の不動産会社では、管理対象の建物を定期的に巡回し、劣化の診断を行うことによって、建物の価値の維持に努めている。例えば、特許文献1には、住宅の劣化の診断結果を顧客に提示するための診断表を作成する住宅診断システムが開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の住宅診断システムでは、検査を現地で行う検査員が使用するクライアントコンピュータが、検査対象の箇所を撮影した画像データや検査対象の箇所を打音検査して採取された打音データ等をサーバに送信し、住宅の劣化の診断を行う専門家が使用するクライアントコンピュータが、専門家の診断結果の入力を受け付け、入力された診断結果を示す診断結果データをサーバに送信し、診断表を承認する承認者が使用するクライアントコンピュータが、承認の入力を受け付け、診断表が承認されたことを示す情報をサーバに送信し、サーバが、顧客への提出用形式の診断表のファイルを生成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、巡回や診断は現場での確認が必須であり、移動時間を含めて多大な時間を要するため、人員が不足しがちである。そこで、経験が少ない者に対しても、建物の巡回や診断の業務を効率的に行うことを支援するシステムが望まれている。
【0006】
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすることは、経験が少ない者に対しても、建物の巡回や診断の業務を効率的に行うことを支援する建物診断支援システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するための本発明は、カメラ及びタッチパネルを有する作業用端末と、ネットワークを介して前記作業用端末と接続されるサーバと、を備え、建物の定期的な巡回及び診断を支援する建物診断支援システムであって、前記作業用端末は、作業予定の建物の一覧を表示し、前記タッチパネルを介して、作業対象の建物の選択を受け付ける作業一覧表示手段と、前記作業一覧表示手段が作業対象の建物の選択を受け付けると、チェック項目の一覧を表示し、前記タッチパネルを介して、作業対象のチェック項目の選択を受け付けるチェック項目一覧表示手段と、前記チェック項目一覧表示手段が作業対象のチェック項目の選択を受け付けると、当該チェック項目の作業実施状況が未完了であれば、作業開始、対象なし及び点検不能の実施判定選択肢を表示し、前記タッチパネルを介して、実施判定選択肢の選択を受け付ける実施判定選択受付手段と、前記実施判定選択受付手段が実施判定選択肢として作業開始の選択を受け付けると、前回の作業実施に関する画像及び判定結果と、今回の作業実施に関する画像撮影ボタン及び作業項目選択肢を表示し、前記タッチパネルを介して、前記カメラによって撮影される画像の登録及び作業項目選択肢の選択を受け付ける実施結果受付手段と、を備えることを特徴とする建物診断支援システムである。本発明によって、ユーザは、前回の作業実施に関する画像及び判定結果を参照して作業することができるとともに、タップ動作のみで判定結果を入力することができる。従って、経験が少ない者に対しても、建物の巡回や診断の業務を効率的に行うことを支援することができる。
【0008】
本発明における前記作業一覧表示手段は、作業ステータスが作業完了の建物についてのみ、前記タッチパネルを介して、今回の作業実施に関する作業データを前記サーバにアップロードするための指示を受け付けるようにしても良い。これによって、作業が完了する前に誤ってデータをアップロードすることを防止できる。
【0009】
また、本発明における前記実施結果受付手段は、過去の画像及び判定結果を含むテンプレートの選択を受け付け可能にし、前記タッチパネルを介して、前記テンプレートの選択を受け付けると、選択された前記テンプレートに関する判定結果を、今回の作業実施に関する判定結果として処理するようにしても良い。これによって、ユーザは、過去の画像及び判定結果を参考にして作業を行うことができるとともに、1回のタップ動作によって、複数の作業項目の判定結果を一括して入力することができる。
【0010】
また、本発明における前記チェック項目一覧表示手段は、前回の実施判定選択肢の選択において対象なしが選択されたチェック項目の作業実施状況については対象なしとし、それ以外のチェック項目の作業実施状況については未完了として初期表示を行うようにしても良い。これによって、ユーザは、作業を行う建物において、対象がないチェック項目については、毎回対象の有無を確認する必要がなく、タップ動作を行う必要もないため、作業効率が向上する。
【0011】
また、本発明における前記チェック項目一覧表示手段は、全てのチェック項目の作業実施状況が未完了以外であれば、当該建物の作業ステータスを作業中から作業完了に変更して表示するようにしても良い。これによって、ユーザは、当該建物について全ての作業が完了し、アップロードが可能であることを容易に把握することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、経験が少ない者に対しても、建物の巡回や診断の業務を効率的に行うことを支援する建物診断支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図7】巡回の作業項目選択肢のリストの一例を示す図
【
図9】劣化状況テンプレート選択画面の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明の実施形態における建物診断支援システムは、不動産会社等の作業員が、自社で管理している建物を定期的に巡回して状況を確認する巡回作業や、定期的に診断して劣化状況の判定を行い、必要に応じて原因と対策を検討する診断作業を支援するものである。また、本建物診断支援システムは、不動産会社等の管理者が、作業員によって行われた巡回作業や診断作業を承認する承認作業や、建物の所有者等に対する報告書を作成する報告書作成作業も支援する。
【0015】
図1は、建物診断支援システムの概要を示す図である。
図1に示すように、建物診断支援システム1は、作業員が使用し、撮影機能及びタッチパネルを有する作業用端末2と、管理者が使用する管理用端末3と、ネットワーク10を介して作業用端末2及び管理用端末3と接続されるサーバ4と、を備え、建物の定期的な巡回及び診断を支援する。尚、管理者は、作業用端末2を使用しても、管理用端末3を使用する場合と同等の作業が可能である。
【0016】
作業用端末2は、例えば、スマートフォンやタブレット端末であり、制御部としてのCPU(「Central Processing Unit」の略)、主記憶部としてのメモリ、補助記憶部としてのフラッシュメモリ、表示部及び入力部としてのタッチパネル、無線通信部としての無線モジュール、撮影部としてのカメラ等を有する。
【0017】
管理用端末3は、例えば、ノートPC(「Personal Computer」の略)やデスクPCであり、制御部としてのCPU、主記憶部としてのメモリ、補助記憶部としてのHDD(「Hard Disk Drive」の略)やフラッシュメモリ、表示部としての液晶ディスプレイ、入力部としてのキーボードやマウス、タッチパネルディスプレイ、有線通信部としてのLAN(Local Area Network)、無線通信部としての無線モジュール等を有する。
【0018】
サーバ4は、例えば、データセンター等に配置されるクラウドサーバ用コンピュータであり、制御部としてのCPU、主記憶部としてのメモリ、補助記憶部としてのストレージ、有線通信部としてのLAN等を有する。サーバ4は、1台の筐体で実現されても良いし、複数台の筐体で実現されても良い。また、サーバ4の機能は、仮想的に実現されても良い。
【0019】
ネットワーク10は、携帯電話網、無線LAN、インターネット、社内LAN等によって構築されるデータ通信環境である。
【0020】
作業用端末2、管理用端末3及びサーバ4の補助記憶部には、OS(「Operating System」の略)、アプリケーションプログラム、処理に必要なデータ等が記憶されている。作業用端末2、管理用端末3及びサーバ4の制御部は、補助記憶部からOSやアプリケーションプログラムを読み出して主記憶部に格納し、主記憶部にアクセスしながら、その他の機器を制御し、後述する処理を実行する。
【0021】
作業用端末2は、サーバ4から必要なデータをダウンロードするデータダウンロード部21と、スケジュール作成対象の建物の選択を受け付け、作業スケジュールを作成するスケジュール作成部22と、作業予定の建物の一覧を表示する作業一覧表示部23と、チェック項目の一覧を表示するチェック項目一覧表示部24と、チェック項目に対する作業の実施判定の選択を受け付ける実施判定選択受付部25と、チェック項目に対する作業の実施結果を受け付ける実施結果受付部26と、データをサーバ4にアップロードするデータアップロード部27と、を備える。各機能は、建物診断支援システム1専用のアプリを作業用端末2の補助記憶部にインストールすることによって実現される。
【0022】
ここで、スケジュール作成部22、実施判定選択受付部25及び実施結果受付部26は、ユーザによってタッチパネルを介して選択又は入力されるデータを主記憶部又は補助記憶部に記憶しておき、当該データをデータアップロード部27によるサーバ4へのアップロード対象とする。
【0023】
管理用端末3は、サーバ4によって提供されるウェブページを閲覧するウェブ閲覧部31を有する。ウェブ閲覧部31は、汎用のウェブブラウザを管理用端末3の補助記憶部にインストールすることによって実現される。
【0024】
サーバ4は、作業用端末2からのデータのダウンロード要求及びアップロード要求に応答する作業用端末応答部41と、建物の情報を管理する建物管理部42と、巡回作業の情報を管理する巡回管理部43と、診断作業の情報を管理する診断管理部44と、ユーザの情報を管理するユーザ管理部45と、運用に関する設定を管理する運用設定管理部46と、データベースを管理するデータベース管理部47と、を備える。
【0025】
作業用端末応答部41は、作業用端末2のデータダウンロード部21の要求に応答し、作業に必要なデータを作業用端末2に送信する。また、作業用端末応答部41は、作業用端末2のデータアップロード部27の要求に応答し、作業用端末2から作業データを受信し、データベースに登録する。
【0026】
建物管理部42は、建物の一覧を表示する建物一覧表示画面、建物の新規登録や編集を受け付ける建物新規登録・編集受付画面、CSVファイルを取り込んで建物の情報の一括登録を受け付けるCSVインポート受付画面等のウェブページを作成し、管理用端末3からの要求に応答し、データベースにおける建物の情報の登録や更新を行う。
【0027】
巡回管理部43は、巡回実績の一覧を表示する巡回実績一覧画面、巡回の作業内容の承認、編集及び修正指示を受け付ける巡回作業内容編集画面、巡回報告書の一覧を表示する巡回報告書一覧表示画面、巡回報告書の作成指示を受け付ける巡回報告書作成受付画面等のウェブページを作成し、管理用端末3からの要求に応答し、データベースにおける巡回及び巡回報告書の情報の登録や更新を行うとともに、巡回報告書のPDFファイルを作成する。
【0028】
診断管理部44は、診断実績の一覧を表示する診断実績一覧画面、診断の作業内容の承認、編集及び修正指示を受け付ける診断作業内容編集画面等のウェブページを作成し、管理用端末3からの要求に応答し、データベースにおける診断の情報の登録や更新を行うとともに、診断報告書のPDFファイルを作成する。
【0029】
ユーザ管理部45は、ユーザの一覧を表示するユーザ一覧表示画面、ユーザの新規登録や編集を受け付けるユーザ新規登録・編集受付画面、ユーザが使用できる機能を制限するための権限グループの新規登録や編集を受け付け権限グループ新規登録・編集受付画面等のウェブページを作成し、管理用端末3からの要求に応答し、データベースにおけるユーザ及び権限グループの情報の登録や更新を行う。
【0030】
運用設定管理部46は、巡回や診断のチェック項目の設定、新規登録及び編集を受け付けるチェック項目設定受付画面、建物の設備の設定、新規登録及び編集を受け付ける設備設定受付画面、巡回や診断の作業周期の設定、報告書に関する設定等のシステム運用に関する設定を受け付けるシステム運用設定画面等のウェブページを作成し、管理用端末3からの要求に応答し、設定ファイルの登録や更新を行う。
【0031】
データベース管理部47は、建物診断支援システム1で用いるデータをデータベースに記憶し、作業用端末2や管理用端末3からの要求に応答し、データの検索、提供及び更新等を行う。
【0032】
図2は、データベースの一例を示す図である。データベース管理部47が管理するデータベースの主なテーブルは、権限グループテーブル50、ユーザテーブル51、建物テーブル52、チェック項目テーブル53、劣化状況テンプレートテーブル54、巡回テーブル55、巡回詳細テーブル56、診断テーブル57、診断詳細テーブル58、年間巡回報告書テーブル59等である。
【0033】
権限グループテーブル50の主要項目は、権限グループID;権限グループ名称;ユーザが使用できる機能か否かを示す機能別実行権限等である。本実施の形態では、予め初期登録されている権限グループは、全ての機能を使用できる「管理者」、作業用端末2の機能だけを使用できる「作業者」である。
【0034】
ユーザテーブル51の主要項目は、ユーザID;システムにログインするためのユーザ名;システムにログインするためのパスワード;当該ユーザに関する権限グループの権限グループID(FK:Foreign Key、外部キー)等である。
【0035】
建物テーブル52の主要項目は、建物ID;建物名称;建物詳細;当該建物を担当するユーザのユーザID(FK)である。建物詳細は、所有者情報、建築年月、接道方角、高低差、敷地面積、建築面積等の建物基本情報、各種設備の設備詳細情報等である。
【0036】
チェック項目テーブル53の主要項目は、チェック項目ID;チェック対象の設備名;指摘・改善点項目;提案・改善点項目等である。
【0037】
劣化状況テンプレートテーブル54の主要項目は、劣化状況テンプレートID;症状名;劣化度;緊急度;原因;対策;当該劣化状況テンプレートを参照するチェック項目のチェック項目ID(FK);当該劣化状況テンプレートに関するサンプル写真の写真ID(FK)等である。劣化状況テンプレートは、巡回作業や診断作業の入力支援に用いられる。
【0038】
巡回テーブル55の主要項目は、巡回ID;未作業、作業中又は作業完了の3つのステータスのいずれかを示す作業ステータス;実施日;未承認又は承認の2つのステータスのいずれかを示す承認ステータス;承認日;作業データのアップロード日時;当該巡回作業に関する建物の建物ID(FK);当該巡回作業を担当するユーザのユーザID(FK)等である。
【0039】
巡回詳細テーブル56の主要項目は、巡回詳細ID;チェック項目の設備の存否を示す対象なしフラグ;チェック項目の設備に対する作業の可否を示す作業不能フラグ;評価;指摘・課題点;提案・改善点;当該チェック項目の巡回作業に関する写真の写真ID;当該チェック項目に関する巡回作業の巡回ID(FK);当該チェック項目のチェック項目ID(FK)等である。
【0040】
診断テーブル57の主要項目は、診断ID;未作業、作業中又は作業完了の3つのステータスのいずれかを示す作業ステータス;実施日;未承認又は承認の2つのステータスのいずれかを示す承認ステータス;承認日;作業データのアップロード日時;当該診断作業に関する建物の建物ID(FK);当該診断作業を担当するユーザのユーザID(FK)等である。
【0041】
診断詳細テーブル58の主要項目は、診断詳細ID;チェック項目の設備の存否を示す対象なしフラグ;チェック項目の設備に対する作業の可否を示す作業不能フラグ;症状名;劣化度;緊急度;原因;対策;当該チェック項目の診断作業に関する写真の写真ID(FK);当該チェック項目に関する診断作業の診断ID(FK);当該チェック項目に関するチェック項目ID(FK)等である。
【0042】
年間巡回報告書テーブル59の主要項目は、年間巡回報告書ID;未作業、作業中又は作業完了の3つのステータスのいずれかを示す作業ステータス;未承認又は承認の2つのステータスのいずれかを示す承認ステータス;承認日;巡回総括;当該年間巡回報告書に関する建物の建物ID(FK);当該年間巡回報告書の作成作業を担当するユーザのユーザID(FK);当該年間巡回報告書に関する巡回作業の巡回ID(FK)等である。
【0043】
以下では、
図3~
図9を参照しながら、作業用端末2の主要機能について詳細に説明する。
【0044】
<スケジュール作成部22>
ユーザが、作業用端末2のタッチパネルにおいて、本アプリケーションのアイコンをタップすると、作業用端末2は、スケジュール作成ボタン及び作業開始ボタンを含むホーム画面(不図示)を表示する。次に、ユーザが、ホーム画面においてスケジュール作成ボタンをタップすると、データダウンロード部21は、サーバ4から当該ユーザのスケジュール作成に必要なデータをダウンロードする。そして、スケジュール作成部22は、作業スケジュール作成画面を表示し、スケジュール作成対象の建物の選択を受け付け、作業スケジュールを作成する。
【0045】
図3は、作業スケジュール作成画面の一例を示す図である。
図3に示すように、作業スケジュール作成画面100は、作業スケジュール作成済の建物の一覧を表示する第1表示領域101と、所定期日(例えば当月末)までに巡回又は診断を行う予定になっている建物の一覧を表示する第2表示領域102と、ホーム画面に戻るための戻るボタン103と、スケジュール作成を完了するための完了ボタン104と、作業日を変更するための変更ボタン105と、を有する。
【0046】
第1表示領域101及び第2表示領域102の各行における左端部には、各建物が巡回対象であることを示す巡回マーク106、又は診断対象であることを示す診断マーク107が表示される。
【0047】
第1表示領域101の各行における右端部には、スケジュール作成を取り消すための「-」マーク108が表示される。また、第2表示領域102の各行における右端部には、既に第1表示領域101に追加されていることを示す「×」マーク109、又はスケジュール作成を実行するための「+」マーク110が表示される。尚、「×」マーク109に代えて、「+」マーク110のグレーアウト表示であっても良い。
【0048】
第1表示領域101と第2表示領域102の間には、巡回を行う予定になっている建物を表示するか否かを切り替えるための巡回表示切替スライド111、診断を行う予定になっている建物を表示するか否かを切り替えるための診断表示切替スライド112、建物名称又は所在地による建物のキーワード検索のキーワードを入力するための検索テキストボックス113、キーワード検索を実行するための検索ボタン114が表示される。
【0049】
ユーザが、第2表示領域102に表示されている建物の「+」マーク110をタップすると、スケジュール作成部22は、タップされた建物を第1表示領域101に表示し、第2表示領域102では「+」マーク110から「×」マーク109に変更して表示する。そして、ユーザが完了ボタン104をタップすると、データアップロード部27は、第1表示領域101に表示されている建物を作業予定の建物としてサーバ4にアップロードし、データダウンロード部21は、作業に必要なデータをサーバ4からダウンロードする。ここで、管理者から当該ユーザに対しての修正指示がデータベースに登録されている場合、修正指示がある旨を通知する。一方、サーバ4は、作業予定の建物に関するデータを巡回テーブル55、巡回詳細テーブル56、診断テーブル57、診断詳細テーブル58に登録する。
【0050】
<作業一覧表示部23>
ユーザが、ホーム画面(不図示)において作業開始ボタンをタップすると、データダウンロード部21は、サーバ4から当該ユーザの作業に必要なデータをダウンロードする。そして、作業一覧表示部23は、作業予定の建物の一覧を含む作業一覧表示画面を表示し、タッチパネルを介して、作業対象の建物の選択を受け付ける。
【0051】
図4は、作業一覧表示画面の一例を示す図である。
図4に示すように、作業一覧表示画面200は、作業予定の建物の一覧を表示する第1表示領域201と、修正が必要な建物の一覧を表示する第2表示領域202と、ホーム画面に戻るための戻るボタン203と、作業が完了した建物のデータをアップロードするためのアップロードボタン204と、作業日を変更するための変更ボタン205と、を有する。
【0052】
第1表示領域201の各行における左端部には、作業を開始していない建物であることを示す開始前マーク206、作業中の建物であることを示す作業中マーク207、作業が全て完了した建物であることを示す完了マーク208、又はアップロードが完了した建物であることを示すアップ済マーク209が表示される。また、第2表示領域202の各行における左端部には、修正作業が完了していない建物であることを示す未完了マーク210、又は修正作業が完了している建物であることを示す完了マーク211が表示される。
【0053】
第1表示領域201及び第2表示領域202の各行における右端部には、各建物が巡回対象であることを示す巡回マーク212、又は診断対象であることを示す診断マーク213が表示される。
【0054】
ユーザが、第1表示領域201又は第2表示領域202に表示されている建物の巡回マーク212又は診断マーク213をタップすると、作業用端末2は、後述するチェック項目一覧表示画面(
図5参照)に遷移する。また、ユーザが、完了マーク208又は完了マーク211が表示されている建物を選択した状態でアップロードボタン204をタップすると、データアップロード部27は、選択されている建物の作業データをサーバ4にアップロードする。一方、サーバ4は、作業データをデータベースに登録する。
【0055】
ここで、作業一覧表示部23は、作業ステータスが作業完了の建物についてのみ、タッチパネルを介して、今回の作業実施に関する作業データをサーバ4にアップロードするための指示を受け付ける。具体的には、作業一覧表示部23は、作業ステータスが作業完了である建物については完了マーク208又は完了マーク211を表示し、当該建物を選択可能とする。また、作業一覧表示部23は、当該建物を選択した状態であれば、アップロードボタン204のタップによってアップロードするための指示を受け付ける。一方、当該建物を選択していない状態であれば、アップロードするデータが選択されていない旨の通知を表示する。これによって、作業が完了する前に誤ってデータをアップロードすることを防止できる。
【0056】
<チェック項目一覧表示部24、実施判定選択受付部25>
作業一覧表示部23が、作業対象の建物の選択を受け付けると、チェック項目一覧表示部24は、チェック項目の一覧を含むチェック項目一覧表示画面を表示し、タッチパネルを介して、作業対象のチェック項目の選択を受け付ける。更に、チェック項目一覧表示部24が、作業対象のチェック項目の選択を受け付けると、当該チェック項目の作業実施状況が未完了であれば、実施判定選択受付部25は、作業開始、対象なし及び点検不能の3つの実施判定選択肢を表示し、タッチパネルを介して、実施判定選択肢の選択を受け付ける。
【0057】
図5は、チェック項目一覧表示画面の一例を示す図である。
図5(a)は、初期表示のチェック項目一覧表示画面300aを示し、
図5(b)は、作業中のチェック項目一覧表示画面300bを示している。
図5(a)及び
図5(b)に示すように、チェック項目一覧表示画面300は、作業一覧表示画面200に戻るための戻るボタン301と、当該建物の作業ステータスを示すステータスマーク302と、チェック項目のカテゴリ選択ボタン303と、選択中のカテゴリのチェック項目304~307と、を有する。
【0058】
チェック項目304~307には、写真(撮影済の場合)、チェック項目名及び作業実施状況が表示される。作業実施状況は、「未完了」、「対象なし」、「点検不能」又は状況判定結果のいずれかが表示される。本実施の形態では、状況判定結果として表示される文字列は、巡回作業については、「問題なし」、「経過観察」又は「不具合あり」のいずれかであり、診断作業については、症状の文字列である。
【0059】
図5(a)及び
図5(b)に示す例では、カテゴリ選択ボタン303において「屋根」が選択され、「屋根」に関するチェック項目の全てが表示されている。ユーザが、他のカテゴリに関するカテゴリ選択ボタン303をタップすると、チェック項目一覧表示部24は、当該カテゴリに関するチェック項目の全てを表示する。
【0060】
チェック項目一覧表示部24は、初期表示のチェック項目一覧表示画面300aでは、前回の実施判定選択肢の選択において対象なしが選択されたチェック項目の作業実施状況については対象なしとし、それ以外のチェック項目の作業実施状況については未完了として初期表示を行う。
図5(a)に示す例では、チェック項目307の「雨樋」については、前回の実施判定選択肢の選択において対象なしが選択されているため、チェック項目一覧表示部24は、チェック項目307の「雨樋」の作業実施状況を対象なしとして表示している。一方、それ以外のチェック項目304~306については、チェック項目一覧表示部24は、作業実施状況を未完了として表示している。これによって、ユーザは、作業を行う建物において、対象がないチェック項目については、毎回対象の有無を確認する必要がなく、タップ動作を行う必要もないため、作業効率が向上する。
【0061】
図5(b)において、チェック項目304の「屋根」については、ユーザによって点検不能の実施判定選択肢が選択され、作業実施状況として「点検不能」が表示されている。また、チェック項目306の「アンテナ」については、ユーザによる作業が完了しており、写真アが表示されているとともに、作業実施状況として「問題なし」が表示されている。
【0062】
図5(b)において、チェック項目305の「軒天(軒裏)」については、ユーザによってチェック項目305の領域がタップされた状態である。ユーザが作業対象のチェック項目をタップすると、当該チェック項目の作業実施状況が未完了であれば、実施判定選択受付部25は、作業開始、対象なし及び点検不能の3つの実施判定選択肢を表示する。そして、ユーザが作業開始をタップすると、作業用端末2は、当該建物が巡回作業の対象であれば、後述する巡回作業データ入力画面(
図6参照)に遷移し、当該建物が診断作業の対象であれば、後述する診断作業データ入力画面(
図8参照)に遷移する。また、ユーザが対象なしをタップすると、実施判定選択受付部25は、当該チェック項目の作業実施状況を「対象なし」に変更する。また、ユーザが点検不能をタップすると、実施判定選択受付部25は、当該チェック項目の作業実施状況を「点検不能」に変更する。
【0063】
全てのチェック項目の作業実施状況が「未完了」以外であれば、チェック項目一覧表示部24は、作業ステータスを示すステータスマーク302を「作業中」から「作業完了」に変更して表示する。本実施の形態では、チェック項目一覧表示部24は、ステータスマーク302の背景色も変更して表示する。これによって、ユーザは、当該建物について全ての作業が完了し、アップロードが可能であることを容易に把握することができる。
【0064】
<実施結果受付部26>
実施判定選択受付部25が、巡回作業の対象の建物について、実施判定選択肢として作業開始の選択を受け付けると、実施結果受付部26は、前回の作業実施に関する画像及び判定結果と、今回の作業実施に関する画像撮影ボタン及び作業項目選択肢を含む巡回作業データ入力画面を表示し、タッチパネルを介して、カメラによって撮影される画像の登録及び作業項目選択肢の選択を受け付ける。また、実施判定選択受付部25が、診断作業の対象の建物について、実施判定選択肢として作業開始の選択を受け付けると、実施結果受付部26は、前回の作業実施に関する画像及び判定結果と、今回の作業実施に関する画像撮影ボタン及び作業項目選択肢を含む診断作業データ入力画面を表示し、タッチパネルを介して、カメラによって撮影される画像の登録及び作業項目選択肢の選択を受け付ける。
【0065】
図6は、巡回作業データ入力画面の一例を示す図である。
図6に示すように、巡回作業データ入力画面400は、チェック項目一覧表示画面300に戻るための戻るボタン401と、前回の作業実施に関する画像を表示する前回画像表示領域402と、前回の状況判定のデータを表示する前回状況判定表示領域403と、前回の指摘・課題点のデータを表示する前回指定・課題点表示領域404と、前回の提案・改善点のデータを表示する前回提案・改善点表示領域405と、今回の作業実施に関する画像撮影ボタン410及びギャラリー選択ボタン411を含む今回画像受付領域406と、今回の状況判定の選択を受け付ける今回状況判定受付領域407と、今回の指摘・課題点の選択を受け付ける今回指定・課題点受付領域408と、今回の提案・改善点の選択を受け付ける今回提案・改善点受付領域409と、を有する。
【0066】
図6に示す例では、前回画像表示領域402は前回の作業実施に関する写真イ及び写真ウの2枚の画像が表示され、前回状況判定表示領域403及び前回指定・課題点表示領域404は「問題なし」の文字列が表示され、前回提案・改善点表示領域405は空白になっている。
【0067】
ユーザが、今回画像受付領域406に表示されている画像撮影ボタン410をタップすると、実施結果受付部26は、撮影機能のアプリケーションを起動し、写真の撮影を受け付ける。撮影された画像は、今回画像受付領域406に表示される。また、ユーザが、今回画像受付領域406に表示されているギャラリー選択ボタン411をタップすると、実施結果受付部26は、当該チェック項目に関する今回撮影済の写真の一覧を表示し、採用する写真の選択を受け付ける。選択された画像は、今回画像受付領域406に表示される。本実施の形態では、ギャラリーに保存される写真の枚数に制限はなく、報告書用の画像として4枚まで採用することができる。
【0068】
また、ユーザが、今回画像受付領域406、今回状況判定受付領域407又は今回指定・課題点受付領域408のいずれかをタップすると、実施結果受付部26は、当該作業項目に関する作業項目選択肢のリストを表示し、タッチパネルを介して、作業項目選択肢の選択を受け付ける。
【0069】
図7は、巡回の作業項目選択肢のリストの一例を示す図である。
図7(a)に示すように、状況判定に関する選択肢リスト421は、「未評価」、「問題なし」、「経過観察」及び「不具合あり」の4つの選択肢を含む。また、
図7(b)に示すように、指摘・課題点に関する選択肢リスト422は、「問題なし」、「ひび割れがあります」、「欠損があります」、「浮き、剥がれがあります」、「水染み跡があります」及び「その他」の7つの選択肢を含む。また、
図7(c)に示すように、提案・改善点に関する選択肢リスト423は、「修理、交換が必要です」及び「その他」の2つの選択肢を含む。
【0070】
ユーザが、選択肢リスト421~423の選択肢をタップすると、実施結果受付部26は、当該選択肢の選択を受け付け、今回状況判定受付領域407~今回提案・改善点受付領域409に表示する。但し、ユーザが、選択肢リスト422又は423において「その他」の選択肢をタップした場合、実施結果受付部26は、テキストボックスを含むダイアログボックス(不図示)を表示し、タッチパネルを介して文字列の入力を受け付け、入力される文字列を今回指定・課題点受付領域408又は今回提案・改善点受付領域409に表示する。また、ユーザが、指摘・課題点に関する選択肢リスト422において「問題なし」の選択肢をタップした場合、実施結果受付部26は、今回指定・課題点受付領域408に「問題なし」を表示するとともに、今回提案・改善点受付領域409に「-」を表示し、今回提案・改善点受付領域409の選択を受け付け不可とする。これは、指摘・課題点が「問題なし」であれば、提案・改善点の入力が不要になるためである。
【0071】
図8は、診断作業データ入力画面の一例を示す図である。
図8に示すように、診断作業データ入力画面500は、チェック項目一覧表示画面300に戻るための戻るボタン501と、前回の作業実施に関する画像を表示する前回画像表示領域502と、前回の劣化状況判定のデータを表示する前回劣化状況判定表示領域503と、今回の作業実施に関する画像撮影ボタン512及びギャラリー選択ボタン513を含む今回画像受付領域504と、今回の劣化度の選択を受け付ける今回劣化度受付プルダウンリスト505と、今回の緊急度の選択を受け付ける今回緊急度受付プルダウンリスト506と、今回の症状の入力を受け付ける今回症状受付ボックス507と、今回の原因の入力を受け付ける今回原因受付ボックス508と、今回の対策の入力を受け付ける今回対策受付ボックス509と、問題がない場合の一括入力を受け付ける問題なしボタン510と、劣化状況テンプレートを用いた一括入力を受け付けるテンプレートから選ぶボタン511と、を有する。
【0072】
図8に示す例では、前回の作業実施がないため、前回画像表示領域502及び前回劣化状況判定表示領域503は「データなし」と表示されている。
【0073】
ユーザが、今回劣化度受付プルダウンリスト505をタップすると、実施結果受付部26は、1~5(1が劣化度最小、5が劣化度最大)の選択肢を表示し、劣化度の数値の選択を受け付ける。また、ユーザが、今回緊急度受付プルダウンリスト506をタップすると、実施結果受付部26は、A~C(Aが緊急度最小、Cが緊急度最大)の選択肢を表示し、劣化度の数値の選択を受け付ける。また、ユーザが、今回症状受付ボックス507、今回原因受付ボックス508又は今回対策受付ボックス509のいずれかをタップすると、実施結果受付部26は、テキストボックスを含むダイアログボックス(不図示)を表示し、タッチパネルを介して文字列の入力を受け付け、入力される文字列を今回症状受付ボックス507、今回原因受付ボックス508又は今回対策受付ボックス509に表示する。
【0074】
また、ユーザは、劣化状況判定の各作業項目について、1個ずつ選択肢を選択したり、文字列を入力したりする代わりに、一括して入力することもできる。当該チェック項目に問題がない場合、ユーザが、問題なしボタン510をタップすると、実施結果受付部26は、劣化度を「1」、緊急度を「A」、症状を「問題なし」、原因を「-」、対策を「-」として受け付け、受け付けた内容を各作業項目に表示する。これによって、当該チェック項目に問題がない場合、ユーザは、1回のタップ動作によって、5個の作業項目の判定結果を一括して入力することができる。
【0075】
また、劣化状況テンプレートを用いる場合、ユーザが、テンプレートから選ぶボタン511をタップすると、実施結果受付部26は、劣化状況テンプレート選択画面を表示し、過去の画像及び判定結果を含む劣化状況テンプレートの選択を受け付け可能にする。そして、実施結果受付部26は、タッチパネルを介して、劣化状況テンプレートの選択を受け付けると、選択された劣化状況テンプレートに関する判定結果を、今回の作業実施に関する判定結果として処理する。これによって、ユーザは、過去の画像及び判定結果を参考にして診断作業を行うことができる。本実施の形態では、判定結果は、劣化度、緊急度、症状、原因及び対策の5個の作業項目に関するものである。
【0076】
図9は、劣化状況テンプレート選択画面の一例を示す図である。
図9に示すように、劣化状況テンプレート選択画面600は、テンプレートを選択せずに診断作業データ入力画面500に遷移するためのキャンセルボタン601と、過去の画像及び判定結果を含む劣化状況テンプレート602と、を有する。尚、
図9では、4個の劣化状況テンプレート602a~602dしか図示されていないが、ユーザが、画面を下方向にスクロールすると、実施結果受付部26は、その他の劣化状況テンプレート602を順次表示する。
【0077】
例えば、ユーザが、劣化状況テンプレート602aをタップすると、実施結果受付部26は、実施結果受付部26は、劣化度を「1」、緊急度を「A」、症状を「塗装の変色・退色、コケの発生が見られる」、原因を「経年劣化」、対策を「劣化程度により高圧洗浄後再塗装が必要」として受け付け、診断作業データ入力画面500に遷移し、受け付けた内容を各作業項目に表示する。これによって、当該チェック項目において過去に類似の劣化状況の建物が存在した場合、ユーザは、1回のタップ動作によって、5個の作業項目の判定結果を一括して入力することができる。
【0078】
尚、本実施の形態では、実施結果受付部26は、診断作業においてテンプレートを用いた一括入力を受け付けたが、巡回作業においても同様に、テンプレートを用いた一括入力を受け付けても良い。
【0079】
以上の通り、本実施の形態における建物診断支援システム1では、作業用端末2の作業一覧表示部23が、作業予定の建物の一覧を表示し、タッチパネルを介して、作業対象の建物の選択を受け付ける。次に、チェック項目一覧表示部24が、チェック項目の一覧を表示し、タッチパネルを介して、作業対象のチェック項目の選択を受け付ける。次に、実施判定選択受付部25が、当該チェック項目の作業実施状況が未完了であれば、作業開始、対象なし及び点検不能の実施判定選択肢を表示し、タッチパネルを介して、実施判定選択肢の選択を受け付ける。次に、実施結果受付部26が、前回の作業実施に関する画像及び判定結果と、今回の作業実施に関する画像撮影ボタン及び作業項目選択肢を表示し、タッチパネルを介して、カメラによって撮影される画像の登録及び作業項目選択肢の選択を受け付ける。これによって、ユーザは、前回の作業実施に関する画像及び判定結果を参照して作業することができるとともに、タップ動作のみで判定結果を入力することができる。従って、経験が少ない者に対しても、建物の巡回や診断の業務を効率的に支援することができる。
【0080】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る建物診断支援システムの好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0081】
1………建物診断支援システム
2………作業用端末
3………管理用端末
4………サーバ
10………ネットワーク
21………データダウンロード部
22………スケジュール作成部
23………作業一覧表示部
24………チェック項目一覧表示部
25………実施判定選択受付部
26………実施結果受付部
27………データアップロード部
100………作業スケジュール作成画面
200………作業一覧表示画面
300………チェック項目一覧表示画面
400………巡回作業データ入力画面
500………診断作業データ入力画面
600………劣化状況テンプレート選択画面