(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】出品者支援方法、出品者支援プログラム、および出品者支援システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20230714BHJP
G06Q 30/0241 20230101ALI20230714BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2020001982
(22)【出願日】2020-01-09
【審査請求日】2022-10-07
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】319005420
【氏名又は名称】株式会社gotton
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤野 尚彦
(72)【発明者】
【氏名】泉 将一郎
(72)【発明者】
【氏名】綿村 一彦
【審査官】田上 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-521754(JP,A)
【文献】特開2019-057316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムが、出品者端末および販売サイトと通信し、前記出品者端末と前記販売サイトとの間の手続を支援する出品者支援方法であって、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、
前記販売サイトの販売画面に提示される商品の価格である商品の出品価格を
設定する出品管理ステップと、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記商品に関する広告提供を
実施させる広告管理ステップとを備え、
前記出品管理ステップおよび前記広告管理ステップの両ステップは連携し
て処理を行
い、
前記出品管理ステップは、
前記商品の価格を調整するルール(以下「価格ルール」という)を事前設定するための操作手段を前記出品者端末に提供し、前記出品者端末から前記価格ルールの設定を受け付ける価格ルール設定ステップと、
設定された前記価格ルールに基づいて前記商品の最低価格を決定する最低価格決定ステップと、
前記販売サイトから通知された前記商品と同一または類似する商品の価格である競合商品の競合価格をモニタする競合価格モニタステップと、
前記価格ルールおよび前記競合価格に基づいて前記商品の前記出品価格を調整し、調整された前記出品価格を前記販売サイトに設定する価格調整ステップとを備え、
前記広告管理ステップは、
前記出品管理ステップにおける前記出品価格の調整に応じ、前記出品価格と前記最低価格との差分に応じて広告予算を調整する広告予算調整ステップと、
前記広告予算の調整に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う広告設定ステップとを備える
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項2】
コンピュータシステムが、出品者端末および販売サイトと通信し、前記出品者端末と前記販売サイトとの間の手続を支援する出品者支援方法であって、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記販売サイトの販売画面に提示される商品の価格である商品の出品価格を設定する出品管理ステップと、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記商品に関する広告提供を実施させる広告管理ステップとを備え、
前記出品管理ステップは、
前記商品の価格を調整するルール(以下「価格ルール」という)を事前設定するための操作手段を前記出品者端末に提供し、前記出品者端末から前記価格ルールの設定を受け付ける価格ルール設定ステップと、
設定された前記価格ルールに基づいて前記商品の最低価格を決定する最低価格決定ステップと、
前記販売サイトから通知された前記商品と同一または類似する商品の価格である競合商品の競合価格をモニタする競合価格モニタステップと、
前記価格ルールおよび前記競合価格に基づいて前記商品の前記出品価格を調整し、調整された前記出品価格を前記販売サイトに設定する価格調整ステップとを備え、
前記広告管理ステップは、
前記出品管理ステップにおける前記出品価格の調整に応じ、前記出品価格と前記最低価格との差分に応じて広告予算を調整する広告予算調整ステップと、
前記広告予算の調整に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う広告設定ステップとを備え、
前記価格調整ステップは、
前記価格ルールおよび前記競合価格に基づいて、前記商品を購入した購入者に付与される点数データであるポイントを調整し、調整された前記ポイントを前記販売サイトに設定し、
前記広告予算調整ステップは、
前記出品管理ステップにおける前記出品価格および前記ポイントの調整に連携して、(前記出品価格-前記ポイント-前記最低価格)の差分に応じて前記広告予算を調整する
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項3】
コンピュータシステムが、出品者端末および販売サイトと通信し、前記出品者端末と前記販売サイトとの間の手続を支援する出品者支援方法であって、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記販売サイトの販売画面に提示される商品の価格である商品の出品価格を設定する出品管理ステップと、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記商品に関する広告提供を実施させる広告管理ステップとを備え、
前記出品管理ステップは、
前記商品の価格を調整するルール(以下「価格ルール」という)を事前設定するための操作手段を前記出品者端末に提供し、前記出品者端末から前記価格ルールの設定を受け付ける価格ルール設定ステップと、
設定された前記価格ルールに基づいて前記商品の最低価格を決定する最低価格決定ステップと、
前記販売サイトから通知された前記商品と同一または類似する商品の価格である競合商品の競合価格をモニタする競合価格モニタステップと、
前記価格ルールおよび前記競合価格に基づいて前記商品の前記出品価格を調整し、調整された前記出品価格を前記販売サイトに設定する価格調整ステップとを備え、
前記広告管理ステップは、
前記出品管理ステップにおける前記出品価格の調整に応じ、前記出品価格と前記最低価格との差分に応じて広告予算を調整する広告予算調整ステップと、
前記広告予算の調整に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う広告設定ステップとを備え、
前記広告管理ステップは、
前記広告提供から販売に至る率(以下「コンバージョン率」という)に基づいて、前記販売サイトにおいて提供された広告が前記販売サイトの利用者によって選択された回数を示すクリック数に関して、前記商品の販売までに要する所要クリック数を予測し、前記広告予算を所要クリック数で除した値に応じて、広告1クリック当たりに支払う広告コスト(以下「CPC(Cost Per Click)」を決定して、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項4】
請求項1~
3のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記出品管理ステップは、
前記コンピュータシステムが販売サイトを監視し、前記販売サイトにおいて前記商品
の前記出品価格が
前記販売サイトの利用者に優先的に表示される権利であるカートを獲得または喪失したタイミング(以下「カート切替タイミング」という)を求め、
前記広告管理ステップは、
前記カート切替タイミングに同期して、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項5】
請求項1~
4のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記出品管理ステップは、
前記販売サイトにおいて
前記商品の前記出品価格が前記販売サイトの利用者に優先的に表示される権利であるカートを、前記商品と競合商品との間で
交互に取り合いされる状態であるカートの取り合い状態にあるか否かを判定し、
前記広告管理ステップは、
カートの前記取り合い状態の判定に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項6】
請求項
4または5のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記出品管理ステップは、
前記販売サイトにおいて前記商品が
前記カートを
獲得されない期間(以下「非カート期間」という)を判定し、
前記広告管理ステップは、
前記非カート期間の判定に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記出品管理ステップは、
前記コンピュータシステムが前記販売サイトを監視し、前記販売サイトにおいて、前記商品
の前記出品価格の変更と
前記競合商品
の前記競合価格の変更が所定の頻度で発生する価格競争が休止したタイミング(以下「価格小康タイミング」という)を判定し、
前記広告管理ステップは、
前記価格小康タイミングに同期して、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記出品管理ステップは、
前記コンピュータシステムが前記販売サイトを監視し、前記販売サイトにおいて前記商品と競合する競合商品の存在または在庫がない状態(以下「単独状態」という)か否かを判定し、
前記広告管理ステップは、
前記単独状態の判定に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項9】
請求項1~
8のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記広告管理ステップは、
前記販売サイトにおいて発生する広告コストを求め、
前記出品管理ステップは、
前記広告コストに応じて前記商品の前記出品価格を調整し、調整された前記出品価格を前記販売サイトに設定する
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の出品者支援方法であって、
前記広告管理ステップは、
前記広告提供から販売に至る率(以下「コンバージョン率」という)に基づいて、前記商品の販売までにかかる前記広告コストを予測し、
前記出品管理ステップは、
予測された前記広告コストに応じて前記商品の前記出品価格を調整し、調整された前記出品価格を前記販売サイトに設定する
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項11】
請求項1~
10のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記出品管理ステップは、
前記コンピュータシステムが前記販売サイトを監視し、前記販売サイトにおいて前記商品の納品完了
または前記商品を識別するための番号であるコード番号
付与を経た後に、前記販売サイトに対する前記商品の広告設定が可能になる広告可能タイミングを検知し、
前記広告管理ステップは、
前記出品管理ステップにおける前記広告可能タイミングの検知に連携して前記商品の前記広告提供を自動的に設定する動作を前もって予約する広告予約機能を有する
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項12】
請求項1~
11のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記出品管理ステップは、
前記商品の売れていない期間(以下「在庫期間」という)を求め、
前記広告管理ステップは、
前記在庫期間に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う
ことを特徴とする出品者支援方法。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の出品者支援方法であって、
前記広告提供から販売に至る率(以下「コンバージョン率」という)が取得されない場合、前記コンバージョン率の代わりに、推奨CPC(Cost Per Click:広告を閲覧する1クリック当たりに生じる広告料の入札額)が使用される
ことを得著とする出品者支援方法。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の出品者支援方法を、コンピュータシステムに実行させる
ことを特徴とする出品者支援プログラム。
【請求項15】
コンピュータシステムが、出品者端末および販売サイトと通信し、前記出品者端末と前記販売サイトとのやり取りを代行する出品者支援システムであって、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、
前記販売サイトの販売画面に提示される商品の価格である商品の出品価格を
設定する出品管理部と、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記商品に関する広告提供を実施させる広告管理部とを備え、
前記出品管理部および前記広告管理部の両方は連携し
て処理を行
い、
前記出品管理部は、
前記商品の価格を調整するルール(以下「価格ルール」という)を事前設定するための操作手段を前記出品者端末に提供し、前記出品者端末から前記価格ルールの設定を受け付ける価格ルール設定部と、
設定された前記価格ルールに基づいて前記商品の最低価格を決定する最低価格決定部と、
前記販売サイトから通知された前記商品と同一または類似する商品の価格である競合商品の競合価格をモニタする競合価格モニタ部と、
前記価格ルールおよび前記競合価格に基づいて前記商品の前記出品価格を調整し、調整された前記出品価格を前記販売サイトに設定する価格調整部とを備え、
前記広告管理部は、
前記出品管理部における前記出品価格の調整に応じ、前記出品価格と前記最低価格との差分に応じて広告予算を調整する広告予算調整部と、
前記広告予算の調整に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う広告設定部とを備える
ことを特徴とする出品者支援システム。
【請求項16】
コンピュータシステムが、出品者端末および販売サイトと通信し、前記出品者端末と前記販売サイトとのやり取りを代行する出品者支援システムであって、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記販売サイトの販売画面に提示される商品の価格である商品の出品価格を設定する出品管理部と、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記商品に関する広告提供を実施させる広告管理部とを備え、
出品管理部は、
前記商品の価格を調整するルール(以下「価格ルール」という)を事前設定するための操作手段を前記出品者端末に提供し、前記出品者端末から前記価格ルールの設定を受け付ける価格ルール設定部と、
設定された前記価格ルールに基づいて前記商品の最低価格を決定する最低価格設定部と、
前記販売サイトから通知された前記商品と同一または類似する商品の価格である競合商品の競合価格をモニタする競合価格モニタ部と、
前記価格ルールおよび前記競合価格に基づいて前記商品の前記出品価格を調整し、調整された前記出品価格を前記販売サイトに設定する価格調整部とを備え、
前記広告管理部は、
前記出品管理部における前記出品価格の調整に応じ、前記出品価格と前記最低価格との差分に応じて広告予算を調整する広告予算調整部と、
前記広告予算の調整に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う広告設定部とを備え、
前記価格調整部は、
前記価格ルールおよび前記競合価格に基づいて、前記商品を購入した購入者に付与される点数データであるポイントを調整し、調整された前記ポイントを前記販売サイトに設定し、
前記広告予算調整部は、
前記出品管理部における前記出品価格および前記ポイントの調整に連携して、(前記出品価格-前記ポイント-前記最低価格)の差分に応じて前記広告予算を調整する
ことを特徴とする出品者支援システム。
【請求項17】
コンピュータシステムが、出品者端末および販売サイトと通信し、前記出品者端末と前記販売サイトとのやり取りを代行する出品者支援システムであって、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記販売サイトの販売画面に提示される商品の価格である商品の出品価格を設定する出品管理部と、
前記コンピュータシステムが、前記販売サイトに対して、前記商品に関する広告提供を実施させる広告管理部とを備え、
出品管理部は、
前記商品の価格を調整するルール(以下「価格ルール」という)を事前設定するための操作手段を前記出品者端末に提供し、前記出品者端末から前記価格ルールの設定を受け付ける価格ルール設定部と、
設定された前記価格ルールに基づいて前記商品の最低価格を決定する最低価格設定部と、
前記販売サイトから通知された前記商品と同一または類似する商品の価格である競合商品の競合価格をモニタする競合価格モニタ部と、
前記価格ルールおよび前記競合価格に基づいて前記商品の前記出品価格を調整し、調整された前記出品価格を前記販売サイトに設定する価格調整部とを備え、
前記広告管理部は、
前記出品管理部における前記出品価格の調整に応じ、前記出品価格と前記最低価格との差分に応じて広告予算を調整する広告予算調整部と、
前記広告予算の調整に応じて、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う広告設定部とを備え、
前記広告管理部は、
前記広告提供から販売に至る率(以下「コンバージョン率」という)に基づいて、前記販売サイトにおいて提供された広告が前記販売サイトの利用者によって選択された回数を示すクリック数に関して、前記商品の販売までに要する所要クリック数を予測し、前記広告予算を所要クリック数で除した値に応じて、広告1クリック当たりに支払う広告コスト(以下「CPC(Cost Per Click)」を決定して、前記広告提供の新規設定または設定変更を行う
ことを特徴とする出品者支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出品者支援方法、出品者支援プログラム、および出品者支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
インターネット上には、EC(電子商取引)サイトやショッピングモールなどの販売サイトが開設される。
【0003】
一般に、この種の販売サイトでは、「出品者が商品を購入者に自ら発送するタイプのサービス」と、「出品者が商品を販売サイトの配送センターに一旦納品し、配送センターに商品の在庫管理から発送までを委託するサービス」とがある。ここでは、後者のサービスについて特に説明する。
図7は、この種の販売サイトのサービスの一例を説明する図である。
以下、同図に示す番号に沿って説明する。
【0004】
(1)出品者は、出品する商品について、価格や商品状態などの出品情報を販売サイトに登録する。
【0005】
(2)出品者は、販売サイトとの間で、商品を販売サイトの配送センターに納品するために必要な情報を納品プランとして作成する。
【0006】
(3)出品者は、納品プランに従って商品を運送業者経由で配送センター(販売サイトが運営する倉庫)に納品する。
【0007】
(4)配送センターでは、納品された商品について在庫管理を行う。
【0008】
(5)販売サイトは、商品の出品管理を行う。例えば、同一商品が複数の出品者によって出品されている場合、販売サイトは、販売サイト側が定めるルールに従って、複数の出品者の中から“カートを取る出品者”(以下「カート獲得者」という)を決定する。販売サイトは、このカート獲得者の商品の出品価格を商品の代表的な価格として販売画面に表示する。
【0009】
(6)購入者が販売画面において“商品をカートに入れる購入手続き”を単に行った場合、販売サイトは、カート獲得者の該当商品を購入者のカートに入れる。ここでのカートは、購入リストを含む電子データであり、販売サイトにおいて購入者ごとにデータ管理される。購入者は、販売サイトの販売画面を介して、カート内の商品について購入手続きおよび代金支払いを行う。
【0010】
(7)販売サイトは、購入者の購入情報を配送センターに送信する。
【0011】
(8)配送センターは、購入情報に基づいて、商品の梱包および発送を行う。
【0012】
(9)配送センターから発送された商品は、運送業者などを介して、購入者の元に配送される。
【0013】
(10)販売サイトは、出品者の電子口座に対して、購入された商品の代金決済を行う。
【0014】
このような販売サイトでは、出品者は、商品の売れ行きやライバルの価格などの状況変化を監視して、出品中の商品の価格を適時に調整することが望ましい。しかしながら、多数の商品(例えば数十~数千点)を出品する出品者が、これらの商品の価格変化を常時監視して、価格調整を逐一行うことは現実的に困難であった。
【0015】
非特許文献1は、「同じ商品を出品中のライバルが価格を変更すると、販売サイトから変更情報を受け取り、販売サイトに対して価格の自動変更を行う」旨の技術を開示する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0016】
【文献】capsule-z、“プライスターのつかいかた:価格の自動変更について”、[online]、[2019年9月27日検索]、インターネット<URL:https://web.archive.org/web/20190927063806/https://help.pricetar.com/?p=75>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
非特許文献1の技術によって、競合する商品の価格変更を踏まえた価格の自動変更が適時に行われる。そのため、出品者にとっては、商品ごとに競合価格を常時監視する手間が不要になる。また、出品者の商品価格が、商品の相場価格の範囲から外れることが少なく、販売チャンスを逃すことも少なくなる。
【0018】
ところで、出品者は、商品の販売に当たって、広告コストなどの日々変動する経費を勘案する必要がある。また、出品者は、商品の販売促進に実効的な広告提供を実施することが好ましい。
【0019】
そこで、本発明は、広告提供に関して、出品者支援の技術を発展させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するために、代表的な本発明の出品者支援方法の一つは、コンピュータシステムが、出品者端末および販売サイトと通信し、前記出品者端末と前記販売サイトとの間の手続を支援する出品者支援方法であって、前記販売サイトに対して商品の出品価格を管理する出品管理ステップと、前記販売サイトに対して前記商品に関する広告提供を管理する広告管理ステップとを備え、前記出品管理ステップおよび前記広告管理ステップの両ステップは連携して、前記両ステップの少なくとも一方の処理結果に応じてもう一方が処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によって、広告提供に関して出品管理と連携した管理が可能になり、出品者支援の技術を発展させることが可能になる。
【0022】
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、出品者支援システム100を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、出品者支援方法の一例を説明する流れ図(1/4)である。
【
図3】
図3は、出品者支援方法の一例を説明する流れ図(2/4)である。
【
図4】
図4は、出品者支援方法の一例を説明する流れ図(3/4)である。
【
図5】
図5は、出品者支援方法の一例を説明する流れ図(4/4)である。
【
図6】
図6は、出品価格、最低価格、ポイントの調整ルーチンを説明する流れ図である。
【
図7】
図7は、販売サイトのサービスの一例を説明する図である。
【
図8】
図8は、出品者端末200と販売サイト300とが直接にやり取りを行う様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<本発明を使用しないケース>
まず、実施例の具体的な説明に先立って、本発明の出品者支援システムを使用しないケースについて説明する。
【0025】
図8は、出品者端末200と販売サイト300とが直接にやり取りを行う様子を示す図である。
【0026】
同図において、販売サイト300は、出品/価格改定プラットフォーム310、および広告プラットフォーム320を備える。
【0027】
出品/価格改定プラットフォーム310は、販売サイト300が運用するサーバとサーバプログラムなどから構成され、出品者が商品の出品や価格などの管理を行うための出品管理用WEBページを出品者端末200に提供する。
【0028】
出品者は、出品者端末200のブラウザ上で出品管理用WEBページを操作して、出品/価格改定プラットフォーム310に対して商品の出品設定や価格設定を伝達する。出品/価格改定プラットフォーム310は、出品者端末200から伝達される出品設定や価格設定を販売サイト300の販売画面に反映する。
【0029】
また、出品者は、出品者端末200のブラウザ上で出品管理用WEBページを操作して販売手数料や保管手数料などの手数料情報や、競合品の価格などの競合情報などを、出品/価格改定プラットフォーム310に要求する。出品/価格改定プラットフォーム310は、出品者端末200から伝達される要求に応えて、手数料情報や競合情報を出品者端末200の出品管理用WEBページに対して返信する。
【0030】
一方、広告プラットフォーム320は、販売サイト300が運用するサーバとサーバプログラムなどから構成され、出品者が広告出稿やCPC(Cost Per Click:広告を閲覧する1クリック当たりに生じる広告料の入札額)の設定などの管理を行うための広告管理用WEBページを出品者端末200に提供する。
【0031】
出品者は、出品者端末200のブラウザ上で広告管理用WEBページを操作して、広告プラットフォーム320に対して広告出稿やCPC(Cost Per Click)の設定を伝達する。広告プラットフォーム320は、出品者端末200から伝達される広告出稿やCPCの設定を販売サイト300の広告提供に反映する。
【0032】
また、出品者は、出品者端末200のブラウザ上で広告管理用WEBページを操作して広告コストなどの広告関連の情報を、広告プラットフォーム320に要求する。広告プラットフォーム320は、出品者端末200から伝達される要求に応えて、広告関連の情報を広告管理用WEBページに返信する。
【0033】
このように、出品者端末200側からは、出品/価格改定プラットフォーム310に対する操作と、広告プラットフォーム320に対する操作とを、それぞれの専用WEBページを介して独立に行う必要がある。そのため、出品者端末200を操作する出品者の立場において、両プラットフォームに対する操作を緊密に連携させることは現実的に困難であった。
【0034】
そのため、例えば次の問題が生じる。
商品にかかるコストには、次の費用が含まれる。
(1)広告コスト(広告プラットフォーム320側で管理)
(2)仕入れコスト(出品者側で把握)
(3)送料コスト(出品/価格改定プラットフォーム310側で管理)
(4)販売サイトの販売手数料(出品/価格改定プラットフォーム310側で管理)
(5)販売サイトの保管手数料(倉庫の保管費用であって出品/価格改定プラットフォーム310側で管理)
(なお、販売サイトによっては、上記(3)の送料コストについては、「送料コスト」としては管理されず、購入者が支払う「利益金」の一部に含めて管理される。その場合、出品者が受け取る利益金から相殺される送料については、商品にかかるコストでありながら販売サイトで別に管理される可能性がある。)
【0035】
このようにコストの明細は、出品/価格改定プラットフォーム310と広告プラットフォーム320において分離して管理される。そのため、販売サイト300と直接にやり取りする出品者においては、個々の商品にかかるコストを全体的に把握することが困難である。その結果、広告提供に関連して変動する全体的なコストに応じて商品の価格調整を迅速に行うことは困難であった。
【0036】
以下、このような問題を改善するための実施例について具体的に説明する。
【実施例1】
【0037】
<実施例1の出品者支援システム100について>
図1は、出品者支援システム100を示すブロック図である。
【0038】
同図において、出品者支援システム100は、ネットワークNNを介して、出品者端末200および販売サイト300(出品/価格改定プラットフォーム310、広告プラットフォーム320を含む)と通信する。
【0039】
この出品者支援システム100は、出品管理部110、および広告管理部120を備える。出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310に対して商品の出品価格を管理する処理を出品者に代わって代行する。広告管理部120は、販売サイト300の広告プラットフォーム320に対して商品に関する広告提供を管理する処理を出品者に代わって代行する。
【0040】
ここで、出品管理部110は、価格ルール設定部111、最低価格設定部112、競合価格モニタ部113、および価格調整部114をさらに備える。
【0041】
価格ルール設定部111は、商品の価格を調整するルール(以下「価格ルール」という)を事前設定するための操作手段を出品者端末200に提供し、出品者端末200から価格ルールの設定を受け付ける。
【0042】
最低価格設定部112は、価格ルールに基づいて商品の最低価格を決定する。
【0043】
競合価格モニタ部113は、出品者の商品と同一または類似することにより競合するライバルの商品(競合商品)について、販売サイト300から情報通知を受け取ることによって、競合商品の価格(競合価格)を頻繁な頻度で(または、情報通知を受けるたびに即時対応することで)常態的にモニタリングする。
【0044】
価格調整部114は、価格ルールおよび競合価格などに基づいて商品の前記出品価格を調整する。価格調整部114は、調整された出品価格を販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310に設定する。
【0045】
一方、広告管理部120は、広告予算調整部121、および広告設定部122を備える。
【0046】
広告予算調整部121は、出品管理部110による出品価格の調整に連携して、出品価格と最低価格との差分に応じて広告予算(広告提供の上限として広告プラットフォーム320に設定する額)を調整する。
【0047】
広告設定部122は、広告予算の調整に応じて、販売サイト300の広告プラットフォームに対して広告提供の新規設定や設定変更を実施する。
【0048】
<実施例1の出品者支援プログラムについて>
このような出品者支援システム100は、ハードウェアとしてCPU(Central Processing Unit)やメモリなどを備えたコンピュータシステムとして構成される。このハードウェアがコンピュータ可読媒体に記憶されたプログラムを実行することにより、出品者支援システム100としての各種機能が実現する。このハードウェアの一部または全部については、専用の装置、汎用の機械学習マシン、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)、PLD(programmable logic device)などで代替してもよい。また、ハードウェアやプログラムの一部または全部をネットワーク上のサーバに集中または分散してクラウドシステムを構成することにより、複数の出品者端末200(ユーザ)に対して出品者支援システム100の各種機能である出品者支援方法をサービス提供してもよい。
【0049】
<実施例1の出品者支援方法について>
続いて、出品者支援方法について説明する。
【0050】
図2~
図5は、出品者支援方法の一例を説明する流れ図である。
以下、同図に示すステップ番号に沿って説明する。
【0051】
ステップS01: 出品管理部110は、出品者が出品する商品を指定するための操作画面を出品者端末200に提供する。
【0052】
ステップS02: 出品者は、この操作ページを出品者端末200のブラウザ上で操作することにより、出品する商品を指定して、商品状態(新品、中古コンディション)などを入力する。さらに、出品者は、出品者端末200を操作して、商品コストの基礎データとして、最低利益、諸経費、仕入れコスト、および送料コストなどを入力する。これらの入力された情報は、出品情報として出品者端末200から出品管理部110に伝達される。なお、出品者は、最低利益や諸経費や仕入れコストや送料コストの後々の変化に応じて基礎データを随時変更することも可能である。
【0053】
ステップS03: 出品管理部110内の価格ルール設定部111は、商品の価格ルールを事前設定するための操作画面を出品者端末200に提供して、商品の出品価格や最低価格やポイントを自動変更するための価格ルールの設定を出品者から受け付ける。
【0054】
ここでの出品価格は、出品者のカート獲得に際して、販売サイト300の販売画面に提示される商品の価格である。
また、最低価格は、出品価格を調整する際の下限値である。
【0055】
さらに、ポイントは、購入者が商品を購入するたびに蓄積される一種の点数データである。商品の購入者は、出品者から付与されるポイントを貯めて、次回以降の購入代金の支払いに適宜に充当することができる。
【0056】
価格ルールは、このような出品価格やポイントを自動変更するために、競合価格や売れ行き状況や商品コストや最低価格などを踏まえた一つまたは複数の価格の調整条件が設定されたものである。
【0057】
例えば、価格ルールとしては、競合価格に追従して価格調整する価格ルールや、経費割れを回避することを優先する価格ルールや、最低価格や最低価格を重視する価格ルールや、最低価格や最低価格を無視しても売り切りを重視する価格ルールや、在庫解消を優先して価格調整を行う価格ルールや、これら価格ルールを状況別や期間別に優先順位や重み付けなどで組み合わせる複合価格ルールなどが設定可能である。なお、出品者が商品別に価格ルールを設定する必要がない場合、価格ルール設定部111は、過去に設定頻度の比較的高い標準的な価格ルールをデフォルトとして自動設定することも可能である。
【0058】
ステップS04: 出品管理部110は、ステップS02で指定された商品について販売サイト300に照会し、当該商品の販売画面が既に存在しているか否かを調べる。商品の販売画面が存在する場合、出品管理部110はステップS07に動作を移行する。一方、商品の商品識別コードが販売サイト300に存在しないなど、販売画面が存在しない場合、出品管理部110は、《販売サイト300における新規商品の新規出品》であると判断して、ステップS05に動作を移行する。
【0059】
ステップS05: 出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310に商品情報を新規に登録し、販売サイト300において商品識別コードの付与を受ける。
【0060】
さらに、出品管理部110は、販売画面の新規作成をガイドする画面作成ページを出品者端末200に提供する。出品者は、この画面作成ページのガイドに従って販売画面に必要な商品画像、商品説明、商品仕様、およびレイアウト情報などを入力する。出品管理部110は、画面作成ページに入力された情報に基づいて商品の販売画面を作成する。出品管理部110は、作成された販売画面を販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310に新規登録する。
【0061】
ステップS06: 通常、新規の販売画面は、商品の出品情報の登録、商品識別番号の新規付与、出品者による商品の倉庫納品、配送センターでの納品登録などの日数を経た後、販売サイト300に遅れて公開される。出品者は、このように商品の出品処理から数日遅れる販売画面の公開を予想できない。そのため、出品者は、せっかくの新規商品の販売開始でありながら、販売画面の新規公開に合わせて広告提供を打つことができず、販売機会を損失するという問題があった。
【0062】
そこで、出品管理部110による《販売サイト300における新規商品の新規出品》の判断に連携して、広告管理部120は、新規の販売画面の新規公開から遅滞少なく広告提供の新規設定を行うための予約動作を実施する。具体的には、広告管理部120は、出品管理部110の価格モニタ機能などを用いて、販売画面の新規公開のタイミングを継続的に監視する。広告管理部120は、販売画面の新規公開を発見すると、出品者のカート獲得状態を確認した上で、広告提供の新規設定を迅速に行う。
【0063】
このようにして、出品管理部110による《販売サイト300における新規商品の新規出品》の判断に連携する形態で、広告管理部120による新規商品の販売開始に合わせた広告スタートが予約されて自動的に実施される。
【0064】
ステップS07: 出品管理部110内の競合価格モニタ部113は、出品する商品と同一または類似する競合商品について販売サイト300から通知を受け取る設定を行い、価格モニタを開始(開始済みの場合は継続)する。ここでは、販売サイト300内の競合商品に限って価格モニタを行ってもよいし、別の販売サイトなどネットワーク上の競合商品を含めて広範囲の価格モニタを行ってもよい。
【0065】
ステップS08: 広告管理部120は、販売サイト300の広告プラットフォーム320に広告関連データの照会を行うことによって、商品の広告がクリックされた回数(広告提供数)と、その広告提供数の内で販売に至った数(販売数)に基づいて、広告提供から販売に至る比率をコンバージョン率として求める。
【0066】
なお、商品の広告提供前、または広告提供直後などのタイミングでは、これらのデータが不足するため、実効的なコンバージョン率を得ることができない。その場合、広告管理部120は、コンバージョン率を設定せず、後述するように推奨CPCを使用する。なお、広告管理部120は、デフォルト設定される標準的なコンバージョン率を採用してもよい。
【0067】
ステップS09: 出品管理部110内の価格調整部114は、広告管理部120の広告関連の処理結果に連携して、商品の出品価格、最低価格、およびポイントを調整する。この動作の詳細については後述(
図6)する。
【0068】
ステップS10: ステップS09における出品管理部110の「商品の出品価格、最低価格、およびポイントの調整」に連携して、広告管理部120の広告予算調整部121は、(出品価格-ポイント-最低価格)の差分を価格余裕分として算出する。広告予算調整部121は、この価格余裕分に商品の出品数Nを乗算することにより、商品の広告に利用可能な最大予算を求める。広告予算調整部121は、この最大予算の一部を広告予算枠に配分して、広告予算を算出する。例えば、広告予算調整部121は、最大予算に所定割合(以下「広告予算配分A」という)を乗じた値を広告予算とする。
広告予算=(出品価格-ポイント-最低価格)×出品数N×広告予算配分A
【0069】
広告予算調整部121は、算出された広告予算を広告提供の上限額として広告プラットフォーム320に設定する。なお、必要に応じて広告予算配分Aを増減調整することにより、広告提供の上限額である広告予算を調整することも可能である。
【0070】
したがって、出品管理部110による「出品価格、ポイント、または最低価格の自動調整」や「出品数Nの増減変化」に連携して、広告管理部120では、商品の広告予算が追従して自動調整されるようになる。
【0071】
ステップS21: 広告管理部120は、コンバージョン率に基づいて商品販売(例えば商品の全数販売)までに必要になる広告の所要クリック数を予測する。広告管理部120は、広告予算を所要クリック数で除した値を、予想CPCとして求める。広告管理部120は、この予想CPCに応じてCPCの値を自動的に調整する。
【0072】
例えば、予想CPCに所定係数(以下「CPC配分B」という)を乗じた値をCPCの自動調整値とする。
【0073】
CPCの自動調整値
=[(出品価格-ポイント-最低価格)×出品数N×広告予算配分A÷所要クリック数]×CPC配分B
【0074】
広告管理部120は、CPCの自動調整値を販売サイト300の広告プラットフォームに伝達することによって、広告提供の新規設定、または広告提供の設定変更を行う。なお、必要に応じて広告予算配分AまたはCPC配分Bを増減調整することにより、広告の入札単価であるCPCを調整することも可能である。
【0075】
このようにして、出品管理部110による「出品価格、ポイント、または最低価格の自動調整」や「出品数Nの増減変化」に連携する形態で、広告管理部120によるCPCの設定が自動的に実施される。
なお、販売サイト300によっては、販売サイト300が算出する推奨CPCを商品ごとに返却するAPI( Application Programming Interface)が用意される。そこで、コンバージョン率などのデータが不足する場合に、API呼び出しによって得た推奨CPCをCPCにそのまま設定してもよい。また、この推奨CPCを参考材料としてCPCを決定してもよい。
【0076】
ステップS22: 出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310から商品の購入履歴を取得する。出品管理部110は、この購入履歴に基づいて、商品の売れていない期間を在庫期間として管理する。
【0077】
ステップS23: 出品管理部110は、在庫期間が所定の閾値th1を超えたか否かを判定する。例えば、閾値th1は、在庫期間に基づいて商品の売れ行きが高いか低いかを判断するための境界値である。在庫期間が閾値th1を超えた場合、出品管理部110はステップS24に動作を移行する。それ以外の場合、出品管理部110はステップS25に動作を移行する。
【0078】
ステップS24: 在庫期間が閾値th1を超えた場合、広告管理部120は、広告提供を新規に開始、または広告提供の機会を増やす方向に、販売サイト300の広告プラットフォーム320の広告設定を自動的に行う。
【0079】
例えば、広告管理部120は、前述の広告予算配分AまたはCPC配分Bを引き上げて広告プラットフォーム320の広告設定を行うことにより、広告提供を新規に開始、または広告提供の機会を増やすことが可能になる。
このようにして、出品管理部110による在庫期間の監視に連携する形態で、広告管理部120による広告設定が自動的に実施される。
【0080】
ステップS25: 出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310に対して、商品のカート状態が変化するたびに通知を受け取る設定を行う。この設定により、出品管理部110は、販売サイト300からカートを獲得また喪失したタイミング(カート切替タイミング)について通知を受けることができる。
【0081】
ステップS26: 商品のカートを獲得したタイミングを検出すると、出品管理部110はステップS27に動作を移行する。それ以外の場合、出品管理部110はステップS28に動作を移行する。
【0082】
ステップS27: 出品管理部110が検出した「カートを獲得したタイミング」に同期して、広告管理部120は、広告提供の新規設定または設定変更を行う。
【0083】
例えば、広告管理部120は、前述の広告予算配分AまたはCPC配分Bを引き上げて広告プラットフォーム320の広告設定を行うことにより、カート獲得のタイミングを逃さずに、広告提供を新規に開始、または広告提供の機会を増やして、商品売り上げを高めることができる。
【0084】
このようにして、出品管理部110によるカート獲得のタイミング検出に連携する形態で、広告管理部120による広告設定が自動的に実施される。
【0085】
ステップS28: 商品のカートを喪失したタイミングを検出すると、出品管理部110はステップS29に動作を移行する。それ以外の場合、出品管理部110はステップS41に動作を移行する。
【0086】
ステップS29: 出品管理部110が検出した「カートを喪失したタイミング」に同期して、広告管理部120は、広告提供を新規に開始、または広告提供の機会を増やす方向に、販売サイト300の広告プラットフォーム320の広告設定を行う。
【0087】
ちなみに、カート喪失の期間は、出品者の広告は販売サイト300に表示されない。そのため、カート喪失の期間に広告提供の設定を行っても、広告費用はかからず、出品者に損失はない。
【0088】
一方、販売サイト300が広告設定をカート獲得の優先条件にしていると仮定される場合、カート喪失のタイミングにおいて広告提供を新規に開始または広告提供の機会を増やす広告設定により、カート獲得の次回チャンスを高めることが可能になる。
このようにして、出品管理部110によるカート喪失のタイミング検出に連携する形態で、広告管理部120による広告設定が自動的に実施される。
【0089】
ステップS41: 出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310から商品のカート状態の通知を受け取って、出品者と競合相手との間でカートが交互に取り合いされる状態か否かを判定する。
【0090】
カートの取り合い状態と判定された場合、出品管理部110はステップS42に動作を移行する。それ以外の場合、出品管理部110はステップS43に動作を移行する。
ステップS42: カートの取り合い状態の判定に基づいて、広告管理部120は、広告提供の新規設定または設定変更を行う。
【0091】
販売サイト300が広告設定をカート獲得の優先条件にしていると仮定される場合、カートの取り合い状態において広告提供を新規に開始または広告提供の機会を増やす広告設定により、カート獲得のチャンスを高めることが可能になる。
【0092】
逆に、カートの取り合い状態において広告提供を停止または広告提供の機会を減らす設定変更を行うこともできる。例えば、出品者の広告提供の直後に競合商品にカートが移った場合、広告提供は必ずしも出品者の売り上げにつながらない。そのため、カートの取り合い状態において広告提供を停止または減らすことによって、売り上げ効果の比較的低い広告提供とその広告コストを抑制することが可能になる。
このようにして、出品管理部110によるカートの取り合い状態の判定に連携する形態で、広告管理部120による広告設定が自動的に実施される。
【0093】
ステップS43: 出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310から販売画面のカート履歴を取得する。出品管理部110は、このカート履歴に基づいて、出品者がカートを喪失した期間を非カート期間として管理する。
【0094】
ステップS44: 出品管理部110は、非カート期間が所定の閾値th2を超えたか否かを判定する。例えば、閾値th2は、非カート期間の増加が商品の売れ行きに影響するか否かを判断するための境界値である。非カート期間が閾値th2を超えた場合、出品管理部110はステップS45に動作を移行する。それ以外の場合、出品管理部110はステップS46に動作を移行する。
【0095】
ステップS45: 非カート期間が閾値th2を超えた場合、広告管理部120は、広告提供を新規に開始、または広告提供の機会を増やす方向に、販売サイト300の広告プラットフォーム320の広告設定を行う。
【0096】
販売サイト300が広告設定をカート獲得を優先する条件にしていると仮定される場合、非カート期間の延長に対して広告提供を新規に開始または広告提供の機会を増やす広告設定により、カート獲得の次回チャンスを高めることが可能になる。
このようにして、出品管理部110による非カート期間の判定に連携する形態で、広告管理部120による広告設定が自動的に実施される。
【0097】
ステップS46: 出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310から商品の出品価格の履歴を取得する。出品管理部110は、この出品価格の履歴に基づいて、競合商品との価格競争が小康状態に入ったタイミング(以下「価格小康タイミング」)を検出する。
【0098】
ステップS47: 価格小康タイミングに入った場合、出品管理部110はステップS48に動作を移行する。それ以外の場合、出品管理部110はステップS61に動作を移行する。
【0099】
ステップS48: 価格小康タイミングに同期して、広告管理部120は、広告提供の新規設定または設定変更を行う。
【0100】
例えば、カート獲得状態で価格小康タイミングに入った場合、広告管理部120は、広告提供を新規に開始、または広告提供の機会を増やす方向に、販売サイト300の広告プラットフォーム320の広告設定を行う。この価格小康タイミングでは、価格変動がしばらく起きないため、安定した出品価格の期間に広告提供を行うことによって、安定的な売り上げアップを期待することができる。
【0101】
このようにして、出品管理部110による価格小康タイミングの判定に連携する形態で、広告管理部120による広告設定が自動的に実施される。
【0102】
ステップS61: 出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310から競合商品の有無情報を取得する。競合商品がそもそも存在しないケース、または競合商品の在庫がないケースを単独状態として検出する。
【0103】
ステップS62: 販売サイト300に競合商品が存在しない単独状態の場合、出品管理部110はステップS63に動作を移行する。それ以外の場合、出品管理部110はステップS64に動作を移行する。
【0104】
ステップS63: 単独状態の判定に応じて、広告管理部120は、広告提供の新規設定または設定変更を行う。
【0105】
例えば、単独状態において、広告管理部120は、広告提供を新規に開始、または広告提供の機会を増やす方向に、販売サイト300の広告プラットフォーム320の広告設定を行う。その結果、単独状態で広告提供を行うことによって、安定的な売り上げアップを期待することができる。
【0106】
このようにして、出品管理部110による単独状態の判定に連携する形態で、広告管理部120による広告設定が自動的に実施される。
【0107】
ステップS64: 出品管理部110は、広告管理部120による広告提供の新規設定または設定変更の以降において、商品の売れ行きや売り上げや在庫期間の変化を継続的に監視する。この出品管理部110の監視結果に連携して、広告管理部120は、広告提供の効果判定を行う。
【0108】
ステップS65: 広告管理部120は、広告提供の効果判定に基づいて、広告提供が所定の効果を上げているか否かを判定する。例えば、広告提供による売れ行きや売り上げのアップ効果が、広告コストのアップを上回るか否かを判定する。また、広告提供による在庫期間の短縮(在庫コストや在庫リスクの軽減効果)が、広告コストのアップを上回るか否かを判定する。
【0109】
広告提供が所定の効果を上げている場合、広告管理部120は、広告提供の設定を維持することとして、ステップS07に動作を戻す。一方、広告提供が所定の効果を上げていない場合、広告管理部120は、ステップS66に動作を移行する。
【0110】
ステップS66: 広告管理部120は、広告提供が所定の効果を上げていないため、広告提供を中断、または広告提供の機会を減らす旨の設定を広告プラットフォーム320に行う。例えば、広告管理部120は、前述の広告予算配分AまたはCPC配分Bを引き下げて広告プラットフォーム320の広告設定を行うことにより、広告提供を中断、または広告提供の機会を減らすことが可能になる。この動作の後、広告管理部120は、ステップS07に動作を戻す。
【0111】
<出品価格、最低価格、ポイントの調整ルーチン>
続いて、前述したステップS09における「出品価格、最低価格、ポイントの調整ルーチン」について説明する。
【0112】
図6は、ステップS09で述べた出品価格、最低価格、ポイントの調整ルーチンを具体的に説明する流れ図である。
【0113】
この調整ルーチンは、上述した出品者支援方法の繰り返し動作に際して、「カート獲得者の出品価格などの競合価格の変化を価格モニタによって検出するタイミング」、「商品の出品にかかるコストの変化を検出したタイミング」、および「商品の広告にかかるコストの変化を検出したタイミング」などの状況変化にタイミングを合わせて、迅速かつ随時に実施される。
【0114】
以下、同図に示すステップ番号に沿って、この調整ルーチンを説明する。
【0115】
ステップS101: 広告管理部120は、出品中の商品について広告提供の設定を行っているか否かを判定する。広告提供の設定を行っている場合、広告管理部120はステップS102に動作を移行する。それ以外の場合、広告管理部120はステップS105に動作を移行する。
【0116】
ステップS102: 広告管理部120は、販売サイト300の広告プラットフォーム320に広告関連情報を照会することによって、商品の広告提供(広告クリックなど)によって発生した商品の広告コストを取得する。
【0117】
ステップS103: 広告管理部120は、ステップS08で求めたコンバージョン率に基づいて、販売サイト300において商品の販売(例えば全数販売)にかかる将来の広告コストを予測する。
【0118】
ステップS104: 広告管理部120は、現在までの広告コストと、将来の広告コストの予測とに基づいて、商品の販売に必要になる広告コストを見積もる。
【0119】
ステップS105: 出品管理部110は、商品について、最低利益、諸経費、仕入れコスト、および送料コストなどの基礎データを取得する。
【0120】
ステップS106: 出品管理部110は、販売サイト300の出品/価格改定プラットフォーム310に出品関連情報を照会することによって,商品について発生した販売手数料および保管手数料を取得する。
【0121】
ステップS107: 出品管理部110は、商品の在庫数、売れ行き、在庫期間などに基づいて、商品の販売(例えば全数販売)にかかる将来の販売手数料および保管手数料を予測する。
【0122】
ステップS108: 出品管理部110は、現在までの販売手数料および保管手数料と、将来の販売手数料および保管手数料の予測とに基づいて、商品の販売に必要になる販売手数料および保管手数料を見積もる。
【0123】
ステップS109: 出品管理部110は、ステップS06で設定された価格ルールに対して、商品の経費(広告コスト、最低利益、諸経費、仕入れコスト、送料コスト、販売手数料、保管手数料など)および競合価格を当てはめて、出品価格、最低価格、およびポイントを調整する。例えば、出品管理部110の最低価格設定部112は、価格ルールに定める条件に基づいて、コスト割れ(または長期在庫)を回避する範囲で商品の最低価格を自動調整する。さらに、出品管理部110の価格調整部114は、最低価格を下回らない範囲で、競合価格に追従するように出品価格およびポイントを自動調整する。
【0124】
このようにして、広告管理部120が管理する広告コストに連携する形態で、出品管理部110による出品価格などの調整が自動的に実施される。
【0125】
<実施例1の効果など>
【0126】
(1)実施例1では、出品管理部110は、出品/価格改定プラットフォーム310とのやり取りを出品者に代わって行い、商品の出品価格などを自動的に管理する。また、広告管理部120は、広告プラットフォーム320とのやり取りを出品者に代わって行い、商品の広告提供などを自動的に管理する。さらに、出品管理部110および広告管理部120は、随時または適時に互いの処理情報をやり取りする。したがって、出品管理の処理結果に連携して、好適なタイミングで広告管理を行うことが可能になる。また、広告管理の処理結果に連携して、好適なタイミングで出品管理を行うことが可能になる。
【0127】
(2)実施例1では、出品管理部110による出品価格の調整に連携して、広告管理部120は出品価格と最低価格との差分に応じて広告予算を自動的に調整する。したがって、出品価格が変更されて広告予算に使える予算枠が流動変化する状況下においても、適切なタイミングで自動調整される広告予算に基づいて広告提供を柔軟に調整することが可能になる。
【0128】
(3)実施例1では、出品管理部110による出品価格およびポイントの調整に連携して、広告管理部120は(出品価格-ポイント-最低価格)の差分に応じて広告予算を調整する。したがって、出品価格の他にポイントが変更されて広告予算に使える予算枠が流動変化する状況下においても、適切なタイミングで自動調整される広告予算に基づいて広告提供を柔軟に調整することが可能になる。
【0129】
(4)実施例1では、広告管理部120は、広告提供から販売に至るコンバージョン率に基づいて、商品の販売までに要する所要クリック数を予測し、広告予算を所要クリック数で除した値に応じて、CPC(Cost Per Click)を広告プラットフォーム320に設定する。したがって、コンバージョン率の状況に合わせてCPCを柔軟に調整することが可能になる。
【0130】
(5)実施例1では、出品管理部110は、商品の売れていない在庫期間を求める。一方、広告管理部120は、この在庫期間の長短変化に応じて、広告提供の新規設定または設定変更を行う。したがって、商品の売れ行きの状況変化に応じて、広告提供を柔軟に調整することが可能になる。
【0131】
(6)実施例1では、出品管理部110は、販売サイト300において出品者の商品がカートを獲得または喪失したカート切替タイミングを監視する。一方、広告管理部120は、このカート切替タイミングに同期して、広告提供の新規設定または設定変更を行う。したがって、カートを獲得したチャンスを逃さずに広告提供を調整することが可能になる。また、カートを喪失したタイミングで迅速に広告提供の調整対策を行うことが可能になる。
【0132】
(7)実施例1では、出品管理部110は、販売サイト300において商品と競合商品との間でカートの取り合い状態にあるか否かを判定する。一方、広告管理部120は、カートの取り合い状態の判定に連携して、広告提供の新規設定または設定変更を行う。例えば、カート獲得の条件に広告提供が作用する場合、カートの取り合い状態において広告提供を調整することにより、出品者の商品がカートを獲得する可能性を高くすることが可能になる。
【0133】
(8)実施例1では、出品管理部110は、販売サイト300において出品者の商品がカートをとれない非カート期間を判定する。一方、広告管理部120は、非カート期間の判定に応じて、広告提供の新規設定または設定変更を行う。したがって、非カート期間が長引くことによる売り上げ低下の対策として、広告提供を調整することが可能になる。
【0134】
(9)実施例1では、出品管理部110は、販売サイト300において商品と競合商品との価格競争が休止した価格小康タイミングを判定する。一方、広告管理部120は、この価格小康タイミングに同期して、広告提供の新規設定または設定変更を行う。したがって、価格が安定したチャンスを逃さずに広告提供を調整することにより、安定した売り上げを出品者は得ることが可能になる。
【0135】
(10)実施例1では、出品管理部110は、販売サイト300において商品と競合する競合商品の存在または在庫がない状態(単独状態)か否かを判定する。一方、広告管理部120は、単独状態の判定に応じて、広告提供の新規設定または設定変更を行う。したがって、単独状態のチャンスを逃すことなく、広告提供を調整して売り上げを高めることが可能になる。
【0136】
(11)実施例1では、広告管理部120は、販売サイト300において発生する広告コストを求める。一方、出品管理部110は、広告コストに応じて商品の出品価格を調整し、調整された出品価格を販売サイト300に設定する。したがって、広告コストの変化に連携して、広告コストに見合った出品価格を自動的に調整することが可能になる。
【0137】
(12)実施例1では、広告管理部120は、広告提供から販売に至るコンバージョン率に基づいて、商品の販売までにかかる広告コストを予測する。一方、出品管理部110は、予測された広告コストに応じて商品の出品価格を調整し、調整された出品価格を販売サイトに設定する。したがって、将来の広告コストの追加発生にも対応して、出品価格を自動的に調整することが可能になる。
【0138】
(13)実施例1では、出品管理部110は、商品の納品完了などの期間を経た後に、販売サイトに販売画面が新規公開される出品タイミングを取得する。一方、広告管理部120は、この出品タイミングの検出に連携して、商品の広告提供を自動的に新規設定する。したがって、新規商品の新規発売のチャンスを逃さずに広告提供を開始することが可能になる。
【0139】
また、出品者の立場では、商品の納品完了またはコード番号取得などのタイムラグを待たずに、広告設定が可能になるタイミング(広告可能タイミング)での広告設定を出品登録時に前もって予約することができる。したがって、出品者が広告設定が可能か否かを何度も確認するための手間と待ち時間が不要になる。また、広告可能タイミングから遅滞少なく広告提供を開始することによって、商品の販売サイト300での発売開始のチャンスを逃さずに広告提供を開始することが可能になる。
【0140】
<実施例の補足事項>
なお、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであって、必ずしも説明した全てのステップや構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施例のステップや構成の一部について、削除、他のステップや構成の追加・置換をすることが可能である。
【0141】
また、上述した実施例では、説明を分かり易くするために、販売サイト300(出品/価格改定プラットフォーム310および広告プラットフォーム320)の機能を一例として、それに対応した出品者支援システム100(出品管理部110および広告管理部120)の役割分担を説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、販売サイト300の実際の機能に合わせて出品管理部110および広告管理部120の役割分担を柔軟に設計することが好ましい。
【0142】
また、販売サイト300におけるカート獲得の条件については、販売サイト300が独自に決定するものである。したがって、前述したカート獲得の条件については、説明を分かり易くするために挙げた仮定の条件に過ぎない。
【0143】
さらに、上述した実施例では、閾値判定などに基づいて広告提供の設定を行う一例について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、出品管理の情報をテーブルデータや条件群に参照し、その参照結果に基づいて広告管理を行ってもよい。また、広告管理の情報をテーブルデータや条件群に参照し、その参照結果に基づいて出品管理を行ってもよい。
【0144】
また、上述した実施例(
図2~
図5参照)では、動作の繰り返しの頻度や間隔について限定していない。しかしながら、日単位よりも、時間単位、分単位、秒単位など即時性を高めるように出品者支援システム100のサーバ構成を行うことが好ましい。例えば、販売サイト300から通知を受け取るたびに出品者支援システム100が即時対応して動作することによって、出品者の販売チャンスをなるべく逃さずに売り上げを確実に高めることが可能になる。
【0145】
さらに、上述した実施例では、非カート期間において広告設定を行う旨の動作について説明した。しかしながら、出品者の広告提供数が多く、販売サイト300が定める広告設定の上限数に到達し得る場合、非カート期間に入った商品の広告を細かく打ち切る設定にしてもよい。その場合、非カートによって打ち切った広告提供の枠を、カート獲得している別商品に対して効率的に割り振ることが可能になる。このような動作もカート切替タイミングに応じた広告設定の変更により実現できる。
【0146】
また、上述した実施例では、説明を分かり易くするために、商品ごとに広告設定を行う動作について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されない。例えば、複数の商品からなる商品グループまたはキャンペーンを単位に広告設定を行うようにしてもよい。例えば、出品管理部110は、商品グループまたはキャンペーンを単位に出品管理を行って、それに連携して広告管理部120は商品グループまたはキャンペーンを単位に広告管理を行ってもよい。また例えば、出品管理部110は、商品グループ内またはキャンペーン内の一つ以上の目玉商品について出品管理を行って、それに連携して広告管理部120は商品グループまたはキャンペーンを単位に広告管理を行ってもよい。
【0147】
さらに、上述した実施例において、広告提供と売り上げ変化との関係を学習(機械学習など)することにより、商品に対する広告提供に適切なタイミングを自動判定して広告提供を行うようにしてもよい。その場合も、上述した出品管理部110と広告管理部120との連携動作を基台として実現することが可能である。
【0148】
また、上述した実施例において、販売サイト300の広告の表現としては様々な態様が可能である。例えば、販売サイト300において閲覧者が商品検索を行った場合に、検索結果の上位枠や別枠に当該商品を掲示する掲示態様を広告としてもよい。さらに、広告と意識させないタイプの自然な広告の表現(いわゆるネーティブ広告)を広告としてもよい。
【符号の説明】
【0149】
NN…ネットワーク、100…出品者支援システム、110…出品管理部、111…価格ルール設定部、112…最低価格設定部、113…競合価格モニタ部、114…価格調整部、120…広告管理部、121…広告予算調整部、122…広告設定部、200…出品者端末、300…販売サイト、310…出品/価格改定プラットフォーム、320…広告プラットフォーム