(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】記録作成支援装置、支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20180101AFI20230714BHJP
【FI】
G06Q50/22
(21)【出願番号】P 2022193086
(22)【出願日】2022-12-01
【審査請求日】2022-12-05
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522470275
【氏名又は名称】株式会社ミンナのミカタHD
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】兼子 文晴
【審査官】今井 悠太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-154716(JP,A)
【文献】特開2013-003902(JP,A)
【文献】特開2017-068450(JP,A)
【文献】特開2007-257311(JP,A)
【文献】国際公開第2020/003715(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G16H 10/00ー80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の施設における記録の作成を支援する記録作成支援装置であって、
前記所定の施設に入所している作業者の行動を検知する検知手段と、
前記作業者の所定の行動を検知したことに応じて、前記作業者を特定する情報と関連づけて、前記所定の行動に応じた記録情報を時刻情報と共に記憶
し、更に、少なくとも前記作業者を担当する担当職員の目線で入力した前記作業者に関する各種情報も前記記録情報として記憶し、これら記憶した前記記録情報及び前記時刻情報に基づき、前記作業者に関する日々の記録においての所定の欄への記憶を行う記憶手段と、
を含む記録作成支援装置。
【請求項2】
前記所定の施設における複数の職員のうち、少なくとも前
記担当職員に、前記記録情報について報知する報知手段を更に含み、
前記記憶手段は、前記担当職員からの確認入力を受け付けたことに応じて、前記記録情報に前記担当職員を特定する情報も関連付けて記憶する、
請求項1に記載の記録作成支援装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記担当職員に対し前記確認入力に関して前記記録情報の確認該当部位及び検知した内容を出力し確認を求める、
請求項2に記載の記録作成支援装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記担当職員とは別の職員に対しても前記記録情報について報知し、
前記記憶手段は、前記別の職員からの確認入力を受け付けたことに応じて、前記記録情報に前記別の職員を特定する情報も関連付けて記憶する、
請求項2又は3に記載の記録作成支援装置。
【請求項5】
前記検知手段は、前記作業者の心理状態、体調、及び特異な言動のうち少なくとも1つを前記所定の行動として検知する、
請求項1に記載の記録作成支援装置。
【請求項6】
前記記憶手段は、前記所定の施設における日が浅く支援に不安があるスタッフに対する教育用として前記作業者に関する動画や音声の情報を前記記録情報から抽出する、
請求項1に記載の記録作成支援装置。
【請求項7】
前記記憶手段は、日報、短時間利用減算算定シート、就労継続支援実績記録票、及び施設外就労実績報告書のうち少なくとも1つにおいての所定の欄への記憶も行う、
請求項1に記載の記録作成支援装置。
【請求項8】
所定の施設における記録の作成を支援する記録作成支援装置に実行させる支援方法であって、
前記所定の施設に入所している作業者の行動を検知する検知ステップと、
前記作業者の所定の行動を検知したことに応じて、前記作業者を特定する情報と関連づけて、前記所定の行動に応じた記録情報を時刻情報と共に記憶し、更に、少なくとも前記作業者を担当する担当職員の目線で入力した前記作業者に関する各種情報も前記記録情報として記憶し、これら記憶した前記記録情報及び前記時刻情報に基づき、前記作業者に関する日々の記録においての所定の欄への記憶を行う記憶ステップと、
を含む、支援方法。
【請求項9】
所定の施設における記録の作成を支援する記録作成支援装置を制御するコンピュータに、
前記所定の施設に入所している作業者の行動を検知する検知ステップと、
前記作業者の所定の行動を検知したことに応じて、前記作業者を特定する情報と関連づけて、前記所定の行動に応じた記録情報を時刻情報と共に記憶し、更に、少なくとも前記作業者を担当する担当職員の目線で入力した前記作業者に関する各種情報も前記記録情報として記憶し、これら記憶した前記記録情報及び前記時刻情報に基づき、前記作業者に関する日々の記録においての所定の欄への記憶を行う記憶ステップと、
を含む処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録作成支援装置、支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
福祉施設において職員が送信したメールに基づきケース記録表等の書類を作成する記録作成装置が知られている(下記特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術は、ケース記録表等の書類作成にあたり、福祉施設等の職員がメールを送信しなければならず、また、施設内での作業者の行動に基づいて作業開始・終了を検知するような技術でもなかった。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、職員のメール送信によることなく作業者の行動記録の作成を支援することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的を達成するため、本発明の一態様の記録作成支援装置は、
所定の施設における記録の作成を支援する記録作成支援装置であって、
前記所定の施設に入所している作業者の行動を検知する検知手段と、
前記作業者の所定の行動を検知したことに応じて、前記作業者を特定する情報と関連づけて、前記所定の行動に応じた記録情報を時刻情報と共に記憶する記憶手段と、
を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、職員のメール送信によることなく作業者の行動記録の作成を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る記録作成支援システムにより提供される本サービスの概要例を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る記録作成支援システムに関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】サーバ及び記録端末の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】サーバの処理動作の流れの一例を示す図である。
【
図6】管理者端末等の端末における画面表示の一例を示す図である。
【
図7】日々の記録に係る画面表示の一例を示す図である。
【
図9】
図8の帳票において示せなかった一部の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<本サービスの概要について>
本発明の一実施形態に係る記録作成支援システム100の適用対象となるサービス(以降「本サービス」と呼ぶ)の概要を説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る記録作成支援システム100により提供される本サービスの概要例を示す図である。
【0010】
本サービスでは、サーバ1(記録作成支援装置)を用いて、従来のようなメール送信によることなく、作業者SGの行動記録(例えば、日報等)の作成をより幅広く支援することを目的とする。そのため、本サービスでは、作業者SGの各種行動を検知して作業者SGの所定の行動に応じた記録情報(行動記録の情報)を時刻情報と共に記憶することができるようにしている。
また、本サービスでは、第三者性を以て作業者SGの行動記録の作成を支援することも目的とする。そのため、本サービスでは、担当職員Pのみならず別な職員Qにも記録情報を報知して、記録情報における確認該当部位及び検知した内容の確認を求めるようにしている。
前述の作業者SGは、例えば、就労継続支援施設を利用して作業をする者である。また、担当職員Pや別な職員Qは、就労継続支援施設で働く(就労継続支援施設に属する)職員である。
【0011】
図1には、記録作成支援システム100として、サーバ1(記録作成支援装置)と、記録端末2とが示される。
サーバ1(記録作成支援装置)と、記録端末2は、所定のネットワークN(
図2参照)により接続される。
サーバ1は、本サービスを提供する情報処理装置である。サーバ1は、所定の施設における作業者SGの行動記録の作成を支援するために備えられる。
記録端末2は、作業者SGの所定の行動を検知するための情報処理端末である。記録端末2は、例えば、符号2-1や2-nで示すように、施設内に複数存在する(後者のnは2以上の整数値である。総称する場合は記録端末2と称する)。なお、ここでは図示しないが、施設外でも記録端末2は用いられる。施設内及び施設外に関し、前者は、例えば、作業者SGが利用する就労継続支援施設の建物内が作業場となる箇所が該当する。また、後者は、就労継続支援施設から移動が必要になるような、別の区域に存在する作業場が該当する。後述するが、施設内の天井等とは、例えば、就労継続支援施設の建物における天井が該当する。
記録端末2-1は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)であって、作業者SGの作業の際に用いられる。即ち、記録端末2-1は、作業用端末である。このような記録端末2-1は、ここでは作業者SGの顔情報(顔画像情報)を取得する機能を有する。
記録端末2-nは、施設内の天井等に一又は複数設置されるカメラ(所謂監視カメラと同等の機能を有する)であって、少なくとも作業者SGの所定の行動を撮像するために用いられる。
なお、
図1には示してないが、温度センサや振動センサ、人感センサ等の各種センサを備えた装置、或いはマイクを備えて音声情報を取得する装置等も、記録端末2に該当する。また、記録端末2には、作業者SGを担当する担当職員P等が使用するウェアブルカメラ・マイクのような装置も該当する。
【0012】
図1の概要例では、作業者SGの施設内作業における行動記録の作成を支援するものとする。
この概要例では、サーバ1を中心に
図1の紙面左上から紙面右回り(時計回り)に作業者SGの施設内作業の流れを表している。
なお、ここでは概要例を説明するが、詳細は
図5を参照しながら後述する。
【0013】
例えば、作業開始時間になり、作業者SGが自身の作業用端末である記録端末2-1を起動させると、記録端末2-1は、作業者SGの顔を撮像して顔情報を取得し、サーバ1に送信する。サーバ1は、記録端末2-1で取得した顔情報に基づき顔認証を行い、作業者SGを特定する。作業者SGを特定した情報は、サーバ1に記憶される。
【0014】
各種の記録端末2(記録端末2-1、或いはカメラである記録端末2-n等)のうち少なくとも一つは、作業者SGが作業を開始したことを検知する。作業者SGの作業開始に係る情報はサーバ1に送信され、そしてサーバ1でも作業者SGが作業を開始したと検知する。サーバ1は、作業者SGが作業を開始したことにより、作業者SGを特定した情報を関連付けて、この記録情報(行動記録の情報)を時刻情報と共に記憶する。
【0015】
その後、記録端末2-1、或いは記録端末2-n等の各種の記録端末2は、作業者SGの作業に係る行動(作業自体は勿論のこと、作業の中断、作業の再開、休息等も含む)を検知する。作業者SGの作業に係る行動の情報はサーバ1に送信され、そしてサーバ1でも作業者SGの作業に係る行動を検知して、受信した作業に係る行動の情報に対し、作業者SGを特定した情報を関連付けて、記録情報を時刻情報と共に記憶する。
【0016】
本サービスでは、作業者SGが作業を開始した時や、作業者SGの作業途中での行動の変化があった時に、その旨が作業者SGの担当職員Pに報知される。具体的には、サーバ1の制御により担当職員Pの職員端末3-1に所定の記録情報がポップアップ等で出力されて、その結果、担当職員Pは作業者SGの作業開始や、作業途中での行動の変化を知ることができる。
【0017】
本サービスでは、作業者SGの作業開始時の様子に関する情報や作業内容に関する情報、作業中断時の状況に関する情報等、担当職員Pの目線での各種情報を入力した記録情報が職員端末3-1からサーバ1へ送信される。サーバ1では、担当職員Pから送信されて受信した記録情報を記憶する。
【0018】
各種の記録端末2(記録端末2-1、或いは記録端末2-n等)のうち少なくとも一つは、作業終了時間になると、作業者SGが作業を終了したことを検知する。作業者SGの作業終了に係る情報はサーバ1に送信され、そしてサーバ1でも作業者SGが作業を終了したことを検知する。そして、受信した作業終了に係る情報に対し、作業者SGを特定した情報を関連付けて、この記録情報を時刻情報と共に記憶する。
【0019】
本サービスでは、作業者SGの作業終了に伴い、或いは所定のタイミングで、記録情報がサーバ1から担当職員Pに報知される。担当職員Pには、記録情報における確認該当部位及び検知した内容に対し確認入力が要求される。
担当職員Pは、記録情報における確認該当部位及び検知した内容に対して確認入力をすると、この担当職員Pからの確認入力は、職員端末3-1からサーバ1へ送信される。サーバ1では、担当職員Pから送信された確認入力を受け付け、これに応じて担当職員Pを特定する情報も関連付けて記録情報を記憶する。
【0020】
本サービスでは、担当職員Pへの報知や確認入力の要求が、担当職員Pとは別の職員Qに対しても行われる。即ち、別の職員Qも確認することから、第三者性を以て記録情報を記憶することができる。なお、記録情報の確認は、例えば、作業者SGが記録端末2-1からできるようにしてもよい。
【0021】
以上、本サービスでは、作業者SGが所定の行動をとることで検知された情報を、記録情報(行動記録の情報)として記憶しておくことができる。また、本サービスでは、担当職員Pとは別の職員Qも記録情報を確認できることから、第三者性を以て記録情報を記憶することができる。
記録情報を記憶することから分かるように、本サービスは、例えば、日報等の行動記録を自動又は半自動で作成できるよう支援することができるサービスである。
【0022】
<記録作成支援システム100に関するシステム構成について>
図2は、本発明の一実施形態に係る記録作成支援システム100に関するシステム構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
記録作成支援システム100は、サーバ1(記録作成支援装置)と、記録端末2と、職員端末3と、管理者端末4と、これらを接続するインターネット等の所定のネットワークNとを備えて構成される。
記録端末2、職員端末3、及び管理者端末4は、ここでは一又は複数あるものとする(nは1以上の整数であるものとする)。
サーバ1は、例えば、負荷が重すぎる場合、複数あってもよいものとする。
【0024】
記録端末2は、作業者SGの所定の行動を検知する情報処理端末であって、施設内作業の場合としては、例えば、記録端末2-1と、記録端末2-nと、図示しない記録端末とが挙げられる。
記録端末2-1は、作業者SGが作業の際に用いる作業用端末(例えば、パーソナルコンピュータ(PC))が該当する。記録端末2-1は、ここでは作業者SGの顔を撮像することができる機能を有する。
記録端末2-nは、施設内の天井等に一又は複数設置されるカメラ(所謂監視カメラと同等の機能を有する)が該当する。記録端末2-nは、少なくとも作業者SGの所定の行動を撮像することができる。
前述の図示しない記録端末は、温度センサや振動センサ、人感センサ等の各種センサを備えた装置が該当する。また、図示しない記録端末は、マイクを備えて音声情報を取得する装置等も該当する。
一方、施設外作業の場合としては、例えば、記録端末2-n-1と、記録端末2-n-2と、記録端末2-n-3と、図示しない記録端末とが挙げられる。なお、符号の「n」の後に続く「-」は、「マイナス」を示す符号であるものとする。例えば、「n-1」は、整数nから1を差し引いた数値の符号になる。
記録端末2-n-1は、施設外作業に同行する職員が携帯して作業者SGの所定の行動を撮像したり、或いは会話を録音したりすること等が可能な装置(例えば、スマートフォンやウェアブルカメラ・マイクのような装置)が該当する。
記録端末2-n-2は、例えば、施設外作業場と施設との間の作業者SGの送迎等に利用されるバスB内に設置されて、作業者SGの所定の行動を撮像したり、体温の変化を記録したり、或いは会話を録音したりすること等が可能な装置が該当する。
記録端末2-n-3は、例えば、施設外作業場と施設との間の作業者SGの送迎等に利用される自動車C内に設置されて、作業者SGの所定の行動を撮像したり、作業者SGの体調管理として体温の変化を記録したり、或いは会話を録音したりすること等が可能な装置が該当する。
以上のような記録端末2-1~2-nは、これら端末を総称する場合に符号2を用いることにする。
【0025】
職員端末3及び管理者端末4は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、スマートフォン等の端末である。
【0026】
<サーバ1のハードウェア構成について>
図3は、サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0027】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備える。
【0028】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0029】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14によって相互に接続される。このバス14には、入出力インターフェース15が接続される。
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続される。
【0030】
出力部16は、例えば、ディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。入力部17は、各種ハードウェア等で構成され、各種情報を入力する。
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、所定のネットワークNによって記録端末2、職員端末3、及び管理者端末4との間で行う通信を制御する。
【0031】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。
ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0032】
以上のようなサーバ1に関し、前述の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
また、記録端末2、職員端末3、及び管理者端末4に関しても、これらの各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、後述する各種処理が実現されるようになる。
【0033】
<各端末のハードウェア構成について>
前述の職員端末3及び管理者端末4のハードウェア構成は、ここでは特に図示しないが、前述のサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様である。即ち、CPUと、ROMと、RAMと、バスと、入出力インターフェースと、出力部(表示部)と、入力部と、記憶部と、通信部と、ドライブとを備えて構成される。
前述の記録端末2のハードウェア構成も基本的に前述のサーバ1のハードウェア構成と同様であるが、ここでは、後述する
図4に示すように、記録管理部201(例えば、CPU)と、撮像部204と、センサ部205と、マイク部206と、記憶部207と、通信部208とを備えて構成される。
【0034】
<サーバ1及び記録端末2の機能的構成について>
図4は、サーバ1及び記録端末2の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。なお、
図4以外に、必要に応じて
図1乃至
図3も参照する。
先ず、記録端末2の機能的構成の一例を説明し、次に、サーバ1の機能的構成の一例を説明する。
【0035】
[記録端末2]
記録端末2は、記録管理部201と、撮像部204と、センサ部205と、マイク部206と、記憶部207と、通信部208とを備える。
記録管理部201は、記録制御部202と、送信制御部203とを有する。別な言い方をすれば、記録管理部201においては、動作する際に、記録制御部202と、送信制御部203とが機能する。
記録制御部202は、撮像部204、センサ部205、及びマイク部206等を制御する。具体的には、記録制御部202は、作業者SGの顔を撮像して顔情報を取得したり、作業者SGの行動を撮像して所定の行動の情報を取得したり、作業者SGの体温を測定してその変化に係る情報を取得したり、或いは作業者SGの会話を録音して音声の情報を取得したりする。
なお、作業者SGの顔を撮像して顔情報を取得した後、顔認証をするための制御(作業者SGを特定するための制御)を記録端末2側で実行してもよい。
送信制御部203は、記録制御部202の制御により取得された各種情報が所定のタイミングで通信部208を介しサーバ1に送信されるようにする。
撮像部204と、センサ部205と、マイク部206は、記録端末2の種別に応じて適宜設定される。撮像部204は、作業者SGの顔や行動等を撮像する。センサ部205は、作業者SGの体温や血圧等を測定したり、施設内の温度等を測定したりする。マイク部206は、作業者SGの会話や施設内の騒音等を録音する。
記憶部207は、各種の情報を記憶する。例えば、作業者SGの行動に係る動画や作業者SGの会話の録音を記憶しておくことで、作業者SGの作業状況の確認や作業者SGへの職員の声掛けの仕方の把握等、利用することができる。
【0036】
[サーバ1]
サーバ1は、CPU11と、記憶部18と、通信部19等とを備える。サーバ1には、通信部19によって記録端末2、職員端末3、及び管理者端末4が夫々接続されて、これらは通信可能になっている。
CPU11は、受信制御部111と、画面管理部112と、作業者管理部113と、作業記録管理部114と、帳票管理部115と、サビ管管理部116と、職員管理部117と、送信制御部118とを有し、作業記録管理部114は、検知制御部114a(検知手段)と、記憶制御部114b(記憶手段)と、報知制御部114c(報知手段)とを有する。
別な言い方をすれば、サーバ1のCPU11においては、動作する際に、受信制御部111と、画面管理部112と、作業者管理部113と、作業記録管理部114と、帳票管理部115と、サビ管管理部116と、職員管理部117と、送信制御部118とが機能する。また、検知制御部114aと、記憶制御部114bと、報知制御部114cとが機能する。
サーバ1の記憶部18においては、この一領域に、作業者特定情報DB181と、作業者記録情報DB182と、職員特定情報DB183と、サービス管理情報DB184とが構築される。
【0037】
サーバ1のCPU11における受信制御部111は、記録端末2から、顔情報や所定の行動の情報、体温の変化に係る情報、音声の情報等が送信される都度、当該情報が通信部19によって受信されるようにする。また、受信制御部111は、職員端末3から、例えば、記録情報(行動記録の情報)に対する確認入力(後述する)等が送信される都度、当該確認入力が通信部19によって受信されるようにする。また、受信制御部111は、管理者端末4から、所定の情報等が送信される都度、当該情報等が通信部19によって受信されるようにする。
【0038】
画面管理部112は、職員端末3や管理者端末4の表示部Gに表示される画面情報を管理する。なお、表示部Gに表示される画面の例については
図6を参照しながら後述する。
【0039】
作業者管理部113は、施設(所定の施設)に入所している作業者SGの情報を管理する。具体的には、作業者管理部113は、作業者SGのID(Identification)や、氏名、作成日時、更新日時、利用開始日、利用終了日、受給者証期限、受給者証番号、生年月日、本日日付、年齢、郵便番号、住所、電話番号、緊急連絡先、続柄、手帳種別、手帳等級、年金種別、年金番号、生活保護受給、備考等の情報を管理する。
また、作業者管理部113は、施設に入所している作業者SGの顔情報から顔認証を行い、作業者SGを特定すると共にこの特定情報を管理する。
作業者管理部113は、作業者SGに関する情報(認証用の顔情報も含む)を作業者特定情報DB181に記憶する。
【0040】
作業記録管理部114における検知制御部114aは、受信した顔情報や所定の行動(作業の開始・終了等)の情報、体温の変化に係る情報、音声の情報等から、作業者SGの行動を検知する。
【0041】
作業記録管理部114における記憶制御部114bは、作業者SGの所定の行動(作業の開始・終了等)を検知したことに応じて、作業者SGを特定する情報(ID等)と関連づけて、所定の行動(作業の開始・終了等)に応じた記録情報(行動記録の情報)を時刻情報と共に作業者記録情報DB182に記憶する。
なお、記録情報としては、作業者SGに関する日々の記録(
図7参照)や日報の他、例えば、短時間利用減算算定シート(
図8及び
図9参照)、就労継続支援実績記録票(
図10参照)、施設外就労実績報告書(
図11参照)等(これらの作成、或いは入力作業等に関する情報を含む)、様々な行動記録の情報が該当する。
記憶制御部114bは、記録情報の記憶の他、担当職員Pからの確認入力(後述する)を受け付けたことに応じても記憶をする。具体的には、記録情報に対し担当職員Pを特定する情報も関連付けて作業者記録情報DB182に記憶する(担当職員Pとは別の職員Qに対しても同様に記憶する)。
【0042】
作業記録管理部114における報知制御部114cは、担当職員Pや別の職員Qに対し記録情報を報知する。具体的には、作業者SGの一日の作業終了に伴い、或いは所定のタイミングで、担当職員Pや別の職員Qが夫々操作する職員端末3に対し、例えば、ポップアップ等で記録情報が出力されるようにする。なお、職員端末3に出力された記録情報には、当該記録情報における確認該当部位及び検知した内容に対し、確認入力が要求される。
担当職員Pや別の職員Qから、確認該当部位及び検知した内容に対して確認した旨の入力がなされると、この確認入力はサーバ1に送信される。
【0043】
帳票管理部115は、前述の実績記録票を含む各種書類の記録、個別支援計画等の帳票を管理する。また、帳票管理部115は、帳票等のアクセス権限等(印刷等)を管理する。
【0044】
サビ管管理部116は、サービス管理に関し、これを管理する。具体的には、個別支援計画(事業所作成)、アセスメント(相談支援)、その他情報に関して管理する。例えば、個別支援計画(事業所作成)では、今月期限や来月期限のような計画の期限が近い利用者(事業所を利用する利用者)の一覧を管理者端末4の表示部Gに表示させるような管理をする。また、例えば、アセスメントでは、確認したい利用者を選択することで、夫々の相談員が作成したアセスメントを見ることができるように管理する。サビ管管理部116は、サービス管理に関し、各種の情報をサービス管理情報DB184に記憶する。
【0045】
職員管理部117は、施設(所定の施設)で働く複数の職員(担当職員Pや別の職員Q等)の情報を管理する。具体的には、職員管理部117は、各職員のID(Identification)や、氏名、担当する作業者SGの氏名やID等を管理する。職員管理部117は、職員の各種の情報を職員特定情報DB183に記憶する。
【0046】
送信制御部118は、前述の記録情報が配置されたポップアップ等が通信部19によって職員端末3や管理者端末に向けて送信されるようにする。
【0047】
[記憶部18]
記憶部18における作業者特定情報DB181には、作業者SGに関する各種の情報が記憶される。
作業者記録情報DB182には、作業者SGの所定の行動(作業の開始・終了等)に応じた記録情報(行動記録の情報)が記憶される。
職員特定情報DB183には、複数の職員(担当職員Pや別の職員Q等)に関する各種の情報が記憶される。
サービス管理情報DB184には、サービス管理に関する各種の情報が記憶される。
【0048】
<サーバ1の処理動作の流れについて>
図5は、サーバ1の処理動作の流れの一例を示す図である。なお、
図5以外に、必要に応じて
図2乃至
図4も参照する。
【0049】
作業者SG(利用者)は、施設(所定の施設)に到着した後、作業開始時間まで他の作業員SGや担当職員P等と会話をしたりして時間を過ごす。担当職員Pは、作業者SGと会話や挨拶をすることにより、作業者SGの様子を確認したりすることができる(この時、担当職員Pのウェアブルカメラ・マイクを用いてもよい)。
作業開始時間になり、作業者SGが自身の作業用端末である記録端末2-1を起動させると、記録端末2-1は、撮像部204により作業者SGの顔を例えば自動的に撮像して顔情報を取得する。顔情報が取得されると、この情報は記録端末2-1からサーバ1に送信される。サーバ1では、通信部19によって顔情報が受信され、作業者管理部113は、受信した顔情報に基づき作業者SGの顔認証を行って作業者SGを特定する。
記録端末2-1では、前述の顔情報の送信の他に、作業者SGが作業を開始したことを検知する(カメラである記録端末2-nが作業を開始したことを検知してもよい)。作業者SGの作業開始に係る情報は、サーバ1に送信され、サーバ1の検知制御部114aでも作業者SGが作業を開始したと検知する。
記憶制御部114bでは、作業者SGが作業を開始したことに応じて、作業者SGを特定する情報(ID等)と関連づけて、所定の行動(作業の開始)に応じた記録情報(行動記録の情報)を時刻情報と共に作業者記録情報DB182に記憶する。
例えば、作業者SGに関する日々の記録(
図7参照)や日報(図示省略)に対し、これらの作業開始時間の欄には、作業者SGの作業開始時間が入力される。
【0050】
作業者SGの作業開始後、報知制御部114cは、少なくとも担当職員Pに対し作業者SGが作業を開始したことを報知する。この報知として、担当職員Pが操作する職員端末3-1には、例えば、ポップアップ等で記録情報(行動記録の情報)が表示される。担当職員Pは、表示された記録情報から作業者SGが作業を開始したことを確認する。なお、担当職員Pは、例えば、このタイミングで作業者SGの作業開始前の状況(体調等の様子)を記録として残しておくことが好ましい。
【0051】
作業者SGの作業中、記録端末2-1、或いは記録端末2-n等の各種の記録端末2は、作業者SGの作業に係る行動を検知する。例えば、休息等で作業が中断されれば、その中断が記録端末2で検知され、サーバ1の検知制御部114aでも検知される。記憶制御部114bでは、休息等による作業の中断に応じて、作業者SGを特定する情報(ID等)と関連づけて、所定の行動(作業の中断)に応じた記録情報(行動記録の情報)を時刻情報と共に作業者記録情報DB182に記憶する。なお、動画や音声を残しておくことで、作業の中断等が生じた状況(トイレ休憩なのか、例えば、居眠りをしてしまったのか等)を職員や管理者が後から確認できるようにしておくことが好ましい。
【0052】
作業終了時間になると、記録端末2-1、或いは記録端末2-nが作業者SGの作業終了したことを検知する。作業者SGの作業終了に係る情報は、サーバ1に送信され、サーバ1の検知制御部114aでも作業者SGが作業を終了したと検知する。
記憶制御部114bでは、作業者SGが作業を終了したことに応じて、作業者SGを特定する情報(ID等)と関連づけて、所定の行動(作業の終了)に応じた記録情報(行動記録の情報)を時刻情報と共に作業者記録情報DB182に記憶する。
例えば、作業者SGに関する日々の記録(
図7参照)や日報(図示省略)に対し、これら帳票における作業終了時間の欄には、作業者SGの作業終了時間が記憶される。
【0053】
作業者SGの作業終了後、この作業終了に伴い、或いは所定のタイミングで、報知制御部114cは、担当職員Pに対し作業者SGが作業を終了したことを報知する。担当職員Pが操作する職員端末3-1には、例えば、ポップアップ等で記録情報(行動記録の情報)が表示される。担当職員Pは、表示された記録情報から作業者SGが作業を終了したことを確認する。なお、担当職員Pには、記録情報における確認該当部位及び検知した内容に対し確認入力が要求される。確認該当部位及び検知した内容は、例えば、ハイライト表示される。
担当職員Pは、記録情報における確認該当部位及び検知した内容に対して確認した旨の確認入力をすると、この担当職員Pからの確認入力は、職員端末3-1からサーバ1へ送信される。サーバ1では、担当職員Pから送信された確認入力を受け付け、これに応じて担当職員Pを特定する情報も関連付けて記録情報を記憶する。
担当職員Pへの報知や確認入力の要求は、担当職員Pとは別の職員Qに対しても行われる。即ち、別の職員Qの職員端末3-2にも、例えば、ポップアップ等で記録情報(行動記録の情報)が表示され、また、記録情報における確認該当部位及び検知した内容に対し確認入力が要求される。別の職員Qも確認することから、第三者性を以て記録情報を記憶することができる。なお、第三者性のレベルは、標準化した業務管理認証を所定の施設が受ける際の証拠として使用することができる。
【0054】
<画面表示について>
図6は、管理者端末4等の端末における画面表示の一例を示す図である。符号Gはここでは管理者端末4の表示部Gを示す。なお、詳細は省略するが、職員端末3にも適用可能である。
【0055】
図6の左側に示す表示部Gには、ホーム画面が表示される。このホーム画面には、図示しない管理者がクリック等をすることができる選択ボタンBT1~BT4が設けられる。これらのうち選択ボタンBT1は、利用者情報(作業者情報)に関するボタンである。また、選択ボタンBT2は、日々の記録に関するボタンである。また、選択ボタンBT3は、帳票印刷(国保連請求)に関するボタンである。また、選択ボタンBT4は、サービス管理に関するボタンである。
例えば、日々の記録に関するボタンBT2をクリックすると(押すと)、
図6の真ん中の表示部Gに画面が遷移する。真ん中の表示部Gには、(1)~(n)のボックスが表示される。この(1)~(n)のボックスには、特に図示しないが、所定の施設に登録された利用者(作業者)の名前が表示される。
例えば、利用者(作業者)の名前が記載された(1)のボックスをクリックすると(押すと)、
図6の右側の表示部Gに画面が遷移する(具体的には、
図7に示すような日々の記録に係る画面に遷移する)。
【0056】
<日々の記録に係る画面について>
図7は、例えば、
図6における(1)のボックスに記載された利用者(作業者)の、日々の記録に係る画面表示の一例を示す図である。
【0057】
日々の記録には、利用者情報として氏名欄があり、利用者(作業者)の氏名が表示される。また、日々の記録には、利用内容について表示される。具体的には、作業記録管理部114の機能により自動的に記入された、日付や開始時間、終了時間、作業時間等が所定の欄に表示される。この他、日々の記録には、コメントについて表示される。コメントにおける記入担当者の欄には、例えば、担当職員Pの名前が表示される。また、例えば、利用者(作業者)の作業状態として、担当職員Pが入力できる欄があり、担当職員Pによって入力された、例えば、「もくもくと作業を進めていた。」が表示される。
【0058】
<行動記録の自動又は半自動作成の例について>
[短時間利用減算算定シート]
図8及び
図9は、帳票(その1)の一例を示す図である。具体的には、就労継続支援A型における短時間利用減算算定シート(R3年8月からR3年10月分)を一例として示す図である。
なお、利用時間とは、施設を利用した時間であり、例えば、作業時間にお昼の休息時間を加えたような時間である。
【0059】
図8に示す短時間利用減算算定シートを見ると、利用者の氏名を入力する複数の欄、利用者ごとの利用実績を入力する欄、3ヶ月の合計利用時間が表示される欄、3ヶ月の合計利用者数が表示される欄、及び、直近3ヶ月の平均利用時間が表示される欄があることが分かる。また、
図9に示すように、短時間利用減算算定シートを見ると、利用者の週ごとの利用実績の合計が表示される欄、20時間未満利用者数が表示される欄、当該週利用者数が表示される欄、及び、利用者数に占める割合が表示される欄等があることが分かる。
以上のような各欄は、作業記録管理部114の機能により自動的に記入される。即ち、例えば、担当職員Pが一々入力する必要はない。
【0060】
[就労継続支援実績記録票]
図10は、帳票(その2)の一例を示す図である。具体的には、就労継続支援実績記録票を一例として示す図である。
【0061】
図10に示す就労継続支援実績記録票を見ると、日付、曜日、開始時間(時)、終了時間(時)、利用時間、施設外(1)、勤務時間数、施設外時間数、出勤日数、利用者確認印、作業名・作業場所、及び備考等が表示される欄等があることが分かる。
以上のような各欄に対しても、
図8及び
図9と同様に、作業記録管理部114の機能により自動的(半自動的に)に記入される。即ち、例えば、担当職員Pが一々入力する必要はない。
【0062】
[施設外就労実績報告書]
図11は、帳票(その3)の一例を示す図である。具体的には、施設外就労実績報告書を一例として示す図である。
【0063】
図11に示す施設外就労実績報告書を見ると、書面上下方向の中間に利用者名簿A~Jの欄がある。ここには、利用者名や受給者証番号、当月分提供日数、備考等が表示されることが分かる。
また、利用者名簿の下には施設外就労実績の欄がある。この施設外就労実績の欄を見ると、縦に利用者名簿のA~Jが並び、横に日付及び曜日が並んでいることが分かる。施設外就労実績の欄では、施設外就労の実績があれば丸印が入力される共に、その丸印を縦に合計して利用者数が表示されることが分かる。また、丸印を横に合計して利用者名ごとの実績数が表示されることが分かる。
また、施設外就労実績の下には配置職員・時間の欄がある。この配置職員・時間の欄を見ると、縦に職員名が並び、横は施設外就労実績の欄に対応していることが分かる。職員の配置時間が入力されると共にその配置時間の合計が表示されることが分かる。
以上のような各欄に対しても、
図8乃至
図10と同様に、作業記録管理部114の機能により自動的(半自動的に)に記入される。即ち、例えば、担当職員Pや管理者が一々入力する必要はない。
【0064】
<施設外作業について>
特に図示しないが、施設外作業について説明する。ここでは、一日の行動の概略にて説明する。
利用者(作業者)が事業所(所定の施設)に到着し、施設外作業に出発するまでの間、利用者や引率スタッフ(例えば、担当職員P)は、和やかに会話をして過ごす。出発の時間になり、例えば、
図2の自動車Cに乗り込むと、この時、自動車C内に設置された記録端末2-n-3が利用者の施設出発を自動的に記録する。なお、各記録端末により記録された情報は、サーバ1に送信される。
車内では、利用者と引率スタッフとが作業内容の確認やプライベートのことを話しながら過ごす。自動車C内では、記録端末2-n-3が利用者の心理状態、体調、特異な言動等を自動的に記録する。
現場に到着すると、引率スタッフと一緒に(他の利用者も含め)お客様へのあいさつに向かう。この時、引率スタッフが持つ記録端末2-n-1(例えば、スマートフォンやウェアブルカメラ・マイクのような装置)が施設外作業を行う利用者の出勤を自動的に記録する。
その後、利用者が軍手や長靴など、作業に必要なものを装着して作業の準備が完了すると、前述の記録端末2-n-1が作業開始を自動的に記録する。休憩を挟みながら、昼まで作業を行いお昼休憩に入る。この時、引率スタッフが持つ記録端末2-n-1が利用者のお昼休憩を自動的に記録する。休憩後、利用者が作業再開すると、記録端末2-n-1は利用者の作業再開を自動的に記録する。なお、午後の休憩も午前と同様に記録端末2-n-1が休憩を自動的に記録する。
作業終了の時間になると記録端末2-n-1が作業終了を自動的に記録する。或いは、帰り支度をし、お客様にご挨拶をして自動車Cに乗り込むと、この時、記録端末2-n-1が作業終了を自動的に記録する。
事業所への帰りの道中、利用者は作業の振り返りや、自分の趣味の話などをしたり、仮眠をとったりして時間を過ごす。自動車C内では、記録端末2-n-3が利用者の心理状態、体調、特異な言動等を自動的に記録する。
事業所に到着した後、利用者は自身が使用した長靴等をロッカーにしまい、明日の担当作業の確認をすることで帰宅になる。この時、記録端末2-n-1が退勤を自動的に記録する。
引率が終了になると、引率スタッフ(例えば、担当職員P)及びこの引率スタッフとは別の職員(別な職員Q)の職員端末3(
図2参照)には、一日の作業に対する記録情報が送信される。即ち、一日の記録に対するダブルチェックが依頼される。引率スタッフ及び別の職員によるダブルチェックが行われると、これらの記録が正式記録化される。
なお、以前においては、引率スタッフの報告頼りの状態であったため、主観的な記録内容のものになってしまう虞があったが、本サービスではそのようなことはない。
本サービスでは、データを蓄積することができることから、このデータを社員教育としても使用することができる。具体的には、動画や音声のデータ(情報)から、例えば、作業者SGへの声掛けを抽出してこれを日が浅く支援に不安があるスタッフの教育に使用することができる。
【0065】
以上、
図2乃至
図11を参照しながら説明してきた通り、本サービスでは、作業者SGが所定の行動をとることで検知された情報を、記録情報(行動記録の情報)として記憶しておくことができる。また、本サービスでは、担当職員Pとは別の職員Qも記録情報を確認できることから、第三者性を以て記録情報を記憶することができる。
従って、本サービスは、例えば、日報や日々の記録等の行動記録を自動又は半自動で作成できるよう支援することができるサービスである。
【0066】
<まとめ>
以上、本発明の記録作成支援システム100の実施形態について説明したが、本発明は上述した本実施形態に限定されない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果の列挙に過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されない。
【0067】
本実施形態において、
図3に示すハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。換言すると、
図4に示す機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が記録作成支援システム100に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4の例に限定されない。
【0068】
また、機能ブロックの存在場所も、
図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックを複数のサーバに分散させてもよい。また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0069】
また、例えば、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。また、コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれるコンピュータであってもよい。
【0070】
コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他、汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0071】
また、例えば、このようなプログラムを含む記録媒体は、利用者にプログラムを提供するために、装置本体とは別に配布される図示しないリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成されるものであってもよい。
【0072】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理は勿論、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含む。また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味する。
【0073】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される
図3のリムーバブルメディア21により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で利用者に提供される記録媒体等で構成される。
リムーバブルメディア21は、例えば、磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(Mini-Disk)等により構成される。
装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されている
図3のROM12や、
図3の記憶部18に含まれるハードディスク等で構成される。
【0074】
以上まとめると、本発明が適用される記録作成支援装置は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される記録作成支援装置(例えば、
図2のサーバ1)は、
所定の施設(例えば、就労継続支援施設)における記録の作成を支援する記録作成支援装置であって、前記所定の施設に入所している作業者(例えば、
図2の作業者SG)の行動を検知する検知手段(例えば、
図2の記録端末2や
図4の検知制御部114a)と、前記作業者の所定の行動を検知したことに応じて、前記作業者を特定する情報(例えば、ID等)と関連づけて、前記所定の行動(例えば、作業の開始や終了等)に応じた記録情報(例えば、行動記録の情報)を時刻情報と共に記憶する記憶手段(例えば、
図4の記憶制御部114b)と、を含む。
本発明によれば、職員のメール送信によることなく作業者の行動記録の作成を支援することができる。
【0075】
また、本発明が適用される記録作成支援装置は、
前記所定の施設における複数の職員のうち、少なくとも前記作業者を担当する担当職員(例えば、
図2の担当職員P)に、前記記録情報について報知する報知手段(例えば、
図4の報知制御部114c)を更に含み、前記記憶手段は、前記担当職員からの確認入力を受け付けたことに応じて、前記記録情報に前記担当職員を特定する情報(例えば、ID等)も関連付けて記憶する。
本発明によれば、担当職員の確認により、所定の行動に応じた記録情報を、第三者性を以て記録することができる。
【0076】
また、本発明が適用される記録作成支援装置は、
前記報知手段は、前記担当職員に対し前記確認入力に関して前記記録情報の確認該当部位及び検知した内容を出力し確認を求める。
本発明によれば、担当職員は、確認すべき作業者の所定の行動を効率的に確認することができる。
【0077】
また、本発明が適用される記録作成支援装置は、
前記報知手段は、前記担当職員とは別の職員(例えば、
図2の別の職員Q)に対しても前記記録情報について報知し、前記記憶手段は、前記別の職員からの確認入力を受け付けたことに応じて、前記記録情報に前記別の職員を特定する情報(例えば、ID等)も関連付けて記憶する。
本発明によれば、記録情報の第三者性を向上させ、外部に対してより高いレベルで記録情報の確からしさを訴求することができる。
【0078】
本発明が適用される支援方法は、
所定の施設における記録の作成を支援する記録作成支援装置に実行させる支援方法であって、前記所定の施設に入所している作業者の行動を検知する検知ステップと、前記作業者の所定の行動を検知したことに応じて、前記作業者を特定する情報と関連づけて、前記所定の行動に応じた記録情報を時刻情報と共に記憶する記憶ステップと、を含む。
本発明によれば、職員のメール送信によることなく作業者の行動記録の作成を支援する支援方法を提供することができる。
【0079】
本発明が適用されるプログラムは、
所定の施設における記録の作成を支援する記録作成支援装置を制御するコンピュータに、前記所定の施設に入所している作業者の行動を検知する検知ステップと、前記作業者の所定の行動を検知したことに応じて、前記作業者を特定する情報と関連づけて、前記所定の行動に応じた記録情報を時刻情報と共に記憶する記憶ステップと、を含む処理を実行させる。
本発明によれば、職員のメール送信によることなく作業者の行動記録の作成を支援するプログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0080】
1・・・サーバ(記録作成支援装置)、2・・・記録端末、3・・・職員端末、4・・・管理者端末、11・・・CPU11、18・・・記憶部、19・・・通信部、111・・・受信制御部、112・・・画面管理部、113・・・作業者管理部、114・・・作業記録管理部、114a・・・検知制御部(検知手段)、114b・・・記憶制御部(記憶手段)、114c・・・報知制御部(報知手段)、115・・・帳票管理部、116・・・サビ管管理部、117・・・職員管理部、118・・・送信制御部、181・・・作業者特定情報DB、182・・・作業者記録情報DB、183・・・職員特定情報DB、184・・・サービス管理情報DB、N・・・ネットワーク、SG・・・作業者
【要約】
【課題】職員のメール送信によることなく作業者の行動記録の作成を支援することが可能な技術を提供すること。
【解決手段】記録作成支援装置は、所定の施設における記録の作成を支援する。記録作成支援装置は、所定の施設に入所している作業者の行動を検知する検知手段と、作業者の所定の行動を検知したことに応じて、作業者を特定する情報と関連づけて、所定の行動に応じた記録情報を時刻情報と共に記憶する記憶手段とを含む。また、記録作成支援装置は、所定の施設における複数の職員のうち、少なくとも作業者を担当する担当職員に、記録情報について報知する報知手段を更に含む。記憶手段は、担当職員からの確認入力を受け付けたことに応じて、記録情報に担当職員を特定する情報も関連付けて記憶する。
【選択図】
図4