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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】噴射装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/093 20060101AFI20230714BHJP
   B08B 3/02 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
B08B9/093
B08B3/02 F
B08B3/02 G
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018026721
(22)【出願日】2018-02-19
(65)【公開番号】P2019141765
(43)【公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-10-08
【審判番号】
【審判請求日】2022-05-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100175802
【弁理士】
【氏名又は名称】寺本 光生
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100167553
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 久典
(72)【発明者】
【氏名】岩田 圭司
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】窪田 治彦
【審判官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-225626(JP,A)
【文献】実開昭58-174291(JP,U)
【文献】特開昭54-60700(JP,A)
【文献】特開2005-186011(JP,A)
【文献】実開昭61-155086(JP,U)
【文献】特開2003-266039(JP,A)
【文献】特開昭61-261161(JP,A)
【文献】特開平4-87784(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0090498(US,A1)
【文献】特開2000-246203(JP,A)
【文献】特開昭60-54778(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B3/02
B08B9/08-9/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横置き型の円筒型タンクの内壁面に向けて噴射対象物を噴射する噴射装置であって、 軸心が水平配置される中央筒部と、
前記中央筒部に対して前記軸心を中心として回動可能に支持されると共に前記噴射対象物を噴出する噴射部と、
前記軸心を中心として前記噴射部を回動させる駆動部と、
前記円筒型タンクの内壁面に当接されると共に前記中央筒部を支持する支持部と、
前記中央筒部に対して摺動可能に接続されると共に前記円筒型タンクの側面に当接して前記円筒型タンクに形成された開口部を被覆するシール部と
を備え、
前記支持部は、
前記円筒型タンクの内壁面に転動可能に当接され、前記円筒型タンクの内壁面との当接面に複数の凹凸が設けられた車輪と、
前記車輪と前記中央筒部とを接続する接続棒と、
前記接続棒を傾動する接続棒傾動駆動部と
を備え、
前記噴射部は、
前記軸心を中心とする径方向に沿って直線状とされると共に伸縮可能とされた伸縮部と、
前記伸縮部の先端に固定されると共に前記噴射対象物を噴射する噴射ノズルと、
前記伸縮部を傾動する伸縮部傾動部と
を備え、
前記中央筒部の前記軸心に沿った方向から見て前記伸縮部及び前記接続が前記シール部に隠れる挿入姿勢に傾動可能であり、
前記中央筒部の前記軸心に沿った方向から見て前記噴射ノズルが前記中央筒部の前記軸心を中心とする径方向にて前記シール部の外側に位置する噴射姿勢に前記伸縮部を傾動可能である
ことを特徴とする噴射装置。
【請求項2】
前記円筒型タンクの底部に堆積した堆積物を吸引して回収する回収部を備えることを特徴とする請求項1記載の噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、噴射装置及び付着物除去方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、軸心が水平状態で載置される横置き型の円筒型タンクの内部洗浄を行う洗浄装置が開示されている。このような洗浄装置は、円筒型タンクの上部に設けられたマンホールから洗浄水を噴射する洗浄筒を挿入し、円筒型タンクの内部で洗浄筒を円筒型タンクの軸心を中心として回動させている。このような円筒型タンクの軸心を中心として洗浄筒を回動させることによって、円筒型タンクの内壁面の広い範囲に洗浄水を噴射することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開昭60-54778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された洗浄装置では、上部に設けられたマンホールから支持筒を垂下させて円筒型タンクの内部に挿入し、この支持筒に屈曲して接続された伸縮ランスの先端にて洗浄筒を支持している。つまり、特許文献1に開示された洗浄装置では、支持筒と伸縮ランスからなる屈曲構造体がマンホール部分のみで吊り下げ支持されており、この吊り下げ支持された屈曲構造体の先端で洗浄筒が回動される構造となっている。このため、特許文献1に開示された洗浄装置では、洗浄筒が回動されるときに屈曲構造体が揺れ、洗浄筒を円筒型タンクの軸心を常に中心として回動させることが困難である。
【0005】
例えば、洗浄液の代わりに、円筒型タンクの内壁面に設けられたライニング材を剥離するための液体窒素や研磨材を噴射対象物として噴射することも考えられる。特にこのような場合には、噴射対象物を噴射する噴射部から円筒型タンクの内壁面までの距離を一定の範囲に収めることが求められ、噴射部を円筒型タンクの軸心を常に中心として回動させることが必要となる。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、横置き型の円筒型タンクの内壁面に噴射部から噴射対象物を噴射する場合に、噴射部を円筒型タンクの軸心を中心として安定的に回動可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
【0008】
第1の発明は、横置き型の円筒型タンクの内壁面に向けて噴射対象物を噴射する噴射装置であって、軸心が水平配置される中央筒部と、上記中央筒部に対して上記軸心を中心として回動可能に支持されると共に上記噴射対象物を噴出する噴射部と、上記軸心を中心として上記噴射部を回動させる駆動部と、上記円筒型タンクの内壁面に当接されると共に上記中央筒部を支持する支持部とを備えるという構成を採用する。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、上記支持部が、上記円筒型タンクの内壁面に転動可能に当接された車輪と、上記車輪と上記中央筒部とを接続する接続棒と、上記接続棒を傾動する接続棒傾動駆動部とを備えるという構成を採用する。
【0010】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記噴射部が、上記軸心を中心とする径方向に沿って直線状とされると共に伸縮可能とされた伸縮部と、上記伸縮部の先端に固定されると共に上記噴射対象物を噴射する噴射ノズルとを備えるという構成を採用する。
【0011】
第4の発明は、上記第3の発明において、上記噴射部が、上記伸縮部を傾動する伸縮部傾動部を備えるという構成を採用する。
【0012】
第5の発明は、上記第1~第4いずれかの発明において、 上記中央筒部に対して摺動可能に接続されると共に上記円筒型タンクの側面に当接して上記円筒型タンクに形成された開口部を被覆するシール部を備えるという構成を採用する。
【0013】
第6の発明は、上記第1~第5いずれかの発明において、上記円筒型タンクの底部に堆積した堆積物を吸引して回収する回収部を備えるという構成を採用する。
【0014】
第7の発明は、横置き型の円筒型タンクの内壁面に付着した付着物を除去する付着物除去方法であって、円筒型タンクの軸心に沿った方向における端部に水平方向に向けて開口する開口部を形成する開口部形成工程と、上記開口部を介して上記円筒型タンクの内部に、噴射対象物を上記円筒型タンクの内壁面に向けて噴射する噴射部を、上記円筒型タンクの内壁面に当接された支持部で支持した状態で配置する噴射部配置工程と、上記円筒型タンクの軸心を中心として上記噴射部を回動させつつ上記噴射部から上記噴射対象物を噴射する噴射工程とを有するという構成を採用する。
【0015】
第8の発明は、上記第7の発明において、上記開口部形成工程にて、外部と隔離された隔離空間にて上記開口部を形成するという構成を採用する。
【0016】
第9の発明は、上記第7または第8の発明において、上記噴射工程にて、上記円筒型タンクの上記開口部を上記円筒型タンクの外側からシール部にて被覆し、上記噴射部を回動可能に支持すると共に軸心が水平配置された中央筒部を、上記シール部に対して摺動させながら上記噴射部を上記円筒型タンクの軸心に沿って移動させるという構成を採用する。
【0017】
第10の発明は、上記第7~第9のいずれかの発明において、上記噴射工程にて、上記円筒型タンクの内部を排気装置にて排気するという構成を採用する。
【0018】
第11の発明は、上記第7~第10いずれかの発明において、上記噴射工程にて、あるいは、上記噴射工程の後にて、上記円筒型タンクの底部に堆積した堆積物を吸引して回収するという構成を採用する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、円筒型タンクの内壁面に当接された支持部によって噴射部が支持されており、噴射部が回動されても噴射部の回動軸心が揺れることを抑止することができる。したがって、本発明によれば、円筒型タンクの軸心を中心として噴射部を安定的に回動させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態における円筒型タンクの内部除染方法に用いる液体窒素噴射装置を含む概略構成図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3】本発明の一実施形態における円筒型タンクの内部除染方法の説明図である。
図4】本発明の一実施形態における円筒型タンクの内部除染方法の工程を説明するための模式図である。
図5】本発明の一実施形態における円筒型タンクの内部除染方法の工程を説明するための模式図である。
図6】本発明の一実施形態における円筒型タンクの内部除染方法の工程を説明するための模式図である。
図7】本発明の一実施形態における円筒型タンクの内部除染方法の工程を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明に係る噴射装置及び付着物除去方法の一実施形態について説明する。なお、以下の実施形態においては、本発明の噴射装置及び付着物除去方法を横置き型の円筒型タンクの内部除染に適用した例について説明する。
【0022】
図1は、円筒型タンクTの内部除染を行うための液体窒素噴射装置1(噴射装置)の概略構成を示す模式図である。円筒型タンクTは、軸心LTを中心として円筒形状のタンクであり、軸心LTが水平状態となるように載置されて使用される。この円筒型タンクTは、鉄鋼等の金属材料によって形成されており、内壁面にFRP(Fiber-Reinforced Plastics)製のライニング材が形成されている。本実施形態は、液体窒素噴射装置1を用いて円筒型タンクTのライニング材を剥離することによって、ライニング材に付着した放射性物質をライニング材ごと円筒型タンクTから除去しようとするものである。
【0023】
図2は、液体窒素噴射装置1の拡大図である。この図に示すように、液体窒素噴射装置1は、台車部2と、液体窒素供給部3と、中央筒部4と、回動シャフト5と、駆動部6と、噴射部7と、支持部8と、シール部9と、回収部10と、カメラ11を備えている。
【0024】
台車部2は、液体窒素供給部3、中央筒部4、回動シャフト5、駆動部6、噴射部7、支持部8、回収部10及びカメラ11を直接的あるいは間接的に支持している。この台車部2は、円筒型タンクTの外部において、円筒型タンクTの軸心LTに沿って水平移動可能とされた移動台車である。この台車部2は、不図示のモータ等を備えており、直接または遠隔操作にて移動可能とされている。
【0025】
液体窒素供給部3は、不図示の液体窒素タンクと接続されており、液体窒素タンクから供給された液体窒素X(噴射対象物)を昇圧し、回動シャフト5に沿わせて配置した高圧配管3b及び高圧ホース3cを通じて昇圧した液体窒素Xを噴射部7に供給する。この液体窒素供給部3は、液体窒素Xの昇圧を行う昇圧部3aと、回動シャフト5に沿うように中央筒部4の内部に配置されると共に昇圧された液体窒素Xを高圧ホース3cまで案内する高圧配管3bと、高圧配管3bと噴射部7とを接続すると共に可撓性を有する高圧ホース3cとを備えている。なお、例えば昇圧部3aは、液体窒素Xを圧送するためのブーストポンプ、ブーストポンプから送られてくる液体窒素Xを1次昇圧するプレポンプ、1次昇圧された液体窒素Xを噴射圧まで2次昇圧するインテンシファイアポンプ、昇圧された液体窒素Xを冷却するチラー等を備えている。また、高圧ホース3cの長さは、回動シャフト5が180°以上回動する間に回動シャフト5に絡まらないように設定されている。
【0026】
中央筒部4は、軸心Laが水平配置されるように一端側が台車部2によって保持された円筒状の部材である。また、中央筒部4は、同軸配置された回動シャフト5が内部に挿入されている。この中央筒部4は、円筒型タンクTの内壁面の除染を行う場合には、台車部2の移動に伴って徐々に円筒型タンクTの内部に挿入される。このような中央筒部4の軸心Laに沿う方向の長さ寸法は、例えば円筒型タンクTの軸心LTに沿う方向の長さ寸法と略同一に設定されている。なお、円筒型タンクTの除染作業を円筒型タンクTの軸心LTに沿う方向の両側の端部の各々から分けて行う場合には、中央筒部4の軸心Laに沿う方向の長さ寸法は、例えば円筒型タンクTの軸心LTに沿う方向の長さ寸法の略半分とすることも可能である。
【0027】
回動シャフト5は、中央筒部4の内部にて中央筒部4の軸心Laを中心として回動可能なように軸支されており、中央筒部4の先端部からさらに前方に突出されたヘッド部5aに噴射部7を設置できる構造となっている。また、回動シャフト5は、後端部が駆動部6と接続されており、駆動部6によって発生された動力が伝達されることによって回動される。この回動シャフト5は、高圧ホース3cが絡まらない範囲で、駆動部6によって中央筒部4の軸心Laを中心とした右回りと左回りとの交互に回動される。
【0028】
駆動部6は、台車部2に設置されており、回動シャフト5を中央筒部4の軸心Laを中心として回動させる。このような駆動部6は、遠隔操作によって入力される指令に基づいて回転動力を生成するモータ、モータによって生成された回転動力を回動シャフト5に伝達する伝達機構等を備えている。また、駆動部6は、高圧ホース3cが回動シャフト5に絡まらない範囲で回動シャフト5を右回りと左回りとの交互に回動する。
【0029】
噴射部7は、回動シャフト5のヘッド部5aに固定されることによって、回動シャフト5の回動軸心、すなわち中央筒部4の軸心Laを中心として回動可能に支持されている。この噴射部7は、噴射ノズル7aと、伸縮部7bと、伸縮部傾動部7cとを備えている。噴射ノズル7aは、液体窒素供給部3の高圧ホース3cと接続されており、高圧ホース3cを介して供給された液体窒素Xを噴射可能とされている。伸縮部7bは、中央筒部4の軸心Laを中心とする径方向に沿って直線状とされた筒状部材であり、例えばテレスコピック構造を有することによって伸縮可能とされている。この伸縮部7bは、例えば遠隔操作によって入力される指令に基づいて伸縮することによって、噴射ノズル7aの位置を調整する。
【0030】
伸縮部傾動部7cは、伸縮部7bの根本部分が接続されており、根本部分を中心として伸縮部7bを傾動させる。本実施形態においては、伸縮部傾動部7cは、伸縮部7bが中央筒部4の軸心Laに沿った姿勢となる挿入姿勢(図2の仮想線で示す姿勢)と、伸縮部7bが中央筒部4の軸心Laに直交する姿勢となる噴射姿勢(図2の実線で示す姿勢)との間にて、伸縮部7bを傾動する。このような伸縮部傾動部7cは、例えば遠隔操作によって入力される指令に基づいて回動角度を調整可能なステッピングモータや、伸縮部7bを傾動可能に軸支する軸支部等を備えている。
【0031】
支持部8は、中央筒部4の周面の下側に向けられた領域に設置されており、円筒型タンクTの内壁面(底面)に当接されると共に中央筒部4を支持する。この支持部8は、中央筒部4の軸心Laに沿った方向において、台車部2に固定された中央筒部4の後端部よりも前方側に配置されている。なお、本実施形態において支持部8は、図2に示すように、中央筒部4の軸心Laに沿った方向に配列されて複数設けられている。ただし、支持部8は、1つのみ設置するようにしても良い。
【0032】
この支持部8は、図2に示すように、車輪8aと、接続棒8bと、接続棒傾動駆動部8cとを備えている。車輪8aは、円筒型タンクTの内壁面に対して転動可能に当接される従動輪であり、接続棒8bの先端部に軸支されている。この車輪8aは、円筒型タンクTとの当接面に対して複数の凹凸が設けられている。これらの凹凸形状における凸部の高さ寸法は、円筒型タンクT内において発生が想定される障害物の高さ寸法よりも高く設定されている。これによって、車輪8aが障害物等に干渉して回動不能となることを防止することができる。
【0033】
接続棒8bは、車輪8aと中央筒部4とを接続する棒部材である。接続棒傾動駆動部8cは、接続棒8bの根本部分が接続されており、根本部分を中心として接続棒8bを傾動させる。本実施形態においては、接続棒傾動駆動部8cは、接続棒8bが中央筒部4の軸心Laに沿った姿勢となる挿入姿勢(図2の仮想線で示す姿勢)と、車輪8aが円筒型タンクTの内壁面に当接する支持姿勢(図2の実線で示す姿勢)との間にて、接続棒8bを傾動する。このような接続棒傾動駆動部8cは、例えば遠隔操作によって入力される指令に基づいて回動角度を調整可能なステッピングモータや、接続棒8bを傾動可能に軸支する軸支部等を備えている。
【0034】
シール部9は、中央筒部4に対して摺動可能に接続されており、円筒型タンクTの側面に当接して円筒型タンクTに形成された開口部T1を被覆する部位である。このシール部9は、シールリング9aと、ドーム部9bと、パッド部9cとを有している。シールリング9aは、中央筒部4の周面に対して摺動可能に当接されており、ドーム部9bによって保持されている。このシールリング9aは、中央筒部4の軸心Laに沿う方向から見て、中央筒部4の周面の全域に当接されるように環状に設けられている。ドーム部9bは、円筒型タンクTの端部に設けられる開口部T1を覆うことが可能な大きさに形状設定されており、中央部にシールリング9aが嵌合された開口部を有している。ドーム部9bの外縁部にはパッド部9cが取り付けられている。パッド部9cは、例えば真空吸着によって円筒型タンクTの端面に吸着可能とされている。このパッド部9cは、中央筒部4の軸心Laに沿う方向から見て、開口部T1を全域で囲うように環状に設けられている。
【0035】
このようなシール部9は、開口部T1を囲うようにして、パッド部9cを円筒型タンクTの端面に吸着させることによって、ドーム部9bにて開口部T1を円筒型タンクTの外部から覆う。これによって、円筒型タンクTの内部の物体が開口部T1から外部に漏出することを防止する。また、シール部9は、シールリング9aが中央筒部4に対して摺動可能に当接されている。このため、開口部T1を覆った状態で、台車部2を移動させることによって、中央筒部4を軸心Laに沿う方向に移動させることが可能となっている。
【0036】
なお、このようなシール部9は、ドーム部9bの開口部を割るように、複数のパーツに分割可能とされている。これによって、噴射部7や支持部8を円筒型タンクTの開口部T1を通過させる際に、シール部9が噴射部7や支持部8に干渉することを防止することができる。
【0037】
回収部10は、円筒型タンクTの底部に堆積した堆積物を吸引して回収する。例えば、回収部10は、液体窒素Xが吹き付けられることによって、円筒型タンクTから剥離して底部に堆積したライニング材を吸引することによって、円筒型タンクTから回収する。このような回収部10は、ヘッド部10aと、取付棒10bと、チューブ10cと、吸引部10dとを備えている。
【0038】
ヘッド部10aは、吸引部10dから供給される負圧によって堆積物を吸い込む箇所であり、最も前方に配置された支持部8の車輪8aよりも前方であって、噴射部7よりも後方に配置されている。中央筒部4を台車部2によって前方に移動させながらライニング材の剥離を行う場合に、剥離したライニング材が車輪8aに干渉する前に吸引することが可能となる。
【0039】
取付棒10bは、ヘッド部10aと、支持部8の接続棒傾動駆動部8cとを接続する棒部材である。この取付棒10bは、接続棒傾動駆動部8cによって支持部8の接続棒8bと共に傾動可能とされている。チューブ10cは、可撓性を有しており、ヘッド部10aと吸引部10dとを接続している。このチューブ10cは、中央筒部4の内部を通過してヘッド部10aと吸引部10dとを接続している。なお、チューブ10cの配置空間を通じて円筒型タンクTの内部の物体が台車部2側に排出されることをより確実に防止するために、必要に応じてチューブ10cの配置空間にフィルタを配置しても良い。
【0040】
吸引部10dは、台車部2に設置されており、円筒型タンクTの堆積物を吸引するための負圧を形成する。このような吸引部10dは、例えば、負圧を発生させるためのターボファンや、ヘッド部10a及びチューブ10cを介して供給される堆積物を気体から分離してフィルタ等を備えている。
【0041】
カメラ11は、遠隔操作によって動作される本実施形態の液体窒素噴射装置1の状況を把握するための画像データを取得して、外部に出力するためのものであり、複数の箇所に設けられている。本実施形態の液体窒素噴射装置1では、カメラ11は、中央筒部4の先端部と、噴射部7の伸縮部7bの先端と、支持部8の接続棒8bとに設けられている。
【0042】
このような構成を有する液体窒素噴射装置1では、駆動部6によって回動シャフト5を中央筒部4の軸心Laを中心として右回りと左回りとに交互に回動させることによって、軸心Laを中心として噴射部7を回動させる。また、液体窒素供給部3の高圧配管3b及び高圧ホース3cを介して噴射部7に液体窒素Xを供給することによって、上述のように回動される噴射部7の噴射ノズル7aの先端から液体窒素Xを噴射する。このとき、液体窒素噴射装置1は、車輪8aが円筒型タンクTの底部と当接した支持部8によって中央筒部4を下方から支持する。また、液体窒素Xが噴射されることによって円筒型タンクTから剥離したライニング材は回収部10によって円筒型タンクTの内部から回収される。
【0043】
続いて、このような液体窒素噴射装置1を用いた円筒型タンクTの内部除染の方法(付着物除去方法)について説明する。
【0044】
円筒型タンクTの内部除染を行う場合には、例えば所定の保管区域に載置された円筒型タンクTを、他の位置に設置された除染仮設テントまで搬送する。例えば、図3に示すように、タンク固定プレートPを載置した搬送台車21に対して、大型クレーン20を用いて保管区域に設置された円筒型タンクTを移載する。図4に示すように、搬送台車21を除染仮設テント22内に移動する。このとき、除染仮設テント22の開閉扉22aを開放し、開放された開閉扉22aを介して除染仮設テント22内に搬送台車21を移動する。
【0045】
円筒型タンクTが除染仮設テント22まで搬送されると、続いて、円筒型タンクTを除染仮設テント22内に設置された除染セル23内に移動する。ここでは、例えば除染セル23と搬送台車21とにタンク固定プレートPに接続されたウインチ機構Wを設置し、除染仮設テント22内に設置されたローラコンベア22bを用いて除染セル23に移動する。このとき、除染セル23の開閉扉23aを開放し、開放された開閉扉23aを介して除染セル23の載置台23b上に、円筒型タンクTをタンク固定プレートPごと移動する。
【0046】
ウインチ機構Wをタンク固定プレートPから切り離した後、図5に示すように、除染セル23の外部に配置されたタンク内排気装置24を円筒型タンクTと接続し、円筒型タンクTの内部を負圧にする。さらに、除染セル23及びタンク内排気装置24の設置空間を第2排気装置25に接続し、除染セル23の内部及びタンク内排気装置24の設置空間の気体を排気可能とする。なお、除染仮設テント22の外部には、液体窒素噴射装置1を遠隔操作するための操作部が設置される遠隔操作用仮設ハウス26が設けられている。また、円筒型タンクTの内部には、必要に応じてカメラを設置しても良い。この場合、タンク内排気装置24が接続される円筒型タンクTの部位(例えばベントノズル)からカメラを挿入することによって、円筒型タンクTの内部にカメラを容易に配置することができる。
【0047】
続いて、図6に示すように、円筒型タンクTの端部に開口部T1を形成する(開口部形成工程)。ここでは、円筒型タンクTの軸心LTに沿った方向における端部に、水平方向に向けて開口する開口部T1を形成する。このような開口部T1を形成することによって、横置き型の円筒型タンクTに対して、水平方向から液体窒素噴射装置1を挿入することが可能となる。
【0048】
なお、円筒型タンクTに付着した放射性物質は、ほとんどがライニング材に付着した状態となっている。さらに、開口部T1を形成する際には、タンク内排気装置24によって円筒型タンクT内を負圧にする。これによって、円筒型タンクT内の放射性物質が開口部T1の形成時に円筒型タンクTの外部に漏出することを防ぐことができる。このため、開口部T1を形成する場合には、適切に防護を行った作業者であれば、比較的容易に作業を行うことが可能である。このような開口部T1の形成は、外部と隔離された除染セル23の内部(隔離空間)にて行われる。
【0049】
また、本実施形態においては、円筒型タンクTの片側のみから液体窒素噴射装置1を挿入するため、円筒型タンクTの片側の端部にのみ開口部T1を形成する。ただし、円筒型タンクTの両側から交互に液体窒素噴射装置1を挿入する場合には、円筒型タンクTの軸心LTに沿った方向における端部の各々に対して開口部T1を形成しても良い。このような場合には、2つの開口部T1のうち、液体窒素噴射装置1が挿入されない方の開口部T1は、他の部材によってシールをしておくことが望ましい。さらに、除染セル23の載置台23bにターンテーブル機構を設置しておくことが望ましい。
【0050】
続いて、図7に示すように、円筒型タンクTの内部に対して液体窒素噴射装置1の噴射部7を配置する(噴射部配置工程)。ここでは、液体窒素噴射装置1を除染セル23の載置台23b上にて、円筒型タンクTの開口部T1に対向するように配置する。続いて、遠隔操作用仮設ハウス26内から液体窒素噴射装置1を遠隔操作することによって、噴射部7と先頭の支持部8とを挿入姿勢(図2の仮想線で示す姿勢)とし、台車部2を円筒型タンクTに向けて移動させ、先頭の支持部8が円筒型タンクTの内部に挿入されるまで台車部2を移動させる。その後、噴射部7を噴射姿勢(図2の実線で示す姿勢)とし、先頭の支持部8を支持姿勢(図2の実線で示す姿勢)とする。これによって、先頭の支持部8の車輪8aが円筒型タンクTの内壁面に当接され、この支持部8によって中央筒部4等を介して噴射部7が下方から支持された状態で円筒型タンクTの内部に配置される。
【0051】
このように支持部8の車輪8aが円筒型タンクTの内壁面に当接されることによって、噴射部7が設置された回動シャフト5を軸支する中央筒部4が下方から支持され、中央筒部4の軸心Laを確実に円筒型タンクTの軸心LTに対して一致させることができる。このようにして、中央筒部4の軸心Laを円筒型タンクTの軸心LTと一致させた後、シール部9を取り付けることによって、円筒型タンクTの開口部T1を外部から被覆する。
【0052】
なお、噴射部7から液体窒素Xを噴射していない場合には、放射性物質及び放射性物質が付着したライニング材が飛散する恐れは少なくなる。このため、噴射部7からの液体窒素Xの噴射を停止していれば、かつ円筒型タンクT内を負圧にしておくことで、適切に防護を行った作業者によってシール部9の着脱作業を行うことができる。ただし、シール部9の着脱作業は、ロボット等を用いて行うようにしても良い。
【0053】
続いて、図1及び図2に示すように、中央筒部4の軸心Laを中心として噴射部7を回動させつつ噴射部7から円筒型タンクTの内壁面に対して液体窒素Xを噴射する(噴射工程)。ここでは、まずカメラ11の映像に基づいて伸縮部7bを遠隔操作することで、噴射ノズル7aの円筒型タンクTの内壁面に対する位置を調整する。また、駆動部6によって回動シャフト5を回動させることで噴射部7を回動させ、さらに液体窒素供給部3から噴射部7に液体窒素Xを供給することによって噴射ノズル7aの先端から液体窒素Xを噴射する。
【0054】
このようにして液体窒素Xが円筒型タンクTの内壁面に噴射されると、液体窒素Xが気化する際の膨張力によって放射性物質を保持するライニング材が円筒型タンクTから剥離する。したがって、液体窒素Xを噴射することによって、円筒型タンクTに付着した放射性物質を除去し除染を行うことができる。
【0055】
また、本実施形態においては、噴射部7の回動及び噴射部7から液体窒素Xの噴射をしながら、円筒型タンクTの開口部T1を円筒型タンクの外側からシール部9にて被覆した状態で、台車部2を移動させることで中央筒部4を徐々に円筒型タンクTの奥側に向けて進行させる。これによって、円筒型タンクTの広い範囲を連続的に除染する。
【0056】
また、少なくとも噴射部7から液体窒素Xを噴射する場合には、タンク内排気装置24によって、円筒型タンクTの内部を負圧状態とする。これによって、円筒型タンクTの内部で気化した液体窒素Xが円筒型タンクTの外部に漏出することなく排気される。
【0057】
さらに、第2排気装置25によって、除染セル23の内部及びタンク内排気装置24の設置空間の気体を排気する。何らかの不測の事態により円筒型タンクTの内部の圧力が上昇した場合に、シール部9の破損等を防止するために、円筒型タンクTの内部気体を除染セル23の内部空間やタンク内排気装置24の設置空間に緊急的に排出するベント機構を設けることが好ましい。このようなベント機構が万が一動作した場合に、第2排気装置25によって、除染セル23の内部及びタンク内排気装置24の設置空間を負圧にしておくことで、除染セル23の内部及びタンク内排気装置24の設置空間に漏出した放射性物質が大気中に放出されることを防止することができる。
【0058】
また、本実施形態においては、少なくとも噴射部7から液体窒素Xを噴射する場合には、液体窒素噴射装置1の回収部10によって、円筒型タンクTの底部に堆積したライニング材を回収する。このように回収されたライニング材は、回収部10の吸引部10dに貯蔵される。
【0059】
なお、中央筒部4をシール部9のシールリング9aを摺動させながら円筒型タンクTの内部に進入させる過程で、2番目の支持部8がシール部9に干渉する位置となった場合には、一度、液体窒素Xの噴射を停止し、シール部9を円筒型タンクTから取り外し、通過させる支持部8を挿入姿勢として円筒型タンクTの内部に進入させる。
【0060】
以上のような本実施形態では、液体窒素噴射装置1が、軸心Laが水平配置される中央筒部4と、中央筒部4に対して軸心Laを中心として回動可能に支持されると共に液体窒素Xを噴出する噴射部7と、軸心Laを中心として噴射部7を回動させる駆動部6と、円筒型タンクTの内壁面に当接されると共に中央筒部4を支持する支持部8とを備えている。この液体窒素噴射装置1によれば、円筒型タンクTの内壁面に当接された支持部8によって噴射部7が支持されており、噴射部7が回動されても噴射部7の回動軸心が揺れることを抑止することができる。
【0061】
このような液体窒素噴射装置1を用いた円筒型タンクTの内部除染の方法では、円筒型タンクTの軸心LTに沿った方向における端部に水平方向に向けて開口する開口部T1を形成し、開口部T1を介して円筒型タンクTの内部に液体窒素Xを円筒型タンクTの内壁面に向けて噴射する噴射部7を、円筒型タンクTの内壁面に当接された支持部8で支持した状態で配置し、円筒型タンクTの軸心LTを中心として噴射部7を回動させつつ噴射部7から液体窒素Xを噴射する。したがって、本実施形態の円筒型タンクTの内部除染方法によれば、円筒型タンクTの軸心LTを中心として噴射部7を安定的に回動させることが可能となり、噴射部7から円筒型タンクTの内壁面までの距離を常に一定に保つことで確実にライニング材を剥離させることが可能となる。
【0062】
また、本実施形態の円筒型タンクTの内部除染方法では、外部と隔離された空間において、円筒型タンクTに対して開口部T1を形成する。このため、開口部T1を形成するときに、ライニング材の一部が外部に漏出することを防止することができる。
【0063】
また、本実施形態の円筒型タンクTの内部除染方法では、液体窒素噴射装置1が中央筒部4に対して摺動可能に接続されると共に円筒型タンクTの側面に当接して円筒型タンクTに形成された開口部T1を被覆するシール部9を備え、液体窒素Xを噴射する場合に、円筒型タンクTの開口部T1を円筒型タンクTの外側からシール部9にて被覆する。このため、円筒型タンクTの外部に剥離されたライニング材が漏出することを防止することができる。つまり、本実施形態の円筒型タンクTの内部除染方法によれば、円筒型タンクTそのものを、放射性物質が外部に漏出することを防ぐ隔離壁として用いることができる。
【0064】
さらに、本実施形態の円筒型タンクTの内部除染方法では、噴射部7を回動可能に支持すると共に軸心Laが水平配置された中央筒部4を、シール部9に対して摺動させながら噴射部7を円筒型タンクTの軸心LTに沿って移動させながら液体窒素Xを噴射する。このため、液体窒素Xを連続的に広い範囲に噴射することが可能となる。
【0065】
また、本実施形態の円筒型タンクTの内部除染方法においては、液体窒素Xを噴射する場合に、円筒型タンクTの内部をタンク内排気装置24(排気装置)によって排気して負圧状態としている。このため、液体窒素Xが気化する際の膨張力によって剥離したライニング材が円筒型タンクTの外部に噴出することを防止することができる。
【0066】
また、本実施形態の円筒型タンクTの内部除染方法においては、液体窒素噴射装置1が回収部10を備え、液体窒素Xを噴射しながら回収部10によって円筒型タンクTの底部に堆積したライニング材を吸引して回収している。このため、本実施形態の円筒型タンクTの内部除染方法によれば、剥離したライニング材を自動的に回収することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態では、液体窒素噴射装置1の支持部8が、円筒型タンクTの内壁面に転動可能に当接された車輪8aと、車輪8aと中央筒部4とを接続する接続棒8bと、接続棒8bを傾動する接続棒傾動駆動部8cとを備えている。このため、液体窒素噴射装置1によれば、支持部8の姿勢を変更することが可能となり、円筒型タンクTに形成された開口部T1を支持部8が容易に通過することが可能となる。
【0068】
また、本実施形態では、液体窒素噴射装置1の噴射部7は、軸心Laを中心とする径方向に沿って直線状とされると共に伸縮可能とされた伸縮部7bを備えている。このため、液体窒素噴射装置1によれば、噴射ノズル7aの先端位置を円筒型タンクTの内壁面に対して調整することが可能となる。
【0069】
また、本実施形態では、液体窒素噴射装置1の噴射部7は、伸縮部7bを傾動する伸縮部傾動部7cを備えている。このため、液体窒素噴射装置1によれば、伸縮部7bの姿勢を変更することが可能となり、円筒型タンクTに形成された開口部T1を噴射部7が容易に通過することが可能となる。また、液体窒素噴射装置1によれば、必要に応じて液体窒素Xの噴射方向を変更することも可能である。このため、液体窒素噴射装置1によれば、例えば液体窒素Xを前方に向けて噴射することも可能である。
【0070】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0071】
例えば、上記実施形態においては、噴射対象物として液体窒素Xを用いる構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、噴射対象物として水や研磨剤を噴射する構成を採用することも可能である。
【0072】
また、上記実施形態においては、円筒型タンクTの内壁面に付着したライニング材を剥離する構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。円筒型タンクTの内壁面に付着物を除去する場合であれば、本発明を適用することが可能である。
【0073】
また、上記実施形態においては、中央筒部4に軸支された回動シャフト5が回動されることによって噴射部7が回動される構成について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、回動シャフト5を設置せずに、中央筒部4に噴射部7を設置し、中央筒部4を回動させることによって噴射部7を回動させる構成を採用することも可能である。
【0074】
なお、噴射対象物として水等を用いる場合には、液体窒素Xに対して低圧で噴射できる。このため、例えば、回動シャフト5の内部に噴射部7まで水等を案内する流路を形成し、水供給部からロータリジョイント等を介して回動シャフト5に水等を供給し、回動シャフト5を介して噴射部7に水等を供給するようにしても良い。このような場合には、回動シャフト5を中央筒部4の軸心Laを中心として同一方向に噴射部7を連続的に回転させることが可能となる。
【符号の説明】
【0075】
1……液体窒素噴射装置(噴射装置)
2……台車部
3……液体窒素供給部
4……中央筒部
5……回動シャフト
5a……ヘッド部
6……駆動部
7……噴射部
7a……噴射ノズル
7b……伸縮部
7c……伸縮部傾動部
8……支持部
8a……車輪
8b……接続棒
8c……接続棒傾動駆動部
9……シール部
9a……シールリング
9b……ドーム部
9c……パッド部
10……回収部
10a……ヘッド部
10b……取付棒
10c……チューブ
10d……吸引部
11……カメラ
20……大型クレーン
21……搬送台車
22……除染仮設テント
22a……開閉扉
22b……ローラコンベア
23……除染セル
23a……開閉扉
23b……載置台
24……タンク内排気装置(排気装置)
25……第2排気装置
26……遠隔操作用仮設ハウス
La……軸心
LT……軸心
P……タンク固定プレート
T……円筒型タンク
T1……開口部
W……ウインチ機構
X……液体窒素(噴射対象物)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7