(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】電子制御装置及び異常検出方法
(51)【国際特許分類】
H03K 17/00 20060101AFI20230714BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20230714BHJP
H01F 7/18 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
H03K17/00 B
B60R16/02 650R
H01F7/18 K
(21)【出願番号】P 2019085246
(22)【出願日】2019-04-26
【審査請求日】2022-02-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003333
【氏名又は名称】ボッシュ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】皆川 和明
【審査官】▲高▼橋 徳浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-060218(JP,A)
【文献】国際公開第2017/006996(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/047553(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 7/18
B60R16/00-B60R17/02
H03K17/00-H03K17/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力端子(31)から入力された駆動電流のON/OFFを切り替えて出力端子(32)から出力することにより該出力端子(32)に接続されている駆動対象(56)の動作を制御する電子制御装置(1)において、
前記駆動電流のON/OFFを切り替えて出力する駆動回路(24)と、
前記駆動回路(24)の動作を制御する制御部(200)と、
前記駆動回路(24)を流れる駆動電流を検出する電流検出部(24B)と、を備え、
前記制御部(200)は、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記駆動回路(24)に指示したデューティ比に対して許容される前記駆動電流の上限を超える場合、前記出力端子(32)からグラウンドへの短絡を検出
し、
前記制御部(200)は、前記電流検出部(24B)により検出された前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記デューティ比によらず一定の閾値(Th1)を超える場合、前記出力端子(32)からグラウンドへの短絡を検出し、
前記制御部(200)は、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が前記閾値(Th1)を超えるか否かの判断を、前記駆動電流が前記上限を超えるか否かの判断よりも先に行って、前記短絡の検出を行う、
電子制御装置(1)。
【請求項2】
前記制御部(200)は、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記上限以下であり、かつ前記デューティ比に対して許容される前記駆動電流の下限以上である場合、通常状態であると判断する、
請求項1に記載の電子制御装置(1)。
【請求項3】
入力端子(31)から入力された駆動電流のON/OFFを、駆動回路(24)により切り替えて出力端子(32)から出力することにより、該出力端子(32)に接続されている駆動対象(56)の動作を制御するステップと、
前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記駆動回路(24)に指示したデューティ比に対して許容される前記駆動電流の上限を超える場合、前記出力端子(32)からグラウンドへの短絡を検出するステップと、
前記駆動回路(24)を流れる駆動電流を検出する電流検出部(24B)により検出された前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記デューティ比によらず一定の閾値(Th1)を超える場合、前記出力端子(32)からグラウンドへの短絡を検出するステップと、
を含み、
前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が前記閾値(Th1)を超えるか否かの判断を、前記駆動電流が前記上限を超えるか否かの判断よりも先に行って、前記短絡の検出を行う、
異常検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子制御装置及び異常検出方法に関し、特に駆動に大電流を必要とする負荷のための電子制御装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来車両には、直流のバッテリ電圧で駆動されて動作が制御されるトランスミッション油圧制御用のアクチュエータとしてソレノイドバルブが設けられている。ソレノイドバルブを駆動する駆動回路は、例えばTCU(Transmission Control Unit)内に設けられる。このような駆動回路においては、ソレノイドバルブの高電圧側が電流スイッチ回路部分及び実電流値検出部分に接続されている。一方でソレノイドバルブの下流側が直接アースに接続されている。
【0003】
この駆動回路においては、ソレノイドバルブへ接続されるべき端子(以下、「ソレノイド端子」と呼ぶ)とバッテリ電圧との間の接続線の短絡(以下、「ショートバッテリ」と呼ぶ)、ソレノイド端子における断線(以下、「オープンロード」と呼ぶ)又はソレノイド端子とグラウンド間の短絡(以下、「ショートグラウンド」と呼ぶ)のような異常が仮に発生した場合、各々の異常を確実に検出することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開2015/093219A1号公報
【文献】特開2008-157304号公報
【文献】特開2006-252416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したようにショートバッテリ、オープンロード、ショートグラウンドのような各異常を区別して確実に検出することが望まれているものの、現実的には両者を正確に区別しつつ確実に検出することは困難である。
【0006】
本発明は、ショートグラウンドの検出性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、入力端子(31)から入力された駆動電流のON/OFFを切り替えて出力端子(32)から出力することにより該出力端子(32)に接続されている駆動対象(56)の動作を制御する電子制御装置(1)において、前記駆動電流のON/OFFを切り替えて出力する駆動回路(24)と、前記駆動回路(24)の動作を制御する制御部(200)と、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流を検出する電流検出部(24B)と、を備え、前記制御部(200)は、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記駆動回路(24)に指示したデューティ比に対して許容される前記駆動電流の上限を超える場合、前記出力端子(32)からグラウンドへの短絡を検出し、前記制御部(200)は、前記電流検出部(24B)により検出された前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記デューティ比によらず一定の閾値(Th1)を超える場合、前記出力端子(32)からグラウンドへの短絡を検出し、前記制御部(200)は、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が前記閾値(Th1)を超えるか否かの判断を、前記駆動電流が前記上限を超えるか否かの判断よりも先に行って、前記短絡の検出を行う、電子制御装置(1)が提供される。
【0008】
本発明の他の一態様によれば、入力端子(31)から入力された駆動電流のON/OFFを、駆動回路(24)により切り替えて出力端子(32)から出力することにより、該出力端子(32)に接続されている駆動対象(56)の動作を制御するステップと、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記駆動回路(24)に指示したデューティ比に対して許容される前記駆動電流の上限を超える場合、前記出力端子(32)からグラウンドへの短絡を検出するステップと、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流を検出する電流検出部(24B)により検出された前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が、前記デューティ比によらず一定の閾値(Th1)を超える場合、前記出力端子(32)からグラウンドへの短絡を検出するステップと、を含み、前記駆動回路(24)を流れる駆動電流が前記閾値(Th1)を超えるか否かの判断を、前記駆動電流が前記上限を超えるか否かの判断よりも先に行って、前記短絡の検出を行う、異常検出方法が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ショートグラウンドの検出性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本実施の形態における電子制御装置の回路図である。
【
図3】抵抗が介在しない場合のショートグラウンド発生時の駆動電流を示すグラフである。
【
図4】抵抗が介在する場合のショートグラウンド発生時の駆動電流を示すグラフである。
【
図5】デューティ比と駆動電流の相関を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。なお以下の説明は、本発明を限定するものではなく、本発明の範囲内で適宜変更することができる。
【0012】
図1は、電子制御装置1の概略構成を示す。この電子制御装置1は、例えばトランスミッションの動作を制御するTCU(Transmission Control Unit)である。
【0013】
電子制御装置1は、車両に搭載されるバッテリ35からの電力を入力端子31から入力する。入力された電力は、リバースプロテクション33及びCHSS(Common High Side Switch)34を介して例えば6個の駆動回路24に入力される。図示の例では一例として1つの駆動回路24が表されている。駆動回路24内に入力された電力は、制御部200からの制御信号に基づいてON/OFFが切り替えられて、出力端子32から負荷SOLに対して出力される。
【0014】
駆動回路24は、駆動対象であるシフトアクチュエータ56の一部であるソレノイドのような負荷SOLの作動に応じて制御対象としてのトランスミッションを制御する。このソレノイドは例えば車両トランスミッションの油圧バルブを駆動するためのアクチュエータである。
【0015】
駆動回路24内における左側には電流制御スイッチ(以下、IHSS:Individual High Side Switchと呼ぶことがある。)24A、電流検出部24B、シャント抵抗24D及びフライホイールダイオード24Eが設けられている。
【0016】
電流制御スイッチ24Aは制御部200に接続されている。制御部200は、電流制御スイッチ24Aに対して、例えばパルス幅制御における各パルス幅のデューティ比を変更しながらON/OFF制御を行うことにより負荷SOLに供給すべき駆動電流Iの電流量を制御する。
【0017】
電流検出部24Bは負荷SOLと電流制御スイッチ24Aとの間に設けられている。この電流検出部24Bはシャント抵抗24Dを含んでおり、このシャント抵抗24Dに流れる電流を計測することによりバッテリ35から負荷SOLに供給される駆動電流Iを検出する。この電流検出部24Bによって検出された駆動電流Iの電流量は、検出電流IN1として制御部200にフィードバックされる。
【0018】
制御部200は電流検出部24Bによって検出される検出電流IN1の電流量に基づいて電流制御スイッチ24Aのデューティ比を制御することにより負荷SOLに供給される駆動電流Iの電流量を調整する。また、制御部200は、電流検出部24Bによって検出される検出電流IN1の電流量に応じて異常が発生しているか否かを判定する。
【0019】
一方駆動回路24内における右側には、例えば5Vの電源電圧の電源とグラウンドとの間に抵抗R1,R2,R3が順に直列に設けられており抵抗R2と抵抗R3との結合部が制御部200に接続されている。制御部200には、抵抗R1,R2,R3の分圧比によって抵抗R2と抵抗R3との結合点における電圧(後述する「特定電圧」に相当)がフィードバックされる。このようにフィードバックされる電圧の値は検出電圧IN2とも呼ぶ。つまり制御部200には抵抗R2と抵抗R3との結合点における電圧の値が検出電圧IN2としてフィードバックされている。
【0020】
図2は、駆動制御処理の一例を示す。制御部200は、電流制御スイッチ24Aからフィードバックされた検出電流IN1が指示したデューティ比によらず一定の閾値Th1(以下、第1閾値Th1という)を超えているか否かを判定する(ステップS1)。すなわち制御部200は、第1閾値Th1を超える大きな駆動電流Iが駆動回路24を流れたか否かを常に監視する。
【0021】
例えば第1閾値Th1が1.8Aであり、検出電流IN1が1.8Aを超えている場合には(ステップS1:YES)、制御部200はショートグラウンドSGの発生を検出する(ステップS2)。一方制御部200は検出電流IN1が1.8Aを超えていない場合(ステップS1:NO)、ステップS3を実行する。
【0022】
ステップS3では制御部200が、検出電流IN1が電流制御スイッチ24Aに指示している現在のデューティ比に対して許容される駆動電流Iの上限を超えたか否かを判定する(ステップS3)。すなわち、制御部200は、駆動回路24に指示したデューティ比に対して許容される上限を超える駆動電流Iが駆動回路24を流れたか否かを監視する。
【0023】
第1閾値Th1を超えない場合でも、デューティ比に対して許容される上限を超える駆動電流Iが駆動回路24を流れた場合、デューティ比により制御しようとする電流量よりも大きい電流量で駆動電流Iが流れており、ショートグラウンドSGの可能性がある。よって、検出電流IN1が上限を超える場合(ステップS3:YES)、制御部200はショートグラウンドSGの発生を検出する(ステップS2)。一方検出電流IN1が上限を超えない場合(ステップS3:NO)、制御部200はステップS4を実行する。
【0024】
ステップS4では制御部200が、駆動回路24を流れる駆動電流I、すなわち電流検出部24Bによって検出される検出電流IN1の電流量が所定値Thiよりも小さく、かつ、そのデューティ比が所定値Thdよりも大きいという第1の条件、又は、上記検出電流IN1が所定の下降率よりも大きく、かつ、上記デューティ比が所定の上昇率よりも大きいという第2の条件が成立している場合には、検出電圧IN2としてフィードバックされる特定電圧に基づいて負荷SOLにおける断線(オープンロードOP)とバッテリ35における短絡(ショートバッテリSB)とを各々区別する。
【0025】
例えば所定値Thiが41mA、所定値Thdが23.2%の場合、制御部200は電流検出部24Bによって検出される検出電流IN1が41mA未満でありかつそのデューティ比が23.2%を超えていること(第1の条件)、又は、電流検出部24Bによる検出電流IN1が所定の下降率より大きく、かつ、上記デューティ比が所定の上昇率を超えていること(第2の条件)が成立しているか否かを判定する(ステップS4)。
【0026】
つまり制御部200はシャント抵抗24Dを流れるとともに負荷SOLを流れる駆動電流Iが0に近い所定値Thi以下であり、かつ、ソレノイド駆動制御のための電流スイッチ回路部分である電流制御スイッチ(IHSS)24Aによる駆動指示に基づくデューティ比の値が所定値Thdよりも大きいという第1の条件が成立したか否かを常に監視している。制御部200は、このような第1の条件又は第2の条件が成立すると、負荷SOLに対する駆動指示はある程度の大きさでなされているのにも関わらず駆動電流Iが十分に流れていない、すなわち異常である可能性がある状態、つまり、ショートバッテリSB又はオープンロードOPの可能性があると判定する。
【0027】
制御部200は上述した第1の条件又は第2の条件が成立していない場合には(ステップS4:NO)、異常が発生していない状態(通常状態)であると判定する(ステップS7)。一方制御部200は上述した第1の条件又は第2の条件が成立している場合(ステップS4:YES)、制御部200は電流制御スイッチ24AをOFFとする(ステップS5)。
【0028】
さらに制御部200は異常内容の詳細な確認方法として、例えば電流制御スイッチ24Aを一旦OFFにした状態でシャント抵抗24Dの上流の電位を測定して詳細な判断を実施する。具体的には制御部200は大きさが異なる2つの閾値、例えば2.13V及び3.98Vを検出電圧IN2と比較する。
【0029】
まず、制御部200は検出電圧IN2が2.13V未満であるか否かを判定する(ステップS6)。制御部200は検出電圧IN2が2.13V未満である場合には(ステップS6:YES)、異常が発生していない状態(通常状態)であると判定する(ステップS7)。一方制御部200は検出電圧IN2が2.13V未満ではない場合には(ステップS6:NO)、ステップS8を実行する。
【0030】
ステップS8では制御部200によって検出電圧IN2が2.13V以上3.98V未満であるという第3の条件が成立するか否かが判定される。制御部200は検出電圧IN2が2.13V以上3.98V未満である場合には(ステップS8:YES)、オープンロードOPを検出する(ステップS9)。
【0031】
一方制御部200は検出電圧IN2が2.13V以上3.98V未満ではない場合には(ステップS8:NO)、ショートバッテリSBを検出する(ステップS10)。
【0032】
以上のようにして、制御部200は、検出電流IN1に基づいてショートグラウンドSGを検出し、検出電圧IN2に基づいて負荷SOLにおける断線(オープンロードOP)とバッテリ35における短絡(ショートバッテリSB)とを各々区別する。
【0033】
制御部200は、ショートグラウンドSGを検出する条件として、駆動電流Iが第1閾値Th1を超えるという条件だけでなく、駆動電流Iがデューティ比に対して許容される駆動電流の上限を超えるという条件も用いる。通常のショートグラウンドSGであれば、大電流が流れるため、第1閾値Th1を超える条件によりショートグラウンドSGを検出できるが、ゴミの炭化物等の付着により微小な抵抗72を介してショートグラウンドSGが発生した場合、第1閾値Th1未満の駆動電流Iしか流れず、第1閾値Th1を超えるという条件のみではショートグラウンドSGとして検出されない可能性がある。しかし、デューティ比に対して許容される上限を超えるという条件によれば、監視する駆動電流Iが第1閾値Th1未満であっても、許容される上限を超える場合はショートグラウンドSGの発生を検出でき、ショートグラウンドSGの検出性が向上する。
【0034】
また本実施形態において制御部200は、第1閾値Th1以上の駆動電流Iの検出をデューティ比に対する上限を超える駆動電流Iを検出するよりも先に行うため、大電流が流れるショートグラウンドSGを先に検出して早期に対応措置をとることができる。
【0035】
図3は、抵抗72を介しないショートグラウンド発生時の駆動電流Iの例を示す。
図3において、縦軸は駆動電流I、横軸は時間Tを示す。
図3中の駆動電流Iの波形は、負荷SOLを流れる電流と、ショートグラウンドSGの発生によってグラウンドへと流れる電流の合成波形である。
【0036】
図3に示すように、出力端子32がグラウンドに短絡した時点Tsgから駆動電流Iは急上昇する。よって、上述したステップS1の処理において駆動電流Iが第1閾値Th1を超えるか否かを判断することによって、ショートグラウンドSGを検出することができる。なお、
図3において、第1閾値Th1を超えた後、ショートグラウンドSGの検出によって電流制御スイッチ24AがOFFに切り替えられたため、駆動電流Iは0まで下がっている。
【0037】
図4は、抵抗72を介したショートグラウンド発生時の駆動電流Iの例を示す。
図4に示すように、出力端子32が抵抗72を介してグラウンドに短絡すると、短絡した時点Tsgから、第1閾値Th1を超えないものの、デューティ比により制御しようとする電流量よりも大きい電流量の駆動電流Iが流れる。よって、上述したステップS3の処理において駆動電流Iが現在指示されているデューティ比に対して許容される上限を超えるか否かを判断することによって、抵抗72を介してグラウンドに短絡する場合のショートグラウンドSGも検出できる。
【0038】
図5は、デューティ比Dy(%)と駆動電流I(mA)の相関を示す。
図5において、直線y1及びy2で囲まれる領域が負荷SOLの正常使用範囲81である。直線y1はデューティ比Dyに対して許容される駆動電流Iの上限を表し、直線y2はその下限を表す。上限及び下限はデューティ比Dyに比例し、正常使用範囲81の上限から下限までの幅は、駆動電圧の変動幅や抵抗値の温度変動幅等に相当する。ステップS1の判断のみでショートグラウンドSGを検出できる範囲は、デューティ比Dyによらず第1閾値Th1を超える領域82であるが、ステップS3の判断を行うことにより、第1閾値Th1未満だが正常使用範囲81ではない領域83もショートグラウンドSGを検出できる範囲となる。
【0039】
なお、制御部200は、検出された駆動電流Iをデューティ比Dyに対して許容される電流値の上限だけでなく下限とも比較し、駆動電流Iが上限以下かつ下限以上である場合には、異常が発生していない通常状態であると判断してもよい。
【0040】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1・・・電子制御装置、24・・・駆動回路、24A・・・電流制御スイッチ、24B・・・電流検出部、200・・・制御部