(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】室外機カバー
(51)【国際特許分類】
F24F 1/58 20110101AFI20230714BHJP
【FI】
F24F1/58
(21)【出願番号】P 2019125824
(22)【出願日】2019-07-05
【審査請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】596061373
【氏名又は名称】岩谷マテリアル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097102
【氏名又は名称】吉澤 敬夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】松本 徹也
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-013101(JP,A)
【文献】特開昭61-165562(JP,A)
【文献】特開2018-151085(JP,A)
【文献】特開2017-129325(JP,A)
【文献】特開2010-060225(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアコンの室外機をカバーする室外機カバーであって、
排気口を有する前記室外機の前面に対向する正面パネルと、
前記正面パネルの両端部に接続され、前記正面パネルを支持する側面フレームと、
を備え、
前記正面パネルは、前記室外機の前記前面に対して平行に配置される正面部を有し、
前記正面部は、
前記室外機の前記前面に対して斜め下方に延びる複数の目隠し部と、
前記複数の目隠し部を互いに接続する接続部と、
を有し、
前記複数の目隠し部は、鉛直方向および水平方向のそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置され、
前記複数の目隠し部のうちの第1目隠し部は、前記水平方向に沿ってみたときに第2目隠し部および第3目隠し部に前記接続部により接続されて隣り合い、前記鉛直方向に沿ってみたときに前記第2目隠し部と前記第3目隠し部との間に配置され
、
前記目隠し部は、前記水平方向に延び、
前記接続部は、前記水平方向に対して斜め方向に延びたことを特徴とする室外機カバー。
【請求項2】
前記
正面パネルは、前記室外機の前記前面に対して斜めに配置される傾斜部をさらに有し、
前記傾斜部は、
前記室外機の前記前面に対して垂直方向に延びる複数の庇部と、
前記複数の庇部を互いに接続する連結部と、
を有し、
前記複数の庇部は、前記鉛直方向および前記水平方向のそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置され、
前記複数の庇部のうちの第1庇部は、前記水平方向に沿ってみたときに第2庇部および第3庇部に前記連結部により接続されて隣り合い、前記鉛直方向に沿ってみたときに前記第2庇部と前記第3庇部との間に配置されたことを特徴とする請求項1に室外機カバー。
【請求項3】
前記
庇部は、前記水平方向に延び、
前記連結部は、前記水平方向に対して斜め方向に延びたことを特徴とす
る請求項2に
記載の室外機カバー。
【請求項4】
前記
正面パネルの前記両端部に接続された前記側面フレームに架かって設けられ、前記室外機の上面を覆う天板をさらに備えたことを特徴とする請求項
1~3のいずれか1項に記載の室外機カバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコンの室外機をカバーする室外機カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、複数の風向ルーバーを備えたエアコンの室外機用カバーが開示されている。特許文献1に記載されたエアコンの室外機用カバーにおいて、複数の風向ルーバーのそれぞれは、正面からみて水平方向に延びており、室外機からの排気を上方または下方のいずれかに誘導するように傾斜している。また、複数の風向ルーバーは、鉛直方向において互いに離れて配置されている。
【0003】
エアコンの室外機および室外機カバーが設置された状態において、一般的に、室外機カバーに比較的近いところで室外機カバーを見る人の視線は、室外機カバーよりも高い位置から室外機カバーを見下ろす方向になる。そのため、特許文献1に記載されたエアコンの室外機用カバーでは、風向ルーバーが室外機からの排気を上方に誘導するように傾斜している場合には、エアコンの室外機が複数の風向ルーバー同士の間から見えてしまう。また、特許文献1に記載されたエアコンの室外機用カバーでは、複数の風向ルーバー同士の間隔が比較的広いため、風向ルーバーが室外機からの排気を下方に誘導するように傾斜している場合であっても、エアコンの室外機が複数の風向ルーバー同士の間から見えてしまうおそれがある。
【0004】
これに対して、エアコンの室外機が設置された庭先、ベランダおよびバルコニーなどの空間のデザインを向上させるために、エアコンの室外機が見えることを抑えた目隠し機能を室外機カバーに持たせることが望まれている。しかし、エアコンの室外機が見えないようにエアコンの室外機の周囲を覆うと、室外機の排気や放熱の効果が低下し、室外機の熱交換効率が低下するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するためになされたものであり、エアコンの室外機が見えることを抑えることができるとともにエアコンの室外機の排気性能を確保することができる室外機カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、エアコンの室外機をカバーする室外機カバーであって、排気口を有する前記室外機の前面に対向する正面パネルと、前記正面パネルの両端部に接続され、前記正面パネルを支持する側面フレームと、を備え、前記正面パネルは、前記室外機の前記前面に対して平行に配置される正面部を有し、前記正面部は、前記室外機の前記前面に対して斜め下方に延びる複数の目隠し部と、前記複数の目隠し部を互いに接続する接続部と、を有し、前記複数の目隠し部は、鉛直方向および水平方向のそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置され、前記複数の目隠し部のうちの第1目隠し部は、前記水平方向に沿ってみたときに第2目隠し部および第3目隠し部に前記接続部により接続されて隣り合い、前記鉛直方向に沿ってみたときに前記第2目隠し部と前記第3目隠し部との間に配置され、前記目隠し部は、前記水平方向に延び、前記接続部は、前記水平方向に対して斜め方向に延びたことを特徴とする本発明に係る室外機カバーにより解決される。
【0008】
本発明に係る室外機カバーによれば、室外機カバーの正面パネルは、排気口を有する室外機の前面に対して平行に配置される正面部を有する。正面パネルの正面部は、複数の目隠し部と、複数の目隠し部を互いに接続する接続部と、を有する。目隠し部は、室外機の前面に対して斜め下方に延びている。ここで、一般的に、室外機カバーに比較的近いところで室外機カバーを見る人の視線は、室外機カバーよりも高い位置から室外機カバーを見下ろす方向になる。本発明に係る室外機カバーでは、目隠し部が室外機の前面に対して斜め下方に延びているため、エアコンの室外機が室外機カバーの外側から見えることを抑えることができる。
【0009】
また、複数の目隠し部は、鉛直方向および水平方向のそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。さらに、複数の目隠し部のうちの第1目隠し部は、水平方向に沿ってみたときに第2目隠し部および第3目隠し部に接続部により接続されて隣り合い、鉛直方向に沿ってみたときに第2目隠し部と第3目隠し部との間に配置されている。このように、本発明に係る室外機カバーでは、第2目隠し部および第3目隠し部に接続部により接続されて隣り合う第1目隠し部は、水平方向に沿ってみたときに第2目隠し部および第3目隠し部に重なり合うことはなく第2目隠し部と第3目隠し部との間に配置されている。すなわち、複数の目隠し部は、千鳥状に配置されている。そのため、室外機から排出される空気が通過する開口を確保し、室外機から排出される空気の流れが遮られることを抑えることができる。これにより、室外機の排気性能を確保することができる。
また、本発明に係る室外機カバーによれば、目隠し部は、水平方向に延びているため、水平方向の比較的広い範囲にわたって室外機カバーよりも高い位置から室外機カバーの内側に設置された室外機を見下ろす視線を遮ることができる。これにより、エアコンの室外機が室外機カバーの外側から見えることを、水平方向の比較的広い範囲にわたって抑えることができる。また、目隠し部が水平方向に延びているとともに、接続部が水平方向に対して斜め方向に延びているため、正面パネルの正面部の開口形状が円形や四角形である場合と比較して、より広い開口面積を確保することができる。これにより、室外機の排気性能をより一層確保することができる。
【0012】
本発明に係る室外機カバーにおいて、好ましくは、前記正面パネルは、前記室外機の前記前面に対して斜めに配置される傾斜部をさらに有し、前記傾斜部は、前記室外機の前記前面に対して垂直方向に延びる複数の庇部と、前記複数の庇部を互いに接続する連結部と、を有し、前記複数の庇部は、前記鉛直方向および前記水平方向のそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置され、前記複数の庇部のうちの第1庇部は、前記水平方向に沿ってみたときに第2庇部および第3庇部に前記連結部により接続されて隣り合い、前記鉛直方向に沿ってみたときに前記第2庇部と前記第3庇部との間に配置されたことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る室外機カバーによれば、室外機カバーの正面パネルは、排気口を有する室外機の前面に対して斜めに配置される傾斜部をさらに有する。正面パネルの傾斜部は、複数の庇部と、複数の庇部を互いに接続する連結部と、を有する。庇部は、室外機の前面に対して垂直方向に延びている。そのため、庇部が目隠し部と同様に室外機の前面に対して斜め下方に延びている場合と比較して、エアコンの室外機が室外機カバーの外側から見えることを抑える効果はやや低い。そのため、室外機カバーに比較的近いところで室外機カバーを見る人は、室外機カバーの内側に設置されたエアコンの室外機を正面パネルの傾斜部を通して僅かに見ることができる。つまり、複数の庇部の間の開口は、室外機の観察孔として利用可能とされている。これにより、正面パネルの傾斜部を通してエアコンの室外機の動作状況などを確認することができる。また、庇部は、室外機の前面に対して垂直方向に延びているため、直射日光がエアコンの室外機に当たることを抑え、エアコンの室外機を直射日光から保護することができる。
【0014】
また、複数の庇部は、鉛直方向および水平方向のそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。さらに、複数の庇部のうちの第1庇部は、水平方向に沿ってみたときに第2庇部および第3庇部に連結部により接続されて隣り合い、鉛直方向に沿ってみたときに第2庇部と第3庇部との間に配置されている。このように、本発明に係る室外機カバーでは、第2庇部および第3庇部に連結部により接続されて隣り合う第1庇部は、水平方向に沿ってみたときに第2庇部および第3庇部に重なり合うことはなく第2庇部と第3庇部との間に配置されている。すなわち、複数の庇部は、千鳥状に配置されている。そのため、室外機から排出される空気が通過する開口を正面パネルの傾斜部において確保し、室外機から排出される空気の流れが遮られることを抑えることができる。これにより、室外機の排気性能を正面パネルの傾斜部においても確保することができる。
【0015】
本発明に係る室外機カバーにおいて、好ましくは、前記庇部は、前記水平方向に延び、前記連結部は、前記水平方向に対して斜め方向に延びたことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る室外機カバーによれば、庇部は、水平方向に延びているため、水平方向の比較的広い範囲にわたって直射日光がエアコンの室外機に当たることを抑え、エアコンの室外機を直射日光からより一層保護することができる。また、庇部が水平方向に延びているとともに、連結部が水平方向に対して斜め方向に延びているため、正面パネルの傾斜部の開口形状が円形や四角形である場合と比較して、より広い開口面積を確保することができる。これにより、室外機の排気性能を正面パネルの傾斜部においてより一層確保することができる。
【0017】
本発明に係る室外機カバーは、好ましくは、前記正面パネルの前記両端部に接続された前記側面フレームに架かって設けられ、前記室外機の上面を覆う天板をさらに備えたことを特徴とする。
【0018】
本発明に係る室外機カバーによれば、天板がさらに設けられている。天板は、正面パネルの両端部に接続された側面フレームに架かって設けられ、エアコンの室外機の上面を覆っている。そのため、天板は、直射日光がエアコンの室外機に当たることをより確実に抑え、エアコンの室外機を直射日光からより確実に保護することができる。これにより、エアコンの室外機の熱交換効率を向上させ、エアコンの室外機の省エネルギー化を図ることができる。また、使用者は、天板を棚として利用することにより例えば鉢花や雑貨などを天板に載置し、エアコンの室外機が設置された庭先、ベランダおよびバルコニーなどの空間のデザインを向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、エアコンの室外機が見えることを抑えることができるとともにエアコンの室外機の排気性能を確保することができる室外機カバーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の実施形態に係る室外機カバーを表す斜視図である。
【
図2】
図1に表した領域A1を拡大した拡大図である。
【
図3】本実施形態に係る室外機カバーを表す正面図である。
【
図4】
図3に表した切断面A11-A11における断面図である。
【
図5】
図3に表した領域A2を拡大した拡大図である。
【
図6】本実施形態に係る室外機カバーの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係る室外機カバーを表す斜視図である。
図2は、
図1に表した領域A1を拡大した拡大図である。
図3は、本実施形態に係る室外機カバーを表す正面図である。
図4は、
図3に表した切断面A11-A11における断面図である。
図5は、
図3に表した領域A2を拡大した拡大図である。
図6は、本実施形態に係る室外機カバーの上面図である。
【0023】
本実施形態に係る室外機カバー2は、エアコンの室外機8をカバーする室外機カバーである。室外機カバー2は、正面パネル3と、側面フレーム41、42と、を備える。室外機カバー2は、天板5をさらに備えていてもよい。
図1および
図3に表したように、室外機カバー2が室外機8をカバーした状態において、正面パネル3は、室外機8の前面81に対向する。室外機8の前面81には、排気口82(
図3参照)が設けられている。室外機8は、排気口82を通して空気を排出する。
【0024】
例えば、正面パネル3は、パネル本体部と、パネル本体部を被覆する被覆部と、を有する。例えば、パネル本体部は、薄板状の一枚の金属板において搬送工程と剪断工程とを繰り返すことにより形成される。パネル本体部の金属材料としては、鉄やステンレス、あるいはチタン等の非鉄金属などが挙げられる。パネル本体部は、熱間圧延軟鋼板から形成されてもよく、冷間圧延鋼板から形成されてもよい。
【0025】
被覆部は、樹脂塗料のコーティング処理をパネル本体部の表面に施すことで形成され、パネル本体部の全表面に密着してパネル本体部を被覆している。これにより、被覆部は、正面パネル3の剛性を確保できるとともに、正面パネル3に対する接触により怪我をしたり衣服が破れたりすることを抑えることができる。被覆部の形成は、流動浸漬塗装法や静電塗装法や散布法などの粉体塗装法により実現可能とされている。より好ましくは、被覆部は、流動浸漬塗装法により粉体塗料のコーティング処理をパネル本体部の表面に施すことで形成される。
【0026】
被覆部を形成する粉体塗料としては、例えばポリエチレンを主体する粉体塗料などが挙げられる。ポリエチレンを主体する粉体塗料としては、例えば、高密度ポリエチレン、中・低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン等のポリエチレン系重合体などを利用したポリオレフィン系樹脂が挙げられ、例えば旭化成ケミカルズ株式会社製サンファイン(登録商標)が挙げられる。これによれば、パネル本体部に対する被覆部の密着性だけではなく、正面パネル3の耐候性・耐薬品性を向上させることができる。被覆部の厚さは、例えば約300μm以上、500μm以下程度である。
【0027】
このような正面パネル3としては、例えばブラインドメタルやエキスパンドメタルなどと呼ばれる構造体が挙げられる。但し、本実施形態の正面パネル3は、以下に詳述する構造および効果を有する限りにおいて、ブラインドメタルやエキスパンドメタルに限定されるわけではない。また、正面パネル3は、金属製のパネル本体部と、パネル本体部を被覆する被覆部と、を必ずしも有していなくともよく、樹脂材料により一体的に形成されていてもよい。
【0028】
正面パネル3は、正面部31と、傾斜部32と、を有する。正面部31および傾斜部32は、互いに接続されており一体的に形成されている。
図4に表したように、室外機カバー2が室外機8をカバーした状態において、正面部31は、室外機8の前面81に対して平行に配置される。また、
図4に表したように、室外機カバー2が室外機8をカバーした状態において、傾斜部32は、室外機8の前面81に対して斜めに配置される。
【0029】
図2、
図4および
図5に表したように、正面部31は、複数の目隠し部311と、複数の接続部312と、を有する。
図4に表したように、目隠し部311は、室外機8の前面81に対して斜め下方に延びている。目隠し部311が室外機8の前面81に対して斜め下方に延びた方向の寸法D1は、例えば約3mm以上、5mm以下程度である。また、目隠し部311が室外機8の前面81に対して斜め下方に延びた方向に垂直な方向の寸法D2は、例えば約0.8mm以上、1.2mm以下程度である。
【0030】
図5に表したように、複数の目隠し部311は、鉛直方向Vに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。また、
図5に表したように、複数の目隠し部311は、水平方向Hに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。接続部312は、複数の目隠し部311を互いに接続している。
【0031】
また、
図5に表したように、目隠し部311は、水平方向Hに延びている。すなわち、目隠し部311は、室外機8の排気口82から排出される空気(排気)の流れに沿った方向(室外機8の前面81の法線方向)に対して斜め下方に延びるとともに、鉛直方向Vに垂直かつ室外機8の前面81に平行な方向としての水平方向Hに延びている。このような複数の目隠し部311が、鉛直方向Vおよび水平方向Hのそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。そして、接続部312が、水平方向Hに対して斜め方向に延びており、隣り合う目隠し部311同士を接続している。
【0032】
なお、
図5に表した例では、水平方向Hに沿って互いに隣り合う目隠し部311の水平方向Hの長さが互いに異なっている。但し、水平方向Hに沿って互いに隣り合う目隠し部311の水平方向Hの長さは、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
【0033】
複数の目隠し部311と、複数の接続部312と、により囲まれた部分には、開口313が形成されている。本実施形態に係る室外機カバー2では、目隠し部311が水平方向Hに延び、接続部312が水平方向Hに対して斜め方向に延びているため、
図5に表したように、室外機カバー2の外側から正面パネル3に向かってみたときに、正面部31の開口313は、六角形を呈する。開口313の鉛直方向Vの寸法D3は、例えば約5mm以上、7mm以下程度である。室外機8の排気口82から排出された空気は、正面部31に形成された開口313を通過し、室外機カバー2の外側に導かれる。
【0034】
図5を参照し、複数の目隠し部311のうちの第1目隠し部311a、第2目隠し部311bおよび第3目隠し部311cを例に挙げて、正面部31をさらに説明する。第1目隠し部311aは、水平方向Hに沿ってみたときに第2目隠し部311bおよび第3目隠し部311cに隣り合っており、接続部312により第2目隠し部311bおよび第3目隠し部311cに接続されている。また、第1目隠し部311aは、鉛直方向Vに沿ってみたときに第2目隠し部311bと第3目隠し部311cとの間に接続されている。つまり、第2目隠し部311bおよび第3目隠し部311cに接続部312により接続されて隣り合う第1目隠し部311aは、水平方向Hに沿ってみたときに第2目隠し部311bおよび第3目隠し部311cに重なり合うことはなく第2目隠し部311bと第3目隠し部311cとの間に配置されている。そのため、
図5に表したように、複数の目隠し部311は、千鳥状に配置されている。また、複数の開口313は、千鳥状に配置されている。
【0035】
そして、正面部31は、全体として網目状に形成されている。但し、目隠し部311が室外機8の前面81に対して斜め下方に延びているため、正面部31は、例えばプレス加工により薄板状の金属板に孔が形成されただけのパンチングメタルや、マスキングによる防食処理を施し腐食液によって不要部分を除去するエッチング加工により薄板状の金属板に孔が形成されただけの金属加工品とは異なる。
【0036】
図2、
図4および
図5に表したように、傾斜部32は、複数の庇部321と、複数の連結部322と、を有する。
図4に表したように、庇部321は、室外機8の前面81に対して垂直方向に延びている。すなわち、庇部321は、室外機8の前面81の法線方向に延びている。庇部321が室外機8の前面81に対して垂直に延びた方向の寸法D4は、例えば約3mm以上、5mm以下程度である。また、庇部321の鉛直方向の寸法D5は、例えば約0.8mm以上、1.2mm以下程度である。
【0037】
図5に表したように、複数の庇部321は、鉛直方向Vに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。また、
図5に表したように、複数の庇部321は、水平方向Hに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。連結部322は、複数の庇部321を互いに接続している。
【0038】
また、
図5に表したように、庇部321は、水平方向Hに延びている。すなわち、庇部321は、室外機8の排気口82から排出される空気(排気)の流れに沿った方向(室外機8の前面81の法線方向)に延びるとともに、鉛直方向Vに垂直かつ室外機8の前面81に平行な方向としての水平方向Hに延びている。このような複数の庇部321が、鉛直方向Vおよび水平方向Hのそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。そして、連結部322が、水平方向Hに対して斜め方向に延びており、隣り合う庇部321同士を接続している。
【0039】
なお、
図5に表した例では、水平方向Hに沿って互いに隣り合う庇部321の水平方向Hの長さが互いに異なっている。但し、水平方向Hに沿って互いに隣り合う庇部321の水平方向Hの長さは、互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
【0040】
複数の庇部321と、複数の連結部322と、により囲まれた部分には、開口323が形成されている。本実施形態に係る室外機カバー2では、庇部321が水平方向Hに延び、連結部322が水平方向Hに対して斜め方向に延びているため、
図5に表したように、室外機カバー2の外側から正面パネル3に向かってみたときに、傾斜部32の開口323は、六角形を呈する。開口323の鉛直方向Vの寸法D6は、例えば約7mm以上、10mm以下程度である。室外機8の排気口82から排出された空気は、傾斜部32に形成された開口323を通過し、室外機カバー2の外側に導かれる。
【0041】
図5を参照し、複数の庇部321のうちの第1庇部321a、第2庇部321bおよび第3庇部321cを例に挙げて、傾斜部32をさらに説明する。第1庇部321aは、水平方向Hに沿ってみたときに第2庇部321bおよび第3庇部321cに隣り合っており、接続部312により第2庇部321bおよび第3庇部321cに接続されている。また、第1庇部321aは、鉛直方向Vに沿ってみたときに第2庇部321bと第3庇部321cとの間に接続されている。つまり、第2庇部321bおよび第3庇部321cに連結部322により接続されて隣り合う第1庇部321aは、水平方向Hに沿ってみたときに第2庇部321bおよび第3庇部321cに重なり合うことはなく第2庇部321bと第3庇部321cとの間に配置されている。そのため、
図5に表したように、複数の庇部321は、千鳥状に配置されている。また、複数の開口323は、千鳥状に配置されている。
【0042】
そして、傾斜部32は、全体として網目状に形成されている。但し、庇部321が室外機8の前面81に対して垂直方向に延びているため、傾斜部32は、例えばプレス加工により薄板状の金属板に孔が形成されただけのパンチングメタルや、マスキングによる防食処理を施し腐食液によって不要部分を除去するエッチング加工により薄板状の金属板に孔が形成されただけの金属加工品とは異なる。
【0043】
側面フレーム41、42は、正面パネル3の両端部に接続され、正面パネル3を支持する。側面フレーム41、42は、例えばネジなどの締結部材により正面パネル3に固定されていてもよく、溶接などにより正面パネル3に固定されていてもよい。
【0044】
本実施形態に係る室外機カバー2では、
図3に表したように、室外機カバー2の外側から正面パネル3に向かってみたときに、第1側面フレーム41が、正面パネル3の右端部に接続されている。また、第2側面フレーム42が、正面パネル3の左端部に接続されている。第1側面フレーム41および第2側面フレーム42のそれぞれの下端部には、調節部43が設けられている。調節部43は、室外機8の設置面に対する第1側面フレーム41および第2側面フレーム42のそれぞれの高さを調整することができる。これにより、室外機カバー2の使用者は、調節部43を用いて第1側面フレーム41および第2側面フレーム42のそれぞれの高さを調整することにより、例えば室外機8の設置面が傾斜している場合であっても、天板5の上面51が水平となるように室外機カバー2を設置することができる。
【0045】
天板5は、第1側面フレーム41と第2側面フレーム42とに架けられており、室外機8の上面83を覆っている。天板5は、例えばネジなどの締結部材により第1側面フレーム41および第2側面フレーム42に固定されていてもよく、溶接などにより第1側面フレーム41および第2側面フレーム42に固定されていてもよい。天板5の上面51には、孔や凹部などは設けられていない。すなわち、天板5の上面51は、平坦面として設けられている。
【0046】
ここで、
図4に表した矢印A15のように、一般的に、室外機カバー2に比較的近いところで室外機カバー2を見る人の視線は、室外機カバー2よりも高い位置から室外機カバー2を見下ろす方向になる。前述したように、本実施形態に係る室外機カバー2の目隠し部311は、室外機8の前面81に対して斜め下方に延びている。そのため、室外機8が室外機カバー2の外側から見えることを抑えることができる。
【0047】
また、複数の目隠し部311は、鉛直方向Vおよび水平方向Hのそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。さらに、複数の目隠し部311のうちの第1目隠し部311aは、水平方向Hに沿ってみたときに第2目隠し部311bおよび第3目隠し部311cに接続部312により接続されて隣り合い、鉛直方向Vに沿ってみたときに第2目隠し部311bと第3目隠し部311cとの間に配置されている。このように、本実施形態に係る室外機カバー2では、第2目隠し部311bおよび第3目隠し部311cに接続部312により接続されて隣り合う第1目隠し部311aは、水平方向Hに沿ってみたときに第2目隠し部311bおよび第3目隠し部311cに重なり合うことはなく第2目隠し部311bと第3目隠し部311cとの間に配置されている。すなわち、複数の目隠し部311は、千鳥状に配置されている。そのため、室外機8から排出される空気が通過する開口313を確保し、室外機8から排出される空気の流れが遮られることを抑えることができる。これにより、室外機8の排気性能を確保することができる。
【0048】
また、目隠し部311は、水平方向Hに延びているため、水平方向Hの比較的広い範囲にわたって室外機カバー2よりも高い位置から室外機カバー2の内側に設置された室外機8を見下ろす視線(
図4に表した矢印A15参照)を遮ることができる。これにより、室外機8が室外機カバー2の外側から見えることを、水平方向Hの比較的広い範囲にわたって抑えることができる。また、目隠し部311が水平方向Hに延びているとともに、接続部312が水平方向Hに対して斜め方向に延びているため、正面パネル3の正面部31の開口313の形状が円形や四角形である場合と比較して、より広い開口面積を確保することができる。これにより、室外機8の排気性能をより一層確保することができる。
【0049】
また、室外機8の前面81に対して斜めに配置される傾斜部32の庇部321は、室外機8の前面81に対して垂直方向に延びている。そのため、庇部321が目隠し部311と同様に室外機8の前面81に対して斜め下方に延びている場合と比較して、室外機8が室外機カバー2の外側から見えることを抑える効果はやや低い。そのため、室外機カバー2に比較的近いところで室外機カバー2を見る人は、室外機カバー2の内側に設置された室外機8を正面パネル3の傾斜部32を通して僅かに見ることができる。つまり、複数の庇部321の間の開口323は、室外機8の観察孔として利用可能とされている。これにより、正面パネル3の傾斜部32を通して室外機8の動作状況などを確認することができる。また、庇部321は、室外機8の前面81に対して垂直方向に延びているため、直射日光が室外機8に当たることを抑え、室外機8を直射日光から保護することができる。
【0050】
また、複数の庇部321は、鉛直方向Vおよび水平方向Hのそれぞれに沿ってみたときに互いに離れて並んで配置されている。さらに、複数の庇部321のうちの第1庇部321aは、水平方向Hに沿ってみたときに第2庇部321bおよび第3庇部321cに連結部322により接続されて隣り合い、鉛直方向Vに沿ってみたときに第2庇部321bと第3庇部321cとの間に配置されている。このように、本実施形態に係る室外機カバー2では、第2庇部321bおよび第3庇部321cに連結部322により接続されて隣り合う第1庇部321aは、水平方向Hに沿ってみたときに第2庇部321bおよび第3庇部321cに重なり合うことはなく第2庇部321bと第3庇部321cとの間に配置されている。すなわち、複数の庇部321は、千鳥状に配置されている。そのため、室外機8から排出される空気が通過する開口323を正面パネル3の傾斜部32において確保し、室外機8から排出される空気の流れが遮られることを抑えることができる。これにより、室外機8の排気性能を正面パネル3の傾斜部32においても確保することができる。
【0051】
また、庇部321は、水平方向Hに延びているため、水平方向Hの比較的広い範囲にわたって直射日光が室外機8に当たることを抑え、室外機8を直射日光からより一層保護することができる。また、庇部321が水平方向Hに延びているとともに、連結部322が水平方向Hに対して斜め方向に延びているため、正面パネル3の傾斜部32の開口323の形状が円形や四角形である場合と比較して、より広い開口面積を確保することができる。これにより、室外機8の排気性能を正面パネル3の傾斜部32においてより一層確保することができる。
【0052】
さらに、天板5は、第1側面フレーム41と第2側面フレーム42とに架けられ室外機8の上面83を覆っているため、直射日光が室外機8に当たることをより確実に抑え、室外機8を直射日光からより確実に保護することができる。これにより、室外機8の熱交換効率を向上させ、室外機8の省エネルギー化を図ることができる。また、室外機カバー2の使用者は、天板5を棚として利用することにより例えば鉢花や雑貨などを天板5の上面51に載置し、室外機8が設置された庭先、ベランダおよびバルコニーなどの空間のデザインを向上させることができる。
【0053】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
【符号の説明】
【0054】
2:室外機カバー、 3:正面パネル、 5:天板、 8:室外機、 31:正面部、 32:傾斜部、 41:第1側面フレーム、 42:第2側面フレーム、 43:調節部、 51:上面、 81:前面、 82:排気口、 83:上面、 311:目隠し部、 311a:第1目隠し部、 311b:第2目隠し部、 311c:第3目隠し部、 312:接続部、 313:開口、 321:庇部、 321a:第1庇部、 321b:第2庇部、 321c:第3庇部、 322:連結部、 323:開口、 H:水平方向、 V:鉛直方向