(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】通知管理装置、通知管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04L 67/02 20220101AFI20230714BHJP
G06F 3/0482 20130101ALI20230714BHJP
G06Q 30/02 20230101ALI20230714BHJP
【FI】
H04L67/02
G06F3/0482
G06Q30/02
(21)【出願番号】P 2019192683
(22)【出願日】2019-10-23
【審査請求日】2022-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000110217
【氏名又は名称】TOPPANエッジ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514326443
【氏名又は名称】livepass株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100206999
【氏名又は名称】萩原 綾夏
(72)【発明者】
【氏名】長原 優
(72)【発明者】
【氏名】大野 博樹
(72)【発明者】
【氏名】竹内 大佑
(72)【発明者】
【氏名】三田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】近藤 正朝
(72)【発明者】
【氏名】山下 悠也
(72)【発明者】
【氏名】中尾 直之
(72)【発明者】
【氏名】小西 哲平
【審査官】木村 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-268993(JP,A)
【文献】特開2005-346374(JP,A)
【文献】特開2018-032200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G06F 3/0482
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通知先であるユーザ端末に、宣伝広告又は特典に関する宣伝メッセージを通知してよいか否かを確認する確認メッセージを作成するメッセージ作成部と、
前記ユーザ端末に、所定の通知メッセージを通知する場合において、前記ユーザ端末に通知済みの前記確認メッセージにおける応答状況に基づいて、前記通知メッセージの通知と共に、前記確認メッセージを再送するか否かを判定する判定部と、
前記判定部により判定された判定結果に応じて、前記通知メッセージの通知と共に、前記確認メッセージを再送する場合、前記通知メッセージと前記確認メッセージとが前記ユーザ端末にカルーセル表示されるようにする通知制御部と、
を備える通知管理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記ユーザ端末に通知済みの前記確認メッセージにおける応答がなく、且つ、予め定められた再送期限を超過していない場合に、前記確認メッセージを再送すると判定する、
請求項1に記載の通知管理装置。
【請求項3】
メッセージ作成部が、通知先であるユーザ端末に、宣伝広告又は特典に関する宣伝メッセージを通知してよいか否かを確認する確認メッセージを作成し、
判定部が、前記ユーザ端末に、所定の通知メッセージを通知する場合において、前記ユーザ端末に通知済みの前記確認メッセージにおける応答状況に基づいて、前記通知メッセージの通知と共に前記確認メッセージを再送するか否かを判定し、
通知制御部が、前記判定部により判定された判定結果に応じて、前記通知メッセージの通知と共に、前記確認メッセージを再送する場合、前記通知メッセージと前記確認メッセージとが前記ユーザ端末にカルーセル表示されるようにする、
通知管理方法。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1又は請求項2に記載の通知管理装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記通知管理装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知管理装置、通知管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータ、及びインターネット等の通信ネットワーク技術の発展に伴い、メッセージングサービスを利用して情報を通知する技術が開発されている。メッセージングサービスは、例えば、RCS(Rich Communication Services)、SMS(Short Message Service)、及びMMS(Multimedia Messaging Service)などの機能を利用してメッセージ等を送受信する仕組みである。RCSは、携帯電話用のインスタントメッセンジャーを端末レベルで実現するための規格であり、通信に用いるユーザアカウントとして電話番号を使用するものである。また、RCSでは、送信することができる文字数の上限が従来のSMSやMMSよりも大きく設定されている。特許文献1では、未閲覧の通知を表示する表示領域を変更させることにより、通知内容(コンテンツ)がユーザに認識され易くする技術が開示されている。
【0003】
一方、メッセージングサービスにおいて、通知する内容に関するガイドラインが策定されている場合がある。ガイドラインにおいては、例えば、希望したユーザに限り、宣伝広告又は特典(以下、宣伝等という)に関する内容を通知することができる旨が定められている。このようなガイドラインを設けることにより、ユーザが望まない宣伝等を一方的に通知するような迷惑行為を抑止し、ユーザが利用しやすいサービスを提供することが可能となる。
【0004】
このようなガイドラインに対応させる場合、メッセージングサービスにおいて、宣伝等をユーザに通知しようとする場合、例えば、以下に述べる運用がなされる。すなわち、まず、宣伝等の通知を希望するか否かを確認する通知(以下、確認メッセージという)がなされる。確認メッセージに対し、ユーザから宣伝等の通知を希望する旨の応答があった場合に限り、宣伝等の内容を示すメッセージがユーザに通知される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、確認メッセージに対して応答がない場合において、確認メッセージの再送を繰り返すと、ユーザに煩わしさを感じさせてしまう場合がある。特許文献1の技術を用いて、応答がない確認メッセージを表示させる表示領域を変更させることが考えられるが、表示領域に通常のメッセージと確認メッセージとが混在して表示されるとユーザに煩わしさを感じさせてしまう可能性があった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、ユーザに煩わしさを感じさせることなく、宣伝等の通知を希望するか否かを確認する通知をユーザに認識され易くすることができる通知管理装置、通知管理方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の上述した課題を解決するために、本発明は、通知先であるユーザ端末に、宣伝広告又は特典に関する宣伝メッセージを通知してよいか否かを確認する確認メッセージを作成するメッセージ作成部と、前記ユーザ端末に、所定の通知メッセージを通知する場合において、前記ユーザ端末に通知済みの前記確認メッセージにおける応答状況に基づいて、前記通知メッセージの通知と共に前記確認メッセージを再送するか否かを判定する判定部と、前記判定部により判定された判定結果に応じて、前記通知メッセージの通知と共に、前記確認メッセージを再送する場合、前記通知メッセージと前記確認メッセージとが前記ユーザ端末にカルーセル表示されるようにする通知制御部と、を備える通知管理装置である。
【0009】
また、本発明は、上述の通知管理装置において、前記判定部は、前記ユーザ端末に通知済みの前記確認メッセージにおける応答がなく、且つ、予め定められた再送期限を超過していない場合に、前記確認メッセージを再送すると判定する。
【0010】
また、本発明は、メッセージ作成部が、通知先であるユーザ端末に、宣伝広告又は特典に関する宣伝メッセージを通知してよいか否かを確認する確認メッセージを作成し、判定部が、前記ユーザ端末に、所定の通知メッセージを通知する場合において、前記ユーザ端末に通知済みの前記確認メッセージにおける応答状況に基づいて、前記通知メッセージの通知と共に前記確認メッセージを再送するか否かを判定し、通知制御部が、前記判定部により判定された判定結果に応じて、前記通知メッセージの通知と共に、前記確認メッセージを再送する場合、前記通知メッセージと前記確認メッセージとが前記ユーザ端末にカルーセル表示されるようにする通知管理方法である。
【0011】
また、本発明は、コンピュータを、上記に記載の通知管理装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記通知管理装置が備える各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザに煩わしさを感じさせることなく、宣伝等の通知を希望するか否かを確認する通知をユーザに認識され易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る通知システム1の構成の例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る通知管理装置10の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る通知情報120の構成の例を図である。
【
図4】実施形態に係る応答情報121の構成の例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図7】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図8】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図9】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る通知管理装置10が行う処理の流れ示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、実施形態に係る通知システム1の構成の例を示すブロック図である。通知システム1は、例えば、通知管理装置10と、企業サーバ20と、複数のユーザ端末30(ユーザ端末30-1、30-2、…、30-N)とを備える。通知管理装置10と、企業サーバ20と、ユーザ端末30とは、通信ネットワークNWにより通信可能に接続する。なお、
図1の例では、通知システム1が一つの通知管理装置10で構成された場合の例を示しているが、通知システム1は複数の通知管理装置10を含んで構成されていてもよい。また、通知システム1は、複数の企業サーバ20を含んで構成されていてもよい。
【0016】
通知システム1は、企業サーバ20からの要求に応じたメッセージをユーザ端末30に通知するシステムである。本実施形態におけるメッセージには、ユーザ端末30に通知する内容が含まれ、例えば、テキスト、イラストなどの図や写真を含む静止画像や動画像、及び音などが含まれる。
【0017】
本実施形態における通知は、メッセージングサービスを利用した通知である。メッセージングサービスは、例えば、RCS、SMS、及びMMSなどの機能を利用してメッセージを送受信する仕組みである。メッセージングサービスにおいて、メッセージは、通知された時系列に応じた所定の方向(タイムライン方向)に沿って表示される。
【0018】
通知管理装置10は、企業サーバ20から通知要求を受信する。ここでの通知要求は、顧客のユーザ端末30に通知を行うように要求する信号である。通知要求には、例えば、通知を依頼する依頼元(企業)に関する情報、通知を行う宛先である通知先(ユーザ)のに関する情報、及び通知の内容を示す情報が含まれる。通知管理装置10の構成については後で詳しく説明する。
【0019】
企業サーバ20は、通知システム1を利用して顧客(ユーザ)に通知を行う企業等のサーバ装置である。企業サーバ20は、例えば、通信部21と、制御部22とを備える。通信部21は、通信ネットワークNWを介して通知管理装置10と通信を行い、通知管理装置10に通知要求を送信する。制御部22は、企業サーバ20を統括的に制御し、例えば、顧客のデータベース(不図示)に基づく通知要求を作成する。例えば、制御部22は、宣伝広告又は特典(以下、宣伝等)以外の案内を示す通知(以下、通常メッセージ)の通知要求を作成する。通常メッセージは、例えば、各種契約の内容、各種請求の明細、満期などの期限の案内を示す通知である。また、制御部22は、宣伝等の案内を示す通知(以下、宣伝メッセージ)要求を作成する。宣伝メッセージは、例えば、クーポン、新規の商品及びサービス、特売の商品及びサービス、或いはキャンペーン情報などの案内を示す通知である。
【0020】
本実施形態において、宣伝メッセージを通知する場合においては、事前に、宣伝メッセージの通知をしてよいかユーザに確認し、ユーザから宣伝メッセージを通知してよい旨の応答が得られた限り、宣伝メッセージを通知する。以下の説明においては、宣伝メッセージの通知を希望するか否かを確認する通知を、確認メッセージという。
【0021】
ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、携帯電話機、ゲーム用コンソール、タッチパッド、電子書籍用リーダ、又はウェアラブル端末等であり、メッセージングサービスを行うアプリケーションプログラムがインストールされた端末である。
【0022】
ユーザ端末30は、例えば、通信部31と、表示部32と、制御部33とを備える。通信部31は、通信ネットワークNWを介して通知管理装置10と通信を行い、通知管理装置10からメッセージングサービスを利用した通知を受信する。表示部32は、通知管理装置10から受信した通知の内容を表示する。制御部33は、ユーザ端末30を統括的に制御し、例えば、通知管理装置10からの通知の内容を表示部32に表示させると共に、通知があったことがユーザに認識されるような音の出力や、表示(例えば、バナー画像等の表示)を行う。
【0023】
通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうちの一部または全部を含む通信網である。
【0024】
図2は、実施形態に係る通知管理装置10の構成の例を示すブロック図である。通知管理装置10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、通信ネットワークNWを介して、通知管理装置10、及びユーザ端末30と通信を行う。
【0025】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部12は、制御部13が有する機能部がその機能を発揮するために実行されるプログラムや、プログラムが実行される際に用いられるデータを記憶する。記憶部12には、例えば、通知情報120と、応答情報121とが記憶される。
【0026】
図3は、実施形態に係る通知情報120の構成の例を図である。通知情報120は、企業サーバ20から通知された通知要求に応じた通知を行うために用いられる情報である。通知情報120は、例えば、ユーザに通知するように依頼があったメッセージごとに作成される。通知情報120は、例えば、メッセージID、依頼元、通知先、通知属性、再送条件の項目を備える。
【0027】
メッセージIDには、通知するメッセージを一意に識別する識別情報が示される。
依頼元には、依頼元に関する情報が示される。依頼元には、例えば、IDと名称とアカウントとが示される。IDは依頼元の企業等を一意に識別する識別情報である。名称はIDに対応する企業等の名称である。アカウントはIDに対応する企業等からの通知に用いられるメッセージングサービスのアカウントである。
通知先には、通知先に関する情報として、例えば、IDと名称とアカウントとが示される。IDは通知先のユーザを一意に識別する識別情報である。名称はIDに対応するユーザの名称である。アカウントはIDに対応するユーザへの通知に用いられるメッセージングサービスのアカウントである。
【0028】
通知属性には、ユーザに通知する内容に関する情報が示される。通知属性には、例えば、通知日時、シナリオID、シナリオ名称、及び通知種別が含まれる。通知日時は、依頼元から依頼された通知の日時である。シナリオIDは、通知するシナリオを一意に識別する識別情報である。ここでのシナリオとは、通知する内容のひな形を示す情報である。シナリオ名称は、シナリオIDに対応するシナリオの名称である。通知種別は、通知をしてよいか事前に確認する必要が有るか否かを示す情報である。
再送条件には、応答を要するメッセージについて、ユーザから応答がない場合に、メッセージを再送する条件を示す情報が示される。再送条件には、例えば、再送回数の上限と、再送の期限とが含まれる。再送回数の上限には、再送する場合における再送する回数の上限が示される。再送期限には、再送する期限が示される。
【0029】
図3の例では、依頼元が企業Xであり、企業Xのメッセージングサービスのアカウントが、03-1111-2222であること、及び通知先がユーザCであることが示されている。また、企業XからユーザCへの通知は、YY年MM月DD日の10:00に行われることか示されている。通知の内容は、シナリオID(0101)に基づいて作成される、クーポン配信に関する内容であることが示されている。この通知はユーザに事前確認が必要である。また、事前の確認に対する応答がない場合には、最初の通知から2週間以内に、5回を上限に再送することが示されている。
【0030】
図4は、実施形態に係る応答情報121の構成の例を示す図である。応答情報121メッセージを通知したユーザからの応答に関する情報である。応答情報121は、ユーザに通知したメッセージごとに生成される。応答情報121は、例えば、メッセージIDと、応答状況、再送条件との項目を備える。
メッセージIDには、通知したメッセージを一意に識別する識別情報が示される。
応答状況には、通知したメッセージにおけるユーザからの応答の状況が示される。応答状況には、例えば、応答の有無、及び再送回数が含まれる。応答の有無には、ユーザからの応答の有無が示される。再送回数には、ユーザにメッセージを再送した回数が示される。
再送条件には、通知したメッセージにおける再送の条件が示され、例えば、通知情報120の再送条件が示される。
図4の例では、メッセージID(0001)に対応するメッセージに対する応答状況として、すでに2回再送ずみであるが、まだ応答が無いことが示されている。また、このメッセージに対する再送条件として、最初の通知から2週間以内に、5回を上限に再送することが示されている。
【0031】
図2に戻り、制御部13は、例えば、メッセージ作成部130と、判定部131と、通知制御部132とを備える。
メッセージ作成部130は、通知情報120に基づいて、ユーザに通知するメッセージを作成する。メッセージ作成部130は、通知情報120の通知属性における通知種別を参照し、作成対象のメッセージについて、通知してよいか否かを事前に確認する必要があるか否かを判定する。メッセージ作成部130は、作成対象のメッセージが、事前の確認を要する場合には、その確認を行う通知(確認メッセージ)を作成する。一方、メッセージ作成部130は、作成対象のメッセージが、事前の確認を要しない場合には、シナリオIDに対応する内容を通知するメッセージ(通常メッセージ)を作成する。メッセージ作成部130は、作成したメッセージを記憶部12に記憶させる。
【0032】
判定部131は、ユーザ端末30に、所定の通知メッセージを通知する場合において、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージにおける応答状況に基づいて、メッセージの通知と共に確認メッセージを再送するか否かを判定する。ここでの通知メッセージには、確認メッセージと通常メッセージとが含まれる。また、ここでの通知メッセージには、新規に通知するメッセージのみならず、再送するメッセージが含まれていてもよい。
【0033】
判定部131は、応答情報121を参照し、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージにおける応答状況を取得する。判定部131は、通知済みの確認メッセージにおける応答状況が、所定の条件を満たす場合に、通知メッセージの通知と共に確認メッセージを再送すると判定する。所定の条件は、任意に設定されてよい。例えば、所定の条件は、通知情報120に示される再送条件であって、企業サーバ20から受けた通知要求にて指定された条件である。
【0034】
例えば、判定部131は、応答情報121の応答状況における応答の有無に基づいて、確認メッセージにおける応答の有無を取得する。判定部131は、応答情報121の再送条件における再送の期限に基づいて、確認メッセージにおける再送の期限を取得する。そして、判定部131は、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージにおける応答がなく、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージに予め定められた再送期限を超過していない場合に、確認メッセージを再送すると判定する。
【0035】
或いは、判定部131は、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージにおける再送回数に基づいて、確認メッセージを再送するか否かを判定するようにしてもよい。この場合、判定部131は、応答情報121の応答状況における再送回数に基づいて、確認メッセージにおいて既に再送した回数を取得する。判定部131は、応答情報121の再送条件における再送回数の上限に基づいて、確認メッセージにおける再送回数の上限を取得する。そして、判定部131は、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージにおける再送回数が予め定められた上限を超過していない場合に、確認メッセージを再送すると判定する。この場合において、判定部131は、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージにおける再送回数が予め定められた上限を超過しておらず、且つ、確認メッセージに予め定められた再送期限を超過していない場合に、確認メッセージを再送すると判定するようにしてもよい。判定部131は、ユーザ端末30に、所定の通知メッセージを通知する場合において、当該通知メッセージの通知と共に確認メッセージを再送するか否かを判定した判定結果を、通知制御部132に出力する。
【0036】
通知制御部132は、判定部131によって判定された判定結果に応じた通知を行う。通知制御部132は、判定部131によって確認メッセージを再送すると判定された場合、ユーザ端末30に通知する、所定の通知メッセージと共に、再送する確認メッセージが、ユーザ端末30にカルーセル表示されるようにする。カルーセル表示は、タイムライン方向に直交する方向に沿ってスライド操作等が行われることにより、メッセージが入れ替えられて表示される表示態様である。これにより、確認メッセージの再送に伴って、通知したメッセージがタイムライン方向に流れて表示範囲から外れてしまうことを抑制できる。このため、通知したメッセージが表示範囲から外れて、ユーザに視認されなくなってしまう現象を抑制し、通知メッセージと再送した確認メッセージとが共にユーザに視認され易くすることができる。また、ユーザ端末30にメッセージを通知するタイミングに合わせて、確認メッセージを再送するため、確認メッセージを単独で再送した場合と比較して、ユーザに煩わしさを感じさせないようにすることが可能である。
【0037】
装置制御部133は、通知管理装置10を統括的に制御する。装置制御部133は、例えば、通信部11を介して企業サーバ20からの通知要求が受信された場合、その内容を通知情報120として記憶部12に記憶させる。装置制御部133は、通信部11を介してユーザ端末30からメッセージに対する応答が受信された場合、その内容を応答情報121として記憶部12に記憶させる。装置制御部133は、メッセージ作成部130によって作成されたメッセージを、通信部11を介してユーザ端末30に通知する。装置制御部133は、通信部11によりユーザ端末30からのメッセージに対する応答が受信された場合、その内容を応答情報123として制御部13に記憶させる。
【0038】
ここで、ユーザ端末30にメッセージが表示される表示態様の例を、
図5~
図8を用いて説明する。
図5~
図8は、実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【0039】
図5には、確認メッセージ(符号320)が表示部32に表示された例が示されている。この例では、クーポンの通知を行うにあたり、「クーポンを取得されますか?」と記載された、宣伝等の通知をしてよいかを事前に確認する確認メッセージ(符号320)が表示されている。ここで、クーポンの通知は、特典に関する内容を通知するものであり、「宣伝メッセージ」の一例である。
【0040】
また、この例では、確認メッセージ(符号320)に、応答に用いられる「はい」及び「いいえ」が記載されたボタン321、及び322が示されている。ユーザ端末30の画面を視認したユーザにより、ボタン321、又は322を選択する操作がなされると、選択された内容に応じた応答が、通知管理装置10に通知される。すなわち、ユーザ端末30は、ユーザにより「はい」のボタン321が選択操作された場合、通知管理装置10にクーポンを取得する旨の応答を送信する。一方、ユーザ端末30は、ユーザにより、「いいえ」のボタン322が選択操作された場合、通知管理装置10に、クーポンを取得しない旨の応答を送信する。
【0041】
図6には、宣伝メッセージ(符号320、又は符号322)が表示部32に表示された例が示されている。例えば、
図5に示す確認メッセージに対して、宣伝メッセージを通知してよい旨の応答がなされた後に、
図6に示すような宣伝メッセージ(符号320、又は符号322)が通知される。この例では、通知管理装置10が、ユーザ端末30からクーポンを取得する旨の応答を受信したことから、ユーザ端末30にクーポンを取得できる情報を通知した場合の例を示している。クーポンを取得できる情報とは、例えば、特典の内容が記載されたクーポンの画像(符号321)である。このような通知がなされることで、ユーザは、表示部32に表示されたクーポンの画像を店員等に提示することにより特典を得ることができる。或いは、クーポンを取得できる情報とは、クーポンに対応する二次元バーコード(符号323)である。これにより、ユーザ、或いは店員等が二次元バーコードを読み取ることにより、二次元バーコードにリンクされたURL(Uniform Resource Locator)にアクセスして、ユーザ特典を受けるための情報を得ることができる。
【0042】
図7には、通常メッセージが表示部32に表示された例が示されている。この例では、請求書の明細を通知する通常メッセージ(符号320)が表示されている。また、通常メッセージ(符号320)に、具体的な内容の通知を要求する「確認」の文言が記載されたボタン321が示されている。ユーザ端末30の画面を視認したユーザにより、ボタン321を選択する操作がなされると、その旨が通知管理装置10に通知される。通知管理装置10は、ユーザ端末30から具体的な内容の通知を要求する旨の応答を受信すると、ユーザ端末30に具体的な内容を示すメッセージを通知する。ここで、具体的な内容を示すメッセージは、「通知メッセージ」の一例である。
【0043】
ここで、
図5に示す確認メッセージに対する応答がなされない間に、
図7に示すような通常メッセージが通知されると、通常メッセージが表示部32に表示されたことに伴い、既に通知済みの確認メッセージが表示部32の表示範囲から外れてしまう。このため、確認メッセージがユーザに認識され難くなり、ユーザ端末30から確認メッセージに対する応答が送信され難くなる。この場合、たとえユーザが宣伝メッセージの通知を希望している場合であっても、ユーザ端末30からの応答が得られないために、通知管理装置10が宣伝メッセージを通知することができなくなってしまう。
【0044】
この対策として、本実施形態では、メッセージを通知する場合において、そのメッセージの通知と共に、応答が得られていない確認メッセージを再送する。また、この場合、ユーザ端末30にメッセージと確認メッセージとがカルーセル表示されるようにする。
【0045】
図8及び
図9には、ユーザ端末30に通常メッセージと、確認メッセージとがカルーセル表示された例が示されている。この例における通常メッセージは、請求の具体的な内容を示す通常メッセージ(符号320A)である。また、この例における確認メッセージは、クーポンの取得を確認する確認メッセージ(符号320B)である。
【0046】
カルーセル表示においては、例えば、
図8に示すように、新規に通知された通常メッセージ(符号320A)の全部又は一部が画面左側に表示され、再送された確認メッセージ(符号320B)の全部又は一部が画面右側に表示される。
図8に示す表示状態の画面において、符号Dの方向(タイムライン方向に直交する方向)に沿って、左から右に向かう方向にスライド操作がなされることにより、
図9に示すように、再送された確認メッセージ(符号320B)が表示される。また、
図9に示す表示状態の画面において、符号Dの方向に沿って、右から左に向かう方向にスライド操作がなされることにより、
図8に示す通常メッセージ(符号320A)が表示される。これにより、新規に通知した通常メッセージと、再送した確認メッセージとを共にユーザに視認され易くすることができる。また、確認メッセージを単独で再送した場合と比較して、ユーザに煩わしさを感じさせないようにすることが可能である。ここで、新規に通知した通常メッセージは「通知メッセージ」の一例である。
【0047】
図10は、実施形態に係る通知管理装置10が行う処理の流れ示すフローチャートである。
まず、通知管理装置10は、ユーザ端末30に通知する、所定の通知メッセージを作成する(ステップS10)。例えば、メッセージ作成部130は、装置制御部133の指示により記憶部12を参照し、通知情報120に基づいて、通知メッセージを作成する。
次に、通知管理装置10は、作成した通知メッセージの通知と共に、通知済みの確認メッセージを再送するか否かを判定する(ステップS11)。例えば、判定部131は、装置制御部133の指示により記憶部12を参照し、応答情報121に基づいて、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージの応答状況が、再送条件を満たすか否かを判定する。判定部131は、確認メッセージの応答状況が再送条件を満たす場合、作成した通知メッセージの通知と共に、通知済みの確認メッセージを再送すると判定する。一方、判定部131は、確認メッセージの応答状況が再送条件を満たさない場合、作成した通知メッセージのみ通知し、通知済みの確認メッセージを再送しないと判定する。
次に、通知管理装置10は、作成した通知メッセージの通知と共に、通知済みの確認メッセージを再送する場合、作成した通知メッセージと共に、確認メッセージがカルーセル表示されるようにする(ステップS12)。一方、通知管理装置10は、作成した通知メッセージの通知のみを通知し、通知済みの確認メッセージを再送しない場合、作成した通知メッセージをユーザ端末30に通知する(ステップS12)。
【0048】
以上説明したように、実施形態の通知管理装置10は、メッセージ作成部130と、判定部131と通知制御部132とを備える。メッセージ作成部130は、通知先であるユーザ端末30に、宣伝広告又は特典に関する宣伝メッセージを通知してよいか否か確認する確認メッセージを作成する。判定部131は、ユーザ端末30に、所定の通知メッセージを通知する場合において、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージにおける応答状況に基づいて、当該通知メッセージの通知と共に、確認メッセージを再送するか否かを判定する。通知制御部132は、判定部131により判定された判定結果に応じて、当該通知メッセージの通知と共に、確認メッセージを再送する場合、当該通知メッセージと確認メッセージとがユーザ端末30にカルーセル表示されるようにする。これにより、実施形態の通知管理装置10は、ユーザ端末30に、所定の通知メッセージを通知するタイミングで、確認メッセージを再送することが可能である。このため、確認メッセージのみを一方的に再送する場合と比較して、ユーザに煩わしさを感じさせることがない。また、確認メッセージを再送する際に、カルーセル表示させるため、確認メッセージをユーザに認識され易くすることが可能である。
【0049】
また、実施形態の通知管理装置10では、判定部131は、ユーザ端末30に通知済みの確認メッセージにおける応答がなく、且つ、予め定められた再送期限を超過していない場合に、確認メッセージを再送すると判定する。これにより、実施形態の通知管理装置10では、確認メッセージに対する応答があった場合、或いは、クーポンの有効期限などの再送期限を満たさない場合に、確認メッセージを再送しないようにすることができる。したがって、応答があったユーザに確認メッセージを再送してしまうこと、或いは、期限のきれた宣伝メッセージを通知するかを確認するような無意味な処理を抑制し、ユーザに煩わしさを感じさせてしまうことを抑制することが可能である。
【0050】
なお、上述した実施形態では、通知情報120における再送条件と、応答情報121における再送条件とが同一である場合を例示して説明したがこれに限定されない。通知管理装置10は、企業サーバ20から受けた通知要求を考慮した上で、独自の再送条件を設定するようにしてもよい。例えば、通知管理装置10は、通知先のユーザ端末30からの過去の応答の傾向に応じて再送条件を設定するようにしてもよい。この場合、通知管理装置10は、例えば、確認メッセージに対して、肯定的な応答をする傾向があるユーザに対しては、再送回数の条件を増やすようにする。或いは、通知管理装置10は、確認メッセージに対して、否定的な応答をする傾向があるユーザに対しては、再送回数の条件を減らすようにする。
【0051】
また、通知管理装置10は、通知元の企業サーバ20の傾向に応じて再送条件を設定するようにしてもよい。例えば、企業サーバ20からの確認メッセージに対し、再送回数が5回までの確認メッセージに応答がなされる確率が、再送回数6回を超える場合の確率と比較して、高い傾向がある場合には、再送回数の上限を5回に設定する。或いは、通知メッセージの再送を6回以上行うと、メッセージの受信が拒否される(ブロックされる)確率が高くなる場合などに、再送回数の上限を5回に設定するようにしてもよい。また、通知管理装置10は、宣伝メッセージの内容に応じて再送条件を設定するようにしてもよい。例えば、宣伝の対象とする商品やサービスの価格帯に応じて再送回数の上限を設定するようにしてもよい。このように、通知管理装置10が、ユーザの傾向、通知元の企業、或いは宣伝の内容等に基づいて再送条件を設定する構成を備えることで、通知した確認メッセージに対する応答がなされる確率を向上させることが可能である。
【0052】
上述した実施形態における通知管理装置10の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0053】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1…通知システム
10…通知管理装置
11…通信部
12…記憶部
120…通知情報
121…応答情報
13…制御部
130…メッセージ作成部
131…判定部
132…通知制御部
133…装置制御部
20…企業サーバ
30…ユーザ端末