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特許7313338ブロッキング装置の位置を監視するためのシステム及び方法並びに眼科レンズを縁取りする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】ブロッキング装置の位置を監視するためのシステム及び方法並びに眼科レンズを縁取りする方法
(51)【国際特許分類】
   G02C 13/00 20060101AFI20230714BHJP
【FI】
G02C13/00
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020512403
(86)(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-12-10
(86)【国際出願番号】 EP2018076760
(87)【国際公開番号】W WO2019068694
(87)【国際公開日】2019-04-11
【審査請求日】2021-10-01
(31)【優先権主張番号】17306330.6
(32)【優先日】2017-10-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】518007555
【氏名又は名称】エシロール・アンテルナシオナル
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ローラン・ルーセル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン-ルネ・アクバル
(72)【発明者】
【氏名】ディディエ・グラン-クレマン
(72)【発明者】
【氏名】オリヴィエ・ドゥコルセ
【審査官】中村 説志
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-502578(JP,A)
【文献】特開2001-062689(JP,A)
【文献】特開2006-126645(JP,A)
【文献】特表2007-523389(JP,A)
【文献】特開2006-220713(JP,A)
【文献】特開2007-320006(JP,A)
【文献】特表2016-503517(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0038500(US,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0099547(KR,A)
【文献】特開2014-066792(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02199021(EP,A1)
【文献】特開2015-125300(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C13/00
B24B 9/14
B24B13/00-13/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのマーク(M)を有する眼科レンズ(20)におけるブロッキング装置(22)の位置を監視するためのシステムであって、
- 前記ブロッキング装置(22)と協力するように適合された機械的構造(8)と、
- 前記眼科レンズ(20)を観察する画像センサ(4)と、
- 前記画像センサ(4)に接続された制御ユニット(10)であって、前記機械的構造(8)に対する決定された位置を備えた基準点(P)と、前記マーク(M)を含む前記眼科レンズ(20)の少なくとも一部と、を有する画像を生成するように構成された制御ユニット(10)と、
- 前記画像上の前記基準点(P)と前記マーク(M)との間の距離(D)が所定の閾値(T2)未満の場合、自動位置補正用のブロッキング装置位置補正提案(C)を、且つ、前記距離(D)が所定の閾値(T2)を超える場合、手動位置補正用のブロッキング装置位置補正提案(C)を表示するように適合されたユーザインターフェース(12)と、
を含むシステム。
【請求項2】
前記手動位置補正用のブロッキング装置位置補正提案(C)が表示された場合、前記ユーザインターフェース(12)が、位置補正入力を表すユーザ入力を受信するように、且つ前記位置補正入力及び前記マーク(M)の実際の位置に基づいて決定された仮想位置において前記マーク(M)の表現を表示するように更に構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記仮想位置が、前記位置補正入力に従って、前記実際の位置をシフトすることによって決定される、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ユーザインターフェース(12)が、前記画像上の前記基準点と前記マークとの間の前記距離を低減するように構成された位置補正として、前記位置補正入力に由来する位置補正行動を格納するためのユーザコマンドを受信するように構成される、請求項2又は3に記載のシステム。
【請求項5】
前記位置補正行動が、RFIDチップに格納される、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記位置補正入力に基づいたデータを縁取り装置(14)に送信するために通信回路(15)を含む、請求項2~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記位置補正入力が、平行移動補正又は回転補正を含む、請求項2~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記画像上の前記基準点(P)と前記マーク(M)との間の前記距離が、前記所定の閾値(T)未満である場合に、前記ユーザインターフェースが、位置補正行動提案を表示するように適合される、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記所定の閾値(T)が、前記眼科レンズに関係するデータに基づいて決定される、請求項1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記眼科レンズ(20)が、フレームに装着するためのものであり、前記所定の閾値(T)が、前記フレームに関係するデータに基づいて決定される、請求項1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
少なくとも1つのマーク(M)を有する眼科レンズ(20)におけるブロッキング装置(22)の位置を監視するための方法であって、次のステップ、
- 前記ブロッキング装置(22)を眼科レンズ(20)に装着するステップと、
- 前記眼科レンズ(20)の少なくとも一部を観察する画像センサ(4)を用いて、前記マーク(M)を含む少なくとも1つの画像を生成するステップであって、前記画像が、前記ブロッキング装置(22)と協力するように適合された機械的構造(8)に対する決定された位置を備えた基準点(P)を有するステップと、
- 前記基準点(P)と前記マーク(M)との間の距離(D)を所定の閾値(T)と比較するステップと、
- 前記距離(D)が前記所定の閾値(T2)未満の場合、自動位置補正用のブロッキング装置位置補正提案(C)を、且つ、前記距離(D)が前記所定の閾値(T2)を超える場合、手動位置補正用のブロッキング装置位置補正提案(C)をユーザインターフェース(12)上に表示するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
前記手動位置補正用のブロッキング装置位置補正提案が表示された場合、
- 前記ユーザインターフェース(12)を介して、位置補正入力を表すユーザ入力を受信するステップと、
- 前記位置補正入力及び前記マークの実際の位置に基づいて決定された仮想位置において前記マークの表現を前記ユーザインターフェース(12)上に表示するステップと、
を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ユーザインターフェース(12)を介して特定のコマンドを受信すると、前記基準点(P)と前記マーク(M)との間の前記距離を低減するために必要とされる位置補正として、前記位置補正入力に由来する位置補正行動を格納するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
以前に決定された位置補正値に基づいて、前記所定の閾値を決定するステップを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ブロッキング装置(22)に装着された眼科レンズ(20)を縁取りする方法であって、以下のステップ、
- 請求項11~14のいずれか一項に記載の方法を用いて、前記ブロッキング装置(22)における前記眼科レンズ(20)の前記装着から生じる位置補正を決定するステップであって、前記位置補正が、前記ブロッキング装置位置補正提案に基づくステップと、
- 前記ブロッキング装置(22)と協力するように適合された縁取り装置(14)を用いて、輪郭に沿って前記眼科レンズ(20)を縁取りするステップであって、前記輪郭が、前記決定された位置補正に基づいて決定されるステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼科レンズの製造、即ち、特にこれらの眼科レンズが、フレームに装着されることになる場合の眼科レンズの製造に関する。
【0002】
より正確には、本発明は、ブロッキング装置の位置を監視するためのシステム及び方法に関し、且つ眼科レンズを縁取りする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
(特許文献1)において、マークを有する、且つ支持体に装着された眼科レンズは、観察されたマークと支持体に連結された位置基準との間の起こり得る差を自動的に評価するために、画像捕捉装置によって観察される。
【0004】
従って、自動的に決定された差は、恐らく警報を生成するために、閾値と比較される。閾値との比較の結果に依存して、差は、例えば眼科レンズの表面を仕上げている場合に考慮されるように、装置へ送信されてもよい。
【0005】
この方法は、完全に満足を与えるわけではない。何故なら、測定及び決定の自動化が、差を無視するか、又は眼科レンズの処理のために考慮されなければならない指示を調整する可能性をユーザに提供しないからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2013/088 021号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、眼科レンズにおけるブロッキング装置の位置を効率的に且つ容易に監視するためのシステム及び方法を提供する必要性が、今もなお存在する。
【0008】
本発明の1つの目標は、先行技術の欠点の少なくとも1つを克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様において、本発明は、少なくとも1つのマークを有する眼科レンズにおけるブロッキング装置の位置を監視するためのシステムであって、
- ブロッキング装置と協力するように適合された機械的構造と、
- 眼科レンズを観察する画像センサと、
- 画像センサに接続された制御ユニットであって、機械的構造に対する決定された位置を備えた基準点と、前記マークを含む眼科レンズの少なくとも一部と、を有する画像を生成するように構成された制御ユニットと、
- 画像上の基準点とマークとの間の距離の、所定の閾値に対する比較に基づいて、自動位置補正又は手動位置補正用のブロッキング装置位置補正提案を表示するように適合されたユーザインターフェースと、
を含むシステムを提案する。
【0010】
従って、ユーザは、レンズに対するブロッキング装置の可能な間違った位置決めを補正するように意図された位置補正提案を容易に把握する(且つ恐らく受諾するか又は反対に拒否する)ことができる。
【0011】
提案される方法はまた、次の特徴のいずれを含んでもよい。
- ユーザインターフェースは、位置補正入力を表すユーザ入力を受信するように、且つ位置補正入力及び前記マークの実際の位置に基づいて決定された仮想位置において前記マークの表現を表示するように更に構成される。
- 前記仮想位置は、位置補正入力に従って、前記実際の位置をシフトすることによって決定される。
- ユーザインターフェースは、画像上の基準点とマークとの間の距離を低減するように構成された位置補正として、位置補正入力に由来する位置補正行動を格納するためのユーザコマンドを受信するように構成される。
- 位置補正行動は、RFIDチップに格納される。
- システムは、位置補正入力に基づいたデータを縁取り装置に送信するために通信回路を含む。
- 位置補正入力は、平行移動補正又は回転補正を含む。
- ユーザインターフェースは、画像上の基準点とマークとの間の距離が、前記所定の閾値未満である場合に、行動提案を表示するように適合される。
- 前記所定の閾値は、眼科レンズに関係するデータに基づいて決定される。
- 前記眼科レンズは、フレームに装着するためのものである。
- 前記所定の閾値は、フレームに関係するデータに基づいて決定される。
【0012】
本発明はまた、少なくとも1つのマークを有する眼科レンズにおけるブロッキング装置の位置を監視する方法であって、次のステップ、
- ブロッキング装置を眼科レンズに装着するステップと、
- 眼科レンズの少なくとも一部を観察する画像センサを用いて、前記マークを含む少なくとも1つの画像を生成するステップであって、画像が、ブロッキング装置と協力するように適合された機械的構造に対する決定された位置を備えた基準点を有するステップと、
- 基準点とマークとの間の距離を所定の閾値と比較するステップと、
- 前記比較に基づいて、自動位置補正又は手動位置補正用の位置補正提案をユーザインターフェース上に表示するステップと、
を含む方法を提供する。
【0013】
この方法はまた、
- 前記ユーザインターフェースを介して、位置補正入力を表すユーザ入力を受信するステップと、
- 位置補正入力及び前記マークの実際の位置に基づいて決定された仮想位置において、前記マークの表現を前記ユーザインターフェース上に表示するステップと、
を含む。
【0014】
方法はまた、ユーザインターフェースを介して特定のコマンドを受信すると、基準点とマークとの間の距離を低減するために必要とされる位置補正として、位置補正入力に由来する位置補正行動を格納するステップを含んでもよい。
【0015】
方法はまた、以前に決定された位置補正値に基づいて、前記所定の閾値を決定するステップを含んでもよい。例えば、ユーザの以前の選択に依存して、閾値は、ユーザの習慣とよりよく一致するように発展してもよい。
【0016】
本発明はまた、ブロッキング装置に装着された眼科レンズを縁取りする方法であって、以下のステップ、
- 上記の方法を用いて、ブロッキング装置における眼科レンズの装着から生じる位置補正を決定するステップであって、前記位置補正が、位置補正提案に基づくステップと、
- ブロッキング装置と協力するように適合された縁取り装置を用いて、輪郭に沿って眼科レンズを縁取りするステップであって、前記輪郭が、決定された位置補正に基づいて決定されるステップと、
を含む方法を提供する。
【0017】
本発明は、添付の図面に照らして一層よく理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明によるシステムの主な要素を概略的に示す。
図2】本発明を具体化する方法の主なステップを示す。
図3図1のシステムの詳細図である。
図4図1のシステムのユーザインターフェース上に表示された第1の例示的なスクリーンを示す。
図5】このユーザインターフェース上に表示された第2の例示的なスクリーンを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1に示されているシステムは、チェック装置2、制御ユニット10(プロセッサなど)、ユーザインターフェース12、通信回路15、及び縁取り装置14を含む。
【0020】
チェック装置2は、制御ユニット10に接続された画像センサ4と、支持体6と、を含む。支持体6は、レンズ20を保持するように構成され、且つレンズ20によって保持されるブロッキング装置22と協力するように適合された機械的構造8を含む。(一般に、ブロッキング装置22は、センタリング装置によってレンズ20に前もって装着される。代替として、ブロッキング装置22の装着は、以下で説明されるように、画像の生成に先立つ第1のステップにおいて、チェック装置自体において行うことができる。)
【0021】
画像センサ4は、レンズ20、特にマークMを保持するレンズ20の一部を観察するために、支持体6の方へ向けられる。
【0022】
制御ユニット10は、画像センサ4によって捕捉された画像を受信し、従って、捕捉画像は、レンズ20の少なくとも一部及びマークMを含む。
【0023】
制御ユニット10は、以下で更に説明されるように、ユーザを意図した情報の、ユーザインターフェース12における表示を制御するように、且つユーザインターフェース12を介してユーザ入力を受信するようにプログラムされる。
【0024】
本実施形態において、ユーザインターフェース12は、キーボード16及びスクリーン18を含む。可能な変形によれば、ユーザインターフェース12は、触覚スクリーンであってもよい。
【0025】
図2は、図1のシステムで恐らく実行される方法の主なステップを示す。
【0026】
この方法は、図3に概略的に示されているように、チェック装置2の支持体6上にレンズ20を配置するようにユーザに依頼する情報をユーザインターフェース12(ここではスクリーン18)に表示することによって、ステップS2で始まり、ブロッキング装置22は、機械的構造8と協力する。
【0027】
従って、ユーザは、ブロッキング装置22が、機械的構造8と協力する(又は係合する)ような方法で、支持体6にレンズ20を配置する。
【0028】
チェック装置2に対するブロッキング装置22の位置及び方位が、ブロッキング装置22及び機械的構造8が互いに係合する場合に周知であるように、機械的構造8は、ブロッキング装置22及び機械的構造8の正確な係合が1つの相対的位置及び方位だけで可能なように構成される。
【0029】
次に、画像センサ4は、レンズ20及びブロッキング装置22が、支持体6によって保持されているときに、レンズ20及びブロッキング装置22の画像を捕捉する(ステップS4)。上記で言及したように、レンズ20は、マークMを保持し、従ってマークMもまた、画像センサ4によって捕捉された画像に存在する。
【0030】
画像センサ4は、支持体6に対して固定される。従って、機械的構造8及び従ってブロッキング装置22の位置及び方位は、捕捉画像上で周知である(予め決定される)。しかしながら、捕捉画像におけるレンズ20及びそのマークMの位置及び方位は、ブロッキング装置22におけるレンズ20の実際の位置決めに依存する。
【0031】
制御ユニット10は、画像センサ4から捕捉画像を受信し、且つユーザインターフェース12上(ここではスクリーン18上)の表示用に、捕捉画像及びスケールSを含む画像を生成する。
【0032】
スケールSは、捕捉画像に対する(及び従って支持体6及びブロッキング装置22に対する)固定位置及び固定方位を有する。スケールSは、特に基準点Pを含む。従って、基準点Pは、支持体6、機械的構造8、及びブロッキング装置22に対して、決定された位置を有する。
【0033】
基準点Pは、(ブロッキング装置22が、レンズ20に対して正確に配置されている場合に)レンズ20におけるマークMの1つと理論的に一致するはずである。しかしながら、基準点Pは、実際には、レンズ20に対するブロッキング装置22の間違った又は少なくとも不正確な位置決めゆえに、関係するマークMから離れているように見える可能性がある。
【0034】
可能な実施形態によれば、基準点Pを含むスケールSは、ユーザインターフェース12に表示される画像を生成するために、制御ユニット10によって捕捉画像上に追加される仮想スケールである。
【0035】
別の可能な実施形態によれば、基準点Pを含むスケールSは、基準点Pを含むスケールSが捕捉画像に含まれるように、支持体6に存在し(例えば、印刷されるか又は彫られる)、且つレンズ20を通して目に見える。次に、ユーザインターフェース12に表示するために制御ユニット10によって生成される画像は、捕捉画像と同一であってもよい。この実施形態において、基準点は、(ブロッキング装置22を保持するレンズ20を横切って目に見えるように)機械的構造8の外部に置かれ、レンズ20上のマークMの理論的位置は、ブロッキング装置22に面するレンズの領域の外部にある。
【0036】
制御ユニット10によって生成された画像は、ステップS6においてユーザインターフェース12(ここではスクリーン18)に表示される。
【0037】
次に、制御ユニット10は、基準点Pと、関係するマークMとの間で(生成された画像における)距離Dを決定する(ステップS8)。
【0038】
制御ユニット10は、決定された距離Dを第1の所定の閾値Tと比較する(ステップS10)。第1の所定の閾値Tは、文脈に依存して定義されてもよい。特に、第1の所定の閾値Tは、眼科レンズに関係するデータに基づいて(例えば、縁取り後のレンズの意図された幅及び高さに基づいて)、又は眼科レンズが、フレームに装着されることになる場合に、フレームに関係するデータ(フレームの縁の幅及び/若しくは高さなど)に基づいて、決定されてもよい。
【0039】
距離Dが、第1の所定の閾値Tを超える場合に、方法は、以下で説明されるように、整列誤差を補正するために、ステップS14に進む。
【0040】
距離Dが、第1の所定の閾値T未満である場合に、制御ユニット10は、レンズ20に対するブロッキング装置22の正確な位置決めを確認するメッセージを表示するために、ユーザインターフェース12(ここではスクリーン18)を制御する(ステップS12)。次に、方法は、以下で説明されるステップS38に進む。
【0041】
距離Dが、第1の所定の閾値Tを超える場合に、制御ユニット10は、決定された距離Dを第2の所定の閾値Tと比較する(ステップS14)。第2の所定の閾値Tは、第1の所定の閾値Tより高い。第1の所定の閾値Tと同様に、第2の所定の閾値Tは、文脈に依存してもよい。特に、第2の所定の閾値Tは、眼科レンズに関係するデータに基づいて(例えば、縁取り後のレンズの意図した幅及び高さに基づいて)、又は眼科レンズがフレームに装着されることになる場合に、フレームに関係するデータ(フレームの縁の幅及び/又は高さなど)に基づいて、決定されてもよい。
【0042】
次に、制御ユニット10は、ステップS14の比較結果に依存して、位置補正提案を表示するために、ユーザインターフェース12(ここではスクリーン18)を制御する。
【0043】
この場合に、位置補正提案は、自動位置補正用又は手動位置補正用の提案であってもよい。
【0044】
正確には、距離Dが、ステップS14において第2の所定の閾値T未満である場合に、制御ユニット10は、自動補正用の提案を表示するために、ユーザインターフェース12を制御する(ステップS16)。
【0045】
ユーザが、(ステップS18においてユーザインターフェース12上の確認仮想ボタンを選択することによって)位置補正提案を受諾する場合に、方法は、自動補正用に以下で説明されるステップS24に進む。
【0046】
ユーザが、(ステップS18においてユーザインターフェース12上の拒否仮想ボタンを選択することによって)位置補正提案を拒否する場合に、方法は、ユーザが、位置補正方法を選択できるようにするために、以下で説明されるステップS22に進む。
【0047】
距離Dが、ステップS14において第2の所定の閾値Tを超える場合に、制御ユニット10は、手動補正用の提案を表示するために、ユーザインターフェース12を制御する(ステップS20)。
【0048】
ユーザが、(ステップS21においてユーザインターフェース12上の確認仮想ボタンを選択することによって)位置補正提案を受諾する場合に、方法は、手動補正用の以下で説明されるステップS32に進む。
【0049】
ユーザが、(ステップS21においてユーザインターフェース12上の拒否仮想ボタンを選択することによって)位置補正提案を拒否する場合に、方法は、ユーザが、位置補正方法を選択できるようにするために、ステップS22に進む。
【0050】
正確には、ステップS22において、制御ユニット10は、位置補正方法を選択するために(ここでは自動位置補正方法及び手動位置補正方法の間で)、ユーザを意図した要求を表示するようにユーザインターフェース12(ここではスクリーン18)を制御する。
【0051】
従って、ユーザは、方法がステップS24に進むように、(ユーザインターフェース12上の第1の仮想ボタンを選択することによって)自動位置補正方法を、又は方法がステップS32に進むように、(ユーザインターフェース12上の第2の仮想ボタンを選択することによって)手動位置補正方法をステップS23において選択することができる。
【0052】
ステップS24において、制御ユニット10は、位置補正用の行動提案を決定する。
【0053】
位置補正行動提案Cは、この位置補正行動提案Cを適用した後で、関係するマークMが、基準点Pに一層近くなるように、制御ユニット10によって自動的に決定されてもよい。これは、実際には、画像認識アルゴリズム及び最適化方法を用いて実行されてもよい。幾つかのマークが用いられる場合の実施形態の幾つかにおいて、位置補正行動提案Cは、この位置補正行動提案Cを適用した後で、マークMが、スケールS上の対応する点にそれぞれ一致するように、決定されてもよい。
【0054】
次に、制御ユニット10は、図4で見られるように、位置補正行動提案Cの表現を表示するために、ユーザインターフェース12(ここではスクリーン18)を制御する(ステップS26)。本実施形態において、制御ユニット10はまた、ユーザが、位置補正行動提案Cを受諾するかどうかを示すようにユーザに促すために、ユーザインターフェース12(ここではスクリーン18)を制御する(ステップS28)。
【0055】
ユーザが、(例えばユーザインターフェース12上の受諾仮想ボタンを選択することによって)位置補正行動提案Cを受諾する場合に、制御ユニット10は、位置補正行動提案Cを現在の位置補正行動として、制御ユニット10のメモリに格納し(ステップS30)、且つ以下で説明されるステップS38に進む。
【0056】
ユーザが、(例えばユーザインターフェース12上の拒否仮想ボタンを選択することによって)位置補正行動提案Cを受諾しない場合に、制御ユニット10は、位置補正提案行動Cをメモリに格納せずに、ステップS38(又は可能な変形によれば、図2において点線で示されているようなステップS32)に進む。
【0057】
ステップS32において、制御ユニット10は、ユーザインターフェース12(ここではキーボード16又はマウス)における可能なユーザ入力を検出し、ユーザ入力は、ユーザによって意図された位置補正入力に対応する。
【0058】
ユーザ入力は、実際には、平行移動補正及び/又は回転補正を定義する(図5に示されているようなユーザインターフェース12上に表示された)仮想ボタンBの選択であってもよい。このステップは、マークM及び基準点Pを含む、制御ユニット10によって生成された画像が、ユーザインターフェース12上に表示されている間に、行われてもよい。
【0059】
ステップS32はまた、(位置補正入力に基づいて実行され得る補正をシミュレートするために)位置補正入力に基づいて決定された移動によって、(マークMの実際の位置に対して)シフトされる仮想位置におけるマークMの表現を(ユーザインターフェース12上に、且つ制御ユニット10の制御下で)表示することを含んでもよい。
【0060】
位置補正に帰着するかかるユーザ入力、及び対応する補正された(シフトされた)位置におけるマークMの実時間の表示のおかげで、ユーザは、Mが、表示された画像上の基準点Pに一致するか又はそれに少なくとも一層近くなるまで、柔軟な方法で位置補正行動を調整し得る。
【0061】
ユーザが現在の位置補正行動を受諾するかどうかを、ユーザが、(実際にはユーザインターフェース12上の仮想ボタンを選択することによって)示す場合に、方法は、ステップS34において継続する。
【0062】
ユーザが、(ユーザインターフェース12上に表示された受諾仮想ボタンを選択することによって)現在の位置補正行動を受諾する場合に、(ステップS32においてユーザによって行われた位置補正入力に由来する)現在の位置補正行動は、最終位置補正行動、即ち以下で説明されるように縁取る場合に適用される位置補正行動として、制御ユニット10のメモリに格納される(ステップS36)。次に、制御ユニット10は、ステップS38に進む。
【0063】
可能な実施形態によれば、最終位置補正行動は、レンズ20に関連する(例えば保持される)RFIDチップに格納されてもよい。かかるRFIDチップ(及びそこに記憶された位置補正行動)は、以下で説明されるように、縁取る場合に位置補正行動を考慮するために、縁取り機械によって読み取ることができる。
【0064】
ユーザが、(ユーザインターフェース12上に表示された拒否仮想ボタンを選択することによって)現在の位置補正を拒否する場合に、制御ユニット10は、現在の位置補正を格納せずに、ステップS38に進む。
【0065】
ステップS38において、制御ユニット10は、縁取りプロセスを開始する。
【0066】
ステップS38は、例えば、(ブロッキング装置22を備えた)レンズ20を縁取り装置14に配置するようにユーザに依頼する指示を(制御ユニット10の制御下で)ユーザインターフェース12上に表示することを含む。縁取り装置14は、ブロッキング装置22(及び従ってレンズ20)が、縁取り装置14に対して1つの位置及び1つの方位だけで装着され得るように、ブロッキング装置22と協力するように適合される。
【0067】
制御ユニット10はまた、縁取りプロセスを開始するために、縁取り装置14にコマンドを送信するように通信回路15を制御してもよい。このコマンドは、縁取りされる輪郭を画定する輪郭データと、適用可能な場合に、制御ユニット10のメモリに格納された位置補正行動を定義する追加データと、を含んでもよい。
【0068】
次に、縁取り装置14は、輪郭データに基づいて画定された輪郭に沿って、且つ追加データによって定義された位置補正を考慮に入れてレンズ20を縁取りする(ステップS40)。正確には、縁取り装置によって適用される輪郭は、追加データによって定義された位置補正行動に従って、(輪郭データによって画定された)求められた輪郭における点を平行移動し且つ/又は回転させることによって画定される。
【0069】
従って、レンズ20は、たとえブロッキング装置22が、レンズ20上の正しい正確な位置に配置されていない場合にさえ、レンズ20が縁取りされるように計画された場合に、正確に縁取りすることができる。
【符号の説明】
【0070】
2 チェック装置
4 画像センサ
6 支持体
8 機械的構造
10 制御ユニット
12 ユーザインターフェース
14 装置
15 通信回路
16 キーボード
18 スクリーン
20 レンズ
22 ブロッキング装置
図1
図2
図3
図4
図5