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特許7313371電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 22/00 20060101AFI20230714BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20230714BHJP
   G01N 27/22 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
G01N22/00 S
A24F47/00
G01N22/00 J
G01N27/22 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020549648
(86)(22)【出願日】2019-03-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-24
(86)【国際出願番号】 IB2019052000
(87)【国際公開番号】W WO2019175769
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2022-01-06
(31)【優先権主張番号】102018000003660
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【弁理士】
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】トリヴィソンノ,エウラ
(72)【発明者】
【氏名】ザノッティ,マウリツィオ
(72)【発明者】
【氏名】フェデリーチ,ルカ
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-516510(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0291301(US,A1)
【文献】特開2015-019664(JP,A)
【文献】国際公開第2016/200252(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第103960774(CN,A)
【文献】特表2017-524350(JP,A)
【文献】特表2010-535325(JP,A)
【文献】国際公開第2014/005677(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 22/00-22/04
A24F 47/00
A24C 5/00-5/60
G01N 27/00-27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タバコ用の使い捨てカートリッジ(C)の品質管理のための検査ユニット(1)であって、
カートリッジ(C)の供給ユニットからそれぞれのカートリッジ(C)を受け入れるように構成された一連の保持シート(4)を有する部分(3)を有する前進コンベヤ(2)と、
前記カートリッジ(C)の1つまたは複数の特性を検出して、前記カートリッジ(C)の、1つまたは複数の事前に規定された許容基準への適合性を決定するように構成された電磁検出器(5)と、を備え、
前記検出器は、電磁信号を送信するように構成された送信シェル(6)と、前記電磁信号を受信するように構成された受信シェル(7)とを含み、前記送信シェル(6)および前記受信シェル(7)は、互いに向き合って検出チャンバ(8)を規定し、前記検出チャンバ(8)は、前記部分(3)と、それぞれの保持シート(4)に収容された少なくともカートリッジ(C)とをその中にスライド式に受け入れるように構成され、前記カートリッジ(C)は、前記検出チャンバ(8)の内側に完全に配置される、検査ユニット(1)。
【請求項2】
前記電磁検出器(5)が、前記部分(3)が前記電磁検出器(5)によって部分的に囲まれるように、前記前進コンベヤ(2)を少なくとも部分的に収容するように適合された実質的にU字形またはC字形を有する、請求項1に記載のユニット。
【請求項3】
前記送信シェル(6)が、送信キャビティ(6a)と、前記送信キャビティ(6a)の内部に配置された送信アンテナとを含み、前記受信シェル(7)が、受信キャビティ(7a)と、前記受信キャビティ(7a)の内部に配置された受信アンテナとを含む、請求項1または2に記載のユニット
【請求項4】
前記送信シェル(6)および前記受信シェル(7)が、中空の平行六面体の構造を有する、請求項3に記載のユニット。
【請求項5】
前記送信シェル(6)および前記受信シェル(7)が、互いに向かい合って配置されたそれぞれの表面を少なくとも部分的に覆うように配置されたそれぞれの誘電体シース(6b、7b)であって、前記前進コンベヤ(2)の前記部分(3)に向かって面しており且つ前記検出チャンバ(8)を規定する誘電体シース(6b、7b)を備える、請求項1から4のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項6】
前記検出チャンバ(8)が、前記カートリッジ(C)を受け入れるように構成され且つ前記電磁検出器(5)の中央領域に配置された中央部分(8a)と、前記部分(3)を受け入れるように構成された、前記中央部分(8a)から開始して延びる周辺部分(8b)とを備える、請求項1から5のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項7】
前記部分(3)が、前記一連の保持シート(4)への前記それぞれのカートリッジ(C)の漸進的な挿入を案内するように適合された湾曲した鋸歯状プロファイルを有し、前記一連の保持シート(4)は、前記湾曲した鋸歯状のプロファイルの基部によって規定される、請求項1から6のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項8】
前記一連の保持シート(4)が、それぞれのカートリッジ(C)を実質的に垂直な位置に保持するように構成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項9】
前記部分(3)が、前記それぞれのカートリッジ(C)の外面のアンダーカットを静止状態で受け入れるように適合された前記一連の保持シート(4)を取り囲む水平面を有する、請求項8に記載のユニット。
【請求項10】
前記前進コンベヤ(2)の前記部分(3)、または前記前進コンベヤ全体(2)が高分子材料でできている、請求項1から9のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項11】
前記前進コンベヤ(2)が、垂直の回転軸(X)を有する前進ドラムを含み、前記一連の保持シートが、前記ドラムの前記垂直の回転軸(X)に実質的に平行な主延設方向を有し、前記部分(3)は周辺であり且つ前記前進ドラムの縁部に配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項12】
前記電磁検出器(5)によって検出された非適合カートリッジ(C)を前記一連の保持シート(4)から抽出するように構成された、前記前進コンベヤ(2)の前進方向に関して前記検出器の下流に配置された除去手段(9)を含む、請求項1から11のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項13】
前記電磁検出器(5)がマイクロ波共振器であり、前記マイクロ波共振器は、例えば、前記それぞれのカートリッジ(C)の内部に収容されたタバコ産業の充填製品の密度および/または湿度を測定するために10から1012Hzの間に含まれる波長で動作し、前記検出チャンバ(8)は共振チャンバである、請求項1から12のいずれか一項に記載のユニット。
【請求項14】
電子タバコ用の使い捨てカートリッジ(C)の品質管理のための検査方法であって、
請求項1から13のいずれか一項に記載された検査ユニット(1)を配置するステップと、
前記前進コンベヤ(2)のそれぞれの保持シート(4)で、前記カートリッジ(C)の供給ユニットから一連のカートリッジ(C)を受け取るステップと、
前記一連のカートリッジ(C)を前記検出チャンバ(8)の中を通って移動させるステップと、
前記電磁検出器(5)を使用して、前記検出チャンバ(8)の内部に完全に配置されたカートリッジ(C)の少なくとも特性を検出するステップと、
前記一連のカートリッジ(C)を、前記カートリッジ(C)の受け取り手段に解放するステップと、を含む検査方法。
【請求項15】
前記検出するステップの前に、各保持シート(4)の検出によって前記電磁検出器(5)を調整するステップを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記検出するステップが、
少なくとも測定された特性が事前に規定された許容基準を満たしているかどうかを決定するサブステップと、
前記許容基準が順守されない場合に、前記カートリッジ(C)の除去手順をアクティブにするサブステップと、を含む、請求項14または15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ産業用の機械の技術分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットおよび方法に関する。「品質管理」という用語は、カートリッジの「品質」のチェックを指すことに留意すべきである。
【背景技術】
【0003】
最近、電子タバコ用のシングルユースの(すなわち使い捨ての)カートリッジが提案されており、当該カートリッジは、微細に穿孔された底壁を備えた管状のプラスチック材料で作られたケースであって、ろ過材料で作られたパッドにより覆われたある量の粉末タバコを収容するケースを備える。ケースは、ケースにシールされたシールリングによって上端(つまり、微細に穿孔された底壁の反対側)で閉じられている。
【0004】
このようなカートリッジの製造には、調整された容量の、タバコ産業の適切な充填製品、例えば粉末タバコで各ケースを充填し、ケース内の充填製品を穏やかに圧縮して所望の密度を得て、その後、ろ過材料で作られたパッドとシールリングの両方を上端に適用することによってケースをキャップすることが含まれる。
【0005】
次に、カートリッジの重量が個別に測定されて、収容する充填製品の量が不十分または過剰である非適合カートリッジの排除が可能になる。
【0006】
カートリッジの製造が完了すると、それらはシールされたパッケージ、通常はブリスターパックに挿入される。
【0007】
このようなカートリッジの製造プロセスの間に、製品が、完成品に変換されるとその販売を妨げる可能性がある、例えば空きスペースやその他の異常や不規則、例えば既に示した誤った量の充填製品などのいかなる欠陥も有しないことを保証するように、製造中の製品に対して品質管理動作を実行できることは非常に有利である。
【0008】
この分野には、製造プロセス中にカートリッジの定性的分析を実行できる従来技術の制御システムがある。
【0009】
しかしながら、この出願人は、そのような方法が、カートリッジの全体的且つ満足のいく検査が実施されることを可能にしないので、いかに効率的でない、または高性能ではないかを観察した。
【発明の概要】
【0010】
これに関連して、本発明の基礎を形成する技術的目的は、従来技術の上記の欠点を克服する、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットおよび方法を提案することである。
【0011】
特に、本発明の目的は、処理中の製品全体の正確且つ効率的な定性的評価を保証することができる、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットおよび方法を提供することである。品質管理は、製品全体の品質の評価を保証する。
【0012】
示された技術的目的および特定された目的は、添付の特許請求の範囲の請求項の1つまたは複数に記載された技術的特徴を含む、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットおよび方法によって実質的に達成される。
【0013】
本発明は、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットを示し、検査ユニットは、前進コンベヤおよび電磁検出器を含む。
【0014】
前進コンベヤは、カートリッジを供給するための供給ユニットからそれぞれのカートリッジを受け取るように構成された一連の保持シートを有する部分を有する。
【0015】
電磁検出器は、カートリッジの1つまたは複数の特性を検出して、それらが1つまたは複数の許容基準に適合するかどうかを決定するように構成され、電磁信号を送信するように構成された送信シェルおよび前記電磁信号を受信するように構成された受信シェルを備える。
【0016】
これらのシェルは互いに向き合っており、前進コンベヤの一部と、少なくとも、それぞれの保持シートに収容されたカートリッジとをその中にスライド式に受け入れるように構成された検出チャンバを規定しており、前記カートリッジは完全に検出チャンバ内に配置されている。
【0017】
有利なことに、本発明によるユニットの特定の構造は、検出チャンバ内をスライドしているカートリッジ全体の全体的な評価によって、非常に効果的且つ効率的な方法でカートリッジの特性の正確な測定を行うことを可能にする。検出信号はチャンバで、特にチャンバの中央部分で最大になるためである。
【0018】
さらに、検出が上記の2つのシェルで範囲が定められたチャンバ内で行われるという事実は、検出にとって重要ではないが、実際には検出を妨げる要因となる可能性のある全てのものからの分離を保証する。
【0019】
本発明はまた、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査方法に関し、当該方法は、
検査ユニットを配置するステップと、
前進コンベヤのそれぞれの保持シートで、カートリッジを供給するための供給ユニットから一連のカートリッジを受け取るステップと、
一連のカートリッジを検出チャンバの中を通って移動させるステップと、
電磁検出器を使用して、少なくとも、検出チャンバ内に完全に配置されたカートリッジの特性を検出するステップと、
一連のカートリッジを、カートリッジを受け取るための受け取り手段に解放するステップと、を含む。
【0020】
この手順により、処理中の製品の構造的完全性と品質レベルの正しい評価が保証され、マーケティング用の適合性を規定する事前に規定された品質パラメータの1つへの適合が保証される。
【0021】
参考のために本明細書に組み込まれる従属請求項は、本発明の異なる実施形態に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に示されるように、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットおよび方法の好ましい、非限定的な実施形態の大凡の非限定的な説明からより明らかになるであろう。
図1A】電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットの斜視図を示す。
図1B図1のユニットのさらなる斜視図を示す。
図2】検査ユニットの断面を示す。
図3】本発明による電磁検出器の斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
添付の図において、数字の1は、一般に、電子タバコ用の使い捨てカートリッジCの品質管理のための検査ユニットを示す。
【0024】
各カートリッジCは、例えば、プラスチック材料で作られたケースであって、管状の形状を有し、底壁を有し、ケースにシールされたシールリングによって上端(すなわち、底壁の反対側)で閉じられたケースを備える。
【0025】
ケースは、ろ過材料で作られたパッドで覆われたある量の粉末タバコを収容してもよく、好ましくは、底壁は微細に穿孔されている。あるいは、ケースはまた、電子タバコにおいて気化するのに適した液体を収容してもよく、その場合、底壁はそれに孔を有さない。
【0026】
ユニット1は、カートリッジCを供給するための供給ユニットからそれぞれのカートリッジCを受け取るように構成された一連の保持シート4を有する部分3を有する前進コンベヤ2を備える。
【0027】
換言すれば、前進コンベヤ2は、検査ユニットの上流に位置する処理ステーションから到着する電子タバコ用の一連のカートリッジCを受け入れ、前進コンベヤ2の移動の最中に各々が1つのカートリッジCを収容および保持するのに適したそれぞれの保持シート4にそれらを受け入れるように構成される。
【0028】
カートリッジCの前進コンベヤ2への移送を容易にするために、部分3は、カートリッジCの保持シート4への、特に湾曲した歯の基部によって規定される保持シートへの漸進的な挿入を案内するように適合された湾曲した鋸歯状プロファイルを有する。
【0029】
換言すれば、適切な供給ユニットから到着したカートリッジCが前進コンベヤ2に遭遇すると、それは部分3のプロファイルの歯の先端の曲面と接触し、前進コンベヤの漸進的な前進が、カートリッジが歯の基部に到達し、その基部によって規定される保持シート4に安定して収容されるまで、同じ歯の背部に沿ってカートリッジCのスライドを生成する。
【0030】
各保持シート4は、それぞれのカートリッジCを実質的に垂直な位置に保持するように構成され、部分3は、カートリッジCの外面のアンダーカットを静止状態で(restingly)受け入れるように適合された、一連の保持シート4を取り囲む水平面を有する。
【0031】
実際、その構造は、偶発的な解放およびその結果としての前進コンベヤ2からの望ましくない落下のリスクなしに、それぞれの保持シート4におけるカートリッジの正しい保持を保証する。
【0032】
図1Aおよび1Bに示される1つの特定の実施形態によれば、前進コンベヤ2は、垂直な回転軸Xを有する前進ドラムを含み、一連のシート4は、ドラムの回転軸Xに実質的に平行な主延設方向を有する。一連のシート4は、前進ドラムの縁部に配置され、言い換えれば、部分3は、前進ドラムの周辺部分である。
【0033】
これらの図に示されていない別の実施形態によれば、前進コンベヤ2は線形であってもよく、一連のシート4を垂直軸Xに垂直な線形前進経路に沿って前進させるように配置されたベルトを備えてもよい。一連のシート4はまた、前進ドラム2における位置と同様に、ベルトの縁部に配置されてもよく、したがって、部分3は、周辺部分であってもよい。あるいは、部分3は、ベルトの内側バンドに配置されてもよく、言い換えれば、部分3は、中央部分であってもよい。
【0034】
ユニット1はさらに、各カートリッジCに対して検査を実行するように、すなわち、カートリッジCの1つまたは複数の特性を検出して、それが1つまたは複数の許容基準を満たすかどうかを決定するように構成された電磁検出器5を備える。
【0035】
本発明において、「検査」という用語は、一例として且つ本発明の範囲を制限することなく、容量性、誘導性、マイクロ波またはX線タイプのものであり得る適切な電磁検出器によって生成された放射線に物品全体を通すことによるカートリッジの状態のチェックを意味することが強調されなければならない。
【0036】
そのプロセスにより、検査されたカートリッジCが市場性のある製品の製造に使用できるかどうか、またはカートリッジCに所定の品質基準を満たせるタバコ業界の製品の製造に使用するのに適さないような不良または欠陥があるかどうかに関して評価が可能になる。
【0037】
次に、電磁検出器5は、電磁信号を送信および受信するようにそれぞれ構成された送信シェル6および受信シェル7を備える。
【0038】
それらのシェル6、7は、前進コンベヤ2の部分と少なくともそれぞれの保持シート4に収容されたカートリッジCとをその中にスライド式に受け入れるように構成された検出チャンバ8を規定するように、互いに向き合っている。
【0039】
特に、検査ユニット1を使用するための構成では、一連のカートリッジCが順次検出チャンバ8を通過し、チャンバ内、好ましくはそれの中央部分8a内に完全に配置された場合に電磁検出器5の作用によって検査される。
【0040】
本発明の一態様によれば、電磁検出器5は、部分3が部分的に電磁検出器によって囲まれるように、前進コンベヤ2を少なくとも部分的に収容するように適合された実質的にU字形(またはC字形)を有する。
【0041】
換言すれば、電磁検出器5は、前進コンベヤ2に関連付けられるように構成され、その結果、電磁検出器5は、したがって、送信シェル6と受信シェル7との間をスライドする部分3を収容する。
【0042】
有利なことに、本発明による検査ユニットは、その中に部分3およびカートリッジC全体の両方を受け入れることによって、カートリッジCが検出信号、すなわち、送信アンテナによって生成され且つ受信アンテナによって受信される電磁信号の最大強度点および焦点に位置するときに全体として検査されるので、最適な製品の品質検査プロセスを保証する。
【0043】
一般に、送信シェル6は、内部送信キャビティ6aおよび送信キャビティ6aの内側に配置された送信アンテナを有し、受信シェル7は、内部受信キャビティ7aおよび受信キャビティ7aの内側に配置された受信アンテナを有する。
【0044】
添付の図に示される1つの特定の実施形態によれば、シェル6、7は、全体として、実質的に平行六面体の構造を有し、それぞれの送信キャビティおよび受信キャビティが互いに向き合い隣接して、これにより検出チャンバ8を規定するように、上下に配置される。
【0045】
送信シェル6および受信シェル7はまた、互いに向かい合って配置されたシェル6、7のそれぞれの表面を少なくとも部分的に覆うように配置された、それぞれの誘電体シース6b、7bを備える。
【0046】
それらの誘電体シース6b、7bは、検出チャンバ8を規定するために前進コンベヤ2の部分3に向かって面しており、それらは、それらが互いに接触している、前進コンベヤ2に対して遠位の第1の端部と、それらが離れて広がり、それによって、検出チャンバ8の領域を規定する、前進コンベヤ2に対して近位の第2の端部とを有し、検出チャンバ8内に前進コンベヤ2の部分3および部分3の保持シート4に保持されたそれぞれのカートリッジCがスライド式に通過できる。
【0047】
したがって、検出チャンバ8は、第1の部分、すなわち、中央部分8aと、周辺部分8bとを備え、中央部分8aは、検査されるカートリッジCを受け入れるように構成され且つ電磁検出器5の中央領域8aに、好ましくはそれの幾何学的中心に配置され、周辺部分8bは、中央部分8aから開始して延在し且つ部分3を受け入れるように構成される。
【0048】
中央部分8aおよび周辺部分8bは、誘電体シース6b、7bの第2の端部によって区切られている。
【0049】
中央部分8aという用語は、特に、電磁検出器の幾何学的中心を取り囲む検出チャンバ8の部分を指す。
【0050】
有利なことに、一方で、誘電体シース6b、7bは、部分3およびカートリッジCのみのスライド式通路に適した通路を規定する検出チャンバ8への不要な外部物質、例えば、ほこりによるアクセスを防止する保護バリアを提供し、他方で、誘電体シース6b、7bは、測定プロセスの最適化を可能にし、検出チャンバ8内の送信アンテナによって送信される放射線の集中および均質化を促進し、受信アンテナによる受信を最適化するので、誘電体シース6b、7bは、検査ユニット1の効率および有効性のかなりの改善を可能にする。
【0051】
検出チャンバ8内の前進コンベヤ2の部分3の通過が、前記構成要素が検査プロセスに干渉しないことを保証する必要な適切な装置をどのように提供するかは明らかであり、したがって、前進コンベヤ2の部分3が高分子材料で作られ、好ましくは前進コンベヤ2全体が高分子材料で作られる。
【0052】
高分子材料という用語は、特に、カートリッジCの特性の検査を実行するために送信アンテナによって生成される電磁信号のいかなる種類の干渉、歪み、外乱も発生しないような特性を有する材料を指す。
【0053】
前に示したように、本発明の可能な好ましい実施形態によれば、電磁検出器5は、カートリッジC内に収容されるタバコ産業の充填製品の密度および/または湿度を測定するために使用可能な、好ましくは10から1012Hzの間の波長で動作するマイクロ波検出器である。
【0054】
この場合、検出チャンバ8は共振チャンバである。
【0055】
特に、マイクロ波検出器は、送信アンテナを介して、検出器の構造特性に依存する力線によって規定される正確な形状の電磁場を生成し、検出信号を放出するように構成される。次に、生成された検出信号はカートリッジCを通過し、受信アンテナに到達し、受信アンテナは、それを受信し且つそれを分析することができるプロセッサに接続されており、信号がカートリッジCを通過するときに信号が受ける外乱に応じて、充填製品の密度および/または湿度に関する情報が得られる。
【0056】
その情報は、充填製品の重量を取得するための既知の技術、特に、検査ユニット1の上流の製造工程において、正しい量の充填製品がカートリッジCに挿入されたかどうかを決定することを可能にする既知の技術を使用してさらに処理されてもよい。
【0057】
その文脈において、誘電体シース6b、7bの存在は、電磁場の力線が検出チャンバ8の中央部分8aに、この特定の場合においては共振チャンバ、すなわち、検査の瞬間にカートリッジCが配置されている部分に、最適に集束されることを保証するので、特に有用且つ効果的である。
【0058】
この構築装置は、検出信号との干渉の可能性を大幅に低減し、受信アンテナによる受信に関して大幅な改善を保証する。
【0059】
さらなる可能な実施形態によれば、電磁検出器は、容量性タイプの検出器である。
【0060】
この場合、送信シェルと受信シェルは、コンデンサのプレートを規定し、その内部をカートリッジCがスライドする。
【0061】
カートリッジCが2つのシェルの間に配置されると、空気の誘電率と比較して充填製品の誘電率が異なるため、容量性検出器の静電容量に測定可能な変動が生じる。
【0062】
その変動は、充填製品の湿度に直接関連しており、この値が取得されると、既に示したように、既知の条件を使用して、カートリッジCに含まれる充填製品の量を示す重量情報に変換することができる。
【0063】
検査ユニット1はまた、電磁検出器5によって検出された非適合カートリッジCを保持シートから抽出するように構成された、前進コンベヤ2の前進方向に関して、電磁検出器5の下流に配置された除去手段9を備える。
【0064】
換言すれば、除去手段9は、事前に規定された品質パラメータを満たさない全てのカートリッジCを製造プロセスから除去することを意図した除去手順の実行を可能にするように構成される。
【0065】
添付の図面に示されるように、除去手段9は、前進コンベヤ2の上に配置された吸引チューブを使用して作製されてもよく、したがって、非適合カートリッジCを吸引して、それらがシートから完全に抽出されるまでそれぞれの保持シート4からそれらを持ち上げるように設定されてもよい。
【0066】
本発明はまた、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査方法に関する。
【0067】
開示される方法は、上記のように作られた検査ユニット1を配置することを含む。
【0068】
次に、方法は、前進コンベヤ2のそれぞれの保持シート4において、カートリッジCを供給するための供給ユニットから受け取られた一連のカートリッジCを受け取る。換言すれば、検査ユニット1の上流に配置された供給ユニットは、前進コンベヤ2のそれぞれの保持シート4で受け取られる一連のカートリッジCを供給する。
【0069】
次に、前進コンベヤ2は、一連のカートリッジCを移動させて、それらを検出チャンバ8の中を通ってスライドさせ、特に、前進コンベヤ2は、カートリッジCを、それらが検出チャンバ8内に完全に入るように移動させる。
【0070】
次に、少なくとも、検出チャンバ8の内側に完全に配置されたカートリッジCの特性を検出するために、電磁検出器5によって検出ステップが実行される。
【0071】
したがって、電磁検出器5は、カートリッジが完全に検出チャンバ8内に、好ましくはその中央部分8aにあるときに、検出チャンバ8を通過する各カートリッジCを検査する。
【0072】
中央部分8aという用語は、電磁検出器5の幾何学的中心を取り囲む検出チャンバ8の部分を指す。
【0073】
検査が完了すると、カートリッジCは検出チャンバ8から出て、一連のカートリッジCは、カートリッジCを受け取るための受け取り手段に解放され得る。
【0074】
検査ユニットの下流に配置されたこれらの受け取り手段は、カートリッジCを、タバコ部門の最終製品を得ることを意図した後続のさらなる処理ステップに移すことを可能にする。
【0075】
前進コンベヤ2は連続的に移動されてもよく、すなわち、前進コンベヤ2はカートリッジCを受け取り、カートリッジCが検出チャンバ8の内部に完全に挿入されたときに検査が行われる検出チャンバ8の中を通すように連続的な流れでカートリッジCをスライドさせる。
【0076】
あるいは、前進コンベヤ2は、断続的に、すなわち、好ましくは2つの隣接する保持シート4の間に存在する距離に等しい一定ステップで移動されてもよく、前進コンベヤ2は、カートリッジCを受け取り、それらを検出チャンバの中を通すように断続的な流れでスライドさせる。すなわち、カートリッジCは、検査手順を完了するのに必要な時間の間、検出チャンバ8内で静止したままである。
【0077】
電磁検出器5によって測定された特性の正しい評価を保証するために、本発明による方法は、検出ステップの前に、各保持シート4の検出によって電磁検出器5を調整することを意図したステップを含む。
【0078】
そのステップは、部分3の一部、保持シート4を有する部分が検出チャンバ8に入るという事実によって引き起こされる測定への寄与の体系的な検討および評価を可能にし、それにより、後続の測定ステップ中、カートリッジCの正しい検査を保証する。
【0079】
より詳細には、調整ステップ中に、電磁検出器5は、カートリッジCがない場合に、検出チャンバ8に入る部分に限定された前進コンベヤ2の部分3のみの測定を実質的に行う。
【0080】
これにより、前進コンベヤ2の部分3のごく一部の通過ではあるが、送信アンテナによって生成され、受信アンテナを対象とする電磁信号に及ぼす可能性のある影響の評価が可能になる。
【0081】
したがって、カートリッジCのその後の実際の検査中には、調整ステップのおかげで既知である、検出チャンバ8内の前進コンベヤ2の一部の通過からの測定への寄与を適切に考慮に入れることで十分であり、電磁信号は、処理されると、検査されたカートリッジCにのみ関連する関連情報を明確に示し、その品質レベルの正しい評価を提供することを保証する。
【0082】
有利なことに、検出ステップは、次に、オペレータが、所定のカートリッジCを最終製品の製造に正しく使用できるかどうかを規定できるようにすることを意図したサブステップを含む。
【0083】
特に、検出ステップは、測定された少なくとも特性が事前に規定された許容基準を満たすかどうかを決定することを意図する第1のサブステップと、その許容基準が順守されない場合、カートリッジCが製造プロセスから除去されるように、カートリッジCを除去するための除去手順をアクティブにすることを意図する第2のサブステップとを含む。
【0084】
有利なことに、本発明は、提案された目的を達成し、従来技術の欠点を克服し、処理された製品の正確且つ効率的な定性的分析の性能を保証する、電子タバコ用の使い捨てカートリッジの品質管理のための検査ユニットおよび方法をユーザに利用可能にする。
図1A
図1B
図2
図3