(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】光電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20230714BHJP
H01L 33/08 20100101ALI20230714BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20230714BHJP
H01L 25/065 20230101ALI20230714BHJP
H01L 25/18 20230101ALI20230714BHJP
【FI】
H01L33/62
H01L33/08
H01L25/08 Y
(21)【出願番号】P 2020569812
(86)(22)【出願日】2019-06-11
(86)【国際出願番号】 FR2019051410
(87)【国際公開番号】W WO2019239059
(87)【国際公開日】2019-12-19
【審査請求日】2022-04-22
(32)【優先日】2018-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515113307
【氏名又は名称】アルディア
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】ロビン,イヴァン-クリストフ
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0331153(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0133356(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0151548(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0069609(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0014990(US,A1)
【文献】特開2012-227514(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0358562(US,A1)
【文献】特表2019-526925(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0205614(US,A1)
【文献】特開2016-178307(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105934834(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
H01L 25/00 - 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光電子デバイ
スを製造する方法であって、
電子部
品の集合体を含む第1のウエ
ハの第1の表面に、第1の絶縁
層及び導電性トラッ
クの積層体を形成する工程、
第1の端部及び第2の端部を夫々有
してワイヤ状、円錐状、円錐台形状又はピラミッド状の三次元の発光ダイオー
ドの集合体を第2のウエ
ハ上に形成する工程、
前記第1のウエハの第1の表面の少なくとも一部に第1の金属
層を形成して、前記第2のウエハの第1の表面の少なくとも一部に第2の金属
層を形成し、前記第2の金属層を各発光ダイオー
ドの第1の端部に電気的に連結する工程、
前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層を接触させて、前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層を分子接合によって接合する工程、
前記第1のウエハの第2の表面を前記導電性トラッ
クの内の1つに接続する少なくとも1つの絶縁された導電性バイ
アを形成する工程、及び
前記第1の金属層及び前記第2の金属層を接触させた後、前記発光ダイオードの各集合体を囲む絶縁された導電性トレン
チであって、前記発光ダイオードの集合体の内の1つに夫々接続されている前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層の部分を互い
に絶縁する前記導電性トレン
チを形成する工程
を有することを特徴とする方法。
【請求項2】
前記導電性トラッ
クの内の一部は前記第1のウエハの電子部品を相互に接続し、導電素
子が前記積層体の前記第1の絶縁
層内を延び、前記第1の金属
層に接することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性トレン
チで囲まれた前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層の部分を前記導電素
子の内の1つによって前記第1のウエハに夫々接続することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層は、前記第1のウエ
ハの第1の表面及び前記第2のウエ
ハの第1の表面を完全に覆うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の方法。
【請求項5】
全ての発光ダイオー
ドの第2の端部を電気的に接続する電
極を形成する工程を更に有することを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
絶縁された前記導電性トレン
チは、前記電
極から前記導電性トラッ
クの内の一部まで延びることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
絶縁された前記導電性トレン
チは、前記第1のウエハの第2の表面から前記電
極まで延びることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記電
極を覆う光輝性
層を形成する前に、前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層を接触させることを特徴とする請求項5~7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
各
導電性トレン
チを、絶縁された前記導電性バイ
アの内の一部に接続することを特徴とする請求項1~8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
前記発光ダイオードを覆って導電性
壁によって横切られる
光輝性層を形成する工程を更に有することを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の方法。
【請求項11】
電子部品の集合体並びに第1の絶縁
層及び導電性トラッ
クの積層体を含む第1のウエハを備えており、前記第1のウエハの第1の表面が第1の金属
層で少なくとも部分的に覆われており、少なくとも1つの絶縁された導電性バイ
アが前記第1のウエハの第2の表面を前記導電性トラックの内の1つに接続しており、
第1の端部及び第2の端部を夫々有
してワイヤ状、円錐状、円錐台形状又はピラミッド状の三次元の発光ダイオー
ドの集合体を含む第2のウエハを更に備えており、前記第2のウエハの第1の表面が第2の金属
層で少なくとも部分的に覆われており、前記第2の金属層は全ての発光ダイオードの第1の端部に電気的に連結されており、前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層は分子接合によって互いに接合されており、
前記発光ダイオードの各集合体を囲んでいる絶縁された導電性トレン
チであって、前記発光ダイオード
の集合体
の内の1つに
夫々接続されている前記第1の金属層及び前記第2の金属層の部分を
互いに絶縁する前記導電性トレン
チを更に備えていることを特徴とする光電子デバイ
ス。
【請求項12】
前記導電性トラッ
クの内の一部は前記第1のウエハの電子部品を相互に接続し、前記積層体の前記第1の絶縁
層内に設けられている導電素
子が前記第1の金属
層に接していることを特徴とする請求項11に記載の光電子デバイス。
【請求項13】
前記導電性トレンチで囲まれた前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層の部分が、前記導電素
子の内の1つによって前記第1のウエハに夫々接続されていることを特徴とする請求項12に記載の光電子デバイス。
【請求項14】
前記第1の金属
層及び前記第2の金属
層は、前記第1のウエハの第1の表面及び前記第2のウエハの第1の表面を完全に覆っていることを特徴とする請求項11~13のいずれか1つに記載の光電子デバイス。
【請求項15】
電
極が、全ての発光ダイオー
ドの第2の端部を電気的に接続していることを特徴とする請求項11~14のいずれか1つに記載の光電子デバイス。
【請求項16】
絶縁された前記導電性トレン
チは、前記電
極から前記積層体の導電性トラッ
クまで延びていることを特徴とする請求項15に記載の光電子デバイス。
【請求項17】
絶縁された前記導電性トレン
チは、前記第1のウエハの第2の表面から前記電
極まで延びていることを特徴とする請求項15に記載の光電子デバイス。
【請求項18】
各
導電性トレン
チは、絶縁された前記導電性バイ
アの内の1つに接続されていることを特徴とする請求項11~17のいずれか1つに記載の光電子デバイス。
【請求項19】
光輝性層が、前記発光ダイオー
ドを覆って導電性
壁によって横切られていることを特徴とする請求項11~18のいずれか1つに記載の光電子デバイス。
【請求項20】
前記第2の金属
層は、前記発光ダイオー
ドの第1の端部と接していることを特徴とする請求項11~19のいずれか1つに記載の光電子デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、半導体材料で形成されている発光ダイオードを備えた光電子デバイス、特にディスプレイスクリーン又は画像投影デバイス、及びこれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像の表示画素は、光電子デバイスによって表示される画像の単位素子に相当する。光電子デバイスがカラー画像のディスプレイスクリーンである場合、光電子デバイスは一般に、画像の各画素を表示するために表示サブ画素とも称される少なくとも3つの要素を備えており、これらの要素は実質的に単一色(例えば赤色、緑色及び青色)で光放射線を夫々放射する。3つの表示サブ画素によって放射される放射線を重ね合わせることにより、表示画像の表示画素に対応する色感覚が観察者に与えられる。この場合、画像の画素を表示するために使用される3つの表示サブ画素によって形成される集合体が光電子デバイスの表示画素と称される。
【0003】
各表示サブ画素は、光源、特には例えば半導体材料で形成されている一又は複数の発光ダイオードを有してもよい。「ピックアンドプレース」法と称される、発光ダイオードを備えた光電子デバイス、特にディスプレイスクリーン又は画像投影デバイスを製造する公知の方法では、個別の要素の形態で発光ダイオードを製造し、発光ダイオードを電気的に接続するための導電性トラックを含んでもよい支持体上の所望の位置に各発光ダイオードを置く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような方法の不利点は、発光ダイオードを支持体上に正確に置くことを一般に必要とするということである。このような方法は、発光ダイオードの大きさが減少するにつれてより複雑になるアライメント法を実行することを必要とする。
【0005】
このような方法の別の不利点は、光電子デバイスの解像度が高くなると、支持体上に発光ダイオードを移す回数が増加し、ひいては光電子デバイスの製造期間が長くなり、工業規模での製造と相容れない場合があるということである。
【0006】
組み立てられたユニット発光ダイオードから構成された大型の発光ダイオードディスプレイスクリーンを形成するために、発光ダイオードは、多くの発光ダイオードを制御する制御回路と共に組み立てられるべきである。そのため、制御回路及び発光ダイオードを備えた集合体はワイヤによって共に連結される。このような集合体は、送信され得るデータの量を減少させ、ビデオストリームを表示するのが難しい場合がある。
【0007】
マイクロメートル範囲の発光ダイオードを備えたディスプレイスクリーン、例えば、複数の製造業者によって現在開発されているテレビ、タブレット、スマートフォンタイプの構成では、ビデオストリームを高解像度で表示するためにアクティブマトリクスが必要である。現在、ディスプレイスクリーンのためのアクティブマトリクスは薄膜トランジスタ、つまりTFT で形成されている。TFT には一般に、大きなガラス表面領域上にアモルファスシリコン又はポリシリコンの堆積物が使用されており、TFT は、大きな表面領域上に複雑なマイクロエレクトロニクス法を使用することを必要とする。
【0008】
TFT 無しのアクティブマトリクスを形成するために、制御電子回路の、特にマイクロメートル範囲の大きさの発光ダイオードが一体化されている、いわゆるスマートピクセルを形成し得ることが望ましい。このようなアクティブマトリクスは表示画素の下に設けられた電子回路に基づいているので、アクティブマトリクスは非常に大きな表面領域に形成されてもよい。他方では、このような電子回路はシリコンに基づく技術を利用してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態は、光電子デバイスを製造する方法であって、
電子部品の集合体を含む第1のウエハの第1の表面に、第1の絶縁層及び導電性トラックの積層体を形成する工程、
第1の端部及び第2の端部を夫々有する三次元の発光ダイオードの集合体を第2のウエハ上に形成する工程、
前記第1のウエハの第1の表面の少なくとも一部に第1の金属層を形成して、前記第2のウエハの第1の表面の少なくとも一部に第2の金属層を形成し、前記第2の金属層を各発光ダイオードの第1の端部に電気的に連結する工程、
前記第1の金属層及び前記第2の金属層を接触させて、前記第1の金属層及び前記第2の金属層を分子接合によって接合する工程、
前記第1のウエハの第2の表面を前記導電性トラックの内の1つに接続する少なくとも1つの絶縁された導電性バイアを形成する工程、及び
前記発光ダイオードの各集合体を囲む絶縁された導電性トレンチであって、前記発光ダイオードの集合体の内の1つに夫々接続されている前記第1の金属層及び前記第2の金属層の部分を互いに横方向に絶縁する前記導電性トレンチを形成する工程
を有することを特徴とする方法を提供する。
【0010】
実施形態によれば、前記導電性トラックの内の一部は前記第1のウエハの電子部品を相互に接続し、導電素子が前記積層体の前記第1の絶縁層内を延び、前記第1の金属層に接する。
【0011】
実施形態によれば、トレンチで囲まれた前記第1の金属層及び前記第2の金属層の部分を前記導電素子の内の1つによって前記第1のウエハに夫々接続する。
【0012】
実施形態によれば、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は、前記第1のウエハの第1の表面及び前記第2のウエハの第1の表面を完全に覆う。
【0013】
実施形態によれば、前記方法は、全ての発光ダイオードの第2の端部を電気的に接続する電極を形成する工程を更に有する。
【0014】
実施形態によれば、絶縁された前記導電性トレンチは、前記電極から前記導電性トラックの内の一部まで延びる。
【0015】
実施形態によれば、絶縁された前記導電性トレンチは、前記第1のウエハの第2の表面から前記電極まで延びる。
【0016】
実施形態によれば、前記電極を覆う光輝性層を形成する前に、前記第1の金属層及び前記第2の金属層を接触させる。
【0017】
実施形態によれば、各トレンチを、絶縁された前記導電性バイアの内の一部に接続する。
【0018】
実施形態によれば、前記方法は、前記発光ダイオードを覆って導電性壁によって横切られる第2の電気絶縁層を形成する工程を更に有する。
【0019】
実施形態によれば、前記電子部品の各集合体は、前記発光ダイオードの対応する集合体の発光ダイオードを制御するための回路を有する。
【0020】
実施形態によれば、前記方法は、前記第2の金属層を形成する前に前記第2のウエハを薄くする工程を有する。
【0021】
実施形態によれば、前記三次元の発光ダイオードは、ワイヤ状、円錐状又は円錐台形状のダイオードである。
【0022】
実施形態によれば、前記方法は、チップを形成するために前記第1のウエハ及び前記第2のウエハをエッチングする工程を有する。
【0023】
別の実施形態は、電子部品の集合体並びに第1の絶縁層及び導電性トラックの積層体を含む第1のウエハを備えており、前記第1のウエハの第1の表面が第1の金属層で少なくとも部分的に覆われており、少なくとも1つの絶縁された導電性バイアが前記第1のウエハの第2の表面を前記導電性トラックの内の1つに接続しており、
第1の端部及び第2の端部を夫々有する三次元の発光ダイオードの集合体を含む第2のウエハを更に備えており、前記第2のウエハの第1の表面が第2の金属層で少なくとも部分的に覆われており、前記第2の金属層は全ての発光ダイオードの第1の端部に電気的に連結されており、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は分子接合によって互いに接合されており、
前記発光ダイオードの各集合体を囲んでいる絶縁された導電性トレンチであって、前記発光ダイオードの各集合体に接続されている前記第1の金属層及び前記第2の金属層の部分を横方向に絶縁する前記導電性トレンチを更に備えていることを特徴とする光電子デバイスを提供する。
【0024】
実施形態によれば、前記導電性トラックの内の一部は前記第1のウエハの電子部品を相互に接続し、前記積層体の前記第1の絶縁層内に設けられている導電素子が前記第1の金属層に接している。
【0025】
実施形態によれば、トレンチで囲まれた前記第1の金属層及び前記第2の金属層の部分が、前記導電素子の内の1つによって前記第1のウエハに夫々接続されている。
【0026】
実施形態によれば、前記第1の金属層及び前記第2の金属層は、前記第1のウエハの第1の表面及び前記第2のウエハの第1の表面を完全に覆っている。
【0027】
実施形態によれば、電極が、全ての発光ダイオードの第2の端部を電気的に接続している。
【0028】
実施形態によれば、絶縁された前記導電性トレンチは、前記電極から前記積層体の導電性トラックまで延びている。
【0029】
実施形態によれば、絶縁された前記導電性トレンチは、前記第1のウエハの第2の表面から前記電極まで延びている。
【0030】
実施形態によれば、各トレンチは、絶縁された前記導電性バイアの内の1つに接続されている。
【0031】
実施形態によれば、第2の電気絶縁層が、前記発光ダイオードを覆って導電性壁によって横切られている。
【0032】
実施形態によれば、前記第2の金属層は、前記発光ダイオードの第1の端部と接している。
【0033】
実施形態によれば、前記電子部品の各集合体は、前記発光ダイオードの対応する集合体の発光ダイオードを制御するための回路を有している。
【0034】
実施形態によれば、前記三次元の発光ダイオードは、ワイヤ状、円錐状又は円錐台形状のダイオードである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
前述及び他の特徴及び利点は、添付図面を参照して本発明を限定するものではない実例として与えられる以下の特定の実施形態に詳細に記載されている。
【0036】
【
図1】光電子デバイスの実施形態の一部を示す図である。
【
図2】
図1の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図3】
図1の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図4】
図1の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図5】
図1の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図6】
図1の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図7】
図1の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図8】
図1の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図9】光電子デバイスの別の実施形態の一部を示す図である。
【
図10】
図9の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図11】
図9の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図12】光電子デバイスの別の実施形態の一部を示す図である。
【
図13】
図12の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【
図14】
図12の光電子デバイスを製造する方法の実施形態の工程の結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
同様の特徴が、様々な図面で同様の参照符号によって示されている。特に、様々な実施形態に共通する構造的特徴及び/又は機能的特徴は同一の参照符号を有してもよく、同一の構造特性、寸法特性及び材料特性を有してもよい。
【0038】
明瞭化のために、本明細書に記載されている実施形態の理解に有用な工程及び要素のみが図示され、詳細に記載されている。特に、記載されたデバイスの用途は詳述されない。
【0039】
特に指定されていない場合、共に接続された2つの要素を参照するとき、これは、導体以外のいかなる中間要素も無しの直接接続を表し、共に連結された2つの要素を参照するとき、これは、これら2つの要素が接続され得るか、又は一若しくは複数の他の要素を介して連結され得ることを表す。
【0040】
以下の記載では、「前」、「後ろ」、「最上部」、「底部」、「左」、「右」などの絶対位置、若しくは「上方」、「下方」、「上側」、「下側」などの相対位置を限定する用語、又は「水平方向」、「垂直方向」などの方向を限定する用語を参照するとき、この用語は図面の向き又は通常の使用位置にあるデバイスを指す。
【0041】
本明細書では、「絶縁」及び「導電」という用語は「電気絶縁」及び「電気導電」を表す。
【0042】
特に指定されていない場合、「約」、「略」、「実質的に」及び「程度」という表現は、該当する値の10%の範囲内、好ましくは5%の範囲内を表す。
【0043】
本明細書は、三次元要素、つまり3D要素、例えばワイヤ状要素(マイクロワイヤ若しくはナノワイヤ)、円錐形要素又は円錐台形要素を備えた光電子デバイスに関する。より具体的には、記載されたデバイスはワイヤ状の発光ダイオードを備えている。しかしながら、このような実施形態は、ワイヤ状のダイオード以外の三次元要素、例えばピラミッド状の三次元要素に関して実施されてもよい。
【0044】
「マイクロワイヤ」又は「ナノワイヤ」という用語は、所望の方向に沿って細長い形状の三次元構造を表し、このような三次元構造は、5nm~2.5 μm、好ましくは50nm~2.5 μmの範囲内の小寸法と称される少なくとも2つの寸法と、小寸法の最大の少なくとも1倍、好ましくは少なくとも5倍、更に好ましくは少なくとも10倍の大寸法と称される第3の寸法とを有する。ある実施形態では、小寸法は、約1μm以下であってもよく、好ましくは100 nm~1μmの範囲内であってもよく、更に好ましくは100 nm~300 nmの範囲内であってもよい。ある実施形態では、夫々のマイクロワイヤ又はナノワイヤの高さは500 nm以上であってもよく、好ましくは1μm~50μmの範囲内であってもよい。
【0045】
図1は、光電子デバイス100 、例えばディスプレイスクリーンの実施形態の一部を示す。より具体的には、
図1は、光電子デバイス100 の表示画素の表示サブ画素を示す。表示画素は、例えば複数の表示サブ画素、例えば少なくとも3つの表示サブ画素を有している。このような表示画素は、例えば青色の放射線を照射することができる少なくとも1つの表示サブ画素、赤色の放射線を照射することができる1つの表示サブ画素、及び緑色の放射線を照射することができる1つの表示サブ画素を有している。
【0046】
表示画素は電子回路101 を有している。電子回路101 は半導体基板102 を有しており、半導体基板102 の内部及び最上部に、
図1に非常に概略的に示されている電子部品103 の集合体が形成されている。より具体的には、各表示サブ画素は電子部品103 の集合体を有している。
【0047】
基板102 は少なくとも1つの絶縁層の積層体で覆われており、積層体は、第1のメタライゼーションレベルの導電性トラック105 を更に有している。
図1では、積層体は2つの絶縁層104, 106を有している。絶縁層104 の導電性トラック105 は、例えば同一の集合体の電子部品103 を相互に接続するために使用されている。
【0048】
表示画素は光電子回路121 を更に有している。光電子回路121 は、発光ダイオード120 の集合体が形成されている半導体基板122 を有している。より具体的には、表示画素は、表示サブ画素の数と同数の発光ダイオードの集合体を有しており、各表示サブ画素は発光ダイオードの集合体を有している。
【0049】
発光ダイオード120 は上述したような三次元ダイオードである。発光ダイオード120 の一例が米国特許出願公開第2015/0255677 号明細書に記載されている。発光ダイオード120 の1つの集合体が
図1に示されており、この集合体は4つの発光ダイオードを有している。実際、発光ダイオードの集合体は1から数十の発光ダイオードを含んでもよい。
【0050】
電子部品103 の各集合体は、例えば発光ダイオード制御回路を有している。電子部品103 の集合体は、例えば発光ダイオードの集合体の電圧の変調に基づき発光ダイオードの集合体を制御することができる。このような回路は、本出願人の仏国特許出願第1756984 号明細書に記載されている。
【0051】
電子回路101 は絶縁層106 を覆う金属層110 を有しており、光電子回路121 は、発光ダイオード120 と反対側の基板122 の表面を覆う金属層142 を有している。金属層110 及び金属層142 は互いに接している。金属層110 及び金属層142 は金属間分子接合によって接合されており、電子回路101 を光電子回路121 に接合し得る。
【0052】
電子回路101 は導電素子108 を有しており、導電素子108 は例えば絶縁層104, 106に配置された導電性トラックを有している。導電素子108 によって、電子部品103 の各集合体と金属層110 とが電気的に接続され得る。従って、導電素子108 によって、表示サブ画素の電子部品103 の集合体が、電子部品103 の集合体毎に同一の表示サブ画素の基板122 と金属層110 及び金属層142 を介して電気的に接続され得る。
【0053】
光電子回路121 は、発光ダイオード120 の周りの基板122 と各発光ダイオードの下方部分とを覆う絶縁層124 を有している。光電子回路121 は、基板122 を完全に覆う導電層126 を更に有しており、すなわち、導電層126 は、絶縁層124 と、絶縁層124 で覆われていない発光ダイオード120 の部分とを覆っている。導電層126 は、発光ダイオードによって放射される放射線を少なくとも部分的に通す。導電層126 は発光ダイオード120 の電極に相当する。この電極は、好ましくは表示サブ画素の全ての発光ダイオード120 に共通の電極である。
【0054】
光電子回路121 は、表示サブ画素に関連付けられた導電層126 の部分を覆う絶縁性の光輝性層130 を表示サブ画素毎に有している。光輝性層130 は、例えば発光ダイオードによって放射される放射線の少なくとも一部を吸収して別の波長で放射線を放射することができる。光輝性層130 は、例えば量子ドット又は発光団を有している。光輝性層130 の組成は対象とする表示サブ画素に応じて異なる。従って、ある光輝性層130 は、表示サブ画素の発光ダイオードによって放射される放射線を青色の放射線、緑色の放射線又は赤色の放射線に変えることができてもよい。
【0055】
変形例として、基板122 が設けられなくてもよい。そのため、金属層142 は、発光ダイオード120 及び絶縁層124 と直接接しているか、又はその成長を可能にする導電性の核生成層と直接接している。
【0056】
光電子回路121 は、導電層126 から基板122 と反対側の光輝性層130 の表面まで延びている導電性の壁132 を有している。例えば、壁132 は発光ダイオード120 の各集合体を囲んでいる。
【0057】
光電子回路121 は、表示画素によって放射される放射線を少なくとも部分的に通して光輝性層130 を覆っている導電層133 を有している。導電層133 は、例えば壁132 の端部と接しており、例えば電気的に接続されている。
【0058】
変形例として、光輝性層130 は発光ダイオード120 を共形的に覆ってもよく、例えばシリコンで形成された透明な絶縁層で覆われてもよい。
【0059】
電子回路101 は、絶縁層104, 106と反対側の基板102 の表面に配置された絶縁層150 を更に有している。絶縁された導電性バイア152, 154が、絶縁層150 及び基板102 を横切って導電性トラック105 の一部に達している。絶縁された導電性バイア152, 154は、電気接続を可能にすべく導電性バイアの端部で開口している絶縁シース158 に囲まれた導電性コア156 を夫々有している。
【0060】
表示画素は、各表示サブ画素を囲むべく配置されて絶縁された導電性トレンチ160 を更に有している。各トレンチ160 は、バイア152, 154と同様に絶縁シース158 及び導電性コア156 を有している。トレンチ160 は、絶縁層150 、基板102 、絶縁層104, 106、金属層110, 142、(設けられている場合には)基板122 及び絶縁層124 を横切っている。トレンチ160 は、発光ダイオード120 の各集合体の下で基板122 の一部を画定している。画定された部分は、基板122 の残り部分から電気的に絶縁されている。金属層110, 142は、金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を、トレンチ160 を除いて夫々完全に覆っていることが好ましい。
【0061】
電子回路101 は絶縁層162 の積層体を有しており、積層体は、基板102 と反対側の絶縁層150 の表面に形成された導電性トラックを更に有している。特に、トレンチ160 の内の1つの一端部を各表示サブ画素のバイア154 の一端部に接続するために導電性トラック164 が形成されている。更に、電子回路101 は、絶縁層150 と反対側の絶縁層162 の積層体の表面を覆う金属層168 を有している。絶縁層162 の積層体は導電素子166 を有しており、導電素子166 は、例えば絶縁層162 内に配置された導電性トラックを有している。導電素子166 によって、各表示サブ画素の少なくとも1つのバイア152 の一端部が金属層168 に接続され得る。
【0062】
表示画素は、金属層168 と支持体170 に配置されたパッドを形成する金属層172 との金属間分子接合によって支持体170 に接合されている。
【0063】
変形例として、支持体170 は、金属層172 で覆われる代わりに、少なくとも1つの絶縁層及び第1の導電性トラックの積層体で覆われてもよい。更に、絶縁層162 の積層体は、第1の導電性トラックに対向して第2の導電性トラックを有してもよい。第1の導電性トラックは、第1の導電性トラックが夫々第2の導電性トラックに接するように配置されている。従って、第1及び第2の導電性トラックを含む絶縁層はハイブリッド分子接合によって接合されている。電子回路101 及び光電子回路121 は互いに同様に接合されてもよい。
【0064】
動作中、第1の電源電位、例えば高電位が導電層133 に与えられる。従って、電源電位は、壁132 及び導電層126 を介して発光ダイオード120 の第1の端部に与えられる。電源電位は、トレンチ160 、導電性トラック164 、バイア154 及び導電性トラック105 を介して各表示サブ画素の電子部品103 の集合体に更に与えられる。電子部品103 の集合体は、導電性トラック105 、バイア152 、導電素子166 、導電層168 、パッド172 及び支持体170 を介して第2の電源電位、例えば低電位、例えば接地に更に接続されている。
【0065】
各表示サブ画素の電子部品103 の集合体は、これらの電位に基づき、導電素子108 、トレンチ160 に囲まれた金属層110, 142の部分及び基板122 を介して発光ダイオード120 の第2の端部への制御信号を与える。
【0066】
図2~8は、
図1の光電子デバイス100 を製造する方法の実施形態の、好ましくは連続的な工程の結果を示す。より具体的には、
図2~7は、発光ダイオードの集合体及び電子部品の集合体を備えた表示サブ画素の製造を示す。
図8は表示画素の取付を示す。
【0067】
基板102, 122はモノブロック構造に夫々相当してもよく、又は別の材料で形成された支持体を覆う層に相当してもよい。基板102, 122は夫々、半導体基板、例えば、シリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、III-V 族化合物又はII-VI 族化合物、例えばZnO で形成された基板であることが好ましい。基板102, 122をサファイア又はグラフェンで形成してもよい。基板102, 122は単結晶シリコン基板であることが好ましい。これらの基板は、マイクロエレクトロニクスで実施される製造方法と適合する半導体基板であることが好ましい。基板102, 122は、SOI とも称されるシリコン・オン・インシュレータタイプの多層構造に相当してもよい。基板102, 122を高濃度にドープしてもよく、低濃度にドープしてもよく、又はドープしなくてもよい。
【0068】
II族化学元素の例として、IIA 族化学元素、特にベリリウム(Be)及びマグネシウム(Mg)、並びにIIB 族化学元素、特に亜鉛(Zn)、カドミウム(Cd)及び水銀(Hg)が挙げられる。VI族化学元素の例として、VIA 族化学元素、特に酸素(O) 及びテルル(Te)が挙げられる。II-VI 族化合物の例として、ZnO 、ZnMgO 、CdZnO 、CdZnMgO 、CdHgTe、CdTe又はHgTeが挙げられる。一般に、II-VI 族化合物内の化学元素を異なるモル分率で組み合わせてもよい。
【0069】
III 族化学元素の例として、ガリウム(Ga)、インジウム(In)又はアルミニウム(Al)が挙げられる。V 族化学元素の例として、窒素、リン又はヒ素が挙げられる。III-N 化合物の例として、GaN 、AlN 、InN 、InGaN 、AlGaN 又はAlInGaN が挙げられる。一般に、III-V 族化合物内の化学元素を異なるモル分率で組み合わせてもよい。
【0070】
様々な絶縁素子(層、シース)は誘電体材料で形成されてもよく、又は、例えば酸化シリコン(SiO2)、窒化シリコン(SixNy 、ここでxはおよそ3に等しく、yはおよそ4に等しく、例えばSi3N4 )、(特に一般的な式SiOxNyの)酸窒化シリコン(例えばSi2ON2)、酸化ハフニウム(HfO2)又はダイヤモンドの誘電体層の積層体を有してもよい。
【0071】
導電性コア156 を充填材料で形成する。充填材料は半導体又は導電性材料に相当してもよい。導電性コアを、例えばシリコン、ゲルマニウム、炭化シリコン、III-V 族化合物、例えばGaN 、InP 又はGaAs、II-VI 族化合物、例えばZnO 、タングステン(W) 、銅(Cu)で形成する。各導電性コアをポリシリコンで形成することが好ましい。各導電性コアを、マイクロエレクトロニクスで実施される製造方法と適合する材料で形成することが好ましい。各導電性コアを高濃度にドープしてもよく、低濃度にドープしてもよく、又はドープしなくてもよい。
【0072】
図2は、電子回路101 の形成を部分的に示し、より具体的には、電子部品(不図示)の集合体を基板102 の内部及び最上部に形成する工程の結果を示す。製造方法のこの段階では、基板102 はウエハに相当し、電子回路101 の同時的な製造に使用される。
【0073】
特に、絶縁層104, 106及び導電性トラック105 の積層体を形成する。導電素子108 を更に形成する。ウエハ102 全体に亘って絶縁層106 を金属層110 で覆う。
【0074】
図3は、光電子回路121 の形成を部分的に示し、より具体的には、発光ダイオード120 の集合体を基板122 上に形成する工程の結果を示す。発光ダイオード120 の1つの集合体が
図3に示されており、この集合体は4つの基本発光ダイオードを有している。実際には、発光ダイオードの集合体は1から数百の発光ダイオードを含んでもよい。
【0075】
製造方法のこの段階では、基板122 はウエハに相当し、発光ダイオードの多数の集合体を有する。基板122 に相当するウエハの大きさが基板102 に相当するウエハの大きさと実質的に同一であり、発光ダイオード120 の集合体の数が電子部品103 の集合体の数に相当することが好ましい。
【0076】
絶縁層124 及び電極を形成する導電層126 を、基板102 のウエハ全体に亘って形成する。電極126 は、好ましくはウエハの全ての発光ダイオード120 に共通する。
【0077】
図4は、導電性の壁132 を導電層126 上に形成する別の工程の結果を示す。表示サブ画素毎に、光輝性層130 を壁132 によって画定された位置に形成する。
【0078】
図5は、光輝性層130 の自由表面にハンドル140 を接合する別の工程を示す。
【0079】
その後、基板122 を薄くする。金属層142 を基板122 の自由表面、すなわち、発光ダイオード120 が形成されている表面と反対側の表面に形成する。金属層142 をウエハ全体に亘って形成する。ハンドル140 によって、薄層化工程中及びこの薄層化工程後にウエハのレベルで変形を引き起こすことなくウエハ122 を扱うことができる。金属層142 は、例えば基板122 を完全に覆う。
【0080】
変形例として、基板122 を完全に除去してもよい。そのため、金属層142 を、絶縁層124 と各発光ダイオード120 の端部とに直接接触させて形成する。
【0081】
図6は、光電子回路のウエハ及び電子回路のウエハを互いに接触させる別の工程を示す。より具体的には、金属層142 及び金属層110 を互いに接触させる。従って、2つのウエハを金属間分子接合によって接合する。発光ダイオードの各集合体を、発光ダイオードのこの集合体を制御することができる電子部品103 の集合体に実質的に対向して配置する。従って、基板122 、金属層142, 110及び導電素子108 を介して、発光ダイオードの集合体の各発光ダイオード120 の端部の1つと電子部品103 の関連付けられた集合体の電子部品とが電気的に接続される。
【0082】
図7は、絶縁層150 を基板102 の自由表面に堆積させる工程の結果を示す。絶縁された導電性バイア152, 154を、導電性トラックの内の一部に達するように絶縁層150 及び基板102 を通して形成する。
【0083】
各表示サブ画素を囲むように、絶縁された導電性トレンチ160 を形成する。トレンチ160 は、絶縁層150 、基板102 、絶縁層104, 106、金属層110, 142、(完全に除去されていない場合には)基板122 及び絶縁層124 を横切る。従って、トレンチ160 は、絶縁層150 の自由表面を電極126 に接続する。
【0084】
絶縁層162 及び導電性トラック164, 166を絶縁層150 の自由表面に形成する。特に、トレンチ160 の一端部を各表示サブ画素のバイア154 の一端部に接続するために導電性トラック164 を形成する。更に、バイア152 の一端部を絶縁層162 の自由表面に接続するために導電性トラック166 を形成する。金属層110, 142は、トレンチ160 を形成する前に金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を完全に覆っていることが好ましい。トレンチ160 を形成した後、金属層110, 142は、金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を、金属層110, 142を横切るトレンチ160 を除いて完全に覆っていることが好ましい。
【0085】
金属層168 を絶縁層162 の積層体の自由表面に堆積させる。従って、金属層168 は導電素子166 と接しており、ひいては導電性トラック105 に接続される。
【0086】
このようにして、光電子回路121 及び電子回路101 を接触させた後、トレンチ160 が形成される。
【0087】
図8は、表示画素169 を個別化するために表示画素169 間にトレンチを掘る工程の結果を示す。しかしながら、表示画素169 はハンドル140 に固定されたままである。
【0088】
ディスプレイスクリーンを形成するために、多くの表示画素169 を支持体170 上に堆積させる。このために、金属パッド172 を表示画素169 の所望の位置に形成する。その後、1つの表示画素を各金属パッド172 に対向させて置くようにハンドル140 を置く。ディスプレイスクリーンの各表示画素169 を対応する金属パッド172 に対向させて同時的に置くことができるように、金属パッド172 の間隔が選択されていることが好ましい。変形例として、表示画素を複数の工程で堆積させてもよい。その後、表示画素169 を金属パッド72と接触させて、各表示画素169 の全ての表示サブ画素に共通の金属層168 に金属パッド172 を分子接合によって接合する。その後、ハンドル140 と金属パッド172 に接するように置かれなかった表示画素とを除去する。
【0089】
不図示のその後の工程中、支持体170 上と、各表示画素169 の各壁132 の一端部が露出したままであるように表示画素上とに絶縁層を堆積させる。その後、導電層133 を壁132 と接触させて絶縁層上に堆積させる。
【0090】
図9は、光電子デバイス300 の別の実施形態の一部を示す。より具体的には、
図9は、光電子デバイス300 の表示画素の表示サブ画素を示す。
【0091】
図9の表示サブ画素は、
図9の実施形態のトレンチ160 が絶縁層106 、金属層110, 142、基板122 及び絶縁層124 のみを横切っている点を除いて、
図1の表示サブ画素の全ての要素を備えている。従って、動作中、電子部品103 の集合体は、導電層133 、壁132 、トレンチ160 及び導電性トラック105 を介して第1の電源電位を受ける。
【0092】
導電層133 を電子部品の集合体に接続するために、バイア154 及び導電性トラック164 を設ける必要がない。
【0093】
金属層110, 142は、金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を、トレンチ160 を除いて夫々完全に覆っていることが好ましい。
【0094】
図10及び
図11は、
図9の光電子デバイス300 を製造する方法の実施形態の、好ましくは連続的な工程の結果を示す。
【0095】
図10は、
図2及び
図3に関連して記載された工程と同様の第1の工程を含む工程の結果を示す。
【0096】
その後、基板122 を薄くする。しかしながら、基板122 を扱うためにハンドルの使用を必要としないように、基板122 の厚さは十分厚く維持されている。その後、金属層142 を基板122 の自由表面に堆積させる。その後、前述したように、金属層110, 142を接触させて、電子回路101 のウエハ及び光電子回路121 のウエハを分子接合によって接合する。
【0097】
図11は、絶縁された導電性トレンチ160 を導電層126 の自由表面から形成する工程の結果を示す。トレンチ160 は導電性コア及び電気絶縁性シースを有する。導電性コアが電極を形成する導電層126 と接するようにシースを形成する。所定の位置で導電性トラック105 に達するようにトレンチ160 を形成する。
【0098】
このようにして、光電子回路121 及び電子回路101 を接触させた後、トレンチ160 が形成される。
【0099】
基板102 の自由表面を導電性トラック105 と接続するために、絶縁された導電性バイア152 を基板102 を通して形成する。
【0100】
トレンチ160 を形成する前、金属層110, 142は、金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を完全に覆っていることが好ましい。トレンチ160 を形成した後、金属層110, 142は、金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を、金属層110, 142を横切るトレンチ160 を除いて完全に覆っていることが好ましい。
【0101】
その後の工程中、導電性の壁132 を導電層126 上に形成する。各サブ画素の光輝性層130 を、該当するサブ画素の発光ダイオード上に堆積させる。
【0102】
図1及び
図9の例では、壁132 はトレンチ160 と接していない。変形例として、
図1及び
図9の実施形態の壁132 を、トレンチ160 の端部と直接接触させて形成してもよい。場合によっては、壁132 は導電層126 とトレンチ160 の端部とに接してもよい。
【0103】
これらのその後の工程中、不図示のハンドルを光輝性層130 上に更に形成する。更に、導電層168 を基板102 の自由表面に形成して、バイア152 と接続する。その後、表示画素を個別化する。従って、
図8に関連して前述したように、ディスプレイスクリーンを形成すべく、表示画素及び表示サブ画素を支持体170 上に堆積させる準備ができている。その後、導電層133 を表示サブ画素上に堆積させる。
【0104】
先の図面に示されている実施形態の変形例として、金属層142, 110は基板122 及び絶縁層106 を部分的にのみ覆ってもよい。金属層142, 110で覆われていない部分が別の材料、例えば絶縁材料で覆われてもよい。その後、光電子回路のウエハ及び電子回路のウエハをハイブリッド分子接合によって接合する。
【0105】
図12は、光電子デバイス500 の別の実施形態の一部を示す。より具体的には、
図12は、光電子デバイス500 の表示画素の表示サブ画素を示す。
【0106】
図1及び
図9の表示サブ画素とは異なり、
図12に示されている実施形態の表示サブ画素は、絶縁層130 を覆う導電層133 も光輝性層130 内の導電性の壁132 も備えていない。
【0107】
トレンチ160 は、
図1の実施形態のように、絶縁層124 、基板122 、金属層142, 110、絶縁層106, 104、基板102 及び絶縁層150 を横切っている。従って、トレンチ160 は、電極126 を絶縁層162 に配置された導電性トラック180 に接続する。場合によっては、単一の絶縁層162 が設けられてもよい。
【0108】
金属層110, 142は、金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を、トレンチ160 を除いて夫々完全に覆っていることが好ましい。
【0109】
支持体170 は、金属層172 で覆われておらず、少なくとも1つの絶縁層182 及び導電性トラック184 の積層体で覆われている。導電性トラック184 は、各導電性トラック180 が導電性トラック184 と接するように配置されている。従って、絶縁層182 及び絶縁層162 はハイブリッド分子接合によって接合されている。絶縁層182 及び絶縁層162 は、場合によっては別の方法で接合されてもよい。このような他の方法は米国特許第8898896 号明細書及び米国特許第8586409 号明細書に記載されている。
【0110】
動作中、導電性トラック184, 180及びトレンチ160 を介して電圧を電極126 に印加する。導電性トラック184 は、例えば不図示の他のパッドまで絶縁層182 内を延びてもよい。電子部品の各集合体は、導電性トラック180, 184、絶縁された導電性バイア152 及び導電性トラック105 を介して電圧源、例えば電源電圧源及び接地に接続されている。
【0111】
図13及び
図14は、
図12の光電子デバイス500 を製造する方法の実施形態の、好ましくは連続的な工程の結果を示す。
【0112】
図13は、
図2及び
図3に関連して前述した工程と同様の第1の工程を含む工程の結果を示す。その後、光輝性層130 を表示サブ画素毎に電極126 上に堆積させる。しかしながら、壁132 を形成しない。光電子回路のウエハを扱うことができるように、不図示のハンドルを光輝性層130 に更に接合する。金属層142 を基板122 の自由表面に堆積させる。金属層110 及び金属層142 を金属間分子接合によって互いに接合する。変形例として、基板122 を完全に除去してもよい。
【0113】
図14は、絶縁された導電性バイア152 を、導電性トラック105 に達するように基板102 の自由表面から形成する工程の結果を示す。絶縁された導電性トレンチ160 は、基板102 の自由表面から形成されて各表示サブ画素を囲む。トレンチ160 は、基板102 、絶縁層104, 106、金属層142, 110、基板122 及び絶縁層124 を横切る。従って、絶縁されたトレンチ160 は基板102 の自由表面と電極126 とを接続する。
【0114】
このようにして、光電子回路121 及び電子回路101 を接触させた後、トレンチ160 が形成される。
【0115】
トレンチ160 を形成する前、金属層110, 142は、金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を完全に覆っていることが好ましい。トレンチ160 を形成した後、金属層110, 142は、金属層110, 142が形成されている電子回路101 及び光電子回路121 の表面を、金属層110, 142を横切るトレンチ160 を除いて完全に覆っていることが好ましい。
【0116】
その後の工程中、絶縁層162 及び導電性トラック180 を形成する。
【0117】
ディスプレイスクリーンを形成すべく、表示画素及び表示サブ画素をチップ上に堆積させる準備ができている。
図14に示されている結果を得る工程の後、
図8に関連して記載されている工程と同様の工程を行う。ハンドルを除去した後、導電層を光輝性層130 上に堆積させる必要がない。電極126 との接続を可能にする導電性の壁は設けられていない。更に、各表示画素を
図8に関連して前述したように1つのパッドに堆積させず、トレンチ160 及び様々なバイア152 を個別に接続し得るために絶縁層182 及び導電性トラック184 に堆積させる。
【0118】
トレンチ160 の利点は、トレンチ160 が各表示サブ画素の金属層110, 142の一部を絶縁して発光ダイオードの各集合体の接続を個別化することを可能にするということである。
【0119】
前述した実施形態の利点は、一方では基板102 上への基板122 の位置決め、他方ではディスプレイスクリーンを形成するチップ上への表示画素169 の位置決めを、要素のみを1つずつ扱うのではなくウエハ全体を扱うことにより行うことである。従って、本方法は、いわゆるピックアンドプレース技術を使用した方法より速い。
【0120】
前述した実施形態の利点は、表示サブ画素毎に、発光ダイオードの集合体を関連付けられた電子部品103 の集合体と金属層142, 110を介して接続するということである。従って、発光ダイオードの集合体及び電子部品103 の集合体を完全に位置合わせする必要がない。これは、
図1及び
図9の実施形態における表示画素169 とパッド172 との接続にも当てはまる。
【0121】
様々な実施形態及び変形例が述べられている。当業者は、これらの実施形態のある特徴を組み合わせることができると理解し、他の変形例が当業者に容易に想起される。
【0122】
最後に、本明細書に記載されている実施形態及び変形例の実際の実施は、上記に記載されている機能的な表示に基づく当業者の技能の範囲内である。
【0123】
本特許出願は、参照によって本明細書に組み込まれている仏国特許出願第18/70698 号明細書の優先権を主張している。