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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】蓄電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6568 20140101AFI20230714BHJP
   H01G 2/02 20060101ALI20230714BHJP
   H01G 2/08 20060101ALI20230714BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20230714BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20230714BHJP
   H01G 11/10 20130101ALI20230714BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230714BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20230714BHJP
   H01M 50/20 20210101ALI20230714BHJP
   H01M 50/50 20210101ALI20230714BHJP
【FI】
H01M10/6568
H01G2/02 101E
H01G2/08 A
H01G4/228 J
H01G4/38 A
H01G11/10
H01M10/613
H01M10/647
H01M50/20
H01M50/50
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021018923
(22)【出願日】2021-02-09
(65)【公開番号】P2022121926
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2022-02-10
(73)【特許権者】
【識別番号】520184767
【氏名又は名称】プライムプラネットエナジー&ソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松山 智
(72)【発明者】
【氏名】田嶋 光俊
(72)【発明者】
【氏名】内記 大輔
(72)【発明者】
【氏名】吉田 直剛
(72)【発明者】
【氏名】岡田 渉
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-024886(JP,A)
【文献】特開2010-205509(JP,A)
【文献】特開2017-004741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/52 - 10/667
H01M 50/50 - 50/598
H01M 50/20 - 50/298
H01G 2/02 - 2/08
H01G 4/228- 4/252
H01G 4/38
H01G 11/00 - 11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電セルを積層した積層体と、
前記積層体の表面に配置された樹脂プレートと、
前記樹脂プレートに一体形成されており、前記複数の蓄電セルと電気的に接続されたバスバーと、
前記樹脂プレートに形成され、前記バスバーの少なくとも一部を覆いつつ内部を冷却水が流れる流路部とを備え
前記複数の蓄電セルの各々は、前記バスバーに接続された電極端子を含み、
前記樹脂プレートには、前記バスバーと前記電極端子との接続箇所を露出させることが可能な複数の開口部が設けられており、
前記樹脂プレートの一部が折り曲げられていることによって、前記流路部が折り曲げ方向に回動可能であり、かつ、前記流路部が前記バスバーに接近して前記バスバーの前記少なくとも一部を覆っている、蓄電モジュール。
【請求項2】
前記流路部は、前記蓄電セルの積層方向に沿って延在している、請求項に記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
前記流路部は、前記蓄電セルの積層方向に直交する方向に沿って延在している、請求項に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
前記流路部は、前記樹脂プレートに一体形成された金属管により構成されている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】
前記流路部は、前記樹脂プレートに形成された貫通孔により構成されている、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】
前記バスバーと前記流路部との間には、伝熱材が設けられている、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールの構成を開示した先行文献として、特開2019-46707号公報(特許文献1)がある。特許文献1に記載された電池モジュールは、複数の電池セルと、バスバーと、熱交換器と、熱接続部とを備える。複数の電池セルは、バスバーにより互いに電気的に接続されている。バスバーおよび熱交換器は、熱接続部により互いに熱的に接続されている。熱交換器は、熱接続部を介してバスバーから熱伝達されることにより電池セルを冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-46707号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
蓄電セルを冷却する流路部とバスバーとが別々の部材に設けられている場合、バスバーと流路部とを接続する部材を別途設ける必要がある。
【0005】
本技術は、上記の課題を解決するためになされたものであって、バスバーと流路部とを接続する部材を別途設けることなく蓄電セルを冷却することができる、蓄電モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術に基づく蓄電モジュールは、積層体と、樹脂プレートと、バスバーと、流路部とを備える。積層体は、複数の蓄電セルが積層されている。樹脂プレートは、積層体の表面に配置されている。バスバーは、樹脂プレートに一体形成されており、複数の蓄電セルと電気的に接続されている。流路部は、樹脂プレートに形成され、バスバーの少なくとも一部を覆いつつ内部を冷却水が流れる。
【発明の効果】
【0007】
本技術によれば、バスバーと流路部とを接続する部材を別途設けることなく蓄電セルを冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュールが備える積層体の構成を示す斜視図である。
図2】本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュールが備える蓄電セルの構成を示す斜視図である。
図3】本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。
図4図3の蓄電モジュールをIV-IV線矢印方向から見た断面図である。
図5】本技術の実施の形態1の変形例に係る蓄電モジュールの構成を示す断面図である。
図6】本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。
図7】本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュールが備える樹脂プレートの一部が折り曲げられる前の状態を示す斜視図である。
図8】本技術の実施の形態2の変形例に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。
図9】本技術の実施の形態3に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本技術の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0010】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本技術の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本技術にとって必ずしも必須のものではない。
【0011】
なお、本明細書において、「備える(comprise)」および「含む(include)」、「有する(have)」の記載は、オープンエンド形式である。すなわち、ある構成を含む場合に、当該構成以外の他の構成を含んでもよいし、含まなくてもよい。また、本技術は、本実施の形態において言及する作用効果を必ずしもすべて奏するものに限定されない。
【0012】
本明細書において、「電池」は、リチウムイオン電池に限定されず、ニッケル水素電池など他の電池を含み得る。本明細書において、「電極」は正極および負極を総称し得る。また、「電極板」は正極板および負極板を総称し得る。
【0013】
本明細書において、「蓄電セル」ないし「蓄電モジュール」は、電池セルないし電池モジュールに限定されず、キャパシタセルないしキャパシタモジュールを含み得る。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュールが備える積層体の構成を示す斜視図である。図1に示すように、組電池としての積層体10は、蓄電セル100と、エンドプレート200と、拘束部材300とを備える。
【0015】
積層体10は、複数の蓄電セル100がY軸方向(配列方向)に並ぶように積層されている。複数の蓄電セル100の各々における後述する電極端子は、Z軸の上方向(蓄電セル100を縦向きにした状態)に向けてY軸方向に並ぶように積層している。複数の蓄電セル100の間には、図示しないセパレータが介装されている。2つのエンドプレート200に挟持された複数の蓄電セル100は、エンドプレート200によって押圧され、2つのエンドプレート200の間で拘束されている。
【0016】
エンドプレート200は、Y軸方向において積層体10の両端に配置されている。エンドプレート200は、積層体10を収納するケースなどの基台に固定される。拘束部材300は、2つのエンドプレート200を互いに接続する。拘束部材300は、ボルト締結などの公知の締結方法によってエンドプレート200と締結されている。
【0017】
積層された複数の蓄電セル100およびエンドプレート200に対してY軸方向の圧縮力を作用させた状態で拘束部材300をエンドプレート200に係合させ、その後に圧縮力を解放することにより、2つのエンドプレート200を接続する拘束部材300に引張力が働く。その反作用として、拘束部材300は、2つのエンドプレート200を互いに近づける方向に押圧する。
【0018】
図2は、本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュールが備える蓄電セルの構成を示す斜視図である。図2に示すように、蓄電セル100は、電極端子110と、筐体120と、ガス排出弁130とを含む。
【0019】
電極端子110は、正極端子111と、負極端子112とを含む。電極端子110は、筐体120上に形成されている。筐体120は、略直方体形状に形成されている。筐体120には、図示しない電極体および電解液が収容されている。ガス排出弁130は、筐体120内の圧力が所定値以上となった際に破断する。これにより、筐体120内のガスが筐体120外に排出される。
【0020】
図3は、本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。図4は、図3の蓄電モジュールをIV-IV線矢印方向から見た断面図である。図3および図4に示すように、蓄電モジュール1は、積層体10と、樹脂プレート400と、バスバー410と、流路部420とを備える。
【0021】
樹脂プレート400は、積層体10の表面に配置されている。本実施の形態における樹脂プレート400は、蓄電セル100の電極端子110側に配置されている。樹脂プレート400は、絶縁性および耐熱性を有している。樹脂プレート400には、樹脂プレート400の厚み方向(Z軸方向)に貫通した複数の開口部411が設けられている。複数の開口部411の各々から、互いに隣接する蓄電セル100の正極端子111および負極端子112が露出している。
【0022】
バスバー410は、導電性を有する金属の板状部材である。バスバー410は、樹脂プレート400に一体形成されている。具体的には、バスバー410の一部が樹脂プレート400の内部に埋設されており、バスバー410の残部が開口部411の内側に延出している。なお、一体形成とは、部材同士が一体であることを意味し、製造時に一体に成形される意味に限定されない。
【0023】
バスバー410は、複数の蓄電セル100と電気的に接続されている。具体的には、バスバー410は、複数の蓄電セル100のうちの隣り合う蓄電セル100の正極端子111と負極端子112とを接続している。バスバー410は、たとえば、レーザー溶接により正極端子111および負極端子112の各々に接続されている。
【0024】
流路部420は、樹脂プレート400に形成されている。流路部420は、バスバー410の少なくとも一部を覆っている。図4に示すように、流路部420の内部には、冷却水20が流れている。冷却水20によってバスバー410が冷却され、バスバー410を介して蓄電セル100が冷却される。
【0025】
流路部420は、樹脂プレート400に形成された貫通孔430により構成されている。貫通孔430は、樹脂プレート400の成形時に形成されてもよいし、中実の樹脂プレート400を成形した後に貫通孔430を穿孔して形成されてもよい。
【0026】
流路部420は、樹脂プレート400の幅方向(X軸方向)の中央部かつ厚み方向(Z軸方向)の上部において、蓄電セル100の積層方向(Y軸方向)に沿って延在している。蓄電セル100の積層数に合わせた長さに樹脂プレート400を切断することによって、蓄電セル100の任意の積層数に対応した樹脂プレート400を形成することができる。これにより、蓄電セル100の積層数毎に樹脂プレート400の成型用金型を製作する必要がない。
【0027】
本実施の形態に係る蓄電モジュール1においては、流路部420が形成された樹脂プレート400にバスバー410が一体形成されることによって、バスバー410と流路部420とを接続する部材を別途設けることなく、冷却水20が流れる流路部420によってバスバー410を介して蓄電セル100を冷却することができる。
【0028】
本実施の形態に係る蓄電モジュール1においては、流路部420が蓄電セル100の積層方向(Y軸方向)に沿って延在していることによって、蓄電セル100の積層数に対応した樹脂プレート400を容易に形成することができる。
【0029】
本実施の形態に係る蓄電モジュール1においては、流路部420が樹脂プレート400に形成された貫通孔430により構成されていることにより、流路部420の構成を簡易にすることができる。
【0030】
以下、本技術の実施の形態1の変形例に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施の形態1の変形例に係る蓄電モジュール1Aは、流路部の構成が本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュール1と異なるため、本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0031】
図5は、本技術の実施の形態1の変形例に係る蓄電モジュールの構成を示す断面図である。図5に示すように、本技術の実施の形態1の変形例に係る蓄電モジュール1Aは、金属管430Aをさらに備える。
【0032】
流路部420Aは、樹脂プレート400Aに一体形成された金属管430Aにより構成されている。金属管430Aは、たとえば、アルミニウムにより構成されている。なお、流路部420Aは、樹脂プレート400Aと金属管430Aとが一体成形される場合に限定されず、金属管430Aが挿入可能な貫通孔を樹脂プレート400Aに設けた後に、当該貫通孔に金属管430Aを挿入することにより形成されていてもよい。
【0033】
本実施の形態の変形例に係る蓄電モジュール1Aにおいては、流路部420Aが金属管430Aにより構成されていることによって、流路部420Aの熱伝導率を高めて冷却効率を向上させつつ、樹脂プレート400Aにバスバー410が一体形成されることによって、バスバー410と流路部420Aとを接続する部材を別途設けることなく、冷却水20が流れる流路部420Aによってバスバー410を介して蓄電セル100を冷却することができる。
【0034】
(実施の形態2)
以下、本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュール1Bは、樹脂プレートおよび流路部の構成が本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュール1と異なるため、本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0035】
図6は、本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。図7は、本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュールが備える樹脂プレートの一部が折り曲げられる前の状態を示す斜視図である。
【0036】
図6および図7に示すように、本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュール1Bが備える樹脂プレート400Bは、中央突出部440と、被冷却面部450と、接続片部460とをさらに備える。
【0037】
中央突出部440は、樹脂プレート400Bの幅方向(X軸方向)の中央に位置しており、蓄電セル100の積層方向(Y軸方向)に沿って延在しつつ樹脂プレート400の厚み方向(Z軸方向)において被冷却面部450より上方に突出している。被冷却面部450は、X軸方向において、中央突出部440の両側に配置されている。被冷却面部450において、複数の開口部411の各々が開口している。
【0038】
接続片部460は、樹脂プレート400Bの一部である。接続片部460は、中央突出部440の上端におけるX軸方向の両端に、折り曲げ可能に設けられている。接続片部460は、折り曲げ可能な薄い厚みを有している。
【0039】
流路部420Bは、蓄電セル100の積層方向(Y軸方向)に沿って2列設けられている。具体的には、一方の流路部420Bは、中央突出部440の上端におけるX軸方向の一端に、一方の接続片部460によって接続されている。他方の流路部420Bは、中央突出部440の上端におけるX軸方向の他端に、他方の接続片部460によって接続されている。
【0040】
図7に示すように、樹脂プレート400Bの一部である接続片部460が折り曲げられる前の流路部420Bは、中央突出部440上に位置している。樹脂プレート400Bの一部である接続片部460を折り曲げることによって、流路部420Bは、図7中の矢印方向に回動し、図6に示すように被冷却面部450上に載置される。その結果、流路部420Bは、バスバー410に接近してバスバー410の一部を覆う。このように、本実施の形態に係る蓄電モジュール1Bにおいては、樹脂プレート400Bの一部である接続片部460が折り曲げられていることによって、流路部420Bがバスバー410に接近してバスバー410の少なくとも一部を覆っている。
【0041】
本実施の形態に係る蓄電モジュール1Bにおいては、蓄電モジュール1Bを組み立てる際にバスバー410を正極端子111および負極端子112の各々と溶接する時には、バスバー410と流路部420Bとを離間させておき、蓄電モジュール1Bの組立後に、バスバー410と流路部420Bとを接近させて配置することができる。よって、バスバー410と流路部420Bとを接続する部材を別途設けることなく、冷却水20が流れる流路部420Bによってバスバー410を介して蓄電セル100を冷却することができる。なお、流路部420Bを回動した時に、流路部420Bとバスバー410との間に伝熱シートまたはゲルなどの伝熱材を配置してもよい。
【0042】
以下、本技術の実施の形態2の変形例に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施の形態2の変形例に係る蓄電モジュール1Cは、接続片部の配置が本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュール1Bと異なるため、本技術の実施の形態2に係る蓄電モジュール1Bと同様である構成については説明を繰り返さない。
【0043】
図8は、本技術の実施の形態2の変形例に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。図8に示すように、本技術の実施の形態2の変形例に係る蓄電モジュール1Cが備える樹脂プレート400Cは、接続片部460Aを含んでいる。
【0044】
接続片部460Aは、被冷却面部450のX軸方向の中央突出部440側とは反対側の端部に設けられている。樹脂プレート400Cの一部である接続片部460Aを折り曲げることによって、流路部420Bは、図8中の矢印方向に回動し、被冷却面部450上に載置される。その結果、流路部420Bは、バスバー410に接近してバスバー410の一部を覆う。このように、本実施の形態に係る蓄電モジュール1Cにおいては、樹脂プレート400Cの一部である接続片部460Aが折り曲げられていることによって、流路部420Bがバスバー410に接近してバスバー410の少なくとも一部を覆っている。
【0045】
本実施の形態に係る蓄電モジュール1Cにおいても、蓄電モジュール1Cを組み立てる際にバスバー410を正極端子111および負極端子112の各々と溶接する時には、バスバー410と流路部420Bとを離間させておき、蓄電モジュール1Cの組立後に、バスバー410と流路部420Bとを接近させて配置することができる。よって、バスバー410と流路部420Bとを接続する部材を別途設けることなく、冷却水20が流れる流路部420Bによってバスバー410を介して蓄電セル100を冷却することができる。
【0046】
(実施の形態3)
以下、本技術の実施の形態3に係る蓄電モジュールについて説明する。本技術の実施の形態3に係る蓄電モジュール1Dは、樹脂プレートおよび流路部の構成が本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュール1と異なるため、本技術の実施の形態1に係る蓄電モジュール1と同様である構成については説明を繰り返さない。
【0047】
図9は、本技術の実施の形態3に係る蓄電モジュールの構成を示す斜視図である。図9に示すように、本実施の形態に係る蓄電モジュール1Dが備える樹脂プレート400Dは、複数の流路部420Cを備える。
【0048】
複数の流路部420Cの各々は、蓄電セル100の積層方向に直交する方向(X軸方向)に沿って延在している。本実施の形態における複数の流路部420Cは、Y軸方向に互いに間隔をあけて並んで配置されている。複数の流路部420Cの各々は、図示しないヘッダー管に接続されることにより分流された冷却水が供給される。
【0049】
本実施の形態に係る蓄電モジュール1Dにおいては、複数の流路部420Cの各々が蓄電セル100の積層方向に直交する方向(X軸方向)に沿って延在していることによって、各蓄電セル100に対応して流路部420Cを配置することができるため、複数の蓄電セル100の冷却のばらつきを抑制することができる。
【0050】
なお、上記のいずれかの実施形態において、蓄電セル100の電極端子110をX方向(蓄電セル100を横向きにした状態)に向けて積層した場合、あるいは電極端子110をZ軸の下方向(蓄電セル100を下向きにした状態)に向けて積層した場合、樹脂プレート400を蓄電セル100の電極端子110側の面、すなわち積層体10の側面または下面に配置することができる。さらに、蓄電セル100に電気的に接続される回路基板が樹脂プレート400上に設けられる場合は、蓄電セル100および回路基板の両方を効果的に冷却することができる。
【0051】
以上、本技術の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本技術の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
1,1A,1B,1C,1D 蓄電モジュール、10 積層体、20 冷却水、100 蓄電セル、110 電極端子、111 正極端子、112 負極端子、120 筐体、130 ガス排出弁、200 エンドプレート、300 拘束部材、400,400A,400B,400C,400D 樹脂プレート、410 バスバー、420,420A,420B,420C 流路部、430 貫通孔、430A 金属管、440 中央突出部、450 被冷却面部、460,460A 接続片部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9