(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】ウェーハ検査システムおよびそのウェーハ検査装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20230714BHJP
G01R 1/073 20060101ALI20230714BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20230714BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20230714BHJP
【FI】
H01L21/66 B
G01R1/073 E
G01R31/28 K
G01R31/26 J
(21)【出願番号】P 2021104879
(22)【出願日】2021-06-24
【審査請求日】2021-06-24
(32)【優先日】2020-08-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】505441638
【氏名又は名称】致茂電子股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chroma Ate Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】陳 韋志
(72)【発明者】
【氏名】游 本懋
(72)【発明者】
【氏名】林 怡▲彦▼
【審査官】堀江 義隆
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-198633(JP,A)
【文献】特開2007-019237(JP,A)
【文献】特開2015-015419(JP,A)
【文献】特開平07-122600(JP,A)
【文献】特開2007-183194(JP,A)
【文献】特表2006-507694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/66
G01R 1/073
G01R 31/28
G01R 31/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロービング部と、前記プロービング部の周辺に配置された導電部と、を備えたプローブカードと、
マウントブラケットと、前記マウントブラケット上に配置された複数の伝導ユニットとを備え、前記マウントブラケットは、載置装置に着脱可能に取り付けられて、被検査ウェーハが載置ユニットに置かれてからブリッジモジュールが前記載置装置に取り付けられ、前記載置装置に取り付けられた前記ブリッジモジュールは前記伝導ユニットを前記載置ユニットに結合させることができるようにするブリッジモジュールと、
を含み、載置装置に
載置された被検査ウェーハを検査するためのウェーハ検査装置であって、
前記伝導ユニットは、前記プローブカードの前記プロービング部が前記被検査ウェーハに接触した時、前記導電部が前記伝導ユニットの少なくとも1つに結合されることができるために用いられるウェーハ検査装置。
【請求項2】
前記プローブカードは、基板を備え、前記導電部が前記基板の底面に配置された導電層であり、前記導電層の一側面が前記伝導ユニットの一端の接触のために用いられる請求項1に記載のウェーハ検査装置。
【請求項3】
前記マウントブラケットの下縁は、前記マウントブラケットが嵌合方法で前記載置装置の上縁に取り付けられるため、前記載置装置の上縁の形状に適合する請求項2に記載のウェーハ検査装置。
【請求項4】
前記導電層は、スルーホールを有し、前記プロービング部が前記スルーホールから突出している請求項3に記載のウェーハ検査装置。
【請求項5】
前記導電層のスルーホールは、前記導電層の中央部位に配置され、前記導電層のスルーホール縁端から前記導電層の外縁までの長さが前記被検査ウェーハの半径より大きいかまたは等しい請求項4に記載のウェーハ検査装置。
【請求項6】
前記基板は、前記スルーホールに対応できる窓を有し、前記基板の頂側に配置された光検出装置に前記窓を通じて前記被検査ウェーハから放出された光を受け取ることができる請求項5に記載のウェーハ検査装置。
【請求項7】
被検査ウェーハを
載置するための載置ユニットを備え、前記載置ユニットにウェーハ載置領域が画定される載置装置と、
前記載置装置に対向するよう配置され、プロービング部と、前記プロービング部の周辺に配置され、接触面を有する導電部と、を備えたプローブカードと、
マウントブラケットと、前記マウントブラケット上に配置された複数の伝導ユニットとを備え、前記マウントブラケットは、前記載置装置に着脱可能に取り付けられて、前記被検査ウェーハが前記載置ユニットに置かれてからブリッジモジュールが前記載置装置に取り付けられ、前記載置装置に取り付けられた前記ブリッジモジュールは前記伝導ユニットを前記載置ユニットに結合させることができるようにするブリッジモジュールと、
を含むウェーハ検査システムであって、
前記プローブカードの前記プロービング部が前記被検査ウェーハの頂面の被検査点に接触した時、前記導電部の前記接触面は、前記伝導ユニットの少なくとも1つと結合関係を形成することで、前記プローブカードから出力されたテスト信号が前記被検査ウェーハを通過して底面から前記載置ユニットに伝送された後、前記伝導ユニットの少なくとも1つおよび前記導電部を介して前記プローブカードに送り返され、テストループを形成することができるウェーハ検査システム。
【請求項8】
前記プローブカードは、基板を備え、前記導電部が前記基板の底面に配置された導電層である請求項7に記載のウェーハ検査システム。
【請求項9】
前記導電層は、スルーホールを有し、前記プロービング部が前記スルーホールから突出している請求項8に記載のウェーハ検査システム。
【請求項10】
前記導電層のスルーホールは、前記導電層の中央部位に位置し、前記導電層のスルーホール縁端から前記導電層の外縁までの延長長さが前記被検査ウェーハの半径より大きいかまたは等しい請求項9に記載のウェーハ検査システム。
【請求項11】
前記基板は、前記スルーホールに対応できる窓を有し、前記基板の頂側に配置された光検出装置に前記窓を通じて前記被検査ウェーハから放出された光を受け取ることができる請求項9に記載のウェーハ検査システム。
【請求項12】
前記マウントブラケットの下縁は、前記マウントブラケットが嵌合方法で前記載置装置の上縁に取り付けられるため、前記載置装置の上縁の形状に適合する請求項7に記載のウェーハ検査システム。
【請求項13】
前記伝導ユニットは、前記ウェーハ載置領域の周囲に分布され、前記プローブカードが前記被検査ウェーハの各被検査点を逐次検査する時、前記プローブカードの前記導電部が前記伝導ユニットの少なくとも1つに結合することができる請求項7に記載のウェーハ検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体素子検査システムおよび装置に関し、特に、ウェーハを検査するためのウェーハ検査システムおよびウェーハ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子の製造工程は、通常、前工程と後工程に分けられ、前工程には主にウェーハ処理工程(Wafer Fabrication、Wafer Fab)およびウェーハプローブ検査工程(Wafer Probe)が含まれ、後工程には主に(IC Packaging)および初期テスト(Initial Test)と最終テストを有するテスト工程等のいくつかのステップが含まれる。
【0003】
ウェーハプローブ検査工程は、ウェーハ内の各ダイに対し電気的特性をテストでき、IC実装工程の前に電気的特性が不良なダイを検出して、これらの不良なダイが後工程に流入するのを防ぐことで、製造コストの削減等の目的を達成するために用いられる。
【0004】
ウェーハプローブ検査工程のステップは、プローブカードのプローブをウェーハ上の入力側とした被検査点(例えばダイ上の半田パッド)に接触させて、プローブを通じてテスト信号を対応するダイに入力し、回路の電気特性の状態を検査し、ダイの良し悪しを判断するためである。ウェーハの底部は、各ダイの接地側であり、ウェーハを載置するキャリア(例:銅キャリア)が導電性を備えることで各ダイの共用接地とする。ウェーハ上の各ダイの逐次テストを実施するため、従来追加のケーブルをこのキャリアに接続し、ケーブルの他端がプローブカードに接続されてテストループを形成する。
【0005】
ただし、例えばダイのテスト条件は、短パルスかつ大電流の信号を使用する必要がある場合、作用時間が極めて短く、電流も極めて大きい(さらに1・μsより短い時間内に10Aを超える電流を提供する必要がある場合もある)パルス信号で、テストループの経路の長さはテスト信号の品質にかかわり、テスト結果の正確性にも非常に大きな影響を与える。従来、プローブカードとキャリアをケーブルで接続する構成方法は、テストループの経路を長くなり、伝導経路が長くなると、ケーブル自体の材質が伝送する信号に影響を与える以外に、インダクタンス効果の影響を容易に受けることにより、短パルスかつ大電流の信号波形が著しく変形して歪むことで、検査が不正確になり、さらに無効になる場合もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、テストループの経路を短縮することである。
【0007】
本発明の別の目的は、大電流のテストループの経路を提供することである。
【0008】
本発明の更なる目的は、テスト信号の波形歪みの程度を低減させ、短パルスかつ大電流の信号がテストループ内で伝送する時の正確性を高めることである。
【0009】
本発明の更なる別の目的は、ウェーハ検査の精度を高めることである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的およびその他の目的を達成するため、本発明は、載置装置と、プローブカードと、ブリッジモジュールと、を含むウェーハ検査システムを提案する。前記載置装置は、被検査ウェーハを載置するための載置ユニットを備え、前記載置ユニットにウェーハ載置領域が画定される。前記プローブカードは、前記載置装置に対向するよう配置され、プロービング部と、前記プロービング部の周辺に配置され、接触面を有する導電部と、を備える。前記ブリッジモジュールは、前記載置装置との取り付けに用いられ、上向きに突出し、前記ウェーハ載置領域に近接し、前記載置ユニットに結合される複数の伝導ユニットを備える。前記プローブカードの前記プロービング部が前記被検査ウェーハの頂面の被検査点に接触した時、前記導電部の前記接触面は、これら伝導ユニットの少なくとも1つと結合関係を形成することができることで、前記プローブカードから出力されたテスト信号が前記被検査ウェーハを通過して底面から前記載置ユニットに伝送された後、これら伝導ユニットの少なくとも1つおよび前記導電部を介して前記プローブカードに送り返され、テストループを形成することができる。
【0011】
本発明の一実施形態において、前記プローブカードは、基板を備え、前記導電部が前記基板の底面に配置された導電層であり得る。
【0012】
本発明の一実施形態において、前記導電層は、スルーホールを有し得、前記プロービング部が前記スルーホールから突出している。
【0013】
本発明の一実施形態において、前記導電層のスルーホールは、前記導電層の中央部位に位置し得、前記導電層のスルーホール縁端から前記導電層の外縁までの延長長さが前記被検査ウェーハの半径より大きいかまたは等しくしてもよい。
【0014】
本発明の一実施形態において、前記ブリッジモジュールは、前記載置装置に取り付けるためのマウントブラケットを備え得、各前記伝導ユニットが前記マウントブラケットに配置されることができる。
【0015】
本発明の一実施形態において、前記マウントブラケットは、前記ウェーハ載置領域を取り囲むリング状を呈することができる。
【0016】
本発明の一実施形態において、各前記伝導ユニットは、前記載置ユニット内に取り付けられことができ、各前記伝導ユニットの一端が前記載置ユニットの上表面に突出している。
【0017】
本発明の一実施形態において、各前記伝導ユニットは、弾性体であり得る。
【0018】
本発明の一実施形態において、各前記伝導ユニットは、ポゴピン(Pogo Pin)であり得る。
【0019】
本発明の一実施形態において、各前記伝導ユニットの一端は、前記載置ユニットに直接接続することができる。
【0020】
本発明の一実施形態において、これら伝導ユニットは、前記ウェーハ載置領域の周囲に分布されることができ、前記プローブカードが前記被検査ウェーハの各被検査点を逐次検査する時、前記プローブカードの前記導電部がこれら伝導ユニットの少なくとも1つに結合することができる。
【0021】
上記目的およびその他の目的を達成するため、本発明は、載置装置に載置された被検査ウェーハを検査するために用いられ、プローブカードと、ブリッジモジュールと、を含むウェーハ検査装置も提案する。前記プローブカードは、プロービング部と、前記プロービング部の周辺に配置された導電部と、を備える。前記ブリッジモジュールは、前記載置装置との取り付けに用いられ、上向きに突出し、前記被検査ウェーハの配置位置に近接する複数の伝導ユニットを備え、これら伝導ユニットが前記載置装置に結合するために用いられる。これら伝導ユニットは、前記プローブカードの前記プロービング部が前記被検査ウェーハに接触した時、前記導電部がこれら伝導ユニットの少なくとも1つに結合されることができるために用いられる。
【0022】
本発明の一実施形態において、前記プローブカードは、基板を備え得、前記導電部が前記基板の底面に配置された導電層であり、前記導電層の一側面がこれら伝導ユニットの他端の接触のために用いられることができる。
【0023】
本発明の一実施形態において、前記基板は、前記スルーホールに対応できる窓を有し、前記基板の頂側に配置された光検出装置に前記窓を通じて前記被検査ウェーハから放出された光を受け取ることができる。
【発明の効果】
【0024】
これにより、本願に開示されるウェーハ検査システムおよびそのウェーハ検査装置は、プローブカードが移動されてプロービング部を被検査ウェーハに結合させた時、プローブカードの導電部とブリッジモジュールの伝導ユニットとの間の結合関係を介して、被検査ウェーハ配置位置の周辺に伝導経路を確立し、プローブカードから送り出されたテスト信号がブリッジモジュールと導電部を介してプローブカードに送り返され、テストループの経路長を短縮させ、テスト信号の伝送時の正確性を高め、ウェーハ検査の精度も向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、本願に開示される一実施例におけるウェーハ検査システムの側面断面図である。
【
図2】
図2は、テストループを形成した状態における
図1の実施例の模式図である。
【
図5】
図5は、下方から見た一実施例におけるプローブカードの底面図である。
【
図6】
図6は、下方から見た別の実施例におけるプローブカードの底面図である。
【
図7】
図7は、本願に開示される別の実施例のウェーハ検査システムの側面断面図である。
【
図8】
図8は、本願に開示される更なる実施例のウェーハ検査システムの側面断面図である。
【
図9】
図9は、
図8の実施例のウェーハ検査システムの部分立体図である。
【
図10】
図10は、本願に開示される又別の実施例のウェーハ検査システムの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の目的、特徴、効果について充分に理解できるように、以下で具体的な実施例に添付の図面を組み合わせ、本発明について詳細に説明する。
【0027】
本明細書において、「含む、備える、有する」という用語またはその他の類似の用語は、本明細書に記載されている要素にのみ限定されることはなく、明示的に列挙されていないか、または、このようなユニット、部品、構造、装置、モジュール、システム、部位または領域に固有である他の要素が 包含されていてもよい。
【0028】
本明細書において、「一」もしくは「1つの」という用語は、ユニット、部品、構造、装置、モジュール、システム、部位または領域等を説明するために使用される。これは、説明の便宜のためだけであり、本発明の範囲に一般的意味を提供する。これにより、特に明記しない限り、「1つ」または「少なくとも1つ」が含まれると理解されるべきであり、かつ単数形には複数形も同様に含むことを意図する場合がある。
【0029】
各ユニット、部品、構造、装置、モジュール、システム、部位または領域等の図面上の寸法および比率は、模式的なものであり、図示の例に限られるものではない。
【0030】
図1および
図2を同時に参照すると、
図1は、本願に開示される一実施例におけるウェーハ検査システムの側面図で、
図2はテストループを形成した状態における
図1の実施例の模式図である。
【0031】
ウェーハ検査システムは、載置装置100と、プローブカード300と、伝導ユニット210を備えたブリッジモジュール200と、を含む。ブリッジモジュール200は、載置装置100との取り付けに用いられる。ブリッジモジュール200は、載置装置100とプローブカード300との間に結合関係を提供できることで、載置装置100とプローブカード300との間に電気的な接続ループを提供する。ブリッジモジュール200は、載置装置100上に組み付けられることができる形式であり得、載置装置100と実装する形態でもよい。
【0032】
載置装置100とプローブカード300との間にある程度の移動関係を有し得、通常、載置装置100が駆動されることによって、ウェーハの被検査点をプローブカード300に近づけて、プローブ検査ステップを進ませる。ただし、プローブカード300の移動を通じてウェーハに近づけるか、または載置装置100とプローブカード300の二者が移動されること等を通じてプローブ検査ステップを実施するのかは、本願に開示される実施例に適用することができる。
【0033】
また、ウェーハ400をプローブカード300のプローブ検査ステップに適させるため、載置装置100とプローブカード300との間は、検査において通常対向の配置を呈する。ウェーハ検査過程でプローブカード300は、載置装置100の上で動作させ、載置装置100とプローブカード300との間の移動関係を通じて、ウェーハ400の各ダイが順次検査される。
図1に示すように、被検査ダイの位置を確認した後、垂直方向VMの移動を通じて、
図2に示す結合関係を形成することで、テストループTPが確立される。続いて、プローブカード300は、例えばテスター(図示ぜす)を介して、各種電気的特性テスト項目を実行することができる。
【0034】
載置装置100は、ウェーハ400を載置するための載置ユニット110と、載置ユニット110上に画定されたウェーハ載置領域120と、を備える。載置ユニット110は、例えば挟持または吸着等の機能を提供するチャック112(chuck)とウェーハを載置するキャリア111(carrier)の組み合わせであり得、ウェーハ400を保持するための他の装置または設備であってもよい。
図1および
図2の例において、載置ユニット110は、チャック112とキャリア111の組み合わせを例とし、その他の実施例において単一のチャック112または他の単一の装置あるいは設備のみを使用してウェーハ400を載置できる。なお、キャリア111の載置面積は、ウェーハ400の面積より略大きいかまたは等しくすることができ、
図1および
図2が側面図示でキャリア111の載置直径がウェーハ400の直径に略等しい場合の例として取り上げられる。
【0035】
ブリッジモジュール200は、載置ユニット110に結合された複数の伝導ユニット210を備える。伝導ユニット210は、上向きに突出し、前記ウェーハ載置領域120に近接するように配置される。電気伝導性を有する載置ユニット110(例えば載置ユニット110の載置面は金属材質でできている)を介して、伝導ユニット210を載置ユニット110上に載置されたウェーハにさらに結合させることができる。ウェーハ載置領域120に近接する伝導ユニット210の配置に基づいて、載置装置100とプローブカード300との間のループ経路が短縮されることができる。なお、伝導ユニット210は、ウェーハ載置領域120に近接し得る。しかしながら、他の実施態様において、伝導ユニット210とウェーハ載置領域120との間も他の物体によって分離され得る。
【0036】
プローブカード300は、プロービング部310と、導電部320と、基板330と、を備える。検査手順中のアライメントおよび移動ステップが完了した後、プロービング部310は、選定された被検査ダイに接触できることで、テスト信号を被検査ダイ内に伝送させることができる。プロービング部310は、
図1および
図2内に単一のプローブのみを示しているが、これに限定されない。プロービング部310は、基板330に固定されることができる。基板330は、通常頂面に各種電子部品、基板の頂面と内部に関連配線、基板の底面に絶縁層を有するように構成される。
【0037】
本願に開示される実施例において、基板330の底面は、導電部320の付加に用いられ、かつ前記導電部320がプロービング部310の周辺に配置されてもよい。基板330の底面に配置された導電部320は、基板330上および/または内部での配線を介してプローブカード300上の電子部品に結合することで、信号を対応する機能モジュールに送り返させ、その後電気的特性分析ステップが進められることができる。前記導電部320は、例えば基板330の底面に配置された導電層とし、例えば前記絶縁層の下に形成されて、プローブカード300の底部に伝導ユニット210に結合するための接触面を形成することである。
【0038】
前記テストループTPは、プローブカード300のプロービング部310から出力されたテスト信号が被検査ウェーハのダイを通過し、前記ダイの底面から載置ユニット110に伝送された後、更に少なくとも1つの伝導ユニット210を介してプローブカード300の導電部320に伝送する経路を含み、その後の分析のため信号がプローブカード300に送り返される。
【0039】
次に
図3および
図4を同時に参照すると、
図3は、
図1の実施例の上面図であり、
図4は
図3の実施例のAA’線断面図である。
図3において、説明の便宜のため、プローブカード300は、破線かつ透視の方法で例示する。
図3は、プローブカード300のプロービング部310がウェーハ400の左側ダイの上に位置する状態を示している。ダイ410がウェーハ400の各位置に分布されているため、プローブカード300とウェーハ400の相対位置は、被検査ダイ410とともに変化する。ブリッジモジュール200の伝導ユニット210は、プローブカード300でダイ410を検査している時、導電部320が少なくとも1つの伝導ユニット210に結合されることを可能にするために用いられる。
【0040】
一実施態様において、プロービング部310に近接する導電部320の内縁から導電部320外縁までの最短距離CRは、少なくともウェーハ400の半径である。例えば、この実施態様において、導電部320は、プロービング部310が突出するためのスルーホール322を有し、前記スルーホール322の縁端から導電部320の外縁までの延長長さが被検査ウェーハ400の半径より大きいかまたは等しい。この態様において、プロービング部310を導電部320のほぼ中央部位に位置させることで、導電部320の面積の大小と伝導ユニット210の数がよりバランスのとれた配置を有することができる。ただし、これに限定されるものではなく、プローブ検査ステップ時少なくとも1つの伝導ユニット210と電気的に接続できる限り、その他の形状の導電部320が適用可能である。なお、導電部320の配置面積が大きければ大きいほど、伝導ユニット210の数は少なくなり、対照的に伝導ユニット210の数が多く配置されるほど、導電部320の面積をより小さく制限することができる。
【0041】
図4に示される例の状態は、プローブカード300がウェーハ400に対して左側に配置され、プローブカード300の相対位置が右に移動した時、左側の伝導ユニット210が導電部320に接触できない状況が発生し、この時右側の伝導ユニット210で導電経路を確立することができる。
【0042】
前記伝導ユニット210は、変形能力(例えば材質自体の変形可能性)または伸縮能力(例えばバネ等の部材によって組み立てられる)を備えた弾性体であり得る。これらの特性を備えた伝導ユニット210は、ある程度の追加の接続長さを提供して、導電部320と伝導ユニット210との間の結合を確保することができ、例えばプローブ検査接触時の位置関係において、導電部320と載置ユニット110と間の距離が第1の長さであり、伝導ユニット210が配置された長さは前記第1の長さによりも長いため、プローブ検査ステップの実施時、導電部320と伝導ユニット210との間の結合関係の確立を確保できる。
【0043】
次に
図5および
図6を参照すると、
図5は、下方から見た一実施例におけるプローブカードの底面図であり、
図6は下方から見た別の実施例におけるプローブカードの底面図仰角視図である。
図5および
図6は、プローブカード300の底面に異なるパターン化された導電部320を有する。さらに、プロービング部310の位置の配置も異なる。
【0044】
図5は、適切な数の伝導ユニットを有する場合において、導電部320が他の異なる配置態様を有し得、プローブカード300底面に敷き詰める態様に限定されないことを示す。プロービング部310の面積と伝導ユニットの数量および配置位置の組み合わせの下で、異なるダイの検出ステップの実施時でも伝導ユニットを導電部320に結合させることができる。
図6も導電部320の別の構成の例を示し、プローブ検査ステップ時に少なくとも1つの伝導ユニットが導電部320に結合されるのは、適用されることができる。
【0045】
次に
図7および
図8を参照すると、
図7は、本願に開示される別の実施例におけるウェーハ検査システムの側面断面図であり、
図8は本願に開示される更なる実施例におけるウェーハ検査システムの側面断面図である。この2つの実施例は、ブリッジモジュール200と載置装置100との間の異なる配置関係を示す。
【0046】
図7に示すように、前記ブリッジモジュール200は、取り外し不可能な方法で載置装置100と構設される。ブリッジモジュール200は、載置装置100に取り付けられたマウントブラケット220を備える。
図7において、前記マウントブラケット220は、キャリア111とチャック112を通してその中に取り付けられている。伝導ユニット210は、載置装置100の表面から突出できる。伝導ユニット210は、マウントブラケット220を介して載置装置100とその上に
載置されたウェーハ400に電気的に接続することができる。例えば伝導ユニット210の一端は、載置ユニット110に直接接続することができる。
【0047】
図8に示すように、前記ブリッジモジュール200は、取り外し不可能な方法で載置装置100と構設される。ブリッジモジュール200は、載置装置100に取り付けられたマウントブラケット220を備える。マウントブラケット220は、係止ピン、留め具、付勢、マグネットもしくはその他の方法を介して載置装置100に固定されることができる。伝導ユニット210は、マウントブラケット220を介して載置装置100とその上に
載置されたウェーハ400と電気的に接続することができる。
図8に示す例は、既存の自動化機器への付加に応用でき、既存のウェーハ400の
載置手順に影響や妨害することなく、ウェーハ400が
載置されてからブリッジモジュール200を載置装置100に取り付け、本願の実施例で開示されたプローブカードと組み合わせて短経路のテストループの確立を完了させることができる。
【0048】
次に
図9を参照すると、
図8の実施例のウェーハ検査システムの部分立体図である。
図9は、載置装置100、ブリッジモジュール200およびウェーハ400の配置関係を示す。
図9の伝導ユニット210は、ポゴピン(Pogo Pin)の一例である。
図9に示すマウントブラケット220は、載置装置100に取り付けられた後ウェーハ載置領域120を取り囲むことができるため、ウェーハ400の形状に応じてリング状を呈することができる。ウェーハ400は、ウェーハ載置領域120に
載置された後、取り外し可能なブリッジモジュール200が載置装置100の上に取り付けられる。
【0049】
次に
図10を参照すると、本願に開示される又別の実施例におけるウェーハ検査システムの側面断面図である。いくつかのウェーハテストにおいて、被検査ウェーハは、発光特性を備え、例えば信号受信点で被検査ダイがテスト信号を受信した時、前記ダイの発光点に対応して発光効果を生じることができる。信号受信点および発光点は、前記ダイの異なる位置に配置することができる。
図10に示す例において、基板330は、スルーホール322に対応できる窓340を有し、被検査ダイから放出された光が前記窓340を通過して、基板330の他側(「頂側」とも呼ばれる。)に配置された光検出装置500によって検出される。言い換えると、プローブカード300の中央部位は、窓340の存在によって中空になることができ、被検査ウェーハ400が検査された時に発生した光は、プローブカード300の上方に設置された光学関連テスターによって検出されることができる。
【0050】
上述を取りまとめると、プローブカードの底部の配置(直接1層の導電層を塗布または1枚の導電層を追加もしくはこれら準じる方法)、およびブリッジモジュールの配置を介して、テスト信号がブリッジモジュールの伝導ユニットおよびプローブカード底部の導電部を介してプローブカードに送り返され、テストループを形成させることができ、ループの経路長を短縮するだけでなく、信号の伝送時の正確性を高め、検査の精度も向上する。
【0051】
本発明は上述で最良の実施例を開示したが、当業者であれば理解できるように、この実施例は単に本発明を説明するために用いたのみであり、本発明の範囲を限定すると理解されるべきではない。注意すべきは、この実施例と同等効果を有する変化および置換はすべて、本発明の範疇内に含まれることである。このため、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の定義に準じる。
【符号の説明】
【0052】
100 載置装置
110 載置ユニット
111 キャリア
112 チャック
120 ウェーハ載置領域
200 ブリッジモジュール
210 伝導ユニット
220 マウントブラケット
300 プローブカード
310 プロービング部
320 導電部
322 スルーホール
330 基板
340 窓
400 ウェーハ
410 ダイ
500 光検出装置
AA’ 断面線
CR 導電部の内縁から外縁までの最短距離
TP テストループ
VM 垂直方向