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特許7313403分析デバイスからのデータのフィルタリング
<図1>
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】分析デバイスからのデータのフィルタリング
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/212 20220101AFI20230714BHJP
   G16H 10/00 20180101ALI20230714BHJP
【FI】
H04L51/212
G16H10/00
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021111547
(22)【出願日】2021-07-05
(65)【公開番号】P2022014452
(43)【公開日】2022-01-19
【審査請求日】2021-08-24
(31)【優先権主張番号】20184222.6
(32)【優先日】2020-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501205108
【氏名又は名称】エフ ホフマン-ラ ロッシュ アクチェン ゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴン マーティン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドラ パウン
(72)【発明者】
【氏名】ヤクブ ヴィニアーツ
【審査官】羽岡 さやか
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-212865(JP,A)
【文献】特開2012-252589(JP,A)
【文献】特開平07-183932(JP,A)
【文献】特開2011-113492(JP,A)
【文献】特開2011-145898(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0156886(US,A1)
【文献】特開2003-248647(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00-69/40
G16H 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のアナライザネットワーク(10A)から受信されたメッセージ優先度表示に基づいてメッセージフィルタ構成を生成するためのコンピュータ実装方法(130)であって、前記第1のアナライザネットワークが、分析デバイスステータスデータを生成するように構成された、少なくとも1つの分析デバイス(P1A)を備える方法において、
データ処理エージェント(23)において、前記第1のアナライザネットワーク(10A)内で前記分析デバイスステータスデータに割り当てられた優先度を示すメッセージ優先度表示を受信すること(132)と、
前記データ処理エージェント(23)において、前記分析デバイスステータスデータの前記メッセージ優先度表示に基づいて、少なくとも1つのメッセージフィルタ構成(72)を提供すること(134)と、
前記メッセージフィルタ構成(72)、またはその一部分を、第2の分析デバイス(P1B)を備えた第2のアナライザネットワーク(10B)に通信すること(136)と
を含む、コンピュータ実装方法(130)。
【請求項2】
前記データ処理エージェント(23)において、1つまたは複数のさらなるアナライザネットワークから複数のメッセージ優先度表示を受信することであって、前記メッセージフィルタ構成(72)が前記複数のメッセージ優先度表示に基づいて生成される、複数のメッセージ優先度表示を受信すること
をさらに含む、請求項1に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項3】
前記メッセージフィルタ構成(72)を提供することが、
前記メッセージ優先度表示に関連する前記分析デバイスステータスデータのタイプを識別することと、
記録を、前記メッセージフィルタ構成を定義するデータ構造内に挿入するかまたは更新することであって、前記記録内の値が、分析デバイスステータスデータの識別された前記タイプに割り当てられた優先度を記憶する、記録を挿入するかまたは更新することと、
メッセージの前記識別されたタイプに対応する前記メッセージ優先度表示に基づいて、前記記録内に保持された前記値を調整し、それにより前記メッセージフィルタ構成を提供することと
を含む、請求項1または2に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項4】
前記メッセージ優先度表示が由来する前記第1のアナライザネットワーク(10A)内の前記分析デバイスのネットワーク構成を少なくとも部分的に特徴付けるネットワーク構成データを取得することと、
前記第1のアナライザネットワーク(10A)の前記ネットワーク構成データに少なくとも部分的に基づいて、前記メッセージフィルタ構成を生成または更新することと
をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項5】
コンテキスト識別エンジン(78)を使用して、前記第1のアナライザネットワーク(10A)および/もしくは第1の分析デバイス管理システム(12A)、ならびに/または前記メッセージ優先度表示が由来する前記少なくとも1つの分析デバイス(P1A)の1つまたは複数のコンテキストを識別することと、
識別された前記コンテキストに基づいて、前記メッセージフィルタ構成(72)を提供または更新することと
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項6】
前記1つまたは複数のコンテキストが、
前記第1のアナライザネットワーク(10A)のデバイス構成を少なくとも部分的に特徴付けるネットワーク構成データ、
前記メッセージ優先度表示が割り当てられたメッセージを送った前記少なくとも1つの分析デバイス(P1A~P7A)の内部構成データまたは内部センサーデータ、
前記メッセージ優先度表示が割り当てられた前記メッセージを送った前記少なくとも1つの分析デバイス(P1A~P7A)のバッテリー寿命データ、
前記メッセージ優先度表示が割り当てられた前記メッセージを送った前記少なくとも1つの分析デバイス(P1A~P7A)によって生成された品質管理データ、
前記メッセージ優先度表示が生成された時間において、または前記時間近くで、関連付けられる医学的試料の前記少なくとも1つの分析デバイス(P1A~P7A)に対して実行されるアッセイタイプ、
前記メッセージ優先度表示および/または前記メッセージが生成された前記時間、
前記少なくとも1つの分析デバイス(P1A~P7A)および/または第1の分析デバイス管理システム(12A)のロケーションデータ、
前記少なくとも1つの分析デバイスおよび/または第1の分析デバイス管理システムのオペレータデータおよび/または証明書データ、
前記分析デバイスステータスデータのコンテンツ、
前記少なくとも1つの分析デバイスから受信された分析デバイスステータスデータの項目数のカウント、
前記第1のアナライザネットワーク(10A)および/または前記第1の分析デバイス管理システム(12A)の前の構成を定義するログデータ、および
さらなる情報ソースから取得されたメタデータ
のうちの1つまたは複数に基づいて決定される、請求項5に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項7】
前記メタデータが、ユーザログオンサーバまたは証明書サーバから取得される、請求項6に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項8】
前記メッセージフィルタ構成が、少なくとも1つのタイプのメッセージに対して、前記第1のアナライザネットワーク(10A)および/もしくは前記第1の分析デバイス管理システム(12A)、ならびに/または前記メッセージ優先度表示が由来する前記少なくとも1つの分析デバイス(P1A)の異なる識別されたコンテキストに割り当てられたメッセージ優先度に対応する複数の記録を備える、請求項5から7のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項9】
前記データ処理エージェント(23)において、前記少なくとも1つのメッセージフィルタ構成(72)を第2のアナライザネットワーク(10B)内で第2の分析デバイス管理システム(12B)に、および/または前記第2のアナライザネットワーク内で医学的試料の第2の分析デバイス(P1B)に送るための要求を受信することと、
前記データ処理エージェント(23)において、前記第2の分析デバイス管理システム(12B)および/または前記第2の分析デバイス(P1B)の地理的ロケーションおよび/またはコンテキストを定義する情報を受信することと、
前記第2の分析デバイス管理システム(12B)および/または前記第2の分析デバイス(P1B)の前記地理的ロケーションおよび/またはコンテキストを定義する前記情報に基づいて、前記少なくとも1つのメッセージフィルタ構成(72)を取得することと、
取得された前記少なくとも1つのメッセージフィルタ構成を前記第2の分析デバイス管理システム(12B)および/または前記第2の分析デバイス(P1B)に送ることと
をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項10】
前記メッセージフィルタ構成を参照メッセージフィルタ構成と比較することと、
前記メッセージフィルタ構成と前記参照メッセージフィルタ構成の間の偏差を識別することと、
前記メッセージフィルタ構成と前記参照メッセージフィルタ構成の間の前記偏差を低減または除去するように前記メッセージフィルタ構成を更新することと
をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項11】
前記第1のアナライザネットワーク(10A)内の第1の分析デバイス管理システム(12A)のユーザインターフェース(24A)または第1の分析デバイス(P1A)を介して、前記第1の分析デバイスによって生成された前記分析デバイスステータスデータを表示することと、
前記第1の分析デバイス管理システム(12A)の前記ユーザインターフェース(24A)または前記第1の分析デバイス(P1A)を介して、前記メッセージ優先度表示を受信することと、
前記メッセージ優先度表示を前記データ処理エージェント(23)に送信することと
をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコンピュータ実装方法(130)。
【請求項12】
分析デバイスからのデータを処理するためのデータ処理エージェント(23)をホストするように構成された装置(40)であって、
通信インターフェース(54)と、
データメモリ(44)と、
前記通信インターフェースおよび前記データメモリに結合されたプロセッサ(47)と
を備え、
前記通信インターフェース(54)が、通信ネットワークを介して第1の分析デバイス管理システム(POC DMS1)から前記データ処理エージェント(23)に送信されたメッセージ優先度表示を備えた1つまたは複数の項目のデータを受信するように構成され、
前記プロセッサ(47)が、分析デバイスステータスデータに割り当てられた優先度を示す前記メッセージ優先度表示を前記通信インターフェース(54)から受信し、前記メッセージ優先度表示に基づいて、前記データメモリ(44)内に記憶されたメッセージフィルタ構成を生成または更新するように構成され、
前記通信インターフェース(54)が、前記メッセージフィルタ構成、またはその一部分を、第2の分析デバイス(P1B)を備えた第2のアナライザネットワーク(10B)に通信するようにさらに構成される、装置(40)。
【請求項13】
1つまたは複数の分析デバイスからのデータを処理するための分析デバイス管理システムをホストするように構成された装置であって、
通信インターフェースと、
データメモリと、
ディスプレイインターフェースと、
前記通信インターフェースおよび前記データメモリに結合されたプロセッサと
を備え、
前記通信インターフェースが、第2のアナライザネットワーク内で少なくとも1つの分析デバイスから複数の項目の分析デバイスステータスデータを受信し、通信ネットワークを介して、前記第2のアナライザネットワークから受信された複数のメッセージのうちの少なくとも1つをフィルタリングするように構成されたメッセージフィルタ構成を取得するように構成され、
前記メッセージフィルタ構成が、前記第2のアナライザネットワークとは異なる第1のアナライザネットワーク内の少なくとも1つの分析デバイスにより生成された分析デバイスステータスデータに割り当てられた優先度を示すメッセージ優先度表示に基づいて提供され、
前記通信インターフェースが、前記通信ネットワークを介して、前記メッセージフィルタ構成を受信し、前記メッセージフィルタ構成を前記データメモリ内に記憶するように構成され、
前記プロセッサが、フィルタリングされた複数の分析デバイスステータスデータを生成するために、前記データメモリ内に記憶された前記メッセージフィルタ構成に従って、前記複数の項目の分析デバイスステータスデータ内の少なくとも1つの項目の分析デバイスステータスデータをフィルタリングするように構成され、
前記ディスプレイインターフェースが、フィルタリングされた前記複数の分析デバイスステータスデータを表示するように構成される、装置。
【請求項14】
分析デバイス管理(10)のためのネットワークシステム(10A、10B)であって、
第1のアナライザネットワーク(10A)内に設けられ、患者の医学的試料を分析し、分析デバイスステータスデータを生成するように構成された1つまたは複数の分析デバイス(P1A~P7A)の第1のセットと、
前記第1のアナライザネットワーク(10A)内で、1つまたは複数の分析デバイス(P1A~P7A)の前記第1のセット内に含まれた1つまたは複数の分析デバイスから分析デバイスステータスデータを受信するように構成された第1の分析デバイス管理システム(12A)と、
前記第1の分析デバイス管理システム(12A)および/または1つもしくは複数の分析デバイス(P1A~P7A)の前記第1のセットから受信されるデータを処理するためのデータ処理エージェント(23)をホストするように構成された装置(40)と、
第2のアナライザネットワーク(10B)内に設けられ、患者の医学的試料を分析するように構成された1つまたは複数の分析デバイス(P1B~P7B)の第2のセットと、
前記第2のアナライザネットワーク(10B)内で、1つまたは複数の分析デバイス(P1B~P7B)の前記第2のセット内に含まれた1つまたは複数の分析デバイスから分析デバイスステータスデータを受信するように構成された第2の分析デバイス管理システム(12B)と、
前記第1の分析デバイス管理システム(12A)、前記データ処理エージェント(23)をホストするように構成された前記装置(40)、および第2の分析デバイス管理システム(12B)を通信可能に接続するように構成された通信ネットワーク(21)と
を備え、
前記装置(40)が、前記第1のアナライザネットワーク(10A)内で、前記分析デバイスステータスデータに割り当てられた優先度を示す、前記第1の分析デバイス管理システム(12A)および/または前記少なくとも1つの分析デバイス(P1A~P7A)によって生成されたメッセージ優先度表示(72)を受信するように構成され、
前記装置(40)が、第1のデバイスメッセージに関連する前記メッセージ優先度表示に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成または更新するように構成され、
前記装置(40)が、前記メッセージフィルタ構成、またはその一部分を、前記第2の分析デバイス管理システム(12B)および/または1つもしくは複数の分析デバイス(P1B~P7B)の前記第2のセットに通信するように構成され、
前記第2の分析デバイス管理システム(12B)および/または1つもしくは複数の分析デバイス(P1B~P7B)の前記第2のセット内の少なくとも1つの分析デバイスが、前記第2のアナライザネットワーク(10B)内からさらなる項目の分析デバイスステータスデータを受信し、受信された前記メッセージフィルタ構成(72)内で割り当てられた前記優先度に従って、前記さらなる項目の分析デバイスステータスデータを表示するように構成される、ネットワークシステム(10A、10B)。
【請求項15】
請求項12に記載の装置を制御するためのコンピュータ可読命令を備えたコンピュータプログラムであって、前記コンピュータ可読命令が、前記装置の処理ユニットによって実行されるとき、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法ステップを実行するように適合される、コンピュータプログラム。
【請求項16】
請求項15に記載のコンピュータプログラムを記憶した、またはその上に符号化した、コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、第1のアナライザネットワークから受信されたメッセージ優先度表示に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成するためのコンピュータ実装方法、ならびに関連する装置、ネットワークシステム、コンピュータプログラム要素およびコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
臨床ケア環境において、医学的試料(medical sample)の分析デバイスは、ポイントオブケアにおいて、またはその付近で使用され得る。そのような分析デバイスは、指定された「ポイントオブケア(POC)検査デバイス」である。分析デバイスは、たとえば、検査デバイスの技術的ステータスに関する情報を含有する多種多様なステータスメッセージをセントラルサーバと通信することができる。
【0003】
POCデバイス(分析デバイス)は、たとえば、事象、分析結果、または他の分析デバイスステータス情報を示す多数のデバイスメッセージ(分析デバイスステータスデータ)をPOC ITデータ管理システムに送る。
【0004】
典型的なPOCデバイスは、かなりの数のデバイスメッセージを生成する。結果として、多数のPOCデバイスのステータスに関する情報のコヒーレントな監視は困難であり得る。したがって、そのようなPOCデバイスおよびそれらの管理システムは、さらに改善され得る。
【発明の概要】
【0005】
第1の態様によれば、第1のアナライザネットワークから受信されたメッセージ優先度表示に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成するためのコンピュータ実装方法であって、第1のアナライザネットワークが、分析デバイスステータスデータを生成するように構成された、少なくとも1つの分析デバイスを備える、コンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
データ処理エージェントにおいて、第1のアナライザネットワーク内で分析デバイスステータスデータに割り当てられた優先度を示すメッセージ優先度表示を受信することと、
データ処理エージェントにおいて、分析デバイスステータスデータのメッセージ優先度表示に基づいて、少なくとも1つのメッセージフィルタ構成を提供することと、
メッセージフィルタ構成、またはその一部分を、第2の分析デバイスを備えた第2のアナライザネットワークに通信することと
を含む。
【0006】
この効果は、分析デバイスの多数のユーザのメッセージ閲覧選好がキャプチャされ、他の分析デバイスおよびそれらの管理システム上に出現する分析デバイスステータスデータをフィルタリングするために適用され得るメッセージフィルタ構造を生成するために使用され得ることである。分析デバイスステータスデータのキャプチャおよびフィルタリングが発生し得、ユーザ行動の変化、または所与のメッセージを生成するアナライザのコンテキスト内の変更に基づいて分析デバイスステータスデータの生成に対する反応を反映するために、自動的かつ連続的に更新され得る。
【0007】
これは、分析デバイスの内部状態に関する重要な分析デバイスステータスデータがより明瞭にユーザに報告されることを可能にする効果を有する。典型的には、典型的な分析デバイスシステムは、多くの分析デバイスを含有し、数千の分析デバイスステータスデータ項目が毎時間生成され得る。
【0008】
本明細書で紹介される手法は、メッセージフィルタが1つまたは複数のPOCデータ管理システムまたはアナライザのユーザインターフェースから受信されるユーザ入力に基づいて適用されることを可能にする。フィルタリングに続いて、重要である可能性が高いPOCアナライザの内部状態に関する分析デバイスステータスデータがより目立つように表示される。
【0009】
POCデータ管理システムおよび/またはモバイルディスプレイデバイスに通信可能に結合されたデータ処理エージェント(サーバ)は、POCデータ管理システムおよび/またはモバイルディスプレイデバイスのGUI上に表示されるように多数のメッセージのプッシュ(送信)を試みるとき、容量制約に直面することがある。一例では、現代のウェブディスプレイフレームワークは、データ処理エージェント(サーバ)とPOCデータ管理システムおよび/またはモバイルディスプレイデバイス内のGUIの間に1つまたは複数のデータバインディングを採用する。
【0010】
データ処理エージェント(サーバ)の性能は、POCデータ管理システムおよび/またはモバイルディスプレイデバイスにおいて表示されるメッセージの数が低減されるとき改善されるが、これは、一例では、GUIとデータ処理エージェント(サーバ)の間で同時にサービスされる必要があるデータバインディングが減少するためである。具体的には、データ処理エージェント(サーバ)は、作動メモリ(RAM)の使用の低減およびPOCデータ管理システムおよび/またはモバイルディスプレイデバイスとの通信レイテンシの低減を経験し得る。具体的には、データバインディングにサービスしているモバイルデバイスは、バッテリー寿命の改善を経験し得る。
【0011】
さらなる効果は、POCデータ管理システムまたはモバイルデバイスの動作が簡素化され得ることである。たとえば、POCデータ管理システムは、毎時間、数百個、数千個、またはさらに数万個のメッセージの割合で増える分析デバイスステータスデータのデータベースを維持し得る。POCデータ管理システム内で、分析デバイスステータスデータは、オプションで、「無限フィード(infinite feed)」内でメッセージボックスのリストとして表示され得、ユーザがメッセージのリストをスクロールすることを可能にする。
【0012】
現在、フィード上で表示される必要があるメッセージはすべて、作動メモリ内にキャッシュされ、GUI表示ソフトウェアによって扱われ、最終的に、ユーザがPOCデータ管理システムのGUI内でスクロールするにつれて、POCデータ管理システムのビデオバッファ内にロードされなければならないため、メッセージが常に増加する状態でそのようなメッセージフィードを管理することは、技術的な懸案事項である。
【0013】
メッセージフィードのサイズが増大するにつれて、作動メモリと、ビデオバッファと、POCデータ管理システムのGUIの間で切り替えられることになるデータの量は増える。これは結果として、メッセージフィードをユーザに表示するためにより多くの計算力、したがって、POCデータ管理システムにおいてより大きな電力消費をもたらし、分析デバイスステータスデータのスクロール可能フィードを表示するとき、レイテンシを増大させる。POCデータ管理システムが、スマートフォンまたはコンピュータタブレットなど、ポータブルデバイスからホストまたはアクセスされるとき、帯域幅、レイテンシ制御、または信頼性が制約され得るワイヤレスデータ接続を介して、POCデータ管理システムGUIの大きなデータ表示フィードを送信する必要により、問題は悪化する。
【0014】
本明細書の技法によれば、GUIがより高い関連性を有するメッセージのみを表示するディスプレイモードで動作しているとき、GUI上に表示するために、より少数の関連性の低い分析デバイスステータス情報項目がキャッシュされる必要があり得る。本明細書で論じるメッセージフィルタは、分析デバイスステータスデータに適用される多くのメッセージ優先度表示に従って、所与のクラスのユーザまたはコンテキストに対して最も関連するメッセージを選択するように自動的に生成され得る。関連性が高いメッセージは、ランダムアクセスメモリ(RAM)などの短期メモリまたは別の低レイテンシメモリストア内に記憶され得る。関連性がより低いメッセージは、不揮発性メモリ内に記憶され得る。
【0015】
本明細書で論じるGUIソフトウェアは、すべての分析デバイスステータスデータを表示するオプションを有するが、最も関連するメッセージのみを表示するオプションも存在し、高い関連性のメッセージを表示する間ですら、応答性がより高いディスプレイ、およびPOCデータ管理システム上で動作する関連GUIソフトウェアのさらに低減された作動メモリ要件をもたらす。
【0016】
第2の態様によれば、分析デバイスからのデータを処理するためのデータ処理エージェントをホストするように構成された装置が提供される。この装置は、
- 通信インターフェースと、
- データメモリと、
- 通信インターフェースおよびデータメモリに結合されたプロセッサと
を備える。
【0017】
通信インターフェースは、通信ネットワークを介して第1の分析デバイス管理システムからデータ処理エージェントに送信された優先度表示を備えた1つまたは複数のデータ項目を受信するように構成される。
【0018】
このプロセッサは、分析デバイスステータスデータ項目に割り当てられた優先度を示すメッセージ優先度表示を通信インターフェースから受信し、割り当てられたメッセージ優先度に基づいて、データメモリ内に記憶されたメッセージフィルタ構成を生成または更新するように構成される。
【0019】
通信インターフェースは、メッセージフィルタ構成、またはその一部分を、第2の分析デバイスを備えた第2のアナライザネットワークに通信するようにさらに構成される。
【0020】
第3の態様によれば、分析デバイス管理のためのネットワークシステムであって、
- 患者の医学的試料を分析し、分析デバイスステータスデータを生成するように構成された1つまたは複数の分析デバイスの第1のセットと、
- 1つまたは複数の分析デバイスの第1のセット内に含まれた1つまたは複数の分析デバイスから少なくとも1つのアナライザメッセージを受信するように構成された第1の分析デバイス管理システムと、
- 第1の分析デバイス管理システムおよび/または1つもしくは複数の分析デバイスの第1のセットから受信されたデータを処理するためのデータ処理エージェントをホストするように構成された装置と、
- 患者の医学的試料を分析するように構成された1つまたは複数の分析デバイスの第2のセットと、
- 1つまたは複数の分析デバイスの第2のセット内に含まれた1つまたは複数の分析デバイスから少なくとも1つの分析メッセージを受信するように構成された第2の分析デバイス管理システムと、
- 第1の分析デバイス管理システム、データ処理エージェントをホストするように構成された装置、および第2の分析デバイス管理システムを通信可能に接続するように構成された通信ネットワークと
を備えた、ネットワークシステムが提供される。
【0021】
この装置は、第1のアナライザネットワーク内で、分析デバイスステータスデータに割り当てられた優先度を示す、第1の分析デバイス管理システムおよび/または少なくとも1つの分析デバイスによって生成されたメッセージ優先度表示を受信するように構成される。この装置は、分析デバイスステータスデータのメッセージ優先度に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成または更新するように構成される。この装置は、メッセージフィルタ構成、またはその一部分を、第2の分析デバイス管理システムおよび/または1つもしくは複数の分析デバイスの第2のセットに通信するように構成される。第2の分析デバイス管理システムおよび/または1つもしくは複数の分析デバイスの第2のセット内の少なくとも1つの分析デバイスは、第2のアナライザネットワーク内からさらなるメッセージを受信し、受信されたメッセージフィルタ構成内で割り当てられた優先度に従って、さらなるメッセージを表示するように構成される。
【0022】
第4の態様によれば、第2の態様による装置を制御するためのコンピュータ可読命令を備えたコンピュータプログラム要素であって、コンピュータ可読命令が、装置の処理ユニットによって実行されているとき、第1の態様の方法ステップを実行するように適合される、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0023】
第5の態様によれば、第4の態様のコンピュータプログラム要素を記憶した、またはその上に符号化した、コンピュータ可読媒体または信号が提供される。
【0024】
第6の態様によれば、分析デバイス管理システムおよび/または分析デバイスを動作させる方法であって、
第2のアナライザネットワーク内で少なくとも1つの分析デバイスから複数の分析デバイスステータスデータ項目を受信し、
通信ネットワークを介して、第2の態様による装置から、第2のアナライザネットワークから受信された複数の分析デバイスステータスデータ項目のうちの少なくとも1つをフィルタリングするように構成されたメッセージフィルタ構成を要求し、
通信ネットワークを介して、第2の態様による装置からメッセージフィルタ構成を受信し、
フィルタリングされた複数のメッセージを生成するために、メッセージフィルタ構成に従って、複数の分析デバイスステータスデータ項目内の少なくとも1つの分析デバイスステータスデータ項目をフィルタリングする
ように構成された、分析デバイス管理システムおよび/または分析デバイスを動作させる方法が提供される。
【0025】
第6の態様の一実施形態によれば、この方法は、
分析デバイス管理システムのユーザインターフェースを介して、フィルタリングされた複数の分析デバイスステータスデータ項目を表示するステップ
をさらに含む。
【0026】
第7の態様によれば、医学的試料の1つまたは複数の分析デバイスからのデータを処理するための分析デバイス管理システムをホストするように構成された装置が提供される。この装置は、
- 通信インターフェースと、
- データメモリと、
- 通信インターフェースおよびデータメモリに結合されたプロセッサと
を備える。
【0027】
この通信インターフェースは、第2のアナライザネットワーク内で少なくとも1つの分析デバイスから複数の分析デバイスステータスデータ項目を受信し、通信ネットワークを介して、第2の態様による装置から、第2のアナライザネットワークから受信された複数のメッセージのうちの少なくとも1つをフィルタリングするように構成されたメッセージフィルタ構成を要求するように構成される。この通信インターフェースは、通信ネットワークを介して、第2の態様による装置からメッセージフィルタ構成を受信し、メッセージフィルタ構成をデータメモリ内に記憶するように構成される。このプロセッサは、フィルタリングされた複数のメッセージを生成するために、データメモリ内に記憶されたメッセージフィルタ構成に従って、複数の分析デバイスステータスデータ項目内の少なくとも1つの分析デバイスステータスデータ項目をフィルタリングするように構成される。
【0028】
オプションの実施形態は、読者が次に参照し得る、本明細書においてさらに論じる、従属請求項において定義される。
【0029】
本出願において一定の用語が使用され、その形成は、選定された特定の用語によって限定されると解釈すべきではなく、その特定の用語の裏にある一般概念に関すると解釈すべきである。
【0030】
本明細書で使用される「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」という用語、またはそれらの任意の他の変形態は、非排他的な包括を網羅することが意図される。
【0031】
「患者試料」および「生体試料」という用語は、当該検体を潜在的に含有し得る材料を指す。患者試料は、血液、唾液、眼液、脳脊髄液、汗、尿、便、精液、母乳、腹水、粘液、滑液、腹膜液、羊水、細胞、培養細胞などを含む生理液など、何らかの生物学的源から導出され得る。患者試料は、血液から血漿を用意する、粘液、溶菌などを希釈する、など、使用に先立って事前に処理され得る。処理の方法は、濾過、蒸留、濃縮、妨害化合物の不活性化、および試薬の追加を伴い得る。患者試料は、源から取得されると直接使用されてよく、または試料の性質を変えるための前処理に続いて使用されてもよい。いくつかの実施形態では、当初は固体または半固体の生体材料は、好適な液状媒体を用いてその材料を溶解または懸濁することによって液体にされる。いくつかの実施形態では、試料は、ある抗原または核酸を含有すると疑われる。
【0032】
本明細書で使用する「分析デバイス」という用語は、患者の医学的状態に関する測定値を取得するための任意の装置を包含する。
【0033】
一例では、分析デバイスは、患者の医学的状態に関する測定値を取得するための医学的試料の自動アナライザであり得る。たとえば、分析デバイスは、測定値を提供するために、光吸収、蛍光、電位、または反応の他の物理的または化学的特性を測定し得る。多くの場合、そのような患者試料は、分析検査が行われる前に処理される。患者から採取された血液は、たとえば、血清を取得するために遠心分離機にかけられるか、または血漿を取得するために抗凝血剤で処理される。
【0034】
アナライザによる分析検査は、患者試料内の検体の存在および/または濃度を決定するという目標を有する。「検体」という用語は、存在および/または濃度に関する情報の対象となる物質に対する一般用語である。検体の例は、たとえば、ブドウ糖、凝固パラメータ、内因性タンパク質(たとえば、心筋から放出されるタンパク質)、代謝物、核酸などである。
【0035】
代替として、分析デバイスは、患者から測定値を捕捉するように構成されたセンサーを備えたハンドヘルドまたはモバイルデバイスである。
【0036】
「分析デバイス」は、たとえば、USB(商標)、WiFi(商標)、またはBluetooth(商標)接続を介して、スマートフォン、タブレットPC、または他のコンピューティングデバイスに通信可能に接続され得るポータブルアプライアンスを備え得る。そのようなポータブルアプライアンスは、分析検査を実行するように構成され得る。
【0037】
測定値は、たとえば、スマートフォンのセンサーから収集されたデータを備え得る。単なる例として、測定値は、患者の腫瘍の程度を特徴付ける、スマートフォン加速度計によって取得されたデータであり得る。測定値は、スマートフォンカメラを使用して取得された皮膚の状態の写真であり得る。測定値は、スマートフォンマイクロフォンを使用して取得された録音であり得る。測定値は、たとえば、患者の歩き方を評価するためにスマートフォンを使用して取得されたビデオであり得る。このように、スマートフォン、タブレットPC、または他のコンピューティングデバイスの標準的な特徴が分析デバイスの機能を実行し得る。スマートフォン、または他のコンピューティングデバイス上で実行されるアプリケーションは、そのようなデータを取得し、そのデータをデータ処理エージェントに通信することが可能である。
【0038】
「分析デバイス」という用語は、患者の病棟の近傍で使用可能であり得るように構成され得、その場合、分析デバイスは、「ポイントオブケア(POC)デバイス」と呼ばれることが多い。しかしながら、本明細書で論じる技法は、POCデバイスに限定されず、メッセージデータを生成する多くのタイプの検査室分析システムに適用され得る。
【0039】
本明細書で使用される場合、「患者の健康パラメータ」という用語は、1つまたは複数の検体に対する患者試料の分析によって測定可能であるかまたは示される患者の生理機能の何らかの態様を包含する。したがって、分析デバイスは、(限定はしないが)血糖検査、凝固検査、血液ガスおよび電解質分析、尿検査、心臓マーカー分析、ヘモグロビン診断、感染病検査、コレステロールスクリーニングまたは核酸検査NATなど、ポイントオブケア環境において使用され得る。結果は、POCアナライザ上で直接閲覧され得るか、またはPOCTシステムに送られ、中央検査室の結果とともに検査室情報システム内に、または画像結果と一緒に、病院情報システム内に表示され得る。
【0040】
本明細書で使用される「分析データ」という用語は、分析されている生体試料のPOCアナライザによって実行される1つまたは複数の患者の健康パラメータの測定の結果を記述する任意のデータを包含する。較正の場合、分析データは、較正結果、すなわち、較正データを備える。具体的には、分析データは、分析が実行されている患者試料の識別子および測定データなど、分析の結果を記述するデータを備える。
【0041】
本明細書で使用される「ポイントオブケア」(POC)または「ポイントオブケア環境」という用語は、限定はしないが、病院、救急部門、集中治療室、プライマリケア設定、医療センター、患者の自宅、診療所、薬局、または救急現場を含めて、医療検査および/または治療など、医療サービスまたは医療関係サービスが提供される、患者のケア現場のロケーションまたはその付近を意味するように定義される。
【0042】
本明細書で使用される「ポイントオブケア検査」(POCT)という用語は、ポイントオブケア環境における1つまたは複数の患者試料の分析を包含する。POCTは、可搬、ポータブル、およびハンドヘルド器具の使用により達成されることが多いが、ハンドヘルドデバイスが利用可能でないとき、小型ベンチ分析デバイスまたは固定分析デバイスも使用されてよく、目標は、患者のロケーションでまたはその(比較的に)付近で(比較的)短い時間期間に、患者試料を収集し、分析データを取得することである。
【0043】
POCTは、グルコース、凝固、血液ガス、尿検査、心臓および分子検査のための(限定はしないが)アナライザなど、様々なPOC分析デバイスを使用して実行される。結果は、POCアナライザ上で直接閲覧され得るか、またはPOCTシステムに送られ、中央検査室の結果とともに検査室情報システム内に、または画像結果と一緒に病院情報システム内に表示され得る。
【0044】
「ポータブルコンピューティングデバイス」という用語は、あるロケーションから別のロケーションに容易に移動され得る任意の電子アプライアンス、具体的には、限定はしないが、セルラー電話、衛星電話、ページャ、携帯情報端末(「PDA」)、スマートフォン、ナビゲーションデバイス、スマートブックもしくはリーダ、前述のデバイスの組合せ、タブレットコンピュータまたはラップトップコンピュータを含めて、任意のハンドヘルドバッテリー駆動式モバイルアプライアンスを包含する。
【0045】
本明細書で使用される「ポイントオブケアデバイス管理システム」(POC-DMS)という用語は、POCコーディネータがPOCデバイスを管理することを可能にするために、または保守管理員が器機を監視することを可能にするために、コンピュータネットワークを介して1つまたは複数のPOCデバイスと通信し、1つまたは複数のPOCデバイスを管理するように構成されたデータプロセッサを示す。オプションで、POC-DMSは、POCデバイスが接続されている同じネットワークに接続された端末コンピュータである。オプションで、POC-DMSは、POCデバイスが接続されたネットワークに対して遠隔にホストされ、POCデバイスの遠隔管理を可能にする、サーバ、仮想機械、または仮想化サーバとして提供され得る。POCデバイス(分析デバイス)が、たとえば、POC-DMSと同じサブネットまたはネットワーク分岐に接続されていることは必須ではない。
【0046】
「分析デバイス」は、通常動作において、また、分析デバイスが故障状態を経験しているとき、多くのデータメッセージ(分析デバイスステータスデータ)を生成する。これらのメッセージは、分析デバイス上のディスプレイによってユーザに表示され得るか、または分析デバイスが接続されたネットワークに取付けられた、またはそのネットワークから遠隔の、ポイントオブケア管理システム(POC-DMS)に送信され得る。現代の自動分析デバイスが幅広いメッセージを生成することを当業者は諒解されよう。
【0047】
いくつかのメッセージタイプは、分析デバイス上で実行される検査のアッセイ結果を含有するメッセージを定義する。他のメッセージは、ハードウェアハードビート、モータ過熱またはふたの目詰まりを報告するメッセージなどの特定のハードウェア故障、ネットワーク化情報(LDAPまたはDHCPルックアップメッセージなど)、試薬情報、温度情報、実行されたアッセイ数の増分カウント、バッテリーレベル、ソフトウェアまたはファームウェアの更新要求、ユーザログイン情報、監査ログメッセージ、セキュリティ証明メッセージ、メモリ容量情報、など、分析デバイスの状態に関するフィードバックを含有する。
【0048】
分析デバイスに関する「コンテキスト」という用語は、ある状況、ロケーション内の、および/または分析デバイスの異なるユーザを区別し得る動作状態の分析デバイスによって行われ得るまたはその分析デバイスに関する観察の収集物を指す。「コンテキスト」は、分析デバイスの使用環境に関する分類可能な技術的概念を表す。コンテキストの存在は、分析デバイスのセンサーによって、またはネットワークアドレスなどのコンテキスト情報の融合によって検出される入力刺激要因(input stimuli)に基づいて、検出され得るか、またはその入力刺激要因から反復され得る。
【0049】
さらに、コンテキストを表し得る技術的概念の例示的なカテゴリは、「教育研究室」、「保守管理部門」、および「事故および救急診療部門」における分析デバイスの使用であり得る。
【0050】
分析デバイスセンサーから導出される技術的入力刺激要因は、ある論理規則範囲に対する入力として使用され得る。これらの規則は、分析デバイスがどのコンテキストで動作しているかの推論を可能にする。コンテキスト変更の単純な例は、許容温度を有する部屋からアッセイが確実に実行されるためには寒すぎる部屋に分析デバイスを持って行くことであり得る。分析デバイス内に含まれた電子温度計は分析デバイスの温度を経時的に報告し得るため、コンテキスト変更が推論され得る。代替として、分析デバイスの「保守管理部門」への移動は、ハードウェアインターロック信号など、分析デバイスの取外しに関する複数の異常メッセージの分析デバイスからのブロードキャストをもたらし得る。
【0051】
1つを超える入力刺激要因からのデータの融合は、コンテキストのより正確な決定を可能にする。たとえば、分析デバイスの温度を観察することのみによって、分析デバイスが部屋から移動されたか否か、または同じ部屋の温度が変化したかどうかを決定することは不可能である。しかしながら、ネットワークアドレスデータベースまたはワイヤレスネットワークレジストリなど、外部データベースからの情報は、病院内の部屋周辺の分析デバイスのより正確な追跡を可能にし得る。ユーザデータベースからの情報の分析デバイスからのセンサーデータとのオフライン融合は、分析デバイスの使用履歴の検出を可能にし得る。
【0052】
「メッセージタイプ」という用語は、各分析デバイスに対して、分析デバイスのステータスに基づいて、制限されたアルファベットまたは範囲のメッセージが分析デバイスから送信されることを指す。メッセージ範囲は、メッセージング仕様書において定義され得る。
【0053】
「メッセージフィルタ」という用語は、1つまたは複数の入力メッセージに適用される機能マッピングを指すことがある。フィルタは、メッセージ転送機能に基づいて「多から少へのマッピング」を実行する。メッセージフィルタ転送機能(メッセージフィルタ構成)は、ユーザによってどの分析デバイスメッセージがメッセージ優先度表示でマーキングされているかを識別するために論理規則を使用することなど、多くの異なる方法で計算され得る。所与のしきい値よりも高いメッセージ優先度表示を有するメッセージは、メッセージフィルタを通過し得、所与のしきい値より低い順次優先度表示を有するメッセージはメッセージフィルタを通過しないことになる。前に選択されたメッセージ優先度に基づいて、分析デバイスメッセージの「多から少へのマッピング」を提供する多くの異なるタイプの「メッセージフィルタ」が提供され得る。
【0054】
「メッセージ優先度表示」という用語は、たとえば、分析デバイスによって出力される、ある分析デバイスステータスデータ項目に割り当てられた関連性の測度を指すが、そのように限定されず、通信ネットワーク上に存在するいずれのメッセージにもメッセージ優先度表示が割り当てられてよい。このアプリケーションでは、「メッセージ優先度表示」という用語は、メッセージがPOC-DMSのユーザに表示されるべきであるか否かを少なくとも指し得る。たとえば、POC-DMSの臨床ユーザは検査結果を告知するメッセージにより高い関心を有し得るため、各分析デバイスおよび多数の分析デバイスから10秒ごとに一度放出される複数の反復ハードウェアハートビートメッセージはPOC-DMSの臨床ユーザに表示されなくてよい。
【0055】
「メッセージ優先度表示」は、多くの異なる方法で、本出願においてさらに論じる多くの異なる論理規則に従って、割り当てられてよい。一例では、POC-DMSの使用は、POC-DMSのGUI内で表示される分析デバイスステータスデータ項目を「重要でない」とマーキングし得、そのような活動は、そのようにマーキングされた分析デバイスステータスデータが低い優先度を有するという論理条件を表す。ユーザがPOC-DMSのGUI内に表示された分析デバイスステータスデータ項目を「重要でない」とマーキングしない場合、活動の欠如は、マーキングされずに残された分析デバイスステータスデータが高い優先度を有するという論理条件を表す。
【0056】
当然、前述は、分析デバイスステータスデータ項目に優先度を割り当てるための多くの方式のうちの単なる1つである。本出願では、優先度は、POC-DMSにおいてのみでなく、1つまたは複数の分析デバイスにおいても、分析デバイスステータスデータ項目に割り当てられ得る。現代の分析デバイスは、たとえば、スクリーン、メニュー、および発信メッセージを閲覧する能力を有することが多い。ユーザは、分析デバイスステータスデータの履歴記録に基づいて、分析デバイスステータスデータ項目に優先度を割り当てることができる(すなわち、ユーザは、分析デバイスステータスデータの履歴データセットを標示することができる)。
【0057】
一例では、POC-DMSおよび/または分析デバイスは、ユーザがPOC-DMSおよび/または分析デバイスのディスプレイ上に表示される分析デバイスステータスデータをどのように閲覧するかを観察する動作中にデーモンを実行し得る。一定の経過時間後にユーザによってアクティブに閲覧されないメッセージは、デーモンによって、たとえば、「重要でない」と分類され得る。
【0058】
さらに、分析デバイスステータスデータに対する2項「重要でない」または「重要である」分類の割振りは任意であり、本明細書の説明から逸脱せずに、分析デバイスステータスデータとともに、多くの他の優先度割振り方式が使用され得ることを当業者は認識されよう。具体的には、メッセージの優先度は、たとえば、しきい値化を可能にするために、個別の数値表または連続数値表に従って分類され得る。
【0059】
本明細書で使用される「通信ネットワーク」という用語は、限定はしないが、WIFI、GSM、UMTS、もしくは他のワイヤレスデジタルネットワーク、またはイーサネットなどのワイヤードネットワークを含む、任意のタイプのワイヤードまたはワイヤレスネットワークを包含する。たとえば、通信ネットワークは、ワイヤードおよびワイヤレスネットワークの組合せを含み得る。分析デバイスステータスデータは、通信ネットワークを介して送信され得る。
【0060】
「サーバ」という用語は、そこから要求を受け入れ、それに応じて応答を与えることが可能な物理または仮想プロセッサを有する任意の物理的機械または仮想機械を包含する。機械という用語が、物理ハードウェア自体、もしくはJAVA仮想機械(JVM)などの仮想機械、または、同じ物理的機械上で異なるオペレーティングシステムを実行し、機械のコンピューティングリソースを共有している別々の仮想機械すら指し得ることは、コンピュータプログラミング分野の当業者には明らかであろう。サーバは、個々に、「サーバ」、または仮想サーバなど、共有リソースと呼ばれることも多い、専用コンピュータを含めて任意のコンピュータ上で実行し得る。多くの場合、コンピュータは、いくつかのサービスを提供し、いくつかのサーバを実行させることが可能である。したがって、サーバという用語は、1つまたは複数のクライアントプロセスに対するリソースを共有する任意のコンピュータデバイスを包含するものとする。サーバは、分析デバイスステータスデータを受信、処理、および送信し得る。
【0061】
「サーバインターフェース」という用語は、外部エンティティ(サーバまたは別のインターフェースなど)との通信を許可にするためのプログラム論理を実行するように動作可能な任意のハードウェア、ファームウェア、および/またはソフトウェアベースのモジュールを包含する。
【0062】
「データ処理エージェント」という用語は、ポイントオブケアデバイスから分析デバイスステータスデータ、およびユーザまたはオペレータから注釈データを受信し、分析デバイスステータスデータおよび注釈データを関連付けることが可能な、サーバなど、1つまたは複数のコンピューティングデバイス上で実行するコンピュータ実装ソフトウェアモジュールを指す。「データ処理エージェント」は、単一のサーバ、もしくは複数のサーバ、および/またはAmazon AWS(商標)またはMicrosoft Azure(商標)など、インターネットベースの「クラウド」処理サービスに対して実装され得る。「データ処理エージェント」、またはその一部分は、仮想機械上でホストされ得る。データ処理エージェントは、分析デバイスステータスデータを受信、処理、および送信し得る。
【0063】
「ユーザインターフェース」という用語は、限定はしないが、オペレータからのコマンドを入力として受信し、やはりフィードバックをオペレータに提供し、情報をオペレータに伝えるためのグラフィカルユーザインターフェースを含めて、オペレータと機械との間の対話のための任意の適切なソフトウェアおよび/またはハードウェアを包含する。また、システム/デバイスは、いくつかのユーザインターフェースに異なる種類のユーザ/オペレータにサービスを受けさせることが可能である。ユーザインターフェースは、分析デバイスステータスデータの項目を表示し得る。
【0064】
ベッドサイド検査またはポイントオブケア検査の分野において、検査は、典型的には、看護師、医療スタッフ、または医師によって実行されるが、本明細書で「オペレータ」と総称される薬剤師によっても実行される。しかしながら、必要とされる証明書を保有する者は誰でもオペレータであり得る。ポイントオブケアコーディネータPOCCは、同時に、POCアナライザのオペレータであり得、POCアナライザのオペレータも、同時に、ポイントオブケアコーディネータPOCC、したがって、ポータブルコンピューティングデバイスのユーザであり得る。
【0065】
本出願は、したがって、ユーザが分析デバイスからのメッセージを、たとえば、POC ITデータ管理システム(DMS)内で「重要でない」としてマーキングすることを許可するシステムについて一般に論じる。結果として生じる同じタイプのメッセージは、少なくとも所与の時間量にわたってユーザから見えなくされ得るため、これはまた、雑然としたメッセージをデバイスメッセージログから除去する。
【0066】
「重要でない」および「重要である」としてマーキングされたメッセージの構成は、共有、収集、および記憶され得る。さらに、そのようなメッセージフィルタリング構成は、所与の地理的ロケーション、ネットワークロケーション、ユーザログオン資格、および技術的コンテキストに対して生成され得る。
【0067】
さらに、新しいデバイスが動作に導入されるとき、ユーザは、デフォルトメッセージフィルタ、または組み合わされたメッセージフィルタを既存のPOC-DMSシステムからダウンロードし得る。これらの設定は、たとえば、他の病院のユーザからのマイ設定(my settings)に基づき収集され得る。したがって、システムは、所与のタイプのメッセージが、たとえば、世界的に、または国単位で、所与のコンテキストにおいて「重要である」または「重要でない」としてマーキングされているかどうかに関してシステムユーザから学習し得る。あるコンテキストにおけるユーザの集合的通知選好から、自動通知に対する最も一般的な構成が設置される。
【0068】
一例として、そのような方法での分析デバイスデータの分類は、ディスプレイソフトウェアがより関連性の高い分析デバイスデータを、RAMなどの短期メモリ内に記憶し、関連性の低い分析デバイスデータを、ハードドライブまたは固体メモリなどの不揮発性メモリ内に記憶することを可能にする。より関連性の高い分析デバイスデータは、その場合、低減されたレイテンシ、および低減された作動メモリ要件を有するGUIによって表示され得る。
【図面の簡単な説明】
【0069】
図1】一態様による、分析デバイス管理のためのネットワークシステムを概略的に例示する図である。
図2】分析デバイス管理のためのシステム内のメッセージングフローを概略的に例示する図である。
図3】ポイントオブケア(POC)デバイスの一例を概略的に例示する図である。
図4】一態様による、データ処理エージェントをホストするように構成されたサーバの一例を概略的に例示する図である。
図5】1つの例示的なコンテキストにおける1つのポイントオブケアデバイスから出力されたデータメッセージの一例を概略的に例示する図である。
図6】分析デバイスステータスデータのメッセージ優先度表示に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成する一例を概略的に例示する図である。
図7】単一の分析デバイスのコンテキストを追跡することが可能なコンテキスト識別エンジンのインスタンスの一例を概略的に例示する図である。
図8】複数のインスタンスを使用して単一の分析デバイスのコンテキストを追跡することが可能なコンテキスト識別エンジンの一例を概略的に例示する図である。
図9A】ユーザが分析デバイス管理システム(POC-DMS)上のGUIを介して分析デバイスメッセージに関するメッセージ優先度表示を追加することを概略的に例示する図である。
図9B】ユーザが分析デバイス管理システム(POC-DMS)上のGUIを介して分析デバイスメッセージに関するメッセージ優先度表示を追加することを概略的に例示する図である。
図9C】分析デバイス管理システム(POC-DMS)のさらなるGUI特徴を概略的に例示する図である。
図10A】分析デバイス管理システム(POC-DMS)上へのメッセージフィルタ構成の設置を概略的に例示する図である。
図10B】分析デバイス管理システム(POC-DMS)上へのメッセージフィルタ構成の設置を概略的に例示する図である。
図11】第1の態様の方法による流れ図を概略的に例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0070】
注記:図面は一定の尺度で描かれておらず、例示としてのみ提供され、本発明の範囲を定義するためではなく、本発明の範囲をよりよく理解することにのみ役立つ。これらの図面から本発明のいずれの特徴の何の限定も推論すべきではない。
【0071】
ポイントオブケア(POC)アナライザ(医学的試料の分析デバイスとも呼ばれる)は、サーバ、具体的には、ポイントオブケアデータ管理システム(POC-DMS)とも呼ばれるハードウェア管理サーバによって、通常、管理される。そのようなサーバは、POCアナライザに対する接続性、および検査結果、オペレータ、品質管理、およびアナライザの管理を提供する。たとえば、1つのPOC-DMSは、病院、病院部門、または医療検査センサーにおけるすべてのPOCアナライザを管理し得る。
【0072】
POCシステムの管理は困難である。検査の品質を保証するために管理すべき、数十の現場、数百のPOCTデバイス/キット、および数千のオペレータが存在し得る。POCTデータを管理する戦略を開発する際の1つの課題は、ネットワークPOCシステムが分析デバイスによって生成された大量のフィードバックをPOCチームに邪魔にならない方法でどのように扱うかに関する。POCチームは、通常、検査メニューを決定し、技術を選択し、政策および手順を確立し、トレーニングおよび規制遵守を確実にし、POC技術の最終オペレータに助言支援を提供する責任を負う。
【0073】
POCアナライザは、通常のデバイスメッセージ(分析デバイスデータ)からなる大量のデータを分析デバイス管理(POC-DMS)のためのシステムに送る。デバイスメッセージは、分析デバイスが、デバイス使用、システム警告、システム事象、エラー、または1つもしくは複数のPOCアナライザの技術条件に関する他の事象に関してユーザに知らせることを可能にする。生み出される大量のデータの自動管理、およびデータの技術的関連性の自動決定は、困難であり得る。
【0074】
図1は、分析デバイス管理のためのネットワークシステム10を概略的に例示する。分析デバイス管理のためのネットワークシステム10は、第1のネットワーク10Aを備える。第1のネットワーク10Aは、分析デバイスを格納する第1のロケーション18Aおよび分析デバイスを格納する第2のロケーション19Aに対応する、1つまたは複数のローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)に分割され得る。たとえば、第1のロケーション18Aはローカルクリニックを表すことができ、第2のロケーション19Aは、総合病院を表すことができる。ネットワークシステム10の第1のネットワーク10A内のロケーションの数は、システムの機能の点で必須ではない。
【0075】
システムは、通信ネットワーク16によって通信可能に接続された、1つまたは複数の分析デバイス(ポイントオブケア(POC)デバイス)P1AからP7A、オプションで、ポータブルコンピューティングデバイス26A(スマートフォンなど)、およびサーバ12Aを備える。サーバ12Aは、一例では、第1の態様によるデータ処理エージェント23をホストし得る。他の例では、データ処理エージェントは、複数のサーバおよびコンピューティングデバイスを介して分散されたクラウドコンピューティングサービスによってホストされ得る。具体的には、通信ネットワーク21は、1つまたは複数の分析デバイスP1AからP7Bを通信可能に接続するように構成される。
【0076】
通信ネットワーク21は、たとえば、たとえば、イーサネットネットワーク、Wi-Fiネットワーク、および/またはインターネットなどの広域ネットワークWANを介して提供されるローカルエリアネットワークLANのうちの1つまたは複数を備える。通信ネットワークは、3G、4G、または5Gシステム28などのモバイル電話通信ネットワークおよび/または病院のPACSネットワークを備え得る。
【0077】
オプションで、通信ネットワーク16は、サーバ12を分析デバイス(POCデバイス)P1AからP7Bに直接的に接続し得る(図示せず)。
【0078】
オプションで、通信ネットワーク21は、保健医療施設18Aの内部通信システム22Aとインターフェース接続する。内部通信システム22Aは、たとえば、イントラネットであると見なされ得る。セキュリティおよび機密性を確実にするために、ファイアウォールおよび当業者に知られている他のセキュリティ対策が内部通信システム22Aと通信ネットワーク21の間に配置され得る。分析デバイスP1AからP7Aは、たとえば、内部通信システム22および通信ネットワーク16を介して通信することによって、サーバ40上でホストされるデータ処理エージェント23と通信し得る。
【0079】
分析デバイスP1AからP7Aは、1つまたは複数の患者の健康パラメータを測定するために、1つまたは複数の患者試料を分析するように提供され構成される。開示する実施形態によれば、分析デバイスP1AからP7Aは、可搬、ポータブル、およびハンドヘルド器具を含み得るが、小型ベンチアナライザまたは固定機器14も同様に含み得る。
【0080】
たとえば、分析デバイスによって実行される検査は、(限定はしないが)血糖検査、凝固検査、血液ガスおよび電解質分析、尿分析、心臓マーカー分析、ヘモグロビン分析、感染病検査、コレステロールスクリーニングまたは核酸検査を含み得る。分析デバイスP1AからP7Aのいくつかの機能および/または動作態様は、1つまたは複数のアナライザパラメータを使用して構成可能であるかまたはカスタマイズ可能である。
【0081】
アナライザP1AからP7Aは、たとえば、第1のロケーション18A(ローカルクリニックに対応する)内に位置する。固定機器14は、第2のロケーション19A(たとえば、総合病院に対応する)内に位置し得る。
【0082】
特定の分析デバイスP1AからP7Aを識別するために、各分析デバイスは、アナライザ識別子コードが、具体的には、バーコードおよび/またはRFIDタグもしくはシリアル番号などの識別子タグの形態で提供される。オプションで、そのような識別子は、分析デバイス管理のためのシステムのデータベース内のエントリーと関連付けられ得る。
【0083】
アナライザP1AからP7Aは、たとえば、通信ネットワーク16を介して分析デバイスステータスデータ(事象メッセージ)をアナライザからサーバ12に送信するように構成される。
【0084】
分析デバイス管理のためのネットワークシステム10は、たとえば、サーバ12A上でホストされるポイントオブケアデータ管理システム(POC-DMS)をさらに備える。POC-DMSの目的は、定義されたエリアまたはネットワーク分岐内で1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7Aを監視および制御することである。たとえば、POC管理職員は、サーバ12AでホストされるPOC-DMSを使用して、消耗品の使用を監視するために分析デバイスP1A~P7Aのうちの1つまたは複数の状態を追跡すること、および多種多様の他の管理活動を実行することができる。
【0085】
特定の問題は、ネットワーク10Aに接続された多数の分析デバイスP1A~P7Aが、その多くまたはすべてがPOC管理者に表示される、分析デバイスP1A~P7Aの内部状態を反映する、数千または数万のアナライザデータメッセージを毎時間生成することである。たとえば、POC-DMSサーバ12Aのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)上に一緒に表示されるとき、個々の分析デバイスP1Aの状態を十分迅速に確定することは難しいことがある。GUI内でメッセージをブラウズするとき、これはレイテンシをもたらす。
【0086】
さらに、POC-DMSサーバは、スマートフォン26Aなど、制限された帯域幅接続を介して遠隔デバイスによってアクセス可能であり得る。スマートフォンPOC-DMS管理アプリケーションのGUI上で分析デバイスP1A~P7Aの内部状態を反映する数千または数万のアナライザデータメッセージのすべての表示を試みることは、大量のデータが転送されることにより、許容できないデータ通信レイテンシをもたらし得る。
【0087】
分析デバイス管理のためのネットワークシステム10は、図1において、実質的にネットワーク10Aのミラーイメージとして例示される、さらなるネットワーク10Bをやはり備える。さらなるネットワーク10Bは、異なる病院現場において、または異なる国内で実行される分析デバイスのネットワーク、または第1のネットワーク10Bと比較して病院部門を表す。ネットワーク10Aに関して上記で提供された個々の構成要素の説明は、簡潔にするために、さらなるネットワーク10Aの例示される構成要素にも適用される。さらなるネットワーク10Bは、例示されるものとはかなり異なるアーキテクチャを有し得ることを当業者は諒解されよう。
【0088】
具体的には、第2のPOC-DMS12Bは、分析デバイスP1B~P7Bから出力された多数の分析デバイスメッセージデータをどのように処理および/または表示するかの問題にやはり直面することになる。
【0089】
図2は、分析デバイス管理のためのシステム内のメッセージングフローを概略的に例示する。第1のネットワーク18Aは、分析デバイスP1A(分析デバイスなど)を備え、ポイントオブケアデバイス管理システム(POC-DMS)12Aは、インターネットなど、通信リンク21を介してPOC-DMS12Aに接続される。オプションで、さらなるネットワーク18B、18C、18Dが通信リンク21を介して接続される。第1のネットワーク18A内のP1Aなどの分析デバイスは、多数のステータスメッセージを毎時間生成する。従来、これらのステータスメッセージのすべては、ポイントオブケアデバイス管理システム(POC-DMS)12Aのグラフィカルユーザインターフェースに表示され、これは、どのメッセージが表示されるべきでないかを決定することを難しくする。
【0090】
やはりネットワーク21を介して通信可能に結合された、さらなるネットワーク18Eは、分析デバイス(P1Bなど)の同様の選択肢を含有し得、ポイントオブケアデバイス管理システム(POC-DMS)12Bのグラフィカルユーザインターフェースに表示するためのメッセージを選択することが難しいという問題もある。したがって、そのようなシステムは、さらに改善され得る。
【0091】
図3は、一態様によるポイントオブケア(POC)デバイスの一例を概略的に例示する。
【0092】
分析デバイス20の例示される例は、電力を分析デバイス20に提供するように構成された電源22を備える。電源22は、たとえば、分析デバイス20がポータブルになることを可能にする、リチウムイオンバッテリーまたは主電源であってよい。電源22は、分析デバイス20の他の要素に電気エネルギーを提供する。他の要素は、たとえば、センサーデバイス24、電気機械サブアセンブリ26、標本処理セクション28、および分析ユニット30を備える。制御および通信サブシステム32は、前に列挙したモジュールとインターフェース接続する。通信リンク34は、分析デバイス20との間でデータ転送を可能にする。
【0093】
センサーデバイス24は、たとえば、液体試料を通した光伝達特性を測定するための測光メータを備えるが、分析デバイス20のアプリケーションに応じて、多くの他のタイプのセンサーが使用され得る。
【0094】
電気機械サブアセンブリ26は、試料のアンプルまたはカセットがセンサーデバイス24によって分析され得るように、それらのアンプルまたはカセットを受信し、それらのアンプルまたはカセットを標本処理セクション28内にロードするように構成される。分析に続いて、電気機械サブアセンブリ26は、試料のアンプルまたはカセットをイジェクトし得る。
【0095】
標本処理セクション28は、試料のかくはんまたは必要とされる分析温度への過熱などの事前分析機能を実行し得る。
【0096】
分析ユニット30は、標本処理セクション28内に含有された標本の特性を備えたデータをセンサーデバイス24から受信し得る。分析ユニット30は、センサーデバイス24からのデータに対して1つまたは複数のデータ処理動作を実行し得る。たとえば、分析ユニット30は、センサーデバイス24からの結果が予想される境界範囲内であることを確実にし得る。
【0097】
分析に続いて、分析ユニット30は、通信および制御ユニット32を介したセンサーデバイス24からのデータを、通信ネットワーク21を介して分析デバイス管理のためのシステムに、また最終的に、たとえば、サーバ上でホストされるデータ処理エージェント23に送信し得る。
【0098】
一般的な分析デバイス40の説明は、例示のために提供され、実際の分析デバイスは、より少数のまたはより多数のモジュールおよび機能性を備え得ることを当業者は諒解されよう。
【0099】
ネットワーク内の1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7Aは、幅広い分析デバイスステータスデータを生成し、通信ネットワーク21を介してそのデータをデータ処理エージェント23に送信する。分析デバイスP1A~P7Aの1つまたは複数のモジュールは、異なるタイプの分析デバイスステータスデータ(たとえば、事象データ、結果データ、較正データ、保守管理関連データ)を生成するように構成され得る。
【0100】
たとえば、電源22は、電源22がその残りの容量の10%のみを有することを示すために、分析デバイスステータスデータ「batt_lo_10%」を生成し得る。
【0101】
たとえば、電源22は、電源22がバッテリー故障により、またはバッテリー電源を使い果たしたために、バッテリーを単にシャットダウンしたことを示すために、分析デバイスステータスデータ「batt_shutdown」を生成し得る。
【0102】
たとえば、電気機械サブアセンブリ26は、そのデータが連続的に機能的であることを示す反復「ハートビート信号」として、分析デバイスステータスデータ「motor_PCB_HB」を生成し得る。
【0103】
たとえば、センサーデバイス24は、測光計プリント基板「ハートビート」信号を生成し得る。加えて、センサーデバイス24は、オンボードLEDおよび/またはレーザがクリーニングを必要とすることを示す、分析デバイスステータスデータ「photometer_clean_warn」を生成し得る。
【0104】
たとえば、標本処理セクション28は、試料をセキュアに含有するために分析デバイスの試料処理ドアが閉まっていないことをシグナリングするために分析デバイスステータスデータ「door_jam」を報告し得る。
【0105】
たとえば、制御および通信ユニット32は、分析デバイスの動作温度が、不正確な結果が提供され得る、安全でない温度に近づいていることを示す「temp_hi_90%」信号の形で分析デバイスステータスデータを生成し得る。たとえば、制御および通信ユニット32は、分析デバイス20が過剰な温度のためにオフに切り替えられていることを示す「temp_auto_shutdown」信号の形態で分析デバイスステータスデータを生成し得る。
【0106】
制御および通信ユニット32は、個々の検査のステータスが追跡されることを可能にするために、分析状態のシーケンス(「scan_barcode」、「report_barcode」、「assay_loaded」、「test_result」)のシーケンスとして分析デバイスステータスデータを送信することもできる。
【0107】
制御および通信ユニット32は、内部メモリの状態、現在のソフトウェアまたはファームウェアバージョンなど、分析デバイス20のソフトウェア構成態様、パスワードの成功または失敗などのセキュリティパラメータ、およびネットワーク構成報告設定、分析デバイスのネットワークまたはMACアドレス、および、オプションで、ネットワークアップタイムおよびダウンタイムなど、ネットワーク接続態様を報告する分析デバイスステータスデータを提供し得る。
【0108】
オプションで、分析デバイスステータスデータは、10秒、1秒、0.1秒、0.01秒の精度に、または、たとえば、イーサネットタイムプロトコルまたはネットワークタイムプロトコルによって可能にされるようなより高い精度にすら、制御および通信ユニット32によってタイムスタンプされる。これは、遠隔サーバによってホストされるデータ処理エージェント23が、分析デバイスステータスデータの生成をトリガする事象が発生した時間に対して、受信された分析デバイスステータスデータのシーケンスを再構築することを可能にする。
【0109】
当然、制御および通信ユニット32は、分析デバイス20の制御および通信ユニット32内に含有された規則に基づいて、個々の事象メッセージの連結されたグループを備える、より複雑な分析デバイスステータスデータを生成し得る。
【0110】
オプションで、分析デバイスステータスデータは、患者試料の分析から取得された検査結果データと連結され得る。
【0111】
分析デバイスステータスデータは、当業者によって知られているように、分析デバイス管理のためのシステム内で使用される通信システム16Aに従ってカプセル化されたデータパケットとして送信される。データパケットは、分析デバイスステータスデータを備え、分析デバイスステータスデータのデータ処理エージェントへの信頼できるルーティングを可能にするためにヘッダ情報の何らかの必要な配列を備え得る。データパケットは、1ビットのペイロード情報(たとえば、ハートビートフラグの場合)のみを備え得る。代替として、データパケットは、大量の情報(たとえば、数キロバイトまたは数メガバイト)を備え得る。分析デバイス20の制御および通信ユニット32は、たとえば、所与の時間量にわたって複数の分析デバイスステータスデータメッセージをバッファリングし、メッセージを連結して1つのデータパケットにするように構成され得る。これは、ハンドヘルド分析デバイスのより長いバッテリー寿命をもたらし得る。
【0112】
分析デバイス20の前述の説明は、さらなる通信ネットワーク10Bに通信可能に結合された分析デバイスP1B~P7Bにも適用されることを当業者は諒解されよう。
【0113】
図4は、一態様による、データ処理エージェントをホストするように構成されたサーバ40の一例を概略的に例示する。
【0114】
この例では、サーバ40は、ランダムアクセスメモリ44、読取り専用メモリ46、中央処理装置47、入出力インターフェース48、データ記憶インターフェース50(不揮発性メモリ49に対するインターフェースなど)、ディスプレイインターフェース52、および通信インターフェース54を備えたマザーボード42を備えるが、他の機能性を有する、より少数または多数のモジュールを備えた、多くの異なるタイプのサーバ構成が提供され得ることを当業者は諒解されよう。
【0115】
サーバ40の中央処理装置47は、実行されるとき、サーバ40のランダムアクセスメモリ44内でメッセージフィルタ構成を生成するためにデータ処理エージェントをインスタンス化するコンピュータ可読命令をインターフェース接続された不揮発性メモリ49(たとえば)から取得するように構成される。
【0116】
サーバの通信インターフェース54は、通信ネットワーク21とインターフェース接続するように構成される。分析デバイスP1AからP7Aからの分析デバイスステータスデータは、サーバの通信インターフェース54を介してサーバ40において受信される。
【0117】
オプションで、分析デバイスステータスデータは、中央処理装置47によって処理および分析することによってランダムアクセスメモリ54に直接的に提供される。オプションで、分析デバイスステータスデータは、後続の分析のために不揮発性メモリ49に書き込まれる。
【0118】
オプションで、分析デバイスステータスデータは、外部ファイルストア(図示せず)に書き込まれ(キャッシュされ)得る。中央処理装置47による要求時に、分析デバイスステータスデータに対する要求は、通信ネットワーク21を介して外部ファイルストアに送られ得る。外部ファイルストアは、認証および許可を未決にして、分析デバイスステータスデータをサーバ40に送信し得、サーバ40において、このデータは後続の処理済みであり、注釈データと組み合わされ得る。
【0119】
前述のオプションの実施形態の利点は、大量の分析デバイスステータスデータが、処理される必要があるまで、ロバストに記憶され得ることである。メッセージ優先度表示が受信されるのと同時の、および/またはデータが受信されにときの分析デバイスステータスデータが実行されるようなメッセージフィルタ構成は必須ではない。代替として、2つのタイプのデータは、たとえば、タイムスタンプデータを使用して、後処理ステップにおいて関連付けられ得る。
【0120】
オプションで、メッセージフィルタ構成は、メッセージ優先度表示がデータ処理エージェントによって受信されるとき即時に更新または生成される。
【0121】
データ処理エージェント23は、たとえば、ランダムアクセスメモリ44、もしくは読取り専用メモリ46、入出力インターフェース48、またはデータ記憶インターフェース50から取得された機械可読命令からサーバ40上でインスタンス化される。データ処理エージェント23は、したがって、1つまたは複数の分析デバイスステータスデータ項目、および/または1つもしくは複数のメッセージ優先度表示データ項目を受信するように構成される。サーバ40上でインスタンス化されたデータ処理エージェント23は、後で論じる技法に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成し、メッセージフィルタ構成をデータ構造(信号)として、さらなる通信ネットワーク10Bに通信可能に結合された1つまたは複数のさらなるポイントオブケアデバイスP1B~P7Bに送信するように構成される。
【0122】
オプションで、データ処理エージェント23をホストしているサーバ40は、ローカルディスプレイドライバ56を介して、メッセージ優先度表示データおよび/またはメッセージフィルタ構成をローカルディスプレイ上に表示するように構成される。
【0123】
図5は、自動化POCアナライザP1AからPOC-DMS12Aへの分析デバイスステータスデータの連続的なメッセージングフローによって引き起こされる問題の一例を概略的に例示する。例示的なシナリオでは、分析デバイスP1Aは、メッセージセット60から選択されたメッセージとしてアナライザステータスデータを送信する。図5の例は、データ処理エージェント23によって提供され得るタイプの分析デバイスステータスデータの一例を示す。
【0124】
チャート62は、時間Tにおいて生成されるような分析デバイスによって生成された分析デバイスステータスデータを表し、チャート61は、12時間の早朝シフトを表す。反復ハートビート信号「photo_pcb_HB」は、測光計が信頼できるように動作しているが、時間内に多数のメッセージを生成することを示す。分析デバイスの初期化時に、BIOSチェックは、分析デバイス上にロードされたソフトウェア(ファームウェア)が、たとえば、事象メッセージ62「software_vers_ok」によって示される正確なバージョンのものであることを確実にする。そのすぐ後、分析デバイスのユーザは正確なパスワードを使用してデバイスにログオンし、これは、分析デバイスステータスデータ「pwd_ok」63のさらなる送信を使用してデータ処理エージェントに報告される。シフトの過程を通して、バーコードの走査、バーコードの報告、アッセイのロード、および検査結果の提供を報告する分析デバイスステータスデータの反復シーケンスによって示されるように、8つの分析実行のシーケンスが実行される。およそT=午前9:30に、分析デバイスは、データ処理エージェント23に送信される分析デバイスステータスデータの形態で低バッテリーアラーム「batt_lo_10%」64を報告し始める。
【0125】
自動化POCアナライザP1Aが動作している時間を通して、メッセージデータをPOC-DMS12Aに反復的に送ることによって、「motor_pcb_HB」65および「photo_pcb_HB」66信号が反復的にアサートされる。これらの信号は、POC P1Aのそれぞれのハードウェアサブシステムが正確に機能していることをPOC-DMS12Aに知らせる。しかしながら、そのようなメッセージデータは、POC-DMS12AのGUI内に表示されるとき、「batt_lo_10%」64など、より重要なメッセージを目立たなくすることがある。さらに、代わりに、そのようなメッセージが、データベースなど、不揮発性メモリ内に即時にアーカイブ保存され得るとき、作動メモリ(ランダムアクセスメモリ)44内の「motor_pcb_HB」65および「photo_pcb_HB」66信号など、多数の「ハートビート」信号の記憶および操作は厄介になり、レイテンシが高くなりがちである。異なる製造会社からのさらなるデバイスがネットワーク10A上で動作させられているとき、この問題は悪化するが、それは、分析デバイスメッセージデータのソースがPOC-DMS12Aに知られていない可能性があるか、または知られていないまたは部分的に知られていないフォーマットでデータを送信するためである。
【0126】
第1の態様によれば、したがって、第1のアナライザネットワーク10Aから受信されたメッセージ優先度表示に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成するためのコンピュータ実装方法であって、第1のアナライザネットワークが、分析デバイスステータスデータを生成するように構成された、少なくとも1つの分析デバイスP1Aを備える、コンピュータ実装方法が提供される。この方法は、
データ処理エージェント23において、第1のアナライザネットワーク10A内で分析デバイスステータスデータに割り当てられた優先度を示すメッセージ優先度表示を受信することと、
データ処理エージェント23において、分析デバイスステータスデータのメッセージ優先度表示に基づいて、少なくとも1つのメッセージフィルタ構成72を提供することと、
メッセージフィルタ構成72、またはその一部分を、医学的試料の第2の分析デバイスP1Bを備えた第2のアナライザネットワーク10Bに通信することと
を備える。
【0127】
一実施形態によれば、
データ処理エージェント23において、1つまたは複数のさらなるアナライザネットワークから複数のメッセージ優先度表示を受信することであって、メッセージフィルタ構成72が複数のメッセージ優先度表示に基づいて生成される、受信すること
がさらに提供される。
【0128】
データ処理エージェント23は、第1のネットワーク10A内で分析デバイスステータスデータに割り当てられた複数のメッセージ優先度表示を第1のネットワーク10A内のPOC-DMS12Aから受信する。
【0129】
一例では、POC-DMS12Aのユーザインターフェース24Aのオペレータは、メッセージの第1のセットを「重要でない」(通常の使用においてPOC-DMS12Aによって表示される必要がないという意味で)とマーキングする。暗示的に、マーキングされずに残ったメッセージは「重要である」(また、通常の使用においてPOC-DMS12Aによって表示される必要がある)。
【0130】
たとえば、POC DMS12A上でホストされる管理ソフトウェアは、ユーザが特定のメッセージを「重要でない」とマーキングすることを可能にし、したがって、「重要でない」とマーキングされた特定のメッセージタイプに関連付けられるメッセージ優先度表示を作成する選択ボタンを有する、ユーザインターフェース24Aを備え得る。
【0131】
一例では、「重要でない」とマーキングされた特定のメッセージタイプに関連付けられるメッセージ優先度表示は、特定のメッセージがPOC-DMS12A内で「重要でない」とマーキングされた後、POC-DMS12Aからデータ処理エージェント23に即時かつ直接的に送信される。これは、最小のレイテンシでさらに扱うために、メッセージ重要度表示がデータ処理エージェント23に送信されることを可能にする。
【0132】
最も好都合には、メッセージ優先度表示は、フィールドまたはフラグとして、その表示が関係する分析デバイスステータスデータに添付される。
【0133】
一例では、分析デバイスステータスデータは、「HL7」プロトコル(Health Level Seven、Ann Ardor MI、USA)および/またはASTMプロトコル(たとえば、ASTM 1394 LIS2)に通信準拠である。
【0134】
言い換えれば、メッセージ優先度表示は、その優先度をその表示が報告する分析デバイスステータスデータと連結されるか、またはその中に挿入される。この場合、分析デバイスステータスデータがデータ処理エージェント23において受信されるとき、メッセージ優先度表示は、分析デバイスステータスデータから読み取られ得るか、抽出され得るか、またはカプセル解除され得る。
【0135】
メッセージ優先度表示が、分析デバイスステータスデータに連結されること、もしくはその中に挿入されること、または場合によっては、分析デバイスステータスデータとともに送信されることは、必須ではない。一例では、メッセージ優先度表示は、分析デバイスステータスデータに別々に送信される。
【0136】
一例では、POC-DMS12Aは、メッセージ優先度表示のローカルデータベースを維持する。第1のネットワーク10A内で分析デバイスから受信される各タイプのメッセージに対して、POC-DMS12A内のメッセージ優先度表示のローカルデータベース内のメッセージタイプに関連付けられる記録は、POC-DMS12AのGUIを介してユーザによって提供される「重要である」または「重要でない」の分類で増分される。
【0137】
この例では、データ処理エージェント23は、メッセージ優先度表示のローカルデータベース、またはメッセージ優先度表示のローカルデータベースのサブセットのコピーを、さらなる処理のためにデータ処理エージェント23に転送するために、定期的にまたは非定期的にPOC-DMS12Aに記憶されたメッセージ重要度のローカルデータベースをポーリングするように構成され得る。このようにして、メッセージ優先度表示情報の大きなデータベースは、ネットワークがあまり忙しくないときにデータ処理エージェント23に転送され得るか、またはデータ処理エージェント23は、メッセージ優先度表示のローカルデータベース内に保持される情報のごく一部に対してPOC-DMS12Aをポーリングし得る。
【0138】
一例では、POC-DMS12Aは、データ処理エージェント23が任意の時点でメッセージ優先度表示にアクセスすることを可能にするために、インターネットを介して、メッセージ優先度表示をデータ処理エージェント23によってアクセス可能なメッセージ記憶データベースに連続的にまたはバッチで転送し得る。
【0139】
メッセージ優先度表示は、POC-DMS12Aにおいて受信される各タイプのメッセージに対する2進表示であってよい。しかしながら、メッセージ優先度表示は連続番号(たとえば、ゼロから5の範囲内)であってよいか、またはメッセージ優先度表示は、メッセージ優先度カテゴリのアルファベットから選択されてもよい。メッセージタイプのサブセットは、メッセージのタイプに応じて、異なるタイプの優先度表示を可能にし得る。
【0140】
ハイレベルの観点から、第1のネットワーク10A内のPOC-DMS12Aは、メッセージタイプの有限セット(または、アルファベット)から選択されたメッセージを受信する。メッセージタイプの有限セットは、POCアナライザのタイプ、および第1のネットワーク10Aに接続され、第1のPOC-DMS12Aと通信するように構成された他のデバイス、第1のネットワーク10Aに接続されたデバイスの製造会社、第1のネットワーク10Aに接続されたデバイスのソフトウェア構成、および第1のネットワーク10Aに接続されたデバイスによって実行される検査のタイプなどの考慮によって定義される。メッセージが分析デバイスP1Aによって生成され、第1のPOC-DMS12Aに送信され得る場合、メッセージは、メッセージタイプの有限セット内であると見なされるべきである。
【0141】
第2のネットワーク10B内で分析デバイス(P1B~P7B)によって送られ、第2のネットワーク10B内でPOC-DMS12Bにおいて受信されるメッセージに適用されるメッセージフィルタは、メッセージフィルタ構成72に従って動作する。メッセージフィルタ構成72は、第1のネットワーク10A内で分析デバイスP1A~P7Aから受信されたメッセージ優先度表示に少なくとも部分的に基づいて導出される。
【0142】
メッセージフィルタ構成72は、メッセージタイプの有限セット(入力と見なされる)とメッセージタイプの選好されるサブセット(第2のネットワーク10B内でPOC-DMS12Bにおいてユーザに表示されるメッセージタイプ)の間のマッピングである。メッセージタイプの選好されるセットは、メッセージタイプの全体的なセットのサブセットである。メッセージタイプの全体的なサブセットとメッセージタイプの選好されるサブセットの間のマッピングは、たとえば、第1のネットワーク10A内でPOC-DMS12AにおいてPOC-DMSのGUIを介して受信されるメッセージ優先度表示に基づいて提供される。
【0143】
メッセージフィルタ構成72の定義内で、メッセージフィルタ構成72がメッセージタイプの全体的なセットから選好されるメッセージタイプのサブセットを表示するタスクを実行するようにメッセージフィルタ構成72を生成するための幅広い手法を当業者は諒解されよう。
【0144】
一例では、メッセージフィルタ構成72は、単一のメッセージタイプに対して受信されるメッセージ優先度表示のしきい値に基づいて生成され得る。
【0145】
一例では、メッセージフィルタ構成72は、複数のメッセージタイプの影響を受ける論理規則に基づいて生成され得る。
【0146】
一例では、メッセージフィルタ構成72は、ネットワーク構成、ユーザ情報、および/またはメッセージ優先度表示をもたらす所与のメッセージの由来元のコンテキストの考慮に基づいて生成され得る。
【0147】
一例では、メッセージフィルタ構成72は、第1のPOC-DMS12Aの特定のユーザの識別に応じて、データ処理エージェント23によって生成される。特定のユーザの識別は、たとえば、POC-DMS12Aのログオン資格から取得され得る。この例では、複数のメッセージフィルタ構成72は、POC-DMS12Aのユーザの数に対応して生成される。特定のユーザが第2のネットワーク12Bに基づいて第2のPOC-DMS10Bにログオンするとき、第2のPOC DMS10Bは、特定のユーザの識別に対応するメッセージフィルタ構成72をデータ処理エージェント23から要求するように構成される。このようにして、POC-DMS12A、12Bの特定のユーザによって選好されるメッセージフィルタ構成72は、たとえば、作業ロケーション間で転送され得る。
【0148】
一実施形態によれば、メッセージフィルタ構成を提供することは、
メッセージ優先度表示に関連する分析デバイスステータスデータのタイプを識別することと、
記録を、メッセージフィルタ構成72を定義するデータ構造内に記録を挿入するかまたは更新することであって、記録内の値が、分析デバイスステータスデータの識別されたタイプに割り当てられた優先度を記憶する、挿入するかまたは更新することと、
メッセージの識別されたタイプに対応するメッセージ優先度表示72に基づいて、記録内に保持された値を調整し、それによりメッセージフィルタ構成を提供することと
を備える。
【0149】
図6は、分析デバイスステータスデータのメッセージ優先度表示に基づいて、メッセージフィルタ構成72を生成する一例を概略的に例示する。たとえば、メッセージ優先度表示の総数のカウントは、各タイプのメッセージに関して「重要でない」とマーキングされたメッセージ優先度表示の数とともに、メッセージ蓄積データベース68内で集められる。メッセージ蓄積データベース68はデータ処理エージェント23において連続的に蓄積され、POC-DMS12Aにおいてローカルデータベースとして記憶され得るか、またはインターネット上のどこかに記憶され、必要なときにポーリングされ得る。メッセージ蓄積データベース68の質的な調査は、POC-DMS12Aのユーザが「HB」で終わるハートビート信号を多少重要でないと見なすが、「test_result」メッセージのいずれも取り消さなかったことを明らかにする。
【0150】
この例では、各タイプのメッセージに対するカテゴリ重要度比率は、カテゴリ重要度データ構造69内で提供される結果を用いて計算される。各タイプに対して、カテゴリ重要度比率は、所与のタイプの「重要でない」とマーキングされたメッセージの数をそのタイプの受信されたメッセージの総数で除算した数を表す。
【0151】
この例では、各タイプのメッセージに対するポピュレーション(population)重要度比率が計算され、結果がポピュレーション重要度データ構造70内で提供される。任意のタイプのメッセージの総数が蓄積される。各タイプのメッセージに対して、「重要でない」とマーキングされたメッセージの数が任意のタイプのメッセージの総数によって除算される。
【0152】
メッセージフィルタ構成の一例は、各タイプのメッセージに関して、そのメッセージが分析デバイスを備えた第2のネットワーク12B内でさらなるPOC-DMS12Bにおいて受信されるとき、所与のメッセージタイプが表示されるべきか否かの2進表示を含有するデータ構造72である。
【0153】
メッセージフィルタ構成72は、第1のネットワーク10A内でPOC-DMS12Aにおいて受信されるメッセージ優先度表示に基づいて生成される。
【0154】
一例では、メッセージフィルタ構成72は、フィルタ規則セット71に基づいて生成される。図6において、フィルタ規則セット71内の第1のフィルタ規則は、カテゴリ重要度比率が所与の比率(0.15)未満である場合、所与のタイプのメッセージが表示され得ることを定義する。
【0155】
フィルタ規則セット71内の第2のフィルタ規則は、2つの条件が満たされる場合、すなわち、第一に、所与のメッセージタイプに対するポピュレーション重要度比率が所与の比率(0.1)未満である場合、第2に、メッセージタイプが、「test_result」タイプではない場合、所与のタイプのメッセージが表示され得ることを定義する。
【0156】
したがって、メッセージフィルタ構成72を生成するために、1つまたは複数のフィルタ規則が受信されたメッセージ優先度表示に適用される。提供される2つの規則は例であり、メッセージ重要度の発見を可能にする多くのフィルタ規則が提供され得ることを当業者は諒解されよう。
【0157】
その後、データ処理エージェント23は、メッセージフィルタ構成72を第2のネットワーク10B内でPOC-DMS12Bに送信し得る。第2のネットワーク10B内のPOC-DMS12Bは、データ処理エージェント23から受信されるメッセージフィルタ構成を使用して、第2のネットワーク10B内で分析デバイスP1B~P7Bから受信されるメッセージの着信セットをフィルタリングする。
【0158】
メッセージフィルタ構成23は、多くの異なる方法で、分析デバイスステータスデータのメッセージ優先度表示に基づいて提供され得る。
【0159】
分析デバイスによって生成された分析デバイスステータスデータは、オプションで、タイムスタンプされる。代替または追加として、メッセージ優先度表示は、ユーザが、POC-DMS12Bを使用して、メッセージタイプのセット内のメッセージタイプを「重要でない」とマーキングするとき、オプションで、タイムスタンプされる。したがって、個々のメッセージ優先度表示がメッセージフィルタ構成72に提供する重みは、個々のメッセージ優先度表示が提供された時間に基づいて、または代替として、個々のメッセージ優先度表示に関連付けられる分析デバイスステータスデータのタイムスタンプに基づいて、異なり得る。
【0160】
一実施形態によれば、メッセージフィルタ構成は、時間ベースの関数として部分的にまたは完全に調整される。
【0161】
一実施形態によれば、メッセージフィルタ構成72の記録内に保持される少なくとも1つの値は、メッセージ優先度データがリンクされる分析デバイスステータスデータの生成時間に基づいて調整される。
【0162】
一実施形態によれば、メッセージフィルタ構成72の記録内に保持される少なくとも1つの値は、メッセージ優先度データの生成の時間に基づいて調整され、分析デバイスステータスデータ項目にリンクされる。
【0163】
たとえば、メッセージフィルタ構成72は、過去に所与の時間量を超えて生成されたメッセージ優先度データを除いて、毎年、毎月、毎週、または毎日の終わりに再計算され得る。これは、メッセージフィルタ構成72が一定のメッセージタイプが再度表示され得ない程度まで異ならないことを確実にする。
【0164】
一実施形態によれば、
メッセージ優先度表示が由来する第1のアナライザネットワーク10A内の分析デバイスのネットワーク構成を少なくとも部分的に特徴付けるネットワーク構成データを取得することと、
前記第1のアナライザネットワーク10Aのネットワーク構成データに少なくとも部分的に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成または更新することと
がさらに提供される。
【0165】
図1のネットワーク構成図を再度参照すると、第1のネットワーク10Aは、第1の医療機関(ローカルクリニック)18A内の第1の分岐および第2の医療機関(総合病院)19Aの第2の分岐を備える。第1の分岐は、タイプ「1」のハンドヘルド分析デバイスP5AおよびP6A、タイプ「2」のハンドヘルド分析デバイスP4A、およびいくつかのデスクトップ分析デバイスを少なくとも備える。医療機関19A内の第2の分岐は、タイプ「1」のハンドヘルド分析デバイスP2AおよびP3A、ならびにタイプ「2」のハンドヘルド分析デバイスP1Aを少なくとも備える。さらに、医療機関19Aの第2の分岐は、デスクトップ分析デバイスの異なる配列を有する。
【0166】
ネットワーク構成データは、たとえば、ネットワークトポロジーを取得するための第1のネットワーク10Aの分析デバイスデータに対してSNMP分析(単純なネットワーク管理プロトコル)を実行することによって取得され得る。代替または追加として、第1のネットワーク10A内のPOC-DMS12Aは、第1のネットワーク10Aのネットワーク構成に関する詳細を提供するレジストリデータ構成を備え得る。この情報は、ネットワーク上のデバイスのMACアドレス、分析デバイスのファームウェア内に保持される製造会社登録番号、または分析デバイスのIPもしくはネットワークアドレスを参照することによって発見され得る。
【0167】
ネットワーク構成データに少なくとも部分的に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成または更新する利点は、所与のタイプの分析デバイスP1A~P7AがPOC-DMS12Aにおいて閲覧されなくてよいタイプの過剰な数のメッセージを生成することが分かり得ることである。本実施形態は、ネットワーク10A内のあるタイプのPOC P2A、P3Aの存在を識別する。POC-DMS12Aにおいて閲覧されなくてよいタイプの過剰な数のメッセージを生成するタイプのPOC P2A、P3Aの識別時に、1つまたは複数のエントリーが、POC-DMS12Aにおいて閲覧されなくてよいタイプのメッセージをフィルタリングすることが可能なメッセージフィルタ構成72に追加され得る。しかしながら、ネットワーク10A内にあるタイプのPOC P2A、P3Aの存在が見出されない場合、そのようなエントリーは、メッセージフィルタ構成72に追加されなくてよく、エントリーはメッセージフィルタ構成72から省かれる。
【0168】
分析デバイスP1A~P7Aが、病院の異なる部門を移動する、異なる設定で使用される、修理に出される、教育コンテキストにおいて使用される、またはさらに患者の往診のシーケンスにおいて訪問看護師によって使用されるように病院から除去されるにつれて、分析デバイスP1A~P7Aの内部状態を説明する分析デバイスメッセージのパターンは変更されることになる。
【0169】
たとえば、病院内に存在する分析デバイスは、許容動作温度に留まり得るが、冬の間に夜通し訪問看護師の車の中に残された分析デバイスは、許容動作温度を下回り、したがって、低温度制限通知を備えた分析デバイスデータのストリーミングをトリガし得る。この例のために、POCアナライザが使用中に許容動作温度にあることを条件に、夜通し寒い車の中にPOCアナライザを残すことは許容され得るため、POC-DMS GUI上でのPOC管理者に対するそのようなメッセージの送信、記録、および表示は、不要になる。しかしながら、実際には、コンテキストの変化によって引き起こされるそのような状態が問題であるか否かを決定するために、POC管理者が自らの責任で多数のデバイスの動作コンテキストを監視することは、非常に困難になる。
【0170】
分析デバイスステータスデータのパターンに対するそのような微妙なまたは著しい変更は、分析デバイスP1A~P7Aのセット内の各分析デバイスに対して、各分析デバイスの使用のコンテキストを識別するために使用され得る。分析デバイスのうちの1つまたは複数が別個の使用コンテキストで使用されることが将来識別されるとき、分析デバイスステータスデータが、アナライザの使用コンテキストに従って自動的にフィルタリングされ得るように、別個のコンテキストに由来する分析デバイスステータスデータには、POC-DMS12Aのユーザによって異なる優先度が割り当てられてよい。
【0171】
一実施形態によれば、
コンテキスト識別エンジン78を使用して、第1のアナライザネットワーク10Aおよび/もしくは第1のアナライザ管理システム12A、ならびに/またはメッセージ優先度表示が由来する少なくとも1つの分析デバイスP1Aのうちの1つまたは複数のコンテキストを識別することと、
識別されたコンテキストに基づいて、メッセージフィルタ構成を提供または更新することと
がさらに提供される。
【0172】
一実施形態によれば、複数のメッセージフィルタ構成は、複数の識別されたコンテキストに対応して生成される。
【0173】
一実施形態によれば、識別された第1のコンテキスト内に存在する分析デバイスに由来する第1の複数の分析デバイスステータスデータ項目に第1の複数のメッセージ優先度表示が割り当てられる。識別された第2のコンテキスト内に存在する分析デバイスに由来する第2の複数の分析デバイスステータスデータ項目に第2の複数のメッセージ優先度表示が割り当てられる。識別された第1のコンテキスト内の分析デバイスに由来する後続の分析デバイスステータスデータをフィルタリングするための第1のメッセージフィルタ構成72は、第1の複数のメッセージ優先度表示を使用して生成される。識別された第2のコンテキスト内の分析デバイスに由来する後続の分析デバイスステータスデータをフィルタリングするための第2のメッセージフィルタ構成は、第2の複数のメッセージ優先度表示を使用して生成される。
【0174】
オプションで、第1および第2のメッセージフィルタ構成は、同一の規則セットを使用して生成されてよく、同一の規則セットは、第1のメッセージフィルタ構成を生成するために第1の複数のメッセージ優先度表示に適用され、同一の規則セットは第2のメッセージフィルタ構成を生成するために前記第2の複数のメッセージ優先度表示に適用される。
【0175】
オプションで、第1のメッセージフィルタ構成72aは、第1の規則セットを使用して生成され得、第1の規則セットは、第1のメッセージフィルタ構成を生成するために第1の複数のメッセージ優先度表示に適用される。第2のメッセージフィルタ構成72bは、第2の規則セットを使用して生成され得、第2の規則セットは、第2のメッセージフィルタ構成を生成するために第2の複数のメッセージ優先度表示に適用され、第2の規則セットは第1の規則セットとは異なる。
【0176】
オプションで、コンテキスト識別エンジン78は、第1の分析デバイスの1つまたは複数の使用コンテキストを追跡する第1のインスタンスを備える。
【0177】
オプションで、コンテキスト識別エンジン78は、第2の分析デバイスの1つまたは複数の使用コンテキストを追跡する第2のインスタンスを備え、第1のインスタンスの複数の使用コンテキストは、第2のインスタンスの使用コンテキストとは異なる。
【0178】
オプションで、コンテキスト識別エンジン78の第1のインスタンス78aは、第1の有限状態機械であり、コンテキスト識別エンジンの第2のインスタンス78bは、第2の有限状態機械である。第1の有限状態機械および第2の有限状態機械は、同一の状態および/または状態遷移配列を備える。第1および第2の有限状態機械は、POC管理システム(POC-DMS)、および/または分析デバイスP1A~P7Aのうちの1つもしくは複数のうちの少なくとも1つから入力刺激要因を受信する。
【0179】
オプションで、コンテキスト識別エンジン78の第1のインスタンス78aは、第1の有限状態機械であり、コンテキスト識別エンジン78の第2のインスタンス78bは、第2の有限状態機械である。第1の有限状態機械および第2の有限状態機械は、異なる状態および/または状態遷移配列を備える。第1および第2の有限状態機械は、POC管理システム(POC-DMS)、および/または分析デバイスP1A~P7Aのうちの1つもしくは複数のうちの少なくとも1つから入力刺激要因を受信する。
【0180】
述べたように、一例では、メッセージフィルタ構成72は、関連するメッセージ優先度表示につながりのある分析デバイスステータスデータ(メッセージ)項目を生成する分析デバイスP1A~P7Aの使用コンテキストの考慮に基づいて生成され得る。
【0181】
分析デバイスP1Aの使用コンテキストは、後で論じるように、多くの異なる入力刺激要因に基づいて推論され得る。
【0182】
1つの例示的な使用事例では、第1のコンテキストは、POC-DMS12Aのコンテキストであり、関連する分析デバイスP1A~P7Aが事故および救急病棟内に位置する。事故および救急病棟内で、多数のポータブル分析デバイスP1A~P7Aは、仕切られた室内で運ばれ、バッテリー電源に主に依存することになるが、これらのデバイスは平均検査数よりも性能が若干低い可能性がある。データ通信は、たとえば、セキュアなWi-Fiなど、ワイヤレスネットワークを介する。分析デバイスP1Aを床に落とす、またはさらに分析デバイスP1Aを戸棚の中に誤って置くなど、機械事故は、忙しい事故および救急病棟内でより頻発し得る。したがって、事故および救急コンテキストにおける分析デバイスP1A~P7Aは、「低バッテリー」メッセージ、データ通信、加速度計衝撃メッセージ、またはワイヤレス通信構成メッセージを平均よりも多く報告する可能性がある。これらのうちのいくつかは、反復的であり、事故および救急部門コンテキスト内のPOC-DMS12Aを関連付けるために使用され得る。
【0183】
たとえば、第2のコンテキストは、POC-DMS12A、および病理検査室内に位置する関連分析デバイスP1A~P7Aのコンテキストである。この場合、分析デバイスP1A~P7Aの高いスループット使用は、品質管理リマインダ、成分または試薬の充填レベルリマインダ、および他のコンテキストと比較して毎時間の多数の検査などが、病理検査室内に位置する関連POC-DMS12Aにおいて平均よりも頻発することを意味し得る。
【0184】
たとえば、第3のコンテキストは、POC-DMS12A、および教育環境に位置する関連分析デバイスP1A~P7Aのコンテキストである。現代の分析デバイスP1A~P7Aは、多数のメッセージを生成し得るが、これらのメッセージのうちのいくつかは、教育またはトレーニング環境において、特に、結果が「実際の」医療事例では使用されていないとき、注意をそらせる可能性がある。したがって、教育またはトレーニング環境における関連POC-DMS12Aのユーザは、たとえば、基本的な検査結果メッセージの重要度を高め、反復的なハードウェア監視メッセージの重要度を強調しないことを選好し得る。
【0185】
これらの例示的なコンテキストは各々、各コンテキスト内でPOC-DMS12Aに達するメッセージのフローにおいて技術的な独特の差異をもたらす特定の特性を有する。メッセージの差異は、使用コンテキスト間の質的な差異から生じ得る。したがって、メッセージフィルタリングは、分析デバイスP1A~P7Aが使用されるコンテキストに基づいて調整され得る。これは、ポータブル分析デバイスP1A~P7Aが立て続けにコンテキスト間で変換されるとき(分析デバイスが教育環境から事故および救急環境に移動されるなど)に特に有利である。
【0186】
コンテキスト識別エンジンは、所与の分析デバイスP1A~P7Aが動作しているコンテキストを推論または発見するために、ネットワーク10A、POC-DMS12A、または分析デバイスP1A~P7Aのうちの少なくとも1つから利用可能な幅広い範囲の情報を使用し得る。異なるコンテキスト内で分析デバイスP1A~P7Aからのメッセージをフィルタリングするために異なるメッセージフィルタ構成72を生成することは、分析デバイスが第1のコンテキスト内にあるときには関連しないが、分析デバイスが第2のコンテキストにあるときには関連するメッセージが、たとえば、データ処理エージェント23によって生成された複数のメッセージフィルタ構成72を受信した第2のネットワーク10BのPOC-DMS12Bにおいて、自動的に、ユーザ介入なしに、表示されることを意味する。
【0187】
図7は、個々の分析デバイスP1Aのコンテキストをモデル形成する状態機械78の一意のインスタンスを例示する。
【0188】
潜在的な使用事例の前述の議論に基づいて、状態機械は、「未定状態」とともに、「事故および救急」、「病理検査室」、ならびに「教育環境」状態を有し得る。
【0189】
図7の例では、コンテキストに対する状態の割当て、状態間の状態遷移のマッピング、および状態間の遷移を定義する入力刺激要因(信号)または入力刺激要因の組合せの選択が、例示的な例として提供される。追跡されることが意図されるコンテンツの数に基づいて、より多数の、またはより少数の、状態が提供され得ることを当業者は諒解されよう。状態間の状態遷移は、多くの異なる方法で提供され得る。そのような状態間の遷移を定義する入力刺激要因は、データ処理エージェント23に利用可能な多種多様な異なるソースから取得され得る。
【0190】
コンテキスト識別エンジン内の状態機械78は、不定状態82に方向づけられた開始エッジ80を備える。状態が「教育」86、「A&E」84、または「PATH」88に変更されるべきであることを示す条件が不在である場合、状態機械は不定状態の周囲に残り81、コンテキストを現在決定することができないことを示す。この場合、多くの異なるコンテキストに適用可能なデフォルトメッセージフィルタ構成として、メッセージフィルタ構成72が出力される。
【0191】
オプションで、コンテキスト識別エンジンが、分析デバイスP1Aが不定コンテキスト内にあることを識別するとき、すべてのメッセージタイプに対するメッセージフィルタ構成72a内のすべての記録は、すべてのメッセージがデータ処理エージェントから転送されることを確実にするように1(unity)に設定される。
【0192】
データ処理エージェント23は、ユーザが「学生」のステータスで分析デバイスP1Aにログオンすることを検出し得る。状態機械は、「不定」状態を出て、「教育」状態86に入る。状態機械は、POC-DMS10Aが、ユーザが分析デバイスP1Aをログオフすることを検出するまで、「教育」状態86に留まり、その場合、状態機械は「不定」状態に再度入る。
【0193】
コンテキスト識別エンジンが、分析デバイスP1Aが「教育」状態にあることを識別するとき、メッセージフィルタ構成72内のメッセージタイプに関する記録は、教育割当てに無関係なアナライザステータスデータが分析デバイスP1A、BまたはPOC-DMS23A、BのGUIを介して学生に表示されないことを確実にするように設定され得る。
【0194】
この例では、不定状態82から開始して、ネットワーク10Aのネットワーク構成「NETWORK_CONFIG」が、事前に割り当てられた条件に整合すると検出されるとき、状態機械は「A&E」状態83に遷移する。ネットワーク構成は、たとえば、分析デバイスP1Aが、「A&E」部門を示す他のネットワークデバイスの一意の配置と組み合わされて使用されるとき、条件「NETWORK_CONFIG」に整合するように変更され得る。代替として、ネットワーク構成は、ネットワーク構成ディレクトリ内でルックアップされ、分析デバイスのネットワークアドレス(または、IPアドレス)が「A&E」部門におけるネットワークアドレス範囲に整合することを明らかにし得る。
【0195】
コンテキスト識別エンジンが、分析デバイスP1Aが「A&E」コンテキスト内にあることを識別するとき、メッセージフィルタ構成72cを生成するために、「A&E」コンテキスト内の分析デバイスP1Aから出力される分析デバイスデータに関するメッセージ優先度表示が使用される。
【0196】
図7の例では、「NETWORK_CONFIG」がアサートされないとき、状態機械は「A&E」を去り、不定状態82に戻る。
【0197】
図7の例では、コンテキスト識別エンジンが、「ASSAY_TYPE」信号が挿入され、分析デバイスが病理検査室コンテキスト内でのみ実行され得るアッセイが実行されていることを暗示することを識別するとき、状態機械は、「PATH」状態88に遷移し、「ASSAY_TYPE」信号が、分析デバイスが病理コンテキスト内でのみ実行され得るアッセイを実行しないことを定義する状態に変更されるまで、そこに留まる。
【0198】
コンテキスト識別エンジンが、分析デバイスP1Aが「PATH」コンテキスト内にあることを識別するとき、メッセージフィルタ構成72dを生成するために、「PATH」コンテキスト内の分析デバイスP1Aから出力される分析デバイスデータに関するメッセージ優先度表示が使用される。
【0199】
図8は、単一の分析デバイスのコンテキストを追跡することが可能なコンテキスト識別エンジンの一部分内に含まれた第1のネットワーク10A内の各アクティブな(オンに切り替えられた)分析デバイス(POCデバイス)に対して複数の一意のインスタンス78a、78bを維持するコンテキスト識別エンジン78の一例を概略的に例示する。
【0200】
たとえば、コンテキスト識別エンジン78は、第1のコンテキスト識別インスタンス78aを使用して、分析デバイスP1Aのコンテキストを追跡する。この例では、コンテキスト識別インスタンス78aは、上記で論じた4つの考えられる状態を有する上記で論じた有限状態機械であり得るが、より多数のもしくはより少数の、または異なるコンテキスト追跡手法が適用され得ることを当業者は諒解されよう。
【0201】
コンテキスト識別エンジン78は、第2のコンテキスト識別インスタンス78bを使用して、分析デバイスP2Aのコンテキストを追跡する。この例では、コンテキスト識別インスタンス78bも、上記で論じた4つの考えられる状態を有する上記で論じた有限状態機械であるが、より多数のもしくはより少数の、または異なるコンテキスト追跡手法が適用され得ることを当業者は諒解されよう。
【0202】
コンテキスト識別エンジン79は、P1AおよびP2A自体によって出力される分析デバイスデータから、ログオンサーバから、など、ネットワークアドレスサーバなど、P1AおよびP2Aのコンテキストを推論するために使用される入力信号を受信する。
【0203】
したがって、P1Aによって出力される分析デバイスに関して提供されるメッセージ優先度表示は、コンテキスト識別インスタンス78aによって現在識別されている4つの利用可能なコンテキストからの1つのコンテキストで索引付けされる。P1Bによって出力される分析デバイスデータに関して提供されるメッセージ優先度表示は、コンテキスト識別インスタンス78bによって現在識別されている4つの利用可能なコンテキストのうちの1つのコンテキストで索引付けされる。この例でメッセージ優先度表示が提供される1つの方法は、ユーザが、POC-DMS12AのGUI24Aを使用してP1AおよびP1Bからの分析デバイスデータを「重要でない」としてマーキングすることによってであるが、本書で論じる他のメッセージ優先度表示手法が使用されてもよい。
【0204】
したがって、P1Aから受信される分析デバイスデータの時系列は、時系列90aにおいて概略的に例示されている。T=00:00とT=05:00の間で、P1Aは、時系列90aの領域91において示されるコンテキスト「1」内にある。T=05:00とT=12:00の間で、P1Aは、時系列90aの領域92において示されるコンテキスト「2」内にある。
【0205】
P2Aから受信される分析デバイスデータの時系列は、時系列90bにおいて概略的に例示されている。T=0:00とT=06:00の間で、P1Aは、時系列90bの領域93において示されるコンテキスト「2」内にある。T=06:00とT=12:00の間で、P1Aは、時系列90bの領域94において示されるコンテキスト「1」内にある。
【0206】
P1AまたはP2Aのいずれかから受信されるコンテキスト「1」内の分析デバイスデータに関する複数のメッセージ優先度表示は、メッセージフィルタ構成F1(x)72aを生成するために使用される。
【0207】
P1AまたはP2Aのいずれかから受信されるコンテキスト「2」内の分析デバイスデータに関する複数のメッセージ優先度表示は、メッセージフィルタ構成F2(x)72bを生成するために使用される。
【0208】
メッセージフィルタ構成F1(x)およびF2(x)は、次いで、メモリ96内に記憶され得る。
【0209】
このようにして、複数のメッセージフィルタ構成23a、23bは、分析デバイスが使用されるコンテキストに応じて生成され得る。オプションで、メッセージフィルタ構成は、異なる時点で異なる分析デバイスから、しかしながら共有されるコンテキスト内で、出力される分析デバイスデータに由来するメッセージ優先度表示から組み立てられ得るが、これは必須ではない。
【0210】
分析デバイスP1Aのコンテキストを追跡するための状態機械の使用は、状態機械の遷移の配列に基づいて執行されるコンテキスト間の順序依存性を可能にするため、この使用は有益であり得る。たとえば、事故および救急部門コンテキストと教育コンテキストの間の分析デバイスP1Aの遷移は、分析デバイスがそのような部門同士の間で交換されることが物理的に可能である、教育が行われる病院において自明であり得る。しかしながら、分析デバイスP2Aが教育コンテキストから往診コンテキストに移されることは可能でないことがある。
【0211】
分析デバイスのコンテキストを追跡するための有限状態機械の使用は必須ではなく、コンテキスト追跡の概念を例示するために本説明において使用されることを当業者は諒解されよう。有限状態機械は、指定されたコンテキスト遷移規則を用いてコンテキストの有限セットを追跡するために有益に使用され得る。代替として、または組み合わせて、コンテキスト識別は、1つの階層的状態機械、または階層的状態機械の組合せを採用し得る。代替として、特定のコンテキスト内の分析デバイスの存在の決定は、分析デバイスもしくはPOC-DMS、またはBayesian分類器から受信される刺激要因によって検出される採決方式(voting scheme)に基づいて行われ得る。
【0212】
一例では、コンテキスト識別エンジンの一意のインスタンスは、第1のネットワーク10A内の各アクティブな(オンに切り替えられた)分析デバイスに対して維持される。これは、複数のポータブル分析デバイスP1A~P7Aが異なるコンテキスト内で同時に追跡されることを可能にするか、またはそれらのデバイスが異なるコンテキストを移動するにつれて、また複数のポータブル分析デバイスP1A~P7Aの各ポータブル分析デバイスからのメッセージの扱いが複数の分析デバイスP1A~P7Aの各ポータブル分析デバイスのコンテキストに基づいてフィルタリングされるために。
【0213】
オプションで、アクティブな(オンに切り替えられた)分析デバイスのコンテキスト識別エンジン78の一意のインスタンス78aが、入力の最新セットに基づいてコンテキスト識別エンジン78を使用して分析デバイスをコンテキストに関連付けることができない場合、コンテキストは不定(未知)状態であると決定され、これは、不定コンテキスト内のPOCから分析デバイスステータスデータに関するメッセージ優先度選択肢に対するデフォルトメッセージフィルタ構成を提供する。
【0214】
一例では、単一のポータブル分析デバイスのコンテキストは、有限状態機械78(状態機械と略される)内の1つまたは複数の状態として、コンテキスト識別エンジン内のインスタンスによってモデル形成され得る。有限状態機械78に対する入力76は、コンテキスト決定エンジンによって行われるコンテキスト決定のための入力データの豊富なソースを提供する、第1のネットワーク内のPOC-DMS10Aに利用可能なデータのうちのいずれかから取得され得る。
【0215】
たとえば、有限状態機械78は、第1のネットワーク内のPOC-DMS10Aからの入力76として、単一の分析デバイスまたは複数の分析デバイスのネットワーク構成情報、分析デバイス内部動作情報、特定のPOCに対するユーザログイン情報、ユーザ証明書データ、分析デバイスの地理的ロケーションデータ、および特定の分析デバイスに対して実行されるアッセイタイプに関する情報のうちの1つまたは複数を利用し得る。コンテキストの決定を可能にするために、情報のさらに多くのソースが少なくともPOC-DMS10Aから取得され得る。
【0216】
たとえば、状態機械78は、複数のメッセージフィルタ構成72a、72b、72c、および72dを出力として提供し得る。複数のメッセージフィルタ構成72a、72b、72c、および72dの各メッセージフィルタ構成は、状態機械78内の状態に対応する。
【0217】
個々の分析デバイスP1Aが識別されるとき、状態機械78の一意のインスタンスがコンテキスト識別エンジン内でインスタンス化される。状態機械78の一意のインスタンスは、個々の分析デバイスP1Aに関連するコンテキストを追跡する。個々の分析デバイスP1Aに関連するコンテキストが識別され得ない場合、個々の分析デバイスP1Aのコンテキストをモデル形成する状態機械78の一意のインスタンスは、不定状態82に留まる。
【0218】
個々の分析デバイスP1Aのコンテキストをモデル形成する状態機械78の一意のインスタンスの1つまたは複数の状態に対して、メッセージフィルタ構成のインスタンスが存在する。3つのコンテキスト間の個々の分析デバイスP1Aのコンテキストおよび1つの未定コンテキストをモデル形成する、状態機械78の1つのインスタンスのみが存在する場合、メッセージフィルタ構成72a、72b、72c、および72dの4つのインスタンスが提供される。
【0219】
一実施形態によれば、1つまたは複数のコンテキストが様々な方法で決定される。具体的には、コンテキスト決定は、次のように列挙される、1つのデータまたはデータの任意の組合せに基づき得る。
(i)コンテキスト決定は、第1のアナライザネットワークのデバイス構成を少なくとも部分的に特徴付けるネットワーク構成データに基づき得る。たとえば、ネットワーク10A上の分析デバイスの一定のタイプの存在または不在は、デバイスコンテキストの識別を可能にする。たとえば、一定のタイプの分析デバイスは、ポータブルではなく、病理検査室においてのみ使用されるが、他のタイプの分析デバイスはポータブルである。さらに、ネットワークサーバは、ネットワークアドレスのレジストリを維持し得る。分析デバイスデータがネットワークアドレスの予想される範囲内から受信されるとき、アナライザデータがいくつかのデバイスコンテキストのうちの1つから受信されているネットワークアドレスのレジストリを使用して判定が行われ得る。
(ii)コンテキスト決定は、後でメッセージ優先度表示が割り当てられたメッセージを送った少なくとも1つの分析デバイスの内部構成データに基づき得る。たとえば、分析デバイスによって送られたメッセージのタイプは、それ自体が、分析デバイスの動作コンテキストの識別、または推論を可能にする。内部構成データは、分析デバイスが実行することが可能な検査、分析デバイスのソフトウェア構成およびファームウェアバージョンに関する情報、分析デバイスの保守管理状態に関する情報など、に関し得る。
(iii)コンテキスト決定は、後でメッセージ優先度表示が割り当てられたメッセージを送った少なくとも1つの分析デバイスのバッテリー寿命データに基づき得る。たとえば、往診看護師のコンテキスト内で使用される分析デバイスは、事故および救急室のコンテキスト内で使用される分析デバイスほど頻繁に充電され得ず(より多くの充電ソケットの近接性により)、したがって、分析デバイスに関するバッテリー寿命データおよび/または充電データは、分析デバイスの使用のコンテキストに関する何らかの推論を可能にし得る。
(iv)コンテキスト決定は、後でメッセージ優先度表示が割り当てられたメッセージを送った少なくとも1つの分析デバイスの品質管理データに基づき得る。分析デバイスによって提供される結果に関する品質管理データは、分析デバイスの保守管理状態についての知見を提供し得る。たとえば、頻繁に使用される分析デバイスは、より頻繁に再校正を必要とし得る。
(v)コンテキスト決定は、メッセージ優先度表示が生成された時間において、またはその時間近くで、関連付けられる少なくとも1つの分析デバイスに対して実行されるアッセイタイプに基づき得る。たとえば、特定のアッセイタイプは、病院のある部門においてのみ与えられることがあり、したがって、特定のアッセイタイプの分析デバイスデータに関するメッセージ優先度表示の受信は、分析デバイスデータの由来元のコンテキストのさらなる推論を可能にする。
(vi)コンテキスト決定は、メッセージ優先度表示および/または分析デバイスデータが生成された時間に基づき得る。たとえば、使用コンテキストを推論するためのさらなる情報を提供するために、分析デバイスデータ項目の生成の時間がスタッフシフトパターンと比較され得る(スタッフのあるサブセットによる使用が使用コンテキストの推論を可能にする)。
(vii)コンテキスト決定は、少なくとも1つの分析デバイスおよび/または第1の分析デバイス管理システムのロケーションデータに基づき得る。たとえば、ロケーションデータは、1つまたは複数の分析デバイスのGPS座標を備え得る。ロケーションデータは、分析デバイスとその分析デバイス管理システム(POC-DMS)12Aの間の分離距離を備え得る。ロケーションデータは、ジオフェンシング条件を備えてよく、1つまたは複数の地理的境界が定義され、たとえば、ジオフェンシングされた領域内の複数の分析デバイスの存在、または不在が、2値ベクトルによって表される。
(viii)コンテキスト決定は、少なくとも1つの分析デバイスおよび/または第1の分析デバイス管理システムのオペレータデータおよび/または証明書データに基づき得る。
(ix)コンテキスト決定は、アナライザデータのコンテンツに基づき得る。たとえば、ユーザが分析デバイスP1Aにログオンすると、分析デバイス管理システム(POC-DMS)12Aは、そのユーザに関するユーザ分類データを取得するために、ユーザデータベースに問い合わせることができる。たとえば、ユーザ分類データは、ユーザの職位、ユーザの証明書ステータス、ユーザのシフトプランデータ、などを備え得る。
(x)コンテキスト決定は、少なくとも1つの分析デバイスから受信されたメッセージ数のカウントに基づき得る。
(xi)コンテキスト決定は、第1のアナライザネットワークおよび/または第1の分析デバイス管理システムPOC DMS1の前の構成を定義するログデータ、およびさらなる情報ソースから取得されたメタデータに基づき得る。
【0220】
分析デバイスの使用コンテキストの識別を可能にするために、データの多くの他のソースがコンテキスト識別エンジンによって使用され得ることを当業者は諒解されよう。
【0221】
データ処理エージェント23が1つまたは複数のメッセージフィルタ構成72を生成すると、図6に例示されるような規則ベースの手法を介そうと、図7および図8に例示される追加の連絡先情報を用いようと、1つまたは複数のメッセージフィルタ構成72は、オプションで、ネットワーク10A内に由来する後続の分析デバイスデータに適用され得る。
【0222】
言い換えれば、1つまたは複数のメッセージフィルタ構成72は、POC-DMS12Aがメッセージフィルタ構成72を生成することを可能にした同じメッセージに対してある程度のフィードバックを提供し得る。
【0223】
データ処理エージェント23は、メッセージフィルタ構成72の完了時、データ処理エージェント23と共同設置されたデータ記憶ユニット内に、または遠隔ロケーションに、メッセージフィルタ構成72を記憶し得る。
【0224】
さらに、1つまたは複数のメッセージフィルタ構成72は、1つもしくは複数のさらなるネットワーク12Bおよび/または1つもしくは複数のさらなる分析デバイス管理システムPOC-DMS12Bに送信され得る。1つまたは複数のメッセージフィルタ構成72が1つもしくは複数のさらなるネットワーク12Bおよび/または1つもしくは複数のさらなる分析デバイス管理システムPOC-DMS12Bによって受信されているとき、第1のネットワーク10Aで生成されるメッセージフィルタ構成72は、1つまたは複数のさらなるネットワーク10B内から生成される分析デバイスデータを表示するためにフィルタリングに適用され得る。
【0225】
このようにして、データ処理エージェント23は、第1のネットワーク10A内で生成されたメッセージ優先度表示を使用して、1つまたは複数の「スマートフィルタ」をアセンブルまたは更新する。1つまたは複数の「スマートフィルタ」は、次いで、第1のネットワーク10Aにおいて取得された改善されたメッセージフィルタリング性能がさらなるネットワーク10B内でも経験され得るように、分析デバイスを備えたさらなるネットワーク10Bに電子的に通信され得る。
【0226】
オプションで、さらなるネットワークDMS12B内の分析デバイス管理システムまたはネットワーク10B POC-DMS12Bは、データ処理エージェント23によって生成されたメッセージフィルタ構成72のバージョンをデータ処理エージェント23から要求するように構成される。データ処理エージェント23によって生成されたメッセージフィルタ構成72の更新されたバージョンに対して、さらなるネットワーク内の分析デバイス管理システムまたはネットワーク10B POC-DMS12Bから要求を受信すると、データ処理エージェント23は、さらなるネットワーク内の分析デバイス管理システムまたはネットワーク10B POC-DMS12Bにメッセージフィルタ構成72を送信するように構成される。
【0227】
一実施形態によれば、メッセージフィルタ構成は、少なくとも1つのタイプのメッセージに対して、第1のアナライザネットワーク10Aおよび/もしくは第1の分析デバイス管理システム12A、ならびに/またはメッセージ優先度表示が由来する少なくとも1つの分析デバイスP1Aの異なる識別されたコンテキストに対応する、複数の優先度要素を備える。
【0228】
一実施形態によれば、データ処理エージェント23において、少なくとも1つのメッセージフィルタ構成を第2のアナライザネットワーク10B内で第2の分析デバイス管理システム12Bに、および/または第2のアナライザネットワーク内で医学的試料の第2の分析デバイスP1Bに送るための要求を受信することと、
データ処理エージェント23において、第2の分析デバイス管理システム12Bおよび/または第2の分析デバイスP1Bの地理的ロケーションおよび/またはコンテキストを定義する情報を受信することと、
第2の分析デバイス管理システム12Bおよび/または第2の分析デバイスP1Bの地理的ロケーションおよび/またはコンテキストを定義する情報に基づいて、少なくとも1つのメッセージフィルタ構成を取得することと、
取得された少なくとも1つのメッセージフィルタ構成を第2の分析デバイス管理システム12Bおよび/または第2の分析デバイスP1Bに送ることと
がさらに提供される。
【0229】
この実施形態によれば、メッセージフィルタ構成72は、第2の分析デバイス管理システム12Bおよび/または第2の分析デバイスP1Bが位置するロケーションに基づいて調整される。国民健康システム(National health systems)は、異なる系列に沿って組織されることが多い。たとえば、第1の国に適用可能な、自動的に生成されるメッセージフィルタ構成72は、第2の国にあまり適用可能でないことがある。
【0230】
一実施形態によれば、
メッセージフィルタ構成を参照メッセージフィルタ構成と比較することと、
メッセージフィルタ構成と参照メッセージフィルタ構成の間の偏差を識別することと、
メッセージフィルタ構成と参照メッセージフィルタ構成の間の偏差を低減または除去するようにメッセージフィルタ構成を更新することと
がさらに提供される。
【0231】
オペレータのエラーにより、最も重要な重要度を有する可能性があるメッセージに、分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aにおいて、それらのメッセージに与えられるべき優先度よりも低い優先度が割り当てられる小さな可能性が存在する。たとえば、失効した校正期限に注目を集める、分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aにおいて表示される繰り返される警告メッセージは、仮説として、分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aの情報が与えられていないユーザによって「重要でない」カテゴリが繰り返し割り当てられる可能性がある。そのような望まれない入力が、結果的に、由来元であるネットワーク10A内で使用されるメッセージフィルタ構成を生成させるか、またはさらなるネットワーク10Bに転送されることは明らかに望ましくないことになる。
【0232】
本実施形態によれば、生成されるメッセージフィルタ構成は、参照メッセージフィルタ構成と比較される。たとえば、参照メッセージフィルタ構成は、較正警告または患者安全性警告など、最も重要な重要度を有するシステムメッセージに対して最も重要なメッセージフィルタ記録を含有する。参照メッセージ構成間の偏差は、メッセージフィルタ構成が第1のネットワーク10A内で分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aにおいて適用されるか、またはさらなるネットワーク内で分析デバイス管理システムPOC-DMS12B上に設置されるようにさらなるネットワーク10Bに転送される前に、リセットまたは除去される。したがって、不正確なまたは部分的に正確なメッセージフィルタ構成の伝搬は回避される。
【0233】
第2の態様によれば、分析デバイス20からのデータを処理するためのデータ処理エージェント23をホストするように構成された装置40であって、
- 通信インターフェース54と、
- データメモリ44と、
- 通信インターフェース54およびデータメモリ44に結合されたプロセッサ47と
を備える、装置40が提供される。
【0234】
通信インターフェース54は、通信ネットワーク10Aを介して第1の分析デバイス管理システム12Aからデータ処理エージェント23に送信された優先度表示を備えた1つまたは複数のデータ項目を受信するように構成される。
【0235】
プロセッサ47は、分析デバイスステータスデータ項目に割り当てられた優先度を示すメッセージ優先度表示を通信インターフェース54から受信し、メッセージ優先度に基づいて、データメモリ44内に記憶されたメッセージフィルタ構成を生成または更新するように構成される。
【0236】
通信インターフェース54は、メッセージフィルタ構成、またはその一部分を、医学的試料の第2の分析デバイスP1Bを備えた第2のアナライザネットワーク10Bに通信するようにさらに構成される。
【0237】
データ処理エージェント23をホストする装置40は、第1のネットワーク10Aに接続されたスタンドアロンサーバであってよい。データ処理エージェント23をホストする装置40は、分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aをホストするコンピュータであってよい。そのような場合、分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aからのメッセージ優先度表示は、分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aから第1のネットワーク10Aに接続されたスタンドアロンサーバに送信されることが必要になる。
【0238】
データ処理エージェント23をホストする装置40は、インターネットを介してアクセス可能なクラウドサーバであってよい(2つの例として、Amazon EC2(商標)またはMicrosoft Azure(商標)サービスによって提供されるような)。そのような場合、分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aからのメッセージ優先度表示は、インターネットを介してそのようなクラウドサービスに送信されることが必要になる。
【0239】
メッセージフィルタ構成72は、継続的に再計算されたメッセージフィルタ構成72がデータ処理エージェント23からさらなるネットワーク10Bに通信される状態で、メッセージ優先度表示が分析デバイス管理システムPOC-DMS12A内に入力されるか、または分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aによって検出されるにつれて、データ処理エージェント23によって継続的に(言い換えれば、「リアルタイム」で)更新され得る。
【0240】
代替として、メッセージフィルタ構成72は、データ処理エージェント23によってバッチモードで更新され得る。分析デバイス管理システムPOC-DMS12Aは、ローカルネットワーク内、またはクラウド記憶装置内、のいずれかに、メッセージ優先度表示のアーカイブを記憶し得る。データ処理エージェント23は、次いで、ローカルネットワーク、またはクラウド記憶装置をポーリングして、メッセージ優先度表示の記憶されたアーカイブを受信し得る。オプションで、データ処理エージェント23は、データ処理エージェント23に転送されるデータ量を低減するために、受信されるメッセージ優先度表示の量に対して時間制約または他の形態の制約を課す。言い換えれば、データ処理エージェント23がメッセージフィルタ構成を「リアルタイム」で生成することは可能であるが、必須ではない。オプションで、データ処理エージェント23は、1日に1回、午前3時になど、一定のスケジュールに従ってメッセージフィルタ構成を生成し得る。
【0241】
一実施形態によれば、
第1のアナライザネットワーク10A内の第1の分析デバイス管理システム12Aのユーザインターフェース24Aまたは第1の分析デバイスP1Aを介して、第1の分析デバイスによって生成された分析デバイスステータスデータを表示することと、
第1の分析デバイス管理システム12Aのユーザインターフェース24Aまたは第1の分析デバイスP1Aを介して、メッセージ優先度表示を受信することと、
メッセージ優先度表示をデータ処理エージェント23に送信することと
がさらに提供される。
【0242】
POC-DMS12A、12B、またはスマートフォンもしくはタブレット26A、26Bなど、関連するモバイルデバイスのディスプレイは、ユーザの応答性に対して最適化され得る。アナライザのネットワークが、毎分、数百、または数千のメッセージを生成しているとき、データ処理エージェント40(サーバ)とPOC-DMS12A、12B、またはスマートフォンもしくはタブレット26A、26Bなど、関連するモバイルデバイスの間にかなりの通信オーバヘッドが蓄積される。データ処理エージェント40が、データ処理によって観察されるようなユーザに対する特定のメッセージの顕著な特徴に基づいて、メッセージをフィルタリングする能力は、通信および/または表示オーバヘッドをかなり低減させることが可能であり得る。
【0243】
たとえば、データ処理エージェント40、およびPOC-DMS12A、12B上で実行するGUI100を提供するアプリケーション、またはスマートフォンもしくはタブレット26A、26B GUI100など、関連するモバイルデバイスは、データ処理エージェント40において受信される分析デバイスステータスメッセージとGUI100上に表示されるメッセージの間に同期化されたデータバインディングを確立する。
【0244】
オプションで、データ処理エージェント40とPOC-DMS12A、12Bおよび/またはスマートフォンもしくはタブレット26A、26Bなど、関連するモバイルデバイス上で実行するGUI100を提供するアプリケーションの間の同期化されたデータバインディングは、メッセージフィルタ構成72に基づいて確立される。たとえば、同期化されたデータバインディングは、ユーザによって前に「重要でない」とマーキングされたタイプの分析デバイスステータスメッセージに対しては確立されない。
【0245】
データバインディングプロセスにおいて、各データ変更は、データに結びつけられた要素によって自動的に反映される。GUI100において表示される「重要でない」メッセージの数を低減することによって、データ処理エージェント40、またはデータ処理エージェント40をホストしている別のサーバ上の処理負荷は低減される。
【0246】
データバインディングを可能にするプロトコルの典型的な例は、「Backbone.js」(商標)、「Polymer」(商標)、「Vue.js」(商標)、「AngularJS」(商標)、「Google Web Toolkit」(商標)、「Windows Presentation Foundation」(商標)、などである。
【0247】
図9Aは、ユーザが分析デバイス管理システム(POC-DMS)上のGUI100を介して分析デバイスメッセージに関するメッセージ優先度表示を追加することを概略的に例示する。
【0248】
分析デバイスメッセージは、POC DMS12Aに定期的に送られる。それらのメッセージは、GUIのダイアログボタンまたは他の入力手段108を使用して「重要でない」としてユーザによってマーキングされ得る(これはメッセージ優先度表示の一例である)。このようにして、POC DMS12Aにおいて受信された事象のフィード内の分析デバイスメッセージは、メッセージをユーザから自動的に隠すことができるように、ユーザが「重要でない」としてマーキングすることに基づいて生成されたメッセージフィルタ構成によってフィルタリングされ得る。このもう1つの効果は、メッセージフィードは明瞭な状態に留まり、最も重要なメッセージのみをユーザに知らせることである。さらに、高い関連性を有するメッセージは、RAMなど、短期メモリ内にキャッシュされ得、関連性があまりないメッセージは、ハードディスクドライブもしくは固体メモリなど、長期メモリ内に、または遠隔サーバ上に記憶され得る。
【0249】
分析デバイス管理システム(POC-DMS)のGUI100は、現在選択されている分析デバイス(デバイス)を示すサムネイル102を表示し得る。現在選択されている分析デバイスからのメッセージは、デバイスメッセージフィード104内で表示される。安全性特徴として、デバイスメッセージフィードは、様々なモードにわたってメッセージ(分析デバイスメッセージ)の表示の選択を可能にし得、ここで、1つのモードは、「すべての」メッセージの表示を常に可能にする。例示される事例では、選択器106は、前に優先度「重要である」が与えられたメッセージのみが表示されていることを示す。ユーザが動作させるカーソル108は、分析デバイスメッセージ「バッテリー低(エラーコード343)」を「重要でないとしてマーキングする」ために使用され得る。
【0250】
図9Bは、ユーザが分析デバイス管理システム(POC-DMS)上のGUIを介して分析デバイスメッセージに関するメッセージ優先度表示を追加することを概略的に例示する。
【0251】
オプションで、ユーザがカーソル1082を動作させ分析デバイスメッセージ「バッテリー低(エラーコード343)」を重要でないとマーキング後、ユーザが行われたメッセージ優先度表示選択を確認または取り消すことを可能にするダイアログボックス110が表示される。
【0252】
図9Cは、分析デバイス管理システム(POC-DMS)のさらなるGUI特徴を概略的に例示する。
【0253】
具体的には、GUI100の「すべて」閲覧ボタンが選択されるとき、前に重要でないとしてマーキングされているメッセージが、たとえば、オプションで、異なる色を用いて、メッセージフィード104内に表示される。これは、重要なメッセージがフィードから省かれないことを確実にするために、フィルタリングされるメッセージの安全性検査がユーザによって実行されることを可能にする。
【0254】
一実施形態によれば、
データ処理エージェント23において、それぞれの複数のアナライザネットワークから生成される複数のメッセージフィルタ構成72を受信することと、
データ処理エージェント23において、組み合わされたメッセージフィルタ構成を取得するために、複数のメッセージフィルタ構成72を処理することと
がさらに提供される。
【0255】
一実施形態によれば、
分析デバイス管理システム(POC-DMS)からの要求を、分析デバイスを備えたさらなるネットワーク内で受信することと、
組み合わされたメッセージフィルタ構成をさらなるネットワーク内で分析デバイス管理システム(POC-DMS)に通信すること、および/または組み合わされたメッセージフィルタ構成をさらなるネットワーク内で1つまたは複数の分析デバイスに通信することと
がさらに提供される。
【0256】
一実施形態によれば、
第2のアナライザネットワーク10B内の第2の分析デバイス管理システム12Bにおいて、データ処理エージェント23によって生成されたメッセージフィルタ構成の少なくとも一部分を受信することと、
第2の分析デバイス管理システム12B内で第2のアナライザネットワーク10A内の第2の分析デバイスP1Bによって生成されたさらなる分析デバイスステータスデータ項目を受信することと、
さらなる分析デバイスステータスデータ項目をメッセージフィルタ構成の少なくとも一部分と比較することと、
さらなるメッセージの表示のために適用可能であるとしてメッセージフィルタ構成によって示されるモダリティに従って、さらなる分析デバイスステータスデータ項目を第2の分析デバイス管理システム12Bのオペレータに表示することと
がさらに提供される。
【0257】
一実施形態によれば、この方法は、
第2のアナライザネットワーク10B内の第2の分析デバイス管理システム12Bにおいて、データ処理エージェント23によって生成されたメッセージフィルタ構成72の少なくとも一部分を受信することと、
第2の分析デバイス管理システム12Bにおいて、第2のアナライザネットワーク10B内の第2の分析デバイスP1Bによって生成されたさらなる分析デバイスステータスデータ項目を受信することと、
さらなる分析デバイスステータスデータ項目をメッセージフィルタ構成72の少なくとも一部分と比較することと、
さらなるメッセージの表示のために適用可能であるとしてメッセージフィルタ構成によって示される表示モダリティに従って、さらなる分析デバイスステータスデータ項目を第2の分析デバイス管理システム12Bのオペレータに表示することと
をさらに含む。
【0258】
図10Aは、さらなるネットワーク10B内の分析デバイス管理システム(POC-DMS)上へのデータ処理エージェント23によって生成されたメッセージフィルタ構成の設置を概略的に例示する。
【0259】
オプションで、第2のネットワーク10B内の分析デバイス管理システム(POC-DMS)12Bは、更新されたまたは新しいメッセージフィルタ構成に対してデータ処理エージェント23を自動的にポーリングし、ポップアップボックス122を使用して、更新されたまたは新しいメッセージフィルタ構成を設置するための承認を要求し得る。
【0260】
オプションで、ユーザは、GUI100を介して、更新されたまたは新しいメッセージフィルタ構成を要求し、ポップアップボックス122を使用して、更新されたまたは新しいメッセージフィルタ構成を設置するための承認を確認し得る。
【0261】
GUI120は、たとえば、メッセージフィルタ構成を生成するために使用される第1のネットワーク10Aから遠隔の第2のネットワーク10B内の分析デバイス管理システム(POC-DMS)12Bのディスプレイ上にオプションで表示される。
【0262】
図10Bは、第2のネットワーク内の分析デバイス管理システム(POC-DMS)12B上のGUI100を使用した、第2のネットワーク10B内の分析デバイス管理システム(POC-DMS)上へのメッセージフィルタ構成の設置を概略的に例示する。この場合、ユーザは、特定の国124から取得されたメッセージフィルタ構成またはグローバルメッセージフィルタ構成126を選定し得る。
【0263】
オプションで、第2のアナライザネットワーク10B内の分析デバイス管理システム12Bは、メッセージフィルタ構成に基づいて、少なくとも1つの分析デバイスP1B~P7Bからの分析デバイスステータスデータを直接的にアーカイブ保存するように構成される。たとえば、分析デバイス管理システム12Bは、受信されたアナライザステータスデータ項目を不揮発性メモリ内、またはデータベース内に記憶し、メッセージフィルタ構成に基づいて、分析デバイス管理システム12Bのグラフィカルユーザインターフェース24B上に分析デバイスステータスデータを表示しないように構成される。
【0264】
したがって、特定の例では、分析デバイスメッセージタイプがユーザによって「重要でない」としてマーキングされるとき、第1のネットワーク10B内のアナライザ管理システム(POC-DMS)は、国情報とともに、その選好の変更に関してデータ処理エージェント23に知らせるためのメッセージを生成することがわかる。すべての正確な病院から収集された選好に基づいて、国および世界の両方に対して、各タイプの分析デバイスメッセージに対して最も一般的な選好が計算される。
【0265】
新しい分析デバイス「B」が病院「B」に到着するとき、そのタイプのデバイスに対する選定ダウンロードスマートデフォルト設定(choice download smart default setting)がユーザに提示される。ユーザは、自らの国に対して、または世界に対して、スマートデフォルトを利用することを選定し得る。この例では、デバイスメッセージ「QC範囲外」および「低バッテリー」のみが唯一重要なメッセージタイプである、デバイスメッセージのその国の最も選好される構成、または「低バッテリー」メッセージが典型的に重要でないとしてフラグ付けされる、デバイスメッセージの世界の最も選好される構成に基づいて、考えられるデフォルト構成がユーザに提示される。ユーザが行った選択に基づいて、着信デバイスメッセージは、重要である設定に対する重要でない設定の選択されたセットで自動的にフラグ付けされることになる。
【0266】
第3の態様によれば、分析デバイス管理10のためのネットワークシステムであって、
- 患者の医学的試料を分析し、分析デバイスステータスデータを生成するように構成された1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7Aの第1のセットと、
- 1つまたは複数の分析デバイスP1A~P7Aの第1のセット内に含まれた1つまたは複数の分析デバイスから分析デバイスステータスデータを受信するように構成された第1の分析デバイス管理システム12Aと、
- 第1の分析デバイス管理システム12Aおよび/または1つもしくは複数の分析デバイスP1A~P7Aの第1のセットから受信されるデータを処理するためのデータ処理エージェント23をホストするように構成された装置40と、
- 患者の医学的試料を分析するように構成された1つまたは複数の分析デバイスP1B~P7Bの第2のセットと、
- 1つまたは複数の分析デバイスP1B~P7Bの第2のセット内に含まれた1つまたは複数の分析デバイスから分析デバイスステータスデータを受信するように構成された第2の分析デバイス管理システム12Bと、
- 第1の分析デバイス管理システム12A、データ処理エージェント23をホストするように構成された装置、および第2の分析デバイス管理システム12Bを通信可能に接続するように構成された通信ネットワーク21と
を備えた、ネットワークシステムが提供される。
【0267】
装置40は、第1のアナライザネットワーク10A内で、メッセージに割り当てられた優先度を示す、第1の分析デバイス管理システム12Aおよび/または少なくとも1つの分析デバイスP1A~P7Aによって生成されたメッセージ優先度表示を受信するように構成される。
【0268】
装置40は、第1のデバイスメッセージのメッセージ優先度に基づいて、メッセージフィルタ構成を生成または更新するように構成される。
【0269】
装置40は、メッセージフィルタ構成、またはその一部分を、第2の分析デバイス管理システム12Bおよび/または1つもしくは複数の分析デバイスP1B~P7Bの第2のセットに通信するように構成される。
【0270】
第2の分析デバイス管理システム12Bおよび/または1つもしくは複数の分析デバイスP1B~P7Bの第2のセット内の少なくとも1つの分析デバイスは、第2のアナライザネットワーク内からさらなる分析デバイスステータスデータ項目を受信し、受信されたメッセージフィルタ構成内で割り当てられた優先度に従って、さらなる分析デバイスステータスデータ項目を表示するように構成される。
【0271】
第4の態様によれば、第2の態様よる装置を制御するためのコンピュータ可読命令を備えたコンピュータプログラム要素であって、コンピュータ可読命令が、装置の処理ユニットによって実行されるとき、第1の態様の方法ステップまたはその実施形態を実行するように適合される、コンピュータプログラム要素が提供される。
【0272】
第5の態様によれば、第4の態様のコンピュータプログラム要素を記憶した、またはその上に符号化した、コンピュータ可読媒体または信号が提供される。
【0273】
第6の態様によれば、分析デバイス管理システム12Bおよび/または分析デバイスP1B~P7Bを動作させる方法であって、分析デバイス管理システム12Bおよび/または分析デバイスP1B~P7Bが、
第2のアナライザネットワーク10B内で少なくとも1つの分析デバイスP1B~P7Bから複数の分析デバイスステータスデータ項目を受信し、
通信ネットワークを介して、第2の態様による装置40から、第2のアナライザネットワーク10Bから受信された複数の分析デバイスステータスデータ項目のうちの少なくとも1つをフィルタリングするように構成されたメッセージフィルタ構成を要求し、
通信ネットワーク10Bを介して、第2の態様による装置40からメッセージフィルタ構成を受信し、
フィルタリングされた複数のメッセージを生成するために、メッセージフィルタ構成に従って、複数の分析デバイスステータスデータ項目内の少なくとも1つの分析デバイスステータスデータ項目をフィルタリングする
ように構成された、方法が提供される。
【0274】
第6の態様の実施形態によれば、この方法は、
分析デバイス管理システム12Bのユーザインターフェース24Bを介して、フィルタリングされた複数の分析デバイスステータスデータ項目を表示するステップ
をさらに含む。
【0275】
第6の態様の一実施形態によれば、分析デバイス管理システムは、第1のステータスが割り当てられているタイプの分析ステータスデータを長期メモリ、オプションで、ハードディスクドライブまたは固体メモリ内に記憶する。分析デバイス管理システムは、第2のステータスが割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータを、短期メモリ、オプションで、ランダムアクセスメモリ内に記憶する。たとえば、低いステータス、すなわち「重要でない」ステータスが割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータは、長期メモリ内に記憶される。高いステータス、すなわち「重要である」が割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータは、短期メモリ内に記憶される。
【0276】
第6の態様の一実施形態によれば、分析デバイス管理システム12Bのユーザインターフェース24Bを介して、フィルタリングされた複数の分析デバイスステータスデータ項目を表示することは、第2のステータスが割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータを短期メモリから読み取ることと、短期メモリから読み取られている分析デバイスステータスデータを表示することとを含む。
【0277】
第7の態様によれば、医学的試料の1つまたは複数の分析デバイスからのデータを処理するための分析デバイス管理システムをホストするように構成された装置が提供される。この装置は、
- 通信インターフェースと、
- データメモリと、
- ディスプレイインターフェースと、
- 通信インターフェースおよびデータメモリに結合されたプロセッサと
を備える。
【0278】
通信インターフェースは、第2のアナライザネットワーク内で少なくとも1つの分析デバイスから複数の分析デバイスステータスデータ項目を受信し、通信ネットワークを介して、第2の態様による装置から、第2のアナライザネットワークから受信された複数のメッセージのうちの少なくとも1つをフィルタリングするように構成されたメッセージフィルタ構成を要求するように構成される。通信インターフェースは、通信ネットワークを介して、第2の態様による装置からメッセージフィルタ構成を受信し、その構成をデータメモリ内に記憶するように構成される。このプロセッサは、フィルタリングされた複数の分析デバイスステータスデータを生成するために、データメモリ内に記憶されたメッセージフィルタ構成に従って、複数の分析デバイスステータスデータ項目内の少なくとも1つの分析デバイスステータスデータ項目をフィルタリングするように構成される。
【0279】
第7の態様の一実施形態によれば、ディスプレイインターフェースは、フィルタリングされた複数の分析デバイスステータスデータを表示することが可能なグラフィカルユーザインターフェースを生成するように構成される。
【0280】
第7の態様の一実施形態によれば、データメモリは、長期メモリおよび短期メモリを備える。たとえば、長期メモリは、ハードディスクドライブまたは半導体ドライブなど、不揮発性メモリを備え得る。たとえば、短期メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)を備え得る。第1のステータスが割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータは、長期メモリ内に記憶される。第2のステータスが割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータは、短期メモリ内に記憶される。たとえば、低いステータス、すなわち「重要でない」ステータスが割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータは、長期メモリ内に記憶される。高いステータス、すなわち「重要である」が割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータは、短期メモリ内に記憶される。
【0281】
第7の態様の一実施形態によれば、この装置は、第2のステータスが割り当てられているタイプの分析デバイスステータスデータを短期メモリから読み取り、ディスプレイインターフェースを介して、短期メモリから読み取られている分析デバイスステータスデータを表示することによって、ディスプレイインターフェースを介して、フィルタリングされた複数の分析デバイスステータスデータ項目を表示するように構成される。
【0282】
第8の態様によれば、1つまたは複数の分析デバイスからのデータを処理するための分析デバイス管理システムをホストするように構成された装置が提供される。この装置は、
- 通信手段と、
- データ記憶手段と、
- 通信手段およびデータ記憶手段に結合された処理手段と
を備える。
【0283】
通信手段は、第2のアナライザネットワーク内で少なくとも1つの分析デバイスから複数の分析デバイスステータスデータ項目を受信し、通信ネットワークを介して、第2の態様による装置から、第2のアナライザネットワークから受信された複数のメッセージのうちの少なくとも1つをフィルタリングするように構成されたメッセージフィルタ構成を要求するように構成される。この通信手段は、通信ネットワークを介して、第2の態様による装置からメッセージフィルタ構成を受信し、その構成をデータ記憶手段内に記憶するように構成される。この処理手段は、フィルタリングされた複数メッセージを生成するために、データメモリ内に記憶されたメッセージフィルタ構成に従って、複数の分析デバイスステータスデータ項目内の少なくとも1つの分析デバイスステータスデータ項目をフィルタリングするように構成される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図11