(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】HIVの予防のためのインテグラーゼ阻害剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/5386 20060101AFI20230714BHJP
A61P 31/18 20060101ALI20230714BHJP
A61K 31/513 20060101ALI20230714BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230714BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20230714BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20230714BHJP
A61K 9/70 20060101ALI20230714BHJP
A61K 9/00 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
A61K31/5386 ZMD
A61P31/18
A61K31/513
A61P43/00 121
A61K45/00
A61K31/675
A61K9/70 401
A61K9/00
(21)【出願番号】P 2021515182
(86)(22)【出願日】2019-09-18
(86)【国際出願番号】 US2019051681
(87)【国際公開番号】W WO2020061163
(87)【国際公開日】2020-03-26
【審査請求日】2021-05-17
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500029420
【氏名又は名称】ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】ベッカーマン, エレナ
(72)【発明者】
【氏名】キャレバウト, クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】マカリスター, スコット
【審査官】内藤 康彰
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-518356(JP,A)
【文献】Lancet,2017年,Vol.390 No.4,pp.2063-2072
【文献】Archives of History for NCT03499483,2019年04月,https://clinicaltrials.gov/ct2/history/NCT03499483?V_2
【文献】日内会誌,2009年,Vol.98,pp.2843-2848
【文献】医療プレミア,2016年,https://mainichi.jp/premier/health/articles/20161125/med/00m/010/002000c
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-33/44
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体におけるHIV感染を予防するための、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩と、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩と、テノホビルアラフェナミド
ヘミフマラートおよびテノホビルアラフェナミドモノフマラートから選択される塩とを含む、組み合わせ物であって、前記組み合わせ物の第1の投与が、前記被験体のHIVへの曝露後約24時間以内または前記被験体のHIVへの曝露の約24時間後であり;前記組み合わせ物の第2の投与が、前記第1の投与後24時間以内または前記第1の投与の約24時間後であ
り;
前記第1および第2の投与の各々において、前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が遊離塩基ベースで約100mgの投薬量で投与され、前記エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩が遊離塩基ベースで約200mgの投薬量で投与され、前記テノホビルアラフェナミドヘミフマラートまたはテノホビルアラフェナミドモノフマラートが遊離塩基ベースで約25mgの投薬量で投与されることを特徴とする、組み合わせ物。
【請求項2】
ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩、および、テノホビルアラフェナミド
ヘミフマラートまたはテノホビルアラフェナミドモノフマラートが同時に投与されることを特徴とする、請求項
1に記載の組み合わせ物。
【請求項3】
ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩、および、テノホビルアラフェナミド
ヘミフマラートまたはテノホビルアラフェナミドモノフマラートが単位投薬形態として投与されることを特徴とする、請求項1
または2に記載の組み合わせ物。
【請求項4】
ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩、および、テノホビルアラフェナミド
ヘミフマラートまたはテノホビルアラフェナミドモノフマラートが用量固定組み合わせ錠剤として投与されることを特徴とする、請求項1~
3のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項5】
前記組み合わせ物が、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩、および、テノホビルアラフェナミドヘミフマラート
を含む、請求項1~
4のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項6】
前記エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩が、エムトリシタビンである、請求項1~
5のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項7】
i)前記組み合わせ物の前記第1の投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約6時間後である;および
ii)前記組み合わせ物の前記第2の投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約30時間後である、請求項1~
6のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項8】
i)前記組み合わせ物の前記第1の投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約12時間後である;および
ii)前記組み合わせ物の前記第2の投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約36時間後である、請求項1~
6のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項9】
i)前記組み合わせ物の前記第1の投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約24時間後である;および
ii)前記組み合わせ物の前記第2の投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約48時間後である、請求項1~
6のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項10】
前記組み合わせ物が経口投与されることを特徴とする、請求項1~
9のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項11】
前記組み合わせ物が非経口投与されることを特徴とする、請求項1~
9のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項12】
前記非経口投与が、皮下投与、筋肉内投与、経皮投与、および膣内投与から選択される、請求項1
1に記載の組み合わせ物。
【請求項13】
前記組み合わせ物が、前記被験体に医療機器を介して投与されることを特徴とする、請求項1~1
2のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項14】
前記医療機器が、パッチ、埋込み型デバイス、シリンジ、および避妊器具から選択される、請求項1
3に記載の組み合わせ物。
【請求項15】
前記ビクテグラビルがビクテグラビルナトリウムとして投与される、請求項1~1
4のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項16】
前記被験体が、HIVの性行為感染リスクのある個体として同定されている、請求項1~1
5のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項17】
前記HIVがHIV-1である、請求項1~1
6のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【請求項18】
前記HIVがHIV-2である、請求項1~1
6のいずれか1項に記載の組み合わせ物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年9月19日出願の米国特許仮出願第62/733,536号(その内容全体が本明細書中で参考として援用される)の利益を主張する。
【0002】
分野
本発明は、被験体におけるHIVを予防する方法であって、前述の被験体に治療有効量のHIVインテグラーゼ鎖転移阻害剤(例えば、エルビテグラビルまたはビクテグラビル)またはその薬学的に許容され得る塩を、必要に応じて1またはそれを超える他の治療剤と組み合わせて投与する工程を含む、方法を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
HIV/AIDSパンデミックは、何百万という人々の命を奪い、何百万人もの人々が現在感染している。抗レトロウイルス療法はHIV感染を管理可能な慢性疾患に至らしめたが;しかしながら、HIVは依然として治癒には至っていない。新規HIV感染数の減少は、世界的目標である。この目的を達成するために、曝露前予防(PrEP)および曝露後予防(PEP)の両方に関する予防レジメンが探索されているところである。ツルバダ(エムトリシタビン-テノホビル)は、現在においてPrEPのために承認された唯一の薬物である。したがって、新規かつ有効なHIV感染を予防する手段が必要であり、本明細書中に記載の方法は、この要求を満たすのに役立てられるように開発された。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
本発明は、被験体におけるHIV感染を予防する方法またはHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、前述の被験体に治療有効量のHIVインテグラーゼ鎖転移阻害剤(例えば、エルビテグラビルまたはビクテグラビル)またはその薬学的に許容され得る塩を、必要に応じて1またはそれを超える他の治療剤と組み合わせて投与する工程を含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、実施例5のイベント・ドリブン研究デザインを示す代表的スキームを示す。
【0006】
【
図2】
図2は、実施例6にさらに記載のPrEP/PEP研究デザインの模式図を示す。
【0007】
【
図3】
図3は、8サイクルの低量直腸チャレンジ後の群あたりのSHIV陰性動物の百分率としてのPrEP/PEP研究動物の生存を示す(実施例6を参照のこと)。
【0008】
【
図4】
図4は、実施例6にさらに記載のPEP研究デザインの模式図を示す。
【0009】
【
図5】
図5は、5回の直腸チャレンジ後の群あたりのSHIV陰性動物の百分率としてのPEP研究動物の生存を示す(実施例6を参照のこと)。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
本発明は、被験体(例えば、ヒト)に治療有効量のHIVインテグラーゼ鎖転移阻害剤(例えば、エルビテグラビルまたはビクテグラビル)またはその薬学的に許容され得る塩を投与することによって被験体におけるHIV感染(例えば、HIV-1および/またはHIV-2)を予防する方法に関する。いくつかの実施形態では、HIVインテグラーゼ鎖転移阻害剤(例えば、エルビテグラビルまたはビクテグラビル)またはその薬学的に許容され得る塩は、単剤療法として(すなわち、さらなる治療剤の非存在下で)投与される。いくつかの実施形態では、HIVインテグラーゼ鎖転移阻害剤(例えば、エルビテグラビルまたはビクテグラビル)またはその薬学的に許容され得る塩は、1またはそれを超える他の治療剤(抗HIV剤など)と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、HIVインテグラーゼ鎖転移阻害剤(例えば、エルビテグラビルまたはビクテグラビル)が、ビクテグラビルナトリウムとして投与される。
【0011】
いくつかの実施形態では、被験体は、感染している可能性があるか、感染リスクがあり得る。いくつかの実施形態では、被験体は、HIVの性行為感染リスクのある個体として同定されている。いくつかの実施形態では、個体は、男性、トランスジェンダーの男性、トランスジェンダーの女性、または男性と性交した女性、異性愛の男性、異性愛の女性、および/または性労働者として同定されている。いくつかの実施形態では、個体は、以下として同定されている:
・少なくとも2人の異なる性交渉のパートナーと肛門性交を行い、過去6ヶ月間にわたって確実にはコンドームを使用しなかった個体;および/または
・過去12ヶ月間に性感染症(STD)(例えば、梅毒、淋病、クラミジア、HBVまたはHCV感染)の病歴のある個体;および/または
・性交中に向精神薬(psycho-actives drug)(例えば、コカイン、ガンマヒドロキシ酪酸(GHB)、メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)、メフェドロン)を用いた個体;および/または
・HIV感染の有病率が高い(1%超)地域(例えば、南アメリカ、サハラ以南のアフリカ、東南アジア、東欧、仏領ギアナ)出身の1人またはそれを超えるパートナーと性交があり、確実にはコンドームを使用しなかった個体;および/または
・性労働者;および/または
・注射器具を共有している静脈注射薬常用者である性交渉のパートナーを有する個体;および/または
・血漿ウイルス量が検出可能な(例えば、50コピー(cp)/ミリリットル(mL)超)HIV感染した性交渉のパートナーを有する個体。
【0012】
いくつかの実施形態では、被験体はHIV陰性である。いくつかの実施形態では、HIVは、HIV-1および/またはHIV-2である。
【0013】
本明細書中で使用される場合、用語「予防(prevention)」または「予防すること(preventing)」は、ヒトのウイルスへの曝露前、または曝露後であるが、疾患の症状の出現前および/または血中にウイルスが検出される前の、本開示の化合物、組成物、または薬学的に許容され得る塩(pharmaceutically salt)の投与を指す。また、これらの用語は、疾患の症状の出現の予防および/またはウイルスが血中で検出可能なレベルに到達するのを予防することを指す。この用語には、曝露前予防(PrEP)ならびに曝露後予防(PEP)およびイベント・ドリブンまたは「オンデマンド」予防の両方が含まれる。また、この用語は、出産前の母親への投与および出生後数日以内の子への投与による母親から胎児へのHIVの周産期伝播の予防を指す。また、この用語は、輸血を介したHIVの伝播の予防を指す。
【0014】
本明細書中で使用される場合、「ビクテグラビル」または「BIC」の各々は、以下の構造(式(I))によって表したインテグラーゼ阻害薬化合物(2R,5S,13aR)-8-ヒドロキシ-7,9-ジオキソ-N-(2,4,6-トリフルオロベンジル)-2,3,4,5,7,9,13,13a-オクタヒドロ-2,5-メタノピリド[1’,2’:4,5]ピラジノ[2,1-b][1,3]オキサゼピン-10-カルボキサミド(IUPAC名)を指す。ビクテグラビルは、米国特許第9,216,996号(その開示全体が、本明細書中で参考として援用される)に記載されている。
【化1】
【0015】
ビクテグラビルという用語には、その薬学的に許容され得る塩(例えば、そのモノナトリウム塩が含まれる)がさらに含まれる。
【0016】
本明細書中で使用される場合、「エルビテグラビル」または「EVG」の各々は、以下の式(式(II))によって表したインテグラーゼ阻害薬化合物6-(3-クロロ-2-フルオロベンジル)-1-[(2S)-1-ヒドロキシ-3-メチルブタン-2-イル]-7-メトキシ-4-オキソ-1,4-ジヒドロキノリン-3-カルボン酸を指す。エルビテグラビルは、米国特許第9,216,996号(その開示全体が、本明細書中で参考として援用される)に記載されている。
【化2】
【0017】
エルビテグラビルという用語には、その薬学的に許容され得る塩(例えば、そのモノナトリウム塩が含まれる)がさらに含まれる。
【0018】
上記提供の式(I)または式(II)の化合物の特定の薬学的に許容され得る塩および/または溶媒和物に関する具体的な言及が無い場合、ミリグラムまたは重量%として示した任意の投薬量は、遊離酸(すなわち、式(I)または式(II)の化合物)の量に関して言及していると理解すべきである。例えば、「50mg」のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩という言及は、50mgの式(I)の化合物の遊離酸と同量の式(I)の化合物を提供する、式(I)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の量を指す。いくつかの実施形態では、50mgのビクテグラビルを指す投薬量は、約52mgのビクテグラビルモノナトリウム塩を含む。
【0019】
本明細書中で使用される場合、「テノホビルアラフェナミド」または「TAF」の各々は、以下に示す構造を有するヌクレオシドアナログ逆転写酵素阻害薬化合物{9-[(R)-2-[[(S)-[[(S)-1-(イソプロポキシカルボニル)エチル]アミノ]フェノキシホスフィニル]-メトキシ]プロピル]アデニン}を指す。
【化3】
【0020】
TAFは、フマラート(モノフマラート塩およびヘミフマラート塩またはコクリスタル(コフォーマー)など)に関連し得る。例えば、米国特許第7,390,791号、同第7,803,788号、および同第8,754,065号(その各々全体が、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。「TAF」に関する言及には、フマラートなどのコフォーマーが含まれ得ると理解される。TAFは、Vemlidy(登録商標)中の医薬品有効成分であり、錠剤Bictarvy(登録商標)、Genvoya(登録商標)、Descovy(登録商標)、Odefsey(登録商標)、およびSymtuza(登録商標)の成分である。
【0021】
テノホビルアラフェナミドの特定の薬学的に許容され得る塩および/または溶媒和物に関する具体的な言及が無い場合、ミリグラムまたは重量%として示した任意の投薬量は、テノホビルアラフェナミド遊離塩基の量に関して言及していると理解すべきである。例えば、25mgのテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物という言及は、25mgのテノホビルアラフェナミド遊離塩基と同量のテノホビルアラフェナミドを提供する、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物の量を指す。いくつかの実施形態では、25mgのテノホビルアラフェナミドを指す投薬量は、約28mgのテノホビルアラフェナミドヘミフマラートを含む。
【0022】
本明細書中で使用される場合、「テノホビルジソプロキシル」または「TD」の各々は、化合物9-[(R)-2-[[ビス[[(イソプロポキシカルボニル)オキシ]メトキシ]ホスフィニル]メトキシ]プロピル]アデニンを指す。TD、テノホビルのプロドラッグ、は、フマラート(モノフマラートなど)に関連し得る。例えば、米国特許第5,922,695号、同第5,935,946号および同第5,977,089号(その各々全体が、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと。フマル酸テノホビルジソプロキシルは、「TDF」と称され、Viread(登録商標)中の医薬品有効成分である。
【0023】
テノホビルジソプロキシルの特定の薬学的に許容され得る塩および/または溶媒和物に関する具体的な言及が無い場合、ミリグラムまたは重量%として示した任意の投薬量は、テノホビルジソプロキシル遊離塩基の量に関して言及していると解釈すべきである。例えば、245mgのテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物という言及は、245mgのテノホビルジソプロキシル遊離塩基と同量のテノホビルジソプロキシルを提供する、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物の量を指す。いくつかの実施形態では、245mgのテノホビルジソプロキシルを指す投薬量は、約300mgのフマル酸テノホビルジソプロキシルを含む。
【0024】
本明細書中で使用される場合、「エムトリシタビン」または「FTC」の各々は、以下の構造を有する化合物4-アミノ-5-フルオロ-1-[(2R,5S)-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-オキサチオラン-5-イル]-1,2-ジヒドロピリミジン-2-オンを指す。
【化4】
【0025】
エムトリシタビンは、遊離塩基としてか薬学的に許容され得る塩としての投薬形態で存在し得る。さらに、エムトリシタビンは、溶媒和物形態または非溶媒和形態の投薬形態で存在し得る。典型的には、エムトリシタビンは、遊離塩基として存在する。
【0026】
本開示は、本明細書中に記載のように、本明細書中に提供した実施形態のうちのいずれかについて、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩を、任意の適切な投薬量(例えば、10mg/日~300mg/日;100mg/日~200mg/日;および150mg/日など)のラミブジン(すなわち、3TC)またはその薬学的に許容され得る塩または他のさらなる治療剤(式(I)および式(II)の化合物が含まれる)またはその薬学的に許容され得る塩との組み合わせ物と置き換えられ得ることをさらに提供する。
【0027】
エムトリシタビンの特定の薬学的に許容され得る塩および/または溶媒和物に関する具体的な言及が無い場合、ミリグラムまたは重量%として示した任意の投薬量は、エムトリシタビン遊離塩基の量に関して言及していると解釈すべきである。例えば、200mgのエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物という言及は、200mgのエムトリシタビン遊離塩基と同量のエムトリシタビンを提供する、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物の量を指す。
【0028】
本明細書中で使用される場合、「コビシスタット」または「cobi」の各々は、以下の構造を有する化合物2,7,10,12-テトラアザトリデカン酸,12-メチル-13-[2-(1-メチルエチル)-4-チアゾリル]-9-[2-(4-モルホリニル)エチル]-8,11-ジオキソ-3,6-ビス(フェニルメチル)-,5-チアゾリルメチルエステル,(3R,6R,9S)-を指す。
【化5】
【0029】
コビシスタットは、遊離塩基としてか薬学的に許容され得る塩としての投薬形態で存在し得る。さらに、コビシスタットは、溶媒和物形態または非溶媒和形態の投薬形態で存在し得る。典型的には、コビシスタットは、遊離塩基として存在する。ある特定の実施形態では、コビシスタットは、エルビテグラビルと組み合わせて医薬組成物中に存在する。
【0030】
コビシスタットの特定の薬学的に許容され得る塩および/または溶媒和物に関する具体的な言及が無い場合、ミリグラムまたは重量%として示した任意の投薬量は、コビシスタット遊離塩基の量に関して言及していると解釈すべきである。例えば、200mgのコビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物という言及は、200mgのコビシスタット遊離塩基と同量のコビシスタットを提供する、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩および/もしくは溶媒和物の量を指す。
【0031】
いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約1mg/日~約200mg/日、例えば、約1mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、または約200mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約10mg/日~約100mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約50mg/日~約100mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約75mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約45mg/日~約55mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約50mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルは、ビクテグラビルの薬学的に許容され得る塩である。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルは、ビクテグラビルナトリウム塩である。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルを、ナトリウム塩として約52mg/日(例えば、52.5mg/日)の投薬量で投与される。
【0032】
いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約10mg/日~約200mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約50mg/日~約200mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約50mg/日~約150mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約100mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、ビクテグラビルが、ナトリウム塩として約104mg/日(例えば、105mg/日)の投薬量で投与される。
【0033】
いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約1mg/日~約200mg/日、例えば、約1mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、または約200mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約100mg/日~約200mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約125mg/日~約175mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約150mg/日~約160mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約150mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、エルビテグラビルは、エルビテグラビルの薬学的に許容され得る塩である。いくつかの実施形態では、エルビテグラビルは、エルビテグラビルナトリウム塩である。いくつかの実施形態では、エルビテグラビルが、ナトリウム塩として約157mg/日の投薬量で投与される。
【0034】
いくつかの実施形態では、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩は、約1mg/日~約200mg/日、例えば、約1mg/日、約5mg/日、約10mg/日、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約125mg/日、約150mg/日、約175mg/日、または約200mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩は、約100mg/日~約200mg/日の投薬量で被験体に投与される。いくつかの実施形態では、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩は、約125mg/日~約175mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩は、約150mg/日~約160mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩は、約150mg/日の投薬量で投与される。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書中に提供した式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、毎日投与される。ある特定の実施形態では、本明細書中に開示の方法は、1日1回未満の間隔での反復投与を含む。例えば、ある特定の実施形態では、本明細書中に開示の方法は、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の、1日おき、5回/週、4回/週、3回/週、2回/週、または1回/週の投与を含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の方法は、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の被験体へのイベント・ドリブン投与を含む。
【0037】
本明細書中で使用される場合、用語「イベント・ドリブン」または「イベント・ドリブン投与」は、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の、(1)個体がHIVに曝露する(そうでなければ、個体のHIV獲得リスクが増加する)イベントの前(例えば、イベントの2時間前、1日前、2日前、5日前、または7日もしくはそれより多くの日前);および/または(2)個体がHIVに曝露する(そうでなければ、個体のHIV獲得リスクが増加する)イベント(または1回を超える再発イベント)の間;および/または(3)個体がHIVに曝露する(そうでなければ、個体のHIV獲得リスクが増加する)イベントの後(または一連の再発イベントにおける最後のイベントの後)の投与を指す。いくつかの実施形態では、イベント・ドリブン投与は、被験体のHIVへの曝露前に行われる。いくつかの実施形態では、イベント・ドリブン投与は、被験体のHIVへの曝露後に行われる。いくつかの実施形態では、イベント・ドリブン投与は、被験体のHIVへの曝露前および被験体のHIVへの曝露後に行われる。
【0038】
ある特定の実施形態では、本明細書中に開示の方法は、個体がHIVに曝露するか、そうでなければ個体のHIV獲得リスクが増加するイベントの前および/または後の(例えば、曝露前予防(PrEP)および/または曝露後予防(PEP)としての)投与を含む。個体のHIV獲得リスクを増加させ得るイベントの例には、HIV陽性パートナーまたはHIV状態が未知のパートナーとの肛門性交中のコンドームの不使用;3人を超える性行為のパートナーとの肛門性交;金銭、ギフト、シェルター、または薬物のアナルセックスとの交換;性行為感染症の診断を受けた男性パートナーとの性行為;およびHIV陽性であることが既知のパートナーとの性行為時の確実でないコンドームの使用が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の方法は、曝露前予防(PrEP)を含む。いくつかの実施形態では、本明細書中に開示の方法は、曝露後予防(PEP)を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露前に投与される。
【0040】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露前および後に投与される。
【0041】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露後に投与される。
【0042】
イベント・ドリブン服薬レジメンの例には、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の、HIV曝露(例えば、性交が含まれる、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの最初の性的活動)前の24~2時間以内の投与、その後の式(I)または式(II)の化合物または薬学的に許容され得る塩の、曝露(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動)期間中の24時間毎の投与、その後の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の、最後の曝露(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動)後のさらなる投与、および式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の、24時間後の最後の1回の投与が含まれる。
【0043】
イベント・ドリブン服薬レジメンのさらなる例には、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の、HIV曝露(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動)前の24時間以内の投与、次いで、曝露(例えば、最後の性交が含まれるHIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動)中の毎日投与、その後の最後の曝露のおよそ24時間後の最後の投与(2倍用量などの増加用量であり得る)が含まれる。
【0044】
連続的PrEPの例には、例えば、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の、曝露(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動)の少なくとも7日前の24時間毎の投与が含まれる。次いで、PrEPを中止する予定であるとき、最後の曝露の24時間後の投与(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの活動(最後の性交など)、必要に応じて、2倍用量として)。PrEPを再開する予定である場合、投与は、曝露(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの活動(性交の再開など))の少なくとも7日前に24時間毎に開始され得るか、あるいは、曝露(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの活動(性交の再開など))の少なくとも2時間前の(例えば、2倍用量の)の投与、次いで、24時間毎の投与であり得る。
【0045】
ある特定の実施形態では、例えば、PrEPとして投与されるとき、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント(例えば、性行為またはHIVウイルスへの他の曝露)の1時間~10日前、1時間~7日前、1時間~5日前、1~72時間前、1~48時間前、1~24時間前、または12~12時間前に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント前(例えば、性行為またはHIVウイルスへの他の曝露前)の10日、7日、5日、72時間、60時間、48時間、24時間、12時間、9時間、6時間、4時間、3時間、2時間、または1時間以内に投与される。ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント前に投与される(例えば、イベント前に投与される)とき、イベント(例えば、性的活動)の前に毎日投与される。ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベントの前に投与されるとき、イベント前に1~3回投与される。
【0046】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露の約24時間~約1時間前に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露の約72時間~約24時間前に投与される。
【0047】
式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が、被験体のHIVへの曝露前に投与される一定の実施形態では、本明細書中に開示の方法は、1またはそれを超える用量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を、被験体のHIVへの曝露中および/または曝露後に投与する工程をさらに含む。
【0048】
いくつかの実施形態では、例えば、PrEPレジメンの一部としてか、PEPレジメンの一部として投与されるとき、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、HIV曝露中に投与される。式(I)または式(II)の化合物が曝露前に投与されるある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、HIV曝露中(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動期間中)に(例えば、単回用量として)毎日投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、HIVへの最終曝露後に(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動期間後に)(例えば、1~7日間)毎日投与される。いくつかの実施形態では、投与は、HIVへの最終曝露後に1または2日間継続される。
【0049】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の最終用量を増加させる(例えば、2倍用量として、3倍用量としてなど)。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の増加用量は、2倍用量である。いくつかの実施形態では、増加用量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、HIVへの最終曝露後に(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動期間後に)(例えば、1~7日間)毎日投与される。いくつかの実施形態では、増加用量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、HIVへの最終曝露後に(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動期間後に)1または2日間投与される。
【0050】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、単回用量として、被験体のHIVへの曝露の約2~約24時間前に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、単回用量として、被験体のHIVへの曝露の約24時間後に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、単回用量として、被験体のHIVへの曝露の約48時間後に投与される。
【0051】
PrEPおよび/またはPEPのさらなる例は、例えば、「On Demand Antiretroviral Pre-exposure Prophylaxis for HIV Infection in Men Who Have Sex With Men」という表題の臨床試験の概要(臨床試験番号NCT01473472);「Prevention of HIV in Ile-de-France」という表題の臨床試験の概要(臨床試験番号NCT03113123)、およびMolina et al,N.Engl.J.Med.2015,353:2237-2246(その各々の開示全体が本明細書中で参考として援用される)に見出され得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、以下のように投与される:
i)被験体のHIVへの曝露の少なくとも7日前に開始する投与(例えば、1日用量として);
ii)被験体のHIVへの曝露中の投与(例えば、1日用量として);および
iii)被験体のHIVへの最終曝露後の約1~7日間の投与(例えば、1日用量として)、ここで、HIVへの最終曝露後の用量の各々は、必要に応じて2倍用量である。
【0053】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、以下のように投与される:
i)被験体のHIVへの曝露の少なくとも48時間前に開始する投与(例えば、1日用量として);
ii)被験体のHIVへの曝露中の投与(例えば、1日用量として);および
iii)被験体のHIVへの最終曝露後の約1~2日間の投与(例えば、1日用量として)、ここで、HIVへの最終曝露後の用量の各々は、必要に応じて2倍用量である。
【0054】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、以下のように投与される:
i)単回用量または2倍用量としての、被験体のHIVへの曝露の約2~約24時間前の投与;
ii)1日用量としての、被験体のHIVへの曝露中の投与;および
iii)単回用量または2倍用量としての、被験体のHIVへの最終曝露後の約48時間以内の投与。
【0055】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、以下のように投与される:
i)単回用量または2倍用量としての、被験体のHIVへの曝露の約2時間前の投与;
ii)1日用量としての、被験体のHIVへの曝露中の投与;および
iii)単回用量または2倍用量としての、被験体のHIVへの最終曝露後の約48時間以内の投与。
【0056】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、以下のように投与される:
i)単回用量または2倍用量としての、被験体のHIVへの曝露の約2時間前以内の投与;
ii)1日用量としての、被験体のHIVへの曝露中の投与;
iii)単回用量または2倍用量としての、被験体のHIVへの曝露後の約48時間以内の投与;および
iv)単回用量または2倍用量としての、被験体のHIVへの最終曝露後の約48時間と約72時間と間の投与。
【0057】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、以下のように投与される:
i)第1の投与(例えば、単回用量または2倍用量)としての、被験体のHIVへの曝露後の約24時間以内または約24時間での投与;および
ii)第2の投与(例えば、単回用量または2倍用量)としての、第1の投与後の約24時間と約48時間との間の投与。
【0058】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、以下のように投与される:
i)第1の投与(例えば、単回用量または2倍用量)としての、被験体のHIVへの曝露後の約24時間以内または約24時間での投与;および
ii)第2の投与(例えば、単回用量または2倍用量)としての、第1の投与後の約24時間以内または約24時間での投与。
【0059】
いくつかの実施形態では、例えば、PrEPレジメンの一部としてか、PEPレジメンの一部として投与されるとき、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント(例えば、性行為またはHIVウイルスへの他の曝露)の1~10日、1~7日、1~5日、1~72時間、1~48時間、1~36時間、1~24時間、または1~12時間後に投与される。ある特定の実施形態では、例えば、PEPとして投与されるとき、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後(例えば、性行為またはHIVウイルスへの他の曝露後)に7日間、14日間、21日間、28日間、30日間、または45日間投与される。ある特定の実施形態では、例えば、PEPとして投与されるとき、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後(例えば、性行為またはHIVウイルスへの他の曝露後)に30日間投与される。ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後(例えば、性行為またはHIVウイルスへの他の曝露後)の1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、12時間、18時間、24時間、36時間、または48時間未満に投与される。ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後(例えば、性行為またはHIVウイルスへの他の曝露後)に1日間、2日間、3日間、4日間、または5日間投与される。ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後に投与されるとき、イベント後に毎日投与される。ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後に投与されるとき、イベント後に1~3回投与される。ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後に投与されるとき、イベント後に1回投与される。
【0060】
ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後に投与されるとき、イベント後に2回投与される(例えば、イベント後24時間以内の第1の投与および第1の投与の約24時間後の第2の投与)。
【0061】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露中(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動期間中)に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露後(例えば、最終曝露後)(例えば、HIV陽性であることが既知の性行為のパートナーとの性的活動期間後)に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露(例えば、最終曝露)の約1時間~約72時間後に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露(例えば、最終曝露)の約1時間~約24時間後に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体のHIVへの曝露(例えば、最終曝露)の約24時間~約72時間後に投与される。
【0062】
いくつかの実施形態では、例えば、PrEPとして投与されるとき、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベントの前(例えば、性的活動の前)およびイベント後に投与される。例えば、ある特定の実施形態では、例えば、PrEPとして投与されるとき、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント(例えば、性的活動の前)の1~72時間、1~48時間、1~24時間、または1~12時間前およびイベントの1~48時間、1~36時間、1~24時間、または1~12時間後に投与される。例えば、いくつかの実施形態では、1またはそれを超える(例えば、1、2、または3つの)投薬量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント(例えば、性行為の前)の1~3日前およびイベント後に1回/日で1~5日間投与される。いくつかの実施形態では、1またはそれを超える(例えば、1、2、または3つの)投薬量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、個体のHIV獲得リスクが増加するイベント(例えば、性的活動の前)の1~24時間前および1またはそれを超える回数(例えば、1、2、または3回)でイベントの1~48時間後に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、1回/週、2回/週、3回/週、4回/週、または5回/週および1またはそれを超える回数(例えば、1、2、または3回)で個体のHIV獲得リスクが増加するイベント(例えば、性行為前の前)の1~48時間後に投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、2回/週および個体のHIV獲得リスクが増加するイベント後に1回(例えば、性行為後などの曝露の24時間以内に1錠)投与される。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約10mg/日~約200mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法をさらに提供する。
【0064】
いくつかの実施形態では、本出願は、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約10mg/日~約200mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法をさらに提供する。
【0065】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約10mg/日~約200mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、第1の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露後約24時間以内に行われ、第2の投与は、前述の第1の投与後約24時間以内または第1の投与の約24時間後に行われる、方法をさらに提供する。したがって、いくつかの実施形態では、第1の投与は、被験体のHIVへの曝露の約6時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約30時間後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約12時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約36時間後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約24時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約48時間後に行われる。
【0066】
いくつかの実施形態では、本出願は、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約10mg/日~約200mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、第1の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露後約24時間以内に行われ、第2の投与は、前述の第1の投与後約24時間以内または第1の投与の約24時間後に行われる、方法をさらに提供する。したがって、いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約6時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約30時間後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約12時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約36時間後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約24時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約48時間後に行われる。
【0067】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約10mg/日~約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法をさらに提供する。
【0068】
いくつかの実施形態では、本出願は、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約10mg/日~約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法をさらに提供する。
【0069】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法をさらに提供する。
【0070】
いくつかの実施形態では、本出願は、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法をさらに提供する。
【0071】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、第1の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露後約24時間以内に行われ、第2の投与は、前述の第1の投与後約24時間以内または第1の投与の約24時間後に行われる、方法をさらに提供する。したがって、いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約6時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約30時間後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約12時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約36時間後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約24時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約48時間後に行われる。
【0072】
いくつかの実施形態では、本出願は、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、前述の被験体に、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩(例えば、ナトリウム塩)を、約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、第1の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露後約24時間以内に行われ、第2の投与は、前述の第1の投与後約24時間以内または第1の投与の約24時間後に行われる、方法をさらに提供する。したがって、いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約6時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約30時間後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約12時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約36時間後に行われる。いくつかの実施形態では、第1の投与は被験体のHIVへの曝露の約24時間後に行われ、第2の投与は被験体のHIVへの曝露の約48時間後に行われる。
【0073】
いくつかの実施形態では、HIV(例えば、HIV-1および/またはHIV-2)を獲得するリスクを低下させる方法は、より安全な性行為の実施と組み合わせた、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の投与を含む。ある特定の実施形態では、HIV(例えば、HIV-1および/またはHIV-2)を獲得するリスクを低下させる方法は、HIV獲得リスクのある個体への投与を含む。HIV獲得リスクの高い個体の例には、制限されないが、HIVの性行為感染リスクのある個体が含まれる。
【0074】
いくつかの実施形態では、HIV獲得リスクの低下は、少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%である。いくつかの実施形態では、HIV獲得リスクの低下は、少なくとも約75%である。いくつかの実施形態では、HIV獲得リスクの低下は、約80%、85%、または90%である。
【0075】
本発明は、式(I)または式(II)の化合物の塩(薬学的に許容され得る塩など)をさらに含む。塩は、一般に、既存の酸部分または塩基部分をその塩形態に変換することによって親化合物が修飾された、開示の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容され得る塩は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症を引き起こすことなくヒトおよび動物の組織と接触した使用に適切であり、妥当な利益/リスク比に釣り合っているものである。薬学的に許容され得る塩の例には、アミンなどの塩基性残基の無機塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが含まれるが、これらに限定されない。本発明の薬学的に許容され得る塩には、例えば、非毒性の無機酸または有機酸から形成された親化合物の従来の非毒性の塩が含まれる。本発明の薬学的に許容され得る塩は、従来の化学的方法によって塩基性部分または酸性部分を含む親化合物から合成され得る。一般に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸または有機塩基の形態を、化学量論量の適切な塩基または酸と反応させることによって調製され得る。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418およびJournal of Pharmaceutical Science,66,2(1977)(これらの各々の全体が、本明細書中で参考として援用される)に見出される。いくつかの実施形態では、塩はナトリウム塩である。
【0076】
式(I)もしくは式(II)の化合物またはその塩は、組成物中に存在し得、ここで、組成物は、本発明の式(I)もしくは式(II)の化合物または塩以外の少なくとも1つの化合物を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ビクテグラビルまたはその塩および1またはそれを超えるさらなる化合物(例えば、1またはそれを超えるさらなる治療化合物)またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ビクテグラビルまたはその塩;コビシスタットまたはその塩;および1またはそれを超えるさらなる化合物(例えば、1またはそれを超えるさらなる治療化合物)またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、エルビテグラビルまたはその塩および1またはそれを超えるさらなる化合物(例えば、1またはそれを超えるさらなる治療化合物)またはその塩を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、エルビテグラビルまたはその塩;コビシスタットまたはその塩;および1またはそれを超えるさらなる化合物(例えば、1またはそれを超えるさらなる治療化合物)またはその塩を含む。組成物は、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその塩、および1またはそれを超える溶媒和物、基質、担体などを含む混合物を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその塩を、約25重量%超、例えば、約25重量%超、約50重量%超、約75重量%超、約80重量%超、約90重量%超、または約95重量%超の量で含む。
【0077】
本発明は、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および少なくとも1つの薬学的に許容され得る担体を含む医薬組成物をさらに含む。本明細書中で使用される場合、「薬学的に許容され得る担体」は、ヒトまたは家畜における使用が容認できるものとして米国食品医薬品局によって承認されている任意のアジュバント、担体、滑剤、流動促進剤、甘味剤、賦形剤、防腐剤、色素/着色剤、フレーバー強化剤、界面活性剤、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、安定剤、等張剤、溶媒、または乳化剤を指すことが意図される。
【0078】
式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の投与は、類似の用途のための剤の許容された投与様式のうちのいずれかによって実行され得る。本発明の医薬組成物を、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、適切な薬学的に許容され得る担体と組み合わせることによって調製され得、特定の実施形態では、固体、半個体、液体、または気体の形態の調製物(錠剤、カプセル、散剤、顆粒剤、軟膏、液剤、坐剤、注射剤、吸入剤、ゲル、ミクロスフェア、およびエアロゾルなど)に製剤化される。かかる医薬組成物の例示的な投与経路には、制限されないが、経口、局所、経皮、吸入、非経口、舌下、口内、直腸、膣、および鼻腔内が含まれる。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は錠剤である。いくつかの実施形態では、本発明の医薬組成物は、注射剤(例えば、筋肉内(IM)または腹腔内(IP))である。本発明の医薬組成物は、被験体への組成物の投与の際に、前述の組成物中に含まれる有効成分が生物学的に利用できるように製剤化される。被験体に投与される組成物は、1またはそれを超える投薬単位の形態を取り、ここで、例えば、錠剤は、単一の投薬単位であってよく、エアロゾル形態の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の容器は、複数の投薬単位を保持してよい。かかる投薬形態の実際の調製方法は、当業者に公知であるか、明らかである;例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition(Philadelphia College of Pharmacy and Science,2000を参照のこと)。本明細書中に記載のように、投与すべき組成物は、任意のイベントにおいて、HIV感染の予防またはHIV獲得リスクの低下のための治療有効量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は経口投与される。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は非経口投与される。非経口投与には、静脈内、動脈内、皮下、腹腔内、筋肉内、頭蓋内、経皮、および膣内投与が含まれるが、これらに限定されない。例えば、単回ボーラス用量の形態または連続灌流ポンプによって、非経口投与は、投与され得る。いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、被験体に医療機器を介して投与される。例示的な医療機器には、パッチ(例えば、経皮貼布)、埋込み型デバイス(例えば、活性剤の定量放出または徐放のための埋込み型デバイス;皮下デバイス)、シリンジ、および避妊器具(例えば、膣リング、子宮内器具)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0080】
本明細書中に開示の医薬組成物は、薬学分野で周知の方法論によって調製され得る。例えば、ある特定の実施形態では、注射による投与を意図する医薬組成物は、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩を、溶液を形成させるための滅菌蒸留水と組み合わせることによって調製され得る。いくつかの実施形態では、均一な溶液または懸濁液の形成を容易にするために、界面活性剤が添加される。界面活性剤は、水性送達系での化合物の溶解または均一な懸濁を容易にするための、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩と非共有結合的に相互作用する化合物である。
【0081】
用語「有効量」または「治療有効量」は、本明細書中に記載のように、必要とする被験体に投与されたときに、HIV感染の予防またはHIV感染にかかるリスクの低下に十分な式(I)もしくは式(II)の化合物、または他の抗HIV剤、またはその薬学的に許容され得る塩の量を指す。かかる量は、研究者または臨床医が調査する組織系または被験体の生物学的または医学的な応答を誘発するのに十分である。治療有効量を構成する式(I)もしくは式(II)の化合物または他の抗HIV剤の量は、投与のために使用される化合物、塩、または組成物、投与時間、投与経路、化合物の排出率、処置期間、処置される病状または障害のタイプおよびその重症度、式(I)または式(II)の化合物と組み合わせてか同時に使用される薬物、ならびに被験体の年齢、体重、全身健康、性別、および食事などの要因に応じて変動する。かかる治療有効量は、当業者によって、当業者自身の知識、最新の技術、および本開示を考慮して、日常的に決定され得る。
【0082】
用語「被験体」は、HIV感染などのウイルス感染の治療的処置または予防的処置が必要なヒトまたは他の哺乳動物(実験動物および家で飼うペット(例えば、ネコ、イヌ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ウサギ)および非家畜動物(非ヒト霊長類および野生哺乳動物など)など)を指すことを意図する。
併用療法
【0083】
1またはそれを超えるさらなる治療剤は、被験体において(例えば、ヒト被験体において)HIV感染を予防するために本発明の化合物、塩、および組成物と組み合わせて使用され得る。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩、および1またはそれを超えるさらなる治療剤を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、および1~3つのさらなる治療剤(例えば、1~3つの抗HIV剤)を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩、および1~3つのさらなる治療剤(例えば、1~3つの抗HIV剤)を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、および1~3つのさらなる治療剤(例えば、1~3つの抗HIV剤)を含む。いくつかの実施形態では、本発明の組成物は、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩、および1~3つのさらなる治療剤(例えば、1~3つの抗HIV剤)を含む。
【0084】
上記の実施形態では、さらなる治療剤は、抗HIV剤であってよい。例えば、いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、HIV非触媒部位(またはアロステリックの)インテグラーゼ阻害剤、侵入阻害剤(例えば、CCR5阻害剤、gp41阻害剤(すなわち、融合阻害剤)、およびCD4付着阻害剤)、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤、HIVキャプシドを標的にする化合物(「キャプシド阻害剤」;例えば、キャプシド重合抑制剤またはキャプシド破壊化合物(WO2013/006738号(Gilead Sciences)、US2013/0165489号(University of Pennsylvania)、およびWO2013/006792号(Pharma Resources)に開示のものなど)、薬物動態学的エンハンサー、およびHIVを処置するための他の薬物、ならびにその組み合わせ物からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗HIV剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、薬物動態学的エンハンサー、またはその組み合わせ物である。いくつかの実施形態では、抗HIV剤は、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆のHIVヌクレオチド阻害剤、またはその組み合わせ物である。いくつかの実施形態では、1またはそれを超えるさらなる治療剤の各々は、抗HIV剤である。
【0085】
さらなる実施形態では、さらなる治療剤は、以下のうちの1つまたは複数から選択される:
(1)アンプレナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、インジナビル、ロピナビル、リトナビル、ネルフィナビル、サキナビル、チプラナビル、ブレカナビル、ダルナビル、TMC-126、TMC-114、モゼナビル(DMP-450)、JE-2147(AG1776)、L-756423、RO0334649、KNI-272、DPC-681、DPC-684、GW640385X、DG17、PPL-100、DG35、およびAG1859からなる群から選択されるHIVプロテアーゼ阻害剤;
(2)カプラビリン、エミビリン、デラビリジン、エファビレンツ、ネビラピン、(+)カラノリドA、エトラビリン、GW5634、DPC-083、DPC-961、DPC-963、MIV-150、TMC-120、リルピビリン、BILR355BS、VRX840773、レルシビリン(UK-453061)、RDEA806、KM023、およびMK-1439からなる群から選択される逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤またはHIV非ヌクレオチド阻害剤;
(3)ジドブジン、エムトリシタビン、ジダノシン、スタブジン、ザルシタビン、ラミブジン、アバカビル、アムドキソビル、エルブシタビン、アロブジン、MIV-210、±-FTC、D-d4FC、ホスファジド、ホジブジンチドキシル、アプリシチビン(AVX754)、KP-1461、GS-9131(Gilead Sciences)、およびホサルブジンチドキシル(以前はHDP99.0003)からなる群から選択される逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤;
(4)テノホビル、フマル酸テノホビルジソプロキシル、テノホビルアラフェナミド(Gilead Sciences)、GS-7340(Gilead Sciences)、GS-9148(Gilead Sciences)、アデホビル、アデホビルジピボキシル、CMX-001(Chimerix)、またはCMX-157(Chimerix)からなる群から選択される逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤;
(5)ラルテグラビル、エルビテグラビル、ドルテグラビル、カボテグラビル、クルクミン、クルクミンの誘導体、キコル酸、キコル酸の誘導体、3,5-ジカフェオイルキナ酸、3,5-ジカフェオイルキナ酸の誘導体、アウリントリカルボン酸、アウリントリカルボン酸の誘導体、カフェー酸フェネチルエステル、カフェー酸フェネチルエステルの誘導体、チロホスチン、チロホスチンの誘導体、ケルセチン、ケルセチンの誘導体、S-1360、AR-177、L-870812、およびL-870810、BMS-538158、GSK364735C、BMS-707035、MK-2048、BA011、およびGSK-744からなる群から選択されるHIVインテグラーゼ阻害剤;
(6)HIV非触媒部位、すなわち、アロステリックのインテグラーゼ阻害剤(NCINI)(BI-224436、CX0516、CX05045、CX14442、WO2009/062285号(Boehringer Ingelheim)、WO2010/130034号(Boehringer Ingelheim)、WO2013/159064号(Gilead Sciences)、WO2012/145728号(Gilead Sciences)、WO2012/003497号(Gilead Sciences)、WO2012/003498号(Gilead Sciences)(これらの各々の全体が本明細書中で参考として援用される)に開示の化合物が含まれるが、これらに限定されない);
(7)エンフビルチド、シフビルチド、アルブビルチド、FB006M、およびTRI-1144からなる群から選択されるgp41阻害剤;
(8)CXCR4阻害剤AMD-070;
(9)侵入阻害剤SP01A;
(10)gp120阻害剤BMS-488043;
(11)G6PDおよびNADH-オキシダーゼ阻害剤イムニチン;
(12)アプラビロック、ビクリビロック、マラビロック、セニクリビロック、PRO-140、INCB15050、PF-232798(Pfizer)、およびCCR5mAb004からなる群から選択されるCCR5阻害剤;
(13)イバリズマブ(TMB-355)およびBMS-068(BMS-663068)からなる群から選択されるCD4付着阻害剤;
(14)リトナビル、コビシスタットおよびSPI-452からなる群から選択される薬物動態学的エンハンサー;および
(15)BAS-100、SPI-452、REP9、SP-01A、TNX-355、DES6、ODN-93、ODN-112、VGV-1、PA-457(ベビリマット)、HRG214、VGX-410、KD-247、AMZ0026、CYT99007A-221HIV、DEBIO-025、BAY50-4798、MDX010(イピリムマブ)、PBS119、ALG889、およびPA-1050040(PA-040)からなる群から選択されるHIV処置のための他の薬物、
ならびにその組み合わせ物。
【0086】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、1つ、2つ、3つ、またはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせられる。1つ、2つ、3つ、またはそれを超えるさらなる治療剤は、同一の治療剤クラスから選択される異なる治療剤であり得るか、異なる治療剤クラスから選択され得る。特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤またはHIVヌクレオシド阻害剤および逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤と組み合わせられる。別の特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤またはHIVヌクレオシド阻害剤およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わせられる。さらなる実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤またはHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、およびHIVプロテアーゼ阻害化合物と組み合わせられる。さらなる実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤またはHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、および薬物動態学的エンハンサーと組み合わせられる。
【0087】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩であるさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、さらなる治療剤はエムトリシタビンでる。
【0088】
いくつかの実施形態では、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩は、約10mg/日~約500mg/日、例えば、約10mg/日、約50mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、または約500mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩は、約100mg/日~約300mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩は、約175mg/日~約225mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩は、約190mg/日~約210mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩は、約200mg/日の投薬量で投与される。
【0089】
いくつかの実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩から選択されるさらなる治療剤と組み合わせて投与される。
【0090】
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である。いくつかの実施形態では、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩は、約1mg/日~約100mg/日、例えば、約1mg/日、約10mg/日、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、または約100mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩は、約10mg/日~約50mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩は、約20mg/日~約30mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩は、約25mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルアラフェナミドは、テノホビルアラフェナミドヘミフマラートである。いくつかの実施形態では、テノホビルアラフェナミドヘミフマラートは、約28mg/日の投薬量で投与される。
【0091】
いくつかの実施形態では、さらなる治療剤は、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩である。いくつかの実施形態では、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約1mg/日~約500mg/日、例えば、約1mg/日、約10mg/日、約25mg/日、約50mg/日、約75mg/日、約100mg/日、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、約300mg/日、約350mg/日、約400mg/日、約450mg/日、または約500mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約123mg/日、約163mg/日、約204mg/日、または約245mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約10mg/日~約500mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約20mg/日~約300mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約10mg/日~約50mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約20mg/日~約30mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩は、約25mg/日の投薬量で投与される。いくつかの実施形態では、テノホビルジソプロキシルは、フマル酸テノホビルジソプロキシルである。いくつかの実施形態では、フマル酸テノホビルジソプロキシルは、約150mg/日、約200mg/日、約250mg/日、または約300mg/日の投薬量で投与される。
【0092】
いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である第1のさらなる治療剤、およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、第1のさらなる治療剤はエムトリシタビンであり、第2のさらなる治療剤はテノホビルアラフェナミドヘミフマラートである。
【0093】
いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である第1のさらなる治療剤、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、第1のさらなる治療剤はエムトリシタビンであり、第2のさらなる治療剤はテノホビルアラフェナミドヘミフマラートである。
【0094】
いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である第1のさらなる治療剤、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤、およびコビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩である第3のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、第1のさらなる治療剤はエムトリシタビンであり、第2のさらなる治療剤はテノホビルアラフェナミドヘミフマラートであり、第3のさらなる治療剤はコビシスタットである。
【0095】
いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である第1のさらなる治療剤、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤、およびコビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩である第3のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、第1のさらなる治療剤はエムトリシタビンであり、第2のさらなる治療剤はテノホビルアラフェナミドヘミフマラートであり、第3のさらなる治療剤はコビシスタットである。
【0096】
いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である第1のさらなる治療剤、およびテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、第1のさらなる治療剤はエムトリシタビンであり、第2のさらなる治療剤はフマル酸テノホビルジソプロキシルである。
【0097】
いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である第1のさらなる治療剤、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、第1のさらなる治療剤はエムトリシタビンであり、第2のさらなる治療剤はフマル酸テノホビルジソプロキシルである。
【0098】
いくつかの実施形態では、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である第1のさらなる治療剤、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤、およびコビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩である第3のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、第1のさらなる治療剤はエムトリシタビンであり、第2のさらなる治療剤はフマル酸テノホビルジソプロキシルであり、第3のさらなる治療剤はコビシスタットである。
【0099】
いくつかの実施形態では、エルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩は、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である第1のさらなる治療剤、テノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤、およびコビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩である第3のさらなる治療剤と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、第1のさらなる治療剤はエムトリシタビンであり、第2のさらなる治療剤はフマル酸テノホビルジソプロキシルであり、第3のさらなる治療剤はコビシスタットである。
【0100】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0101】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0102】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0103】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0104】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0105】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0106】
いくつかの実施形態では、本発明は、HIV(例えば、HIV-1および/またはHIV-2)を獲得するリスクを低下させる方法であって、前述の被験体に、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を、1またはそれを超える本明細書中に記載のさらなる治療剤と組み合わせて投与する工程を含む、方法をさらに提供する。例えば、HIV(例えば、HIV-1および/またはHIV-2)を獲得するリスクを低下させる方法は、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を、1つ、2つ、または3つの本明細書中に開示のさらなる治療剤と組み合わせて投与する工程を含む。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0107】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0108】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0109】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0110】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0111】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0112】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前の間に1~3回および/または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後の間に1~3回行われる。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる。
【0113】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0114】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0115】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0116】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0117】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0118】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0119】
いくつかの実施形態では、本発明は、HIV(例えば、HIV-1および/またはHIV-2)を獲得するリスクを低下させる方法であって、前述の被験体に、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を、1またはそれを超える本明細書中に記載のさらなる治療剤と組み合わせて投与する工程を含む、方法をさらに提供する。例えば、HIV(例えば、HIV-1および/またはHIV-2)を獲得するリスクを低下させる方法は、ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を、1つ、2つ、または3つの本明細書中に開示のさらなる治療剤と組み合わせて投与する工程を含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0121】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0122】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0123】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0124】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0125】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0126】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約100mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのビクテグラビル;
(b)約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約50mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのテノホビルアラフェナミド。
【0127】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約100mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのビクテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのテノホビルアラフェナミド。
【0128】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約50mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのビクテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのテノホビルアラフェナミド。
【0129】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのビクテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約245mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのテノホビルジソプロキシル。
【0130】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのビクテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約300mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのテノホビルジソプロキシル。
【0131】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのビクテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約300mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。
【0132】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約104mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約56mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。
【0133】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約104mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約28mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。
【0134】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約52mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約28mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。
【0135】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0136】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0137】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0138】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0139】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0140】
本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIV感染を予防する方法をさらに提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0141】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0142】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0143】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0144】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0145】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0146】
いくつかの実施形態では、本発明は、被験体に以下を投与する工程を含む、被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法を提供する:
(a)約100mg/日~約200mg/日の投薬量のエルビテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約500mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。いくつかの実施形態では、前述の投与は、前述の被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前述の被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる。
【0147】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約50mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのエルビテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのテノホビルアラフェナミド。
【0148】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのエルビテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約245mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのテノホビルジソプロキシル。
【0149】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのエルビテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約300mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのテノホビルジソプロキシル。
【0150】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約25mg/日の投薬量の薬学的に許容され得る塩としてのエルビテグラビル;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約300mg/日の投薬量のフマル酸テノホビルジソプロキシル。
【0151】
ある特定の実施形態では、本明細書中に記載の方法は、以下の投与を含む:
(a)約52mg/日の投薬量のエルビテグラビルナトリウム;
(b)約200mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約28mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート。
【0152】
ある特定の実施形態では、記載の方法は、コビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩の投与をさらに含む。ある特定の実施形態では、記載の方法は、約100mg/日~約300mg/日の投薬量のコビシスタットまたはその薬学的に許容され得る塩の投与をさらに含む。ある特定の実施形態では、記載の方法は、約200mg/日の投薬量のコビシスタットの投与をさらに含む。
【0153】
ある特定の実施形態では、HIV獲得リスクの低下は、少なくとも約40%、50%、60%、70%、80%、90%、または95%である。ある特定の実施形態では、HIV獲得リスクの低下は、少なくとも約75%である。ある特定の実施形態では、HIV獲得リスクの低下は、約80%、85%、または90%である。
【0154】
ある特定の実施形態では、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩は、1またはそれを超える上記のさらなる治療剤と組み合わせられるとき、組成物の成分は、同時レジメンまたは逐次レジメンとして投与される。逐次的に投与されるとき、組み合わせ物を2回またはそれを超える回数投与しても良い。
【0155】
ある特定の実施形態では、式(I)または式(II)の化合物は、被験体への同時投与のための単位投薬形態、例えば、経口投与のための固体投薬形態(例えば、用量固定組み合わせ錠剤)として1またはそれを超えるさらなる治療剤と組み合わせられる。
【0156】
式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩の、1またはそれを超えるさらなる治療剤との共投与は、一般に、治療有効量の式(I)または式(II)の化合物および1またはそれを超えるさらなる治療剤の両方が被験体の体内に存在するような、式(I)または式(II)の化合物および1またはそれを超えるさらなる治療剤の同時投与または逐次投与を指す。
【0157】
共投与は、単位投薬量のビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、単位投薬量の1またはそれを超えるさらなる治療剤の投与前または投与後の投与(例えば、式(I)もしくは式(II)の化合物またはその塩の、1またはそれを超えるさらなる治療剤の投与の数秒以内、数分以内、または数時間以内の投与)を含む。例えば、いくつかの実施形態では、単位用量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が最初に投与され、その後数秒以内または数分以内に単位用量の1またはそれを超えるさらなる治療剤が投与される。あるいは、他の実施形態では、単位用量の1またはそれを超えるさらなる治療剤が最初に投与され、その後数秒以内または数分以内に単位用量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が投与される。いくつかの実施形態では、単位用量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が最初に投与され、その数時間(例えば、1~12時間)後に、単位用量の1またはそれを超えるさらなる治療剤が投与される。他の実施形態では、単位用量の1またはそれを超えるさらなる治療剤が最初に投与され、その数時間(例えば、1~12時間)後に、単位用量の式(I)もしくは式(II)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩が投与される。
【0158】
本発明を、具体例によってより詳細に記載する。以下の実施例を例示の目的のために提供し、これらの実施例は、本発明のいかなる様式にも制限することを意図しない。当業者は、本質的に同一の結果を得るために変更または修正することができる種々の重要でないパラメーターを容易に認識する。
【実施例】
【0159】
実施例1.TDF/FTC PrEPと比較したTAF/FTCによって回避されるHIV感染の比率を評価するための第2のランダム化を行った3アーム2段階HIV予防ワクチン試験
表題の実施例を、以下のプロトコールに従って実施する:
【0160】
デザイン:2つのワクチン併用実験レジメンの各々をプラセボ対照と比較する第III相3アームランダム化。2つのPrEPレジメン(オープンラベルTDF/FTCまたはTAF/FTC毎日投与)を比較する第2の1:1ランダム化がある。被験体は26週までPrEP研究を受け、その後にPrEPから現地供給物(local supply)に戻る。HIV状態のプレスクリーニングを、先行する登録コホートの一部として実施し、PrEPワクチン接種登録と並行して継続する。
【0161】
目的/目標:1)最初の26週間(PrEP期間)にHIV発生数を測定すること;2)全部で3回免疫化を受けた被験体の26週目から74週目までのHIV発生数を測定すること;3)PrEP中断の臨床判断に至る有害事象を測定すること。
【0162】
期間:被験体1人あたり40週間のPrEP(免疫化期間中)。
【0163】
TAF/FTCが、必要に応じてFTCおよびTAFと組み合わせたBICまたはEVGと置き換えられるように、試験をさらに修正することができる。
実施例2.妊娠中および授乳中の女性における曝露前予防(PrEP)の開始、維持、およびアドヒアランスの評価
表題の実施例を、以下のプロトコールに従って実施する:
【0164】
デザイン:最初の出産前ケア(ANC)のための来診時に採用される1200人の妊婦における観察コホート研究(n=600人の妊婦/施設)。
【0165】
目的/目標:1)定量的アプローチおよび定性的アプローチを使用して、妊娠中の女性および授乳中の女性のコホートにおいて、PrEPカスケード(開始、維持、およびアドヒアランス)にわたる女性の分布およびアウトカム(HIV獲得、伝播、および有害事象)を決定すること;2)定量的アプローチおよび定性的アプローチを使用して、PrEPカスケードに関連する被験体および提供者に起因する要因を評価すること;3)HIV感染回避(母体および出生時)に及ぼすPrEPカスケード改善の影響をシミュレートするために樹立された数学モデルを適用すること。
【0166】
症例数:1200
【0167】
期間:平均18ヶ月間
実施例3.HIV非感染の女性に対して受胎前後に使用するためのPrEPとしてのFTC/TDF毎日投与を提供するための1アーム縦断的研究
表題の実施例を、以下のプロトコールにしたがって行う:
【0168】
デザイン:感染したパートナーまたはセロステータスが未知のパートナーとの妊娠計画を報告しているHIV非感染の女性に対して受胎前後に使用するためのPrEPとしてのFTC/TDF毎日投与を提供するための1アーム縦断的研究。女性には、妊娠中にPrEPを受けるという選択肢がある。PrEPは、カップルを基本としたHIVカウンセリングおよび試験(CHCT)、感染したパートナーのための抗レトロウイルス療法(ART)、STIの処置、およびより安全な受胎ストラテジー(受胎能を高めるためのコンドームを用いない性行為の制限など)を含むより安全な受胎パッケージの一部として提供される。
【0169】
目的/目標:1)受胎前後および妊娠追跡中の女性によるPrEPの理解度を測定すること;2)受胎前後PrEPを開始し、妊娠中にPrEPを継続する(3ヶ月毎の血漿濃度、デイリーエレクトリックピルキャップ)女性のPrEP使用に対するアドヒアランスを測定すること;3)概念的枠組みを通知するための受胎前後および妊娠中のPrEPアドヒアランスの促進要因および障害要因を調査するための定性的方法を使用すること。
【0170】
症例数:350人のHIV非感染の女性;2018年8月時点で67人の被験体が登録されている。
【0171】
期間:最短で12ヶ月間(研究時に妊娠していない女性)および最長で24ヶ月間(最初の12ヶ月間に受胎した女性)。
【0172】
FTC/TDFが、必要に応じてFTCおよびTAF(またはTDF)と組み合わせたBICまたはEVGと置き換えられるように、この研究を修正することができる。
実施例4.HIV予防のための即時型または遅延型PrEP
表題の実施例を、以下のプロトコールにしたがって行う:
【0173】
デザイン:オープンラベルランダム化対照研究/
【0174】
主要目的:女性および女性の乳児における有害事象の頻度および重篤度をアームAとアームBとで比較することであって、ここで、アームAでは妊娠中の即時型PrEPを割り付けており、アームBではPrEPを出産後まで延期した。
【0175】
症例数:842(1:1);2018年8月時点で268人の被験体が登録されている。
【0176】
表題の試験を2017年10月に開始し、現在進行中であり、1ヶ月あたり400人の被験体が来診している(反復研究のための来診)。
実施例5.非ヒト霊長類モデルにおけるイベント・ドリブンPrEP/PEPのためのGenvoya(登録商標)の評価
【0177】
この研究を、非ヒト霊長類(NHP)動物モデルを使用したHIV PrEP/PEP「オンデマンド」のためのGenvoya(登録商標)(コビシスタット/エルビテグラビル/エムトリシタビン/テノホビル)の最小有効服薬レジメンを確立するために行う。PEPレジメンを、曝露から72時間以内にできるだけ早く開始する。2つの研究デザインを、以下の表1に示す。
【表1】
【0178】
インド原産のアカゲザルは、HIV伝播について最も特徴づけられており、かつ最も利用されている非ヒト霊長類モデルである(例えば、Hatziioannou and Evans.Nature Rev Microbiol,2012を参照のこと)。これらの動物のSIV感染は、HIV-1病理発生の特徴を概括している(Del Prete and Lifson.Curr Top Microbiol Immunol,2017)。SHIVは、R5向性HIV-1エンベロープを保有するキメラウイルスであり、このウイルスは、マカクに容易に感染し、ヒト集団における天然に伝播するウイルスに似ている。
【0179】
FTCのTDFまたはTAFとの組み合わせは、アカゲザルにおけるSHIVの直腸感染の予防に非常に有効である(例えば、表2にまとめた最近発表されたデータを参照のこと)。より最近では、この研究は、ブタオザルモデルにおけるSHIVの膣ウイルスチャンレンジの予防にまで広げられている。現在、アカゲザルにおけるGEN(E/C/F/TAF)を用いた短期かつ強力なレジメンを同定する取り組みが進行中である。理論に拘束されないが、INSTI(RT阻害剤と比較してウイルス生活環のより後期の段階を標的にする薬物クラス)を添加すると防御がより改善されるとの仮説が立てられる。
【表2】
【0180】
本研究を、表3および
図1にまとめている。研究群スキーム(
図1)に詳述するように、Genvoyaを経口経管栄養によって麻酔下の動物に服薬させる。血漿ウイルス量を、2週間間隔の標準的なqPCRアッセイによって測定して感染を確認する。動物を、最後のチャレンジ後に全部で少なくとも60日間モニタリングする。結果として得られたプラセボと比較した防御率が、最小有効服薬レジメンを決定づける。
【表3】
【0181】
提案した処置群を
図1にまとめている。これらの群を、複数の研究群に分割し、逐次的に研究することができる。Genvoya(登録商標)が、必要に応じてFTCおよびTAF(またはTDF)と組み合わせたBICと置き換えられるように、この研究を修正することができる。
実施例6.非ヒト霊長類モデルにおけるPEPについてのBIC/FTC/TAFの評価
【0182】
以前の研究では、SHIV162P3での反復低量直腸チャレンジにおける感染予防の有効性を、25mg BIC(ビクテグラビル)、200mg FTC(エムトリシタビン)、および25mg TAF(テノホビルアラフェナミド)または200mg FTCおよび25mg TAFのカクテルのいずれかからなる2つの抗レトロウイルス療法(ART)レジメンと比較した。動物を、3つの服薬レジメン(2~4群または5~7群)に層別化し、これらの群に、
図2にまとめたように、上記薬物の組み合わせ物のうちの2つを曝露前または曝露後のいずれかに投与した。チャレンジの2週間後に血漿ウイルス血症を測定することによって感染率を確立した。8チャレンジサイクル後、-2時間/+24時間レジメンでほぼ完全に防御され(BIC/FTC/TAFアームにおける感染数0/6およびFTC/TAFアームにおける感染数1/6)、+24時間/+48時間レジメンでの防御は最小であり(BIC/FTC/TAFアームにおける感染数5/6およびFTC/TAFアームにおける感染数5/6)、+48時間/+72時間レジメンでは防御されなかった(BIC/FTC/TAFアームにおける感染数6/6およびFTC/TAFアームにおける感染数5/5)。3回のチャレンジ以内で6匹全ての動物が感染されるようになったプラセボ対照群と比較して、曝露後24時間より早期に処置を開始した第2群および第5群のみにおいて有意な防御が認められた(
図3)。
【0183】
上記の結果を考慮して、BIC用量を100mgまで増加させると、曝露の24時間後またはそれより後に処置を開始した場合に防御率を改善することができるかどうかを判定するための研究を行った。第2の目的は、3種または2種の薬物レジメンのいずれかでの曝露後24時間より早期(例えば、曝露の6または12時間後)に処置を開始した場合に、曝露後処置の開始が防御を示し得るかどうかを判断することであった。
【0184】
以下の服薬レジメンを試験した(
図4に模式的に示す):
1.プラセボ対照
2.100mg BIC、25mg TAF、200mg FTCを、SHIVチャレンジ後+6、+30で服薬
3.100mg BIC、25mg TAF、200mg FTCを、SHIVチャレンジ後+12、+36で服薬
4.100mg BIC、25mg TAF、200mg FTCを、SHIVチャレンジ後+24、+48で服薬
5.100mg BIC、25mg TAF、200mg FTCを、SHIVチャレンジ後+48、+72で服薬
6.25mg TAF、200mg FTCを、SHIVチャレンジ後+6、+30で服薬
7.25mg TAF、200mg FTCを、SHIVチャレンジ後+12、+36で服薬
【0185】
7つの試験群の各々における5回のチャレンジ後の感染率(SHIV162P3を用いた直腸内経路)を、
図5および以下の表4に示す。
【表4】
【0186】
群2、3、および4で有意な防御が認められた(100mg BIC、25mg TAF、200mg FTCを、SHIVチャレンジ後+6、+30で服薬;SHIVチャレンジ後+12、+36で服薬;およびSHIVチャレンジ後+24、+48で服薬)。
【0187】
明確にするために個別の実施形態という形式で記載の本発明のある特定の特徴を、組み合わせて単一の実施形態で提供することもできることを認識すべきである。逆に、簡潔にするために単一の実施形態の形式で記載の本発明の種々の特徴を、個別に、または任意の適切なサブコンビネーションで提供することもできる。
【0188】
刊行物、特許、および特許文献が含まれるすべての参考文献は、あたかも個別に参考として援用されるように、本明細書中で参考として援用される。本開示は、種々の実施形態および技術について言及している。しかしながら、本開示の意図内および趣旨内であることを維持しながら多数の変更および修正が可能であると理解すべきである。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、前記被験体にビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、方法。
(項目2)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、約10mg/日~約200mg/日の投薬量で投与される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、約10mg/日~約100mg/日の投薬量で投与される、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、約25mg/日~約75mg/日の投薬量で投与される、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、約100mg/日の投薬量で投与される、項目1または2に記載の方法。
(項目6)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、約50mg/日の投薬量で投与される、項目1に記載の方法。
(項目7)
1~3つのさらなる治療剤を前記被験体に投与する工程をさらに含む、項目1~6のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、および1~3つのさらなる治療剤が同時に投与される、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、および1~3つのさらなる治療剤が単位投薬形態として投与される、項目7または8に記載の方法。
(項目10)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、および1~3つのさらなる治療剤が用量固定組み合わせ錠剤として投与される、項目7~9のいずれか1項に記載の方法。
(項目11)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩、および1~3つのさらなる治療剤が逐次的に投与される、項目7に記載の方法。
(項目12)
前記さらなる治療剤の各々が、HIVプロテアーゼ阻害化合物、逆転写酵素のHIV非ヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオシド阻害剤、逆転写酵素のHIVヌクレオチド阻害剤、HIVインテグラーゼ阻害剤、gp41阻害剤、CXCR4阻害剤、gp120阻害剤、CCR5阻害剤、およびHIVキャプシド阻害剤、またはその任意の組み合わせ物から独立して選択される、項目7~11のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
1つのさらなる治療剤がエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩である、項目7~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩が、約100mg/日~約300mg/日の投薬量で投与される、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩が、約175mg/日~約225mg/日の投薬量で投与される、項目13に記載の方法。
(項目16)
前記エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩が、約200mg/日の投薬量で投与される、項目13に記載の方法。
(項目17)
1つのさらなる治療剤が、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩、およびテノホビルジソプロキシルまたはその薬学的に許容され得る塩から選択される、項目7~16のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
1つのさらなる治療剤が、テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である、項目7~17のいずれか1項に記載の方法。
(項目19)
前記テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩が、約10mg/日~約50mg/日の投薬量で投与される、項目17または18に記載の方法。
(項目20)
前記テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩が、約20mg/日~約30mg/日の投薬量で投与される、項目17または18に記載の方法。
(項目21)
前記テノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩が、約25mg/日の投薬量で投与される、項目17または18に記載の方法。
(項目22)
1つのさらなる治療剤がテノホビルアラフェナミドヘミフマラートである、項目18~21のいずれか1項に記載の方法。
(項目23)
エムトリシタビンである第1のさらなる治療剤およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩である第2のさらなる治療剤を投与する工程を含む、項目7~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目24)
エムトリシタビンである第1のさらなる治療剤およびテノホビルアラフェナミドヘミフマラートである第2のさらなる治療剤を投与する工程を含む、項目7~12のいずれか1項に記載の方法。
(項目25)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が単剤療法として投与される、項目1~6のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が毎日投与される、項目1~25のいずれか1項に記載の方法。
(項目27)
前記方法が、前記被験体への前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩のイベント・ドリブン投与を含む、項目1~26のいずれか1項に記載の方法。
(項目28)
前記イベント・ドリブン投与が曝露前予防(PrEP)を含む、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記イベント・ドリブン投与が曝露後予防(PEP)を含む、項目27に記載の方法。
(項目30)
前記イベント・ドリブン投与が曝露前予防(PrEP)および曝露後予防(PEP)を含む、項目27に記載の方法。
(項目31)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体のHIVへの曝露前に投与される、項目1~30のいずれか1項に記載の方法。
(項目32)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、単回用量として、前記被験体のHIVへの曝露の7日前と1日前との間に投与される、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前に投与される、項目31に記載の方法。
(項目34)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体のHIVへの曝露の約24時間~約1時間前に投与される、項目31に記載の方法。
(項目35)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体のHIVへの曝露の約72時間~約24時間前に投与される、項目31に記載の方法。
(項目36)
前記曝露前予防(PrEP)が連続的PrEPを含む、項目1~28および30~35のいずれか1項に記載の方法。
(項目37)
前記連続的PrEPが、前記被験体のHIVへの曝露の約7日~約2時間前の前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の毎日投与を含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記被験体のHIVへの曝露期間中に前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を投与する工程を含む、項目1~37のいずれか1項に記載の方法。
(項目39)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体のHIVへの曝露期間中に毎日投与される、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、単回投薬量で、前記被験体のHIVへの曝露期間中に投与される、項目38に記載の方法。
(項目41)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を、前記被験体のHIVへの曝露後に投与する工程をさらに含む、項目1~40のいずれか1項に記載の方法。
(項目42)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体のHIVへの最終曝露の約1時間~約72時間後に投与される、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体のHIVへの最終曝露の約1時間~約24時間後に投与される、項目41に記載の方法。
(項目44)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体のHIVへの最終曝露の約24時間~約72時間後に投与される、項目41に記載の方法。
(項目45)
前記方法が、
i)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を、前記被験体のHIVへの曝露の少なくとも7日前に投与すること;
ii)前記ビクテグラビルまたは薬学的に許容され得る塩の、前記HIVの曝露期間中の毎日の投与;および
iii)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの最後の曝露後約24時間以内の投与
を含む、項目1に記載の方法。
(項目46)
前記方法が、
i)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの曝露の少なくとも7日前から開始する毎日投与;
ii)前記ビクテグラビルまたは薬学的に許容され得る塩の、前記HIVの曝露期間中の毎日投与;および
iii)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの最後の曝露後約24時間以内の投与
を含む、項目1に記載の方法。
(項目47)
前記方法が、
i)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を、前記被験体のHIVへの曝露前24~2時間以内に投与すること;
ii)前記ビクテグラビルまたは薬学的に許容され得る塩の、前記HIVの曝露期間中の毎日の投与;および
iii)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの最後の曝露後約24時間以内の投与
を含む、項目1に記載の方法。
(項目48)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの最後の曝露の約24時間後の最終投与をさらに含む、項目47に記載の方法。
(項目49)
前記方法が、
i)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩を、前記被験体のHIVへの曝露前24時間以内に投与すること;
ii)前記ビクテグラビルまたは薬学的に許容され得る塩の、単回投薬量での前記HIVへの曝露期間中の投与;および
iii)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、単回投薬量での前記被験体のHIVへの最後の曝露後約24時間以内の投与
を含む、項目1に記載の方法。
(項目50)
前記方法が、
i)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの曝露後約24時間以内または約24時間での第1の投与;および
ii)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記第1の投与後約24時間以内または約24時間での第2の投与
を含む、項目1に記載の方法。
(項目51)
前記方法が、
i)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの曝露後約6時間での第1の投与;および
ii)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの曝露後約30時間での第2の投与
を含む、項目1に記載の方法。
(項目52)
前記方法が、
i)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの曝露後約12時間での第1の投与;および
ii)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの曝露後約36時間での第2の投与
を含む、項目1に記載の方法。
(項目53)
前記方法が、
i)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの曝露後約24時間での第1の投与;および
ii)前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の、前記被験体のHIVへの曝露後約48時間での第2の投与
を含む、項目1に記載の方法。
(項目54)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、約100mgの投薬量にて前記第1および第2の投与で投与される、項目50~53のいずれか1項に記載の方法。
(項目55)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、約50mgの投薬量にて前記第1および第2の投与で投与される、項目50~53のいずれか1項に記載の方法。
(項目56)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の第1および第2の投与の各々が、エムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩およびテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩の投与をさらに含む、項目50~55のいずれか1項に記載の方法。
(項目57)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の第1および第2の投与の各々が、約200mgの投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩および約25mgの投薬量のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩の投与をさらに含む、項目50~55のいずれか1項に記載の方法。
(項目58)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩の第1および第2の投与の各々が、約400mgの投薬量のエムトリシタビンまたはその薬学的に許容され得る塩および約50mgの投薬量のテノホビルアラフェナミドまたはその薬学的に許容され得る塩の投与をさらに含む、項目50~55のいずれか1項に記載の方法。
(項目59)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が経口投与される、項目1~58のいずれか1項に記載の方法。
(項目60)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が非経口投与される、項目1~58のいずれか1項に記載の方法。
(項目61)
前記非経口投与が、皮下投与、筋肉内投与、経皮投与、および膣内投与から選択される、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記ビクテグラビルまたはその薬学的に許容され得る塩が、前記被験体に医療機器を介して投与される、項目1~61のいずれか1項に記載の方法。
(項目63)
前記医療機器が、パッチ、埋込み型デバイス、シリンジ、および避妊器具から選択される、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記ビクテグラビルがビクテグラビルナトリウムとして投与される、項目1~63のいずれか1項に記載の方法。
(項目65)
被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、前記被験体にビクテグラビルナトリウムを約10mg/日~約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み;
ここで、前記投与が、前記被験体のHIVへの曝露の少なくとも7日前に行われ;投与は、前記HIVの曝露期間中に毎日継続され;投与が、前記被験体のHIVへの最後の曝露後24時間以内に行われ;最終の投与が、前記被験体のHIVへの最後の曝露の約24時間後に行われる、方法。
(項目66)
被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、前記被験体にビクテグラビルナトリウムを約10mg/日~約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、前記投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前記被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法。
(項目67)
前記被験体のHIVへの曝露期間中の前記ビクテグラビルナトリウムの毎日投与をさらに含む、項目65に記載の方法。
(項目68)
被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート;
を前記被験体に投与する工程を含み、
ここで、前記投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる、方法。
(項目69)
被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート;
を前記被験体に投与する工程を含み、
ここで、前記投与が、前記被験体のHIVへの曝露の少なくとも7日前に行われ;投与が、前記HIVの曝露期間中に毎日継続され;投与が、前記被験体のHIVへの最後の曝露後約24時間以内に行われ;最終の投与が、前記被験体のHIVへの最後の曝露の約24時間後に行われる、方法。
(項目70)
被験体におけるHIV感染を予防する方法であって、
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート;
を前記被験体に投与する工程を含み、
ここで、前記投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前記被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法。
(項目71)
前記被験体のHIVへの曝露期間中のビクテグラビルナトリウム、エムトリシタビン、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマラートの毎日投与をさらに含む、項目70に記載の方法。
(項目72)
被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、前記被験体にビクテグラビルナトリウムを約10mg/日~約100mg/日の投薬量で投与する工程を含み、ここで、前記投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前記被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法。
(項目73)
前記被験体のHIVへの曝露期間中のビクテグラビルナトリウムの毎日投与をさらに含む、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記HIVを獲得するリスクの低下が、前記ビクテグラビルナトリウムを投与していない被験体と比較して少なくとも約75%である、項目72または73に記載の方法。
(項目75)
被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、
(a)約10mg/日~約200mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約400mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート;
を前記被験体に投与する工程を含み、
ここで、前記投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に1~3回行われる、方法。
(項目76)
被験体におけるHIVを獲得するリスクを低下させる方法であって、
(a)約10mg/日~約100mg/日の投薬量のビクテグラビルナトリウム;
(b)約100mg/日~約300mg/日の投薬量のエムトリシタビン;および
(c)約10mg/日~約50mg/日の投薬量のテノホビルアラフェナミドヘミフマラート;
を前記被験体に投与する工程を含み、
ここで、前記投与が、前記被験体のHIVへの曝露の約72時間~約1時間前または前記被験体のHIVへの曝露の約1時間~約72時間後に行われる、方法。
(項目77)
前記被験体のHIVへの曝露期間中のビクテグラビルナトリウム、エムトリシタビン、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマラートの毎日投与をさらに含む、項目76に記載の方法。
(項目78)
前記HIVを獲得するリスクの低下が、ビクテグラビルナトリウム、エムトリシタビン、およびテノホビルアラフェナミドヘミフマラートを投与していない被験体と比較して少なくとも約75%である、項目76または77に記載の方法。
(項目79)
前記被験体が、HIVの性行為感染リスクのある個体として同定されている、項目1~78のいずれか1項に記載の方法。
(項目80)
前記HIVがHIV-1である、項目1~79のいずれか1項に記載の方法。
(項目81)
前記HIVがHIV-2である、項目1~79のいずれか1項に記載の方法。