(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】画像処理方法並びにその、装置、電子機器及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20230714BHJP
G06F 16/909 20190101ALI20230714BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20230714BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
G01C21/36
G06F16/909
G01C21/26 C
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2021539361
(86)(22)【出願日】2020-05-19
(86)【国際出願番号】 CN2020090968
(87)【国際公開番号】W WO2020238691
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-07-05
(31)【優先権主張番号】201910458925.3
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲呂▼ 蒙
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲澤▼皓
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-048583(JP,A)
【文献】特開平11-016094(JP,A)
【文献】特開2020-159808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G06F 16/909
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器が実行する画像処理方法であって、
交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得するステップと、
前記交通手段の地図表示画面における開始位置を取得するステップと、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定するステップと、
前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させるステップとを含み、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定する前記ステップは、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で複数の目的点を決定するステップと、
前記地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて、前記目的航続領域を得るステップとを含み、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で複数の目的点を決定する前記ステップは、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて複数の初期代替点を決定するステップと、
前記複数の初期代替点の中から前記交通手段の到達可能な初期代替点を選択して、到達可能代替点とするステップと、
前記到達可能代替点を目的点と決定するステップとを含み、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて複数の初期代替点を決定する前記ステップは、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で前記開始位置を中心とし、前記残り走行可能距離パラメータに比例する半径を有する円形の初期航続領域を決定するステップと、
前記初期航続領域を複数の単位初期航続領域に径方向に分割し、各単位初期航続領域内でそれぞれ初期代替点を決定するステップとを含み、
前記到達可能代替点を目的点と決定する前記ステップは、
各単位初期航続領域内の到達可能代替点の中から、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点を選択して、前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするステップと、
全ての単位初期航続領域に対応する決定対象目的点を前記目的点とするステップと、を含
み、
前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させるステップにおいて、各単位初期航続領域内の到達可能代替点のうち、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点以外の到達可能代替点を前記目的航続領域内に表示しない、方法。
【請求項2】
前記複数の初期代替点の中から前記交通手段の到達可能な初期代替点を選択して、到達可能代替点とする前記ステップは、
各初期代替点の代替点道路網領域を決定し、道路網データ集から、前記代替点道路網領域内の道路網データを取得して、代替点道路網データとするステップと、
前記代替点道路網データが非空集合である場合、前記初期代替点を候補点と決定するステップと、
前記道路網データ集に基づいて、前記候補点と前記開始位置との間の道路網経路距離を決定するステップと、
前記候補点と前記開始位置との間の道路網経路距離が前記残り走行可能距離パラメータより小さく又は等しい場合、前記候補点を前記到達可能代替点と決定するステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で初期航続領域を決定する前記ステップは、
前記地図表示画面に対応する地図縮尺係数を取得するステップと、
前記残り走行可能距離パラメータと前記地図縮尺係数とに基づいて、走行可能距離半径係数を決定するステップと、
前記地図表示画面で、前記開始位置を円中心、前記走行可能距離半径係数を半径として、走行可能距離円周を生成させ、前記走行可能距離円周の前記地図表示画面における対応する領域を前記初期航続領域と決定するステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記初期航続領域を複数の単位初期航続領域に分割し、各単位初期航続領域内でそれぞれ初期代替点を決定する前記ステップは、
極角間隔係数を取得し、前記極角間隔係数に基づいて前記初期航続領域を前記複数の単位初期航続領域に分割するステップと、
各単位初期航続領域を複数の単位初期航続サブ領域に分割するステップであって、各単位初期航続サブ領域の領域辺長と第1長さ閾値との差の値は差分閾値より小さいステップと、
前記地図表示画面で、前記各単位初期航続サブ領域の頂点を前記初期代替点とするステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
各初期代替点の代替点道路網領域を決定する前記ステップは、
前記初期代替点の経緯度情報を取得し、複数の道路網データブロックの中から前記経緯度情報に対応する目的道路網データブロックを検索するステップであって、前記道路網データ集は前記複数の道路網データブロックに対応し、各道路網データブロックは複数の単位道路網データブロックを含むステップと、
前記目的道路網データブロックに対応する複数の単位道路網データブロックの中から、前記経緯度情報に対応する第1単位道路網データブロックを検索するステップと、
第2長さ閾値を取得し、前記第2長さ閾値に基づいて前記第1単位道路網データブロックに隣接する第2単位道路網データブロックを決定するステップと、
前記第1単位道路網データブロックに対応する道路網領域、及び前記第2単位道路網データブロックに対応する道路網領域を前記初期代替点の代替点道路網領域とするステップとを含む請求項2に記載の方法。
【請求項6】
各単位初期航続領域内の到達可能代替点の中から、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点を選択して、前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とする前記ステップは、
前記単位初期航続領域内の到達可能代替点と前記開始位置との前記地図表示画面における地図距離を決定するステップと、
地図距離が最大の到達可能代替点を前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
各単位初期航続領域内の到達可能代替点の中から、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点を選択して、前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とする前記ステップは、
前記単位初期航続領域内の到達可能代替点と前記開始位置との間の道路網経路距離を決定して、候補道路網経路距離とするステップと、
候補道路網経路距離が最大の到達可能代替点を前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて、前記目的航続領域を得る前記ステップは、
時計回りの順又は反時計回りの順で各前記目的点を接続させて、候補閉鎖ループを得るステップと、
前記候補閉鎖ループから位置変更条件を満たす目的点を削除するステップと、
前記地図表示画面で、前記時計回りの順又は前記反時計回りの順で残りの目的点を接続させて、前記目的航続領域を得るステップとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記目的点は第1到達可能点と、第2到達可能点と、第3到達可能点とを含み、前記候補閉鎖ループにおいて、前記第2到達可能点は前記第1到達可能点に隣接し、且つ前記第2到達可能点は前記第3到達可能点に隣接し、
前記方法は、さらに、
前記第1到達可能点と前記第2到達可能点とを接続させて、第1接続線を得るステップと、
前記第2到達可能点と前記第3到達可能点とを接続させて、第2接続線を得るステップと、
前記第1接続線と、前記第2接続線とに基づいて接続線夾角を決定し、前記接続線夾角が夾角閾値より小さい場合、前記第2到達可能点を前記位置変更条件を満たす目的点と決定するステップとを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記目的点は第1到達可能点と、第2到達可能点と、第3到達可能点とを含み、前記候補閉鎖ループにおいて、前記第2到達可能点は前記第1到達可能点に隣接し、且つ前記第2到達可能点は前記第3到達可能点に隣接し、
前記方法は、さらに、
前記第1到達可能点と前記第3到達可能点とを接続させて、第3接続線を得るステップと、
前記第2到達可能点と前記第3接続線との間の接続線距離を決定し、前記接続線距離と前記第3接続線の長さとに基づいて接続線比率係数を生成させるステップと、
前記接続線比率係数が比率係数閾値より大きい場合、前記第2到達可能点を前記位置変更条件を満たす目的点と決定するステップとを含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得するための第1取得モジュールと、
前記交通手段の地図表示画面における開始位置を取得するための第2取得モジュールと、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定するための目的領域決定モジュールとを含み、
前記第1取得モジュールは、前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させるためにも用いられ、
前記目的領域決定モジュールは、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で複数の目的点を決定するための目的点決定ユニットと、
前記地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて、前記目的航続領域を得るための接続ユニットとを含み、
前記目的点決定ユニットは、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて複数の初期代替点を決定するための初期点決定サブユニットと、
前記複数の初期代替点の中から前記交通手段の到達可能な初期代替点を選択して、到達可能代替点とするための選択サブユニットと、
前記到達可能代替点を目的点と決定するための目的点決定サブユニットとを含み、
前記初期点決定サブユニットは、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で前記開始位置を中心とし、前記残り走行可能距離パラメータに比例する半径を有する円形の初期航続領域を決定するための領域決定サブユニットと、
前記初期航続領域を複数の単位初期航続領域に径方向に分割し、各単位初期航続領域内でそれぞれ初期代替点を決定するための第1分割サブユニットとを含み、
前記目的点決定サブユニットは、各単位初期航続領域内の到達可能代替点の中から、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点を選択して、前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とすることと、
全ての単位初期航続領域に対応する決定対象目的点を前記目的点とすること、のためにも用いられ、
前記第1取得モジュールは、前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させることにおいて、各単位初期航続領域内の到達可能代替点のうち、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点以外の到達可能代替点を前記目的航続領域内に表示しない、画像処理装置。
【請求項12】
プロセッサと、メモリとを含み、
前記プロセッサはメモリに接続され、前記メモリはコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを呼び出すことで、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行するために用いられる電子機器。
【請求項13】
コンピュータに、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年5月29日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が201910458925.3で、発明の名称が「画像処理方法、装置、電子機器及び記憶媒体」である中国特許出願の優先権を主張し、その全体の内容は参照により本願に組み込まれる。
【0002】
本願は、コンピュータ技術の分野に関し、特に、画像処理方法、装置、電子機器及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車を運転して旅行する場合に、ユーザーは自動車の残り航続可能距離に基づいて次のルートを計画するのが一般的である。従来、自動車の航続可能距離は一般的に数値で表示され、つまり自動車のダッシュボードに航続可能距離が数値で表示される。例えば、ダッシュボードに「航続可能距離100km」と表示される。
【0004】
しかし、数値で残り走行可能距離を表示するだけではユーザーへの情報伝達が直感的でなくしかも具体的ではなく、後にユーザーが当時の道路状況、残り航続可能距離データと結び付けて実際到達可能範囲を人工的に推定し、ルートを決定する必要があるため、ルート計画は非効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の実施例は、画像処理方法、装置、電子機器及び記憶媒体を提供し、ユーザーに自動車の実際到達可能範囲を直感的に表示することで、ルート計画の効率を高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施例は、電子機器が実行する画像処理方法であって、
交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得するステップと、
前記交通手段の地図表示画面における開始位置を取得するステップと、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定するステップと、
前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させるステップとを含む前記方法を提供する。
【0007】
さらに、本願の実施例は、
交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得するための第1取得モジュールと、
前記交通手段の地図表示画面における開始位置を取得するための第2取得モジュールと、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定するための目的領域決定モジュールとを含み、
前記第1取得モジュールは、前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させるためにも用いられる画像処理装置を提供する。
【0008】
さらに、本願の実施例は、プロセッサと、メモリとを含み、
前記プロセッサはメモリに接続され、前記メモリはコンピュータプログラムを記憶するために用いられ、前記プロセッサは前記コンピュータプログラムを呼び出すことで、本願の実施例の方法を実行するために用いられる電子機器を提供する。
【0009】
さらに、本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体にコンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、前記プログラム命令がプロセッサによって実行される場合に、本願の実施例の方法が実行される。
【発明の効果】
【0010】
本願の実施例において、交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得し、交通手段の地図表示画面における開始位置を取得し、開始位置と残り走行可能距離パラメータとに基づいて地図表示画面で目的航続領域を決定し、地図表示画面に目的航続領域を表示させる。上記から分かるように、残り走行可能距離と当時の道路状況とに基づいて人工的に目的航続領域を推定する場合と比べて、地図画面において目的航続領域を自動的に決定することで、ユーザーに自動車の実際到達可能範囲をより直感的に表示することができ、これにより後続のルート計画の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本願の実施例又は従来技術による技術的解決手段をより明瞭に説明するために、次に実施例又は従来技術の説明で使用する図面を簡単に紹介する。明らかなことに、次の説明に係る各図は本願のいくつかの実施例に過ぎず、当業者は進歩性のある作業を行うことなく、これらの図面に基づいて他の図を得ることができる。
【0012】
【
図1】本願の実施例に係る画像処理のシステム構成図である。
【
図2a】本願の実施例に係る画像処理のシーンの概略図である。
【
図2b】本願の実施例に係る画像処理のシーンの概略図である。
【
図3a】本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートである。
【
図3b】本願の実施例に係る目的航続領域決定のフローチャートである。
【
図4】本願の実施例に係る初期代替点決定の概略図である。
【
図5】本願の実施例に係る位置変更条件を満たす目的点の決定の概略図である。
【
図6】本願の実施例に係る位置変更条件を満たす目的点の決定のもう1つの概略図である。
【
図7】本願の実施例に係る画像処理方法のもう1つのフローチャートである。
【
図8】本願の実施例に係る第1長さ閾値と第2長さ閾値との関係の概略図である。
【
図9a】本願の実施例に係る第1単位道路網データブロック決定の概略図である。
【
図9b】本願の実施例に係る第2単位道路網データブロック決定の概略図である。
【
図10a】本願の実施例に係る第2単位道路網データブロック決定のもう1つの概略図である。
【
図10b】本願の実施例に係る候補点決定の概略図である。
【
図11a】本願の実施例に係る道路網経路距離決定の概略図である。
【
図11b】本願の実施例に係る目的航続領域の概略図である。
【
図12】本願の実施例に係る画像処理装置の構造概略図である。
【
図13】本願の実施例に係る電子機器の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本願の実施例の各図と結び付けて、本願の実施例による技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明し、明らかなことに、説明される実施例は本願の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本願の実施例に基づいて進歩性のある作業を行うことなく得ている他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に含まれる。
【0014】
図1が参照されるとおり、本願の実施例に係る画像処理のシステム構成図である。サーバー10gはスイッチ10f及び通信バス10eによってユーザー端末クラスター及び自動車クラスターと接続が確立され、ユーザー端末クラスターは、ユーザー端末10a、ユーザー端末10cなどを含んでもよく、ユーザー端末10a、ユーザー端末10cにそれぞれ関連付けられる自動車クラスターは、自動車10b、自動車10dなどを含んでもよい。
【0015】
ユーザー端末10aと自動車10bとを例にすると、自動車10b内の車載カーナビゲーションをオンすると、自動車10bはスイッチ10f及び通信バス10eによって残り走行可能距離と当時の位置とをサーバー10gに送信する。サーバー10gは残り走行可能距離と当時の位置とに基づいて、地図で自動車10bの実際到達可能範囲を決定する。サーバー10gは実際到達可能範囲を自動車10bに送信し、自動車10b内の車載カーナビゲーションの地図ページに当該実際到達可能範囲を表示させてもよい。またサーバー10gは実際到達可能範囲を自動車10bに関連付けられるユーザー端末10aに送信してもよく、ユーザー端末10aの地図ページにも当該実際到達可能範囲を表示させてもよい。
【0016】
なお、自動車(又はユーザー端末)が自動車の残り走行可能距離と当時の位置とに基づいて地図ページで実際到達可能範囲を決定することであってもよく、同様に、車載カーナビゲーションの地図ページ(又はユーザー端末の地図ページ)に当該実際到達可能範囲を表示させることであってもよい。
【0017】
次に、ユーザー端末10aがどのように残り走行可能距離と自動車の当時の位置とに基づいて自動車の実際到達可能範囲を決定するかを例に具体的に説明する。
【0018】
なお、
図1に示すユーザー端末10a、ユーザー端末10cなどは携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、パーソナルデジタルアシスタント、モバイルインターネットデバイス(MID、mobile internet device)、ウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、スマートブレスレット)なであってもよい。
【0019】
図2a、
図2bが参照されるとおり、本願の実施例に係る画像処理のシーンの概略図である。
図2aのユーザー端末10aの画面20bに示すように、ユーザーは「マイカー」
APPをクリックして、当該APPを起動させ、当該APPはユーザー端末10aに関連付けられる自動車の自動車情報を管理するために用いられ、即ち自動車は車のインターネットを介して自動車情報をユーザー端末10aに送信することができ、またユーザー端末10aは車のインターネットを介して当該自動車に命令を送信することができる。
【0020】
ユーザー端末10aは前記自動車の残り走行可能距離と当該自動車の当時の位置情報とを取得し、「マイカー」APPに内蔵された地図ページ20aの地図縮尺係数を取得し、当該地図縮尺係数と残り走行可能距離とに基づいて半径係数を決定する。端末機器10aは地図ページ20aで自動車の当時の位置情報を円中心、半径係数を半径として、初期到達可能領域20cを決定する。理解されたように、初期到達可能領域20cが残り走行可能距離で決定された円周であるため、自動車がどの方向へ走行するかに関わらず、残り走行可能距離の終点は必ず初期到達可能領域20c内に位置し又は初期到達可能領域20cの境界に位置する。
【0021】
ユーザー端末10aは地図ページ20aで、初期到達可能領域20cの円中心を中心とし、90°の間隔で、初期到達可能領域20cを4つの単位初期到達可能領域に分割し、それぞれが単位初期到達可能領域20d、単位初期到達可能領域20e、単位初期到達可能領域20f及び単位初期到達可能領域20gである。理解されたように、各単位初期到達可能領域はいずれも扇形である。
【0022】
各単位初期到達可能領域に対し、ユーザー端末10aは領域内で複数の代替点をそれぞれ決定し、各単位初期到達可能領域の代替点の数量は同じでもよいし、異なってもよく、且つ各単位初期到達可能領域の代替点の選定方式は同じでもよいし、異なってもよい。
【0023】
例えば、各単位初期到達可能領域内でランダムに代替点を選定してもよいし、同じ距離間隔で各単位初期到達可能領域内で代替点を選定してもよい。
【0024】
図2aに示すように、単位初期到達可能領域20dでは、当該領域内で選定された代替点は代替点1及び代替点2であり、単位初期到達可能領域20eでは、当該領域内で選定された代替点は代替点3及び代替点4であり、単位初期到達可能領域20fでは、当該領域内で選定された代替点は代替点5及び代替点6であり、単位初期到達可能領域20gでは、当該領域内で選定された代替点は代替点7及び代替点8である。
【0025】
次に、前記8つの代替点をフィルタリングし又は保持させることであり、具体的な過程は以下のとおりである。全ての代替点に対し、ユーザー端末10aは経路ナビゲーションインタフェースを呼び出して、各代替点と自動車の当時の位置との間の道路網最短距離をそれぞれ決定し、ユーザー端末10aは道路網最短距離が残り走行可能距離より大きい代替点を削除し、これに対して、ユーザー端末10aは道路網最短距離が残り走行可能距離より小さく又は等しい代替点を保持させる。なお、代替点が道路網到達不能領域に位置し、例えば河川、山岳地帯、閉鎖区域などに位置する場合に、当該代替点と自動車の当時の位置との間の道路網最短距離が無限大であるとする。
【0026】
一部の代替点をフィルタリングした後、各単位初期到達可能領域内の残りの代替点には二次フィルタリングが必要であり、二次フィルタリングの具体的な方式は以下のとおりである。ユーザー端末10aは各単位初期到達可能領域内で円中心(即ち自動車の当時の位置)と距離が最も遠い代替点だけを保持させ、各単位初期到達可能領域内の残りの代替点をフィルタリングして除去する。なお、測定距離は地図ページ20aでの距離でもよいし、道路網最短距離でもよい。
【0027】
図2aに示すように、単位初期到達可能領域20dでは、最後に保持されるのは代替点1及び代替点2であり(代替点1及び代替点2が円周上の点であるため、2つの代替点は同時に保持される可能性がある)、単位初期到達可能領域20eでは、最後に保持されるのは代替点4であり、単位初期到達可能領域20fでは、最後に保持されるのは代替点6であり、単位初期到達可能領域20gでは、最後に保持されるのは代替点7である。
【0028】
地図ページ20aで、ユーザー端末10aは時計回りの順又は反時計回りの順で、保持された代替点を接続させ、即ち代替点1、代替点2、代替点4、代替点6及び代替点7をこの順で接続させ、接続させた後、地図ページ20aで実際到達可能領域20hが決定され、地図ページ20aで当該実際到達可能領域20hをレンダリングし、即ち地図ページ20aで当該実際到達可能領域20hをマークする。
【0029】
残り走行可能距離が走行可能距離閾値より小さく又は等しい場合には、ユーザー端末10aは実際到達可能領域20hの境界を赤でレンダリングしてもよく、残り走行可能距離が走行可能距離閾値より大きい場合には、ユーザー端末10aは実際到達可能領域20hの境界を青色でレンダリングしてもよい。なお、異なる色で実際到達可能領域20hの境界をレンダリングしてユーザーに注意喚起する他に、異なる太さのラインで、又は実線及び/又は破線で実際到達可能領域20hの境界をレンダリングしてユーザーに注意喚起してもよい。
【0030】
図2bの画面20xに示すように、「マイカー」APPを起動させた後、当該APPが表示されるまでには、ユーザー端末のスクリーンに予め設定された動画を再生させてもよく、また、ユーザー端末10aは同時に地図ページ20aで実際到達可能領域20hを決定してもよい。実際到達可能領域20hの決定完了を検出したら、画面20yに示すように、動画の再生を停止させ、APPのホームページが表示され、実際到達可能領域20hがレンダリングされた地図ページ20aをホームページに表示させ、またAPPのホームページには、ユーザー端末10aに関連付けられる自動車のナンバープレート、所有者の名前、残り走行可能距離(即ち
図2bでの航続)、及び電力残量(又は燃油量残量)などを一緒に表示させてもよい。このようにユーザーはユーザー端末10aから自動車の走行可能な最大距離範囲をチェックすることができ、ルートを計画することに役立つ。
【0031】
次に、ユーザー端末10aは実際到達可能領域20hがレンダリングされた地図ページ20aをユーザー端末10aに関連付けられる自動車に送信してもよく、当該自動車の車載カーナビゲーションをオンすると、自動車のスクリーンには実際到達可能領域20hがレンダリングされた地図ページ20aを表示させて、所有者に自動車の実際到達可能範囲を知らせてもよい。
【0032】
なお、初期航続領域(例えば、前記
図2aに対応する実施例の初期到達可能領域20c)の決定、初期代替点(例えば、前記
図2aに対応する実施例の代替点1、代替点2…、代替点8)の生成、目的航続領域(例えば、前記
図2aに対応する実施例の実際到達可能領域20h)の決定の具体的な過程は下記の
図3a~
図11bに対応する実施例を参照することができる。
【0033】
図3aが参照されるとおり、本願の実施例に係る画像処理方法のフローチャートであり、
図3aに示すように、画像処理方法は以下を含んでもよい。
【0034】
ステップS101で、交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得する。
【0035】
本願の画像処理プロセスは自動車及び端末機器に関わり、下記のステップの実行主体は自動車でもよいし端末機器でもよく、実行主体が自動車である場合に、自動車が目的航続領域を決定した後、当該領域データをそれに関連付けられる端末機器に送信してもよく、実行主体が端末機器である場合に、また同様に、端末機器が目的航続領域を決定した後、当該領域データをそれに関連付けられる自動車に送信してもよい。後続の実施例ではいずれも端末機器が実行主体である場合を説明する。
【0036】
具体的には、端末機器(例えば、前記
図2aに対応する実施例のユーザー端末10a)は交通手段(例えば、自動車)の残り走行可能距離パラメータを取得し、なお、残り走行可能距離パラメータは交通手段によって車のインターネットを介して端末機器に送信されてもよく、残り走行可能距離パラメータは当該交通手段によって当時の電力量又は燃油量に基づいて決定されたさらに走行可能な距離の長さであり、例えば、残り走行可能距離パラメータは200kmである。
【0037】
ステップS102で、前記交通手段の地図表示画面における開始位置を取得する。
【0038】
具体的には、端末機器は交通手段の当時の位置を取得し、なお、当時の位置も交通手段によって車のインターネットを介して端末機器に送信されてもよい。
【0039】
端末機器は交通手段の当時の位置に基づいて、地図表示画面(例えば、前記
図2aに対応する実施例の地図ページ20a)で開始位置を決定する。
【0040】
ステップS103で、前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定する。
【0041】
具体的には、端末機器は地図表示画面で、開始位置を中心として、開始位置の周りでランダムに複数の目的点を決定してもよい。地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて領域を得、これを目的航続領域と称する(例えば、前記
図2aに対応する実施例の実際到達可能領域20hである)。
【0042】
実施例において、端末機器は地図表示画面の地図縮尺係数を取得し、なお、地図縮尺係数とは地図表示画面における線分の長さと実際の対応する線分との水平投影の長さの比である。
【0043】
残り走行可能距離パラメータは実際の距離であり、当該残り走行可能距離パラメータの地図表示画面における距離を決定するために、端末機器は残り走行可能距離パラメータと地図縮尺係数とに基づいて、走行可能距離半径係数を決定する。
【0044】
例えば、地図縮尺係数が1cm:10kmで、残り走行可能距離パラメータが100kmである場合に、比例関係により、走行可能距離半径係数が10cmであると、実際距離は100kmであり、地図表示画面における距離は10cmである。
【0045】
地図表示画面で、端末機器は開始位置を円中心、走行可能距離半径係数を半径として、円周を生成させ(走行可能距離円周と称する)、走行可能距離円周の地図表示画面における対応する領域を目的航続領域とする。
【0046】
実施例において、前記2つの方法で目的航続領域を決定する他に、下記の方法(即ち第3の方法)で目的航続領域を決定することもできる。地図表示画面で、端末機器は開始位置を円中心、走行可能距離半径係数を半径として、円周を生成させ(走行可能距離円周と称する)、走行可能距離円周の地図表示画面における対応する領域を初期航続領域とする(例えば、前記
図2aに対応する実施例の初期到達可能領域20cである)。
【0047】
理解されたように、初期航続領域は残り走行可能距離パラメータに基づいて地図表示画面で決定された円周であるため、実際の道路網と無関係であり、実際の道路は一般に紆曲するもので、交通手段がどの方向へ走行するかに関わらず、燃油量の終点又は電力の終点は必ず初期航続領域内又は初期航続領域の境界に位置する。
【0048】
実施例において、地図表示画面で、端末機器は開始位置を中心として、正方形領域を生成させ、なお正方形領域的の中心と頂点との距離は走行可能距離半径係数に等しくてもよい。同様に、端末機器は前記正方形領域を初期航続領域としてもよい。
【0049】
選択可能で、地図表示画面で、端末機器は開始位置を中心として、正六角形領域を生成させ、なお正六角形領域の中心と各頂点との距離は走行可能距離半径係数に等しくてもよい。同様に、端末機器は前記正六角形領域を初期航続領域としてもよい。
【0050】
初期航続領域内で複数の初期代替点を決定し(例えば、ランダムに複数の初期代替点を決定する)、複数の初期代替点の中から当該交通手段が到達可能な初期代替点を選択して、到達可能代替点とする。なお、交通手段が到達可能とは到達可能代替点と開始位置との間の道路網経路距離が残り走行可能距離パラメータより小さく又は等しいことである。道路網経路距離とはA点とB点との間の実際の道路距離である。一般には、道路に紆曲する部分があり、しかも2点間で直線距離が最短であるため、道路網経路距離は2点間の直線距離より大きい。
【0051】
実施例において、初期代替点が河川、山岳地帯、閉鎖規制領域などの道路網到達不能領域に位置する場合に、当該初期代替点と開始位置との間の道路網経路距離が無限大であると見なされてもよく、つまりは道路網到達不能領域に位置する初期代替点は削除され、到達可能代替点にはならない。
【0052】
到達可能代替点を全て目的点とし、地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて領域を得て、これを目的航続領域と称する。
【0053】
ステップS104で、前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させる。
【0054】
具体的には、端末機器は地図表示画面で当該目的航続領域をレンダリングし、つまり地図表示画面に当該目的航続領域をマークしてもよい。
【0055】
残り走行可能距離パラメータが走行可能距離閾値より小さく又は等しい場合には、端末機器は当該目的航続領域の境界を赤でレンダリングしてもよく、残り走行可能距離パラメータが走行可能距離閾値より大きい場合には、端末機器は当該目的航続領域の境界を青色でレンダリングしてもよい。なお、異なる色で目的航続領域の境界をレンダリングする他に、異なる太さのラインで、又は実線及び/又は破線で目的航続領域の境界をレンダリングしてもよいし、異なる色で目的航続領域の全体をレンダリングしてもよい。
【0056】
図3bが参照されるとおり、本願の実施例に係る目的航続領域決定のフローチャートであり、目的航続領域決定はステップ201~ステップS204を含み、且つステップ201~ステップS204は前記
図3aに対応する実施例のステップS103に係る目的航続領域決定の第3の方法の具体的な実施例である。
【0057】
ステップS201で、前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて複数の初期代替点を決定する。
【0058】
地図表示画面で、端末機器は開始位置を円中心、走行可能距離半径係数を半径として、走行可能距離円周を生成させ、走行可能距離円周の地図表示画面における対応する領域を初期航続領域とする。
【0059】
端末機器は極角間隔係数を取得し、開始位置を中心、極角間隔係数を間隔として初期航続領域を分割することで、複数の単位初期航続領域を得(例えば、前記
図2aに対応する実施例の単位初期到達可能領域20d、単位初期到達可能領域20e、単位初期到達可能領域20f及び単位初期到達可能領域20gである)、各単位初期航続領域の面積も形状も同じであってもよい。
【0060】
理解されたように、初期航続領域が円形である場合に、各単位初期航続領域は扇形であり、扇形の中心角は極角間隔係数に等しい。
【0061】
初期航続領域が円形である場合に、分割後の単位初期航続領域の面積も形状も同じであるように、極角間隔係数を360°で整除できることが必要であり、これにより初期航続領域をN個の同じ単位初期航続領域に分割することができ、Nは1より大きい整数又は1である。
【0062】
一般には、極角間隔係数が小さいほど、最終的に作成された目的航続領域は精度が高く、これに応じて、計算量とデータ量が増える。極角間隔係数が大きいほど、分割後に単位初期航続領域の数量は少なく、そのために最終的に作成された目的航続領域は精度が不十分である可能性がある。したがって計算量と目的航続領域の精度にバランスが取れるように、本願の実施例で複数回の試験で極角間隔係数が10°である場合に、計算量と目的航続領域の精度にバランスが取れることが判明した。
【0063】
実施例において、初期航続領域が正方形である場合に、なおも端末機器が開始位置を中心、極角間隔係数を間隔として、初期航続領域を分割することで、複数の三角形又は四角形の単位初期航続領域が得られ、且つ単位初期航続領域の頂角のうち開始位置に関連する頂角の角度は極角間隔係数に等しい。
【0064】
実施例において、初期航続領域が正六角形である場合に、なおも端末機器が開始位置を中心、60°の極角間隔係数を間隔として、初期航続領域を分割することで、6つの正三角形の単位初期航続領域が得られ、且つ単位初期航続領域の頂角の角度は60°に等しい。
【0065】
次に端末機器は各単位初期航続領域を分割して、1つ又は複数の単位初期航続サブ領域を得、分割原則は各単位初期航続サブ領域の辺長(辺長とは地図表示画面での長さ)と第1長さ閾値との差の値が予め設定された差分閾値より小さいことである。
【0066】
地図表示画面で、端末機器は各単位初期航続サブ領域の頂点を全て初期代替点とする(例えば、前記
図2aに対応する実施例の代替点1、代替点2…、代替点8である)。
【0067】
次に1つの単位初期航続領域を1つ又は複数の単位初期航続サブ領域に分割し、複数の初期代替点を決定することの具体的な過程を説明する。
図4が参照されるとおり、本願の実施例に係る初期代替点決定の概略図である。初期航続領域は8つの単位初期航続領域に均一に分割されており、次にその単位初期航続領域の1つを説明し、理解されたように、単位初期航続領域は扇形である。端末機器は半径、極半径の2つの次元で単位初期航続領域を分割し、半径とは初期航続領域の同心円曲線と単位初期航続領域との交差曲線で、極半径とは単位初期航続領域円周上の点と扇形頂点とを結ぶ線分であり、分割目的は各極半径と半径とによって形成された「湾曲辺長方形」又は「湾曲辺三角形」の辺長と第1長さ閾値との差の値が予め設定された差分閾値より小さいことである。
図4から分かるように、半径、極半径の2つの次元による分割で、単位初期航続領域を9つの単位初期航続サブ領域に分割することができ、且つ各単位初期航続サブ領域の辺長は第1長さ閾値にほぼ等しい。
【0068】
端末機器は全ての単位初期航続サブ領域の頂点を初期代替点としてもよく、
図4から分かるように、9つの単位初期航続サブ領域は12の代替点に対応する。
【0069】
実施例において、上記では単位初期航続サブ領域の頂点を全て初期代替点とすることであり、扇形の外側の半径が内側の半径より大きいため、外側の半径に位置する2つの隣接する初期代替点間の距離は必ず内側の半径に位置する2つの隣接初期代替点間の距離より大きく、全ての初期代替点間の距離がほぼ同じであるように、内側の半径に位置する初期代替点に対して、一部の初期代替点をフィルタリングする必要があり、目的は全ての保持された初期代替点間の距離をほぼ等しくすることである。
【0070】
例えば、
図4で最も外回りに位置する4つの初期代替点間の距離が必ず最も内回りに位置する4つの初期代替点間の距離より大きいため、最も内回りの4つの初期代替点に対し、そのうちの2つの初期代替点をフィルタリングして除去することで、残りの初期代替点間の距離と最も外回りに位置する4つの初期代替点間の距離をほぼ等しくするようにしてもよい。
【0071】
ステップS202で、前記複数の初期代替点の中から前記交通手段の到達可能な初期代替点を選択して、到達可能代替点とする。
【0072】
具体的には、次に1つの初期代替点を例としてどのように当該初期代替点が到達可能代替点であるかどうかを決定するかを説明する。端末機器は初期代替点と開始位置との間の道路網経路距離を決定し、道路網経路距離とはA点とB点との間の実際の道路距離である。一般には、道路に紆曲する部分があり、しかも2点間で直線距離が最短であるため、道路網経路距離は2点間の直線距離より大きい。
【0073】
混乱が起きないように、ここで改めて3つの距離の違いを説明する。地図表示画面での距離はページ上の距離であり、一般に、当該距離は比較的小さく、単位は一般にcmである。地図表示画面での距離は現実世界での直線距離に対応してもよく、両者に比例関係がある。道路網経路距離とは道路経路距離(又は経路計画距離)であり、一般に、A点とB点との実際の直線距離は道路網経路距離より小さく又は等しい。
【0074】
初期代替点にはいずれも対応する道路網経路距離が存在し、残り走行可能距離パラメータより大きい道路網経路距離に対応する初期代替点を削除し、残り走行可能距離パラメータより小さく又は等しい道路網経路距離に対応する初期代替点を保持させ、端末機器は保持された初期代替点を全て到達可能代替点としてもよく、即ち到達可能代替点に対応する実際の道路網の位置は交通手段の残り走行可能距離パラメータに基づいて到達可能な位置である。
【0075】
実施例において、初期代替点が道路網到達不能領域に位置し、例えば、河川、山岳地帯、閉鎖規制領域などに位置する場合に、当該初期代替点と開始位置との間の道路網経路距離が無限大であると見なされてもよく、つまりは道路網到達不能領域に位置する初期代替点は削除され、到達可能代替点にはならない。
【0076】
ステップS203で、前記到達可能代替点を目的点と決定する。
【0077】
具体的には、端末機器は開始位置と各到達可能代替点の地図表示画面での距離(地図距離と称する)をそれぞれ決定し、各単位初期航続領域で、最大地図距離に対応する到達可能代替点を当該初期航続領域の決定対象目的点とする。
【0078】
実施例において、端末機器は開始位置と各到達可能代替点との間の道路網経路距離(候補道路網経路距離と称する)を決定し、各単位初期航続領域で、候補道路網経路距離が最大の到達可能代替点を当該初期航続領域の決定対象目的点とする。
【0079】
各単位初期航続領域、各初期代替点に対して、いずれも前記方法で各単位初期航続領域内の到達可能代替点をそれぞれ決定し、次にそれぞれ各単位初期航続領域内で開始位置と距離が最も遠い到達可能代替点を決定対象目的点とし、最後に全ての単位初期航続領域の決定対象目的点を目的点としてもよい。
【0080】
ステップS204で、前記地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて、前記目的航続領域を得る。
【0081】
具体的には、地図表示画面で、端末機器は時計回りの順又は反時計回りの順で、各目的点を接続させて、候補閉鎖ループを得てもよい。端末機器は候補閉鎖ループの地図表示画面での対応する領域をそのまま目的航続領域としてもよい。
【0082】
道路網の分布が非常に複雑であるため、さらに候補閉鎖ループに対し境界平滑化処理を行って、道路網の特殊な分布による特殊点が目的航続領域範囲の作成に支障をきたすような状況を減らすことができ、次に端末機器は境界平滑化処理後の領域を目的航続領域とする。
【0083】
候補閉鎖ループに境界平滑化処理を行うステップは、位置変更条件を満たす目的点を特定し、位置変更条件を満たす目的点を削除するステップと、次に残りの目的点を時計回り方向又は反時計回り方向で接続させて、境界平滑化処理後の目的航続領域である領域を得るステップとを含む。位置変更とは当該目的点が急遽凸点に変化し又は急遽凹点に変化することである。
【0084】
端末機器が候補閉鎖ループに境界平滑化処理を行うことには2つの方式がある。次にまずその一方を説明する。端末機器は全ての目的点の中から3つの目的点を抽出し、それぞれが第1到達可能点、第2到達可能点及び第3到達可能点であり、且つ候補閉鎖ループにおいて、第2到達可能点が第1到達可能点に隣接し、且つ第2到達可能点が第3到達可能点に隣接し、簡単に言えば、第2到達可能点は中央に位置し、第1到達可能点及び第3到達可能点は両側に位置する。
【0085】
端末機器は第1到達可能点と第2到達可能点とを接続させて、第1接続線を得、端末機器は第2到達可能点と第3到達可能点とを接続させて、第2接続線を得、端末機器は第1接続線と第2接続線との夾角を、接続線夾角とする(第1接続線と第2接続線の交点が第2到達可能点であるため、第1接続線と第2接続線とで夾角が存在する)。接続線夾角が夾角閾値より小さい場合に、第2到達可能点は位置変更条件を満たす目的点であり、端末機器は前記第2到達可能点を削除してもよい。
【0086】
端末機器は残りの目的点の中から引き続き3つの目的点を抽出し、それぞれ第1到達可能点、第2到達可能点及び第3到達可能点とし、第2到達可能点が位置変更条件を満たすかどうかを再び決定してもよい。残りの目的点で位置変更条件を満たす目的点は存在しないまで、これを繰り返す。
【0087】
例えば、
図5が参照されるとおり、本願の実施例に係る位置変更条件を満たす目的点の決定の概略図である。
図5に示すように、候補閉鎖ループは目的点Aと、目的点Bと、目的点Cと、目的点Dと、目的点Eと、目的点Fとを含む。端末機器はまず目的点Aを第1到達可能点とし、目的点Bを第2到達可能点とし、目的点Cを第3到達可能点としてもよく、∠ABCが夾角閾値より大きいため、目的点Bは位置変更条件を満たさない。そして端末機器は目的点Bを第1到達可能点とし、目的点Cを第2到達可能点とし、目的点Dを第3到達可能点とし、∠BCDが夾角閾値より大きいため、目的点Cは位置変更条件を満たさない目的点である。これを繰り返して、目的点Eを第1到達可能点とし、目的点Fを第2到達可能点とし、目的点Aを第3到達可能点とする場合、∠EFAが夾角閾値より小さいため、目的点Fは位置変更条件を満たす目的点であり、端末機器は目的点Fを削除してもよい。後に端末機器はまた残りの目的点に基づいて、位置変更条件を満たす目的点が存在するかどうかを再び判断する。
図5に示すように、目的点Fを削除した後、残りの目的点A、目的点B、目的点C、目的点D、目的点Eがいずれも位置変更条件を満たさないため、端末機器は時計回りの順又は反時計回りの順で残りの目的点A、目的点B、目的点C、目的点D、目的点Eを接続させてもよく、接続で得た領域は即ち境界平滑化処理後の目的航続領域である。
【0088】
次に、候補閉鎖ループに平滑化処理を行うことの他方の方式を説明する。端末機器は全ての目的点の中から3つの目的点を抽出し、それぞれが第1到達可能点、第2到達可能点及び第3到達可能点であり、且つ候補閉鎖ループにおいて、第2到達可能点が第1到達可能点に隣接し、且つ第2到達可能点が第3到達可能点に隣接し、簡単に言えば、第2到達可能点は中央に位置し、第1到達可能点及び第3到達可能点は両側に位置する。
【0089】
端末機器は第1到達可能点と第3到達可能点とを接続させて第3接続線を得、第2到達可能点と第3接続線との距離(接続線距離と称する)を決定し、第3接続線の長さを決定し、接続線距離を第3接続線の長さで割って比値を得、これを接続線比率係数と称する。接続線比率係数が予め設定された比率係数閾値より大きいなら、端末機器は第2到達可能点を位置変更条件を満たす目的点としてもよく、そして端末機器は前記第2到達可能点を削除してもよい。
【0090】
端末機器は残りの目的点の中から引き続き3つの目的点を抽出し、それぞれ第1到達可能点、第2到達可能点及び第3到達可能点とし、第2到達可能点が位置変更条件を満たすかどうかを再び決定してもよい。残りの目的点で位置変更条件を満たす目的点は存在しないまで、これを繰り返す。
【0091】
例えば、
図6が参照されるとおり、本願の実施例に係る位置変更条件を満たす目的点の決定のもう1つの概略図である。
図6に示すように、候補閉鎖ループは目的点Aと、目的点Bと、目的点Cと、目的点Dと、目的点Eと、目的点Fとを含む。
【0092】
端末機器はまず目的点Aを第1到達可能点とし、目的点Bを第2到達可能点とし、目的点Cを第3到達可能点としてもよく、目的点Bと線分ACとの距離を線分ACの長さで割ったのが予め設定された比率係数閾値より小さいため、目的点Bは位置変更条件を満たさない。そして端末機器は目的点Bを第1到達可能点とし、目的点Cを第2到達可能点とし、目的点Dを第3到達可能点とし、目的点Cと線分BDとの距離を線分BDの長さで割ったのが予め設定された比率係数閾値より小さいため、目的点Cは位置変更条件を満たさない。これを繰り返して、目的点Eを第1到達可能点とし、目的点Fを第2到達可能点とし、目的点Aを第3到達可能点とする場合、目的点Fと線分AEとの距離D1(前記接続線距離)を線分AEの長さD2(前記第3接続線の長さ)で割ったのが予め設定された比率係数閾値より大きいため、目的点Fは位置変更条件を満たす目的点であり、端末機器は目的点Fを削除してもよい。
図6に示すように、目的点Fを削除した後、残りの目的点A、目的点B、目的点C、目的点D、目的点Eが位置変更条件を満たさないため、端末機器は時計回りの順又は反時計回りの順で残りの目的点A、目的点B、目的点C、目的点D、目的点Eを接続させてもよく、接続で得た領域は即ち境界平滑化処理後の目的航続領域である。
【0093】
図7が参照されるとおり、本願の実施例に係る画像処理方法のもう1つのフローチャートであり、
図7に示すように、画像処理方法は以下を含んでもよい。
【0094】
ステップS301で、交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得し、前記交通手段の地図表示画面における開始位置を取得する。
【0095】
なお、ステップS301の具体的な過程として前記
図3aに対応する実施例のステップS101~ステップS102の説明を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0096】
ステップS302で、前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて複数の初期代替点を決定する。
【0097】
なお、ステップS302の具体的な過程として前記
図3bに対応する実施例のステップS201の説明を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0098】
ステップS303で、初期代替点の代替点道路網領域を決定し、道路網データ集から、前記代替点道路網領域内の道路網データを取得して、代替点道路網データとする。
【0099】
具体的には、次に1つの初期代替点を例として当該初期代替点の代替点道路網データをどのように決定するかを説明する。
【0100】
端末機器は第2長さ閾値を取得し、実際の道路網において、初期代替点に対応する実際位置を円中心、第2長さ閾値を半径として、円周を決定し、当該円周に対応する領域は即ち代替点道路網領域である。理解されたように、第2長さ閾値とは実際の直線距離である。
【0101】
実施例において、代替点道路網領域は円形である他に、正方形であってもよい。実際の道路網において、初期代替点に対応する実際位置を中心、第2長さ閾値を中心と頂点の距離として、正方形を決定し、当該正方形に対応する領域は即ち代替点道路網領域である。なお、第2長さ閾値は1kmであってもよい。
【0102】
第2長さ閾値が1kmである場合に、代替点道路網領域を、初期代替点の周りの1kmの実際の道路領域が代替点道路網領域であるというふうに理解することができる。
【0103】
実施例において、地図表示画面の縮尺係数と、前記第1長さ閾値(前記第1長さ閾値で複数の単位初期航続サブ領域に分割させる)とに基づいて、第1長さ閾値を実際の直線距離Aに換算させることができ、当該実際の直線距離Aと第2長さ閾値Bとは関係式A=2×Bを満たし、且つ第2長さ閾値は複数回の試験で決定された最良の経験値で、第1長さ閾値は前記関係で決定される。
【0104】
例えば、第2長さ閾値が1kmである場合に、第1長さ閾値に対応する実際の直線距離Aは2kmであり、実際の直線距離Aが第2長さ閾値Bの2倍であるという関係が満たされることが前提で、全ての初期代替点のそれぞれに対応する候補道路網領域は、初期航続領域に対応する実際の道路領域をほぼカバーしており、道路領域を見逃したことが避けられ、最終的に決定された目的航続領域はより正確である。
【0105】
図8が参照されるとおり、本願の実施例に係る第1長さ閾値と第2長さ閾値との関係の概略図である。4つの初期代替点(それぞれが初期代替点A、初期代替点B、初期代替点C、初期代替点Dである)を例として説明する。初期代替点Aに対応する候補道路網領域は領域70aで、初期代替点Bに対応する候補道路網領域は領域70bで、初期代替点Cに対応する候補道路網領域は領域70cで、初期代替点Dに対応する候補道路網領域は領域70dである。初期代替点Aと初期代替点Bとの実際の直線距離は前記4つの代替点道路網領域の半径の2倍に等しく、
図8から分かるように、2倍であるという関係上、前記4つの候補道路網領域は4つの初期代替点が道路網領域で構成している実際の道路領域をほぼカバーしている。これにより道路領域を見逃したことが避けられ、最終的に決定された目的航続領域はより正確である。
【0106】
端末機器は道路網データ集から、各代替点道路網領域の道路網データを取得して、代替点道路網データとする。
【0107】
次に、1つの代替点道路網領域内に含まれた道路網データをどのように取得するかを具体的に説明する。道路網データ集は<Block,Rec>の組織形態でデータベースに記憶されてもよく、なおBlockは道路網データブロックで、Recは単位道路網データブロックである。道路網データ集は複数のBlockに対応してもよく、各Blockは複数のRecを含み、各Rec内に道路網データが含まれない場合があり、1つの道路網データが含まれる場合があり、そして複数の道路網データが含まれる場合がある。全てのRec内に含まれた道路網データを組み合わせれば道路網データ集が得られ、各Block同士が近似的に等しく、各Blockに含まれたRecも近似的に等しくてもよく、そのために代替点道路網領域内に含まれる道路網データを決定するために、論理的には代替点道路網領域が位置するRecを決定する必要がある。
【0108】
実施例において、各Blockに対応する実際の辺長は12.5km×8.33kmであってもよく、各Recに対応する実際の辺長は100m×100mであってもよく、これは各Blockが1つの実際の道路網領域に対応してもよく、当該道路網領域は辺長12.5km×8.33kmの長方形であり、各Recもまた1つの実際の道路網領域に対応してもよく、当該道路網領域は辺長100m×100mの長方形であり、且つ論理的に隣接するRec(又はBlock)は実際の道路網領域で隣接するというふうに理解してもよい。
【0109】
端末機器は初期代替点の位置する道路網領域の経緯度情報を取得し、経緯度情報は経度及び緯度を含み、複数の道路網データブロックの中から前記経緯度情報に対応する道路網データブロックを検索して、目的道路網データブロックとし、幾何学的ハッシュ法で検索してもよい。幾何学的ハッシュ法による検索とはハッシュ関数h(x,y)があり、経緯度情報における経度及び緯度をそれぞれx、yとしてハッシュ関数に代入して、ハッシュ値zを得ることであり、当該ハッシュ値は道路網データブロックのidに等しく、つまり経緯度情報とハッシュ関数とによって、経緯度情報に対応する目的道路網データブロックを見つけることができる。
【0110】
端末機器は目的データブロックに対応する4つの境界経緯度座標を検索し、目的道路網データブロックに含まれた単位道路網データブロックの数量に基づいて、前記経緯度情報に対応する単位道路網データブロック(第1単位道路網データブロックと称する)を決定することができる。
【0111】
例えば、
図9aが参照されるとおり、本願の実施例に係る第1単位道路網データブロック決定の概略図である。
図9aに示す道路網データブロックは12の単位道路網データブロックを含み(それぞれが単位道路網データブロック1、単位道路網データブロック2、…、単位道路網データブロック12である)、且つ当該道路網データブロックの4つの境界経緯度座標はそれぞれ(0,0)、(80,0)、(0,80)、(80,80)であり、初期代替点1に対応する経緯度情報が(25,25)である場合に、12の単位道路網データブロックは均一に分割されているため、計算すれば、経緯度情報(25,25)に対応する単位道路網データブロックは単位道路網データブロック6で、即ち単位道路網データブロック6は第1単位道路網データブロックである、ということが分かる。
【0112】
端末機器は第2長さ閾値を取得し、第2長さ閾値と第1単位道路網データブロックとに基づいて第2単位道路網データブロックを決定し、なお、第2単位道路網データブロックと第1単位道路網データブロックとの実際の直線距離は第2長さ閾値より小さく又は等しい。
【0113】
端末機器は第1単位道路網データブロックに対応する道路網領域及び第2単位道路網データブロックに対応する道路網領域を代替点道路網領域としてもよい。
【0114】
第2単位道路網データブロックが早く決定できるように、端末機器は各単位道路網データブロックが第2単位道路網データブロックであるかどうかをそれぞれ決定する必要がなく、第2長さ閾値と単位道路網データブロックに対応する実際の辺長との比の値をデータブロック係数とし、次に第1単位道路網データブロックを中心に、4つの方向(水平方向右向き、水平方向左向き、鉛直方向上向き、及び鉛直方向下向きを含む)に拡張させてもよく、拡張中に経過する単位データブロックの数量はデータブロック係数に等しく、拡張で得た長方形領域内に含まれる第1単位道路網データブロック以外の単位道路網データブロックはいずれも第2単位道路網データブロックで、且つ拡張で得た長方形領域に対応する道路網領域は即ち代替点道路網領域である。
【0115】
例えば、
図9bが参照されるとおり、本願の実施例に係る第2単位道路網データブロック決定の概略図である。
図9bに示す道路網データブロックAは36の単位道路網データブロックを含み、且つ単位道路網データブロック1が第1単位道路網データブロックであり、第2長さ閾値は200mで、且つ単位道路網データブロックに対応する実際の辺長が100mに等しい場合に、データブロック係数は200/100に等しく2になり、単位道路網データブロック1を中心に、水平方向左向きの方向で2つの単位道路網データブロックの距離を拡張させ、水平方向右向きの方向で2つの単位道路網データブロックの距離を拡張させ、鉛直方向上向きの方向で2つの単位道路網データブロックの距離を拡張させ、鉛直方向下向きの方向で2つの単位道路網データブロックの距離を拡張させ、このように決定した領域80aで単位道路網データブロック1以外の単位道路網データブロックはいずれも第2単位道路網データブロックである。
【0116】
上記の過程で、各初期代替点に対応する代替点領域と、第1単位道路網データブロック及び第2単位道路網データブロックとを決定することができる。代替点領域内に道路網データが存在するかどうかを決定するために、端末機器はデータベースの中から第1単位道路網データブロックに含まれる道路網データを抽出し、第2単位道路網データブロックに含まれる道路網データを抽出し、抽出された道路網データを道路網データ集とする。
【0117】
外部に拡張させる必要があるため、第2単位道路網データブロックは複数のBlockに対応する場合があり、
図10aが参照されるとおり、本願の実施例に係る第2単位道路網データブロック決定のもう1つの概略図である。
図10aは4つの道路網データブロックを含み(それぞれが道路網データブロック1、道路網データブロック2、道路網データブロック3、及び道路網データブロック4である)、且つ単位道路網データブロック2が第1単位道路網データブロックであり、データブロック係数が2である場合に、前記過程により領域80bで単位道路網データブロック2以外の単位道路網データブロックはいずれも第2単位道路網データブロックであることが確定し、理解されたように、前記第2単位道路網データブロックが4つの道路網データブロックに属し、このような状況では、端末機器はデータベースの4つの道路網データブロックから第1ユニット道路網データブロック内に含まれた道路網データ、及び第2ユニット道路網データブロック内に含まれた道路網データをそれぞれ検索して、代替点道路網データとする必要がある。
【0118】
ステップS304で、前記代替点道路網データが非空集合である場合、前記初期代替点を候補点と決定する。
【0119】
具体的には、代替点道路網データが非空集合である場合、つまり、当該代替点道路網領域内に実際の道路が存在する(つまり当該代替点道路網領域は河川、山岳地帯又は閉鎖規制領域に位置しない)場合に、端末機器は当該初期代替点を候補点としてもよい。
【0120】
図10bが参照されるとおり、本願の実施例に係る候補点決定の概略図である。
図10bは12の初期代替点を含み(それぞれが初期代替点A、…、初期代替点Lである)、且つ点Sは開始位置である。
図10bで2つの初期代替点間に道路網データによる接続が存在する場合に、実線で2つの代替点を接続させ、2つの初期代替点間に道路網データによる接続が存在しない場合に、破線で2つの代替点を接続させる。
図10bから分かるように、初期代替点A、初期代替点B、初期代替点C、及び初期代替点Dが湖領域に位置するため、前記4つの初期代替点に対応する候補道路網領域でいずれも道路網データは存在せず、そのため端末機器は初期代替点A、初期代替点B、初期代替点C及び初期代替点Dをフィルタリングして除去してもよく、これに対して、残りの8つの初期代替点(即ち初期代替点E、…、初期代替点L)に対応する候補道路網領域でいずれも道路網データが存在し、そのため端末機器は残りの8つの初期代替点を全て候補点としてもよい。
【0121】
ステップS305で、前記道路網データ集に基づいて、前記候補点と前記開始位置との間の道路網経路距離を決定する。
【0122】
選定された候補点に対し、端末機器は経路計画インタフェースを呼び出して、各候補点と開始位置との間の道路網経路距離を決定することができ、道路網経路距離とは2点間の実際の道路距離(又は経路計画距離)である。
【0123】
経路計画インタフェースは経路計画に関するDijkstraアルゴリズム、又はA*探索アルゴリズムにより候補点と開始位置との間の道路網経路距離を決定することができる。前記2つのアルゴリズムがいずれも最短経路アルゴリズムであり、Dijkstraアルゴリズムの方が精度はより高い一方、計算量が多く、A*探索アルゴリズムの方が精度は低下しているものの、計算量が少ない。次にA*探索アルゴリズムを例に、候補点と開始位置との間の道路網経路距離をどのように決定するかを詳細に説明する。
【0124】
図11aが参照されるとおり、本願の実施例に係る道路網経路距離決定の概略図である。頂点V0から頂点V5までの道路網経路距離(最短距離)を決定するために、まずopenリストとcloseリストとを生成し、この場合に2つのリストはいずれも空集合である。端末機器はまず(V0,0)をopenリストに加え、この場合にopenリストは(V0,0)を含み、closeリストは空であり、(V0,0)で1番目の要素は頂点を表し、2番目の要素は当該頂点と開始頂点V0との距離を表す。
【0125】
端末機器はV0に隣接する頂点をopenリストに加え、(V0,0)をcloseリストに加え、この場合にopenリストは(V2,10)と、(V4,30)と、(V5,100)とを含み、closeリストは(V0,0)を含む。
【0126】
openリストから最小の方のV2を選択してcloseリストに加え、端末機器はV2に隣接する頂点をopenリストに加え、各頂点のV0との距離を調整し、この場合にopenリストは(V1,15)と、(V4,30)と、(V3,60)と、(V5,100)とを含み、closeリストは(V0,0)と、(V2,10)とを含む。
【0127】
V1が既に境界頂点であるため、V1をopenリストから削除する。次にopenリストから最小の方のV4を選択してcloseリストに加え、端末機器はV4に隣接する頂点をopenリストに加え、各頂点のV0との距離を調整し、この場合にopenリストは(V3,50)と、(V5,90)と、(V5,100)とを含み、closeリストは(V0,0)と、(V2,10)と、(V4,30)とを含む。
【0128】
openリストから最小の方のV3を選択してcloseリストに加え、端末機器はV3に隣接する頂点をopenリストに加え、各頂点のV0との距離を調整し、この場合にopenリストは(V5,60)を含み、closeリストは(V0,0)と、(V2,10)と、(V4,30)と、(V3,50)とを含む。
【0129】
openリストからV5を選択してcloseリストに加え、この場合にopenリストは空集合であり、closeリストは(V0,0)と、(V2,10)と、(V4,30)と、(V3,50)と、(V5,60)とを含む。
【0130】
これで、頂点V0から頂点V5までの道路網経路距離は60で、且つ対応する経路はV0→V2→V4→V3→V5であることが決定される。
【0131】
A*探索アルゴリズムであれ、Dijkstraアルゴリズムであれ、いずれもトポロジーマップに基づいて2点間の最短経路距離(道路網経路距離)を決定するものであり、道路網データ集の場合、2つの道路の交点はトポロジーマップの頂点に対応し、道路間の距離はトポロジーマップにおける2つの頂点間の重みに対応し、これにより、道路網データ集から対応するトポロジーマップを生成させ、次に経路計画アルゴリズムにより道路網経路距離を決定してもよい。
【0132】
ステップS306で、前記候補点と前記開始位置との間の道路網経路距離が前記残り走行可能距離パラメータより小さく又は等しい場合、前記候補点を前記到達可能代替点と決定する。
【0133】
開始位置との道路網経路距離が残り走行可能距離パラメータより小さく又は等しい候補点を到達可能代替点とし、これに対して、開始位置との道路網経路距離が残り走行可能距離パラメータより大きい候補点をフィルタリングして除去する。
【0134】
ステップS307で、前記到達可能代替点を目的点と決定し、前記地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて、前記目的航続領域を得る。
【0135】
なお、ステップS307の具体的な過程として前記
図3bに対応する実施例のステップS203~ステップS204の説明を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0136】
ステップS308で、前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させる。
【0137】
なお、ステップS308の具体的な過程として前記
図3aに対応する実施例のステップS104の説明を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0138】
図11bが参照されるとおり、本願の実施例に係る目的航続領域の概略図である。
図11bから分かるように、交通手段の開始位置が海領域に非常に近いため、端末機器が複数の初期代替点の中から交通手段が到達可能な到達可能代替点を選択する時は、海領域に位置する初期代替点は交通手段が到達できない点と判定され、そのために海領域に位置する初期代替点はフィルタリングで除去され、保持された交通手段が到達可能な初期代替点は到達可能代替点という。さらに、到達可能代替点が決定した後、各単位初期航続領域に対し、端末機器は開始位置と距離が最も遠い到達可能代替点を目的点としてもよい。最後に、端末機器は時計回りの順又は反時計回りの順で、地図表示画面上の全ての目的点を接続させて、目的航続領域である領域を得る。
【0139】
上記から分かるように、残り走行可能距離データと当時の道路状況とに基づいて人工的に目的航続領域を推定する場合と比べて、地図画面において目的航続領域を自動的に決定することで、ユーザーに自動車の実際到達可能範囲をより直感的に表示することができ、これにより後続のルート計画の効率を高めることができ、さらに、本願の実施例によって決定された目的航続領域は起点と距離が最も遠く且つ到達可能な複数の点で構成されるため、当該目的航続領域は高い精度を有する。
【0140】
さらに、
図12が参照されるとおり、本願の実施例に係る画像処理装置の構造概略図である。
図12に示すように、画像処理装置1は前記
図3a~
図11bに対応する実施例の端末機器に用いることでき、画像処理装置1は第1取得モジュール11と、第2取得モジュール12と、目的領域決定モジュール13とを含んでもよい。
【0141】
第1取得モジュール11は、交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得するために用いられ、
第2取得モジュール12は、前記交通手段の地図表示画面における開始位置を取得するために用いられ、
目的領域決定モジュール13は、前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定するために用いられ、
前記第1取得モジュール11は、前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させるためにも用いられる。
【0142】
なお、第1取得モジュール11、第2取得モジュール12、目的領域決定モジュール13の具体的な機能の実現形態は前記
図3aに対応する実施例のステップS101~ステップS104を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0143】
図12が参照されるとおり、目的領域決定モジュール13は目的点決定ユニット131と、接続ユニット132とを含んでもよい。
【0144】
目的点決定ユニット131は、前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で複数の目的点を決定するために用いられ、
接続ユニット132は、前記地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて、前記目的航続領域を得るために用いられる。
【0145】
なお、目的点決定ユニット131、接続ユニット132の具体的な機能の実現形態は前記
図3aに対応する実施例のステップS103を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0146】
図12が参照されるとおり、目的点決定ユニット131は初期点決定サブユニット1311と、選択サブユニット1312と、目的点決定サブユニット1313とを含んでもよい。
【0147】
初期点決定サブユニット1311は、前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて複数の初期代替点を決定するために用いられ、
選択サブユニット1312は、前記複数の初期代替点の中から前記交通手段の到達可能な初期代替点を選択して、到達可能代替点とするために用いられ、
目的点決定サブユニット1313は、前記到達可能代替点を目的点と決定するために用いられる。
【0148】
なお、初期点決定サブユニット1311、選択サブユニット1312、目的点決定サブユニット1313の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS201~ステップS203を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0149】
図12が参照されるとおり、初期点決定サブユニット1311は領域決定サブユニット13111と、第1分割サブユニット13112とを含んでもよい。
【0150】
領域決定サブユニット13111は、前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で初期航続領域を決定するために用いられ、
第1分割サブユニット13112は、前記初期航続領域を少なくとも1つの単位初期航続領域に分割し、各単位初期航続領域内でそれぞれ初期代替点を決定するために用いられる。
【0151】
なお、領域決定サブユニット13111、第1分割サブユニット13112の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS202を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0152】
図12が参照されるとおり、目的点決定サブユニット1313は第1決定サブユニット13131と、第2決定サブユニット13132とを含んでもよい。
【0153】
第1決定サブユニット13131は、各単位初期航続領域内の到達可能代替点の中から、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点を選択して、前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするために用いられ、
第2決定サブユニット13132は、全ての単位初期航続領域に対応する決定対象目的点を前記目的点とするために用いられる。
【0154】
なお、第1決定サブユニット13131、第2決定サブユニット13132の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS203を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0155】
図12が参照されるとおり、選択サブユニット1312は第1取得サブユニット13121と、第1距離決定サブユニット13122とを含んでもよく、
第1取得サブユニット13121は、各初期代替点の代替点道路網領域を決定するために用いられ、
第1距離決定サブユニット13122は、道路網データ集から、前記代替点道路網領域内の道路網データを取得して、代替点道路網データとするために用いられ、
前記第1距離決定サブユニット13122は、前記代替点道路網データが非空集合である場合、前記初期代替点を候補点と決定するためにも用いられ、
前記第1距離決定サブユニット13122は、前記道路網データ集に基づいて、前記候補点と前記開始位置との間の道路網経路距離を決定するためにも用いられ、
前記第1距離決定サブユニット13122は、前記候補点と前記開始位置との間の道路網経路距離が前記残り走行可能距離パラメータより小さく又は等しい場合、前記候補点を前記到達可能代替点と決定するためにも用いられる。
【0156】
なお、第1取得サブユニット13121、第1距離決定サブユニット13122の具体的な機能の実現形態は前記
図7に対応する実施例のステップS303~ステップS306を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0157】
図12が参照されるとおり、領域決定サブユニット13111は第2取得サブユニット131111と、円周決定サブユニット131112とを含んでもよい。
【0158】
第2取得サブユニット131111は、前記地図表示画面に対応する地図縮尺係数を取得するために用いられ、
前記第2取得サブユニット131111は、前記残り走行可能距離パラメータと前記地図縮尺係数とに基づいて、走行可能距離半径係数を決定するためにも用いられ、
円周決定サブユニット131112は、前記地図表示画面で、前記開始位置を円中心、前記走行可能距離半径係数を半径として、走行可能距離円周を生成させ、前記走行可能距離円周の前記地図表示画面における対応する領域を前記初期航続領域と決定するために用いられる。
【0159】
なお、第2取得サブユニット131111、円周決定サブユニット131112の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS201を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0160】
図12が参照されるとおり、第1分割サブユニット13112は第3取得サブユニット131121と、第2分割サブユニット131122とを含んでもよい。
【0161】
第3取得サブユニット131121は、極角間隔係数を取得し、前記極角間隔係数に基づいて前記初期航続領域を前記少なくとも1つの単位初期航続領域に分割するために用いられ、
第2分割サブユニット131122は、各単位初期航続領域を少なくとも1つの単位初期航続サブ領域に分割するために用いられ、各単位初期航続サブ領域の領域辺長と第1長さ閾値との差の値は差分閾値より小さく、
前記第2分割サブユニット131122は、前記地図表示画面で、前記各単位初期航続サブ領域の頂点を前記初期代替点とするためにも用いられる。
【0162】
なお、第3取得サブユニット131121、第2分割サブユニット131122の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS201を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0163】
図12が参照されるとおり、第1取得サブユニット13121は第4取得サブユニット131211と、検索サブユニット131212とを含んでもよい。
【0164】
第4取得サブユニット131211は、前記初期代替点の経緯度情報を取得し、複数の道路網データブロックの中から前記経緯度情報に対応する目的道路網データブロックを検索するために用いられ、前記道路網データ集は前記複数の道路網データブロックに対応し、各道路網データブロックは複数の単位道路網データブロックを含み、
検索サブユニット131212は、前記目的道路網データブロックに対応する複数の単位道路網データブロックの中から、前記経緯度情報に対応する第1単位道路網データブロックを検索するために用いられ、
前記第4取得サブユニット131211は、第2長さ閾値を取得し、前記第2長さ閾値に基づいて前記第1単位道路網データブロックに隣接する第2単位道路網データブロックを決定するためにも用いられ、
前記第4取得サブユニット131211は、前記第1単位道路網データブロックに対応する道路網領域、及び前記第2単位道路網データブロックに対応する道路網領域を前記初期代替点の代替点道路網領域とするためにも用いられる。
【0165】
なお、第4取得サブユニット131211、検索サブユニット131212の具体的な機能の実現形態は前記
図7に対応する実施例のステップS303を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0166】
図12が参照されるとおり、第1決定サブユニット13131は第2距離決定サブユニット131311と、第3決定サブユニット131312とを含んでもよい。
【0167】
第2距離決定サブユニット131311は、前記単位初期航続領域内の到達可能代替点と前記開始位置との前記地図表示画面における地図距離を決定するために用いられ、
第3決定サブユニット131312は、地図距離が最大の到達可能代替点を前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするために用いられる。
【0168】
なお、第2距離決定サブユニット131311、第3決定サブユニット131312の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS203を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0169】
図12が参照されるとおり、第1決定サブユニット13131は第3距離決定サブユニット131313と、第4決定サブユニット131314とをさらに含んでもよい。
【0170】
第3距離決定サブユニット131313は、前記単位初期航続領域内の到達可能代替点と前記開始位置との間の道路網経路距離を決定して、候補道路網経路距離とするために用いられ、
第4決定サブユニット131314は、候補道路網経路距離が最大の到達可能代替点を前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするために用いられる。
【0171】
なお、第3距離決定サブユニット131313、第4決定サブユニット131314の具体的な機能の実現形態は前記
図7に対応する実施例のステップS303を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0172】
図12が参照されるとおり、接続ユニット132は接続サブユニット1321と、削除サブユニット1322とを含んでもよい。
【0173】
接続サブユニット1321は、時計回りの順又は反時計回りの順で各前記目的点を接続させて、候補閉鎖ループを得るために用いられ、
削除サブユニット1322は、前記候補閉鎖ループから位置変更条件を満たす目的点を削除するために用いられ、
前記接続サブユニット1321は、前記地図表示画面で、前記時計回りの順又は前記反時計回りの順で残りの目的点を接続させて、前記目的航続領域を得るためにも用いられる。
【0174】
なお、接続サブユニット1321、削除サブユニット1322の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS204を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0175】
図12が参照されるとおり、目的点は第1到達可能点と、第2到達可能点と、第3到達可能点とを含み、前記候補閉鎖ループにおいて、前記第2到達可能点は前記第1到達可能点に隣接し、且つ前記第2到達可能点は前記第3到達可能点に隣接し、
画像処理装置1は第1取得モジュール11と、第2取得モジュール12と、目的領域決定モジュール13とを含んでもよく、第1接続モジュール14と、夾角決定モジュール15とをさらに含んでもよい。
【0176】
第1接続モジュール14は、前記第1到達可能点と前記第2到達可能点とを接続させて、第1接続線を得るために用いられ、
前記第1接続モジュール14は、前記第2到達可能点と前記第3到達可能点とを接続させて、第2接続線を得るためにも用いられ、
夾角決定モジュール15は、前記第1接続線と、前記第2接続線とに基づいて接続線夾角を決定し、前記接続線夾角が夾角閾値より小さい場合、前記第2到達可能点を前記位置変更条件を満たす目的点と決定するために用いられる。
【0177】
なお、第1接続モジュール14、夾角決定モジュール15の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS204を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0178】
図12が参照されるとおり、目的点は第1到達可能点と、第2到達可能点と、第3到達可能点とを含み、前記候補閉鎖ループにおいて、前記第2到達可能点は前記第1到達可能点に隣接し、且つ前記第2到達可能点は前記第3到達可能点に隣接し、
画像処理装置1は第1取得モジュール11と、第2取得モジュール12と、目的領域決定モジュール13と、第1接続モジュール14と、夾角決定モジュール15とを含んでもよく、第2接続モジュール16と、係数決定モジュール17とをさらに含んでもよい。
【0179】
第2接続モジュール16は、前記第1到達可能点と前記第3到達可能点とを接続させて、第3接続線を得るために用いられ、
係数決定モジュール17は、前記第2到達可能点と前記第3接続線との間の接続線距離を決定し、前記接続線距離と前記第3接続線の長さとに基づいて接続線比率係数を生成させるために用いられ、
前記係数決定モジュール17は、前記接続線比率係数が比率係数閾値より大きい場合、前記第2到達可能点を前記位置変更条件を満たす目的点と決定するためにも用いられる。
【0180】
なお、第2接続モジュール16、係数決定モジュール17の具体的な機能の実現形態は前記
図3bに対応する実施例のステップS204を参照することができ、ここで詳細な説明を省略する。
【0181】
上記から分かるように、残り走行可能距離データと当時の道路状況とに基づいて人工的に目的航続領域を推定する場合と比べて、地図画面において目的航続領域を自動的に決定することで、ユーザーに自動車の実際到達可能範囲をより直感的に表示することができ、これにより後続のルート計画の効率を高めることができ、さらに、本願の実施例によって決定された目的航続領域は起点と距離が最も遠く且つ到達可能な複数の点で構成されるため、当該目的航続領域は高い精度を有する。
【0182】
さらに、
図13が参照されるとおり、本願の実施例に係る電子機器の構造概略図である。
図13に示す電子機器1000は前記
図3a~
図11bに対応する実施例の端末機器であってもよい。
図13に示すように、前記電子機器1000はユーザーインタフェース1002と、プロセッサ1004と、エンコーダ1006と、メモリ1008とを含んでもよい。信号受信機1016はセルラーインタフェース1010、WIFIインタフェース1012、…、又はNFCインタフェース1014によってデータを受信又は送信するために用いられる。エンコーダ1006は受信されたデータを、コンピュータが処理可能なデータフォーマットにコードする。メモリ1008にコンピュータプログラムが記憶されており、プロセッサ1004はコンピュータプログラムによって前記いずれかの方法実施例のステップを実行するよう設定される。メモリ1008は揮発性メモリ(例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ、DRAM)を含んでもよいし、不揮発性メモリ(例えば、ワンタイムプログラマブル読み取り専用メモリ、OTPROM)をさらに含んでもよい。いくつかの例で、メモリ1008はプロセッサ1004に対して遠隔に設けられたメモリをさらに含んでもよく、これらのリモートメモリはネットワークを介して電子機器1000に接続されてもよい。ユーザーインタフェース1002はキーボード1018と、ディスプレイ1020とを含んでもよい。
【0183】
図13に示す電子機器1000で、プロセッサ1004は、メモリ1008に記憶されているコンピュータプログラムを呼び出して、
交通手段の残り走行可能距離パラメータを取得するステップと、
前記交通手段の地図表示画面における開始位置を取得するステップと、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定するステップと、
前記地図表示画面に前記目的航続領域を表示させるステップとを実行するために用いられてもよい。
【0184】
一実施例では、前記プロセッサ1004が前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で目的航続領域を決定するステップを実行する時には、具体的には、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で複数の目的点を決定するステップと、
前記地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて、前記目的航続領域を得るステップとを実行する。
【0185】
一実施例では、前記プロセッサ1004が前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で複数の目的点を決定するステップを実行する時には、具体的には、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて複数の初期代替点を決定するステップと、
前記複数の初期代替点の中から前記交通手段の到達可能な初期代替点を選択して、到達可能代替点とするステップと、
前記到達可能代替点を目的点と決定するステップとを実行する。
【0186】
一実施例では、前記プロセッサ1004が前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて複数の初期代替点を決定するステップを実行する時には、具体的には、
前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で初期航続領域を決定するステップと、
前記初期航続領域を少なくとも1つの単位初期航続領域に分割し、各単位初期航続領域内でそれぞれ初期代替点を決定するステップとを実行する。
【0187】
一実施例では、前記プロセッサ1004が前記到達可能代替点を目的点と決定するステップを実行する時には、具体的には、
各単位初期航続領域内の到達可能代替点の中から、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点を選択して、前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするステップと、
全ての単位初期航続領域に対応する決定対象目的点を前記目的点とするステップとを実行する。
【0188】
一実施例では、前記プロセッサ1004が前記複数の初期代替点の中から前記交通手段の到達可能な初期代替点を選択して、到達可能代替点とするステップを実行する時には、具体的には、
各初期代替点の代替点道路網領域を決定し、道路網データ集から、前記代替点道路網領域内の道路網データを取得して、代替点道路網データとするステップと、
前記代替点道路網データが非空集合である場合、前記初期代替点を候補点と決定するステップと、
前記道路網データ集に基づいて、前記候補点と前記開始位置との間の道路網経路距離を決定するステップと、
前記候補点と前記開始位置との間の道路網経路距離が前記残り走行可能距離パラメータより小さく又は等しい場合、前記候補点を前記到達可能代替点と決定するステップとを実行する。
【0189】
一実施例では、前記プロセッサ1004が前記開始位置と前記残り走行可能距離パラメータとに基づいて前記地図表示画面で初期航続領域を決定するステップを実行する時には、具体的には、
前記地図表示画面に対応する地図縮尺係数を取得するステップと、
前記残り走行可能距離パラメータと前記地図縮尺係数とに基づいて、走行可能距離半径係数を決定するステップと、
前記地図表示画面で、前記開始位置を円中心、前記走行可能距離半径係数を半径として、走行可能距離円周を生成させ、前記走行可能距離円周の前記地図表示画面における対応する領域を前記初期航続領域と決定するステップとを実行する。
【0190】
一実施例では、前記プロセッサ1004が前記初期航続領域を少なくとも1つの単位初期航続領域に分割し、各単位初期航続領域内でそれぞれ初期代替点を決定するステップを実行する時には、具体的には、
極角間隔係数を取得し、前記極角間隔係数に基づいて前記初期航続領域を前記少なくとも1つの単位初期航続領域に分割するステップと、
各単位初期航続領域を少なくとも1つの単位初期航続サブ領域に分割するステップであって、各単位初期航続サブ領域の領域辺長と第1長さ閾値との差の値は差分閾値より小さいステップと、
前記地図表示画面で、前記各単位初期航続サブ領域の頂点を前記初期代替点とするステップとを実行する。
【0191】
一実施例では、前記プロセッサ1004が各初期代替点の代替点道路網領域を決定するステップを実行する時には、具体的には、
前記初期代替点の経緯度情報を取得し、複数の道路網データブロックの中から前記経緯度情報に対応する目的道路網データブロックを検索するステップであって、前記道路網データ集は前記複数の道路網データブロックに対応し、各道路網データブロックは複数の単位道路網データブロックを含むステップと、
前記目的道路網データブロックに対応する複数の単位道路網データブロックの中から、前記経緯度情報に対応する第1単位道路網データブロックを検索するステップと、
第2長さ閾値を取得し、前記第2長さ閾値に基づいて前記第1単位道路網データブロックに隣接する第2単位道路網データブロックを決定するステップと、
前記第1単位道路網データブロックに対応する道路網領域、及び前記第2単位道路網データブロックに対応する道路網領域を前記初期代替点の代替点道路網領域とするステップとを実行する。
【0192】
一実施例では、前記プロセッサ1004が各単位初期航続領域内の到達可能代替点の中から、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点を選択して、前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするステップを実行する時には、具体的には、
前記単位初期航続領域内の到達可能代替点と前記開始位置との前記地図表示画面における地図距離を決定するステップと、
地図距離が最大の到達可能代替点を前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするステップとを実行する。
【0193】
一実施例では、前記プロセッサ1004が各単位初期航続領域内の到達可能代替点の中から、前記開始位置との距離が最大の到達可能代替点を選択して、前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするステップを実行する時には、具体的には、
前記単位初期航続領域内の到達可能代替点と前記開始位置との間の道路網経路距離を決定して、候補道路網経路距離とするステップと、
候補道路網経路距離が最大の到達可能代替点を前記単位初期航続領域に対応する決定対象目的点とするステップとを実行する。
【0194】
一実施例では、前記プロセッサ1004が前記地図表示画面で、前記複数の目的点を接続させて、前記目的航続領域を得るステップを実行する時には、具体的には、
時計回りの順又は反時計回りの順で各前記目的点を接続させて、候補閉鎖ループを得るステップと、
前記候補閉鎖ループから位置変更条件を満たす目的点を削除するステップと、
前記地図表示画面で、前記時計回りの順又は前記反時計回りの順で残りの目的点を接続させて、前記目的航続領域を得るステップとを実行する。
【0195】
一実施例では、前記目的点は第1到達可能点と、第2到達可能点と、第3到達可能点とを含み、前記候補閉鎖ループにおいて、前記第2到達可能点は前記第1到達可能点に隣接し、且つ前記第2到達可能点は前記第3到達可能点に隣接し、
前記プロセッサ1004は、さらに、
前記第1到達可能点と前記第2到達可能点とを接続させて、第1接続線を得るステップと、
前記第2到達可能点と前記第3到達可能点とを接続させて、第2接続線を得るステップと、
前記第1接続線と、前記第2接続線とに基づいて接続線夾角を決定し、前記接続線夾角が夾角閾値より小さい場合、前記第2到達可能点を前記位置変更条件を満たす目的点と決定するステップとを実行する。
【0196】
一実施例では、前記目的点は第1到達可能点と、第2到達可能点と、第3到達可能点とを含み、前記候補閉鎖ループにおいて、前記第2到達可能点は前記第1到達可能点に隣接し、且つ前記第2到達可能点は前記第3到達可能点に隣接し、
前記プロセッサ1004は、さらに、
前記第1到達可能点と前記第3到達可能点とを接続させて、第3接続線を得るステップと、
前記第2到達可能点と前記第3接続線との間の接続線距離を決定し、前記接続線距離と前記第3接続線の長さとに基づいて接続線比率係数を生成させるステップと、
前記接続線比率係数が比率係数閾値より大きい場合、前記第2到達可能点を前記位置変更条件を満たす目的点と決定するステップとを実行する。
【0197】
なお、本願の実施例で説明される電子機器1000は前記
図3a~
図11bに対応する実施例の前記画像処理方法の内容を実行することができ、また前記
図12に対応する実施例の前記画像処理装置1の内容を実行することができ、ここで詳細な説明を省略する。また、同じ方法による有益な効果については、詳細な説明を省略する。
【0198】
さらに、本願の実施例はコンピュータ記憶媒体を提供し、前記コンピュータ記憶媒体に前記画像処理装置1が実行するコンピュータプログラムが記憶されており、且つ前記コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、前記プロセッサが前記プログラム命令を実行する場合に、前記
図3a~
図11bに対応する実施例の前記画像処理方法の内容を実行することができ、そのためにここで詳細な説明を省略する。また、同じ方法による有益な効果については、詳細な説明を省略する。本願に係るコンピュータ記憶媒体の実施例で開示されていない技術内容については、本願の方法実施例の説明を参照する。
【0199】
当業者が理解したように、前記実施例の方法の全ての又は一部のステップは、コンピュータプログラムで関連のハードウェアを指示して完了することができ、前記プログラムはコンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、当該プログラムが実行されると、前記各方法実施例のプロセスが行われてもよい。なお、前記記憶媒体は磁気ディスク、光ディスク、読み取り専用メモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)などであってもよい。
【0200】
上記で開示したのは本願の実施例に過ぎず、本願の特許請求の範囲がこれに限定されず、そのために本願の請求項に基づく同等な変化も、本願の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0201】
1 画像処理装置
11 第1取得モジュール
12 第2取得モジュール
13 目的領域決定モジュール
14 第1接続モジュール
15 夾角決定モジュール
16 第2接続モジュール
17 係数決定モジュール
131 目的点決定ユニット
132 接続ユニット
1311 初期点決定サブユニット
1312 選択サブユニット
1313 目的点決定サブユニット
1321 接続サブユニット
1322 削除サブユニット
13111 領域決定サブユニット
13112 第1分割サブユニット
13121 第1取得サブユニット
13122 第1距離決定サブユニット
13131 第1決定サブユニット
13132 第2決定サブユニット
131111 第2取得サブユニット
131112 円周決定サブユニット
131121 第3取得サブユニット
131122 第2分割サブユニット
131211 第4取得サブユニット
131212 検索サブユニット
131311 第2距離決定サブユニット
131312 第3決定サブユニット
131313 第3距離決定サブユニット
131314 第4決定サブユニット
1002 ユーザーインタフェース
1004 プロセッサ
1006 エンコーダ
1008 メモリ
1010 セルラーインタフェース
1012 WIFIインタフェース
1014 NFCインタフェース
1018 キーボード
1020 ディスプレイ