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特許7313490光アウトカップリングおよびパッケージ効率を高めるためのナノコーンアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】光アウトカップリングおよびパッケージ効率を高めるためのナノコーンアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/10 20100101AFI20230714BHJP
   H01L 33/08 20100101ALI20230714BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20230714BHJP
   G02B 5/00 20060101ALI20230714BHJP
【FI】
H01L33/10
H01L33/08
G02B5/18
G02B5/00 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2021577473
(86)(22)【出願日】2020-06-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-05
(86)【国際出願番号】 US2020040080
(87)【国際公開番号】W WO2020264482
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2022-02-25
(31)【優先権主張番号】16/455,047
(32)【優先日】2019-06-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500507009
【氏名又は名称】ルミレッズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アバス,アイミ
(72)【発明者】
【氏名】ロペス,トニー
(72)【発明者】
【氏名】ワイルドソン,アイザック
【審査官】淺見 一喜
(56)【参考文献】
【文献】特表2018-530924(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0078955(US,A1)
【文献】特開2007-116097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00-33/64
G02B 5/00,5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED構造体であって、
第1のパターン化表面を有する基板と、
前記基板の前記第1のパターン化表面上に成長されたエピレイヤであって、前記基板の前記第1のパターン化表面との界面を形成する、第2のパターン化表面を有し、前記界面は、前記エピレイヤを介して前記基板に移動する光の結合を高めるように配置される、エピレイヤと、
前記エピレイヤ内に配置される複数の誘電体ナノアンテナであって、前記界面から離間され、前記誘電体ナノアンテナの各々は、前記界面と対面する鈍い端部と、前記鈍い端部よりも狭い直径を有し、前記界面から離れる方向に面した前記鈍い端部に対向するより狭い端部とを有し、前記誘電体ナノアンテナは、前記エピレイヤを通って前記基板に進む光を透過し、前記基板から前記エピレイヤに進む光を、前記鈍い端部を介して反射し、前記エピレイヤを通って、前記基板に戻すように構成される、誘電体ナノアンテナと、
を有する、LED構造体。
【請求項2】
前記基板はパターン化されたサファイアであり、前記エピレイヤはGaNである、
請求項1に記載のLED構造体。
【請求項3】
前記誘電体ナノアンテナの前記鈍い端部は平坦である、請求項1に記載のLED構造体。
【請求項4】
前記誘電体ナノアンテナは前記基板から離間して配置される、請求項3に記載のLED構造体。
【請求項5】
前記誘電体ナノアンテナは、前記エピレイヤ内の内部放射パターンを誘導するように構成される、請求項3に記載のLED構造体。
【請求項6】
前記エピレイヤ内に配置される前記複数の誘電体ナノアンテナのうちの少なくとも一部は、平面内に周期的パターンを画定する、請求項1に記載のLED構造体。
【請求項7】
前記エピレイヤは前記基板よりも高い屈折率を有する、
請求項6に記載のLED構造体。
【請求項8】
前記誘電体ナノアンテナは固体形状を有する、請求項1に記載のLED構造体。
【請求項9】
前記固体形状は、テーパ状固体である、請求項8に記載のLED構造体。
【請求項10】
前記固体形状はさらにコアおよびシェル構造を含む、
請求項8に記載のLED構造体。
【請求項11】
LED構造体であって、
基板上に成長させた第1のエピレイヤと、
トンネル接合レイヤに隣接して配置された前記第1のエピレイヤのアクティブ領域と、
前記アクティブ領域と基板との間の前記第1のエピレイヤ内に配置され、光を反射するように構成される第1の複数の誘電体ナノアンテナと、
前記トンネル接合レイヤとコンタクトレイヤとの間に配置される第2のエピレイヤと、
前記第2のエピレイヤ内に配置され、光を反射するように構成される第2の複数の誘電体ナノアンテナと
を有するLED構造体。
【請求項12】
前記第1および第2の複数の誘電体ナノアンテナは、1000nm以下の高さおよび2000nm以下の直径を有する、請求項11に記載のLED構造体。
【請求項13】
前記第1と第2の複数の誘電体ナノアンテナの両方の頂部は平坦であり、前記誘電体ナノアンテナの底部は前記頂部に対して狭く、前記第1と第2の複数の誘電体ナノアンテナの前記頂部は同じ方向に向くように配向される、
請求項11に記載のLED構造体。
【請求項14】
前記第1のエピレイヤ内に配置される前記第1の複数の誘電体ナノアンテナの少なくとも一部は、平面内で、前記第2の複数の誘電体ナノアンテナの周期的間隔とは異なる周期的間隔を有する周期的パターンを画定する、請求項11に記載のLED構造体。
【請求項15】
前記第2のエピレイヤに第2のアクティブ領域をさらに有する、
請求項11に記載のLED構造体。
【請求項16】
前記コンタクトレイヤはミラー化される、請求項11に記載のLED構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年6月27日に出願された米国特許出願第16/455,047号に対する優先権の利益を主張し、その全体をここに参照援用する。
技術分野
【0002】
本開示は、概して、光の再吸収を低減し、斜め入射光のリダイレクションを可能にする誘電体ナノアンテナを組み込んだエピレイヤを有するLED構造に関する。
誘電体ナノアンテナは、一以上のレイヤに周期的に配置され得る。
【背景技術】
【0003】
パターン化されたサファイア基板(PSS)上に成長させた窒化ガリウム(GaN)または類似のエピタキシャル(エピ)レイヤに基づくLED構造における光の損失は、少なくとも部分的には、発光ダイおよびエピレイヤもまた、戻ってくる光を強く再吸収することができるため、重大な問題である。PSSは、光子ランダム化を促進して高屈折率(RI)材料から低屈折率材料へ移動する光子を抽出するGaN-サファイア基板界面での表面テクスチャリングによって光のアウトカップリングを促進することができる。しかしながら、PSS構造はまた、GaN-サファイア界面に戻る光のGaNへの効率的な再入を可能にし、従って、エピレイヤにおける再吸収損失を増加させる。
【0004】
PSS構造を通過する光の戻りによる損失に加えて、ダイおよびエピレイヤにおける高い吸収損失(バウンスの数が多いため)、サイドコーティングレイヤにおける高い吸収損失、およびGaN-基板界面における斜め放射の限られた透過率によっても、光が損失され得る。そのような光の損失を減らす構造が必要である。
【発明の概要】
【0005】
本発明の実施形態によれば、LED構造は、基板上に成長させたエピレイヤと、エピレイヤ内に配置された複数の誘電体ナノアンテナとを含む。誘電体ナノアンテナは、光の再吸収を低減し、斜め入射光をリダイレクトして、全体的な光カップリング効率を改善するように、周期的に配置され得る。誘電体ナノアンテナの各々は、例えば、上部、底部、1000nm以下および200nm以上の高さ、および2000nm以下および300nm以上の直径を有することができる。
【0006】
いくつかの実施態様において、基板はパターン化サファイアであり、エピレイヤはGaNである。誘電体ナノアンテナの頂部は平坦であり得、誘電体ナノアンテナの底部は頂部に対して狭くされ得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、誘電体アンテナの頂部は、基板に平行かつ隣接して配置され、他の実施形態では、誘電体アンテナの底部は、基板に平行かつ隣接して配置される。
【0008】
いくつかの実施形態では、エピレイヤ内に配置された複数の誘電体ナノアンテナのうちの少なくとも一部は、平面内で周期的パターンを画定する。誘電体ナノアンテナの複数の周期的平面が、エピレイヤにおいて画定され得る。
【0009】
典型的には、誘電体ナノアンテナは、円錐などの対称的固体形状を有し、いくつかの変形において、誘電体ナノアンテナは、コアおよびシェル構造を有するように形成され得る。
【0010】
別の実施形態では、LED構造体は、基板上に成長された第1のエピレイヤを含む。第1のエピレイヤのアクティブ領域は、トンネル接合レイヤに隣接して配置される。第1の複数の誘電体ナノアンテナが、アクティブ領域と基板との間の第1のエピレイヤ内に配置される。第2のエピレイヤは、トンネル接合レイヤとコンタクトレイヤとの間に配置され、第2の複数の誘電体ナノアンテナは、第2のエピレイヤ内に配置される。第2のエピレイヤの第2のアクティブ領域が存在してもよい。
【0011】
一実施形態では、エピレイヤ内に配置された第1の複数の誘電体ナノアンテナのうちの少なくとも一部は、平面内で、第2の複数の誘電体ナノアンテナの周期的間隔とは異なる周期的間隔を有する周期的パターンを画定する。
【0012】
別の実施形態では、LED構造体は、エピレイヤと、エピレイヤ内に配置された複数の誘電体ナノアンテナとを含む。誘電体ナノアンテナは、600ないし3000nmの間の周期的間隔を有する周期的平面(例えば、六角形の間隔を有する)に配置することができ、各誘電体ナノアンテナは、異なる上部および下部サイズを有するようにテーパされる。各誘電体ナノアンテナの高さは、1000nmより小さく、200nmより大きい。各誘電体ナノアンテナのベース直径は、2000nmより小さく、300nmより大きい。各誘電体ナノアンテナは、1.0ないし1.5の屈折率を有する。
【0013】
説明した構造およびレイヤを取り囲むさらなる追加的構造も使用され得る。例えば、基盤ミラー(underlying mirror)または非ミラー化コンタクトレイヤ、側壁吸収体、反射体、およびミラー、および保護レイヤを使用して、説明するLED構造体のパッケージ化および効率の向上を行うことができる。さらに、蛍光体、透明保護レイヤ、および集束または発散レンズ、マイクロレンズ、ディフューザ、または反射体を含む光学系。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本開示の非限定的かつ非網羅的な実施形態は、以下の図を参照して説明され、ここで、同様の参照番号は、特に断りのない限り、種々の図の全体を通して、同様の構成要素を指す。
【0015】
図1】エピ内に埋め込まれた誘電体ナノアンテナを有するLED構造を示す。
【0016】
図2】誘電体ナノアンテナの例示的な円錐形状および六角形間隔を示す。
【0017】
図3】上側および下側から誘電体ナノアンテナを通過する光に対する差分透過応答を示す。
【0018】
図4】誘電体アンテナの上側が下側に対して狭い代替的実施形態を示す。
【0019】
図5】反転した誘電体アンテナを形成する1つのプロセスを示す。
【0020】
図6】複数のアクティブレイヤおよび誘電体ナノアンテナが埋め込まれた複数のエピレイヤを有するLED構造を示す。
【0021】
図7】異なる周期的な間隔で埋め込まれた誘電体ナノアンテナを有する複数のエピレイヤを示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、エピ120に埋め込まれた誘電体ナノアンテナを有するLED構造100を示し、これは、光の再吸収を低減し、斜め入射光をリダイレクトして、全体的な光カップリング効率を改善することができる。基板110は、界面114上に成長されたエピタキシャルレイヤ112を有する。図示された実施形態では、基板110および界面114は、パターン化されたサファイア基板であってもよい。典型的には、エピタキシャルレイヤ112はn型半導体レイヤである。p型半導体レイヤは、n型レイヤ上に順次成長またはデポジットされ、レイヤ間の接合部に発光するアクティブ領域を形成し得る。高輝度発光デバイスを形成することができる半導体材料は、III-V族半導体、特にガリウム、アルミニウム、インジウム、および窒素の二元、三元、および四元合金(III族窒化物材料とも呼ぶ)を含むが、これらに限定されない。
【0023】
エピタキシャルレイヤ112の成長中、誘電体ナノアンテナ120は、テーパ状固体、対称固体ピラミッド、六面体、または八面体、または円錐形状を含むが、これらに限定されない、様々な構成で成長またはデポジットされ得る。誘電体ナノアンテナを形成する材料は、SiOxを含むことができるが、これに限定されない。誘電体ナノアンテナの各々は、平坦な頂部140と、尖ったまたは狭められた底部142と、1000nmより小さく200nmより大きい高さ144とを有することができる。誘電体ナノアンテナは、単一の平面に周期的に配置することができ、ナノアンテナの複数の平面を形成することができる。
【0024】
動作中、界面114および基板110に向かってエピタキシャルレイヤ112を垂直に通過する光130は、誘電体ナノアンテナによって最小限の影響しか受けない。しかしながら、説明する誘電体ナノアンテナ120の使用により、いずれかの後方反射光134が、同様に、界面114に向かって後方反射される可能性が増大する。エピタキシャルレイヤ132から入射する斜め光は、垂直方向に沿って界面114に向かって部分的にリダイレクトされる。
【0025】
事実上、細長い、テーパ状または円錐状の誘電体ナノアンテナの幾何学的垂直非対称性は、光が円錐状ナノアンテナのとがった側から入射するか平らな側から入射するかに応じて、サイズパラメータおよび材料の適切な調整を伴い、垂直に配向されて平面アレイ構成に配置される場合に、光反射/透過応答の非対称性に変換され得る。この光反射率/透過率の非対称性を高めるために、誘電体ナノアンテナアレイの複数の垂直スタックを形成することができる。一実施形態では、円錐の上側かつ平坦側から入射する光の反射率は、円錐のとがった側から0~45度の大きな角度範囲にわたって入射する光と比較して、かなり大きくなる。一実施形態では、サファイア基板/GaNエピタキシャルレイヤ界面の下のGaNエピレイヤにこれらのナノアンテナアレイを配置することによって、GaNエピレイヤからの光のアウトカップリングを大きく犠牲にすることなく、放出された光の再吸収を低減することができる。これは、誘電体ナノアンテナの平面的に六角形配列されたレイヤ210の図示200である図2に示される。固体220およびコア/シェル(異なる材料からなる)222の誘電体ナノアンテナの両方をさらに示している。
【0026】
別の効果として、平面アレイ構成に配置された細長い、テーパ状、または円錐状の誘電体ナノアンテナは、ほぼ垂直の入射光と比較して、斜め光を誘電体ナノアンテナとより多く相互作用させることができ、その結果、サファイアに入射する光がより強くコリメートされる。
【0027】
図3は、上側および下側から誘電体ナノコーンアレイを通過する光に対する差分透過応答(differential transmittance response)を示すグラフ300である。GaNに埋め込まれた誘電体ナノコーンアレイに入射する平面波のアジマス平均透過は、極角度の関数であることが分かる。これは、アレイの上部(ナノコーンの平坦側)または下部(ナノコーンのとがった側)から光が入射するか依存して、大きく異なる透過応答を示す。
【0028】
細長い、テーパ状または円錐状の誘電体ナノアンテナは、インプリントリソグラフィを含む種々の技術によって形成することができる。例えば、SiOxナノコーンアレイのスタックアレイは、一連のGaNエピタキシャル成長停止と、その後のゾル-ゲル材料を使用するインプリントリソグラフィによるSiOxナノコーンの生産施設内での(ex-situ)作成によって製造することができる。他の複数のパターン化技術を使用して、SiOx(またはGaNとは異なる屈折率を有する他の材料)ナノコーンを製造することもできる。一旦SiOxナノコーン平面アレイがGaNの表面上に形成されると、その後、さらなるGaNエピタキシーを、これらの誘電体ナノコーンの周囲に選択的に成長することができる。有利にも、そのような成長により、表面エネルギー(surface energy considerations)のために、ナノコーンの頂部に大きくないGaN核形成がもたらされ、その結果結晶品質が高くなる。このプロセスは、所望の数のスタックトナノコーンアレイに対して繰り返すことができる。そのような加工は、ナノコーンの平坦な上部が製造中にエピ表面と接触するものであるため、(図1のように)PSS基板から離れたところを指すナノコーン構造の方が容易である。しかしながら、反転したナノコーンを、図5を参照してより詳細に説明する他の技術を使用して形成することができる。
【0029】
図4は、誘電体アンテナの上側が下側に対して狭くされている代替的実施形態を示す。この代替的LED構造400は、エピ420に埋め込まれた反転した誘電体ナノアンテナを有し、斜め入射光をリダイレクトして、全体的な光結合効率を改善することができる。基板410は、界面414上に成長されたエピタキシャルレイヤ412を有する。図示した実施形態では、基板410および界面414は、パターン化されたサファイア基板であってもよい。エピタキシャルレイヤ412の成長中に、誘電体ナノアンテナ420を成長させて、尖ったまたは狭くなった頂部140および平坦な底部142を作ることができる。誘電体ナノアンテナは、単一の平面に周期的に配置することができ、ナノアンテナの複数の平面を形成することができる。
【0030】
動作中、界面414および基板410に向かってエピタキシャルレイヤ412を垂直に通過する光430は、120で示した反対の構成と比較して、誘電体ナノアンテナによってより大きく影響される。しかしながら、誘電体ナノアンテナ420の規定された使用は、界面414に向かう垂直方向に沿った斜め光432のリダイレクションを増加させる。
【0031】
図5は、図4を参照して説明したような、反転型誘電体アンテナを形成する1つのプロセスを示す。プロセス図500に見られるように、第1のステップ(i)では、成長条件(例えば、温度)を制御することによって形成される周期的転位において、PSS上にエピタキシャル成長させたGaN中にv-ピット構造が形成される。Vピットの形状は、GaN成長中の結晶ファセットによって画定される六角錐である。第2段階(ii)では、生産施設内(ex situ)スピンオングラス(SOG、SiOx)を適用して、V-ピット構造を満たす。ステップ(iii)では、ブランケットRIEまたは他の平坦化処理ステップを使用して、過剰なSiOxを除去し、PSS基板に向かって細くなる円錐状構造の周期的アレイを作成する。このプロセスを繰り返して(ステップiv)、誘電体ナノコーンの二以上のスタックト平面レイヤを形成することができる。
【0032】
図6は、複数のアクティブレイヤおよびエピ埋め込み誘電体ナノアンテナの複数のレイヤを有するLED構造600を示す。Epi埋め込み誘電体ナノアンテナ620および622は、光の再吸収を低減し、斜め入射光をリダイレクトして、全体的な光結合効率を改善することができる。基板610は、界面614上に成長されたエピタキシャルレイヤ612を有する。図示した実施形態では、基板610および界面614は、パターン化されたサファイア基板であってもよい。エピタキシャルレイヤ112の成長中に、誘電体ナノアンテナ120を成長させることができる。第1のアクティブ領域642、エピレイヤ644、トンネル接合レイヤ646、エピレイヤ648、第2のアクティブ領域650、エピレイヤ652、およびコンタクト654(任意的にミラー)を含む追加的レイヤも、成長またはデポジットされ得る。
【0033】
事実上、スタックトLEDアクティブ領域の両側に配置された(トンネル接合によってイネーブルされる)誘電体ナノアンテナ620および622のスタックトアレイは、最適な抽出のための内部放射パターンを導く。これは、改良された第1パス抽出のために、ダイ内の光(例えば、光630)を誘導し、第1のアクティブ領域642から放射される光が第2のアクティブ領域650によって吸収される確率を低下させるのに役立つ。
【0034】
図7は、異なる周期的間隔を有するエピ埋め込み誘電体ナノアンテナの複数のレイヤを示す。これらはまた、図6に示すように、単一のアクティブ領域と正コンタクト(トンネル接合によってイネーブルされる)との間に配置することもできる。任意の異なるそれぞれの誘電体ナノアンテナサイズ、高さ、周期的間隔、または材料を有するEpi埋め込み誘電体ナノアンテナ720および722は、光の再吸収を低減し、斜め入射光をリダイレクト(redirect)して、全体的な光カップリング効率を改善することができる。基板710は、界面714上に成長されたエピタキシャルレイヤ712を有する。図示した実施形態では、基板710および界面714は、パターン化されたサファイア基板であってもよい。エピタキシャルレイヤ712の成長中に、誘電体ナノアンテナ720を成長させることができる。第1のアクティブ領域742、エピレイヤ744、トンネル接合レイヤ746、光730およびコンタクト754を誘導する埋め込み誘電体ナノアンテナ722を有するエピレイヤ748を含む追加的レイヤを、成長またはデポジットさせることもできる。前述の代替案と同様に、誘電体ナノアンテナアレイは、正コンタクトレイヤと相互作用する光の量を減少させることができ、最適化された第1パス抽出のために内部放射パターンを操作するのを助ける。
【0035】
典型的には、上述のLED構造は、追加のLEDパッケージング、電力および制御回路、ならびに光学系と共に使用される。例えば、LEDパッケージは、シリコーンと結合した傾向物質、またはセラミックに形成された蛍光物質を含むことができる。一部の実施形態では、シリコーン結合蛍光材料は、金属、光反射材料、またはミラー(例えば、分布ブラッグ反射器「DBRミラー」)で被覆され得る側壁を形成することができる。
【0036】
蛍光体は、白色光または他の色の単色光を生成することができる一以上の波長変換材料を含むことができる。LEDによって発光される光の全部または一部のみが、蛍光体の波長変換材料によって変換されてもよい。未変換の光は、光の最終的なスペクトルの一部であってもよいが、必ずしもそうである必要はない。一般的なデバイスの例としては、黄色発光蛍光体と組み合わされた青色発光LEDセグメント、緑色発光および赤色発光蛍光体と組み合わされた青色発光LEDセグメント、青色発光蛍光体および黄色発光蛍光体と組み合わされたUV発光LEDセグメント、及び青色発光蛍光体、緑色発光蛍光体および赤色発光蛍光体と組み合わされたUV発光LEDセグメントが挙げられる。シリコーンと結合された蛍光体は、成形、分注(dispense)、スクリーン印刷、スプレー、または積層(laminate)することができる。
【0037】
一実施形態では、LEDパッケージに使用される光反射材料は、金属化レイヤであってもよい。他の実施形態では、誘電体ミラーまたはDBRを使用することができる。一部の実施形態では、光反射材料は、シリコーンおよび光反射粒子などのバインダの薄いレイヤを含むことができる。光反射性材料はまた、有機、無機、または有機/無機バインダおよび充填材料を含み得る。例えば、有機/無機バインダおよび充填剤は、例えば、埋め込まれた反射性酸化チタン(TiCh)、S1O2、または他の反射性/散乱性粒子を有するシリコーンであり得る。無機バインダとしては、水ガラスとしても知られている液体ガラス(例えば、ケイ酸ナトリウムまたはケイ酸カリウム)またはゾル-ゲル(例えば、TEOSまたはMTMSのゾル-ゲル)が挙げられる。いくつかの実施形態において、バインダは、物理的特性を調整する充填剤を含むことができる。充填剤は、無機ナノ粒子、シリカ、ガラス粒子または繊維、または光学的または熱的性能を改善することができる他の材料を含むことができる。光反射材料は、蒸着(金属の場合)、原子レイヤデポジション(DBRミラーの場合)、または成形、分注(dispensing)、スクリーン印刷、スプレー、または積層(バインダ中の反射粒子の場合)を含む種々のプロセスによって側壁に適用することができる。
【0038】
さらに他の実施形態では、一次光学系または二次光学系は、LEDパッケージ内の蛍光体の近くに取り付けられ、または配置され得る。光学系は、凹レンズまたは凸レンズ、小型レンズ(lenslet)アレイ、傾斜屈折率(graded index)レンズ、反射体、散乱素子、ビームホモゲナイザ(beam homogenizers)、ディフューザ、または他の集光またはぼかし光学系を含むことができる。保護レイヤ、透明レイヤ、熱レイヤ、または他のパッケージング構造は、特定の用途に必要に応じて使用することができる。
【0039】
本発明の多くの修正および他の実施形態は、前述の説明および関連する図面に示された教示の利点を有する当業者が想到するであろう。したがって、言うまでもなく、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されるものではなく、修正および実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されている。また、言うまでもなく、本発明の他の実施形態は、本明細書に具体的に開示されていない要素/ステップの非存在下で実施することができる。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7