(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】物品提供システム、物品提供方法、及び物品提供プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/06 20230101AFI20230714BHJP
【FI】
G06Q30/06
(21)【出願番号】P 2022148978
(22)【出願日】2022-09-20
【審査請求日】2022-10-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】508318214
【氏名又は名称】株式会社ソニックジャム
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100224719
【氏名又は名称】長谷川 隆治
(72)【発明者】
【氏名】村田 健
(72)【発明者】
【氏名】永島 誠記
(72)【発明者】
【氏名】山下 朋慧
(72)【発明者】
【氏名】金 正運
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-131800(JP,A)
【文献】特開2022-116713(JP,A)
【文献】特開2021-168156(JP,A)
【文献】特開2022-024928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を提供する物品提供システムであって、
前記物品提供システムは、作成処理部と、取引処理部と、記憶部と、表示処理部と、を備え、
前記記憶部は、前記物品の提供に利用される物品提供装置を特定する装置IDを含んだ装置情報及び、複数の前記物品提供装置が配置されて開催されるイベントを特定するイベントIDを含んだイベント情報を、前記イベントに配置された前記物品提供装置を特定可能に対応付けて格納し、
前記記憶部は、更に、ユーザを特定するユーザIDを含んだユーザ情報と、前記イベントを開催するクライアントを特定するクライアントIDを含んだクライアント情報と、を格納し、
前記作成処理部は、前記イベントID及び前記ユーザIDと対応付けられ、前記物品提供装置で読み取り可能な取引コードを作成処理して前記記憶部に格納し、
前記取引処理部は、前記物品提供装置の装置ID及び該物品提供装置で読み取った取引コードを受け付け、前記記憶部に格納された取引コードの情報と照合し、その照合処理の結果に基づいて、前記物品の提供に関する取引処理をし、
前記表示処理部は、前記クライアントIDに対応付けられた装置ID及びイベントIDに基づいて、前記物品提供装置ごとに前記イベントのスケジュールを表示処理し、その表示処理の結果を、前記クライアントが利用する管理端末へ送信する、
物品提供システム。
【請求項2】
前記取引処理部は、前記イベントID及び前記装置IDの組み合わせにより定められるタグ設定を利用して前記照合をし、その照合結果に基づいて、前記物品の提供に関する取引処理をする、
請求項1に記載の物品提供システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記クライアントIDを含んだクライアント情報を前記イベント情報と対応付けて格納すると共に、前記ユーザ情報を前記クライアント情報と対応付けて格納し、
前記作成処理部は、前記ユーザ情報に基づいて、前記イベントID及び前記ユーザIDが対応付けられたユニークな前記取引コードを作成処理して前記記憶部に格納し、
前記ユニークな前記取引コードを、前記クライアントが利用する管理端末を介して前記ユーザが利用するユーザ端末に送信する、
請求項1に記載の物品提供システム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記取引処理に基づいた前記取引コードの利用に関する履歴を含んだ取引履歴情報を格納し、
前記取引処理部は、前記クライアントの要求に基づいて、当該クライアントの前記取引履歴情報を送信する、
請求項3に記載の物品提供システム。
【請求項5】
物品を提供する物品提供システムが実行する物品提供方法であって、
前記物品提供システムは、作成処理部と、取引処理部と、記憶部と、
表示処理部と、を備え、
前記記憶部が、前記物品の提供に利用される物品提供装置を特定する装置IDを含んだ装置情報及び、複数の前記物品提供装置が配置されて開催されるイベントを特定するイベントIDを含んだイベント情報を、前記イベントに配置された前記物品提供装置を特定可能に対応付けて格納するステップと、
前記記憶部が、更に、ユーザを特定するユーザIDを含んだユーザ情報と、前記イベントを開催するクライアントを特定するクライアントIDを含んだクライアント情報と、を格納するステップと、
前記作成処理部が、前記イベントID及び前記ユーザIDと対応付けられ、前記物品提供装置で読み取り可能な取引コードを作成処理して前記記憶部に格納するステップと、
前記取引処理部が、前記物品提供装置の装置ID及び該物品提供装置で読み取った取引コードを受け付け、前記記憶部に格納された取引コードの情報と照合し、その照合処理の結果に基づいて、前記物品の提供に関する取引処理をするステップと、
前記表示処理部が、前記クライアントIDに対応付けられた装置ID及びイベントIDに基づいて、前記物品提供装置ごとに前記イベントのスケジュールを表示処理し、その表示処理の結果を、
前記クライアントが利用する管理端末へ送信するステップと、を含む、
物品提供方法。
【請求項6】
物品を提供する物品提供プログラムであって、
コンピュータを、作成処理部と、取引処理部と、記憶部と、
表示処理部と、として機能させ、
前記記憶部は、前記物品の提供に利用される物品提供装置を特定する装置IDを含んだ装置情報及び、複数の前記物品提供装置が配置されて開催されるイベントを特定するイベントIDを含んだイベント情報を、前記イベントに配置された前記物品提供装置を特定可能に対応付けて格納し、
前記記憶部は、更に、ユーザを特定するユーザIDを含んだユーザ情報と、前記イベントを開催するクライアントを特定するクライアントIDを含んだクライアント情報と、を格納し、
前記作成処理部は、前記イベントID及び前記ユーザIDと対応付けられ、前記物品提供装置で読み取り可能な取引コードを作成処理して前記記憶部に格納し、
前記取引処理部は、前記物品提供装置の装置ID及び該物品提供装置で読み取った取引コードを受け付け、前記記憶部に格納された取引コードの情報と照合し、その照合処理の結果に基づいて、前記物品の提供に関する取引処理をし、
前記表示処理部は、前記クライアントIDに対応付けられた装置ID及びイベントIDに基づいて、前記物品提供装置ごとに前記イベントのスケジュールを表示処理し、その表示処理の結果を、
前記クライアントが利用する管理端末へ送信する、
物品提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品提供システム、物品提供方法、及び物品提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、カプセルトイなどの物品を提供する物品提供装置が知られている。そして昨今では、この物品提供装置を管理等するために、様々な工夫が行われている。
【0003】
例えば特許文献1には、複数台の物品供給装置と統括通信装置等を備え、各物品供給装置が統括通信装置と情報通信可能な個別通信部等を有することで、各物品供給装置に対する決済、操作、物品の有無等を管理できる物品供給システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、各地域で開催される各種イベントにおいて物品提供装置を利用するケースが増えている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術により、複数台の物品供給装置に対する決済等を電子的に行える一方、各地のイベントにおいて多数の物品提供装置に対するユーザとの取引を管理することは困難である。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題に鑑みて行われたものであって、その目的は、簡単且つ適切に多数の物品提供装置を一括管理でき、さらにユーザの利便性も向上できる物品提供システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、物品を提供する物品提供システムであって、
前記物品提供システムは、作成処理部と、取引処理部と、記憶部と、を備え、
前記記憶部は、前記物品の提供に利用される物品提供装置を特定する装置IDを含んだ装置情報及び、前記物品提供装置が配置されて開催されるイベントを特定するイベントIDを含んだイベント情報を、前記イベントに配置された前記物品提供装置を特定可能に対応付けて格納し、
前記作成処理部は、前記イベントIDと対応付けられ、前記物品提供装置で読み取り可能な取引コードを作成処理して前記記憶部に格納し、
前記取引処理部は、前記物品提供装置の装置ID及び読み取った前記取引コードを受け付け、前記イベントIDに基づいて、前記物品の提供に関する取引処理をする。
【0009】
また、本発明は、物品を提供する物品提供システムが実行する物品提供方法であって、
前記物品提供システムは、作成処理部と、取引処理部と、記憶部と、を備え、
前記記憶部が、前記物品の提供に利用される物品提供装置を特定する装置IDを含んだ装置情報及び、前記物品提供装置が配置されて開催されるイベントを特定するイベントIDを含んだイベント情報を、前記イベントに配置された前記物品提供装置を特定可能に対応付けて格納するステップと、
前記作成処理部が、前記イベントIDと対応付けられ、前記物品提供装置で読み取り可能な取引コードを作成処理して前記記憶部に格納するステップと、
前記取引処理部は、前記物品提供装置の装置ID及び読み取った前記取引コードを受け付け、前記イベントIDに基づいて、前記物品の提供に関する取引処理をするステップと、を含む。
【0010】
また、本発明は、物品を提供する物品提供プログラムであって、
コンピュータを、作成処理部と、取引処理部と、記憶部と、として機能させ、
前記記憶部は、前記物品の提供に利用される物品提供装置を特定する装置IDを含んだ装置情報及び、前記物品提供装置が配置されて開催されるイベントを特定するイベントIDを含んだイベント情報を、前記イベントに配置された前記物品提供装置を特定可能に対応付けて格納し、
前記作成処理部は、前記イベントIDと対応付けられ、前記物品提供装置で読み取り可能な取引コードを作成処理して前記記憶部に格納し、
前記取引処理部は、前記物品提供装置の装置ID及び読み取った前記取引コードを受け付け、前記イベントIDに基づいて、前記物品の提供に関する取引処理をする。
【0011】
このような構成にすることで、簡単且つ適切に多数の物品提供装置を管理することができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、イベントを開催するクライアントを特定するクライアントIDを含んだクライアント情報を前記イベント情報と対応付けて格納すると共に、前記取引コードを発行するユーザを特定するユーザIDを含んだユーザ情報を前記クライアント情報と対応付けて格納し、
前記作成処理部は、前記ユーザ情報に基づいて、前記イベントID及び前記ユーザIDが対応付けられたユニークな前記取引コードを作成処理して前記記憶部に格納し、
前記ユニークな前記取引コードを前記クライアントに送信する。
【0013】
このような構成にすることで、ユーザはイベントを開催するクライアントから利便性の高い取引コードを得ることができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記記憶部は、前記取引処理に基づいた前記取引コードの利用に関する履歴を含んだ取引履歴情報を格納し、
前記取引処理部は、前記クライアントの要求に基づいて、当該クライアントの前記取引履歴情報を送信する。
【0015】
このような構成にすることで、クライアントに対して簡単にユーザの利用履歴を提供することができる。
【0016】
本発明の好ましい形態では、前記物品提供システムは、表示処理部を更に備え、
前記表示処理部は、前記取引コードを含んだ取引に関する取引コード情報に基づいて、前記物品提供装置ごとに前記イベントのスケジュールを表示処理し、その表示処理の結果を、前記クライアントが利用する管理端末へ送信する。
【0017】
このような構成にすることで、物品提供装置ごとのイベントスケジュールを同一画面で簡単に確認することができる。
【0018】
本発明の好ましい形態では、前記取引コードは、前記イベントID及び前記装置IDに基づいて定められるタグ情報、利用可能回数、利用可能期間、を含んだ二次元コードである。
【0019】
このような構成にすることで、多数の物品提供装置を、より適切に管理することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、特徴的な取引コードの作成処理、及び、所定の取引処理等を実行することで、物品提供システムに係る新規な技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成のブロック図を示す。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置及び端末のハードウェア構成の一例の概略図を示す。
【
図3】本発明の一実施形態に係る物品提供装置の概略イメージ図を示す。
【
図4】本発明の一実施形態に係る物品提供システムの処理手順のフローチャートを示す。
【
図5】本発明の一実施形態に係る物品提供システムの記憶部に格納されるデータ(各情報)の一例を示す。
【
図6】本発明の一実施形態に係る物品提供システムの記憶部に格納されるデータ(各情報)の一例を示す。
【
図7】本発明の一実施形態に係る物品提供システムにおける取引コードの発行イメージ図を示す。
【
図8】本発明の一実施形態に係る物品提供システムにおけるタグ設定の一例を示す。
【
図9】本発明の一実施形態に係る物品提供システムにおける表示処理結果の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。図面には好ましい実施形態が示されている。しかし、多くの異なる形態で実施されることが可能であり、本明細書に記載される実施形態に限定されない。
【0023】
例えば、本実施形態では物品提供システムの構成、動作等について説明するが、実行される方法、装置、コンピュータプログラム等によっても、同様の作用効果を奏することができる。本実施形態におけるプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一過性の記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよい。
【0024】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらハードウェア資源によって具体的に実現され得るソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含み得る。本実施形態において「情報」とは、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行され得る。
【0025】
広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)及びメモリ(Memory)等を適宜組み合わせることによって実現される回路である。即ち、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含むものである。
【0026】
<システム構成>
図1は、一実施形態のシステム構成を示すブロック図である。
図1に示すように、物品提供システム1は、情報処理装置10及びデータベースDBを備える。物品提供システム1は、ネットワークNWを介して複数のユーザ端末2(
図1では符号2(a)~2(c))、イベント3Aで利用されるイベント管理端末3、及びイベント3Aに配置された複数の物品提供装置4(
図1では符号4(a)~4(c))と通信可能に構成されている。
【0027】
情報処理装置10は、サーバとして動作し、ユーザ端末2はユーザが使用する端末であり、イベント管理端末3はイベント3Aに配置された物品提供装置4を管理する端末である。
【0028】
ネットワークNWは、本実施形態では、IP(Internet Protocol)ネットワークであるが、通信プロトコルの種類に制限はなく、更に、ネットワークの種類、規模にも制限はない。
【0029】
なお、情報処理装置10として、汎用のサーバ向けのコンピュータやパーソナルコンピュータ等を利用することが可能である。また、後述の機能構成要素を複数のコンピュータに実現させ、物品提供システム1を構成することも可能である。
【0030】
ユーザ端末2として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。ユーザ端末2は、ウェブブラウザアプリケーションを記憶している。本実施形態では、後述する物品提供システム1の機能をユーザ端末2において実施するために、情報処理装置10において物品提供プログラムを起動させ、このウェブブラウザアプリケーションを介して各情報の入力や表示等を行う。
【0031】
イベント管理端末4として、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイス等を利用することができる。イベント管理端末4は、ウェブブラウザアプリケーションを記憶している。本実施形態では、後述する物品提供システム1の機能をイベント管理端末3において実施するために、情報処理装置10において物品提供プログラムを起動させ、このウェブブラウザアプリケーションを介して各情報の閲覧や入力等を行う。
【0032】
<ハードウェア構成>
図2(a)は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報処理装置10は、ハードウェア構成として、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備える。
【0033】
制御部11は、CPU等の1又は2以上のプロセッサを含み、本発明に係る物品提供プログラム、OS、その他のアプリケーションを実行することで、情報処理装置10の動作処理全体を制御する。
【0034】
記憶部12は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、本発明に係る物品提供プログラム及び、制御部11がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。制御部11が、記憶部12に記憶されている物品提供プログラムに基づき、処理を実行することによって、後述する機能構成が実現される。
【0035】
通信部13は、ネットワークNWとの通信制御を実行して、情報処理装置10を動作させるために必要な入力や、動作結果に係る出力を行う。
【0036】
図2(b)は端末90(
図1におけるユーザ端末2、イベント管理端末4)のハードウェア構成の一例を示す図である。端末90は、ハードウェア構成として、制御部91と、記憶部92と、通信部93と、入力部94と、出力部95と、を備える。
【0037】
端末90の制御部91は、CPU等の1以上のプロセッサを含み、端末90の動作処理全体を制御する。端末90の記憶部92は、HDD、SSD、ROM、RAM等であって、上述のウェブブラウザアプリケーション並びに、制御部91がプログラムに基づき処理を実行する際に利用するデータ等を記憶する。
【0038】
端末90の通信部93は、ネットワークとの通信を制御する。端末90の入力部94は、タッチパネル、マウス及びキーボード等であって、ユーザによる操作要求を制御部91に入力する。端末90の出力部95は、ディスプレイ等であって、制御部91の処理の結果等を表示する。
【0039】
<機能構成>
図2(a)に示すように、情報処理装置10は、機能構成として、受信部101、作成処理部102、取引処理部103、表示処理部104、を備える。これらは、ソフトウェア(記憶部12に記憶されている)による情報処理が、ハードウェア(制御部11等)によって具体的に実現されたものである。
【0040】
受信部101は、ユーザに関するユーザ情報を受け付ける。受信部101は、取引コードを発行するユーザを特定するユーザIDを含んだユーザ情報を受け付ける。また、受信部101は、ユーザIDを含んだユーザ情報を受け付け、イベントを開催するクライアントに関するクライアント情報と対応付けて記憶部12へ格納する。
【0041】
作成処理部102は、物品提供装置4で読み取り可能な取引コードを作成処理する。本実施形態における作成処理部102は、イベントIDと対応付けられ、物品提供装置4で読み取り可能な取引コードを作成処理して記憶部12へ格納する。さらに作成処理部102は、ユーザ情報に基づいて、イベントID及びユーザIDが対応付けられたユニークな取引コードを作成処理して記憶部12に格納し、ユニークな取引コードをクライアントのイベント管理端末3に送信する。
【0042】
取引処理部103は、取引コードに基づいて、物品の提供に関する取引処理をする。本実施形態における取引処理部103は、物品提供装置4の装置ID及び読み取った取引コードを受け付け、イベントIDに基づいて、物品の提供に関する取引処理をする。
【0043】
表示処理部104は、各端末(2、3)の表示画面を表示処理し、その表示処理の結果を送信する。本実施形態における表示処理部104は、取引コードを含んだ取引に関する取引コード情報に基づいて、物品提供装置4ごとにイベントのスケジュールを表示処理し、その表示処理の結果を、クライアント(イベント管理会社等)が利用するイベント管理端末3へ送信する。
【0044】
<データベースDB>
図1のデータベースDBは、ユーザ情報、物品提供装置に関する装置情報、イベントを開催するクライアントに関するクライアント情報、取引コード情報、取引履歴情報、などを格納する。これらの一部又は全部は、記憶部12等に格納されてもよいし、これらの一部が別のデータベース等に格納されてもよい。
【0045】
以下、
図3~9を参照して、物品提供システムの説明及び各機能構成要素による処理内容について説明する。
【0046】
<物品提供システムの概要>
本実施形態に係る物品提供システム1は、ユーザ端末2にイベント管理端末3を介して取引コードを発行(または配信)し、この取引コード等を利用して物品の提供を行うことでユーザの利便性を向上させると共に、各地のイベントに配置される物品提供装置4における物品の提供(ユーザの取引情報)等を一括管理できるものである。例えば各地で開催されるイベントごとに物品提供装置4における物品の提供等を管理することができる。
【0047】
はじめに本実施形態における物品提供装置4について説明する。
図3には本実施形態に係る物品提供装置の概略イメージ図を示す。同図に示すように物品提供装置4は、内部にいわゆるカプセルトイなどの物品5が収容されており、このカプセルトイ(物品5)をユーザに提供する装置である。物品5は販売目的であるか否かは関係なく、例えばイベントの参加者に対して無料で提供される商品や景品等であっても良い。
【0048】
物品提供装置4は、物品5の払い出しを行う際にユーザが操作をする操作ハンドル4aと、操作ハンドル4aの操作により物品5が排出される排出口4bと、取引コードを読み取るための読み取り部4cと、を備える。また、本実施形態における物品提供装置4は、ネットワーク接続するための通信部を内部に備える(図示は省略)。
【0049】
詳細は後述するが、
図3ではユーザ端末2の表示画面W10に表示されたQRコード(登録商標)が読み取り部4cで読み取られ、当該物品提供装置4から所定の情報が情報処理装置10へ送られることで取引処理が実行される。
【0050】
なお、
図3における物品提供装置4は操作ハンドル4aを備えているが、本発明を実施するために操作ハンドル4aはなくても良い。この場合、取引処理により、物品提供装置4に収容された物品5の排出処理を電子的に(または電磁的に)行うことができる。また、排出処理により、操作ハンドル4aを自動で(非接触で)動作させて物品5をユーザに提供することもできる。
【0051】
<各種情報の取得>
図4は、一実施形態に係る物品提供システムの処理手順を示すフローチャートである。
S201において、情報処理装置10の受信部101は、ユーザ端末2からユーザ情報を受け付け、記憶部12へ格納する。記憶部12に格納されたユーザ情報に基づいてユーザ登録が行われる。
【0052】
図5(a)に示すようにユーザ情報は、ユーザの氏名、メールアドレス、住所、電話番号、などのユーザに関する情報を含んでユーザIDで管理される。なお、本実施形態ではユーザが事前にユーザ登録を行っているが、後述する物品の提供に際し、ユーザ登録は必ずしも必要なものではない。
【0053】
S202において、記憶部12は、物品提供装置4に関する装置情報、及び、物品提供装置が配置されるイベントに関するイベント情報等を格納する。本実施形態では、記憶部12は、装置情報、イベント情報に加えて、イベントを主催するクライアント(イベントの管理会社等)に関するクライアント情報を格納する。
【0054】
図5(b)に示すように装置情報は、物品提供装置4の型式(または装置のシリアル番号)、カプセルトイの種類などを示す物品ジャンル、物品名、物品の価格、物品提供装置4の内部に収容される物品の最大収容個数、などの物品提供装置に関する情報を含んで装置IDで管理される。
【0055】
また、
図5(c)に示すようにクライアント情報は、イベントを主催するクライアントのクライアント名(イベント管理会社の会社名)、クライアントのメールアドレス、住所、電話番号、などのクライアントに関する情報を含んでクライアントIDで管理される。
【0056】
図5(d)に示すようにイベント情報は、イベントを主催する(または運営、管理する)イベント管理会社の名称、当該イベントのイベント名、イベントのジャンル、イベントが開催される地域、などのイベントに関する情報を含んでイベントIDで管理される。
【0057】
<取引コードの作成処理>
S203において、情報処理装置10の作成処理部102は、取引コードを作成処理する。作成処理部102は、物品提供装置4で読み取り可能な取引コードを作成処理し、記憶部12へ格納する。取引コードは、イベント情報に含まれるイベントIDと対応付けられている。
【0058】
本明細書では、ハッシュやその他の文字などを含んで構成された文字列、及び、一次元コードや二次元コードを総称して取引コードと呼んでいる。なお、例えばQRコード(登録商標)などの二次元コードのことを取引コード画像とも呼ぶ。本実施形態では、QRコードなどの取引コード画像を利用して後述する取引処理が実行される。例えば作成処理部102は、ユーザの指紋などに関する生体情報を所定の文字列に変換し、その文字列を利用して取引コード(または取引コード画像)を作成処理することもできる。
【0059】
図6(a)に示すように取引コードは、ユーザID、クライアントID、タグ情報としてのイベントID、同じくタグ情報としての装置ID、ユーザがアクセスして取引コードを表示するためのURL、取引コードを示す文字列情報、利用可能回数、利用可能期間、などの情報を含んでコードIDで管理される。
【0060】
例えば、利用可能回数が3回であった場合、ユーザが取引コードを3回利用した後はイベント開催中であっても当該取引コードを利用できなくなる。また、利用可能期間内であれば、ユーザは回数に制限なく繰り返し取引コードを利用することができる。この他、イベントが長期間にわたって開催される場合などには、利用可能期間内であり、且つ、利用可能回数が残っている場合にのみ、取引コードを利用できるようにしても良い。
【0061】
S204において、作成処理部102は、作成処理した取引コードをクライアントが利用するイベント管理端末3へ送信する。ユーザ端末2は、クライアント管理端末3から取引コードを受け取る。つまり本実施形態では、クライアント管理端末3を介してユーザ端末2に取引コードが配信される。
【0062】
図7には本実施形態に係る物品提供システムにおける取引コードの発行イメージ図を示す。同図に示すように、(1)情報処理装置10がクライアントからの要求に基づいてQRコードを一括発行してイベント管理端末3へ送信し、(2)イベント管理端末3からユーザ端末2へユーザの条件に基づいたQRコードが配信される。
【0063】
そして、(3)ユーザがQRコードを物品提供装置4の読み取り部にかざし、(4)QRコードの情報(及び物品提供装置の装置IDなど)を情報処理装置10へ送信してユーザが取引可能か否かの問い合わせを行う。(5)取引可否が確認されて、取引可能であれば情報処理装置10(取引処理部103)は物品の提供動作を許可する信号を物品提供装置4へ送信する。
【0064】
なお、本実施形態ではクライアント(イベント管理端末3)を介してユーザ(ユーザ端末2)へQRコードを配信しているが、本発明を実施するうえではこの方式に限定されるものではない。例えば、LINEなどのメッセンジャーサービスを介して取引コードを配信し、あるいは取引コードのURLをユーザへ送信して当該URLにアクセスすることで取引コードを表示することもできる。
【0065】
さらに
図7では取引コードが一括発行されているが、例えばユーザ端末2からのリクエストに応じてイベント管理端末3が情報処理装置10へリクエストしてその都度取引コードを発行し、イベント管理端末3を介してユーザ端末2へ取引コードを配信することもできる。
【0066】
また、クライアントの新規会員として登録したユーザに対し、その新規会員の情報に基づいて取引コードを発行し、物品提供装置4を動作させることもできる。
【0067】
<取引コードによる取引処理>
S205において、取引処理部103は、対象となる物品提供装置4の取引処理を行う。具体的には、取引処理部103は、物品提供装置4の装置ID及び読み取った取引コードを当該物品提供装置4から受け付ける。そして取引処理部103は、イベントIDに基づいて、物品の提供に関する取引処理をする。
【0068】
この取引処理は、
図3における物品提供装置4に対して物品を提供するための操作ハンドル4bのロックを解除すること、あるいは物品提供装置4へ物品の提供可能信号を送信し、その信号に基づいて当該物品提供装置4を動作させること等である。これらに加えて、取引処理では、ユーザの決済が完了していることを判定しても良い。
【0069】
つまり上述した
図7の(4)、(5)に示すように、読み取られたQRコードの情報(QRコードのID)及び装置IDを情報処理装置10へ送信し、ユーザが取引可能か否かの照合を行う。そして照合した結果、取引可能であれば、イベントIDに基づいて取引処理部103は物品5の提供可能信号等を物品提供装置4へ送信する。例えば、提供可能信号によって物品提供装置4における操作ハンドル4bのロックが解除され、ユーザが操作ハンドルをまわすことで物品を払い出すことができる。
【0070】
<取引履歴情報>
本実施形態では、ユーザが取引コードによって物品提供装置4から物品5を得た場合、すなわち、取引の履歴を情報処理装置10の記憶部12で管理している。
図6(b)に示すように取引履歴情報は、クライアントID、コードID、ユーザID、取引金額、支払い方法、取引日時、などの取引履歴に関する情報が履歴IDで管理される。
【0071】
記憶部12は、取引処理に基づいた取引コードの利用に関する履歴を含んだ取引履歴情報を格納し、取引処理部103は、クライアントの要求に基づいて、当該クライアントの取引履歴情報をクライアントのイベント管理端末3へ送信する。このように本実施形態では、クライアントは簡単に取引履歴情報を確認することができる。
【0072】
<タグ設定例>
ここで、物品提供装置へのタグ設定のイメージについて説明する。
図8には本実施形態に係る物品提供システムにおけるタグ設定の一例を示す。
図8(a)は、イベント1及びイベント2の2種類のイベントがあり、イベント1には筐体001~003、イベント2には筐体004~006が配置されている状態をあらわしている。
【0073】
イベント1に配置される筐体001~003には、タグ1として「EVENT1」がタグ付けされている。また、筐体001にはタグ2として「DEVICE1」、筐体002にはタグ2として「DEVICE2」、筐体003にはタグ2として「DEVICE3」がタグ付けされている。
【0074】
同様に、イベント2に配置される筐体004~006には、タグ1として「EVENT2」がタグ付けされている。また、筐体004にはタグ2として「DEVICE4」、筐体005にはタグ2として「DEVICE5」、筐体006にはタグ2として「DEVICE6」がタグ付けされている。つまり、それぞれの筐体に対して、イベント(グループ)ごとのタグ1と、筐体ごとのタグ2の2種類のタグ情報が付されている。
【0075】
そして
図8(b)のタグ設定と二次元コードの有効性の対応に示すように、タグ設定に応じた二次元コード(取引コード画像)を読み取ることで、対象となる物品提供装置(筐体001~006)が動作可能となる。
【0076】
図8(b)では、「EVENT1」がタグ設定されている取引コード画像によって、筐体001、筐体002、筐体003が動作可能となる。また、「EVENT2」がタグ設定されている取引コード画像では、筐体004、筐体005、筐体006が動作可能となる。
【0077】
そして「EVENT1」と「EVENT2」がタグ設定されている場合、取引コード画像によって筐体001~006の全てが動作可能となる。また、「DEVICE1」と「DEVICE4」がタグ設定されている取引コード画像では、それぞれ異なるイベントに配置される筐体001及び筐体004が動作可能となる。
【0078】
このように本実施形態では、物品提供装置4には複数のタグ情報が付されており、必要に応じて複数のタグ設定を使い分けることで、複数のイベントにおいてユーザに応じて物品提供装置4を動作させることができる。その結果、ユーザの利便性を向上させると共に、簡単且つ適切に複数の物品提供装置4を一括管理することができる。
【0079】
<表示例>
次に、クライアントの管理端末4に表示される画面の表示例について説明する。
図9に本実施形態に係る物品提供システム1における表示処理結果の一例を示す。
図9は、イベント管理端末3の表示画面W20に表示された表示処理結果の一例である。
図9の表示画面W20に示すように、縦方向に(上から下に)物品提供装置01~07を並べて表示処理し、且つ、横方向には物品提供装置ごとにイベントのスケジュールが表示されている。
【0080】
図9では、イベント1に物品提供装置01が配置され、イベント2に物品提供装置02が配置されている。また、イベント3には物品提供装置03、05、06の3台が配置されている。さらに物品提供装置03は別の期間にイベント4にも配置され、物品提供装置05、06は、別の期間にイベント7にも配置されている。物品提供装置04は長期間イベント6に配置されている。
【0081】
このように本実施形態では、複数の物品提供装置と物品提供装置のイベントスケジュールとを同一画面に表示させることで、クライアント(イベントの管理会社)は簡単且つ正確に物品提供装置ごとのスケジュールを確認することができる。
【0082】
以上のように本発明に係る物品提供システム1によれば、特徴的な取引コードの作成処理、及び、所定の取引処理等を実行することで、簡単且つ適切に多数の物品提供装置を一括管理できると共にユーザの利便性も向上させることができる。
【0083】
また、本実施形態では主にカプセルトイなどの物品を提供する物品提供装置を対象として説明したが、他の物品を提供するための物品提供装置、自動販売機や他の販売装置に本物品提供システム1を利用する場合も本発明と同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0084】
1 物品提供システム
2 ユーザ端末
3 イベント管理端末(クライアント端末)
3A イベント
4 物品提供装置
4a 操作ハンドル
4b 排出口
4c 読み取り部
5 物品
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
90 端末(端末2、3)
91 制御部
92 記憶部
93 通信部
94 入力部
95 出力部
101 受信部
102 作成処理部
103 取引処理部
104 表示処理部
NW ネットワーク
W10 表示画面(ユーザ端末2)
W20 表示画面(イベント管理端末3)
【要約】
【課題】 本発明は、物品提供システム、物品提供方法、及び物品提供プログラムに関する。
【解決手段】 物品提供システム1は、作成処理部と取引処理部と記憶部を備える。
記憶部は、物品の提供に利用される物品提供装置を特定する装置IDを含んだ装置情報及び、物品提供装置が配置されて開催されるイベントを特定するイベントIDを含んだイベント情報を、イベントに配置された前記物品提供装置を特定可能に対応付けて格納する。
作成処理部は、イベントIDと対応付けられ、物品提供装置で読み取り可能な取引コードを作成処理して記憶部に格納する。
取引処理部は、物品提供装置の装置ID及び読み取った取引コードを受け付け、イベントIDに基づいて、物品の提供に関する取引処理をする。
【選択図】
図1