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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20230714BHJP
   F21V 29/76 20150101ALI20230714BHJP
   F21V 31/03 20060101ALI20230714BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230714BHJP
【FI】
F21S2/00 375
F21V29/76
F21V31/03
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022155819
(22)【出願日】2022-09-29
(62)【分割の表示】P 2021108904の分割
【原出願日】2017-08-09
(65)【公開番号】P2022173448
(43)【公開日】2022-11-18
【審査請求日】2022-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】弁理士法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 庄太
【審査官】竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/080009(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0009975(US,A1)
【文献】特開2013-073696(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 29/76
F21V 31/03
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源が設けられている第1の面及び前記第1の面の裏面にあたる第2の面が形成されている放熱板を有しているヒートシンクと、
前記ヒートシンクに固定されている本体フレームと、
を備え、
前記ヒートシンクは、
前記第2の面に設置された樹脂部品を有し、
前記本体フレームは、
前記樹脂部品と対向する天面部を有し、
前記放熱板は、
前記第2の面に複数の放熱フィンが設けられ、
複数の前記放熱フィンのうち一部の前記放熱フィンは、
前記第2の面に平行な方向の端面同士を、前記樹脂部品を挟んで対向させて配置されていることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記放熱板は、
前記本体フレームが固定されている第1の縁部と、
前記本体フレームが固定され、前記第1の縁部の対辺にあたる第2の縁部と、を有し、
前記本体フレームは、
前記天面部の一端部から前記第1の縁部へ延びる板状の第1の側面部と、
前記天面部の他端部から前記第2の縁部へ延びる板状の第2の側面部と、を有し、
前記天面部は、
板状であり、前記放熱板の前記第2の面に対し間隔をあけて設けられ、
前記樹脂部品は、
前記第1の側面部と前記第2の側面部との間に配置されており、且つ、前記天面部と前記放熱板との間に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記天面部は、矩形状であり、
前記天面部の前記一端部は前記第1の縁部に平行に延びており、且つ、前記天面部の前記他端部は前記第2の縁部に平行に延びており、
前記樹脂部品は、
前記天面部の前記一端部の中点と前記天面部の前記他端部の中点とを通り、前記放熱板に直交する仮想面に交差する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記樹脂部品は、
前記光源に電気的に接続される給電線が挿入されているケーブルグランドを有していることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の照明器具。
【請求項5】
前記第1の面に固定され、前記光源を収容しているカバーを更に備え、
前記樹脂部品は、
前記カバーの外側の空間の圧力である外気圧と前記カバーの内側の空間の圧力である内気圧との差を調整する内圧調整弁を有していることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、特に、ヒートシンクを備えている照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の照明器具には、光源と、光源上に配置されている矩形の放熱板と、放熱板の周縁に設けられている複数の支柱と、各支柱の端部に固定されている天板と、支柱に回動自在に取り付けられているアームとを備えているものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の照明器具のアームは、建物の構造体、例えば天井及び梁等に固定される。
【0003】
特許文献1の照明器具において、天板と支柱と放熱板とを合わせた構造体は直方体状になっている。また、特許文献1の照明器具の支柱は放熱板の周縁全体に設けられているわけではなく、各支柱は間隔をあけて設けられている。つまり、上述の構造体は、天板に対応する上面と放熱板に対応する下面とにおいて閉塞されているが、上面及び下面以外の四面において開放されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-41328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
照明器具にはヒートシンク上に樹脂部材が設けられているものがある。樹脂部材の一例は、光源に電力を供給する給電線用のケーブルグランドである。また、照明器具は屋内だけでなく、軒下等の屋外で使用されることもある。一般的に、屋外は屋内よりも環境条件が厳しいため、屋外に設置された照明器具の樹脂部品は環境要因によって劣化しやすい。具体的には、屋外の照明器具は屋内の照明器具よりも日光に晒されやすいので、屋外の照明器具の樹脂部品は太陽光に含まれる紫外線で劣化しやすい。その他の環境要因には、日光等の熱サイクルの要因、雨等による水による要因、及び、飛来した水等に含まれる塩による要因、空気中のオゾンの要因等がある。
【0006】
特許文献1の照明器具のヒートシンク上に樹脂部品が設けられている場合において、特許文献1の構造体の四面が解放されている分、ヒートシンク上の樹脂部品は環境要因によって劣化しやすい。しかし、環境耐性を満足させるには、ヒートシンク上の樹脂部品を覆う等の構造が必要となるため、重量増加の要因になり、照明器具の取付性が低下するという課題があった。また、照明器具の取付性の低下を回避するために、構造部材の軽量化を行うと、構成部材の強度及び剛性が低下してしまうという課題があった。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、樹脂部品が環境要因によって劣化してしまうことを抑制できる照明器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具は、光源と、前記光源が設けられている第1の面及び前記第1の面の裏面にあたる第2の面が形成されている放熱板を有しているヒートシンクと、前記ヒートシンクに固定されている本体フレームと、を備え、前記ヒートシンクは、前記第2の面に設置された樹脂部品を有し、前記本体フレームは、前記樹脂部品と対向する天面部を有し、前記放熱板は、前記第2の面に複数の放熱フィンが設けられ、複数の前記放熱フィンのうち一部の前記放熱フィンは、前記第2の面に平行な方向の端面同士を、前記樹脂部品を挟んで対向させて配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂部品が、ヒートシンクを貫通する開口部に設けられ、且つ、天面部と放熱板との間に配置されているので、樹脂部品が環境要因によって劣化してしまうことを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る照明器具の斜視図である。
図2】実施の形態に係る照明器具を分解した状態の斜視図である。
図3】実施の形態に係る照明器具の上面視図である。
図4図3に示す矢印A方向から照明器具を見た図である。
図5】ヒートシンクの上面視図である。
図6図3に示す矢印B方向から照明器具を見た図である。
図7】第2の側面部のうち応力が発生しやすい箇所を模式的に示した図である。
図8】照明器具の樹脂部材が日光等から保護される様子を示した図である。
図9】照明器具のヒートシンクの放熱フィンの隙間を空気が通過する様子を示した図である。
図10】実施の形態に係る照明器具の変形例(照明器具)である。
図11】照明器具が備えるヒートシンクの斜視図である。
図12】照明器具が備えるヒートシンクの上面視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態.
以下、図面を適宜参照しながら実施の形態について説明する。なお、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
【0012】
<実施の形態の構成>
図1は、実施の形態に係る照明器具100の斜視図である。図2は、実施の形態に係る照明器具100を分解した状態の斜視図である。図3は、実施の形態に係る照明器具100の上面視図である。図4は、図3に示す矢印A方向から照明器具100を見た図である。
【0013】
図1及び図2に示すように、照明器具100は、COB(chip on board)タイプのLED40A(light emitting diode)を有する光源40と、光源40の光の照射側に設けられ、光源40の光を反射するリフレクタ51と、光源40及びリフレクタ51を収容するカバー50とを備えている。また、照明器具100は、カバー50の縁部50Aに設けられ、カバー50内の空間の気密性を確保する環状のパッキン52と、矩形状の放熱板34及び放熱板34上に設けられた複数の放熱フィン35を有するヒートシンク30と、光源40及び放熱板34に接触している放熱シート41とを備えている。なお、実施の形態において、放熱板34は正方形状である。また、照明器具100は、ヒートシンク30に固定されている本体フレーム10と、本体フレーム10の一方側に固定されているアーム20Aと、本体フレーム10の他方側に固定されているアーム20Bとを備えている。
【0014】
照明器具100は、図示省略の別置きされた電源から光源40へ電力を供給する給電線33と、給電線33が挿入されているケーブルグランド31と、カバー50の外側の空間の圧力である外気圧とカバー50の内側の空間の圧力である内気圧との差を調整する内圧調整弁32とを備えている。ケーブルグランド31及び内圧調整弁32はヒートシンク30上に設けられている樹脂部品である。また、照明器具100は、カバー50の縁部50Aに挿入され、カバー50をヒートシンク30の放熱板34に固定する4つの固定部材60Aと、カバー50の縁部50Aに挿入され、固定部材60Aよりも長い4つの固定部材60Bとを備えている。また、照明器具100は、アーム20A及びアーム20Bを本体フレーム10に固定する4つの固定部材61とを備えている。更に、照明器具100は、アーム20A及びアーム20Bが建物等の被取付部から脱落したときに照明器具100の落下を防止するワイヤ70と、ワイヤ70の一端側に取り付けられている金属製のリング部材70Aと、ワイヤ70の他端側に取り付けられている金属製の金具71とを備えている。金具71は建物等に取り付けられる。
【0015】
図2に示すように、光源40は4つのLED40Aを備えており、4つのLED40Aの中心にはケーブルグランド31が配置されている。光源40は給電線33に電気的に接続されている。リフレクタ51は光源40とカバー50との間に設けられている。カバー50は光源40を保護する機能を有している。カバー50の縁部50Aには、固定部材60Aが挿入される孔、及び、固定部材60Bが挿入される孔が形成されている。また、カバー50の縁部50Aはアーム20A及びアーム20Bによって支持されている。カバー50と放熱板34とのよって形成される空間には放熱シート41と光源40とリフレクタ51とが設けられている。カバー50の縁部50Aには環状の溝部(図示省略)が形成され、パッキン52は縁部50Aの溝部に設けられている。照明器具100は、LED40Aと同数の4つの放熱シート41を備えている。放熱シート41の平面視形状は円形である。
【0016】
図2及び図4に示すように、ヒートシンク30の放熱板34は、光源40が設けられている第1の面S1及び第1の面S1の裏面にあたる第2の面S2が形成されている。放熱板34の第2の面S2上には並列に配置された複数の放熱フィン35が設けられている。放熱板34は、中央部に複数の放熱フィン35が平行に立設されており、放熱板34の端部は、放熱フィン35が立設されていない部分が形成されている。放熱板34の放熱フィン35が立設されていない部分は、本体フレーム10と接触する長尺状の第1の縁部S21と、本体フレーム10と接触し第1の縁部S21に平行な長尺状の第2の縁部S22となっている。つまり、複数の放熱フィン35が立設されている部分は、第1の縁部S21と第2の縁部S22とに挟まれて位置している。図1及び図3に示す方向Dr2は第1の縁部S21の長手方向及び第2の縁部S22の長手方向を示している。第1の縁部S21及び第2の縁部S22には本体フレーム10が固定されている。矩形状の放熱板34において、第2の縁部S22は第1の縁部S21の対辺にあたる。第1の縁部S21には固定部材60Aが貫通する孔と、固定部材60Bが締結される孔とが形成されている。第2の縁部S22にも、固定部材60Aが締結される孔と、固定部材60Bが締結される孔とが形成されている。放熱板34の中央部にはケーブルグランド31が設けられ、放熱板34のうち放熱板34の中央部よりも第1の縁部S21側には内圧調整弁32が設けられている。放熱フィン35は後述の第1の側面部12に平行に設けられている。図3に示すように、隣接する放熱フィン35の間には隙間35Aが設けられている。
【0017】
図1図4に示すように、本体フレーム10は、放熱板34の第2の面S2に間隔をあけて設けられている板状の天面部11と、天面部11の一端部11Aから第1の縁部S21へ延びる板状の第1の側面部12と、天面部11の他端部11Bから第2の縁部S22へ延びる板状の第2の側面部13とを備えている。天面部11、第1の側面部12及び第2の側面部13は同一の板材から構成されている。つまり、板材が曲げ加工等された結果、天面部11、第1の側面部12及び第2の側面部13が形成される。図1図4に示すように、天面部11は放熱板34に平行に設けられている矩形状の板状部材である。ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は天面部11と放熱板34との間に配置されている。つまり、図3に示すように、照明器具100を天面部11側から見たときにおいて、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は天面部11によって隠れる。言い換えると、照明器具100を天面部11側から見たときにおいて、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は天面部11の周縁よりも内側の位置に配置されている。図4に示すように、天面部11には給電線33を天面部11に固定するサドル11Cが設けられている。給電線33は図示省略の電源と光源40とを接続する配線である。給電線33は天面部11に沿って設けられ、且つ、ケーブルグランド31を通過している。給電線33はケーブルグランド31に固定されている。ケーブルグランド31は、給電線33に張力がかかること、及び、給電線33に振動が加わることを抑制している。
【0018】
図2に示すように、第1の側面部12は、放熱板34から立ち上がっている板状の本体12aと、第1の縁部S21に当接している板状の第1の固定端部12Aとを備えている。本体12aは、天面部11の一端部11A側から第1の縁部S21側へ向かうにしたがって幅が広がる第1の裾状部12Bを有している。図1図2及び図4に示す方向Dr1は天面部11の一端部11A側(上側)から第1の縁部S21側(下側)へ向かう方向を示している。本体12aの上端部は天面部11の一端部11Aに繋がっており、本体12aの下端部は第1の固定端部12Aに繋がっている。本体12aは放熱フィン35に平行に設けられている。本体12aには固定部材61が挿入される孔が形成されている。固定部材61が本体12aとアーム20Aとを固定することで、本体12aとアーム20Aとは接触している。第1の固定端部12Aは第1の縁部S21に平行に延びている板状部材である。第1の固定端部12Aは、第1の縁部S21に対向している。また、第1の固定端部12Aは、第1の縁部S21の長手方向の一端側から第1の縁部S21の長手方向の他端側にかけて延びている。第1の固定端部12Aには、下面側から固定部材60Bが挿入されている孔が形成されている。
【0019】
第2の側面部13は第1の側面部12と概ね同様の構成を備えている。図2に示すように、第2の側面部13は、放熱板34から立ち上がっている板状の本体13aと、第2の縁部S22に当接している板状の第2の固定端部13Aとを備えている。ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は、第1の側面部12と第2の側面部13との間に配置されている。具体的には、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は、本体12aと本体13aとの間に配置されている。本体13aは、天面部11の他端部11B側から第2の縁部S22側へ向かうにしたがって幅が広がる第2の裾状部13Bを有している。図1図2及び図4に示す方向Dr1は天面部11の他端部11B側から第2の縁部S22側へ向かう方向を示している。本体13aの上端部は天面部11の他端部11Bに繋がっており、本体13aの下端部は第2の固定端部13Aに繋がっている。本体13aは放熱フィン35及び本体12aに平行に設けられている。本体13aには固定部材61が挿入される孔が形成されている。固定部材61が本体13aとアーム20Bとを固定することで、本体13aとアーム20Bとは接触している。また、本体13aにはリング部材70Aを取り付ける孔が形成されている。第2の固定端部13Aは第2の縁部S22に平行に延びている板状部材である。第2の固定端部13Aは第2の縁部S22に対向している。また、第2の固定端部13Aは、第2の縁部S22の長手方向の一端側から第2の縁部S22の長手方向の他端側にかけて延びている。第2の固定端部13Aには下面側から固定部材60Bが挿入されている孔が形成されている。
【0020】
図3に示すように、第1の側面部12は、放熱フィン35の長手方向(Dr2)における端部が放熱フィン35側に折り曲げられ、折り曲げ部15が形成されている。また、第1の側面部12は、放熱フィン35の長手方向における端部及び折り曲げ部15が第1の固定端部12Aよりも下方に突出し、突出部16を形成している。折り曲げ部15は、本体12aに対し垂直に折り曲げられている。第1の側面部12の放熱フィン35の長手方向(Dr2)における端部及び折り曲げ部15の突出部16は、放熱板34の角部に沿うように、つまり放熱板34の角を挟んで2辺にわたって配置されている。第2の側面部13も第1の側面部12と同様に、折り曲げ部15及び第2の固定端部13Aよりも下方に突出した突出部16が形成されている。つまり、本体フレーム10は、4箇所に形成された突出部16により、放熱板34の4箇所の角部を囲んでいる。すなわち、放熱板34は、放熱フィン35の長手方向(Dr2)に平行な方向と、放熱板34に平行な方向であって放熱フィン35の長手方向に直交する方向との2方向において、本体フレーム10との相対移動を制限されている。言い換えると、放熱板34は、第1の面S1及び第2の面S2の平行方向において本体フレーム10との相対移動が制限されている。
【0021】
図2及び図4に示すように、アーム20Aは、カバー50の縁部50Aに引っ掛けられる引掛部20A1と、固定部材61が挿入される孔が形成されている固定面部20A2と、建物等に取り付けられる取付面部20A3とを備えている。固定面部20A2の下端には引掛部20A1が形成され、固定面部20A2の上端には取付面部20A3が形成されている。アーム20Bはアーム20Aと同様の構成を備えている。アーム20Bは、カバー50の縁部50Aに引っ掛けられる引掛部20B1と、固定部材61が挿入される孔が形成されている固定面部20B2と、建物等の被取付部に取り付けられる取付面部20B3とを備えている。固定面部20B2の下端には引掛部20B1が形成され、固定面部20B2の上端には取付面部20B3が形成されている。引掛部20A1及び引掛部20B1がカバー50を支持することで、引掛部20A1及び引掛部20B1はカバー50と放熱板34との固定をより強固にしている。
【0022】
固定部材60Aはカバー50の縁部50Aの四隅に設けられている。固定部材60Aはカバー50及び放熱板34に設けられた孔を貫通し、本体フレーム10の第1の固定端部12Aに締結される。固定部材60Aは、カバー50と放熱板34とを、本体フレーム10に固定する。固定部材60Bはカバー50及び放熱板34に設けられた孔を貫通し、本体フレーム10の第2の固定端部13Aに締結される。固定部材60Bはカバー50と放熱板34とを本体フレーム10に固定する。第1の側面部12側の固定部材60Bは、第1の固定端部12Aを放熱板34の第1の縁部S21側に固定し、第2の側面部13側の固定部材60Bは、第2の固定端部13Aを放熱板34の第2の縁部S22側に固定する。固定部材60A及び固定部材60Bにはネジを採用することができる。第1の側面部12側の固定部材61はアーム20Aの固定面部20A2と第1の側面部12の本体12aとを固定し、第2の側面部13側の固定部材61はアーム20Bの固定面部20B2と第2の側面部13の本体13aとを固定する。図2に示すように、固定部材61にはボルト61A及びナット61Bを採用することができる。
【0023】
図5は、ヒートシンク30の上面視図である。ヒートシンク30の放熱板34の中央部には、樹脂部品であるケーブルグランド31が設けられる開口部Op1が形成されている。ここで、放熱板34の中央部は、放熱板34が設置されている矩形の領域の対角線が交わる部分である。また、放熱板34のうち開口部Op1の形成部分よりも第1の縁部S21側には、内圧調整弁32が設けられる開口部Op2が形成されている。開口部Op1及び開口部Op2は放熱板34を貫通している。開口部Op1及び開口部Op2は、第1の縁部S21の中点P1と第2の縁部S22の中点P2とを結ぶ仮想線CL上に設けられている。このため、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は、第1の縁部S21の中点P1と第2の縁部S22の中点P2とを結ぶ仮想線CL上に設けられている。仮想線CLは後述する仮想面L1と放熱板34とが直交する位置に設けられている。一部の放熱フィン35は、開口部Op1及び開口部Op2を避けて設置されている。開口部Op1又は開口部Op2を挟んで配置されている放熱フィン35は、第2の面S2に平行な方向の端面同士、言い換えると放熱フィン35の長手方向(Dr2)の端面同士を開口部Op1又は開口部Op2を挟んで対向させて配置されている。
【0024】
ケーブルグランド31は図示省略のパッキンを備えている。また、内圧調整弁32は、カバー50の外側の空間の圧力である外気圧とカバー50の内側の空間の圧力である内気圧との差を調節する図示省略の通気フィルタと、カバー50の内側の空間と通気フィルタとを連通するパイプと、パッキンとを備えている。ケーブルグランド31が開口部Op1に設けられているので、開口部Op1はケーブルグランド31によって塞がれている。また、内圧調整弁32が開口部Op2に設けられているので、開口部Op2は内圧調整弁32によって塞がれている。つまり、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32はパッキン等を介してカバー50内の空間に埃及び水等が侵入することを防止している。
【0025】
図6は、図3に示す矢印B方向から照明器具100を見た図である。ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は仮想面L1に交差する位置に設けられている。図6と先述した図3,5とを参照して天面部11の構成等について説明する。天面部11の幅WLは天面部11に平行な方向の幅である。また、図3及び図6に示すように、仮想面L1は、天面部11の一端部11Aの中点T1と天面部11の他端部11Bの中点T1とを通り、放熱板34に直交する面である。仮想線CLは、仮想面L1上に位置する。したがって、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は仮想面L1に交差する。また、仮想面L1は天面部11とも直交する。仮想線CLは、図3に示す矢印B方向から照明器具100を見た場合、図6に示すように放熱板34側の固定部材61の上端に位置する。
【0026】
図6に示す仮想面L2は、仮想面L1に対して45度をなす、仮想線CLを通る面である。図6に示す仮想面L3は、仮想面L1に対して仮想面L2とは対称関係にある。仮想面L3も、仮想面L1に対して45度をなす、仮想線CLを通る面である。
【0027】
ここで、仮想面L1と天面部11とが交差する所を線分P3とし、仮想面L2と天面部11とが交差する所を線分P4とし、仮想面L3と天面部11とが交差する所を線分P5とする。このとき、線分P3から線分P4までの距離は、仮想線CLから線分P3までの距離Hに等しく、また、線分P3から線分P5までの距離は、仮想線CLから線分P3までの距離Hに等しい。したがって、線分P4から線分P5までの距離は、距離Hの2倍である。ここで、図6に示すように、天面部11の幅WLは、線分P4から線分P5までの距離、すなわち距離Hの2倍以上になっていることが分かる。このように、天面部11の幅WLが設定されていることで、天面部11は、仮想面L2と仮想面L3との間の角度範囲の日光が放熱板34の仮想線CL上に設けられている樹脂部品に直接あたることを防いでいる。
【0028】
<実施の形態の動作及び作用等>
図7は、第2の側面部13のうち応力が発生しやすい箇所を模式的に示した図である。図7及び先述した図1及び図2を参照して照明器具100の動作及び作用等を説明する。なお、図7の説明において、照明器具100には第1の側面部12及び第2の側面部13が対称に設けられているため、第2の側面部13の応力について説明をし、第1の側面部12の応力の説明は省略する。第1の側面部12の応力も、図7で説明する第2の側面部13の応力と同様である。また、図7では説明の便宜上、アーム20A、アーム20B、固定部材61、リング70A、ワイヤ70及び金具71、サドル11C及び給電線33は図示を省略している。
【0029】
光源40には、図示省略の電源から給電線33を介して電力が供給される。光源40に電力が供給されると、光源40のLED40Aが発光する。LED40Aの光は、カバー50を通りカバー50外へ放射される。なお、LED40Aの光の一部はリフレクタ51で反射されてカバー50に至る。LED40Aが発光したときに光源40に生じる熱は、放熱シート41を介してヒートシンク30に伝達される。ヒートシンク30に伝達された熱は、放熱板34及び放熱フィン35から空気に伝達される。
【0030】
建物等が振動した場合において、建物等の振動は建物等の被取付部から照明器具100のアーム20Bへ伝搬する。アーム20Bへ伝搬した振動は本体フレーム10へ伝搬する。本体フレーム10へ伝搬した振動はヒートシンク30及びカバー50等へ伝搬する。
【0031】
本体フレーム10の第2の側面部13の第2の固定端部13Aは、ヒートシンク30、カバー50及び光源40等の荷重を受けている。第2の固定端部13Aは固定部材62が挿入される孔及び固定部材60Bが挿入される孔が形成されている。このように第2の固定端部13Aはヒートシンク30等を支持する部分であるため、第2の固定端部13Aは応力が集中しやすい箇所である。しかし、第2の固定端部13Aは、第2の縁部S22の長手方向の一端側から第2の縁部S22の長手方向の他端側にかけて延びている。つまり、第2の固定端部13Aに発生する応力が増大したとしても、第2の固定端部13Aが第2の縁部S22と接する箇所は方向Dr2に長くなっているため、第2の固定端部13Aを構成する各部の応力は分散される。
【0032】
また、第2の側面部13は、第2の固定端部13Aと本体13aとが繋がっている部分において曲げ形成されている。つまり、第2の側面部13は、第2の固定端部13Aと本体13aとが繋がっている部分に形成されている曲げ部Rg2を備えている。曲げ部Rg2は板材の外形が変化する部分であり一般的に応力が集中しやすい箇所である。しかし、第2の固定端部13Aが第2の縁部S22の長手方向の一端側から第2の縁部S22の長手方向の他端側にかけて延びているので、曲げ部Rg2も第2の縁部S22の長手方向の一端側から第2の縁部S22の長手方向の他端側にかけて延びている。つまり、曲げ部Rg2の方向Dr2に平行な幅は、天面部11の他端部11Bの方向Dr2に平行な幅よりも長くなっており、曲げ部Rg2を構成する各部の応力は分散される。
【0033】
アーム20Bは本体フレーム10、ヒートシンク30、カバー50及び光源40等の荷重を受けている。第2の側面部13のうちアーム20Bが固定される部分には、図7に示すように、固定部材61が挿入される孔13a1が形成されている。このように孔13a1の周縁部Rg1はアーム20Bによって支持される部分であるため、孔13a1の周縁部Rg1は応力が集中しやすい箇所である。しかし、孔13a1の周縁部Rg1は、第2の側面部13のうち相対的に脆弱になりやすい部分を避けた位置に設けられている。具体的には、孔13a1の周縁部Rg1は、天面部11と第2の側面部13とが繋がる部分、第2の側面部13の本体13aと第2の固定端部13Aとが繋がる部分、及び、第2の裾状部13Bが形成されている部分から、離して設けられている。このため、照明器具100に振動が加わって周縁部Rg1の応力が増大しても、本体フレーム10が損傷等してしまうことを回避することができる。また、孔13a1は上下に2つ形成されているので、本体13aに発生する応力は分散される。このため、照明器具100に振動が加わって本体13aの応力が増大しても、本体フレーム10が損傷等してしまうことを回避することができる。
【0034】
図8は、照明器具100の樹脂部材が日光等から保護される様子を示した図である。天面部11はケーブルグランド31及び内圧調整弁32に日光等が直接当たることを防いでいる。具体的には、天面部11は天面部11に向かってくる日光sn1を反射することができるので、天面部11は日光sn1がケーブルグランド31及び内圧調整弁32に当たることを防ぐことができる。また、図示は省略しているが、雨等が降っている場合においても、天面部11は雨等がケーブルグランド31及び内圧調整弁32に直接当たることを防ぐことができる。雨等に塩が含まれている場合もあるが、この場合においても、天面部11が雨等に含まれる塩を遮るので、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32が塩に晒されることも回避することができる。また、空気中にオゾンが含まれている場合もあるが、この場合においても、天面部11がオゾンを遮るので、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32がオゾンに晒されることを回避することができる。
【0035】
第1の側面部12及び第2の側面部13もケーブルグランド31及び内圧調整弁32に日光等が当たることを防いでいる。具体的には、第1の側面部12は第1の側面部12に向かってくる日光sn2を反射することができるので、第1の側面部12は日光sn2がケーブルグランド31及び内圧調整弁32に当たることを防ぐことができる。また、第2の側面部13は第2の側面部13に向かってくる日光sn3を反射することができるので、第2の側面部13は日光sn3がケーブルグランド31及び内圧調整弁32に当たることを防ぐことができる。また、天面部11で説明した内容と同様に、第1の側面部12及び第2の側面部13についても雨、塩及びオゾンを遮り、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32が雨、塩及びオゾンに晒されることを回避することができる。
【0036】
図9は、照明器具100のヒートシンク30の放熱フィン35の隙間を空気Airが通過する様子を示した図である。隣接する放熱フィン35の間には隙間35Aが形成されている。隙間35Aは方向Dr2に平行に延びている。ここで、本体フレーム10は、放熱フィン35の長手方向の一方の端部側35aと、放熱フィン35の長手方向の他方の端部側35bと、が開放されている。これにより、図9に示すように、空気Airが放熱フィン35の隙間35Aを通過しやすくなっている。したがって、ヒートシンク30における放熱は効率的に促される。
【0037】
<実施の形態の効果>
効果の説明において、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32を樹脂部品と総称する。樹脂部品は、第1の側面部12と第2の側面部13との間に配置されている。したがって、図8に示すように、樹脂部品は第1の側面部12によって日光sn2等から保護されるとともに、第2の側面部13によって日光sn3から保護される。樹脂部品は第1の側面部12及び第2の側面部13によって雨及び塩に晒されにくくなるので、樹脂部品は第1の側面部12及び第2の側面部13によって雨及び塩からも保護される。また、樹脂部品は、天面部11と放熱板34との間に配置されている。したがって、図8に示すように、樹脂部品は天面部11によって日光sn1等から保護される。樹脂部品は天面部11によって雨及び塩に晒されにくくなるので、樹脂部品は天面部11によって雨及び塩からも保護される。このように、照明器具100の樹脂部品は日光等の環境要因から保護されるので、照明器具100が環境条件の厳しい場所例えば屋外に設置されたとしても、照明器具100の樹脂部品が劣化してしまうことが抑制される。
【0038】
第1の固定端部12Aは第1の縁部S21側に設けられ、第1の縁部S21に平行に延びている。また、第2の固定端部13Aは第2の縁部S22側に設けられ、第2の縁部S22に平行に延びている。第1の固定端部12Aは第1の縁部S21側に設けられ、且つ、第2の固定端部13Aは第2の縁部S22側に設けられているので、その分、第1の側面部12と第2の側面部13との対向間隔が広がる。このため、放熱フィン35及び照明器具100の樹脂部品を配置するスペースを拡大することができる。また、第1の固定端部12Aは第1の縁部S21に平行に延びており、且つ、第2の固定端部13Aは第2の縁部S22に平行に延びている。つまり、第1の固定端部12A及び第2の固定端部13Aは方向Dr2に延びているので、本体フレーム10は図7で説明した応力の分散効果を得ることができる。したがって、照明器具100に振動が加わって第1の固定端部12Aの応力及び第2の固定端部13Aの応力が増大しても、本体フレーム10が損傷等してしまうことを回避することができる。つまり、本体フレーム10は耐振動性に優れている。
【0039】
第1の固定端部12Aは第1の縁部S21の長手方向の一端側から第1の縁部S21の長手方向の他端側にかけて延びている。また、第2の固定端部13Aは、第2の縁部S22の長手方向の一端側から第2の縁部S22の長手方向の他端側にかけて延びている。このため、本体フレーム10は上述の耐振動性に係る効果が更に向上している。
【0040】
第1の側面部12には第1の裾状部12Bが形成されており、第2の側面部13には第2の裾状部13Bが形成されている。つまり、図7に示すように、第2の側面部13の本体13aは長方形ではなく、本体13aは図7の点線で示す領域Arを除去した形状を有している。図7では図示していないが、第1の側面部12も同様である。このため、本体12a及び本体13aは長方形である場合よりも軽量化が図られている。ここで、照明器具100の重量が増大する程、本体フレーム10に発生する応力は増大する。本体13aは応力の集中する孔13a1の周縁部Rg1から遠い領域Arが除去された形状を有することで本体13aは軽量化されている。したがって、本体13aが軽量化されている分、照明器具100に振動が加わったときに照明器具100に生じる力のモーメントは減少し、その結果、本体フレーム10に発生する応力は低減される。本体12aも本体13aと同様の形状を有することで本体12aは軽量化されている。したがって、本体12aが軽量化されている分、照明器具100に振動が加わったときに照明器具100に生じる力のモーメントは減少し、その結果、本体フレーム10に発生する応力は低減される。
【0041】
図1~4に示すように、放熱板34は、第1の縁部S21が第1の固定端部12Aに固定され、第2の縁部S22が第2の固定端部13Aに固定されている。つまり、放熱板34は、放熱板34の第1の面S1及び第2の面S2の垂直方向(Dr1)において、本体フレーム10に対し相対移動ができないように固定されている。また、放熱板34は、本体フレーム10の突出部16により4箇所の角部を囲まれているため、第1の面S1及び第2の面S2の水平方向において、本体フレーム10との相対移動が制限されている。よって、放熱板34と本体フレーム10とが第1の面S1及び第2の面S2に平行方向に相対移動するように振動が加わっても、放熱板34と本体フレーム10とを固定する固定部材60が折損する可能性を低減する。
【0042】
本体フレーム10は、第1の側面部12が放熱フィン35の長手方向(Dr2)における端部において放熱フィン35側に折り曲げられ、折り曲げ部15が形成されている。また、本体フレーム10は、第2の側面部13が放熱フィン35の長手方向(Dr2)における端部において放熱フィン35側に折り曲げられ、折り曲げ部15が形成されている。よって、第1の側面部12と第2の側面部13とが放熱フィン35の長手方向(Dr2)における端部において折り曲げられていることから、第1の側面部12及び第2の側面部13の剛性が向上しており、本体フレーム10は剛性及び強度がさらに向上している。よって、照明器具100は、軽量化を実現しつつ剛性及び強度が優れた構成になっている。
【0043】
また、図7に示すように、本体13aの下部13a2の方向Dr2に平行な幅は、放熱板34の第2の縁部S22の方向Dr2に平行な幅と同等になっている。そして、第2の裾状部13Bは下部13a2よりも上側に形成されている。つまり、第2の裾状部13Bの下端は第2の固定端部13Aと本体13aとが繋がっている部分すなわち曲げ部Rg2には位置しておらず、第2の裾状部13Bの下端は曲げ部Rg2よりも上側に位置している。曲げ部Rg2は一般的に応力が集中しやすい箇所であるが、第2の裾状部13Bはこの曲げ部Rg2から離して設けられているので、領域Arが除去された形状により本体フレーム10の剛性が低減することが抑制されている。なお、第1の側面部12も第2の側面部13と同様の構成であり、第1の側面部12についても本体フレーム10の剛性が低減することが抑制される効果を有する。
【0044】
天面部11、第1の側面部12、及び第2の側面部13は同一の板材から構成されているので、その分、本体フレーム10を構成する部品の点数が抑制される。また、仮に天面部11、第1の側面部12、及び第2の側面部13がそれぞれ異なる板材から構成されている場合には、天面部11と第1の側面部12とを接合する、又は、天面部11と第1の側面部12とを固定部材で固定する等の作業が必要になる。しかし、本体フレーム10は同一の板材を曲げる作業で構成できるので、本体フレーム10の加工コストが抑制される。
【0045】
本体フレーム10は、放熱フィン35の長手方向の一方の端部側35aと、放熱フィン35の長手方向の他方の端部側35bと、が開放されている。日光等は本体フレーム10の開放されている部分に当たる。ここで、照明器具100の樹脂部品は仮想面L1に交差する位置に設けられている。仮想面L1は天面部11の一端部11Aの中点T1と天面部11の他端部11Bの中点T2とを通っている面である。このため、照明器具100の樹脂部品は天面部11の一端部11Aに平行な幅の中央の直下に位置することになる。つまり、照明器具100の樹脂部品は、放熱フィン35の長手方向の一方の端部側35aからも、放熱フィン35の長手方向の他方の端部側35bからも、遠い位置に設けられている。したがって、日光等は照明器具100の樹脂部品にまでは届きにくい。このため、照明器具100の樹脂部品が劣化してしまうことがより抑制される。
【0046】
天面部11の一端部11Aに平行な幅は、天面部11と第2の面S2との間の距離の2倍以上である。このため、図6に示すように、本体フレーム10は仮想面L2と仮想面L3との間の角度範囲の日光が放熱板34上の樹脂部品にあたることを防ぐことができる。つまり、日光等は照明器具100の樹脂部品にまではより届きにくくなっている。このため、照明器具100の樹脂部品が劣化してしまうことがより抑制される。
【0047】
照明器具100はケーブルグランド31を備えている。このため、カバー50内の空間に埃及び水等が侵入してしまうことが防止される。また、給電線33に張力がかかること、及び、給電線33に振動が加わることが抑制される。照明器具100は内圧調整弁32を備えている。このため、カバー50内の空間に埃及び水等が侵入してしまうことが防止される。また、カバー50の外側の空間の圧力である外気圧とカバー50の内側の空間の圧力である内気圧との差が増大してしまうことを抑制することができる。
【0048】
放熱フィン35が方向Dr2に例えば直交して設けられていると、放熱フィン35の隙間35Aは第1の側面部12及び第2の側面部13によって遮られてしまう。したがって、放熱フィン35が方向Dr2に例えば直交して設けられていると、ヒートシンク30の放熱効率が低下してしまう。照明器具100の放熱フィン35は第1の側面部12に平行に設けられている。これにより、図9に示すように、空気Airが放熱フィン35の隙間35Aを通過しやすくなっている。したがって、ヒートシンク30における放熱は効率的に促される。
【0049】
<変形例>
図10は、実施の形態に係る照明器具100の変形例(照明器具101)である。図11は、照明器具101が備えるヒートシンク130の斜視図である。図12は、照明器具101が備えるヒートシンク130の上面視図である。変形例では実施の形態に係る照明器具100との相違する部分を中心に説明し、共通する部分については説明を省略する。
【0050】
照明器具100はCOB(chip on board)タイプのLED40Aを4つ備えていたが、照明器具101はLED40Aを6つ備えている。つまり、照明器具101は3つのLED40Aを並べた構成を2列備えることにより、照明器具101の明るさすなわち定格光束は照明器具100の定格光束よりも大きくなっている。なお、LED40Aの列方向すなわち3つのLED40Aが並ぶ方向は方向Dr2に平行である。このため、実施の形態に係る照明器具100のヒートシンク30の放熱板34は正方形状であったが、照明器具101のヒートシンク130の放熱板134は長方形状となっている。また、カバー150の方向Dr2に平行な幅が、実施の形態に係る照明器具100のカバー50の方向Dr2に平行な幅よりも長くなっている。また、放熱フィン135の方向Dr2に平行な幅が、実施の形態に係る照明器具100の放熱フィン35の方向Dr2に平行な幅よりも長くなっている。
【0051】
ここで、図12に示すように、放熱板134の開口部Op1及び放熱板134の開口部Op2は、第1の縁部S21の中点P1と第2の縁部S22の中点P2とを結ぶ仮想線CL上に設けられていない。放熱板134の開口部Op1及び放熱板134の開口部Op2は、仮想線CLに平行であり、仮想線CLよりも放熱フィン135の一方の端部側35aに位置する仮想線CL2上に設けられている。放熱板134の仮想線CLの直下にはLED40Aが配置されているため、ケーブルグランド31等の樹脂部品を配置すると、樹脂部品とLED40Aとが干渉してしまうためである。つまり、変形例において、放熱板134の開口部Op1及び放熱板134の開口部Op2が仮想線CLからずれた位置に形成し、樹脂部品とLED40Aとが干渉することを回避している。
【0052】
本体フレーム110が放熱板134に固定された状態において、本体フレーム110の方向Dr2に平行な幅の中央が仮想線CLの位置に一致している。変形例においても、ケーブルグランド31及び内圧調整弁32は、天面部11と放熱板34との間に配置され、且つ、第1の側面部12と第2の側面部13との間に配置されている。したがって、変形例に係る照明器具101も、実施の形態に係る照明器具100と同様の効果を有する。また、変形例に係る照明器具101は実施の形態100の本体フレーム10に対し、放熱板134に合わせて寸法を変更させた本体フレーム110を備えている。つまり、本体フレーム110は、折り曲げ部15及び突出部16を備えていることから、正方形状である放熱板34に適用した本体フレーム10と同様に強度及び剛性が向上しており、耐振動性も向上している。
【符号の説明】
【0053】
10 本体フレーム、11 天面部、11A 一端部、11B 他端部、11C サドル、12 第1の側面部、12A 第1の固定端部、12B 第1の裾状部、12a 本体、13 第2の側面部、13A 第2の固定端部、13B 第2の裾状部、13a 本体、13a1 孔、13a2 下部、15 折り曲げ部、16 突出部、20A アーム、20A1 引掛部、20A2 固定面部、20A3 取付面部、20B アーム、20B1 引掛部、20B2 固定面部、20B3 取付面部、30 ヒートシンク、31 ケーブルグランド、32 内圧調整弁、33 給電線、34 放熱板、35 放熱フィン、35A 隙間、35a 端部側、35b 端部側、40 光源、40A LED、41 放熱シート、50 カバー、50A 縁部、51 リフレクタ、52 パッキン、60 固定部材、60A 固定部材、60B 固定部材、61 固定部材、62 固定部材、70 ワイヤ、70A リング部材、71 金具、100 照明器具、101 照明器具、110 本体フレーム、130 ヒートシンク、134 放熱板、135 放熱フィン、150 カバー、A 矢印、Air 空気、Ar 領域、B 矢印、CL 仮想線、CL2 仮想線、Dr1 方向、Dr2 方向、H 距離、L1 仮想面、L2 仮想面、L3 仮想面、Op1 開口部、Op2 開口部、P1 中点、P2 中点、P3 線分、P4 線分、P5 線分、Rg1 周縁部、Rg2 曲げ部、S1 第1の面、S2 第2の面、S21 第1の縁部、S22 第2の縁部、T1 中点、T2 中点、sn1 日光、sn2 日光、sn3 日光。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12