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特許7313550電子デバイス用の伸縮可能な信号経路構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-13
(45)【発行日】2023-07-24
(54)【発明の名称】電子デバイス用の伸縮可能な信号経路構造体
(51)【国際特許分類】
   D03D 15/533 20210101AFI20230714BHJP
   G06F 1/18 20060101ALI20230714BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20230714BHJP
   D03D 11/00 20060101ALI20230714BHJP
   D03D 15/283 20210101ALI20230714BHJP
   D03D 15/56 20210101ALI20230714BHJP
   D03D 15/25 20210101ALI20230714BHJP
   D03D 1/00 20060101ALI20230714BHJP
   A41D 31/00 20190101ALI20230714BHJP
【FI】
D03D15/533
G06F1/18 B
H05K1/02 J
H05K1/02 B
D03D11/00 Z
D03D15/283
D03D15/56
D03D15/25
D03D1/00 Z
A41D31/00 502Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2022518406
(86)(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-28
(86)【国際出願番号】 US2020051123
(87)【国際公開番号】W WO2021061475
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】62/904,774
(32)【優先日】2019-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/985,042
(32)【優先日】2020-08-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】グレナ, ベンジャミン, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス, ディディオ, ヴィー.
(72)【発明者】
【氏名】フーヴァー, ジョシュア, エー.
(72)【発明者】
【氏名】キム, セウル, ビ
(72)【発明者】
【氏名】カインドロン, デイヴィッド, エム.
(72)【発明者】
【氏名】ファム, ケヴィン, ティー.
(72)【発明者】
【氏名】ポダジニー, ダニエル, エー.
(72)【発明者】
【氏名】ローズ, ロバート, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンバーグ, アンドリュー, エル.
(72)【発明者】
【氏名】ティカンダー, ミッカ, オー.
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0124193(US,A1)
【文献】特公昭44-022544(JP,B2)
【文献】国際公開第2018/181641(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/037855(WO,A1)
【文献】特表平03-503397(JP,A)
【文献】実開昭61-098884(JP,U)
【文献】特表2016-516909(JP,A)
【文献】特開2011-241518(JP,A)
【文献】特開平11-302948(JP,A)
【文献】特開2018-16036(JP,A)
【文献】特開2020-67989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D03D 15/533
G06F 1/18
H05K 1/02
D03D 11/00
D03D 15/283
D03D 15/56
D03D 15/25
D03D 1/00
A41D 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファブリック信号経路であって、
伸縮可能なストランドを含む第1及び第2の外側ファブリック層と、
前記第1の外側ファブリック層と前記第2の外側ファブリック層との間に挿入されており、伸縮不能なストランドを含む第1及び第2の伸縮不能な内側ファブリック層と、
前記第1の外側ファブリック層と前記第2の外側ファブリック層との間に挿入された導電性ストランドであって、電流を伝達し、蛇行した経路に従う導電性ストランドと、
を備えるファブリック信号経路。
【請求項2】
前記導電性ストランドが前記第1及び第2の伸縮不能な内側ファブリック層と絡み合っている、請求項1に記載のファブリック信号経路。
【請求項3】
前記第1及び第2の外側ファブリック層が織られている、請求項1に記載のファブリック信号経路。
【請求項4】
前記伸縮可能なストランドが、スパンデックスとポリエステルとの組み合わせを含む、請求項1に記載のファブリック信号経路。
【請求項5】
前記第1の伸縮不能な内側ファブリック層の前記伸縮不能なストランドのうちの1つが、前記第1の外側ファブリック層と絡み合っている、請求項1に記載のファブリック信号経路。
【請求項6】
前記第2の伸縮不能な内側ファブリック層の前記伸縮不能なストランドのうちの1つが、前記第2の外側ファブリック層と絡み合っている、請求項5に記載のファブリック信号経路。
【請求項7】
前記導電性ストランドが、オーディオ信号、電力信号、及びデータ信号から成る群から選択された信号を伝達する、請求項1に記載のファブリック信号経路。
【請求項8】
前記ファブリック信号経路が、伸張されていない長さと、前記伸張されていない長さの2倍である伸張された長さとを有する、請求項1に記載のファブリック信号経路。
【請求項9】
前記導電性信号経路が、前記第1及び第2の伸縮不能な内側ファブリック層上にフロートを有する、請求項1に記載のファブリック信号経路。
【請求項10】
前記フロートが、前記第1の伸縮不能な内側ファブリック層上の第1のフロートと、前記第2の伸縮不能な内側ファブリック層上の第2のフロートとを含み、前記第1のフロートは、前記導電性ストランドが前記第1の伸縮不能な内側ファブリック層と前記第2の伸縮不能な内側ファブリック層との間で自身にターンバックするように前記第2のフロートと少なくとも部分的に重なる、請求項9に記載のファブリック信号経路。
【請求項11】
ファブリックであって、
弾性ストランドを含む第1及び第2の織布層と、
前記第1の織布層と前記第2の織布層との間に挿入された第3の織布層であって、前記第3の織布層は、伸縮不能であり、前記第1の織布層と絡み合っている非弾性ストランドを有する第3の織布層と、
前記第1の織布層と前記第2の織布層との間に挿入された金属ストランドであって、電流を伝達し、前記第3の織布層と絡み合っている金属ストランドと、
を備えるファブリック。
【請求項12】
前記第3の織布層と前記第2の織布層との間に介在された第4の織布層をさらに備える、請求項11に記載のファブリック。
【請求項13】
前記金属ストランドが、前記第3の織布層と絡み合っている、請求項12に記載のファブリック。
【請求項14】
前記金属ストランドが、前記第3の織布層上に第1のフロートと、前記第1のフロートと少なくとも部分的に重なる前記第4の織布層上の第2のフロートとを有する、請求項13に記載のファブリック。
【請求項15】
前記金属ストランドが銅リッツワイヤを含む、請求項11に記載のファブリック。
【請求項16】
伸縮可能なファブリックケーブルであって、
第1の材料の絡み合ったストランドを含む第1及び第2の外側ファブリック層と、
前記第1の材料とは異なる第2の材料の絡み合ったストランドを含む、伸縮不能な内側ファブリック層と、
電気信号を伝達し、前記第1の外側ファブリック層と前記第2の外側ファブリック層との間に介在する絶縁金属ワイヤであって、前記伸縮不能な内側ファブリック層と絡み合って波状の形を有する、絶縁金属ワイヤと、
を備える、伸縮可能なファブリックケーブル。
【請求項17】
前記第1の材料の前記絡み合ったストランドが、縦糸ストランド及び横糸ストランドを含み、前記絶縁金属ワイヤが、前記縦糸ストランドと同じ方向に延在する、請求項16に記載の伸縮可能なファブリックケーブル。
【請求項18】
前記第1の材料が、前記第2の材料よりも弾性がある、請求項16に記載の伸縮可能なファブリックケーブル。
【請求項19】
前記絶縁金属ワイヤが、前記伸縮不能な内側ファブリック層上にフロートを有する、請求項16に記載の伸縮可能なファブリックケーブル。
【請求項20】
前記第2の材料の前記絡み合ったストランドの少なくとも一部が、前記第1の外側ファブリック層と絡み合っている、請求項16に記載の伸縮可能なファブリックケーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年8月4日に出願された米国特許出願第16/985,042号、及び2019年9月24日に出願された米国仮特許出願第62/904,774号に対する優先権を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれている。
本出願は、概して電子デバイスに関し、より具体的には、電子デバイス用の伸縮可能な信号経路構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子デバイスは、相互に移動し、プリント回路上の信号線を使用して、又はケーブル内の導電性ワイヤを使用して相互接続される構成要素を含み得る。例えば、一対のヘッドホンは、電子デバイスに結合するケーブルを含み得る。ラップトップは、ヒンジによって結合されたベースハウジングとディスプレイハウジングとの間で信号をルーティングするフレキシブルプリント回路を含むことができる。
【0003】
相互に移動する構成要素間に信号経路を提供することは困難となり得る。注意を怠ると、信号経路の弾力性が不足したり、繰り返し使用すると損傷したりする可能性があり、及び/又は電子デバイスの動きが制限され得る。
【発明の概要】
【0004】
リストウォッチ、オーディオケーブル、又はその他の電子デバイスなどの電子デバイスは、1つ以上の伸縮可能なファブリック信号経路を含み得る。伸縮可能なファブリック信号経路は、第1の外側ファブリック層と第2の外側ファブリック層との間に位置する1つ以上の導電性ストランドを含み得る。外側ファブリック層は、弾性材料の絡み合ったストランドから形成することができる。導電性ストランドは、伸縮可能なファブリック信号経路の延伸に適応するように波状の形状を有し得る。
【0005】
1つ以上の内側ファブリック層は、外側の伸縮可能なファブリック層の間に位置し得る。内側ファブリック層は、非弾性材料の絡み合ったストランドから形成することができる。内側ファブリック層は、伸縮可能なファブリック信号経路が伸縮するときに外側ファブリック層と絡み合って導電性ストランドの形状を維持するためのアンカーポイントとして機能するストランドを有し得る。外側ファブリック層及び内側ファブリック層は、織られていてもよい。導電性ストランドは、オーディオ信号、電力信号、データ信号、又は他の適切な信号などの電気信号を伝達することができる。
【0006】
導電性ストランドは、内側ファブリック層上にフロートを形成し得る。いくつかの構成では、第1の内側ファブリック層上の第1のフロートは、第2の内側ファブリック層上の第2のフロートと少なくとも部分的に重なっていてもよい。このようにして重なり合うフロートを作成するために、導電性ストランドは、第1の内側ファブリック層と第2の内側ファブリック層との間で導電性ストランドにターンバックすることができる。これらのターンをするのに必要な導電性ストランドの追加の長さは、導電性ストランドが伸びることができる量を増やすのに役立ち得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る、伸縮可能なファブリック信号経路を含むことができるタイプの例示的な電子機器の概略図である。
【0008】
図2】一実施形態に係る、伸縮可能なファブリック信号経路を含み得る一対のヘッドホンなどの例示的な電子デバイスの正面図である。
【0009】
図3】一実施形態に係る、伸縮可能なファブリック信号経路を含み得るシートなどの例示的なアイテムの斜視図である。
【0010】
図4】一実施形態に係る、伸縮可能な信号経路を含み得るリストウォッチなどの例示的な電子デバイスの上面図である。
【0011】
図5】一実施形態に係る、例示的な伸縮可能なファブリック信号経路の断面側面図である。
【0012】
図6】一実施形態による、延伸されていない構成の例示的なファブリック層の断面側面図である。
【0013】
図7】一実施形態による、延伸された構成での図6のファブリック層の断面側面図である。
【0014】
図8】一実施形態に係る、弾性ストランド、非弾性ストランド、及び1つ以上の導電性ストランドを有する例示的な伸縮可能なファブリック信号経路の断面側面図である。
図9】一実施形態に係る、弾性ストランド、非弾性ストランド、及び1つ以上の導電性ストランドを有する例示的な伸縮可能なファブリック信号経路の断面側面図である。
図10】一実施形態に係る、弾性ストランド、非弾性ストランド、及び1つ以上の導電性ストランドを有する例示的な伸縮可能なファブリック信号経路の断面側面図である。
図11】一実施形態に係る、弾性ストランド、非弾性ストランド、及び1つ以上の導電性ストランドを有する例示的な伸縮可能なファブリック信号経路の断面側面図である。
【0015】
図12】一実施形態に係る、伸縮可能なファブリック信号経路がその長さに沿って伸縮することができる方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1に、伸縮可能なファブリック信号経路構造を備えることができる例示的な電子機器の概略図を示す。図1の電子デバイス10及び電子デバイス10’は、独立して動作させることもできるし、互いに結合させることもできる。デバイス10及び/又はデバイス10’などのデバイスは、ラップトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータ用モニタ、タブレットコンピュータ、セルラー電話、メディアプレーヤ、又は他のハンドヘルド若しくはポータブル電子デバイスなどのコンピューティングデバイス、リストウォッチ型デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドホン型若しくはイヤホン型デバイス、眼鏡に埋め込まれたデバイス若しくはユーザの頭部に装着する他の機器、又は他の着用可能な若しくはミニチュアデバイス、テレビ、組み込み型コンピュータを含まないコンピュータ用ディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、ディスプレイを有する電子デバイスをキオスク若しくは自動車に搭載するシステムなどの組み込みシステム、ケース、バッグ、時計バンド、又はこれらのデバイスのうちの1つ若しくは他の機器とともに動作する他のアクセサリ、これらのデバイスのうちの2つ以上の機能を実装する機器、又は他の電子デバイス、であってもよい。一例として、デバイス10は、セルラー電話又はメディアプレーヤなどのポータブルデバイスであってもよく、デバイス10’は、カバー(時にケース又はエンクロージャと呼ばれる)などのアクセサリであってもよい。所望であれば、他の構成をデバイス10及び/又はデバイス10’に使用することができる。図1の実施例は、単なる例示に過ぎない。
【0017】
電子デバイス10は、制御回路12を有することができる。制御回路12は、デバイス10の動作をサポートする、記憶及び処理回路を含んでもよい。記憶及び処理回路は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又はソリッドステートドライブを形成するように構成された他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的なランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含むことができる。制御回路12内の処理回路を使用してデバイス10の動作を制御することができる。処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、特定用途向け集積回路などに基づいてもよい。
【0018】
入出力デバイス14などのデバイス10内の入出力回路を使用して、データをデバイス10へ供給することを可能にしてもよく、データをデバイス10から外部デバイスへ提供することを可能にしてもよい。入出力デバイス14は、ディスプレイ、ボタン、ジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイク及びスピーカなどの音声構成要素、音源、バイブレータ、カメラ、センサ、発光ダイオード及び他のステータスインジケータ、データポートなど、を含むことができる。デバイス14内の無線回路は、無線周波数無線信号を送受信するために使用することができる。無線回路は、無線ローカルエリアネットワーク帯域、セルラー電話帯域、及び他の無線通信帯域で動作する、アンテナ並びに無線周波数送受信機を含むことができる。
【0019】
ユーザは、入出力デバイス14を通じてコマンドを供給することによってデバイス10の動作を制御することができ、また、入出力デバイス14の出力リソースを使用して、デバイス10から状態情報及びその他の出力を受け取ることができる。制御回路12が使用されて、オペレーティングシステムコード及びアプリケーションなどのソフトウェアをデバイス10上で実行することができる。デバイス10の動作中、制御回路12上で実行されるソフトウェアは、入出力デバイス14を使用してユーザ入力及び他の入力を収集し、ユーザに視覚出力、音声出力、及び他の出力を提供することができる。
【0020】
デバイス10’は、デバイス10と同じ回路を含むことができ、及び/又は異なる回路を含むことができる。デバイス10及び10’は、それぞれの接続16及び16’と、経路18などの信号経路とを含むことができる。接続16及び16’は、はんだ、導電性接着剤、溶接、コネクタ、並びに/又は電気的及び/若しくは機械的構造を形成するための他の構造を使用して、形成してもよい。経路18は、デバイス10と10’との間で入出力情報を共有するために使用することができる。経路18などの経路の一部は、デバイス10及び/又は10’に含まれてもよい。いくつかの構成では、経路18の全体は、電子デバイス10の一部であってもよく、及び/又は電子デバイス10’の一部であってもよい。
【0021】
デバイス10及び10’などデバイスは、一緒に使用することができる。例えば、デバイス10’内の入出力デバイスの入力リソースを使用して、ユーザからの入力を収集することができる。次いで、このユーザ入力を、信号経路18を介してデバイス10に伝送して、デバイス10の動作を制御する際に使用することができる。例えば、デバイス10’がキーボードを含む場合、ユーザは、デバイス10’へのキープレス入力を、経路18(例えば、デバイス10’とは別個の、及び/又はデバイス10’内に含まれる経路)を介して伝送して、デバイス10に供給することができる。デバイス10はまた、デバイス10’のリソースを使用してユーザに出力を提供することもできる。例えば、デバイス10は、特定の発光ダイオード又は他のステータスインジケータをオン又はオフにするようデバイス10’に命令する、又は他の視覚及び/若しくは音声出力をユーザに提供するようデバイス10’に命令する出力を、経路18を介してデバイス10’に供給することができる。
【0022】
デバイス10と10’との間の信号経路及びデバイス10と10’の内部に含まれる信号経路18の一部は、伸縮可能なファブリック層から形成することができる。これらのファブリック層は、信号経路18の長さが伸縮することを可能にし、デバイス10及び/又は10’を構成する構造内の屈曲(例えば、強い屈曲)に対応し得る。
【0023】
例えば、伸縮可能なファブリック信号経路18は、ストランド20のような材料の絡み合ったストランドを有するファブリック50を含み得る。いくつかの構成では、ストランド20は、第1の次元に沿って延在する縦糸ストランド42及び第1の次元に直交する第2の次元に沿って延在する横糸ストランド40を含む。ストランド20は、単一フィラメントストランド(繊維又はモノフィラメントと呼ばれることもある)であってもよく、材料の複数のフィラメント(複数のモノフィラメント)を一緒に絡み合わせることによって形成された糸又は他のストランドであってもよく、又は他のタイプのストランド(例えば、ガス又は液体などの流体を担持するチューブ)であってもよい。ストランドは、押出モノフィラメントなどの押出ストランド及び複数の押出モノフィラメントから形成された糸を含み得る。ファブリック12用のモノフィラメントは、ポリマーモノフィラメント及び/又は他の絶縁モノフィラメントを含み得、及び/又は裸ワイヤ及び/又は絶縁ワイヤを含み得る。金属コーティングと、3つ以上の層(コア、中間層、及びそれぞれが絶縁及び/又は導電性であり得る1つ以上の外層)から形成されたモノフィラメントとを有するポリマーコアから形成されたモノフィラメントも使用され得る。
【0024】
ファブリック50内のストランド20は、ポリマー、金属、ガラス、黒鉛、セラミック、綿若しくは竹などの天然材料、又は他の有機及び/若しくは無機材料並びにこれらの材料の組み合わせから形成されてもよい。金属コーティングなどの導電コーティングを、非導電性の材料上に形成してもよい。例えば、ファブリック12内のプラスチック糸及びモノフィラメントは、金属でコーティングされて、導電性とすることができる。金属コーティングなどの反射コーティングを適用して、糸及びモノフィラメントを反射性にすることができる。糸は、(例として)絶縁モノフィラメントと絡み合った裸の金属ワイヤ又は金属ワイヤの束から形成することができる。
【0025】
ストランド20は、製織機器、編み機器、又は編組装置などの絡合装置を使用して、ファブリック50を形成するように絡み合わされてもよい。絡み合ったストランドは、例えば、織布、ニット布、編組布などを形成することができ、導電性ストランド及び絶縁ストランドは、織られ、編まれ、ブレイズにされ、又は別の方法で絡み合わされて、電気部品の接触パッドなどのデバイス10内の導電性構造に電気的に結合され得る接触パッドを形成し得る。電気部品のコンタクトはまた、導電性糸又はモノフィラメントの長さに沿って露出した金属セグメントに直接結合され得る。
【0026】
導電性及び絶縁ストランドはまた、織られるか、編まれるか、又は別の方法で絡み合わされて導電性経路を形成することができる。導電性経路は、信号経路(例えば、信号バス、電力線など)を形成する際に使用されてもよく、容量性タッチセンサ電極、抵抗タッチセンサ電極、又は他の入出力デバイスの一部を形成する際に使用されてもよく、又は他のパターン化導電性構造を形成する際に使用されてもよい。ファブリック50の導電性ストランドなどの導電性構造は、電力信号、デジタル信号、アナログ信号、センサ信号、制御信号、データ、入力信号、出力信号、又は他の適切な電気信号を搬送する際に使用され得る。
【0027】
ファブリック50は、例えば、デバイス10及び/又はデバイス10’内の電気部品に結合された材料の導電性ストランドを含み得る。導電性ストランドは、デバイス10と10’との間で信号を運ぶ信号経路、及び/又はデバイス10内の構成要素間及び/又はデバイス10’内の構成要素間で信号を運ぶ信号経路として機能し得る。
【0028】
図2に、伸縮可能なファブリック信号経路を備え得る例示的な電子デバイスのタイプの例を示す。図2に示すように、デバイス10は、一対のオーディオヘッドホンであり得る。デバイス10は、伸縮可能なファブリックケーブル18などの伸縮可能なケーブルを含み得る。イヤホン22(例えば、各々が1つ以上のスピーカを含むイヤホン)は、ケーブル18の右側及び左側の分岐の端部に取り付けられ得る。ケーブル18の端部は、オーディオコネクタ(プラグ)16によって終端され得る。コネクタ16は、例えば、メディアプレーヤ、セルラー電話、携帯型コンピュータ、又は他の電子デバイスの対応する3.5mmオーディオジャックと嵌合する3.5mmオーディオプラグであり得る。伸縮可能なファブリック信号経路18は、イヤホン22及びコネクタ16内のスピーカと他の電子部品との間の信号(例えば、音声信号、電力信号、グラウンド信号など)を伝達するために使用され得る。
【0029】
図3は、伸縮可能なファブリック信号経路を有する例示的なシートの斜視図である。図3に示すように、伸縮可能なファブリック信号経路18は、シート10の屈曲部及び輪郭に従う。伸縮可能なファブリック信号経路18は、制御回路と入出力回路との間、又は図3のシート10内の他の構成要素間で信号を伝達するために使用され得る。
【0030】
図4は、伸縮可能なファブリック信号経路を有し得る別の例示的な電子デバイスの上面図である。図4に示すように、デバイス10は、ディスプレイ26などのディスプレイと、ハウジング24などのハウジングの前面上に取付けられた他の電子構成要素を有することができる。デバイス10は、ユーザの手首、腕、脚、頭、胴体、又は他の身体部分に取り付けられるデバイスのような携帯型電子デバイスであり得る。デバイス10は、例えば、リストウォッチなどの手首装着型デバイス、健康監視デバイス、メディアプレーヤ、無線キー、又はこれらのデバイス若しくは他の適切なデバイスのうちの2つ以上の機能を含む他の電子デバイス及び/又は機器であり得る。ハウジング24(例えば、デバイス10がリストウォッチであるシナリオのリストウォッチハウジング)は、金属、セラミック、プラスチック、ガラス、サファイア、又は他の結晶材料、及び/又は他の適切な材料から形成され得る。ハウジング24は、長方形の外形を有してもよく、楕円形又は円形の形状を有してもよく、又は他の好適な形状を有してもよい。ディスプレイ26は、液晶ディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、又は他の適切なディスプレイであってもよい。
【0031】
ストラップ30は、ハウジング24の互いに反対側にある側面に取り付けられた部分を有し得る。ストラップ30は、(一例として)ハウジング24の外部に取り付けられたピン又は他の構造体に結合され得る。面ファスナー又は他の好適な留め金から形成された留め金を使用して、ストラップ30をユーザの手首又は他の身体部分の周りに固定することができる。
【0032】
ストラップ30は、一緒に織られた材料のストランドを含み得る。ストラップ30を形成するために織られている材料のストランドは、モノフィラメント及び/又はマルチフィラメント糸であってもよい。ストラップ30は、絶縁材料ストランド及び/又は導電性材料ストランドを含むことができる。絶縁ストランドは、ポリマーなどの誘電材料から形成されてもよい。導電性ストランドは、金属ワイヤから形成されてもよく、又はポリマーコア或いは他のポリマー層上の金属層などの材料の1つ以上の導電層から形成されてもよい。導電性ストランドはまた、導電性フィラメントを絶縁フィラメントと混合することによって形成され得る。導電性ストランドは、絶縁コーティングを有し得る。
【0033】
必要に応じて、ストラップ30は、構成要素32などの電気部品を含み得る。構成要素32は、センサ、ボタン、発光ダイオード、電池、アンテナ、集積回路、振動器、及び他のアクチュエータ、並びに/又は他の入出力デバイスを含み得る。ストランド20は、ストラップ30内の構成要素32間で、及びストラップ30内の構成要素32などの構成要素とハウジング24内の回路との間で、電力及びデータ信号をルーティングするための導電性ストランドを含み得る。
【0034】
図5は、例示的な伸縮可能なファブリック信号経路の断面側面図である。図5に示すように、伸縮可能なファブリック信号経路18は、ファブリック50を含み得る。ファブリック50は、外側ファブリック層34などの1つ以上の外側ファブリック層及び導電性ストランド36などの1つ以上の導電性ストランドを含み得る。導電性ストランド36は、外側ファブリック層34の間に介在され得る。いくつかの構成では、外側ファブリック層34は、(例えば、介在するファブリック層を使用して、2つのファブリック層の間を通過する個々のストランドを使用して、ステッチングを使用して、接着剤を使用して、及び/又は他の取り付け技術を使用して)一緒に結合される2つのファブリック層である。他の構成では、外側ファブリック層34は、同じファブリック片の異なる部分である。図5は、外層34間の間隙を示す。所望であれば、外層34は、互いに接触していてもよい(例えば、間隙によって分離されなくてもよい)。
【0035】
導電性ストランド36などの経路18内の導電性ストランドは、電流(例えば、電気信号)を伝達するために使用され得、金属ワイヤ(例えば、銅、銀、銀-銅合金、又は他の好適な金属から形成されたワイヤ)から形成され得るか、又はポリマーコア或いは他のポリマー層上の金属層などの材料の1つ以上の導電層から形成され得る。導電性ストランドは、一緒に織られるか又は撚り合わされた複数の薄いワイヤストランド(例えば、リッツワイヤ)を含み得る。導電性ストランドはまた、導電性フィラメントを絶縁フィラメントと混合することによって形成され得る。導電性ストランドは、絶縁コーティングを有し得る。
【0036】
図5に示すように、導電性ストランド36は、外側層34間のファブリック50内に配置されてもよく、蛇行した経路を辿ってもよい。導電性ストランド36の波状の形状は、導電性ストランド36がファブリック50の伸張に耐えることを可能にする。しかしながら、これは単なる例示である。所望であれば、導電性ストランド36は、他の形状(例えば、異なる形状又はサイズの屈曲部を有する形状など)を有してもよい。例えば、ファブリック50が編組布である配置では、導電性ストランド36は、ばね形状を有し得る。ファブリック50は、織布、ニット布、編組布、又は他の好適なファブリックであり得る。信号経路18の伸張を可能にするために、ファブリック50の外層34を伸縮可能なファブリック(例えば、弾性材料のストランドを含むファブリック)から形成することができる。
【0037】
所望であれば、ファブリック50は、伸縮不能なファブリック層54などの1つ以上の伸縮不能な層を含むことができる。伸縮不能なファブリック層54は、非弾性ストランド(例えば、ポリエステルのストランド又は比較的低い弾性を有する他の好適な材料)から形成され得る。伸縮不能なファブリック層54は、伸縮性を有していなくてもよく、又はわずかな伸縮性を有してもよい(例えば、外側ファブリック層34よりも伸縮性が少ない)。伸縮不能なファブリック層54は、導電性ストランド36と絡み合っており、また伸縮可能なファブリック層34のストランドと絡み合っているストランドを有してもよい。伸縮不能なファブリック層54が伸縮可能なファブリック層34と絡み合っている場所は、導電性ストランド36がその長さに沿って伸縮することを可能にしながら、ファブリック50内の導電性ストランド36の形状を維持するのを助けるアンカーとして機能し得る。
【0038】
図6は、経路18などの伸縮可能なファブリック信号経路に使用され得る例示的な伸縮可能なファブリック層の断面側面図である。図6のファブリック50は、例えば、図5の外層34を形成するために使用されてもよく、及び/又はファブリック50内の他の層を形成するために使用されてもよい。ファブリック50は、横糸ストランド40及び縦糸ストランド42などのストランド20を有する。縦糸ストランド42のいくつか又は全て(及び必要に応じて、横糸ストランド40の一部又は全部)は、伸縮可能なポリウレタン、スパンデックス、シリコーン、他の材料、又はこれらの材料の任意の2つ以上の組み合わせ(例えば、スパンデックスとポリエステルの組み合わせ)などの伸縮可能な材料から形成され得る。伸縮可能な縦糸ストランド42の存在により、図7に示すように、ファブリック50は方向38に引っ張られた時に伸張することができる。縦糸ストランド42などの伸縮可能なストランドは、ユーザの手首の周りに(例えば、可撓性ファブリック信号経路18が図4のストラップ30などの手首ストラップを形成する配置で)配向され得る。これにより、ユーザは、ユーザの手首又は他の身体部分の周りにストラップ30をしっかりと伸ばすことができる(例えば、十分な心拍数モニタ信号がデバイス10の心拍数モニタによって確実に取得されるように)。所望であれば、ファブリック50は、材料の伸縮不能なストランド(例えば、ポリエステルなど)を含むことができる。材料の伸縮不能なストランドは、例えば、強度及び/又は構造を有する可撓性ファブリック信号経路18を提供するために使用され得る。
【0039】
伸縮可能なファブリック信号経路の例示的な例を図8図9図10、及び図11に示す。
【0040】
図8に示すように、ファブリック50は、ファブリック層50-1、50-2、50-3、及び50-4などの1つ以上のファブリック層を含み得る。ファブリック50における4つの層の使用は、単なる例示である。所望であれば、ファブリック50は、4つより多い又は少ないファブリック層を含み得る。ファブリック層50-1は、絡み合った横糸ストランド40及び縦糸ストランド42-1から形成され得る。ファブリック層50-2は、絡み合った横糸ストランド40及び縦糸ストランド42-2から形成され得る。ファブリック層50-3は、絡み合った横糸ストランド40及び縦糸ストランド42-3から形成され得る。ファブリック層50-4は、絡み合った横糸ストランド40及び縦糸ストランド42-4から形成され得る。
【0041】
層50-1及び50-4などの外側ファブリック層は、伸縮可能なファブリック層(例えば、図6及び図7に示されるタイプの伸縮可能なファブリック層)であり得、図5の外側ファブリック層34を形成するために使用され得る。例えば、ファブリック層50-1の縦糸ストランド42-1(及び所望であれば、横糸ストランド40)及びファブリック層50-4の縦糸ストランド42-4(及び所望であれば、横糸ストランド40)は、ポリウレタン、スパンデックス、シリコーン、又は他の適切な材料などの弾性材料のストランドを含むことができる。
【0042】
層50-2及び50-3などの内側ファブリック層は、伸縮不能なファブリック層(例えば、伸縮性がほとんど又は全くない層)であり得、図5のファブリック層54を形成するために使用され得る。例えば、ファブリック層50-2の縦糸ストランド42-2(及び所望であれば、横糸ストランド40)及びファブリック層50-3の縦糸ストランド42-3(及び所望であれば、横糸ストランド40)は、ポリエステルなどの非弾性材料又は他の好適な材料のストランドを含み得る。
【0043】
図8に示すように、導電性ストランド36は、ファブリック層50-1と50-4との間に挿入されている、ストランド36がファブリック50の伸張に耐えられるように蛇行した経路に従う。導電性ストランド36は、内側ファブリック層50-2及び50-3などのファブリック50の層と絡み合っていても(例えば、織り込まれていても)よい。特に、導電性ストランド36は、縦糸方向に延在し得、層50-2及び50-3の横糸ストランド40の上及び下を通過することができる。しかしながら、これは単なる例示である。所望であれば、導電性ストランド36は、横糸方向に延在し得る。
【0044】
所望であれば、導電性ストランド36は、隣接する層に移動する前に1つの層の単一の横糸ストランド40を通過するのみであってもよく、又は導電性ストランド36は、隣接する層に移動する前に、1つの層の2つ以上の隣接する横糸ストランド40上にフロートしてもよい。例えば、図8に示すように、導電性ストランド36は、層50-2の3つの横糸ストランド40上にフロートし、次いで層50-3の3つの横糸ストランド40上にフロートし、次いで層50-2に戻り、層50-2の3つの横糸ストランド40上にフロートし、このパターンは、ファブリック50の長さに沿って繰り返され得る。所望であれば、導電性ストランド36は、各層において3つより多い又は少ない横糸ストランド40上にフロートしてもよい。
【0045】
図8の例では、層50-2上の導電性ストランド36のフロートは、層50-3上の導電性ストランド36のフロートと部分的に重なり合う。特に、層50-2上のフロート下の横糸ストランド40のうちの1つ以上は、層50-3上のフロート下で横糸ストランド40のうちの1つ以上に重なってもよい。層50-2上のフロートを層50-3上のフロートに少なくとも部分的に重ね合わせることによって、導電性ストランド36は、導電性ストランド36にターンバックするように追加の長さを必要とする(例えば、導電性ストランド36内のターン56を参照されたい)。ターン56に対応するこの追加の長さは、導電性ストランド36を延伸し得る量を増やすのに役立つ可能性がある。
【0046】
内側伸縮不能なファブリック層50-2及び50-3は、外側伸縮可能なファブリック層50-1及び50-4と絡み合ったストランドを有し得る。図8に示すように、例えば、層50-2の縦糸ストランド42-2のいくつかは、層50-2の横糸ストランド40の上を通過し得る。層50-3の縦糸ストランド42-3のいくつかは、層50-4の横糸ストランド40の上を通過し得る。内側ファブリック層の伸縮不能なストランドが伸縮可能な外側ファブリック層のストランドに結合される場所は、導電性ストランド36の所望の形状、構造、及び/又は位置を維持するのに役立つアンカーポイント44を形成し得る。特に、伸縮可能な信号経路18は、ファブリック50の長さLに沿って伸縮するため、アンカーポイント44は、導電性ストランド36がファブリック50内で束ねられるか、さもなければ不規則になるのを防止するのに役立ち得る。
【0047】
導電性ストランド36が3つの隣接する横糸ストランド40の上を通過するフロートを有する図8の例は、単なる例示である。図9の例では、導電性ストランド36は、2つの隣接する横糸ストランド40の上を通過する層50-2及び50-3上にフロートを有する。図9の例では、層50-2上のフロートは、層50-3上のフロートと重なり合ってないが、これは単なる例示である。必要に応じて、層50-2上のフロートは、導電性ストランド36が層50-2と50-3との間を通過するときに導電性ストランド36にターンバックするように、層50-3上のフロートと少なくとも部分的に重なり合うことができる(例えば、図8のターン56を参照)。
【0048】
図10は、導電性ストランド36が層50-2又は層50-3上にフロートを有しない例示的な例を示す。むしろ、導電性ストランド36は、層50-2の単一の横糸ストランド40上を通過し、次いで、層50-3の単一の横糸ストランド40の下を通過し、次いで反復パターンで層50-2に戻る。
【0049】
図11は、導電性ストランド36が1つのファブリックの層とのみ絡み合っている(例えば、織り合わされている)例示的な例を示す。図11に示すように、導電性ストランド36は、ファブリック層50-3の縦糸ストランド42-3及び横糸ストランド40とのみ絡み合っている。導電性ストランド36を外側ファブリック層50-1及び50-4に固定するのを助けるために、層50-3の縦糸ストランド42-3の一部を層50-1、50-2、及び/又は50-4と絡み合わせることができる。縦糸ストランド42-3が層50-1及び50-2のストランドと絡み合っている場所は、導電性ストランド36の形状を維持するためのアンカーポイント44を形成し得る。
【0050】
図12は、伸縮可能なファブリック信号経路18内のストランドの形状が、異なる伸縮量の下でどのように変化し得るかを示す図である。図12の上部では、信号経路18は、その最大長さL1に延伸される。次いで、図12は、図12の下部に示された最小長さL2に達するまで、信号経路18が次第に短い長さに収縮することを示す。いくつかの構成では、L1は、L2の長さの2倍であり得る(例えば、信号経路18は100%延伸が可能であり得る)。信号経路18が100%より大きい又は小さい伸縮性を有する構成も使用され得る。
【0051】
所望であれば、信号経路18のストランドは、信号経路18の形成中に伸張状態にあり得る。例えば、ファブリック50における異なる層の縦糸ストランド42は、それらの最大長さで織機上で延伸され得る(例えば、縦糸ストランド42は、最大張力下で保持され得る)。同様に、導電性ストランド36は、ファブリック50の層と絡み合っているので、織機上でその最大長さまで延伸され得る(例えば、真っ直ぐであり得る)。ファブリック50が完成して織機から取り外されると、ストランドは、図12の底部に示される形状に収縮し得る。内側及び外側ファブリック層が崩れると、アンカーポイント44(例えば、図8図9図10、及び図11に示されるタイプのアンカーポイント)内層を編成するのを助け、これは、導電性ストランド36(内層と絡み合っている)の所望の波状の形状を維持するのを助けることができる。
【0052】
上記のように、本技術の一態様は、入出力デバイスからの情報などの情報の収集及び使用である。本開示は、いくつかの例において、特定の人物を一意に特定する個人情報データ、又は特定の人物に連絡するか若しくはその所在を突き止めるために使用できる個人情報データを含むデータが収集され得ることを想到している。そのような個人情報データは、人口統計データ、位置ベースのデータ、電話番号、電子メールアドレス、ツイッターID、住所、ユーザの健康又はフィットネスレベル(例えば、バイタルサイン測定、服薬情報、運動情報)に関するデータ若しくは記録、誕生日、ユーザ名、パスワード、生体情報、又は任意の他の識別情報若しくは個人情報を含むことができる。
【0053】
本開示は、本技術におけるそのような個人情報の使用がユーザの利益になる使用であり得る点を認識するものである。例えば、よりユーザの興味を引く対象のコンテンツを配信するために、個人情報データが使用されてもよい。したがって、そのような個人情報データの使用によって、配信されるコンテンツをユーザが管理できるようになる。更に、ユーザに利益をもたらす個人情報データに関する他の使用も本開示によって意図されている。例えば、健康データ及びフィットネスデータは、ユーザの全般的なウェルネスについての洞察を提供するために使用することができ、又は、ウェルネスの目標を追求する技術を使用している個人への、積極的なフィードバックとして使用することもできる。
【0054】
本開示は、そのような個人情報データの収集、分析、開示、伝送、記憶、又は他の使用に関与するエンティティが、確固たるプライバシーポリシー及び/又はプライバシー慣行を遵守するものとなることを想到する。具体的には、そのようなエンティティは、個人情報データを秘密として厳重に保守するための、業界又は政府の要件を満たしているか又は上回るものとして一般に認識されている、プライバシーのポリシー及び慣行を実施し、一貫して使用するべきである。そのようなポリシーは、ユーザによって容易にアクセス可能とするべきであり、データの収集及び/又は使用が変化するにつれて更新されるべきである。ユーザからの個人情報は、そのエンティティの合法的かつ正当な使用のために収集されるべきであり、それらの合法的使用を除いては、共有又は販売されるべきではない。更には、そのような収集/共有は、ユーザに告知して同意を得た後に実施されるべきである。その上、そのようなエンティティは、そのような個人情報データへのアクセスを保護及び安全化し、個人情報データへのアクセス権を有する他者が、それらのプライバシーポリシー及び手順を忠実に守ることを保証するための、あらゆる必要な措置を講じることを考慮するべきである。更に、そのようなエンティティは、広く受け入れられているプライバシーポリシー及び慣行に対する自身の遵守を証明するために、サードパーティによる評価を自らが受けることができる。更には、ポリシー及び慣行は、収集及び/又はアクセスされる具体的な個人情報データのタイプに適合されるべきであり、また、管轄権固有の考慮事項を含めた、適用可能な法令及び規格に適合されるべきである。例えば、米国では、特定の健康データの収集又はそれに対するアクセスは、Health Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA)などの連邦法及び/又は州法によって統制され得るが、他の国の健康データは他の規制及びポリシーの支配下にあり得て、それに応じて取り扱われるべきである。それゆえ、各国において、異なる個人データのタイプに関して異なるプライバシー慣行が保たれるべきである。
【0055】
前述のことがらにも関わらず、本開示はまた、個人情報データの使用又は個人情報データへのアクセスを、ユーザが選択的に阻止する実施形態も想到する。すなわち、本開示は、そのような個人情報データへのアクセスを防止又は阻止するために、ハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素が提供され得ることを意図している。例えば、本技術は、ユーザが、サービスの登録中又はその後のいつでも、個人情報データの収集への参加の「オプトイン」又は「オプトアウト」を選択することを可能にするように構成することができる。別の実施例では、ユーザは、特定の種類のユーザデータを提供しないことを選択することができる。更に別の実施例では、ユーザは、ユーザ固有データが維持される時間の長さを制限することを選択することができる。「オプトイン」及び「オプトアウト」の選択肢を提供することに加えて、本開示は、個人情報のアクセス又は使用に関する通知を提供することを意図している。例えば、ユーザの個人情報データにアクセスすることとなるアプリケーション(「アプリ」)のダウンロード時にユーザに通知され、その後、個人情報データがアプリによってアクセスされる直前に再びユーザに注意してもよい。
【0056】
更には、本開示の意図は、個人情報データを、非意図的若しくは無許可アクセス又は使用の危険性を最小限に抑える方法で、管理及び処理するべきであるという点である。データの収集を制限し、データがもはや必要とされなくなると削除することにより、リスクを最小化することができる。加えて、かつ、特定の健康関連アプリケーションにおいて適用可能な場合、ユーザのプライバシーを保護するために、データの匿名化を使用することができる。匿名化は、必要に応じて、特定の識別子(例えば、生年月日など)を削除すること、記憶されたデータの量又は特異性を制御すること(例えば、位置データを、住所レベルではなく都市レベルで収集する)、データがどのように記憶されるかを制御すること(例えば、ユーザ間でデータを集約する)、及び/又は他の方法によって、容易にすることができる。
【0057】
それゆえ、本開示は、1つ以上の様々な開示された実施形態を実施するための、個人情報データを含み得る情報の使用を広範に網羅するものではあるが、本開示はまた、個人情報データにアクセスすることを必要とせずに、それらの様々な実施形態を実施することもまた可能であることを想到している。すなわち、本技術の様々な実施形態は、そのような個人情報データの全て又は一部分が欠如することにより、動作不可能にされるものではない。
【0058】
一実施形態によれば、伸縮可能なストランドを含む第1及び第2の外側ファブリック層、第1の外側ファブリック層と第2の外側ファブリック層との間に挿入されており、伸縮不能なストランドを含む第1及び第2の内側ファブリック層、及び第1の外側ファブリック層と第2の外側ファブリック層との間に挿入された導電性ストランドを含むファブリック信号経路が提供され、導電性ストランドは、電流を伝達し、蛇行した経路に従う。
【0059】
別の実施形態によれば、導電性ストランドは、第1及び第2の内側ファブリック層と絡み合っている。
【0060】
別の実施形態によれば、第1及び第2の外側ファブリック層は、織られている。
【0061】
別の実施形態によれば、伸縮可能なストランドは、スパンデックスとポリエステルとの組み合わせを含む。
【0062】
別の実施形態によれば、第1の内側ファブリック層の伸縮不能なストランドのうちの1つは、第1の外側ファブリック層と絡み合っている。
【0063】
別の実施形態によれば、第2の内側ファブリック層の伸縮不能なストランドのうちの1つは、第2の外側ファブリック層と絡み合っている。
【0064】
別の実施形態によれば、導電性ストランドは、オーディオ信号、電力信号、及びデータ信号からなる群から選択された信号を伝達する。
【0065】
別の実施形態によれば、ファブリック信号経路は、伸張されていない長さ及び伸張されていない長さの2倍の伸張された長さを有する。
【0066】
別の実施形態によれば、導電性信号経路は、第1及び第2の内側ファブリック層上にフロートを有する。
【0067】
別の実施形態によれば、フロートは、第1の内側ファブリック層上の第1のフロートと、第2の内側ファブリック層上の第2のフロートとを含み、第1のフロートは、導電性ストランドが第1の内側ファブリック層と第2の内側ファブリック層との間で導電性ストランドにターンバックするように、第2のフロートに少なくとも部分的に重なり合う。
【0068】
一実施形態によれば、弾性ストランドを含む第1の織布層と第2の織布層と、第1の織布層と第2の織布層との間に挿入されており、第1の織布層と絡み合っている非弾性ストランドを有する、第3の織布層と、第1の織布層と第2の織布層との間に挿入された金属ストランドと、を含むファブリックが提供され、金属ストランドは、電流を伝達し、第3の織布層と絡み合っている。
【0069】
別の実施形態によれば、ファブリックは、第3の織布層と第2の織布層との間に挿入された第4の織布層を含む。
【0070】
別の実施形態によれば、金属ストランドは、第3の織布層と絡み合っている。
【0071】
別の実施形態によれば、金属ストランドは、第3の織布層上に第1のフロートを有し、第1のフロートと少なくとも部分的に重なる第4の織布層上に第2のフロートを有する。
【0072】
別の実施形態によれば、金属ストランドは銅リッツワイヤを含む。
【0073】
別の実施形態によれば、第1の材料の絡み合ったストランドを含む第1及び第2の外側ファブリック層と、第1の材料とは異なる第2の材料の絡み合ったストランドを含む内側ファブリック層と、電気信号を伝達し、第1の外側ファブリック層と第2の外側ファブリック層との間に挿入された絶縁金属ワイヤと、を含む伸縮可能なファブリックケーブルが提供され、絶縁金属ワイヤは、内側ファブリック層と絡み合っており波状の形状を有している。
【0074】
別の実施形態によれば、第1の材料の絡み合ったストランドは、縦糸及び横糸ストランドを含み、絶縁金属ワイヤは、縦糸ストランドと同じ方向に延在する。
【0075】
別の実施形態によれば、第1の材料は、第2の材料よりも弾性がある。
【0076】
別の実施形態によれば、絶縁金属ワイヤは、内側ファブリック層上にフロートを有する。
【0077】
別の実施形態によれば、第2の材料の絡み合ったストランドの少なくとも一部は、第1の外側ファブリック層と絡み合っている。
【0078】
前述は単なる例示であり、当業者は、記載された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。前述の実施形態は、個別に又は任意の組み合わせで実現されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12