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特許7313622収納庫、紙葉類処理装置および収納量検知方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】収納庫、紙葉類処理装置および収納量検知方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/23 20190101AFI20230718BHJP
   G07D 11/12 20190101ALI20230718BHJP
   B65H 7/02 20060101ALI20230718BHJP
   B65H 43/06 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
G07D11/23
G07D11/12
B65H7/02
B65H43/06
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019130911
(22)【出願日】2019-07-16
(65)【公開番号】P2021015536
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】莅戸 祥人
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-025359(JP,A)
【文献】特開昭64-082293(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00-13/00
G07G 1/00
B65H 7/02
B65H 43/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙葉類を集積方向に重ねて収納する収納庫であって、
前記紙葉類を収納する収納空間を構成する壁面を有する筐体と、
前記紙葉類を前記筐体に収容したときに少なくとも電極の一部が前記紙葉類に対向するように、前記筐体の前記集積方向に沿った壁面に設置される静電容量センサと、
を有し、
前記静電容量センサは、前記筐体の壁面のうち、前記筐体に前記紙葉類を収納したときに前記紙葉類を結束する帯封に対向する位置に、設置され、
前記静電容量センサは、前記収納空間における紙葉類の前記集積方向に沿う前記収納空間と同じ長さ若しくは前記収納空間の長さよりも長い長さに亘って設けられていることを特徴とする収納庫。
【請求項2】
前記静電容量センサは、2つの小センサから構成され、
前記2つの小センサは、前記筐体のうち前記集積方向に沿った対向する2つの壁面にそれぞれ設置される
請求項1に記載の収納庫。
【請求項3】
前記静電容量センサは、複数の小センサから構成され、
前記複数の小センサは、それぞれ前記筐体の同一壁面に設置される
請求項1または請求項2に記載の収納庫。
【請求項4】
前記静電容量センサが検知した静電容量の値に基づいて、前記紙葉類の量を算出する算出部
を有する請求項1から請求項3の何れか1項に記載の収納庫。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか1項に記載の収納庫を有する紙葉類処理装置。
【請求項6】
紙葉類を集積方向に重ねて収納する収納庫であって、
前記紙葉類を収納する収納空間を構成する壁面を有する筐体と、
前記紙葉類を前記筐体に収容したときに少なくとも電極の一部が前記紙葉類に対向するように、前記筐体の前記集積方向に沿った壁面に設置される静電容量センサと、
を有する収納庫内の収納量検知方法であって、
前記静電容量センサを、前記筐体の壁面のうち、前記筐体に前記紙葉類を収納したときに前記紙葉類を結束する帯封に対向する位置に、設置し、
前記静電容量センサが検知した静電容量の値に基づいて、前記紙葉類の量を算出する算出部が、前記収納空間における紙葉類の前記集積方向に沿う前記収納空間と同じ長さ若しくは前記収納空間の長さよりも長い長さに亘って設けられた前記静電容量センサが検知した静電容量により前記収納庫内の収納量を算出することを特徴とする収納量検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納庫紙葉類処理装置および収納量検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、光学センサを用いて小束収納庫に収納された小束紙葉類の束数を検知し、束数を算出する紙葉類処理装置に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-96484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の記載のように、収納庫に収納された紙葉類の束数を光学センサで検知する場合、発光部や受光部の汚れや経年劣化などで、発光レベルや受光レベルが変化してしまい、正確な束数算出が困難となることがある。
本発明の目的は、上述した課題を解決する収納庫紙葉類処理装置および収納量検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、紙葉類を集積方向に重ねて収納する収納庫であって、紙葉類を収納する収納空間を構成する筐体と、紙葉類を前記筐体に収容したときに少なくとも電極の一部が紙葉類に対向するように、筐体の壁面に設置される静電容量センサを有し、前記静電容量センサは、前記筐体の壁面のうち、前記筐体に前記紙葉類を収納したときに前記紙葉類を結束する帯封に対向する位置に、設置され、前記静電容量センサは、前記収納空間における紙葉類の前記集積方向に沿う前記収納空間と同じ長さ若しくは前記収納空間の長さよりも長い長さに亘って設けられている構成とした。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、紙葉類を収納する収納庫において、紙葉類を収納する筐体に静電容量センサを有するので、汚れや経年変化による束数検知の精度低下の影響を受けることもなく、紙葉類の束数を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態にかかる紙葉類処理装置を説明する図である。
図2】実施の形態にかかる収納庫の概略図の一例である。
図3】実施の形態にかかる動作を示すフローチャートである。
図4】実施の形態にかかる収納庫の概略図の一例である。
図5】実施の形態にかかる収納庫の概略図の一例である。
図6】実施の形態にかかる収納庫の概略図の一例である。
図7】実施の形態にかかる収納庫の概略図の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〈第1の実施形態〉
以下、本発明の実施の形態にかかる収納庫を説明する。実施の形態では、この収納庫は紙葉類処理装置11に搭載される。
【0009】
《紙葉類処理装置の構成》
以下、実施の形態にかかる紙葉類処理装置11を説明する。
図1は、実施の形態にかかる紙葉類処理装置11を説明する図である。
【0010】
図1に示すように、紙葉類処理装置11は、小束入出金部12と、小束搬送部13と、小束識別部14と、小束を金種別に分けて複数束収納する4つの小束収納庫15(束紙幣収納庫)と、1つの小束カセット16と、紙葉類処理装置11の全体を制御する制御装置20とを備えている。
【0011】
小束とは、小束紙葉類をいい、紙葉類を帯封などで束として纏めたものをいう。紙葉類の例としては、紙幣、手形および商品券が挙げられる。
この実施の形態は、小束紙葉類に関わる紙葉類処理装置11を例としたが、紙葉類処理装置11は、小束状態ではない紙葉類を処理するものであっても良い。
【0012】
小束入出金部12は、紙葉類処理装置11の前端上部に外部に臨んで設けられており、外部から小束Wが装填される。小束Wは、同じ金種の100枚のバラ紙幣(以下、紙幣と称す)Sを表側の面が厚さ方向の同側に向くように集積させて帯封Tで結束したものである。帯封Tは、紙幣Sを厚み方向(紙幣Sの厚み方向を平面方向とも言う)から見て、当該紙幣Sの長辺方向の何れか一方の端部寄りの位置を結束している。
【0013】
小束入出金部12には、小束Wが、紙幣Sの短辺方向を前後方向に沿わせ、長辺方向を左右に沿わせた状態で装填される。ここで、小束Wは、平面視において予め設定された長辺方向の一方の端部寄りに配置され、小束Wの厚み方向に積層された上面が予め設定された厚み方向の何れかの面となる向きで揃えられており、この状態で、小束Wが小束入出金部12に装填されることがルール化されている。具体的に、小束Wは、平面視において、全て、長辺方向の左側に帯封Tが配置され、上面が紙幣Sの表側の面となる向きで、小束入出金部12に装填されることがルール化されている。小束カセット16への小束Wの外部からの装填時も同様である。
【0014】
小束入出金部12に複数装填される場合、小束Wは、厚み方向(上下方向)に積み重ねられた状態で装填される。小束入出金部12は、外部から装填された小束Wを載置させる入出金プッシャ21を有している。入出金プッシャ21は上下に昇降可能となっており、小束入出金部12は、入出金プッシャ21上の小束Wを最上部のものから1束ずつ後方に繰り出し可能となっている。
【0015】
小束入出金部12の後側には、小束Wを前後方向に往復搬送する小束搬送部13が設けられている。小束搬送部13は、小束Wを搬送方向に直列状に並べて搬送する。小束搬送部13は、小束入出金部12から1束ずつ繰り出されてくる小束Wを受け取って後方に搬送する。
【0016】
小束入出金部12は、小束搬送部13で搬送されてきた小束Wを入出金プッシャ21上に積み重ねて載置させる。小束入出金部12は、入出金プッシャ21が上昇することで、入出金プッシャ21上の小束Wが外部に取り出し可能となる。
【0017】
小束搬送部13の下側には、前側に小束カセット16が設けられており、小束カセット16よりも後側に小束識別部14が設けられている。また、小束搬送部13の下側には、小束識別部14よりも後側に、複数の小束収納庫15が金種別に設けられている。実施の形態では、4つの小束収納庫15が前後方向に並んで設けられている。小束カセット16は紙葉類処理装置11の処理装置筐体25に対し着脱可能であり、金種別の小束収納庫15は処理装置筐体25に対し位置固定で着脱不可に設けられている。
【0018】
小束カセット16は、小束Wを、その紙幣Sの短辺方向を前後方向に沿わせ、長辺方向を左右に沿わせた状態で収納する。小束カセット16に複数収納される場合、小束Wは、厚み方向(上下方向)に積み重ねられた状態で収納される。小束カセット16は、上下方向に延びる角筒状をなして小束Wを収納するカセット本体41と、カセット本体41内に収納される小束Wを載置させるカセットプッシャ42と、カセット本体41の上端部に設けられた開閉可能なカセットフラッパ43とを有している。
【0019】
小束カセット16は、小束搬送部13で搬送されてきた小束Wを、カセットフラッパ43が開いた状態でカセットプッシャ42上、或いはカセットプッシャ42上に既に積み重ねられている小束Wの上に載置させる。カセットプッシャ42は上下に昇降可能となっている。小束カセット16は、カセット本体41内のカセットプッシャ42とカセットフラッパ43との間に小束Wを収納する。
【0020】
小束カセット16は、カセットフラッパ43が開いた状態でカセットプッシャ42が上昇することで、小束搬送部13に小束Wを、カセットプッシャ42上に載置されている最上部の小束Wから受け渡す。小束カセット16のカセットフラッパ43を閉じた状態で、小束搬送部13は、小束Wを小束カセット16に収納することなく、小束カセット16のカセットフラッパ43上で前後に移動させる。
【0021】
金種別の小束収納庫15は、小束Wを上下方向に並設状態、即ち積層状態で収納するものであり、何れも同様の構造である。小束収納庫15は、小束Wを、その紙幣Sの短辺方向を前後方向に沿わせ、長辺方向を左右に沿わせた状態で収納する。小束収納庫15に複数収納される場合、小束Wは、上下に積み重ねられた状態で収納される。小束収納庫15は、上下方向に延びる角筒状をなして小束Wを収納する収納庫筐体51と、収納庫筐体51内に収納される小束Wを載置させる収納庫プッシャ52と、収納庫筐体51の上端部に設けられた開閉可能な収納庫フラッパ53とを有している。
【0022】
小束収納庫15は、小束搬送部13で搬送されてきた小束Wを、収納庫フラッパ53が開いた状態で収納庫プッシャ52上、或いは収納庫プッシャ52上に既に積み重ねられている小束Wの上に載置させる。収納庫プッシャ52は上下に昇降可能となっている。小束収納庫15は、収納庫筐体51内の収納庫プッシャ52と収納庫フラッパ53との間に小束Wを収納する。
【0023】
小束収納庫15は、収納庫フラッパ53が開いた状態で収納庫プッシャ52が上昇することで、小束搬送部13に小束Wを、収納庫プッシャ52上に載置されている最上部の小束Wから受け渡す。小束収納庫15の収納庫フラッパ53を閉じた状態で、小束搬送部13は、小束Wをこの小束収納庫15に収納することなく、この小束収納庫15の収納庫フラッパ53上で前後に移動させる。
【0024】
小束識別部14は、隣り合う小束カセット16と小束収納庫15との間で小束搬送部13によって搬送される小束Wの画像を識別して金種等を判別する。
【0025】
このような紙葉類処理装置11は、小束Wを出金する際には、金種別の小束収納庫15から指定金種の小束Wを1束ずつ小束搬送部13に受け渡し、小束搬送部13で小束入出金部12に向けて搬送する。即ち、小束Wを出金する小束収納庫15が、収納庫フラッパ53を開き、収納庫プッシャ52を上昇させて収納庫プッシャ52上の最上部の小束Wから順に小束搬送部13に受け渡し、小束搬送部13が受け取った小束Wを小束入出金部12に向けて搬送する。
【0026】
そして、小束搬送部13によって搬送されている小束Wが小束識別部14上を通過する際に、小束識別部14がその画像を識別し金種を判別する。小束識別部14の小束Wに対する判別結果が、指定金種の場合には、この小束Wを小束搬送部13で更に小束入出金部12に向け搬送して小束入出金部12に押し出す。小束入出金部12では、このように小束搬送部13から押し出された小束Wを、入出金プッシャ21上、或いは入出金プッシャ21上に既に載置されている小束W上に載置させることになる。
【0027】
その一方で、小束識別部14の判別結果が、指定金種と異なる場合及び金種を判断できない場合には、その小束Wを小束カセット16に搬送し収納する、又は、エラー停止する。小束カセット16に搬送し収納する場合、小束カセット16がカセットフラッパ43を開いてカセットプッシャ42を上昇させることにより、小束搬送部13からの小束Wを、カセットプッシャ42上、或いはカセットプッシャ42上に既に載置されている小束W上に載置させることになる。
【0028】
そして、小束入出金部12は、所定数の小束Wを受け入れると、入出金プッシャ21を上昇させて入出金プッシャ21上の小束Wを外部に取り出し可能とすることになり、入出金プッシャ21上の小束Wを操作者が取り出す。
【0029】
また、小束入出金部12から小束Wを入金する際に、操作者は、先ず、小束入出金部12に小束Wをセットする。この際に、小束Wを、その長手方向と紙葉類処理装置11の幅方向(左右方向)とを揃え、複数ある場合には上下方向に積み重なるようにして、小束入出金部12の入出金プッシャ21上にセットする。すると、入出金プッシャ21が下降して、小束入出金部12は、セットされた小束Wを最上部のものから1束ずつ小束搬送部13に向けて押し出し、小束搬送部13が小束収納庫15に向けて搬送する。即ち、小束入出金部12が入出金プッシャ21上の最上部の小束Wから順に小束搬送部13に受け渡し、小束搬送部13が受け取った小束Wを小束収納庫15に向けて搬送する。
【0030】
そして、小束搬送部13によって搬送されている小束Wが小束識別部14上を通過する際に、小束識別部14がその画像を識別し、金種、帯封Tの向き、紙幣Sの表裏を判別する。この判別結果から、この小束Wが、金種が判別可能であって、予め設定された所定の側である左側に帯封Tがあり、搬送されている際の下面が予め設定された所定の紙幣Sの面である裏側の面である場合には、この小束Wを、その金種を収納している小束収納庫15に収納する。
【0031】
この小束収納庫15では、小束搬送部13からの小束Wを、収納庫フラッパ53が開いて、収納庫プッシャ52上、或いは収納庫プッシャ52上に既に載置されている小束W上に載置させることになる。よって、小束入出金部12から小束収納庫15に収納される小束Wは、予め設定された所定の側である左側に帯封Tがあり、下面が予め設定された所定の紙幣Sの面である裏側の面である向きで収納されることになる。
【0032】
その一方で、小束識別部14の判別結果から、小束Wが、左側に帯封Tがない場合と、搬送されている際の下面が紙幣の裏側の面でない場合とについては、この小束Wを小束搬送部13によって小束入出金部12に戻す。更に、金種が判別できない場合には、その小束Wを小束搬送部13によって小束入出金部12に戻す、又は、エラー停止する。
【0033】
また、外部で小束カセット16に装填された小束Wを小束カセット16から入金する際には、先ず、操作者が、小束Wが装填された小束カセット16を処理装置筐体25内のカセットハウジングにセットする。すると、小束カセット16が小束Wを小束搬送部13に受け渡し、小束搬送部13が受け取った小束Wを小束収納庫15に向けて搬送する。即ち、小束カセット16が、カセットフラッパ43を開き、カセットプッシャ42を上昇させてカセットプッシャ42上の最上部の小束Wから順に小束搬送部13に受け渡し、小束搬送部13が受け取った小束Wを小束収納庫15に向けて搬送する。
【0034】
そして、小束搬送部13によって搬送されている小束Wが小束識別部14上を通過する際に、小束識別部14が、その画像を識別し、金種、帯封Tの向き、紙幣Sの表裏を判別する。この判別結果から、この小束Wが、金種が判別可能であって、予め設定された所定の側である左側に帯封Tがあり、搬送されている際の下面が予め設定された所定の紙幣Sの面である裏側の面である場合には、その小束Wを、その金種を収納している小束収納庫15に収納する。
【0035】
この小束収納庫15では、小束搬送部13からの小束Wを、収納庫フラッパ53を開いて、収納庫プッシャ52上、或いは収納庫プッシャ52上に既に載置されている小束W上に載置させることになる。よって、小束カセット16から小束収納庫15に収納される小束Wは、予め設定された所定の側である左側に帯封Tがあり、下面が予め設定された所定の紙幣Sの面である裏側の面である向きで収納されることになる。
【0036】
その一方で、小束識別部14の判別結果から、小束Wが、左側に帯封Tがない場合と、搬送されている際の下面が紙幣Sの裏側の面でない場合と、金種が判別できない場合とについては、エラー停止する。
【0037】
小束カセット16は、このように紙葉類処理装置11の外部で装填された小束Wを処理装置筐体25にセットされた状態で小束収納庫15に補充する以外にも、小束収納庫15の小束Wを外部に回収する場合に、小束収納庫15から繰り出され小束搬送部13で搬送されてきた小束Wを収納し、この状態で処理装置筐体25から取り外される。
【0038】
小束収納庫15に収納される小束Wは、小束入出金部12から入金される小束Wと、小束カセット16から補充される小束Wとであり、よって、小束収納庫15に収納される小束Wは、基本的に、予め設定された所定の側である左側に帯封Tがあり、下面が予め設定された所定の紙幣Sの面である裏側の面である向きで収納されることになる。
【0039】
紙葉類処理装置11は、上述したように小束収納庫15に対して小束Wの入出金が行われると、各小束収納庫15内の小束Wの量を検知する。小束Wの量の検知には、小束収納庫15に設けられた静電容量センサ200が用いられる。
【0040】
本実施形態に係る紙葉類処理装置11は、小束収納庫15の小束Wの量を検知するが、紙葉類処理装置11は、小束カセット16の小束Wの量を検知しても良い。この場合、小束カセット16の小束Wの量の検知には、小束カセット16に設けられた静電容量センサ200が用いられる。
【0041】
《小束収納庫の構成》
図2は、実施の形態にかかる小束収納庫15の概略図の一例である。
【0042】
図2に示すように、小束収納庫15は、小束Wを収納する収納庫筐体51と、この収納庫筐体51に設けられた静電容量センサ200と、静電容量センサ200の制御を行うセンサコントローラ400と、収納庫プッシャ52と、収納庫フラッパ53と、算出部300を有して構成されている。
【0043】
小束収納庫15の収納庫筐体51は、互いに対向する2つの長側壁面61と、互いに対向する2つの短側壁面62と、2つの長側壁面61と2つの短側壁面62とを下方で接続する底面63と、収納庫フラッパ53と、により仕切られた角筒形状を成す。収納庫筐体51は、2つの長側壁面61、2つの短側壁面62、底面63、および収納庫フラッパ53により画成される収納空間に、小束Wが厚み方向に重ねて収納される。
長側壁面61は、小束Wの長辺に対向する。短側壁面62は、小束Wの短辺に対向する。底面63は、小束Wの表面に対向する。
【0044】
例えば、図2の小束収納庫15には、小束Wが重ねて4つ収納されている。収納庫プッシャ52は、角板形状を成しており、収納庫フラッパ53に対向する面と、底面63に対向する面と、が平坦面となっている。収納庫プッシャ52は、この平坦面が底面63および収納庫フラッパ53と平行になるように、小束収納庫15の収納空間内に設けられる。
小束Wは収納庫フラッパ53の開閉により、小束収納庫15に収納される。また、小束Wの集積方向Aは、収納庫フラッパ53から収納庫プッシャ52に向けた方向(上下方向)である。小束Wは、この集積方向Aに紙面を向けながら厚み方向に重ねて収納される。
【0045】
収納庫筐体51には、収納庫プッシャ52が設けられている。収納庫プッシャ52は、小束収納庫15に収納されている小束Wを収納庫フラッパ53が設けられる方向(上方)へ押圧することで、小束Wを小束収納庫15の外部に繰り出す。
図1の例では、収納庫筐体51の上部に収納庫フラッパ53が設けられているが、収納庫筐体51の何れかの壁面の代わりに設けられても良い。この場合、収納庫プッシャ52は、収納庫フラッパ53が設けられた反対側の壁面側に設けられる。
【0046】
静電容量センサ200は、小束Wの集積方向Aに沿って、収納庫筐体51の長側壁面61の内側(収納空間側)に設けられている。静電容量センサ200は、収納空間における小束Wの集積方向Aに沿う収納空間と同じ長さ若しくは収納空間の長さよりも長い長さに亘って設けられており、静電容量センサ200と小束Wの長辺の少なくとも一部とが対向して配置されている。長側壁面61側から見て、静電容量センサ200は、収納空間に集積された小束Wの少なくとも一部と重なるように設けられている。このように静電容量センサ200が、集積方向Aに沿う小束Wの収納空間の長さ以上の長さに設けられることにより、静電容量センサ200は、集積方向Aと交差する方向に沿って設けられた場合に比べ、より多くの小束Wと対向することができ、収納空間に収納される全ての小束Wの数を確実に検知することができる。
静電容量センサ200は、非接触式のセンサであり、少なくとも一つの電極を有して構成されている。この電極は銅箔材料を用いて形成されている。
【0047】
前述したように、集積方向Aに沿った静電容量センサ200の長さBは、小束Wの最大収納可能高さCと同じか、最大収納可能高さCより長くなるように設定されている。よって、小束収納庫15に収納される全ての小束Wは、静電容量センサ200により検知可能な範囲に収納される。
ここで、最大収容可能高さCとは、収納庫プッシャ52が底面63側に接した状態における収納庫プッシャ52の上面位置から、収納庫フラッパ53の開け閉めの際に可動するフラッパの、当該可動を邪魔しないように集積された小束Wの収納庫フラッパ53側の高さ位置までの長さを言う。
【0048】
ここで、収納庫筐体51の内部に収納される小束Wの量に応じて、収納庫筐体51内部の静電容量が変化する。静電容量センサ200の電極は、この収納庫筐体51の内部に生じる静電容量を測定して小束Wの量を検知する。小束Wの量の例としては、小束Wの束数、小束Wの束数に1束当たりの紙葉類の数を乗算した数が挙げられる。
【0049】
収納庫筐体51の内部に収納される小束Wの束数に比例して静電容量が大きくなる。よって、静電容量センサ200は、収納庫筐体51の内部の静電容量を検知することにより、収納庫筐体51に収納されている小束Wの束数を検知することができる。この収納庫筐体51の内部に収納された小束Wの束数と静電容量の値との関係は、データテーブルとして、制御装置20の記憶装置に記憶される。また、算出部300が、収納庫筐体51の内部に収納された小束Wの束数と静電容量の値との関係を定義した計算式として持っていてもよい。
【0050】
図1の実施の形態では、静電容量センサ200は、小束Wの帯封Tに対向する位置に設けられている。なお、小束Wの長辺方向における帯封Tの位置は、予め定められている。そのため、壁面における静電容量センサ200の帯封Tに対向する位置を予め特定しておくことができる。
小束収納庫15に集積される小束Wを構成する紙幣は使用済みの紙幣である。使用済みの紙幣は、長年の使用により、折れ、撚れ、しわがあるため、帯封Tのない状態で集積した場合、集積方向Aへの広がりを有する。帯封Tにより紙幣を束ねることで、紙幣の集積方向Aへの広がりが抑えられ、集積方向Aの幅が一定となる。
このように静電容量センサ200を設置することによって、小束Wの集積方向Aの幅のばらつきによる検知された静電容量の変動を小さくすることができ、より正確な検知が可能となる。
【0051】
静電容量センサ200は、センサコントローラ400に接続されている。
センサコントローラ400は、静電容量センサ200が検知した小束Wの静電容量の値を取得し、A/D変換などを行って算出部300に送信する。
【0052】
算出部300は、静電容量センサ200が検知した静電容量A/D変換された値を、センサコントローラ400から取得し、制御装置20に記憶されている小束Wの束数と静電容量の値の関係を表すデータテーブルを用いて、小束Wの束数を算出する。
例えば、算出部300は、制御装置20が記憶しているデータテーブルを参照して、センサコントローラ400から得られた静電容量の値に対応する束数を、小束Wの束数として算出する。
【0053】
紙葉類処理装置11の制御装置20と、小束収納庫15の算出部300は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置を有している。
【0054】
算出部300により算出された小束Wの束数に関する情報は、紙葉類処理装置11の制御装置20に送信される。制御装置20は、算出部300から受信した小束Wの束数に関する情報に基づいて、小束Wの束数を表示装置に表示させる。紙葉類処理装置11のユーザは、制御装置20に繋げられた表示装置などを通じて、小束Wの束数を確認できる。
【0055】
なお、前述した実施の形態では、制御装置20に記憶されている場合を例示して説明したが、小束Wの束数と静電容量の値の関係を表すデータテーブルが算出部300に記憶されていてもよい。この場合、算出部300は、当該算出部300が記憶しているデータテーブルを参照して、センサコントローラ400から得られた静電容量の値に対応する束数を、小束Wの束数として算出する。
【0056】
《小束収納庫の動作》
図3は、小束収納庫15の動作を表すフローチャートである。
【0057】
静電容量センサ200は、収納庫筐体51(収納空間)内の静電容量を検知する(ステップS1)。
センサコントローラ400は、静電容量センサ200が検知した静電容量の値を取得する(ステップS2)。
センサコントローラ400は、ステップS2の値のA/D変換を行い、このA/D変換後の信号を算出部300に送信する(ステップS3)。
【0058】
算出部300は、制御装置20に記憶されている、小束Wの束数と静電容量の値の関係を示すデータテーブルに基づいて、ステップS3で送信された信号に対応する小束Wの束数を算出する(ステップS4)。
【0059】
算出部300は、ステップS4で算出された小束Wの束数に関する情報を制御装置20に送信する(ステップS5)。
制御装置20に送信された小束Wの束数に関する情報を、表示装置が表示する(ステップS6)。
これにより、小束収納庫15は、収納している小束Wの量を検知し、小束Wの数を算出することができる。また、小束収納庫15のユーザは、小束Wの量を、表示装置を通じて確認することができる。
【0060】
〈第2の実施形態〉
第1の実施の形態に係る静電容量センサ200は、1つのセンサにより構成されるが、第2の実施の形態に係る静電容量センサ200は、2つの小センサ200により構成される。
図4は、第2の実施の形態に係る小束収納庫15を示す図である。
【0061】
静電容量センサ200は、静電容量センサである小センサ200Aと小センサ200Bにより構成されている。小センサ200Aと小センサ200Bは、互いに対向する2つの長側壁面61に設けられる。
【0062】
1つのセンサにより静電容量を検知する場合、収納庫筐体51の内部の小束Wの収納状態によって、バラつきが生じることがある。なぜなら、前述した静電容量センサ200が検知する静電容量の値は、静電容量センサ200と、小束Wとの距離に反比例するためである。集積方向Aから見た収納空間の断面積は小束Wの紙面の面積と比較して広く設計されるところ、小束は必ずしも集積方向Aから見た収納空間の中心に載置されるとは限らず、片寄りをもって載置される可能性がある。そのため、静電容量センサ200と小束Wの距離は必ずしも常に等しくならない。
【0063】
これに対し、第2の実施の形態に係る小センサ200Aと小センサ200Bは、互いに対向する位置に設けられることにより、小束Wの収納状態が片寄りになっている場合などの場合も、両側から静電容量を検知する。そのため、小束収納庫15は、収納空間における小束Wの片寄りに関わらずより精度高く、静電容量の値を検知できる。
【0064】
算出部300は、制御装置20から、小センサ200Aの静電容量の値と小センサ200Bの静電容量の値を取得し、両値の調和平均の値を算出し、調和平均の値に対応する小束Wの束数を算出する。算出部300は、調和平均の値の代わりに、算術平均の値、幾何平均の値を用いて算出しても良い。
【0065】
これにより、第2の実施の形態にかかる小束収納庫15は、小束Wの収納状態が片寄りになっているか否かに関わらず、正確な小束Wの束数を算出できる。
【0066】
〈第3の実施形態〉
第1の実施の形態に係る静電容量センサ200は、1つの静電容量センサ200により構成されるが、第3の実施の形態に係る静電容量センサ200は、複数の小センサ200により構成される。
図5は、第3の実施の形態に係る小束収納庫15を示す図である。
【0067】
第3の実施の形態では、複数の小センサ200が長側壁面61に設けられている。図5の例では、集積方向Aに沿って、4つの小センサ200が長側壁面61に設けられている。
【0068】
算出部300は、複数の小センサ200により検知された静電容量の値を取得する。算出部300は、複数の小センサ200の静電容量の値を用いて、収納された小束Wのうち、最上位に位置する小束Wの位置を推定することで、小束Wの束数を算出する。また、算出部300は、複数の小センサ200の静電容量の値を演算した値を用いて、小束Wの束数を算出しても良い。
【0069】
このように、第3の実施の形態の小束収納庫15は、複数の小センサ200が検知する静電容量の値により、最上位に位置する小束Wの位置を推定することで、小束Wの束数を算出する。これにより、小束収納庫15の算出部300は、1つの静電容量センサ200を用いた場合と比べ、当該静電容量センサ200と同一値の分解能を有する小センサ200を用いても、より精度高く、小束Wの束数を算出できる。
【0070】
〈第4の実施形態〉
第1の実施の形態に係る静電容量センサ200は、集積方向Aに沿って長側壁面61に設けられるが、第4の実施の形態に係る静電容量センサ200は、集積方向Aに直交する底面63に設けられる。
図6は、第4の実施の形態に係る小束収納庫15を示す図である。
【0071】
第4の実施の形態の静電容量センサ200を集積方向Aに直交する底面63に設けられても、集積方向Aに沿って長側壁面61に設けられる場合と同じように静電容量を検知することができる。
第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態に係る静電容量センサ200は、小束Wの増減により、静電容量を検知する静電容量センサ200の面積も増減する。これに対し、第4の実施の形態の静電容量センサ200においては、小束Wの増減によっても、静電容量を検知する静電容量センサ200の面積は増減せず、静電容量の値が変化する。第4の実施の形態の静電容量センサ200は、小束Wの増減により変化する静電容量の値を用いて、小束Wの束数を検知することができる。
また、静電容量センサ200の面積を小さくすることができるため、省スペースと低コストを実現できる。
【0072】
なお、集積方向Aに直交する底面63に対して、第3の実施の形態のように、複数の小センサ200が設けられても良い。
また、静電容量センサ200は、底面63ではなく、収納庫プッシャ52に設けても良い。
【0073】
〈第5の実施形態〉
第4の実施の形態に係る静電容量センサ200は、集積方向Aに直交する底面63に1つ設けられるが、第5の実施の形態に係る静電容量センサ200は、集積方向Aに直交する底面63に、小センサ200として複数個が設けられる。
図7は、第5の実施の形態に係る小束収納庫15を示す図である。
【0074】
第5の実施の形態に係る小センサ200は、底面63に複数個が設けられる。算出部300は、複数個の小センサ200が検知した静電容量の値を演算した値を用いて、小束Wの束数を算出する。これにより、第5の実施の形態に係る小束収納庫15は、小束Wの収納状態が片寄りになっている場合などの場合でも、紙葉類の検知の精度のバラつきを減らしながら、小束Wの束数を検知できる。
【0075】
〈その他の実施形態〉
前述した実施の形態では、小束収納庫15は、小束Wを縦方向に集積して収納する場合を例示して説明したが、小束Wを横方向に集積して収納する場合でも良い。小束収納庫15の構造により、紙葉類処理装置11が横方向に長い形のものであっても良い。
【0076】
前述した実施の形態では、小束Wの束数を検知する場合を例示したが、棒金の棒金数を検知する場合に用いても良い。つまり、小束収納庫15の代わりに、棒金収納庫として用いても良い。
【0077】
前述した実施の形態では、静電容量センサ200を小束収納庫15の内部に設けていたが、静電容量センサ200を小束収納庫15の外部に設けても良い。この場合の静電容量センサ200の電極は、収納庫筐体51の内部に設置し、収納庫筐体51の内部の静電容量を含む静電容量を検知できるように設ける。
【0078】
前述した実施の形態では、金種別の小束を収納する小束収納庫15に係る実施を説明したが、様々な種別の小束を収納できる小束収納庫15にて実施しても良い。
【0079】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内でなしうるさまざまな変更、改良が含まれる。
【0080】
(1)以上説明したとおり、紙葉類を集積方向に重ねて収納する収納庫であって、
紙葉類を収納する収納空間を構成する壁面を有する筐体と、
紙葉類を筐体に収容したときに少なくとも電極の一部が紙葉類に対向するように、筐体の壁面に設置される静電容量センサ200と、
を有する構成とした。
【0081】
従来、光学センサを備える収納庫は、汚れや経年変化による束数検知の精度低下の影響を受けていた。上記のように構成すると、収納庫は、紙葉類を収納する筐体に静電容量センサ200を有するので、汚れや経年変化による束数検知の精度低下の影響を受けることもなく、紙葉類の束数を検知できる。
【0082】
(2)また、静電容量センサ200は、筐体のうち集積方向に沿った壁面に設置される構成とした。
【0083】
このように構成すると、
収納庫の静電容量センサ200は、集積方向と交差する方向に沿って設けられた場合に比べ、より多くの紙葉類と対向することができ、収納空間に収納される全ての紙葉類の数を確実に検知することができる。
【0084】
(3)また、静電容量センサ200は、2つの小センサ200から構成され、
2つの小センサ200は、筐体のうち集積方向に沿った対向する2つの壁面にそれぞれ設置される構成とした。
【0085】
このように構成すると、
収納庫は、収納庫の収納空間における紙葉類の片寄りに関わらず、より精度高く、紙葉類の静電容量の値を検知できる。
【0086】
(4)また、静電容量センサ200は、筐体のうち集積方向に直交する壁面に設置される構成とした。
【0087】
このように構成すると、
静電容量センサ200は、紙葉類の増減に関わらず、収納空間に収納される紙葉類に対向する位置に設けられるため、紙葉類の増減により変化する静電容量の値を用いて、紙葉類の束数を検知することができる。また、静電容量センサ200の面積を小さくすることができるため、省スペースと低コストを実現できる。
【0088】
(5)また、静電容量センサ200は、複数の小センサ200から構成され、
複数の小センサ200は、それぞれ筐体の同一壁面に設置される構成とした。
【0089】
このように構成すると、
小センサ200が筐体のうち集積方向に沿って設置される場合は、収納庫は、1つの静電容量センサ200を用いた場合と比べ、当該静電容量センサ200と同一値の分解能を有する小センサ200を用いても、より精度高く、紙葉類の束数を検知できる。
また、小センサ200が筐体のうち集積方向に直交する壁面に設けられる場合は、収納庫は、紙葉類の収納状態が片寄りになっている場合などの場合でも、紙葉類の検知の精度のバラつきを減らしながら、紙葉類の束数を検知できる。
【0090】
(6)また、静電容量センサ200は、筐体の壁面のうち、筐体に紙葉類を収納したときに紙葉類を結束する帯封に対向する位置に、設置される構成とした。
【0091】
このように構成すると、
収納庫は、集積方向の幅のばらつきによる検知された静電容量の変動を小さくすることができ、より正確な束数の検知が可能となる。
【0092】
(7)また、収納庫は、静電容量センサ200が検知した静電容量の値に基づいて、紙葉類の量を算出する算出部300を有する構成とした。
【0093】
このように構成すると、
収納庫は、静電容量センサ200が検知した紙葉類の静電容量の値を用いた当該紙葉類の量を算出する場合、当該算出に係る手作業を削減する。
【0094】
(8)紙葉類処理装置11は、上記の(1)から(7)の何れかに記載の収納庫を有する。
【0095】
このように構成すると、
紙葉類処理装置11は、従来のように光学センサを用いることによる汚れや経年変化による束数検知の精度低下の影響を受けず、紙葉類処理装置11が備える収納庫に収納される紙葉類の束数を検知できる。
【符号の説明】
【0096】
11 紙葉類処理装置
12 小束入出金部
13 小束搬送部
14 小束識別部
15 小束収納庫
16 小束カセット
20 制御装置
21 入出金プッシャ
25 処理装置筐体
41 カセット本体
42 カセットプッシャ
43 カセットフラッパ
51 収納庫筐体
52 収納庫プッシャ
53 収納庫フラッパ
61 長側壁面
62 短側壁面
63 底面
200 静電容量センサ
300 算出部
400 センサコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7