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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】紙葉類結束装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 27/08 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
B65B27/08 A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019191091
(22)【出願日】2019-10-18
(65)【公開番号】P2021066445
(43)【公開日】2021-04-30
【審査請求日】2022-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】大場 正志
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特許第5572574(JP,B2)
【文献】特開平10-025656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 27/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テープを供給する供給部と、
前記供給部から供給される前記テープを紙葉類に巻き回して結束処理を行う結束部と、
前記供給部から供給される前記テープの表裏が正しくセットされているか否かを出力する表裏出力部と、
前記供給部から前記結束部に供給される前記テープの捻じり状態を検出する方向検出部と、
前記供給部から供給される前記テープを折り返し軸に沿って折り返し案内する折返案内部と、
前記折返案内部により折り返し案内された前記テープを前記折り返し軸が延びる方向と交差する方向に延びる導入軸に沿って導入する導入部と、
を備え
前記表裏出力部は、前記方向検出部が検出した捻じり状態に基づいて、前記供給部から供給される前記テープの表裏が正しくセットされているか否かを出力し、
前記方向検出部は、前記折返案内部と前記導入部との間で前記テープの捻じり方向に係る状態量を検出する
紙葉類結束装置。
【請求項2】
前記方向検出部は、
前記折返案内部と前記導入部との間に設けられ、前記折返案内部から前記導入部へ向かう方向に延びる回転軸と、
前記回転軸回りに回転可能に支持され、第1面が前記テープの通路を横断するように設けられる当接部材と、
前記当接部材を、前記第1面が前記テープの通路に近づくように付勢する付勢具と、
前記捻じり方向に係る状態量として、前記当接部材の回転軸回りの回転に係る状態量を検出するセンサと、
を備える請求項に記載の紙葉類結束装置。
【請求項3】
前記当接部材は、前記第1面と交差する第2面を有し、
前記方向検出部は、
前記第2面から突出する突出部を備え、
前記センサは、前記テープの表裏が正しくセットされていないときに前記突出部が存在する位置、または前記テープの表裏が正しくセットされているときに前記突出部が存在する位置に設けられ、前記突出部の有無を検出する
請求項に記載の紙葉類結束装置。
【請求項4】
前記方向検出部が検出した捻じり方向に係る状態量に基づいて、前記テープがセットされているか否かを出力する有無出力部
を備える請求項から請求項の何れか1項に記載の紙葉類結束装置。
【請求項5】
前記表裏出力部が前記テープの表裏が正しくセットされていないことを出力した場合、前記結束部による前記結束処理を制限する結束制限部
を備える請求項1からの何れか1項に記載の紙葉類結束装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙葉類結束装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、テープにより紙葉類を結束する紙葉類結束装置のテープのセットミスに起因した結束不良の発生を抑止する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第5572574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紙葉類結束装置へのテープのセットは人手により行われ、テープの表裏のセットミスが生じる場合がある。テープの表裏を逆にセットしてしまうと、テープの糊側面が外側に巻かれた状態の小束を作成してしまう。この場合、テープを圧着するヒータブロックに直にテープの糊側面が接触するため、ヒータブロックに糊成分がタール状に付着して、結束帯の汚れや接着不良などが生じる。また、テープ印字処理を行う場合では、テープの糊側面にインクを付着しようとするため浸透せず、ガイド面側に付着し当該紙葉類を汚す原因となる。
本発明の目的は、上述した課題に鑑み、テープのセットミスを検知でき、結束不良の発生を抑止することができる紙葉類結束装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、テープを供給する供給部と、前記供給部から供給される前記テープを紙葉類に巻き回して結束処理を行う結束部と、前記供給部から供給される前記テープの表裏が正しくセットされているか否かを出力する表裏出力部と、前記供給部から前記結束部に供給される前記テープの捻じり状態を検出する方向検出部と、前記供給部から供給される前記テープを折り返し軸に沿って折り返し案内する折返案内部と、前記折返案内部により折り返し案内された前記テープを前記折り返し軸が延びる方向と交差する方向に延びる導入軸に沿って導入する導入部と、を備え、前記表裏出力部は、前記方向検出部が検出した捻じり状態に基づいて、前記供給部から供給される前記テープの表裏が正しくセットされているか否かを出力し、前記方向検出部は、前記折返案内部と前記導入部との間で前記テープの捻じり方向に係る状態量を検出する構成とした。
【発明の効果】
【0006】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、紙葉類結束装置へのテープのセットミスを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る紙葉類結束装置の構成を示す図である。
図2】一実施形態に係る紙葉類結束装置の構成を示す図である。
図3】一実施形態に係るテープTの態様を示す図である。
図4】一実施形態に係るテープTの態様を示す図である。
図5】一実施形態に係る紙葉類結束装置の方向検出部を示す図である。
図6】一実施形態に係る紙葉類結束装置の方向検出部を示す図である。
図7】一実施形態に係るテープのセット操作を示すフローチャートである。
図8】一実施形態に係るテープのセット操作を示すフローチャートである。
図9】一実施形態に係る紙葉類結束装置の方向検出部を示す図である。
図10】一実施形態に係る紙葉類結束装置の方向検出部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〈第1の実施形態〉
《紙葉類結束装置の構成》
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係る紙葉類結束装置1の構成を示す図である。
【0009】
紙葉類結束装置1は、紙葉類結束装置1へのテープTの表裏のセットミスを防止することが可能な装置である。
図1に示すように、紙葉類結束装置1は、供給部12と、導入部13と、折返案内部21と、結束部61と、方向検出部100と、制御部160と、表示部500を備える。
【0010】
供給部12は、一定幅の長尺の帯状をなすテープTを供給する。供給部12は、セット部20と、ベース台22を備える。テープTは、ロール状に巻かれて束ねられた状態でセット部20にセットさせる。ベース台22は、略水平に配置される。
【0011】
セット部20にセットされるテープTは、円筒状の芯部材25に巻回されてロール状をなしており、その芯部材25とは反対側が、ロール状をなすロール状部Taから解かれ引き出されて外側に引出する。このロール状部Taから引出する引出部Tbは、張力が発生している状態ではロール状部Taの接線方向に沿うことになる。テープTは、表裏方向の一側が熱線着用の接着層が形成された糊面t1となっており、表裏方向の他側はこのような接着層が形成されていない非糊面t2となっている。つまり、テープTは表裏で性質が異なっている。テープTは糊面t1を半径方向内向きに、非糊面t2を半径方向外向きにして芯部材25に巻き付けられている。
【0012】
セット部20は、円形状をなしており、ベース台22上に回転可能に設けられている。セット部20は、図示略の巻戻モータで駆動されて回転可能となっており、その回転中心がベース台22の上面に対し垂直な方向に沿っている。セット部20は、その外周部に芯部材25の内周部を嵌合させることにより芯部材25つまりロール状部Taを一体回転可能に支持する。このセット状態でロール状部TaのテープTは、幅方向をベース台22に直交させる上下方向に沿わせた姿勢となる。
【0013】
折返案内部21は、供給部12から供給されるテープを折り返し軸に沿って折り返し案内をする。ベース台22の上にセット部20および折返案内部21が配置される。
折返案内部21は、セット部20の回転中心と並行をなす折り返し軸として機能する固定軸28を備える。また、折返案内部21は、固定軸28にセット部20と同じ高さ位置で回転可能に支持されるプーリ29と、プーリ29とベース台22との間にて固定軸28に固定されるとともにプーリ29の外周面に対向するように延出する保持板30と、固定軸28のベース台22とは反対側に固定されて、保持板30の自由端側に当接する上板31とを有している。
【0014】
プーリ29は、外面が円筒面からなる主ガイド部33と、この主ガイド部33の軸方向両側のフランジ部34とを有している。保持板30には、固定軸28の軸方向における中間部に、プーリ29側に突出するように屈曲する凸状部35が形成されており、凸状部35のベース台22とは反対側に、ベース台22から離れるほど固定軸28から離れるように傾斜する傾斜板部36が形成されている。保持板30は、凸状部35の突出側の先端面がプーリ29の主ガイド部33の外周面に近接状態で対向し、また、傾斜板部36において上板31に近接する。
【0015】
セット部20にセットされたロール状部Taから引き出されたテープTの延出部Tbは、傾斜板部36と上板31との間からプーリ29と保持板30との間に挿入されて、プーリ29の主ガイド部33に糊面t1で接触する所定の向きで巻き付けられることとなり、この状態では、延出部Tbのロール状部Taとプーリ29との間部分は、幅方向を上下方向に沿わせた姿勢のままロール状部Taから接線方向に延出する状態となる。このとき、保持板30は、プーリ29へのテープTの接触部分のプーリ29とは反対側を覆うことになり、上板31とでプーリ29からのテープTの脱落を規制する。
【0016】
供給部12には、保持板30とベース台22との間に配置されてベース台22に固定される規制部材40が設けられている。この規制部材40は、ベース台22に載置されて固定される固定板部41と、固定板部41のセット部20側の端縁部から固定板部41(つまりベース台22の上面)に対し垂直に立設される規制板部42とを有している。規制板部42は、言い換えればセット部20と折返案内部21との間に配置されている。
【0017】
この規制板部42は、図1に示すように、テープTがセット部20に適正な向き、具体的には上から見て芯部材25に反時計回りに巻き付けられた状態でセットされると、ロール状部Tとプーリ29の主ガイド部33とに共通の接線(主ガイド部33では導入部13に延出部Tbが向かうように巻き付けられる側の接線)に対して、ロール状部Taの外径に拘わらず干渉しない位置に形成されている。
【0018】
導入部13は、折返案内部21により折り返し案内されたテープを固定軸28が延びる方向と交差する方向に延びる支持軸47に沿って導入する。
導入部13は、ベース台22に固定されるブラケット45と、ブラケット45に固定される支持部材46と、支持部材46に架設される支持軸47と、支持軸47に支持される可倒式の導入軸48と、導入軸48に固定される傾動規制部材49とを有している。
【0019】
支持部材46は、ベース台22に平行をなすようにブラケット45に固定される短形状の底板部51と、底板部51の相対する両辺部から垂直に立ち上がる一対の支持板部52、53とを有しており、一対の支持板部52、53の間が、支持板部52、53同士を結ぶ方向に対し直交する方向については底板部51側を除いて開口している。支持部材46は、図1に示すように、一方の支持板部52が折返案内部21側に対向し、他方の支持板部53が支持板部52の折返案内部21とは反対側に位置する姿勢でブラケット45に固定されている。
【0020】
支持軸47は、支持板部52、53の幅方向の中央位置に、これら支持板部52、53と直交する姿勢で架設されている。導入軸48は円柱上をなしており、軸方向の一端部が支持軸47に回転自在に支持されている。導入軸48は、一対の支持板部52、53の間で底板部51に沿う姿勢となったり、先端側が底板部51から離れる上方に位置するように立ち上がる姿勢となったりと、傾動することで状態変更可能となっている。導入軸48は、一対の支持板部52、53の間で底板部51に沿う姿勢となることにより、固定軸28が延びる方向と交差する方向に延びる。
【0021】
図2は、図1のB部分の側横断面を示す図である。図2に示すように、受入部14は、導入部13に向かって開口しており、縦に狭く横に広い開口形状をなしている。この受入部14は、重ね合わせられた複数枚の紙幣(結束対象物)SにテープTを巻き回して結束する結束部61のテープ供給の上流端位置に設けられている。つまり、受入部14は、供給部12から導入部13を介して導入されたテープTを結束部61に供給する。受入部14には、結束部61での巻き回しおよび熱線着の関係から、図1に示すように導入部13からのテープTが幅方向を横方向に沿わせた姿勢で導入されることになり、しかも非糊面t2を上に、糊面t1を下にした状態で導入される必要がある。
【0022】
結束部61は、導入部13に導入されたテープを紙葉類に巻き回して結束処理を行う。
図2に示すように、結束部61は、受入部14に連続して、全体として下向きに略半円状に曲がる形状をなすテープ導入路62と、テープ導入路62に連続する略楕円形のループ状をなすテープ案内部63とを有している。結束部61には、テープ導入路62の位置に、テープTを搬送するための複数のフィードローラ64と、テープTの非糊面t2に押印を行う押印部65と、テープTの非糊面t2に印字を行うためのプリンタ66とが設けられている。
【0023】
また、結束部61には、テープ案内部63の内側に、上下に複数枚重ね合わせられた状態の紙幣Sを上下から狭持する狭持部材68、69が設けられている。テープ案内部63の下側には、テープ導入路62から繰り出されたテープTが通過する挿入穴71を有するとともに下側の狭持部材69に対し近接および離問するテープ押さえ部材72と、テープ押さえ部材72の挿入穴71の近傍でテープTを切断するカッタ73と、テープTを下側の狭持部材69とで狭持して熱接着するヒータ74とが設けられている。
【0024】
複数のフィードローラ64は、これらを駆動する図示略のフィードモータとフィードモータの駆動の支持が入力される図1に示す操作ボタン77とともに、受入部14に導入されたテープTの先端部を所定の待機位置まで自動フィードするフィード機構78を構成している。
【0025】
図3は、テープTが正しくセットされた場合のテープTの態様を示す図である。テープTが正しくセットされた場合、テープTは固定軸28で曲げられ、導入軸48に向かってC部分のように捻じられる。また、テープTが正しくセットされた場合、D部分のように非糊面t2が狭持部材68に対して外側になる。
【0026】
図4は、テープTが正しくセットされていない場合のテープTの態様を示す図である。テープTが正しくセットされていない場合、テープTは固定軸28で曲げられ、導入軸48に向かってE部分のように捻じられない。また、テープTが正しくセットされていない場合、F部分のように糊面t1が狭持部材68に対して外側になる。
【0027】
図5は、図1のA部分の側横断面であり、テープTが正しくセットされた場合の方向検出部100を示す図である。
方向検出部100は、折返案内部21と、導入部13との間におけるテープTの捻じり方向が正方向であるか否かを検出する。
方向検出部100は、回転軸110と、当接部材120と、突出部132と、付勢具140と、センサ150とを備える。
【0028】
回転軸110は、折返案内部21と、導入部13の間に設けられ、折返案内部21から導入部13へ向かう方向に延びる。回転軸110は、ベース台22に設けられた回転軸支持部221により固定される。
当接部材120は、回転軸110回りに回転可能に支持される。当接部材120は、第1面130と、第2面131を備える。第1面130はテープTの通路を横断するように設けられる。第2面131は、第1面130と交差するように設けられる。
【0029】
突出部132は、当接部材120が備える第2面131から突出する部である。突出部132は、当接部材120の第2面131の回転に伴って、回転軸110の回りに回転する。
【0030】
付勢具140は、回転軸110に内装され、当接部材120を、当接部材120の第1面130がテープTの通路に近づくように付勢する。つまり、付勢具140は、当接部材120をB方向に付勢する。付勢具140の例としては、つる巻ばねが挙げられる。
【0031】
センサ150は、図5図6に示すように、テープTの表裏が正しくセットされていないときに突出部132が存在し且つテープTの表裏が正しくセットされているときに突出部132が存在しない位置に配置されて、当該突出部132の存在を検出する。センサ150の例としては、フォトインタラプタが挙げられる。
【0032】
センサ150は、中央に凹部(図示せず)を有し、当該凹部に発光部(図示せず)と受光部(図示せず)を備える。突出部132がセンサ150の中央の凹部を割り込む形で存在する場合、当該凹部の発光部と受光部が突出部132の存在を検出する。
つまり、センサ150によって突出部132の存在が検出されると、テープTが正しくセットされていないことが判る。センサ150は、当接部材120の回転軸110回りの回転に係る状態量、すなわちテープTの捻じり方向に係る状態量を検出する。
【0033】
他の実施形態においては、センサ150は、テープTの表裏が正しくセットされているときに突出部132が存在し且つテープTの表裏が正しくセットされていないときに突出部132が存在しない位置に配置されても良い。この場合、センサ150が当該突出部132の存在を検出することにより、上記回転に係る状態を検出しても良い。この場合、センサ150によって突出部132の存在が検出されると、テープTが正しくセットされていることが判る。
【0034】
図6は、図1のA部分の側横断面であり、テープTの表裏が正しくセットされていない場合の方向検出部100を示す図である。
テープTの表裏が正しくセットされている図5のテープTの側面は右下がりの態様であるが、テープTの表裏が正しくセットされていない図6のテープTの側面は左下がりの態様である。
これにより、図6の方向検出部100の当接部材120の先端は、図5の当接部材120の先端に比べて下に位置するようになり、図6の当接部材120と、突出部132は、図5のB方向の逆方向へ回転する。
【0035】
図6の突出部132のB方向(付勢方向)の逆方向への回転により、図6の突出部132は、センサ150の中央の凹部を割り込むこととなる。したがって、センサ150の凹部の発光部と受光部は突出部132の存在を検出し、回転に係る状態量を検出する。
【0036】
制御部160は、表裏出力部200を備える。
表裏出力部200は、方向検出部100が検出した捻じり方向に係る状態量に基づいて、テープTの表裏が正しくセットされているか否かを出力する。
【0037】
つまり、方向検出部100のセンサ150が突出部132の存在を検出した場合、表裏出力部200は、センサ150から出力された信号を受け入れる。表裏出力部200は、当該信号を受け入れると、テープTの表裏が正しくセットされていないことを示す画面を表示させるための信号を、表示部500に出力する。
これにより、紙葉類結束装置1のユーザは、当該テープTの表裏が正しくセットされているか否かを確認できる。
【0038】
表示部500は、表裏出力部200から出力された信号を受け入れて、紙葉類結束装置1のユーザに当該テープTの表裏が正しくセットされているか否かを表示する。
表示部500の例としては、液晶ディスプレイ装置が挙げられる。
【0039】
《紙葉類結束装置のセット操作》
以下、図面を参照しながら紙葉類結束装置1の動作を説明する。
図7は、テープTのセット操作を示すフローチャートである。
【0040】
紙葉類結束装置1のユーザが、紙葉類結束装置1の供給部12にテープTをセットさせる(ステップS1)。つまり、供給部12にテープTがセットされる。
紙葉類結束装置1のユーザが、テープTの先端を折返案内部21にかけて、テープTを折り返す(ステップS2)。つまり、折返案内部21に、テープTが折り返される。
【0041】
紙葉類結束装置1のユーザが、ステップS2で折り返されたテープTを導入部13に導入させ、受入部14が受け入れられるようにする(ステップS3)。つまり、導入部13がテープTを導入し、受入部14がテープTを受け入れる。
【0042】
センサ150が突出部132の存在を検出した場合(ステップS4:YES)、表裏出力部200は、テープTの表裏が正しくセットされていないことを、表示部500がユーザに示すように信号を出力する(ステップS5)。
表示部500は、ステップS5で出力された信号を受け入れて、テープTの表裏が正しくセットされていないことをユーザに表示する(ステップS6)。
【0043】
他方、センサ150が突出部132の存在を検出していない場合(ステップS4:NO)、テープTのセット操作は終了する。
上記の動作により、紙葉類結束装置1のユーザは、テープTを紙葉類結束装置1にセットする時における、テープTの表裏が正しくセットされていないことが判り、紙葉類結束装置1へのテープTのセットミスを防止することができる。
【0044】
《作用・効果》
上記の紙葉類結束装置1は、テープTを供給する供給部12と、供給部12から供給されるテープTを折り返し軸に沿って折り返し案内する折返案内部21と、折返案内部21により折り返し案内されたテープTを折り返し軸が延びる方向と交差する方向に延びる導入軸48に沿って導入する導入部13と、導入部13に導入されたテープTを、紙葉類に巻き回して結束処理を行う結束部61と、折返案内部21と導入部13との間でテープの捻じり方向に係る状態量を検出する方向検出部100を備える。
【0045】
紙葉類結束装置1の方向検出部100は、テープTの捻じりに係る状態量を検出する。
したがって、紙葉類結束装置1のユーザは、テープTを紙葉類結束装置1にセットする時における、テープTの表裏が正しくセットされているか否かが判り、紙葉類結束装置1へのテープTのセットミスを防止することができる。
【0046】
また、紙葉類結束装置1の方向検出部100は、折返案内部21と導入部13との間に設けられ、折返案内部21から導入部13へ向かう方向に延びる回転軸110と、回転軸110回りに回転可能に支持され、第1面がテープTの通路を横断するように設けられる当接部材120と、当接部材120を、第1面がテープTの通路に近づくように付勢する付勢具140と、捻じり方向に係る状態量として、当接部材120の回転軸110回りの回転に係る状態量を検出するセンサ150を備える。
【0047】
紙葉類結束装置1の方向検出部100のセンサ150は、方向検出部100の当接部材120の回転軸110回りの回転により、テープTの捻じりに係る状態量として、当該回転に係る状態量を検出する。
したがって、紙葉類結束装置1のユーザは、方向検出部100として、反射センサを用いて捻じれ方向に係る状態量を検出する場合に比べ、より正確にテープTの表裏が正しくセットされているか否かが判る。
【0048】
また、紙葉類結束装置1の方向検出部100の当接部材120は、第1面130と交差する第2面131を有し、方向検出部100は、第2面131から突出する突出部132を備え、センサ150は、テープTの表裏が正しくセットされていないときに突出部132が存在する位置、またはテープTの表裏が正しくセットされているときに突出部132が存在する位置に設けられ、突出部132の有無を検出する。
【0049】
紙葉類結束装置1の方向検出部100の突出部132の回転軸110の回転により、方向検出部100のセンサ150は、突出部132の有無を検出する。
したがって、紙葉類結束装置1のユーザは、低廉なセンサであるフォトインタラプタなどをセンサ150として用いて、テープTの表裏が正しくセットされているか否かが判る。
【0050】
上記の紙葉類結束装置1は、方向検出部100が検出した捻じり方向に係る状態量に基づいて、テープTの表裏が正しくセットされているか否かを出力する表裏出力部200を備える。
【0051】
紙葉類結束装置1の表裏出力部200は、方向検出部100が検出した捻じり方向に係る状態量に基づいて、ユーザにテープTの表裏が正しくセットされていないことを出力する。
したがって、紙葉類結束装置1のユーザは、当該テープTの表裏が正しくセットされているか否かを確認できる。
【0052】
〈第2の実施形態〉
以下、図面を参照しながら第2の実施形態に係る紙葉類結束装置1を説明する。
【0053】
第2の実施形態に係る紙葉類結束装置1は、テープTの表裏が正しくセットされていない場合は、結束部61の結束処理を制限する。これにより、紙葉類結束装置1は、当該テープTの表裏が正しくセットされていない場合の結束処理を防止でき、結束不良の紙葉類を減らすことができる。
【0054】
第2の実施形態に係る紙葉類結束装置1の制御部160は、第1の実施形態に係る紙葉類結束装置1の制御部160の構成に加えて、結束制限部300を備える。
【0055】
結束制限部300は、表裏出力部200がテープTの表裏が正しくセットされていないことを示す信号を出力した場合、結束部61による結束処理を制限する。
具体的には、結束制限部300は、テープTの表裏が正しくセットされていない場合、センサ150が出力した捻じりに係る状態量を示す信号を受け入れる。結束制限部300は、当該信号を受け入れると、結束部61に対し、結束部61の動作を止める信号を出力する。このとき、表裏出力部200も、センサ150から信号を受け入れて、テープTの表裏が正しくセットされていないことを表示部500が画面に表示させるように、表示部500に信号を出力する。
したがって、結束制限部300は、表裏出力部200がテープTの表裏が正しくセットされていないことを示す信号を出力した場合、結束部61による結束処理を制限する。
結束制限部300から上記信号を受け入れた場合、結束部61の動作が止まるので、紙葉類結束装置1の結束処理が制限される。
【0056】
これにより、紙葉類結束装置1は、当該テープTの表裏が正しくセットされていない場合の結束処理を防止でき、結束不良に係る紙葉類を減らすことができる。
【0057】
《紙葉類結束装置のセット操作》
以下、図面を参照しながら紙葉類結束装置1の動作を説明する。
図8は、テープTのセット操作を示すフローチャートである。
【0058】
ステップS1からステップS5までのセット操作は、第1の実施形態における紙葉類結束装置1のステップS1からステップS6までのセット操作と同様である。
【0059】
結束制限部300は、ステップS6で表裏出力部200が出力した信号を受け入れて、結束部61に対し、結束部61が結束を制限行わないように、信号を出力する(ステップS7)。
結束部61は、ステップS7で結束制限部300が出力した信号を受け入れて、紙葉類の結束を行わない(ステップS8)。
【0060】
上記の動作により、紙葉類結束装置1のユーザは、当該テープTの表裏が正しくセットされていない場合の結束処理を防止でき、結束不良に係る紙葉類を減らすことができる。
《作用・効果》
【0061】
また、紙葉類結束装置1は、表裏出力部200がテープTの表裏が正しくセットされていないことを出力した場合、結束部61による結束処理を制限する結束制限部300を備える。
したがって、紙葉類結束装置1は、当該テープTの表裏が正しくセットされていない場合の結束処理を防止でき、結束不良に係る紙葉類を減らすことができる。
【0062】
〈第3の実施形態〉
以下、図面を参照しながら第3の実施形態に係る紙葉類結束装置1を説明する。
【0063】
第3の実施形態に係る紙葉類結束装置1は、テープTがセットされているか否かを出力する。これにより、紙葉類結束装置1のユーザは、テープTがセットされているか否かを確認することができる。
第3の実施形態に係る紙葉類結束装置1の制御部160は、第1の実施形態に係る紙葉類結束装置1の制御部160の構成に加えて、有無出力部400を備える。
【0064】
有無出力部400は、方向検出部100が検出した捻じり方向に係る状態量に基づいて、テープTがセットされているか否かを出力する。
【0065】
図9は、テープTがセットされていない場合の第3の実施形態に係る方向検出部100を示す図である。
第3の実施形態に係る方向検出部100は、第1の実施形態に係る方向検出部100が備えるセンサ150Aに加えて、センサ150Bを備える。
【0066】
センサ150Bは、図9に示すように、テープTがセットされていない場合における、方向検出部100の突出部132の突出部132が存在する位置に配置される。図9に示すように、センサ150Bは、方向検出部100の突出部132の存在を検出する。センサ150Bの例としては、センサ150Aと同様にフォトインタラプタが挙げられる。
【0067】
テープTがセットされていない場合、方向検出部100の突出部132は、テープTに当接することなく、付勢具140によりB方向に移動する。当接部材120が限度位置まで回転する。これにより、当該突出部132がセンサ150Bの中央部の凹部(図示せず)を割り込む形に存在することとなり、センサ150Bの発光部(図示せず)と受光部(図示せず)により、センサ150Bが突出部132の存在を検出する。
【0068】
《作用・効果》
上記の紙葉類結束装置1は、方向検出部100が検出した捻じり方向に係る状態量に基づいて、テープTがセットされているか否かを出力する有無出力部400を備える。
したがって、紙葉類結束装置1のユーザは、テープTがセットされているか否かを確認することができる。
【0069】
〈他の実施形態〉
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
【0070】
図10に示すように、方向検出部100のセンサ150を配置しても良い。すなわち、方向検出部100のセンサ150は、テープTがセットされ且つテープTの表裏が正しくセットされた場合に突出部132が存在する位置に存在する。
この場合、センサ150は、テープTの表裏が正しくセットされた場合の突出部132の存在を検出する。つまり、センサ150が、突出部132の存在を検出していない場合は、テープTの表裏が正しくセットされていない場合か、若しくはテープTがセットされていない場合となる。
【0071】
これにより、紙葉類結束装置1のユーザは、センサ150を1つだけ設けても、テープTがセットされていない場合と、テープTの表裏が正しくセットされていない場合を確認することができる。
【0072】
また、方向検出部100のセンサ150は、ロータリエンコーダにしても良い。この場合、当該センサ150は、回転軸110に内蔵される。この場合は、センサ150が検出した角度により、紙葉類結束装置1のユーザは、テープTの表裏が正しくセットされているか否か、及び、テープTがセットされているか否かを確認することができる。ロータリエンコーダが検出する角度は、当接部材の回転軸回りの回転に係る状態量の一例である。
【0073】
本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で成し得る様々な変更、改良が含まれる。
【0074】
上記の一の実施形態に係る制御部160は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などの記憶装置を有している。
【符号の説明】
【0075】
1 紙葉類結束装置
21 折返案内部
13 導入部
61 結束部
100 方向検出部
110 回転軸
120 当接部材
130 第1面
131 第2面
132 突出部
140 付勢具
150 センサ
160 制御部
200 表裏出力部
300 結束制限部
400 有無出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10