(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】吊り下げベルト付き上部開口容器
(51)【国際特許分類】
A47G 19/00 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
A47G19/00 E
(21)【出願番号】P 2019143419
(22)【出願日】2019-08-03
【審査請求日】2022-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】515327052
【氏名又は名称】岡田 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【氏名又は名称】松下 恵三
(72)【発明者】
【氏名】岡田 佳子
【審査官】家辺 信太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-196647(JP,A)
【文献】特開2004-275696(JP,A)
【文献】実開平07-003435(JP,U)
【文献】実開昭60-020869(JP,U)
【文献】特開2004-097754(JP,A)
【文献】登録実用新案第3151232(JP,U)
【文献】特開2006-014912(JP,A)
【文献】実開平02-002067(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47G 19/00
A45F 3/16
A47J 41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パイプを輪切りにした形状の高台を有する上部開口容器であって、
容器を上下逆さにした際に高台の内側の底面部に付着している水を排出可能な水排出口又は水排出切欠き部を高台に設け、
高台の内側側面に吊り下げベルトの両端部を回動自在に連接し、
該吊り下げベルトを高台内側に密接状態で収納可能に形成し、
前記吊り下げベルトを高台から引き出して該吊り下げベルトにより容器を吊り下げた際、容器の底面部が傾斜した状態に保持可能に形成し、
前記高台の内側の二カ所に頭部が大径の突起部を設け、吊り下げベルトの両端部に突起部の頭部の径より小径の孔部を設け、該孔部に切り込みを設け、突起部に孔部が嵌合されて成ると共に、
前記一対の突起部を直線で結ぶ仮想ラインが水平状態にある容器の重心上を外して形成されていることを特徴とする吊り下げベルト付き上部開口容器。
【請求項2】
パイプを輪切りにした形状の高台を有する上部開口容器であって、
容器を上下逆さにした際に高台の内側の底面部に付着している水を排出可能な水排出口又は水排出切欠き部を高台に設け、
高台の内側側面に吊り下げベルトの両端部を回動自在に連接し、
該吊り下げベルトを高台内側に密接状態で収納可能に形成し、
前記吊り下げベルトを高台から引き出して該吊り下げベルトにより容器を吊り下げた際、容器の底面部が傾斜した状態に保持可能に形成し、
前記吊り下げベルトの両端部にはピンが突設され、高台の内側側面には一対の円筒突起が設けられ、ピンが円筒突起の内側に密接状態で嵌合していると共に、
前記一対の円筒突起を直線で結ぶ仮想ラインが水平状態にある容器の重心上を外して形成されていることを特徴とする吊り下げベルト付き上部開口容器。
【請求項3】
前記上部開口容器は円筒状のコップであることを特徴とする請求項1
又は2に記載の吊り下げベルト付き上部開口容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部が開口したコップやボウルや茶碗や鉢等の上部開口容器に関し、特には底部にパイプを輪切りにした形状の台部である高台(こうだい、撥高台ともいう)を有する上部開口容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、容器として使用している際には吊り下げ具が見えることが無く、また該吊り下げ具によって容器が傾いて容器内の飲料等がこぼれることが無く、水洗後に乾燥させる際には吊り下げ具によって逆さ状態に吊り下げることができ、このため乾燥に要する時間が短く、乾燥の際に他の部材に容器内部が接触することが無く、電気等を使用しないため経済的であり、また環境に負荷を与えることの無い、上部開口容器が提案されている(特許文献1)。
【0003】
該特許文献1の上部開口容器は、高台を有する上部開口容器であって、高台の内側に収納自在に吊り下げ具を設け、該吊り下げ具は高台の内側に収納されているときは高台の内側内に保持されて成ることを特徴とする上部開口容器である。
【0004】
しかしながら、該上部開口容器は、吊り下げ具によって容器を逆さ状態に吊り下げて容器内部を素早く乾燥させることが出来ても、高台がパイプを輪切りにした形状の高台である場合は、高台内側の容器底部に水が付着していると、該水は高台に堰き止められて高台外に流れ落ちることがなく、この場合高台内側が長時間濡れた状態となって、カビや雑菌が繁殖する場合があり、衛生上好ましくないという課題がある。
【0005】
これに対して、容器本体やその蓋に存在する高台の周壁部に、液溜まりを解消するための孔もしくは切欠きを複数箇所存在させた容器が提案されている(特許文献2)。
【0006】
該容器は、高台内にある水を高台の周壁部に設けた孔もしくは切欠きから排出させようとするものであるが、該容器は乾燥させる際には伏せ置かれるため、肝心の容器の内側の乾燥に時間が掛かるという課題があり、また、仮に容器が水平状態に伏せ置かれると、たとえ高台の周壁部に孔もしくは切欠きが設けられていても、高台内側にある水は該孔もしくは切欠きからスムーズに流れ落ちない場合があるという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-196647号公報
【文献】特開2004-275696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、容器として使用している際には吊り下げベルトが見えることが無く、また該吊り下げベルトによって容器が傾いて容器内の飲料等がこぼれることが無く、水洗後に乾燥させる際には吊り下げベルトによって逆さ状態に吊り下げることができるため容器の内側の乾燥に要する時間が短く、また高台内側の容器底面部にある水をスムーズに高台外に排出して高台内側部分も素早く乾燥させることが出来る、吊り下げベルト付き上部開口容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、パイプを輪切りにした形状の高台を有する上部開口容器であって、
容器を上下逆さにした際に高台の内側の底面部に付着している水を排出可能な水排出口又は水排出切欠き部を高台に設け、
高台の内側側面に吊り下げベルトの両端部を回動自在に連接し、
該吊り下げベルトを高台内側に密接状態で収納可能に形成し、
吊り下げベルトを高台から引き出して該吊り下げベルトにより容器を吊り下げた際、容器の底面部が傾斜した状態に保持可能に形成したことを特徴とする吊り下げベルト付き上部開口容器を提供する。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、高台の内側の二カ所に頭部が大径の突起部を設け、吊り下げベルトの両端部に突起部の頭部の径より小径の孔部を設け、該孔部に切り込みを設け、突起部に孔部が嵌合されて成ることを特徴とする請求項1記載の吊り下げベルト付き上部開口容器を提供する。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、吊り下げベルトの両端部にはピンが突設され、高台の内側側面には一対の円筒突起が設けられ、ピンが円筒突起の内側に密接状態で嵌合していることを特徴とする請求項1記載の吊り下げベルト付き上部開口容器を提供する。
【0012】
また、請求項4記載の発明は、一対の円筒突起又は突起部を直線で結ぶ仮想ラインが水平状態にある容器の重心上を外して形成されていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の吊り下げベルト付き上部開口容器を提供する。
【0013】
また、請求項5記載の発明は、吊り下げベルトは幅広の帯状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の吊り下げベルト付き上部開口容器を提供する。
【0014】
また、請求項6記載の発明は、上部開口容器は円筒状のコップであることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の吊り下げベルト付き上部開口容器を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る吊り下げベルト付き上部開口容器は、高台の内側側面に吊り下げベルトの両端部が回動自在に連接され、該吊り下げベルトは高台内側に密接状態で収納可能に形成されているため、吊り下げベルトが高台内側に収納されている際には、吊り下げベルトが外観上見えることが無い効果がある。また該吊り下げベルトは高台内側に密接状態にあるため高台の内側内に保持されることになり、容器をテーブル上に置いても、吊り下げベルト上に高台が乗るような状態に成ることが無いので、容器が傾いて容器内の飲料等がこぼれることが無いという効果がある。
【0016】
また、吊り下げベルトを高台内側から引き出して該吊り下げベルトにより容器を吊り下げた際には、容器の底面部を傾斜状態に保持することが出来るため、高台内側の容器底面部に付着している水等は高台に設けられた水排出口又は水排出切欠き部よりスムーズに排出されて、高台内側が素早く乾燥する効果がある。
【0017】
また、本発明に係る上部開口容器を使用後に水洗し、該水を乾燥させる際には、高台に収納されている吊り下げベルトを高台より引き出して該吊り下げベルトを壁等に設けられているフック等に引っ掛けるだけで、容器の底面部(高台側)が上方で上部開口部側が下方の状態の倒立状態で吊り下げることが出来る効果がある。
【0018】
このため、容器内に残っている水洗後の水は、効率良く容器外に落下する状態に成り、乾燥するまでの時間が短いという効果がある。特に該乾燥の際には容器内部に他の部材が接触することが無いため、衛生上も良好な状態が保たれるという効果がある。
【0019】
また、請求項2記載の上部開口容器は、高台の内側の二カ所に頭部が大径の突起部を設け、吊り下げベルトの両端部に突起部の頭部の径より小径の孔部を設け、該孔部に切り込みを設け、突起部に孔部が嵌合されているため、孔部と突起部は取り外し自在であり、水洗いの際には吊り下げベルトを取り外して別々にしっかりと洗うことが出来、洗い残しが無くなるという効果がある。
【0020】
また、請求項3記載の上部開口容器は、吊り下げベルトの両端部にはピンが突設され、高台の内側側面には一対の円筒突起が設けられ、ピンが円筒突起の内側に密接状態で嵌合しているため、吊り下げベルトの両端部のピンを円筒突起から容易に抜いて吊り下げベルトを容易に取り外すことができ、上記請求項2の上部開口容器と同様に水洗いの際には吊り下げベルトを取り外して別々にしっかりと洗うことが出来、洗い残しが無くなるという効果がある。
【0021】
また、ピンと円筒突起は密接状態で嵌合しているため、吊り下げベルトが回動する際の摩擦力が大きく、吊り下げベルトを壁等に設けられているフック等に引っ掛けて容器を吊り下げると、ピンと円筒突起との摩擦力によって容器の底面部を傾斜状態に保持させることが出来る効果がある。容器の底面部が傾いていると、該底面部に付着している水等は水排出口又は水排出切欠き部より容器外に容易に排出される効果がある。
【0022】
また、請求項4記載の上部開口容器は、一対の円筒突起又は突起部を直線で結ぶ仮想ラインが水平状態にある容器の重心上を外して形成されているため、吊り下げベルトを高台より引き出して容器を吊り下げた場合、容器は逆さに傾斜した状態に吊り下げられ、高台内側にある水等は高台に設けられた水排出口又は水排出切欠き部よりスムーズに排出されて、高台内側が素早く乾燥する効果がある。
【0023】
また、請求項5記載の上部開口容器は、吊り下げベルトが幅広の帯状に形成されているため、高台の内側に密接状態で収納された際に、確実に高台内側に吊り下げベルトが保持される効果がある。
【0024】
また、請求項6記載の上部開口容器は、円筒状のコップであるため、特に歯磨き等に使用するうがい用のコップとして使用する際には、毎日毎朝毎晩使用するコップであることから、素早くコップの内側及び高台の内側を乾燥させておく必要性が高く、本発明によって得られる上記効果が極めて有用であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】請求項1、請求項2、請求項4、請求項5及び請求項6に係る吊り下げベルト付き上部開口容器の一実施例であって、吊り下げベルトが高台の内側から引き出されている状態を高台側から見た全体斜視図である。
【
図2】請求項1、請求項2、請求項4、請求項5及び請求項6に係る吊り下げベルト付き上部開口容器の一実施例であって、吊り下げベルトが高台の内側に収納されている状態を高台側から見た全体斜視図である。
【
図3】請求項2、請求項5に係る吊り下げベルトの状態斜視図である。
【
図4】請求項1、請求項2、請求項4、請求項5及び請求項6に係る吊り下げベルト付き上部開口容器の一実施例であって、吊り下げベルトにより容器を吊り下げた際に容器の底面部が傾斜した状態となることを示す正面状態図である。
【
図5】請求項1、請求項3、請求項5及び請求項6に係る吊り下げベルト付き上部開口容器の一実施例であって、吊り下げベルトが高台の内側から引き出されている状態を高台側から見た全体斜視図である。
【
図6】請求項1、請求項3、請求項5及び請求項6に係る吊り下げベルト付き上部開口容器の一実施例であって、吊り下げベルトが高台の内側に収納されている状態を高台側から見た全体斜視図である。
【
図7】請求項1、請求項3、請求項5及び請求項6に係る吊り下げベルト付き上部開口容器の一実施例であって、吊り下げベルトにより容器を吊り下げた際に容器の底面部が傾斜した状態となることを示す正面状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
次に本発明に係る吊り下げベルト付き上部開口容器を実施するための形態に関し、
図1乃至
図7に基づき詳細に説明する。
【0027】
まず、請求項1、請求項2、請求項4、請求項5及び請求項6に係る吊り下げベルト付き上部開口容器の一実施例について
図1乃至
図4に基づいて説明する。
【0028】
図1は、本発明に係る上部開口容器1の一実施例であって、本実施例では、上部開口容器1は使用時に上部が下部よりやや大径の円筒状のコップと成っていて、上部開口部3が下方に示されている。該上部開口容器1の底面部1aにはパイプを輪切りにした形状の高台2が設けられ、該高台2には、
図1において底面部1a上に付着した水を排出可能な水排出口2aが6個設けられている。
【0029】
水排出口2aが設けられる位置であるが、吊り下げベルトにより容器を吊り下げた際に、高台内側の容器底面部に付着している水等がよりスムーズに排出されるよう、底面部が傾斜した際に最も下方位置となる高台部分に少なくとも1つの水排出口2aを設けることが好ましい(
図1、
図2、
図4、
図5、
図6、
図7参照)。これは下記の切欠き部であっても同様である。
【0030】
また、本実施例では高台2の形状を上部と下部共に同一径のパイプを輪切りした形状に形成しているが、上部と下部の径が異なるようなパイプを輪切りした形状に形成しても良い。なお、上部開口容器1を
図1と同様の上下逆さの状態に置いた際に高台2の上部が下部よりやや大径である場合は、一般的にその高台は「撥高台」と呼称されている。
【0031】
本実施例において、水排出口2aは円形の孔としているが、他の形状でも良く、また孔ではなく、高台2の一部が欠損した形状の切欠き部(図示せず、請求項1でいう水排出切欠き部、いわゆる切高台)であっても良い。
【0032】
高台2の内側側面には吊り下げベルト4の両端部4aが回動自在に連接され、吊り下げベルト4は
図3に示すように、幅広の帯状に形成されている。また、吊り下げベルト4の両端部4aには高台2の内側側面に設けられた突起部5の頭部5aの径より小径の孔部4bが設けられている。
【0033】
突起部5は、その頭部5aが大径に形成されていて、該突起部5に吊り下げベルト4の孔部4bが嵌合した際に容易に該吊り下げベルト4の孔部4bが突起部5より外れて、脱落しないように成っている。
【0034】
吊り下げベルト4の孔部4bには、切り込み4cが設けられている。これにより孔部4bを突起部2aに嵌合させる際には該切り込み4cが開いて孔部4bより大径の突起部5の頭部5aが容易に孔部4bを通過するように成っている。通過後は該切り込み4cが閉じて孔部4bが突起部5より抜け落ちることが無いように成る。
【0035】
吊り下げベルト4は
図2に示すように高台2の内側に密接状態で収納可能に形成され、詳しくは吊り下げベルト4の中央部4dが高台2側に倒された際、高台2の内側側面に圧接状態で密接するように成っている。これにより吊り下げベルト4は、上部開口容器1を通常の使用状態(
図2と上下逆の状態)に保持しても、高台2より自重で滑り出して垂れ下がることが無い。
【0036】
図1乃至
図4において、吊り下げベルト4の両端部4aにある孔部4bと嵌合する2つの突起部5は、該突起部5を直線で結ぶ仮想ラインが水平状態にある容器の重心上を外すような位置に設けられ、吊り下げベルト4によって容器を吊り下げたとき、
図4に示すように容器の底面部1aが傾斜した状態に成る。
【0037】
以上のように形成された本発明に係る上部開口容器1は、容器として使用する際には吊り下げベルト4を高台2の内側に収納させ、使用後に水洗した際には、該吊り下げベルト4を高台2より引き出して
図1のような状態にし、壁等に設けられたフック等にその中央部4dを懸架すれば、容器の内側に付着している水は容器外に素早く落下し、容器内に空気が流通するため迅速に乾燥すると共に、容器は
図4のように傾いた状態となるため、高台2の内側の底面部1aに付着している水は、水排出口2aよりスムーズに排出されて、高台2の内側が素早く乾燥する。
【0038】
次に、請求項1、請求項3、請求項5及び請求項6に係る吊り下げベルト付き上部開口容器の一実施例について
図5乃至
図7に基づいて説明する。
【0039】
図5は、本発明に係る上部開口容器11の一実施例であって、本実施例では、上部開口容器11は使用時に上部が下部よりやや大径の円筒状のコップと成っていて、上部開口部13が下方に示されている。該上部開口容器11の底面部11aにはパイプを輪切りにした形状の高台12が設けられ、該高台12には、
図2において底面部11a上に付着した水を排出可能な水排出口12aが6個設けられている。本実施例では高台12の形状を上部と下部共に同一径のパイプを輪切りした形状に形成しているが、上部と下部の径が異なるようなパイプを輪切りした形状に形成しても良い。なお、上部開口容器11を
図5と同様の上下逆さの状態に置いた際に高台12の上部が下部よりやや大径である場合は、一般的にその高台は「撥高台」と呼称されているのは上記と同様である。
【0040】
本実施例において、水排出口12aは円形の孔としているが、他の形状でも良く、また孔ではなく、高台12の一部が欠損した形状の切欠き部(図示せず、請求項1でいう水排出切欠き部)であっても良い。
【0041】
高台12の内側側面には吊り下げベルト14の両端部14aが回動自在に連接され、吊り下げベルト14は幅広の帯状に形成されている。また、吊り下げベルト14の両端部14aには高台12の内側側面に設けられた円筒突起15の内側に密接状態で嵌合するピン14bが外方向に突設されている。ピン14bは本実施例では円形棒状でありいわゆる平行ピンの形状をしているが、円筒突起15の内側に密接状態で嵌合し、下記のように容器の底面部11aを傾斜状態に保持させることが出来るのであれば他の形状のピンであっても良い。
【0042】
なお、高台の内側側面に吊り下げベルトの両端部を回動自在に連接する方法であるが、本実施例では上記孔部4bと突起部5を嵌合させる構成と、ピン14bと円筒突起15を嵌合させる構成の2つを示したが、容器の底面部を傾斜した状態に保持できるのであれば、他の構成であっても良いのは勿論である。
【0043】
吊り下げベルト14は
図6に示すように高台12の内側に密接状態で収納可能に形成され、詳しくは吊り下げベルト14の中央部14dが高台12側に倒された際、高台12の内側側面に圧接状態で密接するように成っている。これにより吊り下げベルト14は、上部開口容器11を通常の使用状態(
図6と上下逆の状態)に保持しても、高台12より自重で滑り出して垂れ下がることが無い。
【0044】
円筒突起15は高台12の直径方向の内側側面に対向して突設されていて、該円筒突起15と吊り下げベルト14の両端部14aに突設されているピン14bとが上記のように密接状態で嵌合している。このため吊り下げベルト14は回動自在ではあるがその回動の際の摩擦力が大きく、吊り下げベルト14を壁等に設けられているフック等に引っ掛けて容器を吊り下げると、
図7に示すようにピン14bと円筒突起15との摩擦力によって容器の底面部11aを傾斜状態に保持させることが出来る。
【0045】
以上のように形成された本発明に係る上部開口容器11は、容器として使用する際には吊り下げベルト14を高台12の内側に収納させ、使用後に水洗した際には、該吊り下げベルト14を高台12より引き出して
図5のような状態にし、壁等に設けられたフック等にその中央部14dを懸架して、
図7ように底面部11aが傾いた状態に保持すれば、容器の内側に付着している水は容器外に素早く落下し、容器内に空気が流通するため迅速に乾燥すると共に、容器は
図7のように傾いた状態となっているため、高台12の内側の底面部11aに付着している水は、水排出口12aよりスムーズに排出されて、高台12の内側が素早く乾燥する。
【符号の説明】
【0046】
1 上部開口容器
1a 底面部
2 高台
2a 水排出口
3 上部開口部
4 吊り下げベルト
4a 両端部
4b 孔部
4c 切り込み
4d 中央部
5 突起部
5a 頭部
11 上部開口容器
11a 英面部
12 高台
12a 水排出口
13 上部開口部
14 吊り下げベルト
14a 両端部
14b ピン
15 円筒突起