(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】発光具
(51)【国際特許分類】
F21L 4/00 20060101AFI20230718BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20230718BHJP
F21V 8/00 20060101ALI20230718BHJP
H05B 47/155 20200101ALI20230718BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230718BHJP
F21Y 113/13 20160101ALN20230718BHJP
【FI】
F21L4/00 415
F21V23/00 140
F21V23/00 113
F21V8/00 330
H05B47/155
F21Y115:10
F21Y113:13
(21)【出願番号】P 2019176525
(22)【出願日】2019-09-27
【審査請求日】2022-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000230630
【氏名又は名称】株式会社ルミカ
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】小池 明裕
(72)【発明者】
【氏名】田口 哲
【審査官】塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-210114(JP,A)
【文献】登録実用新案第3216762(JP,U)
【文献】特開2000-090702(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21L 4/00
F21V 2/00
F21V 8/00
F21V 23/00-99/00
H05B 39/00-39/10
H05B 45/00-45/59
H05B 47/00-47/29
F21Y 115/10
F21Y 113/13
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型の発光具であって、
発光素子を備える発光手段と、
前記発光手段の発光色および発光パターンの少なくとも一方を制御する制御手段と、
識別情報を設定する識別情報設定手段と、
設定された識別情報を格納する識別情報格納手段と、
制御信号および前記識別情報を発信する発信手段と、
外部からの制御信号および
他の発光具が発した識別情報を受信する受信手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記他の発光具が発し前記受信手段で受信した識別情報と、前記識別情報格納手段で格納した識別情報とが一致したか否かを判定し、
前記識別情報が一致した場合にのみ、前記制御信号に基づいて前記発光手段の発光色および発光パターンの少なくとも一方を変更するように制御
し、
発光色および発光パターンの少なくとも一方を選択する選択手段を備え、
前記識別情報設定手段は、前記選択手段で構成され、
前記識別情報は、前記選択手段の操作回数および選択順序によって設定されることを特徴とする発光具。
【請求項2】
前記発光手段からの発光を導光する導光手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光具。
【請求項3】
前記識別情報設定手段で設定中の前記識別情報の全部または一部を表示する表示手段を備えることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の発光具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光具に係り、例えばコンサート会場等で使用されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンサート会場などにおいて、音楽や歌唱に合わせて観客が手に持って振るなどしてエンターテイメント性を向上させることのできる発光具が種々提供されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術に係る発光具の中には、発光色や発光パターンを他の発光具と揃えることができるものが開発されている。より具体的には、赤外線や電波等の制御信号を2個以上の発光具間で送受信することで、発光色や発光パターンを変更できるようにしていた。
【0005】
ところで、コンサート会場等では、同機種の発光具を所有するユーザ同士が近隣に居合わせる場合もある。
【0006】
その場合には、本人が所有する2個以上の発光具について、発光色や発光パターンの変更操作を行う際に、近接する他のユーザの発光具まで発光色や発光パターンが変更されてしまうという不都合があった。
【0007】
また、逆に、自己の発光具が、近隣の他のユーザによる発光色や発光パターンの変更操作の影響(干渉)を受けて、発光色や発光パターンが勝手に変更されてしまうという問題もあった。
【0008】
本発明は、自他の発光具間における発光色、発光パターン変更時の干渉を防止することができる発光具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発光具は、携帯型の発光具であって、発光素子を備える発光手段と、前記発光手段の発光色および発光パターンの少なくとも一方を制御する制御手段と、識別情報を設定する識別情報設定手段と、設定された識別情報を格納する識別情報格納手段と、制御信号および前記識別情報を発信する発信手段と、外部からの制御信号および他の発光具が発した識別情報を受信する受信手段と、を備え、前記制御手段は、前記他の発光具が発し前記受信手段で受信した識別情報と、前記識別情報格納手段で格納した識別情報とが一致したか否かを判定し、前記識別情報が一致した場合にのみ、前記制御信号に基づいて前記発光手段の発光色および発光パターンの少なくとも一方を変更するように制御し、発光色および発光パターンの少なくとも一方を選択する選択手段を備え、前記識別情報設定手段は、前記選択手段で構成され、前記識別情報は、前記選択手段の操作回数および選択順序によって設定されることを要旨とする。
【0010】
なお、前記発光手段からの発光を導光する導光手段を備えるようにできる。
【0012】
さらに、前記識別情報設定手段で設定中の前記識別情報の全部または一部を表示する表示手段を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、自他の発光具間における発光色、発光パターン変更時の干渉を低減することができる発光具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態に係る発光具の機能構成を示す機能ブロック図である。
【
図2】実施の形態に係る発光具の第1実施例の構成を示す正面図である。
【
図3】実施の形態に係る発光具の第1実施例の使用状態を示す説明図である。
【
図4】実施の形態に係る発光具の第2実施例の構成を示す正面図である。
【
図5】実施の形態に係る発光具の第3実施例の構成を示す正面図である。
【
図6】実施の形態に係る発光具の第3実施例の構成を示す正面図である。
【
図7】実施の形態に係る発光具で実行される識別情報設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態に係る発光具で実行される識別情報転送処理の処理手順を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態に係る発光具で実行される発光制御処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1~
図9を参照して、本発明の実施の形態に係る発光具の実施例について説明する。
【0016】
(発光具の第1実施例)
図1および
図2を参照して、本実施の形態に係る発光具100A(100B)の機能構成および構成例について説明する。
【0017】
なお、
図1に示すように、本実施の形態において2台の発光具100A、100Bは同様の構成を備えている。
【0018】
また、発光具の数は、
図1に示すような2台には限定されず、同様の構成を備える3台以上の発光具を用いるようにしてもよい。
【0019】
ここで、
図1は、発光具100A(100B)の機能構成を示す機能ブロック図、
図2は、発光具100A(100B)の第1実施例を示す正面図である。
【0020】
コンサート会場などにおいて、音楽や歌唱に合わせて観客が手に持って振るなどしてエンターテイメント性を向上させる携帯型の発光具100A(100B)は、
図1に示すように、発光素子(例えば、3色(R,G,B)発光型のLED等)を備える発光手段10と、発光手段10からの発光を導光する円柱状の樹脂製の導光部材で構成される導光手段11と、発光手段10の発光色(例えば、3色(R,G,B)の一色または、それらの混合色)および発光パターン(例えば、点滅の複数のパターン)の少なくとも一方を制御するワンチップマイコン等で構成される制御手段12とを備える。
【0021】
また、発光具100A(100B)を識別する識別情報(ID情報)を設定する識別情報設定手段801と、設定された識別情報を格納するフラッシュメモリ等で構成される識別情報格納手段802とを備える。
【0022】
また、制御信号IR1および識別情報IR2を発信する赤外線発光素子等で構成される発信手段15と、外部からの制御信号IR1および識別情報IR2を受信する受光素子等で構成される受信手段14とを備える。
【0023】
そして、例えば、発光具100Bの制御手段12は、他の発光具(例えば、発光具100A)と識別情報が一致したか否かを判定し、識別情報IR2が一致した場合にのみ、制御信号IR1に基づいて発光手段10の発光色および発光パターンの少なくとも一方を変更するように制御する。
【0024】
これにより、本人が所有する2個以上の発光具100A(100B)等について、発光色や発光パターンの変更操作を行う際に、近接する他のユーザの発光具まで発光色や発光パターンが変更されてしまうという問題を解消することができる。
【0025】
また、逆に、自己の発光具100A(100B)等が、近隣の他のユーザによる発光色や発光パターンの変更操作の影響(干渉)を受けて、発光色や発光パターンが意図しないのに変更されてしまうという問題も解消される。
【0026】
また、発光具100A(100B)は、発光色および発光パターンの少なくとも一方を選択する選択手段(選択ボタン等)13を備える。
【0027】
そして、識別情報設定手段801は、この選択手段(選択ボタン等)13で構成され、識別情報は、例えば選択手段(選択ボタン等)13の操作回数および選択順序などによって設定されるようにできる。
【0028】
なお、識別情報IR2の具体的な設定方法等については後述する。
【0029】
また、識別情報設定手段801で設定中の識別情報の全部または一部を表示する液晶表示器等で構成される表示手段を設けるようにしてもよい。
【0030】
これにより、設定中の識別情報を確認することができ、設定間違い等を低減して、利便性を向上できる。
【0031】
なお、発光具100A(100B)は、各手段に電力を供給する電源部(乾電池等のバッテリ)20を備えている。また、発光色および発光パターンの少なくとも一方を保持するフラッシュメモリ等で構成される保持手段16を備えている。これにより、保持されている発光色および発光パターンの少なくとも一方を所望のタイミングで反映させることができ、エンターテイメント性や利便性をより高めることができる。
【0032】
また、保持手段16で保持されている発光色および発光パターンの少なくとも一方を確認するLED等で構成される確認用発光手段17を設けることができる。
【0033】
この場合には、確認用発光手段17で、保持手段16で保持されている発光色および発光パターンの少なくとも一方を容易に確認することができ利便性を向上することができる。
【0034】
また、制御手段12は、所定の外部装置(コントローラ等)700からの制御信号IR1を受信手段14で受信し、この制御信号に応じて発光色および発光パターンの少なくとも一方を変更するように制御するようにしてもよい。
【0035】
これにより、外部装置700からの制御で発光色および発光パターンの少なくとも一方を変更することが可能となり、エンターテイメント性を向上させることができる。
【0036】
なお、制御信号IR1および識別情報IR2の送受信は、赤外線通信に限定されず、電波通信等で行ってもよい。
【0037】
また、発光色および発光パターンの少なくとも一方の変更に代えて、或いは加えて、振動モードや音声モードを変更するようにしてもよい。
【0038】
(第1実施例の構成)
次に、
図2および
図3を参照して、第1実施例に係る発光具100A(100B)の構成について説明する。
【0039】
発光具100A(100B)は、主に、ABS樹脂等で成形される筐体201と、透明または半透明等のアクリル樹脂またはガラス等で成形された中空円筒状の導光部材(導光手段)11とから構成されている。
【0040】
なお、導光手段11の内周には、表面に多数の微細な凹凸を形成したフィルム111が設けられている。
【0041】
これにより、発光手段10からの光は、フィルム111によって乱反射されて、より効率的に外部へ射出される。
【0042】
筐体201は、有底円筒状に形成され、上部に開口部を有している。図には現れないが、開口部の内周には雌ねじ部が形成されており、導光部材11の下端側の外周に形成された雄ねじ部と螺合されるように構成されている。
【0043】
なお、筐体201と導光部材11の固定構造は、上述の螺合構造には限定されず、ビス止め等の他の固定方式を採用してもよい。
【0044】
筐体201の上部の外面には、3つの選択ボタン13a~13cが配置されている。
【0045】
図2に示す例では、中央部に矩形状の選択ボタン13aが設けれ、この選択ボタン13aの左右に矢印形の選択ボタン13b、13cが配置されている。なお、図示は省略するが、筐体201の背面側に操作スイッチ等を設けてもよい。
【0046】
ここで、矩形状の選択ボタン13aは、透光性の樹脂で成形されたボタン(被押圧部)を備えている。そして、筐体201内に配置される確認用発光手段17としてのLEDの発光を透光することにより、保持手段16で保持(カラーリザーブ)されている発光色および発光パターンの少なくとも一方を容易に確認できるようになっている。
【0047】
なお、筐体201の選択ボタン13a~13cの下方側には、後述する基板等からの熱を排出する排熱孔210が形成されている。
【0048】
筐体201の内部には、円柱状の空間が形成されている。
【0049】
図3に示すように、筐体201の内部には、制御手段12としてのワンチップマイコン、発光手段10としてのLED、受信手段14としての受光素子、発信手段15としての赤外線発光素子等を搭載した基板320と、基板320の上面を覆うように配置される光学系部材としてのレンズ部材310、電源部20としてのバッテリ(乾電池等)などが収容されている。
【0050】
なお、レンズ部材310は、ポリカーボネート、アクリル、スチロール等の透明樹脂で一体的に成形することができる。
【0051】
そして、例えば、矢印形の選択ボタン13b、13cの何れかの押圧操作により、保持手段16で保持(カラーリザーブ)する色および発光パターンを選択する。そして、選択ボタン13aの押圧操作により、保持されている色および発光パターンがLED10の点灯状態に反映される。
【0052】
また、識別情報(ID情報)を設定する際には、例えば選択ボタン13aの操作等により識別情報設定モードに移行する。
【0053】
次いで、選択ボタン13b、13cを押圧する順序等により識別情報(ID情報)を設定する。
【0054】
即ち、例えば、選択ボタン13bに「0」を割り当て、選択ボタン13cに「1」を割り当てた場合には、選択ボタン13b、13cを交互に2回押した場合には、識別情報として「0101」を設定することができる。
【0055】
同様に、例えば、選択ボタン13b、13cを、13b→13b→13c→13bの順で押した場合には、識別情報として「0010」を設定することができる。
【0056】
このようにして、「0」と「1」を組み合わせた識別情報(ID情報)を設定することができる。
【0057】
なお、上述の例では、4桁の識別情報(ID情報)を設定する場合を示したが、これには限定されず任意の桁数とすることができる。
【0058】
また、例えば、選択ボタン13bに「10の位の数字」を割り当て、選択ボタン13cに「1の桁の数字」を割り当て、00~99の数字を識別情報(ID情報)として設定するようにしてもよい。
【0059】
即ち、選択ボタン13bを押すごとに、00→10→20→・・・と10の位を入力し、選択ボタン13cを押すごとに、0→1→2→3→・・・と1の位を入力することにより、00~99の数字を設定することができる。
【0060】
なお、矩形状の選択ボタン13aの再度の長押し操作により、電源がオフされる。
【0061】
このように、選択ボタン13a~13cの比較的簡単な押圧操作により、識別情報(ID情報)を設定することができる。
【0062】
そして、例えば選択ボタン13aの操作等により識別情報転送モードに移行し、他の発光具100B等に、設定した識別情報ID2を赤外線等により転送することができる。
【0063】
これにより、例えば、識別情報(ID情報)を設定済みの発光具100Aから、未設定の他の発光具100B等に識別情報ID2を転送することで、他の発光具100B等における識別情報設定の操作を省略して利便性を向上することができる。
【0064】
また、制御手段12において、例えば、発光具100Aと他の発光具100B等との間で識別情報IR2が一致したか否かが判定される。
【0065】
そして、識別情報IR2が一致した場合にのみ、制御信号IR1に基づいて発光手段10の発光色および発光パターンの少なくとも一方を変更するように制御される。
【0066】
これにより、自他の発光具100A(100B)等の間における発光色、発光パターン変更時の干渉を低減することができる。
【0067】
即ち、同機種の発光具を近隣の者が使用している場合において、本人が所有する2個以上の発光具100A(100B)等について、発光色や発光パターンの変更操作を行う際に、識別情報が異なる近接する他のユーザの発光具まで発光色や発光パターンが変更されてしまう事態を回避することができる。
【0068】
また、逆に、自己の発光具100A(100B)等が、識別情報が異なる近隣の他のユーザによる発光色や発光パターンの変更操作の影響(干渉)を受けて、発光色や発光パターンが変更されてしまう事態も回避できる。
【0069】
(第2実施例の構成)
図4は、第2実施例に係る発光具100A2(100B2)の構成例を示す。
【0070】
なお、第1実施例に係る発光具100A(100B)と同様の構成については同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0071】
第2実施例に係る発光具100A2(100B2)は、第1実施例に係る発光具100A(100B)の3つの選択ボタン13a~13cに代えて、2つの選択ボタン13d、13eを備える点が異なる。
【0072】
第2実施例に係る発光具100A2(100B2)では、選択ボタン13d、13eを押圧する回数、順番等によって識別情報(ID情報)を設定する。
【0073】
この第2実施例に係る発光具100A2(100B2)によっても、第1実施例に係る発光具100A(100B)と同様の効果を得ることができる。
【0074】
(第3実施例の構成)
図5は、第3実施例に係る発光具100A3(100B3)の構成例を示す。
【0075】
なお、第2実施例に係る発光具100A2(100B2)と同様の構成については同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0076】
第3実施例に係る発光具100A2(100B2)は、第2実施例に係る発光具100A2(100B2)の構成に加えて、識別情報を表示する表示部551を備える点が異なる。
【0077】
図5に示す例では、表示部551は、2ケタの表示セグメント551a、551bを備える。
【0078】
なお、設定可能とする識別情報(ID情報)のケタ数に応じて、表示セグメントの数を増やすようにしてもよい。
【0079】
また、表示部551を液晶表示器で構成することもできる。
【0080】
これにより、選択ボタン13d、13eを押圧する回数、順番等によって設定される識別情報(ID情報)を表示部551に表示することで確認することができ、利便性を向上できる。
【0081】
(第4実施例の構成)
図6は、第4実施例に係る発光具100A4(100B4)の構成例を示す。
【0082】
なお、第1実施例に係る発光具100A(100B)等と同様の構成については同一符号を付して重複した説明は省略する。
【0083】
第4実施例に係る発光具100A4(100B4)では、選択ボタン13g、13hの下方側に、操作ダイヤル13fが時計回りD2および反時計回りD1に回動可能に設けられている。
【0084】
操作ダイヤル13fの円周部付近には、0~9の数字が印字あるいは刻印されている。
【0085】
なお、操作ダイヤル13fの直上には、操作ダイヤル13fで選択した数字を合わせる突起状のポインタ561が設けられている。
【0086】
また、例えば、選択ボタン13gの押圧で10の位を設定し、選択ボタン13hの押圧で1の位を設定するようにできる。
【0087】
そして、第4実施例に係る発光具100A4(100B4)において、識別情報(ID情報)を設定する場合には、まず操作ダイヤル13fをD1方向またはD2方向に回動させて、所望の数字を選択する。次いで、選択ボタン13gを押圧して10の位を設定する。次に、再度操作ダイヤル13fをD1方向またはD2方向に回動させて、所望の数字を選択し、選択ボタン13hを押圧して1の位を設定する。このような操作により、0~99の任意の識別情報(ID情報)を設定することができる。
【0088】
なお、識別情報(ID情報)の転送処理および識別情報の判定処理等は、第1から第3の実施例に係る発光具と同様である。
【0089】
この第4実施例に係る発光具100A4(100B4)によっても、第1実施例に係る発光具100A(100B)等と同様の効果を得ることができる。
【0090】
(識別情報設定処理)
次に、
図7のフローチャートを参照して、第1実施例に係る発光具100A等で実行される識別情報設定処理の処理手順の例について説明する。
【0091】
本処理を開始するに当たって、発光具100A等は所定の操作で電源がオンされているものとする。
【0092】
図7のフローチャートに示すように、所定の操作により識別情報設定モードになったか否かが判定される(ステップS10)。
【0093】
判定結果が「No」の場合には待機し、「Yes」の場合にはステップS11に移行する。
【0094】
ステップS11では、選択ボタン13a~13c等の操作により任意の識別情報を入力してステップS12に移行する。
【0095】
ステップS12では、入力操作は完了したか否かが判定され、「No」の場合にはステップS11に戻り、「Yes」の場合にはステップS13に移行する。
【0096】
ステップS13では、入力された識別情報を識別情報格納手段802に格納して処理を終了する。
【0097】
これにより、発光具100A等に所望の識別情報を設定することもできる。
【0098】
(識別情報転送処理)
次に、
図8のフローチャートを参照して、第1実施例に係る発光具100A等で実行される識別情報転送処理の処理手順の例について説明する。
【0099】
本処理を開始するに当たって、発光具100A等は所定の操作で電源がオンされているものとする。
【0100】
図8のフローチャートに示すように、所定の操作により識別情報転送モードになったか否かが判定される(ステップS20)。
【0101】
判定結果が「No」の場合には待機し、「Yes」の場合にはステップS21に移行する。
【0102】
ステップS21では、識別情報IR2の転送を実行してステップS22に移行する。
【0103】
ステップS22では、識別情報転送モードを終了して処理を完了する。
【0104】
これにより、例えば、識別情報(ID情報)を設定済みの発光具100A等から、未設定の他の発光具100B等に識別情報ID2を転送することで、他の発光具100B等における識別情報設定の操作を省略して利便性を向上することができる。
【0105】
(発光制御処理)
次に、
図9のフローチャートを参照して、第1実施例に係る発光具100A等で実行される発光制御処理の処理手順の例について説明する。
【0106】
本処理を開始するに当たって、発光具100A等は所定の操作で電源がオンされているものとする。
【0107】
ステップS30では、発光具100A等を所定の操作により、発光手段としてのLED10を点灯してステップS31に移行する。
【0108】
ステップS31では、他の発光具100B等の発光パターン等を変更するか否かが判定される。
【0109】
判定結果が「No」の場合には待機し、「Yes」の場合にはステップS32に移行する。
【0110】
ステップS32では、発光具100A等と、他の発光具100B等との間で識別情報(ID情報)ID2が一致するか否かが判定される。
【0111】
判定結果が「Yes」の場合にはステップS33に移行して、発光パターン等を変更するための制御信号IR1を発信してステップS34に移行する。
【0112】
一方、ステップS32の判定結果が「No」の場合にはステップS34に移行する。
【0113】
ステップS34では、電源がオフされたか否かが判定され、「No」の場合にはステップS31に戻り、「Yes」の場合には処理を終了する。
【0114】
これにより、本人が所有する2個以上の発光具100A等について、発光色や発光パターンの変更操作を行う際に、識別情報(ID情報)ID2が一致する場合にのみ発光パターン等が変更されるので、識別情報が異なる他のユーザの発光具まで発光色や発光パターンが変更されてしまう事態を回避することができる。
【0115】
また、他者の発光具とは識別情報が異なるため、自己の発光具100A等が近隣の他のユーザによる発光パターン等の変更操作の影響(干渉)を受けて、発光色や発光パターンが勝手に変更されてしまうという不都合も解消される。
【0116】
以上、本発明の発光具100A(100B)等の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各手段の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置き換えることができる。
【符号の説明】
【0117】
100A~100A4、100B~100B4 発光具
IR1 制御信号
IR2 識別情報(ID情報)
10 発光手段(LED)
11 導光手段(導光部材)
12 制御手段
13 選択手段(選択ボタン、操作ボタン)
14 受信手段(受光素子)
15 発信手段(発光素子)
16 保持手段
17 確認用発光手段
20 電源部(バッテリ)
201…筐体
13a~13h 操作ボタン
13f 操作ダイヤル
700 外部装置
801 識別情報設定手段
802 識別情報格納手段