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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】穿刺システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20230718BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20230718BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
A61M25/06 500
A61M25/06 556
A61B17/34
A61M25/00 612
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020540538
(86)(22)【出願日】2019-01-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-20
(86)【国際出願番号】 EP2019051751
(87)【国際公開番号】W WO2019149615
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2022-01-17
(31)【優先権主張番号】102018102390.1
(32)【優先日】2018-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】521423278
【氏名又は名称】エブネット・メディカル・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Ebnet Medical GmbH
【住所又は居所原語表記】August-Bebel-Str. 26, 19055 Schwerin, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】エブネット、イエンス
【審査官】中村 一雄
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第02662107(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2004/0147877(US,A1)
【文献】国際公開第2017/017095(WO,A1)
【文献】特開昭64-022262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
A61B 17/34
A61M 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の身体部分に留置するように設定された外側チューブ状体を有する穿刺システムであって、前記穿刺システムは、少なくとも1つの内側チューブ状体と穿刺ニードルとを有しており、前記内側チューブ状体は、前記外側チューブ状体の作業ルーメンに挿通されるとともに前記外側チューブ状体に対して長手方向に移動可能であり、前記穿刺ニードルは前記内側チューブ状体の穿刺ルーメンに挿通されており、前記内側チューブ状体は前記穿刺ニードルに対して長手方向に移動可能である、穿刺システムにおいて、以下の特徴a)、b)、c)、すなわち
a)前記穿刺システムは、手動で操作することにより少なくとも固定位置及び取外し位置にセット可能である手動操作可能な固定要素を有し、前記固定位置において、前記内側チューブ状体に対する前記穿刺ニードルの長手方向移動性が取消し又は低減される、
b)前記穿刺システムがシール要素を有し、前記シール要素によって少なくとも患者の近位端部で前記内側チューブ状体が前記外側チューブ状体に対して密封される、
c)前記穿刺システムは、患者の近位端部に、前記身体部分に前記外側チューブ状体を挿入するために用いられる拡張体を有し、前記拡張体に前記内側チューブ状体が挿通され、前記拡張体は11度未満の鋭角で延びている、
のすべてによって特徴付けられる、穿刺システム。
【請求項2】
前記固定位置にある前記固定要素によって、手動で操作することにより調整可能な程度で前記長手方向移動性を低減可能であることを特徴とする、請求項1に記載の穿刺システム。
【請求項3】
前記固定要素を、手動で操作することにより異なった固定位置にセット可能であり、前記異なった固定位置において、前記長手方向移動性をそれぞれ互いに異なった程度で低減可能であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の穿刺システム。
【請求項4】
前記固定要素はクランプ要素として形成されているか、又はクランプ要素を有し、前記クランプ要素によって、前記穿刺ニードルを前記内側チューブ状体に対して締付可能であることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の穿刺システム。
【請求項5】
前記シール要素は、前記内側チューブ状体の外面に固定されていることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の穿刺システム。
【請求項6】
前記シール要素は、前記内側チューブ状体のプラスチックコーティングとして、特にPTFEコーティングとして形成されていることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の穿刺システム。
【請求項7】
前記内側チューブ状体はその外面に非平坦な表面を有することを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の穿刺システム。
【請求項8】
前記非平坦な表面の、前記患者の近位端部の少なくとも部分領域が前記シール要素によって覆われ、特に気密に覆われていることを特徴とする、請求項に記載の穿刺システム。
【請求項9】
前記穿刺システムは少なくとも1つの取付要素を有し、前記取付要素は、前記穿刺システムを患者に固定するように形成されていることを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の穿刺システム。
【請求項10】
前記穿刺システムは、利用者による前記穿刺システムの容易な保持のための保持体を有することを特徴とする、請求項1からのいずれか1項に記載の穿刺システム。
【請求項11】
前記保持体は切欠部を有し、前記切欠部は糸を通すように設定されていることを特徴とする、請求項1に記載の穿刺システム。
【請求項12】
前記穿刺システムは、前記内側チューブ状体、前記外側チューブ状体、及び/又は前記穿刺ニードルを安定させるためのマンドリンを有することを特徴とする、請求項1から1のいずれか1項に記載の穿刺システム。
【請求項13】
前記内側チューブ状体は、少なくとも部分的に金属からなるか、又は金属でコーティングされていることを特徴とする、請求項1から1のいずれか1項に記載の穿刺システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体の身体部分に留置するように設定された外側チューブ状体(外側チューブ状ボディ)を有する穿刺システムに関し、穿刺システムは、少なくとも1つの内側チューブ状体(内側チューブ状ボディ)と穿刺ニードルとを有しており、内側チューブ状体は、外側チューブ状体の作業ルーメンに挿通されるとともに、外側チューブ状体に対して長手方向移動可能であり、穿刺ニードルは内側チューブ状体の穿刺ルーメンに挿通されており、内側チューブ状体は穿刺ニードルに対して長手方向移動可能である。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2017/017095号は穿刺システムを記載し、この穿刺システムは相互に移動可能に案内された3つの要素からなる。
【0003】
この種類の穿刺システムは、例えば中心静脈カテーテルとして用いることができ、外側チューブ状体がカテーテルホースとして設定されていてもよい。この外側チューブ状体は、穿刺される末梢静脈を介して体内に挿入され、その先端が心臓近くで中心静脈に位置決めされる。中心静脈カテーテルを介して、例えば液体、薬剤、又は化学療法薬を注入することができる。中心静脈カテーテルは、何週間も患者内にとどめておくことができるように形成されている。内側チューブ状体は、中心静脈用静脈カテーテルの標準的な挿置に用いられるセルディンガーワイヤに代わるものである。内側チューブ状体はカテーテルホースのためのガイド体として穿刺された静脈に導入される。それによりカテーテルホースが正しく位置決めされるまで、内側チューブ状体を介してカテーテルホースを前に押し動かしさえすればよい。したがって穿刺システムは3層構造である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017/017095号
【発明の概要】
【0005】
それゆえ本発明は、上記の穿刺システムをさらに発展させるという課題にもとづいている。
【0006】
上記課題は、請求項1の特徴を有する穿刺システム及び請求項16の特徴を有するチューブ状体により解決される。有利な実施形態は従属請求項に記載されている。
【0007】
穿刺システムが、手動で操作することにより少なくとも固定位置及び取外し位置にセット可能である手動操作可能な固定要素を有し、固定位置において、
-外側チューブ状体に対する内側チューブ状体の、及び/又は
-内側チューブ状体に対する穿刺ニードルの、及び/又は
-外側チューブ状体に対する穿刺ニードルの
長手方向移動性が取消又は低減されることが提案される。
【0008】
本発明には、穿刺システムが利用者によって公知の解決策より簡単かつ確実に患者に適用され得るという利点がある。この場合、固定要素は、穿刺システムの異なった層を相互に固定するために用いられ、それにより個々の層の長手方向移動性が低減又は取消される。このようにすることで、穿刺ニードル、内側チューブ状体、及び/又は外側チューブ状体の不都合な動きが回避される。例えば、外側チューブ状体に対する内側チューブ状体の長手方向移動性が低減又は取消されることが考えられる。したがって、穿刺ニードルによる生体の穿刺時に、内側及び外側チューブ状体が穿刺された身体部分の方向に不都合に動くことが回避される。しかし、穿刺が行われ、内側チューブ状体が穿刺された身体部分に挿入された後にこれらの要素が動くことを回避するために、穿刺ニードルが内側チューブ状体に対して固定位置にセット可能であることも可能である。さらに、穿刺ニードルを外側チューブ状体に対して固定することが可能であり、それにより穿刺された身体部分への内側チューブ状体の確実な案内が保証される。例えば患者への穿刺システムの適用が行われた後に、穿刺システムの個々の層の不都合な長手方向の動きを防止するために、穿刺ニードル、内側チューブ状体、及び外側チューブ状体を相互に固定位置にセット可能であることも考えられる。その際、穿刺システムの異なった固定位置が、利用者によって触覚的に、例えば穿刺システムにおける相応のマーキングによって識別できるように形成されていてもよい。
【0009】
これに代えて、又は上記の解決策と組み合わせて、穿刺システムがシール要素を有してもよく、シール要素によって少なくとも患者の近位端部で内側チューブ状体が外側チューブ状体に対して密封される。このように密封することによって、内側チューブ状体と外側チューブ状体との間で流体の交換が生じ得ないことが確保される。それにより吸引時の不都合な空気吸引も回避することができる。
【0010】
これに代えて、又は上記の解決策と組み合わせて、穿刺システムが患者の近位端部に、身体部分に外側チューブ状体を挿入するために用いられる拡張体を有してもよく、拡張体に内側チューブ状体が挿通され、拡張体は360°システムを前提として11度未満の鋭角で延びる。この角度は、拡張体の外側に位置する2つの拡張面間の角度寸法を指すのであって、拡張体の中心軸線を指すのではない。
【0011】
拡張体が10.5度未満の鋭角で延びることが有利であり得る。これには、拡張体が内側チューブ状体を介して穿刺された身体部分に押し込まれることにより簡単に、かつ穿刺箇所を付加的に拡開することなしに外側チューブ状体を穿刺された身体部分に挿入することができるという利点があり、この場合、必要な拡張が行われ、かつ外側チューブ状体が身体部分に押し入れられ得る。そのために、拡張体が11度未満の、特に10.5度未満の鋭角で延びることが必要であり、それにより拡張過程において皮膚を通って前に押し動かすことができる。拡張体を前に押し動かすことを容易にするために、拡張体が摩擦抵抗を低下させる材料からなるか、又は摩擦抵抗を低下させる材料でコーティングされていることが考えられる。穿刺された身体部分への拡張体の挿入が行われた後に拡張体が拡開され、それにより穿刺された身体部分に外側チューブ状体を挿入できるように穿刺箇所を拡開することも考えられる。
【0012】
有利な一展開形態では、固定位置にある固定要素によって、手動で操作することにより調整可能な程度で長手方向移動性を低減可能であってもよい。有利には固定要素を手動で操作することにより異なった固定位置にセット可能であってもよく、異なった固定位置において長手方向移動性をそれぞれ互いに異なった程度で低減可能である。これには、長手方向移動性が利用者によって必要に応じて異なった程度で低減され得るという利点がある。例えば長手方向移動性を取消すこと、又はある程度だけ低減すること、すなわち利用者が必要とみなす場合に個々の層の抵抗を相互に高めることが可能である。固定要素を手動で操作することにより異なった固定位置にセット可能であり、異なった固定位置において
-外側チューブ状体に対する内側チューブ状体、及び/又は
-内側チューブ状体に対する穿刺ニードル、及び/又は
-外側チューブ状体に対する穿刺ニードル
に関する長手方向移動性を調整可能であることが有利である。
【0013】
有利な一実施形態では、穿刺システムの固定要素がクランプ要素として形成されていてもよいし、又はクランプ要素を有していてもよく、クランプ要素によって、
-内側チューブ状体を外側チューブ状体に対して、及び/又は
-穿刺ニードルを内側チューブ状体に対して、及び/又は
-穿刺ニードルを外側チューブ状体に対して締付可能である。
【0014】
穿刺システムの安定した位置を保証できるようにするために、クランプ要素を提供することによって穿刺システムの個々の層が相互に部分的又は完全に固定されてもよい。その際、クランプ要素は、テーパ状にスリットを入れたスリーブと袋ナット(Ueberwurfmutter)とを有する一種のコレット(Spannzange)として形成されていてもよく、袋ナットを締めることによって個々の層がスリーブの内部テーパ(Innenkegel)に押し込まれ、それにより締め付けられる。しかし以下の選択肢も考えられる。
-個々の層を固定するために穿刺システムに導入される膨張体であって、膨張体の膨張によって内側に位置する層が外側に位置する層に向かって押され、それにより固定される。
-湾曲部材システムであって、穿刺システムの外にある湾曲部材を押圧により折り畳むことによって個々の層が相互に固定される。
-相応の孔から穿刺システムに導入されるねじであって、ねじを回して異なった層(Lagen)を押圧により相互に固定する。
-穿刺システムの個々の層のコーティングが、従来のシステムとは異なり長手方向移動性が制限されるように設定されていてもよい。
-個々の層が、例えば刻み目によって互いに噛合可能であることも可能である。
-個々の層が、非円形の、又はいくつかの箇所で大きくした直径を具備し、それにより個々の層を相互に回動させることによって、又は引き出す及び引き戻すことによって少なくとも部分的な固定が行われることにより個々の層を互いに楔止可能(verkeilbar)にすることができる。
-クランプ要素は、例えばばね機構によってすべての層を非接触ポジションで相互に固定するように形成されていてもよい。クランプ要素の押し、又は引きによって、各層の固定が取消され、ばねが緊張する。クランプ要素が押し又は引きされない場合、クランプ要素は、ばね機構にもとづいてその初期位置に戻り、すべての層を相互に固定する。クランプ要素のこの実施形態には、クランプ要素が例えば指一本だけで操作可能であるという利点がある。
【0015】
固定要素の上記の各機能は調節可能及び反復可能であり、それにより固定要素の大きなフレキシビリティが保証されている。特に、固定要素は、穿刺システムを個々の生体及びその個別の解剖学的構造に、若しくは種々異なる身体部位の解剖学的構造に適合させることができるようにもすべきである。内側チューブ状体から突出する穿刺ニードルの鋭利な部分の、穿刺されるべき生体の方に向く自由長を制限できることにより、穿刺されるべき構造の推測される皮下深さをすでに穿刺過程の開始前に考慮することができる。それによってさらに、解剖学的に深いところに位置する構造を、特に経験のない利用者によって誤って穿刺される危険が減少する。これは新規の穿刺システムの重要な安全面である。
【0016】
有利な一展開形態では、シール要素が内側チューブ状体の外面及び/又は内面に固定されている。シール要素が内側チューブ状体のプラスチックコーティングとして、特にPTFEコーティングとして形成されているならばさらに有利である。これには、内側チューブ状体と外側チューブ状体との間の流体交換が簡単な設計で効果的かつ効率的に阻止されるという利点がある。
【0017】
有利な一展開形態では、内側チューブ状体が外面に非平坦な表面を有する。例えば、非平坦な表面は、内側チューブ状体が例えばコイルばねの場合のようにらせん状に巻回された材料からなることによって生じてもよく、それにより非平坦な表面が生成される。このような巻線によって、内側チューブ状体のフレキシビリティを高めることができ、それにより患者への容易な適用が可能にされる。これに加えて、材料は、ソノグラム及びX線画像で良好に表示可能であり得る。非平坦な表面の場合、このような表面が患者の近位端部の少なくとも部分領域においてシール要素によって覆われ、特に気密に覆われているならば有利であり得る。非平坦な表面を有する内側チューブ状体を作製する場合、特にらせん状の巻線の場合に内側チューブ状体が外側チューブ状体と比べて流体透過性ということになってもよい。シール要素によって、穿刺システムの患者の近位端部の少なくとも部分領域において内側チューブ状体と外側チューブ状体との間の流体交換を簡単に阻止することができる。
【0018】
生体に適用するためのチューブ状中空体が少なくとも部分的に金属からなることも可能であり、チューブ状中空体は、非平坦な表面を有し、特別な穿刺システムに組み込まれることなしに外面又は内面に、密封コーティングを少なくとも部分的に備えている。さらに、チューブ状中空体がらせん状の構造を有するならば有利である。らせん状の構造によって、チューブ状中空体は、患者への容易な適用を可能にする大きなフレキシビリティを有する。チューブ状中空体をコーティングによって少なくとも部分的に密封することにより、フレキシビリティが維持され、それと同時にチューブ状中空体が流体不透過性になり、それによりチューブ状中空体によって、例えば体液の採取又は薬剤投与が可能にされる。
【0019】
必要ならば、チューブ状中空体が、例えばチューブ状中空体の特定区間を含むか、又は橋渡し(ueberbruecken)してもよく、それによりチューブ状中空体のらせんの分解(Entspiralisierung)を防ぐさらなる構造又は要素で、例えば横方向、縦方向、若しくは対角線方向に延びる構造又は要素によって補強されてもよい。
【0020】
チューブ状中空体を密封することは、例えば、チューブ状中空体の内面及び/又は外面に例えばPTFEコーティングなどのプラスチックコーティングにより行われてもよい。その際、チューブ状中空体は、例えば特殊鋼などの金属からなってもよい。それにより、チューブ状中空体の電気伝導性も実現することができ、それにより例えば身体における位置コントロールのためにECG信号が誘導されてもよい。
【0021】
チューブ状中空体は、例えば金属からなるコイルばねのように巻回されてもよい。その際、個々の層が互いに密に隣接してもよく、それによりこれらの層が互いに接触する。これは、すでに知られている密に巻回されたスチールワイヤからなるセルディンガーワイヤの構造に似ている。密に巻回された金属からなる層によって、チューブ状中空体は耐切断性(schnittfest)及び耐突刺性(stichfest)に形成されている。チューブ状中空体の外面及び/又は内面の密封コーティングは、チューブ状中空体を流体不透過性に形成する。それによりこのチューブ状中空体は、例えば吸引時に空気を引き込み得ない。有利には、穿刺された身体部分の負傷を回避するために、患者の近位端部においてチューブ状中空体の先端が反り返り可能であってもよい。
【0022】
しかし、非平坦な表面を提供し、それによりチューブ状中空体の高いフレキシビリティが実現される、例えば波形管などのように、チューブ状中空体が周囲に配分して配置される溝を有することも考えられる。溝は、チューブ状中空体の全周にわたって連続して延び、有利には均等な間隔又は不均等な間隔で平行にチューブ状中空体の長さにわたって配分して配置されている。それによりチューブ状中空体は交互の直径を有する。このようにすることで、チューブ状体を異なったポジションで位置合わせ可能であることが可能である。しかし溝が周囲にらせん状に配分されて延在し得ることも考えられる。このようならせん状の溝には、チューブ状中空体を通して送られる流体の圧力損失が低減され、それと同時に流体の渦流(Verwirbelung)が実現され得るという利点がある。
【0023】
このようなチューブ状中空体は、異なった医療用利用領域で使用することができる。例えば呼吸管としての使用が可能である。基本的に、流体が充填される2つ以上の空間が互いに連絡するように接続されるべき場合にはいつも利用することが可能であり、そのうちの1つ又は複数の空間が生体に位置してもよいし、1つ又は複数の空間が、例えば技術的機器に位置してもよい。しかし、続いてカテーテルが挿置されるか、又は挿置されない胸腔穿刺、膀胱穿刺、気管穿刺、又は膿瘍穿刺のために利用することも考えられる。基本的に、すべての体腔及び身体の隙間の穿刺及び/又はカテーテル挿置における利用が可能である。これはとりわけチューブ状中空体の正確な位置決定によって可能にされる。なぜなら、穿刺されるべき構造の予測される内容物の吸引がどの時点でも可能になり得るからである。穿刺された身体部分にチューブ状中空体が入っている場合、チューブ状中空体が例えば気体交換又は液柱により穿刺されるべき組織の内容物のみならず、吸引手段とも連絡することによっていつでも位置決定を行うことができる。
【0024】
穿刺システムがその最終的なポジションにまだ達していない場合、若しくは穿刺システムの最適な最終位置が利用者によってまだ探られている場合、位置決定は上述したように任意の頻度で行うことができるという点で新種の穿刺原理が成立する。
【0025】
その際、チューブ状中空体は、穿刺システムとは無関係に用いることができる。したがってこのチューブ状中空体は、穿刺システムと組み合わせて使用されてもよいが、このことは患者に利用するための前提条件はない。チューブ状中空体は、例えば上述した穿刺システムの内側チューブ状体として使用されてもよく、それにより内側チューブ状体の大きなフレキシビリティが実現され、それにより患者への適用が容易になる。患者とは、人のみならず動物の生体と解することができる。
【0026】
有利な一展開形態では、穿刺システムは少なくとも1つの取付要素を有し、取付要素は患者に穿刺システムを固定するように形成されている。それにより操作進行中に穿刺システムの確実な使用が確保され得る。穿刺システムの固定は、例えば皮膚に縫い付けることによって行われてもよい。しかし穿刺システムを皮膚に固定するためにクリック/クリップメカニズムも考えられる。クリック/クリップメカニズムによって、細い皮膚ステープル若しくは取付要素が皮膚の方向に押され、それにより皮膚ステープルが皮膚若しくは結合組織に入り込み、穿刺システムの確実な固定をもたらす。しかしその場合、皮膚ステープルを患者から簡単に引き抜くことができることにより、穿刺システムの取外しをいつでも行うことができる。それにより、時間のかかる穿刺システムの縫合を省略することができる。これに加えて、クリック/クリップメカニズムの上述した過程が任意に反復されてもよい。したがって穿刺システムが、体内に深く挿入する場合に位置修正のために特定区間引き抜かれてもよい。それにより縫い付け直す必要がなくなる。
【0027】
穿刺システムが、例えばジェルクッションとして形成されていてもよく、粘着性若しくは付着性の液体又はジェルの入った、液体が充填された要素を有することも考えられる。触れるとジェルクッションが裂け、付着性液体又はジェルがジェルクッションから流出し、穿刺システムが付着性液体又はジェルによって患者に固定される。
【0028】
穿刺システムは、利用者による穿刺システムの容易な保持のための保持体を有してもよい。このような保持体によって、利用者にとって穿刺システムの取り扱いが改善され、それにより患者へのより簡単な適用が達成され得る。さらに、保持体が切欠部を有するならば有利であり、切欠部は糸を通すように設定されている。その際、縫合によって患者の方向に引きが加えられ得る。それにより穿刺システムの固定が改善され得る。患者の近位端部に第2保持体が配置されていてもよい。この保持体は、固定的に(fest)に、しかし穿刺システムの最外側の層に対して移動可能に配置可能であるように形成されていてもよい。それにより穿刺システムを2つの手で確実に操作することができる。
【0029】
有利な一展開形態では、穿刺システムは、内側チューブ状体、外側チューブ状体、及び/又は穿刺ニードルを安定させるためのマンドリンを有する。マンドリンは、チューブ状体及び/又は穿刺ニードルを穿刺された身体部分に挿入するための補助手段として用いられる。マンドリンは、位置決め後に穿刺システムの少なくとも1つの層から取り外されてもよい。これに加えて、マンドリンは、それが必要な場合には、ある程度引き戻されてもよい。マンドリンは、例えば中空のカニューレとして形成されていてもよく、マンドリンは個々の層の案内を安定させ、それに伴い容易にする。
【0030】
それに加えて、引き続いての挿入過程の間に体内により深く達し得る皮膚円筒形物(Hautzylinder)が穿刺ニードルによって取り外されるか若しくは打ち出されることがマンドリンによって阻止されてもよい。それにより例えば脊髄近くでの、及び一般に神経に近い適用など、穿刺システムの新たな利用領域が開かれる。その際、マンドリンが中空でなく、中実に形成されているならば有利であり得る。この場合、マンドリンは、組織円筒形物を打ち出さないようにするためにチューブ状体のルーメンを完全に満たす。
【0031】
穿刺ニードルにマンドリンが入っていてもよく、このマンドリンは、固定要素によってそのポジションが同様に変位可能であり、この位置に固定可能であってもよいし、又は固定要素の機能とは無関係のままであってもよい。
【0032】
内側チューブ状体が少なくとも部分的に金属からなるか、又は金属でコーティングされているならば有利である。このようにすることで、内側チューブ状体を穿刺ニードルによって誤って突き刺すことを阻止することができる。
【0033】
穿刺システムの患者の近位端部から突出する穿刺部により身体部分の穿刺が行われた後に、内側チューブ状体が、穿刺システムの患者の近位端部から、外側チューブ状体から少なくとも部分的に押出し可能であり、その際、穿刺システムの患者の近位端部から突出する穿刺ニードルの穿刺部を内側チューブ状体の穿刺ルーメン内に少なくとも部分的に収容するように形成されているならば有利である。これには、外側チューブ状体をはるかに簡単かつ迅速に患者に適用できるという利点がある。多層構造によって、内側チューブ状体は、穿刺が行われた後に穿刺ニードルを介してそのように形成された開口部に押し込まれ得る。その際、内側チューブ状体は、すでに穿刺された血管を穿刺ニードルの先端による負傷から守る。外側チューブ状体を内側チューブ状体を介して所望のポジションへ押し動かすことができることにより、内側チューブ状体は、外側チューブ状体の挿入補助として機能する。
【0034】
しかし、穿刺システムが最終的なポジションにある場合に内側チューブ状体がその位置に放置されてもよい。これは、特に、体内にある、例えば小さい血管などの他の構造に選択的に内側チューブ状体の患者に近い開口部を通って到達すべき場合にも有意義である。内側チューブ状体がX線不透過性(roentgendicht)に形成されていることにより、そのポジションが付加的に検証されてもよい。さらに例えば内側チューブ状体を通して造影剤が注入されてもよい。上述の諸特性によって、特に介入医学の利用領域も開拓することができる。
【0035】
穿刺システムは患者の遠位端部に吸引補助手段又は吸引補助手段を連結するための吸引連結部を有してもよい。例えば従来の注射器として形成されていてもよい吸引補助手段は、吸引連結部を介して、例えば穿刺ニードルと接続されてもよい。しかし吸引補助手段が内側チューブ状体又は外側チューブ状体と接続され得ることも考えられる。これにより穿刺システムの患者に近い部分がまだ目標構造内にあるか否かをどの時点でも吸引によってコントロールすることができる。それにより例えば血液の吸引によって、穿刺システムの患者に近い部分がまだ血管内にあるのか否かが検証されてもよい。
【0036】
穿刺システムには、負圧要素が配置されていてもよく、穿刺が行われた後に、負圧室に自動的に液体若しくは血液が充填される。それにより穿刺システムの位置を簡単に検知することができる。なぜなら血液の色に応じて穿刺システムが静脈血管にあるか、又は動脈血管にあるからである。負圧要素は、例えば吸引手段の代わりに連結されてもよい。これに代えて、負圧要素が穿刺システムの脚部又は3方コックに連結されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、複数の負圧要素が上述のように連結されてもよい。これらの負圧要素は簡単に取り付け可能であり、再び取り外すこともできる。
【0037】
穿刺システムは、例えば外側チューブ状体の外面に配置されている膨らませることのできるマンシェット、いわゆるカフを有していてもよい。このようなカフによって、皮下に導入されたカフを膨らませるか、又は液体を充填し、それにより穿刺システムが外に向けて密封されることにより、穿刺システムの外に向けての密封が行われてもよい。それによってさらに、穿刺システムは、特に、例えば空気管などの中空体においてその位置が安定させられ得る。
【0038】
穿刺システムが患者の遠位端部に中間接続されたY片を有していてもよく、Y片に3方コックが組付けられてもよい。その際、3方コックがY片の延長部に連結されてもよい。しかし3方コックがY片に直接連結されてもよいことも考えられる。これは、3方コックが係止要素に差し込まれ得ることにより、例えばY片における係止要素により行うこともできよう。その際、Y片は、その長手軸線を中心として回動可能に支承されていてもよく、それによりY片は利用者により有利なポジションに回動させられてもよい。その際、3方コックを別個に支承することも可能であり、それにより非常に高いフレキシビリティが保証されるとともに、利用者に最適な操作を可能にする。その際、3方コックは、例えばそれ自身の軸線を中心として回動可能に支承されていてもよい。有利には、例えば空気、粒子、又は細菌が生体の体内に侵入することを阻止することができるフィルタも3方コックに組み込まれていてもよい。これに代えて、このようなフィルタが穿刺システムの他のポジションに組み込まれてもよい。
【0039】
その際、穿刺システムがモジュール構造であってもよく、それにより穿刺システムの部品が必要とされない場合にこれらの部品が取り外されてもよい。カテーテルホースの分岐、例えば複数のルーメン、作業管路、又は流路への分岐が必要でない場合には、例えばY片を撤去してもよい。これは、例えばねじ結合により行うことができよう。その際、Y片は、取外し可能なカバープレートとして形成されていてもよい。
【0040】
穿刺システム内の流体を認識及び識別できるようにするために、有利には、穿刺システムが少なくとも部分的に透明に形成されていてもよい。それにより流体の流れ方向も決定することができる。
【0041】
本発明によるカテーテルの別の特殊性は、小ルーメンの内側チューブ状体が使用され得ることである。これには穿刺ニードルにより提供された皮膚開口部が、内側チューブ状体を押し込む場合にそれほど拡開されなくてすむという利点がある。特にこの場合、一般的な医療上の意味での拡張は必要ない。それゆえ本発明によるカテーテルは、拡張カニューレなしでも実現することができる。その代わりに内側チューブ状体には、穿刺ニードルにより提供されたルーメンを保全(Sicherung)する機能がある。それゆえ内側チューブ状体をルーメン保全カニューレと呼ぶこともできる。したがって本発明の有利な一展開形態では、内側チューブ状体の外径が穿刺ニードルの外径の最大で2倍の大きさである。有利な一展開形態では、内側チューブ状体の外径は、穿刺ニードルの外径の最大1.5倍の大きさである。その際、直径は用途専用に形成されていてもよい。したがって例えば穿刺システムの直径がより大きいこと、又はより小さいことも考えられる。
【0042】
したがって他の知られている提案とは異なり、カテーテルホースより小さい直径の穿刺ニードルが提案され、それにより皮膚には小さい穴しか残らない。
【0043】
公知のカテーテル解決策に対して決定的な利点がこの点にもある。公知のシステムでは、例えば大きい直径を有するカニューレが使用され、その場合、このカニューレを通してカテーテルホースが静脈に挿入される。カニューレは放置されてもよいし、場合によっては割り裂いて(gespalten)取り外されてもよい。このようなシステムでは皮膚の穿刺穴は、カテーテルホースより大きい直径を有し、それによって通常、カテーテルホースの皮膚入口箇所からの出血が起こる。これに加えて、挿入されるべきカテーテルホースの直径がカニューレの直径によって制限される。カニューレがすでにある程度の直径を有さざるを得ないので、カテーテルホースの直径が制限され、それにより単位時間当たりに特別に多い液体量を静脈に注入することができない。さらに、公知のシステムでの欠点は、穿刺のために使用される穿刺ニードルも同様に大きい直径を有し、それにより穿刺が外傷を与えることである。誤穿刺は、結果として甚大な損傷を伴う可能性がある。そのような欠点が本発明によって克服される。
【0044】
それに応じて、穿刺ニードルから内側チューブ状体への移行部にわずかな口径跳躍(Kalibersprung)しか存在しない。内側チューブ状体への挿入をいっそう簡易化するために、内側チューブ状体は患者の近位端部で丸くして形成されていてもよい。
【0045】
外側チューブ状体に関しては、内側チューブ状体と比較して、より大きい口径跳躍が生じるが、このことは、多量の液体を供給するのに必要となる所要の内径を実現するためにも必要である。それゆえ本発明の有利な一展開形態では、外側チューブ状体の外径が内側チューブ状体の外径の少なくとも2倍の大きさである。これにより大流量が保証される。本発明の有利な一展開形態では、外側チューブ状体の外径は内側チューブ状体の外径の少なくとも3倍の大きさである。
【0046】
それに応じて、外側チューブ状体を静脈に挿入する場合に初めて拡張ステップが必要である。
【0047】
穿刺システムは、滅菌されたカバーを有していてもよく、滅菌されたカバーは第4の層として外側チューブ状体若しくは穿刺システム上に設けられてもよい。このような滅菌されたカバーによって、穿刺システムをさらに安定させることができる。
【0048】
滅菌されたカバー、特に患者の近位端部の方に向いたカバーは、比較的硬い(fester)材料から形成されていてもよい。それにより滅菌されたカバーは、穿刺システム、特に外側チューブ状体を前に押し動かす場合に皮膚に引き留められるが、特に、外側チューブ状体が体外にある場合に穿刺システムを付加的に安定させる。滅菌されたカバーが皮膚を通過できないことにより、穿刺システムは、体外ではどちらかといえば硬い特性を有するが体内ではどちらかといえば可撓特性を有する。
【0049】
適用の開始時に安定させて皮膚に載置でき、それにより穿刺システムの位置ずれを阻止する吸盤に似た要素も考えられよう。しかし、適用前に安定させて皮膚に載置できるスタンプ状の載置部材(Aufsatz)も可能である。例えば滅菌されたカバーの患者の近位端部を、例えば別個に組付けられてもよい保護リングの形でのビード状(wulstartige)又は別様に形成された拡開が可能である。これに代えて拡開がキャップ状、突出部状、フラップ状に形成されていてもよい。
【0050】
滅菌されたカバーと外側チューブ状体との間に少なくとも1つの滑り要素が配置されていてもよく、これにより2つの層の最適な長手方向移動性が保証されている。滑り要素は、例えば玉として、又は玉に似た下位要素を有する面として形成されていてもよく、玉は、滅菌されたカバーに対する外側チューブ状体の摩擦抵抗を低下させる。
【0051】
さらに、これに代えて、又はこれに加えて外側チューブ状体と滅菌されたカバーとの間に潤滑ジェル、他の液体、又は溶液が配置されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、滅菌されたカバーと外側チューブ状体との間の摩擦抵抗を低下させる表面コーティングが使用されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、密な閉鎖によって真空の意味での空気のない空間が生成及び保持されてもよい。これに代えて、又はこれに加えて、ナノテクノロジーが使用されてもよい。
【0052】
このような滅菌されたカバーによって、衛生面を満たす閉鎖されたシステムが提供され得る。さらに不都合な状況下、及び特殊な状況での穿刺にも適した極めて頑強な穿刺システムが生じる。これに代えて、又はこれに加えて、滅菌されたカバーが管状又は薄片状に形成されていてもよい。この場合、滅菌されたカバーの種々の薄い層が重なり合い、それにより滅菌されたカバーを短くすることにより、穿刺システムが皮膚を通過する場合に滅菌されたカバーが伸縮棒のように短くなる。これに代えて、又はこれに加えて、滅菌されたカバーが割り裂き又は引き剥がし可能であってもよく、それにより、穿刺システムが最終ポジションにあり、したがって滅菌されたカバーの必要がなくなった場合に取外し可能であってもよい。滅菌されたカバーは、有利にも透明に形成されていてもよく、それにより患者の皮膚を通して外側チューブ状体を前に押し動かす過程をどの時点でも正確に目で追うことができる。滅菌されたカバーは、耐切断性及び耐突刺性に形成されていることが有利である。
【0053】
本発明は以下の特徴により有利に展開されてもよい。
-内側チューブ状体は、穿刺システムに横から挿入可能であってもよく、例えば、接続要素が外側チューブ状体のルーメンへの接続を可能にしてもよい。この場合、内側チューブ状体は、挿入前に、例えばすでに滅菌された付加的なカバー内に入っていてもよい。
-個々の層の移動性は、例えば回転ホイールを用いて行われてもよく、その際、回転ホイールが移動させるべき層と、回転ホイールの回転により層のうちの1つを前進及び/又は後退させることができるように相互作用する。
-穿刺が行われた後に、内側チューブ状体内に流入する流体によって穿刺ニードルを引き戻すことができるように、穿刺ニードルが内側チューブ状体内に配置されている。
-個々の層は、穿刺システムの固定される領域における損傷を回避するために、固定される他でもないその領域が、固定要素により、特に適切な材料選択によって補強して形成されていてもよい。
-外側チューブ状体は、液体流出又は流入のための切欠部を有していてもよい。この場合、切欠部は、外側チューブ状体の患者の近位端部に位置決めされていてもよい。その際、注入されるべき液体の流量を増やすために複数の流出穴が設けられていてもよい。切欠部の形状は様々に形成することができ、それにより流れ方向に有利に影響を及ぼすことができる。それにより切欠部は、特にスリット状に又は傾斜をつけて(angeschraegt)形成されていてもよい。
-切欠部は、液体の流れを所定方向にのみ可能にする抑止要素(Rueckhaltelemente)を有していてもよい。これは、例えばそれぞれ1つの液体のための1つの独立した管路が一方向にのみ通過可能であることが許される透析カテーテルの場合に有利であり得る。
-穿刺システムは保全要素を有してもよく、保全要素は、穿刺システムを取り外した後に、穿刺ニードル上に到達し、それにより患者又は利用者に突刺損傷が生じ得ない。保全が穿刺ニードルの折り畳みによって行われる保全要素としての引張メカニズムも考えられよう。
-穿刺システムの適用は多くの利用領域において可能である。この場合、例えば色パターン及び/又は数字パターンが適用プロセスを明瞭化し、それにより患者安全性を著しく高めることができる。
-穿刺システムは、疎水性の構成部品及び親水性の構成部品を有してもよく、利用者に近い構成部品は、例えば疎水性に形成されていてもよく、それにより液体が跳ね返されて穿刺システムがあまり汚れない。これは例えば個々の層の相応の表面コーティングにより行うことができる。これに加えて、身体部分への個々の層の挿入を容易にすることができる、及び/又はチューブ状体内の流れ状態に影響を及ぼすことができるという利点もある。
-外側チューブ状体は、耐切断性及び耐突刺性に形成されていてもよい。これは、例えば覆いによって、又は相応の材料を使用することによって行うことができる。しかし、穿刺システムのすべての層が耐切断性及び耐突刺性に形成されていることも考えられる。
-穿刺システムが検出要素を有してもよく、検出要素は感圧性に形成されており、圧力が高くなると検出要素に液体が充填される。このようにして動脈穿刺を検出することができる。なぜなら動脈系内の圧力は、基本的に静脈系内より高いからである。その際、検出要素は、感圧性の転轍機(Weiche)、若しくは例えば生体の血液回路内の圧力状態に応じて、互いに分離した2つのインジケータチャンバに血液を充填する感圧弁として形成されていてもよい。それにより静脈穿刺と動脈穿刺とを区別することができる。「動脈チャンバ」への流入口は、ある程度の圧力を上回って初めて開く。静脈穿刺が求められる場合にこのチャンバに血液が充填されると、動脈の誤穿刺と考えることができる。このことは患者の安全性をさらに高める。この場合、感圧性が様々に調整されてもよく、例えば患者の血液循環状況若しくは臨床上の状況に適合されてもよい。
-穿刺システムは、液体の逆方向の流出、並びに穿刺システムへの空気の侵入及びそれに伴う患者の体内への侵入を阻止する逆止弁を有していてもよい。
-外側チューブ状体は、弁、又は内側チューブ状体を取り外した場合に内側チューブ状体を収容する外側チューブ状体の作業ルーメンが自動的に閉止されるように形成されている弁メカニズムを具備してもよい。
-穿刺システムは、血液接点を有してもよい種々異なる箇所で材料によりコーティングされていてもよく、この材料は、血液の酸素含有量若しくは血液の酸素分圧を変色によって表示する。
-穿刺システムは、抗バクテリア若しくは抗微生物にコーティングされていてもよい。
-穿刺システムは、少なくとも一箇所に例えばバクテリアによる汚染を表示する特殊な表面コーティングを備えていてもよい。この表面材料が蛍光を発する特性を有してもよい。
-これに代えて、吹きつけることにより汚染を可視化し得るスプレーも考えられる。
-例えば酸素含有量の値を読み取るために、穿刺システムに直接又は穿刺システムの包装に印刷されてもよいカラーチャートが使用されてもよい。
-穿刺システムは、異なった患者に個別に適合させるために、長手方向に変位可能に形成されていてもよい。例えば穿刺システムは、長手方向に変位できるようにするために少なくとも部分的にアコーディオン状に形成されていてもよい。
-上記の穿刺システムにおいて、従来のセルディンガーワイヤが使用されてもよく、その際、このワイヤが穿刺ニードル又は内側チューブ状体又は外側チューブ状体を通して患者に挿入されてもよい。
-穿刺システムが偶発的に折れてしまった場合、吸引手段が遮断するように形成されており、それにより液体の吸引又は供給ができなくなるならば有利であり得る。
-穿刺システムの1つ又は複数の構成部品が、特に外部からの能動的な影響によって揉み可能又は変形可能であってもよい。それによりそれぞれの患者に個別に、例えば患者の個々の大きさに適合させることが可能である。それに加えて、例えば血管の特殊な形状、並びに体腔及び体の隙間の特殊な構成などそれぞれの解剖学上の特異性に適合させることも可能である。
-穿刺システムの1つ又は複数の構成部品は、硬く又は剛直に形成されていてもよい。特に、例えば最小侵襲外科の領域などの特殊な領域において利用するために、大部分の又はすべての構成部品が硬く又は剛直に形成されてもよい。これによって、トロカールに似た特性を有するとともに、その最終的なポジションにおいて、内側チューブ状体などの1つ又は複数の層を取り外した後に、例示的に外科器具又は内視鏡器具が体腔又は体の隙間への経路を開くことができる穿刺システムが成立する。
【0054】
以下、図面を使用した実施例をもとにして本発明を詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0055】
図1】穿刺システムの断面図を示す。
図2図1による穿刺システムを90°回転させたポジションの側面図を示す。
図3】穿刺システムの患者の近位端部の側面の拡大図を示す。
図4図3による穿刺システムの患者の近位端部の断面の拡大図を示す
図5図1による穿刺システムの患者の遠位端部の断面の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0056】
図1は、穿刺システム1の断面図を示す。穿刺システム1を排気した状態で直ぐに使用できるようにするために、納品状態では穿刺システム1のすべてのルーメンに滅菌された食塩水又は蒸留水が充填されていてもよい。
【0057】
穿刺システム1は患者の近位端部2を有し、この患者の近位端部は、患者の、例えば静脈に挿入するように設定されている。患者の遠位端部3は患者から離反した側に配置されており、操作は穿刺システム1の利用者によって患者の遠位端部3から行われる。穿刺システム1が外側のカバー4、特に滅菌されたカバー4を有することが明らかになり、穿刺ニードル5、内側チューブ状体6、及び外側チューブ状体7は滅菌されたカバー内に配置されている。穿刺ニードル5は、内側チューブ状体6の作業ルーメン内で長手方向移動可能に案内されており、内側チューブ状体6は、外側チューブ状体7の作業ルーメン内で長手方向移動可能に案内されている。
【0058】
図1は、納品状態の穿刺システム1を示す。納品状態では、穿刺ニードル5は患者の近位端部2において穿刺システム1からまだ突出していない。穿刺ニードル5はまだ保護キャップ8を備えており、この保護キャップは患者に適用する前に初めて取り外されなければならない。このような保護キャップ8は、穿刺ニードル5が利用者及び/又は患者を適用前に負傷させること、及び穿刺ニードルが非滅菌の影響にさらされることを阻止する。
【0059】
患者への穿刺システム1の適用は、例えば穿刺システム1に相応のカラーコーディング又はナンバリングによって表されていてもよい以下のステップで実行することができる。
【0060】
1.穿刺ニードル5によって静脈を穿刺する
2.内側チューブ状体6を静脈内の所望のポジションへと前に押し動かす
3.穿刺ニードル5を取り外す/押し戻す
4.内側チューブ状体6を閉止する
5.外側チューブ状体7を静脈内で内側チューブ状体6を越えて前に押し動かす
6.内側チューブ状体6を取り外す/押し戻す
外側チューブ状体7は拡張体9を有し、穿刺された箇所がこの拡張体9によって段階的に拡開され、直径が内側チューブ状体6より大きいことから外側チューブ状体7を穿刺された身体部分に挿入することができる。その際、拡張体9は11度未満の、殊に10.5°未満の角度で延び、それにより穿刺された箇所の確実な拡開が保証されている。
【0061】
滅菌されたカバー4が穿刺システム1に安定させるように作用することが明らかになる。滅菌されたカバー4は、その寸法にもとづいて穿刺された箇所を通過することができない。したがって滅菌されたカバー4は、例えば固い材料から形成されていてもよく、穿刺システム1は、内側チューブ状体6と外側チューブ状体7とともに患者の体内で可撓特性を有し、外側のカバー4は体外で穿刺システム1に安定させるように作用し、それにより患者への適用が容易になる。その際、カバー4は、穿刺ニードル5、内側チューブ状体6、及び外側チューブ状体7の長手方向移動がどの時点でも利用者の目に見えるようにするために透明に形成されている。その際、穿刺ニードル5、内側チューブ状体6、及び外側チューブ状体7が透明に形成されていてもよい。
【0062】
患者の遠位端部3には注射器を連結するための連結体10が設けられており、注射器は、例えば血液吸引を行うために使用されてもよい。連結体10におけるマンドリン11は、外側及び内側チューブ状体7、6並びに穿刺ニードル5の挿入を容易にする。
【0063】
穿刺システム1は2つの取付要素13をさらに有し、取付要素13は穿刺システム1を患者に固定するように設定されている。そのために穿刺システム1は、例えば取付要素13で患者に縫い付けられてもよい。
【0064】
穿刺システム1には、患者の近位端部2と患者の遠位端部3との間にY片14が配置されている。Y片14には3方コック15.1が連結されている。それにより例えば異なった液体を同時に投与することを可能にする穿刺システムへの複数のアクセスを簡単に提供することができる。その際、3方コック15.1は、3方コック15.1が係止メカニズム15.2に係止することによって迅速かつ信頼できる接続を可能にする係止メカニズム15.2を介してY片14と接続されている。3方コック15.1を介して、例えば注射器、点滴、又は穿刺システム1を介した連続ECG誘導(kontinuierliche EKG Ableitung)のための電気接続線が連結されてもよい。例えば人体への空気の侵入を阻止することができるフィルタも3方コックに組み込まれていてよい。その際、液体の流れを所定方向にだけ可能にする弁が3方コックに組み込まれていてもよい。このようにして、穿刺システムからの利用者の方向への意図しない液体の流れを阻止することができる。
【0065】
穿刺システム1は固定要素16を有し、固定要素16は、長手方向にスリットを入れたスリーブ17と、袋ナット18とから形成されている。穿刺ニードル5、内側チューブ状体6、及び/又は外側チューブ状体7の長手方向移動性を固定要素16によって低減又は取消できることが明らかになる。袋ナット18を締めることによって、穿刺システム1の位置を安定させ、それにより患者への適用が容易になるように穿刺ニードル5、内側チューブ状体6、及び/又は外側チューブ状体7を相互に固定することができる。例えば、3つの層のうち2つだけが相互に長手方向移動可能に固定されてもよく、それにより適用段階に応じて違う層の固定を行うことができることも考えられる。
【0066】
図2は、図1による穿刺システム1を90°回転させたポジションの側面図を示す。この図において、穿刺システム1が保持体19.1を有することが見て取れ、保持体19.1は、適用過程において第2の手で患者の近位端部2を保持及び制御あるいはさらに安定させることを利用者に可能にすることから、操作者にとって使用し易くする。
【0067】
保持体は、糸を通すように構成されている切欠部19.2を有する。切欠部19.2及び取付要素13(図1を参照)を介して患者に縫い付けられる継ぎ目(Naht)によって、患者の方向に引張力を加えることができ、それにより患者への固定が改善される。
【0068】
図3は、穿刺システム1の患者の近位端部2の拡大図を示す。穿刺システム2の3層構造が明らかになる。その際、穿刺ニードル5は、内側チューブ状体6の作業ルーメン内で長手軸線Lの方向に長手方向移動可能に配置され、内側チューブ状体6は、外側チューブ状体7の作業ルーメン内に配置されている。さらに、外側チューブ状体7が拡張要素9を有し、拡張要素9は11°未満の鋭角で延び、それにより穿刺された身体部分の拡開を達成でき、それによって外側チューブ状体7を穿刺された箇所を通って患者の体内に導くことができる。これに対して内側チューブ状体6に拡張体は必要でない。なぜなら穿刺ニードル5との直径差が小さいので、内側チューブ状体6を穿刺された箇所を通って問題なく体内に挿入することができるからである。
【0069】
さらに、外側チューブ状体7が穴20を有することが見て取れる。外側チューブ状体7の外面におけるこのような穴20は液体排出口として用いることができる。その際、穴20は、その形状が限定されていず、むしろ異なる形態であってもよい。これに代えて、液体の流れ方向に対して有利に影響を及ぼすために、穴は、例えば傾斜をつけて又はスリット状に形成されていてもよい。
【0070】
図4は、さらに図3による穿刺システム1の患者の近位端部2の断面の拡大図を示す。穿刺システム1が、外側チューブ状体7の外面に複数の穴20を有し、これらの穴20が患者の近位端部2の異なった位置に配置されていることが見て取れる。
【0071】
穴20には外側チューブ状体の管路21がそれぞれ割り当てられている。これは液体の流入と流出とが可能であるべき場合に特に有利であり得る。その場合、これは自給自足流路(autarken Kanaele)21の1つを介して行われてもよい。
【0072】
図4から、内側チューブ状体6が円周にわたって延びるシール要素22を有することがさらに見て取れる。シール要素22は、例えばPTFEコーティングであってもよく、内側チューブ状体6の外面に設けられていてもよい。内側チューブ状体6が、例えば巻線状の構造である場合、密封することが必要であり、それにより内側チューブ状体6と外側チューブ状体7との間に流体流が生じ得ない。図4において、シール要素22は、チューブ状体6の周りで部分的にしか延びていない。しかし、シール要素22がチューブ状体6の全周にわたって延び得ることも考えられる。
【0073】
図5は、図1による穿刺システム1の患者の遠位端部3の断面の拡大図を示す。固定要素16は、長手方向にスリットを入れたスリーブ17と袋ナット18とから形成されている。袋ナット18を締めた後に、穿刺ニードル5と内側チューブ状体6とが長手方向にスリットを入れたスリーブ17に押し込まれ、それにより長手方向移動性が低減されることが明らかになる。その際、長手方向移動性がどの層で低減されるのかは、この実施例に左右されない。長手方向にスリットを入れたスリーブ17に外側チューブ状体7が収容され、それによりすべての3つの層の長手方向移動性が低減又は取消され得ることも考えられよう。
【0074】
図1図5は、可能な実施例と解される。本発明による教示の他の形もさらに考えられる。さらに、実施例の形態は相互に不可分には結び付いていず、例えば本発明の実施形態は、実施例の詳細に説明された形態とは無関係である。したがって、例えば個々の要素の数、長さ、又は大きさは常に可変であると考えられる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] 生体の身体部分に留置するように設定された外側チューブ状体を有する穿刺システムであって、前記穿刺システムは、少なくとも1つの内側チューブ状体と穿刺ニードルとを有しており、前記内側チューブ状体は、前記外側チューブ状体の作業ルーメンに挿通されるとともに前記外側チューブ状体に対して長手方向に移動可能であり、前記穿刺ニードルは前記内側チューブ状体の穿刺ルーメンに挿通されており、前記内側チューブ状体は前記穿刺ニードルに対して長手方向に移動可能である、穿刺システムにおいて、以下の特徴a)、b)、c)、すなわち
a)前記穿刺システムは、手動で操作することにより少なくとも固定位置及び取外し位置にセット可能である手動操作可能な固定要素を有し、前記固定位置において
a1)前記外側チューブ状体に対する前記内側チューブ状体の、及び/又は
a2)前記内側チューブ状体に対する前記穿刺ニードルの、及び/又は
a3)前記外側チューブ状体に対する前記穿刺ニードルの
長手方向移動性が取消し又は低減される、
b)前記穿刺システムがシール要素を有し、前記シール要素によって少なくとも患者の近位端部で前記内側チューブ状体が前記外側チューブ状体に対して密封される、
c)前記穿刺システムは、患者の近位端部に、前記身体部分に前記外側チューブ状体を挿入するために用いられる拡張体を有し、前記拡張体に前記内側チューブ状体が挿通され、前記拡張体は11度未満の鋭角で延びている、
のうちの1つ、複数、又はすべてによって特徴付けられる、穿刺システム。
[2] 前記固定位置にある前記固定要素によって、手動で操作することにより調整可能な程度で前記長手方向移動性を低減可能であることを特徴とする、[1]に記載の穿刺システム。
[3] 前記固定要素を、手動で操作することにより異なった固定位置にセット可能であり、前記異なった固定位置において、前記長手方向移動性をそれぞれ互いに異なった程度で低減可能であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の穿刺システム。
[4] 前記固定要素は、手動で操作することにより異なった固定位置にセット可能であり、前記異なった固定位置において、前記長手方向移動性をそれぞれ[1]の前記特徴a1)、特徴a2)、特徴a3)の異なった組合せに関して調整可能であることを特徴とする、[1]から[3]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[5] 前記固定要素はクランプ要素として形成されているか、又はクランプ要素を有し、前記クランプ要素によって、
a1)前記内側チューブ状体を前記外側チューブ状体に対して、及び/又は
a2)前記穿刺ニードルを前記内側チューブ状体に対して、及び/又は
a3)前記穿刺ニードルを前記外側チューブ状体に対して締付可能である
ことを特徴とする、[1]から[4]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[6] 前記シール要素は、前記内側チューブ状体の外面に固定されていることを特徴とする、[1]から[5]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[7] 前記シール要素は、前記内側チューブ状体のプラスチックコーティングとして、特にPTFEコーティングとして形成されていることを特徴とする、[1]から[6]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[8] 前記内側チューブ状体はその外面に非平坦な表面を有することを特徴とする、[1]から[7]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[9] 前記非平坦な表面の、前記患者の近位端部の少なくとも部分領域が前記シール要素によって覆われ、特に気密に覆われていることを特徴とする、[8]に記載の穿刺システム。
[10] 前記穿刺システムは少なくとも1つの取付要素を有し、前記取付要素は、前記穿刺システムを患者に固定するように形成されていることを特徴とする、[1]から[9]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[11] 前記穿刺システムは、利用者による前記穿刺システムの容易な保持のための保持体を有することを特徴とする、[1]から[10]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[12] 前記保持体は切欠部を有し、前記切欠部は糸を通すように設定されていることを特徴とする、[11]に記載の穿刺システム。
[13] 前記穿刺システムは、前記内側チューブ状体、前記外側チューブ状体、及び/又は前記穿刺ニードルを安定させるためのマンドリンを有することを特徴とする、[1]から[12]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[14] 前記内側チューブ状体は、少なくとも部分的に金属からなるか、又は金属でコーティングされていることを特徴とする、[1]から[13]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[15] 前記内側チューブ状体は、前記穿刺システムの患者の近位端部から突出する前記穿刺ニードルの穿刺部によって身体部分の穿刺が行われた後に、前記穿刺システムの前記患者の近位端部から少なくとも部分的に前記外側チューブ状体から押出し可能であり、前記内側チューブ状体は、前記穿刺システムの前記患者の近位端部から突出する前記穿刺ニードルの前記穿刺部を前記内側チューブ状体の前記穿刺ルーメンに少なくとも部分的に収容するように形成されていることを特徴とする、[1]から[14]のいずれか1項に記載の穿刺システム。
[16] 生体に適用するためのチューブ状中空体であって、前記チューブ状中空体は、少なくとも部分的に金属からなり、前記チューブ状中空体は非平坦な表面を有する、チューブ状中空体において、前記チューブ状中空体は、密封コーティングを外面又は内面に少なくとも部分的に備えていることを特徴とする、チューブ状中空体。
図1
図2
図3
図4
図5