IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

<>
  • -針組立体 図1
  • -針組立体 図2
  • -針組立体 図3
  • -針組立体 図4A
  • -針組立体 図4B
  • -針組立体 図5A
  • -針組立体 図5B
  • -針組立体 図5C
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】針組立体
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
A61M25/06 512
A61M25/06 500
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2022544884
(86)(22)【出願日】2020-08-24
(86)【国際出願番号】 JP2020031751
(87)【国際公開番号】W WO2022044061
(87)【国際公開日】2022-03-03
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】592148993
【氏名又は名称】東郷メディキット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】田中 保臣
【審査官】石田 智樹
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0131872(US,A1)
【文献】特開2017-42226(JP,A)
【文献】国際公開第2017/033449(WO,A1)
【文献】特開2019-51220(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 25/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体組織にカテーテルを導入するための針組立体であって、
前記カテーテルに摺動可能に嵌入する中実または中空の針であって、前記カテーテルから露出して前記体組織に穿刺可能な針先を有する針と、
前記針を運搬するべく前記針に結合したハブと、
前記ハブを収容して前記針の操作の用に供するハンドルであって、前記針先を前記カテーテルから露出させる第1の位置から、前記針先を前記カテーテル中に没させる第2の位置を経由し、前記針先を前記ハンドル中に隠す第3の位置まで、前記ハブが軸方向に移動するのを許容するハンドルと、
前記第1の位置から前記第3の位置に向けて前記ハブに付勢力を及ぼすべく前記ハンドルに内装されたスプリングと、
前記付勢力に抗して前記ハブを前記第1の位置に一時的に停止する第1の係合部と、
前記付勢力に抗して前記ハブを前記第2の位置に一時的に停止する第2の係合部と、
を備えた針組立体。
【請求項2】
前記ハブを前記第1の係合部および前記第2の係合部から解放するレリーズをさらに備え、
前記レリーズは単一の可撓片であって、前記第1の係合部に作用する第1の突起と、前記第2の係合部に作用する第2の突起とを備える、請求項1の針組立体。
【請求項3】
前記レリーズは、前記ハンドルから一体的に延び、前記第1の係合部および前記第2の係合部上にオーバーハングした片持ちレバーである、請求項2の針組立体。
【請求項4】
前記第1の係合部および前記第2の係合部は、それぞれ前記ハンドルの側面に穿たれた貫通孔であり、前記ハブは前記第1の係合部および前記第2の係合部に係合する可撓性の係合突起を備えた、請求項2または3の針組立体。
【請求項5】
前記第1の突起および前記第2の突起は、前記係合突起に当接して前記第1の係合部または前記第2の係合部から脱係合させるべく構成されている、請求項4の針組立体。
【請求項6】
前記ハンドルは、前記ハブを前記第3の位置に停止する第3の係合部を備える、請求項5の針組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体組織にカテーテルを導入するための針組立体に関し、特に容易な操作で針をカテーテルから離脱させることができる針組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
針とともにカテーテルを患者の体に導入し、針のみを引き抜いてカテーテルを残し、これを輸液や透析のための回路との接続に供することがある。その使用後において、針には患者の血液ないし体液が付着しており、これは稀にHIVや肝炎等のウイルスに汚染されている。医療従事者が誤って汚染された針に触れることを防止するべく、使用後に速やかに針を内部に収納できるよう構成された種々の針組立体が提案されている。
【0003】
この種の針組立体の典型的な操作は、次のようである。当初の状態において、針先のみがカテーテルから露出しており、これを患者の腕等に穿刺してカテーテルを静脈中に誘導する。次いで針組立体はそのままに、カテーテルのみを前進して静脈中に送り込み、同時に針先はカテーテル中に没する。次いで収納機構を作動させて、針をハンドル内に収納する。
【0004】
特許文献1ないし3は、関連技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】日本国特許出願公開2003-180829号
【文献】日本国特許出願公開2007-296022号
【文献】国際特許出願公開WO2014/054166
【発明の概要】
【0006】
従来の技術によれば、収納機構は針をハンドル内に収納する手順を容易に、あるいは自動化してくれるが、それ以前の手順にはなお改良の余地がある。すなわち、カテーテルを前進させるには必然的にこれに触れることを要し、消毒された手袋を利用するにしても、これはそもそも衛生的に好ましいことではない。またカテーテルを前進させた段階においては、僅かながら針の側面は露出しているので、これに医療従事者が誤って触れるリスクがないわけではない。また穿刺する段階、カテーテルを前進させる段階、針収納機構を作動させる段階では、それぞれ針組立体に対する指の位置を変えねばならず、あるいは他方の手で補助しなければならず、これも意図しない種々の問題を招きかねない。
【0007】
本開示に係る針組立体は、上述の問題点に鑑みて創作されたものである。
【0008】
一局面によれば、体組織にカテーテルを導入するための針組立体は、前記カテーテルに摺動可能に嵌入する中実または中空の針であって、前記カテーテルから露出して前記体組織に穿刺可能な針先を有する針と、前記針を運搬するべく前記針に結合したハブと、前記ハブを収容して前記針の操作の用に供するハンドルであって、前記針先を前記カテーテルから露出させる第1の位置から、前記針先を前記カテーテル中に没させる第2の位置を経由し、前記針先を前記ハンドル中に隠す第3の位置まで、前記ハブが軸方向に移動するのを許容するハンドルと、前記第1の位置から前記第3の位置に向けて前記ハブに付勢力を及ぼすべく前記ハンドルに内装されたスプリングと、前記付勢力に抗して前記ハブを前記第1の位置に一時的に停止する第1の係合部と、前記付勢力に抗して前記ハブを前記第2の位置に一時的に停止する第2の係合部と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、針組立体の分解側面図である。
図2図2は、カテーテルの縦断面図である。
図3図3は、針およびハブの縦断面図である。
図4A図4Aは、一の例によるハンドルの縦断面図である。
図4B図4Bは、他の例によるハンドルの縦断面図である。
図5A図5Aは、針組立体の縦断面図であって、ハブが第1の位置にある状態を示す。
図5B図5Bは、針組立体の縦断面図であって、ハブが第2の位置にある状態を示す。
図5C図5Cは、針組立体の縦断面図であって、ハブが第3の位置にある状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照して以下に幾つかの例示的な実施形態を説明する。以下の説明および添付の特許請求の範囲を通じて、軸方向の語をカテーテルおよび針が延びる方向と定義して使用する。
【0011】
主に図1を参照するに、本実施形態による針組立体1は、体組織にカテーテル3を導入する目的に利用しうる。使用前において、カテーテル3は針7に被せられてその針先7pのみが露出している。カテーテル3および針先7pを覆うようにプロテクタ5が針組立体1に取り付けられて流通するが、使用の際にはプロテクタ5は取り外される。
【0012】
針組立体1は、概して、針7と、針7の操作の用に供するハンドル11と、を備え、また図5Aないし5Cに示される通り、針7に結合したハブ9がハンドル11内に収容されている。ハブ9は、ハンドル11内を軸方向に移動可能であって、すなわち図5Aに示す第1の位置から図5Bに示す第2の位置を経由して図5Cに示す第3の位置まで移動可能である。このとき針7は、ハブ9に結合して運搬されてハンドル11内へ後退する。図1に戻って参照するに、針組立体1は針7を後退させるトリガとしてレリーズ21を備えることができ、好ましくはプロテクタ5は、レリーズ21も部分的にまたは全体的に覆い、使用前のその作動を防止する。
【0013】
図1と組み合わせて図2を参照するに、カテーテル3は、概して、バレル31と、バレル31の前端に液密的に結合したチューブ33と、よりなる。その全体は針7および輸液が通過できるよう中空である。チューブ33は静脈のごとき体組織に挿入されてこれに追従して変形するべく、ごく柔軟な細長い筒だが、バレル31はハンドル11および輸液回路等に結合するための、比較的に剛直な円筒体である。バレル31の後端は、輸液回路、血液回路またはシリンジ等と接続するための構造を備え、これは通常ねじ山を含む。バレル31の空洞内には、輸液ないし血液の逆流を防止する弁35が収められていてもよく、また弁35を押し開くためのプラグ37がさらに収められていてもよい。針7は弁35を貫通してチューブ33に嵌入し、また摺動可能である。
【0014】
図1と組み合わせて図3を参照するに、針7は中実または中空の針であって、その後端付近においてハブ9に固定的に結合している。針7の全体が中空の場合に、その後端7eはハブ9内の空洞49に連通してこれに逆血を導くように構成されていてもよい。空洞49内に導入された逆血は、針先7pが血管を正しく捉えたか否かの判断に利用できる。あるいは針7はその側壁に開口7fを備え、逆血をカテーテル3内に導き、以って判断に利用してもよい。何れにせよ、空洞49は後方に向かって開口していてもよく、これはハブ9の成形に都合がよい。あるいはかかる開口は、適宜の封止材により封じられていてもよく、封止材は通気性の多孔体にすることができる。これは逆血が外部へ漏洩することを防止する。
【0015】
ハブ9は、概して、大径の胴41と、より小径であってその肩45から針先7pの方向に延びたネック47と、よりなる。その全体は一体に成形されていてもよい。
【0016】
胴41は概ね円筒形であって、その外形は、ハンドル11の内面と隙間嵌めの関係となるよう寸法づけられている。以ってハブ9はハンドル11内を軸方向に移動可能である。胴41の外面は、可撓性の係合突起43を備え、これは後述の係合部15,17,19に係合するように寸法づけられている。係合突起43と空洞49とは適宜の仕切り壁により仕切られていてもよい。これは逆血が係合突起43の周囲の隙間を通って外部に漏れることを防止するのに役立つ。
【0017】
胴41の前端である肩45は、概ね軸に直交する平面であってもよく、後述のスプリング13の後端に当接してその付勢力を受けるべく構成されている。肩45から延びるネック47は、針7と結合するために利用されると共に、その外周にスプリング13が装着される。
【0018】
図1と組み合わせて図4Aを参照するに、ハンドル11は、軸方向に延びた概ね円筒形の筒部51と、その前端から前方に延びたネック部53と、を備える。ハンドル11の内部は、軸方向に延びたキャビティ55となっており、ハブ9が軸方向に移動するのを許容する。またキャビティ55は、針7の全体を収容するに十分な長さを有する。キャビティ55は後方に向かって開口していてもよく、これはハンドル11の成形に都合がよく、また針組立体1の組立にも都合がよい。それにも関わらず、開口は部分的ないし全体的に閉塞されていてもよい。かかる閉塞材には粘弾性体を利用することができ、これはハブ9が後退するときにハブ9を受け止め、その衝撃を和らげるために利用することができる。あるいは、ハンドル11の後端は、ハブ9に当接する適宜の構造、例えば開口から内方に向かう折り返しのような構造を備えてもよい。
【0019】
筒部51の外面は、使用者による取り扱いに便宜を図るための、適宜の構造を有してもよい。例えばその両側面は平坦にすることができ、さらにかかる平坦な面上に、滑り止めのためのリブ等を備えることができる。
【0020】
また筒部51は、例えばその上側の側面に、ハブ9を一時的に停止するための係合部15,17,19を有する。かかる係合部の例は、図示のごとく筒部51を内面から外面まで貫通する貫通孔にすることができる。後に改めて説明するが、係合部15,17,19は、係合突起43が係合するべく構造づけられている。また係合部15,17は上方に露出しているために、これらを通して係合突起43を指で押すことによって、これを脱係合させることが容易である。指による操作の便宜のために、係合部15,17は指の大きさを考慮して十分な大きさにすることができる。
【0021】
係合部15,17を十分な大きさにすることに代えて、あるいは加えて、筒部51は、係合部15,17の何れか、または両方に、脱係合を補助するための構造を有することができる。そのような構造の例は、内方に撓むように構成された、可撓片15b,17bである。可撓片15b,17bは、もちろん、外方にも撓むように構成されていてもよい。可撓片15b,17bは、筒部51と一体の小片にすることができ、例えばそれぞれ係合部15,17の前方から後方に延びた形状にすることができる。また撓みを促すために、それぞれの両側には、筒部51に対する切り込みが設けられていてもよい。可撓片15b,17bは係合部15,17を部分的に、またはほぼ全体的に、覆うように張り出していてもよい。可撓片15b,17bの上面は、ボタン状に外方に膨出していてもよく、また下面も係合突起43に当接するための構造を備えてもよい。
【0022】
使用者は、係合突起43を直接に押下することができ、あるいは可撓片15b,17bを押下すれば係合突起43はこれに追従して撓み、以って係合突起43は係合部15,17から脱係合する。
【0023】
ハンドル11は、また、図4Bに例示するごとく、第1の係合部15および第2の係合部17に係合した係合突起43をこれらから解放するための、レリーズ21を備えてもよい。かかるレリーズ21は例えばハンドル11の外面から延びる単一の可撓片にすることができ、またハンドル11と一体成型されていてもよい。レリーズ21は、また、第1の係合部15および第2の係合部17上にオーバーハングした片持ちレバーの形式にすることができ、第1の係合部15および第2の係合部17に作用するようにそれぞれ位置した第1の突起23と第2の突起25とを備えることができる。突起23,25は、それぞれ係合突起43に当接することによりこれを撓らせて係合部15,17から脱係合させる。
【0024】
突起23,25は互いに類似の形状であってもよいし、あるいは互いに異なる形状にすることができる。例えば、第1の突起23は側面視において二等辺三角形に類似の形状に、第2の突起25は直角三角形に類似の形状にすることができ、第2の突起25において直立した面は前方に向いていてもよい。かかる直立した前面は、後退する係合突起43に当接してこれを留めるストッパの役割を果たすことができる。もちろん前方に向いた面は傾斜面であってもよく、これは例えば後退する係合突起43に当接した後にこれに摺動することにより、ハブ9の後退を減速するのに利用することができる。
【0025】
レリーズ21は、専らその基端を支点として撓むように構成されていてもよいが、中間の適宜の位置において撓みやすい構造を有してもよい。例えば第2の突起25より僅かに前方において括れ27を有してもよい。レリーズ21の前端付近をハンドル11に向かって押したときには、専らかかる括れ27より前方部分のみが撓む。レリーズ21は、さらに第2の突起25より後方に、他の括れ29を備えてもよい。共に撓む括れ27と括れ29との組み合わせは、第2の突起25が係合突起43に接近するのを容易にする。
【0026】
ネック部53は、筒部51より小径な円筒ないし円錐台形にすることができる。ネック部53は、ハブ9が図5Aに示す第1の位置にあるときにそのネック47を収容できる程度の長さであり、またその前端は既に述べた通りカテーテル3のバレル31の後端と一時的に結合してこれを支持するために利用される。またネック部53の内部であってその前端付近には、スプリング13の前端を支持するための適宜の構造を有する。かかる構造とハブ9との間にスプリング13が弾発的に内装されることにより、スプリング13はハブ9に、第1の位置から第3の位置に向けて、すなわち後方へ、付勢力を及ぼすことができる。
【0027】
図1に組み合わせて図5Aを参照するに、使用前の状態において、ハブ9は最も前進した第1の位置にあり、スプリング13は圧縮されてハブ9を第3の位置に向けて付勢している。係合突起43は、かかる付勢力に抗して第1の係合部15に係合し、以ってハブ9を第1の位置に一時的に停止している。かかる第1の位置において、針先7pはカテーテル3のチューブ33から露出しており、体組織を穿刺することができる。
【0028】
使用者は、例えばその親指と中指をハンドル11の側面に添えて挟むことによりこれを操作し、同時に人差し指で係合突起43を脱係合させる操作をすることができる。使用者は、ハンドル11を適宜に操ってカテーテル3を静脈ないし目的の組織中に誘導した後、第1の係合部15に係合した係合突起43を押し下げる。ハンドル11がレリーズ21を備える場合には、その前端付近を押し下げる。すると押圧された係合突起43は内方に撓み、第1の係合部15から脱係合し、スプリング13の作用によりハブ9は針7と共に後退を開始する。
【0029】
かかる後退を緩やかにするべく適宜の緩衝材ないし摩擦材を利用してもよい。例えばハンドル11の内面とハブ9の外面との間に、ハブ9の移動を減速する摩擦材あるいは粘性体が介在していてもよい。これに代えて、または加えて、ハンドル11の後半部分がエアダンパのごとき機能を有してもよい。あるいはハブ9に添えた指によりこれを減速してもよいし、さらにあるいはスプリング13によらずに専ら指による操作でハブ9を後退させてもよい。
【0030】
ハブ9が後退して、係合突起43が第2の係合部17に到達すると、係合突起43は外方に急速に撓み、第2の係合部17に係合し、以ってハブ9は図5Bに示す第2の位置に一時的に停止する。あるいはその以前に、第2の突起25により係合突起43を一旦受けてもよい。このとき、針先7pも後退してカテーテル3中に没するが、なおカテーテル3はハンドル11と結合したままである。使用者は引き続きハンドル11を親指と中指とで挟んだまま、人差し指の位置を改め、係合突起43を押下することができる。押下された係合突起43は、第2の係合部17から脱係合し、ハブ9は第3の位置に向けてさらに後退することができる。
【0031】
必須ではないがハンドル11は第3の係合部19を備えることができ、係合突起43は第3の係合部19に係合することにより、図5Cに示す第3の位置に停止する。第3の係合部19によるのに代えて、あるいは加えて、ハンドル11の後端の構造がハブ9に当接してその後退を停止してもよい。
【0032】
ハブ9が第3の位置にまで後退するのと前後して、ハンドル11はカテーテル3から離脱することができる。離脱した後は、カテーテル3は輸液回路等に接続することができる。
【0033】
第3の位置にまで後退した後は、針先7pはハンドル11内に隠れ、一旦隠れた後は、スプリング13による付勢力に阻まれて針7が再び外部に突出することはない。あるいはハンドル11は、針7の再露出を防止する機構を追加的に備えてもよい。例えば係合突起43の可撓性を利用して針7を中心からずらし、針先7pがネック部53の何れかに引っ掛かるようにしてもよい。あるいは針7が後退した後に、ネック部53の何れかの部分が内方に張り出して針先7pに引っ掛かることにより、針7の再露出を防止してもよい。もちろん、敢えて針7の再露出を可能にしてもよい。
【0034】
上述の説明より理解できるように、使用者は、針組立体1を操作する間、指の位置関係を変えることなくこれを操作することができる。また針7をハンドル11内に収納する過程において、針7の側面が露出することがなく、使用者が針7に触れるリスクは特に軽減されている。
【0035】
幾つかの実施形態を説明したが、上記開示内容に基づいて実施形態の修正ないし変形をすることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0036】
より安全かつ簡便に針を収納することができる針組立体が提供される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C