(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法
(51)【国際特許分類】
G01N 3/34 20060101AFI20230718BHJP
G01N 3/00 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
G01N3/34 E
G01N3/00 D
(21)【出願番号】P 2023032294
(22)【出願日】2023-03-02
【審査請求日】2023-03-02
(31)【優先権主張番号】202310132490.X
(32)【優先日】2023-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520448452
【氏名又は名称】浙大城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 成宝
(72)【発明者】
【氏名】李 冰
(72)【発明者】
【氏名】魏 綱
(72)【発明者】
【氏名】鞏 師林
(72)【発明者】
【氏名】房 涛
(72)【発明者】
【氏名】蘇 淑銘
(72)【発明者】
【氏名】薛 恵心
(72)【発明者】
【氏名】柴 叶厚
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-044086(JP,A)
【文献】中国実用新案第208239184(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第109211690(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0031457(US,A1)
【文献】特開昭62-191734(JP,A)
【文献】赤井 浩一,土と岩石のレオロジー(II)(強度と変形の試験法),材料,1968年07月,第17巻台178号,pp.52-57
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 3/00~ 3/62
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法であって、専用測定装置を含み、前記専用測定装置は、上から下へ順に設置される上せん断ボックスと下せん断ボックスを含み、前記上せん断ボックス内に第一の岩土体構造が設置され、前記下せん断ボックス内に第二の岩土体構造が設置され、前記第一の岩土体構造と前記第二の岩土体構造とが接触して岩土体構造面を形成し、前記上せん断ボックスの頂部に第一の応力アセンブリが設置され、前記第一の応力アセンブリは、力センサと変位センサを含み、前記上せん断ボックスの頂部に上リンクが接続され、上リンクの端部に上ピンを介して上クランクが接続され、上クランクの端部に上モータが接続され、
前記下せん断ボックスの左側壁に第二の応力アセンブリが設置され、前記第二の応力アセンブリは、力センサと変位センサを含み、前記下せん断ボックスの左側に左リンクが接続され、左リンクの端部に左ピンを介して左クランクが接続され、左クランクの端部に左モータが接続され、
前記測定装置を応用することで、
a.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す押さえ応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けず、法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=N(Nは、0よりも大きい)T
2を満たす試験方法と、
b.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けない試験方法と、
c.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張-押さえ応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けない試験方法と、
d.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す押さえ応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受ける試験方法と、
e.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受ける試験方法と、
f.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張-押さえ応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受ける試験方法とを行うことができ、ここで、b-fでは、法線方向と接線方向の繰り返し周期は、a作動条件を満たし、
上記
六つの実験方法は、いずれもw
1=nw
2を満たす必要があり、n>0であり、w
1は、接線方向の回転速度を表し、w
2は、法線方向の回転速度を表し、且つ基本式:
岩土体の法線方向荷重の作用下での変位vの表現式と岩土体の接線方向荷重の作用下での変位uの表現式をそれぞれ導出して得ることができ、ここで、AOは、リンクとせん断ボックスとの交点からクランクモータの円心までの距離を表し、rは、クランクの長さで、lは、リンクの長さで、αは、AO結線とクランクのなす角で、βは、AO結線とリンクのなす角で、wは、クランクモータの回転角速度で、tは、モータの運動時間であり、
前記測定装置における異なるせん断ボックスでの、クランク、リンクの間のいずれの状態に基づいて導出し、導出の具体的な方法は、
AOが負の値になることはないため、
ことを特徴とする岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法。
【請求項2】
岩土体構造面が方式aの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、S1.1において、上クランクと上リンクの結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピンが上クランクの回る円周の最頂端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクと左リンクが水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピンが左クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
S1.2において、w
1=nw
2とし、岩土体が法線方向荷重の作用下で運動する変位表現式は、
上モータの回転により、岩土体変位は、最初の0位置から最大値2r
2位置までプッシュされ、そして0位置まで引き戻され、岩土体が接線方向荷重の作用下で運動する変位表現式は、
左モータの回転により、最初の0位置から最大値2r
1位置までプッシュされ、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、試験プロセスに力センサと変位センサにより試験データを記録する、ことを特徴とする請求項1に記載の岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法。
【請求項3】
岩土体構造面が方式bの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、
S2.1において、上クランクと上リンクの結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピンが上クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクと左リンクが水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピンが左クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
S2.2において、法線方向と接線方向のモータが同じ回転速度で回転し、岩土体が法線方向荷重の作用下で運動する変位表現式は、
上モータの回転により、岩土体変位は、最初の0位置から負方向最大値-2r
2まで引き戻され、そして0位置までプッシュされ、岩土体が接線方向の荷重の作用下で運動する変位表現式は、
左モータの回転により、最初の0位置から最大値2r
1位置までプッシュされ、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位の最大値は、試験要求に応じて定められるが、w
1=nw
2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサと前記変位センサにより試験データを記録する、ことを特徴とする請求項1に記載の岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法。
【請求項4】
岩土体構造面が方式cの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、
S3.1において、上クランクが法線方向に垂直であり、且つ上リンクに接続されるその上ピンが上クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクと左リンクが水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピンが左クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
S3.2において、法線方向と接線方向のモータが同じ回転速度で回転し、岩土体が法線方向荷重の作用下で運動する変位表現式は、
上モータの回転により、岩土体変位は、最初の0位置から負方向最大値-r
2位置まで引き戻された後に押し出しに変わり、0位置を通過した後に正方向最大値r
2位置に到着し、そして0位置まで引き戻され、岩土体が接線方向の荷重の作用下で運動する変位表現式は、
左モータの回転により、最初の0位置から最大値2r
1位置までプッシュされ、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの最大変位値は、試験要求に応じて定められるが、w
1=nw
2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサと前記変位センサにより試験データを記録する、ことを特徴とする請求項1に記載の岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法。
【請求項5】
岩土体構造面が方式dの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2の試験方法を満たすステップとしては、
S4.1において、上クランクと上リンクの結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピンが上クランクの回る円周の最頂端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクが水平方向に垂直であり、且つ左リンクに接続されるその左ピンが左クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
S4.2において、法線方向と接線方向のモータが同じ回転速度で回転し、岩土体が法線方向荷重の作用下で運動する変位表現式は、
上モータの回転により、最初の0位置から最大値2r
2位置までプッシュされ、そして0位置まで引き戻され、岩土体が接線方向の荷重の作用下で運動する変位表現式は、
左モータの回転により、岩土体変位は、最初の0位置から負方向最大値-r
1位置後まで引き戻された後に押し出しに変わり、0位置を通過した後に正方向最大値r
1に到着し、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位の最大値は、試験要求に応じて定められるが、w
1=nw
2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサと前記変位センサにより試験データを記録する、ことを特徴とする請求項1に記載の岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法。
【請求項6】
岩土体構造面が方式eの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす験方法のステップとしては、
S5.1において、上クランクと上リンクの結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピンが上クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクが水平方向に垂直であり、且つ左リンクに接続されるその左ピンが左クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
S5.2において、法線方向と接線方向のモータに同じ回転速度で電源を入れ、岩土体が法線方向荷重の作用下で運動する変位表現式は、
上モータの回転により、岩土体変位は、最初の0位置から負方向最大値-2r
2まで引き戻され、そして0位置までプッシュされ、岩土体が接線方向の荷重の作用下で運動する変位表現式は、
左モータの回転により、岩土体変位は、最初の0位置から負方向最大値-r
1位置まで引き戻された後に押し出しに変わり、0位置を通過した後に正方向最大値r
1に到着し、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位の最大値は、試験要求に応じて定められるが、w
1=nw
2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサと前記変位センサにより試験データを記録する、ことを特徴とする請求項1に記載の岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法。
【請求項7】
岩土体構造面が方式fの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、
S6.1において、上クランクが法線方向に垂直であり、且つ上リンクに接続されるその上ピンが上クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクが水平方向に垂直であり、且つ左リンクに接続されるその左ピンが左クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
S6.2において、岩土体が法線方向荷重の作用下で運動する変位表現式は、
上モータの回転により、岩土体変位は、最初の0位置から負方向最大値-r
2位置まで引き戻された後に押し出しに変わり、0位置を通過した後に正方向最大値r
2位置に到着し、そして0位置まで引き戻され、岩土体が接線方向の荷重の作用下で運動する変位表現式は、
左モータの回転により、岩土体変位は、最初の0位置から負方向最大値-r
1位置まで引き戻された後に押し出しに変わり、0位置を通過した後に正方向最大値r
1に到着し、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位の最大値は、動試験要求に基づいて定められるが、w
1=nw
2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサと前記変位センサにより試験データを記録する、ことを特徴とする請求項1に記載の岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、応力測定の技術分野に属し、特に岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
よく見られる不良な地質現象として、地震災害は、地球の隅々で頻繁に発生し、所在地の建築物の正常な使用及び人民の生命、財産の安全に深刻な脅威をもたらしている。大量の地震後の調査と研究によると、地震作用は、衝撃荷重でもあり振動荷重でもあることが明らかになった。衝撃荷重として、応力などの地震応答は、衝撃波の形式で伝播し、サイドスロープの表面及び岩土構造面の反射と屈射作用により、山間のサイドスロープの異なる高さと部位での地震応答が異なるため、サイドスロープの高い部分の位地滑り、投射及び引張亀裂とせん断帯が併存する張引張-せん断破壊などの形式が独特な地震や地滑り破壊を引き起こす。振動荷重として、地震応答は、振動効果を有する。岩土体及びその存在する構造面又は滑り面は、振動中に歪み軟化が発生するため、材料強度が低下し、サイドスロープの不安定さに耐える能力が徐々に下がる。そのため、地震作用下での岩土体構造面の力学特性と強度劣化規則の試験研究の展開は、重要な工事価値と科学的意義を有する。
【0003】
上記試験研究に関連する設備機器は、主に直接せん断力試験器、及び直接せん断力装置を参照して開発した土壌構造接触界面テスト装置などを含む。しかし、上記試験装置は、いずれも、岩土体の押さえせん断破壊に基づいて構築され、一定の押さえ応力での接線方向応力テストを行うことしかできず(且つ材料のせん断抵抗強度指標を取得する)、土盛りが高い地震サイドスロープの引張せん断と押さえせん断の結合受力状態での応力テストが限られる。そして、地震作用は、振動荷重であり、岩土体のその作用下での周期的な強度劣化特性(法線方向と接線方向を含む)は、従来の機器と方法によるテストが困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、従来の技術に存在する不足を克服するために、岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記発明目的を実現するために、本発明は、以下の技術案を提供する。
【0006】
岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法であって、専用測定装置を含み、前記専用測定装置は、上から下へ順に設置される上せん断ボックスと下せん断ボックスを含み、前記上せん断ボックス内に第一の岩土体構造が設置され、前記下せん断ボックス内に第二の岩土体構造が設置され、前記第一の岩土体構造と前記第二の岩土体構造とが接触して岩土体構造面を形成し、前記上せん断ボックスの頂部に第一の応力アセンブリが設置され、前記第一の応力アセンブリは、力センサと変位センサを含み、前記上せん断ボックスの頂部に上リンクが接続され、上リンクの端部に上ピンを介して上クランクが接続され、上クランクの端部に上モータが接続され、前記下せん断ボックスの左側壁に第二の応力アセンブリが設置され、前記第二の応力アセンブリは、力センサと変位センサを含み、前記下せん断ボックスの左側に左リンクが接続され、左リンクの端部に左ピンを介して左クランクが接続され、左クランクの端部に左モータが接続され、
前記測定装置を応用することで、
a.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す押さえ応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けず、法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法であって、n>0であり、周期の倍数関係は、具体的に、岩土体の正方向と接線方向の動力荷重周期に基づいて定められ、例えばN=0.5、1、2のうちのいずれか一つである試験方法と、
b.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けない試験方法と、
c.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張-押さえ応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けない試験方法と、
d.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す押さえ応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受ける試験方法と、
e.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受ける試験方法と、
f.岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張-押さえ応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受ける試験方法と、を行うことができ、ここで、b-fでは、法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たし、上記五つの実験方法は、いずれもw
1=nw
2を満たす必要があり、n>0であり、w
1は、接線方向の回転速度を表し、w
2は、法線方向の回転速度を表し、
【0007】
前記測定装置における異なるせん断ボックスでの、クランク、リンクの間のいずれの状態に基づいて導出し、導出の具体的な方法は、
【0008】
好ましくは、岩土体構造面が方式aの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、S1.1において、上クランクと上リンクの結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピンが上クランクの回る円周の最頂端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクと左リンクが水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピンが左クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
前記上下せん断ボックスの変位最大値は、試験要求に応じて定められるが、w
1=nw
2を要求しなければならず、
試験プロセスに前記力センサと前記変位センサにより試験データを記録する。
【0009】
好ましくは、前記岩土体構造面が方式bの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、
まず、上クランクと上リンクの結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピンが上クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクと左リンクが水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピンが左クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
【0010】
好ましくは、前記岩土体構造面が方式cの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、
まず、上クランクが法線方向に垂直であり、且つ上リンクに接続されるその上ピンが上クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクと左リンクが水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピンが左クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
【0011】
好ましくは、前記岩土体構造面が方式dの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、
まず、上クランクと上リンクの結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピンが上クランクの回る円周の最頂端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクが水平方向に垂直であり、且つ左リンクに接続されるその左ピンが左クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
【0012】
好ましくは、前記岩土体構造面が方式eの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、
まず、上クランクと上リンクの結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピンが上クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクが水平方向に垂直であり、且つ左リンクに接続されるその左ピンが左クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
【0013】
好ましくは、前記岩土体構造面が方式fの場合にあり、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期がT
1=NT
2を満たす試験方法のステップとしては、
まず、上クランクが法線方向に垂直であり、且つ上リンクに接続されるその上ピンが上クランクの回る円周の最左端に位置するように調整し、前記上モータの回転と前記上せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に法線方向荷重を印加し、左クランクが水平方向に垂直であり、且つ左リンクに接続されるその左ピンが左クランクの回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータの回転と前記下せん断ボックスを制御することで前記岩土体構造面に接線方向荷重を印加し、
【発明の効果】
【0014】
従来の技術と比べて、本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0015】
1、上クランクと左クランクの初期時の異なる位置を調整することによって、岩土体の受ける上荷重と左荷重での応力経路を変更し、さらに岩土体及びその存在する構造面又は節理の引張せん断の結合応力テスト、押さえせん断の結合応力テスト又は単一方向に繰り返す荷重の作用下での応力と強度テストなどの様々な場合のテストを展開し、それによって異なる受力状態での岩土体の力学特性と強度劣化規則を取得する。
【0016】
2、クランク回転ロード方式により発生した非線形曲線式荷重は、岩土体が地震や地滑りなどの自然災害で受ける衝撃波荷重と一致し、岩土体破壊の実際の作動条件をより満たすことができる。
【0017】
3、上クランクを採用することにより、押さえ応力を発生できるとともに、引張応力を発生でき、左クランクは、左へのせん断力を発生できるとともに、右へのせん断力を発生でき、二つのクランクの構造が簡単であり、様々な試験作動条件の研究を容易にし、岩土体のせん断力学パラメータを取得し、岩土体の引張せん断と押さえせん断などの複雑な応力状態での構成関係と強度基準を完全にし、重要な理論的価値と工事の現実的意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図2】本発明におけるリンクとクランクがいずれの位置に位置する概略図である。
【
図3】本発明の岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す押さえ応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けず、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験概略図である。
【
図4】
図3における岩土体の接線方向の変位図である。
【
図5】
図3における岩土体の法線方向の変位図である。
【
図6】本発明の岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けず、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験概略図である。
【
図7】
図6における岩土体の接線方向の変位図である。
【
図8】
図6における岩土体の法線方向の変位図である。
【
図9】本発明の岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張-押さえ応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けず、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験概略図である。
【
図10】
図9における岩土体の接線方向の変位図である。
【
図11】
図9における岩土体の法線方向の変位図である。
【
図12】本発明の岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す押さえ応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受け、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験概略図である。
【
図15】本発明の岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受け、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験概略図である。
【
図18】本発明の岩土体構造面が法線方向に周期的に繰り返す引張-押さえ応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受け、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施例1>
本実施例は、専用測定装置を開示し、
図2に示すように、前記測定装置は、上から下へ順に設置される上せん断ボックス8と下せん断ボックス6を含み、前記上せん断ボックス8内に第一の岩土体構造が設置され、前記下せん断ボックス6内に第二の岩土体構造が設置され、前記第一の岩土体構造と前記第二の岩土体構造とが接触して岩土体構造面7を形成し、
前記上せん断ボックス8の頂部に第一の応力アセンブリが設置され、前記第一の応力アセンブリは、力センサ4と変位センサ5を含み、前記上せん断ボックス8の頂部に上リンク11が接続され、上リンク11の端部に上ピン10を介して上クランク13が接続され、上クランク13の端部に上モータ14が接続され、前記下せん断ボックス6の左側壁に第二の応力アセンブリが設置され、前記第二の応力アセンブリは、力センサ4と変位センサ5を含み、前記下せん断ボックス6の左端に左リンク3が接続され、左リンク3の端部に左ピン9を介して左クランク2が接続され、左クランク2の端部に左モータ1が接続される。左モータ1と上モータ14は、それぞれ左クランク2と上クランク13を円周運動させる。
【0020】
<実施例2>
具体的な実施例では、前記式を表現しやすくするために、以下、
図1におけるクランクリンク機構がいずれの状態にある基本式に基づく導出プロセスは、
式におけるアルファベットの意味は、AO:リンクとせん断ボックスとの交点からクランクモータの円心までの距離、r:クランクの長さ、l:リンクの長さ、α:AO結線とクランクのなす角、β:AO結線とリンクのなす角、w:クランクモータの回転角速度、t:モータの運動時間である。
【0021】
<実施例3>
図3-5を参照すると、岩土体構造面7は、法線方向に周期的に繰り返す押さえ応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けず、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験方法のステップは、以下のとおりである。
【0022】
まず、上クランク13と上リンク11の結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピン10が上クランク13の回る円周の最頂端に位置するように調整し、前記上モータ14の回転と前記上せん断ボックス8を制御することで前記岩土体構造面7に法線方向荷重を印加し、左クランク2と左リンク3が水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピン9が左クランク2の回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータ1の回転と前記下せん断ボックス6を制御することで前記岩土体構造面7に接線方向荷重を印加し、
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
v:法線方向の上せん断ボックス8の変位
r
2:上クランク13の長さ
l
2:上リンク11の長さ
w
2:上モータ14の回転角速度
t:上モータ14の運動時間
【0023】
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
u:接線方向の下せん断ボックス6の変位値
r
1:左クランク2の長さ
l
1:左リンク3の長さ
w
1:左モータ1の回転角速度
t:左モータ1の運動時間
【0024】
左モータ1の回転により、岩土体の接線方向における変位は、最初の0位置から最大値2r1位置までプッシュされ、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位最大値は、試験要求に応じて定められるが、w1=w2を要求しなければならない。試験プロセスに前記力センサ4と前記変位センサ5により試験データを記録する。
【0025】
<実施例4>
図6-8を参照すると、岩土体構造面7は、法線方向に周期的に繰り返す引張応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けず、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験方法のステップは、以下のとおりである。
【0026】
まず、上クランク13と上リンク11の結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピン10が上クランク13の回る円周の最底端に位置するように調整し、前記上モータ14の回転と前記上せん断ボックス8を制御することで前記岩土体構造面7に法線方向荷重を印加し、左クランク2と左リンク3が水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピン9が左クランク2の回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータ1の回転と前記下せん断ボックス6を制御することで前記岩土体構造面7に接線方向荷重を印加し、
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
v:法線方向の上せん断ボックス8の変位
r
2:上クランク13の長さ
l
2:上リンク11の長さ
w
2:上モータ14の回転角速度
t:上モータ14の運動時間
【0027】
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
u:接線方向の下せん断ボックス6の変位値
r
1:左クランク2の長さ
l
1:左リンク3の長さ
w
1:左モータ1の回転角速度
t:左モータ1の運動時間
【0028】
左モータ1の回転により、岩土体の接線方向変位は、最初の0位置から最大値2r1位置までプッシュされ、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位の最大値は、試験要求に応じて定められるが、w1=w2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサ4と前記変位センサ5により試験データを記録する。
【0029】
<実施例5>
図9-11を参照すると、岩土体構造面7は、法線方向に周期的に繰り返す引張-押さえ応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す片面せん断応力しか受けず、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験方法のステップは、以下のとおりである。
【0030】
まず、上クランク13が法線方向に垂直であり、且つ上リンク11に接続されるその上ピン10が上クランク13の回る円周の最左端に位置するように調整し、前記上モータ14の回転と前記上せん断ボックス8を制御することで前記岩土体構造面7に法線方向荷重を印加し、左クランク2と左リンク3が水平方向に位置し、且つそれに接続される左ピン9が左クランク2の回る円周の最左端に位置するように調整し、前記左モータ1の回転と前記下せん断ボックス6を制御することで前記岩土体構造面7に接線方向荷重を印加し、
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
v:法線方向の上せん断ボックス8の変位
r
2:上クランク13の長さ
l
2:上リンク11の長さ
w
2:上モータ14の回転角速度
t:上モータ14の運動時間
【0031】
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
u:接線方向の下せん断ボックス6の変位値
r
1:左クランク2の長さ
l
1:左リンク3の長さ
w
1:左モータ1の回転角速度
t:左モータ1の運動時間
【0032】
左モータ1の回転により、岩土体の接線方向変位は、最初の0位置から最大値2r1位置までプッシュされ、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの最大変位値は、試験要求に応じて定められるが、w1=w2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサ4と前記変位センサ5により試験データを記録する。
【0033】
<実施例6>
図12-14、
図18-20を参照すると、岩土体構造面7は、法線方向に周期的に繰り返す押さえ応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受け、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験方法のステップは、以下のとおりである。
【0034】
まず、上クランク13と上リンク11の結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピン10が上クランク13の回る円周の最頂端に位置するように調整し、前記上モータ14の回転と前記上せん断ボックス8を制御することで前記岩土体構造面7に法線方向荷重を印加し、左クランク2が鉛直方向に位置し、且つ左リンク3に接続されるその左ピン9が左クランク2の回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータ1の回転と前記下せん断ボックス6を制御することで前記岩土体構造面7に接線方向荷重を印加し、
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
v:法線方向の上せん断ボックス8の変位
r
2:上クランク13の長さ
l
2:上リンク11の長さ
w
2:上モータの回転角速度
t:上モータ14の運動時間
【0035】
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
u:接線方向の下せん断ボックス6の変位値
r
1:左クランク2の長さ
l
1:左リンク3の長さ
w
1:左モータ1の回転角速度
t:左モータ1の運動時間
【0036】
左モータ1の回転により、岩土体の切線方向変位は、最初の0位置から負方向最大値-r1位置まで引き戻された後に押し出しに変わり、0位置を通過した後に正方向最大値r1に到着し、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位の最大値は、試験要求に応じて定められるが、w1=w2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサ4と前記変位センサ5により試験データを記録する。
【0037】
<実施例7>
図15-17を参照すると、岩土体構造面7は、法線方向に周期的に繰り返す引張応力しか受けず、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受け、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験方法のステップは、以下のとおりである。
【0038】
まず、上クランク13と上リンク11の結線が鉛直方向に位置し、且つそれに接続される上ピン10が上クランク13の回る円周の最底端に位置するように調整し、前記上モータ14の回転と前記上せん断ボックス8を制御することで前記岩土体構造面7に法線方向荷重を印加し、左クランク2が水平方向に垂直であり、且つ左リンク3に接続されるその左ピン9が左クランク2の回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータの1回転と前記下せん断ボックス6を制御することで前記岩土体構造面7に接線方向荷重を印加し、
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
v:法線方向の上せん断ボックス8の変位
r
2:上クランク13の長さ
l
2:上リンク11の長さ
w
2:上モータ14の回転角速度
t:上モータ14の運動時間
【0039】
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
u:接線方向の下せん断ボックス6の変位値
r
1:左クランク2の長さ
l
1:左リンク3の長さ
w
1:左モータ2の回転角速度
t:左モータ1の運動時間
【0040】
左モータ1の回転により、岩土体の接線方向変位は、最初の0位置から負方向最大値-r1位置まで引き戻された後に押し出しに変わり、0位置を通過した後に正方向最大値r1位置に到着し、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位の最大値は、試験要求に応じて定められるが、w1=w2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサ4と前記変位センサ5により試験データを記録する。
【0041】
<実施例8>
図18-20を参照すると、岩土体構造面7は、法線方向に周期的に繰り返す引張-押さえ応力を受け、接線方向に周期的に繰り返す両面せん断応力を受け、且つ法線方向と接線方向の繰り返し周期が等しい(T
1=T
2)試験方法のステップは、以下のとおりである。
【0042】
まず、上クランク13が法線方向に垂直であり、且つ上リンク11に接続されるその上ピン10が上クランク13の回る円周の最左端に位置するように調整し、前記上モータ14の回転と前記上せん断ボックス8を制御することで前記岩土体構造面7に法線方向荷重を印加し、左クランク2が水平方向に垂直であり、且つ左リンク3に接続されるその左ピン9が左クランク2の回る円周の最底端に位置するように調整し、前記左モータ1の回転と前記下せん断ボックス6を制御することで前記岩土体構造面7に接線方向荷重を印加し、
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
v:法線方向の上せん断ボックス8の変位
r
2:上クランク13の長さ
l
2:上リンク11の長さ
w
2:上モータ14の回転角速度
t:上モータ14の運動時間
【0043】
式におけるアルファベットの意味は、以下のとおりであり、
u:接線方向の下せん断ボックス6の変位値
r
1:左クランク2の長さ
l
1:左リンク3の長さ
w
1:左モータ1の回転角速度
t:左モータ1の運動時間
【0044】
左モータ1の回転により、岩土体の接線方向変位は、最初の0位置から負方向最大値-r1位置まで引き戻された後に押し出しに変わり、0位置を通過した後に正方向最大値r1位置に到着し、そして0位置まで引き戻され、法線方向と接線方向にいずれも、上記押し出しと引き戻しの運動プロセスを繰り返し、移動の繰り返し回数が予め設定される値に達すると、試験を停止させ、前記上下せん断ボックスの変位の最大値は、動試験要求に基づいて定められるが、w1=w2とする必要があり、試験プロセスに前記力センサ4と前記変位センサ5により試験データを記録する。
【符号の説明】
【0045】
1 左モータ
2 左クランク
3 左リンク
4 力センサ
5 変位センサ
6 下せん断ボックス
7 岩土体構造面
8 上せん断ボックス
9 左ピン
10 上ピン
11 上リンク
13 上クランク
14 上モータ
【要約】 (修正有)
【課題】岩土体の引張せん断と押さえせん断の結合応力の測定方法を提供する。
【解決手段】上せん断ボックス8内に第一の岩土体構造が設置され、下せん断ボックス6内に第二の岩土体構造が設置され、第一の岩土体構造と第二の岩土体構造とが接触して岩土体構造面7を形成し、上せん断ボックス8の頂部に第一の応力アセンブリが設置され、第一の応力アセンブリは、力センサ4と変位センサ5を含み、上せん断ボックス8の頂部に上リンク11が接続され、上リンク11の端部に上ピン10を介して上クランク13が接続され、上クランク13の端部に上モータ14が接続され、下せん断ボックス6の左側壁に第二の応力アセンブリが設置され、第二の応力アセンブリは、力センサ4と変位センサ5を含み、下せん断ボックス6の左側に左リンクが接続され、左リンクの端部に左ピンを介して左クランクが接続され、左クランクの端部に左モータが接続される。
【選択図】
図2