(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置
(51)【国際特許分類】
E21D 9/093 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
E21D9/093 Z
(21)【出願番号】P 2023077437
(22)【出願日】2023-05-09
【審査請求日】2023-05-09
(31)【優先権主張番号】202211552771.2
(32)【優先日】2022-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520448452
【氏名又は名称】浙大城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】胡 英涛
(72)【発明者】
【氏名】丁 智
(72)【発明者】
【氏名】王 震
(72)【発明者】
【氏名】丁 超
(72)【発明者】
【氏名】湯 慧萍
(72)【発明者】
【氏名】車 良鵬
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204716249(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第115653627(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 9/093
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置であって、前後に接続された二つの推進制御モジュールを含み、推進制御モジュールは、トンネル支持アセンブリと、推進制御アセンブリと、バケットとを含み、
推進制御アセンブリは、推進コントローラと推進スライドシリンダとを含み、推進スライドシリンダは、スライドレールを介してバケット外面に設けられ、推進スライドシリンダの長さは、バケットよりも小さく、推進コントローラは、推進油圧シリンダと推進油圧シリンダ延出端とを含み、推進油圧シリンダと推進油圧シリンダ延出端とは、それぞれバケットと推進スライドシリンダとをヒンジ連結し、バケットと推進スライドシリンダとは、推進油圧シリンダ延出端の伸縮に伴って相対的に移動し、
複数のトンネル支持アセンブリは、推進スライドシリンダの外側に囲まれて設けられ、トンネル支持アセンブリは、支持アーム液圧コントローラと、ステアリング調節器と、支持板とを含み、支持アーム液圧コントローラの両端には、いずれもステアリング調節器が接続されており、ステアリング調節器は、ステアリング調節スライドバーと、ステアリング調節スライドレールと、ステアリング調節サポートロッドとを含み、ステアリング調節スライドバーは、ステアリング調節スライドレールをスライド連結し、ステアリング調節スライドバーは、支持アーム液圧コントローラ端部を連結し、ステアリング調節サポートロッドは、支持板をヒンジ連結し、支持アーム液圧コントローラの両端が伸縮すると、ステアリング調節スライドバーは、ステアリング調節スライドレール内でスライドし、ステアリング調節サポートロッドは、回転して支持板の昇降状態を変える、ことを特徴とする3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置。
【請求項2】
支持アーム液圧コントローラは、支持アーム油圧シリンダと、支持アーム油圧シリンダ延出端と、支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリングとを含み、支持アーム油圧シリンダは、推進スライドシリンダの表面に固定され、支持アーム油圧シリンダ両端には、支持アーム油圧シリンダ延出端が設けられており、支持アーム油圧シリンダ延出端の端部は、支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリングを介してステアリング調節スライドバーを連結する、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置。
【請求項3】
二つの推進制御モジュールは、完全に同じであり、二つの推進制御モジュールは、いずれも端部に端部フランジが設けられており、二つの推進制御モジュールは、端部フランジを介して前後に連結され、端部フランジの直径は、バケットの直径よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置。
【請求項4】
トンネル管支持アセンブリが閉じると、複数のトンネル管支持アセンブリは、横断面に円形を形成する、ことを特徴とする請求項3に記載の3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置。
【請求項5】
支持板は、副支持板と長尺スラットとを含み、各支持板は、複数の副支持板を含み、副支持板は、推進制御モジュールの軸方向に沿って設置され、同一のトンネル支持アセンブリ内の副支持板の間は、長尺スラットによって連結される、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置。
【請求項6】
支持アーム液圧コントローラ、推進コントローラは、いずれもバケットの軸線と平行である、ことを特徴とする請求項1に記載の3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の使用方法であって、
トンネルに入って掘進を開始した後、支持アーム液圧コントローラにより二つの推進制御モジュールの支持板を同期して上昇させて3Dプリントトンネル管を支持するように制御するステップ1と、
二つの推進制御モジュールの支持板が常に3Dプリントトンネル管を支持するように維持し、3Dプリントトンネル構造の安定性を確保するとともに、推進制御アセンブリが支持板から提供された反力と推進油圧シリンダから提供された推力を利用して、バケットを推進スライドシリンダに対して一定ストロークだけ前進させるステップ2と、
一つの推進制御モジュールの支持板が閉じるまで下がり、推進油圧シリンダ延出端を収縮させて推進スライドシリンダをバケットの前部に引き寄せ、別の推進制御モジュールの支持板が支持状態を維持し、推進油圧シリンダ延出端が伸長し、バケットを前進させるステップ3と、
ステップ3で閉じた推進制御モジュールの支持板を持ち上げて支持状態を維持し、別の推進制御モジュールの支持板を閉じるまで下げ、推進油圧シリンダ延出端を収縮させて推進スライドシリンダをバケットの前部に引き寄せ、支持板が上昇状態にある推進制御モジュールの推進油圧シリンダ延出端が伸長し、バケットを前進させるステップ4と、
ステップ3とステップ4を繰り返し、バケットを連続的に前進させるステップ5とを含む、ことを特徴とする3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の使用方法。
【請求項8】
ステップ5は、具体的に、ステップ3とステップ4を繰り返し、二つの推進制御モジュール上の支持板を交互に上昇させて3Dプリントトンネルを支持し、3Dプリントトンネル構造の安定性を確保し、支持板が閉状態にある推進制御モジュール内で、推進油圧シリンダが推進油圧シリンダ延出端の収縮を制御し、推進スライドシリンダをバケットの前部に引き寄せ、支持板が支持状態にある推進制御モジュールが支持板から提供された反力と推進油圧シリンダから提供された推力によりバケットを推進スライドシリンダに対して連続的に前進させることである、ことを特徴とする請求項7に記載の3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイエンド製造分野に属し、特に3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
我が国の経済の発展に伴い、各大都市のインフラ建設の力は絶えず強化され、鉄道、道路、市政、総合回廊などのトンネル工事建設プロジェクトの数は、大幅に増加し、いくつかの特殊土層又は岩層に対してシールドTBM法を採用してトンネル施工を行う必要がある。シールドTBMトンネル工法は、現代のトンネル及び地下工事建設に適用される重要な工法として、重要な役割を果たす。しかしながら、従来のトンネル施工の掘進過程において、シールド機とトンネルライニング管の自重が極めて高く、且つ一般的には施工現場まで数百キロを輸送する必要があるため、建設費と輸送コストが高くなった。なお、管部を放置する時、ほとんどのトンネルシールド機は、静止状態にあり、連続的な作業ができず、シールド施工の効率を大幅に低減させた。そのため、どのようにトンネル施工の掘進過程における施工効率を向上させ、建設費とコストを低減させるかは、当分野の早急な解決の待たれる課題である。
【0003】
近年急速に発展している3Dプリント技術は、その成形精度が高く、成形プロセスが高度に制御できることと、従来の方法で実現しにくい複雑なモデル製作を容易に実現できることなどの優位性により、土木工学分野で広く応用されている。例えば、ポリマーなどの3Dプリント材料を利用して、3Dプリント技術を組み合わせてトンネル管への現場プリントによるトンネル覆工構造の製造を実現し、従来の土圧バランスシールド機を組み合わせることにより、3Dプリントトンネルに基づくシールド施工技術を確立し、それによって建設費と輸送コストを大幅に低減させることが期待される。しかし、従来の技術では連続的な推進制御ができず、トンネルシールド機が連続的に前進移動できず、トンネル掘進の連続性が悪く、依然としてシールド施工効率が低いという問題を解決することができない。
【発明の概要】
【0004】
本発明の目的は、従来の技術における不足を克服する3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置を提供することである。
【0005】
このような3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置は、前後に接続された二つの推進制御モジュールを含み、推進制御モジュールは、トンネル支持アセンブリと、推進制御アセンブリと、バケットとを含み、
推進制御アセンブリは、推進コントローラと推進スライドシリンダとを含み、推進スライドシリンダは、スライドレールを介してバケット外面に設けられ、推進スライドシリンダの長さは、バケットよりも小さく、推進コントローラは、推進油圧シリンダと推進油圧シリンダ延出端とを含み、推進油圧シリンダと推進油圧シリンダ延出端とは、それぞれバケットと推進スライドシリンダとをヒンジ連結し、バケットと推進スライドシリンダとは、推進油圧シリンダ延出端の伸縮に伴って相対的に移動し、
複数のトンネル支持アセンブリは、推進スライドシリンダの外側に囲まれて設けられ、トンネル支持アセンブリは、支持アーム液圧コントローラと、ステアリング調節器と、支持板とを含み、支持アーム液圧コントローラの両端には、いずれもステアリング調節器が接続されており、ステアリング調節器は、ステアリング調節スライドバーと、ステアリング調節スライドレールと、ステアリング調節サポートロッドとを含み、ステアリング調節スライドバーは、ステアリング調節スライドレールをスライド連結し、ステアリング調節スライドバーは、支持アーム液圧コントローラ端部を連結し、ステアリング調節サポートロッドは、支持板をヒンジ連結し、支持アーム液圧コントローラの両端が伸縮すると、ステアリング調節スライドバーは、ステアリング調節スライドレール内でスライドし、ステアリング調節サポートロッドは、回転して支持板の昇降状態を変える。
【0006】
好ましくは、支持アーム液圧コントローラは、支持アーム油圧シリンダと、支持アーム油圧シリンダ延出端と、支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリングとを含み、支持アーム油圧シリンダは、推進スライドシリンダの表面に固定され、支持アーム油圧シリンダ両端には、支持アーム油圧シリンダ延出端が設けられており、支持アーム油圧シリンダ延出端の端部は、支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリングを介してステアリング調節スライドバーを連結する。
【0007】
好ましくは、二つの推進制御モジュールは、完全に同じであり、二つの推進制御モジュールは、いずれも端部に端部フランジが設けられており、二つの推進制御モジュールは、端部フランジを介して前後に連結され、端部フランジの直径は、バケットの直径よりも大きい。
【0008】
好ましくは、トンネル管支持アセンブリが閉じると、複数のトンネル管支持アセンブリは、横断面に円形を形成する。
【0009】
好ましくは、支持板は、副支持板と長尺スラットとを含み、各支持板は、複数の副支持板を含み、副支持板は、推進制御モジュールの軸方向に沿って設置され、同一のトンネル支持アセンブリ内の副支持板の間は、長尺スラットによって連結される。
【0010】
好ましくは、支持アーム液圧コントローラ、推進コントローラは、いずれもバケットの軸線と平行である。
【0011】
このような3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の使用方法は、
トンネルに入って掘進を開始した後、支持アーム液圧コントローラにより二つの推進制御モジュールの支持板を同期して上昇させて3Dプリントトンネル管を支持するように制御するステップ1と、
二つの推進制御モジュールの支持板が常に3Dプリントトンネル管を支持するように維持し、3Dプリントトンネル構造の安定性を確保するとともに、推進制御アセンブリが支持板から提供された反力と推進油圧シリンダから提供された推力を利用して、バケットを推進スライドシリンダに対して一定ストロークだけ前進させるステップ2と、
一つの推進制御モジュールの支持板が閉じるまで下がり、推進油圧シリンダ延出端を収縮させて推進スライドシリンダをバケットの前部に引き寄せ、別の推進制御モジュールの支持板が支持状態を維持し、推進油圧シリンダ延出端が伸長し、バケットを前進させるステップ3と、
ステップ3で閉じた推進制御モジュールの支持板を持ち上げて支持状態を維持し、別の推進制御モジュールの支持板を閉じるまで下げ、推進油圧シリンダ延出端を収縮させて推進スライドシリンダをバケットの前部に引き寄せ、支持板が上昇状態にある推進制御モジュールの推進油圧シリンダ延出端が伸長し、バケットを前進させるステップ4と、
ステップ3とステップ4を繰り返し、バケットを連続的に前進させるステップ5とを含む。
【0012】
好ましくは、ステップ5は、具体的に、ステップ3とステップ4を繰り返し、二つの推進制御モジュール上の支持板を交互に上昇させて3Dプリントトンネルを支持し、3Dプリントトンネル構造の安定性を確保し、支持板が閉状態にある推進制御モジュール内で、推進油圧シリンダが推進油圧シリンダ延出端の収縮を制御し、推進スライドシリンダをバケットの前部に引き寄せ、支持板が支持状態にある推進制御モジュールが支持板から提供された反力と推進油圧シリンダから提供された推力によりバケットを推進スライドシリンダに対して連続的に前進させることである。
【0013】
好ましくは、推進制御モジュール内には、変位センサと油圧検出器とがさらに設けられており、変位センサと油圧検出器とは、それぞれ装置の変位とシリンダ圧を収集し、前記制御システムに信号をフィードバックし、装置の作動状態を監視する。
【0014】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0015】
1)本発明は、前後に接続された二つの推進制御モジュールの支持板でトンネル内壁を交互に支持するとともに、推進制御アセンブリを利用して推進バケットを複数回連続的に推進し、装置の先端は、シールド機を連続に前進させ、シールド施工の効率を大幅に向上させ、施工期間を大幅に短縮し、施工コストを低減させた。
【0016】
2)本発明は、3Dプリントトンネル付加製造装備と施工管理システムの確立に寄与し、トンネル掘進の3Dプリントシステムの効率的かつ高精度なプリントをさらに実現する上で重要な意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の概略図である。
【
図2】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の推進制御モジュールの概略図である。
【
図3】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の支持板の閉状態の概略図である。
【
図4】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の支持板の閉状態の半径方向断面概略図である。
【
図5】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の支持板の開状態の概略図である。
【
図6】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の支持板の開状態の半径方向断面概略図である。
【
図7】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置のトンネル壁支持アセンブリの概略図である。
【
図8】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置のトンネル壁支持アセンブリの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施例1>
一つの実施例として、
図1から
図7に示すように、3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置は、前後に接続された二つの推進制御モジュールを含み、推進制御モジュールは、トンネル管支持アセンブリ1と、推進制御アセンブリ2と、バケット4とを含み、二つの推進制御モジュールは、完全に同じであり、二つの推進制御モジュールは、いずれも端部に端部フランジ3が設けられており、二つの推進制御モジュールは、端部フランジ3を介して前後に接続され、端部フランジ3の直径は、バケット4の直径よりも大きい。
【0019】
推進制御アセンブリ2は、推進コントローラ2-1と推進スライドシリンダ2-2とを含み、推進スライドシリンダ2-2は、スライドレールを介してバケット4の外面に設けられ、且つ推進スライドシリンダ2-2の長さは、バケット4よりも小さく、推進コントローラ2-1は、推進油圧シリンダ2-1-1と推進油圧シリンダ延出端2-1-2とを含み、推進油圧シリンダ2-1-1と推進油圧シリンダ延出端2-1-2とは、それぞれバケット4と推進スライドシリンダ2-2とをヒンジ連結し、推進油圧シリンダ2-1-1が推進油圧シリンダ延出端2-1-2の伸縮を制御すると、バケット4は、推進スライドシリンダ2-2に対して相対的に前後移動が発生し、
四組のトンネル支持アセンブリ1は、推進スライドシリンダ2-2の外側に均等に囲まれて、各組のトンネル支持アセンブリ1の構造寸法は同じであり、以保証トンネル管の受力が均等になることを保証し、トンネル支持アセンブリ1は、支持アーム液圧コントローラ1-1と、ステアリング調節器1-2と、支持板1-3とを含み、支持アーム液圧コントローラ1-1は、推進バケット4の軸線と平行である。支持アーム液圧コントローラ1-1は、支持アーム油圧シリンダ1-1-1と、支持アーム油圧シリンダ延出端1-1-2と、支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリング1-1-3とを含み、支持アーム油圧シリンダ1-1-1は、推進スライドシリンダ2-2の表面に固定され、支持アーム油圧シリンダ1-1-1の両端には、支持アーム油圧シリンダ延出端1-1-2が設けられている。支持アーム液圧コントローラ1-1の両端には、いずれもステアリング調節器1-2が接続されており、ステアリング調節器1-2は、ステアリング調節スライドバー1-2-1と、ステアリング調節スライドレール1-2-2と、ステアリング調節サポートロッド1-2-3とを含み、ステアリング調節スライドバー1-2-1は、ステアリング調節スライドレール1-2-2をスライド連結し、支持アーム油圧シリンダ延出端1-1-2の端部は、支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリング1-1-3を介してステアリング調節スライドバー1-2-1を連結し、ステアリング調節サポートロッド1-2-3は、支持板1-3をヒンジ連結し、支持板1-3が推進バケット4に対して昇降することを制御するための調節機構として連結される。前記支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリング1-1-3の両側には、ナットがさらに取り付けられており、ステアリング調節スライドバー1-2-1のステアリング調節スライドレール1-2-2内での変位を制限し、バケット4の移動中に前記支持板1-3の安定した開閉を確保する。
【0020】
トンネル管支持アセンブリ1は、開状態と閉状態の二つの状態を有し、トンネル管支持アセンブリ1が閉じると、複数のトンネル管支持アセンブリ1のエッジは、横断面に円形として連結され、トンネル管支持アセンブリ1が閉じると、大部分の部材は、いずれも端部フランジ3の後方領域内に収まり、バケット4の移動中の磨損リスクを減少することができる。
【0021】
支持アーム液圧コントローラ1-1の両端の支持アーム油圧シリンダ延出端1-1-2が伸縮する、支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリング1-1-3は、ステアリング調節スライドバー1-2-1をステアリング調節スライドレール1-2-2内でスライドさせ、ステアリング調節サポートロッド1-2-3が回転し、さらに支持板1-3をバケット4に対して昇降させ、支持板1-3が推進バケット4に対して上昇し、即ち開状態となり、開状態で支持板1-3は、バケット4に沿って周囲の3Dプリントトンネル管を環状に支持し、掘進中の3Dプリントトンネル構造の安定性を確保し、この時、支持板1-3が3Dプリントトンネル管を固定接続し、推進スライドシリンダ2-2の位置も固定されているため、推進制御アセンブリ2は、反力を提供し、推進油圧シリンダ2-1-1により推進油圧シリンダ延出端2-1-2の伸長を制御することにより、バケット4を推進スライドシリンダ2-2に対して軸方向に沿って前進させることができる。
【0022】
支持板1-3は、副支持板1-3-1と長尺スラット1-3-2とを含み、各支持板1-3は、二つの副支持板1-3-1を含み、二つの副支持板1-3-1は、それぞれ推進制御モジュールの前後端に設けられており、同一のトンネル支持アセンブリ1内で前後二つの副支持板1-3-1の間には、2本の長尺スラット1-3-2が溶接又はボルトで固定されており、且つ長尺スラット1-3-2は、副支持板1-3-1の両側に設けられ、同一の推進制御モジュール内で副支持板1-3-1の昇降が同期して行われ、装置全体の受力の均等化が確保される。
【0023】
推進制御モジュール内には、変位センサと油圧検出器とがさらに設けられており、変位センサは、装置の変位を検出するために用いられ、油圧検出器は、シリンダ圧を収集するために用いられ、変位センサと油圧検出器とは、いずれも制御システムに接続される。
【0024】
<実施例2>
実施例1によれば、本実施例は、このような3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置の使用方法を提案し、具体的に、以下のとおりである。
【0025】
ステップ1、トンネルに入って掘進を開始した後、支持アーム液圧コントローラ1-1により二つの推進制御モジュールの支持板1-3を同期して上昇させて3Dプリントトンネル管を支持するように制御し、
ステップ2、二つの推進制御モジュールの支持板1-3が常に3Dプリントトンネル管を支持するように維持し、支持板1-3と3Dプリントトンネル管内部の間の最大静止摩擦力が極めて大きく、推進制御アセンブリ2が支持板1-3から提供された反力を利用して、推進バケット4を一定ストロークだけ前進させ、
ステップ3、一つの推進制御モジュールの支持板1-3が閉じるまで下がり、推進油圧シリンダ延出端を収縮させて2-1-2推進スライドシリンダ2-2をバケット4の前部に引き寄せ、リセットが完了し、次のステップでバケット4の推進のスペースを予備し、別の推進制御モジュールの支持板1-3が支持状態を維持し、推進油圧シリンダ延出端2-1-2が伸長し、推進制御アセンブリ2が支持板1-3から提供された反力と推進油圧シリンダ2-1から提供された推力を利用して、推進バケット4をこの推進制御モジュールの推進スライドシリンダ2-2に対して前進させ、
ステップ4、ステップ3で閉じた推進制御モジュールの支持板1-3を持ち上げて支持状態を維持し、そして別の推進制御モジュールの支持板1-3を閉じるまで下げ、推進油圧シリンダ延出端2-1-2を収縮させて推進スライドシリンダ2-2をバケット4の前部に引き寄せ、支持板1-3が上昇状態にある推進制御モジュールの推進油圧シリンダ延出端2-1-2が伸長し、推進制御アセンブリ2が支持板1-3から提供された反力と推進油圧シリンダ2-1から提供された推力を利用して、推進バケット4をこのステップで位置が固定された推進スライドシリンダ2-2に対して前方に変位させ、前進を継続し、
ステップ5、ステップ3とステップ4を繰り返し、二つの推進制御モジュール上の支持板1-3を交互に上昇させて3Dプリントトンネル管を支持し、3Dプリントトンネル構造の安定性を確保するとともに、推進油圧シリンダ2-1が推進油圧シリンダ延出端2-1-2を交互に収縮させ、その伸長の過程において推進スライドシリンダ2-2とバケット4とを相対的に前後移動させ、支持板1-3が閉状態にある推進制御モジュール内で、推進油圧シリンダ2-1が推進油圧シリンダ延出端2-1-2の収縮を制御し、推進スライドシリンダ2-2をバケット4の前部に引き寄せ、支持板1-3が支持状態にある推進制御モジュールが支持板1-3から提供された反力と推進油圧シリンダ2-1から提供された推力によりバケット4を推進スライドシリンダ2-2に対して連続的に前進させる。バケット4が連続的に前進する過程において、装置最先端の端部フランジ3がシールド機の後方に当接し、シールド機の連続推進に一貫した推力作用を与え、従来の技術に基づいてシールド機の推進の連続性を効果的に高めることができ、シールド機は、持続的に作動可能であり、施工効率を向上させ、間接的に施工コストを低減させた。
【0026】
上記の過程において、前後二つの推進制御モジュールは、支持板1-3を順に上昇させて3Dプリントトンネル管の内壁を支持するため、ステップ3において、閉じた推進制御モジュールを任意に選択できるまで先に支持板1-3を降下させ、装置の使用に影響を与えない。装置の推進過程において、変位センサと油圧検出器は、それぞれリアルタイムで装置の変位とシリンダ圧を収集し、前記制御システムに信号をフィードバックし、装置の作動状態を監視し、制御する。
【符号の説明】
【0027】
1 トンネル支持アセンブリ
2 推進制御アセンブリ
3 端部フランジ
4 バケット
1-1 支持アーム液圧コントローラ
1-1-1 支持アーム油圧シリンダ
1-1-2 支持アーム油圧シリンダ延出端
1-1-3 支持アーム油圧シリンダ延出端スリップリング
1-2 ステアリング調節器
1-2-1 ステアリング調節スライドバー
1-2-2 ステアリング調節スライドレール
1-2-3 ステアリング調節サポートロッド
1-3 支持板
1-3-1 副支持板
1-3-2 長尺スラット
2-1 推進コントローラ
2-2 推進スライドシリンダ
2-1-1 推進油圧シリンダ
2-1-2 推進油圧シリンダ延出端
【要約】 (修正有)
【課題】トンネルシールド機の連続前進移動を可能にする。
【解決手段】一実施例による3Dプリントトンネル用のシールド機推進制御装置は前後に接続された二つの推進制御モジュールを含み、推進制御モジュールは、トンネル支持アセンブリと推進制御アセンブリとバケットとを含み、推進スライドシリンダはスライドレールを介してバケット外面に設けられ、複数のトンネル支持アセンブリは推進スライドシリンダの外側に囲まれて設けられる。二つの推進制御モジュール上の支持板を交互に上昇させて3Dプリントトンネルを支持し、支持板が閉状態にある推進制御モジュール内で推進油圧シリンダが推進油圧シリンダ延出端の収縮を制御し、推進スライドシリンダをバケットの前部に引き寄せ、支持板が支持状態にある推進制御モジュールが支持板から提供された反力と推進油圧シリンダから提供された推力によりバケットを推進スライドシリンダに対して連続的に前進させる。
【選択図】
図1