(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】被覆段ボール箱の製造ライン
(51)【国際特許分類】
B31B 50/00 20170101AFI20230718BHJP
【FI】
B31B50/00
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018214313
(22)【出願日】2018-11-15
【審査請求日】2021-07-16
(31)【優先権主張番号】102017000131292
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】508364004
【氏名又は名称】エメシ・エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】EMMECI S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100134636
【氏名又は名称】金高 寿裕
(74)【代理人】
【識別番号】100114904
【氏名又は名称】小磯 貴子
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァンネスキ,アレッシオ
(72)【発明者】
【氏名】バローニ,パブロ
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第00685329(EP,A2)
【文献】米国特許第02867158(US,A)
【文献】特開2012-196872(JP,A)
【文献】特開2011-207226(JP,A)
【文献】特開昭47-004695(JP,A)
【文献】特表2002-514988(JP,A)
【文献】米国特許第06763931(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被覆ダンボール箱を作製するためのラインであって、
荷積み位置から荷下ろし位置まで複数の被覆ブランクを輸送するために移動可能なベルトと、前記ベルトに接続され、対応する停止時点と交互に入れ替えられる各移動時点で開始される、移動および停止のシーケンスにおいて、断続的に前記ベルトを駆動するコンベヤアクチュエータと、を含むコンベヤユニットと、
移動のシーケンスに対応する供給時点のシーケンスにおいて、前記荷積み位置で前記コンベヤユニットに対して個々に前記被覆ブランクを供給する供給ユニットと、
段ボール箱ブランクを受け取って折り畳み、対応する箱を形成する組立て機と、
前記組立て機から前記箱を受け取り、前記箱を個々に、前記荷積み位置と前記荷下ろし位置の間に介在する連結位置において、前記コンベヤユニットの前記ベルト上に配置された対応する被覆ブランク上に位置合わせして位置させる位置決め機と、
覆われるべき前記箱の対応する面に接触することになる前記被覆ブランクの一面上に接着剤を引き伸ばす貼り機と、
各被覆ブランクに連結された前記箱を前記荷下ろし位置において前記コンベヤユニットから受け取り、各箱を覆うような方法で各箱に接触するように各被覆ブランクを折畳む被覆機と、
前記供給ユニットに接続され、前記ベルトの対応する移動時点に対する供給時点の位相変位を調節可能に設定する制御ユニットと、を備え、
前記位相変位は、前記供給時点と前記ベルトを前方に移動させる前記コンベヤアクチュエータの
活性化の間の時間遅れ又は時間進みであり、
前記制御ユニットは、前記被覆ブランクのフォーマットを表すフォーマットデータを受信し、前記フォーマットデータの機能として前記ベルトの移動および停止のシーケンスを表す稼動データを設定するようにプログラムされている、ライン。
【請求項2】
前記コンベヤアクチュエータから分離し、前記制御ユニットに接続され、前記供給ユニットに接続されて供給時点のシーケンスに従って前記供給ユニットを駆動する供給アクチュエータを備えた、請求項1に記載されたライン。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記ベルトの対応する停止に対する供給時点の位相変位に従って前記供給時点と前記ベルトを前方に移動させる前記コンベヤアクチュエータの
活性化の間の時間遅れ又は時間進みが設けられるように、前記供給アクチュエータおよび前記コンベヤアクチュエータを同期して作動させるようにプログラムされている、請求項2に記載されたライン。
【請求項4】
前記制御ユニットは、ベルトが動作中である各期間内に一時的に配置される供給時点のシーケンス内に、前記供給アクチュエータを作動させるようにプログラムされている、請求項2又は3に記載されたライン。
【請求項5】
前記制御ユニットは、前記コンベヤアクチュエータに接続され、前記ベルトの移動および停止のシーケンスを変更可能とするようにプログラムされている、請求項1から4のいずれか1項に記載されたライン。
【請求項6】
前記稼動データは、前記ベルトの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載されたライン。
【請求項7】
前記稼動データは、
前記ベルト上に配置される2つの連続する被覆ブランクの間の距離によって定義され、前記ベルトの最大延伸の方向において測定される稼動間隔、
前記ベルトの速度、
前記ベルトの停止の期間、および、
停止/移動の繰り返し期間、
のうち、1つ又はそれ以上のパラメータを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載されたライン。
【請求項8】
前記ベルトは、吸引によって前記被覆ブランクを保持するように構成され、
前記ベルトは、
前記供給ユニットに隣接し、第1の吸引力を加える第1の吸引ゾーンと、
前記供給ユニットから離間し、前記第1の吸引力よりも小さい第2の吸引力を加える第2の吸引ゾーンと、
を備える、請求項1から7のいずれか1項に記載されたライン。
【請求項9】
被覆ダンボール箱を作製するためのラインであって、
荷積み位置から荷下ろし位置まで複数の被覆ブランクを輸送するために移動可能なベルトと、前記ベルトに接続され、対応する停止時点と交互に入れ替えられる各移動時点で開始される、移動および停止のシーケンスにおいて、断続的に前記ベルトを駆動するコンベヤアクチュエータと、を含むコンベヤユニットと、
移動のシーケンスに対応する供給時点のシーケンスにおいて、前記荷積み位置で前記コンベヤユニットに対して個々に前記被覆ブランクを供給する供給ユニットと、
段ボール箱ブランクを受け取って折り畳み、対応する箱を形成する組立て機と、
前記組立て機から前記箱を受け取り、前記箱を個々に、前記荷積み位置と前記荷下ろし位置の間に介在する連結位置において、前記コンベヤユニットの前記ベルト上に配置された対応する被覆ブランク上に位置合わせして位置させる位置決め機と、
覆われるべき前記箱の対応する面に接触することになる前記被覆ブランクの一面上に接着剤を引き伸ばす貼り機と、
各被覆ブランクに連結された前記箱を前記荷下ろし位置において前記コンベヤユニットから受け取り、各箱を覆うような方法で各箱に接触するように各被覆ブランクを折畳む被覆機と、
前記供給ユニットに接続され、前記ベルトの対応する移動時点に対する供給時点の位相変位を調節可能に設定する制御ユニットと、を備え、
前記位相変位は、前記供給時点と前記ベルトを前方に移動させる前記コンベヤアクチュエータの
活性化の間の時間遅れ又は時間進みであり、
前記ベルトは、前記被覆ブランクを吸引によって保持するように構成され、
前記ベルトは、
前記供給ユニットに隣接し、前記ベルトに第1の吸引力が適用される第1吸引ゾーンと、
前記供給ユニットから離間し、前記ベルトに前記第1の吸引力より小さい第2の吸引力が適用される第2吸引ゾーンと、を備える、ライン。
【請求項10】
被覆ダンボール箱の作製のための方法であって、
各移動時点で開始され、かつ対応する停止と交互に入れ替えられる移動のシーケンスにおいてコンベヤアクチュエータにより断続的に駆動されるベルトを含むコンベヤユニットによって、荷積み位置から荷下ろし位置まで複数の被覆ブランクを輸送するステップと、
移動のシーケンスに対応する供給時点のシーケンスにおいて、前記被覆ブランクを取り上げ、供給ユニットによって前記被覆ブランクを前記ベルトの前記荷積み位置に供給するステップと、
組立て機において箱ブランクを受け取り、前記箱ブランクを折畳んで対応する箱を形成するステップと、
前記荷積み位置と前記荷下ろし位置の間に介在する連結位置で、前記ベルト上に配置される対応する被覆ブランク上に各箱を位置合わせして位置させるステップと、
覆われるべき前記箱の対応する面に接触することになる前記被覆ブランクの一面上に接着剤を引き伸ばすステップと、
前記コンベヤユニットによって、各被覆ブランクに連結された前記箱を前記荷下ろし位置まで輸送するステップと、
各箱を覆うような方法で各箱に接触するように各被覆ブランクを折畳む被覆機まで、各被覆ブランクに連結された前記箱を供給するステップと、
制御ユニットによって、前記ベルトの対応する移動時点に対する供給時点の位相変位を調節可能に設定するステップと、を備え、
前記位相変位は、前記供給時点と前記ベルトを前方に移動させる前記コンベヤアクチュエータの
活性化の間の時間遅れ又は時間進みであり、
前記制御ユニットは、前記被覆ブランクのフォーマットを表すフォーマットデータを受信し、前記フォーマットデータの機能として前記ベルトの移動および停止のシーケンスを表す稼動データを設定するようにプログラムされている、方法。
【請求項11】
前記制御ユニットは、前記ベルトの移動および停止のシーケンスを変更する、請求項10に記載された方法。
【請求項12】
前記制御ユニットは、前記被覆ブランクのフォーマットを表すフォーマットデータを受信し、前記フォーマットデータの機能として前記ベルトの移動および停止のシーケンスを設定する、請求項10又は11に記載された方法。
【請求項13】
前記コンベヤアクチュエータから分離している供給アクチュエータが設けられており、単一の被覆ブランクを供給する前記ステップは、前記供給アクチュエータによって駆動される前記供給ユニットによって実行される、請求項10から12のいずれか1項に記載された方法。
【請求項14】
前記制御ユニットは、前記ベルトの対応する停止に対する供給時点の位相変位の機能として、前記供給時点と前記ベルトを前方に移動させる前記コンベヤアクチュエータの
活性化の間の時間遅れ又は時間進みが設けられるように、前記供給アクチュエータおよび前記コンベヤアクチュエータを同期して作動させる、請求項13に記載された方法。
【請求項15】
前記被覆ブランクを前記ベルトの荷積み位置に供給するステップは、前記コンベヤユニットの前記ベルトが動作中である状態で実行される、請求項10から14のいずれか1項に記載された方法。
【請求項16】
吸引力を加えるステップであって、前記供給ユニットに隣接する前記ベルトの第1の吸引ゾーンが前記被覆ブランクに対して第1の吸引力を加える第1のステップと、
吸引力を加えるステップであって、前記供給ユニットから離間している前記ベルトの第2の吸引ゾーンが前記被覆ブランクに対して、前記第1の吸引力よりも小さい第2の吸引力を加える第2のステップと、
を備えた、請求項10から15のいずれか1項に記載された方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被覆段ボール箱の製造ラインに関する。
【背景技術】
【0002】
被覆段ボール箱を作成する機械は、箱ブランクと被覆ブランクから高品質の仕上げを備えた箱を作成する機械である。より具体的には、被覆箱(覆われる箱)を作成するラインは、以下では、単に「ライン」として参照されるが、処理される材料をラインの1つのステーションから他のステーションへ向かわせるコンベヤベルトを備える。ラインは、第1の供給ステーションを備え、そこでは、被覆ブランクが持ち上げられてベルトに供給される。被覆ブランクは、貯蔵庫から引き出され、ベルトの主要部分に供給される。被覆ブランクが供給される一方で、貼り機(グルア)が箱ブランクと接触するようになる被覆ブランクの表面に接着剤を引き伸ばす。次に被覆ブランクは位置決め機まで輸送される。
【0003】
ラインは、第2のフィードステーションを備え、そこでは、箱ブランクが持ち上げられ、ベルトの第2部分に供給される。
【0004】
箱ブランクは、四角形の枠内に到達し保持される。当該枠内には、ブランクが折り畳まれ最終形状となる。
折り畳まれた後、箱ブランクは位置決め機まで運ばれ、そこで、ベルトの第2部分が主要部分と連結する。位置決め機において、被覆ブランクと箱が位置合わせされる。位置決め機から、箱と各被覆ブランクは、被覆機まで輸送される。被覆機は、被覆ブランクを箱上で折り畳み、それによってラインのプロセスが完成する。次いで、ベルトは、被覆箱を荷下ろしステーションまで搬送する。
【0005】
主要部分は、コンベヤアクチュエータによって駆動される。コンベヤアクチュエータは、断続的に稼動する。より具体的には、コンベヤアクチュエータは、輸送区間と非動作区間を備える。輸送区間では、被覆ブランクと、各被覆ブランクを備えた箱とが、効果的にベルトの主要部分に沿って前方に移動させられる。非動作区間では、位置決め機および被覆機において、それぞれ位置決め、又は被覆の動作が実行される。
【0006】
ベルト移動ステップは、ベルトの周辺の速度および移動期間を有する機能である。作成されるバッチの寸法と特徴が同じ場所では、ベルト移動ステップは一般的に、アクチュエータをプログラムする便宜のために一定に保たれる。ところが、機械を継続的に動作させることを可能にするために、被覆ブランクの供給ステーションと位置決め機の間の距離が、位置決め機と被覆機の間の距離の倍数又は約数であることが重要である。このことは、2つのプロセスが同時でない如何なる位置をもラインが有さないことを保証し、それによって機械の生産性を相当に向上させる。
【0007】
そのため、生産性に影響を与えることがないバッチプロセスの柔軟性のために、ベルトの寸法の機能として、第1の供給ステーション、位置決め機、および被覆機の間の相互の距離に適応させることを可能にすることが根本的に重要であり、当該距離が最大の生産性に相当する最小の隙間を決定する。
【0008】
当該分野において知られていることは、ベルトの最大の延長の方向に沿って位置決め機を移動させることによって、段取り替えが実施可能となる被覆箱を作製するためのラインである。言い換えれば、ラインの枠のスライドは、位置決め機がベルトの主要部分に沿って平行移動させることを可能とし、それによって第1の供給ステーション、位置決め機、および被覆機の間の相互の距離が変化する。この相互の距離を変化させることは、第1の供給ラインと位置決め機の間の距離が、位置決め機と被覆機の間の距離の倍数又は約数であるような方法で、ラインを適応させることを可能とする。
【0009】
しかしながら、この解決方法は、全体の寸法の観点で深刻な欠点がある。この方法で作られたラインはコンパクトとは程遠く、非常に長い段取り替えの時間が掛かり、そして何より、関与する機械部品の重い重量を移動させるのに相当な電力を必要とする。電力についての要求を低減させるために、構造がより柔軟に作製され、そのため、振動をより受けやすくなり、その結果、プロセスがより正確でなくなる。
【0010】
段ボール箱のプロセスのためのラインの他の例は、特許文献EP0685329,US2867158,US6763931において提供される。しかしながら、これらの文献はまた、上述した欠点を克服することができない。
【0011】
本発明は、上述した先行技術の不利益を克服するための、被覆段ボール箱を作製するラインを提供することを目的とする。
【0012】
より具体的には、本発明は、特に迅速で効率的な段取り替えを可能とした、被覆段ボール箱を作製するラインを提供することを目的とする。
【0013】
この目的は、添付される請求項において特徴付けられる本開示に係る、被覆段ボール箱を作製するラインによって完全に達成される。
【発明の概要】
【0014】
本開示の1つの観点によれば、本発明は、被覆段ボール箱を作製するラインを提供する。
【0015】
一実施形態において、ラインはコンベヤユニットを含む。コンベヤユニットは、ライン上のある位置からライン上の別の位置にラインに沿って、半製品を搬送するように構成されるように定義される。一実施形態では、コンベヤユニットは搬送手段を備える。一実施形態では、搬送手段はベルトである。一実施形態では、搬送手段は、直列のローラのセットである。一実施形態では、ベルトは、荷積み位置から荷下ろし位置まで複数の被覆ブランクを輸送可能である。荷積み位置は、ラインに沿った被覆ブランクの処理が開始する位置を意味する。荷下ろし位置は、ラインに沿った被覆ブランクの処理が停止する位置を意味する。
【0016】
一実施形態では、コンベヤユニットは、コンベヤアクチュエータを含む。一実施形態では、コンベヤアクチュエータは、それを駆動するためのベルトに接続される。一実施形態では、移動および停止の代替的なシーケンスにおいて、コンベヤアクチュエータは、当該ベルトに接続されてベルトを断続的に駆動する。
【0017】
一実施形態では、ラインは供給ユニットを備える。
【0018】
一実施形態では、供給ユニットは、貯蔵庫から被覆ブランクを持ち上げる。一実施形態では、供給ユニットは、供給時のシーケンスにおいて、荷積み位置でコンベヤユニットに対して個別に被覆ブランクを供給するように構成されている。
【0019】
留意すべき点は、供給時点のシーケンスは前方移動のシーケンスに相当する点であり、それは、ベルトの各前方移動に対して(すなわち、各停止に対して)、ライン(特に、供給ユニット)は、新しい被覆ブランクをベルト上に供給するためである。
【0020】
一実施形態では、供給ユニットは、持ち上げ機(ピッカー)を備える。持ち上げ機は、貯蔵庫から被覆ブランクを持ち上げ、供給のための準備である事前供給(プレフィード)位置で被覆ブランクを配置するように構成されている。一実施形態では、供給ユニットは、供給機(フィーダ)を備える。供給機は、被覆ブランクを事前供給位置から持ち上げ、供給時のシーケンスに従って、荷積み位置で個別にコンベヤユニットに被覆ブランクを供給するように構成されている。
【0021】
一実施形態では、ラインは組立て機を備える。一実施形態では、組立て機は、段ボール箱ブランクを受け取るように構成される。一実施形態では、組立て機は、箱ブランクを畳み、対応する段ボール箱を形成するように構成される。
【0022】
一実施形態では、ラインは位置決め機を備える。一実施形態では、位置決め機は、組立て機から箱を受け取るように構成される。一実施形態では、位置決め機は、組立て機から箱を受け取り、荷積み位置と荷下ろし位置の間に介在する連結位置で、コンベヤユニットのベルト上に配置された対応する被覆ブランク上に位置合わせした状態で個別に箱を配置する。
【0023】
一実施形態では、ラインは、貼り機(グルア)を備える。一実施形態では、貼り機は、被覆ブランクの1つの面上に接着剤を引き伸ばすように構成されている。当該1つの面は、覆われるべき箱の対応する面に接触するようになる。
【0024】
一実施形態では、ラインは、被覆機を備える。一実施形態では、被覆機は、各被覆ブランクに連結された箱を、荷下ろし位置においてコンベヤユニットから受け取るように構成される。一実施形態では、被覆機は、各箱を覆うような方法で各箱に接触するような方法で被覆ブランクを折畳むように構成されている。
【0025】
一実施形態では、ラインは、制御ユニットを備える。
【0026】
一実施形態では、制御ユニットは、供給ユニットに接続される。一実施形態では、制御ユニットは供給ユニットに接続され、ベルトの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位を設定する。一実施形態では、制御ユニットは供給ユニットに接続され、ベルトの停止のシーケンスに対して供給時点の位相変位を調節可能に設定する。
【0027】
一実施形態では、制御ユニットは供給ユニットに接続され、供給時点と、ベルトの対応する移動の時点との位相変位を調節可能に設定する。
【0028】
一実施形態では、制御ユニットは、供給時点と、ベルトの対応する移動の時点との位相変位を調節可能に設定するために、供給ユニットに接続される。
【0029】
一実施形態では、制御ユニットは、被覆ブランクのフォーマット(すなわち、形状及び/又はサイズ)を表す(当該フォーマットに相互に関連する)フォーマットデータを受信するようにプログラムされる。
【0030】
一実施形態では、制御ユニットは、フォーマットデータの(フォーマットデータに応じた)機能として稼動データを設定するようにプログラムされる。稼動データは、ベルトの移動及び/又は停止の(及び/又は供給時点の)シーケンスを表す(示す)。
【0031】
そのため、供給ユニットは、ベルトが移動している時点においてブランクを供給することが可能である。
【0032】
位相変位は、供給時点とベルトを前方に移動させるコンベヤアクチュエータの活性化の間の時間の遅れ又は進みを意味する。
【0033】
制御ユニットによって設定される位相変位は、ラインの段取り替え速度を相当に増加させることを可能にする。実際において、処理すべきバッチの寸法が変化すると、制御ユニットは、供給時点を増加させるか、若しくは遅らせて、位置決め機からの供給ユニットの距離を実質的に減少又は増加させる方法で時間の位相変位を設定する。そのため、段取り替えが迅速に、何よりも重い重量を移動させることなく行われる。
【0034】
一実施形態では、ラインは、供給アクチュエータを備える。
【0035】
他の実施形態では、供給アクチュエータは、コンベヤアクチュエータとは別個のものである。一実施形態では、供給ユニットは、制御ユニットに接続される。一実施形態では、供給アクチュエータは供給ユニットに接続され、供給時点のシーケンスに従って供給ユニットを駆動する。このことは、制御ユニットが、2個の別個のアクチュエータを駆動し、供給時点とベルトの停止との間の位相変位を容易に設定することを可能とする。
【0036】
一実施形態では、制御ユニットは、供給アクチュエータを活性化するようにプログラムされている。一実施形態では、制御ユニットは、ベルトの対応する停止に対する供給時点の位相変位に従って、供給アクチュエータとコンベヤアクチュエータを、同期し、位相変位された方法で活性化するようにプログラムされている。
【0037】
このことは、いったん位相変位が設定されたならば供給期間と移動期間が同一となるように設定されることを可能とする。
【0038】
一実施形態では、供給アクチュエータは、コンベヤアクチュエータと同期して動作する。
【0039】
この実施形態では、コンベヤアクチュエータは供給ユニットに接続される。この実施形態では、ラインは、機械的な変化ユニットを備えてもよい。機械的な変化は、供給時点とベルトの停止のシーケンスの間の位相変位を実装するように構成され、機械的に制御ユニットによって設定された1セットの要素を意味する。
【0040】
一実施形態では、変化ユニットは、コンベヤアクチュエータと一体である第1のトランスミッションシャフトと、供給ユニットと一体である第2のトランスミッションシャフトとを連結し、あるいは非連結にするように構成されたセレクタを備える。
【0041】
他の実施形態では、変化ユニットは、位相変位に比例する所定の時間の後に、動きを第2のトランスミッションシャフトに伝達するように構成された調整可能な係合クラッチを備える。
【0042】
他の実施形態では、変化ユニットは、位相変位に比例する所定の時間の後に、動きを第2のトランスミッションシャフトに伝達するように構成されたカムプロファイルを備える。
【0043】
一実施形態では、制御ユニットは、ベルトが動作中である各期間内に一時的に配置される時点のシーケンス内に、供給アクチュエータを活性化するようにプログラムされている。言い換えれば、タイムライン上で、供給時点のシーケンスの各供給時点は、ベルトの前方移動と同時である。
【0044】
一実施形態では、制御ユニットは、コンベヤアクチュエータに接続され、ベルトの移動および停止のシーケンスを変化させる。このことは、制御ユニットが、コンベヤアクチュエータのパラメータを変化させることによって段取り替えを実行可能とする。
【0045】
一実施形態では、制御ユニットは、被覆ブランクのフォーマットを表すフォーマットデータを受信するようにプログラムされる。一実施形態では、フォーマットデータはまた、限定されない例示によれば、材料のタイプ又はせん断強度のような他のパラメータを表してもよい。
【0046】
一実施形態では、制御ユニットは、フォーマットデータの一機能として、ベルトの移動および停止のシーケンスを表す稼動データを設定するようにプログラムされている。稼動データは、被覆ボックスを得るために箱ブランクにおいて、および、被覆ブランクにおいて、実行されるすべての操作およびすべての移動を含む、稼動サイクルを特徴付ける1セットのデータを意味する。より具体的には、一実施形態では、稼動データは、ベルト、コンベヤアクチュエータ、供給ユニット、組立て機、又は被覆機に関する仕様を含んでもよい。
【0047】
一実施形態では、稼動データは、ベルトの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位を含む。一実施形態では、稼動データは、1又はそれ以上の、以下のパラメータを含む。
- ベルト上に配置されて2つの連続した被覆ブランクの間の距離によって定義された稼動スペースであって、ベルトの最大延長の方向で測定されたもの
- ベルト速度
- ベルトの停止の持続時間
- 停止/移動の繰り返し期間
- 被覆機における稼動時間
- 組立て機における稼動時間
- 位置決め機における稼動時間
【0048】
一実施形態では、コンベヤユニットのベルトは、吸引によって被覆ブランクを保持するように構成される。
【0049】
一実施形態では、ベルトは、第1の吸引ゾーンを備える。一実施形態では、第1の吸引ゾーンは、供給ユニットに隣接している。一実施形態では、ベルトは、第1の吸引ゾーンにおいて第1の吸引力を加えるように構成される。
【0050】
一実施形態では、ベルトは、第2の吸引ゾーンを備える。一実施形態では、第2の吸引ゾーンは、供給ユニットから離間している。一実施形態では、ベルトは、第2の吸引ゾーンにおいて第2の吸引力を加えるように構成される。
【0051】
一実施形態では、第2の吸引力は、第1の吸引力よりも小さい。
【0052】
ベルトのこの特徴が非常に重要であるのは、被覆ブランクが、ベルトに対して付着することが失われることなく、急いで供給されることを可能にするからである。付着は非常に重要である。それは、完成された箱において深刻な品質上の不具合をもたらし得る、被覆ブランク上の折り目を防止するからである。
【0053】
本開示の1つの観点によれば、本発明は、被覆段ボール箱を作製する方法を提供する。
【0054】
一実施形態では、この方法は、複数の被覆ブランクの搬送するステップを備える。
【0055】
一実施形態では、この方法は、複数の被覆ブランクを断続的に搬送するステップを備える。断続的に搬送するステップは、荷積み位置から荷下ろし位置までに生ずる。一実施形態では、断続的に搬送するステップは、移動および停止の交互のシーケンスにおいてコンベヤアクチュエータによって断続的に駆動されるベルトを含むコンベヤユニットを通して生ずる。
【0056】
一実施形態では、この方法は、被覆ブランクを取り上げるステップを備える。被覆ブランクは、処理のために被覆ブランクが格納されている貯蔵庫から個々に取り上げられる。
【0057】
一実施形態では、この方法は、供給時点のシーケンスにおいて、供給ユニットによって被覆ブランクを個々にベルトの荷積み位置に供給するステップを備える。
【0058】
一実施形態では、この方法は、組立て機において箱ブランクを受け取るステップを備える。一実施形態では、この方法は、対応する箱を形成するために箱ブランクを折畳むステップを備える。
【0059】
一実施形態では、この方法は、荷積み位置と荷下ろし位置の間に介在する連結位置において、ベルト上に配置された対応する被覆ブランク上に、各箱を位置合わせした状態で位置決めするステップを備える。
【0060】
一実施形態では、この方法は、覆われるべき箱と接触するようになる被覆ブランクの1つの面上に接着剤を引き伸ばすステップを備える。
【0061】
一実施形態では、この方法は、コンベヤユニットによってベルト上の荷下ろし位置まで、各被覆ブランクに連結された箱を搬送するステップを備える。
【0062】
一実施形態では、この方法は、各被覆ブランクに連結された箱を被覆機に供給するステップを備える。一実施形態では、被覆機は、各箱を覆うような方法で各箱に接触するような方法で被覆ブランクを折畳む。
【0063】
一実施形態では、この方法は、制御ユニットによって、ベルトの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位を調節可能に設定するステップを備える。
【0064】
一実施形態では、この方法は、制御ユニットによって、ベルトの対応する移動の時点に対する供給時点の位相変位を調節可能に設定するステップを備える。
【0065】
言い換えれば、制御ユニットは、ベルトが動いている時間の区間に対して被覆ブランクの供給時点を変位させる。
【0066】
一実施形態では、この方法は、段取り替えのステップを備える。一実施形態では、段取り替えのステップは、制御ユニットがベルトの移動および停止のシーケンスを変化させる変化ステップを備える。
【0067】
一実施形態では、この方法は、処理ステップを備える。一実施形態では、処理ステップにおいて、制御ユニットが被覆ブランクのフォーマットを表すフォーマットデータを受信する。一実施形態では、処理ステップは、稼動データを設定するステップを備える。稼動データは、稼動サイクルを表し、被覆ボックスを得るために箱ブランクにおいて、および、被覆ブランクにおいて実行される操作および移動として定義される。
【0068】
一実施形態では、処理ステップは、フォーマットデータの一機能として、ベルトの移動および停止のシーケンスを設定するステップを備える。一実施形態では、当該設定するステップは、1又はそれ以上の、以下のパラメータを設定することを含む。
- ベルト上に配置されて2つの連続した被覆ブランクの間の距離によって定義された稼動スペースであって、ベルトの最大延長の方向で測定されたもの
- ベルト速度
- ベルトの停止の持続時間
- 停止/移動の繰り返し期間
- 被覆機における稼動時間
- 組立て機における稼動時間
- 位置決め機における稼動時間
【0069】
一実施形態では、ラインがコンベヤアクチュエータとは別個の供給アクチュエータを備え、単一の被覆ブランクを供給するステップが、供給アクチュエータによって駆動される供給ユニットによって実行される。この実施形態では、制御ユニットは、2つの別個の信号が送信される時点を変位させることにより、ベルトの停止のシーケンスに対する供給時点を変位させる。2つの別個の信号の1つはコンベヤアクチュエータに向けられ、他の信号は供給アクチュエータに向けられる。
【0070】
一実施形態では、供給ユニットは、ベルトの対応する停止に対する供給時点の位相変位の機能として、供給アクチュエータとコンベヤアクチュエータを、同期し、位相変位された方法で活性化する。
【0071】
一実施形態では、供給アクチュエータはコンベヤアクチュエータと同期して動作し、この方法は、機械的変位のステップを備える。一実施形態では、機械的変位のステップにおいて、コンベヤアクチュエータの動きがベルトに到達する時点に対してコンベヤアクチュエータが供給ユニットに到達する時点を、変化ユニットが変位させる。
【0072】
一実施形態では、被覆ブランクを荷積み位置に供給するステップが、コンベヤのベルトが動いている状態で実行される。言い換えると、被覆ブランクをベルトの荷積み位置に供給するステップは、ベルトの移動期間の間に実行される。
【0073】
言い換えると、制御ユニットは、ベルトが動いているときに供給アクチュエータを活性化する。
【0074】
ラインがコンベヤアクチュエータとは別個の供給アクチュエータを備えた実施形態では、供給アクチュエータは、コンベヤアクチュエータが活性化状態であるときに活性化状態となっている。
【0075】
一実施形態では、この方法は、ベルトがその上に配置された被覆ブランク上に吸引力を加える吸引を行うステップを備える。
【0076】
一実施形態では、吸引を行うステップは、吸引を行う第1のステップを備える。
【0077】
吸引を行う第1のステップでは、第1の吸引ゾーンが供給ユニットに隣接している。一実施形態では、この吸引を行う第1のステップにおいて、第1の吸引ゾーンが被覆ブランク上に第1の吸引力を加える。
【0078】
一実施形態では、吸引を行うステップは、吸引を行う第2のステップを備える。吸引を行う第2のステップでは、第2の吸引ゾーンが供給ユニットから離間している。一実施形態では、この吸引を行う第2のステップにおいて、第2の吸引ゾーンは、被覆ブランク上に第2の吸引力を加える。
【0079】
一実施形態では、第2の吸引力は、第1の吸引力より小さい。このことは、急いで実施されるためにいくつかの深刻な局面を示す、上記供給するステップの間に、被覆ブランクがベルトに付着したままの状態とすることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0080】
この特徴および他の特徴は、以下の添付されている図面において限定されない例によって図示された、後述する好ましい実施形態の記述から、より明らかになる。
【
図1】被覆段ボール箱の生産のためのラインの平面図である。
【
図1A】
図1のラインの平面図を模式的に示す図である。
【
図2】
図1のラインの供給ユニットの側面図である。
【
図2A】
図2の供給ユニットの2つ実施形態の一方を模式的に示す図である。
【
図2B】
図2の供給ユニットの2つの実施形態他方を模式的に示す図である。
【
図3】
図1の制御ユニットの接続を模式的に示す図である。
【
図4】被覆段ボール箱の生産方法のステップを模式的に示す図である。
【
図5】
図4の方法にステップのいくつかを模式的に示す図である。
【
図6A】供給ユニットがコンベヤユニットに対して位相が進んでいる実施形態において、
図1のラインのコンベヤおよび供給ユニットの動作の時間グラフを模式的に示す図である。
【
図6B】
図6Aにおいて「t0」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図であり、「t0」は、ベルト上に未だブランクが存在しない開始時点を示す。
【
図6C】
図6Aにおいて「ts-s-Tf」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図である。
【
図6D】
図6Aにおいて「ts-s」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図である。
【
図6E】
図6Aにおいて「ts」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図である。
【
図6F】
図6Aにおいて「tr」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図であり、「tr」は、ラインが安定した状態で稼動している時点を示す。
【
図7A】供給ユニットがコンベヤユニットに対して位相遅れの状態である実施形態において、
図1のラインのコンベヤおよび供給ユニットの動作の時間グラフを模式的に示す図である。
【
図7B】
図7Aにおいて「t0」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図であり、「t0」は、ベルト上に未だブランクが存在しない開始時点を示す。
【
図7C】
図7Aにおいて「t0+s」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図である。
【
図7D】
図7Aにおいて「t0+s+Tf」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図である。
【
図7E】
図7Aにおいて「ts」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図である。
【
図7F】
図7Aにおいて「tr」と表記された時点での
図1のラインを模式的に示す図であり、「tr」は、ラインが安定した状態で稼動している時点を示す。
【発明を実施するための形態】
【0081】
上に列挙した図を参照すると、符号1は、被覆段ボール箱の生産のためのライン1を示す。
【0082】
被覆箱の生産のライン1は、被覆箱を得るために半製品が処理されるいくつかのステーションからなるラインである。より具体的には、ライン1は、複数の被覆ダンボール箱の各々を得るために複数の被覆ブランクと複数の箱ブランクを処理するように構成されている。
【0083】
一実施形態では、ライン1はベース1Aを備える。
【0084】
一実施形態では、ライン1は、コンベヤユニット2を備える。
【0085】
一実施形態では、コンベヤユニット2は、ベース1Aに接続される。
【0086】
一実施形態では、コンベヤユニット2は、移動経路に沿って被覆ブランクを搬送するように構成される。
【0087】
一実施形態では、コンベヤユニット2は、ベルト2Aを備える。
【0088】
一実施形態では、コンベヤユニット2は、コンベヤアクチュエータ2Bを備える。
【0089】
一実施形態では、コンベヤユニット2のベルト2Aは、荷積み位置Cから荷下ろし位置Sまで複数の被覆ブランクを輸送するために移動可能である。
【0090】
移動経路は、移動向きおよび移動方向Vによって特徴付けられる。より具体的には、移動方向Vは、荷積み位置Cから荷下ろし位置Sに方向を合わせられる。
【0091】
一実施形態では、コンベヤアクチュエータ2Bは、ベルト2Aに接続される。
【0092】
一実施形態では、コンベヤアクチュエータ2Bは、ベルト2Aを駆動するように構成される。一実施形態では、コンベヤアクチュエータ2Bは、移動および停止の交互のシーケンスにおいて、断続的にベルト2Aを駆動するように構成される。一実施形態では、ライン1は、コンベヤセクション10Aを備える。一実施形態では、コンベヤセクション10Aは箱ブランクを、荷積み位置Cと荷下ろし位置Sの間に介在するベルト2A上の連結位置Aに輸送するように構成される。一実施形態では、ライン1は、挿入アクチュエータ10Bを備える。一実施形態では、挿入アクチュエータ10Bは、コンベヤセクション10Aを駆動するように構成される。一実施形態では、供給アクチュエータ10Bが、コンベヤアクチュエータ2Bと同期して動作する。この実施形態において、コンベヤアクチュエータ2Bによって提供される駆動動作は、適当な伝達手段を通してコンベヤセクション10Aに伝達される。
【0093】
一実施形態では、ライン1は、供給ユニット3を備える。
【0094】
一実施形態では、供給ユニット3は、ベース1Aに接続される。一実施形態では、供給ユニット3は、耐荷重構造3Aを備える。
【0095】
一実施形態では、供給ユニット3の耐荷重構造3Aは、ベース1Aと一体である。
【0096】
供給ユニット3は、貯蔵庫から被覆ブランクを取り上げるように構成される。一実施形態では、貯蔵庫は、供給ユニット3に接続され、かつその上に複数の被覆ブランクが積み上げられる棚4である。
【0097】
一実施形態では、棚4は、被覆ブランクが積み上げられている積み上げ方向に沿って並進運動により移動するように構成される。このことは、棚4が、棚4自体の上に存在する被覆ブランクの数に適応することを可能とし、棚4は、すべての被覆ブランクが仕上げられるまで供給ユニット3により近い位置まで漸進的に移動する。
【0098】
一実施形態では、供給ユニット3は、被覆ブランクを個々にコンベヤユニット2に供給するように構成される。一実施形態では、供給ユニット3は、供給時点のシーケンスにおいて、荷積み位置Cにて被覆ブランクを個々にコンベヤユニット2に供給するように構成される。
【0099】
一実施形態では、コンベヤユニット2は、ピックアップ装置5を備える。一実施形態では、ピックアップ装置5は、棚4から被覆ブランクを取り上げる(ピックアップ)するように構成される。一実施形態では、ピックアップ装置5は、吸引カップ5A’を備える。一実施形態では、ピックアップ装置は、1つより多くの吸引カップ5A’を備えてもよい。吸引カップ5A’は、棚4上に配置される複数の被覆ブランクから単一の被覆ブランクを取り上げるように構成される。
【0100】
一実施形態では、ピックアップ装置5は、並進ヘッド5Aを備える。一実施形態では、並進ヘッド5Aは、スライド5Bを備える。
【0101】
一実施形態では、並進ヘッド5Aは、スライド5Bに沿って並進運動によって移動するように構成され、荷積み位置Cから遠方のゾーン内の被覆ブランクを取り上げ、荷積み位置Cに近接したゾーンに近い位置にある単一の被覆ブランクを移動させる。
【0102】
一実施形態では、供給ユニット3は、複数の供給ローラ6を備える。一実施形態では、複数の供給ローラ6は、棚4から取り上げられた単一の被覆ブランクを受け取り、それをベルト2Aの荷積み位置Cに供給するように構成される。
【0103】
一実施形態では、複数の供給ローラ6のうち少なくとも2つのローラが、被覆ブランクをベルト2A上の荷積み位置Cに持っていくような方法で、反対方向に回転する。
【0104】
一実施形態では、並進ヘッド5Aは、複数の供給ローラ6において被覆ブランクを放すように構成される。
【0105】
複数の供給ローラ6は、複数の供給時点の各供給時点に達するまで被覆ブランクを保持するように構成される。
【0106】
一実施形態では、供給ユニット3は、供給アクチュエータ3Bを備える。一実施形態では、供給ユニット3Bは、並進ヘッド5Aに接続される。一実施形態では、供給アクチュエータ3Bは、複数の供給ローラ6に接続される。
【0107】
一実施形態では、供給アクチュエータ3Bは、貯蔵庫から被覆ブランクを取り上げるために供給ユニット3に接続される。
【0108】
一実施形態では、供給アクチュエータ3Bは、棚4から被覆ブランクを取り上げるために、ピックアップ装置5の並進ヘッド5Aに接続される。
【0109】
一実施形態では、供給アクチュエータ3Bは、ベルト2A上の荷積み位置Cに一度に1つの被覆ブランクを供給するために、供給ユニット3に接続される。
【0110】
一実施形態では、供給アクチュエータ3Bは、ベルト2A上の荷積み位置Cに一度に1つの被覆ブランクを供給するために、複数の供給ローラ6に接続される。
【0111】
一実施形態では、供給アクチュエータ3Bは、コンベヤアクチュエータ2Bと同期して動作する。この実施形態では、コンベヤアクチュエータ2Bと供給ユニット3が接続される。一実施形態では、コンベヤアクチュエータ2Bと供給ユニット3の間に変化ユニット3B’が介在する。
【0112】
変化ユニット3B’は、コンベヤアクチュエータ2Bからの駆動動作を変化させ、それを供給ユニット3に供給するように構成される。
【0113】
一実施形態では、変化ユニット3B’は、コンベヤアクチュエータ2Bの活性化時点に対して供給時点を変化させるように構成される。この実施形態では、変化ユニット3B’は、トルク又は駆動力がコンベヤアクチュエータ2Bに対して供給される時点に対して位相変位をもって、供給ユニット3にトルク又は駆動力を伝達するように構成される。
【0114】
一実施形態では、変化ユニット3B’は、駆動力の大きさを変化させるように構成される。
【0115】
一実施形態では、変化ユニット3B’は、摩擦クラッチを備える。摩擦クラッチは、コンベヤアクチュエータ2Bと一体となっている第1部分と、供給ユニット3と一体となっている第2部分と、を備える。摩擦クラッチは、摩擦スイッチの第1部分が移動し始める時点と、摩擦クラッチの第2部分が摩擦クラッチの第1部分と係合する時点と、の間の位相変位を保証するように構成される。
【0116】
この実施形態では、純粋に例示によって説明される。業界の専門家は、コンベヤアクチュエータ2Bの活性化時点に対して伝達時点を位相変位するように構成された異なるタイプの様々な変形例を設計可能であろう。限定されない例示によれば、カムプロファイルを含むシステムもまた、使用されてもよい。
【0117】
一実施形態では、ライン1は、組立て機7を備える。組立て機7は、段ボール箱ブランクを受け取り、対応する箱を形成するように段ボール箱ブランクを折畳むように構成される。組立て機7は、ライン1のベース1Aに接続されている。
【0118】
一実施形態では、組立て機7は、コンベヤセクション10Aに沿って配置される。一実施形態では、コンベヤセクション10Aは、箱ブランクを組立て機7まで輸送するように構成される。一実施形態では、コンベヤセクション10Aは、組立て機7において折畳まれた箱を取り上げ、それらをコンベヤユニット2のベルト2A上の連結位置Aまで輸送するように構成される。
【0119】
一実施形態では、ライン1は、位置決め機8を備える。
【0120】
一実施形態では、位置決め機8は、組立て機7から箱を受け取るように構成される。一実施形態では、位置決め機8は、荷積み位置Cと荷下ろし位置Sの間に介在する連結位置Aにおいて、コンベヤユニット2のベルト2A上に配置された対応する被覆ブランク上に位置合わせした状態で、箱を個々に配置するように構成される。
【0121】
一実施形態では、位置決め機8は、ライン1のベース1Aに堅く接続される。この堅い接続は、位置決め機8の振動を低減し、それによってより高い位置決め精度を可能にする。
【0122】
一実施形態では、位置決め機8は、コンベヤユニット2のベルト2Aから被覆ブランクを受け取るように構成される。一実施形態では、位置決め機8は、箱が組立て機7において折畳まれた後に、当該箱をコンベヤセクション10Aから受け取るように構成される。
【0123】
一実施形態では、ライン1は、貼り機10を備える。一実施形態では、貼り機10は、覆われるべき箱の対応する面に接触することになる被覆ブランクの一面上に接着剤を引き伸ばすように構成されている。
【0124】
一実施形態では、貼り機10は、供給ユニット3に接続される。一実施形態では、貼り機10は、ベルト2A上の荷積み位置Cと供給ユニット3の間に配置される。
【0125】
一実施形態では、貼り機10は、アイドルアーム10’を備える。一実施形態では、覆われるべき箱の対応する面に接触することになる被覆ブランクの一面上に引き伸ばされる接着剤は、アイドルアーム10’の自由端上にある。一実施形態では、アイドルアーム10’は、被覆ブランクに損傷を与えることなく被覆ブランクの面に接触した状態を維持するようにして、アイドル状態で移動可能である。一実施形態では、アイドルアーム10’は、アイドルアーム10’を被覆ブランクの面に接触し続けるように構成されたばねを備える。
【0126】
一実施形態では、ライン1は、被覆機9を備える。一実施形態では、被覆機9は、荷下ろし位置Sにおいて、コンベヤユニット2から各被覆ブランクに連結された箱を受け取るように構成される。一実施形態では、被覆機9は、各箱に接触するような方法で、被覆ブランクを折畳むように構成される。
【0127】
一実施形態では、被覆機9は、ライン1のベース1Aに堅く接続される。この堅い接続は、被覆機9の振動を低減し、それによってより高い精度を可能にする。
【0128】
一実施形態では、ライン1は、制御ユニット11を備える。
【0129】
一実施形態では、ライン1は、ユーザインタフェースを備える。ユーザインタフェースは、制御ユニット11に接続される。
【0130】
一実施形態では、ユーザインタフェースはローカルである。この実施形態では、ユーザインタフェースは、当該機械に物理的に接続されるディスプレイ11Aであってもよい。
【0131】
一実施形態では、ユーザインタフェースはリモート(遠隔)である。この実施形態では、ユーザインタフェースは、スマートフォン、タブレット若しくはポータブルコンピュータ、又は、制御ユニット11にリモートで接続可能な如何なる装置であってもよい。
【0132】
一実施形態では、制御ユニット11は、供給ユニット3に接続される。一実施形態では、制御ユニット11は供給ユニット3に接続され、ベルト2Aの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位を調節可能に設定する。
【0133】
一実施形態では、制御ユニット11は、コンベヤユニット2に接続される。一実施形態では、制御ユニット11は、位置決め機8に接続される。一実施形態では、制御ユニット11は、被覆機9に接続される。一実施形態では、制御ユニット11は、組立て機7に接続される。一実施形態では、ライン1が供給アクチュエータ3Bを備え、制御ユニット11が供給アクチュエータ3Bと接続される。
【0134】
一実施形態では、当該機械が変化ユニット3B’を備え、制御ユニット11が変化ユニット3B’に接続される。
【0135】
一実施形態では、制御ユニット11は、ベルト2Aの対応する停止に対する供給時点の位相変位sに従って同期および位相変位された態様で、供給アクチュエータ3Bおよびコンベヤアクチュエータ2Bを活性化するようにプログラムされる。この実施形態では、制御ユニット11は、搬送信号12Aおよび供給信号12Bを送信するように構成される。
【0136】
搬送信号12Aは、コンベヤアクチュエータ2Bに送信される。供給信号12Bは、供給アクチュエータ3Bに送信される。制御ユニット11は、ベルト2Aの対応する停止に対する供給時点の位相変位sに従って同期および位相変位された態様で、搬送信号12Aおよび供給信号12Bを送信するようにプログラムされる。搬送信号12Aおよび供給信号12Bはそれぞれ、コンベヤアクチュエータ2Bおよび供給アクチュエータ3Bによって受信され、次いで、それぞれコンベヤユニット2および供給ユニット3を駆動する。
【0137】
一実施形態では、制御ユニット11は、供給時点のシーケンスにおいて供給アクチュエータ3Bを活性化するようにプログラムされる。各供給時点は、ベルト2Aが動作中の時間の各区間において一時的に配置される。
【0138】
一実施形態では、制御ユニット11は、供給時点のシーケンスにおいて供給信号12Bを送信するようにプログラムされる。各供給時点は、各区間において一時的に配置される。各区間は、搬送信号12Aがコンベヤアクチュエータ2Bによって既に受信された時間区間である。
【0139】
一実施形態では、制御ユニット11はコンベヤアクチュエータ2Bに接続され、ベルト2Aの移動および停止のシーケンスを変化させる。
【0140】
一実施形態では、制御ユニット11は、注文(オーダー)データ100を受信するように構成される。一実施形態では、注文データ100は、被覆ブランクのフォーマットを表すフォーマットデータ100Aを含む。
【0141】
一実施形態では、注文データ100は、所定のフォーマットに対して生産されるべき量を表す生産性データ100Bを含む。
【0142】
一実施形態では、注文データ100は、当該機械において処理されるべき複数の注文を参照する。より具体的には、この実施形態では、注文データ100は、注文シーケンスを含む。一実施形態では、注文シーケンスは、当該シーケンス内の各注文に対して、フォーマットデータ100Aおよび生産性データ100Bを備える。
【0143】
一実施形態では、制御ユニット11は、注文データ100を処理するように構成される。一実施形態では、制御ユニット11は、フォーマットデータ100Aを処理し、ベルト2Aの移動および停止のシーケンスを設定するように構成される。
【0144】
一実施形態では、制御ユニット11は、フォーマットデータ100Aを処理し、フォーマットデータ100Aの機能として、ベルト2Aの移動および停止のシーケンスを表す稼動データ101を設定するように構成される。
【0145】
一実施形態では、制御ユニット11は、注文データ100を処理し、稼動データ101を設定するように構成される。
【0146】
一実施形態では、稼動データ101は、ベルト2Aの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位sを含む。
【0147】
一実施形態では、稼動データ101は、1つ又はそれ以上の、以下のパラメータを含む。
- ベルト2A上に配置される2つの連続する被覆ブランクの間の距離によって定義され、ベルト2Aの最大延伸の方向において測定される稼動間隔p
- ベルト2Aの速度
- ベルト2Aの停止の期間
- 停止/移動の繰り返し期間T
- 各フォーマットに対して生産されるべき個数
- 組立て機7、被覆機9、および位置決め機8のツール(工具)の力、速度および軌跡
- コンベヤセクション10Aの速度
【0148】
一実施形態では、制御ユニット11は、生産性データ100Bの機能として注文タイムスケジュール102を処理するように構成される。
【0149】
注文タイムスケジュール102は、制御ユニット11が相当な停止を伴うことなく自動的に段取り替えを実行することを可能とする。注文タイムスケジュール102は、制御ユニット11が相当な停止を伴うことなく自動的に稼動データ101を適合させることを可能とする。
【0150】
より具体的には、制御ユニット11は、注文タイムスケジュール102の機能として、ベルト2Aの移動および停止のシーケンスを変化させるように構成される。
【0151】
一実施形態では、コンベヤユニット2のベルト2Aは、吸引ユニットを備える。吸引ユニットは、ベルト2Aを含む平面に対して垂直に、かつベルト2Aから、ライン1のベース1Aが置かれ、若しくは固定される支持面に向けて、吸引力を加えるように構成される。
【0152】
一実施形態では、ベルト2Aは、第1の吸引ゾーン2A’を備える。第1の吸引ゾーン2A’は、供給ユニット3に隣接している。第1の吸引ゾーン2A’は、第1の吸引力P1を加えるように構成される。
【0153】
一実施形態では、ベルト2Aは、第2の吸引ゾーン2A”を備える。一実施形態では、第2の吸引ゾーン2A”は、供給ユニット3から離間している。第2の吸引ゾーン2A”は、第2の吸引力P2を加えるように構成される。
【0154】
一実施形態では、第2の吸引力P2は、第1の吸引力P1よりも小さい。このことは、ベルト2Aが既に動作中に供給が行われるために被覆ブランクが離れる可能性が高い供給ステップF2の間、ベルト2Aが被覆ブランクをベルト2Aに接着させ続けることを可能にする。
【0155】
本開示の一観点によれば、本発明は、被覆ダンボール箱を作製する方法を提供する。
【0156】
一実施形態では、この方法は、荷積み位置Cから荷下ろし位置Sまで複数の被覆ブランクを断続的に搬送するステップF1を備える。
【0157】
一実施形態では、断続的に搬送するステップF1は、移動および停止の交互のシーケンスにおいてコンベヤアクチュエータ2Bによって断続的に駆動されるベルト2Aを含むコンベヤユニット2により実行される。
【0158】
以降では、Tsは、停止時間、すなわち、ベルト2Aが駆動されていない時間の長さを示すのに使用される。Taは、移動時間、すなわち、ベルト2Aが駆動されている時間の長さを示すのに使用される。Tは、その期間、すなわち、ベルト2Aのある開始から次の開始までの時間を示すのに使用され、停止時間Tsと移動時間Taの和に等しい。移動時のベルト2Aの速度は、文字vによって示される。
【0159】
搬送するステップの間、コンベヤアクチュエータ2Bは、ベルト2Aを駆動する。ベルト2Aは、その表面上で被覆ブランクを運び、荷積み位置Cから荷下ろし位置Sに向って方向付けられる移動方向Vにおいて移動経路に沿って被覆ブランクを輸送する。
【0160】
一実施形態では、ベルト2Aは、継続的に移動可能である。
【0161】
一実施形態では、ベルト2Aは、動いているときに一定速度vで移動する。他の実施形態では、ベルト2Aは、動いているときに可変速度で移動する。この実施形態では、可変速度は、バッファステーションに対する要求を満たすようにしてもよい。
【0162】
一実施形態では、搬送するステップF1は、以前に組み立てられた箱に連結された被覆ブランクを荷下ろし位置Sまで搬送するステップである。
【0163】
一実施形態では、搬送するステップF1は、コンベヤセクション10Aに沿って複数の箱ブランクを搬送するステップである。コンベヤセクション10Aは、ベルト2Aの外側にあって、ベルト2A上の荷積み位置Cと荷下ろし位置Sの間に介在する連結位置Aにおいてベルト2Aに連結する。
【0164】
一実施形態では、搬送するステップF1は、成形された箱をコンベヤセクション10Aに沿ってベルト2A上の連結位置Aまで搬送するステップである。成形された箱は、複数の箱ブランクのうちの1つの箱ブランクを折畳むことによって得られる。
【0165】
一実施形態では、この方法は、供給ユニット3によって貯蔵庫から被覆ブランクを個々に取り上げるステップを備える。一実施形態では、この方法は、供給時点のシーケンスにおいて、供給ユニット3によって被覆ブランクをベルト2Aの荷積み位置Cに供給するステップF2を備える。
【0166】
一実施形態では、被覆ブランクをベルト2Aの荷積み位置Cに供給するステップF2は、コンベヤユニット2のベルト2Aが動作した状態で行われる。
【0167】
一実施形態では、供給ユニット3がコンベヤアクチュエータ2Bから分離している供給アクチュエータ3Bを備え、供給アクチュエータ3Bが供給ユニット3を駆動して被覆ブランクを供給する。
【0168】
以降では、「供給時点la」という用語は、供給ユニット3がコンベヤユニット2に被覆ブランクを供給し始める時点を示すのに使用される。「開始時点t0」という用語は、コンベヤアクチュエータ2Bがベルト2Aを駆動し始める時点を示すのに使用される。「停止時点ts」という用語は、コンベヤアクチュエータ2Bがベルト2Aに対する駆動を停止し始める時点を示すのに使用される。
【0169】
以降では、「間隔p」という用語は、ベルト2A上に配置された連続する2つの被覆ブランクの間の、ベルト2Aに沿った距離を示すのに使用される。図面における参照符号Tfは供給時間を示し、供給時点と、被覆ブランクがベルト2Aの荷積み位置Cにおいて有効に載置される時点との間に経過する時間を意味する。
【0170】
一実施形態では、取り上げるステップの間、ピックアップ装置5が、複数の被覆ブランクが積層される棚4から単一の被覆ブランクを取り上げる。
【0171】
一実施形態では、ピックアップ装置5が並進ヘッド5Aおよびスライド5Bを備え、並進ヘッド5Aは、供給されるべき単一の被覆ブランクと係合する。一実施形態では、並進ヘッド5Aは、スライド5Bに沿って並進運動で移動し、当該単一の被覆ブランクをベルト2A上の荷積み位置Cの遠方の位置から、ベルト2A上の荷積み位置Cに対して近接する位置まで運ぶ。
【0172】
一実施形態では、並進ヘッド5Aが吸引カップ5A’を備え、吸引カップ5A’が供給されるべき当該単一の被覆ブランクと係合する。
【0173】
一実施形態では、供給ユニット3が複数の供給ローラ6を備え、ピックアップ装置5は、単一の被覆ブランクを供給ローラに近接して放し、それによって供給ローラが被覆ブランクを受け取り可能にする。
【0174】
一実施形態では、複数の供給ローラ6のうち少なくとも2つのローラが反対方向に回転する。一実施形態では、供給するステップF2の間、供給されるべき単一の被覆ブランクが、反対方向に回転する当該少なくとも2つのローラの間に配置される。
【0175】
一実施形態では、複数の供給ローラ6が回転し、そうすることで、複数の供給ローラ6に沿ってベルト2Aの荷積み位置Cまで単一の被覆ブランクを供給する方法で、単一の被覆ブランクを運ぶ。
【0176】
一実施形態では、供給アクチュエータ3Bがコンベヤアクチュエータ2Bと分離しており、供給アクチュエータ3Bが、被覆ブランクを供給するために複数の供給ローラ6を駆動する。
【0177】
一実施形態では、供給アクチュエータ3Bがコンベヤアクチュエータ2Bから分離しており、供給アクチュエータ3Bが、被覆ブランクを取り上げるためにピックアップ装置5を駆動する。
【0178】
一実施形態では、この方法は、供給する第2のステップF2’を備える。当該ステップでは、複数の箱ブランクのうち1つの箱ブランクが第2の貯蔵庫から個々に取り上げられ、個々にコンベヤセクション10Aに供給される。
【0179】
一実施形態では、この方法は、組立て機7において箱ブランクを受け取るステップを備える。一実施形態では、この方法は、対応する箱を形成するために箱ブランクを折畳むステップF3を備える。
【0180】
一実施形態では、この方法は、ベルト上に配置された対応する被覆ブランク上に、各箱を位置合わせして位置決めするステップF4を備える。一実施形態では、位置決めするステップF4は、荷積み位置Cと荷下ろし位置Sの間に介在する連結位置Aで実行される。
【0181】
一実施形態では、この方法は、覆われるべき箱の対応する面に接触することになる被覆ブランクの1つの面上に接着剤を引き伸ばすステップを備える。当該対応する面は、以下では、被覆ブランクの内面として参照される。
【0182】
一実施形態では、接着剤を引き伸ばすステップの間、供給されるべき単一の被覆ブランクは、貼り機10を通過するようになされ、ベルト2A上の荷積み位置Cに達する。一実施形態では、貼り機10は、被覆ブランクが動いている間に被覆ブランクの内面上に引き伸ばす。
【0183】
一実施形態では、貼り機10がアイドルアーム10’を備え、アイドルアーム10’の接着剤がある自由端が、被覆ブランクがベルト2A上の荷積み位置Cに向かって移動する間、被覆ブランクの内面に接触したままの状態となる。
【0184】
一実施形態では、この方法は、各被覆ブランクに連結された箱を被覆機9に供給するステップを備える。
【0185】
一実施形態では、被覆機9は、各箱を覆うような方法で各箱に接触するように被覆ブランクを折畳む。
【0186】
一実施形態では、この方法は、箱を各被覆ブランクで覆うステップF5を備える。
【0187】
一実施形態では、ベルト2Aの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位sを調節可能に設定するステップF6を備える。この調節可能に設定するステップF6は、制御ユニット11によって実行される。
【0188】
一実施形態では、この方法は、フォーマットデータを入力するステップF61を備える。このステップの間、ローカル若しくはリモートのインタフェースを使用する機械のオペレータは、被覆ブランクのフォーマットを表すフォーマットデータを入力可能である。
【0189】
一実施形態では、この方法は、フォーマットデータを受信するステップF62を備える。このステップの間、制御ユニット11は、処理のためにフォーマットデータ100Aをユーザインタフェースから受信する。
【0190】
一実施形態では、この方法は、フォーマットデータを処理するステップF63を備える。
【0191】
フォーマットデータを処理するステップF63の間、制御ユニット11は、フォーマットデータ100Aを処理し、ベルト2Aの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位sを含む稼動データ101を決定する。
【0192】
フォーマットデータを処理するステップF63の間、制御ユニット11は、以下の量を考慮する。
- 供給ユニットの位置決め機8からの距離であって、以下ではD1で示される距離
- 位置決め機8の被覆機9からの距離であって、以下ではD2で示される距離
- ベルト2Aの速度v
- 間隔plimit(plim)、すなわち、ベルト2A上に配置された2つの連続する被覆ブランクの間の、ベルト2Aに沿った最小距離であって、被覆ブランクのサイズの機能として決定される距離
【0193】
一実施形態では、フォーマットデータを処理するステップF63は、間隔pを決定する第1ステップを備える。間隔pは、距離D2および限界間隔plimの機能である。
【0194】
より具体的には、一実施形態では、間隔pは以下の式で決定される。
【数1】
【0195】
ここで、間隔pは、距離D2と間隔plimの除算の結果の整数部分によって距離D2を除算することによって決定される。
【0196】
一実施形態では、このようにして決定される間隔pは、この明細書で記載されていない他の拘束条件があるかも知れないが、限界間隔の機能として取得可能な最小間隔pである。
【0197】
如何にして間隔pが決定されるかを記述することがこの明細書の目的ではなく、上述したことは、純粋に限定されない例示によって設定されることが理解される。
【0198】
一実施形態では、フォーマットデータを処理するステップF63は、位相変位の距離fを決定するステップを備える。
【0199】
より具体的には、一実施形態では、位相変位の距離fは以下の式で決定される。
【数2】
【0200】
ベルト2Aの速度を知ることは自動的に、ベルト2Aの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位sを決定することを可能とする。
【数3】
【0201】
このケースにおいてまた強調されることは、上記に設定される解析的関係が、位相変位の距離fとベルト2Aの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位sを決定するために使用される数学的方法を記述することのみを意図したものではないことである。そのため、上記に設定される事項は、限定しない例示的性質のものであり、フォーマットデータ100Aを処理するステップの可能な実施形態のうちの1つに関連する。
【0202】
一実施形態では、調節可能に設定するステップF6は、位相変位信号をコンベヤユニット2および供給ユニット3に送信することを含む。
【0203】
一実施形態では、調節可能に設定するステップF6の間、制御ユニット11は、搬送信号12Aをコンベヤユニット2に送信する。
【0204】
一実施形態では、調節可能に設定するステップF6の間、制御ユニット11は、供給信号12Bを供給ユニット3に送信する。
【0205】
一実施形態では、調節可能に設定するステップF6の間、制御ユニット11は、搬送信号12Aをコンベヤアクチュエータ2Bに送信する。
【0206】
一実施形態では、供給ユニット3が、コンベヤアクチュエータ2Bとは分離されている供給アクチュエータ3Bを備え、調節可能に設定するステップF6の間、制御ユニット11は、供給信号12Bを供給アクチュエータ3Bに送信する。
【0207】
より具体的には、制御ユニット11は、位相変位sの値の機能として、供給時点を進ませ、又は遅らせてもよい。遅れ供給は、制御ユニット11が供給時点を遅らせることであり、逆もまた同様に、進み供給は、制御ユニット11が供給時点を進ませることである。
【0208】
進み供給および遅れ供給の構成が以下で説明される。
【0209】
進み供給および遅れ供給は、それぞれ
図6Aおよび
図6Bに示される。これらの図のより明確な理解のために、t0が開始時点を示し、tsが停止時点を示すことに留意されたい。図中で使用される他の符号は、以前に説明されたものである。
【0210】
移動および停止の交互のシーケンスは、開始時点のシーケンスと停止時点のシーケンスを規定する。
【0211】
一実施形態では供給が進ませられ、制御ユニット11は、複数の開始時点のシーケンスのうちの1つの開始時点t0において、搬送信号12Aをコンベヤアクチュエータ2Bに送信する。
【0212】
搬送信号12Aは、ベルト2Aの全体の移動時間Taの間、維持される。
【0213】
一実施形態では、制御ユニット11は、停止時点のシーケンスの、ベルト2Aの停止時点tsに対する位相変位sに等しい量だけ進ませられる供給時点において、供給信号12Bを送信する。
【0214】
この実施形態において、ベルト2Aが再度開始されるとき被覆ブランクがベルト2A上に既にあり、より具体的には、位相変位の距離fに等しい距離だけ進ませられる。このことは、被覆ブランクがベルト2A上の連結位置Aに配置されることを可能にする。ベルト2A上の連結位置Aは、供給が仮に進ませられなかったならば間隔pをもって被覆ブランクが到達することがなかった位置である。
【0215】
一実施形態では供給が遅らせられ、制御ユニット11は、複数の開始時点のシーケンスのうちの1つの開始時点t0において、搬送信号12Aをコンベヤアクチュエータ2Bに送信する。搬送信号12Aは、ベルト2Aの全体の移動時間Taの間、維持される。
【0216】
一実施形態では、制御ユニット11は、ベルト2Aの供給時点に対して位相変位sだけ遅らせられる供給時点において、供給信号12Bを送信する。
【0217】
この実施形態において、ベルト2Aが次のブランクを搬送するために再度開始されるとき、前の被覆ブランクは位相変位の距離fに等しい距離だけ後ろにある。このことは、被覆ブランクがベルト2A上の連結位置Aに配置されることを可能にする。ベルト2A上の連結位置Aは、供給が仮に遅らせられなかったならば間隔pをもって被覆ブランクが通過しなかった位置である。
【0218】
両方のケースにおいて、仮に供給が遅らせられず、又は進ませられず、その代わりに、間隔pが正確に連結位置Aになるようにして調節されたならば、被覆機9において位置合わせに誤りが生じただろう。位置決め機8上の連結位置Aおよび被覆機9上の連結位置Aの両方において正しい配置を得る唯一の方法は、供給ユニット3、位置決め機8、および被覆機9の間の相互の距離を変化させることである。供給時間の遅れはベルト2Aが動いている状態で生ずるため、当該遅れは、供給ユニット3と位置決め機8の間の距離を変化させるのと同じ技術的効果を有するが、移動すべき重い重量を必要としないという大きな利点を有する。
【0219】
一実施形態では、制御ユニット11は、供給アクチュエータ3Bとコンベヤアクチュエータ2Bを同期させて活性化する。
【0220】
一実施形態では、制御ユニット11は、ベルト2Aの対応する停止に対する供給時点の位相変位sの機能として、供給アクチュエータ3Bとコンベヤアクチュエータ2Bを位相変位される態様で活性化する。
【0221】
一実施形態では、制御ユニット11は、ベルト2Aの対応する停止に対する供給時点の位相変位sの機能として、供給アクチュエータ3Bとコンベヤアクチュエータ2Bを同期し、位相変位される態様で活性化する。
【0222】
一実施形態では、制御ユニット11は、搬送信号12Aおよび供給信号12Bをそれぞれコンベヤアクチュエータ2Bおよび供給アクチュエータ3Bに、同期し、位相変位される態様で送信することで、位相変位sを設定する。
【0223】
一実施形態では、制御ユニット11は、位相変位信号を供給ユニット3に送信することによって位相変位sを設定する。
【0224】
一実施形態では、供給ユニット3が変化ユニット3B’を備え、制御ユニット11は、変化ユニット3B’がコンベヤアクチュエータ2Bからの駆動モーションを遅らせ、又は進ませる機能として、位相変位信号を変化ユニット3B’に送信することによって位相変位sを設定する。
【0225】
一実施形態では、この方法は、注文データを入力するステップF71を備える。注文データを入力するステップF71の間、機械のオペレータは、注文データ100を入力する。一実施形態では、注文データ100は、フォーマットデータ100Aを含む。一実施形態では、注文データ100は、ライン1におけるシーケンスにおいて処理されるべき2又はそれ以上の注文のフォーマットデータ100Aを含む。一実施形態では、注文データ100は、生産性データ100Bを含む。一実施形態では、注文データ100は、ライン1におけるシーケンスにおいて処理されるべき2又はそれ以上の注文の生産性データ100Bを含む。
【0226】
一実施形態では、注文データ100は、処理されるべき注文の時間シーケンスと組立て機7、位置決め機8、および被覆機9のツール仕様を含む。一実施形態では、注文データ100は、ライン1がバッチ上の稼動サイクルを完了させ、2又はそれ以上のバッチの時間シーケンスを完了させるのに必要なすべての情報を含む。
【0227】
一実施形態では、この方法は、注文データを処理するステップF72を備える。注文データを処理するステップF72の間、制御ユニット11は、注文データ100および稼動データ101を処理する。
【0228】
一実施形態では、制御ユニット11は、注文データ100の機能としてベルト2Aの移動および停止のシーケンスを変化させる。
【0229】
一実施形態では、制御ユニット11は、フォーマットデータ100Aの機能としてベルト2Aの移動および停止のシーケンスを変化させる。
【0230】
一実施形態では、この方法は、稼動データを設定するステップF73を備える。
【0231】
一実施形態では、稼動データを設定するステップF73の間、制御ユニット11は、被覆ブランクのフォーマットを表すフォーマットデータ100Aを受信し、フォーマットデータ100Aの機能としてベルト2Aの移動および停止のシーケンスを設定する。
【0232】
一実施形態では、稼動データ101を設定するステップの間、制御ユニット11は、注文データ100を受信し、稼動データ101を設定する。
【0233】
一実施形態では、この方法は、注文タイムスケジュールを保存するステップF8を備える。このステップの間、注文データ100を処理した制御ユニット11は、処理されるべきバッチの時間シーケンスを表す注文タイムスケジュール102を生成する。
【0234】
一実施形態では、この方法は、自動段取り替えのステップを備える。一実施形態では、自動段取り替えのステップの間、制御ユニット11は、注文タイムスケジュール102の機能として、移動および停止の交互のシーケンスを自動的に変更するように構成される。
【0235】
一実施形態では、自動段取り替えのステップの間、制御ユニット11は、注文タイムスケジュール102の機能として、ベルト2Aの停止のシーケンスに対する供給時点の位相変位sを自動的に変更するように構成される。
【0236】
一実施形態では、自動段取り替えのステップの間、制御ユニット11は、注文タイムスケジュール102の機能として、稼動データ101を自動的に変更するように構成される。
【0237】
一実施形態では、この方法は、吸引を行うステップを備える。
【0238】
一実施形態では、吸引を行うステップは、吸引を行う第1のステップを備える。吸引を行う第1のステップの間、供給ユニット3に隣接する、ベルト2Aの第1の吸引ゾーン2A’は、被覆ブランク上に吸引力P1を加える。一実施形態では、吸引を行うステップは、吸引を行う第2のステップを備える。吸引を行う第2のステップの間、供給ユニット3とは離間した、ベルト2Aの第2の吸引ゾーン2A”は、被覆ブランク上に吸引力P2を加える。
【0239】
一実施形態では、第2の吸引力P2は、第1の吸引力P1よりも小さい。このことは、被覆ブランクの動的供給が、完成させた製品の品質に悪影響を与え得る荷積み位置Cにおいて、ベルト2Aに対する接着性を改善する。