(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】ターゲット面の照明の特性を明らかにするための方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/11 20200101AFI20230718BHJP
H05B 47/125 20200101ALI20230718BHJP
H05B 47/13 20200101ALI20230718BHJP
【FI】
H05B47/11
H05B47/125
H05B47/13
(21)【出願番号】P 2018546023
(86)(22)【出願日】2017-02-23
(86)【国際出願番号】 EP2017054193
(87)【国際公開番号】W WO2017148793
(87)【国際公開日】2017-09-08
【審査請求日】2020-02-20
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-29
(32)【優先日】2016-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2016-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ブロエルス ハリー
(72)【発明者】
【氏名】ラジャゴパラン ルーベン
【合議体】
【審判長】中村 則夫
【審判官】一ノ瀬 覚
【審判官】八木 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-299070(JP,A)
【文献】特開2010-176942(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0189724(US,A1)
【文献】特開平8-329730(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/11
H05B 47/125
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明環境内のターゲット面の照明ユニットによる照明を測定するための方法であって、
前記照明ユニットの光源で、前記ターゲット面を照明するステップと、
光センサで、前記ターゲット面の複数の位置の光強度を検出するステップと、
前記照明環境のパラメータを検出するステップと、
検出された前記パラメータを用いて、前記光源と前記ターゲット面との間の前記照明環境内に位置する障害物を検出するステップと、
前記照明ユニットのコントローラによって、前記照明環境の前記検出されたパラメータ、及び検出された前記障害物に基づいて、複数の前記光強度のサブセットを選択するステップと、
選択された前記光強度のサブセットを用いて、前記ターゲット面のルクスを推定するステップと、
前記コントローラによって、前記ターゲット面の推定された前記ルクスに基づいて、前記検出された障害物により前記ターゲット面にもたらされる影を取り除くよう、前記照明ユニットのパラメータを調節するステップとを有する方法。
【請求項2】
前記照明環境の前記パラメータが、第2センサで検出される請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記検出されたパラメータが、前記光源と反射面との間の距離である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記検出されたパラメータが、前記照明環境の少なくとも一部の二次元画像である請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記検出されたパラメータが、前記照明環境の少なくとも一部の三次元画像である請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記検出されたパラメータが、前記照明環境内の占有者であり、前記コントローラが、検出された前記占有者についての情報に少なくとも部分的に基づいて前記複数の光強度の前記サブセットを選択するよう構成される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記検出されたパラメータが、前記照明環境の少なくとも一部のサーモグラムである請求項1に記載の方法。
【請求項8】
照明環境内のターゲット面を照明するよう構成される照明ユニットであって、
光源と、
前記ターゲット面の複数の位置の光強度を検出するよう構成される光センサと、
前記照明環境のパラメータを検出するよう構成されるセンサと、
検出された前記パラメータを用いて、前記光源と前記ターゲット面との間の前記照明環境内に位置する障害物を検出
し、前記照明環境の前記検出されたパラメータ、及び検出された前記障害物に基づいて、複数の前記光強度のサブセットを選択し、選択された前記光強度のサブセットを用いて、前記ターゲット面のルクスを推定し、前記ターゲット面の推定された前記ルクスに基づいて、前記検出された障害物により前記ターゲット面にもたらされる影を取り除くよう、前記照明ユニットのパラメータを調節するよう構成されるコントローラとを有する照明ユニット。
【請求項9】
前記検出されたパラメータが、前記光源と前記ターゲット面との間の距離である請求項8に記載の照明ユニット。
【請求項10】
前記検出されたパラメータが、前記照明環境の少なくとも一部の三次元画像である請求項8に記載の照明ユニット。
【請求項11】
照明環境内のターゲット面を照明するよう構成されるシステムであり、
光源及びコントローラを含む照明ユニットと、
前記ターゲット面の複数の位置の光強度を検出するよう構成される光センサと、
前記照明環境のパラメータを検出するよう構成されるセンサと
を有するシステムであって、
前記コントローラが、
検出された前記パラメータを用いて、前記光源と前記ターゲット面との間の前記照明環境内に位置する障害物を検出し、前記照明環境の前記検出されたパラメータ、及び検出された前記障害物に基づいて、複数の前記光強度のサブセットを選択し、選択された前記光強度のサブセットを用いて、前記ターゲット面のルクスを推定し、前記ターゲット面の推定された前記ルクスに基づいて、前記検出された障害物により前記ターゲット面にもたらされる影を取り除くよう、前記照明ユニットのパラメータを調節するよう構成されるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、照明環境内のターゲット面の照明の特性を明らかにするための方法及びシステムを対象とする。
【背景技術】
【0002】
センサ駆動照明ユニットは、センサを用いて環境の特性をモニタし、センサデータを利用して照明ユニットの光源を制御する。センサ駆動照明ユニットの最も一般的な例は、周囲光レベルを測定する統合フォトセルを用いて光レベルをモニタするシステムである。例えば、常夜灯は、周囲光レベルが減少するときにはオンにし、周囲光レベルが増加するときはオフにするために、周囲光を用いる。同様に、スマート街路照明は、検出される周囲光を用いて、光源をオン及びオフにすべきときを決定する。ほとんどの場合、周囲光の状況を観察するために、空に向けられたフォトセルによって光レベルがモニタされる。フォトセルがどの方向に向けられるか、又は光レベルモニタリングのためにどの面又はエリアが利用されるかは、主に製品設計によって決定される。ほとんどのデバイスにおいては、周辺光レベルがモニタされる面又はエリアと、照明されるべきターゲット面との間には関係性がない。
【0003】
更に、従来のセンサ駆動照明ユニットにおいて利用される1つ又は複数のフォトセルは、照明されたターゲット面の空間光分布を供給することができない。それ故、これらのシステムは、検出された全ての入射光を単一の値にまとめる。結果として、照明ユニットは、樹木の上部、光ビーム中を移動する物体、及び例えば、ターゲット面上に又はターゲット面の近くに影を落とし得る他の物理的障害物などの障害物から反射される光によって悪影響を及ぼされ得る。従って、従来のセンサ駆動照明ユニットは、準最適な光レベルモニタリングを供給し、それによって、システム性能の低下をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、より正確な光プロファイル(light profile)を供給するために、照明環境内のターゲット面の照明を測定すると共に、前記照明の特性を明らかにする方法及びシステムが当技術分野において引き続き必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、照明環境内のターゲット面の照明を測定するための本発明の方法及び装置を対象とする。本明細書の様々な実施例及び実施形態は、前記ターゲット表面の複数の部分の光強度を測定する露出計(light meter)を備える照明ユニットを対象とする。前記照明環境の1つ以上のパラメータの特性を明らかにするために、カメラ、飛行時間カメラ、マルチスペクトル撮像装置、占有センサ、熱探知カメラ(thermal imager)及び/又はマイクなどの別のセンサが利用される。前記照明ユニットは、次いで、特性を明らかにされた前記照明環境に基づいて、測定された前記光強度のサブセットを選択し、その情報を利用して、前記ターゲット面のより正確なルクスを推定する。これは、前記光プロファイルに影響を及ぼし得る前記照明環境内の影、障害物、占有者、及び他の要素を取り除く。更に、前記照明ユニットは、次いで、より正確なルクス推定値を利用して、前記照明ユニットの光源によって発せられる光の1つ以上の特性を調節し得る。
【0006】
広くは、或る態様においては、照明環境内のターゲット面の照明ユニットによる照明を測定するための方法が、前記照明ユニットの光源で、前記ターゲット面を照明するステップと、光センサで、前記ターゲット面の複数の位置の光強度を検出するステップと、前記照明環境のパラメータを検出するステップと、前記照明ユニットのコントローラによって、前記照明環境の検出された前記パラメータに基づいて、複数の前記光強度のサブセットを選択するステップと、選択された前記光強度のサブセットを用いて、前記ターゲット面のルクスを推定するステップとを含む。
【0007】
実施例によれば、前記照明環境の前記パラメータは、第2センサによって検出される。
【0008】
実施例によれば、前記検出されたパラメータは、前記光源と反射面との間の距離である。
【0009】
実施例によれば、前記検出されたパラメータは、前記照明環境の少なくとも一部の二次元画像である。
【0010】
実施例によれば、前記検出されたパラメータは、前記照明環境の少なくとも一部のマルチスペクトル画像である。
【0011】
実施例によれば、前記検出されたパラメータは、前記照明環境の少なくとも一部の三次元画像である。
【0012】
実施例によれば、前記方法は、前記検出されたパラメータを用いて、前記光源と前記ターゲット面との間の前記照明環境内に位置する障害物を検出するステップを含み、前記コントローラは、前記複数の光強度の前記サブセットを選択するよう構成される。
【0013】
実施例によれば、前記方法は、前記ターゲット面の推定された前記ルクスに基づいて、前記照明ユニットのパラメータを調節するステップを更に含む。
【0014】
実施例によれば、前記検出されたパラメータは、前記照明環境内の占有者であり、前記コントローラは、検出された前記占有者についての情報に少なくとも部分的に基づいて前記複数の光強度の前記サブセットを選択するよう構成される。
【0015】
実施例によれば、前記検出されたパラメータは、前記照明環境の少なくとも一部のサーモグラムである。
【0016】
実施例によれば、前記検出されたパラメータは、前記照明環境内の音である。
【0017】
広くは、別の態様においては、照明環境内のターゲット面を照明するよう構成される照明ユニットが、光源と、前記ターゲット面の複数の位置の光強度を検出するよう構成される光センサと、前記照明環境のパラメータを検出するよう構成されるセンサと、前記照明環境の検出された前記パラメータに基づいて、複数の前記光強度のサブセットを選択し、選択された前記光強度のサブセットを用いて、前記ターゲット面のルクスを決定するよう構成されるコントローラとを含む。
【0018】
広くは、別の態様においては、照明環境内のターゲット面を照明するよう構成される照明システムが、光源及びコントローラを有する照明ユニットと、前記ターゲット面の複数の位置の光強度を検出するよう構成される光センサと、前記照明環境のパラメータを検出するよう構成されるセンサとを含み、前記コントローラは、前記照明環境の検出された前記パラメータに基づいて、複数の前記光強度のサブセットを選択し、選択された前記光強度のサブセットを用いて、前記ターゲット面のルクスを推定するよう構成される。
【0019】
本開示の目的のために本明細書で用いられているような「LED」という用語は、電気信号に応じて放射線を生成することができるあらゆるエレクトロルミネッセンスダイオード又は他のタイプのキャリア注入/ジャンクションベースのシステムを含むと理解されるべきである。従って、LEDという用語は、電流に応じて光を発する様々な半導体ベースの構造、発光ポリマ、有機発光ダイオード(OLED)及びエレクトロルミネッセンスストリップなどを含むが、これらに限定されない。LEDという用語は、とりわけ、赤外線スペクトル、紫外線スペクトル、及び(一般に、約400ナノメートルから約700ナノメートルまでの放射線波長を含む)可視スペクトルの様々な部分のうちの1つ以上において放射線を生成するよう構成され得る(半導体及び有機発光ダイオードを含む)全てのタイプの発光ダイオードを指す。LEDの幾つかの例は、様々なタイプの赤外線LED、紫外線LED、赤色LED、青色LED、緑色LED、黄色LED、琥珀色LED、橙色LED及び(下で更に記述する)白色LEDを含むが、これらに限定されない。LEDは、所与のスペクトル(例えば、狭帯域幅、広帯域幅)のための様々な帯域幅(例えば、半値全幅、即ち、FWHM)、及び所与の一般的な色分類内の様々な主波長を持つ放射線を生成するよう構成及び/又は制御され得ることも理解されるべきである。
【0020】
例えば、本質的に白色の光を生成するよう構成されるLEDの或る実施例(例えば、白色LED)は、組み合わせにおいて、本質的に白色の光を形成するよう混ざり合う、異なるスペクトルのエレクトロルミネッセンスを各々発する多くのチップを含み得る。別の実施例においては、白色光LEDは、第1スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスを、異なる第2スペクトルを持つエレクトロルミネッセンスに変換する蛍光体材料と関連づけられ得る。この実施の或る例においては、相対的に短い波長及び狭い帯域幅のスペクトルを持つエレクトロルミネッセンスが、蛍光体材料を「励起」し、次に、前記蛍光体材料が、幾らかより広いスペクトルを持つより長い波長の放射線を放射する。
【0021】
LEDという用語は、LEDの物理的な及び/又は電気的なパッケージのタイプを限定しないことも理解されるべきである。例えば、上に記述したように、LEDは、(個々に制御可能であってもよく、又は個々に制御可能でなくてもよい)各々異なるスペクトルの放射線を発するよう構成される複数のチップを持つ単一の発光デバイスを指してもよい。また、LEDは、前記LEDの一体部分とみなされる蛍光体と関連づけられてもよい(例えば、幾つかのタイプの白色LED)。一般に、LEDという用語は、パッケージLED、非パッケージLED、表面実装LED、チップ・オン・ボードLED、TパッケージマウントLED、ラジアルパッケージLED、パワーパッケージLED、何らかのタイプの容器(encasement)及び/又は光学素子(例えば、拡散レンズ)を含むLEDなどを指し得る。
【0022】
「光源」という用語は、(上で規定されているようなLEDを1つ以上含む)LEDベースの光源、白熱光源(例えば、フィラメントランプ、ハロゲンランプ)、蛍光源、燐光源、高輝度放電源(例えば、ナトリウム蒸気、水銀蒸気及びメタルハライドランプ)、レーザ、他のタイプのエレクトロルミネッセンス源、パイロルミネッセンス源(pyro-luminescent source)(例えば、炎)、キャンドルルミネッセンス源(candle-luminescent source)(例えば、ガスマントル、炭素アーク放射線源)、フォトルミネッセンス源(photo-luminescent source)(例えば、ガス放電源)、電子飽和を用いるカソードルミネッセンス源(cathode luminescent source)、ガルバノルミネッセンス源(galvano-luminescent sources)、クリスタロルミネッセンス源(crystallo-luminescent source)、カイネルミネッセンス源(kine-luminescent source)、熱ルミネッセンス源、トライボルミネッセンス源(triboluminescent source)、ソノルミネッセンス源(sonoluminescent source)、ラジオルミネッセンス源(radioluminescent source)、及びルミネッセンスポリマを含むが、これらに限定されない様々な放射線源のうちの任意の1つ以上を指すと理解されるべきである。
【0023】
所与の光源は、可視スペクトル内の電磁放射線、可視スペクトル外の電磁放射線、又は両方の組み合わせを生成するよう構成され得る。従って、「光」及び「放射線」という用語は、本明細書では区別なく用いられている。更に、光源は、一体的な構成要素として、1つ以上のフィルタ(例えば、カラーフィルタ)、レンズ、又は他の光学部品を含み得る。また、光源は、指示、表示、及び/又は照明を含むが、これらに限定されない様々な用途のために構成され得ることは理解されるべきである。「照明光源」は、とりわけ、内部空間又は外部空間を効果的に照明するのに十分な強度を持つ放射線を生成するよう構成される光源である。これに関連して、「十分な強度」は、周囲照明(即ち、間接的に知覚され得る光であって、例えば、全体的又は部分的に知覚される前に様々な介在面のうちの1つ以上で反射され得る光)を供給するために空間又は環境において生成される可視スペクトルにおける十分な放射力を指す(放射力又は「光束」に関して、光源から全ての方向への全光出力を表わすために、多くの場合、単位「ルーメン」が用いられる)。
【0024】
「照明器具」という用語は、本明細書においては、1つ以上の照明ユニットの、特定のフォームファクタ、アセンブリ、又はパッケージにおける実施又は構成を指すために用いられている。「照明ユニット」という用語は、本明細書においては、同じ又は異なるタイプの1つ以上の光源を含む装置を指すために用いられている。所与の照明ユニットは、様々な、前記光源のための取り付け構成、筐体/ハウジング構成及び形状、並びに/又は電気的及び機械的接続構成のうちの任意の1つを有し得る。更に、所与の照明ユニットは、随意に、前記光源の動作に関連する様々な他の構成要素(例えば、制御回路)と関連づけられ得る(例えば、含む、結合される、且つ/又は一緒にパッケージ化される)。「LEDベースの照明ユニット」は、1つ以上の、上記のようなLEDベースの光源を、単独で又は他の非LEDベースの光源と組み合わせて含む照明ユニットを指す。「マルチチャネル」照明ユニットは、各々、異なるスペクトルの放射線を生成するよう構成される少なくとも2つの光源を含むLEDベース又は非LEDベースの照明ユニットを指し、ここで、各々の異なる光源スペクトルは、マルチチャネル照明ユニットの「チャネル」と呼ばれ得る。
【0025】
様々な実施例において、プロセッサ又はコントローラは、(本明細書においては総称して「メモリ」と呼ばれる、例えば、RAM、PROM、EPROM及びEEPROMのような揮発性及び不揮発性コンピュータメモリ、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、光ディスク、磁気テープなどである)1つ以上の記憶媒体と関連づけられ得る。幾つかの実施例においては、前記記憶媒体は、1つ以上のプロセッサ及び/又はコントローラにおいて実行されるときに、本明細書に記述されている機能のうちの少なくとも幾つかを実施する1つ以上のプログラムでコード化され得る。様々な記憶媒体は、プロセッサ又はコントローラ内に取り付けられてもよく、又は前記記憶媒体に記憶されている1つ以上のプログラムが、本明細書に記述されている本発明の様々な態様を実施するためにプロセッサ又はコントローラにロードされ得るような、可搬型のものであってもよい。「プログラム」又は「コンピュータプログラム」という用語は、本明細書においては、1つ以上のプロセッサ又はコントローラをプログラムするために用いられ得るあらゆるタイプのコンピュータコード(例えば、ソフトウェア又はマイクロコード)を指すよう一般的な意味で用いられている。
【0026】
或るネットワークの実施例においては、ネットワークに結合される1つ以上のデバイスが、(例えば、マスタ/スレーブの関係で)前記ネットワークに結合される1つ以上の他のデバイスのためのコントローラとしての役割を果たし得る。別の実施例においては、ネットワーク化された環境は、前記ネットワークに結合される前記デバイスのうちの1つ以上を制御するよう構成される1つ以上の専用のコントローラを含み得る。一般に、前記ネットワークに結合される複数のデバイスは、各々、1つ又は複数の通信媒体上に存在するデータにアクセスでき得るが、所与のデバイスは、前記所与のデバイスが、例えば、前記所与のデバイスに割り当てられる1つ以上の特定の識別子(例えば、アドレス)に基づいて、選択的に、前記ネットワークとデータを交換する(即ち、前記ネットワークからデータを受信する、且つ/又は前記ネットワークにデータを送信する)よう構成されるという点で、「アドレス指定可能」であり得る。
【0027】
本明細書において用いられているような「ネットワーク」という用語は、前記ネットワークに結合される任意の2つ以上のデバイスの間及び/又は複数のデバイス間の(例えば、デバイスの制御、データの記憶、データの交換などのための)情報の輸送を容易にする(コントローラ又はプロセッサを含む)2つ以上のデバイスのあらゆる相互接続を指す。容易に理解されるように、複数のデバイスを相互接続するのに適したネットワークの様々な実施例は、様々なネットワークトポロジのうちのいずれかを含むことができ、様々な通信プロトコルのうちのいずれかを用い得る。更に、本開示による様々なネットワークにおいて、2つのデバイス間のいずれか1つの接続は、2つのシステムの間の専用の接続であってもよく、又は他の例においては、非専用接続であってもよい。このような非専用接続は、前記2つのデバイス用の情報を運ぶのに加えて、必ずしも前記2つのデバイスのいずれか用ではない情報を運び得る(例えば、オープンネットワーク接続)。更に、本明細書において記述されているようなデバイスの様々なネットワークは、前記ネットワーク全体にわたる情報輸送を容易にするために、1つ以上の無線、ワイヤ/ケーブル、及び/又は光ファイバリンクを用い得ることは容易に理解されるだろう。
【0028】
上記の概念及び下でより詳細に記述する更なる概念の(このような概念が互いに矛盾しない場合には)全ての組み合わせが、本明細書に開示されている本発明の対象の一部であると考えられていることは理解されるべきである。とりわけ、この開示の最後にある請求項記載の対象の全ての組み合わせは、本明細書に開示されている本発明の対象の一部であると考えられている。参照により盛り込まれているいずれかの開示に出現している場合もある、本明細書において明示的に用いられている専門用語は、本明細書に開示されている特定の概念と最も一致する意味を与えられるべきであることも理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図面においては、様々な図にわたって、同様の参照符号は、概して、同じパーツを指す。また、図面は、必ずしも、縮尺通りではなく、その代わりに、概して、本発明の原理を説明することに重点が置かれている。
【
図3】実施例による、照明環境内のターゲット面の照明を測定するための方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示は、照明されるターゲット面のルクスをより正確に推定するよう構成される照明ユニットの様々な実施例を記載する。より広くは、本出願人は、ターゲット面の光強度を測定すると共に、障害物、影、占有者の存在、及び照明環境の他の要素などの照明環境の別の特性を測定する照明ユニット、器具、又はシステムを提供することは有益であることを認識及び理解した。本開示の或る特定の実施例の利用の特定の目標は、ターゲット面のより正確なルクスを生成するためにターゲット面の邪魔のない部分からの光強度を選択することである。
【0031】
上記のことを考慮して、様々な実施例及び実施形態は、ターゲット面の複数の部分の光強度を測定する露出計を備える照明ユニット又はシステムを対象とする。照明環境の1つ以上のパラメータの特性を明らかにするために、二次元及び/若しくは三次元画像を撮影することができるカメラ、飛行時間カメラ、マルチスペクトル撮像装置、占有センサ、熱探知カメラ、並びに/又はマイクなどの別のセンサが利用される。照明ユニットは、次いで、特性を明らかにされた前記照明環境に基づいて、測定された光強度のサブセットを選択し、その情報を利用して、ターゲット面のより正確なルクスを推定する。
【0032】
図1を参照すると、或る実施例においては、1つ以上の光源12を含む照明ユニット10が提供され、光源のうちの1つ以上はLEDベースの光源であり得る。更に、LEDベースの光源は、1つ以上のLEDを有し得る。光源は、1つ以上の光源ドライバ24によって所定の特性(即ち、色の強さ、色温度)の光を発するよう駆動され得る。照明ユニット10においては、様々な異なる色の放射線を生成するよう適応される多くの異なる数及び様々なタイプの光源(全てのLEDベースの光源、単独の非LEDベースの光源、又はLEDベースの光源及び非LEDベースの光源の組み合わせなど)が用いられ得る。実施例によれば、照明ユニット10は、常夜灯、街路灯、テーブルランプ、又は任意の他の屋内若しくは屋外照明器具を含むが、これらに限定されないあらゆるタイプの照明器具であり得る。
【0033】
実施例によれば、照明ユニット10は、1つ以上の光源12a乃至12dを駆動し、光源からの様々な強度、方向及び/又は色の光を生成するための1つ以上の信号を出力するようコンフィグレーション又はプログラムされるコントローラ22を含む。例えば、コントローラ22は、各光源によって生成される光の強度及び/若しくは色を独立に制御するために、又は光源のグループを制御するために、又は全ての光源を一緒に制御するために、各光源のための制御信号を生成するようプログラム又はコンフィグレーションされてもよい。別の態様によれば、コントローラ22は、光源の強度を変化させるように光源を制御する光源ドライバ24などの他の専用回路を制御してもよい。コントローラ22は、例えば、本明細書に記述されている様々な機能を実施するようソフトウェアを用いてプログラムされたプロセッサ26であってもよく、又は前記プロセッサ26を有してもよく、メモリ28と組み合わせて利用されてもよい。メモリ28は、プロセッサ26による実行のための1つ以上の照明コマンド又はソフトウェアプログラムを含むデータ、及びその照明ユニットのための特定の識別子を含むがこれに限定されない様々なタイプのデータを記憶することができる。例えば、メモリ28は、プロセッサ26によって実行可能であり、システムに、本明細書に記載されている方法の1つ以上のステップを実行させる命令のセットを含む非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。
【0034】
コントローラ22は、後で詳細に説明するように、とりわけ、周囲光の状況などの、所定のデータに基づいて、光源12の強度及び/又は色温度を光源ドライバ24に調節させるよう、プログラム、構成及び/又はコンフィギュレーションされ得る。或る実施例によれば、コントローラ22は、無線通信モジュール34によって受信される通信に基づいて、光源12の強度及び/又は色温度を光源ドライバ24に調整させるよう、プログラム、構成及び/又はコンフィギュレーションされることもできる。
【0035】
照明ユニット10は、電源30、最も典型的にはAC電源も含むが、とりわけ、DC電源、太陽をベースにした電源、又は機械をベースにした電源を含む他の電源も可能である。電源は、外部電源から受け取った電力を照明ユニットによって使用可能である形態に変換する電源変換器と動作可能通信をし得る。照明ユニット10の様々な構成要素に電力を供給するために、それは、外部AC電源30からAC電力を受け取り、前記AC電力を、照明ユニットの構成要素に給電する目的のための直流に変換するAC/DCコンバータ(例えば、整流回路)も含み得る。更に、照明ユニット10は、AC/DCコンバータとの接続を介して再充電され、AC電源30への回路が開いているときにコントローラ22及び光源ドライバ24に電力を供給することができる再充電可能なバッテリ又はコンデンサなどのエネルギ蓄積デバイスを含み得る。
【0036】
更に、照明ユニット10は、コントローラ22の入力に接続され、照明ユニット10の近くで周囲光データを収集し、収集した周囲光データを表すデータを、コントローラ22に又は無線通信モジュール34を介して外部に送信することができる露出計などの光センサ32を含み得る。
図2において図示されているシステム200のような幾つかの実施例においては、センサ32は、照明ユニット10から離れており、得られたセンサデータを照明ユニットの無線通信モジュール34に送信する。無線通信モジュール34は、例えば、コントローラ22と通信するように配置されるWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、IR、無線、若しくは近距離通信であってもよく、又は他の例においては、コントローラ22は、無線通信モジュールと一体化され得る。
【0037】
実施例によれば、照明ユニット10は、とりわけ、二次元及び/若しくは三次元画像を撮影することができるカメラ、飛行時間カメラ、マルチスペクトル撮像装置、占有センサ、熱探知カメラ、無線周波数センサ、並びに/又はマイクなどの、第2センサ38を含む。センサ38は、コントローラ22の入力に接続され、照明環境100内のターゲット面50についての情報を収集し、収集した情報を表すデータを、コントローラ22に又は無線通信モジュール34を介して外部に送信することができる。
図2において図示されているシステム200のような幾つかの実施例においては、センサ38は、照明ユニット10から離れており、得られたセンサデータを照明ユニットの無線通信モジュール34に送信する。無線通信モジュール34は、例えば、コントローラ22と通信するように配置されるWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、IR、無線、若しくは近距離通信であってもよく、又は他の例においては、コントローラ22は、無線通信モジュールと一体化され得る。
【0038】
実施例によれば、第1センサ32及び第2センサ38は、2つのセンサが1つ以上の動作目標を達成することができるように互いに対して空間配置される。これは、照明環境内の、第2センサ38が情報を取得する領域が、露出計の空間観察窓と共局在化される又は同じ広がりを持つことを確実にする。例えば、第2センサが飛行時間カメラである場合には、飛行時間カメラは、照明環境内の、露出計が情報を取得している領域、エリア又は面と同じ領域、エリア又は面についての情報を取得するよう方向付けられなければならない。
【0039】
図1においては、第1センサ32及び第2センサ38は、別々のセンサとして図示されているが、当業者は、両方の検出機能を実施する単一のセンサが存在し得ることを認識するだろう。実施例によれば、第1センサ32及び第2センサ38は、ただ1つのカメラ、又は単一の飛行時間カメラである。この実施例においては、カメラは、照明環境内のターゲット面についての情報を同時に及び/又はシーケンシャルに収集しながら、光強度検出を実施するよう構成されるだろう。
【0040】
更に、当業者は、センサは1つ以上のデータ収集ユニットを含み得ることを認識するだろう。第1センサ32及び第2センサ38のいずれか、又は第1センサ32及び第2センサ38の機能が1つのセンサによって実施される場合には単一のセンサが、1つ以上のデータ収集ユニットを有してもよい。一例として、第1センサ32は、2つ以上の露出計を含み得る。別の例として、第2センサ38は、とりわけ、2つ以上のカメラ、2つ以上の飛行時間カメラ、2つ以上のマルチスペクトル撮像装置、2つ以上の占有センサ、2つ以上の熱探知カメラ、及び/又は2つ以上のマイクを含み得る。更に、センサは、カメラ、マイク、及び受動型赤外線センサなどの2つ以上のセンサの組み合わせを含み得る。組み合わされたセンサは、単一のユニットであってもよく、又は照明ユニット10のプロセッサと通信する複数のユニットであってもよい。ほんの一例として、マイクセンサは、検出されるノイズとの空間的微調整を可能にするための2つ以上のマイクのアレイを含み得る。
【0041】
図2を参照すると、或る実施例においては、照明ユニット10を含む照明システム200が提供される。照明ユニット10は、本明細書において記載されている又は想定されている実施例のいずれかであってもよく、とりわけ、1つ以上の光源12、光源ドライバ24、コントローラ22、及び無線通信モジュール34などの、
図1に関連して記載されている照明ユニットの構成要素のいずれかを含み得る。照明システム200は、とりわけ、センサ32、センサ38、及び無線通信モジュール36を含む検出部品14も含む。無線通信モジュール34及び36は、例えば、互い及び/又は無線デバイス60と通信するように配置されるWi-Fi、Bluetooth(登録商標)、IR、又は近距離通信であってもよく、無線デバイス60は、例えば、とりわけ、ネットワーク、コンピュータ、サーバ、又はハンドヘルドコンピューティングデバイスであり得る。
【0042】
図3は、実施例による、照明環境内のターゲット面の照明を測定するための方法300を図示しているフローチャートである。ステップ310においては、照明ユニット10が設けられる。照明ユニット10は、本明細書において記載されている又は想定されている実施例のいずれかであってもよく、とりわけ、1つ以上の光源12、光源ドライバ24、コントローラ22、光センサ32、センサ38、及び無線通信モジュール34などの、
図1及び2に関連して記載されている照明ユニットの構成要素のいずれかを含み得る。実施例によれば、照明ユニット10は、ターゲット面50の全部又は一部を照明するように構成される。
【0043】
方法のステップ320においては、照明ユニットが、ターゲット面50の全部又は一部を照明する。或る実施例によれば、照明ユニットは、道路照明器具又は他の屋外照明器具であり、車道又は歩道などのターゲット面を照明するよう構成される。街路灯は、例えば、夕暮れから夜明けの間、車道又は歩道を照明するよう構成され得る。従って、光センサ32又は何らかの他のセンサは、例えば、周囲光レベルを検出することができ、所定の閾値に基づいて、光源を起動及び停止させることができる。
【0044】
方法のステップ330においては、光センサ32が、ターゲット面50内及び/又は照明環境100内の多くの異なる位置の光強度を検出する。光センサは、例えば、光強度を測定することが可能な任意の光センサであり得る。光センサは、光強度情報をコントローラ22に伝達し、前記情報は、コントローラ22において、分析され得る、且つ/又はメモリ28内に記憶され得る。或る実施例によれば、光センサは、絶え間なくセンサデータを取得する。別の実施例によれば、光センサは、多数ある時間周期の中で特に、毎分1回又は毎分複数回のような、周期的にセンサデータを取得する。
【0045】
方法のステップ340においては、照明ユニットが、第2センサ38で、照明環境のパラメータを検出する。実施例によれば、照明環境は、照明ユニットの1つ以上の光源によって生成される光プロファイルに影響を及ぼし得る1つ以上の障害物52又は他の物体、構造若しくは要素を含み得る。例えば、
図1及び
図2においては、照明環境は、光路内の、光源とターゲット面との間に位置する障害物52を含み、このことは、ターゲット面に影をもたらす。光センサが、これらの影を検出し、コントローラが、ターゲット面及び/又は照明環境のルクスを推定するときにターゲット面の影になっている領域を考慮に入れる場合には、ルクス推定値は悪影響を及ぼされるだろう。例えば、影によって平均ルクスが下げられることから、システムは、光プロファイルが暗すぎると決定するおそれがある。
【0046】
別の実施例によれば、第2センサ38は飛行時間カメラである。飛行時間センサ又はカメラは、照明環境からの反射光を受け取り、照明ユニットの光源によって送られた光と、受け取られた光との間の位相を測定する。センサ又はコントローラは、次いで、平面フィッテイング(plane-fitting)又は他の分析方法を用いて、センサとターゲット面との間の自由空間を決定することができる。実施例によれば、位相測定値及び距離データの精度は、照明環境内の物体又は面の反射率及び照度に依存する。更に、センサは、太陽によって発せられる近赤外スペクトルも検出することができる。照明環境内にターゲット面と非ターゲット面との両方を有する街路灯の例においては、飛行時間センサは、ターゲット面と非ターゲット面との間の異なる光学特性を検出し、斯くして、ターゲット面と非ターゲット面との間の異なる距離を検出するだろう。照明ユニット又は照明システムは、飛行時間センサデータを利用して、永久に又は一時的に照明ユニットとターゲット面との間に位置する、樹木、人又は他の物体などの障害物を検出することができる。或る実施例によれば、飛行時間センサはまた、照明ユニットの、ターゲット面からの高さをモニタし、それによって、嵐の間の動き、又は街路灯の場合における、街路灯又はその支持構造物が地面に落ちた状況のような、照明ユニットの高さ及び向きの変化を検出するために利用され得る。
【0047】
実施例によれば、第2センサ38はマルチスペクトル撮像装置である。マルチスペクトル撮像装置は、電磁スペクトルにわたって2つ以上の特定の周波数において画像データを取り込む。マルチスペクトル撮像装置は、1つ以上のフィルタで波長を分離することができる、又は各々が異なる1つ又は複数の波長に敏感な2つ以上のセンサを用いることができる。街路灯又は屋外照明器具の例においては、マルチスペクトル撮像装置は、ターゲット面と非ターゲット面との両方を含み得る照明環境のマルチスペクトル画像を取得する。マルチスペクトル画像は、例えば、画像内の、ターゲット面である1つ又は複数の領域、及びもしあれば、非ターゲット面である1つ又は複数の領域を識別するために分析されることができる。
【0048】
或る実施例によれば、第2センサ38は熱探知カメラである。熱探知カメラは、照明環境内の1つ以上の場所の熱画像又はサーモグラムを取り込み、画像は、照明ユニット又はシステムによって、環境の状況を決定するために利用される。例えば、人及び電子デバイスなどの物体は、それらが熱画像内で識別されることを可能にする熱的特徴を持つだろう。自然光を用いた照明環境においては、熱画像は、日光に起因する熱領域を検出するために利用されることができる。照明環境内の他の活動又は物体も、同様に、識別され得る、及び/又は特性を明らかにされ得る。
【0049】
別の実施例によれば、第2センサ38は占有センサである。占有センサは、典型的には、赤外線センサ、超音波センサ、及び/又はマイクロ波センサを用いて占有者を検出する。照明ユニット又はシステムは、現在の占有率又は時間をかけて作成された占有率マップのいずれかを用いて、照明環境内の、占有者によって影響を及ぼされる領域、及び占有者によって決して又はめったに影響を及ぼされない領域を識別することができる。
【0050】
或る実施例によれば、第2センサ38は無線周波数センサである。無線周波数センサは、多数ある可能性の中で特に、局在モバイルデバイスの領域内のピクセルを排除するために、1つ以上のモバイルデバイスの有無を決定し、その位置を三角測量することができる。多くの他のオプションも可能である。
【0051】
更に別の実施例によれば、第2センサ38はマイクである。マイクは、人又は他の物体が照明環境内に存在することをシステムに知らせる音声データを取得することができる。2つ以上のマイクのマイクアレイは、照明環境内の人又は物体の位置を概算するためにも利用されることができる。1つの実施例として、部屋又は空間が、例えば50dBのような或る特定のレベルを超えるノイズレベルを経験することは、部屋又は空間内の占有率及び/又は活動を示すだろう。システムは、それに応じて、次いで、多数ある本明細書において記載されている又は想定されている可能な動作の中で特に、その空間における光強度測定を一時的に中断するなどの所定の一連の動作を実行することができる。
【0052】
方法のステップ350においては、照明ユニットが、照明環境の検出されたパラメータに基づいて、複数の光強度のサブセットを選択する。1つの実施例として、照明ユニット又はシステムは、第2センサからのデータを分析して、好ましいターゲット領域を決定し、コントローラに、更なる分析のためにはその領域からの光センサデータしか利用しないよう指示する。別の例として、照明ユニットは、第2センサからのデータを分析して、強度データを取得するのに適しているターゲット領域を決定することができ、光センサに、識別されたターゲット領域のみについての情報を取得するよう指示することができる。
【0053】
第2センサ38がカメラである実施例によれば、カメラによって取得される画像データは、照明環境内の空間光分布を決定するために分析されることができる。例えば、前記データは、照明環境内の、車道又は歩道などのターゲット面、及び芝生、樹木、人、影、又は何らかの他の面若しくは物体などの非ターゲット面を決定するために利用されることができる。ターゲット領域は、カメラ画像を見直し、画像から、モニタされるべき領域を決定することによって、手動で選択されることができる、又はターゲット領域は、照明ユニット又はシステムのコントローラによって選択されることができる。
【0054】
カメラ又は他の撮像装置によって取得された二次元又は三次元画像は、例えば、撮像されたシーンの視覚表示を表示、伝達又は表現するために分析又は処理されることができる。他の例においては、カメラ又は他の撮像装置によって取得された画像は、画像内の1つ以上の面又は物体の特定の強度などの、より多くの画像特有の情報を表示、伝達又は表現するために分析又は処理されることができる。分析又は描写される強度は、紫外線から、可視、赤外線、近赤外線、遠赤外線までの、光スペクトルの任意の部分であり得る。
【0055】
第2センサ38が飛行時間センサである実施例によれば、センサデータは、照明環境内の、センサとターゲット面との間に障害物がない領域を検出するために分析されることができる。例として街路灯を用いると、照明ユニット又はシステムのコントローラは、樹木の枝、歩行者、又は自動車などの障害物がどこにあるかを決定することができ、照明環境内の、障害物によって影響を及ぼされず、斯くして、ターゲット面のルクスをより正確に推定するために利用され得る1つ又は複数の領域を決定することができる。
【0056】
第2センサ38がマルチスペクトル撮像装置である実施例によれば、センサデータは、例えば、画像内の、ターゲット面である1つ又は複数の領域、及びもしあれば、異なる光学特性を持つだろう非ターゲット面である1つ又は複数の領域を識別するために分析されることができる。
【0057】
第2センサ38が熱探知カメラである実施例によれば、センサデータは、照明環境内の、とりわけ、人々、電子デバイス、及び日光を受ける面などの高い温度測定値を有する領域を検出するために分析されることができる。照明ユニット又はシステムのコントローラは、高い温度測定値を有するこれらの非ターゲット領域を識別し、識別された非ターゲット領域以外のエリアからの光センサデータしか利用しないだろう、又は光センサに、識別された非ターゲット領域以外のエリアからのセンサデータしか取得しないよう指示するだろう。
【0058】
第2センサ38が、占有センサ、又は占有センサデータから作成された占有率マップである実施例によれば、占有率情報又はマップは、照明環境内の、占有者によって影響を及ぼされる領域、及び/又は照明環境内の、占有者によって影響を及ぼされない領域を検出するために利用されることができる。照明ユニット又はシステムのコントローラは、占有者によって影響を及ぼされない領域を識別し、これらの識別された領域からの光センサデータしか利用しないだろう、又は光センサに、これらの識別された領域からのセンサデータしか取得しないよう指示するだろう。
【0059】
第2センサ38がマイクである実施例によれば、マイクは、照明環境内の、占有率を決定することができる、又は人若しくは他の物体の位置を決定することができる。照明ユニット又はシステムのコントローラは、この情報を用いて、強度解析のためのターゲット領域を識別するだろう。
【0060】
ステップ360においては、照明ユニットコントローラが、選択された光強度のサブセットを用いて、ターゲット面の照度又はルクスを推定する。選択された光強度のサブセットは、例えば、光強度分析のために適切な邪魔のない又は低い温度の領域が選択された後に、光センサによって取得されてもよく、又は既存の光強度のセットから分離されてもよい。例えば、照明ユニットが、街路灯であり、カメラが、邪魔のない部分又は歩道をターゲット面として検出している例においては、コントローラは、画像内の、ターゲット面内にあるピクセルだけを用いてルクスを決定することができる。別の実施例によれば、コントローラは、光センサに、識別されたターゲット領域からしか新たな強度を取得しないよう指示する。識別されたターゲット面の照度は、多くの方法のうちのいずれかを用いて、推定されることができる。前記照度は、識別されたターゲット面内の1つ以上のピクセル若しくは領域を選択することによって決定されることができる、又は識別されたターゲット面内の複数のピクセル若しくは領域の測定された強度を平均することによって決定されることができる。実施例によれば、システムは、ターゲット面のルクスを推定する、且つ/又は識別されたターゲット面のルクス推定値を照明環境全体に適用する。
【0061】
方法の随意のステップ370においては、コントローラが、取得されたルクス情報を利用して、照明ユニット又はシステムによって発せられる光プロファイルを調節する又は適応させる。実施例によれば、コントローラは、1つ以上の光源のビーム幅、角度、及び/又は強度を調節することができる。例えば、コントローラは、照明環境内で検出された影を取り除くよう1つ以上の光源を調節することができる。この情報は、誤トリガの影響を減らすために1つ以上の他のセンサの感度及び/又は性能を制御するために利用されることもできる。同様に、前記情報は、システムが制御する照明環境の特徴、パラメータ、又は特性を変更するために利用されることができる。例えば、コントローラは、ブライドに、開ける若しくは閉じるよう指示することができる、又は照明環境内の物体に、或る場所から別の場所へ移動するよう指示することができる。
【0062】
本明細書には幾つかの本発明の実施例が記載及び図示されているが、当業者は、本明細書に記載されている機能を実施するための、並びに/又は本明細書に記載されている利点のうちの1つ以上及び/若しくは本明細書に記載されている結果を得るための、様々な他の手段及び/又は構造を容易に案出するだろう。このような変形例及び/又は修正例の各々は、本明細書に記載されている本発明の実施例の範囲内にあるとみなされる。更に一般的に言えば、当業者は、本明細書に記載されている全てのパラメータ、寸法、材料及びコンフィギュレーションが、例示的なものであるよう意図されており、実際のパラメータ、寸法、材料及びコンフィギュレーションは、本発明の教示が用いられる1つ又は複数の特定のアプリケーションに依存するだろうことを、容易に理解するだろう。当業者は、本明細書に記載されている特定の本発明の実施例と同等の多くの実施例を、理解するだろう、又は単なるルーチン実験を用いて把握することができるだろう。それ故、上記の実施例は、ほんの一例として提示されているに過ぎず、添付の請求項及びそれらと同等のものの範囲内で、本発明の実施例が、詳細に記載されているもの及び請求項記載のものとして以外に実施され得ることは、理解されるべきである。本開示の本発明の実施例は、本明細書に記載されている個々の特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法を対象にしている。更に、2つ以上のこのような特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法の如何なる組み合わせも、このような特徴、システム、物、材料、キット及び/又は方法が互いに矛盾しない場合には、本開示の本発明の範囲内に含まれる。
【0063】
本明細書において規定及び使用されているような全ての定義は、辞書的定義、参照により盛り込まれる文書における定義、及び/又は規定されている用語の通常の意味にわたって制御するよう理解されるべきである。
【0064】
ここで、明細書及び請求項において用いられているような不定冠詞「a」及び「an」は、明らかにそれとは反対の指示がない限り、「少なくとも1つの」を意味すると理解されるべきである。
【0065】
ここで、明細書及び請求項において用いられているような「及び/又は」という表現は、そのように等位接続されている要素の「いずれか又は両方」、即ち、幾つかの場合には、連言的に存在し、他の場合には、選言的に存在する要素を意味すると理解されるべきである。「及び/又は」を用いて列挙されている複数の要素は、同じように解釈されるべきであり、即ち、そのように等位接続されている要素のうちの「1つ以上」と解釈されるべきである。「及び/又は」節によって明確に特定されている要素以外の他の要素は、明確に特定されているそれらの要素と関係があるかないかにかかわらず、随意に存在し得る。従って、非限定的な例として、「A及び/又はB」への言及は、「有する」などの非制限言語と共に用いられる場合、或る実施例においては、(随意にB以外の要素を含む)Aのみを指し、別の実施例においては、(随意にA以外の要素を含む)Bのみを指し、更に別の実施例においては、(随意に他の要素を含む)AとBとの両方を指すことなどができる。
【0066】
ここで、明細書及び請求項において用いられているような「又は」は、上で規定されているような「及び/又は」と同じ意味を持つよう理解されるべきである。例えば、リストにおいてアイテムを分ける場合、「又は」又は「及び/又は」は、多くの要素又はリストの要素、及び随意に、付加的な、リストに載っていないアイテムを含んでいると解釈されるべきであり、即ち、それらのうちの少なくとも1つを含んでいる解釈されるべきであるが、それらのうちの2つ以上を含んでいるとも解釈されるべきである。「~のうちの1つだけ」若しくは「~のうちのちょうど1つ」、又は請求項において用いられる場合の「~から成る」などの、明らかにそれとは反対の指示がなされている用語だけが、多くの要素又はリストの要素のうちのちょうど1つの要素を含んでいることを指すだろう。一般に、ここで用いられているような「又は」という用語は、「いずれか」、「~のうちの1つ」、「~のうちの1つだけ」又は「~のうちのちょうど1つ」などの排他性の用語が先立つ場合にしか、排他的な選択肢(即ち、「一方又は他方であり、両方ではない」)を示すと解釈されるべきではない。請求項において用いられる場合の「本質的に~から成る」は、特許法の分野において用いられるようなその通常の意味を持つだろう。
【0067】
ここで、明細書及び請求項において用いられているような、1つ以上の要素のリストに関する「少なくとも1つ」という表現は、要素のリストの中の要素の任意の1つ以上から選択される少なくとも1つの要素を意味するが、必ずしも、要素のリストの中で明確に列挙されている要素1つ1つのうちの少なくとも1つを含むとは限らず、要素のリストの中の要素の如何なる組み合わせも除外しないと理解されるべきである。この定義も、「少なくとも1つ」という表現が指す要素のリストの中で明確に特定されている要素以外の要素が、明確に特定されているそれらの要素と関係があるかないかにかかわらず、随意に存在し得ることを許容する。従って、非限定的な例として、「A及びBのうちの少なくとも1つ」(換言すれば、「A又はBのうちの少なくとも1つ」、換言すれば、「A及び/又はBのうちの少なくとも1つ」)は、或る実施例においては、Bが存在しない状態での、(随意にB以外の要素を含む、)随意に1つより多くAを含む、少なくとも1つのAを指し、別の実施例においては、Aが存在しない状態での、(随意にA以外の要素を含む、)随意に1つより多くのBを含む、少なくとも1つのBを指し、更に別の実施例においては、(随意に他の要素を含む、)随意に1つより多くのAを含む、少なくとも1つのA、及び随意に1つより多くのBを含む、少なくとも1つのBを指すことなどができる。
【0068】
ここで請求項に記載されている、2つ以上のステップ又は動作を含む如何なる方法においても、明らかにそれとは反対の指示がない限り、方法のステップ又は動作の順序は、必ずしも、方法のステップ又は動作が列挙されている順序に限定されないことも理解されるべきである。
【0069】
請求項及び上記の明細書において、「有する」、「含有する」、「備える」、「持つ」、「包含する」、「含む」、「保持する」、「~で構成される」などのような全ての移行句は、非制限のものであること、即ち、含むが、限定されないことを意味することを理解されたい。米国特許庁審査手順マニュアルの第2111.03項に記載されているように、「~から成る」及び「本質的に~から成る」という移行句のみが、各々、排他的又は半排他的な移行句であるとする。