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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】遊技用装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
A63F7/02 352L
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019031256
(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2020130849
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2022-01-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000144153
【氏名又は名称】株式会社三共
(73)【特許権者】
【識別番号】591085972
【氏名又は名称】日本ゲームカード株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100156535
【弁理士】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100206656
【弁理士】
【氏名又は名称】林 修身
(74)【代理人】
【識別番号】100206911
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】小倉 敏男
(72)【発明者】
【氏名】野口 哲
【審査官】佐藤 嘉純
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-202207(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機に対応して設けられ、該遊技機での遊技を可能とするための遊技可能化処理を実行可能な遊技用装置であって、
異なる種類の遊技機に対して共通に使用可能であるとともに遊技機の種類に応じて異なる遊技可能化処理を実行可能であり、
遊技者側に突出して配置され、遊技価値に関する情報を表示可能な一の表示面のみを有する表示手段と、
前記表示手段の突出方向を、対応する遊技機が遊技用装置の左側に配置されていることに対応した突出方向であって前記表示手段の表示面が遊技用装置の左前方方向を向く第1突出方向と、対応する遊技機が遊技用装置の右側に配置されていることに対応した突出方向であって前記表示手段の表示面が遊技用装置の右前方方向を向く第2突出方向と、に変更可能な変更手段と、
前記表示手段の状態が、前記第1突出方向である状態と前記第2突出方向である状態のいずれであるかを検知可能な検知手段と、
前記検知手段による検知結果に応じて前記表示手段の表示態様を切替え可能な表示制御手段と、
を備える
ことを特徴とする遊技用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に対応して設けられ、該遊技機での遊技を可能とするための遊技可能化処理を実行可能な遊技用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技用装置として、遊技媒体としての遊技球を用いて遊技を行うパチンコ遊技機や、遊技媒体としてのメダルを用いて遊技を行うスロットマシンや、遊技球を用いて遊技を行うスロットマシンや、遊技機内部に封入された遊技球やメダルを用いて遊技を行う封入式遊技機といった異なる種類の遊技機に対し共通に使用可能なもの等があった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、遊技者に対し情報を表示可能な表示手段を備えた遊技用装置において、表示手段の角度や位置を遊技者に合わせて調整可能なもの等があった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-292076号公報
【文献】特開2016-13248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載のように異なる種類の遊技機に対し共通に使用可能な遊技用装置に、上記特許文献2に記載の遊技用装置のように表示手段を設ける場合、角度や位置調整は可能であるが、近年においては、パチンコ遊技機に対しては遊技用装置がパチンコ遊技機の左側に配置され、スロットマシンに対しては遊技用装置がスロットマシンの右側に配置されることで、遊技機に対する配置位置に応じて表示手段の向きが変わるため、異なる種類の遊技機に対して共通に使用することが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、異なる種類の遊技機に対して共通に使用することができる遊技用装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の遊技用装置は、
遊技機に対応して設けられ、該遊技機での遊技を可能とするための遊技可能化処理を実行可能な遊技用装置であって、
異なる種類の遊技機に対して共通に使用可能であるとともに遊技機の種類に応じて異なる遊技可能化処理を実行可能であり、
遊技者側に突出して配置され、遊技価値に関する情報を表示可能な一の表示面のみを有する表示手段と、
前記表示手段の突出方向を、対応する遊技機が遊技用装置の左側に配置されていることに対応した突出方向であって前記表示手段の表示面が遊技用装置の左前方方向を向く第1突出方向と、対応する遊技機が遊技用装置の右側に配置されていることに対応した突出方向であって前記表示手段の表示面が遊技用装置の右前方方向を向く第2突出方向と、に変更可能な変更手段と、
前記表示手段の状態が、前記第1突出方向である状態と前記第2突出方向である状態のいずれであるかを検知可能な検知手段と、
前記検知手段による検知結果に応じて前記表示手段の表示態様を切替え可能な表示制御手段と、
を備える
ことを特徴としている。
また、手段1の遊技用装置は、
遊技機(例えば、管理パチンコ機2や管理スロットマシン2S/現行のパチンコ遊技機やスロットマシンなど)に対応して設けられ、該遊技機での遊技を可能とするための遊技可能化処理(貸出処理、持点再プレイ処理、貯蓄点再プレイ処理、液晶ユニット表示処理等)を実行可能な遊技用装置(例えば、カードユニット3)であって、
異なる種類の遊技機(例えば、パチンコ遊技機やスロットマシンなど)に対して共通に使用可能であるとともに遊技機の種類に応じて異なる遊技可能化処理を実行可能であり、
遊技価値に関する情報(例えば、持玉数や貯玉数やプリペイド残高など)を表示可能な表示手段(例えば、液晶表示器504)を備え、
前記表示手段は、前方における所定方向(例えば、左斜め前方向や右斜め前方向)へ突出して配置され(図3図9参照)、
前記表示手段の突出方向を変更するための変更機構(例えば、回転機構580)を備える
ことを特徴としている。
これらの特徴によれば、表示手段の突出方向を変更可能であることで、遊技機の左側または右側に遊技用装置を配置することができるので、異なる種類の遊技機に対して共通に使用することができる。
【0008】
手段2の遊技用装置は、手段1に記載の遊技用装置であって、
前記表示手段(例えば、液晶表示器504)の表示制御が可能な表示制御手段(例えば、CU制御部323や液晶ユニット制御部502など)を備え、
前記表示制御手段は、前記遊技価値に関する情報を対応する遊技機の種類に応じた態様にて表示可能である(例えば、CU制御部323や液晶ユニット制御部502が、図13(A)や図14(A)の表示画面では、管理パチンコ機に対応させて、当日持玉数(持玉数)や貯玉数、遊技玉数等の玉数及びそれらの単位である「玉」を表示させ、図13(B)や図14(B)の表示画面では、管理スロットマシンに対応させて、当日持メダル数(持メダル数)や貯メダル数、遊技メダル数等のメダル数及びそれらの単位である「枚」を表示させる部分など)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機の種類に対応した適切な表示を実現できる。
【0009】
手段3の遊技用装置は、手段2に記載の遊技用装置であって、
遊技機から送信される特定の遊技機情報に基づいて該遊技機の種類を特定可能な特定手段(例えば、CU制御部323)を備え、
前記表示制御手段は、前記遊技価値に関する情報を前記特定手段が特定した遊技機の種類に応じた態様にて表示可能である(例えば、CU制御部323及び液晶ユニット制御部502が、管理遊技機から送信される遊技機設置情報に含まれる遊技機機種情報(特定の遊技機情報)に基づいて、持玉数や貯玉数などの遊技価値に関する情報を、対応する管理遊技機の種類に応じた態様にて液晶表示器504に表示可能な部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機の種類に対応した適切な表示を実現できる。
【0010】
手段4の遊技用装置は、手段1~3のいずれかに記載の遊技用装置であって、
前記変更機構(例えば、回転機構580)により、前記表示手段(例えば、液晶表示器504)が前記所定方向に突出する第1使用状態(第1回転規制状態、図12(A)参照)と前記表示手段が前記所定方向とは異なる方向に突出する第2使用状態(第2回転規制状態、図12(B)参照)とに変化可能であり、
前記第1使用状態と前記第2使用状態のいずれであるかを検知可能な検知手段(例えば、液晶向き検出スイッチ560A,560Bなど)と、
前記表示手段の表示制御が可能な表示制御手段(例えば、CU制御部323や液晶ユニット制御部502など)と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記検知手段による検知結果に応じて前記表示手段の表示態様を切替え可能である(例えば、CU3を第1使用状態に設定した場合、液晶ユニット制御部502は、液晶向き検出スイッチ560Aからの検出信号に基づいて液晶ユニット511が第1回転規制状態であると特定することで、図13(A)に示すような管理パチンコ機2に応じた態様の表示画面を表示可能な一方で、CU3を第2使用状態に設定した場合、液晶表示制御部503は、液晶向き検出スイッチ560Bからの検出信号に基づいて液晶ユニット511が第2回転規制状態であると特定することで、図13(C)に示すようなスロットマシンに応じた態様の表示画面を表示可能とする部分。また、図13(A)、図13(B)、図13(C)のように表示画像の向きを上下に切替え可能な部分など。変形例)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、表示手段の使用状態に適した表示制御を行うことができる。
【0011】
手段5の遊技用装置は、手段1~4のいずれかに記載の遊技用装置であって、
遊技機から送信される計数情報に基づいて、該遊技機にて遊技を行う遊技者が所有する遊技価値である所有遊技価値を記憶して管理可能な管理手段を備える(例えば、CU制御部323が、管理遊技機から送信される計数玉数(計数情報)に基づいて、該管理遊技機にて遊技を行う遊技者が所有する遊技価値である所有遊技価値(持玉数や貯玉数)を記憶して管理可能な部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所有遊技価値を適切に管理することができる。
【0012】
手段6の遊技用装置は、手段1~5のいずれかに記載の遊技用装置であって、
前記変更機構(例えば、回転機構580)により、前記表示手段(例えば、液晶表示器504)が前記所定方向に突出する第1使用状態(第1回転規制状態、図12(A)参照)と前記表示手段が前記所定方向とは異なる方向に突出する第2使用状態(第2回転規制状態、図12(B)参照)とに変化可能であり、
前記第1使用状態及び前記第2使用状態各々において前記表示手段の傾斜角度の調整を可能とする傾斜角度調整機構(例えば、回転軸531A,531B)をさらに備え、
前記第1使用状態と前記第2使用状態との切替えについては遊技者以外の管理者のみが操作可能であり、
前記傾斜角度調整機構による傾斜角度調整については遊技者が操作可能である(例えば、第1使用状態と第2使用状態との切替えについては遊技者以外の管理者である遊技場の店員等のみが操作可能である一方で、傾斜角度調整については遊技者が操作可能である部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技場の設置仕様や遊技者の好みに合わせて表示手段の状態を切替えることができる。
【0013】
手段7の遊技用装置は、手段1~6のいずれかに記載の遊技用装置であって、
前記変更機構(例えば、回転機構580)により、前記表示手段(例えば、液晶表示器504)が前記所定方向に突出する第1使用状態(第1回転規制状態、図12(A)参照)と前記表示手段が前記所定方向とは異なる方向に突出する第2使用状態(第2回転規制状態、図12(B)参照)とに変化可能であり、
前記表示手段の表示領域は、前記第1使用状態と前記第2使用状態のいずれにおいても対応する遊技機側に向けて傾斜する(図15(C)(C’)(D)(D’)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1使用状態及び第2使用状態各々に対応する表示領域を別個に設けることなく、一の表示領域を共通に使用することができる。
【0014】
手段8の遊技用装置は、手段1~7のいずれかに記載の遊技用装置であって、
前記変更機構(例えば、回転機構580)により、前記表示手段(例えば、液晶表示器504)が前記所定方向に突出する第1使用状態(第1回転規制状態、図12(A)参照)と前記表示手段が前記所定方向とは異なる方向に突出する第2使用状態(第2回転規制状態、図12(B)参照)とに変化可能であり、
前記第1使用状態においては、前記表示手段の前辺が前記遊技用装置の本体よりも左側に突出し(図12(A)(C)参照)、
前記第2使用状態においては、前記表示手段の前辺が前記遊技用装置の本体よりも右側に突出する(図12(B)(D)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技用装置を遊技機の左側または右側に配置しても、表示手段を遊技機と干渉しない方向に突出させることができるため、表示手段を大型化できる。
【0015】
手段9の遊技用装置は、手段1~8のいずれかに記載の遊技用装置であって、
外部情報(遊技機から送信される特定情報、管理装置から送信される特定情報等)に基づいて、対応する遊技機の種類(管理パチンコ機/管理スロットマシン/他の管理遊技機等)を登録可能な登録手段(CU制御部323等)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、対応する遊技機の種類を適切に登録することができる。
【0016】
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであっても良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】カードユニット及びパチンコ機を示す正面図である。
図2】カードユニット及びパチンコ機に用いられる制御回路を示すブロック図である。
図3】カードユニットの構成を示す分解斜視図である。
図4】液晶ユニットを示す斜視図である。
図5】(A)は液晶表示器及び化粧パネルを示す正面図、(B)は変更機構の一部を示す左側面図、(C)は(B)の部分拡大断面図である。
図6】(A)は前パネルを示す正面図、(B)は(A)のA-A断面図である。
図7】第1回転規制状態の液晶ユニットを示す縦断面図である。
図8】回転規制解除状態の液晶ユニットを示す縦断面図である。
図9図7のB-B断面図である。
図10】(A)は図8のC-C断面図、(B)は第2回転規制状態の液晶ユニットを示す横断面図である。
図11】(A)は第1回転規制状態、(B)は回転状態、(C)は第2回転規制状態を示す説明図である。
図12】(A)は第1使用状態、(B)は第2使用状態のCUを示す正面図、(C)(D)は傾斜角度調整を示す説明図である。
図13】液晶表示器に表示される表示画面の一例を示す図である。
図14】液晶表示器に表示される表示画面の一例を示す図である。
図15】(A)(B)は現行遊技機と遊技用装置、(C)(C’)(D)(D’)は管理遊技機と遊技用装置の配置例を示す図である。
図16】(A)は管理スロットマシンとカードユニットを設置した場合、(B)は一部の管理スロットマシンを管理パチンコ機に変更した場合の説明図である。
図17】本発明の変形例1としての液晶ユニットの要部を示す概略説明図である。
図18】本発明の変形例2としての液晶ユニットの要部を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る遊技機及び遊技用装置の形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【0019】
(パチンコ遊技機の構成)
まず、図1を参照して、本実施例に係るパチンコ遊技機の構成を説明する。遊技場(ホール)内に複数配置されている各遊技島(図示略)には、遊技機の一例の封入循環式パチンコ遊技機(以下、遊技機、パチンコ機またはP台と略称することもある)2が併設されている。なお、P台2の所定側の側方位置には、該P台2に対して遊技用装置の一例のカードユニット(以下CUと略称することもある)3が1対1に対応設置されている。なお、本実施例に係る遊技用装置としてカードユニットを例に以下説明するが、これに限られず、P台2と接続して大当りや異常の報知、入賞回数などの遊技情報の収集などを行う呼び出しランプ装置などであってもよい。
【0020】
P台2は、内部に遊技媒体の一例のパチンコ玉を封入しており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより、発射モータ18(図2参照)を駆動させて封入玉を1発ずつ遊技盤26前面の遊技領域27に打込んで遊技ができるように構成されている。具体的には、打球操作ハンドル25の周囲にタッチセンサが設けられており、遊技者が打球操作ハンドル25を操作している状態でその遊技者の手がタッチセンサに触れ、その遊技者の手の接触をタッチセンサで検知して発射モータ18が駆動される。この状態で、遊技者による打球操作ハンドル25の回動操作量に応じて打球発射勢いが調整されて玉が遊技領域27内に発射される。
【0021】
パチンコ玉の発射強度(以下、単に発射強度Tともいう)は、打球操作ハンドル25の回動操作量(以下、単にハンドル操作量ともいう)に応じて調整可能であり、ハンドル操作量を大きくするにしたがって発射強度Tが大きくなる。したがって、遊技者は、ハンドル操作量を調節することによって、自らが狙う領域をパチンコ玉が通過するように発射強度Tを調整することができる。
【0022】
図1に示すP台2は、いわゆる第1種のパチンコ遊技機であって、遊技領域27の中央に変動表示装置(特別図柄とも言う)278が設けられている。また、遊技領域27には、打込まれたパチンコ玉が入賞可能な複数種類の入賞口が設けられている。図1に示す遊技領域27には、1つの大入賞口(可変入賞球装置)271と、3つの普通入賞口272,273,274と、3つの始動入賞口275,276,277とが示されている。特に、始動入賞口276は、遊技者にとって有利な第1の状態(たとえば開成状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(たとえば閉成状態)とに変化可能な電動チューリップで構成されている。
【0023】
変動表示装置278は、複数種類の識別情報(図柄)を変動表示(可変表示ともいう)可能な変動表示部を備えており、各始動入賞口275,276,277に入賞した始動入賞玉の検出信号に基づいてそれらの複数種類の識別情報の変動表示を開始させる。変動表示装置の表示結果が特定の識別情報の組合せ(たとえばぞろ目)になると、大当り状態(大当り遊技状態ともいう)となり、大入賞口271が開放される。尚、大入賞口271は、遊技玉が所定数(例えば10玉)入賞すること、または所定時間(例えば29秒)経過することによって閉鎖される。そして、大入賞口271の開放と閉鎖が所定回数(例えば10回や15回)繰り返し実施されると、大入賞口271が閉鎖されて大当り状態が終了する。
【0024】
また、変動表示装置278の表示結果が大当り図柄の組合せ(ぞろ目)のうちの予め定められた特別の識別情報の組合せ(たとえば777などの確変図柄の組合せ)となることにより、確変大当り状態が発生し、それに伴う大当り状態の終了後大当りの発生確率が向上した確率変動状態(確変状態)が発生する。
【0025】
遊技領域27内に打込まれたパチンコ玉はいずれかの入賞口に入賞するかあるいは入賞することなくアウト口154に回収される。いずれかの入賞口に入賞したパチンコ玉およびアウト口154に回収されたパチンコ玉は再度P台2内の回収経路を通って打球発射位置にまで還元される。そして、遊技者が打球操作ハンドル25を操作することにより再びその打球発射位置のパチンコ玉が遊技領域27内に打込まれる。
【0026】
また、P台2における遊技領域27の下方位置には、遊技玉数を表示するための遊技玉数表示器29が設けられている。遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイで構成されており、後述の枠制御部171によって制御される。この遊技玉数表示器29により、後述する遊技玉数や発生したエラーのエラー番号などが表示される。さらに、後述するように、CU3にカードが挿入されていないにもかかわらず、遊技玉の加算要求が行われた場合には、不正玉貸玉数を特定可能な情報が遊技玉数表示器29に表示される。なお、遊技玉数表示器29は、7セグメント式のLEDディスプレイに限定されず、液晶表示器や有機EL表示器、その他の表示器で構成してもよい。
【0027】
さらに、P台2における遊技玉数表示器29の左方位置には、遊技玉から持玉への計数処理をするための計数ボタン28が設けられている。本実施例では、計数ボタン28を押下し続けた時間に応じて計数動作が繰り返し実行される。なお、押下継続時間に関わらず、1度押下すると、所定数(たとえば100玉)だけ遊技玉から持玉への計数が行われるようにしてもよく、あるいは、計数ボタン28を1度押下した場合には、その押下時間にかかわらず(長押しか否かにかかわらず)、現在遊技者が所有している遊技玉のすべてが計数されるようにしてもよい。また、計数速度は、カード返却操作を行う場合にさらに向上し、スムーズなカード返却処理を実現している。
【0028】
このように、計数ボタン28をP台2側に設けているため、計数ボタン28をCU3側に設ける場合と比較して、P台2に正対して座っている遊技者の操作性を向上できる。また、P台2は、遊技領域27の右上位置および左上位置に、変動表示装置278で表示される演出にあわせて再生する音楽データを出力するためのスピーカ270が設けられている。なお、スピーカの位置および個数は、図1に示す構成に限定されず、必要に応じて位置および個数を変更してもよい。
【0029】
本実施例に係るP台2は、遊技盤26とそれ以外の前枠(遊技枠、図示略)とに分けることができる。特に、遊技盤26は、各社が開発するパチンコ遊技機の機種毎に異なるものである一方、前枠(図示略)は、機種に関わらず共通の共通枠とされている。このため、遊技場は新台入れ替えの際には遊技盤26のみの交換で事足りる。
【0030】
(カードユニットの構成)
次に、引続き図1を参照して、本実施例に係るCU3の構成を説明する。このCU3は、会員登録をしていない一般の遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体であるプリペイド機能を備えるビジターカード(一般カードとも言う)や、該遊技場に会員登録した会員遊技者に対して発行される遊技用記憶媒体である会員カードを受付ける。ビジターカードや会員カードはICカードで構成されている。
【0031】
それらのカードを受付けたCU3は、カードの記憶情報により特定される遊技者所有の遊技価値(たとえばプリペイド残額、持玉数、あるいは貯玉数など)を“遊技玉のデータ”に変換する機能を有する。P台2では、遊技玉のデータによって特定される玉数相当の弾球遊技が可能とされる。つまり、“遊技玉のデータ”とは、発射可能な玉の発射残数を示すデータである。以下の説明では、“遊技玉のデータ”を貯玉や持玉と同様に、単に“遊技玉”と称する。
【0032】
CU3の前面側には、紙幣を挿入するための紙幣挿入口302、会員カードやビジターカードを挿入するためのカード挿入/排出口309などが設けられている。このカード挿入/排出口309に挿入された会員カードやビジターカードがCU3内に設けられたカードリーダライタ337に受付けられ、そのカードに記憶されている情報が読取られる。尚、本実施例のカードリーダライタ337は、発行に使用する所定枚数(例えば10枚)のビジターカードを収納可能な収納部を備え、現金の受付けによってプリペイド残金が存在する場合に返却操作がされた場合や、プリペイド残金が存在しなくても持玉数が存在する場合に返却操作がされた場合には、該収納部に収納されているビジターカードをカード挿入/排出口309から排出(発行)する。
【0033】
紙幣挿入口302とカード挿入/排出口309との間には、液晶ユニット511が設けられている。液晶ユニット511は、液晶表示器504を有しており、持玉数や貯玉数、プリペイド残額(カード残額または単に残額とも言う)、あるいはP台2の状態に応じた様々な画像(遊技価値に関する情報を示す画像)を遊技者に表示可能となっている。
【0034】
尚、本実施例のCU3においては、液晶ユニット511に表示される再プレイボタン(再プレイ表示)を操作したことが液晶表示器504(図2参照)を介して検出されることによって、会員カードIDにより特定される貯玉数を用いた再プレイ遊技を実施可能となっている。本実施例における液晶ユニット511では、詳細は後述するが、CU3や情報配信サーバ(図2参照)から特定のコマンドや信号を受信することにより、液晶表示器504において大当り回数、小当り回数、確変回数、スタート回数、大当り確率、持玉数、貯玉数、遊技玉数の表示、P台2の低ベース時におけるベース、貸玉ボタンの強調表示、P台2による遊技時間が長くなった場合の警告表示、遊技場の閉店告知表示等を実行可能となっている。
【0035】
再プレイボタンを操作した場合に、挿入されたカードに遊技者が獲得した持玉数が記憶されているときにはその持玉数の一部を引落として遊技玉に変換し、変換した遊技玉に基づいてP台2による遊技を行うことが可能となる。一方、挿入されたカードが会員カードであり持玉数が記憶されておらずかつ貯玉が管理コンピュータ900などに記憶されている場合には、その貯玉の一部が引落とされて遊技玉に変換され、P台2による遊技が可能となる。つまり、挿入されたカードに対応付けて貯玉と持玉との双方が記憶されている場合には、持玉が優先的に引落とされる。
【0036】
ここで、「貯玉」とは、前日以前に獲得した玉でホールに預けている玉であり、貯玉払出により遊技玉となる。また、貯玉は、遊技場に預け入れられた遊技媒体であり、一般的に当該遊技場に設置された管理コンピュータ900(図2参照)やその他の管理コンピュータにより管理される。
【0037】
「持玉」とは、当日獲得した玉であり、持玉払出により遊技玉となる。また、持玉数は、遊技者がP台2により遊技を行った結果遊技者の所有となった遊技玉数をカードに記憶したものであって、未だに遊技場に預け入れられていない玉数のことである。一般的には、遊技場において当日遊技者が獲得した玉数を「持玉」と言い、前日以前に遊技者が獲得した玉数であって遊技場に預け入れられた玉数を「貯玉」と言う。
【0038】
「遊技玉」とは、P台2で発射可能な玉である。遊技玉数のデータは、既に説明したとおり、プリペイドカードの残額、持玉、あるいは貯玉を引落とすことと引き換えにして生成される。
【0039】
なお、持玉数を遊技場に設定された持玉数管理用の管理装置で管理してもよい。要するに、「貯玉」と「持玉」との違いは、遊技場に預け入れるための貯玉操作が行われて遊技場に預け入れられた玉数であるか、あるいは、未だに遊技場に預け入れられていない段階の玉数であるかの点である。
【0040】
本実施例では、貯玉データは会員カードに直接記憶させず管理コンピュータ900などの遊技場に設置されたサーバに会員カード番号と対応付けて記憶させ、会員カード番号に基づいて対応する貯玉を検索できるように構成されている。一方、持玉は、カードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、両者ともにホールサーバ(図示略)にカード番号と対応付けて記憶させてもよい。ビジターカードの場合も、持玉は、ビジターカードに直接記憶している。しかし、それに限定されるものではなく、持玉をホールサーバにカード番号と対応させて記憶させてもよい。このホールサーバにカード番号と対応させて記憶させる際に、ホールサーバに記憶させた時刻を特定できるデータをカード(会員カード、ビジターカード)に書込んで排出してもよい。また、プリペイド残額についてはカード(会員カード、ビジターカード)に直接書込んで排出する。
【0041】
なお、持玉を、カード(会員カード、ビジターカード)、またはホールサーバに記憶させるタイミングは、たとえば、計数ボタン28が操作されて計数処理が行われる度にリアルタイムに記憶させる、一定周期ごとに記憶させる、またはカードを返却するときに一括して記憶させるなどのタイミングとすることが考えられる。
【0042】
また、遊技者が遊技を終えてCU3からカードを返却したときには、CU3に記憶していた持玉が一旦貯玉としてホールサーバに記憶されるようにし、その遊技者がカードの返却を受けた日と同じ日に再び同じまたは別のCU3にカードを挿入したときには、一旦貯玉として記憶された当日分の持玉のみが再びそのCU3に記憶され、その持玉の範囲で遊技玉を加算し、遊技できるようにしてもよい。
【0043】
紙幣挿入口302に挿入された紙幣は、貨幣識別器(図示省略)により取込まれてその真贋や紙幣種別の識別がなされる。CU3の前面側には、さらに、該CU3の操作を行うためのリモコン等から発せられる赤外線を受講可能な赤外線受光部324(図2参照)が設けられている。
【0044】
P台2は、額縁状の外枠(図示略)に対して、前枠(以下、セルとも言う)とガラス扉6とがその左側縁を揺動中心として開閉可能に設けられている。そして、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば時計回り回転)することにより前枠(図示略)が開放され、前枠を閉鎖することで開放不能なロック状態となる。この状態で、遊技場の係員が図1に示した鍵穴10に鍵を挿入して解錠操作(たとえば反時計回り回転)することによりロック解除状態となりガラス扉6が開放される。
【0045】
図2は、CU3およびP台2に用いられる制御回路を示すブロック図である。図2を参照して、CU3とP台2及び液晶ユニット511の制御回路の概略を説明する。
【0046】
CU3には、CU制御基板320が設けられており、該CU制御基板320には、マイクロコンピュータなどから構成されたCU制御部323が設けられている。このCU制御部323は、CU3の主制御機能部であり、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェースなどが設けられている。尚、CU制御部323内のROMには、予めCU3が対応して設けられているP台2の台番号のデータが記憶されている。
【0047】
また、CU制御基板320には、情報配信サーバ(図2参照)や持玉管理サーバ(図示略)、コンテンツ管理サーバ(図示略)、T-BOX(図示略。尚、「T-BOX」は(売り上げ管理用の)ターミナルボックスの略称である)とローカルエリアネットワークを用いて通信を行うための第1LAN通信部328と、セキュリティ上の管理を行うホールサーバ(図示略)とローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて通信を行うための第2LAN通信部329と、非LAN方式で管理コンピュータ900と通信を行うためのシリアル通信部334と、が設けられている。シリアル通信部334は、店舗内に設置される外部機器との間でシリアル通信を行うための通信装置である。本実施例において、外部機器には、呼び出しランプ1000、中継装置1200及び管理コンピュータ900が含まれ、シリアル通信部334は、店舗内に設置される分配器950を介して、呼び出しランプ1000と通信可能に構成されるとともに、中継装置1200を介して管理コンピュータ900と通信を行うことが可能に構成されている。CU制御部323には、P台2の枠制御基板17とセキュリティを確保しながら通信を行うためのセキュリティ基板(SC基板)325が接続される。セキュリティ基板325は、CU3のセキュリティ監視機能部である。なお、セキュリティ基板325上にCU制御部323を設けてもよく、あるいは、セキュリティ基板325とは別の基板にCU制御部323を設けてもよい。CU3にはP台2側への接続部(図示省略)が設けられており、P台2にはCU3側への接続部(図示省略)が設けられている。これら接続部は、たとえばコネクタなどで構成されている。
【0048】
CU3側のセキュリティ基板325とP台2側の枠制御基板17とは、このコネクタと接続配線とを介して通信可能に接続される。セキュリティ基板325には、セキュリティ基板325と枠制御基板17との通信を制御するための通信制御IC325aと、P台2のセキュリティを監視するためのセキュリティチップ(SC)325bが設けられている。さらに、SC325bは、内部に図示しない不正検知部を備え、該不正検知部がCU制御部323からP台2に通知される遊技玉の加算要求情報を監視することにより不正検知を行い、不正検知時に鍵管理サーバ(図示略)に通知する。また、不正検知用の設定値(定数)は鍵管理サーバ(図示略)から基板制御情報として通知される。
【0049】
また、本実施例のCU3には、日付や時刻を測定可能なRTC(リアルタイムクロック)330、CU3(より具体的にはCU制御部323)からの信号を外部に出力するための外端出力部331、CU3と液晶ユニット511との間でコマンド(データ)を送受信するためのコマンド送受信部335が設けられており、これらRTC330、外端出力部331、コマンド送受信部335はCU制御基板320に接続されている。
【0050】
外端出力部331には、CU3からの信号を外部に出力するための制御を行う外部出力回路332と、該外部出力回路332に接続された外部出力ポート1~4とが設けられている。更に、各外部出力ポート1~4には、第1端子333a~第4端子333dのいずれかが接続されている。つまり、これら第1端子333a~第4端子333dに外部装置の入力端子を接続することによってCU3からの信号を外部に出力可能となっている。尚、本実施例において第1端子333a~第4端子333dを介してCU3からの信号を出力する先の外部装置は、例えば、P台2における遊技情報(例えば、大当り回数やスタート回数、発生したエラー等)を管理可能な管理コンピュータ900やホールサーバや、P台2における大当り回数やスタート回数等の遊技情報の少なくとも一部を表示可能な呼び出しランプ1000等であればよい。
【0051】
また、液晶ユニット511には、液晶制御基板501が設けられており、該液晶制御基板501には、マイクロコンピュータなどから構成された液晶ユニット制御部502が設けられている。更に、液晶制御基板501には、液晶ユニット511に設けられた液晶表示器504における画像の表示を制御するための液晶表示制御部503と、情報配信サーバ(図2参照)とローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて通信を行うためのLAN通信部505と、日付や時刻を測定可能なRTC(リアルタイムクロック)507と、が設けられている。また、液晶ユニット511には、該液晶ユニット511とCU3との間でコマンド(データ)の送受信を行うためのコマンド送受信部506も設けられている。尚、本実施例における液晶表示器504はタッチパネルを備えており、該タッチパネルによって遊技者等の操作を検出可能となっている。
【0052】
CU制御部323には、前述した貨幣識別器により紙幣の真贋および種類が識別されて、その識別結果信号が入力される。また、CU制御部323には、遊技場の係員が所持しているリモコンから発せられた赤外線を赤外線受光部324で受光すれば、その受光信号が入力される。CU制御部323には、挿入されたカードの記憶情報をカードリーダライタ337が読取って、その読取り情報が入力されるとともに、CU制御部323からカードリーダライタ337に対し、挿入されているカードに書込むデータが伝送されたときに、カードリーダライタ337はそのデータを挿入されているカードに書込む。カードの記憶情報には、カードIDが含まれる。CU制御部323は、カードリーダライタ337が読み取ったカードIDを遊技終了まで記憶する。
【0053】
CU制御部323は、遊技者が遊技している際、遊技者の持玉を管理・記憶する。CU制御部323から残額あるいは遊技玉数などの遊技価値に関する情報が液晶ユニット511に出力され、液晶表示制御部503で表示用データに変換される。
【0054】
また、液晶表示器504の表面に設けられているタッチパネルを遊技者が操作すれば、その操作信号が液晶表示制御部503、コマンド送受信部506及びコマンド送受信部335を介してCU制御部323に入力される。つまり、本実施例では、液晶表示器504に表示されている貸玉ボタン(玉貸表示)、再プレイボタン(再プレイ表示)、カード返却ボタン(カード返却表示)等が遊技者によって操作されたことをタッチパネルによって検出することで、これら操作の操作信号がCU制御部323に入力されるようになっている。
【0055】
P台2には、P台2の遊技の進行制御を行う主制御基板16と、遊技玉を管理・記憶する枠制御基板17と、枠制御基板17の指令に基づいて発射モータ18を駆動制御する発射制御基板31と、変動表示装置278と、主制御基板16から送信されてくるコマンドに基づいて変動表示装置278を表示制御する演出制御基板15とが備えられている。
【0056】
主制御基板16と枠制御基板17とは、シリアル通信によって、双方向通信を行うことが可能に構成されている。主制御基板16から枠制御基板17に対しては、後述するように、遊技機設置情報内部通知や遊技機情報内部通知等の内部通知に対応するデータが送信される。枠制御基板17から主制御基板16に対しては、後述するように、上記の遊技機設置情報内部通知に対する遊技機設置情報内部応答や、上記の遊技機情報内部通知に対する遊技機情報内部応答等の内部応答に対応するデータが送信される。
【0057】
主制御基板16および演出制御基板15は、遊技盤26に設けられている。主制御基板16には主制御部161である遊技制御用マイクロコンピュータが搭載されている。主制御部161は、遊技機の主制御機能部である。遊技機制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェースなどが設けられている。主制御部161は、遊技盤26に設けられている入賞センサ162、電波センサ163、振動センサ164、磁気センサ165に接続されている。
【0058】
主制御部161は、各始動入賞口275,276,277に玉が入賞すると、大当り(あるいはさらに小当りを含む)/はずれを決定するための乱数を抽選し、その乱数を記憶する。これを保留記憶という。保留記憶数の最大値は、たとえば、「4」である。主制御部161は、変動表示装置278で新たな変動表示を開始できる状態になれば、保留記憶を1つ消化してその保留記憶に基づいた大当り判定を行うとともに可変開始から表示結果の導出に至るまでの変動表示時間を複数種類の中から決定する。また、大当りを決定したときには、確率変動を生じさせるか否かも併せて決定する。主制御部161は、その大当り判定の結果(確変にするか否かを含む)、および変動表示時間に関する情報をコマンドとして演出制御基板15に搭載された演出制御部151へ送信する。
【0059】
主制御部161から演出制御部151へ送信される変動表示に関するコマンドには、変動表示の開始を示す可変開始コマンド、変動表示の結果を示す表示結果コマンド(大当り/はずれ)、変動表示パターンを特定可能な変動表示時間コマンド、変動表示結果を導出表示させるタイミングを示す可変停止コマンドなどが含まれる。さらに、主制御部161から演出制御部151へ送信されるコマンドには、大当り中に大当りの進行状況を特定可能なコマンドや、新たな保留記憶の発生を示すコマンド、遊技状態のエラーの発生を示すコマンドなどがある。
【0060】
演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるこれらのコマンドに基づいて変動表示装置278の変動表示内容を決定する。たとえば、演出制御部151は、主制御部161から送信されてくるコマンドに基づいて変動表示結果および変動表示時間を特定し、停止図柄を決定するとともに変動表示パターン(リーチの有無、リーチの種類)を決定し、さらには大当りやリーチに関する予告演出の演出パターンを決定する。演出制御部151は、決定した変動表示内容に従って変動表示装置278を表示制御する。
【0061】
枠制御基板17は、前枠(図示略)に設けられている。枠制御基板17には、枠制御部171である払出制御用マイクロコンピュータが搭載されている。枠制御部171は、遊技機の払出制御機能部である。払出制御用マイクロコンピュータは、制御中枢としてのCPU、CPUが動作するためのプログラムや制御データなどを記憶しているROM、CPUのワークエリアとして機能するRAM、周辺機器との信号の整合性を保つための入出力インターフェースなどが設けられている。
【0062】
また、枠制御基板17に対し、発射玉検出スイッチ703、アウト玉検出スイッチ701、ファール玉検出スイッチ33A、計数ボタン28、電波センサ173が電気的に接続された状態で設けられている。この電波センサ173は、電波を不正に発信して主に玉上げスイッチ(上)41aを常時オン状態にする不正行為を検知するためのものである。この電波センサ173の検出信号が枠制御基板17の入力ポート(図示省略)を介して枠制御部171へ入力される。玉上げスイッチ(上)41aは、オンからオフに変化したことにより遊技玉の発射を検出し、その検知に基づいて、枠制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。
【0063】
したがって、不正電波によりこの玉上げスイッチ(上)41aが常時オン状態になると、いくら玉を発射しても遊技玉数が減算されない状態となる。このような電波による不正を電波センサ173により検知する。
【0064】
主制御基板16から枠制御基板17に対し、主制御チップID、入賞口情報、ラウンド情報、接続確認信号、入賞検出信号、始動入賞口入賞情報、エラー情報、図柄確定回数、大当り情報、機種固有大当りの情報が送信される。
【0065】
主制御チップID(メインチップIDとも言う)は、P台2の主制御基板16に記憶されているチップIDのことであり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される情報である。入賞口情報は、入賞口の種類(始動入賞口、普通入賞口、大入賞口)と、賞球数(入賞口に遊技玉が入ったときの払出玉数)とを含む情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。ラウンド情報は、大当りしたときのラウンド数の情報であり、P台2の電源投入時に枠制御基板17に対して送信される。
【0066】
接続確認信号は、主制御基板16と枠制御基板17とが接続されていることを確認するための信号であり、主制御基板16から枠制御基板17へ所定の電圧の信号が常時供給されており、枠制御基板17がその所定電圧信号を受信していることを条件として枠制御基板17が動作制御するように構成されている。入賞検出信号は、始動入賞口以外の入賞口に入賞したパチンコ玉の検出信号である。この検出信号を受けた枠制御基板17は、その入賞玉1個に対して付与すべき玉数を、遊技玉数と加算玉数とに加算する制御を行う。
【0067】
始動入賞口入賞情報とは、始動入賞口のいずれかにパチンコ玉が入賞したことを示す情報である。エラー情報とは、主制御基板16が遊技制御を行っている最中にエラーが発生した場合にその旨を枠制御基板17へ通知するための情報である。図柄確定回数とは、各始動入賞口への入賞に対する変動表示装置の表示結果として確定した図柄の情報である。
【0068】
大当り情報とは、大当りが発生したことを示す情報であり、その内訳は、各メーカ共通の大当りを示す共通大当り情報と機種固有大当りを示す機種固有大当り情報とがある。共通大当り情報は、たとえば15ラウンド大当りなどのように、各遊技機メーカが共通に採用している大当りであり、その大当りに伴って確変が発生する場合には確変情報を含み、その大当りに伴って時短状態(変動表示装置の変動表示時間を短縮する制御状態)が発生する場合にはその時短情報を含んでいる。機種固有大当りとは、たとえば突然確変(突確)や遊技玉が特定の領域を通過したことに応じて制御される大当りのような、或る機種のみが採用している大当り状態のことである。尚、本実施例では、時短状態を高ベース状態(或いは単に高ベース)と記すことがある。
【0069】
枠制御基板17から主制御基板16へ、ヘルスチェックコマンドと賞球個数受付コマンドとが送信される。ヘルスチェックコマンドとは、主制御基板16が正常に動作しているか否かをチェックするためのコマンドである。賞球個数受付コマンドとは、加算玉数を受付けた旨を示すコマンドである。
【0070】
アウト玉検出スイッチ701から枠制御基板17へアウト玉検出信号が入力される。このアウト玉検出信号が入力された枠制御基板17は、後述するように遊技中玉数(遊技領域27に浮遊している浮遊玉の玉数)を減算更新する。ファール玉検出スイッチ33Aからファール玉検出信号が入力された枠制御基板17では、後述するように、加算玉数と遊技玉数とを加算更新するとともに、遊技中玉数を減算更新する。発射玉検出スイッチ703から枠制御基板17へ発射玉検出信号が入力される。この発射玉検出信号が入力された枠制御基板17は、遊技中玉数を減算更新する。
【0071】
CU3のセキュリティ基板325とP台2の枠制御基板17とは、遊技枠(前枠)17に設けられたコマンド通信部180及びCU3に設けられたPIF回路326を介して電気的に接続されており、セキュリティ基板325から枠制御基板17へ、後述するように各種コマンドが送信される。逆に、枠制御基板17からセキュリティ基板325へ、後述するように各種レスポンスが送信される。
【0072】
前枠(図示略)には、枠制御基板17の他、発射制御基板31、発射モータ18、遊技玉数表示器29が設けられている。なお、遊技玉数表示器29は前枠(図示略)に直接取付けてもよいが、玉が払い出される通常のパチンコ遊技機の前面側に設けられた上皿や下皿のように、前枠(図示略)に対して回動可能な態様で設けるようにしてもよい。この点は、液晶ユニット511についても同様である。枠制御基板17の枠制御部171は遊技玉数表示器29に遊技者が現在所有している遊技玉数を表示する。
【0073】
枠制御基板17から発射制御基板31へ、発射制御信号と発射許可信号とが出力される。それを受けた発射制御基板31は、発射装置の発射モータ18を励磁するための信号を出力する。これにより、パチンコ玉が遊技領域27へ弾発発射される状態となる。発射制御基板31は、遊技者が打球操作ハンドル25に触れていることを検出するタッチリングの入力信号が入力されているときに発射モータ励磁出力を発し、発射モータ18を駆動させる。また、発射制御基板31には、発射強度センサ19と発射停止スイッチ20が接続されている。
【0074】
発射強度センサ19は、発射モータ18によるパチンコ玉の発射強度Tを検出する。たとえば、発射強度センサ19は、ハンドル操作量に応じて電気抵抗値が変化するように構成された可変抵抗から出力されるアナログ値をデジタル値に変換した値を発射強度Tとして検出する。以下では、例示的に、ハンドル操作量に応じて発射強度Tが0(最小値)から255(最大値)まで変化するものとして説明する。発射強度センサ19の検出結果は、発射制御基板31経由で枠制御基板17およびCU3に出力される。
【0075】
また、発射停止スイッチ20は、発射モータ18による遊技玉の発射を停止するためのスイッチであり、遊技者が操作可能なように打球操作ハンドル25に設けられている。発射停止スイッチ20が操作される(ON状態となる)と、該操作されたことが発射制御基板31にて検知され、打球操作ハンドル25の操作量(発射強度センサ19による発射強度T)にかかわらず発射モータ18による遊技玉の発射を停止する。
【0076】
液晶ユニット511は、コマンド送受信部335,506を介してCU3からの表示データ(表示制御信号)を受信する。
【0077】
RAMクリアスイッチ293は、P台2のRAMに記憶している遊技機情報や遊技情報を消去するためのスイッチであり、P台がエラー状態となった後当該スイッチを店員が操作することで初期状態に戻すことが可能となる。このRAMクリアスイッチ293は、たとえばカードが排出された後に店員により操作される。
【0078】
ここでは、図1および図2を参照して、P台2におけるパチンコ玉の循環経路を概説する。遊技者が打球操作ハンドル25を操作すると、発射モータ18が駆動する。これにより、発射位置にまで供給されてきた1個のパチンコ玉が打球ハンマーにより弾発されてそのパチンコ玉が遊技領域27に打込まれる。
【0079】
遊技玉の発射検出は、玉上げスイッチ(上)41aがオンからオフに変化したことにより検出される。この検出は、枠制御部171が設けられている枠制御基板17でのポート入力により検知され、その検知に基づいて、枠制御部171が、遊技玉数を「1」減算する。遊技領域27に打込まれた玉のうち、アウト口154(図1参照)に進入したアウト玉は、アウト玉流下経路を流下し、その途中に設けられたアウト玉検出スイッチ701によって検出される。ファール玉は、ファール玉戻り経路を通って流下し、その途中に設けられたファール玉検出スイッチ33Aによって検出される。
【0080】
入賞口や可変入賞球装置に入賞したすべての入賞玉は、遊技機背面で集められて回収玉通過経路に誘導される。同様に、アウト玉およびファール玉も回収玉通過経路に誘導される。回収玉通過経路には発射玉検出スイッチ703が設けられている。このため、入賞玉、アウト玉、およびファール玉のすべてが発射玉検出スイッチ703によって検出される。つまり、発射玉検出スイッチ703は、弾発されたパチンコ玉のすべてを検出するスイッチである。このスイッチの検出数と、発射モータ18により弾発されたパチンコ玉の弾発数とが等しくなったときに、打込まれたパチンコ玉がすべて回収されたと判定できる。
【0081】
そこで、本実施例では、発射玉検出スイッチ703の検出数と弾発数との差を演算しており、この差数が0でないときには、遊技領域27に打込まれた玉の回収が済んでいないと判定している。この判定をすることによって、遊技領域27を転動中であるか、遊技領域の釘などの間に引っ掛かって落下していないような浮遊玉が存在していないかどうかを判定できる。
【0082】
以上、図2に示すように、P台2はCU3と通信可能に接続されている。また、CU3は、遊技場において各P台2に1対1で対応して設けられた呼び出しランプ1000にも通信可能に接続されている。尚、本実施例における呼び出しランプ1000は、CU3から出力される信号を受信することによって、CU3が接続されているP台2における大当り回数、確変回数、スタート回数及び持玉数を更新表示可能となっている。尚、情報配信サーバ(図2参照)は、主に液晶ユニット511に対して液晶表示器504において表示するためのコンテンツデータを配信するためのサーバである。持玉管理サーバ(図示略)は、会員カードを所持する遊技者(会員遊技者)が再度の遊技に使用可能に所有する貯玉数や、各ビジターカードと会員カードとに記録された持玉数の管理を行うためのサーバである。
【0083】
T-BOX(図示略)は、CU3にて使用されるビジターカードや会員カード並びにCU3の管理等を行うコントローラである。尚、本実施例のT-BOX(図示略)は、各会員カード並びに各ビジターカードに残存するプリペイド残額(遊技用価値)を管理しているとともに、通信回線を介して、これら会員カードやビジターカードを管理する遊技場外のカード管理会社に設置された決済サーバ(図示略)とデータ通信を実施できるように接続されていて、これら決済サーバ(図示略)に対してT-BOX(図示略)から、各種の管理情報が送信されることにより、カード管理会社は、該決済サーバ(図示略)にて各遊技場の会員カード並びにビジターカードによる売り上げ等を把握できるようになっている。
【0084】
次に、本実施例にて使用されるビジターカードと会員カードとについて、簡潔に説明すると、本実施例に使用されるビジターカード並びに会員カードには、種々のデータを記憶するための不揮発性メモリと、これら記録情報の書き換えや読み出しを実施するとともに、外部のリーダライタ装置との非接触通信を実施する制御部とを有するICチップが搭載されたICカードを使用しており、これらビジターカード並びに会員カードには、個々のカードを識別可能なカードID、具体的には、ビジターカードにはVCで始まるカードIDが、会員カードには、KCで始まる会員カードIDが予め書き換え不能に記憶されていて、その種別がカードIDから識別可能とされているとともに、プリペイド残額を特定可能なプリペイド残額データが記憶されている。
【0085】
尚、会員カードは、遊技場に会員登録を実施した会員遊技者に対して発行されるものであり、該会員に対して付与される会員IDが書き換え不能に記憶されている。また、該会員カードを使用して会員遊技者は、後述するように、一度獲得して計数した遊技玉を、その翌日以降においても再度遊技に使用できる貯玉を行うことができるようになっているが、これら会員カードには、該貯玉のデータである貯玉数や持玉のデータである持玉数は直接記憶されておらず、これら貯玉数は、持玉管理サーバ(図示略)において、会員カードIDと会員IDとに対応付けて記憶されることで、該会員カードIDや会員IDから特定されるようになっている。
【0086】
また、ビジターカードは、遊技場内に設置された図示しないカード発行・入金機にて、購入、発行されるとともに、CU3においても発行される。尚、ビジターカードには、該ビジターカードを所有する遊技者が計数した計数済玉数(獲得遊技媒体数)に基づく持玉数と日付とが記憶されており、該持玉数をその当日においてのみ、遊技場内の各CU3において使用できるようになっている。
【0087】
また、本実施例では、上述したように、ビジターカードのみに持玉数を書き込み記録するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ビジターカードを会員カードと同様に、持玉数を記憶せずに、カードIDから持玉数を特定できるようにしても良い。
【0088】
尚、遊技者がビジターカードまたは会員カードをカード挿入/排出口309に挿入した場合、CU制御部323は、当該会員カード或いはビジターカードの(会員)カードIDと会員ID(会員カードのみ)とプリペイド残額データ、持玉数データ(ビジターカードのみ)等を読み出す。そしてCU制御部323は、該受付けた会員カード又はビジターカードから読み出した(会員)カードIDとプリペイド残額データと装置IDとを含む認証要求をT-BOX(図示略)に送信する。
【0089】
T-BOX(図示略)は、受信したカードIDが予め該T-BOX(図示略)に記憶されている会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに格納されているか否か、受信したプリペイド残額データから特定したプリペイド残額がT-BOX(図示略)に記憶されているプリペイド残額と一致しているか否かを判定し、挿入されたビジターカードまたは会員カードを認証するか否かを判定する。受信したカードIDが予め該T-BOX(図示略)に記憶されている会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに格納されている場合や、受信したプリペイド残額データから特定したプリペイド残額がT-BOX(図示略)に記憶されているプリペイド残額と一致している場合は、T-BOX(図示略)は、挿入されたビジターカードまたは会員カード認証した旨を示すコマンドをCU制御部323に対して送信し、受信したカードIDが予め該T-BOX(図示略)に記憶されている会員カードテーブルまたはビジターカードテーブルに格納されていない場合や、受信したプリペイド残額データから特定したプリペイド残額がT-BOX(図示略)に記憶されているプリペイド残額と一致しない場合は、T-BOX(図示略)は、挿入されたビジターカードまたは会員カードを認証しない旨を示すコマンドをCU制御部323に対して送信する。
【0090】
そしてCU制御部323は、T-BOX(図示略)から挿入されたビジターカードまたは会員カードを認証する旨のコマンドを受信した場合は、持玉管理サーバ(図示略)にカード受付通知を送信することによって持玉や貯玉を遊技玉として払出し可能となり、T-BOX(図示略)から挿入されたビジターカードまたは会員カードを認証する旨のコマンドを受信した場合は、挿入されたビジターカードまたは会員カードをカード挿入/排出口309から排出する。
【0091】
ホールサーバ(図示略)は、更に鍵管理サーバ(図示略)及び遊技機管理サーバ(図示略)と通信可能に接続されており、情報配信サーバ(図2参照)及び持玉管理サーバ(図示略)は、コンテンツ管理サーバ(図示略)と通信可能に接続されている。コンテンツ管理サーバ(図示略)は、例えば、複数の遊技機メーカが加盟する団体によって運営される遊技機を管理する組織に設けられたサーバであり、主に各情報配信サーバ(図2参照)に対してコンテンツデータを配信するためのサーバである。
【0092】
また、本実施例では、遊技機を「管理遊技機」と「非管理遊技機」との2つに区分し、この管理遊技機/非管理遊技機の別を「遊技機区分」と称する。
【0093】
管理遊技機とは、遊技機管理サーバ、コンテンツ管理サーバ、決済サーバといった複数の遊技機メーカが加盟する団体によって運営される遊技機を管理する組織等による一括管理を行う遊技機のことを意味する。上記の実施例で説明した封入循環式遊技機が管理遊技機に含まれる。
【0094】
非管理遊技機とは、遊技機を管理する組織等による一括管理を行わない遊技機のことを意味する。現在運用されている指触式遊技機(現行遊技機)が非管理遊技機に含まれる。
【0095】
また、本実施例では、各遊技機区分の遊技機(管理遊技機/非管理遊技機)それぞれについて「パチンコ機」と「スロットマシン」との種別が異なる2つの遊技機を想定し、このパチンコ機/スロットマシンの別を「遊技機種別」と称する。
【0096】
パチンコ機とスロットマシンとでは、遊技に用いられる遊技媒体が異なる(パチンコ機ではパチンコ玉、スロットマシンではメダル)。パチンコ玉とメダルとではサイズが異なるため、現在は、遊技機に併設されるカードユニットや貸出機等の遊技用装置も、それぞれの遊技媒体に対応可能に設計されたものが使用されている。つまり、現行遊技機では、パチンコ機にはパチンコ機専用の遊技用装置が用いられ、スロットマシンにはスロットマシン専用の遊技用装置が用いられている。
【0097】
一方、管理遊技機としての封入循環式遊技機では、遊技媒体が遊技機内部に封入されており、遊技者が遊技媒体を指触せずに遊技を行うことが可能である。このため、遊技媒体の相違は問題とはならず、遊技媒体のサイズの相違という物理的な制約が外れるため、封入循環式遊技機では、カードユニットや貸出機等の遊技用装置を共通に使用することが可能となり、これらの遊技用装置の共通化が検討されている。
【0098】
しかしながら、対応する遊技機での遊技を可能とするため、遊技用装置側で実行する処理は、遊技機の種類に対応した処理としなければならない。つまり、異なる種類の遊技機に対して共通に遊技用装置を用いるのであれば、それぞれの種類の遊技機に対応した処理を実行できるようにしなければならない。本実施例は、かかる課題を解決することのできる遊技用装置を含む遊技用システムの実施例である。
【0099】
本実施例では、遊技機を管理遊技機とする。そして、管理遊技機の種別(管理パチンコ機/管理スロットマシン)等を遊技機の種類とし、管理パチンコ機(第1の管理遊技機)と管理スロットマシン(第2の管理遊技機)とに共通に用いることができるように設計されたカードユニット3において、対応する遊技機の種類を登録する。
【0100】
次に、CU3側とP台2側とのそれぞれで記憶している各種データの内の主なものおよびその送受信態様を簡単に説明する。
【0101】
本実施例においては、P台2側において遊技玉数の変動を算出して現在の最新の遊技玉数を記憶・管理している。CU3側においても現在の遊技玉数の算出・記憶を行っているが、その遊技玉数はP台2側から送信されてきた情報に基づいたものである。一方、持玉(カード持玉数)や貯玉数、プリペイド残額(残額)は、CU3側において管理・記憶している。
【0102】
まず、P台2とCU3とが遊技場に設置されて初めて電気的に接続された状態で電源を立上げたときに、P台2側の枠制御基板17は、主制御基板16からメインチップID(主制御チップID)を送信してもらい、そのメインチップIDをCU3側に送信するとともに、枠制御基板17自体が記憶している払出チップID(払出制御チップID)をCU3側へ送信する。CU3側では、それら送信されてきたメインチップIDと払出チップIDとを記憶する。次に、接続時刻すなわちCU3側とP台2側とが接続されて通信が開始された時刻のデータがCU3側からP台2側へ送信され、P台2側ではその送信されてきた接続時刻を記憶する。
【0103】
この状態で、メインチップID、払出チップIDおよびCU3側で識別された接続時刻の3つの情報がCU3側とP台2側とに記憶されることとなる。それ以降の電源投入時においては、P台2側からCU3側へそれら3つの情報、すなわち、メインチップIDと払出チップIDと前回の接続時刻データとが送信される。CU3側では、それら送信されてきたデータと既に記憶しているデータとを照合し、前回と同じP台2が接続されているか否かを判別する。
【0104】
P台2側からCU3側へは、最新遊技機情報(カウント中の遊技機情報)が送信される。この最新遊技機情報は、P台2側の枠制御部171のRAMの最新遊技機情報記憶領域に記憶されている。具体的には、加算玉数カウンタの情報と、減算玉数カウンタの情報と、計数玉数カウンタの情報とが含まれる。なお、遊技玉数は、最新遊技機情報に含まれず、後述するように遊技玉数カウンタのカウント値としてP台2側からCU3側へ送信している。しかし、これに代えて、あるいは遊技玉数カウンタに加えて、遊技玉数も最新遊技機情報に含めてもよい。
【0105】
これらのカウンタの情報が、まとめてレスポンスとしてCU3側へ送信される。加算玉数カウンタは、加算玉数をカウントするカウンタである。加算玉は、「賞球玉数×入賞個数」と「バック玉数」との和である。なお、バック玉とはファール玉のことである。つまり、加算玉とは、加算玉カウンタが遊技玉に加算すべき数を示す。減算玉数カウンタは、減算玉数をカウントするカウンタである。減算玉は、「発射玉数」である。つまり、玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化により検出された玉数である。なお、「減算玉数」には、「計数玉数」は含まれない。計数玉数カウンタは、計数玉数をカウントするカウンタである。計数玉は、「計数操作によって遊技玉から持玉に変換された玉数」である。ここで、「賞球玉」は、入賞口へ玉が入賞することにより払出される玉であり、セーフ玉である。「発射玉」は、遊技機が発射した玉であり、バック玉がある場合はバック玉を減算した玉数が発射玉数となる。「バック玉」は、発射玉が盤面上に跳出せずに戻ってきた玉である。「アウト口通過玉」は、アウト口154を通過した玉であり、アウト玉とセーフ玉の合計玉数がアウト口通過玉数を意味する。
【0106】
たとえば、遊技領域27に打込まれたパチンコ玉が入賞して主制御基板16から入賞情報が枠制御基板17へ送信されてきたときに、その入賞情報に基づいて遊技玉を加算すべき加算玉数を加算玉数カウンタがカウントし、その加算玉数カウンタの値(加算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。また、パチンコ玉が遊技領域27内に発射されていることによる玉上げスイッチ(上)41aのオンからオフへの出力変化に基づいて減算玉数カウンタが発射玉数を減算玉数としてカウントし、その減算玉数カウンタの値(減算玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。あるいは、枠制御部171は、計数ボタン28の押下により、遊技玉数を計数玉数としてカウントし、その計数玉数カウンタの値(計数玉数)をP台2側からCU3側へ送信する。
【0107】
P台2側においては、加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値をCU3側へ送信する毎に、それらカウント値を前回遊技機情報記憶領域(枠制御部171のRAMなど)にバックアップデータとして記憶(書換え)した後、最新遊技機情報としての加算玉数カウンタ、減算玉数カウンタ、および計数玉数カウンタの値を0クリアする(遊技玉数カウンタを除く)。なお、本実施例において「クリア」とは「初期化」と同じ意味である。
【0108】
その結果、前回遊技機情報(直前に送信した遊技機情報)の記憶エリアに、直前にCU3側に送信した遊技機情報である、加算玉数、減算玉数、および計数玉数のデータがバックアップデータとして記憶される。このバックアップデータは、P台2側からCU3側へ最新遊技機情報が送信されなかった場合に、次の送信に際して今回の各カウンタの値ばかりでなくその送信されなかった前回の各カウンタの値をも送信できるようにするためのものである。この前回遊技機情報に、直前に送信した遊技玉数をさらに加えて記憶するようにしてもよい。
【0109】
また、枠制御基板17は、入賞の発生、玉の発射、バック玉の発生、および計数玉の発生(遊技玉から持玉への変換)に応じて、遊技玉数カウンタの値を更新し、その更新後の遊技玉数カウンタの値を遊技玉数としてCU3側に送信する。
【0110】
CU3側においては、RAM内の累計データ記憶領域に、遊技玉数、カード持玉数(単に、持玉数とも言う)、貯玉数、残額、総加算玉数(加算玉数累計)、総減算玉数(減算玉数累計)、およびカード挿入時持玉数を記憶している。なお、カード持玉数は、カード挿入時持玉数から持玉払出数(カード持玉数から遊技玉数に変換した玉数)を減算し、計数玉数を加算した玉数である。つまり、カード持玉数は、現時点で遊技者が所有している持玉数である。
【0111】
P台2側から送信されてきた加算玉数カウンタの値(加算玉数)に基づいて総加算玉数を加算して玉数を更新する。また、P台2側から送信されてきた減算玉数カウンタの値(減算玉数)に基づいて総減算玉数を減算して玉数を更新する。さらに、P台2から送信されてきた計数玉数カウンタの値に基づいてカード持玉数を加算して更新する。このように、CU3は、P台2より逐一送信されてくる最新遊技機情報によって総加算玉数、総減算玉数、カード持玉数を更新することで最新のそれらの情報を管理することが可能となる。
【0112】
次に、管理遊技機とCU3との間で伝送されるデータには、以下に示す情報がある。「遊技機設置情報外部通知」は、送信方向が「枠制御基板→CU」であり、主制御基板16から枠制御基板17に対して行われる遊技機設置情報内部通知と同様に、遊技機設置情報を遊技機から外部(ここではCU3)に通知することを目的として、遊技機設置情報等の情報がデータ部に格納される。
【0113】
「遊技機設置情報」とは、CU3に対応して設置される遊技機に関する設置情報である。本実施例では、遊技機設置情報には、当該遊技機の主制御基板16に記憶されているチップIDである「主制御チップID(メインチップID)の番号」と、当該遊技機の主制御部161が有するCPUを製造したメーカのコードである「主制御CPUメーカコード」と、当該遊技機の主制御部161が有するCPUの型式のコードである「主制御CPU型式コード」と、遊技機が管理パチンコ機/管理スロットマシンのいずれの種別の遊技機であるかを特定可能な情報としての「遊技機種別情報」と、遊技機の機種(機種名)を特定可能な「機種情報」と、が含まれる。なお、上記の遊技機設置情報はあくまでも一例であり、他の情報を遊技機設置情報に含めることも可能である。
【0114】
「遊技機情報外部通知」は、送信方向が「枠制御基板→CU」であり、主制御基板16から枠制御基板17に対して行われる遊技機情報内部通知と同様に、遊技機情報を遊技機から外部(ここではCU3)に通知することを目的として、遊技機情報等の情報がデータ部に格納される。
【0115】
「計数情報外部通知」は、送信方向が「枠制御基板→CU」であり、遊技機において実行される遊技媒体の計数に関する情報(以下、「計数情報」という。)を遊技機から外部(ここではCU3)に通知することを目的として、計数準備情報や計数実行情報を含む計数情報がデータ部に格納される。
【0116】
計数ボタン28による計数操作を検知すると、遊技機の枠制御部171は、遊技媒体数を計数遊技媒体数としてカウントし、そのカウント値を計数遊技媒体数としてCU3に通知する。遊技機が管理パチンコ機である場合には、計数操作に応じて遊技玉数を計数玉数としてカウントし、そのカウント値を計数玉数としてCU3に通知する。また、遊技機が管理スロットマシンである場合には、計数操作に応じて遊技メダル数を計数メダル数としてカウントし、そのカウント値を計数メダル数としてCU3に通知する。
【0117】
計数準備情報は、遊技媒体を計数する準備状態であることを遊技機からCU3に通知するための情報であり、計数遊技媒体数を「0」とする情報である。
【0118】
計数実行情報は、遊技媒体の計数を実行したことを遊技機からCU3に通知するための情報であり、計数遊技媒体数を「α」とする情報である。「α」は単位計数遊技媒体数であり、これは1回あたりの計数遊技媒体数を意味する。本実施例では、原則的に、計数ボタンが1回押下される毎に第1所定数分の計数が行われることとし、この第1所定数が単位計数遊技媒体数αに相当する。計数遊技媒体数は、管理パチンコ機では計数玉数となり、管理スロットマシンでは計数メダル数となる。この場合、単位計数遊技媒体数αは、例えば、管理パチンコ機では単位計数玉数「250玉」とし、管理スロットマシンでは単位計数メダル数「50枚」とするように、管理遊技機を設計しておくことができる。
【0119】
「貸出情報外部通知」は、送信方向が「CU→枠制御基板」であり、遊技媒体の貸出に関する情報(以下、「貸出情報」という。)をCU3から外部(ここでは枠制御基板17)に通知することを目的として、貸出準備情報や貸出実行情報を含む貸出情報がデータ部に格納される。
【0120】
本実施例では、貸出とは、入金による残額を用いた遊技媒体の貸出を意味する。また、本実施例では、液晶ユニット511の液晶表示器(タッチパネル)504に表示される遊技媒体の貸出を行うためのアイコン(ボタン)(以下、「貸出アイコン」という。)がタッチされることを、貸出操作の一例として説明する。
【0121】
例えば、遊技機が管理パチンコ機である場合には、液晶表示器504にパチンコ玉の貸出を行うためのボタン・アイコン(例えば図14(A)の貸玉アイコン)が貸出アイコンとして表示され、遊技機が管理スロットマシンである場合には、液晶表示器504にメダルの貸出を行うためのボタン・アイコン(例えば図14(B)の貸メダルアイコン)が貸出アイコンとして表示される。なお、このようにするのではなく、CU3に物理的なボタンとしての貸出ボタンを設けるようにし、この貸出ボタンが押下されることを貸出操作としてもよい。
【0122】
つまり、CU制御部323及び液晶ユニット制御部502は、管理遊技機から送信される遊技機設置情報に含まれる遊技機機種情報(特定の遊技機情報)に基づいて、持玉数や貯玉数などの遊技価値に関する情報を、対応する管理遊技機の種類に応じた態様にて液晶表示器504に表示可能である。
【0123】
貸出操作がなされると、遊技者がカードに対応付けて所有している残額(プリペイド残額)が消費され、遊技媒体(管理パチンコ機ではパチンコ玉/管理スロットマシンではメダル)が貸し出される。このようにして貸し出される貸出遊技媒体に対応する点数である貸点(貸点数)は遊技用の点数である遊技点(遊技点数)に変換され、対応する管理遊技機での遊技(以下、「貸出遊技」という。)に使用することが可能となる。
【0124】
貸出準備情報は、遊技媒体の貸出の準備状態であることをCU3から遊技機に通知するための情報であり、貸出遊技媒体数を「0」とする情報である。貸出実行情報は、遊技媒体の貸出の実行をCU3から管理遊技機に通知するための情報であり、貸出遊技媒体数を「β」とする情報である。ここで、「β」は単位貸出遊技媒体数であり、これは1回あたりの貸出遊技媒体数を意味する。本実施例では、原則的に、貸出アイコンが1回タッチされる毎に、第2所定数分の貸出が行われることとし、この第2所定数が単位貸出遊技媒体数βに相当する。貸出遊技媒体数は、管理パチンコ機では貸出玉数となり、管理スロットマシンでは貸出メダル数となる。
【0125】
「貸出情報外部応答」は、送信方向が「枠制御基板→CU」であり、遊技機が貸出情報外部通知の受領結果をCU3に応答するためのデータであり、貸出準備受領結果や貸出実行受領結果を含む貸出受領結果がデータ部に格納される。
【0126】
CU制御部323には、CU制御部323によって読み出され、第2CU処理として実行される第2CU処理プログラムが記憶されている。第2CU処理プログラムは、遊技機種登録処理として実行される遊技機種登録プログラムと、遊技機種登録処理で登録された遊技機種に応じて選択的に実行される各種処理プログラムとを含む。
【0127】
各種処理プログラムには、例えば、前述した貸出遊技を可能とするための複数の貸出処理プログラム、前述した持点再プレイ遊技を可能とするための複数の持点再プレイ処理プログラム、前述した貯蓄点再プレイ遊技を可能とするための複数の貯蓄点再プレイ処理プログラム、液晶ユニット511の液晶表示器504に表示させる表示画面や各表示画面に表示させる情報等の表示設定を行うための複数の液晶ユニット表示設定プログラム、等の各種の処理に対応する複数の処理プログラムが記憶されている。これら各処理プログラムは、各遊技機種それぞれに対応可能なサブルーチンの処理として実行される複数の処理プログラムを含む。
【0128】
また、CU制御部323には、遊技機種別特定テーブルと、遊技機種登録用テーブルと、処理設定用テーブルと、ユニット設定登録データと、遊技情報管理用テーブルと、外部送信データ管理用テーブルと、台番号と、遊技機データベースと、遊技情報累積データベースとが記憶される。
【0129】
遊技機種別特定テーブルは、対応する管理遊技機の遊技機種別を特定するために用いられるテーブルであり、管理遊技機のうちのパチンコ機(管理パチンコ機)に対応するメインチップIDと、管理遊技機のうちのスロットマシン(管理スロットマシン)に対応するメインチップIDとが、それぞれ識別可能に記憶されている。
【0130】
遊技機種登録用テーブルは、CU3において遊技機の遊技機種を登録するために用いられるテーブルであり、遊技機区分と、設定の番号である設定Noと、登録用情報(送信元)と、が対応付けて定められている。遊技機区分は、対応して設けられる遊技機の区分である。本実施例では、遊技機区分として管理遊技機が定められている。設定Noは、いずれの送信元から送信されるいずれの登録用情報に基づいて遊技機種を登録するかの設定の番号である。登録用情報(送信元)は、遊技機種の登録を行うための情報(登録用情報)及び当該登録用情報の送信元の装置である。登録用情報には、当該遊技機の遊技機区分・遊技機種別の登録用情報と、当該遊技機の機種名の登録用情報と、当該遊技機の貸与レートの登録用情報と、が含まれる。
【0131】
遊技機区分・遊技機種別の登録用情報には「遊技機設置情報(管理遊技機)」が定められている。遊技機設置情報は、例えば、前述したメインチップID等の情報(チップID情報)を含む情報である。これは、対応して設置される管理遊技機から送信される遊技機設置情報に基づいて、遊技機区分・遊技機種別を登録することを意味する。
【0132】
機種名の登録用情報には「遊技機設置情報(管理遊技機)+機種設定情報(情報配信サーバ)」が定められている。これは、対応して設置される管理遊技機から送信される遊技機設置情報と管理装置の一種である情報配信サーバ(図示略)から送信される機種設定情報とに基づいて、機種名を登録することを意味する。貸与レートの登録用情報には「レート情報(持玉管理サーバ)」が定められている。これは、管理装置の一種である持玉管理サーバから送信されるレート情報に基づいて、貸与レートを登録することを意味する。
【0133】
CU制御部323は、対応する管理遊技機からチップID情報としてのメインチップIDを含む遊技機設置情報を受信すると、遊技機種別特定テーブルを参照し、受信したメインチップIDがいずれの種別(パチンコ機/スロットマシン)に対応するメインチップIDであるかに基づいて、対応する管理遊技機の遊技機種別を特定する。そして、ユニット設定登録データの対応遊技機区分「管理遊技機」とともに、特定した遊技機種別を対応遊技機種別に記憶させて登録する。
【0134】
このようにCU制御部323は、管理遊技機から送信される計数玉数(計数情報)に基づいて、該管理遊技機にて遊技を行う遊技者が所有する遊技価値である所有遊技価値(持玉数や貯玉数)を記憶して管理可能である。
【0135】
(カードユニットの構造)
次に、カードユニット3の構造について、図3図12に基づいて説明する。図3は、カードユニットの構成を示す分解斜視図である。図4は、液晶ユニットを示す斜視図である。図5は、(A)は液晶表示器及び化粧パネルを示す正面図、(B)は変更機構の一部を示す左側面図、(C)は(B)の部分拡大断面図である。図6は、(A)は前パネルを示す正面図、(B)は(A)のA-A断面図である。図7は、第1回転規制状態の液晶ユニットを示す縦断面図である。図8は、回転規制解除状態の液晶ユニットを示す縦断面図である。図9は、図7のB-B断面図である。図10は、(A)は図8のC-C断面図、(B)は第2回転規制状態の液晶ユニットを示す横断面図である。図11は、(A)は第1回転規制状態、(B)は回転状態、(C)は第2回転規制状態を示す説明図である。図12は、(A)は第1使用状態、(B)は第2使用状態のCUを示す正面図、(C)(D)は傾斜角度調整を示す説明図である。
【0136】
尚、以下において、図1の手前側をCU3の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、CUを正面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施例におけるCU3の前面とは、CU3に対応するパチンコ機2にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
【0137】
図3に示すように、CU3は、金属製の板材により側面視略コ字形に形成されたホルダ510と、ホルダ510に対して着脱可能な装置ユニット515と、から構成されている。ホルダ510は、遊技場の遊技島(図16の遊技島600等を参照)等に釘等を介して固定可能とされている。
【0138】
装置ユニット515は、上板516A、下板516B及び側板516Cにより正面視逆コ字形に形成された取付板516と、側板516Cの左側面にネジ等により取付けられる各種ユニット(例えば、紙幣識別装置を含む紙幣識別ユニット512、液晶表示器504を含む液晶ユニット511、カードリーダライタ337とCU制御基板320やSC基板325等を含むカードリーダライタユニット513)と、から構成されている。
【0139】
尚、本実施例では、ホルダ510内に紙幣識別ユニット512、液晶ユニット511、カードリーダライタユニット513が配置される形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記以外の装置を含むユニット等が配置されていてもよい。また、カードリーダライタユニット513にCU制御基板320やSC基板325等が内蔵されていたが、カードリーダライタユニット513とは別個にCU制御基板320やSC基板325等を含む制御ユニットを設けてもよい。
【0140】
これら紙幣識別ユニット512、液晶ユニット511、カードリーダライタユニット513が取付板516を介して一体化された装置ユニット515は、ホルダ510から手前側に引出し可能であるとともに、ホルダ510の前方から押し込むことによりホルダ510内に配置可能とされている。よって、遊技島にホルダ510が固定された状態においても、ホルダ510から各ユニットを一斉に手前側に引き出すことが可能とされている。また、装置ユニット515がホルダ510に配置された状態において、各ユニットの化粧パネル511A,512A,513Aがホルダ510の前面を閉鎖するように上下方向に並設される。尚、化粧パネル513Aの下方には、ホルダ510の下部に設けられた化粧パネル514Aが配置される。
【0141】
尚、本実施例では、紙幣識別ユニット512、液晶ユニット511、カードリーダライタユニット513が取付板516を介してホルダ510から一斉に引出し可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各種ユニットを個別に引出し可能としてもよい。
【0142】
また、ホルダ510には、装置ユニット515が配置された状態において、遊技場の店員等が所有するリモコンやキー等を用いて施錠操作(第1特定操作)を行うことにより、装置ユニット515をホルダ510から取外し不能(施錠)するとともに、解錠操作(第2特定操作)を行うことにより装置ユニット515をホルダ510から取外し可能(解錠)とする施解錠装置(図示略)が設けられている。言い換えると、遊技客は装置ユニット515をホルダ510から取外しすることはできない。また、遊技場に設置された全てのCU3について一斉に施解錠操作できるようにしたり、遊技機の電源検出または通信断検出の状態でないと解錠できないようにしたりしてもよい。
【0143】
また、紙幣識別ユニット512、液晶ユニット511、カードリーダライタユニット513各々の背面には、ホルダ510の背板に設けられたホルダ側コネクタCN1~CN3に各々接続可能な装置側コネクタCN11~CN13が設けられており、ホルダ510の手前側から装置ユニット515を押し込んで配置したときに、ホルダ側コネクタCN1~CN3に装置側コネクタCN11~CN13が接続されることで、各ユニット内の装置が対応する遊技機及び外部装置に電気的に接続される。
【0144】
また、紙幣識別ユニット512の背面には、ホルダ510の背板に設けられたホルダ側紙幣送出部518Aに接続可能な装置側紙幣送出部518Bが設けられており、ホルダ510の手前側から装置ユニット515を押し込んで配置したときに、ホルダ側紙幣送出部518Aと装置側紙幣送出部518Bとが接続され、紙幣挿入口302に挿入された紙幣を遊技島内に設けられた後述する紙幣搬送管601(図16参照)に送り出すことができるようになっている。
【0145】
(液晶ユニットの構造)
図4に示すように、液晶ユニット511は、金属製の板材により前面が開口する箱状に形成された液晶用ホルダ521と、液晶用ホルダ521の前面を閉鎖する板状の前パネル522と、前パネル522の前面側に配置され前パネル522よりも若干大きい板状の化粧パネル511Aと、化粧パネル511Aの前面側に支持される液晶表示器504と、を主に有している。
【0146】
液晶用ホルダ521は、上板521A、下板521B、左側板521C、右側板521D、背板521Eと、により前面が開口する箱状に形成されている。右側板521Dの上辺及び下辺には、取付板516に取付けるための取付片521F,521Gが上下に向けて突設されている。また、左側板521C及び右側板521Dには、後述するボス535A,535Bが挿入可能な貫通孔523L,523Rが形成されている。背板521Eの背面下部には装置側コネクタCN12が背面側に向けて突設されている。
【0147】
図5(A)(B)に示すように、化粧パネル511Aは、正面視縦長長方形状をなす合成樹脂板からなり、前面上下位置には液晶表示器504を回転可能に支持する支持部530A,530Bが突設されており、この支持部530A,530Bには、液晶表示器504の上下辺における右端部を軸支可能な回転軸531A,531Bが設けられている。
【0148】
化粧パネル511Aの中央位置には貫通孔537(図7参照)が形成されており、該貫通孔537には、断面視円形をなす中空状の管体からなる回転軸532が背面側から挿入され、化粧パネル511Aの背面から後方に向けて突出するように回転不能に固着されている。このように回転軸532が貫通孔537に挿入されていることで、液晶表示器504の電源や信号などのケーブルCを回転軸532内に挿入して液晶用ホルダ521内に引き回せるようになっている。
【0149】
回転軸532の前後方向略中央位置には、回転軸532よりも大径をなす正面視円形の環体533が固着されている。環体533の周面における左右位置には孔部534A,534Bが形成されており、孔部534A,534Bにはボス535A,535Bが挿入されている。ボス535A,535Bは、内部に設けられた圧縮バネ536A,536Bにより外方に向けて常時付勢されているため、孔部534A,534Bから先端が突出した状態で保持されており、回転軸532に向けて押圧されることで内部に退避するようになっている。また、回転軸532の後端には、回転軸532より大径の抜止部538が設けられている。
【0150】
化粧パネル511Aの背面における上下位置には背面視円形の凹部539A,539Bが形成されている。これら凹部539A,539Bは回転軸532を中心とする円周上に配置され、上方の凹部539Aには、円柱状の規制用ボス540が背面側に向けて突設されている。規制用ボス540は、回転軸532よりも短寸とされ、回転軸532に対し平行とされている。
【0151】
液晶表示器504は、上下方向を向く回転軸531A,531Bを介して化粧パネル511Aの前面側にて支持されている。詳しくは、液晶表示器504は、化粧パネル511Aに対し前方における左斜め方向に向けて突出することで、表示領域504Aが右斜め前方を向くように傾斜した状態で設けられている。また、図5(A)に示すように正面から見たときに、液晶表示器504の右側辺は化粧パネル511Aの前面における左右方向の中央位置よりもやや右側に位置するとともに、液晶表示器504の左側辺が化粧パネル511Aの左側辺よりも左方に位置するようになっている。
【0152】
図6(A)(B)に示すように、前パネル522は、正面視縦長長方形状をなす合成樹脂板からなり、前面中央位置には、回転軸532が軸心周りに回転可能に挿入される正面視円形の軸受孔550が前後に貫通して形成されている。軸受孔550の上下位置には、規制用ボス540が挿入可能な正面視円形の規制用孔551A,551Bが貫通して形成されている。軸受孔550の中心から規制用孔551A,551Bまでの長さ寸法は、回転軸532の中心から規制用ボス540の中心までの長さ寸法と同一とされているため、軸受孔550に回転軸532を回転可能に軸支した状態で化粧パネル511Aを回転することで、規制用ボス540を上方の規制用孔551Aまたは下方の規制用孔551Bに選択的に挿入できるようになっている。
【0153】
また、前パネル522における規制用孔551A,551Bの周縁右側には、化粧パネル511Aの回転軸532を中心とする回転を正面視左側180度の範囲に規制するための正面視半円弧状の回転規制部552A,552Bが突設されている。尚、本実施例では、回転規制部552A,552Bは規制用孔551A,551Bの周縁右側に形成されているが、規制用孔551A,551Bの周縁右側に形成し、化粧パネル511Aの回転軸532を中心とする回転を正面視右側180度の範囲に規制するようにしてもよい。
【0154】
図7に示すように、前パネル522が液晶用ホルダ521の前面開口を閉鎖するように取付けられた状態において、回転軸532における環体533の後側は、液晶用ホルダ521の内部を前後に区画するように設けられた仕切板555に形成された軸受孔556に軸心周りに回転可能に挿入され、抜止部538が軸受孔556よりも後側に配置される。また、回転軸532における仕切板555と環体533との間には、回転軸532を前方に向けて付勢するための圧縮バネ557が環装されている。
【0155】
このように、主に化粧パネル511A、前パネル522、回転軸532、規制用ボス540、規制用孔551A,551B、ボス535A,535B、貫通孔523L,523R、523Kは、液晶表示器504の突出方向を変更するための回転機構580を構成している。
【0156】
(液晶ユニットの状態変更方法)
このように構成される液晶ユニット511は、回転機構580によって、規制用ボス540が上方の規制用孔551Aに挿入されることで、前パネル522の前面に化粧パネル511Aの背面が当接または近接した状態にて、回転軸532を中心とする化粧パネル511A及び液晶表示器504の回転が規制される第1回転規制状態(図7図9図11(A)参照)と、規制用ボス540が下方の規制用孔551Bに挿入されることで、前パネル522の前面に化粧パネル511Aの背面が当接または近接した状態にて、回転軸532を中心とする化粧パネル511A及び液晶表示器504の回転が規制される第2回転規制状態(図10(B)、図11(C)参照)と、規制用ボス540が上方の規制用孔551Aまたは下方の規制用孔551Bの前方に離脱することで、前パネル522の前面に対し化粧パネル511Aが前方に離れて位置した状態にて、回転軸532を中心とする化粧パネル511A及び液晶表示器504の回転規制が解除される回転規制解除状態(図8図11(B)参照)と、に変化可能とされている。
【0157】
図7及び図9に示すように、第1回転規制状態においては、圧縮バネ557の不勢力に抗して化粧パネル511Aが後側に向けて押し込まれた状態で、環体533のボス535A,535Bが液晶用ホルダ521の左側板521Cと右側板521Dとに形成された貫通孔523L,523Rに挿入されることで、回転軸532の前後方向への移動及び軸心を中心とする回転が規制される。尚、右側のボス535Bは、右側板521Dの貫通孔523Rからさらに取付板516の側板516Cに形成された貫通孔523K(図10(B)参照)に挿入されるようになっている。
【0158】
このようにボス535A,535Bが貫通孔523L,523R及び貫通孔523Kに係合することで、化粧パネル511Aを前方に引き出して規制用ボス540を規制用孔551A,551Bから離脱させることが出来ないので、化粧パネル511A及び液晶表示器504の前後方向を向く回転軸532を中心とする回転が規制される。
【0159】
ここで、液晶用ホルダ521の貫通孔523L,523R及び貫通孔523Kに挿入されているボス535A,535Bをそれぞれ外方から押し込んで係合を解除することで、回転軸532の前後方向への移動規制及び軸心を中心とする回転規制が解除されるので、図8及び図10(A)に示すように、圧縮バネ557の不勢力により回転軸532が前方へ押し出される。尚、回転軸532の抜止部538が仕切板555の軸受孔556の後端開口に当接することで、回転軸532の前方への移動が規制される。この前方への移動が規制されたとき、化粧パネル511Aが上下の化粧パネル512A,513Aよりも前方に位置するとともに、規制用ボス540が規制用孔551A,551Bから離脱することで、回転軸532を中心とする化粧パネル511A及び液晶表示器504の回転が可能な回転規制解除状態となる。
【0160】
そして、図11(A)に示す状態から、図11(B)に示すように、化粧パネル511A及び液晶表示器504を回転軸532を中心として正面視反時計回りに約180度回転させることで、液晶表示器504は上下が逆になるとともに、規制用ボス540の後端が下方の回転規制部552Bに当接して回転が規制されることで、規制用ボス540が規制用孔551Bの前方に位置する。
【0161】
この状態で、図10(B)に示すように、化粧パネル511A及び液晶表示器504を後方に向けて押し込み、環体533のボス535A,535Bが液晶用ホルダ521の貫通孔523L,523R及び貫通孔523Kに対応する位置に到達したときに、圧縮バネ536A,536Bの付勢力により貫通孔523L,523R及び貫通孔523Kに挿入されて回転軸532の前後方向への移動及び軸心を中心とする回転が規制されることで、前パネル522の前面に化粧パネル511Aの背面が当接または近接する第2回転規制状態となる(図11(C)参照)。
【0162】
このように、第1回転規制状態においてボス535A,535Bを外方から押し込んで回転規制解除状態とした後、化粧パネル511A及び液晶表示器504を、回転軸532を中心として正面視反時計回りに回転させて後側に向けて押し込んで第2回転規制状態とすることで、化粧パネル511A及び液晶表示器504の向きを上下に逆転させることができる。また、第2回転規制状態においてボス535A,535Bを外方から押し込んで回転規制解除状態とした後、化粧パネル511A及び液晶表示器504を、回転軸532を中心として正面視反時計回りに回転させてから後側に向けて押し込んで第1回転規制状態とすることもできる。
【0163】
また、CU3が遊技島に設置固定された状態において、CU3の左右側には遊技機や他の遊技用装置が配置されていることで、遊技場の店員等が所有するリモコンやキー等を用いて解錠操作を行いホルダ510から装置ユニット515を前方に引き出さない限り、ボス535A,535Bを触れることは出来ないため、遊技客がボス535A,535Bを操作して化粧パネル511A及び液晶表示器504の向きを変えることは出来ない。
【0164】
上記したように、液晶ユニット511を第1回転規制状態として装置ユニット515をホルダ510に装着した場合、CU3は、図12(A)に示すように、液晶表示器504が左斜め前方向へ突出して配置されて表示領域504Aが右斜め前方を向く第1使用状態となる。また、液晶ユニット511を第2回転規制状態として装置ユニット515をホルダ510に装着した場合、CU3は、図12(B)に示すように、液晶表示器504が右斜め前方向へ突出して配置されて表示領域504Aが左斜め前方を向く第2使用状態となる。
【0165】
また、本実施例では、液晶ユニット511の前パネル522に対し化粧パネル511A及び液晶表示器504のみを前方に引き出して回転させることにより第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能であり、液晶ユニット511ごと回転させる必要はないため、最小限の部品のみを回転させるだけで簡単に第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更することができる。
【0166】
また、回転機構580は、液晶表示器504の表示領域504Aの向きが左斜め前方を向く第1回転規制状態と表示領域504Aの向きが右斜め前方を向く第2回転規制状態とに変更可能となるように液晶表示器504の突出方向を変更するものであるため、CU3が遊技機の左側または右側のいずれに配置された場合でも一の液晶表示器504を共通して使用することができる。
【0167】
また、図12(A)(C)に示すようにCU3が第1使用状態である場合は、液晶表示器504の前辺504Fが化粧パネル511Aの左側辺よりも距離L1だけ左側に突出するように位置するとともに、図12(B)(D)に示すようにCU3が第2使用状態である場合は、液晶表示器504の前辺504Fが化粧パネル511Aの右側辺よりも距離L1だけ右側に突出するように位置する。このように液晶表示器504は、第1使用状態や第2使用状態において、化粧パネル511Aに対し左斜め前方向や右斜め前方向へ突出するように配置されることで、液晶表示器504の一部が正面視で化粧パネル511Aの側方に突出させることが可能であるため、CU3の左右寸法に制限されることなく液晶表示器504を大型化することが可能となる。
【0168】
また、CU3が第1使用状態である場合と第2使用状態である場合とで、液晶表示器504の表示領域504Aの向きが右斜め前方と左斜め前方とで異なることで、遊技機の左側または右側のいずれに配置しても、表示領域504Aを遊技機側、つまり、遊技者側に向けることができる。
【0169】
また、図12(C)(D)に示すようにCU3の第1使用状態及び第2使用状態各々において、液晶表示器504を回転軸531A,531B(傾斜角度調整機構)を中心として回転させることで液晶表示器504の傾斜角度の調整が可能であるため、遊技者が好みの傾斜角度に調整することができる。また、第1使用状態と第2使用状態との切替えについては、装置ユニット515をホルダ510から引き出す必要があるため、管理者である遊技場の店員等のみが操作可能である一方で、傾斜角度調整については、装置ユニット515をホルダ510から引き出す必要がなく、遊技者が操作可能であるため、遊技場の設置仕様や遊技者の好みに合わせて液晶表示器504の状態を切替えることができる。
【0170】
(液晶ユニットの表示例)
図13は、本実施例における液晶ユニット511のタッチパネル式の液晶表示器504に表示される表示画面の一例を示す図である。図13(A)(B)には、遊技機区分・遊技機種別が管理パチンコ機である場合の表示画面(初期画面)の一例を示し、図13(C)には、遊技機区分・遊技機種別が管理スロットマシンである場合の表示画面(初期画面)の一例を示している。
【0171】
図13(A)(B)の表示画面は、管理パチンコ機に対応する表示画面であり、会員カードが挿入されていることや、入金や計数が可能状態であることを示す項目と、500円での単位貸出玉数や、カード残高、持玉、払出可能貯玉数、及び遊技者等が操作することによって遊技者等が選択可能な項目を表示するメニューボタンが表示されている。図13(C)の表示画面は、管理パチンコ機に対応する表示画面であり、会員カードが挿入されていることや、入金や計数が可能状態であることを示す項目と、500円での単位貸出メダル数や、カード残高、持メダル、払出可能貯メダル数、及び遊技者等が操作することによって遊技者等が選択可能な項目を表示するメニューボタンが表示されている。
【0172】
本実施例では、CU制御部323及び液晶ユニット制御部502が、管理遊技機から送信される遊技機設置情報に含まれる遊技機機種情報(特定の遊技機情報)に基づいて、持玉数や貯玉数などの遊技価値に関する情報を、図13に示すように、対応する管理遊技機の種類に応じた態様にて表示可能である。
【0173】
尚、本実施例では、液晶ユニット制御部502は、液晶用ホルダ521内上部に設けられた液晶向き検出スイッチ560Aにより規制用ボス540が検出されることで(図11(A)参照)、液晶表示器504の表示領域504Aが右斜め前方を向く第1回転規制状態であることを特定可能であり、液晶用ホルダ521内下部に設けられた液晶向き検出スイッチ560Bにより規制用ボス540が検出されることで(図11(C)参照)、液晶表示器504の表示領域504Aが左斜め前方を向く第2回転規制状態であることを特定可能である。
【0174】
よって、CU3を第1使用状態に設定して電源をオン状態とした場合、液晶ユニット制御部502は、液晶向き検出スイッチ560Aからの検出信号に基づいて液晶ユニット511が第1回転規制状態であることを特定したことに基づいて、図13(A)に示すような管理パチンコ機2に応じた態様の表示画面を表示したり、CU3を第2使用状態に設定して電源をオン状態とした場合、液晶表示制御部503は、液晶向き検出スイッチ560Bからの検出信号に基づいて液晶ユニット511が第2回転規制状態であることを特定したことに基づいて、図13(C)に示すようなスロットマシンに応じた態様の表示画面を表示可能としたりしてもよい。
【0175】
尚、例えば、液晶ユニット511を電源オン状態で第1回転規制状態から回転規制解除状態として液晶表示器504を180度回転させて上下逆になったときに、図13(B)に示すように表示画像も180度回転した状態となるが、液晶ユニット制御部502は、第2回転規制状態に変更されたと特定したことに基づいて、表示画像をさらに180度回転させることで、図13(C)に示すような表示画像に切替える(表示画像の向きを上下に切替える)ようにしてもよい。
【0176】
また、図13(A)が表示されているときにメニューボタンを選択すると図14(A)に示す画面に切替わり、図13(C)が表示されているときにメニューボタンを選択すると、図14(B)に示す画面に切替わるようになっている。
【0177】
図14(A)(B)には、遊技者のアバター画像や、遊技者等が操作することによって遊技者等が選択可能な項目を表示するメニューボタン、遊技者等が操作することによって液晶表示器504の画面を離席中であることを示す画面に切替える離席ボタン、遊技者等が操作することによってCU3に挿入されているカードの返却をCU3に返却させるための返却ボタン等が表示されている。図14(A)の表示画面と図14(C)の表示画面とでは、それぞれ遊技機の遊技機種に対応する表示がなされている点が特徴である。具体的に説明する。
【0178】
図14(A)の表示画面は、管理パチンコ機に対応する表示画面である。このため、遊技履歴情報として大当り回数、小当り回数、確変回数及びスタート回数が表示され、対応する遊技機のスペック情報として大当り確率が表示されている。また、遊技者の持遊技媒体数として当日持玉数(持玉数)が表示され、遊技者の貯遊技媒体数として貯玉数が表示され、遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体数として遊技玉数が表示されている。そして、これらの遊技媒体数の単位として、遊技媒体のパチンコ玉に対応する「玉」が表示されている。また、貸出遊技を行うためのアイコンとして貸玉アイコンが表示され、持点再プレイ遊技を行うためのアイコンとして払出アイコンが表示され、貯蓄点再プレイ遊技を行うためのアイコンとして再プレイアイコンが表示されている。なお、ここでは、持点再プレイ用のアイコンとして、遊技者が分かり易いように「払出」の文字で示される払出アイコンを表示させているが、これに代えて「持点再プレイ」や「持玉再プレイ」等の文字で示されるアイコンを表示させるようにしてもよい。貯蓄点再プレイ用のアイコンについても同様である。
【0179】
図14(B)の表示画面は、管理スロットマシンに対応する表示画面である。このため、遊技履歴情報としてビッグボーナス回数(BB)、レギュラーボーナス回数(RB)、アシストリプレイタイム回数(ART)、ゲーム数が表示され、対応する遊技機のスペック情報としてBBやRB等のボーナスやARTの合算確率が表示されている。また、遊技者の持遊技媒体数として当日持メダル数(持メダル数)が表示され、遊技者の貯遊技媒体数として貯メダル数が表示され、遊技者が遊技に使用可能な遊技媒体数として遊技メダル数が表示されている。そして、これらの遊技媒体数の単位として、遊技媒体のメダルに対応する「枚」が表示されている。また、貸出遊技を行うためのアイコンとして貸メダルアイコンが表示され、持点再プレイ遊技を行うためのアイコンとして払出アイコンが表示され、貯蓄点再プレイ遊技を行うためのアイコンとして再プレイアイコンが表示されている。
【0180】
なお、図14(A)と同様に、図14(B)においても持点再プレイ用のアイコンとして、遊技者が分かり易いように「払出」の文字で示される払出アイコンを表示させているが、これに代えて「持点再プレイ」や「持メダル再プレイ」等の文字で示されるアイコンを表示させるようにしてもよい。貯蓄点再プレイ用のアイコンについても同様である。
【0181】
また、上記の図14(A)、(B)の表示画面において、例えば最上部の台番号の表示(XXXX番台)の右側には、対応する遊技機の機種名を表示させるようにすることもできる。この場合、CU3から送信されるコマンドと、情報配信サーバ(図示略)から送信されるコンテンツデータとに基づいて、図14(A)の表示画面では対応する管理パチンコ機の機種名を表示させ、図14(B)の表示画面では対応する管理スロットマシンの機種名を表示させるようにすることができる。
【0182】
また、図13(A)や図14(A)の表示画面では、管理パチンコ機に対応させて、当日持玉数(持玉数)や貯玉数、遊技玉数等の玉数及びそれらの単位である「玉」を表示させ、図13(B)や図14(B)の表示画面では、管理スロットマシンに対応させて、当日持メダル数(持メダル数)や貯メダル数、遊技メダル数等のメダル数及びそれらの単位である「枚」を表示させたが、これらの表示に代えて、点数方式の表示として、持点や貯蓄点、遊技点等の点数及びそれらの単位である「点」や「ポイント」を表示させるようにしてもよい。また、上記した情報以外の情報を表示可能としてもよい。
【0183】
(カードユニットの配置例)
図15(A)(B)に示すように、現行遊技機では、パチンコ機にはパチンコ機専用の遊技用装置が用いられ、スロットマシンにはスロットマシン専用の遊技用装置が用いられている。具体的には、現行のパチンコ機02Pには、パチンコ機専用の遊技用装置03Aがパチンコ機02Pの左側に配置され、現行のスロットマシン02Sには、スロットマシン専用の遊技用装置03Bがスロットマシン02Sの右側に配置されるため、現行のカードユニット等の遊技用装置では、対応する遊技機の種別(パチンコ機/スロットマシン)に対応する表示を行うことしかできない。
【0184】
それに対し本実施例では、CU3を図15(C)(C’)に示すように液晶表示器504が左斜め前方に突出する第1使用状態とすることで、管理パチンコ機2の左側に配置した状態でも液晶表示器504の表示領域504Aを遊技者Yが視認可能となり、また、CU3を図15(D)(D’)に示すように液晶表示器504が右斜め前方に突出する第2使用状態に変更することで、管理スロットマシン2Sの右側に配置した状態でも液晶表示器504の表示領域504Aを遊技者Yが視認可能となる。
【0185】
また、CU制御部323は、対応する管理遊技機の種別を登録した上で、図13及び図14に示したような当該種別の管理遊技機に対応する表示画面を液晶ユニット511の液晶表示器504に表示させることができる。このように、液晶表示器504の突出方向を変更することで、CU3を管理遊技機の左側または右側に配置することができるため、異なる種類の遊技機に対してCU3を共通に使用することができる。
【0186】
次に、遊技場に設置される遊技島に管理遊技機と遊技用装置を設置する場合の一例を、図16に基づいて説明する。図16は、(A)は管理スロットマシンとカードユニットを設置した場合、(B)は一部の管理スロットマシンを管理パチンコ機に変更した場合の説明図である。尚、図16では、紙面下側を遊技島の前面側、紙面上側を遊技島の後面側、紙面左右側を遊技島の左右側として説明する。
【0187】
図16(A)に示すように、遊技島600の前面側及び後面側には、管理スロットマシン2Sと、各管理スロットマシン2Sに対応するCU3とが横並びに複数配設されている。CU3は、各管理スロットマシン2Sを正面から見て右側に配置されている。また、遊技島600の内部には、各CU3から送り出される紙幣を搬送する紙幣搬送管601が左右方向に沿って延設されており、紙幣搬送管601によって搬送された紙幣は、遊技島600の左端側に設けられた紙幣回収装置602に回収されるようになっている。
【0188】
遊技島600の前面側及び後面側に管理スロットマシン2Sを配置した場合、遊技島600の前面側と後面側とで管理スロットマシン2S及びCU3が左右にずれて配置されるため、遊技島600の左右端に配置されるCU3から送り出される紙幣を紙幣搬送管601に送出する搬送装置610は、前面側または後面側からの紙幣を紙幣搬送管601へ送出可能な片駆動タイプとされ、その他のCU3から送り出される紙幣を紙幣搬送管601に送り出す搬送装置620は、前面側及び後面側からの紙幣をそれぞれ紙幣搬送管601へ送り出し可能な両駆動タイプとされている。
【0189】
ここで、図16(B)に示すように、遊技島600の後面側に設置された管理スロットマシン2Sの一部(例えば、左側から3台の管理スロットマシン2S)を管理パチンコ機2に変更するとともに、管理パチンコ機2への変更に応じてCU3を管理パチンコ機2の左側に配置変更する場合、各CU3の配置位置の変更に伴って紙幣の送出部(ホルダ側紙幣送出部518A)の位置が変わるため、それに応じて図16(B)において点線で囲まれる領域の搬送装置を搬送装置620とは紙幣の送出部(ホルダ側紙幣送出部518A)の位置等が異なる搬送装置630(両駆動タイプ)に変更する必要が生じることで、改修工数、改修期間、改修コスト等が増大してしまうという問題がある。
【0190】
よって、本実施例のCU3であれば、遊技島600の後面側に設置された管理スロットマシン2Sの一部を管理パチンコ機に変更する場合であっても、第2使用状態として管理パチンコ機の右側に配置して使用することが可能であるため、既存の紙幣の搬送装置を大幅に変更することなく、管理遊技機の変更を容易に行うことが可能となる。また、特に図示しないが、遊技島600に設置された管理パチンコ機2の一部または全部を管理スロットマシン2Sに変更する場合であっても、第1使用状態として管理スロットマシンの左側に配置して使用することが可能であるため、既存の紙幣の搬送装置を大幅に変更することなく、管理遊技機の変更を容易に行うことが可能となる。
【0191】
また、図16(A)では、遊技島600に管理スロットマシン2Sが設置された形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理スロットマシンや管理パチンコ機ではなく現行のスロットマシンやパチンコ機が設置された遊技島において、現行の遊技機や管理遊技機を異なる種類の遊技機に変更する場合についても、本実施例のCU3を共通に使用することができる。
【0192】
また、本実施例のCU3は、液晶表示器504の突出方向を変更することにより遊技機の左側または右側にCU3を配置して使用することができるので、遊技島に設置された図15(A)に示す現行のパチンコ機02Pを図15(C)に示す管理パチンコ機2に変更する場合は、CU3を第1使用状態として管理パチンコ機2の左側に配置でき、遊技島に設置された図15(B)に示す現行のスロットマシン02Sを図15(C)に示す管理スロットマシン2Sに変更する場合は、CU3を第2使用状態として管理スロットマシン2Sの右側に配置できる。よって、パチンコ遊技機で遊技を行う遊技者は従来通り左側でCU3を使用でき、スロットマシンで遊技を行う遊技者は従来通り右側でCU3を使用できるため、遊技者の利便性が損なわれることを防止できる。
【0193】
また、遊技島に設置された遊技機を異なる種類の遊技機に変更する場合でもCU3の配置位置を変更する必要がないため(パチンコ遊技機であればCU3は左側、スロットマシン2SであればCU3は右側)、図16にて説明したように遊技島に設けられた搬送装置を改修することなく既存の搬送装置をそのまま使用できることで、改修工数、改修期間、改修コスト等が増大することがない。
【0194】
(作用効果)
以上説明したように、手段1の遊技用装置は、
遊技機(例えば、管理パチンコ機2や管理スロットマシン2S/現行のパチンコ遊技機やスロットマシンなど)に対応して設けられ、該遊技機での遊技を可能とするための遊技可能化処理(貸出処理、持点再プレイ処理、貯蓄点再プレイ処理、液晶ユニット表示処理等)を実行可能な遊技用装置(例えば、カードユニット3)であって、
異なる種類の遊技機に対して共通に使用可能であるとともに遊技機の種類に応じて異なる遊技可能化処理を実行可能であり、
遊技価値に関する情報(例えば、持玉数や貯玉数やプリペイド残高など)を表示可能な表示手段(例えば、液晶表示器504)を備え、
前記表示手段は、前方における所定方向(例えば、左斜め前方向や右斜め前方向)へ突出して配置され(図3図9参照)、
前記表示手段の突出方向を変更するための変更機構(例えば、回転機構580)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、表示手段の突出方向を変更可能であることで、遊技機の左側または右側に遊技用装置を配置することができるので、異なる種類の遊技機に対して共通に使用することができる。
また、CU3を第1使用状態とすることでパチンコ機の左側に配置でき、第2使用状態とすることでスロットマシン2Sの右側に配置できるので、遊技機に対する遊技用装置の配置位置を変更することなく、異なる種類の遊技機に対して共通に使用することができる。
【0195】
手段2の遊技用装置は、手段1に記載の遊技用装置であって、
前記表示手段(例えば、液晶表示器504)の表示制御が可能な表示制御手段(例えば、CU制御部323や液晶ユニット制御部502など)を備え、
前記表示制御手段は、前記遊技価値に関する情報を対応する遊技機の種類に応じた態様にて表示可能である(例えば、CU制御部323や液晶ユニット制御部502が、図13(A)や図14(A)の表示画面では、管理パチンコ機に対応させて、当日持玉数(持玉数)や貯玉数、遊技玉数等の玉数及びそれらの単位である「玉」を表示させ、図13(B)や図14(B)の表示画面では、管理スロットマシンに対応させて、当日持メダル数(持メダル数)や貯メダル数、遊技メダル数等のメダル数及びそれらの単位である「枚」を表示させる部分など)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機の種類に対応した適切な表示を実現できる。より詳しくは、CU3の配置位置の変更に応じて液晶表示器504の突出方向を変更させるだけでなく、液晶表示器504の回転により表示領域504Aの向きが上下逆になることに応じて向きを変更できる。
【0196】
手段3の遊技用装置は、手段2に記載の遊技用装置であって、
遊技機から送信される特定の遊技機情報に基づいて該遊技機の種類を特定可能な特定手段(例えば、CU制御部323)を備え、
前記表示制御手段は、前記遊技価値に関する情報を前記特定手段が特定した遊技機の種類に応じた態様にて表示可能である(例えば、CU制御部323及び液晶ユニット制御部502が、管理遊技機から送信される遊技機設置情報に含まれる遊技機機種情報(特定の遊技機情報)に基づいて、持玉数や貯玉数などの遊技価値に関する情報を、対応する管理遊技機の種類に応じた態様にて液晶表示器504に表示可能な部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技機の種類に対応した適切な表示を実現できる。
【0197】
手段4の遊技用装置は、手段1~3のいずれかに記載の遊技用装置であって、
前記変更機構(例えば、回転機構580)により、前記表示手段(例えば、液晶表示器504)が前記所定方向に突出する第1使用状態(第1回転規制状態、図12(A)参照)と前記表示手段が前記所定方向とは異なる方向に突出する第2使用状態(第2回転規制状態、図12(B)参照)とに変化可能であり、
前記第1使用状態と前記第2使用状態のいずれであるかを検知可能な検知手段(例えば、液晶向き検出スイッチ560A,560Bなど)と、
前記表示手段の表示制御が可能な表示制御手段(例えば、CU制御部323や液晶ユニット制御部502など)と、
を備え、
前記表示制御手段は、前記検知手段による検知結果に応じて前記表示手段の表示態様を切替え可能である(例えば、CU3を第1使用状態に設定した場合、液晶ユニット制御部502は、液晶向き検出スイッチ560Aからの検出信号に基づいて液晶ユニット511が第1回転規制状態であると特定することで、図13(A)に示すような管理パチンコ機2に応じた態様の表示画面を表示可能な一方で、CU3を第2使用状態に設定した場合、液晶表示制御部503は、液晶向き検出スイッチ560Bからの検出信号に基づいて液晶ユニット511が第2回転規制状態であると特定することで、図13(C)に示すようなスロットマシンに応じた態様の表示画面を表示可能とする部分。また、図13(A)、図13(B)、図13(C)のように表示画像の向きを上下に切替え可能な部分など。変形例)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、表示手段の使用状態に適した表示制御を行うことができる。
【0198】
手段5の遊技用装置は、手段1~4のいずれかに記載の遊技用装置であって、
遊技機から送信される計数情報に基づいて、該遊技機にて遊技を行う遊技者が所有する遊技価値である所有遊技価値を記憶して管理可能な管理手段を備える(例えば、CU制御部323が、管理遊技機から送信される計数玉数(計数情報)に基づいて、該管理遊技機にて遊技を行う遊技者が所有する遊技価値である所有遊技価値(持玉数や貯玉数)を記憶して管理可能である部分など)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、所有遊技価値を適切に管理することができる。
【0199】
手段6の遊技用装置は、手段1~5のいずれかに記載の遊技用装置であって、
前記変更機構(例えば、回転機構580)により、前記表示手段(例えば、液晶表示器504)が前記所定方向に突出する第1使用状態(第1回転規制状態、図12(A)参照)と前記表示手段が前記所定方向とは異なる方向に突出する第2使用状態(第2回転規制状態、図12(B)参照)とに変化可能であり、
前記第1使用状態及び前記第2使用状態各々において前記表示手段の傾斜角度の調整を可能とする傾斜角度調整機構(例えば、回転軸531A,531B)をさらに備え、
前記第1使用状態と前記第2使用状態との切替えについては遊技者以外の管理者のみが操作可能であり、
前記傾斜角度調整機構による傾斜角度調整については遊技者が操作可能である(例えば、第1使用状態と第2使用状態との切替えについては遊技者以外の管理者である遊技場の店員等のみが操作可能である一方で、傾斜角度調整については遊技者が操作可能である部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技場の設置仕様や遊技者の好みに合わせて表示手段の状態を切替えることができる。
【0200】
手段7の遊技用装置は、手段1~6のいずれかに記載の遊技用装置であって、
前記変更機構(例えば、回転機構580)により、前記表示手段(例えば、液晶表示器504)が前記所定方向に突出する第1使用状態(第1回転規制状態、図12(A)参照)と前記表示手段が前記所定方向とは異なる方向に突出する第2使用状態(第2回転規制状態、図12(B)参照)とに変化可能であり、
前記表示手段の表示領域は、前記第1使用状態と前記第2使用状態のいずれにおいても対応する遊技機側に向けて傾斜する(図15(C)(C’)(D)(D’)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1使用状態及び第2使用状態各々に対応する表示領域を別個に設けることなく、一の表示領域を共通に使用することができる。
詳しくは、遊技機に対するCU3の配置位置に応じて表示領域504Aの向きを遊技機側に傾斜させるだけで済むため、遊技機の左側に配置するときと右側に配置するときとで別個の液晶表示器を用いる必要がない。
【0201】
手段8の遊技用装置は、手段1~7のいずれかに記載の遊技用装置であって、
前記変更機構(例えば、回転機構580)により、前記表示手段(例えば、液晶表示器504)が前記所定方向に突出する第1使用状態(第1回転規制状態、図12(A)参照)と前記表示手段が前記所定方向とは異なる方向に突出する第2使用状態(第2回転規制状態、図12(B)参照)とに変化可能であり、
前記第1使用状態においては、前記表示手段の前辺が前記遊技用装置の本体よりも左側に突出し(図12(A)(C)参照)、
前記第2使用状態においては、前記表示手段の前辺が前記遊技用装置の本体よりも右側に突出する(図12(B)(D)参照)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、遊技用装置を遊技機の左側または右側に配置しても、表示手段を遊技機と干渉しない方向に突出させることができるため、表示手段を大型化できる。
【0202】
手段9の遊技用装置は、手段1~8のいずれかに記載の遊技用装置であって、
外部情報(遊技機から送信される特定情報、管理装置から送信される特定情報等)に基づいて、対応する遊技機の種類(管理パチンコ機/管理スロットマシン/他の管理遊技機等)を登録可能な登録手段(CU制御部323等)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、対応する遊技機の種類を適切に登録することができる。
【0203】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0204】
次に、本発明の変形例について、図17及び図18に基づいて説明する。図17は、本発明の変形例1としての液晶ユニットの要部を示す概略説明図である。図18は、本発明の変形例2としての液晶ユニットの要部を示す概略説明図である。
【0205】
(変形例1)
前記実施例では、液晶表示器504は化粧パネル511Aに対し回転軸531A,531Bを介して回転可能に支持されることで、表示領域504Aの角度調整が可能とされた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図17(A)(B)に示すように、液晶表示器504は、化粧パネル511Aに対し前方における所定方向へ突出した状態で固定されていてもよい。このような場合でも、前記実施例のように化粧パネル511Aを回転軸532を中心として回転させることで、第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更することが可能である。
【0206】
(変形例2)
前記実施例では、液晶表示器504は、前後方向を向く回転軸532を中心として回転させることで、第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、上下方向を向く回転軸を中心として回転させることで、第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能としてもよい。
【0207】
具体的に説明すると、図17(A)に示すように、変形例2としての変更機構は、化粧パネル511Aに対し後方位置と前方位置との間で前後移動可能に挿通された支持部材570と、支持部材570に対し液晶表示器504を回転可能に支持する上下方向を向く回転軸571と、支持部材570が後方位置に位置しているときに前方移動を規制する規制用ソレノイド572と、化粧パネル511Aにおける左右側に形成されたネジ孔574L,574Rに選択的に螺入可能な回転規制部材573と、から主に構成されている。
【0208】
図17(A)に示す第1使用状態(第1回転規制状態)では、液晶表示器504が左斜め前方に突出した状態で、支持部材570が後方位置にて規制用ソレノイド572により前方移動が規制されるとともに、回転規制部材573が左側のネジ孔574Lに螺入されることで、液晶表示器504の左側が回転規制部材573に当接するとともに、右端が化粧パネル511Aに当接することで、回転軸571を中心とする回転が規制されている。
【0209】
第2使用状態に変更する場合は、図17(B)に示すように、遊技場の店員等が所有するリモコンなどを用いた特定操作により規制用ソレノイド572をオン状態として規制を解除することで、支持部材570を前方位置へ移動させて、回転規制部材573を左側のネジ孔574Lから抜き出して回転規制解除状態とする。
【0210】
次いで、図17(C)に示すように、回転軸571を中心として液晶表示器504を平面視時計回りに回転させて液晶表示器504が右斜め前方に突出した状態とし、回転規制部材573を右側のネジ孔574Rに螺入した後、支持部材570を前方位置から後方位置へ押し込むことで、規制用ソレノイド572により支持部材570の後方位置からの前方への移動が規制される。ここで、液晶表示器504の右側が回転規制部材573に当接するとともに、左端が化粧パネル511Aに当接することで、回転軸571を中心とする回転が規制され、第2使用状態(第2回転規制状態)に変更される。
【0211】
また、前記実施例では、CU3は、第1使用状態や第2使用状態において、正面から見て液晶表示器504における少なくとも前辺504FがCU3の前面である化粧パネル511Aよりも側方に突出する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1使用状態や第2使用状態において、正面から見て液晶表示器504がCU3の前面である化粧パネル511Aの左右幅の範囲に収まるように配置されるものであってもよい。
【0212】
(変形および応用に関する説明)
また、前記実施例及び変形例1,2では、液晶表示器504の突出方向を変更するための変更機構の一例として、回転軸を中心として液晶表示器504を回転することにより突出方向を変更可能な回転機構580を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶表示器504を回転以外の動作(例えば、スライド動作など)させることにより突出方向を変更可能な変更機構等も適用可能である。
【0213】
また、前記実施例では、液晶ユニット511の前パネル522に対し化粧パネル511A及び液晶表示器504のみを回転させることにより第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶ユニット511に対し液晶表示器504のみを回転させることにより第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能としてもよいし、液晶ユニット511を取付板516から取外し可能とし、液晶ユニット511自体を上下に回転させることで第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能としてもよい。
【0214】
また、前記実施例では、液晶ユニット511を第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更する場合、化粧パネル511Aが上下の化粧パネル512A,513Aに接触しないように、液晶ユニット511の前パネル522に対し化粧パネル511A及び液晶表示器504を前方位置まで引き出すことにより回転可能(回転規制解除状態)となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、液晶ユニット511の前パネル522に対し化粧パネル511A及び液晶表示器504を前方位置まで引き出すことなく、後方位置において回転可能となるようにしてもよい。
【0215】
また、前記実施例では、装置ユニット515をホルダ510から手前側に引き出すことで、液晶ユニット511が第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、装置ユニット515をホルダ510から手前側に引き出すことなく、装置ユニット515をホルダ510に装着したまま特定操作を行うことで、液晶ユニット511が第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能となるようにしてもよい。
【0216】
また、前記実施例では、装置ユニット515をホルダ510から手前側に引き出すことで、ボス535A,535Bの押圧操作が可能となって回転規制解除状態とすることが可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技場の店員等が所有するリモコンやキー等を用いた特定操作を行うことで、第1回転規制状態や第2回転規制状態から回転規制解除状態とすることができるようにしてもよいし、装置ユニット515をホルダ510から手前側に引き出すことで第1回転規制状態や第2回転規制状態から回転規制解除状態に変更されるようにしてもよい。
【0217】
また、前記実施例では、遊技場の店員等が所有するリモコンやキー等を用いた特定操作を行うことで、液晶ユニット511が第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能となる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、上記特定操作を行うことなく液晶ユニット511が第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能となるようにしてもよい。
【0218】
また、前記実施例では、液晶表示器504は、化粧パネル511Aに対し回転軸531A,531Bを介して角度調整可能であるが、上下方向に位置調整不能に設けられた形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、対応する遊技機の種類や遊技者の好みに応じて、液晶表示器504の上下位置を変更可能(上下位置調整可能)としてもよい。この場合、上記したように液晶ユニット511を第1回転規制状態と第2回転規制状態とに変更可能な状態において上下位置調整が可能となる、つまり、遊技場側が遊技機の種類に応じて上下位置調整できるようにしてもよいし、遊技者による上下位置調整が可能となるようにしてもよいし、遊技場と遊技者双方の操作が可能となるようにしてもよい。
【0219】
また、前記実施例では、遊技機の種類に応じてカードユニット3を左側や右側に配置する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、遊技機の種類に関係なく、図16にて説明したように遊技島に設置された紙幣搬送装置における紙幣の送出部の位置に応じてカードユニット3の配置位置を変更するようにしてもよい。つまり、パチンコ遊技機の右側やスロットマシンの左側にCU3を設置するようにしてもよい。
【0220】
また、前記実施例では、CU制御部323及び液晶ユニット制御部502が、管理遊技機から送信される遊技機設置情報に含まれる遊技機機種情報(特定の遊技機情報)に基づいて、持玉数や貯玉数などの遊技価値に関する情報を、対応する管理遊技機の種類に応じた態様にて表示可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技場の店員による操作や、外部管理装置からの外部信号の入力などによって、機種に応じて複数のCU3における液晶表示器504の表示内容を一括で変更可能としてもよい。
【0221】
また、前記実施例では、遊技用装置の一例であるカードユニット3を管理パチンコ機2や管理スロットマシン2Sに対応して設置可能な形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、現行のパチンコ遊技機やスロットマシンに対応したCR通信用の遊技用装置や各台計数機能を有する遊技用装置として本発明の遊技用装置(CU3)を設置可能としてもよい。さらに、遊技が可能な遊技機とは少なくとも遊技を行うものであれば良く、パチンコ遊技機やスロットマシンに限らず、一般ゲーム機等であっても良い。
【符号の説明】
【0222】
2 P台
3 CU
161 主制御部
171 払出制御部
323 CU制御部
504 液晶表示器
511 液晶ユニット
580 回転機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
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