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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】決定装置、決定方法及び決定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0639 20230101AFI20230718BHJP
【FI】
G06Q10/0639
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019052358
(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公開番号】P2020154691
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2020-12-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】永田 美晴
(72)【発明者】
【氏名】金広 憲二
(72)【発明者】
【氏名】岩▲瀬▼張 太士
(72)【発明者】
【氏名】坪内 孝太
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-082839(JP,A)
【文献】舟橋 孝之,CRM実践講座 第43回,I.M.press Vol.92 ,株式会社アイ・エム・プレス,2003年12月25日,第92巻,p.48-51
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声が入力された場合に、当該音声の発話を行った利用者が有していた感情を出力するように学習が行われたモデルを用いて、処遇の決定対象となる利用者の音声と、当該利用者の同僚である複数の他の利用者の音声とから、当該利用者と、当該他の利用者との職務における感情であって、当該利用者と当該他の利用者との接触前の感情と接触後の感情とをそれぞれ推定する推定部と、
前記推定部により推定された前記利用者の前記接触後の感情が、前記接触前の感情よりも否定的になったか否かと、前記他の利用者の前記接触後の感情が、前記接触前の感情よりも肯定的になったか否かとに基づいて、前記利用者の職務における負荷を推定し、前記利用者の負荷に基づいて、前記利用者に対する処遇を決定する決定部と
を有することを特徴とする決定装置。
【請求項2】
決定装置が実行する決定方法であって、
音声が入力された場合に、当該音声の発話を行った利用者が有していた感情を出力するように学習が行われたモデルを用いて、処遇の決定対象となる利用者の音声と、当該利用者の同僚である複数の他の利用者の音声とから、当該利用者と、当該他の利用者との職務における感情であって、当該利用者と当該他の利用者との接触前の感情と接触後の感情とをそれぞれ推定する推定工程と、
前記推定工程により推定された前記利用者の前記接触後の感情が、前記接触前の感情よりも否定的になったか否かと、前記他の利用者の前記接触後の感情が、前記接触前の感情よりも肯定的になったか否かとに基づいて、前記利用者の職務における負荷を推定し、前記利用者の負荷に基づいて、前記利用者に対する処遇を決定する決定工程と
を含むことを特徴とする決定方法。
【請求項3】
音声が入力された場合に、当該音声の発話を行った利用者が有していた感情を出力するように学習が行われたモデルを用いて、処遇の決定対象となる利用者の音声と、当該利用者の同僚である複数の他の利用者の音声とから、当該利用者と、当該他の利用者との職務における感情であって、当該利用者と当該他の利用者との接触前の感情と接触後の感情とをそれぞれ推定する推定手順と、
前記推定手順により推定された前記利用者の前記接触後の感情が、前記接触前の感情よりも否定的になったか否かと、前記他の利用者の前記接触後の感情が、前記接触前の感情よりも肯定的になったか否かとに基づいて、前記利用者の職務における負荷を推定し、前記利用者の負荷に基づいて、前記利用者に対する処遇を決定する決定手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする決定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決定装置、決定方法及び決定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者の感情を推定する推定技術が知られている。このような技術の一例として、利用者の感情を推定し、推定した感情に応じて利用者に提供する音声の変換を行ったり、推定した感情に応じた情報を利用者と対話するオペレータに提供する技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6073649号公報
【文献】特開2004-252668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したような従来技術においては、推定した感情に応じた情報提供を行っているに過ぎず、利用者に対する適切な処遇を決定する発明については提案がなされていなかった。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に対する適切な処遇を決定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る決定装置は、処遇の決定対象となる利用者の感情を推定する推定部と、前記推定部により推定した感情に基づいて、前記利用者に対する処遇を決定する決定部とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者に対する適切な処遇を決定することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。
図2図2は、実施形態に係る決定システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る決定装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る処遇条件記憶部の一例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、決定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、決定方法及び決定プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.実施形態〕
図1を用いて、本実施形態の決定装置等により実現される決定処理を説明する。図1は、実施形態に係る決定処理の一例を示す図である。図1に示す例において、決定システム1は、決定装置100、オペレータ端末10、顧客端末20及びオペレータ管理サーバ30を有する。決定装置100と、オペレータ端末10と、顧客端末20と、オペレータ管理サーバ30とは、図示しない所定の通信網を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、図1に示す決定システム1は、複数台の決定装置100や、複数台のオペレータ端末10、複数台の顧客端末20、複数台のオペレータ管理サーバ30が含まれてもよい。
【0011】
図1に示す決定装置100は、利用者(オペレータ)の処遇を管理するサーバ装置である。また、決定装置100は、オペレータ、並びに、オペレータが対応した顧客の音声や、生体情報を取得する。そして、決定装置100は、取得した情報に基づいて推定したオペレータの感情や、顧客の感情に応じて決定される処遇をオペレータ管理サーバ30に送信する。
【0012】
なお、図1に示すように決定装置100は、顧客対応時におけるオペレータへの負荷の度合いを示す負荷スコア、並びに、職務に対するオペレータの貢献の度合いを示す処遇スコアを、オペレータの感情や顧客の感情に基づく条件と対応付け、処遇条件記憶部121において管理する。
【0013】
なお、本実施形態における「処遇」とは、給与、ボーナス、各種ポイントや物品若しくは役務の提供といったオペレータ(処遇の決定対象となる利用者)に対する利益の提供のみならず、オペレータとしてのランクの改善や昇進等といった直接的な利益の提供を伴わないものを含む概念である。
【0014】
図1に示すオペレータ端末10は、自身の職務において顧客対応を行う利用者(オペレータ)によって利用される情報処理装置である。例えば、オペレータ端末10は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。なお、図1に示す例において、オペレータ端末10は、オペレータによって利用されるデスクトップ型PCである場合を示す。
【0015】
また、オペレータ端末10は、オペレータの音声(以下、「オペレータ音声」と記載する場合がある)や、生体情報等のオペレータに関する各種情報を決定装置100に送信する。例えば、オペレータ端末10は、オペレータ端末10の集音部(例えば、マイク等)等が検知したオペレータ音声を決定装置100に送信する。また、例えば、オペレータ端末10は、オペレータ端末10と通信可能なウェアラブルデバイスをオペレータが身に付けることで取得したオペレータ音声や、生体情報(例えば、オペレータの心拍(脈拍)や、脳波、発汗量等)を決定装置100に送信する。
【0016】
図1に示す顧客端末20は、顧客によって利用される情報処理装置である。例えば、顧客端末20は、デスクトップ型PCや、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA等である。なお、図1に示す例において、顧客端末20は、顧客によって利用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスである場合を示す。
【0017】
また、顧客端末20は、顧客の音声(以下、「顧客音声」と記載する場合がある)や、生体情報等の顧客に関する各種情報を決定装置100に送信する。例えば、顧客端末20は、顧客端末20の集音部等が検知した顧客音声を決定装置100に送信する。また、例えば、顧客端末20は、顧客端末20と通信可能なウェアラブルデバイスを顧客が身に付けることで取得した顧客音声や、生体情報を決定装置100に送信する。
【0018】
図1に示すオペレータ管理サーバ30は、オペレータに関する情報を管理するサーバ装置である。オペレータ管理サーバ30は、オペレータの処遇に関する情報を決定装置100から受け付け、オペレータに提供する。
【0019】
以下、図1を用いて、決定装置100が行う決定処理について説明する。なお、以下の説明では、オペレータ端末10がオペレータU1の職務において利用される例を示す。また、以下の説明において、顧客端末20が顧客C1により利用される例を示す。
【0020】
まず、オペレータU1及び顧客C1は、電話応答を行う(ステップS11)。なお、図1の例において、オペレータU1は、電話にて顧客C1からの問い合せや、苦情等に対する対応(以下、「顧客対応」と記載する場合がある)を行ったものとする。
【0021】
続いて、決定装置100は、オペレータ音声や、生体情報を取得する(ステップS12)。例えば、図1の例において、決定装置100は、ステップS11の電話応答時におけるオペレータU1の音声や、生体情報をオペレータ端末10から取得する。
【0022】
なお、決定装置100は、電話応答時(顧客対応時)におけるオペレータU1のオペレータ端末10に対する操作に関する操作情報(例えば、スクロール速度、選択操作(クリック)が行われた回数、など)、行動情報(例えば、検索ログ)を取得してもよい。また、決定装置100は、さらにステップS11の電話応答を行う前と、行った後におけるオペレータ音声、生体情報及び操作情報を取得してもよい。
【0023】
続いて、決定装置100は、顧客音声を取得する(ステップS13)。例えば、図1の例において、決定装置100は、ステップS11の電話応答時における顧客C1の音声を顧客端末20から取得する。
【0024】
なお、決定装置100は、顧客C1の生体情報や、行動情報をさらに取得してもよい。また、決定装置100は、顧客C1の音声をオペレータ端末10から取得してもよい。
【0025】
続いて、決定装置100は、顧客対応時におけるオペレータU1の感情(以下、「オペレータ感情」と記載する場合がある)を推定する(ステップS14)。例えば、図1の例において、決定装置100は、音声及び生体情報と、感情との間の関係性を学習したモデルを用いて、オペレータ音声及び生体情報から、顧客対応時におけるオペレータU1の感情を推定する。例えば、図1の例において、決定装置100は、顧客対応を行う前と、顧客対応中と、顧客対応を行った後におけるオペレータU1の感情を推定する。
【0026】
なお、決定装置100は、音声と感情との間の関係性を学習したモデルを用いて、オペレータ音声から、顧客対応時におけるオペレータU1の感情を推定してもよい。
【0027】
続いて、決定装置100は、顧客対応時における顧客C1の感情(以下、「顧客感情」と記載する場合がある)を推定する(ステップS15)。例えば、図1の例において、決定装置100は、音声と感情との間の関係性を学習したモデルを用いて、顧客音声から、顧客対応時における顧客C1の感情を推定する。例えば、図1の例において、決定装置100は、顧客対応を行う前と、顧客対応中と、顧客対応を行った後における顧客C1の感情を推定する。
【0028】
なお、決定装置100は、利用者の感情と、当該感情と因果関係を有する利用者の音声との間の関係性を学習したモデル(例えば、MIL(Multiple Instance Learning)の技術を用いて学習したモデル)を用いて、取得したオペレータ音声及び顧客音声に基づき、顧客対応時のオペレータU1及び顧客C1の感情を推定してもよい。例えば、決定装置100は、電話応答等における、利用者の発話のトーン(音の調子)や、言葉遣い、発話の速さ、などといった情報を含む利用者の時系列順の発話と、その発話を行う前、発話中、若しくは発話後に利用者が有していたと推定される感情との間の関係性を学習したモデルを用いてもよい。なお、このようなモデルは、例えば、利用者の生体情報等から推定された感情と、利用者の一連の発話(例えば、電話応答等において利用者が発した一連の発話)との間の関係性をMILの技術を用いて学習することで実現され、利用者の一連の発話が入力された場合に、その発話を行う前、発話中、若しくは発話後等、一連の発話と何かしらの因果関係を有すると推定される感情を出力することとなる。すなわち、このようなモデルは、感情と一連の発話とを学習データとし、MILの技術を用いた学習を行うことで、入力された一連の発話の全体若しくは一部と因果関係を有する(何かしらの関連性を有する)感情を示す情報を出力するように学習が行われることとなる。
【0029】
また、決定装置100は、オペレータU1及び顧客C1の生体情報及び行動情報を取得した場合、生体情報や行動情報等と、感情との間の関係性を学習したモデルを用いて、行動情報や生体情報等からオペレータU1及び顧客C1の感情を推定してもよい。また、決定装置100は、オペレータU1や顧客C1により入力された、オペレータU1や顧客C1の感情を示す情報を、オペレータ端末10や顧客端末20から取得してもよい。
【0030】
続いて、決定装置100は、オペレータ感情や顧客感情から、オペレータU1の職務における負荷を推定し、推定した負荷に応じた処遇を決定する(ステップS16)。例えば、図1の例において、決定装置100は、処遇条件記憶部121を参照し、推定したオペレータ感情や顧客感情に基づいてオペレータU1に対して負荷スコア及び処遇スコアを付与する。
【0031】
例えば、図1の例において、顧客対応を行った後のオペレータU1の感情が、顧客対応を行う前よりも否定的な感情となった場合(「オペレータ感情悪化)や、顧客対応を行う前若しくは顧客対応中の顧客C1の感情が否定的である場合(「顧客感情が否定的」)、顧客対応を行う前に否定的であった顧客C1の感情が顧客対応を行った後に肯定的となった場合(「顧客感情が改善」)、決定装置100は、顧客C1への顧客対応時に、オペレータU1への負荷、並びに、オペレータU1の職務への貢献があったとして、正の値の負荷スコア及び処遇スコアをオペレータU1に付与する。
【0032】
また、図1の例において、オペレータU1の感情が顧客対応を行った後に肯定的(オペレータU1が職務を楽しんでいる状況)であり、顧客C1の感情が顧客対応を行った後に肯定的となった場合(「オペレータ感情改善且つ顧客感情改善」)、決定装置100は、顧客C1への顧客対応時に、オペレータU1への負荷が無くとも、オペレータU1の職務への貢献があったとして、負の値の負荷スコア及び正の値の処遇スコアをオペレータU1に付与する。一方で、オペレータU1が職務を楽しんでいる状況であっても、顧客C1の感情が顧客対応を行った後に否定的となった場合(「オペレータ感情改善且つ顧客感情悪化」)、決定装置100は、顧客C1への顧客対応時に、オペレータU1への負荷が無く、オペレータU1の職務への貢献も無いとして、負の値の負荷スコア及び処遇スコアをオペレータU1に付与する。
【0033】
そして、図1の例において、決定装置100は、オペレータU1へ付与した負荷スコア及び処遇スコアに基づいて、オペレータU1への処遇を決定する。例えば、負荷スコアが所定の閾値以上となった場合、決定装置100は、所定のインセンティブの付与や、オペレータU1の管理者等への注意喚起などといった処遇を決定する。また、処遇スコアが所定の閾値以上となった場合、決定装置100は、所定のインセンティブの付与や、役職の変更などといった処遇を決定する。
【0034】
続いて、決定装置100は、決定したオペレータU1への処遇に関する情報をオペレータ管理サーバ30に送信する(ステップS17)。続いて、オペレータ管理サーバ30は、オペレータU1への処遇に関する情報を提供する(ステップS18)。例えば、図1の例において、決定装置100は、オペレータ端末10や、オペレータU1の管理者等が利用する端末装置等にオペレータU1への処遇に関する情報を送信する。
【0035】
以上のように、実施形態に係る決定装置100は、顧客対応時におけるオペレータや顧客の感情を推定する。これにより、実施形態に係る決定装置100は、例えば、オペレータの精神的な負担や、顧客の感情の変化に応じたオペレータの職務への貢献に基づいて、オペレータへの処遇を決定することができる。すなわち、実施形態に係る決定装置100は、利用者(オペレータ)に対する適切な処遇を決定することができる。
【0036】
〔2.選択システムの構成〕
次に、上述した情報処理を実現するための決定システム1について図2を用いて説明する。図2は、実施形態に係る決定システムの構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る決定システム1は、決定装置100と、オペレータ端末10と、顧客端末20と、オペレータ管理サーバ30とを含む。決定装置100、オペレータ端末10、顧客端末20及びオペレータ管理サーバ30は、ネットワークNを介して有線または無線により相互に通信可能に接続される。なお、ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、電話網(携帯電話網、固定電話網等)、地域IP(Internet Protocol)網、インターネット等の通信ネットワークである。ネットワークNには、有線ネットワークが含まれていてもよいし、無線ネットワークが含まれていてもよい。また、図2に示す決定システム1には、複数台の決定装置100や、複数台のオペレータ端末10、複数台の顧客端末20、複数台のオペレータ管理サーバ30が含まれてもよい。
【0037】
決定装置100は、利用者(オペレータ)の処遇を管理するサーバ装置である。なお、決定装置100は、アプリケーションのデータそのものを配信するサーバであってもよい。また、決定装置100は、オペレータ端末10、顧客端末20及びオペレータ管理サーバ30に制御情報を配信する配信装置として機能してもよい。ここで、制御情報は、例えば、JavaScript(登録商標)等のスクリプト言語やCSS(Cascading Style Sheets)等のスタイルシート言語により記述される。なお、決定装置100から配信されるコンテンツに関するアプリケーションそのものを制御情報とみなしてもよい。決定装置100の構成は後述する。
【0038】
オペレータ端末10は、自身の職務において顧客対応を行う利用者(オペレータ)によって利用される情報処理装置である。オペレータ端末10は、決定装置100によって提供されるコンテンツを、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。また、オペレータ端末10は、決定装置100によって提供されるコンテンツの表示処理を実現する制御情報を決定装置100から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。オペレータ端末10は、オペレータ音声や、生体情報等のオペレータに関する各種情報を決定装置100に送信する。例えば、オペレータ端末10は、オペレータ端末10の集音部(例えば、マイク等)等が検知したオペレータ音声を決定装置100に送信する。また、例えば、オペレータ端末10は、オペレータ端末10と通信可能なウェアラブルデバイスをオペレータが身に付けることで取得したオペレータ音声や、生体情報を決定装置100に送信する。
【0039】
顧客端末20は、顧客によって利用される情報処理装置である。顧客端末20は、決定装置100によって提供されるコンテンツを、ウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。また、顧客端末20は、決定装置100によって提供されるコンテンツの表示処理を実現する制御情報を決定装置100から受け取った場合には、制御情報に従って表示処理を実現する。顧客端末20は、顧客音声や、生体情報等の顧客に関する各種情報を決定装置100に送信する。例えば、顧客端末20は、顧客端末20の集音部等が検知した顧客音声を決定装置100に送信する。また、例えば、顧客端末20は、顧客端末20と通信可能なウェアラブルデバイスを顧客が身に付けることで取得した顧客音声や、生体情報を決定装置100に送信する。
【0040】
オペレータ管理サーバ30は、オペレータに関する情報を管理するサーバ装置である。オペレータ管理サーバ30は、オペレータの処遇に関する情報を決定装置100から受け付け、オペレータに提供する。
【0041】
〔3.提供装置の構成〕
次に、図3を用いて、決定装置100の構成について説明する。図3は、実施形態に係る決定装置の構成例を示す図である。図3に示すように、決定装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0042】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続され、オペレータ端末10、顧客端末20及びオペレータ管理サーバ30等との間で情報の送受信を行う。
【0043】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図3に示すように、記憶部120は、処遇条件記憶部121と、モデル記憶部122を有する。
【0044】
(処遇条件記憶部121について)
処遇条件記憶部121は、顧客対応時におけるオペレータへの負荷の度合いを示す負荷スコア、並びに、職務に対するオペレータの貢献の度合いを示す処遇スコアを、オペレータの感情や顧客の感情に基づく条件と対応付けて管理する。ここで、図4を用いて、処遇条件記憶部121が記憶する情報の一例を説明する。図4は、実施形態に係る処遇条件記憶部の一例を示す図である。図4の例では、処遇条件記憶部121は、「処遇条件」、「負荷スコア」、「処遇スコア」といった項目を有する。
【0045】
「処遇条件」は、「負荷スコア」及び「処遇スコア」を付与する際の、オペレータ感情や顧客感情に基づく条件を示す。「負荷スコア」は、顧客対応時におけるオペレータへの負荷の度合いを示す。例えば、「負荷スコア」が正の値である場合、値に応じたオペレータへの負荷があったことを示す。また、「負荷スコア」が負の値である場合、値に応じてオペレータの感情が改善されたことを示す。
【0046】
「処遇スコア」は、職務に対するオペレータの貢献の度合いを示す。例えば、「処遇スコア」が正の値である場合、値に応じて、オペレータの職務に対する貢献があったことを示す。また、「処遇スコア」が負の値である場合、値に応じて、オペレータの職務に対する損失があったことを示す。
【0047】
すなわち、図4では、処遇条件「オペレータ感情悪化」が満たされた場合、オペレータに対し負荷スコア「+5」及び処遇スコア「+10」が付与される例を示す。
【0048】
(モデル記憶部122について)
モデル記憶部122は、オペレータの音声や生体情報、操作情報等から、顧客対応時におけるオペレータの感情を推定するためのモデルを記憶する。また、モデル記憶部122は、顧客の音声や生体情報等から、顧客対応時における顧客の感情を推定するためのモデルを記憶する。
【0049】
(制御部130について)
制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、決定装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。実施形態に係る制御部130は、図3に示すように、取得部131と、推定部132と、決定部133とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0050】
(取得部131について)
取得部131は、利用者に関する情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者の音声や生体情報等の利用者に関する各種情報を取得する。例えば、図1の例において、取得部131は、顧客C1との電話応答時におけるオペレータU1の音声や、生体情報をオペレータ端末10から取得する。
【0051】
なお、取得部131は、利用者の操作情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、顧客C1との電話応答時におけるオペレータU1のオペレータ端末10に対する操作に関する操作情報(例えば、スクロール速度、選択操作(クリック)が行われた回数、など)を取得する。また、図1の例において、取得部131は、顧客との電話応答を行う前と、行った後におけるオペレータ音声、生体情報及び操作情報を取得してもよい。
【0052】
また、取得部131は、他の利用者に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、利用者が職務において対応した他の利用者の音声や生体情報等の各種情報を取得する。例えば、図1の例において、取得部131は、オペレータU1との電話応答時における顧客C1の音声を顧客端末20から取得する。なお、取得部131は、顧客C1の音声をオペレータ端末10から取得してもよい。
【0053】
また、取得部131は、利用者と所定の関連性を有する複数の他の利用者に関する情報を取得してもよい。例えば、取得部131は、利用者と同じ職場で働く同僚の音声や、生体情報、操作情報等の各種情報を取得する。
【0054】
(推定部132について)
推定部132は、処遇の決定対象となる利用者の感情を推定する。例えば、推定部132は、取得部131により取得した情報に基づいて、利用者の感情を推定する。例えば、図1の例において、推定部132は、取得部131が取得したオペレータU1の情報と、モデル記憶部122に記憶されたモデルとに基づいて、処遇の決定対象となるオペレータU1の感情を推定する。
【0055】
また、推定部132は、利用者が職務において有した感情を推定してもよい。例えば、図1の例において、推定部132は、顧客対応においてオペレータU1が有した感情を推定する。
【0056】
また、推定部132は、利用者が職務において他の利用者の対応を行った際に有した感情を推定してもよい。例えば、図1の例において、推定部132は、顧客C1との顧客対応時においてオペレータU1が有した感情を推定する。
【0057】
また、推定部132は、さらに、利用者が職務において対応した他の利用者の感情を推定してもよい。例えば、取得部131は、取得部により取得した情報に基づいて、他の利用者の感情を推定する。例えば、図1の例において、推定部132は、取得部131が取得した顧客C1の情報と、モデル記憶部122に記憶されたモデルとに基づいて、オペレータU1が顧客対応を行った顧客C1の感情を推定する。
【0058】
また、推定部132は、さらに、利用者と所定の関連性を有する複数の他の利用者の感情をそれぞれ推定してもよい。例えば、図1の例において、推定部132は、オペレータU1と同じ職場で働く同僚の感情を推定する。
【0059】
(決定部133について)
決定部133は、推定部132により推定した感情に基づいて、利用者に対する処遇を決定する。例えば、図1の例において、決定部133は、処遇条件記憶部121を参照し、推定したオペレータ感情や顧客感情に基づいてオペレータU1に対して負荷スコア及び処遇スコアを付与する。そして、決定部133は、オペレータU1へ付与した負荷スコア及び処遇スコアに基づいてオペレータU1への処遇を決定し、処遇に関する情報をオペレータ管理サーバ30に送信する。
【0060】
また、決定部133は、処遇として、利用者に対して提供される利益の額を決定してもよい。例えば、図1の例において、決定部133は、オペレータU1へ付与した負荷スコア及び処遇スコアに基づいて、オペレータU1に提供される給与や、ボーナス、各種ポイント等の額を決定する。
【0061】
また、決定部133は、処遇として、利用者の役職を決定してもよい。例えば、図1の例において、決定部133は、オペレータU1へ付与した負荷スコア及び処遇スコアに基づいて、オペレータU1のランクの改善や昇進等を決定する。
【0062】
また、決定部133は、職務における利用者の処遇を決定してもよい。例えば、図1の例において、決定部133は、オペレータ業務におけるオペレータU1の処遇を決定する。
【0063】
また、決定部133は、利用者が他の利用者の対応を行う前の感情と、当該他の利用者の対応を行った後の感情とが所定の条件を満たすか否かに基づいて、利用者に対する処遇を決定してもよい。例えば、図1の例において、決定部133は、処遇条件記憶部121を参照し、顧客対応を行う前のオペレータU1の感情、並びに、顧客対応を行った後のオペレータU1の感情に対応する負荷スコア及び処遇スコアをオペレータU1に付与する。
【0064】
また、決定部133は、利用者が他の利用者の対応を行う前の感情より、当該他の利用者の対応を行った後の感情が否定的な感情である場合は、利用者に対する処遇として、当該利用者に対して所定のインセンティブを付与することを決定してもよい。例えば、図1の例において、顧客対応を行った後のオペレータU1の感情が、顧客対応を行う前よりも否定的な感情となった場合、オペレータU1への負荷、並びに、オペレータU1の職務への貢献があったとして、オペレータU1に対して所定のインセンティブを付与することを決定する。
【0065】
また、決定部133は、利用者が他の利用者の対応を行った際の感情と、他の利用者の感情とに基づいて、利用者に対する処遇を決定してもよい。例えば、図1の例において、決定部133は、顧客対応時のオペレータ感情及び顧客感情に基づいて、オペレータU1に対する処遇を決定する。
【0066】
また、決定部133は、利用者が対応を行った後の他の利用者の感情が、利用者が対応を行う前の他の利用者の感情よりも肯定的である場合は、利用者に対して所定のインセンティブを付与することを決定してもよい。例えば、図1の例において、決定部133は、顧客対応を行う前に否定的であった顧客C1の感情が顧客対応を行った後に肯定的となった場合、顧客C1への顧客対応時に、オペレータU1への負荷、並びに、オペレータU1の職務への貢献があったとして、オペレータU1に対して所定のインセンティブを付与することを決定する。
【0067】
また、決定部133は、利用者の感情と、複数の他の利用者の感情とに基づいて、利用者に対する処遇を決定してもよい。例えば、図1の例において、決定部133は、オペレータU1との各種接触行為(例えば、挨拶、会話など)が行われた際のオペレータU1の感情やオペレータU1の同僚の感情に基づいて、オペレータU1に対する処遇を決定する。
【0068】
例えば、オペレータU1との接触行為が行われた後のオペレータU1の同僚の感情が、接触行為が行われる前よりも肯定的となった場合、決定部133は、オペレータU1の職務への貢献があったとして、オペレータU1に対して所定のインセンティブを付与することを決定する。また、例えば、オペレータU1との接触行為が行われた後のオペレータU1の同僚の感情が、種接触行為が行われる前よりも肯定的となり、且つ、接触行為が行われた際のオペレータU1の感情が否定的である場合、決定部133は、オペレータU1への負荷、並びに、オペレータU1の職務への貢献があったとして、オペレータU1に対して所定のインセンティブを付与することを決定する。
【0069】
また、決定部133は、推定部132により推定された感情に基づいて、利用者の職務における負荷を推定し、推定した負荷に応じて利用者に対する処遇を決定してもよい。例えば、図1の例において、顧客対応を行った後のオペレータU1の感情が、顧客対応を行う前よりも否定的な感情となった場合、決定部133は、オペレータU1への負荷を推定し、負荷に応じたオペレータU1に対する処遇(例えば、オペレータU1の管理者等への注意喚起や、役職変更など)を決定する。
【0070】
〔4.決定処理のフロー〕
ここで、図5を用いて、実施形態に係る決定装置100の決定処理の手順について説明する。図5は、実施形態に係る決定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0071】
図5に示すように、決定装置100は、オペレータの音声や生体情報、並びに、
顧客の音声を取得する(ステップS101)。続いて、決定装置100は、取得した情報に基づいて、オペレータ感情及び顧客感情を推定する(ステップS102)。例えば、図1の例において、決定装置100は、利用者の感情と、当該感情と因果関係を有する利用者の音声との間の関係性を学習したモデルを用いて、取得したオペレータ音声及び顧客音声に基づき、顧客対応時のオペレータU1及び顧客C1の感情を推定する。
【0072】
続いて、決定装置100は、推定したオペレータ感情や顧客感情に基づき、オペレータの処遇を決定する(ステップS103)。例えば、図1の例において、決定装置100は、推定したオペレータ感情や顧客感情に応じて、オペレータU1に所定のインセンティブを付与することを決定する。続いて、決定装置100は、オペレータの処遇を送信し(ステップS104)、処理を終了する.例えば、図1の例において、決定装置100は、決定したオペレータU1への処遇に関する情報をオペレータ管理サーバ30に送信する。
【0073】
〔5.変形例〕
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更及び応用が可能である。
【0074】
〔5-1.利用者の職務について〕
上述の実施形態において、利用者の職務がオペレータである例を示したが、決定装置100の機能はこのような例に限定されない。決定装置100は、各種の職務において利用者が有した感情や、各種の職務において利用者が対応した他の利用者の感情に基づいて、利用者の処遇を決定してもよい。
【0075】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る決定装置100は、取得部131と、推定部132と、決定部133とを有する。取得部131は、利用者に関する情報を取得する。推定部132は、処遇の決定対象となる利用者の感情を推定する。決定部133は、推定部132により推定した感情に基づいて、利用者に対する処遇を決定する。
【0076】
これにより、実施形態に係る決定装置100は、利用者の感情に基づいて利用者の負荷や職務への貢献を評価するため、利用者に対する適切な処遇を決定することができる。
【0077】
また、実施形態に係る決定装置100において、例えば、決定部133は、処遇として、利用者に対して提供される利益の額を決定する。また、決定部133は、処遇として、利用者の役職を決定する。
【0078】
これにより、実施形態に係る決定装置100は、利用者の負荷や職務への貢献を利用者に提供される利益の額や役職に反映するため、利用者に対する適切な処遇を決定することができる。
【0079】
また、実施形態に係る決定装置100において、例えば、推定部132は、利用者が職務において有した感情を推定する。そして、決定部133は、職務における利用者の処遇を決定する。また、推定部132は、利用者が職務において他の利用者の対応を行った際に有した感情を推定する。また、決定部133は、利用者が他の利用者の対応を行う前の感情と、当該他の利用者の対応を行った後の感情とが所定の条件を満たすか否かに基づいて、利用者に対する処遇を決定する。また、決定部133は、利用者が他の利用者の対応を行う前の感情より、当該他の利用者の対応を行った後の感情が否定的な感情である場合は、利用者に対する処遇として、当該利用者に対して所定のインセンティブを付与することを決定する。また、決定部133は、推定部132により推定された感情に基づいて、利用者の職務における負荷を推定し、推定した負荷に応じて利用者に対する処遇を決定する。
【0080】
これにより、実施形態に係る決定装置100は、他の利用者の対応を行った際の感情に応じて利用者の処遇を決定するため、利用者に対する適切な処遇を決定することができる。
【0081】
また、実施形態に係る決定装置100において、例えば、推定部132は、さらに、利用者が職務において対応した他の利用者の感情を推定する。そして、決定部133は、利用者が他の利用者の対応を行った際の感情と、他の利用者の感情とに基づいて、利用者に対する処遇を決定する。また、取得部131は、他の利用者に関する情報を取得する。そして、推定部132は、取得部131により取得した情報に基づいて、他の利用者の感情を推定する。また、決定部133は、利用者が対応を行った後の他の利用者の感情が、利用者が対応を行う前の他の利用者の感情よりも肯定的である場合は、利用者に対して所定のインセンティブを付与することを決定する。
【0082】
これにより、実施形態に係る決定装置100は、利用者が対応を行った他の利用者の感情に基づいて利用者の処遇を決定するため、利用者に対する適切な処遇を決定することができる。
【0083】
また、実施形態に係る決定装置100において、例えば、推定部132は、さらに、利用者と所定の関連性を有する複数の他の利用者の感情をそれぞれ推定する。そして、決定部133は、利用者の感情と、複数の他の利用者の感情とに基づいて、利用者に対する処遇を決定する。
【0084】
これにより、実施形態に係る決定装置100は、利用者と所定の関連性を有する同僚等に対する利用者の貢献を評価できるため、利用者に対する適切な処遇を決定することができる。
【0085】
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた各実施形態に係る決定装置は、例えば図6に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、決定装置100を例に挙げて説明する。図6は、決定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、ROM1200、RAM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0086】
CPU1100は、ROM1200又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1200は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0087】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網500(実施形態のネットワークNに対応する)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、また、通信網500を介してCPU1100が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0088】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0089】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1300を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1300上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0090】
例えば、コンピュータ1000が決定装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1300上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、決定装置100の記憶装置内の各データが格納される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0091】
〔8.その他〕
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0092】
また、上述した決定装置100は、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0093】
また、特許請求の範囲に記載した「部」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0094】
10 オペレータ端末
20 顧客端末
30 オペレータ管理サーバ
100 決定装置
110 通信部
120 記憶部
121 処遇条件記憶部
122 モデル記憶部
130 制御部
131 取得部
132 推定部
133 決定部
図1
図2
図3
図4
図5
図6