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  • 特許-モータ制御装置およびモータ制御方法 図1A
  • 特許-モータ制御装置およびモータ制御方法 図1B
  • 特許-モータ制御装置およびモータ制御方法 図2
  • 特許-モータ制御装置およびモータ制御方法 図3A
  • 特許-モータ制御装置およびモータ制御方法 図3B
  • 特許-モータ制御装置およびモータ制御方法 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】モータ制御装置およびモータ制御方法
(51)【国際特許分類】
   B60L 15/20 20060101AFI20230718BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20230718BHJP
【FI】
B60L15/20 S
B60L15/20 Y
B60L3/00 N
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019151478
(22)【出願日】2019-08-21
(65)【公開番号】P2021035128
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萩原 正俊
(72)【発明者】
【氏名】小山 和哉
【審査官】佐々木 淳
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-049825(JP,A)
【文献】特開2006-025485(JP,A)
【文献】特開2018-186645(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60L 1/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左右の駆動輪にそれぞれ取り付けられた回転駆動用のモータを個別に制御するモータ制御装置であって、
前記車両の旋回を行う場合、前記左右の駆動輪のうち車両旋回時に内側となる内輪に第1の負トルクを印加するように前記内輪のモータを制御し、前記内輪に前記第1の負トルクを印加した後、前記第1の負トルクより小さい第2の負トルクを前記内輪に印加するように前記モータを制御する、第1旋回制御を実行するモータ制御部
を備え、
前記モータ制御部は、
前記車両の速度が第1速度以上の場合、前記第1旋回制御の実行を禁止すること
を特徴とするモータ制御装置。
【請求項2】
前記モータ制御部は、
前記内輪に前記第1の負トルクを印加した後、前記内輪にスリップ状態が発生したと判定した場合に前記第2の負トルクを前記内輪に印加すること
を特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
【請求項3】
前記モータ制御部は、
前記内輪に負トルクを印加する場合、前記左右の駆動輪のうち車両旋回時に外側となる外輪に加わっている正トルクを増加させるように、前記外輪のモータを制御すること
を特徴とする請求項1または2に記載のモータ制御装置。
【請求項4】
前記モータ制御部は、
前記車両の速度が第1速度以上の場合、前記内輪に対してスリップ状態が発生しない範囲で負トルクを印加するように前記モータを制御する、第2旋回制御を実行すること
を特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載のモータ制御装置。
【請求項5】
前記モータ制御部は、
前記車両の速度が第1速度より低い第2速度以下の場合、前記第1旋回制御よりも小さい旋回半径での旋回を可能にする第3旋回制御を実行すること
を特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載のモータ制御装置。
【請求項6】
前記モータ制御部は、
通常のステアリング操舵とは異なる前記第3旋回制御の実行を指示する実行指示を受け付けた場合、前記第3旋回制御を実行すること
を特徴とする請求項に記載のモータ制御装置。
【請求項7】
前記モータ制御部は、
前記実行指示を受けてから予め設定された所定時間が経過した後、前記第3旋回制御を実行すること
を特徴とする請求項に記載のモータ制御装置。
【請求項8】
前記第1旋回制御または前記第3旋回制御を実行する場合、前記車両の乗員に対する所定の通知制御を実行する通知部
を備えることを特徴とする請求項のいずれか一つに記載のモータ制御装置。
【請求項9】
車両の左右の駆動輪にそれぞれ取り付けられた回転駆動用のモータを個別に制御するモータ制御装置であって、
前記車両の旋回を行う場合、前記左右の駆動輪のうち車両旋回時に内側となる内輪にスリップ状態を発生させる第1の負トルクを印加するように前記内輪のモータを制御し、前記内輪前記第1の負トルク印加によって発生したスリップ状態から路面にグリップするグリップ状態に移行した後、前記第1の負トルクより小さい第2の負トルクを前記内輪に印加するように前記モータを制御する、第1旋回制御を実行するモータ制御部
を備えることを特徴とするモータ制御装置。
【請求項10】
制御装置が実行する、車両の左右の駆動輪にそれぞれ取り付けられた回転駆動用のモータを個別に制御するモータ制御方法であって、
前記車両の旋回を行う場合、前記左右の駆動輪のうち車両旋回時に内側となる内輪に第1の負トルクを印加するように前記内輪のモータを制御し、前記内輪に前記第1の負トルクを印加した後、前記第1の負トルクより小さい第2の負トルクを前記内輪に印加するように前記モータを制御する、第1旋回制御を実行し、
前記第1旋回制御は、
前記車両の速度が第1速度以上の場合には、実行を禁止すること
を特徴とするモータ制御方法。
【請求項11】
制御装置が実行する、車両の左右の駆動輪にそれぞれ取り付けられた回転駆動用のモータを個別に制御するモータ制御方法であって、
前記車両の旋回を行う場合、前記左右の駆動輪のうち車両旋回時に内側となる内輪にスリップ状態を発生させる第1の負トルクを印加するように前記内輪のモータを制御し、前記内輪前記第1の負トルク印加によって発生したスリップ状態から路面にグリップするグリップ状態に移行した後、前記第1の負トルクより小さい第2の負トルクを前記内輪に印加するように前記モータを制御する、第1旋回制御を実行すること
を特徴とするモータ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータ制御装置およびモータ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の左右の駆動輪にそれぞれ取り付けられた回転駆動用のモータを制御するようにしたモータ制御装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。なお、上記した従来技術にあっては、モータを個別に制御することで、車両を旋回させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-106171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術には、車両の旋回性を向上させるという点で、さらなる改善の余地があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車両の旋回性を向上させることができるモータ制御装置およびモータ制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、モータ制御装置において、モータ制御部を備える。モータ制御部は、車両の左右の駆動輪にそれぞれ取り付けられた回転駆動用のモータを個別に制御する。また、前記モータ制御部は、前記車両の旋回を行う場合、前記左右の駆動輪のうち車両旋回時に内側となる内輪に第1の負トルクを印加するように前記内輪のモータを制御し、前記内輪に前記第1の負トルクを印加した後、前記第1の負トルクより小さい第2の負トルクを前記内輪に印加するように前記モータを制御する、第1旋回制御を実行する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、車両の旋回性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A図1Aは、実施形態に係るモータ制御方法の概要を示す図である。
図1B図1Bは、実施形態に係るモータ制御方法の概要を示す図である。
図2図2は、実施形態に係るモータ制御装置の構成を示すブロック図である。
図3A図3Aは、第1旋回制御の実行前の車両を示す図である。
図3B図3Bは、第1旋回制御の実行後の車両を示す図である。
図4図4は、モータ制御装置が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するモータ制御装置およびモータ制御方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
以下では先ず、実施形態に係るモータ制御方法の概要について図1A,1Bを参照して説明する。図1A,1Bは、実施形態に係るモータ制御方法の概要を模式的に示す図である。
【0011】
図1Aに示すように、車両Cは、例えば、4つの駆動輪50を備えた四輪自動車である。以下では、車両C左前方の駆動輪50を「左前輪50FL」、右前方の駆動輪50を「右前輪50FR」、左後方の駆動輪50を「左後輪50RL」、右後方の駆動輪50を「右後輪50RR」と記載する場合がある。なお、駆動輪50の数は、図1Aの例に限られない。すなわち、駆動輪50は、少なくとも車両Cの左右にそれぞれあれば、3つ以下であっても、5つ以上であってもよい。また、車両Cに設けられた車輪が全て駆動輪である必要はなく、例えば駆動輪を前輪のみにする、あるいは後輪のみにする等の構成であってもよい。
【0012】
車両Cには、モータ制御装置10と、モータ60とが搭載される。モータ60は、駆動輪50にそれぞれ取り付けられ、駆動輪50を回転駆動する。すなわち、モータ60は、複数あり、車両Cの駆動輪50それぞれを回転駆動する。以下では、左前輪50FLに取り付けられたモータ60を「左前輪用モータ60FL」、右前輪50FRに取り付けられたモータ60を「右前輪用モータ60FR」、左後輪50RLに取り付けられたモータ60を「左後輪用モータ60RL」、右後輪50RRに取り付けられたモータ60を「右後輪用モータ60RR」と記載する場合ある。
【0013】
モータ制御装置10は、モータ60を個別に制御することができる。例えば、モータ制御装置10は、図示しないアクセルペダルの操作量などに応じた指令値をモータ60に出力して、各モータ60を制御することができる。かかるモータ60の制御により、モータ60が回転駆動し、モータ60の回転に伴って駆動輪50が回転し、車両が走行する。
【0014】
本実施形態に係るモータ制御装置10にあっては、上記したモータ60を適切に制御することで、車両Cの旋回性を向上させるようにした。
【0015】
詳説すると、ステアリング(ステアリングホイール)51が図示しない運転者によって操作されて車両Cの旋回要求がなされると、例えば、左前輪50FLおよび右前輪50FRが旋回方向へ向けて転舵される。図1Aの例では、左前輪50FLおよび右前輪50FRは、車両Cの右側に向けて転舵され、車両Cは、矢印Aで示す右旋回がなされる。なお、ここでは、車両Cは、低速で走行した状態で、旋回が行われるものとする。
【0016】
本実施形態に係るモータ制御装置10は、運転者が急速な旋回を所望(希望)しているか否かを判定する。例えば、モータ制御装置10は、車速が所定速度未満であり、ステアリング51のステアリング操作量が所定最大量あるいは所定最大量付近まで操作されたときに、運転者が、例えばUターン等のために急速な旋回を所望していると判定する。
【0017】
なお、上記した、運転者が急速な旋回を所望していると判定する条件は、あくまでも一例であって限定されるものではない。すなわち、例えば、上記した条件に加えて、ナビゲーション装置やカメラ等を用いて、車両周囲がUターン等の急旋回が可能な場所であるかを条件とするようにしてもよいし、その他の条件であってもよい。
【0018】
そして、図1Bに示すように、モータ制御装置10は、運転者が急な旋回を所望していると判定され、車両Cの旋回を行う場合、左右の駆動輪50のうち車両旋回時に内側となる内輪(図1Bの例では右後輪50RR)に第1の負トルクD1を印加するように、内輪のモータ(図1Bの例では右後輪用モータ60RR)を制御する。
【0019】
ここで、第1の負トルクD1は、内輪(右後輪50RR)を停止させる方向のトルクであり、詳しくは、内輪にスリップ状態を発生させるような負トルクである。
【0020】
これにより、車両Cの低速走行により回転していた内輪は、スリップ状態(ほぼスリップ状態を含む)となる。そして、内輪がスリップ状態となると、車輪と路面とが離れた状態となるので、車両Cの走行速度に関係なく、加えられた負トルクによって内輪の回転数が急速に低下していく。その後、内輪の回転数がある程度の回転数(例えば、0回転数に近い回転数)まで低下すると、内輪はスリップ状態からグリップ状態に移行するが、低い回転数にあるときに路面とグリップした状態になるので、内輪は回転が停止した状態(ほぼ停止した状態を含む)となる。従って、車両Cは、回転が停止した内輪を支点Bとして旋回することが可能になって、車両Cの旋回半径を小さくすることができ、よって車両Cの旋回性を向上させることができる。
【0021】
ここで、モータ制御装置10は、内輪に第1の負トルクD1を印加したことで、車両C全体としての駆動トルク(総駆動トルク)が減少しないように、モータ60の制御を行うことができる。
【0022】
具体的には、モータ制御装置10は、内輪に負トルク(例えば第1の負トルクD1)を印加する場合、左右の駆動輪50のうち車両旋回時に外側となる外輪(図1Bの例では左後輪50RL)に正トルクE1を印加するように、外輪のモータ60(図1Bの例では左後輪用モータ60RL)を制御する。なお、正トルクE1は、例えば、車両Cに対して要求される要求トルク量に設定される。または、正トルクE1は、内輪に加えた負トルクの絶対値と同じトルク量を、外輪に正トルクとしてそれまで加わっているトルク量に加算した値であってもよい。
【0023】
これにより、車両C全体としての駆動トルク(総駆動トルク)が減少することを抑制でき、例えば、運転者などに対して違和感を与えにくくすることが可能となり、また、外輪側の駆動トルクが内輪に比べて大きくなるので、旋回量を大きくすることが可能になる。
【0024】
また、モータ制御装置10は、第2の負トルクD2を印加することで、回転が停止またはほぼ停止した内輪を、路面にグリップさせる(言い換えると、グリップ状態を継続させる)モータ60の制御を行うことができる。
【0025】
具体的には、モータ制御装置10は、内輪(右後輪50RR)に第1の負トルクD1を印加した後、第1の負トルクD1より小さい第2の負トルクD2を内輪に印加するようにモータ60(右後輪用モータ60RR)を制御する。
【0026】
これにより、内輪は路面にグリップして停止した状態から、さらに逆回転して後進方向に回転してしまうことを防ぎ、停止状態を維持することが可能となる。すなわち、内輪を支点Bとして機能させた状態を維持することができ、よって、車両Cの旋回を、より確実に内輪を支点Bとして行うことができるようになる。
【0027】
なお、以下では、上記した、車両Cの旋回を行う場合に、内輪に第1の負トルクD1を印加し、第1の負トルクD1を印加した後、第2の負トルクD2を内輪に印加するようにモータ60を制御する旋回制御を「第1旋回制御」と記載する場合がある。
【0028】
また、モータ制御装置10は、上記したように、車両Cが低速走行している場合に、詳しくは、車両Cの速度が所定速度未満の場合に、内輪に第1の負トルクD1を印加するように内輪のモータ60を制御する、言い換えると、第1旋回制御を実行する。逆に言えば、モータ制御装置10は、車両Cの速度が所定速度以上の場合、第1旋回制御の実行を禁止する。なお、所定速度は、車両Cが低速走行していると判定可能な、比較的小さい値であり、第1速度の一例である。
【0029】
これにより、例えば、低速走行である状態のときに、本実施形態に係る旋回制御が行われるので、高速走行時に急旋回を行うと発生する可能性がある車両スピン等の発生を確実に防止することが可能となる。
【0030】
次に、図2を参照して、実施形態に係るモータ制御装置10の構成について詳しく説明する。図2は、実施形態に係るモータ制御装置10の構成を示すブロック図である。なお、図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0031】
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0032】
図2に示すように、モータ制御装置10には、回転数センサ40と、操舵角センサ41と、車速センサ42と、ヨーレートセンサ43と、各モータ60とが接続される。
【0033】
回転数センサ40は、4つのモータ60の回転数を検出するセンサである。操舵角センサ41は、ステアリング51(図1A参照)のステアリング操作量を検出するセンサである。車速センサ42は、車両Cの速度を検出するセンサである。ヨーレートセンサ43は、車両Cの旋回速度を検出するセンサである。これら回転数センサ40、操舵角センサ41、車速センサ42およびヨーレートセンサ43は、それぞれ検出結果を示す信号をモータ制御装置10へ出力する。
【0034】
モータ60は、駆動輪50(図1A参照)に接続され、駆動輪50を回転駆動する。モータ60としては、インホイールモータを用いることができる。また、モータ60は、モータ制御装置10から入力される指令値に基づいて制御される。
【0035】
モータ制御装置10は、制御部20と、記憶部30とを備える。制御部20は、検出部21と、旋回判定部22と、モータ制御部23と、通知部24とを備える。
【0036】
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するコンピュータや各種の回路を含む。
【0037】
コンピュータのCPUは、例えば、ROMに記憶されたプログラムを読み出して実行することによって、制御部20の検出部21、旋回判定部22、モータ制御部23および通知部24として機能する。
【0038】
また、制御部20の検出部21、旋回判定部22、モータ制御部23および通知部24の少なくともいずれか一部または全部をASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成することもできる。
【0039】
また、記憶部30は、例えば、データフラッシュやHDD(Hard Disk Drive)等の書き換え可能な不揮発性メモリや、レジスタといった記憶デバイスであり、各種のプログラムや情報などを記憶する。
【0040】
制御部20の検出部21は、回転数センサ40から出力される信号に基づいて、駆動輪50の回転数を検出する。また、検出部21は、操舵角センサ41から出力される信号に基づいて、ステアリング51のステアリング操作量を検出する。また、検出部21は、車速センサ42から出力される信号に基づいて、車速を検出する。また、検出部21は、ヨーレートセンサ43から出力される信号に基づいて、ヨーレートを検出する。
【0041】
検出部21は、検出された駆動輪50の回転数や、車速、ヨーレートなどを、モータ制御部23に通知する。また、検出部21は、検出されたステアリング操作量などを旋回判定部22に通知する。
【0042】
旋回判定部22は、運転者が急速な旋回を所望しているか否かを判定する。かかる旋回は、実際に車両Cが旋回している状態であってもよいし、車両Cが旋回を開始する前の状態、言い換えると、車両Cが旋回を開始しようとしている状態であってもよい。
【0043】
例えば、旋回判定部22は、車速およびステアリング操作量に基づいて、運転者が急速な旋回を所望していると判定する。詳しくは、例えば、旋回判定部22は、車速が所定速度未満であり、ステアリング操作量が所定操作量(より詳しくは所定最大量)以上である場合、運転者が急速な旋回を所望していると判定する。なお、旋回判定部22は、かかる判定結果をモータ制御部23に通知する。
【0044】
モータ制御部23は、複数のモータ60を個別に制御する。例えば、モータ制御部23は、運転者が急速な旋回を所望していると判定され、車両Cの旋回を行う場合、第1旋回制御を実行する。なお、モータ制御部23は、上記したように、左前輪50FLおよび右前輪50FR(図1A参照)が旋回方向へ向けて転舵させ、転舵させた状態で車両Cの旋回を行うことができる。
【0045】
第1旋回制御について具体的に説明すると、モータ制御部23は、車両Cの旋回を行う場合、左右の駆動輪50のうち車両旋回時に内側となる内輪に第1の負トルクD1を印加するように、内輪のモータ60を制御する。なお、第1の負トルクD1は、下記の式(1)によって算出される。
第1負トルク=内輪への荷重×路面の動摩擦係数+タイヤの慣性モーメント
・・・式(1)
【0046】
これにより、内輪は、スリップ状態となり、その後グリップ状態に移行して回転が停止した状態となることから、車両Cは、内輪を支点B(図1B参照)として旋回することが可能になる。従って、本実施形態にあっては、車両Cの旋回半径を小さくすることができ、よって車両Cの旋回性を向上させることができる。
【0047】
また、モータ制御部23は、比較的短い所定時間範囲内で、第1の負トルクD1を内輪に一気に印加するように、モータ60を制御する。すなわち、所定時間範囲を超えるような長い時間をかけて第1の負トルクD1を印加してしまうと、車両Cが減速してしまうが、所定時間範囲内で印加することで、内輪をすぐにスリップ状態とすることができる。
【0048】
また、モータ制御部23は、内輪に第1の負トルクD1を印加した後、第2の負トルクD2(図1B参照)を内輪に印加するようにモータ60を制御することができる。なお、第2の負トルクD2は、第1の負トルクD1より小さく、内輪を路面にグリップさせた状態を継続させることができる値に設定される。詳しくは、内輪は、内輪以外の駆動輪50の駆動によって旋回する車両Cなどから引っ張られる力が作用するため、第2の負トルクD2は、かかる力に対抗できるような値とされる。例えば、第2の負トルクD2は、車両Cの慣性モーメントなどに基づいて設定される。
【0049】
このように、第2の負トルクD2を印加することで、内輪は路面にグリップした状態を継続することが可能となる、すなわち停止状態を維持することが可能となる。従って、内輪を支点Bとして機能させた状態を維持することができ、よって、車両Cの旋回を、より確実に内輪を支点Bとして行うことができるようになり、結果として車両Cの旋回性をより向上させることができる。
【0050】
また、第1の負トルクD1の印加から、第2の負トルクD2の印加に切り替えは、例えば、内輪にスリップ状態が発生したと判定(推定)されたタイミングで行われるようにしてもよい。
【0051】
例えば、モータ制御部23は、内輪に第1の負トルクD1を印加した後、検出された駆動輪50の回転数に基づいて、内輪にスリップ状態が発生したか否かを判定することができる。具体的には、モータ制御部23は、検出された駆動輪50の回転数に基づいて、回転数加速度を算出し、かかる回転数加速度がスリップ状態の発生を示す所定回転数加速度以下(回転数減速度が大きい状態)になったとき、内輪にスリップ状態が発生したと判定することができる。
【0052】
そして、モータ制御部23は、内輪にスリップ状態が発生したと判定した場合に、第1の負トルクD1の印加から、第2の負トルクD2の印加に切り替えるようにする。これにより、モータ制御部23は、内輪にスリップ状態が発生した適切なタイミングで、第1の負トルクD1の印加から第2の負トルクD2の印加に切り替えることができる。なお、上記した切り替えのタイミングは、あくまでも例示であって限定されるものではない。
【0053】
また、モータ制御部23は、内輪に負トルクを印加する場合、車両旋回時に外側となる外輪に正トルクE1(図B参照)を印加するように、外輪のモータ60を制御することができる。例えば、正トルクE1は、車両Cに対して要求される要求トルク量に応じて設定される。なお、要求トルク量は、図示しないアクセルペダルの操作量などに応じて設定される。
【0054】
具体的には、モータ制御部23は、外輪に加わっている正トルクE1を増加させるように、外輪のモータ60を制御する。詳しくは、モータ制御部23は、全ての駆動輪50に加わっているトルクの合計量が、車両Cに対して要求される要求トルク量となるように外輪のモータ60を制御する。
【0055】
より詳しくは、モータ制御部23は、内輪に加えた負トルクの絶対値と同じトルク量を、外輪に正トルクとしてそれまで加わっているトルク量に加算した正トルクE1を外輪に印加する。これにより、内輪に負トルク(例えば第1の負トルクD1)が印加されたときに、車両C全体としての駆動トルクが減少することを抑制することができる。
【0056】
また、モータ制御部23は、車両Cの速度が所定速度(第1速度)未満の場合で、車両Cが低速走行している場合に、第1旋回制御を実行する、詳しくは、内輪に第1の負トルクを印加するように内輪のモータ60を制御する。これにより、例えば、低速走行である状態のときに、第1旋回制御が行われるので、高速走行時に急旋回を行うと発生する可能性がある車両スピン等の発生を確実に防止することが可能となる。
【0057】
ここで、図3A,3Bを用い、上記した第1旋回制御の実行前と実行後の、車両Cの旋回について詳しく説明する。図3Aは、第1旋回制御の実行前の車両Cを示す図であり、図3Bは、実行後の車両Cを示す図である。
【0058】
なお、図3A,3Bにおいて、左前輪50FLや右前輪50FRなど前輪のベクトルを「ベクトルHf」で示し、左後輪50RLや右後輪50RRなど後輪のベクトルを「ベクトルHrx,Hr」で示している。そして、前輪のベクトルと後輪のベクトルとを合成した車両Cの移動方向のベクトルを「ベクトルHcx,Hc」で示している。また、図3A,3Bでは、第1旋回制御の実行によって変化するベクトルの、実行前のベクトルの符号の末尾に「x」を付して示している。また、図3Bでは、比較により理解を容易にするため、実行前の移動方向のベクトルHcxを破線で示した。
【0059】
上記したように、第1の負トルクD1を内輪(図3Bの例では右後輪50RR)に印加する第1旋回制御(モータ制御)を実行すると、内輪は、スリップ状態となって、その後グリップ状態となるため、回転が停止した状態となる。内輪にあっては、摩擦係数が動摩擦係数から静止摩擦係数に変化するため、内輪に作用する摩擦力が増加する。これにより、内輪(右後輪50RR)を支点Bとした車両Cの旋回が行われ、図3Bに示すように、後輪のベクトルHrが、旋回内側に遷移する。かかる後輪のベクトルHrの遷移に伴い、第1旋回制御実施後の移動方向のベクトルHcも旋回内側に遷移し、車両Cの旋回性が向上することとなる。
【0060】
図2の説明に戻ると、モータ制御部23は、例えば、車両Cが低速走行ではない状態や停車した状態で、車両Cが旋回するような場合、上記した第1の負トルクを内輪に印加するモータ制御、すなわち第1旋回制御とは異なるモータ制御を実行してもよい。
【0061】
例えば、モータ制御部23は、車両Cの速度が所定速度(第1速度)以上の場合、第1旋回制御の実行を禁止するようにしてもよい、詳しくは、内輪に第1の負トルクを印加するモータ制御を禁止するようにしてもよい。
【0062】
これにより、車両Cの旋回を安定させることができる。すなわち、車両Cの速度が所定速度以上であって、低速走行ではないときに、第1の負トルクを内輪に印加すると、旋回時の車両Cの挙動が不安定になり易い。そのため、上記したように、第1の負トルクを印加するモータ制御(第1旋回制御)を禁止することで、車両Cの旋回を安定させることができる。なお、モータ制御部23は、ステアリング操作量が所定最大量未満の場合にも、内輪に第1の負トルクを印加する第1旋回制御を禁止するようにしてもよい。
【0063】
また、モータ制御部23は、車両の速度が所定速度以上で、第1旋回制御を禁止して行わない場合、通常のモータ制御を実行してもよいし、第1旋回制御とは異なる、旋回時のモータ制御を実行してもよい。以下、かかる旋回時のモータ制御を「第2旋回制御」と記載する場合がある。
【0064】
モータ制御部23は、第2旋回制御として、例えば、内輪に対してスリップ状態が発生しない範囲で負トルクを印加するように、モータ60を制御する。これにより、モータ制御部23は、旋回時の車両Cの内輪にスリップ状態が発生して、挙動が不安定になることを抑制することができる。
【0065】
なお、モータ制御部23は、第2旋回制御を実行する際、内輪に印加した負トルクと対応する正トルクを外輪に印加するようにしてもよい。
【0066】
次に、車両Cが停車した状態での旋回について説明する。車両Cが停車した状態で旋回するような場合、内輪は既に停止した状態である。そのため、モータ制御部23は、車両Cの速度が第2速度以下の場合、内輪に第1の負トルクを印加する第1旋回制御を禁止するとともに、第1旋回制御よりも小さい旋回半径での旋回を可能にする第3旋回制御を実行してもよい。なお、上記した第2速度は、第1速度よりも低い速度であり、例えば0速度もしくは、ほぼ0速度に設定される。従って、車両Cの速度が第2速度以下の場合は、車両Cが停車した状態、もしくはほぼ停車した状態であることを意味する。
【0067】
第3旋回制御について具体的に説明すると、モータ制御部23は、車両Cの速度が第2速度以下の場合、例えば、4つの駆動輪50のそれぞれを旋回したい方向に転舵させ、その状態で4つの駆動輪を旋回したい方向に駆動させる。これにより、車両Cは車両中心点を中心に旋回が行われ、車両Cの旋回性をより向上させることができる。
【0068】
なお、第3の旋回制御として、第1旋回制御における内輪への負トルクの印加を行わずに、機械式のブレーキを用いて内輪を停止させた状態にして、内輪を支点Bとして車両Cの旋回を行う制御を行うようにしてもよい。
【0069】
また、上記した第3旋回制御では、ステアリングの操作量に対する車両Cの旋回量が、第2旋回制御等の通常の旋回制御時に比べて大きい。そのため、第3旋回制御が行われることを運転者に対して認識させておかないと、大きな旋回量により、運転者に違和感を与えてしまうことがある。また、第3旋回制御は、基本的に停車した状態で行うため、旋回制御をすぐさま実施する必要はない。
【0070】
そこで、モータ制御部23は、運転者などから、通常のステアリング操舵とは異なる第3旋回制御の実行を指示する特殊な実行指示を受け付けた場合に、第3旋回制御を実行するようにしてもよい。具体的には、例えば、車室内に設けられた所定の操作ボタンが運転者によって操作されたり、実行を指示する運転者の発話(例えば「この場所で右に旋回して」など)があったりした場合に、モータ制御部23は、実行指示を受け付けて第3旋回制御を実行してもよい。
【0071】
これにより、運転者は、第3旋回制御が行われること認識していることから、第3旋回制御による大きな旋回量による違和感を運転者に与えにくくすることができる。なお、モータ制御部23は、第3旋回制御に限らず、第1の負トルクを印加する第1旋回制御の実行を指示する特殊な実行指示を受け付けた場合に、第1旋回制御を実行するようにしてもよい。
【0072】
また、モータ制御部23は、実行指示を受けてから予め設定された所定時間が経過した後、第3旋回制御を実行するようにしてもよい。なお、所定時間は、運転者が余裕をもって第3旋回制御に対する準備ができるような値に設定されるが、これに限定されるものではない。すなわち、所定時間は、所定の待機時間であるともいえる。
【0073】
これにより、運転者は、大きな旋回量を伴う第3旋回制御を、余裕をもって行うことが可能になる。
【0074】
通知部24は、モータ制御に関する情報を乗員に通知することができる。例えば。通知部24は、第2旋回制御等の通常の旋回制御よりも急な旋回を行う第1旋回制御や第3旋回制御を実行する場合、車両の乗員に対する所定の通知制御を実行する。かかる所定の通知制御は、例えば、第1旋回制御や第3旋回制御など所定のモータ制御を実行する旨を車両の乗員に通知する制御である。なお、かかる通知は、音(音声)による通知や、表示ランプを点灯させたりするなど視覚を通じた通知によって行われるが、その通知手法は、これらに限定されるものではない。
【0075】
これにより、運転者に対し、第1旋回制御や第3旋回制御など所定のモータ制御が行われること認識させることが可能になり、所定のモータ制御を行うことによる違和感を運転者に与えにくくすることができる。特に、車両Cが走行状態にあるときには、運転者が認識していない旋回制御が行われることによって、車両Cの走行状態が不安定になってしまうことを防止することができる。
【0076】
次に、図4を用いて実施形態に係るモータ制御装置10が実行する処理手順について説明する。図4は、モータ制御装置10が実行する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0077】
図4に示すように、モータ制御装置10の制御部20は、車両Cのヨーレートが所定ヨーレート以上であるか否かを判定する(ステップS10)。なお、所定ヨーレートは、例えば、車両Cが横滑りしていると判定できるような値に設定される。すなわち、ステップS10では、車両Cが横滑りした状態であるか否かを判定する。
【0078】
制御部20は、車両Cのヨーレートが所定ヨーレート以上ではないと判定された場合(ステップS10,No)、ステアリング操作量が所定操作量(例えば所定最大量)以上であるか否かを判定する(ステップS11)。
【0079】
制御部20は、ステアリング操作量が所定操作量以上であると判定された場合(ステップS11,Yes)、車両Cの速度が第1速度(所定速度)未満であるか否かを判定する(ステップS12)。すなわち、ステップS11,S12は、車両Cが低速走行状態または停止状態で、運転者が急速な旋回を所望しているか否かを判定する処理である。
【0080】
制御部20は、車両Cの速度が第1速度未満であると判定された場合(ステップS12,Yes)、車両Cの速度が第1速度より低い第2速度以下であるか否かを判定する(ステップS13)。すなわち、ステップS13は、車両Cが停止状態であるか否かを判定する処理である。
【0081】
制御部20は、車両Cの速度が第2速度以下ではないと判定された場合(ステップS13,No)、すなわち、車両Cが停止状態ではなく、低速走行状態である場合、内輪に第1の負トルクを印加するようにモータ60を制御する、第1旋回制御を実行する(ステップS14)。続いて、制御部20は、外輪に正トルクを印加するように、詳しくは外輪に加わっている正トルクを増加させるように、外輪のモータ60を制御する(ステップS15)。
【0082】
次いで、制御部20は、内輪にスリップ状態が発生したか否かを判定する(ステップS16)。具体的にステップS16では、制御部20は、内輪のモータ60の回転数加速度が所定回転数加速度以下であるか否かを判定する。
【0083】
次いで、制御部20は、内輪にスリップ状態が発生したと判定された場合(ステップS16,Yes)、内輪に第2の負トルクを印加するようにモータ60を制御する、第1旋回制御を実行する(ステップS17)。すなわち、制御部20は、第1の負トルクD1の印加から、第2の負トルクD2の印加に切り替える。
【0084】
他方、制御部20は、内輪にスリップ状態が発生していないと判定された場合(ステップS16,No)、すなわち、内輪のモータ60の回転数加速度が所定回転数加速度以下ではないと判定された場合、ステップS17の処理をスキップする。
【0085】
制御部20は、車両Cのヨーレートが所定ヨーレート以上であると判定された場合(ステップS10,Yes)、第2旋回制御を実行する(ステップS18)。また、制御部20は、ステアリング操作量が所定操作量以上ではないと判定された場合(ステップS11,No)、または、車両Cの速度が第1速度未満ではないと判定された場合(ステップS12,No)、すなわち、運転者が急速な旋回を所望していない場合、ステップS18に進み、第2旋回制御を実行する。言い換えると、制御部20は、車両Cの速度が第1速度以上の場合、第1旋回制御の実行を禁止し、第2旋回制御を実行する。
【0086】
制御部20は、車両Cの速度が第2速度以下と判定された場合(ステップS13,Yes)、すなわち車両Cの停止状態であると判定された場合、予め設定された所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS19)。制御部20は、所定時間が経過していないと判定された場合(ステップS19,No)、ステップS19の処理を繰り返す。
【0087】
制御部20は、所定時間が経過したと判定された場合(ステップS19,Yes)、第3旋回制御を行う(ステップS20)。
【0088】
上述してきたように、実施形態に係るモータ制御装置10は、モータ制御部23を備える。モータ制御部23は、車両Cの左右の駆動輪50にそれぞれ取り付けられた回転駆動用のモータ60を個別に制御する。また、モータ制御部23は、車両Cの旋回を行う場合、左右の駆動輪50のうち車両旋回時に内側となる内輪に第1の負トルクを印加するように内輪のモータ60を制御し、内輪に第1の負トルクを印加した後、第1の負トルクより小さい第2の負トルクを内輪に印加するようにモータ60を制御する、第1旋回制御を実行する。これにより、車両Cの旋回性を向上させることができる。
【0089】
なお、上記した実施形態において、モータ制御装置10は、運転者が急速な旋回を所望して車両Cの旋回を行う場合に第1旋回制御や第3旋回制御を実行するようにしたが、これに限定されるものではなく、例えば、急速な旋回ではない通常の旋回を行う場合に第1旋回制御などを実行してもよい。
【0090】
また、急速な旋回時の安全性を高めるために、第1旋回制御で外輪に加える正トルクは、以下のようなものであってもよい。例えば、第1旋回制御で外輪に加える正トルクは、内輪に加えた負トルクの絶対値よりも小さいトルク量、または、第2旋回制御で外輪に加える正トルクに比べて小さいトルク量などであってもよい。
【0091】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0092】
10 モータ制御装置
20 制御部
21 検出部
22 旋回判定部
23 モータ制御部
24 通知部
50 駆動輪
60 モータ
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4