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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/59 20110101AFI20230718BHJP
   H01R 12/77 20110101ALI20230718BHJP
【FI】
H01R12/59
H01R12/77
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019163928
(22)【出願日】2019-09-09
(65)【公開番号】P2021044104
(43)【公開日】2021-03-18
【審査請求日】2022-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】松尾 誠也
(72)【発明者】
【氏名】松永 章宏
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-102312(JP,A)
【文献】特開2018-129244(JP,A)
【文献】特開2018-156861(JP,A)
【文献】特開平06-314581(JP,A)
【文献】米国特許第04526432(US,A)
【文献】特開2010-40394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R12/00-12/91
H01R24/00-24/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル導体に接続されるコネクタであって、
第1インシュレータと、
前記第1インシュレータに対向して配置された第2インシュレータと、
導電性材料から形成され且つ前記フレキシブル導体に接続されるコンタクトと
を備え、
前記フレキシブル導体は、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの間に挟み込まれて前記コンタクトに電気的に接続される内部導電部と、前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの外側に延びる外部導電部とを有し、
少なくとも前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの周縁部から前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの外側にまで延びるシート状部材が前記フレキシブル導体に重なった状態で前記第1インシュレータの周縁部と前記第2インシュレータの周縁部との間に挟まれることにより前記コネクタは前記シート状部材に取り付けられ、
前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータのうち、前記シート状部材と前記フレキシブル導体とが重なった箇所において前記フレキシブル導体側に位置する前記第1インシュレータは、前記フレキシブル導体に対応して形成された切り欠きを有し、
前記シート状部材が前記フレキシブル導体と共に前記第1インシュレータの縁部で屈曲されたときに、前記フレキシブル導体の前記内部導電部に隣接する前記外部導電部の一部は前記切り欠きに入り込むことを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記第1インシュレータは、前記切り欠きに接続され且つ前記フレキシブル導体の前記内部導電部が収容される導体収容溝を有する請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記第2インシュレータは、前記第2インシュレータの前記周縁部に形成され且つ前記シート状部材の一部が収容される段差部を有する請求項1または2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記切り欠きは、前記フレキシブル導体の幅よりもわずかに広い幅を有する請求項1~3のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記シート状部材は、絶縁性材料により形成されたコネクタ固定部材からなり、
前記コネクタ固定部材が衣服の布地に固定されることで、前記コネクタが前記衣服に取り付けられる請求項1~4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記シート状部材は、衣服の布地からなる請求項1~4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記第1インシュレータは、突起を有し、
前記コンタクトは、前記突起が挿入される凹状の突起収容部を有し、
前記突起が前記フレキシブル導体と共に前記コンタクトの前記突起収容部に挿入されることにより、前記フレキシブル導体が前記突起の側面と前記突起収容部の内面との間に挟まれて前記突起収容部の内面に接触することで前記コンタクトが前記フレキシブル導体に電気的に接続される請求項1~6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記コンタクトは、筒状部と、前記筒状部の一端に形成されたフランジを有し、
前記第2インシュレータは、前記コンタクトの前記筒状部が貫通し且つ前記フランジよりも小さいコンタクト用貫通孔を有し、
前記コンタクト用貫通孔に前記コンタクトの前記筒状部を貫通させると共に前記フランジを前記第1インシュレータに向けて押しつけるように前記第2インシュレータが前記第1インシュレータに固定されることで、前記コンタクトが前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータに固定される請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第2インシュレータは、前記第1インシュレータに向けて突出する複数のボスを有し、
前記第1インシュレータは、前記複数のボスが収容される複数のボス収容孔を有し、
前記複数のボスが前記複数のボス収容孔に収容されることで前記第2インシュレータは前記第1インシュレータに固定される請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記第2インシュレータは、相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を有する請求項7~9のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記フレキシブル導体は、導電繊維を用いて帯状または糸状に加工された導電部材である請求項1~10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記フレキシブル導体は、絶縁性の基板本体の表面上に露出するように配置され、
前記基板本体の裏面が前記第1インシュレータに対向し、前記フレキシブル導体が前記第2インシュレータに対向するように、前記フレキシブル導体が前記第1インシュレータおよび前記第2インシュレータの間に挟み込まれる請求項1~10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記コンタクトは、プラグ型のコンタクトである請求項1~12のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記コンタクトは、レセプタクル型のコンタクトである請求項1~12のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタに係り、特に、フレキシブル導体に接続されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル導体に接続されるコネクタとして、例えば、特許文献1には、図27に示されるようなコネクタ1が開示されている。このコネクタ1は、フレキシブル基板2を間に挟んでフレキシブル基板2の両側に配置されるハウジング3とベース部材4を備えている。フレキシブル基板2の表面上にフレキシブル導体5が露出しており、フレキシブル導体5の上に配置されたコンタクト6は、凹状の突起収容部7を有し、ベース部材4には、フレキシブル基板2の裏面に向かって突出する突起8が形成されている。
【0003】
フレキシブル基板2により突起8が覆われるようにフレキシブル基板2を間に挟んでベース部材4の突起8がフレキシブル基板2と共にコンタクト6の突起収容部7に挿入されると、突起8によりフレキシブル基板2がコンタクト6の突起収容部7の内面に押しつけられ、突起収容部7の内面がフレキシブル基板2の表面上に露出しているフレキシブル導体5に接触することで、コンタクト6がフレキシブル導体5に電気的に接続される。
【0004】
このようにしてコネクタ1が接続されたフレキシブル基板2のフレキシブル導体5は、ハウジング3およびベース部材4の外側に延び、例えば衣服の布地に配置されている衣服側配線に接続されることで、コネクタ1を、いわゆるウエアラブルデバイスを嵌合するための衣服側コネクタ部として使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-129244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このようなコネクタ1が取り付けられた衣服は、例えば、洗濯の際には水中においてコネクタ1と共に揉まれ、また、収納および保管する際にはコネクタ1が取り付けられた状態で折り畳まれることとなる。このため、ハウジング3およびベース部材4の外側に延びているフレキシブル基板2のフレキシブル導体5が、剛性を有するハウジング3およびベース部材4の縁部で折り曲げられ、この部分のフレキシブル導体5に曲げ応力が集中して断線するおそれがある。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、フレキシブル導体に作用する曲げ応力の集中を緩和してフレキシブル導体の断線を防止することができるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るコネクタは、フレキシブル導体に接続されるコネクタであって、第1インシュレータと、第1インシュレータに対向して配置された第2インシュレータと、導電性材料から形成され且つフレキシブル導体に接続されるコンタクトとを備え、フレキシブル導体は、第1インシュレータおよび第2インシュレータの間に挟み込まれてコンタクトに電気的に接続される内部導電部と、第1インシュレータおよび第2インシュレータの外側に延びる外部導電部とを有し、少なくとも第1インシュレータおよび第2インシュレータの周縁部から第1インシュレータおよび第2インシュレータの外側にまで延びるシート状部材がフレキシブル導体に重なった状態で第1インシュレータの周縁部と第2インシュレータの周縁部との間に挟まれることによりコネクタはシート状部材に取り付けられ、第1インシュレータおよび第2インシュレータのうち、シート状部材とフレキシブル導体とが重なった箇所においてフレキシブル導体側に位置する第1インシュレータは、フレキシブル導体に対応して形成された切り欠きを有し、シート状部材がフレキシブル導体と共に第1インシュレータの縁部で屈曲されたときに、フレキシブル導体の内部導電部に隣接する外部導電部の一部は切り欠きに入り込むものである。
【0009】
第1インシュレータは、切り欠きに接続され且つフレキシブル導体の内部導電部が収容される導体収容溝を有することが好ましい。
第2インシュレータは、第2インシュレータの周縁部に形成され且つシート状部材の一部が収容される段差部を有することが好ましい。
好ましくは、切り欠きは、フレキシブル導体の幅よりもわずかに広い幅を有している。
シート状部材は、絶縁性材料により形成されたコネクタ固定部材からなり、コネクタ固定部材が衣服の布地に固定されることで、コネクタが衣服に取り付けられるように構成することができる。
あるいは、シート状部材は、衣服の布地からなっていてもよい。
【0010】
好ましくは、第1インシュレータは、突起を有し、コンタクトは、突起が挿入される凹状の突起収容部を有し、突起がフレキシブル導体と共にコンタクトの突起収容部に挿入されることにより、フレキシブル導体が突起の側面と突起収容部の内面との間に挟まれて突起収容部の内面に接触することでコンタクトがフレキシブル導体に電気的に接続されることが好ましい。
コンタクトは、筒状部と、筒状部の一端に形成されたフランジを有し、第2インシュレータは、コンタクトの筒状部が貫通し且つフランジよりも小さいコンタクト用貫通孔を有し、コンタクト用貫通孔にコンタクトの筒状部を貫通させると共にフランジを第1インシュレータに向けて押しつけるように第2インシュレータが第1インシュレータに固定されることで、コンタクトが第1インシュレータおよび第2インシュレータに固定されることが好ましい。
【0011】
第2インシュレータは、第1インシュレータに向けて突出する複数のボスを有し、第1インシュレータは、複数のボスが収容される複数のボス収容孔を有し、複数のボスが複数のボス収容孔に収容されることで第2インシュレータは第1インシュレータに固定されることが好ましい。
第2インシュレータは、相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を有することが好ましい。
【0012】
フレキシブル導体は、導電繊維を用いて帯状または糸状に加工された導電部材とすることができる。
あるいは、フレキシブル導体は、絶縁性の基板本体の表面上に露出するように配置され、基板本体の裏面が第1インシュレータに対向し、フレキシブル導体が第2インシュレータに対向するように、フレキシブル導体が第1インシュレータおよび第2インシュレータの間に挟み込まれるように構成することもできる。
なお、コンタクトは、プラグ型のコンタクトとすることもでき、あるいは、レセプタクル型のコンタクトとすることもできる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、シート状部材がフレキシブル導体に重なった状態で第1インシュレータの周縁部と第2インシュレータの周縁部との間に挟まれることによりコネクタはシート状部材に取り付けられ、第1インシュレータおよび第2インシュレータのうち、シート状部材とフレキシブル導体とが重なった箇所においてフレキシブル導体側に位置する第1インシュレータは、フレキシブル導体に対応して形成された切り欠きを有し、シート状部材がフレキシブル導体と共に第1インシュレータの縁部で屈曲されたときに、フレキシブル導体の内部導電部に隣接する外部導電部の一部は切り欠きに入り込むので、フレキシブル導体に作用する曲げ応力の集中を緩和してフレキシブル導体の断線を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施の形態1に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図2】実施の形態1に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図3】実施の形態1に係るコネクタを示す側面図である。
図4】実施の形態1に係るコネクタの分解斜視図である。
図5】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを示す平面図である。
図6】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを示す側面図である。
図7】実施の形態1に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを斜め下方から見た斜視図である。
図8】実施の形態1に係るコネクタに用いられるコンタクトを示す斜視断面図である。
図9】実施の形態1に係るコネクタの部分断面図である。
図10】実施の形態1に係るコネクタを衣服の布地に取り付ける様子を示す斜視図である。
図11】衣服の布地に取り付けられた実施の形態1のコネクタにウエアラブルデバイスを嵌合する様子を示す斜視図である。
図12】シート状部材がフレキシブル導体と共に第1インシュレータの縁部で屈曲された状態における実施の形態1のコネクタを示す側面図である。
図13図12の状態における実施の形態1のコネクタの部分断面図である。
図14】実施の形態2に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図15】実施の形態2に係るコネクタを示す底面図である。
図16】実施の形態2に係るコネクタを示す側面図である。
図17】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを示す平面図である。
図18】実施の形態2に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを示す側面図である。
図19】実施の形態2に係るコネクタの部分断面図である。
図20】シート状部材がフレキシブル導体と共に第1インシュレータの縁部で屈曲された状態における実施の形態2のコネクタを示す側面図である。
図21図20の状態における実施の形態2のコネクタの部分断面図である。
図22】実施の形態3に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図23】実施の形態3に係るコネクタを示す側面図である。
図24】実施の形態3に係るコネクタの部分断面図である。
図25】シート状部材がフレキシブル導体と共に第1インシュレータの縁部で屈曲された状態における実施の形態3のコネクタを示す側面図である。
図26図25の状態における実施の形態3のコネクタの部分断面図である。
図27】従来のコネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1および図2に、実施の形態1に係るコネクタ11を示す。コネクタ11は、例えば、ウエアラブルデバイスを嵌合するための衣服側コネクタ部として使用されるもので、複数のフレキシブル導体21に接続されている。
【0016】
コネクタ11は、第1インシュレータ12と、複数のコンタクト13と、複数のフレキシブル導体21を間に挟んで第1インシュレータ12に対向する第2インシュレータ14を備えており、複数のコンタクト13と複数のフレキシブル導体21が互いに電気的に接続されている。第2インシュレータ14は、凹部14Aを有しており、複数のコンタクト13は、それぞれ、第2インシュレータ14の凹部14A内において、凹部14Aの平面状の底面に対し垂直に突出している。
【0017】
また、コネクタ11は、第2インシュレータ14と複数のフレキシブル導体21との間に配置されたシート状部材15を備えている。シート状部材15は、絶縁性を有する樹脂または布から形成されており、第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の外周部を切れ目なく囲むように第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の外側にまで延びている。
【0018】
複数のフレキシブル導体21は、それぞれ、導電繊維を用いて帯状に加工された導電部材であり、導電性と可撓性とを有している。また、複数のフレキシブル導体21は、互いに平行に延びるように配置されている。
ここで、便宜上、第2インシュレータ14の凹部14Aの底面がXY面に沿って延び、それぞれのフレキシブル導体21が延びる方向をY方向、それぞれのコンタクト13が突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
【0019】
図3に示されるように、第1インシュレータ12の+Z方向側に複数のフレキシブル導体21が配置され、複数のフレキシブル導体21の+Z方向側にシート状部材15が配置され、シート状部材15の+Z方向側に第2インシュレータ14が配置されている。
【0020】
図4に示されるように、第2インシュレータ14は、+Z方向に向かって開いている凹部14A内に形成された複数のコンタクト用貫通孔14Bを有している。凹部14Aは、図示しない相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を構成するものであり、複数のコンタクト用貫通孔14Bは、複数のコンタクト13に対応している。また、第2インシュレータ14の-Z方向を向いた面に、それぞれ-Z方向に突出する複数のボス14Cが形成されている。
【0021】
シート状部材15は、コネクタ11を図示しない衣服に取り付けるためのコネクタ固定部材を構成するもので、シート状部材15が衣服の布地に固定されることで、コネクタ11が衣服に取り付けられる。
シート状部材15には、中央に位置する開口部15Aが形成されると共に、開口部15Aの周縁に沿って,第2インシュレータ14の複数のボス14Cに対応する複数の貫通孔15Bが形成されている。
【0022】
複数のコンタクト13は、それぞれ、金属等の導電性材料から形成されたプラグ型のコンタクトで、第2インシュレータ14の凹部14Aに図示しない相手側コネクタの一部が収容された場合に、相手側コネクタの対応するコンタクトに接続されるものである。コンタクト13は、Z方向に延びる円筒形状の筒状部13Aと、筒状部13Aの-Z方向端部からXY面に沿って延びるフランジ13Bを有している。
【0023】
第1インシュレータ12は、平板部12Aを有し、平板部12Aに、それぞれ+Z方向に突出する複数の突起12Bが突出形成されている。複数の突起12Bは、複数のコンタクト13に対応している。さらに、平板部12Aには、第2インシュレータ14の複数のボス14Cに対応する複数のボス収容孔12Cが形成されている。
【0024】
第2インシュレータ14の複数のコンタクト用貫通孔14Bと、複数のコンタクト13と、複数のフレキシブル導体21と、第1インシュレータ12の複数の突起12Bは、互いにZ方向に整列する位置に配置されている。
同様に、第2インシュレータ14の複数のボス14Cと、シート状部材15の複数の貫通孔15Bと、第1インシュレータ12の複数のボス収容孔12Cは、互いにZ方向に整列する位置に配置されている。
【0025】
第2インシュレータ14のコンタクト用貫通孔14Bは、コンタクト13の筒状部13Aの外径より大きく且つフランジ13Bの外径より小さい内径を有し、コンタクト13の筒状部13Aを円滑に挿入することができるように構成されている。
また、シート状部材15の貫通孔15Bは、第2インシュレータ14のボス14Cの外径よりもわずかに大きい内径を有し、第2インシュレータ14のボス14Cを円滑に挿入することができるように構成されている。
【0026】
さらに、第1インシュレータ12のボス収容孔12Cは、第2インシュレータ14のボス14Cの外径に等しい、または、ボス14Cの外径よりもわずかに小さい内径を有し、複数のボス14Cを複数のボス収容孔12Cに収容することで、第1インシュレータ12と第2インシュレータ14が、互いに固定されるように構成されている。
【0027】
図5に示されるように、第1インシュレータ12の平板部12Aに、複数の突起12Bに対応して複数の導体収容溝12Dが形成されている。それぞれの導体収容溝12Dは、Y方向に延び、導体収容溝12DのY方向における両端部のうち、平板部12Aの中心側に位置する端部に、対応する突起12Bが突出形成され、反対側の端部は、平板部12Aの対応する縁部において開放されている。さらに、平板部12Aの縁部には、それぞれ、対応する導体収容溝12Dの開放端部に接続される複数の切り欠き12Eが形成されている。
【0028】
導体収容溝12Dは、対応するフレキシブル導体21を収容するもので、X方向にフレキシブル導体21の幅よりもわずかに広い幅W1を有すると共に、Z方向にフレキシブル導体21の厚さ寸法とほぼ等しい深さを有している。
また、切り欠き12Eは、対応するフレキシブル導体21がシート状部材15と共に屈曲した場合にフレキシブル導体21の一部が入り込むもので、X方向に導体収容溝12Dと同じ幅W1を有すると共に、Y方向に所定の長さL1を有している。すなわち、切り欠き12Eの存在により、導体収容溝12Dの開放端部は、導体収容溝12Dが形成されていない部分の平板部12Aの縁部よりも平板部12Aの内部に向かってY方向に長さL1だけ引っ込んだ位置に配置されている。
【0029】
図6に示されるように、第1インシュレータ12の突起12Bは、+Z方向に突出する概ね円柱形状を有している。
図7に示されるように、第2インシュレータ14の-Z方向を向いた面の周縁部に、複数のコンタクト用貫通孔14Bを囲むように窪んだ段差部14Dが形成されている。段差部14Dは、シート状部材15の開口部15Aの周縁部を収容するもので、シート状部材15の厚さ寸法とほぼ等しい深さを有している。
また、それぞれのコンタクト用貫通孔14Bを囲むように、環状のフランジ収容溝14Eが形成されている。フランジ収容溝14Eは、対応するコンタクト13のフランジ13Bを収容するもので、フランジ13Bの厚さ寸法とほぼ等しい深さを有している。
【0030】
図8に示されるように、コンタクト13の筒状部13Aは、+Z方向端部が閉じられた円筒形状を有し、フランジ13Bは、筒状部13Aの-Z方向端部に一体に形成され、筒状部13Aの内部に凹状の突起収容部13Cが形成されている。すなわち、突起収容部13Cの開口端部を囲むようにフランジ13Bが形成されている。
このようなコンタクト13は、例えば、プレス加工、切削、冷間圧造等により作製することができる。
【0031】
コネクタ11を複数のフレキシブル導体21に接続する際には、まず、第2インシュレータ14の複数のボス14Cがシート状部材15の複数の貫通孔15Bに挿入される。このとき、第2インシュレータ14の複数のコンタクト用貫通孔14Bは、シート状部材15の開口部15A内に位置している。
【0032】
次に、第2インシュレータ14の複数のコンタクト用貫通孔14Bにそれぞれ対応するコンタクト13の筒状部13Aが-Z方向から挿入され、複数のフレキシブル導体21を間に挟んで、第1インシュレータ12が第2インシュレータ14に向けて+Z方向に押し付けられる。これにより、第1インシュレータ12の複数の突起12Bが、それぞれ、対応するフレキシブル導体21と共に対応するコンタクト13の突起収容部13Cに挿入される。
また、第1インシュレータ12を第2インシュレータ14に押し付けることにより、第2インシュレータ14の複数のボス14Cが第1インシュレータ12の複数のボス収容孔12Cに圧入されて、第2インシュレータ14と第1インシュレータ12が互いに固定され、複数のフレキシブル導体21へのコネクタ11の接続が完了する。
【0033】
このようにして第1インシュレータ12の突起12Bがフレキシブル導体21と共にコンタクト13の突起収容部13Cに挿入されると、図9に示されるように、フレキシブル導体21が突起12Bの側面とコンタクト13の突起収容部13Cの内面との間に挟まれ、フレキシブル導体21が突起収容部13Cの内面に接触して、コンタクト13がフレキシブル導体21に電気的に接続される。
なお、それぞれのフレキシブル導体21のうち、第1インシュレータ12と第2インシュレータ14の間に挟み込まれてコンタクト13に電気的に接続される部分を、内部導電部21Aと呼び、第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の外側に延びる部分を、外部導電部21Bと呼ぶこととする。
【0034】
また、このとき、シート状部材15の開口部15Aの周縁部が第2インシュレータ14の段差部14Dに収容され、コンタクト13のフランジ13Bが第2インシュレータ14のフランジ収容溝14Eに収容され、フレキシブル導体21の内部導電部21Aが第1インシュレータ12の導体収容溝12Dに収容される。これにより、第1インシュレータ12の平板部12Aの+Z方向を向いた表面と第2インシュレータ14の-Z方向を向いた表面とが互いに接触する。従って、例えば接着剤を用いて、複数のフレキシブル導体21の内部導電部21Aを間に挟んだ状態で第1インシュレータ12と第2インシュレータ14とを接合し、第1インシュレータ12と第2インシュレータ14との間に固化した接着剤からなる防水層を形成することにより、防水性の優れたコネクタ11を形成することができる。
【0035】
図10に示されるように、コネクタ11を衣服の布地Cに取り付けることができる。布地Cには、シート状部材15よりも小さい開口部Hが形成されており、シート状部材15により開口部Hが覆われるように、コネクタ11が布地Cの表面側(+Z方向側)に配置される。シート状部材15の周縁部を絶縁性糸等により布地Cに縫合することにより、コネクタ11が衣服に取り付けられる。
なお、コネクタ11が接続された複数のフレキシブル導体21の外部導電部21Bは、開口部Hから布地Cの裏面側(-Z方向側)に通され、布地Cの裏面に配置されている図示しない衣服側配線に接続される。
これにより、コネクタ11は、図11に示されるように、相手側コネクタとしてウエアラブルデバイスMを嵌合するための衣服側コネクタ部として機能する。
【0036】
このようにして、コネクタ11が取り付けられた衣服は、洗濯の際には水中においてコネクタ11と共に揉まれ、また、収納および保管する際にはコネクタ11が取り付けられた状態で折り畳まれることとなる。このため、例えば図12に示されるように、第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の外側に延びているシート状部材15およびフレキシブル導体21の外部導電部21Bが、剛性を有する第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の縁部で折り曲げられることがある。
【0037】
しかしながら、図5に示されるように、第1インシュレータ12の平板部12Aの縁部には導体収容溝12Dの開放端部に接続された切り欠き12Eが形成されており、導体収容溝12Dの開放端部は、導体収容溝12Dが形成されていない部分の平板部12Aの縁部よりも平板部12Aの内部に向かってY方向に長さL1だけ引っ込んだ位置に配置されている。
そして、フレキシブル導体21の内部導電部21Aは、第1インシュレータ12の導体収容溝12Dに収容され、一方、シート状部材15は、第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の外周部を切れ目なく囲みつつ第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の外側に延びている。
【0038】
このため、例えば図13に示されるように、シート状部材15が、第1インシュレータ12の縁部で-Z方向に折り曲げられた場合であっても、フレキシブル導体21の内部導電部21Aに隣接する外部導電部21Bの一部が、第1インシュレータ12の導体収容溝12Dの開放端部に接続された切り欠き12Eに入り込み、フレキシブル導体21は、導体収容溝12Dの開放端部において急峻に折れ曲がることなく、比較的大きい曲率半径を有して緩やかに湾曲しながらシート状部材15に沿って-Z方向に延びることとなる。
【0039】
その結果、シート状部材15の折り曲げ部と緩やかに湾曲するフレキシブル導体21の外部導電部21Bとの間に空隙Sが形成される。
このようにして、フレキシブル導体21に作用する曲げ応力の集中が緩和され、コネクタ11が衣服に取り付けられた状態で長期間にわたり使用されても、フレキシブル導体21の断線を防止することが可能となる。
【0040】
なお、フレキシブル導体21が第1インシュレータ12の切り欠き12Eにおいて緩やかに湾曲するために、切り欠き12EのY方向の長さL1は、例えばフレキシブル導体21の厚さ寸法よりも長いことが望ましい。
また、第1インシュレータ12の導体収容溝12Dおよび切り欠き12Eは、X方向にフレキシブル導体21の幅よりもわずかに広い幅W1を有しているが、これに限るものではなく、フレキシブル導体21の幅に等しい幅であってもよい。
【0041】
実施の形態2
実施の形態1では、コネクタ11が、それぞれ帯状に加工された複数のフレキシブル導体21に接続されているが、これに限るものではない。
図14および図15に、実施の形態2に係るコネクタ31を示す。このコネクタ31は、それぞれ複数の導電繊維を撚り合わせることにより糸状に加工された複数のフレキシブル導体22に接続されるコネクタである。コネクタ31は、実施の形態1のコネクタ11において、第1インシュレータ12の代わりに第1インシュレータ32を用いるものであり、その他の構成は、実施の形態1に係るコネクタ11と同様である。
【0042】
すなわち、コネクタ31は、第1インシュレータ32と、複数のコンタクト13と、複数のフレキシブル導体22を間に挟んで第1インシュレータ32に対向する第2インシュレータ14と、第2インシュレータ14と複数のフレキシブル導体22との間に配置されたシート状部材15を備えている。
図16に示されるように、第1インシュレータ32の+Z方向側に複数のフレキシブル導体22が配置され、複数のフレキシブル導体22の+Z方向側にシート状部材15が配置され、シート状部材15の+Z方向側に第2インシュレータ14が配置されている。
【0043】
図17に示されるように、第1インシュレータ32は、平板部32Aを有し、平板部32Aに、それぞれ+Z方向に突出し且つ複数のコンタクト13に対応する複数の突起32Bが突出形成されると共に、複数の突起32Bに対応して複数の導体収容溝32Dが形成されている。それぞれの導体収容溝32Dは、Y方向に延び、導体収容溝32DのY方向における両端部のうち、平板部32Aの中心側に位置する端部に、対応する突起32Bが突出形成され、反対側の端部は、平板部32Aの対応する縁部において開放されている。さらに、平板部32Aの縁部には、それぞれ、対応する導体収容溝32Dの開放端部に接続される複数の切り欠き32Eが形成されている。
【0044】
導体収容溝32Dは、対応するフレキシブル導体22を収容するもので、X方向にフレキシブル導体22の直径寸法よりもわずかに広い幅W2を有すると共に、Z方向にフレキシブル導体22の直径寸法とほぼ等しい深さを有している。
また、切り欠き32Eは、対応するフレキシブル導体22がシート状部材15と共に屈曲した場合にフレキシブル導体22を収容するもので、X方向に導体収容溝32Dと同じ幅W2を有すると共に、Y方向に所定の長さL2を有している。すなわち、切り欠き32Eの存在により、導体収容溝32Dの開放端部は、導体収容溝32Dが形成されていない部分の平板部32Aの縁部よりも平板部32Aの内部に向かってY方向に長さL2だけ引っ込んだ位置に配置されている。
【0045】
また、平板部32Aには、第2インシュレータ14の複数のボス14Cに対応する複数のボス収容孔32Cが形成されている。
図18に示されるように、第1インシュレータ32の突起32Bは、実施の形態1のコネクタ11における第1インシュレータ12の突起12Bと同様に、+Z方向に突出する概ね円柱形状を有している。
【0046】
実施の形態1のコネクタ11と同様にして、コネクタ31を複数のフレキシブル導体22に接続することができ、第1インシュレータ32の複数の突起32Bが、それぞれ、対応するフレキシブル導体22と共に対応するコンタクト13の突起収容部13Cに挿入される。
また、第2インシュレータ14の複数のボス14Cが第1インシュレータ32の複数のボス収容孔32Cに収容されて、第2インシュレータ14と第1インシュレータ32が互いに固定される。
【0047】
第1インシュレータ32の突起32Bがフレキシブル導体22と共にコンタクト13の突起収容部13Cに挿入されると、図19に示されるように、フレキシブル導体22が突起32Bの側面とコンタクト13の突起収容部13Cの内面との間に挟まれ、フレキシブル導体22が突起収容部13Cの内面に接触して、コンタクト13がフレキシブル導体22に電気的に接続される。
このとき、それぞれのフレキシブル導体22の内部導電部22Aが、第1インシュレータ32と第2インシュレータ14の間に挟み込まれてコンタクト13に電気的に接続され、外部導電部22Bが、第1インシュレータ32および第2インシュレータ14の外側に延びている。
【0048】
例えば図20に示されるように、第1インシュレータ32および第2インシュレータ14の外側に延びているシート状部材15およびフレキシブル導体22の外部導電部22Bが、剛性を有する第1インシュレータ32および第2インシュレータ14の縁部で折り曲げられることがある。
【0049】
しかしながら、第1インシュレータ32の切り欠き32Eの存在により、図21に示されるように、フレキシブル導体22の内部導電部22Aに隣接する部分の外部導電部22Bが、第1インシュレータ32の導体収容溝32Dの開放端部に接続された切り欠き32Eに収容され、フレキシブル導体22は、導体収容溝32Dの開放端部において急峻に折れ曲がることなく、比較的大きい曲率半径を有して緩やかに湾曲しながらシート状部材15に沿って-Z方向に延びることとなる。
【0050】
その結果、シート状部材15の折り曲げ部と緩やかに湾曲するフレキシブル導体22の外部導電部22Bとの間に空隙Sが形成される。
このようにして、実施の形態1のコネクタ11と同様に、フレキシブル導体22に作用する曲げ応力の集中が緩和され、コネクタ31が衣服に取り付けられた状態で長期間にわたり使用されても、フレキシブル導体22の断線を防止することが可能となる。
【0051】
なお、フレキシブル導体22が第1インシュレータ32の切り欠き32Eにおいて緩やかに湾曲するために、切り欠き32EのY方向の長さL2は、例えばフレキシブル導体22の直径寸法よりも長いことが望ましい。
また、第1インシュレータ32の導体収容溝32Dおよび切り欠き32Eは、X方向にフレキシブル導体22の直径寸法よりもわずかに広い幅W2を有しているが、これに限るものではなく、フレキシブル導体22の直径寸法に等しい幅であってもよい。
【0052】
実施の形態3
上記の実施の形態1および2では、導電性を有するフレキシブル導体21、22が、例えば絶縁性の基板本体に支持されることなく、独立して第1インシュレータ12、32と第2インシュレータ14の間に挟み込まれているが、これに限るものではない。
図22および図23に、実施の形態3に係るコネクタ41を示す。このコネクタ41は、複数のフレキシブルテープ23に接続されるコネクタである。コネクタ41は、実施の形態1のコネクタ11と同様の構成を有している。
【0053】
フレキシブルテープ23は、樹脂等の絶縁性材料からなるシート状のフレキシブル基板24の表面上に、フレキシブル導体25が露出した状態で配置されたものであり、実施の形態1におけるフレキシブル導体21と同様に帯形状を有し、フレキシブル基板24は、実施の形態1におけるフレキシブル導体21の幅と同様の幅を有している。
【0054】
実施の形態1のコネクタ11と同様にして、コネクタ41を複数のフレキシブルテープ23に接続することができ、第1インシュレータ12の複数の突起12Bが、それぞれ、対応するフレキシブルテープ23と共に対応するコンタクト13の突起収容部13Cに挿入される。
第1インシュレータ12の突起12Bがフレキシブル導体22と共にコンタクト13の突起収容部13Cに挿入されると、フレキシブルテープ23が突起12Bの側面とコンタクト13の突起収容部13Cの内面との間に挟まれ、フレキシブルテープ23のフレキシブル導体25が突起収容部13Cの内面に接触して、コンタクト13がフレキシブル導体25に電気的に接続される。
【0055】
このとき、図24に示されるように、それぞれのフレキシブル導体25の内部導電部25Aが、第1インシュレータ12と第2インシュレータ14の間に挟み込まれ、外部導電部25Bが、第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の外側に延びている。
【0056】
例えば図25に示されるように、第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の外側に延びているシート状部材15およびフレキシブルテープ23が、剛性を有する第1インシュレータ12および第2インシュレータ14の縁部で折り曲げられることがある。
【0057】
しかしながら、第1インシュレータ12の切り欠き12Eの存在により、図26に示されるように、フレキシブル導体25の内部導電部25Aに隣接する外部導電部25Bの一部が、フレキシブル基板24と共に、第1インシュレータ12の導体収容溝12Dの開放端部に接続された切り欠き12Eに入り込み、フレキシブル導体25は、導体収容溝12Dの開放端部において急峻に折れ曲がることなく、比較的大きい曲率半径を有して緩やかに湾曲しながらシート状部材15に沿って-Z方向に延びることとなる。
【0058】
その結果、シート状部材15の折り曲げ部と緩やかに湾曲するフレキシブルテープ23との間に空隙Sが形成される。
このようにして、実施の形態1のコネクタ11および実施の形態2のコネクタ31と同様に、フレキシブル導体25に作用する曲げ応力の集中が緩和され、コネクタ41が衣服に取り付けられた状態で長期間にわたり使用されても、フレキシブルテープ23のフレキシブル導体25の断線を防止することが可能となる。
【0059】
なお、同様にして、フレキシブルテープ23の代わりに、布または織物等の生地の表面上に印刷法によりフレキシブル導体が形成された電極付き生地にコネクタ41を接続することもできる。この場合も、フレキシブル導体に作用する曲げ応力の集中が緩和され、電極付き生地のフレキシブル導体の断線を防止することが可能となる。
【0060】
なお、上記の実施の形態1~3では、シート状部材15が、コネクタ11を図示しない衣服に取り付けるためのコネクタ固定部材を構成しており、シート状部材15が衣服の布地に固定されることで、コネクタ11、31、41が衣服に取り付けられるが、これに限るものではなく、衣服の布地をそのままシート状部材として用いることもできる。
また、上記の実施の形態1~3では、プラグ型のコンタクト13が用いられているが、これに限るものではなく、同様にして、レセプタクル型のコンタクトを、フレキシブル導体21、22、25に接続するコネクタを構成することもできる。
【符号の説明】
【0061】
1 コネクタ、2 フレキシブル基板、3 ハウジング、4 ベース部材、5 フレキシブル導体、6 コンタクト、7 突起収容部、8 突起、11,31,41 コネクタ、12、32 第1インシュレータ、12A,32A 平板部、12B,32B 突起、12C,32C ボス収容孔、12D,32D 導体収容溝、12E,32E 切り欠き、13 コンタクト、13A 筒状部、13B フランジ、13C 突起収容部、14 第2インシュレータ、14A 凹部、14B コンタクト用貫通孔、14C ボス、14D 段差部、14E フランジ収容溝、15 シート状部材、15A 開口部、15B 貫通孔、21,22,25 フレキシブル導体、21A,22A,25A 内部導電部、21B,22B,25B 外部導電部、23 フレキシブルテープ、24 フレキシブル基板、W1,W2 幅、L1,L2 長さ、C 布地、H 開口部、M ウエアラブルデバイス、S 空隙。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15
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